JPWO2018012114A1 - 無線通信装置および無線通信方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】無線LAN通信におけるトラフィックの伝送の支障を抑制することが可能な仕組みを提供する。【解決手段】トラフィック情報の要求を示す要求フレームを送信する送信部と、前記トラフィック情報が格納される応答フレームを受信する受信部と、受信される前記応答フレームに格納される前記トラフィック情報に基づいて特定される多元接続させる第1の無線通信装置宛ての送信許可に係るフレームの送信を制御する制御部と、を備える無線通信装置。トラフィック情報の要求を示す要求フレームを受信する受信部と、受信される前記要求フレームに応じて、前記トラフィック情報が格納される応答フレームを送信する送信部と、前記応答フレームの送信後に受信される送信許可に係るフレームに格納される多元接続に係る通信パラメタに基づいて前記トラフィック情報に係るフレームの送信を制御する制御部と、を備える無線通信装置。【選択図】図6

Description

本開示は、無線通信装置および無線通信方法に関する。
近年、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11に代表される無線LAN(Local Area Network)の普及が進んでいる。また、それに伴って無線LAN対応製品(以下、無線通信装置とも称する。)も増加している。これに対し、通信に利用可能な無線通信リソースには限りがある。そのため、無線通信装置間の通信の効率化が望まれる。
通信の効率化のための技術の一例として、多元接続通信技術がある。例えば、多元接続通信技術としては、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)またはMIMO(Multi Input Multi Output)を利用したSDMA(Space Division Multiple Access)などがある。MIMOを利用したSDMAはマルチユーザMIMO(以下、MU(Multi User)−MIMOとも称する。)と呼ばれる。なお、これらの多元接続通信技術では、トラフィックの送信がスケジューリングされる場合がある。
例えば、特許文献1では、ユーザ端末のグルーピングと、ユーザ端末グループについてのスケジューリングと、当該ユーザ端末グループへのOFDMリソースの割り当てと、当該ユーザ端末グループへのMU−MIMO送信コードの割り当てと、割当てられたMU−MIMO送信コードを用いてMU−MIMO送信を行う方法に係る発明が開示されている。
特表2015−502709号公報
しかし、従来のスケジューリングが行われないランダムアクセス方式である無線通信(例えば、無線LAN通信)においては、スケジューリングが行われるアクセス方式が追加的に併用される場合、伝送に支障をきたすトラフィックが生じるおそれがある。例えば、ランダムアクセス方式では、伝送対象のトラフィックは各送信元で独自に決定され、自律分散的に獲得された送信機会において決定されたトラフィックが伝送される。他方で、スケジューリングが行われるアクセス方式では、送信許可に基づいてトラフィックが伝送されるが、送信元に対する送信許可は、送信元により伝送されようとしているトラフィックの特性によらず決定される。その結果、例えば他の送信元が伝送予定のトラフィックよりも緊急性が高いトラフィックを有する送信元に送信許可が与えられず、当該緊急性が高いトラフィックの伝送が失敗しかねない。
そこで、本開示では、無線LAN通信におけるトラフィックの伝送の支障を抑制することが可能な仕組みを提案する。
本開示によれば、トラフィック情報の要求を示す要求フレームを送信する送信部と、前記トラフィック情報が格納される応答フレームを受信する受信部と、受信される前記応答フレームに格納される前記トラフィック情報に基づいて特定される多元接続させる第1の無線通信装置宛ての送信許可に係るフレームの送信を制御する制御部と、を備える無線通信装置が提供される。
また、本開示によれば、トラフィック情報の要求を示す要求フレームを受信する受信部と、受信される前記要求フレームに応じて、前記トラフィック情報が格納される応答フレームを送信する送信部と、前記応答フレームの送信後に受信される送信許可に係るフレームに格納される多元接続に係る通信パラメタに基づいて前記トラフィック情報に係るフレームの送信を制御する制御部と、を備える無線通信装置が提供される。
また、本開示によれば、プロセッサを用いて、トラフィック情報の要求を示す要求フレームを送信することと、前記トラフィック情報が格納される応答フレームを受信することと、受信される前記応答フレームに格納される前記トラフィック情報に基づいて特定される多元接続させる第1の無線通信装置宛ての送信許可に係るフレームの送信を制御することと、を含む無線通信方法が提供される。
また、本開示によれば、プロセッサを用いて、トラフィック情報の要求を示す要求フレームを受信することと、受信される前記要求フレームに応じて、前記トラフィック情報が格納される応答フレームを送信することと、前記応答フレームの送信後に受信される送信許可に係るフレームに格納される多元接続に係る通信パラメタに基づいて前記トラフィック情報に係るフレームの送信を制御することと、を含む無線通信方法が提供される。
以上説明したように本開示によれば、無線LAN通信におけるトラフィックの伝送の支障を抑制することが可能な仕組みが提供される。なお、上記の効果は必ずしも限定的なものではなく、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書に示されたいずれかの効果、または本明細書から把握され得る他の効果が奏されてもよい。
本開示の各実施形態に係る無線通信システムの構成例を示す図である。 本開示の各実施形態に係るSTAおよびAPの機能構成の例を概略的に示すブロック図である。 本開示の第1の実施形態に係るトラフィック情報要求フレームの構成要素である情報エレメントの例を示す図である。 同実施形態に係るトラフィック情報要求フレームの構成要素である情報エレメントの例を示す図である。 同実施形態に係るトラフィック情報要求フレームの構成要素である情報エレメントの例を示す図である。 同実施形態に係るトラフィック情報要求フレームの構成要素である情報エレメントの例を示す図である。 同実施形態に係るトラフィック情報応答フレームの構成要素である情報エレメントの例を示す図である。 同実施形態に係るトラフィック情報応答フレームの構成要素である情報エレメントの例を示す図である。 同実施形態に係るトラフィック情報応答フレームの構成要素である情報エレメントの例を示す図である。 同実施形態に係るトラフィック情報応答フレームの構成要素である情報エレメントの例を示す図である。 同実施形態に係る無線通信システムの処理の例を概念的に示すシーケンス図である。 同実施形態に係るAPの処理の全体の例を概念的に示すフローチャートである。 同実施形態に係るAPにおけるトラフィック情報要求フレームの送信処理の例を概念的に示すフローチャートである。 同実施形態に係るAPにおける緊急性の高いトラフィック情報の要求処理の例を概念的に示すフローチャートである。 同実施形態に係るAPにおける多元接続通信の許可対象の決定処理の例を概念的に示すフローチャートである。 同実施形態に係るSTAの処理の全体の例を概念的に示すフローチャートである。 同実施形態に係るSTAにおけるトラフィック情報応答フレームの送信処理の例を概念的に示すフローチャートである。 同実施形態に係るSTAにおける指定トラフィックに基づくフレームの送信処理の例を概念的に示すフローチャートである。 本開示の第2の実施形態に係る無線通信システムの処理の例を概念的に示すシーケンス図である。 同実施形態に係るAPの処理の全体の例を概念的に示すフローチャートである。 スマートフォンの概略的な構成の一例を示すブロック図である。 カーナビゲーション装置の概略的な構成の一例を示すブロック図である。 無線アクセスポイントの概略的な構成の一例を示すブロック図である。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する複数の要素を、同一の符号の後に異なる番号を付して区別する場合もある。例えば、実質的に同一の機能を有する複数の要素を、必要に応じてSTA100AおよびSTA100Bなどのように区別する。ただし、実質的に同一の機能を有する要素を区別する必要が無い場合、同一符号のみを付する。例えば、STA100AおよびSTA100Bを特に区別する必要がない場合には、単にSTA100と称する。
また、説明の便宜上、第1および第2の実施形態に係るSTA100を、STA100−1およびSTA100−2のように、末尾に実施形態に対応する番号を付することにより区別する。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.はじめに
2.システムおよび装置の構成
3.第1の実施形態
3.1.装置の機能
3.2.処理の流れ
3.3.第1の実施形態のまとめ
4.第2の実施形態
4.1.装置の機能
4.2.処理の流れ
4.3.第2の実施形態のまとめ
5.応用例
6.むすび
<1.はじめに>
まず、本開示の各実施形態に係る無線通信装置に関連する技術について説明する。当該技術としては、上述した多元接続通信技術がある。多元接続通信技術には、AP(Access Point)から複数のSTA(Station)へ信号を同時に送信するダウンリンク(以下、DL(Down Link)とも称する。)多元接続通信、および複数のSTAからAPへ信号を同時に送信するアップリンク多元接続通信がある。ここで、ダウンリンク多元接続通信であるダウンリンクMU−MIMO通信については、既に通信規格(IEEE802.11ac)において規定されている。他方で、アップリンク多元接続通信については、通信規格においてまだ検討中であり、規定されていない。これは、無線LAN通信は、ランダムアクセス方式の通信システムである一方、アップリンク多元接続通信は、特定の複数のSTAが同時に通信を行う、いわばコントロールアクセス方式の通信に近い性質を有しているためである。検討段階では、アップリンク多元接続通信を許可するSTAおよび通信期間などを指定するためのトリガフレームなどを用いて実現することが考えられている。
ここで、多元接続通信においては、同時に通信させるSTAのグルーピングが行われる。さらに、STAのグループは、受信特性が目標値を確保できるように選択されることが望ましい。例えば、APは、APにおける受信電力密度が所定の範囲に収まるような送信電力または送信時間を設定可能なSTAを同一グループのメンバとして選択することが考えられる。
しかし、上述のようにグルーピングが行われる多元接続通信であっても、伝送に支障をきたすトラフィックが生じるおそれがある。例えば、多元接続通信グループの形成は、伝送されるトラフィックの特性によらず、例えばSTAの送信電力または送信時間などの通信パラメタに基づいて行われる。そのため、例えば他のSTAが伝送予定のトラフィックよりも緊急性が高いトラフィックを有するSTAに送信許可が与えられないことがある。その結果、当該緊急性が高いトラフィックの伝送が失敗しかねない。
