本発明は、画像を表示する表示装置の技術分野に関する。
道路や広場等の公共空間や、駅構内、イベント会場、競技場等の公共施設、スーパーマーケットやモール等の商業施設においては、表示装置に対して様々な位置にいる多くの人に、見やすく表示画像を見てもらえることが好ましい。例えば、特許文献1には、光源を中心に円筒形をなすレンチキュラーレンズと透過光制御手段とを備え、この透過光制御手段に、レンチキュラーレンズを構成する各レンズに対して、水平方向に縮小した透過画像を形成した表示器が開示されている。
しかしながら、特許文献1のような従来技術においては、予め記録された透過画像をレンチキュラーレンズの内側の面に印刷する必要があった。そのため、表示画像を変更させるためには、貼り替えたり、印刷し直したりする必要があり、表示する画像の変更の自由度が低かった。
そこで、本発明の課題の一例は、表示する画像の変更の自由度を向上させた表示装置等を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、光を屈折して像を拡大する屈折手段と、複数の前記屈折手段を、視点側に対して凸形状に配置して支持する配置支持手段と、前記屈折手段に対して前記視点側と反対側に設けられ、画像投影手段からの投影光が投影された投影面の裏面に前記視点側から見える画像を映し出す画像映出手段と、を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の表示装置において、前記画像映出手段が、前記反対側の前記屈折手段の面に設けられたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の表示装置において、前記画像投影手段からの投影光を複数の方向から前記画像映出手段の投影面に投影することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の表示装置において、前記画像投影手段を更に備えたことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の表示装置において、前記画像投影手段からの投影光を反射して、前記反射した投影光を前記画像映出手段の投影面に投影する反射手段を更に備えたことを特徴とする。
本発明によれば、画像投影手段からの投影光が投影された投影面の裏面に映し出された画像が、屈折手段を通して見えるので、画像投影手段から出力する投影光を変更することにより、表示装置に表示する表示画像を容易に変更させることができる。
一実施形態に係る表示装置の概要構成例を示す模式図である。
図1の屈折手段の一例を示す模式図である。
図1の屈折手段を立体的に配置した一例を示す模式図である。
図1の屈折手段を立体的に配置した一例を示す模式図である。
屈折手段の形状の変形例を示す模式図である。
屈折手段の形状の変形例を示す模式図である。
屈折手段の形状の変形例を示す模式図である。
屈折手段の形状の変形例を示す模式図である。
屈折手段の形状の変形例を示す模式図である。
屈折手段の形状の変形例を示す模式図である。
屈折手段の形状の変形例を示す模式図である。
屈折手段の配置の一例を示す模式図である。
屈折手段の配置の一例を示す模式図である。
屈折手段の配置の一例を示す模式図である。
屈折手段の配置の一例を示す模式図である。
屈折手段の配置の一例を示す模式図である。
屈折手段の配置の一例を示す模式図である。
屈折手段の配置の一例を示す模式図である。
屈折手段の配置の一例を示す模式図である。
屈折手段の配置の一例を示す模式図である。
屈折手段の配置の一例を示す模式図である。
屈折手段の配置の一例を示す模式図である。
画像映出手段の一例を示す模式図である。
画像映出手段の一例を示す模式図である。
画像映出手段の変形例を示す模式図である。
画像映出手段の変形例を示す模式図である。
画像映出手段の変形例を示す模式図である。
画像映出手段の変形例を示す模式図である。
画像映出手段の変形例を示す模式図である。
画像映出手段の変形例を示す模式図である。
画像映出手段の変形例を示す模式図である。
制御装置の概要構成の一例を示すブロック図である。
画像投影手段の変形例を示す模式図である。
屈折手段における光路の一例を示す模式図である。
片凸の構造を有するレンズにおける反射の一例を示す模式図である。
片凸の構造を有するレンズにおける反射の一例を示す模式図である。
視点と各屈折手段の画像との関係の一例を示す模式図である。
視差と画像との関係の一例を示す模式図である。
第1実施例の表示装置におけるボールレンズの配置の一例を示す模式図である。
第1実施例の表示装置における表示の一例を示す模式図である。
第1実施例の表示装置における表示の一例を示す模式図である。
第1実施例の表示装置の変形例を示す模式図である。
第2実施例の表示装置における円柱レンズの配置の一例を示す模式図である。
第2実施例の表示装置における画像投影手段の一例を示す模式図である。
表示装置における反射手段の一例を示す模式図である。
表示装置の変形例を示す模式図である。
本願を実施するための形態について図を用いて説明する。
[1. 表示装置の構成および機能]
(1.1 表示装置の構成および機能の概要)
まず、表示装置の構成の概要について、図1から図3Bを用いて説明する。
図1は、一実施形態に係る表示装置の概要構成例を示す模式図である。図2は、屈折手段の一例を示す模式図である。図3Aおよび図3Bは、屈折手段を立体的に配置した一例を示す模式図である。
図1に示すように、表示装置1は、光を屈折して像を拡大する複数の屈折手段1aと、各屈折手段1aを支持して配置する配置支持手段1bと、投影光によって画像を映し出す画像映出手段1cと、画像映出手段1cに投影光を投影する画像投影手段1dと、を備える。
屈折手段1aは、例えば、円形状の断面を有している。屈折手段1aの一例として、例えば、図2に示すように、球形のボールレンズ10が挙げられる。さらに、屈折手段1aの一例として、円形状の断面を有する円柱形、楕円体、円錐形等のレンズが挙げられる。円形状は、曲率がほぼ一定の円形である。
配置支持手段1bは、図1に示すように、各屈折手段1aを、視点3側に対して凸形状に配置する。立体的には、例えば、図3Aに示すように、各ボールレンズ10(屈折手段1aの一例)が球面形状の曲面に配置される。図3Bに示すように、屈折手段1aが、円柱レンズ11の場合、同じ向きの各円柱レンズ11が円筒面状の曲面に配置される。なお、円錐形状や円錐台形状のレンズの場合、円錐台状の側面の曲面にレンズが配置される。なお、視点3は、表示装置1の外にある。
ここで、配置支持手段1bの凸形状の一例として、曲率がほぼ一定の球面形状、円筒の軸に垂直の面で断面が円形状になる円筒面形状が挙げられる。また、球面形状は、全球面、半球面等の球面の一部を形成する曲面で、曲率がほぼ一定の曲面である。また、円筒面形状は、全円筒、半円筒、1/4円筒等の円筒面の一部を形成する曲面で、円筒の軸方向と垂直に交わる平面による断面形状が、曲率がほぼ一定の円である。なお、必ずしも曲率が一定でない曲面の形状等でもよい。
なお、図3Bに示すように、視点3の場合(視点3の視点方向が、円柱レンズ11の底面と平行の場合)、円柱レンズ11の断面の形状は円形状になり、円柱レンズ11の断面の形状が同じなる。
また、図1は、図3Aおよび図3Bのように立体的に配置された各屈折手段1aを、ある視点3からのある断面で記載した断面図でもある。また、図1は、立体的に配置された各屈折手段1aの一例である円筒面形状の曲面に配置されたボールレンズ10をある断面で記載した断面図でもある。
画像映出手段1cは、図1に示すように、屈折手段1aに対して視点3側と反対側に設けられる。例えば、画像映出手段1cは、屈折手段1aの反対側の面に設けられる。
画像映出手段1cは、例えば、画像投影手段1dから投影された投影光による画像を映し出すスクリーンである。画像投影手段1dから出力された投影光が、スクリーンの投影面に投影されて投影画像が形成される。画像映出手段1cは、スクリーンの面の裏面に、裏面側から見て投影画像とは鏡映になる画像を映し出す透過型のスクリーンである。
ここで、画像投影手段1dから出力(または投射)された投影光が、画像映出手段1cの投影面に投影されることにより、投影面に形成される画像である。投影画像は、画像映出手段1cの投影面の形状と、画像投影手段1dの投影光と、その2つの手段の位置関係(距離や方向等)に依存して変わってよい。
図2に示すように、ボールレンズ10の半球面を、例えば、表面処理することにより、透過型のスクリーンである画像映出手段1cが形成される。図2に示すような透過型スクリーンがボールレンズ10の半球面に形成される場合、画像映出手段1cは、投影光が投影された投影面の裏面に視点3側から見える画像を映し出す。
画像映出手段1cは、図1に示すように、屈折手段1aに対して視点3側と反対側に設けられる。すなわち、画像映出手段1cは、表示装置1の外側の視点3に対して、表示装置1の内側に設けられる。図2に示すように、画像投影手段1dから画像映出手段1cに投影された投影光により、ボールレンズ10のような屈折手段1aに対して視点3側と反対側の屈折手段1aの面に形成画像5(図2中、文字”E”の鏡映像)が形成される。画像映出手段1cが、表面処理等により、反対側の屈折手段の面に設けられている場合、画像映出手段1cの投影面の裏面に映し出された画像(視点3側から見たら、文字”E”の正像に見える画像)が、形成画像5になる。この場合、画像映出手段1cの投影面の投影画像も、形成画像5(視点3と反対側から見たら、文字”E”の鏡映像に見える画像)になる。
図1に示すように、画像映出手段1cは、配置支持手段1bにより形成される凸形状の法線方向に、形成画像5の中心とする部分が向くように設けられる。すなわち、画像映出手段1cの中心部(形成画像の中心とする部分)が凸形状の法線方向に向くように、各屈折手段1aが配置支持手段1bにより支持される。画像映出手段1cの中心部と屈折手段1aの中心部とを結ぶ線が、配置支持手段1bの凸形状の面に対して、垂直方向になる。
視点3側と反対側の屈折手段1aの表面に形成された形成画像5の光は、屈折手段1aの内部を通過して、屈折手段1aから外部に出るとときに屈折し、視点3に達する。形成画像5のうち、視点3の方向に対応した一部分(部分形成画像)が、屈折手段1aにより拡大される。
画像投影手段1dは、制御装置50に接続され、制御装置50によって制御される。画像投影手段1dは、屈折手段1aに対して視点3側と反対側から屈折手段1aに向かう投影光を出力(または投射)する。画像投影手段1dから出力された投影光により、画像映出手段1cの投影面に投影画像が形成される。投影画像の光が画像映出手段1cを透過して、投影面の裏側に画像が映し出される。映し出された画像の光により、屈折手段1aの表面に形成画像が形成される。
制御装置50は、画像投影手段1dから出力する投影光が画像映出手段1cの投影面に形成する投影画像の画像データを生成する。制御装置50は、投影画像が画像映出手段1cの投影面に形成されるような投影光を、画像投影手段1dから出力するように、画像投影手段1dを制御する。
また、各画像映出手段1cの投影面の投影画像が、画像投影手段1dからの投影光によって、全ての屈折手段1aにおいて同一または類似する形成画像5を形成する場合、表示装置1に、視点3を変えても、同一または類似する画像が表示される。
ここで、凸形状の曲面に配置された屈折手段1aにおいて、隣り合った各屈折手段1aの一例として、屈折手段1aを中心とした各方向で、最近接にある他の屈折手段1aや、2番目に近い他の屈折手段1aが挙げられる。
(1.2 屈折手段の構成および機能)
次に、屈折手段1aの構成および機能について詳細に説明する。
屈折手段1aは、ガラス、プラスティック等の光を屈折して透過させる材質からなるレンズである。屈折手段1aの色は、光を透過できればよいので、透明に限らず、着色されたガラス等でもよい。
屈折手段1aは、少なくとも一部の断面が円形状である。屈折手段1aの立体形状は、球形、円柱、楕円体、円錐形等である。例えば、屈折手段1aの一例として、ボールレンズ、円柱レンズ等が挙げられる。さらに、屈折手段1aの立体形状は、円柱が樽のように膨らんだ形状、または、円柱が鼓のようにくびれた形状、円錐形の頂点側が削られた形状でもよい。
ここで、屈折手段1aの断面の形状である円形状は、真円に限らず、多少歪んでいてもよい。例えば、視点3から見て、表示装置1による表示される画像の形状が、表示装置1全体として、真円の場合の画像と認識できる程度に、真円から変形したり、歪んだりしてもよい。
