以下、本発明の実施形態に係る部品供給装置について図面に基づいて説明する。なお、以下では、方向関係についてはXYZ直交座標軸を用いて説明する。左右方向をX軸方向とし、X軸方向と直交する前後方向をY軸方向とし、X軸方向及びY軸方向の両方向と直交する上下方向をZ軸方向とする。また、X軸方向において一方向となる左方向を「+X方向」と称し、X軸方向において一方向とは反対の他方向となる右方向を「−X方向」と称する。また、Y軸方向において一方向となる前方向を「+Y方向」と称し、Y軸方向において一方向とは反対の他方向となる後方向を「−Y方向」と称する。また、Z軸方向において一方向となる下方向を「−Z方向」と称し、Z軸方向において一方向とは反対の他方向となる上方向を「+Z方向」と称する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る部品供給装置1の構成を概略的に示す図である。部品供給装置1は、プリント配線板等の基板上に部品を実装するための部品実装機に付設され、部品収納テープに収納された部品を部品取り出し位置21に供給するための装置である。部品供給装置1によって部品取り出し位置21に供給された部品は、部品実装機に備えられる吸着ノズルにより部品収納テープから取り出され、その後、基板上に実装される。吸着ノズルは、負圧が供給されることにより当該吸着ノズルによる部品の吸着保持(部品の取り出し)が可能であり、正圧が供給されることにより部品の吸着保持が解除される。なお、部品収納テープから部品を取り出す機構としては、先端部に吸着ノズルが取り付けられてなる実装ヘッドを、複数本備えたヘッドユニットであってもよい。部品供給装置1の構成を説明するに先立って、部品収納テープについて図2を参照して説明する。図2は、部品供給装置1に用いられる部品収納テープ100の構成を示す図である。
部品収納テープ100は、キャリアテープ101とカバーテープ102とからなる。キャリアテープ101は、部品Pを収納する部品収納部101aが所定の間隔をおいて複数配列されたテープである。また、キャリアテープ101には、その幅方向両端部にそれぞれ、後述するテープ送出部3における第1スプロケット311、第2スプロケット321及び第3スプロケット331の歯部と係合し、テープ送出部3により部品収納テープ100を送出させるための係合孔101bが所定の間隔を有して配列されている。なお、「部品収納テープ100の係合孔101bが第1スプロケット311、第2スプロケット321及び第3スプロケット331の歯部と係合する」とは、歯部が係合孔101bに嵌り込み、第1スプロケット311、第2スプロケット321及び第3スプロケット331の回転に連動した部品収納テープ100の送出が可能となった状態のことをいう。
カバーテープ102は、部品収納部101aを覆うようにキャリアテープ101に貼付されたテープである。カバーテープ102は、その幅方向両端部がそれぞれ溶融されることにより、キャリアテープ101に貼付されている。このため、部品収納テープ100において、キャリアテープ101の上面における幅方向両端部にはそれぞれ、カバーテープ102の溶融による融着部103が、カバーテープ102の幅方向の端縁内方側に沿って線状に形成されている。キャリアテープ101の幅方向において、融着部103は、係合孔101bよりも内方側に設けられている。
上記のような構成の部品収納テープ100では、カバーテープ102の幅方向の端縁内方側に沿ってキャリアテープ101の幅方向両端部にそれぞれ形成された融着部103間の長さK1は、カバーテープ102の幅方向の長さと略等しく形成される。また、部品収納テープ100の幅方向の長さK2は、キャリアテープ101の幅方向の長さと同一となる。
図1に示すように、部品供給装置1は、装置本体2と、テープ送出部3と、テープ走行路形成部4と、部品露出部6と、蓋部材7と、を備えている。装置本体2は、部品供給装置1を構成する各部を収容する筐体である。この装置本体2には、操作パネル22が付設されている。操作パネル22は、部品供給装置1を動作させるための指示がオペレーターによって入力される部分である。
図3は、部品供給装置1に備えられるテープ送出部3の構成を概略的に示す図であり、テープ送り方向Hから見た図である。図4は、部品供給装置1に備えられるテープ走行路形成部4の構成を示す図である。図5は、部品供給装置1に備えられる部品露出部6の構成を示す図である。
テープ送出部3は、部品収納テープ100を、部品収納部101aの配列方向に沿った所定のテープ送り方向Hに、部品取り出し位置21に向けて送出する。テープ送出部3が部品取り出し位置21に向けて部品収納テープ100を送出するときのテープ送り方向Hは、+Y方向と一致している。テープ送出部3は、所定の時間間隔で部品収納部101aが1つずつ部品取り出し位置21に到達するように、部品収納テープ100をテープ送り方向Hに間欠送りする。なお、テープ送出部3は、部品取り出し位置21に向けてテープ送り方向Hに部品収納テープ100を送出するローディング動作と、テープ送り方向Hとは逆方向の−Y方向に部品収納テープ100を送出するアンローディング動作とを、実行可能に構成されている。
テープ走行路形成部4は、テープ送出部3により送出される部品収納テープ100の、部品取り出し位置21に至る走行路5を形成する。図1及び図4に示すように、テープ走行路形成部4は、一対のガイド壁41と、複数のガイドローラーである第1乃至第6ガイドローラー42,43,44,45,46,47とを含む。
一対のガイド壁41は、装置本体2内において、X軸方向に所定の間隔を有して互いに対向して配置され、Y軸方向に延びる一対の壁部である。テープ送出部3により送出される部品収納テープ100は、その−Z方向側の面(下面)におけるX軸方向両端部がそれぞれ、一対のガイド壁41の+Z方向側の端面411(以下、「ガイド面411」という)によってガイドされる。すなわち、一対のガイド壁41のガイド面411に沿って走行路5が形成される。なお、一対のガイド壁41は、テープ送出部3における後述の第2送出部32の一対の第2スプロケット321と、第3送出部33の一対の第3スプロケット331とが配置される領域部分が、切り欠かれている。
一対のガイド壁41における互いに対向する内面同士の距離K3は、部品収納テープ100における融着部103間の長さK1と略等しくなるように設定されている。また、一対のガイド壁41における外面同士の距離K4は、部品収納テープ100の幅方向の長さK2と略等しくなるように設定されている。この距離K4は、走行路5の幅方向(X軸方向)の長さとなる。
一対のガイド壁41のガイド面411に沿って形成される走行路5は、図4に示すように、第1経路部分51と、第2経路部分52と、第3経路部分53とを含む。走行路5における第1経路部分51は、テープ送り方向Hの上流から下流に向かって、走行路5の幅方向(X軸方向)及びテープ送り方向Hと直交するZ軸方向(第1方向、上下方向)の一方向側(−Z方向側、下方向側)に傾く、スロープ部からなる経路である。第1経路部分51は、テープ送り方向Hの最上流側の第1領域511と、第1領域511のテープ送り方向H下流側に連なる第2領域512と、第2領域512のテープ送り方向H下流側に連なる第3領域513とを有する。この第1経路部分51の形状に関する詳細については、後述する。
走行路5における第2経路部分52は、第1経路部分51のテープ送り方向H上流側に連なる経路である。本実施形態では、第2経路部分52は、テープ送り方向Hの上流から下流に向かって水平に延びるように形成されている。
走行路5における第3経路部分53は、第1経路部分51のテープ送り方向H下流側に連なり、部品取り出し位置21に至る経路である。本実施形態では、第3経路部分53は、水平領域531と傾斜領域532とを有する。水平領域531は、第1経路部分51の第3領域513に連なり、テープ送り方向Hに沿って水平に延びる領域部分である。第3経路部分53における水平領域531のテープ送り方向H下流端は、テープ送り方向Hにおいて部品取り出し位置21と一致している。このように、第3経路部分53において水平な領域部分となる水平領域531に部品取り出し位置21が位置するような構成とすることによって、当該部品取り出し位置21での部品収納テープ100からの部品Pの取り出し精度が向上する。なお、傾斜領域532は、水平領域531のテープ送り方向H下流側に連なり、先下がりに傾斜した領域部分である。
テープ走行路形成部4を構成する第1乃至第6ガイドローラー42,43,44,45,46,47は、X軸方向に互いに離間した一対のローラーであり、X軸方向に延びる軸心回りに回転可能に構成される。第1乃至第6ガイドローラー42,43,44,45,46,47は、一対のガイド壁41のガイド面411とともに、走行路5における第1経路部分51を形成する。
第1ガイドローラー42は、第1経路部分51における第1領域511のテープ送り方向Hの上流端に配置されている。第1ガイドローラー42は、一対のガイド壁41のガイド面411よりも僅かに+Z方向側(上方向側)に突出している。第1ガイドローラー42は、テープ送出部3により送出される部品収納テープ100の、−Z方向側の面(下面)におけるX軸方向両端部をガイドする。
第2ガイドローラー43は、第1経路部分51における第1領域511に、第1ガイドローラー42よりもテープ送り方向Hの下流側に配置されている。第2ガイドローラー43は、一対のガイド壁41のガイド面411よりも僅かに+Z方向側(上方向側)に突出している。第2ガイドローラー43は、テープ送出部3により送出される部品収納テープ100の、−Z方向側の面(下面)におけるX軸方向両端部をガイドする。
第3ガイドローラー44は、第1経路部分51における第1領域511に、第2ガイドローラー43と対向するように配置されている。第3ガイドローラー44は、テープ送出部3により送出される部品収納テープ100の、+Z方向側の面(上面)におけるX軸方向両端部をガイドする。
第4ガイドローラー45は、第1経路部分51における第2領域512に、一対のガイド壁41のガイド面411と対向するように配置されている。第4ガイドローラー45は、テープ送出部3により送出される部品収納テープ100の、+Z方向側の面(上面)におけるX軸方向両端部をガイドする。