なお、既存の通信規格では、トラフィックに関する情報を通信するフレームが規定されている。例えば、トラフィックの優先度を示す情報を有するTSPEC(Traffic Specification)またはTCLAS(Traffic Classification)などといった情報エレメントが格納されるフレームの通信が規定されている。しかし、当該フレームは通信開始の際にSTAから通知されるため、当該フレームにより示されるトラフィック情報をAPによる多元接続通信グループの形成に用いることが困難である。また、当該フレームにより示されるトラフィック情報は、当該フレームにつき1つであるため、複数のトラフィック情報をSTAおよびAPで共有するためには膨大な通信オーバヘッドがかかる。
そこで、本開示では、無線LAN通信におけるトラフィックの伝送の支障を抑制することが可能な無線通信システムおよび当該無線通信システムを実現するための無線通信装置を提案する。
<2.システムおよび装置の構成>
次に、本開示の各実施形態に係る無線通信システムおよび当該無線通信システムを実現するための無線通信装置の構成について説明する。まず、図1を参照して、当該無線通信システムの構成について説明する。図1は、本開示の各実施形態に係る無線通信システムの構成例を示す図である。
図1に示したように、無線通信システムは、無線通信装置としてAP200および複数のSTA100を備える。例えば、AP200およびSTA100A〜100Eの各々は互いに通信が可能であり、通信接続を確立した後、通信する。
続いて、図2を参照して、STA100およびAP200の機能構成および基本機能について説明する。図2は、本開示の各実施形態に係るSTA100およびAP200の機能構成の例を概略的に示すブロック図である。なお、STA100およびAP200の機能構成は実質的に同一であるため、ここではSTA100についてのみ説明する。
図2に示したように、STA100は、データ処理部110、無線通信部120および制御部130を備える。なお、図示しないが、STA100には、各機能に電力を供給する電源部が設けられる。当該電源部は、固定電源またはバッテリなどで実現される。
(データ処理部)
データ処理部110は、データに対して送受信のための処理を行う。具体的には、データ処理部110は、通信上位層からのデータに基づいてフレーム(またはパケット)を生成し、生成されるフレームを後述する信号処理部121に提供する。例えば、データ処理部110は、データからフレームを生成し、生成されるフレームにメディアアクセス制御(MAC:Media Access Control)のためのMACヘッダの付加および誤り検出符号の付加などの処理を行う。また、データ処理部110は、受信されるフレームからデータを抽出し、抽出されるデータを通信上位層に提供する。例えば、データ処理部110は、受信されるフレームについて、MACヘッダの解析、符号誤りの検出および訂正、ならびにリオーダ処理などを行うことによりデータを取得する。
(無線通信部)
無線通信部120は、図2に示したように、信号処理部121、チャネル推定部122、無線インタフェース部123および増幅部124を備える。
信号処理部121は、フレームについて変調処理を行う。具体的には、信号処理部121は、データ処理部110から提供されるフレームについて、制御部130によって設定されるコーディングおよび変調方式などに従って、エンコード、インタリーブおよび変調を行うことによりシンボルストリームを生成する。また、信号処理部121は、空間処理により得られるシンボルストリームについて、復調およびデコードなどを行うことによりフレームを取得し、取得されるフレームをデータ処理部110または制御部130に提供する。
また、信号処理部121は、空間分割多重通信に係る処理を行う。具体的には、信号処理部121は、生成されるシンボルストリームについて空間分離に係る信号処理を行い、処理により得られるシンボルストリームの各々をそれぞれ無線インタフェース部123に提供する。また、信号処理部121は、無線インタフェース部123から得られる信号に係るシンボルストリームについて空間処理、例えばシンボルストリームの分離処理などを行う。
また、信号処理部121は、他の多重通信に係る処理を行ってもよい。例えば、信号処理部121は、周波数分割多重通信、直交周波数分割多重通信または符号分割多重通信に係る処理を行ってもよい。
チャネル推定部122は、チャネル利得を推定する。具体的には、チャネル推定部122は、無線インタフェース部123から得られるシンボルストリームに係る信号のうちの、プリアンブル部分またはトレーニング信号部分から複素チャネル利得情報を算出する。なお、算出される複素チャネル利得情報は、制御部130を介してまたは直接的に信号処理部121に提供され、変調処理および空間分離処理などに利用される。
無線インタフェース部123は、アンテナを介して送受信される信号の生成を行う。具体的には、無線インタフェース部123は、信号処理部121から提供されるシンボルストリームに係る信号を、アナログ信号に変換し、フィルタリングし、および周波数アップコンバートする。そして、無線インタフェース部123は、得られる信号を増幅部124に提供する。また、無線インタフェース部123は、増幅部124から得られる信号について、信号送信の場合と逆の処理、例えば周波数ダウンコンバートおよびデジタル信号変換などを行い、処理により得られる信号をチャネル推定部122および信号処理部121に提供する。
増幅部124は、信号の増幅を行う。具体的には、増幅部124は、無線インタフェース部123から提供されるアナログ信号を所定の電力まで増幅し、増幅により得られる信号を、アンテナに介して送信させる。また、増幅部124は、アンテナを介して受信される電波に係る信号を所定の電力まで増幅し、増幅により得られる信号を無線インタフェース部123に提供する。例えば、増幅部124はパワーアンプモジュールなどで実現される。なお、増幅部124の送信電波の増幅機能および受信電波の増幅機能のうちのいずれかまたは両方が無線インタフェース部123に内包されてもよい。
なお、図2では、STA100に2本のアンテナが備えられる場合の構成(無線インタフェース部123A、123Bおよび増幅部124A、124B)の例を説明したが、備えられるアンテナは3本以上であってもよく、1本であってもよい。
(制御部)
制御部130は、STA100の動作を全体的に制御する。具体的には、制御部130は、各機能間の情報の受け渡し、通信パラメタの設定、およびデータ処理部110におけるフレームのスケジューリングなどの処理を行う。特に、制御部130は、トラフィック情報の要求に対するトラフィック情報の応答、AP200から指定されるトラフィックの送信などを制御する。また、無線通信装置がAP200として動作する場合、制御部230は、トラフィック情報の要求、トラフィック情報に基づく送信を許可するSTA100およびトラフィックの指定などを制御する。
<3.第1の実施形態>
次に、本開示の第1の実施形態について説明する。第1の実施形態では、AP200−1はトラフィック情報をSTA100−1(第1の無線通信装置)へ要求し、STA100−1はAP200−1からの要求に応じてトラフィック情報を通知する。そして、AP200−1は、通知されるトラフィック情報に基づいて多元接続通信グループを形成する。
<3.1.装置の機能>
まず、本実施形態に係る無線通信装置としてのSTA100−1およびAP200−1の各機能について説明する。
(トラフィック情報の要求)
AP200−1は、トラフィック情報をSTA100−1へ要求する。具体的には、制御部230は、トラフィック情報の要求を示すフレーム(以下、トラフィック情報要求フレームとも称する。)の送信を制御する。例えば、制御部230は、多元接続通信を実行する場合に、送信を要求するトラフィックを示す情報(以下、要求トラフィック情報とも称する。)が格納されるトラフィック情報要求フレームをデータ処理部210に生成させ、生成されるトラフィック情報要求フレームが無線通信部220により送信される。トラフィック情報要求フレームは、STA100−1へ個別に送信されてもよく、ブロードキャストもしくはマルチキャストまたは多元接続通信を用いて送信されてもよい。
要求されるトラフィック情報としては、トラフィックの有無または量を示す情報がある。具体的には、トラフィック情報は、特定の優先度に応じたトラフィックに係る情報、トラフィックの量の合計に係る情報または伝送についての緊急性に関わるトラフィックに係る情報である。図3A〜図3Dを参照して、トラフィック情報要求フレームの構成要素について説明する。図3A〜図3Dは、トラフィック情報要求フレームの構成要素である情報エレメントの例をそれぞれ示す図である。
特定の優先度に応じたトラフィックに係る情報としては、アクセスカテゴリに該当するトラフィックの有無または量を示す情報がある。さらに、アクセスカテゴリとしては、第1のアクセスカテゴリおよび第2のアクセスカテゴリがある。例えば、利用が必須であるアクセスカテゴリ(以下、必須AC(Access Category)とも称する。)に属するトラフィックの有無の要求を示すビット情報が、要求トラフィック情報として図3Aに示したような情報エレメントのAC Buffer Requestといったフィールドに格納される。また、利用が任意であるアクセスカテゴリ(以下、任意ACとも称する。)に属するトラフィックの有無の要求を示すビット情報が、図3Aに示したような情報エレメントのAlternative AC Buffer Requestといったフィールドに格納される。
また、トラフィックの量の合計に係る情報としては、STA100−1が保持する全てのまたは一部のトラフィックの量の合計を示す情報がある。例えば、STA100−1が保持するトラフィックの総量の要求を示すビット情報が、要求トラフィック情報として図3Bに示したような情報エレメントのCumulative Buffer Requestといったフィールドに格納される。
また、緊急性に関わるトラフィックに係る情報としては、破棄されるまでの時間が閾値以下であるトラフィック、許容される遅延が閾値以下であるトラフィック、通信制御に関するトラフィック、またはトラフィックの生成元から指定されるトラフィックの有無または量を示す情報がある。例えば、緊急性に関わるトラフィックに係る情報の全てまたは一部の要求を示すビット情報が、要求トラフィック情報として図3Cに示したような情報エレメントのUrgent Buffer Requestといったフィールドに格納される。なお、当該フィールドに格納される情報は、上述した緊急性に関わるトラフィックに係る情報のうちのいずれの種類の情報が要求されるかを示してもよい。例えば、複数のビット情報の組合せが当該フィールドに格納され、当該複数のビット情報の組合せが示す値により緊急性に関わるトラフィックに係る情報の種類が識別されてよい。
なお、複数の種類のトラフィック情報の要求が決定される場合には、複数のトラフィック情報の要求を示す情報がトラフィック情報要求フレームに格納されてもよい。例えば、図3Dに示したように、上述した複数の情報エレメントのうちの少なくとも2つの合体により得られる情報エレメントが用いられてもよい。
(トラフィック情報の応答)
STA100−1は、AP200−1からの要求に応じてトラフィック情報を通知する。具体的には、制御部130は、受信されるトラフィック情報要求フレームに応じて、トラフィック情報が格納されるフレーム(以下、トラフィック情報応答フレームとも称する。)の送信を制御する。例えば、制御部130は、トラフィック情報要求フレームが受信されると、トラフィック情報要求フレームにより要求されるトラフィックが送信バッファなどに保持されているかを判定する。要求されるトラフィックが保持されていると判定されると、制御部130は、保持されているトラフィックの有無または量を示すトラフィック情報を生成する。そして、制御部130は、生成されるトラフィック情報が格納されるトラフィック情報応答フレームをデータ処理部110に生成させ、生成されるトラフィック情報応答フレームが無線通信部120により送信される。