さらに、図4Aから図4Dに示すように、屈折手段1aの断面の円形状は、視点3から見て、表示装置1による表示される画像の見え方に、屈折手段内部における反射(内部反射)の影響が気にならない程度、多少楕円形等の両凸の構造であってもよい。例えば、図4Aに示すように、屈折手段1aが楕円体で、楕円体の軸が視点3に向き、屈折手段1aの断面の円形状が、多少楕円になってもよい。また、図4Bに示すように、屈折手段1aが、2つの半球で薄い円板を挟む形状のレンズで、屈折手段1aの断面の円形状が、長方形を半円で挟む形状でもよい、図4Cに示すように、ボールレンズの一部がカッティングされ、屈折手段1aの断面の円形状が、円の一部が削られた形状でもよい。図4Dに示すように、視点3側に対して、手前側の屈折手段1aの曲面と、奥行き側の屈折手段1aの曲面とで曲率が、多少異なってもよい。
なお、図4Eおよび図4Gに示すように、屈折手段1aは、片凸の構造を有するレンズ(例えば、半球のレンズ、半円柱のレンズ、または、これらの一部のレンズ)でもよい。この場合、屈折手段1aの断面形状が、例えば、半円となる。屈折手段1aは、像を拡大する機能があればよいので、片凸で片凹の構造を有するレンズでもよい。
ここで、視点3の一例として、人間の目、カメラ、ロボットの目等が挙げられる。また、表示装置1と視点3との距離も様々で、表示装置1を近づいたり、離れたりして見てもよい。視点3の視点方向も様々で、屈折手段1aが見えればよい。
(1.3 配置支持手段の構成および機能)
次に、配置支持手段1bの構成および機能について、図5Aから図8Bを用いて、詳細に説明する。
配置支持手段1bは、樹脂、粘土等のボールレンズ等の屈折手段1aを連結して配置を規定できる材質を有する。
なお、接着剤でフレキシブルに連結した屈折手段1aを、凸の面を有する支持台の上に載せるようにしてもよい。この場合、配置支持手段1bは、接着剤および支持台である。また、配置支持手段1bは、画像映出手段1cを付けた屈折手段1aを、可塑性の素材に半分ほど埋め込むことで支持してもよい。また、屈折手段1aの形状が円柱、楕円体、円錐形のような棒状である場合、配置支持手段1bは、屈折手段1aを差し込んで固定する支持台でもよい。
次に、屈折手段1aの配置例について説明する。
配置支持手段1bは、複数の屈折手段1aを、視点3側に対して凸形状に配置する。例えば、図5Aに示すように、屈折手段1aが、円形状s1に配列されてもよい。この場合、各屈折手段1aの3次元配置は、球形、半球形、円柱形、楕円体等である。半球形、円柱形、楕円体の場合、ある切断面で円形状s1の配置になる。
画像映出手段1cにより屈折手段1aの面に形成される形成画像の向きは、図5Aに示すように、屈折手段1aの配置形状(円形状s1)に対して垂直方向になる。すなわち、形成画像の中心とする部分(例えば、画像映出手段1cの中心部)が、凸形状の法線方向に向くように、各屈折手段1aが配置されている。
また、図5Bに示すように、屈折手段1aが、楕円形状s2に配列されてもよい。この場合、各屈折手段1aの3次元配置は、例えば、楕円柱形、楕円体等である。楕円柱形、楕円体のある切断面で楕円形状s2の配置になる。画像映出手段1cにより屈折手段1aの面に形成される形成画像の向きは、図5Bに示すように、屈折手段1aの配置形状(楕円形状s2)に対して垂直方向になる。すなわち、形成画像の中心とする部分(例えば画像映出手段1cの中心部)が、凸形状の法線方向に向くように、各屈折手段1aが配置されている。
図5Cおよび図5Dに示すように、片凸構造(例えば、半球または半円柱)の屈折手段1aが、円形状s1に配列されてもよい。
図5Cに示すように、屈折手段1aの凸面が視点3側に向くように並べてもよい。この場合、画像映出手段1cが、屈折手段1aの平面に形成されてもよい。図5Dに示すように、屈折手段1aの中心側に向くように並べてもよい。この場合、画像映出手段1cが、屈折手段1aの凸面に形成されてもよい。
また、図6Aに示すように、凸形状は、各屈折手段1aの中心を通る形状に限らず、各屈折手段1aに内接または外接する形状s3に設定してもよい。画像映出手段1cにより屈折手段1aの面に形成される形成画像の向きは、図6Aに示すように、内接または外接する形状s3に対して垂直方向になる。
また、凸形状(形状s3)は、図5Aおよび図5Bのように閉じた形状でなくて、図6Aに示すように開いた形状でもよい。すなわち、凸形状は、閉じた円形状、閉じた楕円形状のように閉じた凸形状でなくても、これらの一部の形状でもよい。
また、図6Bに示すように、凸形状は、各屈折手段1aの中心付近を直線で結んだ多角形s4でもよい。すなわち、各屈折手段1aの3次元配置が、各屈折手段1aの中心付近を頂点とする凸の多面体でもよい。
画像映出手段1cにより屈折手段1aの面に形成される形成画像の向きは、図6Bに示すように、多角形の頂点において、多角形に接する1つの面に対して垂直方向になる。
また、図6Bに示すように、各屈折手段1aは等間隔に配置されなくてもよい。
また、配置支持手段1bによる同じ凸形状s5に、図7Aに示すように、小さい屈折手段1a(例えば、直径の小さいボールレンズ)が配置されても、図7Bに示すように、大きい屈折手段1a(例えば、直径の大きいボールレンズ)が配置されてもよい。図7Aに示すように、小さい屈折手段1aの場合、表示装置1による表示される画像の解像度が高くなる。
また、配置支持手段1bにより屈折手段1aが配置される凸形状の大きさは、表示装置1の大きさに依存する。例えば、図7Cに示すように、表示装置1の大きさが小さくなると、凸形状s6の曲率が大きくなる。図7Cは、図7Aと同じ大きさの個々の屈折手段1aを用いて、配置支持手段1bの半径が小さい例を示す。この場合、図7Cの表示装置1に表示される画像は、図7Aと比較して、表示される画像の大きさは表示装置1の大きさに合わせて小さくなるが、同じ画像になる。
また、図8Aに示すように、必ずしも全ての屈折手段1aが、配置支持手段1bにより形成される凸形状s7の線上に配置されていなくてもよい。例えば、一部の屈折手段1aが、表示装置1の設計上の凸形状s7より、視点3側(表示装置1の外側に)配置されたり、視点3側とは逆の内側(表示装置1の内側)に設置されたりしてもよい。
これらの場合、表示装置1の画像において、このような一部の屈折手段1aが担当する画像の部分が、作成前に予定していた設計の形状通りにならなくてもよい。この場合、表示装置1が表示する画像全体において、一部の画像映出手段1cが担当する画像の部分がずれた画像になる。
また、図8Aに示すように、必ずしも全ての画像映出手段1cによる屈折手段1aの面に形成される形成画像の向きは、表示装置1の設計上の凸形状s7に、正確に垂直にならなくてもよい。このような一部の画像映出手段1cが担当する画像の部分が、作成前に予定していた設計の方向の通りにならなくてもよい。この場合、表示装置1が表示する画像全体において、一部の画像映出手段1cが担当する画像の部分がずれた画像になる。
なお、画像の中心とする部分が凸形状の法線方向に向くようにとは、画像映出手段1cにより屈折手段1aの面に形成される形成画像の向きは、表示装置1の設計上の凸形状s7に、正確に垂直である必要は無く、表示装置1全体として、各画像映出手段1cにより屈折手段1aの面に形成される形成画像の向きが正確に垂直である場合の画像と認識できる程度に、画像映出手段1cにより屈折手段1aの面に形成される形成画像の向きが垂直からずれていてもよい。
また、図8Bに示すように、屈折手段1aの大きさが、それぞれ異なってもよい。例えば、視点3から見て、表示装置1全体として、各屈折手段1aの大きさが同じ場合の画像と認識できる程度に、各屈折手段1aの大きさは、それぞれ異なってもよい。なお、図3Aに示すようなボールレンズ10が3次元配置された表示装置1を、どのような断面で捉えるかにより、一部の屈折手段1aの断面積が小さくなることもある。
また、屈折手段1aの屈折率が、それぞれ異なってもよい。例えば、視点3から見て、表示装置1全体として、各屈折手段1aの屈折率が同じ場合の画像と認識できる程度に、各屈折手段1aの屈折率は、それぞれ異なってもよい。
なお、画像の中心とする部分が凸形状の法線方向に向くように、各屈折手段1aが配置されると、各屈折手段1aを、視点3からの各屈折手段1aの断面形状が同じ形状になる。すなわち、特に、屈折手段1aが、円柱形、楕円体、円錐形などのように、方向性がある立体の場合、各屈折手段1aの向きがほぼ揃うように、各屈折手段1aが配置される。なお、各屈折手段1aの断面形状が、厳密に同じある必要は無く、視点3から各形成画像5を見て、表示装置1全体で、形成画像5が認識できるようであればよい。
また、配置支持手段1bにより屈折手段1aが配置される凸形状は、球面形状と円筒面形状とをつなぎ合わせた形状でもよい。例えば、表示装置1の全体の形状が、2つの半球面で円筒面を挟むようにつなぎ合わせた形状でもよい。このように、各屈折手段1aの3次元配置は、球面、半球面、円筒面、楕円体面等の組み合わせでもよい。
なお、表示装置1の全体の形状が、複数の凸形状が組み合わされた形状でもよい。この場合、凸形状と凸形状とのつなぎ目の部分は、必ずしも凸形状になっていなくてもよい。例えば、4つ葉のように、4方向に凸形状が形成されていてもよい。
また、屈折手段1aの配置に関して、凸形状であればよいので、球面形状は、球面に類似した形状でもよい。また、屈折手段1aの配置に関しても、円筒面形状は、円筒面が樽のように膨らんだ形状、円筒面が鼓のようにくびれた形状、または、円錐面の頂点側が削られた形状のように、円筒面に類似した形状でもよい。
(1.4 画像映出手段の構成および機能)
次に、画像映出手段1cの構成および機能について、図9Aから図10を用いて、詳細に説明する。
画像映出手段1cは、例えば、透過型のスクリーンの機能を有する。屈折手段1aの視点3側と反対側の表面を半透明にする処理や表面処理を施したり、屈折手段1aの視点3側と反対側の表面に半透明のシート(例えば、つや消しのポリエステル等のフィルム)を貼ったり、半透明の塗料を塗布したりして、画像映出手段1cが設けられる。屈折手段1aの反対側の表面が、研き砂や薬品等で表面処理されて、細かい凹凸が生じ、磨りガラスまたは曇りガラスのようになる。
例えば、図2に示すように、ボールレンズ10の半球面を表面処理することにより、半球形状の画像映出手段1cが形成される。
画像映出手段1cは、ビニールまたはアクリル等樹脂、ガラス製等の半透明のスクリーンでもよい。
画像映出手段1cは、投影光が投影された投影面の裏面に画像を映し出す機能を有すればよく、投影光が投影された投影面での光の反射が少なく、画像映出手段1cを透過して裏面から散乱光を放射してもよい。画像映出手段1cに映し出された画像が、屈折手段1aにより像が拡大されて、視点3側から見える。
画像映出手段1cは、図9Aに示すように、透明な材質からなる屈折手段1aの半面を覆うように設けられてもよい。なお、図9Aは、透明のボールレンズ10の表面に半球状に、画像映出手段1cが形成された場合の断面を示す模式図である。なお、円柱レンズが、半円筒面形状の画像映出手段が設けられた場合の断面でもよい。
半球状の画像映出手段1cの中心部とボールレンズ10の中心部とを結ぶ線が、配置支持手段1bの凸形状の面に対して、垂直方向になる。また、円柱レンズの場合、円柱レンズの中心線と、半円筒面形状の画像映出手段1cの中心線を垂直に結ぶ線が、配置支持手段1bの凸形状の面に対して、垂直方向になる。
図9Bに示すように、半球状の画像映出手段1cが設けられたボールレンズ10の表面に、画像投影手段1dから投影光が投影され、形成画像5が形成される。なお、ボールレンズ10の表面に形成された形成画像5を、形成画像5が形成された側から見ると、形成画像5は、鏡映の画像である。
また、形成画像の中心部分は、必ずしも画像”E”自体の中心とは限らず、ボールレンズ10が、配置支持手段1bにより各ボールレンズ10が固定された後、配置支持手段1bにより形成された凸形状面の法線が、ボールレンズ10の中心部を通り、視点3側と反対側のボールレンズ10と面と交差する位置が、画像の中心とする部分である。
図10Aに示すように、画像映出手段1cは、屈折手段1aに密着させず、屈折手段1aとの隙間があるように設けてもよい。図10Bに示すように、画像映出手段1cは、屈折手段1aの面の形状に、沿った形状でなくてもよい。屈折手段1aの断面の形状が円形状の場合、画像映出手段1cの断面形状が、円形状に限らず、楕円形状でもよい。画像投影手段1dから投影光が画像映出手段1cの投影面に投影され、画像映出手段1cの投影面の裏面に画像が映し出され、映し出された画像が、屈折手段1aを通して、視点3側から見えればよい。隙間がある場合、画像映出手段1cの裏面に映し出された画像が、屈折手段1aの表面に当たり、屈折手段1aの表面に形成画像が形成される。
