JPWO2017168879A1 - Esd保護装置 - Google Patents

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Abstract

ESD保護装置は、ガラス成分を含むセラミック素体と、セラミック素体内に同一平面上に設けられ、互いに隙間を介して対向される第1放電電極および第2放電電極と、第1放電電極と第2放電電極を同一平面上で接続する放電補助電極と、放電補助電極とセラミック素体との間に、セラミック素体から放電補助電極にガラス成分が浸入することを防止するシール層とを有する。シール層は導電成分を含む。

Description

本発明は、ESD保護装置に関する。
従来、ESD保護装置としては、WO2011/040435(特許文献1)に記載されたものがある。ESD保護装置は、ガラス成分を有するセラミック素体と、セラミック素体内に設けられ、互いに隙間を介して対向される第1放電電極および第2放電電極と、第1放電電極と第2放電電極を接続する放電補助電極と、セラミック素体から放電補助電極にガラス成分が浸入することを防止するシール層とを有する。
WO2011/040435
ところで、前記従来のESD保護装置において、放電開始電圧を小さくしようとすると、第1放電電極と第2放電電極の間の隙間を小さくし、または、放電補助電極の導電成分を増やす必要がある。しかしながら、これらの構成では、絶縁耐性が劣化する問題がある。
また、シール層はアルミナから構成されているため、セラミック素体より収縮しない。したがって、セラミック素体の焼成時に、セラミック素体とシール層の収縮差が大きくなり、セラミック素体に欠陥が発生するおそれがある。
そこで、本発明の課題は、絶縁耐性を維持しながら放電開始電圧を小さくできると共にセラミック素体の欠陥の発生を防止できるESD保護装置を提供することにある。
前記課題を解決するため、本発明のESD保護装置は、
ガラス成分を含むセラミック素体と、
前記セラミック素体内に同一平面上に設けられ、互いに隙間を介して対向される第1放電電極および第2放電電極と、
前記第1放電電極と前記第2放電電極を同一平面上で接続する放電補助電極と、
前記放電補助電極と前記セラミック素体との間に、前記セラミック素体から前記放電補助電極にガラス成分が浸入することを防止するシール層と
を備え、
前記シール層は導電成分を含む。
本発明のESD保護装置によれば、シール層は導電成分を含むので、導電成分から電子が放出され、この放出された電子により、第1放電電極と第2放電電極の間の隙間や放電補助電極の組成を変更することなく、放電開始電圧を小さくできる。したがって、絶縁耐性を維持しながら、放電開始電圧を小さくできる。
また、シール層は導電成分を含むので、セラミック素体の焼成時のシール層の収縮特性を向上でき、セラミック素体とシール層の収縮差を小さくすることができる。したがって、セラミック素体とシール層の収縮差によるセラミック素体の欠陥の発生を防止できる。
また、ESD保護装置の一実施形態では、前記セラミック素体の内部には、前記第1放電電極と前記第2放電電極との間の前記隙間を含むと共に前記シール層が面する空洞部が設けられている。
前記実施形態によれば、セラミック素体の内部には、第1放電電極と第2放電電極との間の隙間を含むと共にシール層が面する空洞部が設けられているので、シール層の導電成分から放出される電子を空洞部に供給できて、放電開始電圧を小さくできる。
また、ESD保護装置の一実施形態では、前記シール層に含まれる前記導電成分の量は、前記放電補助電極に含まれる導電成分の量よりも少ない。
前記実施形態によれば、シール層に含まれる前記導電成分の量は、放電補助電極に含まれる導電成分の量よりも少ないので、シール層の放電特性は、放電補助電極の放電特性よりも低い。これにより、シール層で放電することはなく、放電補助電極を介して第1放電電極と第2放電電極の間で放電する。
また、ESD保護装置の一実施形態では、前記シール層に含まれる前記導電成分の量は、15vol%以上45vol%以下である。
前記実施形態によれば、シール層に含まれる導電成分の量は、15vol%以上45vol%以下であるので、安定して、放電特性とショート耐性の両立ができる。
また、ESD保護装置の一実施形態では、
前記シール層は、少なくとも、前記第1放電電極および前記第2放電電極に関して前記放電補助電極と反対側の領域に位置し、
前記反対側の領域に位置するシール層のみに、前記導電成分が含まれる。
前記実施形態によれば、導電成分は、第1放電電極および第2放電電極に関して放電補助電極と反対側の領域に位置するシール層のみに含まれるので、放電補助電極とシール層に含まれる導電成分の間で相互作用がない。これにより、放電補助電極の機能が変わることがなく、より安定して、放電特性および耐ショート特性を得ることができる。
また、ESD保護装置の一実施形態では、前記シール層に含まれる前記導電成分は、前記第1放電電極および前記第2放電電極に含まれる導電成分と同じ材料である。