第5ガイドローラー46は、一対のガイド壁41のガイド面411と対向するように、第1経路部分51における第2領域512に、第4ガイドローラー45よりもテープ送り方向Hの下流側に配置されている。第5ガイドローラー46は、テープ送出部3により送出される部品収納テープ100の、+Z方向側の面(上面)におけるX軸方向両端部をガイドする。
第6ガイドローラー47は、第1経路部分51における第3領域513に、一対のガイド壁41のガイド面411と対向するように配置されている。第6ガイドローラー47は、テープ送出部3により送出される部品収納テープ100の、+Z方向側の面(上面)におけるX軸方向両端部をガイドする。
上述の如く、第1乃至第6ガイドローラー42,43,44,45,46,47は、X軸方向に延びる軸心回りに回転可能に構成されているので、テープ送出部3により送出される部品収納テープ100をガイドするときに生じる摩擦力を小さくすることができる。このため、第1乃至第6ガイドローラー42,43,44,45,46,47と、一対のガイド壁41のガイド面411とによって形成される第1経路部分51を、部品収納テープ100が走行するときの走行抵抗を軽減することができる。
なお、第1乃至第6ガイドローラー42,43,44,45,46,47と、一対のガイド壁41とによって構成されるテープ走行路形成部4について説明したが、テープ走行路形成部4はこのような構成に限定されるものではない。例えば、テープ走行路形成部4は、Z軸方向に対向したローラー対が複数配列された構成としてもよい。
図1及び図3を参照して、テープ送出部3の構成を具体的に説明する。テープ送出部3は、第1送出部31と、第2送出部32と、第3送出部33とを含む。
第1送出部31は、走行路5における第2経路部分52のテープ送り方向H上流端に配置される。第1送出部31は、先端が自由端とされた状態で部品収納テープ100を送出することにより、当該部品収納テープ100を、第2経路部分52及び第1経路部分51に走行させる。第1送出部31は、一対の第1スプロケット311と、一対の第1ウォームホイール312と、一対の第1ウォーム313と、第1サーボモーター314と、第1ベルト315と、第1張架ローラー316と、を含む。
一対の第1スプロケット311は、X軸方向に延びる軸心回りに回転可能に装置本体2に支持された、円板状のスプロケットである。一対の第1スプロケット311は、周方向に所定の間隔を有して配列した複数の歯部311aを備える。一対の第1スプロケット311の歯部311aは、それぞれ、部品収納テープ100のキャリアテープ101の幅方向両端部に形成された係合孔101bと係合可能である。また、一対の第1スプロケット311には、一方の方向のみに回転力を伝達するワンウェイクラッチが内蔵されている。
一対の第1ウォームホイール312はそれぞれ、一対の第1スプロケット311の各々と同軸上に設けられたウォーム歯車である。一対の第1ウォーム313はそれぞれ、一対の第1ウォームホイール312の各々と噛合する、ねじ状の歯車である。
第1サーボモーター314は、一対の第1スプロケット311を回転させるための駆動力を発する駆動源である。第1サーボモーター314は、駆動力を出力するためのモーター出力軸314aを有する。第1ベルト315は、無端ベルトであり、モーター出力軸314aと一対の第1ウォーム313との間に張設され、第1サーボモーター314が回転駆動することによって周回走行する。第1張架ローラー316は、第1ベルト315の外周面に当接し、当該第1ベルト315にテンションを付与するローラーである。
上記のように構成された第1送出部31では、第1サーボモーター314の回転駆動力が第1ベルト315及び一対の第1ウォーム313を介して一対の第1ウォームホイール312に伝達され、これにより、一対の第1ウォームホイール312が回転する。一対の第1ウォームホイール312が回転すると、その回転に連動して一対の第1スプロケット311が回転する。一対の第1スプロケット311が回転すると、当該第1スプロケット311の歯部311aと係合する係合孔101bを有するキャリアテープ101を含む部品収納テープ100が、送出される。
第2送出部32は、走行路5における第1経路部分51のテープ送り方向H下流端、換言すると第3経路部分53のテープ送り方向H上流端に配置される。第2送出部32は、第1送出部31により送出されて第1経路部分51を走行する部品収納テープ100を受け入れて、当該部品収納テープ100を部品取り出し位置21に向けて送出する。これにより、第2送出部32は、部品収納テープ100を第3経路部分53に走行させる。
第2送出部32は、第1送出部31と同様に、一対の第2スプロケット321と、一対の第2ウォームホイール322と、一対の第2ウォーム323と、第2サーボモーター324と、第2ベルト325と、第2張架ローラー326と、を含む。
一対の第2スプロケット321は、X軸方向に延びる軸心回りに回転可能に装置本体2に支持された、円板状のスプロケットである。一対の第1スプロケット321は、周方向に所定の間隔を有して配列した複数の歯部321aを備える。一対の第2スプロケット321において、Z軸方向(第1方向、上下方向)の他方向側(+Z方向側、上方向側)に位置した歯部321aは、一対のガイド壁41のガイド面411から露出している。一対の第2スプロケット321の歯部321aは、それぞれ、部品収納テープ100のキャリアテープ101の幅方向両端部に形成された係合孔101bと係合可能である。
一対の第2ウォームホイール322はそれぞれ、一対の第2スプロケット321の各々と同軸上に設けられたウォーム歯車である。一対の第2ウォーム323はそれぞれ、一対の第2ウォームホイール322の各々と噛合する、ねじ状の歯車である。
第2サーボモーター324は、一対の第2スプロケット321を回転させるための駆動力を発する駆動源である。第2サーボモーター324は、駆動力を出力するためのモーター出力軸324aを有する。第2ベルト325は、無端ベルトであり、モーター出力軸324aと一対の第2ウォーム323との間に張設され、第2サーボモーター324が回転駆動することによって周回走行する。第2張架ローラー326は、第2ベルト325の外周面に当接し、当該第2ベルト325にテンションを付与するローラーである。
上記のように構成された第2送出部32では、第2サーボモーター324の回転駆動力が第2ベルト325及び一対の第2ウォーム323を介して一対の第2ウォームホイール322に伝達され、これにより、一対の第2ウォームホイール322が回転する。一対の第2ウォームホイール322が回転すると、その回転に連動して一対の第2スプロケット321が回転する。一対の第2スプロケット321が回転すると、当該第2スプロケット321の歯部321aと係合する係合孔101bを有するキャリアテープ101を含む部品収納テープ100が、送出される。
なお、第1送出部31により送出される部品収納テープ100の先端部が一対の第2スプロケット321に到達し、当該部品収納テープ100の先端部におけるキャリアテープ101の係合孔101bが一対の第2スプロケット321の歯部321aと係合すると、第1サーボモーター314が停止する。このように第1サーボモーター314が停止すると第1スプロケット311の回転軸が停止するが、この回転軸と第1スプロケット311の間に介在するワンウェイクラッチにより、回転軸が回転しなくても、第1スプロケット311は、一対の第2スプロケット321の回転によって送出される部品収納テープ100の移動に連動して回転することができる。
第3送出部33は、走行路5の第3経路部分53における水平領域531のテープ送り方向H下流端に配置される。すなわち、第3送出部33は、テープ送り方向Hにおいて部品取り出し位置21と一致する位置に配置されている。第3送出部33は、第2送出部32により送出されて第3経路部分53を走行する部品収納テープ100を受け入れて、当該部品収納テープ100を部品取り出し位置21を通過するように送出する。テープ送り方向Hにおいて部品取り出し位置21と一致する位置に第3送出部33を配置し、当該第3送出部33により部品収納テープ100を受け入れる構成とすることによって、部品取り出し位置21に対して高精度に位置決めされた状態で部品収納テープ100を送出することができる。
第3送出部33は、一対の第3スプロケット331と、一対の第3ウォームホイール332とを含む。上記の「第3送出部33が部品取り出し位置21と一致する位置に配置される」とは、走行路5の幅方向(X軸方向)から見て、部品取り出し位置21がテープ送り方向Hにおいて一対の第3スプロケット331の範囲内に位置するように、第3送出部33が配置されることをいう。走行路5の幅方向(X軸方向)から見て、部品取り出し位置21は、一対の第3スプロケット331の頂部(最上端部)の真上であることが望ましい。部品取り出し位置21を、一対の第3スプロケット331の頂部の真上からY軸方向にずれた位置とする場合、テープ送り方向Hの下流側よりも上流側にずれた位置とするのがよい。これは、第3送出部33の一対の第3スプロケット331によって送出される部品収納テープ100における部品取り出し位置21を通過する領域部分が、引っ張られた状態となるため、当該領域部分の変形が少なく、部品取り出し位置21に対して高精度に位置決めされた状態となるからである。
一対の第3スプロケット331は、X軸方向に延びる軸心回りに回転可能に装置本体2に支持された、円板状のスプロケットである。一対の第3スプロケット331は、周方向に所定の間隔を有して配列した複数の歯部331aを備える。一対の第3スプロケット331において、Z軸方向(第1方向、上下方向)の他方向側(+Z方向側、上方向側)に位置した歯部331aは、一対のガイド壁41のガイド面411から露出している。一対の第3スプロケット331の歯部331aは、それぞれ、部品収納テープ100のキャリアテープ101の幅方向両端部に形成された係合孔101bと係合可能である。
