JPWO2018016513A1 - 末端にアミノ基を有するポリマーの製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、比較的短い反応時間でも、高い変換率で末端にアミノ基を有するポリマーを得ることが可能な、末端にアミノ基を有するポリマーの製造方法を提供することを目的とする。本発明の末端にアミノ基を有するポリマーの製造方法は、リビングカチオン重合により得られた、ポリマー鎖の末端にアジド基を有するポリマーと、三置換ホスフィンとを反応させ、末端にイミノホスホラン基を有するポリマーを得る工程(C)を有する。本発明の製造方法は、前記ポリマー鎖の末端にアジド基を有するポリマーが、モノマーをリビングカチオン重合する工程(A)および、アジド化試薬を用いて前記リビングカチオン重合を停止し、ポリマー鎖の末端にアジド基を有するポリマーを得る工程(B)により得られることが好ましい。

Description

本発明は末端にアミノ基を有するポリマーの製造方法に関する。
ポリマー鎖の末端にアミノ基を有するポリマーは、アミノ基が反応性の高い官能基であるため、様々な物質と反応させることが可能である。例えばアミノ基は、カルボキシ基との反応により、アミドを形成するため、カルボキシ基を有する物質と反応させることにより、ポリマーの末端に該物質に由来する性質を付与することができる。
ところで、2‐オキサゾリン類をリビングカチオン開環重合することにより得られるポリ(2‐オキサゾリン類)は、生物学的応用が期待されるポリマーであり、近年盛んに研究がされている。
2‐オキサゾリン類としては、2位に様々な置換基を有するものが知られており、その置換基によって、様々な物性を有するポリ(2‐オキサゾリン類)を得ることが可能である。
例えば、2位がメチル基である2‐メチル‐2‐オキサゾリンを重合することにより得られたポリ(2‐メチル‐2‐オキサゾリン)および2位がエチル基である2‐エチル‐2‐オキサゾリンを重合することにより得られたポリ(2‐エチル‐2‐オキサゾリン)は、親水性であり、かつ生体適合性のあるポリマーとしてアメリカ食品医薬品局(U.S. Food and Drug Administration)に承認されている。
また、2位がn‐プロピル基である2‐n‐プロピル‐2‐オキサゾリンを重合することにより得られたポリ(2‐n‐プロピル‐2‐オキサゾリン)、および2位がiso‐プロピル基である2‐iso‐プロピル‐2‐オキサゾリンを重合することにより得られたポリ(2‐iso‐プロピル‐2‐オキサゾリン)は、生理的温度近くで下限臨界溶液温度(LCTST)を示す熱応答性重合体として知られている。
また、重合条件を最適化することにより、ポリ(2−オキサゾリン類)の分子量分布(Mw/Mn)を狭くすることが提案されている(例えば、非特許文献1参照)。非特許文献1では、MALDI−TOF MS(マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析計)測定で求めたMw/Mnが1.01であるポリ(2−オキサゾリン類)が開示されている。
ポリ(2−オキサゾリン類)は、表面コート、タンパク質コート、ヒドロゲル、薬物担体等の様々な用途での利用が検討されている。ポリ(2−オキサゾリン類)を様々な用途で利用するために、ポリ(2−オキサゾリン類)のポリマー鎖の末端に定量的に官能基を導入することが求められている。特に末端に一級アミノ基を有するポリ(2−オキサゾリン類)は、該アミノ基を介してポリマー鎖の末端に蛍光プローブ、ペプチド、抗体等を導入することができるため有用である。また、末端に一級アミノ基を有するポリ(2−オキサゾリン類)は、該アミノ基から、α‐アミノ酸N‐カルボン酸無水物(NCA)の重合を開始することにより、ポリ(2−オキサゾリン類)−b−ポリ(アミノ酸)ブロック共重合体を得ることができる。
このような様々な用途に用いることが可能な、末端に一級アミノ基を有するポリ(2−オキサゾリン類)を得る方法がすでに報告されている(例えば、非特許文献2〜4参照)。
非特許文献2では、3工程で末端に一級アミノ基を有するポリ(2−オキサゾリン類)を得る方法が開示されている。非特許文献2では、アミン変換率が89%である態様が開示されている。非特許文献2は具体的には、第一工程として、2‐イソプロピル‐2‐オキサゾリンを重合し、NaOH/メタノール溶液を用いて重合を終了させ、末端にヒドロキシ基を有するポリ(2‐イソプロピル‐2‐オキサゾリン)を得て、第二工程として前記ポリマーを、フタルイミド、トリフェニルホスフィン(TPP)およびアゾジカルボン酸ジエチル存在中で24時間反応させることにより、末端にフタルイミド基を有するポリ(2‐イソプロピル‐2‐オキサゾリン)を得て、第三工程として、フタルイミド基をヒドラジン一水和物で24時間処理することにより、アミノ基へ変換することが開示されている。
非特許文献3では、非特許文献2よりも一工程少ない方法が開示されている。非特許文献3では、2‐イソプロピル‐2‐オキサゾリンを重合し、4−(N−Boc−アミノ)−ピペリジンを用いて、三日間かけて重合反応を終了させ、Boc基(t−ブトキシカルボニル基)の脱保護を、トリフルオロ酢酸を用いて行うことにより、最終的にポリ(2‐イソプロピル‐2‐オキサゾリン)-ピペリジン-4-NH2で表される重合体を得ている。
非特許文献4では、2‐エチル‐2‐オキサゾリンを重合し、フタルイミドカリウムを用いて、一晩かけて重合反応を終了させ、さらに一晩かけてヒドラジン処理を行うことにより、アミノ基へ変換することが開示されている。
J.-S. Park, K. Kataoka著、 "Comprehensive and accurate control of thermosensitivity of poly(2-alkyl-2-oxazoline)s via well-defined gradient or random copolymerization." Macromolecules 40 (2007) 3599-3609. J.-S. Park, Y. Akiyama, F. M. Winnik, K. Kataoka著 "Versatile synthesis of end-functionalized thermosensitive poly(2-isopropyl-2-oxazolines)" Macromolecules 37 (2004) 6786-6792. M. Meyer, H. Schlaad著、 "Poly(2-isopropyl-2-oxazoline)-poly(L-glutamate) block copolymers through ammonium-mediated NCA polymerization." Macromolecules 39 (2006) 3967-3970. L. Tauhardt, M. Frant, D. Pretzel, M. Hartlieb, C. Buecher, G. Hildebrand, B. Schroeter, C. Weber, K. Kempe, M. Gottschaldt, K. Liefeithc, U. S. Schubert著 "Amine end-functionalized poly(2-ethyl-2-oxazoline) as promising coating material for antifouling applications." J. Mater. Chem. B 2 (2014) 4883-4893