前記実施形態によれば、シール層に含まれる導電成分は、第1放電電極および第2放電電極に含まれる導電成分と同じ材料であるので、第1放電電極および第2放電電極とシール層の間の密着力が向上する。これにより、第1放電電極および第2放電電極とシール層の間で剥がれが発生することによるセラミック素体の亀裂発生を抑えることができる。
また、ESD保護装置の一実施形態では、前記シール層に含まれる前記導電成分の少なくとも一部は、前記空洞部に露出している。
前記実施形態によれば、シール層に含まれる導電成分の少なくとも一部は、空洞部に露出しているので、導電成分から電子を出す起点が生じ、より電子を放出しやすくなる。
また、ESD保護装置の一実施形態では、
前記セラミック素体の内部には、前記第1放電電極と前記第2放電電極との間の前記隙間を含むと共に前記シール層が面する空洞部が設けられ、
前記シール層は、少なくとも、前記第1放電電極および前記第2放電電極に関して前記放電補助電極と反対側の領域に位置し、
前記反対側の領域に位置するシール層は、前記導電成分を含む。
前記実施形態によれば、放電補助電極と反対側の領域に位置するシール層は、導電成分を含むので、空洞部に面するシール層の導電成分から、空洞部に電子を放出し易くなり、放電開始電圧を小さくできる。
また、ESD保護装置の一実施形態では、前記第1放電電極と前記第2放電電極とが互いに対向するX方向と、前記第1放電電極および前記第2放電電極と前記放電補助電極とが互いに対向するZ方向とを含むXZ断面において、前記空洞部のZ方向の最大距離aは、前記第1放電電極と前記第2放電電極の間の隙間のX方向の最小距離dよりも短い。
前記実施形態によれば、Z方向においてシール層を第1放電電極と第2放電電極の間の隙間に近づけることができるので、シール層の導電成分から電子を放出し易くなり、放電開始電圧を一層小さくできる。
また、ESD保護装置の一実施形態では、前記第1放電電極と前記第2放電電極とが互いに対向するX方向と、前記第1放電電極および前記第2放電電極と前記放電補助電極とが互いに対向するZ方向とを含むXZ断面において、前記空洞部のX方向の最大距離bは、前記第1放電電極と前記第2放電電極の間の隙間のX方向の最小距離dよりも長い。
前記実施形態によれば、X方向においてシール層を第1放電電極と第2放電電極の間の隙間から離すことができるので、隙間において主として放電でき、シール層の導電成分において補助的に放電できる。
また、ESD保護装置の一実施形態では、前記同一平面に直交する方向からみて、前記シール層の外形線で囲まれた領域の面積は、前記放電補助電極の外形線で囲まれた領域の面積よりも大きい。
前記実施形態によれば、セラミック素体から放電補助電極にガラス成分が浸入することを防止できる。
また、ESD保護装置の一実施形態では、前記同一平面に直交する方向からみて、前記放電補助電極の外形線で囲まれた領域は、前記シール層の外形線で囲まれた領域内に含まれる。
前記実施形態によれば、セラミック素体から放電補助電極にガラス成分が浸入することを一層防止できる。
また、ESD保護装置の一実施形態では、前記導電成分は、絶縁粒子と前記絶縁粒子を覆う導電層とを有する。
前記実施形態によれば、導電成分は、絶縁粒子を有するので、シール層の絶縁耐性が向上する。また、導電層は、絶縁粒子を覆うので、導電層の量を少なくでき、これにより、放電時の熱による導電層の溶融量を低減でき、複数の導電成分の導電層がつながりにくくなる。
また、ESD保護装置の一実施形態では、前記導電成分は、導電粒子を有し、前記導電粒子の表面に、突起部が設けられている。
前記実施形態によれば、導電性粒子の表面に、突起部が設けられているので、突起部を起点に電子が放出され易くなる。
本発明のESD保護装置によれば、シール層は導電成分を含むので、絶縁耐性を維持しながら放電開始電圧を小さくできると共にセラミック素体の欠陥の発生を防止できる。
本発明の第1実施形態のESD保護装置を示す斜視図である。 図1のA−A断面図である。 図1のB−B断面図である。 シール層の拡大断面図である。 本発明の第2実施形態のESD保護装置を示すXZ断面図である。 ESD保護装置のXY断面図である。 導電成分の他の実施形態を示す断面図である。 別の実施形態を示す断面図である。 本発明の第4実施形態のESD保護装置を示すXZ断面図である。
以下、本発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態のESD保護装置を示す斜視図である。図2は、図1のA−A断面図である。図3は、図1のB−B断面図である。図1と図2と図3に示すように、ESD(Electro-Static Discharge:静電気放電)保護装置1は、ガラス成分を含むセラミック素体10と、セラミック素体10内に設けられた第1放電電極21、第2放電電極22、放電補助電極30およびシール層50と、セラミック素体10の外面に設けられた第1外部電極41および第2外部電極42とを有する。