一対の第3ウォームホイール332はそれぞれ、一対の第3スプロケット331の各々と同軸上に設けられたウォーム歯車である。一対の第3ウォームホイール332はそれぞれ、一対の第2ウォーム323の各々と噛合する。
上記のように構成された第3送出部33では、第2送出部32と同様に、第2サーボモーター324の回転駆動力が第2ベルト325及び一対の第2ウォーム323を介して一対の第3ウォームホイール332に伝達され、これにより、一対の第3ウォームホイール332が回転する。一対の第3ウォームホイール332が回転すると、その回転に連動して一対の第3スプロケット331が回転する。一対の第3スプロケット331が回転すると、当該第3スプロケット331の歯部331aと係合する係合孔101bを有するキャリアテープ101を含む部品収納テープ100が、送出される。
次に、図5を参照して、部品供給装置1に備えられる部品露出部6の構成について説明する。部品露出部6は、テープ走行路形成部4が形成する走行路5上に配置される。部品露出部6は、テープ送出部3により送出されて走行路5を走行する部品収納テープ100の部品収納部101a内において部品Pを露出させる。この部品露出部6は、カバーテープ立ち上げ部61と、カバーテープ前処理部62と、カバーテープ後処理部63とを含む。
図6は、部品露出部6におけるカバーテープ立ち上げ部61の構成を示す図である。カバーテープ立ち上げ部61は、走行路5上における第1経路部分51に配置される。カバーテープ立ち上げ部61は、走行路5における第1経路部分51を走行する部品収納テープ100のカバーテープ102に当接することにより、当該カバーテープ102をキャリアテープ101に対して+Z方向側(上方向側)へ立ち上げる、立ち上げ処理を行う。カバーテープ立ち上げ部61によるカバーテープ102の立ち上げ処理によって、部品収納テープ100の部品収納部101a内において部品Pが露出される。
本実施形態では、カバーテープ立ち上げ部61は、後述のカバーテープ前処理部62が備えるカバーテープ切断部622により切断されたカバーテープ102の切断部分102aに当接し、当該切断されたカバーテープ102の立ち上げ処理を行う。なお、カバーテープ前処理部62のカバーテープ切断部622は、カバーテープ102の幅方向両端部間の所定位置(例えば中央位置)を切断する。また、カバーテープ切断部622により切断されたカバーテープ102の切断部分102aは、走行路5に沿って線状に延びる。
カバーテープ立ち上げ部61は、立ち上げ領域拡張部611と、立ち上げ領域保持部612とを含む。
立ち上げ領域拡張部611は、カバーテープ立ち上げ部61におけるテープ送り方向Hの上流側の領域部分である。立ち上げ領域拡張部611のテープ送り方向Hの上流側端部611Aの先端は、カバーテープ立ち上げ部61の最上流端61Aとなり、カバーテープ102に対する当接の始点となる。立ち上げ領域拡張部611は、キャリアテープ101に対するカバーテープ102の+Z方向側(上方向側)への立ち上げ領域を、立ち上げ始点から融着部103に至る範囲にまで拡張させる。なお、カバーテープ102の立ち上げ始点は、カバーテープ102におけるカバーテープ立ち上げ部61の最上流端61Aとの当接の始点であり、本実施形態では、カバーテープ切断部622により切断されたカバーテープ102の切断部分102a上に位置する。また、立ち上げ領域拡張部611のテープ送り方向Hの上流側端部611Aは、後述の蓋部材7に固定されている。
立ち上げ領域拡張部611は、第1領域拡張片6111と第2領域拡張片6112とを有する。第1領域拡張片6111及び第2領域拡張片6112はそれぞれ、テープ送り方向Hに所定の長さを有する板状の部材であり、テープ送り方向Hの上流端同士が互いに接続されている。第1領域拡張片6111及び第2領域拡張片6112における接続部分が、立ち上げ領域拡張部611におけるテープ送り方向Hの上流側端部611Aとなる。
第1領域拡張片6111は、第2領域拡張片6112との接続部分であるテープ送り方向Hの上流端から下流端に向かって、走行路5における幅方向(X軸方向)の一方向側(+X方向側)端部に近づくように延びる。第1領域拡張片6111におけるテープ送り方向Hの上流端は、切断されたカバーテープ102の切断部分102aに当接する。第1領域拡張片6111におけるテープ送り方向Hの下流端は、その−Z方向側の端縁が、カバーテープ102の幅方向の一方向側(+X方向側)における融着部103との境界部分に当接する。
第2領域拡張片6112は、第1領域拡張片6111との接続部分であるテープ送り方向Hの上流端から下流端に向かって、走行路5における幅方向(X軸方向)の他方向側(−X方向側)端部に近づくように延びる。第2領域拡張片6112におけるテープ送り方向Hの上流端は、切断されたカバーテープ102の切断部分102aに当接する。第2領域拡張片6112におけるテープ送り方向Hの下流端は、その−Z方向側の端縁が、カバーテープ102の幅方向の他方向側(−X方向側)における融着部103との境界部分に当接する。
立ち上げ領域保持部612は、立ち上げ領域拡張部611のテープ送り方向H下流端に接続部材613を介して接続される。立ち上げ領域保持部612は、立ち上げ領域拡張部611に対し、接続部材613を中心とした揺動が可能となるように接続されている。立ち上げ領域保持部612のテープ送り方向Hの下流側端部の先端は、カバーテープ立ち上げ部61の最下流端61Bとなり、カバーテープ102に対する当接の終点となる。立ち上げ領域保持部612は、立ち上げ領域拡張部611によって融着部103に至る範囲にまで拡張されたカバーテープ102の立ち上げ領域を、そのままの状態で保持する。立ち上げ領域保持部612が立ち上げ領域拡張部611に対し、接続部材613を中心とした揺動が可能となるように接続された構成のカバーテープ立ち上げ部61は、第1経路部分51上における部品収納テープ100の走行挙動の変化に対応して揺動可能となる。従って、カバーテープ立ち上げ部61によるカバーテープ102の立ち上げ処理の安定性の低下が防止される。なお、第1経路部分51上における部品収納テープ100の走行挙動の変化については、後述する。
立ち上げ領域保持部612は、第1領域保持片6121と第2領域保持片6122とを有する。第1領域保持片6121及び第2領域保持片6122はそれぞれ、テープ送り方向Hに所定の長さを有する板状の部材である。
第1領域保持片6121は、テープ送り方向Hの上流端から下流端に向かって、走行路5における第1経路部分51に沿って延びる。第1領域保持片6121におけるテープ送り方向Hの上流端は、第1領域拡張片6111の下流端に接続部材613を介して接続されている。第1領域保持片6121は、第1領域拡張片6111に対し、接続部材613を中心とした揺動が可能となるように、装置本体2に支持されている。第1領域保持片6121におけるテープ送り方向Hの下流端は、カバーテープ立ち上げ部61の最下流端61Bとなる。第1領域保持片6121における−Z方向側の端縁は、カバーテープ102の幅方向の一方向側(+X方向側)における融着部103との境界部分に当接する。
第2領域保持片6122は、テープ送り方向Hの上流端から下流端に向かって、走行路5における第1経路部分51に沿って延びる。第2領域保持片6122におけるテープ送り方向Hの上流端は、第2領域拡張片6112の下流端に接続部材613を介して接続されている。第2領域保持片6122は、第2領域拡張片6112に対し、接続部材613を中心とした揺動が可能となるように、装置本体1に支持されている。第2領域保持片6122におけるテープ送り方向Hの下流端は、カバーテープ立ち上げ部61の最下流端61Bとなる。第2領域保持片6122における−Z方向側の端縁は、カバーテープ102の幅方向の他方向側(−X方向側)における融着部103との境界部分に当接する。
次に、走行路5のカバーテープ立ち上げ部61が配置される第1経路部分51の形状と、部品収納テープ100のカバーテープ102の立ち上げ処理時におけるキャリアテープ101の座屈変形について、図6に加えて図7乃至図10を参照して説明する。図7は、テープ走行路形成部4により形成される走行路5における第1経路部分51の形状を説明するための図である。図8は、走行路5の第1経路部分51における第1領域511及び第2領域512の形状を説明するための図である。図9は、走行路5の第1経路部分51における第2領域512の形状を説明するための図である。図10は、部品収納テープ100のカバーテープ102の立ち上げ処理時におけるキャリアテープ101の座屈変形の様子を示す図である。
図10に示すように、カバーテープ立ち上げ部61によるカバーテープ102の立ち上げ処理時において、キャリアテープ101が座屈変形する場合がある。図9を参照して説明すると、カバーテープ102の立ち上げ処理時におけるキャリアテープ101の座屈変形は、カバーテープ立ち上げ部61により立ち上げ処理が施されたカバーテープ102のテープ送り方向Hの下流端102bと、後述のカバーテープ後処理部63により押し広げられたカバーテープ102のテープ送り方向Hの上流端102cとの間に、ギャップがあるために生じると考えられる。
カバーテープ立ち上げ部61により立ち上げ処理が施されたカバーテープ102において、前記ギャップによって、テープ送り方向Hの下流端102bから立ち上げ始点(カバーテープ102におけるカバーテープ立ち上げ部61の最上流端61Aとの当接の始点)に向かう引っ張り応力が生じる。カバーテープ102に引っ張り応力が生じると、この応力に起因してキャリアテープ101が座屈変形することになる。
前記ギャップの大きさは、部品収納テープ100における融着部103間の長さK1が長くなり、カバーテープ102の立ち上げ処理による立ち上げ領域が広くなるほど、大きくなる。すなわち、キャリアテープ101の座屈変形の変形量は、カバーテープ102の立ち上げ処理による立ち上げ領域が広くなるほど、大きくなる。また、前記ギャップの大きさは、カバーテープ立ち上げ部61における第1経路部分51に沿った長さCが短くなり、カバーテープ102の立ち上げ時における部品収納テープ100の走行距離が短くなるほど、大きくなる。すなわち、キャリアテープ101の座屈変形の変形量は、カバーテープ102の立ち上げ時における部品収納テープ100の走行距離が短くなるほど、大きくなる。
