JPWO2018038264A1 - シューズクリーナ - Google Patents

Abstract

ユーザが高濃度のオゾンに晒されることなく使用することができ、しかも、小型で使用し易く且つ低消費電力で使用可能なシューズクリーナを提供する。シューズクリーナ１はシート状のオゾン発生体２と筐体３とを備える。オゾン発生体２を、フレキシブルな基材４と、フレキシブルな高分子樹脂の電極シート５とで形成した。電極シート５は、誘電体５０と、誘電体５０によって被覆された電極５１，５２とで形成した。筐体３には、電池６０の電圧を昇圧して電極シート５に供給する昇圧回路６を収納した。

Description

この発明は、オゾンによって靴の除菌や脱臭を行うことができるシューズクリーナに関するものである。

従来、この種の技術としては、例えば、特許文献１〜特許文献３に記載の技術がある。
特許文献１に記載の技術は、オゾン発生器を下駄箱内部に設けた装置である。これにより、オゾン発生器で発生したオゾンを下駄箱全体に循環させて、靴等の除菌や脱臭を行う。
また、特許文献２に記載の技術は、オゾン発生器と電源制御装置とを外箱内に内蔵した装置である。これにより、外箱を靴内に挿入し、オゾンをオゾン発生器から外箱の広い空間内に発生させることで、オゾンを外箱の孔から靴内に放出し、放出したオゾンによって靴内を除菌等する。
これに対して、特許文献３に記載の技術は、オゾン発生器だけでなく、ファン等も有した装置である。これにより、オゾンをオゾン発生器から外箱の広い空間内に発生させるだけでなく、発生させたオゾンを、ファンやノズルを用いて強制的に吹き出すことで、除菌等を効率的に行う。

特開２００１−３１４２５０号公報 特開平１１−１０４２２３号公報 特開２００６−０３４９２５号公報

しかし、上記した従来の技術では、次のような問題があった。
特許文献１に記載の技術は、比較的大きな下駄箱内を除菌する装置であるため、下駄箱内部の靴等をオゾンにより除菌、脱臭するには、下駄箱内に放出するオゾンの量を多くする必要がある。このため、この装置を使用するユーザが、使用時に、高濃度のオゾンに晒されるおそれがある。
これに対して、特許文献２や特許文献３に記載の技術では、ユーザが、使用時に、高濃度のオゾンに晒されるおそれはほとんどないが、オゾン発生器等を外箱内に内蔵した装置であるので、装置自体が大型化してしまう。
特に、特許文献３に記載の技術では、オゾン発生器だけでなく、ファンやノズル等の機器を、外箱内に設ける必要があるので、装置自体がさらに大型化するおそれがある。さらに、オゾン発生器を作動させる電力だけでなく、ファンを作動させるための電力も必要となるので、作動時における装置の電力消費が大きくなる。

この発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、ユーザが高濃度のオゾンに晒されることなく使用することができ、しかも、小型で使用し易く且つ低消費電力で使用可能なシューズクリーナを提供することを目的とする。

上記課題を解決するために、請求項１の発明は、靴の履口から靴内に挿入可能なオゾン発生体と、オゾン発生体の表面に取り付けられ且つオゾン発生体と一体に靴内に挿入可能な筐体とを備えるシューズクリーナであって、オゾン発生体を、表面が筐体の底部に取り付けられたシート状の基材と、表面がこの基材の裏面に貼り付けられ、１対の電極の少なくとも一方の電極が誘電体で被覆され且つ少なくともこの誘電体が高分子樹脂によって形成された電極シートとで形成し、筐体内に、オゾンを発生させるために必要な電圧を電極シートの１対の電極に供給可能な電圧供給部を収納した構成とする。
かかる構成により、ユーザは、オゾン発生体の裏面を靴底側に向けた状態で、シューズクリーナ全体を、靴の履口から内部に挿入することができる。
この状態で、筐体に収納された電圧供給部を作動させると、所望の電圧が、オゾン発生体の電極シートに供給され、オゾンが、電極シートから放出される。
このとき、オゾン発生体の電極シートが、靴底に対面した状態になっているので、電極シートから放出されたオゾンが、靴底に直接吹き付けられることとなり、靴底が十分に除菌及び脱臭される。
つまり、この発明のシューズクリーナでは、オゾンを靴内という狭い空間内に発生させるだけで済むので、高濃度のオゾンを多量に発生させることなく、少量のオゾンによって、靴内を効率的に除菌及び脱臭することができる。この結果、ユーザが高濃度のオゾンに晒されることなく使用することができる。さらに、発生させるオゾンが少量で済むので、その分、電圧供給部から電極シートに供給する電圧を低くすることができ、この結果、消費電力の低減化を図ることができる。
また、この発明のシューズクリーナは、靴内に挿入可能なオゾン発生体とこのオゾン発生体に取り付けられ且つオゾン発生体と一体に靴内に挿入可能な筐体とを備えた構成であるので、シューズクリーナ全体を、小さくすることができる。また、上記した特許文献２及び特許文献３に記載の装置のように、オゾンを発生させる空間や送風用ファンを収納するための空間を、筐体に設ける必要もないので、その分、さらなる小型化と構成の簡略化とを図ることができる。
そして、シューズクリーナの小型化により、未使用時におけるシューズクリーナの保管場所の省スペース化を可能にしている。
また、この発明のシューズクリーナでは、電極シートにおいて、少なくとも誘電体が高分子樹脂によって形成されているので、セラミックやガラスで形成されたオゾン発生体のように、割れるおそれがなく、一般ユーザにとっても扱い易い。つまり、高分子樹脂の特性を用いて、オゾン発生体の薄型化、軽量化を図ることができると共に電極シートを任意の形状に容易に加工することができる。

請求項２の発明は、請求項１に記載のシューズクリーナにおいて、電極シート又は基材の少なくとも一方を、フレキシブルな素材で形成した構成とする。
かかる構成により、電極シートと基材の双方を、フレキシブルな素材で形成することにより、オゾン発生体を靴内に挿入する際に、オゾン発生体が靴内部の形状に追従して変形する。このため、シューズクリーナを靴内の所望の位置にスムーズに配置することができる。

