JPWO2017168708A1 - 関節用超音波処置システム - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、軟骨下骨を切削することなく軟骨のみを切削することを術者の手技に頼ることは難しい。そのため、術者は、軟骨の切削を終了した後に、意図せずに、処置対象ではない骨(軟骨下骨)を切削してしまうおそれがある。
以下、図面を参照しながらこの発明を実施するための第1の実施形態に係る関節用超音波処置システム(以下、処置システムという)について説明する。
図1は、一例となる処置システム100のブロック図である。
処置システム100は、関節用超音波処置具(以下、処置具という)1、超音波電源装置2、スピーカ3及びディスプレイ4を有する。
プローブ11は、超音波振動を伝達する。プローブ11はチタン合金材等の良振動伝達性を有する素材でロッド状に形成されている。プローブ11は、略一方向に延在する。プローブ11は、その先端に処置部111を有する。処置部111は、超音波振動により、関節における処置対象となる軟骨および/または骨を処置する。処置部111の超音波振動の周波数は、プローブ11の共振周波数に対応している。また、処置部111の超音波振動の周波数は、後述する超音波電源装置2から振動子121へ出力する電流(以下、出力電流という)及び電圧(以下、出力電圧という)の周波数に対応する。処置部111は、軟骨の処置および/または骨の処置に適した任意の形状で構成されていてもよい。なお、処置は、溶解および切削を含むものである。
振動子121は、所定の周波数の超音波振動を発生させ、超音波振動をプローブ11に伝達する。
超音波電源装置2は、コントローラ21、第1メモリ22、アンプ回路23、電流検知回路24、電圧検知回路25及び演算回路26を有する。
第1メモリ(記憶部)22は、各種情報を記憶する。一例として、第1メモリ22は、後述するように、骨を処置する際の周波数の時間変化を表す傾きの絶対値となる閾値Aを記憶する。
演算器261は、処置部111の超音波振動の周波数を測定する。演算器261は、周波数測定部ということもある。演算器261による測定例については後述する。
第2メモリ(記憶部)262は、演算器261が測定した周波数の値を一時的に記憶する。
比較器263は、所定の時間での演算器261が測定する、処置部111の超音波振動の周波数の変化を表す傾きを算出する。比較器263は、算出部ということもある。比較器263による算出例については後述する。
ディスプレイ4は、コントローラ21からの報知指示に基づいて警告メッセージを画面に表示する。
コントローラ21は、演算器261から出力電流値及び出力電圧値を受信する。コントローラ21は、出力電圧値、出力電流値及び出力電圧−出力電流間の位相差に基づいてインピーダンスを検出する。なお、インピーダンスは、処置具1自体のインピーダンスと、処置部111が接している組織に起因するインピーダンスを合わせた値である。コントローラ21は、出力電圧値、出力電流値及びインピーダンスを参照して、プローブ11の共振周波数を検知する。コントローラ21は、検知した共振周波数を出力電流及び出力電圧の周波数とするように調整する。
傾きGbは、以下で説明するように、図2に示すグラフ及び図3に示すグラフから求めることができる図4に示すグラフから導くことができる。
図4に示すグラフは、図2に示すグラフの環境温度と、図3に示すグラフのプローブ温度とを対応付けることで導くことができる。図2に示す関数F=f(T1)におけるT1に図3に示す関数T2=g(t)におけるT2を対応付けることで、時間[秒]に対するプローブの共振周波数[kHz]の関数として、F=f(g(t))が導かれる。図4によれば、皮質骨を処置する際の共振周波数は、軟骨を処置する際の共振周波数よりも低いことが分かる。また、皮質骨を処置する際の共振周波数の時間変化及び軟骨を処置する際の共振周波数の時間変化は、図3を微分することで各温度下において直線とみなすことができる。皮質骨を処置する際の共振周波数の時間変化を表す傾きGbの絶対値は、軟骨を処置する際の共振周波数の時間変化を表す傾きGcの絶対値よりも大きいことが分かる。
図5は、一例となる時間に対する出力電圧のグラフである。出力電圧は正弦波である。上述のように、出力電圧の周波数は、コントローラ21によりプローブ11の共振周波数に調整されている。そのため、骨を処置する際の出力電圧の周波数は、軟骨を処置する際の出力電圧の周波数よりも低い(図4参照)。なお、電流検知回路24が検知する出力電流の波形は、図5に示す出力電流の波形と同様である。
図6は、一例となる処置中の組織を検出するため処理を示すフローチャートである。
周波数変動の値が閾値A以上となる回数がB回以上である場合、コントローラ21は、警告信号を発生させる(ステップS107)。ステップS107では、コントローラ21は、警告信号として、振動子121による超音波振動の停止指示、及び、報知指示のうちの少なくとも何れか一方を出力する。
第1の変形例について説明する。処置システム100は、出力電圧の周波数に代えて、出力電流の周波数に基づいて処置中の組織を検出してもよい。上述のステップS101において、演算器261は、電流検知回路24が検知した出力電流をモニタする。上述のステップS102において、演算器261は、出力電圧の周波数の算出と同様に、出力電流の周波数を算出する。
第3の変形例によれば、関節用超音波処置システム100は、押し付け力量に関係なく、軟骨もしくは骨の何れを処置しているのかを精度よく検出することができる。
第4の変形例によれば、関節用超音波処置システム100は、押し付け力量に関係なく、軟骨もしくは骨の何れを処置しているのかを精度よく検出することができる。
第2の実施形態について説明する。ここでは、主として第1の実施形態と異なる部分について説明する。
第2の実施形態は、出力電圧の周波数に応じて、軟骨もしくは骨の何れを処置しているのかを検出する態様である。
図8は、一例となる処置中の組織を検出するため処理を示すフローチャートである。
コントローラ21は、定格(設定)出力(α値)を発生させる(ステップS201)。α値は、第1の実施形態で説明した基準となる出力電流及び出力電圧に相当する。
出力電圧の周波数の値が閾値(x値)以下である場合(ステップS203、Yes)、コントローラ21は、上述のステップS107と同様に、警告信号を発生させる(ステップS204)。次に、超音波電源装置2は、上述のステップS108と同様に、コントローラ21が発生させる警告信号の内容に応じて処理する(ステップS205)。
Claims (5)
- 関節用超音波処置システムにおいて、
所定の周波数の超音波振動を発生させる超音波振動子と、
前記超音波振動により骨または軟骨を処置するための処置部と、
前記処置部の前記超音波振動の周波数を測定する周波数測定部と、
所定の時間での前記周波数測定部が測定する周波数の変化を表す傾きを算出する算出部と、
前記傾きの絶対値が所定の傾きの絶対値以上に変化したかどうかを判断するコントローラと、
を有する関節用超音波処置システム。 - 前記所定の傾きの絶対値は、前記傾きの絶対値の30%増加した値である、請求項1記載の関節用超音波処置システム。
- 前記骨を処置する際の周波数の時間変化を表す傾きの絶対値となる閾値Aを記憶する記憶部と、を有し、
前記コントローラは、前記傾きの絶対値と前記閾値Aとを比較する、
請求項1記載の関節用超音波処置システム。 - 前記傾きの絶対値が前記閾値A以上である場合、前記コントローラは、前記超音波振動子による前記超音波振動の停止指示、及び、報知指示のうちの少なくとも何れか一方を出力する、請求項3に記載の関節用超音波処置システム。
- 前記閾値Aは、0.07〜0.13[kHz/s]の範囲で設定される、請求項1に記載の関節用超音波処置システム。
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