例えば、大型の部品Pを供給すべく部品収納部101aが大きくなると、融着部103間の長さK1が長くなる。このような部品収納テープ100を用いて大型の部品Pを供給する場合、キャリアテープ101の座屈変形に関する上記の挙動に鑑みると、座屈変形が発生する可能性が高くなる。この場合、カバーテープ102の立ち上げ時における部品収納テープ100の走行距離を長くすることによって、キャリアテープ101の座屈変形を防止可能である。
本実施形態では、上述の如く、カバーテープ立ち上げ部61が配置される第1経路部分51は、テープ送り方向Hの上流から下流に向かって、走行路5の幅方向(X軸方向)及びテープ送り方向Hと直交するZ軸方向(第1方向、上下方向)の一方向側(−Z方向側、下方向側)に傾くように形成されている。これにより、例えばカバーテープ立ち上げ部61がテープ送り方向Hに沿って水平に延びるような走行路上に配置される場合と比較して、第1経路部分51を走行してカバーテープ立ち上げ部61を通過するときの、部品収納テープ100の走行距離を、長くすることができる。
更に、第1経路部分51は、上記従来技術のように、テープ送り方向Hの最上流端と最下流端とが同一高さ位置となるようには構成されていない。このため、カバーテープ立ち上げ部61による立ち上げ処理後のカバーテープ102において、テープ送り方向Hの下流端102bから立ち上げ始点に向かう引っ張り応力の発生が抑止される。従って、カバーテープ立ち上げ部61によるカバーテープ102の立ち上げ処理時における、カバーテープ102の引っ張り応力に起因したキャリアテープ101の座屈変形を、防止することができる。このため、部品収納テープ100の良好な走行性が保持され、部品取り出し位置21に向けて部品Pを効率良く供給することができる。
また、カーテープ102の立ち上げ処理時におけるキャリアテープ101の座屈変形を防止可能な構成の部品供給装置1において、カバーテープ立ち上げ部61が配置される第1経路部分51の、テープ送り方向Hに沿った長さ、すなわち、第1経路部分51の最上流端から最下流端までのテープ送り方向Hに沿った長さを、短くすることができる。従って、部品供給装置1の小型化が可能となる。
また、図6及び図7に示すように、カバーテープ立ち上げ部61が配置される第1経路部分51は、上述の如く、テープ送り方向Hの最上流側の第1領域511と、第1領域511のテープ送り方向H下流側に連なる第2領域512と、第2領域512のテープ送り方向H下流側に連なる第3領域513とを有する。
第1経路部分51において、第1領域511のテープ送り方向Hの最上流端511Aから、第2領域512のテープ送り方向Hの最下流端512Aに至るまでの経路部分は、走行路5の幅方向(X軸方向)から見て、変曲点F12を有する仮想曲線に沿った形状に形成されている。具体的には、第1経路部分51の第1領域511は、走行路5の幅方向(X軸方向)から見て、Z軸方向(第1方向、上下方向)の一方向(−Z方向、下方向)とは反対の他方向(+Z方向、上方向)に凸の第1仮想曲線F1に沿った形状に形成されている。第1経路部分51の第2領域512は、走行路5の幅方向(X軸方向)から見て、Z軸方向(第1方向、上下方向)の一方向(−Z方向、下方向)に凸の第2仮想曲線F2に沿った形状に形成されている。
ここで、第1領域511のテープ送り方向Hの最上流端511Aから、第2領域512のテープ送り方向Hの最下流端512Aに至るまでの経路部分は、テープ送り方向Hの上流から下流に向かって、−Z方向側に傾くような形状であれば特に限定されるものではない。例えば、第1仮想曲線F1に沿った第1領域511と、第2仮想曲線F2に沿った第2領域512の形状としては、走行路5の幅方向(X軸方向)から見て、図8(1)に示すような円弧形状、図8(2)に示すような複数の線分が連結された屈曲形状、図8(3)に示すような複数の曲線が連結された湾曲形状、などが挙げられる。
走行路5の幅方向(X軸方向)から見て第1経路部分51は、第1仮想曲線F1に沿った第1領域511と、第2仮想曲線F2に沿った第2領域512とで、Z軸方向(第1方向、上下方向)に関して曲がる方向が異なり、曲率の符号が変化する。このような第1経路部分51に沿って部品収納テープ100が走行すると、第1領域511の通過時と第2領域512の通過時とで、部品収納テープ100に対してZ軸方向(第1方向、上下方向)に関して逆方向に撓もうとする力が作用する。このため、例えば第1経路部分51において、第1領域511と第2領域512とにわたってカバーテープ立ち上げ部61を配置すると、カバーテープ立ち上げ部61によるカバーテープ102の立ち上げ処理の安定性が低下する可能性がある。
そこで、図6に示すように、カバーテープ立ち上げ部61は、カバーテープ102に対する当接の始点となるテープ送り方向Hの最上流端61Aが、第1経路部分51における第1領域511と第2領域512との境界線S1上又はその近傍に位置するように、配置される。このような構成では、カバーテープ立ち上げ部61は、その最上流端61Aが第1領域511と第2領域512との境界線S1上又はその近傍に位置するので、第1領域511と第2領域512とにわたって配置されることなく、第2領域512に配置されることになる。従って、カバーテープ立ち上げ部61によるカバーテープ102の立ち上げ処理の安定性の低下が防止される。
また、部品収納テープ100が第1経路部分51の第1領域511及び第2領域512を走行するときには、撓みながら走行する。ここで、第1経路部分51を走行する部品収納テープ100は、第1経路部分51の上流側に配置される第1送出部31により送出される場合と、第1経路部分51の下流側に配置される第2送出部32により送出される場合とで、第1領域511に沿った第1仮想曲線F1と第2領域512に沿った第2仮想曲線F2との間の変曲点F12を境界として走行時の撓み方向が変化し、第1経路部分51上での走行挙動が変化する。このような、第1経路部分51上における部品収納テープ100の走行挙動の変化は、部品収納テープ100が部品取り出し位置21に向けてテープ送り方向Hに送出されるローディング動作時のみならず、テープ送り方向Hとは逆方向の−Y方向に送出されるアンローディング動作時においても生じる。
具体的には、ローディング動作時においては、第1送出部31により送出される部品収納テープ100は、第1領域511では+Z方向側(上方向側)に撓み、第2領域512では−Z方向側(下方向側)に撓む。また、第2送出部32により送出される部品収納テープ100は、第1領域511では−Z方向側(下方向側)に撓み、第2領域512では+Z方向側(上方向側)に撓む。
本実施形態のカバーテープ立ち上げ部61においては、上述の如く、立ち上げ領域拡張部611の上流側端部611Aのみが後述の蓋部材7に固定されており、立ち上げ領域保持部612は、立ち上げ領域拡張部611に対し、接続部材613を中心とした揺動が可能となるように接続されている。これにより、カバーテープ立ち上げ部61は、第1経路部分51上における部品収納テープ100の走行挙動の変化に対応して揺動可能となる。従って、カバーテープ立ち上げ部61によるカバーテープ102の立ち上げ処理の安定性の低下が防止される。
また、図4に示すように、第1経路部分51は、上述の如く、一対のガイド壁41のガイド面411とともに、第1乃至第6ガイドローラー42,43,44,45,46,47によって形成されている。第1乃至第6ガイドローラー42,43,44,45,46,47は、X軸方向に延びる軸心回りに回転可能に構成されているので、第1経路部分51上における部品収納テープ100の走行挙動が変化しても、第1経路部分51を走行するときの部品収納テープ100の走行抵抗を軽減することができる。
また、部品収納テープ100が第1経路部分51を走行するときには、その−Z方向側の面(下面)は、一対のガイド壁41のガイド面411と、第1ガイドローラー42及び第2ガイドローラー43とによってガイドされる。一方、部品収納テープ100の+Z方向側の面(上面)は、第3乃至第6ガイドローラー44,45,46,47によってガイドされる。すなわち、テープ走行路形成部4は、部品収納テープ100の+Z方向側の面(上面)をガイドするための構成として、連続したガイド面を有するガイド壁を備えていない。これは、第1経路部分51上における部品収納テープ100の走行挙動が変化した場合の走行抵抗を、より確実に軽減するためである。
次に、カバーテープ102の立ち上げ処理時におけるキャリアテープ101の座屈変形を、より確実に防止するための構成について、図7及び図9を参照して説明する。カバーテープ立ち上げ部61により立ち上げ処理が施されたカバーテープ102のテープ送り方向Hの下流端102bと、後述のカバーテープ後処理部63により押し広げられたカバーテープ102のテープ送り方向Hの上流端102cとの間の前記ギャップに対応した、閾値T(図9参照)に基づいて、走行路5においてカバーテープ立ち上げ部61が配置される第1経路部分51の第2領域512の形状を設計することが望ましい。図9に示すように、閾値Tは、下記式(1)により導くことができる。
T=W・sin2θ=2W・sinθ・cosθ ・・・(1)
上記式(1)中、「W」は、カバーテープ立ち上げ部61における、カバーテープ102に対する当接の始点となるテープ送り方向Hの最上流端61Aと、カバーテープ102に対する当接の終点となるテープ送り方向Hの最下流端61Bとの間の、走行路5の幅方向(X軸方向)に関する距離を示す。また、上記式(1)中、「θ」は、図9に示すように、カバーテープ立ち上げ部61により立ち上げられたカバーテープ102の立ち上げ始点(カバーテープ102におけるカバーテープ立ち上げ部61の最上流端61Aとの当接の始点)を中心とした角度である。
また、図9に示すように、上記式(1)中の「sinθ」及び「cosθ」は、それぞれ、下記式(2)及び式(3)により導かれる。
sinθ=W/sqrt(C2+W2) ・・・(2)