非特許文献2〜4に開示されていた製造方法では、ポリマー鎖の末端にアミノ基が導入されたポリ(2‐オキサゾリン類)を得ることができるが、リビングカチオン重合の停止およびポリマー鎖の末端にアミノ基を導入するために、数日間にわたる反応を必要としていた。
本発明は、比較的短い反応時間でも、高い変換率で末端にアミノ基を有するポリマーを得ることが可能な、末端にアミノ基を有するポリマーの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を達成するため鋭意研究を重ねた結果、リビングカチオン重合により得られた、ポリマー鎖の末端にアジド基を有するポリマーと、三置換ホスフィンとを反応させる工程を有する、末端にアミノ基を有するポリマーの製造方法は、前記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[6]に関する。
[1] リビングカチオン重合により得られた、ポリマー鎖の末端にアジド基を有するポリマーと、三置換ホスフィンとを反応させ、末端にイミノホスホラン基を有するポリマーを得る工程(C)を有する、末端にアミノ基を有するポリマーの製造方法。
[2] 前記ポリマー鎖の末端にアジド基を有するポリマーが、モノマーをリビングカチオン重合する工程(A)および、アジド化試薬を用いて前記リビングカチオン重合を停止し、ポリマー鎖の末端にアジド基を有するポリマーを得る工程(B)により得られる、[1]に記載の末端にアミノ基を有するポリマーの製造方法。
[3] 前記末端にイミノホスホラン基を有するポリマーのイミノホスホラン基を加水分解し、末端にアミノ基を有するポリマーを得る工程(D)を有する、[1]または[2]に記載の末端にアミノ基を有するポリマーの製造方法。
[4] 前記工程(A)、(B)、および(C)をワンポット合成により行う、[2]に記載の末端にアミノ基を有するポリマーの製造方法。
[5] 前記工程(A)、(B)、(C)、および(D)を連続的に行う、[3]に記載の末端にアミノ基を有するポリマーの製造方法。
[6] 前記ポリマー鎖の末端にアジド基を有するポリマーが、ポリマー鎖の末端にアジド基を有するポリ(2‐オキサゾリン類)である、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の末端にアミノ基を有するポリマーの製造方法。
本発明の末端にアミノ基を有するポリマーの製造方法は、比較的短い反応時間でも、リビングカチオン重合により得られたポリマー鎖の末端にアミノ基を導入することが可能であり、また、高い変換率で末端にアミノ基を有するポリマーを得ることが可能である。
実施例1の工程(A−1)、(B−1)で得られた白色粉末のSEC溶出曲線(a)、MALDI−TOF MSのスペクトル(b)、IRスペクトル(c)を示す。なお、(b)MSスペクトルにおいて、左側がスペクトル全体、右側が4300−4600m/zを拡大した部分である。 実施例1の工程(A−1)、(B−1)で得られた白色粉末のion−exchange HPLC溶出曲線(破線)および、工程(C−1)、(D−1)で得られた白色粉末のion−exchange HPLC溶出曲線(実線)を示す。 実施例1における、TPPとの反応時間に対する、アジド基のアミノ基への変換率(a)、およびリビングカチオン重合の停止反応の反応時間に対する、アジド基のアミノ基への変換率(b)を示す。 実施例1における、PEtOx−b−PLys(TFA)のSEC溶出曲線(a)および、合成したブロック共重合体の1H−NMRスペクトル(b)を示す。なお、(a)SEC溶出曲線において、実線がLys(TFA)−NCA重合後のブロック共重合体のSEC溶出曲線であり、破線が、Lys(TFA)−NCA重合前のアミノ末端PEtOxのSEC溶出曲線である。 実施例2の工程(A−2)、(B−2)で得られたPnPrOx‐N3のMALDI−TOF MSのスペクトル(a)、工程(C−2)、(D−2)で得られたPnPrOx‐NH2のion−exchange HPLC溶出曲線(b)を示す。なお、(a)MSスペクトルにおいて、左側がスペクトル全体、右側が4100−4400m/zを拡大した部分である。 実施例3で得られた白色粉末のion−exchange HPLC溶出曲線を示す。
次に本発明について具体的に説明する。
本発明の末端にアミノ基を有するポリマーの製造方法は、リビングカチオン重合により得られた、ポリマー鎖の末端にアジド基を有するポリマーと、三置換ホスフィンとを反応させ、末端にイミノホスホラン基を有するポリマーを得る工程(C)を有する。
本発明の製造方法は、前記ポリマー鎖の末端にアジド基を有するポリマーが、モノマーをリビングカチオン重合する工程(A)および、アジド化試薬を用いて前記リビングカチオン重合を停止し、ポリマー鎖の末端にアジド基を有するポリマーを得る工程(B)により得られることが好ましい。また、本発明の製造方法は、前記末端にイミノホスホラン基を有するポリマーのイミノホスホラン基を加水分解し、末端にアミノ基を有するポリマーを得る工程(D)を有することが好ましい。
なお、本発明においてアミノ基とは、通常一級のアミノ基、すなわち‐NH2を意味する。
以下、本発明の製造方法の各工程を説明する。
[工程(A)]
本発明の製造方法は、工程(A)を有することが好ましく、工程(A)はモノマーをリビングカチオン重合する工程である。
なお本発明において、リビングカチオン重合には、ビニル基等の鎖状の基が重合する場合だけでなく、環状のモノマーが開環重合する場合を含むものとする。すなわち、本発明においてリビングカチオン重合には、リビングカチオン開環重合を含む。
モノマーとしては、リビングカチオン重合が可能なモノマーであればよく、特に制限は無いが、例えば、2‐オキサゾリン類、オキサジン類、スチレン類、ビニルエーテル類、イソブテン、N‐ビニルカルバゾール等が挙げられる。モノマーとしては、1種単独で用いても、2種以上を用いてもよい。
モノマーとしては2‐オキサゾリン類、ビニルエーテル類から選択される少なくとも1種のモノマーであることが好ましく、2‐オキサゾリン類であることが好ましい。