ここで、トラフィック情報応答フレームは、他の目的に用いられるフレームである。具体的には、トラフィック情報は、他の目的に用いられるフレームの一部に情報エレメントとして格納される。なお、トラフィック情報応答フレームは、トラフィック情報の応答についての専用フレームであってもよい。また、トラフィック情報応答フレームは、各STA100−1について個別にAP200−1へ送信されてもよく、多元接続通信を用いて同時にAP200−1へ送信されてもよい。さらに、図4A〜図4Dを参照して、トラフィック情報応答フレームの構成要素について説明する。図4A〜図4Dは、トラフィック情報応答フレームの構成要素である情報エレメントの例をそれぞれ示す図である。
特定の優先度に応じたトラフィックに係る情報が要求される場合、制御部130は、当該特定の優先度に該当するトラフィックの有無または量を判定する。具体的には、制御部130は、第1または第2のアクセスカテゴリに該当するトラフィックの有無または量を判定する。そして、制御部130は、判定されたトラフィックの有無または量を示す情報をデータ処理部110にトラフィック情報応答フレームの特定の情報エレメントに格納させる。例えば、必須ACに属するトラフィックの有無の要求を示すビット情報が、図4Aに示したようなAC_BK、AC_BE、AC_VI、AC_VOといった情報エレメントに格納される。また、任意ACに属するトラフィックの有無の要求を示すビット情報が、図4Aに示したような情報エレメントのAC_A_VI、AC_A_VOといったフィールドに格納される。なお、ビット情報の代わりに、各アクセスカテゴリに該当するトラフィックの量を示す情報が格納されてもよい。
また、トラフィックの量の合計に係る情報が要求される場合、制御部130は、要求に係るトラフィックの総量を算出する。そして、制御部130は、算出されたトラフィックの総量を示す情報をデータ処理部110にトラフィック情報応答フレームの特定の情報エレメントに格納させる。例えば、STA100−1が保持するトラフィックの総量を示す情報が、図4Bに示したような情報エレメントのCumulative Bufferといったフィールドに格納される。
また、伝送についての緊急性に関わるトラフィックに係る情報が要求される場合、制御部130は、当該緊急性に関わるトラフィックの有無および量を判定する。具体的には、制御部130は、破棄されるまでの時間が閾値以下であるトラフィック、許容される遅延が閾値以下であるトラフィック、または通信制御に関するトラフィックの有無および量を判定する。そして、制御部130は、判定されたトラフィックの有無および量を示す情報をデータ処理部110にトラフィック情報応答フレームの特定の情報エレメントに格納させる。例えば、判定された緊急性に関わるトラフィックの識別ID(例えばTID:Traffic Identifier)を示す情報が、図4Cに示したような情報エレメントのUrgent TIDといったフィールドに格納される。また、当該トラフィックの量を示す情報が、図4Cに示したような情報エレメントのUrgent Bufferといったフィールドに格納される。
なお、複数の種類のトラフィック情報が要求される場合には、複数のトラフィック情報がトラフィック情報要求フレームに格納されてもよい。例えば、図4Dに示したように、上述した複数の情報エレメントのうちの少なくとも2つの合体により得られる情報エレメントが用いられてもよい。
(送信許可対象の決定)
AP200−1は、トラフィック情報に基づいて多元接続させるSTA100−1を特定する。具体的には、制御部230は、STA100−1から通知されるトラフィック情報に基づいて送信を許可するトラフィックを決定する。そして、制御部230は、送信が許可されるトラフィックを有するSTA100−1を多元接続通信グループのメンバとして決定する。例えば、制御部230は、以下で説明するようにトラフィック情報を用いて所定のトラフィックを有するSTA100−1を判定し、判定されたSTA100−1を多元接続通信(例えば空間分割多元接続通信)グループのメンバとして決定する。
トラフィック情報が特定の優先度に応じたトラフィックに係る情報である場合、制御部230は、トラフィック情報を通知したSTA100−1が当該特定の優先度に応じたトラフィックを有するかを判定する。例えば、制御部230は、トラフィック情報が第1または第2のアクセスカテゴリのうちの所定のカテゴリ(例えば、必須ACのうちの優先度が最も高いAC_VO)に属するトラフィックの存在を示すかを判定する。
また、トラフィック情報がトラフィックの量の合計に係る情報である場合、制御部230は、トラフィック情報を通知したSTA100−1の有するトラフィック量が閾値以上であるかを判定する。例えば、制御部230は、トラフィック情報が示すトラフィックの総量が閾値以上であるかを判定する。なお、閾値の代わりに、他のSTA100−1との相対比較が用いられてもよい。例えば、STA100−1のグループは、トラフィックの総量についてのランキングにおける上位グループと下位グループとに分けられ、STA100−1がいずれのグループに属するかを判定してもよい。
また、トラフィック情報が伝送についての緊急性に関わるトラフィックに係る情報である場合、制御部230は、トラフィック情報を通知したSTA100−1が当該緊急性に関わるトラフィックを有するかを判定する。例えば、制御部230は、トラフィック情報が緊急性に関わるトラフィックの存在を示す値であるかを判定する。また、トラフィック情報の示す緊急性に関わるトラフィックの量が閾値以上であるかを判定する。なお、閾値の代わりに他のSTA100−1との相対比較が用いられてもよい。
(送信許可を通知)
AP200−1は、特定されたSTA100−1へ送信許可に係るフレームを送信する。具体的には、制御部230は、多元接続通信グループのメンバであるSTA100−1宛ての送信許可フレームをデータ処理部210に生成させる。そして、生成される送信許可フレームが無線通信部220により送信される。例えば、制御部230は、多元接続通信グループのメンバとして決定されたSTA100−1宛てのトリガフレームをデータ処理部210に生成させる。そして、無線通信部220は、生成されたトリガフレームを送信する。
送信許可フレームには、送信が許可されるトラフィックが指定される情報(以下、指定トラフィック情報とも称する。)が格納される。具体的には、上述したように送信が許可されたトラフィックを示す指定トラフィック情報がトリガフレームに格納される。例えば、指定トラフィック情報として、送信が許可されたトラフィックのTIDなどが格納される。なお、送信許可フレームには、多元接続通信で用いられる通信パラメタ情報も格納される。
なお、上記では、送信許可フレームの送信により多元接続通信グループがSTA100−1に通知される例を説明したが、送信許可フレームとは別のフレームを用いて多元接続通信グループが通知されてもよい。例えば、多元接続通信グループを通知する専用のフレームまたは他の目的に使用されるフレームのフィールドの一部が利用されてよい。また、多元接続通信グループの通知と共に、指定トラフィック情報が通知されてもよい。
(多元接続通信)
STA100−1は、送信許可に係るフレームに基づいてフレームの送信を制御する。具体的には、制御部130は、受信される送信許可フレームに格納される通信パラメタに基づいてトラフィック情報に係るフレームの送信の制御を行う。例えば、データ処理部110は、トリガフレームが受信されると、トリガフレームに格納される情報の示す送信許可の対象が自身のSTA100−1であるかを判定する。送信許可の対象が自身のSTA100−1であると判定されると、データ処理部110は、トリガフレームに格納される通信パラメタ情報および指定トラフィック情報を取得し、制御部130は、取得された通信パラメタ情報に基づいて、送信電力およびMCS(Modulation and Coding Set)などの通信パラメタを設定する。そして、制御部130は、取得された通信パラメタ情報の示す送信期間が到来すると、指定トラフィック情報により指定されるトラフィックが格納されるフレームをデータ処理部110に生成させ、生成されるフレームが無線通信部120により送信される。このような処理が送信許可対象である他のSTA100−1においても同様に実行される。その結果、各STA100−1から送信されるフレームが多重化され、多元接続通信が実現される。
AP200−1は、トリガフレームの送信後に複数のSTA100−1から送信され、多重化されたフレームを受信する。具体的には、無線通信部220は、トリガフレームの送信後に受信される多重化フレームから各フレームを分離し、分離されたフレームについてデータ処理部210により受信処理が行われる。そして、受信処理により得られるデータが通信上位層または制御部230などへ提供される。
<3.2.処理の流れ>
次に、図5を参照して、本実施形態に係る無線通信システムの処理の流れについて説明する。図5は、本実施形態に係る無線通信システムの処理の例を概念的に示すシーケンス図である。
AP200−1は、トラフィック情報要求フレームを送信する(ステップS301)。トラフィック情報要求フレームを受信したSTA100−1A〜100−1Eは、トラフィック情報応答フレームをAP200−1へ送信する(ステップS302)。トラフィック情報応答フレームを受信したAP200−1は、多元接続通信の許可対象となるトラフィックおよびSTA100−1を決定する(ステップS303)。そして、AP200−1は、決定されたSTA100−1へ送信許可フレームを送信する(ステップS304)。送信許可フレームを受信したSTA100−1A〜100−1Eは、それぞれ通信パラメタに従ってフレームを送信することによりフレームが多重化される(ステップS305)。多重化されたフレームを受信したAP200−1は、STA100−1A〜100−1Eへ送達確認フレームを送信する(ステップS306)。
続いて、本実施形態に係るSTA100−1およびAP200−1の処理について個別に説明する。
(APの処理)
まず、図6を参照して、AP200−1の処理の全体について説明する。図6は、本実施形態に係るAP200−1の処理の全体の例を概念的に示すフローチャートである。
AP200−1は、トラフィック情報を要求するかを判定する(ステップS401)。具体的には、制御部230は、トラフィック情報の有無を判定する。例えば、過去にトラフィック情報が取得されている場合には、制御部230は、トラフィック情報を要求しないと判定してもよい。また、過去にトラフィック情報が取得された場合であっても、取得から所定の時間が経過しているときには、トラフィック情報を要求する旨が判定されてもよい。
トラフィック情報を要求すると判定されると(ステップS401/YES)、AP200−1は、トラフィック情報要求フレームを送信する(ステップS402)。具体的には、制御部230は、要求トラフィック情報が格納されたトラフィック情報要求フレームをデータ処理部210に生成させ、生成されるトラフィック情報要求フレームが無線通信部220により送信される。なお、詳細については後述する。
次に、AP200−1は、トラフィック情報応答フレームが受信されたかを判定する(ステップS403)。具体的には、データ処理部210は、トラフィック情報要求フレームへの応答として、トラフィック情報応答フレームが無線通信部220により受信されたかを判定する。