セラミック素体10は、略直方体状に形成され、長さと幅と高さを有する。セラミック素体10の長さ方向をX方向とし、セラミック素体10の幅方向をY方向とし、セラミック素体10の高さ方向をZ方向とする。セラミック素体10の外面は、第1端面10aと、第1端面10aの反対側に位置する第2端面10bと、第1端面10aと第2端面10bの間に位置する周面10cとを有する。第1端面10aと第2端面10bとは、X方向に位置する。
第1放電電極21および第2放電電極22は、セラミック素体10内に同一平面上に設けられている。第1放電電極21の一端と第2放電電極22の一端とは、隙間Gを介して、対向されている。第1放電電極21および第2放電電極22の対向方向は、X方向に一致する。第1放電電極21は、第1外部電極41に接続され、第2放電電極22は、第2外部電極42に接続されている。
放電補助電極30は、第1放電電極21と第2放電電極22を同一平面上で接続し、隙間Gに面している。放電補助電極30とセラミック素体10との間に、セラミック素体10から放電補助電極30にガラス成分が浸入することを防止するシール層50が、設けられている。
セラミック素体10の内部には、空洞部100が設けられている。空洞部100は、第1放電電極21と第2放電電極22との間の隙間Gを含むと共にシール層50が面する。第1放電電極21の第2放電電極22に対向する部分と第2放電電極22の第1放電電極21に対向する部分とは、空洞部100に露出している。シール層50と放電補助電極30と第1放電電極21と第2放電電極22とで囲まれた空間が、空洞部100を構成する。シール層50は、導電成分を含む。シール層50に含まれる導電成分の量は、放電補助電極30に含まれる導電成分の量よりも少ない。
ESD保護装置1は、例えば、電子機器に用いられ、電子機器に発生する静電気を放電して電子機器の静電気による破壊を抑制する。具体的に述べると、第1外部電極41を電子機器の端子に接続し、第2外部電極42をグランドに接続したとき、電子機器の静電気は、第1外部電極41および第1放電電極21から第2放電電極22および第2外部電極42に伝わる。
第1放電電極21から第2放電電極22への静電気の放電には、気中放電と、放電補助電極30を経由した放電とがある。気中放電は、空洞部100を伝わる放電である。放電補助電極30を経由した放電は、放電補助電極30の表面を流れる電流による放電(沿面放電)と、放電補助電極30の内部を流れる電流による放電である。
セラミック素体10は、複数のセラミック層を積層し焼成して構成される。セラミック層は、ガラス成分を含む。セラミック層は、例えば、Ba、Al、Siを主成分として含む低温同時焼成セラミック(LTCC:Low Temperature Co-fired Ceramics)から構成される。
第1放電電極21と第2放電電極22は、それぞれ、X方向に延在した帯状に形成される。第1放電電極21と第2放電電極22は、X方向に対向して配置される。第1放電電極21および第2放電電極22は、例えば、Cu、Ag,Pd,Pt,Al,Ni,Wやそれらの少なくとも一種を含む合金などの適宜の材料により構成される。
第1放電電極21の長手方向の第1端部211は、セラミック素体10の第1端面10aから露出している。第1放電電極21の長手方向の第2端部212は、セラミック素体10内に位置する。第2放電電極22の長手方向の第1端部221は、セラミック素体10の第2端面10bから露出している。第2放電電極22の長手方向の第2端部222は、セラミック素体10内に位置する。第1放電電極21の第2端部212と、第2放電電極22の第2端部222とは、隙間Gをあけて対向している。
放電補助電極30は、Z方向からみて隙間Gの下側に重なる。放電補助電極30は、Z方向からみて、矩形状に形成されている。放電補助電極30は、第1放電電極21の第2端部212と第2放電電極22の第2端部222とを接続する。
放電補助電極30は、例えば、導電成分と絶縁成分との混合物から構成される。導電成分は、例えば、Cu、Ag、Pd、Pt、Al、Ni、Wやこれらの組合せでもよい。また、導電成分として、SiC粉等の半導体材料や抵抗材料など、金属材料よりも導電性の低い材料を用いてもよい。半導体材料は、例えば、Si、Ge等の金属半導体、SiC、TiC、ZrC、WC等の炭化物、TiN、ZrN、窒化クロム、VN、TaN等の窒化物、ケイ化チタン、ケイ化ジルコニウム、ケイ化タングステン、ケイ化モリブデン、ケイ化クロム等のケイ化物、ホウ化チタン、ホウ化ジルコニウム、ホウ化クロム、ホウ化ランタン、ホウ化モリブデン、ホウ化タングステン等のホウ化物、チタン酸ストロンチウム等の酸化物であってもよい。また、上述の材料を、適宜、2種類以上混合してもよい。また、導電成分は、無機材料でコートされていてもよい。無機材料であれば特に限定されるものではなく、Al、ZrO、SiO等の無機材料や、セラミック基材の構成材料の混合仮焼粉などでもよい。一方、絶縁成分は、例えば、Al、SiO、ZrO、TiOなどの酸化物やSiやAINなどの窒化物や、セラミック基材の構成材料の混合仮焼粉や、ガラス質物質や、これらの組合せでもよい。