なお、モノマーが2‐オキサゾリン類である場合には、工程(A)は2‐オキサゾリン類をリビングカチオン重合する工程である。
2‐オキサゾリン類とは、2‐オキサゾリンおよび2‐オキサゾリンの有する水素原子が置換基で置換された、置換‐2‐オキサゾリンが挙げられる。2‐オキサゾリン類としては、2位が置換されていることが好ましい。すなわち、2−オキサゾリン類としては、2‐置換‐2‐オキサゾリンが好ましい。
オキサジン類としては、オキサジンの各異性体、オキサジンの有する水素原子が置換基で置換された、置換オキサジンが挙げられる。オキサジンとしては4H‐1,2‐オキサジン、2H‐1,2‐オキサジン、6H‐1,2‐オキサジン、4H‐1,3‐オキサジン、2H‐1,3‐オキサジン、6H‐1,3‐オキサジン、4H‐1,4‐オキサジン、2H‐1,4‐オキサジン等が挙げられる。
スチレン類としては、スチレンおよびスチレンの有する水素原子が置換基で置換された、置換スチレンが挙げられる。置換スチレンとしては、ビニル基のα位の水素原子が置換基で置換された置換スチレン、フェニル基のオルト位、メタ位、パラ位の少なくとも一か所が置換された置換スチレンが挙げられる。
ビニルエーテル類としては、CH2=CH‐O‐Rで表される化合物が挙げられる。但し、前記Rは置換基であり、Rの左に位置する酸素原子とは炭素原子で結合する。ビニルエーテル類は、その分子内に極性の高いエーテル構造を有するため、親水性に優れる傾向があり、生体への適用が期待されるため好ましい。
前記モノマーが有していてもよい置換基としては、アルキル基、フルオロ化アルキル基、アリール基、チオール保護体(チオールを保護基へ変換した基)、アミン保護体(アミノ基を保護基へ変換した基)、アルケニル基、アルキニル基、等が挙げられる。
また、置換基としては、アルキル基が有する水素原子の少なくとも一つが、アリール基、チオール保護体(チオールを保護基へ変換した基)、アミン保護体(アミノ基を保護基へ変換した基)、アルケニル基、およびアルキニル基から選択される少なくとも1種の基で置換された、置換アルキル基も挙げられる。
アルキル基としては、炭素数が1〜9のアルキル基が好ましく、鎖状アルキル基であっても、環状アルキル基であってもよい。鎖状のアルキル基としては、具体的にはメチル、エチル、n‐プロピル、iso‐プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル等が挙げられ、メチル、エチル、n‐プロピル、iso‐プロピルがより好ましい。環状のアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基が挙げられる。
フルオロ化アルキル基としては、前記アルキル基が有する水素原子の少なくとも一つがフッ素原子で置換された基が挙げられる。
アリール基としては、炭素数が6〜12のアリール基が好ましく、具体的にはフェニル基、ベンジル基、o‐トリル基、m‐トリル基、p‐トリル基、ナフチル基、o−ニトロベンジル基、p−ニトロベンジル基、m−ニトロベンジル基等が挙げられ、フェニル基、ベンジル基がより好ましい。
チオール保護体としては、例えば‐S‐C‐(Ph)3で表される基が挙げられる。
アミン保護体としては、例えば、tert‐ブトキシカルボニル基(Boc基)で保護された‐NH‐Bocが挙げられる。
2‐オキサゾリン類としては、前述のように、2‐オキサゾリンおよび置換‐2‐オキサゾリンが挙げられ、2‐置換‐2‐オキサゾリンが好ましい。2‐置換‐2‐オキサゾリンが有する置換基としては、前述の置換基が挙げられる。2‐置換‐2‐オキサゾリンとしては、2‐アルキル‐2‐オキサゾリン、アルキル基の有する水素原子の少なくとも一つが、アルケニル基、アルキニル基、チオール保護体、およびアミン保護体から選択される少なくとも一種で置換された2‐置換アルキル‐2‐オキサゾリンが挙げられる。
2‐アルキル‐2‐オキサゾリンとしては、具体的には、2‐メチル‐2‐オキサゾリン、2‐エチル‐2‐オキサゾリン、2‐n‐プロピル‐2‐オキサゾリン、2‐シクロプロピル‐2‐オキサゾリン、2‐iso‐プロピル‐2‐オキサゾリン、2‐iso‐ブチル‐2‐オキサゾリン、2‐tert‐ブチル‐2‐オキサゾリンが挙げられる。2‐アルキル‐2‐オキサゾリンとしては、アルキル基の炭素数が1〜4であることが、効率的な反応の進行の観点から好ましい。
2‐置換アルキル‐2‐オキサゾリンとしては、具体的には、下記化合物群(β)で表される、オキサゾリン類が挙げられる。
Figure 2018016513
本発明に用いられるモノマーとしては、少なくとも一部が2‐オキサゾリン類であることが好ましく、2‐オキサゾリン類であることがより好ましい。
モノマーとしては、前述のように1種単独で用いても、2種以上を用いてもよい。また、モノマーとして2‐オキサゾリン類を用いる場合には、2‐オキサゾリン類としては、1種単独で用いても、2種以上を用いてもよい。
なお、モノマーとして2‐オキサゾリン類を用いる場合には、モノマー100モル%中、2‐オキサゾリン類は1〜100モル%であることが好ましく、80〜100モル%であることがより好ましく、90〜100モル%であることがより好ましく、100モル%であることが最も好ましい。2‐オキサゾリン類を用いた場合には本発明で得られる末端にアミノ基を有するポリマーは、末端にアミノ基を有するポリ(2‐オキサゾリン類)であり、ポリ(2‐オキサゾリン類)はその重合を厳密に制御可能であるため好ましい。
リビングカチオン重合の方法としては、従来公知の方法を始め、特に制限はない。リビングカチオン重合の方法としては例えば、溶媒中で、開始剤を用いてモノマーをリビングカチオン重合する方法が挙げられる。なお、リビングカチオン重合は、通常撹拌を行いながら重合が行われる。
モノマーを2種以上使用する場合、例えば2‐オキサゾリン類として2種以上のものを使用する場合には、該モノマーは同時に反応系に添加してもよく、順次添加してもよい。モノマーを順次添加した場合には、ブロック共重合体としてポリマーを得ることができる。
溶媒としては、非プロトン性溶媒を用いることが好ましい。非プロトン性溶媒としては、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、N−メチルピロリドン(NMP)、テトラヒドロフラン(THF)、シアノベンゼン、フェニルアセトニトリル、クロロベンゼン、ニトロメタン等が挙げられる。溶媒の使用量としては、通常モノマー100質量部に対して50〜500質量部である。
開始剤としては、リビングカチオン重合の開始剤として知られているものが挙げられる。具体的には、ハロゲン化アルキルやハロゲン化アリール、p−トルエンスルホン酸エステル、メタンスルホン酸エステル、トリフルオロメタンスルホン酸エステル等が挙げられる。開始剤の使用量としては、通常モノマー1molあたり、0.001〜0.1mol用いられる。