トラフィック情報応答フレームが受信されたと判定されると(ステップS403/YES)、AP200−1は、多元接続通信の許可対象となるトラフィックを有するSTA100−1を選択する(ステップS404)。具体的には、データ処理部210は、受信されたトラフィック情報応答フレームからトラフィック情報を取得し、制御部230は、取得されたトラフィック情報に基づいて多元接続通信を許可するトラフィックおよびSTAを決定する。なお、詳細については後述する。
次に、AP200−1は、指定トラフィック情報が格納される送信許可フレームを選択されたSTA100−1へ送信する(ステップS405)。具体的には、制御部230は、多元接続通信において送信が許可されるトラフィックを示す指定トラフィック情報が格納されるトリガフレームをデータ処理部210に生成させ、生成されるトリガフレームが無線通信部220により送信される。
その後、AP200−1は、多重化されたフレームが受信されたかを判定する(ステップS406)。具体的には、制御部230は、トリガフレームの送信後、トリガフレームにより通知した送信期間において、多重化されたフレームが受信されたかを判定する。
多重化されたフレームが受信されたと判定されると(ステップS406/YES)、AP200−1は、送達確認フレームを多重化フレームの送信元へ送信する(ステップS407)。具体的には、無線通信部220は、多重化されたフレームを受信し、当該フレームの各々を分離する。そして、データ処理部210は、分離により得られるフレームの各々について受信処理を行い、受信処理により得られるデータを通信上位層または制御部230へ提供する。また、制御部230は、無線通信部220によりフレームが受信されると、受信されたフレームの送信元を宛先とするACK(Acknowledgement)フレームをデータ処理部210に生成させ、生成されるACKフレームを無線通信部220に送信させる。
続いて、図7を参照して、AP200−1におけるトラフィック情報要求フレームの送信処理について説明する。図7は、本実施形態に係るAP200−1におけるトラフィック情報要求フレームの送信処理の例を概念的に示すフローチャートである。
AP200−1は、第1のアクセスカテゴリのトラフィック情報を要求するかを判定する(ステップS411)。具体的には、制御部230は、必須ACに属するトラフィックの有無または量を示す情報を要求するかを判定する。
第1のアクセスカテゴリのトラフィック情報を要求すると判定されると(ステップS411/YES)、AP200−1は、第2のアクセスカテゴリのトラフィック情報を要求するかを判定する(ステップS412)。具体的には、制御部230は、任意ACに属するトラフィックの有無または量を示す情報を要求するかを判定する。
第2のアクセスカテゴリのトラフィック情報を要求すると判定されると(ステップS412/YES)、AP200−1は、第1および第2のアクセスカテゴリのトラフィック情報の要求を決定する(ステップS413)。具体的には、制御部230は、必須ACおよび任意ACのいずれかに属するトラフィックの有無または量を示す要求トラフィック情報を生成する。
他方で、第2のアクセスカテゴリのトラフィック情報を要求しないと判定されると(ステップS412/NO)、AP200−1は、第1のアクセスカテゴリのトラフィック情報のみの要求を決定する(ステップS414)。具体的には、制御部230は、必須ACに属するトラフィックの有無または量を示す情報の要求を示す要求トラフィック情報を生成する。
また、AP200−1は、トラフィックの総量を要求するかを判定する(ステップS415)。具体的には、制御部230は、保持されているトラフィックの総量を要求するかを判定する。
トラフィックの総量を要求すると判定されると(ステップS415/YES)、AP200−1は、トラフィックの総量の要求を決定する(ステップS416)。具体的には、制御部230は、保持されているトラフィックの総量の要求を示す要求トラフィック情報を生成する。
また、AP200−1は、緊急性の高いトラフィック情報を要求するかを判定する(ステップS417)。具体的には、制御部230は、伝送についての緊急性に関わるトラフィックの有無および量を示す情報を要求するかを判定する。なお、詳細については後述する。
緊急性の高いトラフィック情報を要求すると判定されると(ステップS417/YES)、AP200−1は、緊急性の高いトラフィック情報の要求を決定する(ステップS418)。具体的には、制御部230は、緊急性に関わるトラフィックの有無および量を示す情報の要求を示す要求トラフィック情報を生成する。
そして、AP200−1は、決定された要求に基づいてトラフィック情報要求フレームを送信する(ステップS419)。具体的には、制御部230は、生成された要求トラフィック情報を情報エレメントとして有するトラフィック情報要求フレームをデータ処理部210に生成させ、生成されたトラフィック情報要求フレームが無線通信部220により送信される。
さらに、図8を参照して、AP200−1における緊急性の高いトラフィック情報の要求処理について説明する。図8は、本実施形態に係るAP200−1における緊急性の高いトラフィック情報の要求処理の例を概念的に示すフローチャートである。
AP200−1は、破棄までの時間が閾値以下のトラフィック情報を要求するかを判定する(ステップS421)。具体的には、制御部230は、バッファされているトラフィックに設定されている破棄までの時間が閾値以下であるトラフィックの有無および量を示す情報を要求するかを判定する。
破棄までの時間が閾値以下のトラフィック情報を要求すると判定されると(ステップS421/YES)、AP200−1は、破棄までの時間が閾値以下のトラフィック情報の要求を決定する(ステップS422)。具体的には、制御部230は、破棄までの時間が閾値以下であるトラフィックの有無および量を示す情報の要求を示す要求トラフィック情報を生成する。なお、当該要求トラフィック情報に破棄されるまでの時間の閾値を示す情報が格納されてもよい。
また、AP200−1は、許容遅延時間が閾値以下のトラフィック情報を要求するかを判定する(ステップS423)。具体的には、制御部230は、バッファされているトラフィックに設定されている許容遅延時間が閾値以下であるトラフィックの有無および量を示す情報を要求するかを判定する。
許容遅延時間が閾値以下のトラフィック情報を要求すると判定されると(ステップS423/YES)、AP200−1は、許容遅延時間が閾値以下のトラフィック情報の要求を決定する(ステップS424)。具体的には、制御部230は、許容遅延時間が閾値以下であるトラフィックの有無および量を示す情報の要求を示す要求トラフィック情報を生成する。なお、当該要求トラフィック情報に許容遅延時間の閾値を示す情報が格納されてもよい。
また、AP200−1は、通信制御に関するトラフィック情報を要求するかを判定する(ステップS425)。具体的には、制御部230は、時刻通知、送達確認要求、送達確認、接続要求、接続許可などのトラフィックの有無および量を示す情報を要求するかを判定する。
通信制御に関するトラフィック情報を要求すると判定されると(ステップS425/YES)、AP200−1は、通信制御に関するトラフィック情報の要求を決定する(ステップS426)。具体的には、制御部230は、通信制御に関わるトラフィックの有無および量を示す情報の要求を示す要求トラフィック情報を生成する。なお、当該要求トラフィック情報に通信制御に関わるトラフィックの種類を示す情報が格納されてもよい。
また、AP200−1は、通信上位層からトラフィック情報が指定されたかを判定する(ステップS427)。具体的には、制御部230は、アプリケーションから緊急性を有するトラフィックであると指定を受けたトラフィックの有無および量を示す情報を要求するかを判定する。例えば、アプリケーションにより指定されるトラフィックは、緊急通報または高速移動体との通信に係るアプリケーションにおいて生成されたデータについてのトラフィックであってよい。なお、当該トラフィックは明示的に指定されず、間接的に指定されてもよい。例えば、指定されるトラフィックは、特定のアプリケーションから入力されるトラフィックであってもよい。
通信上位層からトラフィック情報が指定されたと判定されると(ステップS427/YES)、AP200−1は、通信上位層から指定されたトラフィック情報の要求を決定する(ステップS428)。具体的には、制御部230は、アプリケーションから指定されるトラフィックの有無および量を示す情報の要求を示す要求トラフィック情報を生成する。
続いて、図9を参照して、AP200−1における多元接続通信の許可対象の決定処理について説明する。図9は、本実施形態に係るAP200−1における多元接続通信の許可対象の決定処理の例を概念的に示すフローチャートである。
AP200−1は、要求に係るアクセスカテゴリのトラフィックを有するSTA100−1を判定する(ステップS431)。具体的には、制御部230は、トラフィック情報を応答したSTA100−1の各々について、STA100−1へ要求したアクセスカテゴリに属するトラフィックを有するかを判定する。
また、AP200−1は、トラフィックの総量が多いSTA100−1を判定する(ステップS432)。具体的には、制御部230は、トラフィック情報を応答したSTA100−1の各々について、トラフィックの総量が閾値以上または他のSTA100−1よりも多いかを判定する。
また、AP200−1は、緊急性の高いトラフィックを有するSTA100−1を判定する(ステップS433)。具体的には、制御部230は、トラフィック情報を応答したSTA100−1の各々について、緊急性に関わるトラフィックを有するか、または当該トラフィックが閾値以上もしくは他のSTA100−1よりも多いかを判定する。
そして、AP200−1は、判定されたSTA100−1を多元接続通信の許可対象として選択する(ステップS434)。具体的には、制御部230は、判定されたSTA100−1を多元接続通信グループのメンバとして選択する。
(STAの処理)
次に、図10を参照して、STA100−1の処理の全体について説明する。図10は、本実施形態に係るSTA100−1の処理の全体の例を概念的に示すフローチャートである。
STA100−1は、トラフィック情報要求フレームが受信されたかを判定する(ステップS501)。具体的には、データ処理部110は、無線通信部120によりトラフィック情報要求フレームが受信されたかを判定する。
トラフィック情報要求フレームが受信されたと判定されると(ステップS501/YES)、STA100−1は、要求に基づいてトラフィック情報が格納されるトラフィック情報応答フレームを送信する(ステップS502)。具体的には、データ処理部110は、無線通信部120により受信されたトラフィック情報要求フレームから要求トラフィック情報を取得し、制御部130は、取得される要求トラフィック情報に基づいてトラフィック情報を生成する。そして、制御部130は、生成されたトラフィック情報が格納されるトラフィック情報応答フレームをデータ処理部110に生成させ、生成されるトラフィック情報応答フレームが無線通信部120により送信される。なお、詳細については後述する。
その後、STA100−1は、送信許可フレームが受信されたかを判定する(ステップS503)。具体的には、データ処理部110は、無線通信部120により自身のSTA100−1が送信許可対象であるトリガフレームが受信されたかを判定する。
送信許可フレームが受信されたと判定されると(ステップS503/YES)、STA100−1は、指定トラフィックに基づいてフレームを送信する(ステップS504)。具体的には、データ処理部110は、受信された自身のSTA100−1が送信許可対象であるトリガフレームから指定トラフィック情報および指定通信パラメタ情報を取得し、制御部130は、取得された指定トラフィック情報および指定通信パラメタ情報を用いてフレームを送信する。なお、詳細については後述する。