cosθ=C/sqrt(C2+W2) ・・・(3)
上記式(2)及び式(3)中、「C」は、カバーテープ立ち上げ部61における第1経路部分51の第2領域512に沿った長さを示す。
式(2)で示される「sinθ」と、式(3)で示される「cosθ」とを、式(1)に代入することにより、閾値Tを定義する式として、下記式(I)が導かれる。
T=2C・W2/(C2+W2) ・・・(I)
そして、本実施形態では、走行路5においてカバーテープ立ち上げ部61が配置される第1経路部分51の第2領域512の形状を画定する第2仮想曲線F2に対応した扇形F4(中心角α)における、弧(第2仮想曲線F2に相当)の長さLと弦F5の長さdとの差分値(L−d)が、上記式(I)で定義される閾値Tよりも大きくなるように設定される。これにより、第1経路部分51の第2領域512に配置されるカバーテープ立ち上げ部61によるカバーテープ102の立ち上げ処理時において、カバーテープ102の引っ張り応力に起因したキャリアテープ101の座屈変形を、より確実に防止することができる。
また、図6及び図7に示すように、第1経路部分51においてカバーテープ立ち上げ部61が配置される第2領域512の、テープ送り方向H下流側に連なる第3領域513は、走行路5の幅方向(X軸方向)から見て、+Z方向(上方向)に凸の第3仮想曲線F3に沿った形状に形成されている。
走行路5における第1経路部分51のテープ送り方向Hの最下流端に相当する、第3領域513のテープ送り方向Hの最下流端513Aには、上述の如く、一対の第2スプロケット321を備える第2送出部32が配置されている。第3領域513の形状が+Z方向(上方向)に凸の第3仮想曲線F3に沿った形状とされているのは、第1送出部31により送出されて第3領域513を走行する部品収納テープ100の先端部におけるキャリアテープ101の係合孔101bが、一対の第2スプロケット321の歯部321aと係合するときの係合性を、良好なものとするためである。テープ送出部3は第2送出部32を必ずしも備える必要はないが、第2送出部32を備えることによって、第1送出部31により送出されて第1経路部分51を走行する部品収納テープ100の係合孔101bに第2スプロケット321の歯部321aが嵌り込んで係合し、これによって確実に部品収納テープ100を受け取ることができる。更に、第2送出部32によって、当該第2送出部32が受け取った部品収納テープ100を、第1経路部分51のテープ送り方向H下流側の第3経路部分53における部品取り出し位置21と一致する位置に配置される第3送出部33に向けて、確実に送出することができる。
第3領域513のテープ送り方向Hの最下流端513Aの高さ位置は、キャリアテープ101の係合孔101bの、一対の第2スプロケット321の歯部321aに対する係合性と、カバーテープ102の立ち上げ処理時におけるキャリアテープ101の座屈変形の防止効果とに鑑みて、設定される。第3領域513の最下流端513Aの高さ位置は、第1経路部分51のテープ送り方向Hの最上流端に相当する第1領域511の最上流端511Aの高さ位置とは同一とならないように、設定される。
すなわち、図7に示すように、第2領域512の最下流端512Aと第3領域513の最下流端513Aとの間の、Z軸方向(上下方向)における距離K6は、第1領域511の最上流端511Aと第2領域512の最下流端512Aとの間の、Z軸方向(上下方向)における距離K5よりも、短くなるように設定される。なお、テープ送出部3が第2送出部32を備えていない構成とする場合には、第1経路部分51は、第3領域513を含まず、第2領域512の最下流端512Aから第3経路部分53に向けて水平に延びるように形成されてもよい。または、第2領域512の最下流端512Aから水平に延びる部分に、第2送出部32を配置してもよい。
また、第1経路部分51の第3領域513には、上述の如く、部品収納テープ100の+Z方向側の面(上面)におけるX軸方向両端部をガイドする第6ガイドローラー47が配置されている。この第6ガイドローラー47は、第1送出部31により送出されて第3領域513を走行する部品収納テープ100の先端部が、一対の第2スプロケット321の歯部321aの歯元に当接するように、部品収納テープ100をガイドする。これにより、部品収納テープ100の先端部におけるキャリアテープ101の係合孔101bが、一対の第2スプロケット321の歯部321aと係合するときの係合性を、良好なものとすることができる。
次に、図1及び図5を参照して、部品露出部6のカバーテープ前処理部62及びカバーテープ後処理部63について説明する。
カバーテープ前処理部62は、走行路5における第1経路部分51のテープ送り方向H上流側に連なる第2経路部分52に、カバーテープ立ち上げ部61とは離間して配置される。カバーテープ前処理部62は、第1送出部31により送出され、先端が自由端とされた状態で第2経路部分52を走行する部品収納テープ100に対し、カバーテープ立ち上げ部61によるカバーテープ102の立ち上げ処理に先立って、カバーテープ102を切断する前処理を行う。これにより、部品収納テープ100のカバーテープ102に対し、カバーテープ立ち上げ部61の当接がスムーズなものとなり、カバーテープ立ち上げ部61によるカバーテープ102の立ち上げ処理がスムーズに実施される。
また、部品収納テープ100は、その先端が自由端とされた状態で第1送出部31によって送出されて、走行路5の上流から下流に向かって第2経路部分52及び第1経路部分51を走行する。ここで、カバーテープ前処理部62は、第1経路部分51に配置されるカバーテープ立ち上げ部61とは離間して、第2経路部分52に配置されている。このため、走行路5における第1経路部分51の上流側の第2経路部分52を部品収納テープ100が走行し、カバーテープ前処理部62を通過するときには、部品収納テープ100のカバーテープ102は、立ち上げ処理が施されていない状態となる。この結果、カバーテープ前処理部62が配置される第2経路部分52を走行する部品収納テープ100において、立ち上げ処理に伴うカバーテープ102の引っ張り応力に起因したキャリアテープ101の座屈変形が生じることを、防止することができる。
カバーテープ立ち上げ部61によるカバーテープ102の立ち上げ処理後の部品収納テープ100は、走行路5における第1経路部分51の下流側の第3経路部分53に、第2送出部32により送出される。この第3経路部分53には、カバーテープ後処理部63が配置されている。カバーテープ後処理部63は、カバーテープ立ち上げ部61による立ち上げ処理後のカバーテープ102を、部品収納テープ100の幅方向に押し広げる後処理を行う。これにより、部品収納テープ100の部品収納部101a内における部品Pの露出度が大きくなる。従って、部品取り出し位置21での部品Pの取り出し性を向上することができる。
部品露出部6におけるカバーテープ前処理部62の詳細な構成について、図11を参照して説明する。図11は、部品露出部6におけるカバーテープ前処理部62の構成を示す図である。カバーテープ前処理部62は、挿入部材621と、カバーテープ切断部622と、支持部623とを含む。
挿入部材621は、先端が自由端とされた状態で第1送出部31によって送出されて、第2経路部分52を走行する部品収納テープ100における、カバーテープ102とキャリアテープ101との間に挿入される部材である。挿入部材621は、平板状に形成されている。この挿入部材621は、基部6211と、当該基部6211におけるテープ送り方向Hの上流端に連なる先端部6212と、を有する。なお、挿入部材621の基部6211におけるテープ送り方向Hの下流端6211aには、後述の蓋部材7が接続されている。
図12は、カバーテープ前処理部62の挿入部材621が部品収納テープ100のカバーテープ102とキャリアテープ101との間に挿入される様子を示す図である。挿入部材621において先端部6212は、基部6211との接続部分からテープ送り方向Hの上流端6212aに向かって、Z軸方向(第1方向、上下方向)の他方向側(+Z方向側、上方向側)に傾くように、基部6211に対して先上がりに傾斜している。換言すると、図12に示すように、挿入部材621がカバーテープ102とキャリアテープ101との間に挿入された状態において、基部6211はカバーテープ102と略平行で、先端部6212はキャリアテープ101から間隔をもって離れてカバーテープ102側に向かうように傾斜している。
挿入部材621の先端部6212を、上記のような傾斜構造とすることによって、カバーテープ102とキャリアテープ101との間に挿入部材621が挿入された状態で、第1送出部31により部品収納テープ100が送出されるときに、キャリアテープ101における、隣接する部品収納部101a間に位置する領域部分となる収納部接続領域部分101cに、先端部6212が接触することを抑止することができる。このため、部品収納テープ100の良好な走行性が保持され、部品取り出し位置21に向けて部品Pを効率良く供給することができる。
また、挿入部材621の先端部6212は、先細状に形成されている。これにより、カバーテープ102とキャリアテープ101との間に挿入部材621が挿入されるときの挿入性が向上する。また、挿入部材621は、支持部623により支持されている。本実施形態では、支持部623は、挿入部材621の基部6211におけるテープ送り方向Hの下流端6211aに接続された後述の蓋部材7の上面に配置され、且つ、装置本体2に固定されている。このような構成によって、支持部623は、蓋部材7を介して挿入部材621を支持する。
カバーテープ切断部622は、先端が自由端とされた状態で第1送出部31によって送出されて、第2経路部分52を走行する部品収納テープ100のカバーテープ102を切断する。カバーテープ切断部622は、カバーテープ102の幅方向両端部間の所定位置(例えば中央位置)を切断する。カバーテープ切断部622により切断されたカバーテープ102の切断部分102aは、走行路5に沿って線状に延びる。
カバーテープ切断部622は、カバーテープ102を切断する刃部6221と、保持部6222とを含む。保持部6222は、刃先が露出するように刃部6221を保持する保持面6222aを有する。