請求項３の発明は、請求項１又は請求項２に記載のシューズクリーナにおいて、電極シートの誘電体は、誘電率３以上で且つ絶縁破壊電圧１５ｋＶ／ｍｍ以上の高分子樹脂で形成されている構成とした。
かかる構成により、電極シートが高電圧に耐え得る強い素材になり、しかも、オゾンを生じさせるためのプラズマが発生し易くなる。

請求項４の発明は、請求項１ないし請求項３のいずれかに記載のシューズクリーナにおいて、基材は、ヤング率が４０ＭＰａ以下の素材で形成されている構成とした。

請求項５の発明は、請求項１ないし請求項４のいずれかに記載のシューズクリーナにおいて、オゾン発生体の裏面に、オゾン発生体裏面と靴底との距離を１０ｍｍ以下に保持するためのスペーサを設けた構成とする。
かかる構成により、ざらざらの表面を有する靴内部や中敷き等、特に除菌及び脱臭し難い部分を、確実に除菌及び脱臭することができる。

請求項６の発明は、請求項５に記載のシューズクリーナにおいて、スペーサは、電極シートの裏面に突設された高さ１０ｍｍ以下の突起物である構成とした。

請求項７の発明は、請求項５に記載のシューズクリーナにおいて、スペーサは、電極シートの裏面に取り付けられた厚さ１０ｍｍ以下の網状体である構成とした。

請求項８の発明は、請求項１ないし請求項４のいずれかに記載のシューズクリーナにおいて、オゾン発生体の断面形状を波形に形成した構成とする。
かかる構成により、波形のオゾン発生体と靴底との隙間に、多量の空気が充満し、電極シートによるオゾンの発生効率が高まる。この結果、除菌効果が高まる。さらに、オゾン発生体を平面形状でなく、波形形状にして、靴底に添って敷設することで、オゾン発生体の裏面面積を大きくすることができる。

請求項９の発明は、請求項８に記載のシューズクリーナにおいて、オゾン発生体の波形の高さを、１０ｍｍ以下に設定した構成とする。
かかる構成により、ざらざらの表面を有する靴内部や中敷き等、特に除菌及び脱臭し難い部分を、確実に除菌及び脱臭することができる。

請求項１０の発明は、請求項１ないし請求項９のいずれかに記載のシューズクリーナにおいて、オゾン発生体に、基材と電極シートとを表面側から裏面側に貫通する複数の孔を設けた構成とする。
かかる構成により、空気が、複数の孔を通じて、オゾン発生体の表面側から裏面側に多量に入り込む。この結果、オゾンの発生効率が高くなり、除菌効果及び脱臭効果を高めることができる。

請求項１１の発明は、請求項１ないし請求項１０のいずれかに記載のシューズクリーナにおいて、電極シートにおける１対の電極は、それぞれ櫛歯状に形成され、これら１対の電極の櫛歯同士が、一定間隔を保って、噛み合っている構成とした。

請求項１２の発明は、請求項１ないし請求項１０のいずれかに記載のシューズクリーナにおいて、電極シートにおける１対の電極の一方の電極を、誘電体内部に収納し、多数の孔を有した他方の電極又は櫛歯状の他方の電極のいずれかを、当該一方の電極に対向させた状態で、誘電体上に配設した構成とする。

請求項１３の発明は、請求項１ないし請求項１２のいずれかに記載のシューズクリーナにおいて、オゾン発生体の形状を、靴の中敷きの全体形状又は中敷きのつま先側部分の形状のいずれかの形状に設定した構成とする。

以上詳しく説明したように、この発明によれば、オゾンを靴内という狭い空間内に発生させるだけで済むので、高濃度のオゾンを多量に発生させることなく、少量のオゾンによって、靴内のあらゆる箇所を効率的に除菌及び脱臭することができる、という優れた効果がある。そして、除菌及び脱臭の効果を少量のオゾン発生で得ることができるため、その分、電圧供給部から電極シートに供給する電圧を低くすることができ、その結果、消費電力の低減化を図ることができる、という効果もある。
また、この発明では、外形の小型化と構成の簡略化とを図ることができるので、保管場所の省スペース化と消費電力のさらなる低減化とを図ることができる。
さらに、この発明では、電極シートにおいて、少なくともこの誘電体を高分子樹脂によって形成しているので、割れるおそれがなく、一般ユーザにとっても扱い易い。そして、高分子樹脂の特性により、オゾン発生体の薄型化、軽量化を図ることができると共に電極シートを任意の形状に容易に加工することができる。

また、請求項２の発明によれば、電極シートと基材の双方を、フレキシブルな素材で形成することにより、シューズクリーナを靴内の所望の位置にスムーズに配置することができる。

また、請求項３の発明によれば、電極シートの長寿化を図ることができると共に、オゾンの発生を容易にする。

特に、請求項５ないし請求項７の発明によれば、ざらざらの表面を有する靴内部や中敷き等、特に除菌及び脱臭し難い部分を、確実に除菌及び脱臭することができる。

請求項８ないし請求項１０の発明によれば、電極シートによるオゾンの発生効率を高めることができる。
特に、請求項８の発明によれば、オゾン発生体の裏面面積を大きく採ることができる。
また、請求項９の発明によれば、ざらざらの表面を有する靴内部や中敷き等、特に除菌及び脱臭し難い部分を、確実に除菌及び脱臭することができる。