その後、STA100−1は、送達確認フレームが受信されたと判定される場合(ステップS505/YES)、フレームの再送を停止する。他方で、送達確認フレームが受信されなかったと判定される場合(ステップS505/NO)、フレームの再送のため、処理がステップS504へ戻される。
続いて、図11を参照して、STA100−1におけるトラフィック情報応答フレームの送信処理について説明する。図11は、本実施形態に係るSTA100−1におけるトラフィック情報応答フレームの送信処理の例を概念的に示すフローチャートである。
STA100−1は、第1または第2のアクセスカテゴリのトラフィック情報が要求されたかを判定する(ステップS511)。具体的には、制御部130は、要求トラフィック情報から、必須ACおよび任意ACの両方または必須ACのみについてトラフィック情報が要求されているかを判定する。
第1または第2のアクセスカテゴリのトラフィック情報が要求されたと判定されると(ステップS511/YES)、STA100−1は、第1または第2のアクセスカテゴリのトラフィック情報の応答を決定する(ステップS512)。具体的には、制御部130は、必須ACまたは任意ACに属するトラフィックをサーチし、発見されたトラフィックの有無または量を示すトラフィック情報を生成する。
また、STA100−1は、トラフィックの総量が要求されたかを判定する(ステップS513)。具体的には、制御部130は、要求トラフィック情報から、トラフィックの総量が要求されているかを判定する。
トラフィックの総量が要求されたと判定されると(ステップS513/YES)、STA100−1は、トラフィックの総量の応答を決定する(ステップS514)。具体的には、制御部130は、トラフィックの総量を算出し、算出される値を示すトラフィック情報を生成する。
また、STA100−1は、緊急性の高いトラフィック情報が要求されたかを判定する(ステップS515)。具体的には、制御部130は、要求トラフィック情報から、破棄までの時間が閾値以下であるトラフィック、許容遅延時間が閾値以下であるトラフィック、通信制御に関わるトラフィックまたは通信上位層から指定されたトラフィックについてのトラフィック情報が要求されているかを判定する。
緊急性の高いトラフィック情報が要求されたと判定されると(ステップS515/YES)、STA100−1は、緊急性の高いトラフィックが保持されているかを判定する(ステップS516)。具体的には、制御部130は、上述した条件に該当するトラフィックをサーチする。
緊急性の高いトラフィックが保持されていると判定されると(ステップS516/YES)、STA100−1は、緊急性の高いトラフィック情報の応答を決定する(ステップS517)。他方で、緊急性の高いトラフィックが保持されていないと判定されると(ステップS516/NO)、STA100−1は、緊急性の高いトラフィックが無い旨を示すトラフィック情報の応答を決定する(ステップS518)。具体的には、制御部130は、サーチにより条件に該当するトラフィックが発見された場合、当該トラフィックの量を算出し、緊急性に関わるトラフィックの存在および量を示すトラフィック情報を生成する。他方で、サーチにより条件に該当するトラフィックが発見されなかった場合、制御部130は、要求されるトラフィックが存在しない旨を示す情報として、例えば全てのビットが0であるトラフィック情報を生成する。
そして、STA100−1は、決定された応答に基づいてトラフィック情報応答フレームを送信する(ステップS519)。具体的には、制御部130は、生成されたトラフィック情報を情報エレメントとして有するトラフィック情報応答フレームをデータ処理部110に生成させ、生成されるトラフィック情報応答フレームが無線通信部120により送信される。
続いて、図12を参照して、STA100−1における指定トラフィックに基づくフレームの送信処理について説明する。図12は、本実施形態に係るSTA100−1における指定トラフィックに基づくフレームの送信処理の例を概念的に示すフローチャートである。
STA100−1は、送信許可フレームに格納される指定トラフィック情報および指定通信パラメタ情報を取得する(ステップS521)。具体的には、データ処理部110は、受信されたトリガフレームから指定トラフィック情報および指定通信パラメタ情報を取得する。
次に、STA100−1は、指定トラフィック情報の示すトラフィックが保持されているかを判定する(ステップS522)。具体的には、制御部130は、指定トラフィック情報の示すトラフィックをサーチすることにより、当該トラフィックがバッファされているかを判定する。
指定トラフィック情報の示すトラフィックが保持されていると判定されると(ステップS522/YES)、STA100−1は、指定されるトラフィックが格納されるフレームを、指定通信パラメタ情報を用いて送信する(ステップS523)。具体的には、制御部130は、サーチにより発見されたトラフィックが格納されるフレームをデータ処理部110に生成させる。また、制御部130は、取得された指定通信パラメタ情報に基づいて送信電力およびMCSなどの通信パラメタを設定する。そして、無線通信部120は、設定された通信パラメタで生成されたフレームを送信する。なお、当該フレームには、指定されたトラフィック以外のトラフィックが格納されてもよい。
<3.3.第1の実施形態のまとめ>
このように、本開示の第1の実施形態によれば、AP200−1は、トラフィック情報の要求を示す要求フレームを送信し、トラフィック情報が格納される応答フレームを受信する。そして、AP200−1は、受信される応答フレームに格納されるトラフィック情報に基づいて特定される多元接続させるSTA100−1宛ての送信許可に係るフレームの送信を制御する。また、STA100−1は、上記要求フレームを受信し、受信される要求フレームに応じて応答フレームを送信する。そして、STA100−1は、応答フレームの送信後に受信される送信許可に係るフレームに格納される多元接続に係る通信パラメタに基づいてトラフィック情報に係るフレームの送信を制御する。
従来は、多元接続通信においてトラフィックの特性が考慮されずに送信が許可されるグループが形成されていた。そのため、優先度または緊急性が他のトラフィックよりも高いトラフィックが送信されず、当該トラフィックの伝送に遅延が生じたり当該トラフィックが破棄されたりするおそれがあった。
これに対し、本実施形態によれば、多元接続通信が行われる際に、収集されたトラフィック情報に基づいて多元接続通信グループを形成することができる。すなわち、トラフィックを考慮して多元接続通信グループが形成される。そのため、優先度または緊急性などのトラフィックの特性について公平性を確保することができる。従って、無線LAN通信におけるトラフィックの伝送の支障を抑制することが可能となる。
また、上記トラフィック情報は、特定のトラフィックの有無を示す情報を含む。このため、トラフィック情報のサイズを抑制することができる。また、トラフィック情報のサイズが抑制されることにより、既存のフレームの空いているフィールドに格納することができる。そのため、フレームの数およびサイズを低減することができる。従って、トラフィック情報にかかる通信量の増加を抑制することが可能となる。
また、上記特定のトラフィックは、特定の優先度に応じたトラフィックを含む。このため、送信が許可されるトラフィックを優先度に応じて決定することができる。従って、トラフィックの遅延などの支障をより効果的に抑制することが可能となる。
また、上記特定のトラフィックは、伝送についての緊急性に関わるトラフィックを含む。このため、緊急性が他のトラフィックよりも高いトラフィックを優先的に多元接続通信で伝送させることができる。従って、トラフィックの伝送に致命的な支障をきたすことを回避することが可能となる。
また、上記緊急性に関わるトラフィックは、破棄されるまでの時間が閾値以下であるトラフィックを含む。ここで、トラフィックは破棄されると、当該トラフィックが再送される場合には、再送についてオーバヘッドがかかる。また、当該トラフィックが再送されない場合には、トラフィックを利用した処理に支障をきたすことになる。そこで、本実施形態に係る無線通信システムは、破棄されるまでの時間が短いトラフィックほど、優先的に多元接続通信で伝送させられやすくする。それにより、トラフィックの伝送にかかるオーバヘッドまたはトラフィックの伝送失敗を抑制することが可能となる。
また、上記緊急性に関わるトラフィックは、許容される遅延が閾値以下であるトラフィックを含む。ここで、トラフィックが破棄されなかったとしても、許容時間以上の遅延が発生すると、当該トラフィックは処理に用いられなくなるおそれがある。そのため、結果として、トラフィックが破棄された場合と同様の支障が生じかねない。そこで、本実施形態に係る無線通信システムは、許容遅延時間が短いトラフィックほど、優先的に多元接続通信で伝送させられやすくする。それにより、トラフィックが無駄になるおそれを抑制することが可能となる。
また、上記緊急性に関わるトラフィックは、通信制御に関するトラフィックを含む。このため、通信制御に関するトラフィックが円滑に伝送されることにより、通信処理の無駄が発生することを抑制できる。従って、データトラフィックなどの通信を滞りなく行うことができ、通信効率の低下を抑制することが可能となる。
また、上記緊急性に関わるトラフィックは、トラフィックの生成元により指定されるトラフィックを含む。このため、通信の規格上または属性上は判断が困難な緊急性を有するトラフィックを優先的に多元接続通信で伝送させることができる。従って、アプリケーションなどの通信上位層の動作を停止させるおそれを抑制することが可能となる。
また、上記トラフィック情報は、上記特定のトラフィックの量を示す情報を含む。このため、複数の種類の特定のトラフィックが存在する場合に、いずれの特定のトラフィックを優先して多元接続通信で伝送させるかを判断することができる。従って、トラフィックの滞留を抑制し、トラフィックの伝送についての公平性を確保することが可能となる。
また、上記トラフィック情報は、STA100−1が保持するトラフィックの総量を示す情報を含む。このため、優先度または緊急性が他のトラフィックよりも低いトラフィックが多くバッファされている場合にトラフィックが滞留し過ぎることを回避できる。従って、トラフィックの伝送機会の偏りを抑制することが可能となる。
また、上記トラフィック情報に基づいて特定されるSTA100−1は、トラフィック情報から特定されるトラフィックを保持するSTA100−1を含む。このため、優先して伝送することが望ましいトラフィックを有するSTA100−1に多元接続通信を許可することができる。従って、当該トラフィックを一元接続通信で伝送される場合よりも一度に多く伝送することが可能となる。
また、上記送信許可に係るフレームには、STA100−1に送信させるトラフィックを示す指定トラフィック情報が格納され、STA100−1は、指定トラフィック情報が示すトラフィックが格納される上記トラフィック情報に係るフレームの送信を制御する。このため、優先して伝送させたいトラフィックをより確実にSTA100−1に送信させることができる。
また、上記応答フレームは、上記トラフィック情報の通信以外の他の目的で通信されるフレームを含む。このため、トラフィック情報の通信専用のフレームが用意される場合と比べて、通信量を低減することができる。