シール層50は、セラミック素体10内の孔部10dの内面に沿って、孔部10dの内面の全体に、設けられている。放電補助電極30は、シール層50の内面の一面に設けられている。つまり、放電補助電極30は、シール層50に覆われている。第1放電電極21および第2放電電極22は、シール層50を貫通して、空洞部100内に挿入されて、放電補助電極30に接している。シール層50と放電補助電極30と第1放電電極21と第2放電電極22とで囲まれた空間が、空洞部100を構成する。
シール層50は、例えば、導電成分と絶縁成分との混合物から構成される。絶縁成分は、例えば、無機酸化物である。無機酸化物は、例えば、Alであるが、BaO、CaO、TiO、ZrO、SrO、Nbなどの無機酸化物でもよい。導電成分は、例えば、Cuであるが、Ag、Pd、Pt、Al、Ni、W等他の金属でもよい。また、導電成分は、CuとNiなど金属の組み合わせでもよい。
第1外部電極41は、第1端面10aの全てを覆うと共に周面10cの第1端面10a側の端部を覆う。第1外部電極41は、第1放電電極21の第1端部211に接触して電気的に接続される。第2外部電極42は、第2端面10bの全てを覆うと共に周面10cの第2端面10b側の端部を覆う。第2外部電極42は、第2放電電極22の第1端部221に接触して電気的に接続される。第1外部電極41および第2外部電極42は、例えば、Cu、Ag,Pd,Pt,Al,Ni,Wやそれらの少なくとも一種を含む合金などの適宜の材料により構成される。
前記ESD保護装置1によれば、シール層50は導電成分を含むので、導電成分から電子が放出され、この放出された電子により、第1放電電極21と第2放電電極22の間の隙間Gや放電補助電極30の組成を変更することなく、放電開始電圧を小さくできる。したがって、絶縁耐性を維持しながら、放電開始電圧を小さくできる。
また、シール層50は導電成分を含むので、セラミック素体10の焼成時のシール層50の収縮特性を向上でき、セラミック素体10とシール層50の収縮差を小さくすることができる。したがって、セラミック素体10とシール層50の収縮差によるセラミック素体10の欠陥の発生を防止できる。
また、セラミック素体10の内部には、第1放電電極21と第2放電電極22との間の隙間Gを含むと共にシール層50が面する空洞部100が設けられているので、シール層50の導電成分から放出される電子を空洞部100に供給できて、放電開始電圧を小さくできる。
また、シール層50に含まれる導電成分の量は、放電補助電極30に含まれる導電成分の量よりも少ないので、シール層50の放電特性は、放電補助電極30の放電特性よりも低い。これにより、シール層50で放電することはなく、放電補助電極30を介して第1放電電極21と第2放電電極22の間で放電する。
好ましくは、シール層50に含まれる導電成分の量は、15vol%以上45vol%以下である。したがって、安定して放電特性とショート耐性の両立ができる。これに対して、シール層50の導電成分の量が多いと、シール層50と第1放電電極21および第2放電電極22の間で導通が起こり、耐ショート性が劣化する。シール層50の導電成分の量が少ないと、放電特性の向上の効果が発現できない。
好ましくは、第1放電電極21および第2放電電極22に関して放電補助電極30と反対側の領域に位置するシール層50のみに、導電成分が含まれる。なお、シール層50は、少なくとも、反対側の領域に位置してもよい。
したがって、放電補助電極30とシール層50に含まれる導電成分の間で相互作用がない。これにより、放電補助電極30の機能が変わることがなく、より安定して、放電特性および耐ショート特性を得ることができる。これに対して、放電補助電極30側のシール層50に導電成分を添加すると、シール層50の導電成分と放電補助電極30との間で反応が起こり、放電補助電極30の機能が変わる可能性がある。
好ましくは、シール層50に含まれる導電成分は、第1放電電極21および第2放電電極22に含まれる導電成分と同じ材料である。したがって、第1放電電極21および第2放電電極22とシール層50の間の密着力が向上する。これにより、第1放電電極21および第2放電電極22とシール層50の間で剥がれが発生することによるセラミック素体10の亀裂発生を抑えることができる。
好ましくは、図4に示すように、シール層50に含まれる導電成分51の少なくとも一部は、空洞部100に露出している。したがって、導電成分51から電子を出す起点が生じ、より電子を放出しやすくなる。
好ましくは、導電成分としての粉体の平均粒径は3μmより小さい。これにより、粉体を小さくして、シール層に含まれる粉体の量を多くできる。この結果、粉体の比表面積が大きくなって、電子が放出されやすくなる。好ましくは、導電成分としての粉体の平均粒径は0.01μmよりも大きい。これにより粉体を確実に製造できる。