カバーテープ切断部622は、保持部6222の少なくともテープ送り方向H上流側の領域部分6222bにおける保持面6222aとは反対側の面が、挿入部材621における基部6211のZ軸方向(第1方向、上下方向)の他方向側(+Z方向側、上方向側)の面6211b(カバーテープ102側の面)に当接するように、蓋部材7を介して支持部623に支持されている。また、カバーテープ切断部622においては、保持部6222の保持面6222aに保持された刃部6221が、Z軸方向(第1方向、上下方向)の他方向側(+Z方向側、上方向側)に臨んでいる。このような構成では、走行路5における第2経路部分52を走行する部品収納テープ100がカバーテープ切断部622を通過するときには、当該カバーテープ切断部622の上流端6222cとキャリアテープ101との間に挿入部材621が介在することになる。このため、カバーテープ切断部622の上流端6222cが、キャリアテープ101の部品収納部101aに収納される部品Pと接触することを、防止することができる。従って、カバーテープ切断部622との接触により部品Pにダメージが与えられることを防止することができる。
また、カバーテープ切断部622の保持部6222において、保持面6222aは、テープ送り方向Hの下流から上流に向かって先下がりに傾斜した傾斜面であることが望ましい。これにより、走行路5における第2経路部分52を走行してカバーテープ切断部622を通過するときに、部品収納テープ100は、傾斜面とされた保持部6222の保持面6222aに沿ってガイドされる。この結果、部品収納テープ100がカバーテープ切断部622を通過するときの走行抵抗を軽減することができる。
図13は、カバーテープ前処理部62のカバーテープ切断部622が部品収納テープ100のカバーテープ102を切断する様子を示す図である。走行路5における第2経路部分52を走行する部品収納テープ100におけるカバーテープ102とキャリアテープ101との間に、挿入部材621及びカバーテープ切断部622が挿入された状態では、カバーテープ102に対してキャリアテープ101から離間する方向への引っ張り応力が付与される。このような引っ張り応力がカバーテープ102に付与されることによって、カバーテープ切断部622の刃部6221によりカバーテープ102がスムーズに切断される。
一方、引っ張り応力がカバーテープ102に付与されると、図13(1)に示すように、キャリアテープ101が座屈変形する場合がある。このキャリアテープ101の座屈変形により、カバーテープ102に付与される引っ張り応力が低下することになる。カバーテープ102に付与される引っ張り応力が過度に低下してしまうと、カバーテープ切断部622の刃部6221によるカバーテープ102のスムーズな切断が阻害される。
そこで、図12に示すように、挿入部材621における先端部6212のテープ送り方向H上流端6212aから、カバーテープ切断部622における保持部6222のテープ送り方向H上流端6222cまでの距離K7が、部品収納テープ100における部品収納部101aのテープ送り方向Hの幅寸法K8と、隣接する部品収納部101a同士の間隔K9との加算値以上に設定される。これにより、図13(2)に示すように、カバーテープ102とキャリアテープ101との間に挿入部材621及びカバーテープ切断部622が挿入された状態での、キャリアテープ101の座屈変形を、防止することができる。従って、カバーテープ切断部622の刃部6221によるカバーテープ102のスムーズな切断を保持することができる。
図14は、カバーテープ前処理部62における挿入部材621及びカバーテープ切断部622の揺動の様子を示す図である。挿入部材621は、走行路5における第2経路部分52の幅方向(X軸方向)に延びる所定の軸心J1回りに揺動可能となるように、蓋部材7を介して支持部623に支持される構成としてもよい。また、カバーテープ切断部622は、挿入部材621の揺動に連動した揺動が可能となるように、保持部6222の少なくともテープ送り方向H上流側の領域部分6222bが、挿入部材621における基部6211のZ軸方向(第1方向、上下方向)の他方向側(+Z方向側、上方向側)の面6211b(カバーテープ102側の面)に当接されている。これにより、例えば部品収納テープ100が撓みながら走行路5を走行する場合、カバーテープ102とキャリアテープ101との間に挿入される挿入部材621及びカバーテープ切断部622が、その部品収納テープ100の撓みに応じて揺動可能となる。従って、挿入部材621の先端部6212の、キャリアテープ101における収納部接続領域部分101cへの接触を、安定的に抑止することができる。
次に、部品供給装置1に備えられる蓋部材7について、図1及び図5に加えて、図15を参照して説明する。図15は、部品供給装置1に備えられる蓋部材7を示す図である。蓋部材7は、部品露出部6による、部品収納部101a内において部品Pを露出させる露出処理後の部品収納テープ100の、部品収納部101aの各々の開口の少なくとも一部を覆う部材である。部品供給装置1が蓋部材7を備える構成とすることによって、露出処理後の部品収納テープ100がテープ送出部3により送出されるときにおける、部品収納部101aからの部品Pの飛び出しを、蓋部材7によって規制することができる。従って、部品供給装置1による部品取り出し位置21への部品供給を安定的に行うことができ、部品取り出し位置21に向けて部品を効率良く供給することができる。
本実施形態では、蓋部材7は、挿入部材621の基部6211におけるテープ送り方向Hの下流端6211aから、部品取り出し位置21まで、走行路5に沿って延びる。これにより、走行路5を走行する部品収納テープ100における部品収納部101aの各々の開口の少なくとも一部が、挿入部材621の基部6211における下流端6211aから部品取り出し位置21にわたって、蓋部材7によって覆われる。このため、露出処理後の部品収納テープ100における、部品収納部101aからの部品Pの飛び出しを、蓋部材7によって確実に規制することができる。
また、挿入部材621の基部6211における下流端6211aに接続された蓋部材7は、テープ送出部3により送出される部品収納テープ100のカバーテープ102とキャリアテープ101との間に挿入された状態で、走行路5に沿って部品収納部101aを覆う。このため、蓋部材7は、カバーテープ102とキャリアテープ101との間に挿入された状態で、テープ送出部3により送出される部品収納テープ100の走行をガイドする機能を有する。従って、蓋部材7は、一対のガイド壁41及び第1乃至第6ガイドローラー42,43,44,45,46,47とともに、走行路5を形成し、テープ走行路形成部4を構成する。
上述の如く、走行路5における第1経路部分51は、走行路5の幅方向(X軸方向)から見て、変曲点F12を有する仮想曲線に沿った形状に形成された、第1領域511及び第2領域512を含む。部品収納テープ100が第1経路部分51の第1領域511及び第2領域512を走行するときには、撓みながら走行する。このため、第1経路部分51の第1領域511及び第2領域512を走行する部品収納テープ100において、部品収納部101aを覆う蓋部材7とキャリアテープ101との接触による摩擦力が増大する可能性がある。
そこで、蓋部材7は、可撓性を有する部材であることが望ましい。このような構成では、部品収納テープ100が第1経路部分51の第1領域511及び第2領域512に沿って撓みながら走行するときに、蓋部材7がその部品収納テープ100の撓みに応じて撓むことになる。これにより、第1経路部分51の第1領域511及び第2領域512を走行する部品収納テープ100において、部品収納部101aを覆う蓋部材7とキャリアテープ101との接触による摩擦力の増大を抑止することができる。従って、部品収納テープ100が走行路5を走行するときの走行抵抗を軽減することができる。
図16は、蓋部材7の変形例を示す図である。図17は、図16の蓋部材7を拡大して示す図である。可撓性を有する蓋部材7は、図15に示すように、薄板状のフィルム部材によって構成することができる。また、図16及び図17に示すように、可撓性を有する蓋部材7は、走行路5の幅方向(X軸方向)に所定の間隔を有して配列された複数の線状部材によって構成することもできる。
また、蓋部材7は、図11に示すように、挿入部材621の基部6211におけるテープ送り方向Hの下流端6211aと接続部分となる、テープ送り方向Hの上流側端部が、支持部623によって支持されている。更に、蓋部材7のテープ送り方向Hの下流側端部は、装置本体2によって上方から支持されている。
上述の如く、第1経路部分51を走行する部品収納テープ100は、第1経路部分51の上流側に配置される第1送出部31により送出される場合と、第1経路部分51の下流側に配置される第2送出部32により送出される場合とで、第1領域511に沿った第1仮想曲線F1と第2領域512に沿った第2仮想曲線F2との間の変曲点F12を境界として走行時の撓み方向が変化し、第1経路部分51上での走行挙動が変化する。
蓋部材7の上流側端部及び下流側端部のみがそれぞれ、支持部623及び装置本体2に支持される構成とすることによって、蓋部材7は、走行路5の第1経路部分51上における部品収納テープ100の走行挙動の変化に対応して撓む。これにより、部品収納部101aが蓋部材7に覆われた状態で部品収納テープ100が第1経路部分51を走行するときの走行抵抗を、軽減することができる。
<第2実施形態>
図18は、本発明の第2実施形態に係る部品供給装置10に備えられる部品露出部60の構成を概略的に示す図である。上述の第1実施形態に係る部品供給装置1は、部品収納テープ100の部品収納部101a内において部品Pを露出させる露出処理の一処理として、カバーテープ102を切断する前処理を行う装置である。これに対し、第2実施形態に係る部品供給装置10は、露出処理の一処理として、カバーテープ102をキャリアテープ101から剥離する前処理を行う装置である。第2実施形態に係る部品供給装置10は、部品露出部60の構成が異なること以外は、第1実施形態に係る部品供給装置1と同様に構成される。このように第2実施形態に係る部品供給装置10は、第1実施形態に係る部品供給装置1と同様の部分を有する。従って、以下の説明及び図において、対応する同様の部分については同一の参照符号を付すとともに、説明を省略する。