重合温度としては、通常は20〜130℃である。リビングカチオン重合で得られるポリマーの分子量分布を狭くする観点からは、重合温度としては35〜45℃であることが好ましい。また、リビングカチオン重合で得られるポリマーの分子量分布が広くても構わない場合には、工程(A)の反応時間を短くするためには、80〜130℃であることが好ましい。
また、重合時間としては通常は1〜480時間であり、1〜240時間であることがより好ましい。重合温度が35〜45℃である場合には、重合時間は24〜120時間であることが好ましい。また、重合温度が80〜130℃である場合には、重合時間は1〜24時間であることが好ましい。
重合は、減圧、加圧、常圧のいずれの条件で行ってもよいが、製造コストの観点から、常圧で行うことが好ましい。
また、反応は大気下で行うことが可能だが、副反応の発生を抑制する観点から、窒素下、希ガス下等の不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。
[工程(B)]
本発明の製造方法は、工程(B)を有することが好ましく、工程(B)は、アジド化試薬を用いて前記リビングカチオン重合を停止し、ポリマー鎖の末端にアジド基を有するポリマーを得る工程である。すなわち、工程(B)は、工程(A)におけるリビングカチオン重合を停止させる工程である。工程(B)は、アジド化試薬を用いて、リビングカチオン重合を停止させることを特徴とする。
前記アジド化試薬とは、アジ化物イオン(N3 -)を反応系中に放出することが可能な化合物であればよく、特に限定は無いが、無機アジ化物、有機アジ化物が挙げられ、無機アジ化物が好ましい。無機アジ化物としては、アジ化ナトリウム、アジ化カリウム、アジ化水素、アジ化鉛等が挙げられる。有機アジ化物としては、ジフェニルリン酸アジド等が挙げられる。アジド化試薬としては、安全性とコスト両面の観点からアジ化ナトリウム、アジ化カリウムが好ましく、アジ化ナトリウムがより好ましい。
工程(B)は、工程(A)を行った反応系中に、アジド化試薬を添加することにより行うことができる。なお、アジド化試薬を添加する際および添加した後は、反応溶液を撹拌することが、効率的にリビングカチオン重合を停止するためには好ましい。
工程(B)で用いるアジド化試薬の量は、リビングカチオン重合を停止させるのに必要な量であればよく、通常はリビングカチオン重合に用いた開始剤1molに対して、通常は1〜100mol、好ましくは2〜50mol、より好ましくは5〜20molの量で用いられる。
工程(B)は、通常、アジド化試薬を添加した後、0.3〜48時間、好ましくは0.5〜24時間、より好ましくは1〜3時間行われる。後述の実施例で示したように、本発明の製造方法は、工程(B)に要する時間が1時間という、極めて短い場合であっても、充分にリビングカチオン重合を停止させることが可能であるため好ましい。
工程(B)では、アジド化試薬を添加する際、または添加した後に、加熱を行い、反応系中の温度、すなわち、反応溶液の温度を工程(A)よりも上げてもよい。具体的には、工程(B)ではアジド化試薬を添加する際、または添加した後、25〜80℃とすることが好ましく、60〜80℃とすることがより好ましい。前記範囲内では、アジド化試薬の溶解性が向上し、速やかにリビングカチオン重合を停止させることができるため好ましい。
工程(B)は、減圧、加圧、常圧のいずれの条件で行ってもよいが、製造コストの観点から、常圧で行うことが好ましい。
また、工程(B)は大気下で行うことが可能だが、副反応の発生を抑制する観点から、窒素下、希ガス下等の不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。
工程(B)によって、リビングカチオン重合が停止され、ポリマー鎖の末端にアジド基を有するポリマーを得ることができる。
なお、工程(A)で用いるモノマーが2‐オキサゾリン類である場合には、工程(B)はアジド化試薬を用いて前記リビングカチオン重合を停止し、ポリマー鎖の末端にアジド基を有するポリ(2‐オキサゾリン類)を得る工程である。
[工程(C)]
本発明の製造方法は、工程(C)を有する。工程(C)は、リビングカチオン重合により得られた、ポリマー鎖の末端にアジド基を有するポリマーと、三置換ホスフィンとを反応させ、末端にイミノホスホラン基を有するポリマーを得る工程である。
なお、ポリマー鎖の末端にアジド基を有するポリマーは、好ましくは上述の工程(A)および(B)により得られるポリマーである。また、ポリマー鎖の末端にアジド基を有するポリマーが、ポリマー鎖の末端にアジド基を有するポリ(2‐オキサゾリン類)であることが、精密な末端官能基化の観点から好ましい。
三置換ホスフィンとは、リン原子に、三つの置換基が結合した構造を有する化合物である。置換基としては、アリール基、アルキル基、ビニル基、アルキニル基から選択される少なくとも一種の置換基が挙げられる。なお、リン原子に結合する三つの置換基は、同一の置換基であってもよく、それぞれ別の置換基であってもよい。
アリール基としては、炭素数6〜12のアリール基が好ましく、具体的には、フェニル基、ベンジル基、o‐トリル基、m‐トリル基、p‐トリル基、ナフタル基等が挙げられ、フェニル基、ベンジル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
アルキル基としては、炭素数が1〜9のアルキル基が好ましく、具体的にはメチル、エチル、n‐プロピル、iso‐プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル等が挙げられ、メチル基、エチル、n‐プロピル、iso‐プロピルが好ましく、メチル基がより好ましい。
三置換ホスフィンとしては、取扱いが容易で且つ、安価に入手可能な、トリフェニルホスフィン、またはトリメチルホスフィンが好ましい。
工程(C)では、ポリマー鎖の末端にアジド基を有するポリマーと、三置換ホスフィンとを反応させることにより、アジド基がイミノホスホラン基に変換され、末端にイミノホスホラン基を有するポリマーが得られる。イミノホスホラン基とは、3置換ホスフィンをPR3(Rは置換基である)で表した場合には、−N=PR3で表される基である。
工程(C)は、通常はリビングカチオン重合により得られた、ポリマー鎖の末端にアジド基を有するポリマーを含む溶液に、三置換ホスフィンを添加し、撹拌することにより行われる。
工程(C)で用いる三置換ホスフィンの量は、アジド基をイミノホスホラン基に変換するのに必要な量であればよく、通常はポリマー鎖の末端に存在するアジド基1molに対して、通常は1〜100mol、好ましくは2〜50mol、より好ましくは5〜40molの量で用いられる。
