本発明は、基地局、移動局、通信システムおよび通信方法に関する。
従来、第3世代移動通信システム(3G)、第3.9世代移動通信システムに対応するLTE、第4世代移動通信システムに対応するLTE−Advanced、第5世代移動通信システム(5G)などの移動通信システムが知られている。LTEはLong Term Evolutionの略である。
また、セル内の複数のユーザの信号を無線リソース上に直交多重して同時に送信するOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access:直交周波数分割多元接続)が知られている。
また、セル内の複数のユーザの信号を同一の無線リソース上に非直交多重して同時に送信するNOMA(Non Orthogonal Multiple Access:非直交多元接続)が知られている(たとえば、下記特許文献1〜4参照。)。
また、複数のマシン型通信のデバイスが接続される無線システムにおいて、ランダムアクセスに使用可能なプリアンブル系列を含む報知情報を用いてデバイスと基地局との間で情報交換する技術が知られている(たとえば、下記特許文献5参照。)。
特開2013−9290号公報
特開2014−204277号公報
特開2013−9288号公報
特開2013−9289号公報
国際公開第2014/061537号
しかしながら、上述した従来技術では、たとえば、NOMA対応の基地局セルに、NOMA非対応の移動局や、NOMA対応であってもパスロスが大きすぎる移動局が多く接続すると、NOMAによるスループットの向上を図ることができない場合がある。
1つの側面では、本発明は、スループットの向上を図ることができる基地局、移動局、通信システムおよび通信方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明の一側面によれば、複数の移動局に対して非直交多元接続による無線伝送が可能なセルを形成する基地局が、前記セルにおいて前記非直交多元接続による無線伝送が可能なことと、前記セルにおいて前記非直交多元接続による無線伝送を行うための自局と移動局との間の無線品質に関する条件と、を報知する報知信号を送信し、前記非直交多元接続による無線伝送に対応可能な移動局が、前記基地局によって送信された前記報知信号に基づいて選択したセルに接続し、接続したセルにおいて無線通信を行う基地局、移動局、通信システムおよび通信方法が提案される。
本発明の一側面によれば、スループットの向上を図ることができるという効果を奏する。
図1は、実施の形態にかかる通信システムの一例を示す図である。
図2は、実施の形態にかかる通信システムにおけるNOMA対応セル情報およびNOMA可能品質情報の送信の一例を示す図である。
図3は、実施の形態にかかるNOMA対応の移動局によるセル選択処理の一例を示すフローチャートである。
図4は、実施の形態にかかる通信システムにおけるプリアンブル信号の送信処理の一例を示すシーケンス図である。
図5は、実施の形態にかかるNOMA対応用およびNOMA非対応用のプリアンブル信号のシーケンスの一例を示す図である。
図6は、実施の形態にかかるNOMA対応用およびNOMA非対応用のプリアンブル信号のシーケンスの他の一例を示す図である。
図7は、実施の形態にかかるNOMA対応用およびNOMA非対応用のプリアンブル信号のシーケンスのさらに他の一例を示す図である。
図8は、実施の形態にかかるNOMA対応の移動局によるプリアンブル信号の送信処理の一例を示すフローチャートである。
図9は、実施の形態にかかる通信システムにおけるユーザデータの復調・復号処理の一例を示すシーケンス図である。
図10は、実施の形態にかかるNOMA対応用およびNOMA非対応用の周波数領域の一例を示す図である。
図11は、実施の形態にかかるNOMA対応用およびNOMA非対応用のMCSの一例を示す図である。
図12は、実施の形態にかかる移動局によるユーザデータの復調・復号処理の一例を示すフローチャートである。
図13は、実施の形態にかかる基地局の一例を示す図である。
図14は、実施の形態にかかる基地局のハードウェア構成の一例を示す図である。
図15は、実施の形態にかかる移動局の一例を示す図である。
図16は、実施の形態にかかる移動局のハードウェア構成の一例を示す図である。
以下に図面を参照して、本発明にかかる基地局、移動局、通信システムおよび通信方法の実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態)
(実施の形態にかかる通信システム)
図1は、実施の形態にかかる通信システムの一例を示す図である。図1に示すように、実施の形態にかかる通信システム100は、基地局110と、移動局121,122と、を含む。基地局110は、自局に接続した各移動局の中から移動局のペア(組)を選択し、選択したペアの移動局に対してNOMA(非直交多元接続)による無線伝送が可能なセルを形成するNOMA対応の基地局(無線基地局)である。また、基地局110が形成するセルには、NOMAによる無線伝送が可能なNOMA対応のセルだけでなく、NOMAによる無線伝送が可能でないNOMA非対応のセルが含まれていてもよい。
移動局121,122は、通信システム100に接続している移動局のうち、基地局110によってNOMAのペアとして選択された移動局(無線端末)のペアである。移動局121は、基地局110からの無線伝送におけるパスロスが移動局122よりも小さい。移動局122は、基地局110からの無線伝送におけるパスロスが移動局122よりも大きい。
パスロスは、たとえば基地局110から移動局121,122へのDL(Down Link)における無線信号の損失(自由空間伝播損失)である。たとえば、パスロスは、基地局110が無線送信する参照信号の送信電力と、その参照信号に対する移動局121,122による受信電力の測定の結果と、の差分から算出される。
基地局110は、このような移動局121,122をNOMAのペアとして選択し、移動局121への信号と、移動局122への信号と、をNOMAにより多重化して無線送信する。たとえば、基地局110は、移動局121,122への各信号を同一の無線リソース(時間リソースおよび周波数リソース)により送信するとともに、移動局122への信号の送信電力を、移動局121への送信信号の送信電力より大きくする。
パスロスが小さい方の移動局121は、基地局110からの受信信号に基づいて、移動局122への信号のレプリカ信号を復号(推定)する。上述したように移動局122への信号の送信電力は移動局121への信号の送信電力より大きいため、移動局121は移動局122への信号のレプリカ信号を復号(推定)することが可能である。
移動局121は、復号したレプリカ信号に基づいて、基地局110からの受信信号から移動局122への信号を除去し、残った信号成分を自局への信号として復号する。このような復号処理として、たとえばSIC(Successive Interference Canceller:逐次干渉キャンセラ)を用いることができる。このように、移動局121は、上述のようなNOMAに対応する復号処理を行うため、NOMAによる無線伝送に対応可能な移動局(NOMA対応の移動局)であることを要する。ここで、NOMAによる無線伝送に対応可能な移動局とは、たとえば上述のようなNOMAに対応する復号処理が可能な移動局である。
一方、パスロスが大きい方の移動局122は、基地局110からの受信信号に基づいて、移動局122への信号を直接復号する。上述したように移動局122への信号の送信電力は移動局121への信号の送信電力より大きいため、移動局122は移動局122への信号を直接復号することが可能である。
したがって、移動局122は、移動局121のようなNOMAに対応する復号処理は行わなくてもよい。このため、移動局122は、NOMAによる無線伝送に対応可能な移動局(NOMA対応の移動局)であってもよいし、NOMAによる無線伝送に対応可能でない移動局(NOMA非対応の移動局)であってもよい。
通信システム100において、基地局110は、NOMA対応のセルにおいて、自セルがNOMA対応であることを示すNOMA対応セル情報を報知する。これにより、NOMA対応の移動局を、NOMA対応のセルに、NOMA非対応の他のセルより優先的に接続させることが可能になる。したがって、NOMA対応のセルにより多くのNOMA対応の移動局を接続させることができる。すなわち、NOMA対応のセルに接続する移動局におけるNOMA対応の移動局の割合を大きくし、基地局110においてNOMAのペアリングが可能な移動局の組み合わせを多くすることができる。これにより、基地局110が行う無線伝送におけるNOMAによる無線伝送の割合を多くして通信システム100における無線リソースの利用効率を向上させ、スループットの向上を図ることができる。
また、基地局110は、NOMA対応のセルにおいてNOMAによる無線伝送を行うための自局と移動局との間の無線品質(たとえばパスロス)に関する条件を示すNOMA可能品質情報を報知する。これにより、NOMA対応の移動局は、基地局110との間の無線品質が低すぎる場合にはNOMA対応のセルに接続しないようにすることができる。したがって、NOMA対応のセルにより多くのNOMA対応かつ無線品質が低すぎない移動局を接続させることができる。すなわち、NOMA対応のセルに接続する移動局における、NOMAを行うために十分な無線品質でありNOMA対応の移動局の割合を大きくし、NOMAによる無線伝送の通信品質を向上させることができる。このため、NOMA対応のセルにおけるスループットの向上を図ることができる。
さらに、基地局110は、NOMA対応の移動局121,122がランダムアクセス手順において自局へ送信するための特定のプリアンブル信号を示すNOMA対応プリアンブル情報を報知してもよい。これにより、NOMA対応の移動局121,122に対して、ランダムアクセス手順において特定のプリアンブル信号を基地局110へ送信させることができる。したがって、基地局110は、ランダムアクセス手順において送信されたプリアンブル信号が特定のプリアンブル信号であるか否かに基づいて、接続した移動局121,122がNOMA対応か否かを判別することができる。
さらに、基地局110は、NOMA対応の基地局セルにおけるNOMAによる無線伝送のための特定の伝送方法(使用する周波数帯域およびMCSの少なくともいずれか)を示すNOMA対応周波数/MCS情報を報知する。この伝送方法には、使用する周波数帯域およびMCSの少なくともいずれかが含まれる。そして、基地局110は、NOMA対応の基地局セルにおけるNOMAによる無線伝送に上述の特定の伝送方法を用いる。
(実施の形態にかかる通信システムにおけるNOMA対応セル情報およびNOMA可能品質情報の送信)
図2は、実施の形態にかかる通信システムにおけるNOMA対応セル情報およびNOMA可能品質情報の送信の一例を示す図である。図2において、基地局セル211〜214は、基地局110がオーバーレイ構成で形成する各セルであって、互いに異なる周波数帯域の各セルである。基地局セル211,212はNOMA対応の基地局セル(第1セル)であり、基地局セル213,214はNOMA非対応の基地局セル(第2セル)である。