(第2実施形態)
図5は、本発明の第2実施形態のESD保護装置を示すXZ断面図である。図6は、ESD保護装置のXY断面図である。第2実施形態では、第1実施形態の寸法を規定している。第2実施形態において、第1実施形態と同一の符号は、第1実施形態と同じ構成であるため、その説明を省略する。
図5に示すように、第1実施形態と同様に、セラミック素体10の内部には、第1放電電極21と第2放電電極22との間の隙間Gを含むと共にシール層50が面する空洞部100が設けられている。シール層50は、少なくとも、第1放電電極21および第2放電電極22に関して放電補助電極30と反対側の領域に位置する。反対側の領域に位置するシール層50は、導電成分を含む。これにより、空洞部100に面するシール層50の導電成分から、空洞部100に電子を放出し易くなり、放電開始電圧を小さくできる。
また、第1放電電極21と第2放電電極22とが互いに対向するX方向と、第1放電電極21および第2放電電極22と放電補助電極30とが互いに対向するZ方向とを含むXZ断面において、空洞部100のZ方向の最大距離aは、第1放電電極21と第2放電電極22の間の隙間GのX方向の最小距離dよりも短い。具体的に述べると、空洞部100のZ方向の最大距離aは、図5において、放電補助電極30の上面とシール層50の下面との間の距離である。隙間GのX方向の最小距離dは、第1放電電極21の第2端部212の端面と第2放電電極22の第2端部222の端面との間の距離である。これによれば、Z方向においてシール層50を第1放電電極21と第2放電電極22の間の隙間Gに近づけることができるので、シール層50の導電成分から電子を放出し易くなり、放電開始電圧を一層小さくできる。
また、XZ断面において、空洞部100のX方向の最大距離bは、第1放電電極21と第2放電電極22の間の隙間GのX方向の最小距離dよりも長い。具体的に述べると、空洞部100のX方向の最大距離bは、図5において、シール層50の内面と第1放電電極21の上面とが接触する第1接点D1と、シール層50の内面と第2放電電極22の上面とが接触する第2接点D2との間の距離である。これによれば、X方向においてシール層50を第1放電電極21と第2放電電極22の間の隙間Gから離すことができるので、隙間Gにおいて主として放電でき、シール層50の導電成分において補助的に放電できる。
図6に示すように、第1放電電極21および第2放電電極22が設けられた同一平面に直交する方向(Z方向)からみて、シール層50の外形線で囲まれた領域の面積は、放電補助電極30の外形線で囲まれた領域の面積よりも大きい。図6では、シール層50の外形線を実線で示し、放電補助電極30の外形線を点線で示す。第1放電電極21および第2放電電極22を仮想線で示す。
具体的に述べると、Z方向からみて、放電補助電極30と反対側のシール層50の外形線内の面積が、放電補助電極30の外形線内の面積よりも大きい。これによれば、セラミック素体10から放電補助電極30にガラス成分が浸入することを防止できる。
また、前記同一平面に直交する方向(Z方向)からみて、放電補助電極30の外形線で囲まれた領域は、シール層50の外形線で囲まれた領域内に含まれる。具体的に述べると、Z方向からみて、放電補助電極30の外形線は、放電補助電極30と反対側のシール層50の外形線内に含まれる。これによれば、セラミック素体10から放電補助電極30にガラス成分が浸入することを、より一層防止できる。
なお、上述の各々の寸法の規定に関して、少なくとも1つ満たしていてもよい。
(第3実施形態)
図7Aは、導電成分の他の実施形態を示す断面図である。図7Bは、導電成分の別の実施形態を示す断面図である。
図7Aに示すように、導電成分51Aは、粉体であって、絶縁粒子510Aと絶縁粒子510Aを覆う導電層511Aとを有する。絶縁粒子510Aの材料は、例えば、Al、SiO、ZrO、TiOなどの酸化物やSiやAINなどの窒化物である。導電層511Aの材料は、例えば、Cuであるが、Ag、Pd、Pt、Al、Ni、W等他の金属でもよい。
したがって、導電成分は、絶縁粒子510Aを有するので、シール層の絶縁耐性が向上する。また、導電層511Aは、絶縁粒子510Aを覆うので、導電層511Aの量を少なくでき、これにより、放電時の熱による導電層511Aの溶融量を低減でき、複数の導電成分の導電層511Aがつながりにくくなる。
図7Bに示すように、導電成分51Bは、粉体であって、導電粒子510Bを有する。導電粒子510Bの表面に、複数の突起部511Bが設けられている。導電粒子510Bの材料は、例えば、Cuであるが、Ag、Pd、Pt、Al、Ni、W等他の金属でもよい。突起部511Bの材料は、導電粒子510Bの材料と同じである。したがって、導電粒子510Bの表面に、突起部511Bが設けられているので、突起部511Bを起点に電子が放出され易くなる。
(第4実施形態)