図11Aに示すように、画像映出手段1cの形状は、平面でもよい。図11Bに示すように、平面の画像映出手段1cは、屈折手段1aの断面形状の大きさより、大きくすることで、形成画像(または、平面の画像映出手段1cの裏面に映し出された画像)が見える視野角が広くなる。
図11Cに示すように、画像映出手段1cは、各屈折手段1aに対して視点3側とは反対側に、一体となるように形成してもよい。例えば、各屈折手段1aが球面形状に配置される場合、画像映出手段1cは、球面形状になり、各屈折手段1aが円筒形状に配置される場合、画像映出手段1cは、円筒形状になる。
図12Aおよび12Bに示すように、画像映出手段1cは、複数の平面から構成されてもよい。
図4Aから図4Dに示すように、視点3の反対側の屈折手段1aの面に画像映出手段1cが設けられる。図4Eに示すように、屈折手段1aの凸構造のレンズ面に、画像映出手段1cが設けられもよい。図4Fおよび図4Gに示すように、屈折手段1aの平面に、画像映出手段1cが設けられてもよい。
(1.5 制御装置および画像投影手段の構成および機能)
次に、制御装置50および画像投影手段1dの構成および機能について、図13から図14を用いて、詳細に説明する。
制御装置50は、コンピュータの機能を有する。制御装置50は、出力部51と、記憶部52と、通信部53と、入力部54と、入出力インターフェース部55と、制御部56と、を備えている。そして、制御部56と入出力インターフェース部55とは、システムバス57を介して電気的に接続されている。
出力部51は、画像投影手段1dに、投影光の制御データ、または、画像データを出力する。
記憶部52は、例えば、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等により構成されている。記憶部52は、表示装置1に表示する表示画像の表示原画像を記憶する。表示原画像は、1画像(視点方向において同じ表示画像の場合)でも、視点方向毎の画像(視点方向に応じた表示画像の場合)でもよい。表示原画像は、時間に応じて画像が変わる動画像でもよい。
また、記憶部52は、オペレーティングシステム等の各種プログラムや各種ファイル等を記憶する。なお、表示原画像、各種プログラム等は、例えば、外部からネットワークを介して取得されるようにしてもよいし、記録媒体に記録されてドライブ装置を介して読み込まれるようにしてもよい。
通信部53は、外部の装置との通信状態を制御するようになっている。制御装置50は、通信部53を介して、無線または有線でインターネット等のネットワークと接続してもよい。
入力部54は、例えば、御号等を受け付けるためのコネクタである。
入出力インターフェース部55は、出力部51および記憶部52等と制御部56との間のインターフェース処理を行うようになっている。
制御部56は、CPU(Central Processing Unit)56a、ROM(Read Only Memory)56b、RAM(Random Access Memory)56c等を有する。そして、制御部56は、CPU56aが、ROM56bや記憶部52に記憶された各種プログラムのコードを読み出し実行することにより、投影画像の画像データを生成したり、投影画像を画像映出手段1cの投影面に形成するような投影光の制御データや画像データを画像投影手段1dに送信したりする。
制御装置50は、表示装置1の外部から接続しても、表示装置1の内部に設置してもよい。制御装置50は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等でもよく、プロジェクタ等の画像投影手段1dに接続して、投影光の制御データや投影する画像データを送信してもよい。
画像投影手段1dは、例えば、投影面に画像を投影するプロジェクタである。例えば、プロジェクタは、CRT(Cathode Ray Tube)プロジェクタ、液晶プロジェクタ、DMD(Digital Mirror Device)プロジェクタ、LCOS(Liquid Crystal On Silicon)プロジェクタ、GLV(Grating Light Valve)等である。また、画像投影手段1dは、液晶ディスプレイまたは有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等でもよい。これらのディスプレイは、曲面型、平面型、フレキシブル型でもよい。画像投影手段1dは、レーザ光をスキャンさせて、投影面に画像を投影してもよい。
画像投影手段1dの一例のプロジェクタは、光源ランプ、透過型または反射型の映像部、投影レンズ、インターフェース等を有する。プロジェクタのインターフェースは、制御装置50の出力部53に接続する。プロジェクタは、インターフェースを介して、制御装置50から画像データを取得する。
制御装置50は、画像投影手段1dの電源のON/OFF、および、投影方向等を制御してもよい。また、制御装置50は、画像投影手段1dの投影レンズ、画像投影手段1dから画像映出手段1cに投影される投影光の角度、画像映出手段1cの形状、屈折手段の表面形状等を計算して、投影画像を生成する。制御装置50は、屈折手段の表面に、表示装置1に表示画像が表示されるように設計された形成画像が形成されるように、投影画像の画像データを生成し、投影画像が画像映出手段1cの投影面に形成されるように、画像投影手段1dの投影光を制御すればよい。投影画像を画像映出手段1cの投影面に形成するように、画像投影手段1dの投影光を制御する機能は、画像投影手段1dにあってもよい。
図14に示すように、複数の画像投影手段1dが、複数の方向から投影光を画像映出手段1cの各面(画像映出手段1cの所定の部分、または、所定の領域)にそれぞれ投影してもよい。画像映出手段1cの各面に映し出された投影画像により、屈折手段1aの対応する面の形成画像が形成される。なお、各面は、曲面における所定の部分でもよい。半球面形状や曲面形状の画像映出手段1cに対しても、複数の画像投影手段1dが、複数の方向から投影光を画像映出手段1cの投影面における所定の部分に投影してもよい。
ここで、各屈折手段1aにおいて同一または類似する画像は、各画像が多少異なってもよく、視点3から見て、各屈折手段1aの部分画像の全体で、表示装置1の画像を認識できればよい。
[2. 表示装置の作用]
次に、表示装置の作用について、図を用いて説明する。
(2.1 屈折手段の光路)
まず、屈折手段の光路について、図15、図16Aおよび図16Bを用いて説明する。
図15は、屈折手段における光路の一例を示す模式図である。図16Aおよび図16Bは、片凸の構造を有するレンズにおける反射の一例を示す模式図である。
ここで、図15に示すように、屈折手段1aの大きさは、視点3から屈折手段1aまでの距離に対して、十分小さい場合を考える。この場合、視点3から屈折手段1aまでの距離は、無限遠と見なせる(屈折手段1aと視点3の距離と比較して、屈折手段1aが小さくない場合は、図15のような平行な光路にならないが、効果は同様であるため、図15で光路を説明する)。
断面が半径rの屈折手段1aにおける光路(幅2r)は、平行の光路が屈折手段1aで屈折して、視点3側と反対側で、屈折手段1aの円弧の部分(長さa)に達し、屈折手段1aの外部に出る。なお、屈折手段1aの断面形状が円形状なので、視点3の視覚方向をずらしても、同様な光路になる。
一方、図16Aおよび図16Bに示すように、屈折手段の断面形状が半円の場合、法線方向に対して、視点3の角度θdが大きくなると、屈折手段内部での反射(内部反射)が生じるようになる。すなわち、片凸の構造のレンズの場合、視点3から、外光が見えることになる。
しかし、図15に示すように、屈折手段1aの断面形状が円形状であると、屈折手段1aに入射した光の屈折手段1a内部での反射がない。
なお、長さaの円弧が、幅2rまで拡大されるので、屈折手段1aの拡大率は、おおよそ2r/aとすることができる。
(2.2 視点からの画像の見え方)
次に、各視点からの画像の見え方について図17および図18を用いて説明する。図17は、視点と各屈折手段の画像との関係の一例を示す模式図である。図18は、視差と画像との関係の一例を示す模式図である。
図17に示すように、屈折手段10a、10b、10c、10dが、配置支持手段1bにより、中心Cの半径Rの円形s10(凸形状の一例)に並んでいるとする。屈折手段10a、10b、10c、10dの中心cと、配置の中心Cとの距離はRである。なお、視点とレンズの距離がレンズのサイズや配置される径と比較して特別大きくはない場合、視点と各レンズを結ぶ線は、放射状になる。
各屈折手段10a、10b、10c、10dには、記号であるダガー、ダイヤおよびスペードの順に並んでいる形成画像の部分画像であるダガーの部分画像5a、ダイヤの部分画像5b、スペードの部分画像5cが並んでいるとする。また、この例では、形成画像の中心とする部分が、ダイヤの部分画像5bであるとする。なお、ダガー、ダイヤおよびスペードの順に並んでいる形成画像は、画像投影手段1dから投影した投影光により、画像映出手段1cの投影面に映し出されて形成されている。
形成画像の中心とする部分であるダイヤの部分画像5bは、屈折手段の中心cと、屈折手段の配置の中心Cとを結ぶ線上にある。形成画像の中心とする部分であるダイヤの部分画像5bと、屈折手段の中心cとを結ぶ線は、中心Cの半径Rの円形s10(凸形状の一例)の法線方向である。すなわち、形成画像の中心とする部分であるダイヤの部分画像5bの向きは、円形s10(1b)の法線方向である。
視点3aから表示装置1を見ると、屈折手段10aには、ダガーの部分画像5aが中心に見え、屈折手段10bには、ダイヤの部分画像5bが中心に見え、屈折手段10cには、スペードの部分画像5cが中心に見える。
各屈折手段10a、10b、10cの拡大機能より、視点3aから、屈折手段10aには、ダガーの部分画像5aが、拡大された部分画像6aのように見え、屈折手段10bには、ダイヤの部分画像5bが、拡大された部分画像6bのように見え、屈折手段10cには、スペードの部分画像5cが拡大された部分画像6cのように見える。
従って、屈折手段10aの部分画像6aと、屈折手段10bの部分画像6aと、屈折手段10cの部分画像6cとを合わせて、表示装置1で、拡大された合成画像であって、記号であるダガー、ダイヤおよびスペードの順に並んでいる合成画像を表示することができる。
一方、視点3bから表示装置1を見ると、屈折手段10bには、ダガーの部分画像5aが中心に見え、屈折手段10cには、ダイヤの部分画像5bが中心に見え、屈折手段10dには、スペードの部分画像5cが中心に見える。
各屈折手段10b、10c、10dの拡大機能より、視点3bから、屈折手段10bには、ダガーの部分画像5aが拡大された部分画像7aのように見え、屈折手段10cには、ダイヤの部分画像5bが拡大された部分画像6bのように見え、屈折手段10dには、スペードの部分画像5cが拡大された部分画像7cのように見える。
従って、屈折手段10bの拡大された部分画像7aと、屈折手段10cの拡大された部分画像6bと、屈折手段10dの拡大された部分画像7cとを合わせて、表示装置1で、拡大された合成画像であって、記号であるダガー、ダイヤおよびスペードの順に並んでいる合成画像を表示することができる。
以上のように、視点3aからも視点3bからも同じように、各屈折手段の拡大された部分画像から合成された合成画像であって、記号であるダガー、ダイヤおよびスペードの順に並んでいる合成画像が見える。
また、図18に示すように、図17のような表示を両眼(視点3cおよび視点3d)で見ると、それぞれの眼について視点3c、3dと各屈折手段の配置の中心Cとを結ぶ線と、円形s10との交点付近にある各屈折手段におけるダイヤの各部分画像5bが見える。よって、視差により、ダイヤの部分画像5bは、両眼の視線の交点である屈折手段の配置の中心C付近に、拡大された部分画像6cが表示されているように見える。こうして、記号であるダガー、ダイヤおよびスペードの順に並んでいる合成画像が表示装置1の中に存在するように見える。
また、図17の例で、3aから3bに移動しながら表示装置1を見ると、記号であるダガー、ダイヤおよびスペードの順に並んでいる合成画像は、面P1から面P2へと、常に視点と中心Cを結ぶ線に垂直な面に存在するように見える。よって、合成画像が、屈折手段の配置の中心Cを中心軸として、回転しながら、視点に対して正面を向いているように見える。