移動局221〜223は、基地局セル211〜214の圏内に位置しており、基地局セル211〜214において無線送信される報知信号を受信可能である。移動局221,222は、NOMA対応であり、たとえば図1に示した移動局121,122のいずれかに対応する。移動局223は、NOMA非対応の移動局であり、たとえば図1に示した移動局122に対応する。また、図2に示す例では、移動局223は基地局セル212に接続している。
基地局110は、基地局セル211〜214のそれぞれにおいて、NOMA対応セル情報を含む報知信号を無線送信する。NOMA対応セル情報は、自セルがNOMA対応のセルであるかNOMA非対応のセルであるか否かを示す情報を含む。また、NOMA対応セル情報は、基地局110と隣接する他の基地局が形成するセルがNOMA対応のセルであるかNOMA非対応のセルであるか否かを示す情報をさらに含んでいてもよい。報知信号は、基地局110に接続していない移動局が受信可能なシステム情報(System information)である。
このシステム情報は、たとえばSIB(System Information Block:システム情報ブロック)やMIB(Master Information Block:マスタ情報ブロック)である。ただし、システム情報はこれに限らず、セル内の移動局に報知される各種のシステム情報とすることができる。
たとえば、基地局110は、基地局セル211において、基地局セル211がNOMA対応であることを示すNOMA対応セル情報を含む報知信号を無線送信する。また、基地局110は、基地局セル212において、基地局セル212がNOMA対応であることを示すNOMA対応セル情報を含む報知信号を無線送信する。また、基地局110は、基地局セル213において、基地局セル213がNOMA非対応であることを示すNOMA対応セル情報を含む報知信号を無線送信する。また、基地局110は、基地局セル214において、基地局セル214がNOMA非対応であることを示すNOMA対応セル情報を含む報知信号を無線送信する。
また、基地局110は、NOMA対応の基地局セル211,212のそれぞれにおいて、NOMA可能品質情報を含む報知信号を無線送信する。このNOMA可能品質情報を含む報知信号は、上述したNOMA対応セル情報を含む報知信号と同じ報知信号であってもよいし異なる報知信号であってもよい。NOMA可能品質情報は、NOMA通信が可能な通信品質の範囲を示す情報である。たとえば、NOMA可能品質情報は、基地局110から移動局へのパスロスの最大値である。または、NOMA可能品質情報は、基地局110からの無線信号の移動局における受信SIR(Signal−to−Interference Ratio:信号対雑音比)の最小値などでもよい。
たとえば、基地局110は、基地局セル211において、基地局セル211でNOMA通信が可能なパスロスの最大値を示すNOMA可能品質情報を含む報知信号を無線送信する。このパスロスは、基地局セル211における移動局端末のパスロスである。また、基地局110は、基地局セル212において、基地局セル212でNOMA通信が可能なパスロスの最大値を示すNOMA可能品質情報を含む報知信号を無線送信する。このパスロスは、基地局セル212における移動局端末のパスロスである。なお、基地局セル211,212でNOMA通信が可能な各パスロスの最大値は、それぞれ異なっていてもよいし同一であってもよい。
NOMA対応の移動局221,222は、基地局110から無線送信される報知信号に基づいて、NOMA対応の基地局セルを接続先の通信セルとして優先的に選択する。たとえば、移動局221,222は、無線品質などの基準を満たすことにより接続可能な基地局セルが複数存在し、それらの中にNOMA対応の基地局セルが含まれている場合は、NOMA対応の基地局セルを接続先として選択する。
たとえば、図2に示す例において、移動局221は、基地局セル211〜214において無線送信される各報知信号に含まれるNOMA対応セル情報に基づいて、基地局セル211,212がNOMA対応の基地局セルであると判定する。そして、基地局セル211,212における移動局221の各パスロスは、基地局セル211,212において無線送信される各報知信号に含まれるNOMA可能品質情報が示すパスロスの最大値以下であったとする。この場合に、移動局221は、基地局セル211,212のいずれも接続先として選択し得る。図2に示す例では、移動局221は基地局セル212を接続先として選択している。
移動局222は、移動局221と同様に、基地局セル211,212がNOMA対応の基地局セルであると判定する。そして、基地局セル211,212における移動局222の各パスロスは、それぞれ基地局セル211,212において無線送信される各報知信号に含まれるNOMA可能品質情報が示すパスロスの最大値より大きかったとする。この場合に、移動局222は、基地局セル211,212のいずれも接続先として選択せずに、基地局セル213,214のいずれかを接続先として選択する。図2に示す例では、移動局222は基地局セル213を接続先として選択している。
基地局110は、たとえば、基地局セル212に移動局221,223が接続しているため、たとえば基地局セル212において移動局221,223をペアとしてNOMAによる無線伝送を行う。
図2に示したように、基地局110が各基地局セルにおいてNOMA対応セル情報を報知し、NOMA対応の移動局(たとえば移動局221,222)はNOMA対応の基地局セル211,212を優先的に接続先として選択する。これにより、NOMA対応の基地局セル211,212にNOMA対応の移動局をより多く収容し、NOMA通信のためにより多くの無線リソースを用いることが可能になる。このため、無線リソースの利用効率を向上させ、通信システム100の全体のスループットの向上を図ることができる。
また、基地局110がNOMA対応の基地局セルにおいてNOMA可能品質情報を報知し、NOMA対応の移動局はNOMA可能品質情報が示す受信品質を満たさない場合はNOMA対応の基地局セルを接続先として選択しない。これにより、NOMA対応の基地局セルにおける通信品質が低いNOMA対応の移動局がNOMA対応の基地局セルを接続先として一意的に選択することを回避することができる。
ただし、この場合も、たとえばNOMA非対応の移動局223は、NOMA対応セル情報やNOMA可能品質情報に関わらずNOMA対応の基地局セルを選択し得るため、基地局110はNOMAによる伝送を行う移動局のペアを選択することができる。
たとえば、基地局110は、NOMA可能品質情報として、基地局110との間のパスロスが小さい移動局のための閾値Th#1と、基地局110との間のパスロスが大きい移動局のための閾値Th#2と、を用いてもよい。閾値Th#2は閾値Th#1より大きい値である。
基地局110との間のパスロスが小さい移動局(たとえば移動局121)は、たとえば、比較的、基地局110の近くに位置するNOMA対応の移動局である。基地局110との間のパスロスが小さい移動局を基地局110のNOMA対応の基地局セルに多く接続させることで、NOMA通信のペアリングを行う候補の母数を増やすことが可能となる。
基地局110との間のパスロスが大きい移動局(たとえば移動局122)は、たとえば、比較的、基地局110から遠く(たとえば基地局110のセル端付近)に位置する移動局である。基地局110との間のパスロスが大きすぎる移動局は、NOMA通信のペアとなる移動局として不適当となるため、なるべくNOMA対応の基地局セルに接続させないようにする。
ここで、基地局110との間のパスロスが大きすぎる移動局がNOMA通信のペアとなる移動局として不適当である理由について説明する。基地局110のセル端に近い移動局ほど、パスロスが大きくなる。このため、そのような移動局への信号の無線送信に使用される無線リソースのほとんどは、その移動局への信号を無線送信するためだけに使用される。なお、無線リソースは、たとえばLTEにおける物理リソースブロック(Physical Resource Block)に相当する。
このようなパスロスが大きい移動局の信号を、パスロスが小さい移動局の信号と非直交多重する場合に、パスロスが大きい移動局に割り当てられる送信電力が減少し、受信信号の電力が所要値を下回る状況が発生し得る。また、同時に、パスロスが小さい移動局への信号送信にも十分な送信電力を割り当てられなくなる状況になる。
この状況を解決するため、通信システム100においては、たとえば、報知信号で通知されたNOMA可能品質情報に含まれる閾値Th#2よりパスロスが大きいNOMA対応の移動局はNOMA対応の基地局セルを接続先として選択しないようにする。
図2に示したように、移動局221,222のセル選択論理において、NOMA対応の移動局のうちパスロスが小さい移動局を、NOMA対応の基地局セルに優先的に割り当て、NOMA対応とNOMA非対応の移動局の基地局セルを仕分ける。これにより、NOMA適用の効率を上げて、通信システム100における全体のスループットを向上させることが可能になる。NOMA適用の効率を上げるとは、たとえば、NOMAによる無線伝送を行うペアが成立する確率を上げて、基地局110が行う全体の無線伝送におけるNOMAによる無線伝送の割合を大きくすることである。
基地局110が基地局セル211〜214のそれぞれにおいてNOMA対応セル情報を含む報知信号を無線送信する場合について説明したが、このような構成に限らない。たとえば、基地局110は、NOMA対応の基地局セル211,212においてはNOMA対応セル情報を含む報知信号を無線送信し、NOMA非対応の基地局セル213,214においてはNOMA対応セル情報を含む報知信号を無線送信しなくてもよい。この場合は、移動局221,222は、報知信号にNOMA対応セル情報が含まれていない基地局セルはNOMA非対応であると判定する。
(実施の形態にかかるNOMA対応の移動局によるセル選択処理)
図3は、実施の形態にかかるNOMA対応の移動局によるセル選択処理の一例を示すフローチャートである。図3においてはNOMA対応の移動局221による処理について説明するが、他のNOMA対応の移動局(たとえば移動局222)の処理についても同様である。NOMA対応の移動局221は、接続先の通信セルを選択するセル選択処理として、たとえば図3に示す各ステップを実行する。
まず、移動局221は、基地局110からの各基地局セルにおける報知信号(システム情報)を受信する(ステップS301)。つぎに、移動局221は、ステップS301によって受信した報知信号に含まれるNOMA対応セル情報に基づいて、通信可能な基地局セルにNOMA対応の基地局セルがあるか否かを判断する(ステップS302)。通信可能な基地局セルとは、たとえば、移動局221における通信品質の測定結果が所定品質を満たしている基地局セルである。
ステップS302において、通信可能な基地局セルにNOMA対応の基地局セルがない場合(ステップS302:No)は、移動局221は、ステップS303へ移行する。すなわち、移動局221は、通信可能な基地局セルのうちのNOMA非対応の基地局セルを通信セルとして選択し(ステップS303)、一連の処理を終了する。