この発明の第１実施例に係るシューズクリーナを示す斜視図である。 表面側から視たシューズクリーナの平面図である。 裏面側から視たシューズクリーナの平面図である。 図２の矢視Ａ−Ａ断面図である。 オゾン発生体を一部破断して示す概略平面図である。 昇圧回路によるオゾン発生機能を説明するための概略断面図である。 シューズクリーナを靴内に挿入する際の状態を示す概略断面図である。 シューズクリーナの除菌及び脱臭効果を説明するための概略断面図である。 シューズクリーナを靴内から取り出す際の状態を示す概略断面図である。 第１実施例の第１変形例に係るシューズクリーナを示す側面図である。 第１実施例の第２変形例に係るシューズクリーナを示す側面図であり、図１１の（ａ）は、シューズクリーナの使用時におけるオゾン発生体の状態を示し、図１１の（ｂ）は、オゾン発生体を折り曲げた状態を示す。 第１実施例の第３変形例に係るシューズクリーナの立置き状態図である。 第１実施例の第４変形例に係るシューズクリーナを示す電気的接続状態図である。 第１実施例の第５変形例に係るシューズクリーナの要部を示す電気ブロック図である。 この発明の第２実施例に係るシューズクリーナを示す平面図である。 第２実施例の電気的接続状態を示す概略平面図である。 シューズクリーナの使用例を示す概略断面図である。 この発明の第３実施例に係るシューズクリーナの側面図である。 裏面側から視たシューズクリーナの平面図である。 シューズクリーナを靴内に挿入した状態を示す概略断面図である。 菌の生存状態を示す写真の転写図である。 菌の生存率と距離との関係を示す線図である。 この発明の第４実施例に係るシューズクリーナを裏面から視た平面図である。 この発明の第５実施例に係るシューズクリーナを示す側面図である。 この発明の第６実施例に係るシューズクリーナの平面図である。 オゾン発生体の部分を断面で示した側面図である。 この発明の第７実施例に係るシューズクリーナの要部を示す概略断面図である。 図２７に示す要部を分解して示す斜視図である。 第７実施例で適用された電極の変形例を示す平面図であり、図２９の（ａ）は、第７実施例の第１変形例を示し、図２９の（ｂ）は、第７実施例の第２変形例を示す。

以下、この発明の最良の形態について図面を参照して説明する。

（実施例１）
図１は、この発明の第１実施例に係るシューズクリーナを示す斜視図であり、図２は、表面側から視たシューズクリーナの平面図であり、図３は、裏面側から視たシューズクリーナの平面図である。
図１に示すように、この実施例のシューズクリーナ１は、靴の内部を除菌及び脱臭するための装置であり、オゾン発生体２と筐体３とを備えている。

オゾン発生体２は、オゾンを発生させるためのシート状の部材であり、靴の履口から靴内に挿入可能な形状をしている。
具体的には、図２に示すように、オゾン発生体２の形状が、靴の中敷きの全体形状に設定されている。さらに、図３に示すように、オゾン発生体２の形状が、中心軸Ｍに関して線対称に形成されている。これにより、オゾン発生体２を左右の靴のいずれにも挿入でき、しかも、挿入時に、オゾン発生体２が、靴のつま先の先端近くや横端の近くまで届くようになっている。
このような全体形状を有するオゾン発生体２は、図１に示すように、互いに同形のシート状の基材４と電極シート５とを貼り合わせた構成になっている。

基材４は、その表面４ａが筐体３の底部としての底壁３０に貼り付けられたフレキシブルな部材である。
この基材４は、ヤング率が４０ＭＰａ（メガパスカル）以下の素材で形成されており、ゴムで硬度Ｈｓ（ショア硬さ）７０に相応する弾性特性を有する。
具体的には、ヤング率が４０ＭＰａ以下のシリコーンゴムやエチレンプロピレンゴム等のゴムや、ポリウレタンフォームやポリエチレンフォーム等のスポンジ状素材を、基材４として用いる。

電極シート５は、オゾンを発生するフレキシブルなシート部材であり、その表面５ａが基材４の裏面に貼り付けられ、電極シート５全体が基材４によって支持されている。
図４は、図２の矢視Ａ−Ａ断面図であり、図５は、オゾン発生体２を一部破断して示す概略平面図である。
図４に示すように、電極シート５は、シート状の誘電体５０とこの誘電体５０によって被覆された１対の電極５１，５２とで形成されている。
具体的には、誘電体５０は、２層の誘電体層５０ａ，５０ｂで構成されており、電極５１，５２が下層の誘電体層５０ｂ上に形成され、上層の誘電体層５０ａが、電極５１，５２を覆うように、誘電体層５０ｂ上に積層されている。

このような電極シート５は、全て高分子樹脂で形成されている。
具体的には、誘電体層５０ａ，５０ｂが、誘電率３以上で且つ絶縁破壊電圧１５ｋＶ／ｍｍ（キロボルト／ミリ）以上の高分子樹脂で形成されている。この実施例では、このような高分子樹脂として、ポリイミド、シリコーン、ＰＥＴ（ポリエチレンテレフタレート）、塩化ビニルのいずれかを用いる。そして、電極５１，５２も高分子樹脂である導電性ポリマーで形成した。
また、図５に示すように、１対の電極５１，５２のそれぞれは、櫛歯状に形成されている。即ち、複数の櫛歯５１ａ，５２ａ同士が、一定間隔を保って、噛み合っている。

一方、筐体３は、図１に示すように、オゾン発生体２の表面、即ち基材４の表面４ａに貼り付けられおり、この筐体３を指で摘むための凹部３２ａ，３３ａが、筐体３の両側壁３２，３３に形成されている。
これにより、凹部３２ａ，３３ａを摘んで、筐体３をオゾン発生体２と一体に靴内に挿入することができるようになっている。