ポリマー鎖の末端にアジド基を有するポリマーを含む溶液とは、前記工程(A)および(B)で得られた反応溶液であってもよく、該反応溶液からポリマー鎖の末端にアジド基を有するポリマーを回収した後、再度ポリマー鎖の末端にアジド基を有するポリマーを溶媒に溶解したものであってもよい。
なお、再度ポリマー鎖の末端にアジド基を有するポリマーを溶媒に溶解する際に用いる溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコールを用いてもよく、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、N−メチルピロリドン(NMP)、シアノベンゼン、フェニルアセトニトリル、テトラヒドロフラン(THF)、クロロベンゼン、ニトロメタン等の非プロトン性溶媒を用いてもよい。溶媒の使用量としては、通常ポリマー鎖の末端にアジド基を有するポリマー100質量部に対して100〜5000質量部である。
工程(C)は、通常、三置換ホスフィンを添加した後、1〜48時間、好ましくは2〜24時間、より好ましくは3〜6時間行われる。後述の実施例で示したように、本発明の製造方法は、工程(C)に要する時間が3時間という、極めて短い場合であっても、充分にアジド基をイミノホスホラン基に変換することが可能であるため好ましい。
工程(C)では、三置換ホスフィンを添加する際、または添加した後、25〜80℃とすることが好ましく、35〜45℃とすることがより好ましい。前記範囲内では、アジド基をイミノホスホラン基に変換することが速やかにできるため好ましい。
工程(C)は、減圧、加圧、常圧のいずれの条件で行ってもよいが、製造コストの観点から、常圧で行うことが好ましい。
また、工程(C)は大気下で行うことが可能だが、副反応の発生を抑制する観点から、窒素下、希ガス下等の不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。
工程(C)によって、アジド基がイミノホスホラン基に変換され、末端にイミノホスホラン基を有するポリマーを得ることができる。
なお、工程(C)で用いるポリマー鎖の末端にアジド基を有するポリマーが、ポリマー鎖の末端にアジド基を有するポリ(2‐オキサゾリン類)である場合には、工程(C)は、リビングカチオン重合により得られた、ポリマー鎖の末端にアジド基を有するポリ(2‐オキサゾリン類)と、三置換ホスフィンとを反応させ、末端にイミノホスホラン基を有するポリ(2‐オキサゾリン類)を得る工程である。
[工程(D)]
本発明の製造方法は、工程(D)を有することが好ましく、工程(D)は、末端にイミノホスホラン基を有するポリマーのイミノホスホラン基を加水分解し、末端にアミノ基を有するポリマーを得る工程である。すなわち、工程(D)は、ポリマーの末端に存在するイミノホスホラン基を、アミノ基へ変換する工程である。
加水分解する際に用いる水としては特に限定はないが、通常は精製された水、例えば脱イオン水、蒸留水等を用いることができる。
工程(D)は、工程(C)を行った反応系中に、水を添加することにより行うことができる。また、別の方法としては、工程(C)を行った後に、工程(C)で得られた反応液を、水に注ぐことにより行ってもよい。なお、工程(D)を行う際には、撹拌が行われていることが好ましい。
水の使用量としては、イミノホスホラン基を加水分解するのに必要な量であればよく、通常は、ポリマー鎖の末端に存在するイミノホスホラン基1molに対して、通常は1〜1000000mol、好ましくは100〜100000molの量で用いる。また未反応物の析出も同時に行うのであれば、10000〜100000molの量で用いることが好ましい。
工程(D)は、水により速やかに進行するため、反応時間としては特に限定は無いが、1分間以上行われれば充分である。
工程(D)は温度が、10〜80℃で行うことが好ましく、25〜30℃で行うことがより好ましい。前記範囲内では、速やかにイミノホスホラン基を加水分解しアミノ基へと変換することができるため好ましい。
工程(D)は、減圧、加圧、常圧のいずれの条件で行ってもよいが、製造コストの観点から、常圧で行うことが好ましい。
また、工程(D)は大気下で行うことが可能だが、副反応の発生を抑制する観点から、窒素下、希ガス下等の不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。なお、コストの観点からは大気下で行うことも好ましい。
なお、工程(D)で用いる末端にイミノホスホラン基を有するポリマーが、末端にイミノホスホラン基を有するポリ(2‐オキサゾリン類)である場合には、工程(D)は、末端にイミノホスホラン基を有するポリ(2‐オキサゾリン類)のイミノホスホラン基を加水分解し、末端にアミノ基を有するポリ(2‐オキサゾリン類)を得る工程である。
[その他の工程]
本発明の末端にアミノ基を有するポリマーの製造方法は、上述の工程(A)〜(D)以外の工程を有していてよい。
その他の工程としては、例えば工程(B)と工程(C)との間で行われる、精製工程(X)が挙げられる。
精製工程(X)としては、例えば、工程(B)が終了し、リビングカチオン重合が停止された反応溶液を、濾過し、未反応のアジ化ナトリウム等のアジド化試薬を除去する工程(ろ過工程)、反応溶液を水に対して透析する工程(透析工程)が挙げられる。なお、ろ過工程と透析工程とを組み合わせて行ってもよく、ろ過工程、透析工程はそれぞれ複数回行ってもよい。
また、工程(B)と工程(C)との間で、好ましくは精製工程(X)を行った後に、反応溶液を乾燥し、末端にアジド基を有するポリマーを回収した後、工程(C)を行ってもよい。
また、前記工程(D)は、末端にイミノホスホラン基を有するポリマーのイミノホスホラン基を加水分解し、末端にアミノ基を有するポリマーを得る工程であるが、工程(D)を行わずに、加水分解以外の処理により、イミノホスホラン基をアミノ基に変換してもよい。
また、その他の工程としては、工程(D)の後に行われる、精製工程(Y)を行ってもよい。
精製工程(Y)としては、例えば、工程(D)が終了した後に、得られた末端にアミノ基を有するポリマーを含む反応溶液を濾過し、未反応の三置換ホスフィンを除去する工程(ろ過工程)が挙げられる。なお、ろ過工程は複数回行ってもよい。
また、工程(D)の後、好ましくは、精製工程(Y)を行った後に、反応溶液を乾燥し、末端にアミノ基を有するポリマーを回収する工程を行ってもよい。
なお、本発明の製造方法は、工程(A)、(B)および(C)をワンポット合成により行ってもよい。ワンポット合成とは、途中で反応器を換えることなく、順次原料を反応器に投入する方法である。本発明の製造方法は、工程(B)と工程(C)との間で、反応溶液を取出し、精製工程(X)を行った方が、最終的なアミン変換率の面では優れるが、末端にアミノ基を有するポリマーの製造を特に速やかに行いたい場合等には、精製工程(X)を行わずに、工程(A)、(B)および(C)をワンポット合成により行ってよい。なお、工程(A)、(B)および(C)に加えて、さらに工程(D)についてもワンポット合成により行ってもよい。すなわち、本発明の製造方法は、工程(A)、(B)、(C)および(D)をワンポット合成により行ってもよい。