ステップS302において、通信可能な基地局セルにNOMA対応の基地局セルがある場合(ステップS302:Yes)は、移動局221は、通信可能な基地局セルにNOMA対応の基地局セルが複数あるか否かを判断する(ステップS304)。NOMA対応の基地局セルが複数ある場合(ステップS304:Yes)は、移動局221は、複数のNOMA対応の基地局セルのうちの自局におけるDLのパスロスが最も小さい基地局セルを選択する(ステップS305)。
つぎに、移動局221は、ステップS305によって選択した基地局セルの自局におけるDLのパスロスが閾値Th#1以下か否かを判断する(ステップS306)。閾値Th#1は、ステップS301によって受信した報知信号に含まれるNOMA可能品質情報が示す閾値である。
ステップS306において、パスロスが閾値Th#1以下である場合(ステップS306:Yes)は、移動局221は、ステップS305によって選択した基地局セル(NOMA対応)を通信セルとして選択し(ステップS307)、一連の処理を終了する。この場合は、移動局221は、ステップS307によって選択して接続した基地局セルにおけるNOMA通信時に、上述したNOMAのペアにおけるパスロスが小さい方の移動局121として動作する。
ステップS306において、パスロスが閾値Th#1以下でない場合(ステップS306:No)は、移動局221は、ステップS308へ移行する。すなわち、移動局221は、ステップS305によって選択した基地局セルの自局におけるDLのパスロスが閾値Th#2より大きいか否かを判断する(ステップS308)。閾値Th#2は、ステップS301によって受信した報知信号に含まれるNOMA可能品質情報が示す閾値であって、たとえば閾値Th#1より大きい閾値である。
ステップS308において、パスロスが閾値Th#2より大きい場合(ステップS308:Yes)は、移動局221は、通信可能な基地局セルのうちのNOMA非対応の基地局セルを通信セルとして選択し(ステップS309)、一連の処理を終了する。パスロスが閾値Th#2より大きくない場合(ステップS308:No)は、移動局221は、ステップS305によって選択した基地局セル(NOMA対応)を通信セルとして選択し(ステップS310)、一連の処理を終了する。この場合は、移動局221は、ステップS307によって選択して接続した基地局セルにおけるNOMA通信時に、上述したNOMAのペアにおけるパスロスが大きい方の移動局122として動作する。
ステップS304において、NOMA対応の基地局セルが複数ない場合(ステップS304:No)は、移動局221は、ステップS311へ移行する。すなわち、移動局221は、通信可能でNOMA対応の1つの基地局セルの自局におけるDLのパスロスが閾値Th#1以下か否かを判断する(ステップS311)。パスロスが閾値Th#1以下である場合(ステップS311:Yes)は、移動局221は、通信可能でNOMA対応の1つの基地局セルを通信セルとして選択し(ステップS312)、一連の処理を終了する。この場合は、移動局221は、ステップS312によって選択して接続した基地局セルにおけるNOMA通信時に、上述したNOMAのペアにおけるパスロスが小さい方の移動局121として動作する。
ステップS311において、パスロスが閾値Th#1以下でない場合(ステップS311:No)は、移動局221は、ステップS313へ移行する。すなわち、移動局221は、通信可能でNOMA対応の1つの基地局セルの自局におけるDLのパスロスが閾値Th#2より大きいか否かを判断する(ステップS313)。
ステップS313において、パスロスが閾値Th#2より大きい場合(ステップS313:Yes)は、移動局221は、通信可能な基地局セルのうちのNOMA非対応の基地局セルを通信セルとして選択し(ステップS314)、一連の処理を終了する。パスロスが閾値Th#2より大きくない場合(ステップS313:No)は、移動局221は、通信可能でNOMA対応の1つの基地局セルを通信セルとして選択し(ステップS315)、一連の処理を終了する。この場合は、移動局221は、ステップS315によって選択して接続した基地局セルにおけるNOMA通信時に、上述したNOMAのペアにおけるパスロスが大きい方の移動局122として動作する。
図1〜図3に示したように、基地局110は、NOMA対応の基地局セル211,212にて、NOMA対応である旨とNOMA適用のための無線品質の条件を報知する。これにより、NOMA対応で無線品質が低すぎない(たとえばパスロスが閾値Th#2以下の)移動局をNOMA対応の基地局セル211,212に多く接続させることができる。このため、NOMAによって通信システム100におけるスループットを高くできる。
(実施の形態にかかる通信システムにおけるプリアンブル信号の送信処理)
図4は、実施の形態にかかる通信システムにおけるプリアンブル信号の送信処理の一例を示すシーケンス図である。実施の形態における通信システム100においては、たとえば図4に示す各ステップが実行される。図4においてはNOMA対応の移動局221による処理について説明するが、他のNOMA対応の移動局(たとえば移動局222)の処理についても同様である。
まず、基地局110が、基地局セル211〜214のそれぞれにおいて、NOMA対応プリアンブル情報を含む報知信号を無線送信する(ステップS401)。NOMA対応プリアンブル情報は、NOMA対応の移動局がPRACH(Physical Random Access Channel)によるランダムアクセス手順において送信すべきプリアンブル信号のシーケンス(識別情報)を示す情報である。
つぎに、移動局221が、ステップS401によって基地局110から無線送信された報知信号からNOMA対応プリアンブル情報を取得する(ステップS402)。たとえば、移動局221は、図3に示した処理によって接続先の通信セルとして選択した基地局110の基地局セルにおいて基地局110から無線送信された報知信号からNOMA対応プリアンブル情報を取得する。これにより、NOMA対応の移動局221が接続する基地局セルへ接続するためのランダムアクセス手順において送信すべきプリアンブル信号のシーケンスを得ることができる。
つぎに、移動局221が、ステップS402によって取得したNOMA対応プリアンブル情報が示すランダムアクセス手順のプリアンブル信号のシーケンスのうちのいずれかのシーケンスを選択する。そして、移動局221は、選択したシーケンスに基づくランダムアクセス手順のプリアンブル信号を生成し、生成したプリアンブル信号を、ランダムアクセス要求(Msg1)としてPRACHにより基地局110へ無線送信する(ステップS403)。
つぎに、基地局110は、ステップS403によって移動局221から送信されたプリアンブル信号のシーケンスに基づいて、移動局221がNOMA対応であることを判別する(ステップS404)。また、基地局110および移動局221は、ランダムアクセス手順におけるMsg2以降の送受信を行うことで、移動局221の基地局110の基地局セルへの接続を完了する。
基地局110は、自セルに接続した移動局221について、ステップS404においてNOMA対応であることを判別しているため、NOMA通信のペアにおけるパスロスが小さい方の移動局121の候補に移動局221を加える。
(実施の形態にかかるNOMA対応用およびNOMA非対応用のプリアンブル信号のシーケンス)
図5は、実施の形態にかかるNOMA対応用およびNOMA非対応用のプリアンブル信号のシーケンスの一例を示す図である。図5に示すシーケンスリスト500は、基地局110のNOMA対応の基地局セルへ接続するためのランダムアクセス手順のランダムアクセス要求として使用可能なプリアンブル信号のシーケンスを示す。
シーケンスリスト500に示すように、ある基地局セルにおいて、ランダムアクセス手順のプリアンブル信号のシーケンスには、サイクリックシフト(cyclic shift)が異なる64個のシーケンスが含まれる。図5に示す例では64個のシーケンスをプリアンブルシーケンス#0〜#63とする。
また、64個のシーケンスのうち、プリアンブルシーケンス#0〜#nはNOMA非対応用のプリアンブルシーケンスとして設定され、プリアンブルシーケンス#n+1〜#63はNOMA対応用のプリアンブルシーケンスとして設定されている。nは、たとえば0〜62の自然数である。
この場合に、基地局110は、上述したNOMA対応プリアンブル情報として、NOMA対応用のプリアンブルシーケンス#n+1〜#63を特定可能な情報を報知信号によって送信する。たとえば、基地局110は、プリアンブルシーケンス#n+1〜#63を列挙した情報をNOMA対応プリアンブル情報として送信する。
または、基地局110は、たとえばNOMA非対応用とNOMA対応用との境界を示すn(またはn+1)をNOMA対応プリアンブル情報として送信してもよい。この場合は、移動局221,222は、NOMA対応プリアンブル情報が示すn(またはn+1)に基づいて、プリアンブルシーケンス#n+1〜#63がNOMA対応用のプリアンブル信号のシーケンスであると判別する。
たとえば、NOMA対応の移動局221,222は、基地局110のNOMA対応の基地局セルへ接続する際に、NOMA対応プリアンブル情報によって特定したプリアンブルシーケンス#n+1〜#63のいずれかを選択する。そして、移動局221,222は、選択したプリアンブルシーケンスに基づくプリアンブル信号を、ランダムアクセス手順におけるランダムアクセス要求(Msg1)として使用する。
基地局110は、自セルに接続した移動局221,222がランダムアクセス手順において送信したプリアンブル信号のシーケンスを取得する。そして、基地局110は、取得したシーケンスがプリアンブルシーケンス#n+1〜#63に含まれていることにより、移動局221,222がNOMA対応であると判別する。
図6は、実施の形態にかかるNOMA対応用およびNOMA非対応用のプリアンブル信号のシーケンスの他の一例を示す図である。図6において、図5に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
図6に示す例では、64個のシーケンスのうち、プリアンブルシーケンス#0,#1,#3〜#n,#63はNOMA非対応用のプリアンブルシーケンスとして設定されている。また、プリアンブルシーケンス#2,#n+1〜#62はNOMA対応用のプリアンブルシーケンスとして設定されている。図5,図6に示すように、64個のシーケンスのうちのNOMA非対応用のプリアンブルシーケンスとNOMA対応用のプリアンブルシーケンスの割当方法は任意の割当方法とすることができる。
図7は、実施の形態にかかるNOMA対応用およびNOMA非対応用のプリアンブル信号のシーケンスのさらに他の一例を示す図である。図7において、図5,図6に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