図8は、本発明の第4実施形態のESD保護装置を示すXZ断面図である。第4実施形態では、第1実施形態とは、セラミック素体の孔部の形状、および、シール層の形状が相違する。その他の構成は、第1実施形態と同じ構成であり、第1実施形態と同一の符号を付し、その説明を省略する。
図8に示すように、ESD保護装置1Aでは、セラミック素体10の孔部10dの内面形状は、XZ断面において、X方向の長径とZ方向の短径で規定される楕円形である。さらに、シール層50の形状は、楕円形の孔部10dの内面に沿って湾曲した弧形状である。これに伴って、空洞部100の形状も、X方向の中央部が広くなる形状を有している。このとき、第2実施形態で説明した空洞部100のZ方向の最大距離aは、空洞部100のX方向の中央部におけるZ方向の距離をいう。
したがって、シール層50は、第1放電電極21と第2放電電極22の間を弧形状に延在しているので、Z方向においてシール層50を隙間Gに接近させることができ、シール層50の導電成分から電子を放出し易くなり、放電開始電圧を小さくできる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計変更可能である。
(第1実施例)
次に、ESD保護装置の第1実施例について説明する。
(製造方法)
以下、第1実施例の製造方法について説明する。
(1)セラミックグリーンシートの準備
セラミック素体の材料となるセラミック材料には、Ba、Al、Siを中心とした組成からなる材料(BAS材)を用いた。各素材を所定の組成になるよう調合、混合し、800℃〜1000℃で仮焼した。得られた仮焼粉末をジルコニアボールミルで12時間粉砕し、セラミック粉末を得た。このセラミック粉末に、トルエン・エキネンなどの有機溶媒を加え混合する。さらに、バインダー、可塑剤を加え混合しスラリーを得た。このようにして得られたスラリーをドクターブレード法により成形し、厚さ10μmと厚さ50μmのセラミックグリーンシートを得た。
(2)印刷ペースト材料の準備
(2−1)放電電極ペーストの準備
平均粒径1μmのCu粉末を40wt%と、平均粒径約3μmのCu粉末を40wt%と、エチルセルロースをターピネオールに溶解して作製した有機ビヒクルを20wt%とを調合し、3本ロールにより混合することにより、放電電極ペーストを作製した。
(2−2)放電補助電極ペーストの準備
放電補助電極を形成するための混合ペーストは、平均粒径約2μmのCuAl合金粉と、平均粒径約0.5μmのBa、Al、Siを中心とした組成からなるセラミックス粉を80/20vol%の割合で調合し、バインダー樹脂と溶剤を添加し3本ロールで撹拌、混合することで得た。混合ペーストはエチルセルロース等からなるバインダー樹脂と溶剤を20wt%とし、残りの80wt%をCuAl合金粉とBAS系材仮焼粉とした。
(2−3)空洞部ペーストの準備
平均粒径1μmの架橋アクリル樹脂ビーズ38wt%と、ターピネオール中にエトセル樹脂を10wt%溶解した有機ビヒクル62wt%とを調合し、三本ロールにより混合することにより、空洞部ペーストを作製した。
(2−4)シール層ペーストの準備
シール層を形成するためのペーストは、無機酸化物としてAl粉を、導電成分としてCu粉を75/25vol%の割合で調合し、バインダー樹脂と溶剤を添加し3本ロールで撹拌、混合することで得た。混合ペーストはエチルセルロース等からなるバインダー樹脂と溶剤を44wt%とし、残りの56wt%をAl粉とCu粉とした。
(3)外部電極の準備
平均粒径が約1μmのCu粉末を80wt%と、転移点620℃、軟化点720℃で平均粒径が約1μmのホウケイ酸アルカリ系ガラスフリットを5wt%と、エチルセルロースをターピネオールに溶解して作製した有機ビヒクルを15wt%とを調合し、3本ロールにより混合することにより、外部電極ペーストを作製した。
(4)スクリーン印刷によるシール層ペースト、放電電極ペースト、放電補助電極ペースト、空洞部ペーストの塗布
セラミックグリーンシ−ト上に、先ずシールペーストを塗布し、次に放電補助電極ペーストを重ね塗りにて塗布した。次に、放電電極ペーストを同じく重ね塗りにて塗布した。放電電極間の距離は、20μmとした。さらに、空洞部ペーストを重ね塗りにて塗布した。最後に、シール層ペーストを再度同じく重ね塗りにて塗布した。
なお、シールペーストを始め、各ペーストは直接塗布対象上に塗布しても良く、また転写工法などの他の方法で塗布しても良い。
(5)積層、圧着
セラミックグリーンシ−トを積層し、圧着した。ここでは、厚み0.3mmとなるように積層した。
(6)カット
マイクロカッタでカットして各チップに分けた。ここでは、1.0mmx0.5mmになるようにカットした。
(7)焼成
次いで、N雰囲気中で焼成した。仮に、電極材料が酸化しない場合は、大気雰囲気で焼成しても構わない。
(8)外部電極の塗布、焼き付け
焼成後、セラミック素体の端面に外部電極ペーストを塗布し、焼き付けることで、外部電極を形成した。
(9)めっき