このような筐体３には、図４に示すように、電圧供給部としての昇圧回路６が収納されている。
この昇圧回路６は、オゾン発生に必要な電圧を電極シート５に供給するための回路である。この実施例では、シューズクリーナ１を、靴箱や玄関等、商用電源が近くにない場所での使用を想定しているため、電池６０を電源として用いた。
具体的には、図４及び図５に示すように、電池６０が、筐体３内に収納され、スイッチ６１を介して、昇圧回路６の入力端６ａ，６ｂに電気的に接続されている。
電池６０は、この実施例では、例えば直流３Ｖの電圧を昇圧回路６に供給するための電源であり、スイッチ６１によって、その供給をオン又はオフさせることができる。
スイッチ６１は、筐体３の天壁３１に組み付けられており、押しボタン６１ａはスイッチ６１を操作するための部分であり、その頭部が天壁３１から上方に突出している。
昇圧回路６はこのスイッチ６１を介して電池６０に接続されており、この昇圧回路６の出力端６ｃ，６ｄは、配線６ｅ，６ｆを通じて電極シート５の電極５１，５２にそれぞれに電気的に接続されている。
これにより、昇圧回路６は、電池６０からの直流電圧を、オゾン発生に必要な電圧に昇圧して、電極シート５の電極５１，５２に供給することができる。この実施例では、昇圧回路６は、電池６０から入力した３Ｖの直流電圧を例えば２ｋＶ〜１０ｋＶの交流電圧又はパルス電圧に昇圧して、電極シート５の電極５１，５２に印加する。
また、ＬＥＤランプ６２が、この昇圧回路６とスイッチ６１との間に設けられている。具体的には、ＬＥＤランプ６２が、筐体３の天壁３１に組み付けられ、その頭部が、天壁３１から突出している。
なお、図４においては、昇圧回路６の出力端６ｃ，６ｄと電極シート５の電極５１，５２とを接続する配線６ｅ，６ｆが、基材４内に記載されているが、これは配線状態を容易に理解させるために便宜上記載したものであり、実際には、配線６ｅ，６ｆは、基材４の表面４ａや電極シート５の表面５ａに形成される。

図６は、昇圧回路６によるオゾン発生機能を説明するための概略断面図である。
昇圧回路６が、上記のように電極シート５に接続されていることにより、図６に示すように、スイッチ６１をオンにすることで、電池６０の直流電圧３Ｖが昇圧回路６に入力され、２ｋＶ〜１０ｋＶの交流又はパルス状の高電圧が、昇圧回路６から電極シート５の電極５１，５２に供給される。この結果、放電が電極５１，５２間に生じ、オゾンＯ₃が、電極シート５の裏面５ｂから下方に向かって放出されることとなる。また、ＬＥＤランプ６２が、スイッチ６１のオン動作と同時に点灯し、ユーザは、ＬＥＤランプ６２の点灯によって、シューズクリーナ１が作動中であることを視認することができる。そして、ＬＥＤランプ６２は、スイッチ６１のオフ動作によって消灯する。

上記のごとく、この実施例のシューズクリーナ１は、靴内に挿入可能なオゾン発生体２と筐体３とを備えた簡単な構成であるので、シューズクリーナ１全体が小さい。このため、未使用時におけるシューズクリーナ１の保管場所を狭くすることができる。
また、電極シート５を高分子樹脂で形成したので、オゾン発生体２の加工が容易である。

次に、この実施例のシューズクリーナの使用例について説明する。
図７は、シューズクリーナを靴内に挿入する際の状態を示す概略断面図であり、図８は、シューズクリーナの除菌及び脱臭効果を説明するための概略断面図であり、図９は、シューズクリーナを靴内から取り出す際の状態を示す概略断面図である。
図７に示すように、シューズクリーナ１を靴１００内に挿入する場合には、筐体３の凹部３２ａ，３３ａを指で摘んで、シューズクリーナ１全体を持ち上げる。そして、オゾン発生体２を下側に向けて、シューズクリーナ１を履口１０１から靴１００内に挿入する。
すると、オゾン発生体２のつま先側部分２Ａが靴底１０２に突き当たる。このとき、オゾン発生体２の基材４が、硬度Ｈｓ５０のシリコーンゴム等のフレキシブルな部材で形成され、電極シート５が、ポリイミド等や導電性ポリマー等のフレキシブルな高分子樹脂で形成されているので、オゾン発生体２をさらに靴底１０２側に押し下げると、つま先側部分２Ａが靴底１０２の形状に追従して変形する。
したがって、シューズクリーナ１全体を靴１００内に押し込んでいくことで、オゾン発生体２が変形しながら靴１００内に進入する。そして、最終的には、オゾン発生体２が靴１００の靴底１０２上に水平に位置することとなる。
この結果、図８に示すように、オゾン発生体２の電極シート５全体が、靴１００の靴底１０２に対面した状態になる。

かかる状態で、筐体３の天壁３１から突出している押しボタン６１ａを押し、スイッチ６１をオンにする。すると、筐体３のＬＥＤランプ６２が点灯すると共に、２ｋＶ〜１０ｋＶの交流又はパルス状の高電圧が、昇圧回路６から電極シート５の電極５１，５２に供給される。これにより、オゾンＯ₃（図６参照）が、オゾン発生体２の電極シート５の裏面５ｂから靴底１０２側に向かって放出されることとなる。
このとき、電極シート５の誘電体層５０ａ，５０ｂが、誘電率３以上で且つ絶縁破壊電圧１５ｋＶ／ｍｍ以上の高分子樹脂で形成されているので、電極シート５は、破壊されることなく、除菌等に十分な量のオゾンＯ₃を、対面している靴底１０２に直接吹き付けることができる。この結果、オゾンＯ₃が、靴１００の内部全体に十分に行き渡り、靴１００内のあらゆる箇所を除菌及び脱臭することとなる。
また、オゾンＯ₃を靴１００内という狭い空間内に発生させるだけで済むので、高濃度のオゾンを発生させる必要がない。したがって、少量のオゾンＯ₃によって、靴１００内を効率的に除菌及び脱臭することができ、その分、昇圧回路６から電極シート５に供給する電圧を低くすることができる。

靴１００内の除菌及び脱臭を終了した後は、筐体３の押しボタン６１ａを再度押し、スイッチ６１をオフ状態にする。すると、ＬＥＤランプ６２が消灯すると共に、オゾン発生体２の電極シート５からのオゾンの放出が停止する。
この状態で、筐体３の凹部３２ａ，３３ａを摘んで、シューズクリーナ１を靴１００内から取り出すことができる。
ところで、図９に示すように、シューズクリーナ１を靴１００内から取り出す際には、オゾン発生体２のつま先側部分２Ａが靴背１０３（足の甲が当たる部分）に当接することがある。しかし、オゾン発生体２の基材４と電極シート５とが上記のごときフレキシブルな部材で形成されているので、オゾン発生体２をさらに引き出し移動させていくことで、つま先側部分２Ａが靴背１０３の形状に追従して変形する。この結果、シューズクリーナ１を靴１００の履口１０１からスムーズに取り出すことができる。