図7に示す例では、64個のシーケンスのうち、プリアンブルシーケンス#0〜#nはNOMA非対応用のプリアンブルシーケンスとして設定され、プリアンブルシーケンス#n+1〜#63はNOMA対応用のプリアンブルシーケンスとして設定されている。さらに、図7に示す例では、プリアンブルシーケンス#n+1〜#63のうち、プリアンブルシーケンス#n+1〜#mはNOMA対応用のプリアンブルシーケンスのサブグループ#1として設定されている。また、プリアンブルシーケンス#m+1〜#63はNOMA対応用のプリアンブルシーケンスのサブグループ#2として設定されている。mは、たとえばn+2〜62の自然数である。
この場合に、基地局110は、上述したNOMA対応プリアンブル情報として、NOMA対応用のサブグループ#1のシーケンスと、NOMA対応用のサブグループ#2のシーケンスと、を特定可能な情報を報知信号によって送信する。たとえば、基地局110は、サブグループ#1のプリアンブルシーケンス#n+1〜#mと、サブグループ#2のプリアンブルシーケンス#m+1〜#63と、をそれぞれ区別可能なように列挙した情報をNOMA対応プリアンブル情報として送信する。
または、基地局110は、たとえばNOMA非対応用とNOMA対応用との境界を示すn(またはn+1)およびサブグループ#1,#2の境界を示すm(またはm+1)をNOMA対応プリアンブル情報として送信してもよい。この場合は、移動局221,222は、NOMA対応プリアンブル情報が示すn(またはn+1)に基づいて、プリアンブルシーケンス#n+1〜#63がNOMA対応用のプリアンブル信号のシーケンスであると判別する。また、移動局221,222は、NOMA対応プリアンブル情報が示すm(またはm+1)に基づいて、プリアンブルシーケンス#n+1〜#mがサブグループ#1であり、プリアンブルシーケンス#m+1〜#63がサブグループ#2であると判別する。
サブグループ#1のプリアンブルシーケンスは、NOMA対応であり、かつ基地局110との間のDLの通信品質が所定品質以上である移動局がPRACHによるランダムアクセス手順において送信すべきプリアンブル信号のシーケンスである。サブグループ#1のプリアンブルシーケンスは、NOMA対応であり、かつ基地局110との間のDLの通信品質が所定品質未満である移動局がPRACHによるランダムアクセス手順において送信すべきプリアンブル信号のシーケンスである。
たとえば、DLの通信品質が所定品質以上とは、DLのパスロス(伝搬路損失)が閾値X[dB]以下であることとし、DLの通信品質が所定品質未満とは、DLのパスロスが閾値X[dB]より大きいこととすることができる。または、DLの通信品質が所定品質以上とは、DLのSIRが閾値Y[dB]以上であることとし、DLの通信品質が所定品質未満とは、DLのSIRが閾値Y[dB]未満であることとしてもよい。
図7に示したように、NOMA対応用のPRACHのプリアンブルシーケンスを2つのサブグループ(Subgroup)に分けて設定し、NOMA対応の移動局は、DLのパスロスに応じたサブグループのプリアンブルシーケンスを選択する。これにより、NOMA対応であるか否かだけでなく、NOMA送信時のペア端末としてすぐ選択可能であるか否かを基地局110へ間接的に通知することが可能になる。
(実施の形態にかかるNOMA対応の移動局によるプリアンブル信号の送信処理)
図8は、実施の形態にかかるNOMA対応の移動局によるプリアンブル信号の送信処理の一例を示すフローチャートである。図8においてはNOMA対応の移動局221による処理について説明するが、他のNOMA対応の移動局(たとえば移動局222)の処理についても同様である。実施の形態にかかるNOMA対応の移動局221は、たとえば、図3に示した各ステップによって通信セルとして基地局セルを選択した後に、図8に示す各ステップを実行する。
まず、移動局221は、通信セルとして選択した基地局セルにおける基地局110からの報知信号を受信する(ステップS801)。つぎに、移動局221は、ステップS801によって受信した報知信号に含まれるNOMA対応プリアンブル情報を参照し、NOMA対応用のシーケンスと、NOMA非対応用のシーケンスと、を分類する(ステップS802)。
つぎに、移動局221は、ステップS802によって分類したNOMA対応用のシーケンスを自局のメモリに記憶する(ステップS803)。また、ステップS803において、移動局221は、NOMA対応プリアンブル情報にサブグループ(たとえば図7参照)の情報がある場合は、サブグループの情報を自局のメモリに記憶する。
つぎに、移動局221は、通信セルとして選択した基地局セルに対するRACHシーケンス(通信要求)が発生したか否かを判断し(ステップS804)、RACHシーケンスが発生するまで待つ(ステップS804:Noのループ)。RACH(Random Access Channel)シーケンスは、基地局110との間の通信を要求する移動局221による通信要求に基づき発生する。ステップS804において、RACHシーケンスが発生すると(ステップS804:Yes)、移動局221は、ステップS803において記憶したサブグループの情報があるか否かを判断する(ステップS805)。
ステップS805において、サブグループの情報がない場合(ステップS805:No)は、移動局221は、ステップS803によって記憶したNOMA対応用のシーケンスのいずれかのシーケンスを選択する。そして、移動局221は、選択したシーケンスに基づくプリアンブル信号を生成して基地局110へ送信し(ステップS806)、一連の処理を終了する。
ステップS805において、サブグループの情報がある場合(ステップS805:Yes)は、移動局221は、通信セルとして選択した基地局セルにおけるDLのパスロスを測定する。そして、移動局221は、測定したパスロスが閾値X以下であるか否かを判断する(ステップS807)。
ステップS807において、パスロスが閾値X以下である場合(ステップS807:Yes)は、移動局221は、ステップS803によって記憶したNOMA対応用のサブグループ#1のシーケンスのいずれかのシーケンスを選択する。そして、移動局221は、選択したシーケンスに基づくプリアンブル信号を生成して基地局110へ送信し(ステップS808)、一連の処理を終了する。
ステップS807において、パスロスが閾値X以下でない場合(ステップS807:No)は、移動局221は、ステップS803によって記憶したNOMA対応用のサブグループ#2のシーケンスのいずれかのシーケンスを選択する。そして、移動局221は、選択したシーケンスに基づくプリアンブル信号を生成して基地局110へ送信し(ステップS809)、一連の処理を終了する。
図4〜図8において説明したように、基地局110から送信する報知信号(システム情報)に、NOMA対応の移動局が選択すべきPRACHのプリアンブル信号のシーケンスを示すNOMA対応プリアンブル情報を含めてもよい。
NOMA対応の移動局221,222は、基地局110から送信される報知信号に含まれるNOMA対応プリアンブル情報が示すNOMA対応用のシーケンスの中から1つのシーケンスを選択する。そして、移動局221,222は、選択したシーケンスを使用してPRACHのプリアンブル信号を生成し、生成したプリアンブル信号を基地局110へ送信する。
基地局110は、移動局221,222から送信されるPRACHのプリアンブル信号を受信してそのシーケンスを特定することにより、移動局221,222がNOMA対応の移動局であることを判別することができる。これにより、基地局110は、たとえば移動局221,222を上述したパスロスが大きい方の移動局121としてNOMAのペアリングを行うことができる。
このように、基地局110は、NOMA対応のセルに接続する際のランダムアクセス手順におけるプリアンブル信号のうち、NOMA対応の移動局221,222が自局へ送信するための特定のプリアンブル信号を示すNOMA対応プリアンブル情報を報知する。NOMA対応の移動局221,222は、基地局110から報知されたNOMA対応プリアンブル情報に基づいて、NOMA対応の基地局セル211,212に接続するためのランダムアクセス手順において特定のプリアンブル信号を基地局110へ送信する。基地局110は、NOMA対応のセルに接続する際のランダムアクセス手順において送信されたプリアンブル信号が特定のプリアンブル信号であるか否かに基づいて、NOMAによる無線伝送を行う移動局の選択(ペアリング)を行う。
また、図7,図8に示したように、基地局110は、自局と移動局との間の無線品質に応じてグループ分けされた特定のプリアンブル信号(#n+1〜#m,#m〜#63)を示すNOMA対応プリアンブル情報を報知してもよい。この場合に、NOMA対応の移動局221,222は、ランダムアクセス手順において、特定のプリアンブル信号のうちの、自局と基地局110との間の無線品質に応じたグループのプリアンブル信号を基地局110へ送信する。
基地局110は、NOMA対応のセルに接続する際のランダムアクセス手順において送信されたプリアンブル信号が特定のプリアンブル信号であるか否かに基づいて、NOMAによる無線伝送を行う移動局の選択(ペアリング)を行う。また、基地局110は、NOMA対応のセルに接続する際のランダムアクセス手順において送信された特定のプリアンブル信号がいずれのグループのプリアンブル信号であるかによって、そのプリアンブル信号を送信した移動局と自局との間の無線品質を判定する。たとえば、基地局110は、この無線品質の判定結果を、NOMAによる無線伝送を行う移動局の選択(ペアリング)に用いてもよいし、他の処理に用いてもよい。
(実施の形態にかかる通信システムにおけるユーザデータの復調・復号処理)
図9は、実施の形態にかかる通信システムにおけるユーザデータの復調・復号処理の一例を示すシーケンス図である。実施の形態における通信システム100においては、ユーザデータの復調・復号処理として、たとえば図9に示す各ステップが実行される。図9においてはNOMA対応の移動局221による処理について説明するが、他のNOMA対応の移動局(たとえば移動局222)の処理についても同様である。
まず、基地局110が、NOMA対応周波数/MCS情報を含む報知信号を無線送信する(ステップS901)。NOMA対応周波数/MCS情報は、NOMAによるDLの無線伝送に用いられる所定の周波数領域およびMCS(Modulation and Coding Scheme:変調・符号化方式)を示す情報である。MCSは、変調方式や符号化方式などの通信方式を示すインデックスである。つぎに、移動局221が、ステップS901によって基地局110から無線送信された報知信号からNOMA対応周波数/MCS情報を取得する(ステップS902)。
つぎに、基地局110が、移動局221へのユーザデータを無線送信する(ステップS903)。ステップS903において、基地局110は、NOMAによってユーザデータを送信する場合は、上述したNOMA対応周波数/MCS情報が示す周波数領域およびMCSを用いてユーザデータを送信する。また、基地局110は、NOMAによらずに(たとえばOFDMAにより)ユーザデータを送信する場合は、上述したNOMA対応周波数/MCS情報が示す周波数領域およびMCSとは異なる周波数領域およびMCSを用いてユーザデータを送信する。