外部電極上に電解Ni−Snめっきを行った。
(10)完成
以上により、ESD保護装置を完成した。なお、基板に用いるセラミック材料は、特に上記の材料に限定されるものではなく、Al、コーディエライト、ムライト、フォレステライト、CaZrOにガラスなどを加えたLTCC材料や、Al、コーディエライト、ムライト、フォレストライトなどのHTCC材料、フェライト材料、誘電体材料、樹脂材料でもよい。また、電極材料もCuだけでなく、Ag,Pd,Pt,Al,Ni,Wや、これらの組合せでもよいが、熱伝導率が高いCu,Agが望ましい。
(実験結果)
以下、第1実施例の実験結果について説明する。第1比較例として、第1実施例と比べて、シール層に導電成分を含まないコイル部品を用いた。第2比較例として、第1実施例と比べて、シール層の導電成分を放電電極の導電成分(Cu粉)と異なる成分(Ni粉)としたコイル部品を用いた。
(1)放電開始電圧
第1実施例と第1比較例の放電開始電圧の測定を行った。これらの効果は、任意のESD印加時の動作率から判定した。N=100個のサンプルに対し、IEC規格(IEC61000−4−2)に従い接触放電にてESDを印加し、各印加電圧での素子の動作性能を確認した。表1に、2〜5kVのESD電圧を印加したときの動作性能を示す。
[表1]
Figure 2017168879
動作性能「×」とは、動作率が0〜10%である。動作性能「△」とは、動作率が10〜50%である。動作性能「〇」とは、動作率が50〜80%である。動作性能「◎」とは、動作率が80〜100%である。表1に示すように、第1実施例は、第1比較例よりも優れている。
(2)IR劣化耐性
第1実施例と第1比較例のIR劣化耐性の測定を行った。N=50個のサンプルに対し、IEC規格(IEC61000−4−2)に従い接触放電にて任意のESDを100回連続印加した。IR値が10kΩ以下まで低下したサンプルを故障と判断し、良品率を比較した。表2に、8,10,12kVのESD電圧を印加したときのIR劣化耐性(良品率)を示す。
[表2]
Figure 2017168879
IR劣化耐性「×」とは、良品率が0〜10%である。IR劣化耐性「△」とは、良品率が10〜50%である。IR劣化耐性「〇」とは、良品率が50〜80%である。IR劣化耐性「◎」とは、良品率が80〜100%である。表2に示すように、第1実施例は、第1比較例と同等である。
(3)セラミック素体の欠陥
第1実施例と第1比較例のセラミック素体の欠陥を観察した。N=10000個のサンプルに対し、焼成後のサンプル表面を実体顕微鏡で観察を行い、セラミック素体の6面の亀裂の有無を観察した。1つの面いずれかに亀裂があれば不良品として、個数を数えた。表3に、亀裂評価の結果を示す。
[表3]
Figure 2017168879
表3に示すように、第1実施例では、セラミック素体の欠陥が無くなって、第1比較例よりも優れている。
(4)セラミック素体の欠陥
第1実施例と第2比較例のセラミック素体の欠陥を観察した。N=10000個のサンプルに対し、焼成後のサンプル表面を実体顕微鏡で観察を行い、セラミック素体の6面の亀裂の有無を観察した。1つの面いずれかに亀裂があれば不良品として、個数を数えた。表4に、亀裂評価の結果を示す。
[表4]
Figure 2017168879
表4に示すように、第1実施例では、セラミック素体の欠陥が無くなって、第2比較例よりも優れている。
(第2実施例)
次に、ESD保護装置の第2実施例について説明する。
(製造方法)
以下、第2実施例の製造方法について説明する。第2実施例は、第1実施例と比べて(2−4)のみが相違する。(2−4)のみを説明する。
(2−4)シール層ペーストの準備
シール層を形成するためのペーストは、無機酸化物としてAl粉を、導電成分としてCu粉を90/10vol%、70/30vol%、50/50vol%の割合で各々調合し、バインダー樹脂と溶剤を添加し3本ロールで撹拌、混合することで得た。混合ペーストはエチルセルロース等からなるバインダー樹脂と溶剤を44wt%とし、残りの56wt%をAl粉とCu粉とした。
(実験結果)
以下、第2実施例の実験結果について説明する。
(1)放電開始電圧
第2実施例の放電開始電圧の測定を行った。これらの効果は、任意のESD印加時の動作率から判定した。N=100個のサンプルに対し、IEC規格(IEC61000−4−2)に従い接触放電にてESDを印加し、各印加電圧での素子の動作性能を確認した。表5に、Cu粉を10vol%、15vol%、30vol%、50vol%添加し、2〜5kVのESD電圧を印加したときの動作性能を示す。
[表5]
Figure 2017168879
動作性能「×」とは、動作率が0〜10%である。動作性能「△」とは、動作率が10〜50%である。動作性能「〇」とは、動作率が50〜80%である。動作性能「◎」とは、動作率が80〜100%である。表5に示すように、Cu粉の添加量を15vol%以上としたとき動作性能が優れている。
(2)IR劣化耐性