また、上記多元接続は、空間分割多元接続を含む。このため、通信効率を向上させながら、トラフィックの伝送についての公平性を高めることができる。なお、当該多元接続は、周波数分割多元接続、直交周波数分割多元接続または符号分割多元接続であってもよい。
<4.第2の実施形態>
次に、本開示の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、AP200−1は、トラフィック情報に基づく多元接続通信の結果に基づいて、多元接続通信グループを変更する。
<4.1.装置の機能>
まず、本実施形態に係る無線通信装置としてのSTA100−2およびAP200−2の各機能について説明する。なお、第1の実施形態に係る機能と実質的に同一である機能については説明を省略する。
(送信許可対象の変更)
AP200−2は、多元接続通信において、指定されるトラフィックと異なるトラフィックが格納されたフレームが受信されると、当該フレームの送信元を送信許可対象から外す。具体的には、制御部230は、多元接続通信において受信されたフレームに格納されるトラフィックがトリガフレームを用いて通知した指定トラフィック情報の示すトラフィックであるかを判定する。受信されたフレームに格納されるトラフィックが指定されるトラフィックと異なる場合、制御部230は、当該フレームの送信元であるSTA(以下、異分子STAとも称する。)100−2を多元接続通信グループから除外する。そのため、除外されたSTA100−2のみが有するトラフィックが指定トラフィック情報で指定されていた場合、当該トラフィックが指定トラフィック情報から除外される。変更された送信許可対象は、送信許可フレームを用いて多元接続通信グループのメンバであるSTA100−1へ通知される。
なお、AP200−2は、異分子STA100−2にトラフィック情報を要求しなくてもよい。例えば、制御部230は、異分子STA100−2をトラフィック情報要求フレームの宛先から除外してもよい。また、AP200−2は、異分子STA100−2へ指定されるトラフィックと異なるトラフィックが伝送された旨を示すフレームを送信してもよい。例えば、指定されるトラフィックと異なるトラフィックが伝送された旨を示す情報が格納される送達確認フレームが送信されてよい。
<4.2.処理の流れ>
次に、図13を参照して、本実施形態に係る無線通信システムの処理の流れについて説明する。図13は、本実施形態に係る無線通信システムの処理の例を概念的に示すシーケンス図である。
AP200−2は、トラフィック情報要求フレームを用いて、トラフィック情報通知フレームをSTA100−2A〜100−2Eから受信する(ステップS601)。なお、トラフィック情報は、通信規格において規定される既存の方法を用いて収集されてもよい。次に、AP200−2は、トラフィック情報に基づいて多元接続通信の許可対象となるトラフィックおよびSTA100−2を決定し(ステップS602)、送信許可フレームをSTA100−2A〜100−2Eへ送信する(ステップS603)。送信許可フレームを受信したSTA100−2A〜100−2Eは、送信許可フレームで通知される通信パラメタに基づいてフレームを送信することにより、フレームが多重化される(ステップS604)。
多重化されたフレームを受信したAP200−2は、多元接続通信の許可対象でないトラフィックを検出する(ステップS605)。次に、AP200−2は、多重化されたフレームの送信元であるSTA100−2A〜100−2Eへ送達確認フレームを送信する(ステップS606)。
AP200−2は、次の多元接続通信が行われる場合、トラフィック情報要求フレームをSTA100−2A〜100−2Eへ送信する(ステップS607)。トラフィック情報要求フレームを受信したSTA100−2A〜100−2Eは、トラフィック情報応答フレームをAP200−2へ送信する(ステップS608)。そして、AP200−2は、多元接続通信の許可対象でないトラフィックを送信したSTA100−2Eを除いて、多元接続通信の許可対象となるトラフィックおよびSTA100−2を決定する(ステップS609)。そして、AP200−2は、決定された許可対象であるSTA100−2A〜100−2Dへ送信許可フレームを送信する(ステップS610)。
(APの処理)
続いて、図14を参照して、AP200−2の処理の全体について説明する。図14は、本実施形態に係るAP200−2の処理の全体の例を概念的に示すフローチャートである。なお、第1の実施形態に係る処理と実質的に同一である処理については説明を省略する。
AP200−2は、トラフィック情報を要求すると判定されると(ステップS701/YES)、トラフィック情報要求フレームを送信する(ステップS702)。
その後、AP200−2は、トラフィック情報応答フレームが受信されると(ステップS703/YES)、過去に多元接続通信の許可対象でないトラフィックが格納されたフレームが受信されたかを判定する(ステップS704)。具体的には、制御部230は、過去に受信されたフレームに指定トラフィック情報により指定されていないトラフィックが格納されていたかを判定する。なお、制御部230は、当該判定の結果が記録されているかを判定してもよい。
過去に多元接続通信の許可対象でないトラフィックが格納されたフレームが受信されていないと判定されると(ステップS704/NO)、AP200−2は、トラフィック情報を応答したSTA100−1の全てを対象として、多元接続通信の許可対象となるトラフィックを有するSTA100−2を選択する(ステップS705)。
他方で、過去に多元接続通信の許可対象でないトラフィックが格納されたフレームが受信されたと判定されると(ステップS704/YES)、AP200−2は、多元接続通信の許可対象でないトラフィックが格納されたフレームの送信元を除いて、多元接続通信の許可対象となるトラフィックを有するSTAを選択する(ステップS706)。具体的には、制御部230は、異分子STA100−2を除いて、通知されたトラフィック情報に基づいて多元接続通信グループのメンバを決定する。
次に、AP200−2は、指定トラフィック情報が格納される送信許可フレームを選択されたSTA100−2へ送信する(ステップS707)。そして、多重化フレームが受信されると(ステップS708/YES)、AP200−2は、送達確認フレームを多重化フレームの送信元へ送信する(ステップS709)。
<4.3.第2の実施形態のまとめ>
このように、本開示の第2の実施形態によれば、AP200−2は、指定トラフィック情報が示すトラフィックと異なるトラフィックが格納されたフレームの送信元を送信許可の対象から除外する。このため、異分子STA100−2と異なる他のSTA100−2の有するトラフィックを優先して伝送させることができる。従って、トラフィックの特性に基づく多元接続通信が妨げられることを回避することが可能となる。
なお、AP200−2は、送信許可フレームに応じてフレームがSTA100−2から受信されない場合も同様に、多元接続通信の許可対象から当該STA100−2を除外してもよい。
<5.応用例>
本開示に係る技術は、様々な製品へ応用可能である。例えば、STA100は、スマートフォン、タブレットPC(Personal Computer)、ノートPC、携帯型ゲーム端末若しくはデジタルカメラなどのモバイル端末、テレビジョン受像機、プリンタ、デジタルスキャナ若しくはネットワークストレージなどの固定端末、又はカーナビゲーション装置などの車載端末として実現されてもよい。また、STA100は、スマートメータ、自動販売機、遠隔監視装置又はPOS(Point Of Sale)端末などの、M2M(Machine To Machine)通信を行う端末(MTC(Machine Type Communication)端末ともいう)として実現されてもよい。さらに、STA100は、これら端末に搭載される無線通信モジュール(例えば、1つのダイで構成される集積回路モジュール)であってもよい。
一方、例えば、AP200は、ルータ機能を有し又はルータ機能を有しない無線LANアクセスポイント(無線基地局ともいう)として実現されてもよい。また、AP200は、モバイル無線LANルータとして実現されてもよい。さらに、AP200は、これら装置に搭載される無線通信モジュール(例えば、1つのダイで構成される集積回路モジュール)であってもよい。
[5−1.第1の応用例]
図15は、本開示に係る技術が適用され得るスマートフォン900の概略的な構成の一例を示すブロック図である。スマートフォン900は、プロセッサ901、メモリ902、ストレージ903、外部接続インタフェース904、カメラ906、センサ907、マイクロフォン908、入力デバイス909、表示デバイス910、スピーカ911、無線通信インタフェース913、アンテナスイッチ914、アンテナ915、バス917、バッテリー918及び補助コントローラ919を備える。
プロセッサ901は、例えばCPU(Central Processing Unit)又はSoC(System on Chip)であってよく、スマートフォン900のアプリケーションレイヤ及びその他のレイヤの機能を制御する。メモリ902は、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を含み、プロセッサ901により実行されるプログラム及びデータを記憶する。ストレージ903は、半導体メモリ又はハードディスクなどの記憶媒体を含み得る。外部接続インタフェース904は、メモリーカード又はUSB(Universal Serial Bus)デバイスなどの外付けデバイスをスマートフォン900へ接続するためのインタフェースである。
カメラ906は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子を有し、撮像画像を生成する。センサ907は、例えば、測位センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ及び加速度センサなどのセンサ群を含み得る。マイクロフォン908は、スマートフォン900へ入力される音声を音声信号へ変換する。入力デバイス909は、例えば、表示デバイス910の画面上へのタッチを検出するタッチセンサ、キーパッド、キーボード、ボタン又はスイッチなどを含み、ユーザからの操作又は情報入力を受け付ける。表示デバイス910は、液晶ディスプレイ(LCD)又は有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイなどの画面を有し、スマートフォン900の出力画像を表示する。スピーカ911は、スマートフォン900から出力される音声信号を音声に変換する。
無線通信インタフェース913は、IEEE802.11a、11b、11g、11n、11ac及び11adなどの無線LAN標準のうちの1つ以上をサポートし、無線通信を実行する。無線通信インタフェース913は、インフラストラクチャーモードにおいては、他の装置と無線LANアクセスポイントを介して通信し得る。また、無線通信インタフェース913は、アドホックモード又はWi−Fi Direct(登録商標)等のダイレクト通信モードにおいては、他の装置と直接的に通信し得る。なお、Wi−Fi Directでは、アドホックモードとは異なり2つの端末の一方がアクセスポイントとして動作するが、通信はそれら端末間で直接的に行われる。無線通信インタフェース913は、典型的には、ベースバンドプロセッサ、RF(Radio Frequency)回路及びパワーアンプなどを含み得る。無線通信インタフェース913は、通信制御プログラムを記憶するメモリ、当該プログラムを実行するプロセッサ及び関連する回路を集積したワンチップのモジュールであってもよい。無線通信インタフェース913は、無線LAN方式に加えて、近距離無線通信方式、近接無線通信方式又はセルラ通信方式などの他の種類の無線通信方式をサポートしてもよい。アンテナスイッチ914は、無線通信インタフェース913に含まれる複数の回路(例えば、異なる無線通信方式のための回路)の間でアンテナ915の接続先を切り替える。アンテナ915は、単一の又は複数のアンテナ素子(例えば、MIMOアンテナを構成する複数のアンテナ素子)を有し、無線通信インタフェース913による無線信号の送信及び受信のために使用される。