（変形例１）
図１０は、第１実施例の第１変形例に係るシューズクリーナを示す側面図である。
図１０に示すように、この変形例では、オゾン発生体２の基材４と電極シート５とを、極めてフレキシブル性の高い部材で形成し、オゾン発生体２のかかと側部分２Ｂの一部を筐体３の底部３０に貼り付けた。
これにより、シューズクリーナ１の使用時においては、破線で示すように、オゾン発生体２を水平に伸ばして使用することができる。そして、シューズクリーナ１の不使用時には、実線で示すように、オゾン発生体２を丸めておくことにより、シューズクリーナ１を狭いスペース内に保管することができる。

（変形例２）
図１１は、第１実施例の第２変形例に係るシューズクリーナを示す側面図であり、図１１の（ａ）は、シューズクリーナの使用時におけるオゾン発生体２の状態を示し、図１１の（ｂ）は、オゾン発生体２を折り曲げた状態を示す。
シューズクリーナ１の仕様として、フレキシブルな電極シート５をフレキシブルでない硬い基材４でしっかり支持する構成にすると共に、シューズクリーナの保管性を高めた構成にしたい場合がある。
この変形例に係るシューズクリーナ１は、このような場合に対応した構成を有している。具体的には、図１１の（ａ）に示すように、オゾン発生体２の基材４がつま先側部分２Ａとかかと側部分２Ｂと土踏まず側部分２Ｃとに分離されている。そして、基材４の部分２Ａ，２Ｃが連結部材４１によって回転自在に支持されると共に、基材４の部分２Ｂ，２Ｃが連結部材４２によって回転自在に支持されている。
これにより、シューズクリーナ１の使用時には、基材４が電極シート５をしっかり支持して、オゾン発生体２を水平にしておくことができる。そして、不使用時には、図１１の（ｂ）に示すように、つま先側部分２Ａとかかと側部分２Ｂとを土踏まず側部分２Ｃの下側に折り曲げて、シューズクリーナ１を小さくすることができる。
なお、連結部材４１，４２としては、弾性ゴムや、コイルバネ，板バネ、蝶番等を用いることができる。

（変形例３）
図１２は、第１実施例の第３変形例に係るシューズクリーナの立置き状態図である。
この変形例のシューズクリーナ１では、図１２に示すように、リング７が筐体３の天壁３１に取り付けられている。
これにより、リング７を下駄箱等に設けられたフック等に引っかけることにより、シューズクリーナ１を下駄箱内等に保管することができる。
また、この変形例では、筐体３の後壁部３４とオゾン発生体２のかかと側部分２Ｂの後端とがほぼ一致するように設定されている。
これにより、シューズクリーナ１を床１１０等に縦置きすることができる。

（変形例４）
図１３は、第１実施例の第４変形例に係るシューズクリーナを示す電気的接続状態図である。
上記第１実施例のシューズクリーナでは、１足の靴の片足ずつを除菌及び脱臭する構成になっている。
図１３に示すように、この変形例のシューズクリーナ１は、左の靴用のオゾン発生体２−１と右の靴用のオゾン発生体２−２とを有している。そして、筐体３内の昇圧回路６の出力端６ｃ，６ｄからの配線６ｅ，６ｆが、オゾン発生体２−１の電極５１，５２とオゾン発生体２−２の電極５１，５２との両方に接続されている。
これにより、オゾン発生体２−１を左足用の靴内に挿入すると共に、オゾン発生体２−２を右足用の靴内に挿入して、スイッチ６１をオンにすることで、左右の靴を同時に除菌及び脱臭することができる。

（変形例５）
図１４は、第１実施例の第５変形例に係るシューズクリーナの要部を示す電気ブロック図である。
この変形例のシューズクリーナ１では、タイマが筐体３内に設けられている。
具体的には、図１４に示すように、タイマ６３がスイッチ６１と昇圧回路６との間に介設されている。
これにより、スイッチ６１をオンすると、タイマ６３と昇圧回路６が作動する。そして、タイマ６３に設定された駆動時間（例えば２時間）が経過すると同時に、タイマ６３が昇圧回路６を自動的に停止させる。
また、上記第１実施例及びこの変形例において、ＬＥＤランプ６２に、電池６０の残量を検知して、残量が少なくなったときに点滅することにより、電池６０の交換時期を知らせる機能を持たせることもできる。

（実施例２）
次に、この発明の第２実施例について説明する。
図１５は、この発明の第２実施例に係るシューズクリーナを示す平面図であり、図１６は、この実施例の電気的接続状態を示す概略平面図である。
上記第１実施例のシューズクリーナでは、図２に示したように、オゾン発生体２の形状が靴の中敷きの全体形状に設定されていたが、この実施例のシューズクリーナ１では、図１５に示すように、オゾン発生体２の形状が、靴の中敷きつま先側部分の形状に設定されている点が、上記第１実施例と異なる。

具体的には、図１６に示すように、オゾン発生体２の基材４と電極シート５の形状がそれぞれ同一形状に形成され、且つそれぞれが、靴の中敷きつま先側部分の形状に形成されている。そして、電極５１，５２が、誘電体層５０ａ，５０ｂ間に形成され、配線６ｅ，６ｆを通じて、筐体３内の昇圧回路６の出力端６ｃ，６ｄに接続されている。

図１７は、シューズクリーナの使用例を示す概略断面図である。
この実施例のシューズクリーナ１は、第１実施例のシューズクリーナに比べて小型であるため、図１７に示すように、シューズクリーナ１を靴１００内に容易に挿入することができる。
そして、シューズクリーナ１のオゾン発生体２を靴１００のつま先側に位置させることにより、菌が多く存在し且つ臭いの激しいつま先側を、集中的に除菌及び脱臭することができる。
その他の構成、作用及び効果は、上記第１実施例と同様であるので、それらの記載は省略する。