部品供給装置10に備えられる部品露出部60は、カバーテープ立ち上げ部601と、カバーテープ前処理部602と、カバーテープ後処理部603とを含む。
図19は、第2実施形態に係る部品露出部60におけるカバーテープ立ち上げ部601の構成を示す図である。カバーテープ立ち上げ部601は、走行路5上における第1経路部分51に配置される。カバーテープ立ち上げ部601は、走行路5における第1経路部分51を走行する部品収納テープ100のカバーテープ102に当接することにより、当該カバーテープ102のキャリアテープ101に対する+Z方向側(上方向側)への立ち上げ処理を行って部品Pを露出させる。
本実施形態では、カバーテープ立ち上げ部601は、後述のカバーテープ前処理部602が備える挿入部材6021によりキャリアテープ101から剥離されたカバーテープ102に当接し、当該剥離されたカバーテープ102の立ち上げ処理を行う。なお、カバーテープ前処理部602の挿入部材6021は、カバーテープ102の幅方向の一方向側の端部を融着部103に沿って剥離する。
カバーテープ立ち上げ部601は、テープ送り方向Hに所定の長さを有する板状の部材である。カバーテープ立ち上げ部602のテープ送り方向Hの上流側端部601Aは、蓋部材7に固定されている。カバーテープ立ち上げ部601は、テープ送り方向Hの上流から下流に向かって、走行路5における幅方向(X軸方向)の一方向側(+X方向側)の端部から幅方向(X軸方向)の他方側(−X方向側)の端部へと進むように延びる。すなわち、カバーテープ立ち上げ部601においては、カバーテープ102に対する当接の始点となる最上流端601Aaが、走行路5における幅方向(X軸方向)の一方向側(+X方向側)の端部に位置している。また、カバーテープ102に対する当接の終点となる最下流端601Bが、走行路5における幅方向(X軸方向)の他方側(−X方向側)の端部に位置している。
上記構成のカバーテープ立ち上げ部601では、その最上流端601Aaが、挿入部材6021により剥離されたカバーテープ102の幅方向の一方向側(+X方向側)の端部に当接する。カバーテープ立ち上げ部601の最下流端601Bは、カバーテープ102の幅方向の他方向側(−X方向側)における融着部103との境界部分に当接する。
第2実施形態に係る部品供給装置10においても、上述の第1実施形態に係る部品供給装置1と同様に、カバーテープ立ち上げ部601が配置される第1経路部分51が、テープ送り方向Hの上流から下流に向かってZ軸方向(第1方向、上下方向)の一方向側(−Z方向側、下方向側)に傾くように形成されている。これにより、第1経路部分51を走行してカバーテープ立ち上げ部601を通過するときの、部品収納テープ100の走行距離を、長くすることができる。
更に、カバーテープ立ち上げ部601による立ち上げ処理後のカバーテープ102において、テープ送り方向Hの下流端102bから立ち上げ始点に向かう引っ張り応力の発生が抑止される。従って、カバーテープ立ち上げ部601によるカバーテープ102の立ち上げ処理時における、カバーテープ102の引っ張り応力に起因したキャリアテープ101の座屈変形を、防止することができる。このため、部品収納テープ100の良好な走行性が保持され、部品取り出し位置21に向けて部品Pを効率良く供給することができる。
カバーテープ前処理部602は、走行路5における第1経路部分51のテープ送り方向H上流側に連なる第2経路部分52に、カバーテープ立ち上げ部601とは離間して配置される。カバーテープ前処理部602は、第1送出部31により送出され、先端が自由端とされた状態で第2経路部分52を走行する部品収納テープ100に対し、カバーテープ立ち上げ部601によるカバーテープ102の立ち上げ処理に先立って、部品収納テープ100の幅方向一端部においてカバーテープ102をキャリアテープ101から剥離する前処理を行う。これにより、部品収納テープ100のカバーテープ102に対し、カバーテープ立ち上げ部601の当接がスムーズなものとなり、カバーテープ立ち上げ部601によるカバーテープ102の立ち上げ処理がスムーズに実施される。
また、部品収納テープ100は、その先端が自由端とされた状態で第1送出部31によって送出されて、走行路5の上流から下流に向かって第2経路部分52及び第1経路部分51を走行する。ここで、カバーテープ前処理部602は、第1経路部分51に配置されるカバーテープ立ち上げ部601とは離間して、第2経路部分52に配置されている。このため、走行路5における第1経路部分51の上流側の第2経路部分52を部品収納テープ100が走行し、カバーテープ前処理部602を通過するときには、部品収納テープ100のカバーテープ102は、立ち上げ処理が施されていない状態となる。この結果、カバーテープ前処理部602が配置される第2経路部分52を走行する部品収納テープ100において、立ち上げ処理に伴うカバーテープ102の引っ張り応力に起因したキャリアテープ101の座屈変形が生じることを、防止することができる。
カバーテープ立ち上げ部601によるカバーテープ102の立ち上げ処理後の部品収納テープ100は、走行路5における第1経路部分51の下流側の第3経路部分53に、第2送出部32により送出される。この第3経路部分53には、カバーテープ後処理部603が配置されている。カバーテープ後処理部603は、カバーテープ立ち上げ部601による立ち上げ処理後のカバーテープ102を、部品収納テープ100の幅方向に押し広げる後処理を行う。これにより、部品収納テープ100の部品収納部101a内における部品Pの露出度が大きくなる。従って、部品取り出し位置21での部品Pの取り出し性を向上することができる。
部品露出部60におけるカバーテープ前処理部602の詳細な構成について、図20を参照して説明する。図20は、第2実施形態に係る部品露出部60におけるカバーテープ前処理部602の構成を示す図である。カバーテープ前処理部602は、挿入部材6021と、支持部6022とを含む。
挿入部材6021は、先端が自由端とされた状態で第1送出部31によって送出されて、第2経路部分52を走行する部品収納テープ100の幅方向の一方向側(+X方向側)の端部において、カバーテープ102とキャリアテープ101との間に挿入される部材である。この挿入部材6021は、カバーテープ102の幅方向の一方向側(+X方向側)の端部を融着部103に沿って剥離する。
挿入部材6021は、平板状に形成されている。この挿入部材6021は、基部60211と、当該基部60211におけるテープ送り方向Hの上流端に連なる先端部60212と、を有する。なお、挿入部材6021の基部60211におけるテープ送り方向Hの下流端60211aには、蓋部材7が接続されている。
図21は、カバーテープ前処理部602の挿入部材6021が部品収納テープ100のカバーテープ102とキャリアテープ101との間に挿入される様子を示す図である。挿入部材6021において先端部60212は、基部60211との接続部分からテープ送り方向Hの上流端60212aに向かって、Z軸方向(第1方向、上下方向)の他方向側(+Z方向側、上方向側)に傾くように、基部60211に対して先上がりに傾斜している。換言すると、図21に示すように、挿入部材6021がカバーテープ102とキャリアテープ101との間に挿入された状態において、基部60211はカバーテープ102と略平行で、先端部60212はキャリアテープ101から間隔をもって離れてカバーテープ102側に向かうように傾斜している。
挿入部材6021の先端部60212を、上記のような傾斜構造とすることによって、カバーテープ102とキャリアテープ101との間に挿入部材6021が挿入された状態で、第1送出部31により部品収納テープ100が送出されるときに、キャリアテープ101における収納部接続領域部分101cに、先端部60212が接触することを抑止することができる。このため、部品収納テープ100の良好な走行性が保持され、部品取り出し位置21に向けて部品Pを効率良く供給することができる。また、挿入部材6021は、支持部6022により支持されている。支持部6022は、装置本体2に固定されている。
図22は、カバーテープ前処理部602における挿入部材6021の揺動の様子を示す図である。支持部6022は、挿入部材6021の基部60211におけるテープ送り方向Hの下流端60211aに接続された蓋部材7の上面に配置されるようにしてもよい。この場合には、支持部6022は、蓋部材7を介して挿入部材6021を支持する。
挿入部材6021は、走行路5における第2経路部分52の幅方向(X軸方向)に延びる所定の軸心J1回りに揺動可能となるように、蓋部材7を介して支持部6022に支持される構成としてもよい。これにより、例えば部品収納テープ100が撓みながら走行路5を走行する場合、カバーテープ102とキャリアテープ101との間に挿入される挿入部材6021が、その部品収納テープ100の撓みに応じて揺動可能となる。従って、挿入部材6021の先端部60212の、キャリアテープ101における収納部接続領域部分101cへの接触を、安定的に抑止することができる。
図23は、第2実施形態に係る部品供給装置10に備えられる蓋部材7を示す図である。第2実施形態に係る部品供給装置10に備えられる蓋部材7は、上述の第1実施形態に係る部品供給装置1の場合と同様に構成することができる。すなわち、部品供給装置10に備えられる蓋部材7は、可撓性を有することが望ましい。また、蓋部材7は、図23(1)に示すような薄板状のフィルム部材によって構成することができる。また、蓋部材7は、図23(2)に示すような、走行路5の幅方向(X軸方向)に所定の間隔を有して配列された複数の線状部材によって構成することもできる。
以上、本発明の実施形態に係る部品供給装置について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば次のような変形実施形態を採ることができる。