なお、図15の例に限定されず、スマートフォン900は、複数のアンテナ(例えば、無線LAN用のアンテナ及び近接無線通信方式用のアンテナ、など)を備えてもよい。その場合に、アンテナスイッチ914は、スマートフォン900の構成から省略されてもよい。
バス917は、プロセッサ901、メモリ902、ストレージ903、外部接続インタフェース904、カメラ906、センサ907、マイクロフォン908、入力デバイス909、表示デバイス910、スピーカ911、無線通信インタフェース913及び補助コントローラ919を互いに接続する。バッテリー918は、図中に破線で部分的に示した給電ラインを介して、図15に示したスマートフォン900の各ブロックへ電力を供給する。補助コントローラ919は、例えば、スリープモードにおいて、スマートフォン900の必要最低限の機能を動作させる。
図15に示したスマートフォン900において、図2を用いて説明したデータ処理部110、無線通信部120および制御部130は、無線通信インタフェース913において実装されてもよい。また、これら機能の少なくとも一部は、プロセッサ901又は補助コントローラ919において実装されてもよい。例えば、制御部130は、トラフィック情報要求フレームが受信されると、要求されるトラフィック情報が格納されるトラフィック情報応答フレームをデータ処理部110に生成させる。そして、生成されるトラフィック情報応答フレームが無線通信部120により送信される。これにより、スマートフォン900と通信する無線通信装置との間で、トラフィック情報に基づく多元接続通信を行うことができる。従って、スマートフォン900の無線LAN通信におけるトラフィックの伝送の支障を抑制することが可能となる。
なお、スマートフォン900は、プロセッサ901がアプリケーションレベルでアクセスポイント機能を実行することにより、無線アクセスポイント(ソフトウェアAP)として動作してもよい。また、無線通信インタフェース913が無線アクセスポイント機能を有していてもよい。
[5−2.第2の応用例]
図16は、本開示に係る技術が適用され得るカーナビゲーション装置920の概略的な構成の一例を示すブロック図である。カーナビゲーション装置920は、プロセッサ921、メモリ922、GPS(Global Positioning System)モジュール924、センサ925、データインタフェース926、コンテンツプレーヤ927、記憶媒体インタフェース928、入力デバイス929、表示デバイス930、スピーカ931、無線通信インタフェース933、アンテナスイッチ934、アンテナ935及びバッテリー938を備える。
プロセッサ921は、例えばCPU又はSoCであってよく、カーナビゲーション装置920のナビゲーション機能及びその他の機能を制御する。メモリ922は、RAM及びROMを含み、プロセッサ921により実行されるプログラム及びデータを記憶する。
GPSモジュール924は、GPS衛星から受信されるGPS信号を用いて、カーナビゲーション装置920の位置(例えば、緯度、経度及び高度)を測定する。センサ925は、例えば、ジャイロセンサ、地磁気センサ及び気圧センサなどのセンサ群を含み得る。データインタフェース926は、例えば、図示しない端子を介して車載ネットワーク941に接続され、車速データなどの車両側で生成されるデータを取得する。
コンテンツプレーヤ927は、記憶媒体インタフェース928に挿入される記憶媒体(例えば、CD又はDVD)に記憶されているコンテンツを再生する。入力デバイス929は、例えば、表示デバイス930の画面上へのタッチを検出するタッチセンサ、ボタン又はスイッチなどを含み、ユーザからの操作又は情報入力を受け付ける。表示デバイス930は、LCD又はOLEDディスプレイなどの画面を有し、ナビゲーション機能又は再生されるコンテンツの画像を表示する。スピーカ931は、ナビゲーション機能又は再生されるコンテンツの音声を出力する。
無線通信インタフェース933は、IEEE802.11a、11b、11g、11n、11ac及び11adなどの無線LAN標準のうちの1つ以上をサポートし、無線通信を実行する。無線通信インタフェース933は、インフラストラクチャーモードにおいては、他の装置と無線LANアクセスポイントを介して通信し得る。また、無線通信インタフェース933は、アドホックモード又はWi−Fi Direct等のダイレクト通信モードにおいては、他の装置と直接的に通信し得る。無線通信インタフェース933は、典型的には、ベースバンドプロセッサ、RF回路及びパワーアンプなどを含み得る。無線通信インタフェース933は、通信制御プログラムを記憶するメモリ、当該プログラムを実行するプロセッサ及び関連する回路を集積したワンチップのモジュールであってもよい。無線通信インタフェース933は、無線LAN方式に加えて、近距離無線通信方式、近接無線通信方式又はセルラ通信方式などの他の種類の無線通信方式をサポートしてもよい。アンテナスイッチ934は、無線通信インタフェース933に含まれる複数の回路の間でアンテナ935の接続先を切り替える。アンテナ935は、単一の又は複数のアンテナ素子を有し、無線通信インタフェース933による無線信号の送信及び受信のために使用される。
なお、図16の例に限定されず、カーナビゲーション装置920は、複数のアンテナを備えてもよい。その場合に、アンテナスイッチ934は、カーナビゲーション装置920の構成から省略されてもよい。
バッテリー938は、図中に破線で部分的に示した給電ラインを介して、図16に示したカーナビゲーション装置920の各ブロックへ電力を供給する。また、バッテリー938は、車両側から給電される電力を蓄積する。
図16に示したカーナビゲーション装置920において、図2を用いて説明したデータ処理部110、無線通信部120および制御部130は、無線通信インタフェース933において実装されてもよい。また、これら機能の少なくとも一部は、プロセッサ921において実装されてもよい。例えば、制御部130は、トラフィック情報要求フレームが受信されると、要求されるトラフィック情報が格納されるトラフィック情報応答フレームをデータ処理部110に生成させる。そして、生成されるトラフィック情報応答フレームが無線通信部120により送信される。これにより、カーナビゲーション装置920と通信する無線通信装置との間で、トラフィック情報に基づく多元接続通信を行うことができる。従って、カーナビゲーション装置920の無線LAN通信におけるトラフィックの伝送の支障を抑制することが可能となる。
また、無線通信インタフェース933は、上述したAP200として動作し、車両に乗るユーザが有する端末に無線接続を提供してもよい。その際、例えば、制御部230は、トラフィック情報要求フレームをデータ処理部210および無線通信部220を介してユーザが有する端末へ送信する。そして、当該トラフィック情報要求フレームへの応答として受信されるトラフィック情報応答フレームに格納されるトラフィック情報に基づいてユーザが有する端末について多元接続通信の許可を判定する。これにより、ユーザが有する端末のトラフィック特性を考慮した多元接続通信を行うことができる。従って、カーナビゲーション装置920と通信する端末の無線LAN通信におけるトラフィックの伝送の支障を抑制することが可能となる。
また、本開示に係る技術は、上述したカーナビゲーション装置920の1つ以上のブロックと、車載ネットワーク941と、車両側モジュール942とを含む車載システム(又は車両)940として実現されてもよい。車両側モジュール942は、車速、エンジン回転数又は故障情報などの車両側データを生成し、生成したデータを車載ネットワーク941へ出力する。
[5−3.第3の応用例]
図17は、本開示に係る技術が適用され得る無線アクセスポイント950の概略的な構成の一例を示すブロック図である。無線アクセスポイント950は、コントローラ951、メモリ952、入力デバイス954、表示デバイス955、ネットワークインタフェース957、無線通信インタフェース963、アンテナスイッチ964及びアンテナ965を備える。
コントローラ951は、例えばCPU又はDSP(Digital Signal Processor)であってよく、無線アクセスポイント950のIP(Internet Protocol)レイヤ及びより上位のレイヤの様々な機能(例えば、アクセス制限、ルーティング、暗号化、ファイアウォール及びログ管理など)を動作させる。メモリ952は、RAM及びROMを含み、コントローラ951により実行されるプログラム、及び様々な制御データ(例えば、端末リスト、ルーティングテーブル、暗号鍵、セキュリティ設定及びログなど)を記憶する。
入力デバイス954は、例えば、ボタン又はスイッチなどを含み、ユーザからの操作を受け付ける。表示デバイス955は、LEDランプなどを含み、無線アクセスポイント950の動作ステータスを表示する。
ネットワークインタフェース957は、無線アクセスポイント950が有線通信ネットワーク958に接続するための有線通信インタフェースである。ネットワークインタフェース957は、複数の接続端子を有してもよい。有線通信ネットワーク958は、イーサネット(登録商標)などのLANであってもよく、又はWAN(Wide Area Network)であってもよい。
無線通信インタフェース963は、IEEE802.11a、11b、11g、11n、11ac及び11adなどの無線LAN標準のうちの1つ以上をサポートし、近傍の端末へアクセスポイントとして無線接続を提供する。無線通信インタフェース963は、典型的には、ベースバンドプロセッサ、RF回路及びパワーアンプなどを含み得る。無線通信インタフェース963は、通信制御プログラムを記憶するメモリ、当該プログラムを実行するプロセッサ及び関連する回路を集積したワンチップのモジュールであってもよい。アンテナスイッチ964は、無線通信インタフェース963に含まれる複数の回路の間でアンテナ965の接続先を切り替える。アンテナ965は、単一の又は複数のアンテナ素子を有し、無線通信インタフェース963による無線信号の送信及び受信のために使用される。
図17に示した無線アクセスポイント950において、図2を用いて説明したデータ処理部210、無線通信部220および制御部230は、無線通信インタフェース963において実装されてもよい。また、これら機能の少なくとも一部は、コントローラ951において実装されてもよい。例えば、制御部230は、トラフィック情報要求フレームをデータ処理部210および無線通信部220を介してユーザが有する端末へ送信する。そして、当該トラフィック情報要求フレームへの応答として受信されるトラフィック情報応答フレームに格納されるトラフィック情報に基づいてユーザが有する端末について多元接続通信の許可を判定する。これにより、ユーザが有する端末のトラフィック特性を考慮した多元接続通信を行うことができる。従って、カーナビゲーション装置920と通信する端末の無線LAN通信におけるトラフィックの伝送の支障を抑制することが可能となる。
<6.むすび>