また、本発明の製造方法は、工程(A)、(B)、(C)、および(D)を連続的に行ってもよい。連続的に行うとは、各工程間で、精製等を行わないことを意味し、工程(A)、(B)、(C)、および(D)を連続的に行うことにより、末端にアミノ基を有するポリマーの製造を特に速やかに行うことができる。
[末端にアミノ基を有するポリマー]
本発明の製造方法により、末端にアミノ基を有するポリマーを製造することができる。末端にアミノ基を有するポリマーは、アミノ基が反応性の高い官能基であるため、様々な物質と反応させることができる。また、末端にアミノ基を有するポリマーを、マクロ開始剤として使用し、末端のアミノ基から他のモノマーの重合を開始し、ブロック共重合体を得ることも可能である。
特に末端にアミノ基を有するポリ(2‐オキサゾリン類)を製造した場合には、ポリ(2‐オキサゾリン類)の使用が期待されている各種用途へ使用することが可能である。
次に本発明について実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
[原料]
実施例において、以下の原料を使用した。
2−エチル−2−オキサゾリン(EtOx)(東京化成工業株式会社)、
2−n−プロピル−2−オキサゾリン(nPrOx)(東京化成工業株式会社)、
アセトニトリル(和光純薬工業株式会社)、および
ジメチルスルホキシド(DMSO)(和光純薬工業株式会社)は、水素化カルシウムを用いて乾燥させたものを蒸留した後に使用した。
p−トルエンスルホン酸メチル(東京化成工業株式会社)は、五酸化リンを用いて乾燥させたものを蒸留した後に使用した。
アジ化ナトリウム(和光純薬工業株式会社)、トリフェニルホスフィン(TPP)(東京化成工業株式会社)および他の試薬は、購入したものをそのまま使用した。
Nε−トリフルオロアセチル−L−リシン−N−カルボン酸無水物 (Lys(TFA)−NCA)は、J. R. Hernandez, H. A. Klok. 著 "Synthesis and ring-opening (co)polymerization of L-lysine N-carboxyanhydrides containing labile side-chain protective groups." J. Polym. Sci. Part A Polym. Chem. 41 (2003) 1167-1187頁に基づき、Fuchs−Farthing法により調製した。
2mMリン酸緩衝液は、リン酸水素2ナトリウム12水和物(和光純薬工業株式会社)を脱イオン水に溶かした溶液とリン酸2水素ナトリウム2水和物(和光純薬工業株式会社)を脱イオン水に溶かした溶液とを、pH6.5になるように混ぜ合わせて調整した。
なお、以下の記載において、ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)をPEtOxとも記し、ポリ(2−n−プロピル−2−オキサゾリン)をPPrOxとも記す。
[実施例1]
アミン末端ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン) (PEtOx−NH2)の製造
アミン末端ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)を、以下のスキーム1に従い製造した。
Figure 2018016513
<工程(A−1)、(B−1):アジド末端ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)の合成>
前記スキーム1の(a)に従い、以下の方法でアジド末端ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)を合成した。
開始剤としてのp−トルエンスルホン酸メチル(62mg、0.66mmol)を9mLのアセトニトリルに溶かした。続いてEtOx(3.4g、34mmol)を加え、混合溶液を得た。
得られた混合溶液を42℃で96時間攪拌し、リビングカチオン開環重合を行った。重合の間、反応溶液のごく一部をサンプリングし、MALDI−TOF−MS (Bruker ultrafleXtreme、 Bruker Daltonics製、 Bremen、Germany)を用いて重合の進み具合を評価した。
分子量が4,500Daに達したことを確認した後、NaN3(430mg、6.6mmol)を加え、70℃で24時間攪拌し、重合を停止させた。
前記重合および停止の操作は、アルゴン雰囲気下で行った。
重合を停止させた後、混合溶液をろ過し未反応のNaN3を除去し、続いて混合溶液に、水を用いて5回透析を行った。
その後、溶液を凍結乾燥し、白色粉末を回収した。
得られた白色粉末をサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)(カラムとしてG4000HHRおよびG3000HHRを備えた、GPC TOSOH HLC8220 システム、 東ソー株式会社製、Tokyo、Japan、標準ポリ(エチレングリコール)換算)、イオン化剤としてトリフルオロ酸カリウムを用いたMALDI−TOF MSおよびIR(IRA−1、日本分光株式会社製、 Tokyo、 Japan)によって同定した。
得られた白色粉末のSEC溶出曲線は、単峰性の狭いピーク(Mw/Mn=1.06、図1(a))を示し、副反応の発生が無く、2−エチル−2−オキサゾリンの重合が成功したことを示した。
MALDI−TOF MSもまた、単峰性の狭い分子量分布(Mw/Mn=1.01)(図1(b))を示し、重合の成功を示した。
また、IRスペクトルの2100cm-1のピークは、得られたポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)へ、アジド基が導入されていることを示唆した(図1(c))。
さらに、MALDI−TOF MSは、アジド基から窒素分子が脱離した形である、CH3−PEtOx−N−K+に相当する化合物の分子量を示した。このような脱離は、MALDI−TOF MS 測定の高いレーザーパワーによって起こることが知られている。
これらの同定によりアジド末端ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)が合成されたことを確認した。
<工程(C−1)、(D−1):アジド末端ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)のアミン末端ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)への変換>