第2実施例と第1比較例のIR劣化耐性の測定を行った。N=50個のサンプルに対し、IEC規格(IEC61000−4−2)に従い接触放電にて任意のESDを100回連続印加した。IR値が10kΩ以下まで低下したサンプルを故障と判断し、良品率を比較した。表6に、Cu粉を10vol%、30vol%、45vol%、50vol%添加し、8、10、12kVのESD電圧を印加したときのIR劣化耐性(良品率)を示す。
[表6]
Figure 2017168879
IR劣化耐性「×」とは、良品率が0〜10%である。IR劣化耐性「△」とは、良品率が10〜50%である。IR劣化耐性「〇」とは、良品率が50〜80%である。IR劣化耐性「◎」とは、良品率が80〜100%である。表6に示すように、Cu粉の添加量を45vol%以下としたときIR劣化耐性が良好となる。
1,1A ESD保護装置
10 セラミック素体
21 第1放電電極
22 第2放電電極
30 放電補助電極
41 第1外部電極
42 第2外部電極
50 シール層
51,51A,51B 導電成分
510A 絶縁粒子
511A 導電層
510B 導電粒子
511B 突起部
100 空洞部
G 第1放電電極と第2放電電極との間の隙間

Claims (14)

  1. ガラス成分を含むセラミック素体と、
    前記セラミック素体内に同一平面上に設けられ、互いに隙間を介して対向される第1放電電極および第2放電電極と、
    前記第1放電電極と前記第2放電電極を同一平面上で接続する放電補助電極と、
    前記放電補助電極と前記セラミック素体との間に、前記セラミック素体から前記放電補助電極にガラス成分が浸入することを防止するシール層と
    を備え、
    前記シール層は導電成分を含む、ESD保護装置。
  2. 前記セラミック素体の内部には、前記第1放電電極と前記第2放電電極との間の前記隙間を含むと共に前記シール層が面する空洞部が設けられている、請求項1に記載のESD保護装置。
  3. 前記シール層に含まれる前記導電成分の量は、前記放電補助電極に含まれる導電成分の量よりも少ない、請求項1または2に記載のESD保護装置。
  4. 前記シール層に含まれる前記導電成分の量は、15vol%以上45vol%以下である、請求項1から3の何れか一つに記載のESD保護装置。
  5. 前記シール層は、少なくとも、前記第1放電電極および前記第2放電電極に関して前記放電補助電極と反対側の領域に位置し、
    前記反対側の領域に位置するシール層のみに、前記導電成分が含まれる、請求項1から4の何れか一つに記載のESD保護装置。
  6. 前記シール層に含まれる前記導電成分は、前記第1放電電極および前記第2放電電極に含まれる導電成分と同じ材料である、請求項1から5の何れか一つに記載のESD保護装置。
  7. 前記シール層に含まれる前記導電成分の少なくとも一部は、前記空洞部に露出している、請求項2に記載のESD保護装置。
  8. 前記セラミック素体の内部には、前記第1放電電極と前記第2放電電極との間の前記隙間を含むと共に前記シール層が面する空洞部が設けられ、
    前記シール層は、少なくとも、前記第1放電電極および前記第2放電電極に関して前記放電補助電極と反対側の領域に位置し、
    前記反対側の領域に位置するシール層は、前記導電成分を含む、請求項1に記載のESD保護装置。
  9. 前記第1放電電極と前記第2放電電極とが互いに対向するX方向と、前記第1放電電極および前記第2放電電極と前記放電補助電極とが互いに対向するZ方向とを含むXZ断面において、前記空洞部のZ方向の最大距離aは、前記第1放電電極と前記第2放電電極の間の隙間のX方向の最小距離dよりも短い、請求項8に記載のESD保護装置。
  10. 前記第1放電電極と前記第2放電電極とが互いに対向するX方向と、前記第1放電電極および前記第2放電電極と前記放電補助電極とが互いに対向するZ方向とを含むXZ断面において、前記空洞部のX方向の最大距離bは、前記第1放電電極と前記第2放電電極の間の隙間のX方向の最小距離dよりも長い、請求項8または9に記載のESD保護装置。
  11. 前記同一平面に直交する方向からみて、前記シール層の外形線で囲まれた領域の面積は、前記放電補助電極の外形線で囲まれた領域の面積よりも大きい、請求項1から10の何れか一つに記載のESD保護装置。
  12. 前記同一平面に直交する方向からみて、前記放電補助電極の外形線で囲まれた領域は、前記シール層の外形線で囲まれた領域内に含まれる、請求項11に記載のESD保護装置。
  13. 前記導電成分は、絶縁粒子と前記絶縁粒子を覆う導電層とを有する、請求項1から12の何れか一つに記載のESD保護装置。
  14. 前記導電成分は、導電粒子を有し、前記導電粒子の表面に、突起部が設けられている、請求項1から12の何れか一つに記載のESD保護装置。
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