以上、説明したように、本実施形態に係る表示装置1によれば、画像投影手段1dから出力された投影光が画像映出手段1cの投影面に当たり投影画像が形成され、投影画像によって画像映出手段1cの投影面の裏面に画像が映し出され、映し出された画像が各屈折手段1aを通して視点3側から見えるので、画像投影手段1dの投影光を制御して投影画像を変更することにより、表示装置1に表示する表示画像を容易に変更させることができる。
各屈折手段の1つ1つ、画像を貼り替えたり、印刷し直したりする必要がない。また、従来技術では、表示する画像の変更の自由度が低いため、動画像を表示させることが難しかったが、本実施形態に係る表示装置1によれば、動画像を表示させることができる。
画像投影手段1dから画像映出手段1cの投影面に投影される投影光を時間変化させることで、画像映出手段1cの投影面に動画像を投影することにより、表示装置1に動画像を容易に表示することができる。また、画像投影手段1dから投影光を画像映出手段1cの投影面に投影して動画像を表示するので、各屈折手段1aに配線をする必要が無いので、配線がシンプルになる。
また、表示装置1を両眼で見ると、屈折手段1aが視点3側に対して凸形状に配列されているため、視差により、合成画像が表示装置1の中に存在するように見える。動画像の投影光を投影すると、両眼でみると、表示装置1の中に、動画像が表示されているように見える。
画像映出手段1cが、反対側の屈折手段1aの面に設けられた場合、スクリーンが屈折手段の面上に設けられているので、別途、画像映出手段1cを設ける必要がなく、部品点数が減少し、コストを下げることができる。
複数の方向から投影された投影光により画像映出手段1cの投影面に投影画像を投影して、屈折手段1aに形成画像を形成する場合、投影の死角を減少させることができる。
プロジェクタのような画像投影手段を更に備える場合、各屈折手段に液晶ディスプレイ、有機ELディプレイ等のディスプレイを設置する必要がないので、配線がシンプルになる。
配置支持手段1bが、形成画像の中心とする部分が凸形状の法線方向に向くように、各屈折手段1aを支持するので、各屈折手段1aにおいて同じ形成画像が形成されている場合、見る角度を変えても、表示装置1は、同じ画像を表示することができる。また、表示装置1は、各屈折手段1aの形成画像に応じて、様々な画像を表示できる。
凸形状が、円形状の断面を有する場合、表示装置1が表示する合成画像の歪みが少なくなる。また、ユーザが見る角度を変えても、歪みが少ない画像を見ることができる。
ところで、レンチキュラーレンズの個々のレンズは、平坦面を有する片凸構造であるため、視野角が所定値以上になると、レンズの平坦面において、レンズ内部からの光の反射(内部反射)が生じるため十分な視野角を確保できなかったという問題があった。さらに、特許文献1では、周囲からの外光による影響を少なくするために、黒色の薄板に格子状に形成したスリット等の遮光手段を設けているが、遮光手段のため画像が暗くなり、特に円筒形の中心部分以外では画像が表示できない、もしくは画像が見えにくくなり視認性が低下するという問題があった。
しかし、屈折手段1aが円形状の断面を有する場合の表示装置1によれば、屈折手段1aが、円形状の断面を有するので、屈折手段1a内部における表示装置1の周囲からの外光の反射(内部反射)による視認性の低下を防止でき、外光を遮断するスリット等の遮光手段が不要になり、表示装置1が表示する画像が明るくなり、視認性が向上する。
このように視認性が向上することにより、屈折手段1aが円形状の断面を有する場合、表示装置1に対して視認性の高い表示範囲を広く確保し、表示装置1の実用性を高めることができる。
また、各屈折手段1aの視野角が広がったため、視点3側から見える表示装置1の表示面全体で、大きな画像を表示させることができる。一方、片凸の構造を有するレンズでは、内部反射により各屈折手段の視野角が狭いため、視点3側から見える表示装置の表示面全体に映し出す大きな画像を表示することができない。
また、屈折手段1aの形状が、球状、または、円柱状である場合、表示装置1の周囲から外光に対して、屈折手段1aの内部反射をほとんど無くすことができる。また、この場合、個々の屈折手段1aの視野角が広がる。
屈折手段1aの形状が、ボールレンズ10のように球状である場合、球形の屈折手段1aを、球面に配置したり、楕円体の面に配置したり等と、配置の自由度が向上する。
屈折手段1aの形状がボールレンズ10等の球状であり、配置支持手段1bが、各屈折手段1aを球面形状に配置する場合、平面的な視点3の移動のみならず、立体的な方向からの視点3の移動に対して、表示装置1は、同じような画像を表示できる。また、屈折手段1aの形状がボールレンズ10等の球状であり、配置支持手段1bが、各屈折手段1aを円筒形状に配置する場合、建物柱等に表示装置1を設置することができる。
屈折手段1aの形状が、円柱レンズのように円柱状であり配置支持手段1bが、各屈折手段1aを円筒面形状に配置する場合、建物柱等に表示装置1を設置することができる。
[実施例]
次に、上述した実施形態に対応する具体的な実施例について、図を用いて説明する。
(第1実施例)
屈折手段1aが、ボールレンズ10である場合の実施例について、図19、図20Aおよび図20Bを用いて説明する。
図19に示すように、表示装置1Aは、複数個のボールレンズ10を球面に配置した実施例である。
なお、図19には、図示されないが、各ボールレンズ10の半球面に、スクリーン面として半球形状の画像映出手段1cが形成されている。各ボールレンズ10には、表示装置1Aの内側から、図9Bに示すように、画像投影手段1dからの投影光によって各ボールレンズ10の画像映出手段1cの投影面に”E”の文字の投影画像が映し出され、ボールレンズ10の視点と反対側の面に形成画像が形成される。形成画像の中心部分が、表示装置1Aの球面の中心に向いている。すなわち、形成画像の中心部分からボールレンズ10の中心に向かう向きが、球面の法線方向になっている。
また、球面形状のプラスティックの面に、各ボールレンズ10をはめ込む穴が空いていて、各ボールレンズ10が半分ほどはめ込まれている。
図20Aに示すように、画像”E”の各部分を受け持つ各ボールレンズ10の部分画像から合成された画像”E”が、表示装置1Aに表示される。
なお、両眼で見ると、画像”E”が、表示装置1Aの中に存在するように見える。
図20Bに示すように、視点をずらして見ても、画像”E”が、同じように見える。なお、図20Bに示すように、画像”E”の各部分を受け持つ、ボールレンズ10が、図20Aに示した場合と異なっている。
制御装置50により、画像投影手段1dが画像映出手段1cの投影面に異なる投影画像を形成する投影光を投影すると、表示装置1Aには、異なる画像が表示される。表示装置1Aは、画像”E”の他に、様々な画像を容易に表示できる。
なお、表示装置の形状は、半球面等でもよい。
また、図21に示すように、表示装置の形状は、円筒面形状の表示装置1Bでもよい。この場合、ボールレンズ10が、円筒面形状に配置される。背の高い人の視線、背の低い人の視線でも、画像が見える。
表示装置1Bは、完全な円筒形状でなく、半円筒形状やその一部の形状でもよい。
(第2実施例)
次に、円柱レンズを円筒面形状に配置した実施例について図22、図23および図24を用いて説明する。
図22に示すように、表示装置1Cは、同じ長軸方向の円柱レンズ11を、円筒面形状に配置してもよい。各円柱レンズ11により、円筒面s11(1b)が形成される。
図22および図23に示すように、円柱レンズ11の片側の面に、スクリーン面として半円筒面形状の画像映出手段1cが形成されている。半円筒面形状の画像映出手段1cが、表示装置1Cの各円柱レンズ11に設けられている。
図23に示すように、半円筒面形状の画像映出手段1cの向きは、表示装置1Cの円筒面s11(1b)の法線方向である。すなわち、円柱レンズ11の中心cと、円筒面s11の中心Cとを結ぶ線上に、画像映出手段1cの中心部分がある。
ここで、配置支持手段1bは、各屈折手段1aを、視点からの各屈折手段1aの断面形状が同じ形状になるように配置する。
なお、表示装置1Cは、完全な円筒形状でなく、半円筒形状やその一部の形状でもよい。
図23に示すように、表示装置1Cの内部には、画像投影手段1dの一例であるプロジェクタが設置されている。画像投影手段1dからの投影光によって画像映出手段1cの投影面に投影画像が投影され、投影画像が画像映出手段1cの裏面に映し出され、円柱レンズ11の視点と反対側の面に形成画像が形成される。
図24に示すように、表示装置1Dは、反射鏡等の反射手段1eを備えてもよい。反射手段1eは、金属を磨いた面、金属をメッキした面、蒸着した面、金属箔を貼った面、鏡のような光の反射効果を持つ面、または、光の反射効果と似た光路に光を屈折する屈折手段でもよい。
画像投影手段1dは、表示装置1Dの内部になくてもよい。反射手段1eは、図24に示すように、画像投影手段1dに対して凸形状の球形状でもよい。反射手段1eは、画像投影手段1dに向かう軸以外、凹面の形状でもよい。反射手段1eは、半球、円錐形、円錐台、三角錐形、四角錐形等の多角錐形、多角錐台、放物線や双曲線型、それらの形状を2つ以上組み合わせた形状、または、360度撮影の時のミラーのような形状でもよく、画像投影手段1dからの投影光を、反射して画像映出手段1cの投影面に画像を投影できる形状ならばよい。
また、反射手段により、投影光を複数の方向から投影して画像映出手段1cの投影面に画像を投影してもよい。または、画像映出手段1cからの一部の投影光を反射手段(複数でもよい)により反射して、別の角度から、画像映出手段1cの他の投影面に投影してもよい。
画像投影手段1dから投影された投影光が、反射手段1eで反射してから、画像映出手段1cに投影され、円柱レンズ11の視点と反対側の面に形成画像が形成される。なお、制御装置50は、各屈折手段での形成画像が形成できるように、反射手段1eの反射面の形状を考慮した投影画像を生成する。
画像投影手段1dは、表示装置1Dの内部に設置しなくてもよいので、表示装置1Dを小型できる。画像投影手段1dは、表示装置1Dの内部に設置しなくてもよいので、小型の画像投影手段1dでなくてもよい。また、表示装置1Dは、画像投影手段1dは始めから備えていなくてもよいので、後付けで画像投影手段1dを設置でき、交換しやすくなる。
画像投影手段1dから出力された投影光を反射して、反射した投影光を画像映出手段1cの投影面に投影する反射手段1eを更に備えた場合、屈折手段および画像映出手段等の光学系とは別に、画像投影手段等の投影系を後から表示装置1に装着できるので、それぞれを別々にメンテナンスできる。また、プロジェクタのような画像投影手段を表示装置1の内部(配置支持手段1bの内部)に設置する必要がないため、表示装置1を小型化ができる。1つの画像映出手段1cから投影光を反射手段1eに投影し、反射手段1eから各方向の屈折手段1aに投影すれば、複数の画像映出手段1cによる投影のように、投影画像間の継ぎ目の調整を考える必要がなくなり、屈折手段1aの形成画像の生成が容易になる。
図25に示すように、表示装置1Eは、円錐台の形状でもよい。複数の円錐台レンズ12が、配置支持手段1bの一例の支持台15により、円錐台の側面の曲面に配置される。図25に示すように、上方の視点3から、表示装置1Eを見下ろす位置に設置することができる。図15に示すような表示装置1Eを図中上下反転した表示装置の場合、下方の視点3から、表示装置1Eを見上げる位置に設置することができる。
なお、画像映出手段1cは、透過型のスクリーンでなく、反射型のスクリーンでもよい。この場合、小型の画像投影手段1dを、画像映出手段1cと屈折手段1aとの間に設置する。また、透過型のスクリーンと反射型のスクリーンとを組み合わせてもよい。
画像映出手段1cは、屈折手段1aの視点と反対側の面の全面に設けず、一部分に屈折手段1aに直接投影画像が形成されるような投影光が、画像投影手段1dまたは反射手段1eから投影されてもよい。
さらに、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではない。上記各実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1、1A、1B、1C、1D、1E:表示装置
1a:屈折手段
1b:配置支持手段
1c:画像映出手段
1d:画像投影手段
1e:反射手段
3、3a、3b、3c、3d:視点
5:形成画像
10:ボールレンズ(屈折手段)
11:円柱レンズ(屈折手段)
12:円錐台レンズ(屈折手段)
15:支持台(配置支持手段)
s1:円形状(凸形状)
s2:楕円形状(凸形状)
s3:形状
s4:多角形状(凸形状)
s5、s6、s7:凸形状
s10:円形(凸形状)
s11:円筒面s11(凸形状)