ステップS903によるユーザデータの送信に用いられる周波数領域およびMCSは、たとえばDLの制御情報によって基地局110から移動局221へ送信される。DLの制御情報には、たとえばPDCCH(Physical Downlink Control Channel:物理下りリンク制御チャネル)を用いることができる。
つぎに、移動局221が、ステップS903において基地局110から無線送信されたユーザデータの周波数領域およびMCSを判定する。この判定は、たとえば基地局110から移動局221へ送信されたDLの制御情報に基づいて行うことができる。また、移動局221は、ステップS902によって取得したNOMA対応周波数/MCS情報と、判定した周波数領域およびMCSと、に基づいて、このユーザデータがNOMAにより送信されたか否かを判定する。そして、移動局221は、判定結果に基づいて、ステップS903において基地局110から無線送信されたユーザデータの復調および復号を行う(ステップS904)。
ステップS904において、たとえば、移動局221は、判定した周波数領域およびMCSが、NOMA対応周波数/MCS情報が示す周波数領域およびMCSに含まれていた場合は、ユーザデータがNOMAにより送信されたと判定する。この場合は、移動局221は、ユーザデータの復調および復号をNOMAに対応する方式で行う。たとえば、移動局221は、基地局110からの受信信号から、自局とペアになったパスロスが大きい移動局122への信号のレプリカ信号を復号する。そして、移動局221は、復号したレプリカ信号に基づいて、基地局110からの受信信号から移動局122への信号を除去し、残った信号成分を自局への信号として復号する。
また、移動局221は、判定した周波数領域およびMCSが、NOMA対応周波数/MCS情報が示す周波数領域およびMCSに含まれていない場合は、ユーザデータがたとえばOFDMAにより送信されたと判定する。この場合は、移動局221は、ユーザデータの復調および復号をOFDMAに対応する方式で行う。
(実施の形態にかかるNOMA対応用およびNOMA非対応用の周波数領域)
図10は、実施の形態にかかるNOMA対応用およびNOMA非対応用の周波数領域の一例を示す図である。図10において、横軸は周波数を示す。システム帯域1010は、基地局110がNOMA対応の基地局セルにおいて使用可能な周波数領域である。システム帯域1010の帯域幅は、たとえば20[MHz]である。
システム帯域1010は、リソースブロック(Resource Block)に分割されている。リソースブロックは、システム帯域1010の帯域幅によらず一定である。また、セル内で使用できるリソースブロックの数は、システム帯域1010の帯域幅に依存する。たとえば、帯域幅が20[MHz]のシステム帯域1010においては、100個のリソースブロックが使用可能である。各リソースブロックは、リソースブロック番号によって識別可能である。
図10に示す例では、システム帯域1010のうちの周波数領域1011は、NOMA対応用の周波数領域に設定されている。また、システム帯域1010のうちの周波数領域1012,1013は、NOMA非対応用の周波数領域に設定されている。
この場合に、基地局110は、上述したNOMA対応周波数/MCS情報として、NOMA対応用の周波数領域1011と、NOMA非対応用の周波数領域1012,1013と、を特定可能な情報を報知信号によって送信する。たとえば、基地局110は、NOMA対応用の周波数領域1011と、NOMA非対応用の周波数領域1012,1013と、を示す情報をNOMA対応周波数/MCS情報として送信する。このようなNOMA対応周波数/MCS情報は、たとえばリソースブロック番号ごとにNOMA対応用か否かを示すビットマップ等により実現することができる。
(実施の形態にかかるNOMA対応用およびNOMA非対応用のMCS)
図11は、実施の形態にかかるNOMA対応用およびNOMA非対応用のMCSの一例を示す図である。図11に示すMCSテーブル1100は、基地局110がDLのユーザデータを送信する際に使用可能なMCSを示す。MCSテーブル1100には、MCSインデックスとして0〜31が含まれる。
MCSテーブル1100におけるMCSインデックスのそれぞれには、モジュレーションオーダ(modulation order)およびTBS(Transport block size)インデックスが対応付けられている。モジュレーションオーダは、変調方式を指示する情報である。TBSインデックスは、トランスポートブロックのサイズを指示する情報である。基地局110は、スケジューリングにおいて、移動局との間の通信にいずれのMCSを使用するかを選択する。
図11に示す例では、MCSテーブル1100の各MCSインデックスのうちの0〜10,21〜31がNOMA非対応用のMCSに設定されている。ただし、図11に示す例では、MCSテーブル1100の各MCSインデックスのうちの29〜31は、リザーブド(reserved)になっており使用されない。また、MCSテーブル1100の各MCSインデックスのうちの11〜20がNOMA対応用のMCSに設定されている。
この場合に、基地局110は、上述したNOMA対応周波数/MCS情報として、NOMA非対応用のMCSインデックス(0〜10,21〜31)と、NOMA対応用のMCSインデックス(11〜20)と、を特定可能な情報を報知信号によって送信する。たとえば、基地局110は、NOMA対応用のMCSインデックスの範囲と、NOMA非対応用のMCSインデックスの各範囲と、をNOMA対応周波数/MCS情報として送信する。このようなNOMA対応周波数/MCS情報は、たとえばMCSインデックスごとにNOMA対応用か否かを示すビットマップ等により実現することができる。
(実施の形態にかかる移動局によるユーザデータの復調・復号処理)
図12は、実施の形態にかかる移動局によるユーザデータの復調・復号処理の一例を示すフローチャートである。図12においてはNOMA対応の移動局221による処理について説明するが、他のNOMA対応の移動局(たとえば移動局222)の処理についても同様である。実施の形態にかかる移動局221は、たとえば、図8に示した処理で送信したプリアンブル信号に基づくランダムアクセス手順によって基地局110の基地局セルに接続した後に、図12に示す各ステップを実行する。
まず、移動局221は、接続した基地局セルにおける基地局110からの報知信号を受信する(ステップS1201)。つぎに、移動局221は、ステップS1201によって受信した報知信号に含まれるNOMA対応周波数/MCS情報を参照し、NOMA対応用の周波数領域およびMCSを特定する(ステップS1202)。つぎに、移動局221は、ステップS1202によって特定したNOMA対応用の周波数領域およびMCSを自局のメモリに記憶する(ステップS1203)。
つぎに、移動局221は、接続した基地局セルにおいて、基地局110からユーザデータを受信したか否かを判断し(ステップS1204)、基地局110からユーザデータを受信するまで待つ(ステップS1204:Noのループ)。基地局110からユーザデータを受信すると(ステップS1204:Yes)、移動局221は、ステップS1205へ移行する。すなわち、移動局221は、受信したユーザデータに使用された周波数帯域が、ステップS1203により記憶したNOMA対応用の周波数領域に含まれるか否かを判断する(ステップS1205)。
ステップS1205において、NOMA対応用の周波数領域に含まれない場合(ステップS1205:No)は、移動局221は、ステップS1204において受信したユーザデータがNOMAによらずにOFDMAにより送信されたと判別する。この場合は、移動局221は、ステップS1204において受信したユーザデータの復調および復号をOFDMA方式で実施し(ステップS1206)、一連の処理を終了する。
ステップS1205において、NOMA対応用の周波数領域に含まれる場合(ステップS1205:Yes)は、移動局221は、ステップS1207へ移行する。すなわち、移動局221は、受信したユーザデータに使用されたMCSが、ステップS1203によって記憶したNOMA対応用のMCSに含まれるか否かを判断する(ステップS1207)。
ステップS1207において、NOMA対応用のMCSに含まれない場合(ステップS1207:No)は、移動局221は、ステップS1204において受信したユーザデータがNOMAによらずにOFDMAにより送信されたと判別する。この場合は、移動局221は、ステップS1204において受信したユーザデータの復調および復号をOFDMA方式で実施し(ステップS1208)、一連の処理を終了する。
ステップS1207において、NOMA対応用のMCSに含まれる場合(ステップS1207:Yes)は、移動局221は、ステップS1204において受信したユーザデータがNOMAにより送信されたと判別する。この場合は、移動局221は、ステップS1204において受信したユーザデータの復調および復号をNOMA方式で実施し(ステップS1209)、一連の処理を終了する。
図9〜図12において説明したように、基地局110から送信される報知信号に、NOMA通信の適用が可能な周波数領域と、NOMA通信に適用可能なMCS範囲と、を示すNOMA対応周波数/MCS情報を含める。これに対して、NOMA対応の移動局221,222は、基地局110からの報知信号に含まれるNOMA対応周波数/MCS情報を取得する。そして、移動局221,222は、基地局110から送信される無線データ信号が送信されている周波数帯域と、その無線データ信号に適用されているMCSから、その無線データ信号がNOMAにより送信されたか否かを判別する。
これにより、基地局110が送信する無線データ信号にNOMAを適用しているか否かをDLの制御情報によって直接的に移動局221,222に通知しなくても、移動局221,222はNOMAが適用されているか否かを判別できる。ただし、基地局110が送信する無線データ信号にNOMAを適用しているか否かをDLの制御情報によって直接的に移動局221,222に通知する構成としてもよい。
このように、基地局110は、NOMA対応の基地局セル211,212におけるNOMAによる無線伝送のための特定の伝送方法を示すNOMA対応周波数/MCS情報を無線信号により報知する。そして、基地局110は、NOMA対応の基地局セル211,212におけるNOMAによる無線伝送に、NOMA対応周波数/MCS情報が示す特定の伝送方法を用いる。これにより、NOMAによる無線伝送の送信先の移動局221は、基地局110から受信したデータの伝送方法に基づいてNOMAが適用されていると判定し、NOMAによる無線伝送に対応した復号方式によってデータを復号することができる。
図9〜図12に示す例では、周波数領域およびMCS範囲をNOMA対応およびNOMA非対応に分ける構成について説明したが、周波数領域およびMCS範囲のいずれかのみをNOMA対応およびNOMA非対応に分ける構成としてもよい。この場合は、基地局110は、NOMA対応周波数/MCS情報に代えて、NOMA対応の基地局セル211,212におけるNOMAによる無線伝送のための特定の周波数領域または特定のMCSを示す情報を報知してもよい。