以上、本開示の第1の実施形態によれば、多元接続通信が行われる際に、収集されたトラフィック情報に基づいて多元接続通信グループを形成することができる。すなわち、トラフィックを考慮して多元接続通信グループが形成される。そのため、優先度または緊急性などのトラフィックの特性について公平性を確保することができる。従って、無線LAN通信におけるトラフィックの伝送の支障を抑制することが可能となる。
また、本開示の第2の実施形態によれば、異分子STA100−2と異なる他のSTA100−2の有するトラフィックを優先して伝送させることができる。従って、トラフィックの特性に基づく多元接続通信が妨げられることを回避することが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、AP200とSTA100とが多元接続通信を行うとしたが、本技術はかかる例に限定されない。例えば、複数のSTA100とのダイレクトリンク持つSTA100と当該複数のSTA100とが多元接続通信を行ってもよい。なお、この場合、上述のDL通信が「1機から複数機への同時通信」と、上述のUL通信が「複数機から1機への同時通信」と読み替えられ得る。
また、上記実施形態では、指定トラフィック情報が送信許可フレームに格納されるとしたが、本技術はかかる例に限定されない。例えば、指定トラフィック情報はSTA100に通知されず、STA100は送信許可フレームが受信されると、要求に対して応答したトラフィック情報に係るトラフィックを有するフレームを送信してもよい。
また、上記トラフィック情報は、特定のトラフィックの滞留時間を示す情報であってもよい。例えば、トラフィック情報は、必須ACに属するトラフィックなどの滞留時間を示す情報であってもよい。
なお、上述したトラフィックの優先度または量などのトラフィックの特性を示す情報は、特性に係る値そのものを示す情報であってもよく、特性に係る値が特定可能な量子的な情報であってもよい。
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
また、上記の実施形態のフローチャートに示されたステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的にまたは個別的に実行される処理をも含む。また時系列的に処理されるステップでも、場合によっては適宜順序を変更することが可能であることは言うまでもない。
また、無線通信装置100、200に内蔵されるハードウェアに上述した無線通信装置100、200の各機能構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、当該コンピュータプログラムが記憶された記憶媒体も提供される。
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
トラフィック情報の要求を示す要求フレームを送信する送信部と、
前記トラフィック情報が格納される応答フレームを受信する受信部と、
受信される前記応答フレームに格納される前記トラフィック情報に基づいて特定される多元接続させる第1の無線通信装置宛ての送信許可に係るフレームの送信を制御する制御部と、
を備える無線通信装置。
(2)
前記トラフィック情報は、特定のトラフィックの有無を示す情報を含む、
前記(1)に記載の無線通信装置。
(3)
前記特定のトラフィックは、特定の優先度に応じたトラフィックを含む、
前記(2)に記載の無線通信装置。
(4)
前記特定のトラフィックは、伝送についての緊急性に関わるトラフィックを含む、
前記(2)または(3)に記載の無線通信装置。
(5)
前記緊急性に関わるトラフィックは、破棄されるまでの時間が閾値以下であるトラフィックを含む、
前記(4)に記載の無線通信装置。
(6)
前記緊急性に関わるトラフィックは、許容される遅延が閾値以下であるトラフィックを含む、
前記(4)または(5)に記載の無線通信装置。
(7)
前記緊急性に関わるトラフィックは、通信制御に関するトラフィックを含む、
前記(4)〜(6)のいずれか1項に記載の無線通信装置。
(8)
前記緊急性に関わるトラフィックは、トラフィックの生成元により指定されるトラフィックを含む、
前記(4)〜(7)のいずれか1項に記載の無線通信装置。
(9)
前記トラフィック情報は、前記特定のトラフィックの量を示す情報を含む、
前記(2)〜(8)のいずれか1項に記載の無線通信装置。
(10)
前記トラフィック情報は、第1の無線通信装置が保持するトラフィックの総量を示す情報を含む、
前記(1)〜(9)のいずれか1項に記載の無線通信装置。
(11)
前記トラフィック情報に基づいて特定される第1の無線通信装置は、前記トラフィック情報から特定されるトラフィックを保持する第1の無線通信装置を含む、
前記(1)〜(9)のいずれか1項に記載の無線通信装置。
(12)
前記送信許可に係るフレームには、前記第1の無線通信装置に送信させるトラフィックを示す指定トラフィック情報が格納される、
前記(1)〜(11)のいずれか1項に記載の無線通信装置。
(13)
前記制御部は、前記指定トラフィック情報が示すトラフィックと異なるトラフィックが格納されたフレームの送信元を前記送信許可の対象から除外する、
前記(12)に記載の無線通信装置。
(14)
前記多元接続は、直交周波数分割多元接続または空間分割多元接続を含む、
前記(1)〜(13)のいずれか1項に記載の無線通信装置。
(15)
トラフィック情報の要求を示す要求フレームを受信する受信部と、
受信される前記要求フレームに応じて、前記トラフィック情報が格納される応答フレームを送信する送信部と、
前記応答フレームの送信後に受信される送信許可に係るフレームに格納される多元接続に係る通信パラメタに基づいて前記トラフィック情報に係るフレームの送信を制御する制御部と、
を備える無線通信装置。
(16)
前記送信許可に係るフレームには、トラフィックを示す指定トラフィック情報が格納され、
前記トラフィック情報に係るフレームには、前記指定トラフィック情報が示すトラフィックが格納される、
前記(15)に記載の無線通信装置。
(17)
前記応答フレームは、前記トラフィック情報の通信以外の他の目的で通信されるフレームを含む、
前記(15)または(16)に記載の無線通信装置。
(18)
プロセッサを用いて、
トラフィック情報の要求を示す要求フレームを送信することと、
前記トラフィック情報が格納される応答フレームを受信することと、
受信される前記応答フレームに格納される前記トラフィック情報に基づいて特定される多元接続させる第1の無線通信装置宛ての送信許可に係るフレームの送信を制御することと、
を含む無線通信方法。
(19)
プロセッサを用いて、
トラフィック情報の要求を示す要求フレームを受信することと、
受信される前記要求フレームに応じて、前記トラフィック情報が格納される応答フレームを送信することと、
前記応答フレームの送信後に受信される送信許可に係るフレームに格納される多元接続に係る通信パラメタに基づいて前記トラフィック情報に係るフレームの送信を制御することと、
を含む無線通信方法。
100 STA
200 AP
110、210 データ処理部
120、220 無線通信部
130、230 制御部

Claims (19)

  1. トラフィック情報の要求を示す要求フレームを送信する送信部と、
    前記トラフィック情報が格納される応答フレームを受信する受信部と、
    受信される前記応答フレームに格納される前記トラフィック情報に基づいて特定される多元接続させる第1の無線通信装置宛ての送信許可に係るフレームの送信を制御する制御部と、
    を備える無線通信装置。
  2. 前記トラフィック情報は、特定のトラフィックの有無を示す情報を含む、
    請求項1に記載の無線通信装置。
  3. 前記特定のトラフィックは、特定の優先度に応じたトラフィックを含む、
    請求項2に記載の無線通信装置。
  4. 前記特定のトラフィックは、伝送についての緊急性に関わるトラフィックを含む、
    請求項2に記載の無線通信装置。
  5. 前記緊急性に関わるトラフィックは、破棄されるまでの時間が閾値以下であるトラフィックを含む、
    請求項4に記載の無線通信装置。
  6. 前記緊急性に関わるトラフィックは、許容される遅延が閾値以下であるトラフィックを含む、
    請求項4に記載の無線通信装置。
  7. 前記緊急性に関わるトラフィックは、通信制御に関するトラフィックを含む、
    請求項4に記載の無線通信装置。
  8. 前記緊急性に関わるトラフィックは、トラフィックの生成元により指定されるトラフィックを含む、
    請求項4に記載の無線通信装置。
  9. 前記トラフィック情報は、前記特定のトラフィックの量を示す情報を含む、
    請求項2に記載の無線通信装置。
  10. 前記トラフィック情報は、第1の無線通信装置が保持するトラフィックの総量を示す情報を含む、
    請求項1に記載の無線通信装置。
  11. 前記トラフィック情報に基づいて特定される第1の無線通信装置は、前記トラフィック情報から特定されるトラフィックを保持する第1の無線通信装置を含む、
    請求項1に記載の無線通信装置。
  12. 前記送信許可に係るフレームには、前記第1の無線通信装置に送信させるトラフィックを示す指定トラフィック情報が格納される、
    請求項1に記載の無線通信装置。
  13. 前記制御部は、前記指定トラフィック情報が示すトラフィックと異なるトラフィックが格納されたフレームの送信元を前記送信許可の対象から除外する、
    請求項12に記載の無線通信装置。
  14. 前記多元接続は、直交周波数分割多元接続または空間分割多元接続を含む、
    請求項1に記載の無線通信装置。
  15. トラフィック情報の要求を示す要求フレームを受信する受信部と、
    受信される前記要求フレームに応じて、前記トラフィック情報が格納される応答フレームを送信する送信部と、
    前記応答フレームの送信後に受信される送信許可に係るフレームに格納される多元接続に係る通信パラメタに基づいて前記トラフィック情報に係るフレームの送信を制御する制御部と、
    を備える無線通信装置。
  16. 前記送信許可に係るフレームには、トラフィックを示す指定トラフィック情報が格納され、
    前記トラフィック情報に係るフレームには、前記指定トラフィック情報が示すトラフィックが格納される、
    請求項15に記載の無線通信装置。
  17. 前記応答フレームは、前記トラフィック情報の通信以外の他の目的で通信されるフレームを含む、
    請求項15に記載の無線通信装置。
  18. プロセッサを用いて、
    トラフィック情報の要求を示す要求フレームを送信することと、
    前記トラフィック情報が格納される応答フレームを受信することと、
    受信される前記応答フレームに格納される前記トラフィック情報に基づいて特定される多元接続させる第1の無線通信装置宛ての送信許可に係るフレームの送信を制御することと、
    を含む無線通信方法。
  19. プロセッサを用いて、
    トラフィック情報の要求を示す要求フレームを受信することと、
    受信される前記要求フレームに応じて、前記トラフィック情報が格納される応答フレームを送信することと、
    前記応答フレームの送信後に受信される送信許可に係るフレームに格納される多元接続に係る通信パラメタに基づいて前記トラフィック情報に係るフレームの送信を制御することと、
    を含む無線通信方法。
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