本発明は、画像を表示する表示装置の技術分野に関する。
道路や広場等の公共空間や、駅構内、イベント会場、競技場等の公共施設、スーパーマーケットやモール等の商業施設においては、表示装置に対して様々な位置にいる多くの人に、見やすく表示画像を見てもらえることが好ましい。例えば、特許文献1には、光源を中心に円筒形をなすレンチキュラーレンズと透過光制御手段とを備え、この透過光制御手段に、レンチキュラーレンズを構成する各レンズに対して、水平方向に縮小した透過画像を形成した表示器が開示されている。
しかしながら、特許文献1のような従来技術においては、予め記録された透過画像をレンチキュラーレンズの内側の面に印刷する必要があった。そのため、表示画像を変更させるためには、貼り替えたり、印刷し直したりする必要があり、表示する画像の変更の自由度が低かった。
そこで、本発明の課題の一例は、表示する画像の変更の自由度を向上させた表示装置等を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、光を屈折して像を拡大する屈折手段と、複数の前記屈折手段を、視点側に対して凸形状に配置して支持する配置支持手段と、前記屈折手段に対して前記視点側と反対側に設けられ、画像投影手段からの投影光が投影された投影面の裏面に前記視点側から見える画像を映し出す画像映出手段と、を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の表示装置において、前記画像映出手段が、前記反対側の前記屈折手段の面に設けられたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の表示装置において、前記画像投影手段からの投影光を複数の方向から前記画像映出手段の投影面に投影することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の表示装置において、前記画像投影手段を更に備えたことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の表示装置において、前記画像投影手段からの投影光を反射して、前記反射した投影光を前記画像映出手段の投影面に投影する反射手段を更に備えたことを特徴とする。
本発明によれば、画像投影手段からの投影光が投影された投影面の裏面に映し出された画像が、屈折手段を通して見えるので、画像投影手段から出力する投影光を変更することにより、表示装置に表示する表示画像を容易に変更させることができる。
一実施形態に係る表示装置の概要構成例を示す模式図である。
図1の屈折手段の一例を示す模式図である。
図1の屈折手段を立体的に配置した一例を示す模式図である。
図1の屈折手段を立体的に配置した一例を示す模式図である。
屈折手段の形状の変形例を示す模式図である。
屈折手段の形状の変形例を示す模式図である。
屈折手段の形状の変形例を示す模式図である。
屈折手段の形状の変形例を示す模式図である。
屈折手段の形状の変形例を示す模式図である。
屈折手段の形状の変形例を示す模式図である。
屈折手段の形状の変形例を示す模式図である。
屈折手段の配置の一例を示す模式図である。
屈折手段の配置の一例を示す模式図である。
屈折手段の配置の一例を示す模式図である。
屈折手段の配置の一例を示す模式図である。
屈折手段の配置の一例を示す模式図である。
屈折手段の配置の一例を示す模式図である。
屈折手段の配置の一例を示す模式図である。
屈折手段の配置の一例を示す模式図である。
屈折手段の配置の一例を示す模式図である。
屈折手段の配置の一例を示す模式図である。
屈折手段の配置の一例を示す模式図である。
画像映出手段の一例を示す模式図である。
画像映出手段の一例を示す模式図である。
画像映出手段の変形例を示す模式図である。
画像映出手段の変形例を示す模式図である。
画像映出手段の変形例を示す模式図である。
画像映出手段の変形例を示す模式図である。
画像映出手段の変形例を示す模式図である。
画像映出手段の変形例を示す模式図である。
画像映出手段の変形例を示す模式図である。
制御装置の概要構成の一例を示すブロック図である。
画像投影手段の変形例を示す模式図である。
屈折手段における光路の一例を示す模式図である。
片凸の構造を有するレンズにおける反射の一例を示す模式図である。
片凸の構造を有するレンズにおける反射の一例を示す模式図である。
視点と各屈折手段の画像との関係の一例を示す模式図である。
視差と画像との関係の一例を示す模式図である。
第1実施例の表示装置におけるボールレンズの配置の一例を示す模式図である。
第1実施例の表示装置における表示の一例を示す模式図である。
第1実施例の表示装置における表示の一例を示す模式図である。
第1実施例の表示装置の変形例を示す模式図である。
第2実施例の表示装置における円柱レンズの配置の一例を示す模式図である。
第2実施例の表示装置における画像投影手段の一例を示す模式図である。
表示装置における反射手段の一例を示す模式図である。
表示装置の変形例を示す模式図である。
本願を実施するための形態について図を用いて説明する。
[1. 表示装置の構成および機能]
(1.1 表示装置の構成および機能の概要)
まず、表示装置の構成の概要について、図1から図3Bを用いて説明する。
図1は、一実施形態に係る表示装置の概要構成例を示す模式図である。図2は、屈折手段の一例を示す模式図である。図3Aおよび図3Bは、屈折手段を立体的に配置した一例を示す模式図である。
図1に示すように、表示装置1は、光を屈折して像を拡大する複数の屈折手段1aと、各屈折手段1aを支持して配置する配置支持手段1bと、投影光によって画像を映し出す画像映出手段1cと、画像映出手段1cに投影光を投影する画像投影手段1dと、を備える。
屈折手段1aは、例えば、円形状の断面を有している。屈折手段1aの一例として、例えば、図2に示すように、球形のボールレンズ10が挙げられる。さらに、屈折手段1aの一例として、円形状の断面を有する円柱形、楕円体、円錐形等のレンズが挙げられる。円形状は、曲率がほぼ一定の円形である。
配置支持手段1bは、図1に示すように、各屈折手段1aを、視点3側に対して凸形状に配置する。立体的には、例えば、図3Aに示すように、各ボールレンズ10(屈折手段1aの一例)が球面形状の曲面に配置される。図3Bに示すように、屈折手段1aが、円柱レンズ11の場合、同じ向きの各円柱レンズ11が円筒面状の曲面に配置される。なお、円錐形状や円錐台形状のレンズの場合、円錐台状の側面の曲面にレンズが配置される。なお、視点3は、表示装置1の外にある。
ここで、配置支持手段1bの凸形状の一例として、曲率がほぼ一定の球面形状、円筒の軸に垂直の面で断面が円形状になる円筒面形状が挙げられる。また、球面形状は、全球面、半球面等の球面の一部を形成する曲面で、曲率がほぼ一定の曲面である。また、円筒面形状は、全円筒、半円筒、1/4円筒等の円筒面の一部を形成する曲面で、円筒の軸方向と垂直に交わる平面による断面形状が、曲率がほぼ一定の円である。なお、必ずしも曲率が一定でない曲面の形状等でもよい。
なお、図3Bに示すように、視点3の場合(視点3の視点方向が、円柱レンズ11の底面と平行の場合)、円柱レンズ11の断面の形状は円形状になり、円柱レンズ11の断面の形状が同じなる。
また、図1は、図3Aおよび図3Bのように立体的に配置された各屈折手段1aを、ある視点3からのある断面で記載した断面図でもある。また、図1は、立体的に配置された各屈折手段1aの一例である円筒面形状の曲面に配置されたボールレンズ10をある断面で記載した断面図でもある。
画像映出手段1cは、図1に示すように、屈折手段1aに対して視点3側と反対側に設けられる。例えば、画像映出手段1cは、屈折手段1aの反対側の面に設けられる。
画像映出手段1cは、例えば、画像投影手段1dから投影された投影光による画像を映し出すスクリーンである。画像投影手段1dから出力された投影光が、スクリーンの投影面に投影されて投影画像が形成される。画像映出手段1cは、スクリーンの面の裏面に、裏面側から見て投影画像とは鏡映になる画像を映し出す透過型のスクリーンである。
ここで、画像投影手段1dから出力(または投射)された投影光が、画像映出手段1cの投影面に投影されることにより、投影面に形成される画像である。投影画像は、画像映出手段1cの投影面の形状と、画像投影手段1dの投影光と、その2つの手段の位置関係(距離や方向等)に依存して変わってよい。
図2に示すように、ボールレンズ10の半球面を、例えば、表面処理することにより、透過型のスクリーンである画像映出手段1cが形成される。図2に示すような透過型スクリーンがボールレンズ10の半球面に形成される場合、画像映出手段1cは、投影光が投影された投影面の裏面に視点3側から見える画像を映し出す。
画像映出手段1cは、図1に示すように、屈折手段1aに対して視点3側と反対側に設けられる。すなわち、画像映出手段1cは、表示装置1の外側の視点3に対して、表示装置1の内側に設けられる。図2に示すように、画像投影手段1dから画像映出手段1cに投影された投影光により、ボールレンズ10のような屈折手段1aに対して視点3側と反対側の屈折手段1aの面に形成画像5(図2中、文字”E”の鏡映像)が形成される。画像映出手段1cが、表面処理等により、反対側の屈折手段の面に設けられている場合、画像映出手段1cの投影面の裏面に映し出された画像(視点3側から見たら、文字”E”の正像に見える画像)が、形成画像5になる。この場合、画像映出手段1cの投影面の投影画像も、形成画像5(視点3と反対側から見たら、文字”E”の鏡映像に見える画像)になる。
図1に示すように、画像映出手段1cは、配置支持手段1bにより形成される凸形状の法線方向に、形成画像5の中心とする部分が向くように設けられる。すなわち、画像映出手段1cの中心部(形成画像の中心とする部分)が凸形状の法線方向に向くように、各屈折手段1aが配置支持手段1bにより支持される。画像映出手段1cの中心部と屈折手段1aの中心部とを結ぶ線が、配置支持手段1bの凸形状の面に対して、垂直方向になる。
視点3側と反対側の屈折手段1aの表面に形成された形成画像5の光は、屈折手段1aの内部を通過して、屈折手段1aから外部に出るとときに屈折し、視点3に達する。形成画像5のうち、視点3の方向に対応した一部分(部分形成画像)が、屈折手段1aにより拡大される。
画像投影手段1dは、制御装置50に接続され、制御装置50によって制御される。画像投影手段1dは、屈折手段1aに対して視点3側と反対側から屈折手段1aに向かう投影光を出力(または投射)する。画像投影手段1dから出力された投影光により、画像映出手段1cの投影面に投影画像が形成される。投影画像の光が画像映出手段1cを透過して、投影面の裏側に画像が映し出される。映し出された画像の光により、屈折手段1aの表面に形成画像が形成される。
制御装置50は、画像投影手段1dから出力する投影光が画像映出手段1cの投影面に形成する投影画像の画像データを生成する。制御装置50は、投影画像が画像映出手段1cの投影面に形成されるような投影光を、画像投影手段1dから出力するように、画像投影手段1dを制御する。
また、各画像映出手段1cの投影面の投影画像が、画像投影手段1dからの投影光によって、全ての屈折手段1aにおいて同一または類似する形成画像5を形成する場合、表示装置1に、視点3を変えても、同一または類似する画像が表示される。
ここで、凸形状の曲面に配置された屈折手段1aにおいて、隣り合った各屈折手段1aの一例として、屈折手段1aを中心とした各方向で、最近接にある他の屈折手段1aや、2番目に近い他の屈折手段1aが挙げられる。
(1.2 屈折手段の構成および機能)
次に、屈折手段1aの構成および機能について詳細に説明する。
屈折手段1aは、ガラス、プラスティック等の光を屈折して透過させる材質からなるレンズである。屈折手段1aの色は、光を透過できればよいので、透明に限らず、着色されたガラス等でもよい。
屈折手段1aは、少なくとも一部の断面が円形状である。屈折手段1aの立体形状は、球形、円柱、楕円体、円錐形等である。例えば、屈折手段1aの一例として、ボールレンズ、円柱レンズ等が挙げられる。さらに、屈折手段1aの立体形状は、円柱が樽のように膨らんだ形状、または、円柱が鼓のようにくびれた形状、円錐形の頂点側が削られた形状でもよい。
ここで、屈折手段1aの断面の形状である円形状は、真円に限らず、多少歪んでいてもよい。例えば、視点3から見て、表示装置1による表示される画像の形状が、表示装置1全体として、真円の場合の画像と認識できる程度に、真円から変形したり、歪んだりしてもよい。