たとえば、基地局110は、NOMA対応の基地局セル211,212におけるNOMAによる無線伝送に、報知する情報が示す特定の周波数領域を用いる。これにより、NOMAによる無線伝送の送信先の移動局221は、基地局110から受信したデータの周波数帯に基づいてNOMAが適用されていると判定し、NOMAによる無線伝送に対応した復号方式によってデータを復号することができる。
または、基地局110は、NOMA対応の基地局セル211,212におけるNOMAによる無線伝送に、報知する情報が示す特定のMCSを用いる。これにより、NOMAによる無線伝送の送信先の移動局221は、基地局110から受信したデータのMCSに基づいてNOMAが適用されていると判定し、NOMAによる無線伝送に対応した復号方式によってデータを復号することができる。
(実施の形態にかかる基地局)
図13は、実施の形態にかかる基地局の一例を示す図である。図13に示すように、実施の形態にかかる基地局110は、たとえば、アンテナ1310と、無線通信部1320と、信号処理部1330と、制御部1340と、有線通信部1350と、を備える。また、基地局110は、NOMA対応判別部1360と、ファイル/システムデータ管理部1370と、報知情報記憶部1380と、を備える。
アンテナ1310は、移動局(たとえば移動局121,122)から無線送信された信号を受信し、受信した信号を無線通信部1320へ出力する。また、アンテナ1310は、無線通信部1320から出力された信号を移動局(たとえば移動局121,122)へ無線送信する。
無線通信部1320は、アンテナ1310を用いた無線通信を行う。たとえば、無線通信部1320は、無線復調部1321と、無線変調部1322と、を備える。無線復調部1321は、アンテナ1310から出力された信号を復調し、復調した信号を信号処理部1330へ出力する。無線変調部1322は、信号処理部1330から出力された信号に基づく変調を行い、変調により得られた信号をアンテナ1310へ出力する。
また、無線通信部1320は、アンテナ1310から出力された信号を増幅する増幅器、増幅した信号をベースバンド帯に周波数変換する周波数変換器、周波数変換した信号をデジタル信号に変換するデジタル変換器などを備えていてもよい。この場合に、無線復調部1321は、デジタル変換器によってデジタル信号に変換された信号を復調する。
また、無線通信部1320は、無線変調部1322の変調により得られた信号をアナログ信号に変換するアナログ変換器、アナログ信号に変換された信号を高周波帯に周波数変換する周波数変換器、周波数変換した信号を増幅する増幅器などを備えていてもよい。この場合は、増幅器によって増幅された信号がアンテナ1310へ出力される。
信号処理部1330は、無線通信部1320によって送受信される信号のベースバンド処理を行う。信号処理部1330によるベースバンド処理には、たとえば、無線通信部1320から出力された信号の復号処理や、基地局110が送信するデータを符号化し、符号化により得られた信号を無線通信部1320へ出力する処理が含まれる。
制御部1340は、基地局110における通信の制御を行う。制御部1340における通信の制御には、たとえば、基地局110と移動局(たとえば移動局121,122)との間の呼処理や、基地局110における通信の状況の監視制御などが含まれる。また、制御部1340における通信の制御には、上述したNOMAのペアリングなどが含まれる。
有線通信部1350は、基地局110と有線接続された他の通信装置との間で有線通信を行う。基地局110と有線接続された他の通信装置には、たとえば、基地局110が接続されたコアネットワークにおけるMME(Mobility Management Entity)やS−GW(Serving−Gateway)が含まれる。また、基地局110と有線接続された他の通信装置には、基地局110とX2インタフェースなどによって接続された隣接基地局などが含まれる。
NOMA対応判別部1360は、移動局221〜223が基地局110の基地局セルに接続するために送信するプリアンブル信号に基づいて、移動局221〜223がNOMA対応か否かを判別する処理(図4〜図8参照)を行う処理部である。たとえば、NOMA対応判別部1360は、信号処理部1330によって受信処理が行われた移動局221〜223からのプリアンブル信号に基づいて、移動局221〜223がNOMA対応か否かを判別する処理を行う。NOMA対応判別部1360による判別結果は、たとえば信号処理部1330を介して制御部1340へ出力され、制御部1340におけるNOMAのペアリングに使用される。
ファイル/システムデータ管理部1370は、基地局110が無線通信を行うためのファイルやシステムデータを管理する処理部である。報知情報記憶部1380は、基地局110が自セルにおいて無線送信する報知情報を記憶する。報知情報記憶部1380に記憶された報知情報には、たとえば、上述のNOMA対応セル情報、NOMA可能品質情報、NOMA対応プリアンブル情報、NOMA対応周波数/MCS情報などが含まれる。
報知情報記憶部1380に記憶された報知情報は、ファイル/システムデータ管理部1370を介して制御部1340へ出力される。制御部1340へ出力された報知情報は、制御部1340の制御により、信号処理部1330、無線通信部1320およびアンテナ1310によって基地局110の自セルにおいて無線送信される報知信号に格納される。
図13に示した基地局110において、報知信号を生成する制御部は、たとえば、制御部1340、ファイル/システムデータ管理部1370および報知情報記憶部1380により実現することができる。報知信号を送信する無線通信部は、たとえば、アンテナ1310、無線通信部1320および信号処理部1330により実現することができる。
(実施の形態にかかる基地局のハードウェア構成)
図14は、実施の形態にかかる基地局のハードウェア構成の一例を示す図である。図13に示した基地局110は、たとえば図14に示す通信装置1400により実現することができる。通信装置1400は、CPU1401と、メモリ1402と、無線通信インタフェース1403と、有線通信インタフェース1404と、を備える。CPU1401、メモリ1402、無線通信インタフェース1403および有線通信インタフェース1404は、バス1409によって接続される。
CPU1401(Central Processing Unit)は、通信装置1400の全体の制御を司る。メモリ1402には、たとえばメインメモリおよび補助メモリが含まれる。メインメモリは、たとえばRAM(Random Access Memory)である。メインメモリは、CPU1401のワークエリアとして使用される。補助メモリは、たとえば磁気ディスク、光ディスク、フラッシュメモリなどの不揮発メモリである。補助メモリには、通信装置1400を動作させる各種のプログラムが記憶されている。補助メモリに記憶されたプログラムは、メインメモリにロードされてCPU1401によって実行される。
無線通信インタフェース1403は、無線によって通信装置1400の外部(たとえば移動局121,122)との間で通信を行う通信インタフェースである。無線通信インタフェース1403は、CPU1401によって制御される。無線通信インタフェース1403には、たとえば、ADC(Analog/Digital Converter:アナログ/デジタル変換器)やDAC(Digital/Analog Converter:デジタル/アナログ変換器)などが含まれる。また、無線通信インタフェース1403には、増幅器や、周波数変換を行うミキサなどが含まれる。
有線通信インタフェース1404は、有線によって通信装置1400の外部との間で通信を行う通信インタフェースである。有線通信インタフェース1404は、CPU1401によって制御される。有線通信インタフェース1404の通信先(外部)は、たとえば基地局110が接続されたコアネットワークの各通信装置である。
図13に示したアンテナ1310および無線通信部1320は、たとえば無線通信インタフェース1403に含まれる。図13に示した有線通信部1350は、たとえば有線通信インタフェース1404に含まれる。図13に示した信号処理部1330、制御部1340、NOMA対応判別部1360およびファイル/システムデータ管理部1370は、たとえばCPU1401により実現することができる。図13に示した報知情報記憶部1380は、たとえばメモリ1402により実現することができる。
(実施の形態にかかる移動局)
図15は、実施の形態にかかる移動局の一例を示す図である。上述したNOMA対応の移動局221,222は、たとえば図15に示す移動局1500により実現することができる。移動局1500は、たとえば、アンテナ1510と、無線通信部1520と、信号処理部1530と、制御部1540と、データ記憶部1550と、通信セル選択部1560と、を備える。また、移動局1500は、NOMA対応プリアンブル情報記憶部1570と、NOMA対応周波数/MCS情報記憶部1580と、NOMA/OFDMA判定部1590と、を備える。
アンテナ1510は、基地局110から無線送信された信号を受信し、受信した信号を無線通信部1520へ出力する。また、アンテナ1510は、無線通信部1520から出力された信号を基地局110へ無線送信する。
無線通信部1520は、アンテナ1510を用いた無線通信を行う。たとえば、無線通信部1520は、無線復調部1521と、無線変調部1522と、を備える。無線復調部1521は、アンテナ1510から出力された信号を復調し、復調した信号を信号処理部1530へ出力する。無線変調部1522は、信号処理部1530から出力された信号に基づく変調を行い、変調により得られた信号をアンテナ1510へ出力する。
また、無線通信部1520は、アンテナ1510から出力された信号を増幅する増幅器、増幅した信号をベースバンド帯に周波数変換する周波数変換器、周波数変換した信号をデジタル信号に変換するデジタル変換器などを備えていてもよい。この場合に、無線復調部1521は、デジタル変換器によってデジタル信号に変換された信号を復調する。
また、無線通信部1520は、無線変調部1522の変調により得られた信号をアナログ信号に変換するアナログ変換器、アナログ信号に変換された信号を高周波帯に周波数変換する周波数変換器、周波数変換した信号を増幅する増幅器などを備えていてもよい。この場合は、増幅器によって増幅された信号がアンテナ1510へ出力される。
信号処理部1530は、無線通信部1520によって送受信される信号のベースバンド処理を行う。信号処理部1530によるベースバンド処理には、たとえば、無線通信部1520から出力された信号の復号処理や、移動局1500が送信するデータを符号化し、符号化により得られた信号を無線通信部1520へ出力する処理が含まれる。信号処理部1530による復号処理には、たとえば、上述のNOMAに対応したSIR等を含む復号処理と、OFDMAに対応した復号処理と、が含まれる。