（実施例３）
次に、この発明の第３実施例について説明する。
図１８は、この発明の第３実施例に係るシューズクリーナの側面図であり、図１９は、裏面側から視たシューズクリーナの平面図であり、図２０は、シューズクリーナを靴内に挿入した状態を示す概略断面図である。
図１８に示すように、この実施例のシューズクリーナ１は、オゾン発生体２の裏面即ち電極シート５の裏面５ｂと靴底１０２との距離ｈを所定値以下に保持するためのスペーサ８を有している。
すなわち、図１９に示すように、突起物であるスペーサ８が、オゾン発生体２の電極シート５の裏面５ｂに複数突設されている。これにより、図２０に示すように、シューズクリーナ１を靴１００内に挿入すると、スペーサ８によって、オゾン発生体２の裏面５ｂと靴底１０２との間に隙間Ｓが発生する。この結果、多量の空気がかかる隙間Ｓに導かれ、電極シート５によるオゾン発生が活発化する。

ところで、シューズクリーナ１を靴１００内に挿入して、除菌及び脱臭する際に、靴底１０２や中敷き（図示せず）がつるつるしている場合には、オゾン発生体２と靴底１０２等との距離の如何にかかわらず、靴底１０２等に居る菌をオゾンによってほぼ完全に除菌し、また脱臭することができる。
しかし、靴１００の靴底１０２や中敷きの表面がざらざらである場合や、靴底１０２や中敷きがざらざらした素材，布や合皮で形成されている場合には、靴底１０２や中敷きの表面とオゾン発生体２の電極シート５との距離が大きいと、除菌効果がほとんど得られないことがある。

そこで、この実施例では、スペーサ８の高さｈを１０ｍｍ以下の範囲内に設定して、除菌対象であるざらざらした靴底１０２等を電極シート５の近傍に位置させるようにした。
これにより、電極シート５の裏面５ｂから発生するオゾンやラジカル等が、効果的に靴底１０２等に当たり、高い除菌、脱臭効果が得られることとなる。

発明者等は、かかる効果を実証すべく、次のような実験を行った。
図２１は、菌Ｋの生存状態を示す写真の転写図である。
発明者等は、この実験を一般的な室内環境で行った。
まず、準備として、雑菌（一般生菌、以下「菌Ｋ」と記す）を別途培養し、この菌Ｋを図示しないポリエステル綿混紡の布片に噴霧した後、布片を乾燥させた。
そして、この準備しておいた布片の表面を、５ｃｍ角の培地Ｂでふき取り、３５℃の温度下で４８時間、菌Ｋをこの培地Ｂで培養した。すると、図２１の（ａ）に示すように、５ｃｍ角の培地Ｂに、「１３７」の菌Ｋが生存していた。
つまり、オゾン処理をしない状態では、菌Ｋの生存数は、「１３７」であることを確認した。
次に、準備しておいた上記布片を、菌Ｋが噴霧された面を電極シート５に対面させた状態で、電極シート５の真下ｘｍｍに固定した。かかる状態で、オゾンを電極シート５から発生させ、布片をオゾン中に２時間晒した。このとき、周波数１３Ｈｚでｐ−ｐ１４ｋＶのパルス電源を電極シート５に供給して、オゾンを発生させた。
しかる後、オゾン処理されたこの布片の表面を、５ｃｍ角の培地Ｂでふき取り、３５℃の温度下で４８時間、菌Ｋをこの培地Ｂで培養した。
布片と電極シート５との距離ｘｍｍを、２ｍｍ、５ｍｍ、１０ｍｍ、２０ｍｍ、３０ｍｍに設定して、上記のオゾン処理を行った。すると、布片と電極シート５との距離２ｍｍでは、図２１の（ｂ）に示すように、５ｃｍ角の培地Ｂにおける菌Ｋの生存数は、「１」であり、距離５ｍｍでは、図２１の（ｃ）に示すように、菌Ｋの生存数は、「１９」であり、距離１０ｍｍでは、図２１の（ｄ）に示すように、菌Ｋの生存数は、「５１」であり、距離２０ｍｍでは、図２１の（ｅ）に示すように、菌Ｋの生存数は、「１０３」であり、距離３０ｍｍでは、図２１の（ｆ）に示すように、菌Ｋの生存数は、「１０２」であった。
つまり、オゾン処理をした状態では、布片と電極シート５との距離を増加させると、菌Ｋの生存数が増加することを確認した。

図２２は、菌Ｋの生存率と距離との関係を示す線図である。
発明者等は、菌Ｋの生存率を、（オゾン処理後の菌数÷オゾン未処理の菌数）×１００（％）として定義し、上記オゾン処理における電極シート５／布片間距離と菌Ｋの生存率との関係をプロットした。
すると、図２２に示すように、点ｐ１〜ｐ５を得た。
点ｐ１，ｐ２，ｐ３が示すように、距離２ｍｍ，５ｍｍ，１０ｍｍでは、生存率が、１％，１４％，３７％であり、基準生存率５０％を下回っている。
ところが、点ｐ４，ｐ５が示すように、距離２０ｍｍ，３０ｍｍでは、７５％，７４％であり、基準生存率５０％を大きく上回っている。
かかる実験結果から、生存率が確実に「５０」％未満になる布片と電極シート５との距離は、１０ｍｍ以下であると判断することができる。
そこで、発明者等は、図１８に示すスペーサ８で保持する距離ｈを、１０ｍｍ以下の範囲内に設定した。このように、靴底１０２等と電極シート５との距離ｈを、１０ｍｍ以下の範囲内に保つことで、図２２に示すように、靴底１０２等の表面に生存する菌Ｋを、基準生存率「５０」％未満に抑制することができる。
その他の構成、作用及び効果は、上記第１又は第２実施例と同様であるので、それらの記載は省略する。

（実施例４）
次に、この発明の第４実施例について説明する。
図２３は、この発明の第４実施例に係るシューズクリーナを裏面から視た平面図である。
図２３に示すように、この実施例では、スペーサの形状が、突起物状でなく、網状体である点が上記第３実施例と異なる。
具体的には、スペーサ８’は、格子状に形成され、電極シート５の裏面５ｂに取り付けられている。そして、スペーサ８’の厚さが１０ｍｍ以下に設定されている。
なお、スペーサ８’は、網状体であれば良い。すなわち、格子状の板体だけでなく、多数の孔を有した板体や細い線で形成した網体でも，スペーサ８’として適用することができる。
その他の構成、作用及び効果は、上記第３実施例と同様であるので、それらの記載は省略する。