さらに、図4Aから図4Dに示すように、屈折手段1aの断面の円形状は、視点3から見て、表示装置1による表示される画像の見え方に、屈折手段内部における反射(内部反射)の影響が気にならない程度、多少楕円形等の両凸の構造であってもよい。例えば、図4Aに示すように、屈折手段1aが楕円体で、楕円体の軸が視点3に向き、屈折手段1aの断面の円形状が、多少楕円になってもよい。また、図4Bに示すように、屈折手段1aが、2つの半球で薄い円板を挟む形状のレンズで、屈折手段1aの断面の円形状が、長方形を半円で挟む形状でもよい、図4Cに示すように、ボールレンズの一部がカッティングされ、屈折手段1aの断面の円形状が、円の一部が削られた形状でもよい。図4Dに示すように、視点3側に対して、手前側の屈折手段1aの曲面と、奥行き側の屈折手段1aの曲面とで曲率が、多少異なってもよい。
なお、図4Eおよび図4Gに示すように、屈折手段1aは、片凸の構造を有するレンズ(例えば、半球のレンズ、半円柱のレンズ、または、これらの一部のレンズ)でもよい。この場合、屈折手段1aの断面形状が、例えば、半円となる。屈折手段1aは、像を拡大する機能があればよいので、片凸で片凹の構造を有するレンズでもよい。
ここで、視点3の一例として、人間の目、カメラ、ロボットの目等が挙げられる。また、表示装置1と視点3との距離も様々で、表示装置1を近づいたり、離れたりして見てもよい。視点3の視点方向も様々で、屈折手段1aが見えればよい。
(1.3 配置支持手段の構成および機能)
次に、配置支持手段1bの構成および機能について、図5Aから図8Bを用いて、詳細に説明する。
配置支持手段1bは、樹脂、粘土等のボールレンズ等の屈折手段1aを連結して配置を規定できる材質を有する。
なお、接着剤でフレキシブルに連結した屈折手段1aを、凸の面を有する支持台の上に載せるようにしてもよい。この場合、配置支持手段1bは、接着剤および支持台である。また、配置支持手段1bは、画像映出手段1cを付けた屈折手段1aを、可塑性の素材に半分ほど埋め込むことで支持してもよい。また、屈折手段1aの形状が円柱、楕円体、円錐形のような棒状である場合、配置支持手段1bは、屈折手段1aを差し込んで固定する支持台でもよい。
次に、屈折手段1aの配置例について説明する。
配置支持手段1bは、複数の屈折手段1aを、視点3側に対して凸形状に配置する。例えば、図5Aに示すように、屈折手段1aが、円形状s1に配列されてもよい。この場合、各屈折手段1aの3次元配置は、球形、半球形、円柱形、楕円体等である。半球形、円柱形、楕円体の場合、ある切断面で円形状s1の配置になる。
画像映出手段1cにより屈折手段1aの面に形成される形成画像の向きは、図5Aに示すように、屈折手段1aの配置形状(円形状s1)に対して垂直方向になる。すなわち、形成画像の中心とする部分(例えば、画像映出手段1cの中心部)が、凸形状の法線方向に向くように、各屈折手段1aが配置されている。
また、図5Bに示すように、屈折手段1aが、楕円形状s2に配列されてもよい。この場合、各屈折手段1aの3次元配置は、例えば、楕円柱形、楕円体等である。楕円柱形、楕円体のある切断面で楕円形状s2の配置になる。画像映出手段1cにより屈折手段1aの面に形成される形成画像の向きは、図5Bに示すように、屈折手段1aの配置形状(楕円形状s2)に対して垂直方向になる。すなわち、形成画像の中心とする部分(例えば画像映出手段1cの中心部)が、凸形状の法線方向に向くように、各屈折手段1aが配置されている。
図5Cおよび図5Dに示すように、片凸構造(例えば、半球または半円柱)の屈折手段1aが、円形状s1に配列されてもよい。
図5Cに示すように、屈折手段1aの凸面が視点3側に向くように並べてもよい。この場合、画像映出手段1cが、屈折手段1aの平面に形成されてもよい。図5Dに示すように、屈折手段1aの中心側に向くように並べてもよい。この場合、画像映出手段1cが、屈折手段1aの凸面に形成されてもよい。
また、図6Aに示すように、凸形状は、各屈折手段1aの中心を通る形状に限らず、各屈折手段1aに内接または外接する形状s3に設定してもよい。画像映出手段1cにより屈折手段1aの面に形成される形成画像の向きは、図6Aに示すように、内接または外接する形状s3に対して垂直方向になる。
また、凸形状(形状s3)は、図5Aおよび図5Bのように閉じた形状でなくて、図6Aに示すように開いた形状でもよい。すなわち、凸形状は、閉じた円形状、閉じた楕円形状のように閉じた凸形状でなくても、これらの一部の形状でもよい。
また、図6Bに示すように、凸形状は、各屈折手段1aの中心付近を直線で結んだ多角形s4でもよい。すなわち、各屈折手段1aの3次元配置が、各屈折手段1aの中心付近を頂点とする凸の多面体でもよい。
画像映出手段1cにより屈折手段1aの面に形成される形成画像の向きは、図6Bに示すように、多角形の頂点において、多角形に接する1つの面に対して垂直方向になる。
また、図6Bに示すように、各屈折手段1aは等間隔に配置されなくてもよい。
また、配置支持手段1bによる同じ凸形状s5に、図7Aに示すように、小さい屈折手段1a(例えば、直径の小さいボールレンズ)が配置されても、図7Bに示すように、大きい屈折手段1a(例えば、直径の大きいボールレンズ)が配置されてもよい。図7Aに示すように、小さい屈折手段1aの場合、表示装置1による表示される画像の解像度が高くなる。
また、配置支持手段1bにより屈折手段1aが配置される凸形状の大きさは、表示装置1の大きさに依存する。例えば、図7Cに示すように、表示装置1の大きさが小さくなると、凸形状s6の曲率が大きくなる。図7Cは、図7Aと同じ大きさの個々の屈折手段1aを用いて、配置支持手段1bの半径が小さい例を示す。この場合、図7Cの表示装置1に表示される画像は、図7Aと比較して、表示される画像の大きさは表示装置1の大きさに合わせて小さくなるが、同じ画像になる。
また、図8Aに示すように、必ずしも全ての屈折手段1aが、配置支持手段1bにより形成される凸形状s7の線上に配置されていなくてもよい。例えば、一部の屈折手段1aが、表示装置1の設計上の凸形状s7より、視点3側(表示装置1の外側に)配置されたり、視点3側とは逆の内側(表示装置1の内側)に設置されたりしてもよい。
これらの場合、表示装置1の画像において、このような一部の屈折手段1aが担当する画像の部分が、作成前に予定していた設計の形状通りにならなくてもよい。この場合、表示装置1が表示する画像全体において、一部の画像映出手段1cが担当する画像の部分がずれた画像になる。
また、図8Aに示すように、必ずしも全ての画像映出手段1cによる屈折手段1aの面に形成される形成画像の向きは、表示装置1の設計上の凸形状s7に、正確に垂直にならなくてもよい。このような一部の画像映出手段1cが担当する画像の部分が、作成前に予定していた設計の方向の通りにならなくてもよい。この場合、表示装置1が表示する画像全体において、一部の画像映出手段1cが担当する画像の部分がずれた画像になる。
なお、画像の中心とする部分が凸形状の法線方向に向くようにとは、画像映出手段1cにより屈折手段1aの面に形成される形成画像の向きは、表示装置1の設計上の凸形状s7に、正確に垂直である必要は無く、表示装置1全体として、各画像映出手段1cにより屈折手段1aの面に形成される形成画像の向きが正確に垂直である場合の画像と認識できる程度に、画像映出手段1cにより屈折手段1aの面に形成される形成画像の向きが垂直からずれていてもよい。
また、図8Bに示すように、屈折手段1aの大きさが、それぞれ異なってもよい。例えば、視点3から見て、表示装置1全体として、各屈折手段1aの大きさが同じ場合の画像と認識できる程度に、各屈折手段1aの大きさは、それぞれ異なってもよい。なお、図3Aに示すようなボールレンズ10が3次元配置された表示装置1を、どのような断面で捉えるかにより、一部の屈折手段1aの断面積が小さくなることもある。
また、屈折手段1aの屈折率が、それぞれ異なってもよい。例えば、視点3から見て、表示装置1全体として、各屈折手段1aの屈折率が同じ場合の画像と認識できる程度に、各屈折手段1aの屈折率は、それぞれ異なってもよい。
なお、画像の中心とする部分が凸形状の法線方向に向くように、各屈折手段1aが配置されると、視点3からの各屈折手段1aの断面形状が同じ形状になる。すなわち、特に、屈折手段1aが、円柱形、楕円体、円錐形などのように、方向性がある立体の場合、各屈折手段1aの向きがほぼ揃うように、各屈折手段1aが配置される。なお、各屈折手段1aの断面形状が、厳密に同じある必要は無く、視点3から各形成画像5を見て、表示装置1全体で、形成画像5が認識できるようであればよい。
また、配置支持手段1bにより屈折手段1aが配置される凸形状は、球面形状と円筒面形状とをつなぎ合わせた形状でもよい。例えば、表示装置1の全体の形状が、2つの半球面で円筒面を挟むようにつなぎ合わせた形状でもよい。このように、各屈折手段1aの3次元配置は、球面、半球面、円筒面、楕円体面等の組み合わせでもよい。
なお、表示装置1の全体の形状が、複数の凸形状が組み合わされた形状でもよい。この場合、凸形状と凸形状とのつなぎ目の部分は、必ずしも凸形状になっていなくてもよい。例えば、4つ葉のように、4方向に凸形状が形成されていてもよい。
また、屈折手段1aの配置に関して、凸形状であればよいので、球面形状は、球面に類似した形状でもよい。また、屈折手段1aの配置に関しても、円筒面形状は、円筒面が樽のように膨らんだ形状、円筒面が鼓のようにくびれた形状、または、円錐面の頂点側が削られた形状のように、円筒面に類似した形状でもよい。
(1.4 画像映出手段の構成および機能)
次に、画像映出手段1cの構成および機能について、図9Aから図10を用いて、詳細に説明する。
画像映出手段1cは、例えば、透過型のスクリーンの機能を有する。屈折手段1aの視点3側と反対側の表面を半透明にする処理や表面処理を施したり、屈折手段1aの視点3側と反対側の表面に半透明のシート(例えば、つや消しのポリエステル等のフィルム)を貼ったり、半透明の塗料を塗布したりして、画像映出手段1cが設けられる。屈折手段1aの反対側の表面が、研き砂や薬品等で表面処理されて、細かい凹凸が生じ、磨りガラスまたは曇りガラスのようになる。
例えば、図2に示すように、ボールレンズ10の半球面を表面処理することにより、半球形状の画像映出手段1cが形成される。
画像映出手段1cは、ビニールまたはアクリル等樹脂、ガラス製等の半透明のスクリーンでもよい。
画像映出手段1cは、投影光が投影された投影面の裏面に画像を映し出す機能を有すればよく、投影光が投影された投影面での光の反射が少なく、画像映出手段1cを透過して裏面から散乱光を放射してもよい。画像映出手段1cに映し出された画像が、屈折手段1aにより像が拡大されて、視点3側から見える。
画像映出手段1cは、図9Aに示すように、透明な材質からなる屈折手段1aの半面を覆うように設けられてもよい。なお、図9Aは、透明のボールレンズ10の表面に半球状に、画像映出手段1cが形成された場合の断面を示す模式図である。なお、円柱レンズが、半円筒面形状の画像映出手段が設けられた場合の断面でもよい。
半球状の画像映出手段1cの中心部とボールレンズ10の中心部とを結ぶ線が、配置支持手段1bの凸形状の面に対して、垂直方向になる。また、円柱レンズの場合、円柱レンズの中心線と、半円筒面形状の画像映出手段1cの中心線を垂直に結ぶ線が、配置支持手段1bの凸形状の面に対して、垂直方向になる。
図9Bに示すように、半球状の画像映出手段1cが設けられたボールレンズ10の表面に、画像投影手段1dから投影光が投影され、形成画像5が形成される。なお、ボールレンズ10の表面に形成された形成画像5を、形成画像5が形成された側から見ると、形成画像5は、鏡映の画像である。
また、形成画像の中心部分は、必ずしも画像”E”自体の中心とは限らず、ボールレンズ10が、配置支持手段1bにより各ボールレンズ10が固定された後、配置支持手段1bにより形成された凸形状面の法線が、ボールレンズ10の中心部を通り、視点3側と反対側のボールレンズ10と面と交差する位置が、画像の中心とする部分である。
図10Aに示すように、画像映出手段1cは、屈折手段1aに密着させず、屈折手段1aとの隙間があるように設けてもよい。図10Bに示すように、画像映出手段1cは、屈折手段1aの面の形状に、沿った形状でなくてもよい。屈折手段1aの断面の形状が円形状の場合、画像映出手段1cの断面形状が、円形状に限らず、楕円形状でもよい。画像投影手段1dから投影光が画像映出手段1cの投影面に投影され、画像映出手段1cの投影面の裏面に画像が映し出され、映し出された画像が、屈折手段1aを通して、視点3側から見えればよい。隙間がある場合、画像映出手段1cの裏面に映し出された画像が、屈折手段1aの表面に当たり、屈折手段1aの表面に形成画像が形成される。