前記スキーム1の(b)に従い、以下の方法でアジド末端ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)をアミン末端ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)へ変換した。
前記工程(A−1)、(B−1)で得られたアジド末端ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)(440mg、0.10mmol)を、20mLのメタノールに溶かし、続いてTPP(520mg、2.0mmol)を加えた。
40℃で一晩攪拌した後、40mLの脱イオン水を加えて、1分間撹拌してアミンへの変換反応を終了させ、未反応のTPPを沈殿させた。沈殿物はろ過で取り除いた。
溶媒を減圧下で蒸発させた後、得られた残渣を再度20mLの脱イオン水に溶解させ、再度ろ過した。ろ液を凍結乾燥し、白色粉末を回収した。
得られた生成物(白色粉末)を、カラムとしてTOSOH TSKgel SP−5PW(東ソー株式会社製、Tokyo、Japan)を備えたion−exchange HPLCで、2mMのリン酸緩衝液(PB)(pH6.5)を用いて溶出することにより分析した。
得られた生成物のアミン変換率は、アミン末端ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)に由来する溶出体積6mL周辺に現れるピークと、末端にアミノ基を有さないポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)に由来する溶出体積2.7mL周辺に現れるピークとの間のピーク面積の割合から決定した(図2)。
ピーク面積の割合より、アミン末端ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)の割合は96%であった。なお、残りの4%は、未反応のアジド末端ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)や、工程(A−1)、(B−1)において、末端がアジド基となっていないポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)であると推測した。
<アジド末端ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)のアミン末端ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)への変換に必要な反応時間の評価>
アジド末端ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)からアミン末端ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)へ変換するのに必要な反応時間は、以下のようにして推定した。
前記工程(A−1)、(B−1)で得られたアジド末端ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)(440mg、0.10mmol)を、20mLのメタノールに溶かし、続いてTPP(520mg、2.0mmol)を加えた。
40℃で、1、3、6、15、および24時間撹拌した後、それぞれ2mLのサンプル溶液を回収し、続いて、サンプル溶液に回収後速やかに4mLの水を加え、サンプル混合物を得た。
次に、各サンプル混合物を濾過し、未反応のTPPを除去した。溶媒を蒸発させた後、各残渣を2mMのPB(pH6.5)に再溶解し、もう一度濾過した。
得られた溶液を、ion−exchange HPLCで、2mMのPB(pH6.5)で溶出することにより分析し、TPPとの各反応時間における、得られたポリマーのアミン変換率を評価した(図3(a))。
図3(a)に示したように、反応のアミン変換率は1時間で88%に達し、3時間で96%に達し、その後反応時間を長くしてもアミン変換率は頭打ちとなった。すなわち、アジド末端ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)の有するアジド基を、アミノ基に変換する際には、TPPとの反応時間、すなわち、工程(C)の所要時間は、3時間で充分であった。
<アジ化ナトリウムによるリビングカチオン重合の停止に必要な反応時間の概算>
前記工程(A−1)、(B−1)と、NaN3(430mg、6.6mmol)を加えるまでは、同様に行った。
70℃で撹拌し、NaN3を加えてから、1、3、6、9、12および24時間後に、それぞれ1mLの混合溶液を回収した。
回収された混合溶液をろ過し、未反応のNaN3を除去し、続いて混合溶液に、水を用いて5回透析を行った。
その後、溶液を凍結乾燥し、白色粉末を回収した。
20mgの回収された各白色粉末を、1mLのメタノールで溶解し、続いて過剰のTPP(20mg、1当量のPEtOx−N3に対して20当量)を加えてアジド基を、アミノ基に変換した。
三時間撹拌後、2mLの脱イオン水を加え、1分間撹拌し、PEtOx末端のアミン変換反応を終了させ、未反応のTPPを沈殿させた。
次いで、沈殿物を濾過により取り除いた。溶媒を蒸発させた後、各残渣を2mMのPB(pH6.5)で再溶解し、再度濾過した。得られた各溶液を、ion−exchange HPLCで、2mMのリン酸緩衝液(PB)(pH6.5)を用いて溶出することにより分析し、得られたポリマーのアミン変換率を決定した(図3(b))。
ion−exchange HPLCより、NaN3を加えてからの反応時間が1時間の場合であっても、高いアミン変換率(96%)で、アミド末端ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)を得ることができた。反応時間が1時間であっても、工程(A−1)、(B−1)におけるNaN3を加えてからの反応時間が24時間の場合と同等のアミン変換率であった。このため、NaN3を加えてからの反応時間は、1時間であっても十分であることが分かった。
<アミン末端PEtOxを開始剤としたPEtOx−b−PLys(TFA)(ブロック共重合体)の製造>
上記工程(C−1)、(D−1)によって製造されたアミン末端PEtOxをマクロ開始剤として用い、以下の方法により、ブロック共重合体を製造した。
2.0mLのDMFに溶解したLys(TFA)−NCA(180mg、0.67mmol)を、DMF(2mL)にPEtOx−NH2(44mg、0.010mmol)を溶解させた溶液に加え、アルゴン雰囲気下、25℃で72時間撹拌した。
混合物を100mLのジエチルエーテル中に沈殿させ、沈殿物を濾過し、減圧下で乾燥した。