上記の実施形態においては、走行路5におけるカバーテープ立ち上げ部61が配置される第1経路部分51の、テープ送り方向Hの上流から下流に向かってZ軸方向(第1方向、上下方向)に傾く一方向が、下方向(−Z方向)である構成について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではない。カバーテープ立ち上げ部61が配置される第1経路部分51の、テープ送り方向Hの上流から下流に向かってZ軸方向(第1方向、上下方向)に傾く一方向が、上方向(+Z方向)である構成としてもよい。
また、上記の実施形態においては、カバーテープ前処理部62が、挿入部材621とカバーテープ切断部622とを別体として備える構成について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではない。カバーテープ切断部622の保持部6222が、挿入部材621の機能を有するように構成してもよい。この場合、保持部6222と挿入部材621とが一体的に形成された構造体とし、この構造体を挿入部材とする。
なお、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が主に含まれている。
本発明の一の局面に係る部品供給装置は、部品を収納する部品収納部が所定の間隔をおいて複数配列されたキャリアテープと、前記部品収納部を覆うように前記キャリアテープに貼付されたカバーテープと、からなる部品収納テープを用いて前記部品を部品取り出し位置に供給する部品供給装置である。この部品供給装置は、前記部品収納テープを、前記部品収納部の配列方向に沿ったテープ送り方向に、前記部品取り出し位置に向けて送出するテープ送出部と、前記テープ送出部により送出される前記部品収納テープの、前記部品取り出し位置に至る走行路を形成するテープ走行路形成部と、前記走行路上に配置され、前記走行路を走行する前記部品収納テープの前記部品収納部内において前記部品を露出させる部品露出部と、を備える。前記走行路は、前記テープ送り方向上流から下流に向かって、前記走行路の幅方向及び前記テープ送り方向と直交する第1方向の一方向側に傾く、スロープ部からなる第1経路部分を含む。前記部品露出部は、前記部品収納テープの前記カバーテープに当接することにより、当該カバーテープの前記キャリアテープに対する立ち上げ処理を行って前記部品を露出させるカバーテープ立ち上げ部を含む。そして、前記カバーテープ立ち上げ部は、前記走行路上における前記第1経路部分に配置される。
この部品供給装置によれば、テープ走行路形成部により形成される走行路において、カバーテープ立ち上げ部が配置される第1経路部分は、テープ送り方向上流から下流に向かって、走行路の幅方向及びテープ送り方向と直交する第1方向の一方向側に傾く、スロープ部からなるように構成されている。これにより、例えばカバーテープ立ち上げ部がテープ送り方向に沿って水平に延びるような走行路上に配置される場合と比較して、走行路上における第1経路部分を走行してカバーテープ立ち上げ部を通過するときの、部品収納テープの走行距離を、長くすることができる。
更に、第1経路部分は、上記従来技術のように、テープ送り方向の最上流端と最下流端とが同一高さ位置となるようには構成されていない。このため、カバーテープ立ち上げ部による立ち上げ処理後のカバーテープにおいて、テープ送り方向の下流端から立ち上げ始点(カバーテープにおけるカバーテープ立ち上げ部の当接の始点)に向かう引っ張り応力の発生が抑止される。従って、カバーテープ立ち上げ部によるカバーテープの立ち上げ処理時における、カバーテープの引っ張り応力に起因したキャリアテープの座屈変形を、防止することができる。このため、部品収納テープの良好な走行性が保持され、部品取り出し位置に向けて部品を効率良く供給することができる。
また、カバーテープの立ち上げ処理時におけるキャリアテープの座屈変形を防止可能な構成の部品供給装置において、カバーテープ立ち上げ部が配置される第1経路部分の、テープ送り方向に沿った長さ、すなわち、第1経路部分の最上流端から最下流端までのテープ送り方向に沿った長さを、短くすることができる。従って、部品供給装置の小型化が可能となる。
上記の部品供給装置において、前記第1方向の前記一方向は、上下方向の下方向であり、前記第1経路部分は、前記走行路の幅方向から見て、上方向に凸の第1仮想曲線に沿った形状に形成された第1領域と、前記第1領域の前記テープ送り方向下流側に連なり、下方向に凸の第2仮想曲線に沿った形状に形成された第2領域と、を有している。そして、前記カバーテープ立ち上げ部は、前記カバーテープに対する当接の始点となる前記テープ送り方向の最上流端が、前記第1経路部分における前記第1領域と前記第2領域との境界線上又はその近傍に位置するように、配置されている。
この態様では、走行路の幅方向から見て第1経路部分は、第1仮想曲線に沿った第1領域と、第2仮想曲線に沿った第2領域とで、第1方向(上下方向)に関して曲がる方向が異なり、曲率の符号が変化する。このような第1経路部分に沿って部品収納テープが走行すると、第1領域の通過時と第2領域の通過時とで、部品収納テープに対して第1方向(上下方向)に関して逆方向に撓もうとする力が作用する。このため、例えば第1経路部分において、第1領域と第2領域とにわたってカバーテープ立ち上げ部を配置すると、カバーテープ立ち上げ部によるカバーテープの立ち上げ処理の安定性が低下する可能性がある。
そこで、カバーテープに対する当接の始点となるテープ送り方向の最上流端が、第1経路部分における第1領域と第2領域との境界線上又はその近傍に位置するように、カバーテープ立ち上げ部が配置される構成とする。このような構成では、カバーテープ立ち上げ部は、その最上流端が第1領域と第2領域との境界線上又はその近傍に位置するので、第1領域と第2領域とにわたって配置されることなく、第2領域に配置されることになる。従って、カバーテープ立ち上げ部によるカバーテープの立ち上げ処理の安定性の低下が防止される。
上記の部品供給装置において、前記第2仮想曲線に沿った仮想円弧により画定される扇形における弧の長さLと弦の長さdとの差分値(L−d)は、上記式(I)で定義される閾値Tよりも大きくなるように設定される。
この態様では、第1経路部分の第2領域に配置されるカバーテープ立ち上げ部によるカバーテープの立ち上げ処理時において、カバーテープの引っ張り応力に起因したキャリアテープの座屈変形を、より確実に防止することができる。
上記の部品供給装置において、前記テープ走行路形成部が形成する前記走行路は、前記第1経路部分の前記テープ送り方向上流側に連なる第2経路部分を、更に含む。前記テープ送出部は、前記第2経路部分の前記テープ送り方向上流端に配置され、先端が自由端とされた状態で前記部品収納テープを送出することにより、当該部品収納テープを前記第2経路部分及び前記第1経路部分に走行させる第1送出部を含む。前記部品露出部は、前記走行路上における前記第2経路部分に前記カバーテープ立ち上げ部とは離間して配置され、前記カバーテープ立ち上げ部による前記立ち上げ処理に先立って、前記部品収納テープの幅方向一端部において前記カバーテープを前記キャリアテープから剥離する、又は、前記カバーテープを切断する前処理を行うカバーテープ前処理部を、更に含む。
この態様では、カバーテープ前処理部が、カバーテープ立ち上げ部によるカバーテープの立ち上げ処理に先立って、カバーテープをキャリアテープから剥離する、又は、カバーテープを切断する前処理を行う。これにより、部品収納テープのカバーテープに対し、カバーテープ立ち上げ部の当接がスムーズなものとなり、カバーテープ立ち上げ部によるカバーテープの立ち上げ処理がスムーズに実施される。
また、部品収納テープは、その先端が自由端とされた状態でテープ送出部の第1送出部によって送出されて、走行路の上流から下流に向かって第2経路部分及び第1経路部分を走行する。ここで、カバーテープ前処理部は、第1経路部分に配置されるカバーテープ立ち上げ部とは離間して、第2経路部分に配置されている。このため、走行路における第1経路部分の上流側の第2経路部分を部品収納テープが走行し、カバーテープ前処理部を通過するときには、部品収納テープのカバーテープは、立ち上げ処理が施されていない状態となる。この結果、カバーテープ前処理部が配置される第2経路部分を走行する部品収納テープにおいて、立ち上げ処理に伴うカバーテープの引っ張り応力に起因したキャリアテープの座屈変形が生じることを、防止することができる。
上記の部品供給装置において、前記テープ走行路形成部が形成する前記走行路は、前記第1経路部分の前記テープ送り方向下流側に連なり、前記部品取り出し位置に至る第3経路部分を、更に含む。前記テープ送出部は、前記第3経路部分の前記テープ送り方向上流端に配置され、前記第1送出部により送出されて前記第1経路部分を走行する前記部品収納テープを受け入れて前記部品取り出し位置に向けて送出することにより、当該部品収納テープを前記第3経路部分に走行させる第2送出部を、更に含む。前記部品露出部は、前記走行路上における前記第3経路部分に配置され、前記カバーテープ立ち上げ部による前記立ち上げ処理後の前記カバーテープを、前記部品収納テープの幅方向に押し広げる後処理を行うカバーテープ後処理部を、更に含む。
この態様では、カバーテープ立ち上げ部によるカバーテープの立ち上げ処理後の部品収納テープは、走行路における第1経路部分の下流側の第3経路部分に、テープ送出部の第2送出部により送出される。この第3経路部分には、カバーテープ後処理部が配置されている。カバーテープ後処理部は、カバーテープ立ち上げ部による立ち上げ処理後のカバーテープを、部品収納テープの幅方向に押し広げる後処理を行う。これにより、部品収納テープの部品収納部内における部品の露出度が大きくなるので、部品取り出し位置での部品の取り出し性を向上することができる。
以上説明した通り、本発明によれば、部品収納テープに収納された部品を部品取り出し位置に供給する部品供給装置において、部品を効率良く供給することが可能な部品供給装置を提供することができる。