図11Aに示すように、画像映出手段1cの形状は、平面でもよい。図11Bに示すように、平面の画像映出手段1cは、屈折手段1aの断面形状の大きさより、大きくすることで、形成画像(または、平面の画像映出手段1cの裏面に映し出された画像)が見える視野角が広くなる。
図11Cに示すように、画像映出手段1cは、各屈折手段1aに対して視点3側とは反対側に、一体となるように形成してもよい。例えば、各屈折手段1aが球面形状に配置される場合、画像映出手段1cは、球面形状になり、各屈折手段1aが円筒形状に配置される場合、画像映出手段1cは、円筒形状になる。
図12Aおよび12Bに示すように、画像映出手段1cは、複数の平面から構成されてもよい。
図4Aから図4Dに示すように、視点3の反対側の屈折手段1aの面に画像映出手段1cが設けられる。図4Eに示すように、屈折手段1aの凸構造のレンズ面に、画像映出手段1cが設けられもよい。図4Fおよび図4Gに示すように、屈折手段1aの平面に、画像映出手段1cが設けられてもよい。
(1.5 制御装置および画像投影手段の構成および機能)
次に、制御装置50および画像投影手段1dの構成および機能について、図13から図14を用いて、詳細に説明する。
制御装置50は、コンピュータの機能を有する。制御装置50は、出力部51と、記憶部52と、通信部53と、入力部54と、入出力インターフェース部55と、制御部56と、を備えている。そして、制御部56と入出力インターフェース部55とは、システムバス57を介して電気的に接続されている。
出力部51は、画像投影手段1dに、投影光の制御データ、または、画像データを出力する。
記憶部52は、例えば、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等により構成されている。記憶部52は、表示装置1に表示する表示画像の表示原画像を記憶する。表示原画像は、1画像(視点方向において同じ表示画像の場合)でも、視点方向毎の画像(視点方向に応じた表示画像の場合)でもよい。表示原画像は、時間に応じて画像が変わる動画像でもよい。
また、記憶部52は、オペレーティングシステム等の各種プログラムや各種ファイル等を記憶する。なお、表示原画像、各種プログラム等は、例えば、外部からネットワークを介して取得されるようにしてもよいし、記録媒体に記録されてドライブ装置を介して読み込まれるようにしてもよい。
通信部53は、外部の装置との通信状態を制御するようになっている。制御装置50は、通信部53を介して、無線または有線でインターネット等のネットワークと接続してもよい。
入力部54は、例えば、信号等を受け付けるためのコネクタである。
入出力インターフェース部55は、出力部51および記憶部52等と制御部56との間のインターフェース処理を行うようになっている。
制御部56は、CPU(Central Processing Unit)56a、ROM(Read Only Memory)56b、RAM(Random Access Memory)56c等を有する。そして、制御部56は、CPU56aが、ROM56bや記憶部52に記憶された各種プログラムのコードを読み出し実行することにより、投影画像の画像データを生成したり、投影画像を画像映出手段1cの投影面に形成するような投影光の制御データや画像データを画像投影手段1dに送信したりする。
制御装置50は、表示装置1の外部から接続しても、表示装置1の内部に設置してもよい。制御装置50は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等でもよく、プロジェクタ等の画像投影手段1dに接続して、投影光の制御データや投影する画像データを送信してもよい。
画像投影手段1dは、例えば、投影面に画像を投影するプロジェクタである。例えば、プロジェクタは、CRT(Cathode Ray Tube)プロジェクタ、液晶プロジェクタ、DMD(Digital Mirror Device)プロジェクタ、LCOS(Liquid Crystal On Silicon)プロジェクタ、GLV(Grating Light Valve)等である。また、画像投影手段1dは、液晶ディスプレイまたは有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等でもよい。これらのディスプレイは、曲面型、平面型、フレキシブル型でもよい。画像投影手段1dは、レーザ光をスキャンさせて、投影面に画像を投影してもよい。
画像投影手段1dの一例のプロジェクタは、光源ランプ、透過型または反射型の映像部、投影レンズ、インターフェース等を有する。プロジェクタのインターフェースは、制御装置50の出力部53に接続する。プロジェクタは、インターフェースを介して、制御装置50から画像データを取得する。
制御装置50は、画像投影手段1dの電源のON/OFF、および、投影方向等を制御してもよい。また、制御装置50は、画像投影手段1dの投影レンズ、画像投影手段1dから画像映出手段1cに投影される投影光の角度、画像映出手段1cの形状、屈折手段の表面形状等を計算して、投影画像を生成する。制御装置50は、屈折手段の表面に、表示装置1に表示画像が表示されるように設計された形成画像が形成されるように、投影画像の画像データを生成し、投影画像が画像映出手段1cの投影面に形成されるように、画像投影手段1dの投影光を制御すればよい。投影画像を画像映出手段1cの投影面に形成するように、画像投影手段1dの投影光を制御する機能は、画像投影手段1dにあってもよい。
図14に示すように、複数の画像投影手段1dが、複数の方向から投影光を画像映出手段1cの各面(画像映出手段1cの所定の部分、または、所定の領域)にそれぞれ投影してもよい。画像映出手段1cの各面に映し出された投影画像により、屈折手段1aの対応する面の形成画像が形成される。なお、各面は、曲面における所定の部分でもよい。半球面形状や曲面形状の画像映出手段1cに対しても、複数の画像投影手段1dが、複数の方向から投影光を画像映出手段1cの投影面における所定の部分に投影してもよい。
ここで、各屈折手段1aにおいて同一または類似する画像は、各画像が多少異なってもよく、視点3から見て、各屈折手段1aの部分画像の全体で、表示装置1の画像を認識できればよい。
[2. 表示装置の作用]
次に、表示装置の作用について、図を用いて説明する。
(2.1 屈折手段の光路)
まず、屈折手段の光路について、図15、図16Aおよび図16Bを用いて説明する。
図15は、屈折手段における光路の一例を示す模式図である。図16Aおよび図16Bは、片凸の構造を有するレンズにおける反射の一例を示す模式図である。
ここで、図15に示すように、屈折手段1aの大きさは、視点3から屈折手段1aまでの距離に対して、十分小さい場合を考える。この場合、視点3から屈折手段1aまでの距離は、無限遠と見なせる(屈折手段1aと視点3の距離と比較して、屈折手段1aが小さくない場合は、図15のような平行な光路にならないが、効果は同様であるため、図15で光路を説明する)。
断面が半径rの屈折手段1aにおける光路(幅2r)は、平行の光路が屈折手段1aで屈折して、視点3側と反対側で、屈折手段1aの円弧の部分(長さa)に達し、屈折手段1aの外部に出る。なお、屈折手段1aの断面形状が円形状なので、視点3の視覚方向をずらしても、同様な光路になる。
一方、図16Aおよび図16Bに示すように、屈折手段の断面形状が半円の場合、法線方向に対して、視点3の角度θdが大きくなると、屈折手段内部での反射(内部反射)が生じるようになる。すなわち、片凸の構造のレンズの場合、視点3から、外光が見えることになる。
しかし、図15に示すように、屈折手段1aの断面形状が円形状であると、屈折手段1aに入射した光の屈折手段1a内部での反射がない。
なお、長さaの円弧が、幅2rまで拡大されるので、屈折手段1aの拡大率は、おおよそ2r/aとすることができる。
(2.2 視点からの画像の見え方)
次に、各視点からの画像の見え方について図17および図18を用いて説明する。図17は、視点と各屈折手段の画像との関係の一例を示す模式図である。図18は、視差と画像との関係の一例を示す模式図である。
図17に示すように、屈折手段10a、10b、10c、10dが、配置支持手段1bにより、中心Cの半径Rの円形s10(凸形状の一例)に並んでいるとする。屈折手段10a、10b、10c、10dの中心cと、配置の中心Cとの距離はRである。なお、視点とレンズの距離がレンズのサイズや配置される径と比較して特別大きくはない場合、視点と各レンズを結ぶ線は、放射状になる。
各屈折手段10a、10b、10c、10dには、記号であるダガー、ダイヤおよびスペードの順に並んでいる形成画像の部分画像であるダガーの部分画像5a、ダイヤの部分画像5b、スペードの部分画像5cが並んでいるとする。また、この例では、形成画像の中心とする部分が、ダイヤの部分画像5bであるとする。なお、ダガー、ダイヤおよびスペードの順に並んでいる形成画像は、画像投影手段1dから投影した投影光により、画像映出手段1cの投影面に映し出されて形成されている。
形成画像の中心とする部分であるダイヤの部分画像5bは、屈折手段の中心cと、屈折手段の配置の中心Cとを結ぶ線上にある。形成画像の中心とする部分であるダイヤの部分画像5bと、屈折手段の中心cとを結ぶ線は、中心Cの半径Rの円形s10(凸形状の一例)の法線方向である。すなわち、形成画像の中心とする部分であるダイヤの部分画像5bの向きは、円形s10(1b)の法線方向である。
視点3aから表示装置1を見ると、屈折手段10aには、ダガーの部分画像5aが中心に見え、屈折手段10bには、ダイヤの部分画像5bが中心に見え、屈折手段10cには、スペードの部分画像5cが中心に見える。
各屈折手段10a、10b、10cの拡大機能より、視点3aから、屈折手段10aには、ダガーの部分画像5aが、拡大された部分画像6aのように見え、屈折手段10bには、ダイヤの部分画像5bが、拡大された部分画像6bのように見え、屈折手段10cには、スペードの部分画像5cが拡大された部分画像6cのように見える。
従って、屈折手段10aの部分画像6aと、屈折手段10bの部分画像6bと、屈折手段10cの部分画像6cとを合わせて、表示装置1で、拡大された合成画像であって、記号であるダガー、ダイヤおよびスペードの順に並んでいる合成画像を表示することができる。
一方、視点3bから表示装置1を見ると、屈折手段10bには、ダガーの部分画像5aが中心に見え、屈折手段10cには、ダイヤの部分画像5bが中心に見え、屈折手段10dには、スペードの部分画像5cが中心に見える。
各屈折手段10b、10c、10dの拡大機能より、視点3bから、屈折手段10bには、ダガーの部分画像5aが拡大された部分画像7aのように見え、屈折手段10cには、ダイヤの部分画像5bが拡大された部分画像6bのように見え、屈折手段10dには、スペードの部分画像5cが拡大された部分画像7cのように見える。
従って、屈折手段10bの拡大された部分画像7aと、屈折手段10cの拡大された部分画像6bと、屈折手段10dの拡大された部分画像7cとを合わせて、表示装置1で、拡大された合成画像であって、記号であるダガー、ダイヤおよびスペードの順に並んでいる合成画像を表示することができる。
以上のように、視点3aからも視点3bからも同じように、各屈折手段の拡大された部分画像から合成された合成画像であって、記号であるダガー、ダイヤおよびスペードの順に並んでいる合成画像が見える。
また、図18に示すように、図17のような表示を両眼(視点3cおよび視点3d)で見ると、それぞれの眼について視点3c、3dと各屈折手段の配置の中心Cとを結ぶ線と、円形s10との交点付近にある各屈折手段におけるダイヤの各部分画像5bが見える。よって、視差により、ダイヤの部分画像5bは、両眼の視線の交点である屈折手段の配置の中心C付近に、拡大された部分画像6bが表示されているように見える。こうして、記号であるダガー、ダイヤおよびスペードの順に並んでいる合成画像が表示装置1の中に存在するように見える。
また、図17の例で、3aから3bに移動しながら表示装置1を見ると、記号であるダガー、ダイヤおよびスペードの順に並んでいる合成画像は、面P1から面P2へと、常に視点と中心Cを結ぶ線に垂直な面に存在するように見える。よって、合成画像が、屈折手段の配置の中心Cを中心軸として、回転しながら、視点に対して正面を向いているように見える。