（実施例５）
次に、この発明の第５実施例について説明する。
図２４は、この発明の第５実施例に係るシューズクリーナを示す側面図である。
なお、図２４においては、シューズクリーナ１の構成が見易くなるように、ハッチングをオゾン発生体２の基材４の側面に施した。
この実施例では、基材４を波形状に湾曲させ、電極シート５をこの基材４の裏面４ｂに基材４の形状に添って貼り付けた。このとき、オゾン発生体２の波形の高さ（電極シート５の裏面５ｂ迄の高さ）ｈを１０ｍｍ以下に設定した。そして、基材４の表面側の中央部分に平坦部４０を形成して、筐体３をこの平坦部４０上に取り付けた。

かかる構成により、シューズクリーナ１を靴１００（図７等参照）内に挿入すると、多数の隙間Ｓが、靴１００の靴底１０２と波形状の電極シート５の裏面５ｂとの間に形成され、多量の空気が、これらの隙間Ｓに充満する。これにより、電極シート５によるオゾンの発生効率が高まる。
さらに、オゾン発生体２の波形の高さが１０ｍｍ以下に設定されているので、ざらざらした素材や布や合皮で形成されている靴底１０２や中敷き等に対しても、効果的な除菌及び脱臭が行われる。
また、電極シート５が波形なので、電極シート５の裏面の面積が、平面形の電極シートの面積よりも大きい。
その他の構成、作用及び効果は、上記第１ないし第４実施例と同様であるので、それらの記載は省略する。

（実施例６）
次に、この発明の第６実施例について説明する。
図２５は、この発明の第６実施例に係るシューズクリーナの平面図であり、図２６は、オゾン発生体の部分を断面で示した側面図である。
図２５及び図２６に示すように、この実施例のシューズクリーナ１は、第３実施例と同様に、高さｈが１０ｍｍ以下の複数のスペーサ８をオゾン発生体２の裏面に有している。そして、さらに、この実施例のシューズクリーナ１では、基材４と電極シート５とを表面側から裏面側に貫通する複数の円形の孔２０が、オゾン発生体２に設けられている。

かかる構成により、図２６に示すように、空気Ａが、複数の孔２０を通じて、オゾン発生体２の表面側から裏面側に多量に入り込む。この結果、オゾン発生体２の電極シート５において、オゾンが発生し易くなり、除菌効果及び脱臭効果を高めることができる。
なお、この実施例では、孔として、円形の孔２０を適用したが、円形に限定されるものではなく、多角形の孔や、網目状に形成された孔も、孔として適用することができる。
その他の構成、作用及び効果は、上記第１ないし第５実施例と同様であるので、それらの記載は省略する。

（実施例７）
次に、この発明の第７実施例について説明する。
図２７は、この発明の第７実施例に係るシューズクリーナの要部を示す概略断面図であり、図２８は、図２７に示す要部を分解して示す斜視図である。
図２７に示すように、この実施例のシューズクリーナ１では、電極シート５の構造が上記実施例の電極シートと異なる。
すなわち、一方の電極としての電極５１のみが誘電体５０内部に収納され、他方の電極としての電極５２は、誘電体５０の外部に設けられている。

具体的には、図２８に示すように、ベタ状の電極５１が下層の誘電体層５０ｂ上に積層形成され、上層の誘電体層５０ａが、電極５１を覆うように誘電体層５０ｂ上に積層されている。そして、電極５１とほぼ同形の電極５２が、誘電体層５０ｂの下に形成されている。さらに、保護層５３が、電極５２の下に形成されている。

また、誘電体層５０ａには、電極５１を覗く給電口５０ａ１が形成され、昇圧回路６の出力端６ｃから延出した配線６ｅが、この給電口５０ａ１を通って、電極５１に接続されている。

一方、誘電体層５０ｂには、電極５２を覗く給電口５０ｂ１が形成され、真上の誘電体層５０ａの部分に、この給電口５０ｂ１と連通する給電口５０ａ２が形成されている。そして、昇圧回路６の出力端６ｄから延出した配線６ｆが、給電口５０ａ２，５０ｂ１を通って、電極５２に接続されている。
この電極５２には、多数の円形孔５２ｂが一定間隔で穿設されている。

なお、この実施例では、保護層５３を、誘電体５０の下面にある電極５２の下に設けたが、保護層５３は、必須の部材ではなく、場合によっては、設けることを要しない。
その他の構成、作用及び効果は、上記第１ないし第６実施例と同様であるので、それらの記載は省略する。

（変形例６）
図２９は、第７実施例で適用された電極の変形例を示す平面図であり、図２９の（ａ）は、第７実施例の第１変形例を示し、図２９の（ｂ）は、第７実施例の第２変形例を示す。
上記第７実施例では、図２８に示したように、多数の円形孔５２ｂを有した電極５２を、他の電極として適用したが、図２９の（ａ）に示すように、網状の電極５２を、他の電極として適用することができる。また、図２９の（ｂ）に示すように、櫛歯状の電極５２を、他の電極として適用することもできる。

なお、この発明は、上記実施例に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内において種々の変形や変更が可能である。
例えば、上記実施例では、昇圧回路６で昇圧するための電源として、電池６０を適用したが、これは、シューズクリーナ１を、靴箱や玄関等、商用交流電源が近くにない場所で使用することを想定したためであり、電源として商用交流電源を用いたシューズクリーナも、この発明の範囲に含まれる。
また、上記実施例では、オゾン発生体２を形成する基材４や電極シート５をフレキシブルな素材で形成した例を示したが、基材４や電極シート５のいずれか又は双方をフレキシブルでない素材で形成したオゾン発生体２を有するシューズクリーナも、この発明の範囲に含まれる。
また、上記第３〜第５実施例では、スペーサ８，８’の高さ，厚さやオゾン発生体２の波形高さを、１０ｍｍ以下に設定した例を示したが、スペーサ８，８’の高さ，厚さやオゾン発生体２の波形高さが、１０ｍｍを超えたシューズクリーナも、この発明の範囲に含まれる。
また、上記第５実施例では、平坦部４０を基材４に設け、筐体３をこの平坦部４０に取り付けた例を示したが、平坦部４０を基材４に設けずに、筐体３を波形の基材４上に直接取り付ける構造としても良いことは勿論である。
さらに、上記第１〜第６実施例の電極シート５では、櫛歯状の１対の電極５１，５２を共に誘電体５０内に収納した構成を採用し、第７実施例の電極シート５では、一方の電極５１を誘電体５０内に収納すると共に他方の電極５２を誘電体５０の下面に設けた構成を適用したが、電極シート５の構成は、これに限らず、例えば、１対の電極を平板状に形成して、これら２つの電極を、一定間隔を保って、横並びにした構成にしても良く、また、各電極を渦巻き状に形成して、これら渦巻き状の１対の電極を一定の間隔を保って嵌め合わせた構成にしても良い。