制御部1540は、移動局1500における通信の制御を行う。制御部1540における通信の制御には、たとえば、移動局1500における通信の状況等の監視制御などが含まれる。データ記憶部1550は、制御部1540における通信の制御に用いられる各種のデータを記憶する。
通信セル選択部1560は、移動局1500の接続先の通信セルを選択する処理を行う。たとえば、通信セル選択部1560は、アンテナ1510、無線通信部1520、信号処理部1530および制御部1540を介して基地局110の各基地局セルにおいて送信された報知信号を取得する。そして、通信セル選択部1560は、取得した報知信号に含まれるNOMA対応セル情報に基づいて、NOMA対応の基地局セルを優先的に通信セルとして選択する処理(たとえば図3参照)を行う。
また、通信セル選択部1560は、取得した報知信号に含まれるNOMA可能品質情報が示す所定品質を移動局1500が満たさない場合には、NOMA非対応の基地局セルを通信セルとして選択する処理(たとえば図3参照)を行う。通信セル選択部1560による通信セルの選択結果は、制御部1540へ通知される。制御部1540は、通信セル選択部1560から通知された選択結果に基づいて、通信セル選択部1560によって選択された基地局セルへの接続の制御を行う。
NOMA対応プリアンブル情報記憶部1570は、上述したNOMA対応プリアンブル情報を記憶する。たとえば、信号処理部1530は、基地局110が各基地局セルにおいて送信した報知信号からNOMA対応プリアンブル情報を取得し、取得したNOMA対応プリアンブル情報をNOMA対応プリアンブル情報記憶部1570に記憶させる。
また、信号処理部1530は、制御部1540からの制御によってNOMA対応の基地局セルへの接続を行うためのランダムアクセス手順において、NOMA対応プリアンブル情報記憶部1570に記憶されたNOMA対応プリアンブル情報を用いる。すなわち、信号処理部1530は、NOMA対応プリアンブル情報が示すシーケンスのいずれかを選択し、選択したシーケンスのプリアンブル信号を生成する。
そして、信号処理部1530は、生成したプリアンブル信号を、ランダムアクセス手順におけるランダムアクセス要求(Msg1)として、無線通信部1520およびアンテナ1510を介して基地局110へPRACHにて送信する。これにより、移動局1500がNOMA対応であることを基地局110に対して間接的に通知することができる。
NOMA対応周波数/MCS情報記憶部1580は、上述したNOMA対応周波数/MCS情報を記憶する。たとえば、信号処理部1530は、基地局110が各基地局セルにおいて送信した報知信号からNOMA対応周波数/MCS情報を取得する。そして、信号処理部1530は、取得したNOMA対応周波数/MCS情報を、制御部1540を介してNOMA対応周波数/MCS情報記憶部1580に記憶させる。
NOMA/OFDMA判定部1590は、NOMA対応周波数/MCS情報記憶部1580に記憶されたNOMA対応周波数/MCS情報に基づいて、基地局110からのDLのデータがNOMAおよびOFDMAのいずれにより無線伝送されたかを判別する。すなわち、NOMA/OFDMA判定部1590は、基地局110からのDLのデータの周波数帯域およびMCSが、NOMA対応の周波数帯域およびMCSであるか否かをNOMA対応周波数/MCS情報に基づいて判別する。
そして、NOMA/OFDMA判定部1590は、NOMA対応の周波数帯域およびMCSであると判別した場合は、DLのデータがNOMAにより無線伝送されたと判定する。また、信号処理部1530は、NOMA対応の周波数帯域およびMCSでないと判別した場合は、DLのデータがOFDMAにより無線伝送されたと判定する。NOMA/OFDMA判定部1590による判別結果は信号処理部1530に通知される。
信号処理部1530は、基地局110からのDLのデータを復号する際に、NOMAにより無線伝送されたとNOMA/OFDMA判定部1590が判定した場合はNOMAに対応したSIR等を含む復号処理を行う。また、信号処理部1530は、基地局110からのDLのデータを復号する際に、OFDMAにより無線伝送されたとNOMA/OFDMA判定部1590が判定した場合はOFDMAに対応した復号処理を行う。
図15に示した移動局1500において、基地局110から報知される各情報を受信する受信部は、たとえば、アンテナ1510、無線通信部1520および信号処理部1530により実現することができる。また、基地局110のNOMAによる無線伝送に対応可能な無線通信部は、たとえば、アンテナ1510、無線通信部1520、信号処理部1530、制御部1540および通信セル選択部1560により実現することができる。
(実施の形態にかかる移動局のハードウェア構成)
図16は、実施の形態にかかる移動局のハードウェア構成の一例を示す図である。図15に示した移動局1500は、たとえば図16に示す通信装置1600により実現することができる。通信装置1600は、CPU1601と、メモリ1602と、ユーザインタフェース1603と、無線通信インタフェース1604と、を備える。CPU1601、メモリ1602、ユーザインタフェース1603および無線通信インタフェース1604は、バス1609によって接続される。
CPU1601は、通信装置1600の全体の制御を司る。メモリ1602には、たとえばメインメモリおよび補助メモリが含まれる。メインメモリは、たとえばRAMである。メインメモリは、CPU1601のワークエリアとして使用される。補助メモリは、たとえば磁気ディスク、フラッシュメモリなどの不揮発メモリである。補助メモリには、通信装置1600を動作させる各種のプログラムが記憶されている。補助メモリに記憶されたプログラムは、メインメモリにロードされてCPU1601によって実行される。
ユーザインタフェース1603は、たとえば、ユーザからの操作入力を受け付ける入力デバイスや、ユーザへ情報を出力する出力デバイスなどを含む。入力デバイスは、たとえばキー(たとえばキーボード)やリモコンなどにより実現することができる。出力デバイスは、たとえばディスプレイやスピーカなどにより実現することができる。また、タッチパネルなどによって入力デバイスおよび出力デバイスを実現してもよい。ユーザインタフェース1603は、CPU1601によって制御される。
無線通信インタフェース1604は、無線によって通信装置1600の外部(たとえば基地局110)との間で通信を行う通信インタフェースである。無線通信インタフェース1604は、CPU1601によって制御される。
図15に示したアンテナ1510および無線通信部1520は、たとえば無線通信インタフェース1604に含まれる。図15に示した信号処理部1530、制御部1540、通信セル選択部1560およびNOMA/OFDMA判定部1590は、たとえばCPU1601により実現することができる。図15に示したデータ記憶部1550、NOMA対応プリアンブル情報記憶部1570およびNOMA対応周波数/MCS情報記憶部1580は、たとえばメモリ1602により実現することができる。
このように、実施の形態にかかる通信システム100においては、基地局110が、NOMA対応の基地局セル211,212において、自セルがNOMA対応であることを示すNOMA対応セル情報を報知する。
これにより、NOMA対応の移動局221,222を、NOMA非対応の基地局セル213,214より優先的に、NOMA対応の基地局セル211,212に接続させることが可能になる。したがって、NOMA対応の基地局セル211,212により多くのNOMA対応の移動局221,222を接続させ、基地局110においてNOMAのペアリングが可能な移動局の組み合わせを多くすることができる。これにより、NOMAによる無線伝送を多くして通信システム100における無線リソースの利用効率を向上させ、スループットの向上を図ることができる。
また、基地局110は、NOMA対応の基地局セル211,212においてNOMAによる無線伝送を行うための自局と移動局との間の無線品質(たとえばパスロスやSIR)に関する条件を示すNOMA可能品質情報を報知する。
これにより、NOMA対応の移動局221,222は、基地局110との間の無線品質が低すぎる場合にはNOMA対応の基地局セル211,212に接続しないようにすることができる。したがって、NOMA対応の基地局セル211,212により多くのNOMA対応かつ無線品質が低すぎない(たとえばパスロスが閾値Th#2以下の)移動局を接続させ、NOMAにおける通信品質を向上させることができる。このため、NOMA対応の基地局セル211,212におけるスループットの向上を図ることができる。
また、基地局110は、NOMA対応セル情報およびNOMA可能品質情報を1つの情報によってまとめて報知してもよい。たとえば、基地局110は、NOMA対応のセルの報知信号にNOMA可能品質情報を格納し、NOMA非対応のセルの報知信号にはNOMA可能品質情報を格納しない。これにより、基地局110はNOMA対応セル情報を報知信号に格納しなくても、移動局221,222は、NOMA可能品質情報の有無によって各セルのNOMA対応/非対応を判別することができる。
さらに、基地局110は、NOMA対応の移動局221,222がランダムアクセス手順において自局へ送信するための特定のプリアンブル信号を示すNOMA対応プリアンブル情報を報知してもよい。これにより、NOMA対応の移動局221,222に対して、ランダムアクセス手順において特定のプリアンブル信号を基地局110へ送信させることができる。
したがって、基地局110は、ランダムアクセス手順において送信されたプリアンブル信号が特定のプリアンブル信号であるか否かに基づいて、接続した移動局221,222がNOMA対応か否かを判別することができる。これにより、UL(Up Link)のシグナリング量の増加を回避しつつ、基地局110が、接続した移動局221,222がNOMA対応か否かを判別し、NOMAによる無線伝送を行う移動局の選択(ペアリング)を行うことができる。ULのシグナリング量の増加を回避することにより、使用される無線リソースの量の増加を抑制することができる。
さらに、基地局110は、NOMA対応の基地局セル211,212におけるNOMAによる無線伝送のための特定の伝送方法(使用する周波数帯域およびMCSの少なくともいずれか)を示すNOMA対応周波数/MCS情報を報知する。この伝送方法には、使用する周波数帯域およびMCSの少なくともいずれかが含まれる。そして、基地局110は、NOMA対応の基地局セル211,212におけるNOMAによる無線伝送に上述の特定の伝送方法を用いる。
これにより、DLのシグナリング量の増加を回避しつつ、NOMA対応の基地局セル211,212におけるデータの送信先の移動局221,222が、データ送信に用いられた伝送方法に基づいて、NOMAが適用されたか否かを判別することができる。このため、移動局221,222は、判別結果に基づいてデータの復号を行うことができる。DLのシグナリング量の増加を回避することにより、使用される無線リソースの量の増加を抑制することができる。