合成されたPEtOx−b−PLys(TFA)は、SEC(カラムとしてG4000HHRおよびG3000HHRを備えたGPC TOSOH HLC8220 システム、東ソー株式会社製、Tokyo、Japan)で、10mMのLiClを含むDMFを0.8mL/minで用いて溶出すること、および1H−NMR分光法(400MHz)(JEOL ECS 400、日本電子株式会社、Tokyo、Japan)で評価した。
SEC溶出曲線により、分子量が単峰性の分布を有する高値域にシフトしていることが示された(図4(a))。
1H−NMRスペクトルにより、L−Lys(TFA)重合ユニットに相当するピークが、1.30〜1.90ppmに見られ(図4(b)におけるe)、L−Lys(TFA)重合ユニットの平均重合度は74であると判断した(図4b)。
上記SECチャートでは、低分子量域に小さいショルダーが見られる(図4aにおける矢印)が、これは、末端にアミノ基を有さないPEtOxに由来するものであると推測した。図4における分率(合計3%)は、図2において溶出体積2.7mLにみられる分率(合計4%)とほぼ同等で合ったため、前記のように推測した。
Lys(TFA)−NCAの重合によるブロック共重合体の形成が確認されたことにより、PEtOx末端に一級アミンが存在することが、より明確になった。
[実施例2]
アミン末端ポリ(2−n−プロピル−2−オキサゾリン)(PPrOx−NH2)の製造
2−エチル−2−オキサゾリンを、2−n−プロピル−2−オキサゾリンに変更した以外は、前記実施例1の工程(A−1)、(B−1)および(C−1)(D−1)と同様のスキームで、アミン末端ポリ(2−n−プロピル−2−オキサゾリン)を製造した。
<工程(A−2)、(B−2):アジド末端ポリ(2−n−プロピル−2−オキサゾリン)の合成>
開始剤としてのp−トルエンスルホン酸メチル(62mg、0.66mmol)を9mLのアセトニトリルに溶かした。続いてnPrOx(3.4g、29mmol)を加え混合溶液を得た。
得られた混合溶液を42℃で96時間攪拌し、リビングカチオン開環重合を行った。
その後、NaN3(430mg、6.6mmol)を加え、70℃で24時間攪拌し、重合を停止させた。
前記重合および停止の操作は、アルゴン雰囲気下で行った。
得られた混合溶液を、ろ過し未反応のNaN3を除去し、続いて混合溶液に、水を用いて5回透析を行った。
続いてその溶液を凍結乾燥し、PnPrOx‐N3を白色粉末として回収した。
得られたPnPrOx‐N3の重量平均分子量(Mw)はMALDI−TOF MSで測定したところ4300であった(図5(a))。
<工程(C−2)、(D−2):アジド末端ポリ(2−n−プロピル−2−オキサゾリン)のアミン末端ポリ(2−n−プロピル−2−オキサゾリン)への変換>
前記工程(A−2)、(B−2)で得られたアジド末端ポリ(2−n−プロピル−2−オキサゾリン)(420mg、0.10mmol)を20mlのメタノールに溶解した。続いてTPP(520mg、2.0mmol)を加えた。
40℃で一晩攪拌した後、40mLの脱イオン水を加えて、アミンへの変換反応を終了させ、未反応のTPPを沈殿させた。沈殿物はろ過で取り除いた。
その後、溶媒を減圧下で蒸発させた。得られた残渣を再度20mLの脱イオン水に溶解させ、再度ろ過した。ろ液を凍結乾燥し、白色粉末を回収した。
得られたPnPrOxのアミン変換率は、ion−exchange HPLCの溶出曲線より、96%であった(図5(b))。
[実施例3]
ワンポット合成によるアミン末端ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)(PEtOx−NH2)の製造
リビングカチオン開環重合の停止の直前まで、すなわち、NaN3を加える前までを、前記実施例1の工程(A−1)、(B−1)と同様に行い、リビングカチオン開環重合を行った。
次いで、NaN3(開始剤の10当量、430mg、6.6mmol)を加え、70℃で1時間撹拌し、重合を停止させた。
停止反応の後、反応混合物を30mLのアセトニトリルで希釈した。続いてTPP(開始剤の20当量、3.4g、13mmol)を加えた。
TPPが加えられた溶液を40℃で3時間攪拌した。
その後、溶液を水で2倍に希釈し、アミンへの変換工程を完了させ、未反応のTPPを沈殿させた。
沈殿物はろ過で取り除いた。沈殿物が取り除かれた混合溶液に、水を用いて5回透析を行った。次いで、生成物を再度ろ過し、凍結乾燥により白色粉末を回収した。
PEtOx末端のアミン変換率は、ion−exchange HPLCの溶出曲線より、86%と決定した(図6)。
実施例1、2より、本発明の製造方法は、工程(B)と工程(C)との間で精製した場合には、極めて高いアミン変換率(96%)を有していることが分かる。また、実施例3より、本発明の製造方法はワンポット合成であっても、実施例1、2ほどではないが、高いアミン変換率(86%)を達成することができることが分かる。
従って、本発明の製造方法は、反応工程の簡略化を目的とする場合には、ワンポット合成を適用することが可能であり、アミン変換率の高さを優先する場合には、適宜精製することにより、特に優れたアミン変換率を達成することが可能である。

Claims (6)

  1. リビングカチオン重合により得られた、ポリマー鎖の末端にアジド基を有するポリマーと、三置換ホスフィンとを反応させ、末端にイミノホスホラン基を有するポリマーを得る工程(C)を有する、末端にアミノ基を有するポリマーの製造方法。
  2. 前記ポリマー鎖の末端にアジド基を有するポリマーが、
    モノマーをリビングカチオン重合する工程(A)および、アジド化試薬を用いて前記リビングカチオン重合を停止し、ポリマー鎖の末端にアジド基を有するポリマーを得る工程(B)により得られる、請求項1に記載の末端にアミノ基を有するポリマーの製造方法。
  3. 前記末端にイミノホスホラン基を有するポリマーのイミノホスホラン基を加水分解し、末端にアミノ基を有するポリマーを得る工程(D)を有する、請求項1または2に記載の末端にアミノ基を有するポリマーの製造方法。
  4. 前記工程(A)、(B)、および(C)をワンポット合成により行う、請求項2に記載の末端にアミノ基を有するポリマーの製造方法。
  5. 前記工程(A)、(B)、(C)、および(D)を連続的に行う、請求項3に記載の末端にアミノ基を有するポリマーの製造方法。
  6. 前記ポリマー鎖の末端にアジド基を有するポリマーが、ポリマー鎖の末端にアジド基を有するポリ(2‐オキサゾリン類)である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の末端にアミノ基を有するポリマーの製造方法。
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