１…シューズクリーナ、 ２，２−１，２−２…オゾン発生体、 ２Ａ…つま先側部分、 ２Ｂ…かかと側部分、 ２Ｃ…土踏まず側部分、 ３…筐体、 ４…基材、 ４ａ，５ａ…表面、 ４ｂ，５ｂ…裏面、 ５…電極シート、 ６…昇圧回路、 ６ａ，６ｂ…入力端、 ６ｃ，６ｄ…出力端、 ６ｅ，６ｆ…配線、 ７…リング、 ８，８’…スペーサ、 ２０…孔、 ３０…底壁、 ３１…天壁、 ３２，３３…側壁、 ３２ａ，３３ａ…凹部、 ３４…後壁部、 ４０…平坦部、 ４１，４２…連結部材、 ５０…誘電体、 ５０ａ，５０ｂ…誘電体層、 ５０ａ１，５０ｂ１，５０ａ２…給電口、 ５１，５２…電極、 ５１ａ，５２ａ…櫛歯、 ５２ｂ…円形孔、 ５３…保護層、 ６０…電池、 ６１…スイッチ、 ６１ａ…押しボタン、 ６２…ＬＥＤランプ、 ６３…タイマ、 １００…靴、 １０１…履口、 １０２…靴底、 １０３…靴背、 １１０…床、 Ａ…空気、 Ｂ…培地、 ｈ…高さ（距離）、 Ｋ…菌、 Ｍ…中心軸、 Ｏ₃ …オゾン、 Ｓ…隙間。

Claims (13)

1. 靴の履口から靴内に挿入可能なオゾン発生体と、オゾン発生体の表面に取り付けられ且つ上記オゾン発生体と一体に靴内に挿入可能な筐体とを備えるシューズクリーナであって、
   上記オゾン発生体を、表面が上記筐体の底部に取り付けられたシート状の基材と、表面がこの基材の裏面に貼り付けられ、１対の電極の少なくとも一方の電極が誘電体で被覆され且つ少なくともこの誘電体が高分子樹脂によって形成された電極シートとで形成し、
   上記筐体内に、オゾンを発生させるために必要な電圧を上記電極シートの１対の電極に供給可能な電圧供給部を収納した、
   ことを特徴とするシューズクリーナ。
2. 請求項１に記載のシューズクリーナにおいて、
   上記電極シート又は基材の少なくとも一方を、フレキシブルな素材で形成した、
   ことを特徴とするシューズクリーナ。
3. 請求項１又は請求項２に記載のシューズクリーナにおいて、
   上記電極シートの誘電体は、誘電率３以上で且つ絶縁破壊電圧１５ｋＶ／ｍｍ以上の高分子樹脂で形成されている、
   ことを特徴とするシューズクリーナ。
4. 請求項１ないし請求項３のいずれかに記載のシューズクリーナにおいて、
   上記基材は、ヤング率が４０ＭＰａ以下の素材で形成されている、
   ことを特徴とするシューズクリーナ。
5. 請求項１ないし請求項４のいずれかに記載のシューズクリーナにおいて、
   上記オゾン発生体の裏面に、オゾン発生体裏面と靴底との距離を１０ｍｍ以下に保持するためのスペーサを設けた、
   ことを特徴とするシューズクリーナ。
6. 請求項５に記載のシューズクリーナにおいて、
   上記スペーサは、上記電極シートの裏面に突設された高さ１０ｍｍ以下の突起物である、
   ことを特徴とするシューズクリーナ。
7. 請求項５に記載のシューズクリーナにおいて、
   上記スペーサは、上記電極シートの裏面に取り付けられた厚さ１０ｍｍ以下の網状体である、
   ことを特徴とするシューズクリーナ。
8. 請求項１ないし請求項４のいずれかに記載のシューズクリーナにおいて、
   上記オゾン発生体の断面形状を波形に形成した、
   ことを特徴とするシューズクリーナ。
9. 請求項８に記載のシューズクリーナにおいて、
   上記オゾン発生体の波形の高さを、１０ｍｍ以下に設定した、
   ことを特徴とするシューズクリーナ。
10. 請求項１ないし請求項９のいずれかに記載のシューズクリーナにおいて、
    上記オゾン発生体に、基材と電極シートとを表面側から裏面側に貫通する複数の孔を設けた、
    ことを特徴とするシューズクリーナ。
11. 請求項１ないし請求項１０のいずれかに記載のシューズクリーナにおいて、
    上記電極シートにおける１対の電極は、それぞれ櫛歯状に形成され、これら１対の電極の櫛歯同士が、一定間隔を保って、噛み合っている、
    ことを特徴とするシューズクリーナ。
12. 請求項１ないし請求項１０のいずれかに記載のシューズクリーナにおいて、
    上記電極シートにおける１対の電極の一方の電極を、上記誘電体内部に収納し、多数の孔を有した他方の電極又は櫛歯状の他方の電極のいずれかを、当該一方の電極に対向させた状態で、上記誘電体上に配設した、
    ことを特徴とするシューズクリーナ。
13. 請求項１ないし請求項１２のいずれかに記載のシューズクリーナにおいて、
    上記オゾン発生体の形状を、靴の中敷きの全体形状又は中敷きのつま先側部分の形状のいずれかの形状に設定した、
    ことを特徴とするシューズクリーナ。