以上、説明したように、本実施形態に係る表示装置1によれば、画像投影手段1dから出力された投影光が画像映出手段1cの投影面に当たり投影画像が形成され、投影画像によって画像映出手段1cの投影面の裏面に画像が映し出され、映し出された画像が各屈折手段1aを通して視点3側から見えるので、画像投影手段1dの投影光を制御して投影画像を変更することにより、表示装置1に表示する表示画像を容易に変更させることができる。
各屈折手段の1つ1つ、画像を貼り替えたり、印刷し直したりする必要がない。また、従来技術では、表示する画像の変更の自由度が低いため、動画像を表示させることが難しかったが、本実施形態に係る表示装置1によれば、動画像を表示させることができる。
画像投影手段1dから画像映出手段1cの投影面に投影される投影光を時間変化させることで、画像映出手段1cの投影面に動画像を投影することにより、表示装置1に動画像を容易に表示することができる。また、画像投影手段1dから投影光を画像映出手段1cの投影面に投影して動画像を表示するので、各屈折手段1aに配線をする必要が無いので、配線がシンプルになる。
また、表示装置1を両眼で見ると、屈折手段1aが視点3側に対して凸形状に配列されているため、視差により、合成画像が表示装置1の中に存在するように見える。動画像の投影光を投影すると、両眼でみると、表示装置1の中に、動画像が表示されているように見える。
画像映出手段1cが、反対側の屈折手段1aの面に設けられた場合、スクリーンが屈折手段の面上に設けられているので、別途、画像映出手段1cを設ける必要がなく、部品点数が減少し、コストを下げることができる。
複数の方向から投影された投影光により画像映出手段1cの投影面に投影画像を投影して、屈折手段1aに形成画像を形成する場合、投影の死角を減少させることができる。
プロジェクタのような画像投影手段を更に備える場合、各屈折手段に液晶ディスプレイ、有機ELディプレイ等のディスプレイを設置する必要がないので、配線がシンプルになる。
配置支持手段1bが、形成画像の中心とする部分が凸形状の法線方向に向くように、各屈折手段1aを支持するので、各屈折手段1aにおいて同じ形成画像が形成されている場合、見る角度を変えても、表示装置1は、同じ画像を表示することができる。また、表示装置1は、各屈折手段1aの形成画像に応じて、様々な画像を表示できる。
凸形状が、円形状の断面を有する場合、表示装置1が表示する合成画像の歪みが少なくなる。また、ユーザが見る角度を変えても、歪みが少ない画像を見ることができる。
ところで、レンチキュラーレンズの個々のレンズは、平坦面を有する片凸構造であるため、視野角が所定値以上になると、レンズの平坦面において、レンズ内部からの光の反射(内部反射)が生じるため十分な視野角を確保できなかったという問題があった。さらに、特許文献1では、周囲からの外光による影響を少なくするために、黒色の薄板に格子状に形成したスリット等の遮光手段を設けているが、遮光手段のため画像が暗くなり、特に円筒形の中心部分以外では画像が表示できない、もしくは画像が見えにくくなり視認性が低下するという問題があった。
しかし、屈折手段1aが円形状の断面を有する場合の表示装置1によれば、屈折手段1aが、円形状の断面を有するので、屈折手段1a内部における表示装置1の周囲からの外光の反射(内部反射)による視認性の低下を防止でき、外光を遮断するスリット等の遮光手段が不要になり、表示装置1が表示する画像が明るくなり、視認性が向上する。
このように視認性が向上することにより、屈折手段1aが円形状の断面を有する場合、表示装置1に対して視認性の高い表示範囲を広く確保し、表示装置1の実用性を高めることができる。
また、各屈折手段1aの視野角が広がったため、視点3側から見える表示装置1の表示面全体で、大きな画像を表示させることができる。一方、片凸の構造を有するレンズでは、内部反射により各屈折手段の視野角が狭いため、視点3側から見える表示装置の表示面全体に映し出す大きな画像を表示することができない。
また、屈折手段1aの形状が、球状、または、円柱状である場合、表示装置1の周囲から外光に対して、屈折手段1aの内部反射をほとんど無くすことができる。また、この場合、個々の屈折手段1aの視野角が広がる。
屈折手段1aの形状が、ボールレンズ10のように球状である場合、球形の屈折手段1aを、球面に配置したり、楕円体の面に配置したり等と、配置の自由度が向上する。
屈折手段1aの形状がボールレンズ10等の球状であり、配置支持手段1bが、各屈折手段1aを球面形状に配置する場合、平面的な視点3の移動のみならず、立体的な方向からの視点3の移動に対して、表示装置1は、同じような画像を表示できる。また、屈折手段1aの形状がボールレンズ10等の球状であり、配置支持手段1bが、各屈折手段1aを円筒形状に配置する場合、建物柱等に表示装置1を設置することができる。
屈折手段1aの形状が、円柱レンズのように円柱状であり配置支持手段1bが、各屈折手段1aを円筒面形状に配置する場合、建物柱等に表示装置1を設置することができる。
[実施例]
次に、上述した実施形態に対応する具体的な実施例について、図を用いて説明する。
(第1実施例)
屈折手段1aが、ボールレンズ10である場合の実施例について、図19、図20Aおよび図20Bを用いて説明する。
図19に示すように、表示装置1Aは、複数個のボールレンズ10を球面に配置した実施例である。
なお、図19には、図示されないが、各ボールレンズ10の半球面に、スクリーン面として半球形状の画像映出手段1cが形成されている。各ボールレンズ10には、表示装置1Aの内側から、図9Bに示すように、画像投影手段1dからの投影光によって各ボールレンズ10の画像映出手段1cの投影面に”E”の文字の投影画像が映し出され、ボールレンズ10の視点と反対側の面に形成画像が形成される。形成画像の中心部分が、表示装置1Aの球面の中心に向いている。すなわち、形成画像の中心部分からボールレンズ10の中心に向かう向きが、球面の法線方向になっている。
また、球面形状のプラスティックの面に、各ボールレンズ10をはめ込む穴が空いていて、各ボールレンズ10が半分ほどはめ込まれている。
図20Aに示すように、画像”E”の各部分を受け持つ各ボールレンズ10の部分画像から合成された画像”E”が、表示装置1Aに表示される。
なお、両眼で見ると、画像”E”が、表示装置1Aの中に存在するように見える。
図20Bに示すように、視点をずらして見ても、画像”E”が、同じように見える。なお、図20Bに示すように、画像”E”の各部分を受け持つ、ボールレンズ10が、図20Aに示した場合と異なっている。
制御装置50により、画像投影手段1dが画像映出手段1cの投影面に異なる投影画像を形成する投影光を投影すると、表示装置1Aには、異なる画像が表示される。表示装置1Aは、画像”E”の他に、様々な画像を容易に表示できる。
なお、表示装置の形状は、半球面等でもよい。
また、図21に示すように、表示装置の形状は、円筒面形状の表示装置1Bでもよい。この場合、ボールレンズ10が、円筒面形状に配置される。背の高い人の視線、背の低い人の視線でも、画像が見える。
表示装置1Bは、完全な円筒形状でなく、半円筒形状やその一部の形状でもよい。
(第2実施例)
次に、円柱レンズを円筒面形状に配置した実施例について図22、図23および図24を用いて説明する。
図22に示すように、表示装置1Cは、同じ長軸方向の円柱レンズ11を、円筒面形状に配置してもよい。各円柱レンズ11により、円筒面s11(1b)が形成される。
図22および図23に示すように、円柱レンズ11の片側の面に、スクリーン面として半円筒面形状の画像映出手段1cが形成されている。半円筒面形状の画像映出手段1cが、表示装置1Cの各円柱レンズ11に設けられている。
図23に示すように、半円筒面形状の画像映出手段1cの向きは、表示装置1Cの円筒面s11(1b)の法線方向である。すなわち、円柱レンズ11の中心cと、円筒面s11の中心Cとを結ぶ線上に、画像映出手段1cの中心部分がある。
ここで、配置支持手段1bは、各屈折手段1aを、視点からの各屈折手段1aの断面形状が同じ形状になるように配置する。
なお、表示装置1Cは、完全な円筒形状でなく、半円筒形状やその一部の形状でもよい。
図23に示すように、表示装置1Cの内部には、画像投影手段1dの一例であるプロジェクタが設置されている。画像投影手段1dからの投影光によって画像映出手段1cの投影面に投影画像が投影され、投影画像が画像映出手段1cの裏面に映し出され、円柱レンズ11の視点と反対側の面に形成画像が形成される。
図24に示すように、表示装置1Dは、反射鏡等の反射手段1eを備えてもよい。反射手段1eは、金属を磨いた面、金属をメッキした面、蒸着した面、金属箔を貼った面、鏡のような光の反射効果を持つ面、または、光の反射効果と似た光路に光を屈折する屈折手段でもよい。
画像投影手段1dは、表示装置1Dの内部になくてもよい。反射手段1eは、図24に示すように、画像投影手段1dに対して凸形状の球形状でもよい。反射手段1eは、画像投影手段1dに向かう軸以外、凹面の形状でもよい。反射手段1eは、半球、円錐形、円錐台、三角錐形、四角錐形等の多角錐形、多角錐台、放物線や双曲線型、それらの形状を2つ以上組み合わせた形状、または、360度撮影の時のミラーのような形状でもよく、画像投影手段1dからの投影光を、反射して画像映出手段1cの投影面に画像を投影できる形状ならばよい。
また、反射手段により、投影光を複数の方向から投影して画像映出手段1cの投影面に画像を投影してもよい。または、画像映出手段1cからの一部の投影光を反射手段(複数でもよい)により反射して、別の角度から、画像映出手段1cの他の投影面に投影してもよい。
画像投影手段1dから投影された投影光が、反射手段1eで反射してから、画像映出手段1cに投影され、円柱レンズ11の視点と反対側の面に形成画像が形成される。なお、制御装置50は、各屈折手段での形成画像が形成できるように、反射手段1eの反射面の形状を考慮した投影画像を生成する。
画像投影手段1dは、表示装置1Dの内部に設置しなくてもよいので、表示装置1Dを小型できる。画像投影手段1dは、表示装置1Dの内部に設置しなくてもよいので、小型の画像投影手段1dでなくてもよい。また、表示装置1Dは、画像投影手段1dは始めから備えていなくてもよいので、後付けで画像投影手段1dを設置でき、交換しやすくなる。
画像投影手段1dから出力された投影光を反射して、反射した投影光を画像映出手段1cの投影面に投影する反射手段1eを更に備えた場合、屈折手段および画像映出手段等の光学系とは別に、画像投影手段等の投影系を後から表示装置1に装着できるので、それぞれを別々にメンテナンスできる。また、プロジェクタのような画像投影手段を表示装置1の内部(配置支持手段1bの内部)に設置する必要がないため、表示装置1を小型化ができる。1つの画像映出手段1cから投影光を反射手段1eに投影し、反射手段1eから各方向の屈折手段1aに投影すれば、複数の画像映出手段1cによる投影のように、投影画像間の継ぎ目の調整を考える必要がなくなり、屈折手段1aの形成画像の生成が容易になる。
図25に示すように、表示装置1Eは、円錐台の形状でもよい。複数の円錐台レンズ12が、配置支持手段1bの一例の支持台15により、円錐台の側面の曲面に配置される。図25に示すように、上方の視点3から、表示装置1Eを見下ろす位置に設置することができる。図15に示すような表示装置1Eを図中上下反転した表示装置の場合、下方の視点3から、表示装置1Eを見上げる位置に設置することができる。
なお、画像映出手段1cは、透過型のスクリーンでなく、反射型のスクリーンでもよい。この場合、小型の画像投影手段1dを、画像映出手段1cと屈折手段1aとの間に設置する。また、透過型のスクリーンと反射型のスクリーンとを組み合わせてもよい。
画像映出手段1cは、屈折手段1aの視点と反対側の面の全面に設けず、一部分に屈折手段1aに直接投影画像が形成されるような投影光が、画像投影手段1dまたは反射手段1eから投影されてもよい。
さらに、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではない。上記各実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1、1A、1B、1C、1D、1E:表示装置
1a:屈折手段
1b:配置支持手段
1c:画像映出手段
1d:画像投影手段
1e:反射手段
3、3a、3b、3c、3d:視点
5:形成画像
10:ボールレンズ(屈折手段)
11:円柱レンズ(屈折手段)
12:円錐台レンズ(屈折手段)
15:支持台(配置支持手段)
s1:円形状(凸形状)
s2:楕円形状(凸形状)
s3:形状
s4:多角形状(凸形状)
s5、s6、s7:凸形状
s10:円形(凸形状)
s11:円筒面s11(凸形状)