たとえば、従来、移動局が接続先の基地局セルを選択するための方法として、移動局における受信電力が最も大きくなる参照信号を送信している(受信品質が最もよい)基地局セルを選択する方法がある。この方法においては、受信電力をセル選択の際の主要な判断基準とするので、NOMA対応とNOMA非対応の基地局セルが混在する環境下では、NOMA対応の移動局がNOMA対応の基地局セルを選択するとは限らない。基地局セルがNOMA対応である場合に、その基地局セルにNOMA非対応の移動局よりもNOMA対応の移動局をより多く収容していれば、その基地局セルにおける無線リソースの利用効率をより向上させることが可能である。そのためには、NOMA対応の移動局はセル選択を行う機会においてNOMA非対応の基地局セルよりもNOMA対応の基地局セルを選択できるようにすることが望ましい。
これに対して、上述した実施の形態によれば、基地局が、NOMA対応の基地局セルにおいて、NOMA対応であることを示すNOMA対応セル情報を報知する。これにより、NOMA対応の移動局を、NOMA非対応の基地局セルより優先的に、NOMA対応の基地局セルに接続させることが可能になる。したがって、NOMA対応の基地局セルにより多くのNOMA対応の移動局を接続させ、NOMAのペアリングが可能な移動局の組み合わせを多くすることができる。このため、NOMAによる無線伝送を多くして無線リソースの利用効率を向上させ、スループットの向上を図ることができる。
また、NOMA送信を行う際には、パスロスが小さい移動局とパスロスが大きい移動局を選択してペアを作るペアリングが行われる。このとき、パスロスが大きすぎる移動局は、NOMA対応であってもNOMAによる無線伝送に適さない。これは、たとえば、パスロスが大きすぎる移動局がNOMAのペアとして選択される場合は、そのパスロスが大きい移動局における受信電力が、受信信号の復調および復号を行うには不十分なものになり得るためである。また、そのパスロスが大きい移動局への電力を大きくすると、その移動局とペアになるパスロスが小さい移動局への送信に割り当てる電力が小さくなりすぎ、NOMAにより期待できるゲイン(gain)がなくなる可能性がある。このように、NOMA対応であるがパスロスが大きすぎる移動局がNOMA対応の基地局セルに接続すると、NOMAによって十分な通信品質が得られず、NOMA対応の基地局セルにおけるスループットの向上を図ることができない。
これに対して、上述した実施の形態によれば、基地局が、NOMA対応の基地局セルにおいてNOMAによる無線伝送を行うための自局と移動局との間の無線品質に関する条件を示すNOMA可能品質情報を報知する。これにより、NOMA対応の移動局は、基地局との間の無線品質が低すぎる場合にはNOMA対応の基地局セルに接続しないようにすることができる。したがって、NOMA対応の基地局セルにより多くのNOMA対応かつ無線品質が低すぎない移動局を接続させ、NOMAにおける通信品質を向上させることができる。このため、NOMA対応の基地局セルにおけるスループットの向上を図ることができる。
また、NOMA対応の移動局がNOMA対応の基地局セルを選択して接続を行った後に、基地局は接続した移動局がNOMA対応であるということを判別することを要する。これに対して、たとえば、NOMA対応の基地局セルに接続したNOMA対応の移動局が、自局がNOMA対応であることを示すULの制御信号を基地局へ送信することも考えられるが、ULのシグナリング量が増加する場合がある。
これに対して、上述した実施の形態によれば、基地局が、NOMA対応の移動局がランダムアクセス手順において自局へ送信するための特定のプリアンブル信号を示すNOMA対応プリアンブル情報を報知する。これにより、NOMA対応の移動局に対して、ランダムアクセス手順においてNOMA対応プリアンブル情報が示す特定のプリアンブル信号を基地局へ送信させることができる。したがって、基地局は、ランダムアクセス手順において送信されたプリアンブル信号が特定のプリアンブル信号であるか否かに基づいて、接続した移動局がNOMA対応か否かを判別することができる。このため、ULのシグナリング量の増加を回避しつつ、基地局が、接続した移動局がNOMA対応か否かを基地局が判別し、NOMAによる無線伝送を行う移動局の選択(ペアリング)を行うことができる。
また、NOMA対応の基地局に接続したNOMA対応の移動局に対するDLのデータ送信に対して常にNOMAが適用されるわけではない。これは、たとえば、NOMA送信を行ううえでペアとなる適切な移動局が存在しない状況が発生するためである。したがって、NOMA対応の移動局は、DLにおいて基地局から受信した信号に対して、NOMAに対応する復号処理を行うべきか、またはNOMA信号でない信号(たとえばOFDMA信号)に対応する復号処理を行うべきかを判断することを要する。これに対して、たとえば、NOMA対応の移動局に対してデータ送信を行う基地局が、NOMAを適用するか否かを通知するDLの制御情報をNOMA対応の移動局へ送信することも考えられるが、DLのシグナリング量が増加する場合がある。
これに対して、上述した実施の形態によれば、基地局が、NOMA対応の基地局セルにおけるNOMAによる無線伝送のための特定の伝送方法を示すNOMA対応周波数/MCS情報を報知する。この伝送方法には、使用する周波数帯域およびMCSの少なくともいずれかが含まれる。そして、基地局は、NOMA対応の基地局セルにおけるNOMAによる無線伝送に上述の特定の伝送方法を用いる。これにより、DLのシグナリング量の増加を回避しつつ、NOMA対応の基地局セルにおけるデータの送信先の移動局が、データ送信に用いられた伝送方法に基づいて、NOMAが適用されたか否かを判別し、判別結果に基づいてデータの復号を行うことができる。
以上説明したように、基地局、移動局、通信システムおよび通信方法によれば、スループットの向上を図ることができる。
たとえば、NOMA対応の基地局セルとNOMA非対応の基地局セルが混在する環境において、NOMA対応の移動局をNOMA対応の基地局セルに効率よく収容させることが可能となる。また、無線リソースをNOMA送信のためにより多く使えるようになるため、無線リソースの利用効率が向上し、全体スループット向上の効果が得られる。また、NOMA方式で送信される無線データ信号であるかどうかを示す情報を、無線データ信号送信のたびに基地局から移動局へ直接通知しなくても、移動局は受信した無線データ信号がNOMA方式で送信されたものかどうかを判別可能になる。このため、制御信号の送信に使用される無線リソースの量を削減できる。
100 通信システム
110 基地局
121,122,221〜223,1500 移動局
211〜214 基地局セル
500 シーケンスリスト
1010 システム帯域
1011〜1013 周波数領域
1100 MCSテーブル
1310,1510 アンテナ
1320,1520 無線通信部
1321,1521 無線復調部
1322,1522 無線変調部
1330,1530 信号処理部
1340,1540 制御部
1350 有線通信部
1360 NOMA対応判別部
1370 ファイル/システムデータ管理部
1380 報知情報記憶部
1400,1600 通信装置
1401,1601 CPU
1402,1602 メモリ
1403,1604 無線通信インタフェース
1404 有線通信インタフェース
1409,1609 バス
1550 データ記憶部
1560 通信セル選択部
1570 NOMA対応プリアンブル情報記憶部
1580 NOMA対応周波数/MCS情報記憶部
1590 NOMA/OFDMA判定部
1603 ユーザインタフェース
本発明は、基地局、移動局、通信システムおよび通信方法に関する。
従来、第3世代移動通信システム(3G)、第3.9世代移動通信システムに対応するLTE、第4世代移動通信システムに対応するLTE−Advanced、第5世代移動通信システム(5G)などの移動通信システムが知られている。LTEはLong Term Evolutionの略である。
また、セル内の複数のユーザの信号を無線リソース上に直交多重して同時に送信するOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access:直交周波数分割多元接続)が知られている。
また、セル内の複数のユーザの信号を同一の無線リソース上に非直交多重して同時に送信するNOMA(Non Orthogonal Multiple Access:非直交多元接続)が知られている(たとえば、下記特許文献1〜4参照。)。
また、複数のマシン型通信のデバイスが接続される無線システムにおいて、ランダムアクセスに使用可能なプリアンブル系列を含む報知情報を用いてデバイスと基地局との間で情報交換する技術が知られている(たとえば、下記特許文献5参照。)。
特開2013−9290号公報
特開2014−204277号公報
特開2013−9288号公報
特開2013−9289号公報
国際公開第2014/061537号
しかしながら、上述した従来技術では、たとえば、NOMA対応の基地局セルに、NOMA非対応の移動局や、NOMA対応であってもパスロスが大きすぎる移動局が多く接続すると、NOMAによるスループットの向上を図ることができない場合がある。
1つの側面では、本発明は、スループットの向上を図ることができる基地局、移動局、通信システムおよび通信方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明の一側面によれば、複数の移動局に対して非直交多元接続による無線伝送が可能なセルを形成する基地局が、前記セルにおいて前記非直交多元接続による無線伝送が可能なことと、前記セルにおいて前記非直交多元接続による無線伝送を行うための自局と移動局との間の無線品質に関する条件と、を報知する報知信号を送信し、前記非直交多元接続による無線伝送に対応可能な移動局が、前記基地局によって送信された前記報知信号に基づいて選択したセルに接続し、接続したセルにおいて無線通信を行う基地局、移動局、通信システムおよび通信方法が提案される。
本発明の一側面によれば、スループットの向上を図ることができるという効果を奏する。
図1は、実施の形態にかかる通信システムの一例を示す図である。
図2は、実施の形態にかかる通信システムにおけるNOMA対応セル情報およびNOMA可能品質情報の送信の一例を示す図である。
図3は、実施の形態にかかるNOMA対応の移動局によるセル選択処理の一例を示すフローチャートである。
図4は、実施の形態にかかる通信システムにおけるプリアンブル信号の送信処理の一例を示すシーケンス図である。
図5は、実施の形態にかかるNOMA対応用およびNOMA非対応用のプリアンブル信号のシーケンスの一例を示す図である。
図6は、実施の形態にかかるNOMA対応用およびNOMA非対応用のプリアンブル信号のシーケンスの他の一例を示す図である。
図7は、実施の形態にかかるNOMA対応用およびNOMA非対応用のプリアンブル信号のシーケンスのさらに他の一例を示す図である。
図8は、実施の形態にかかるNOMA対応の移動局によるプリアンブル信号の送信処理の一例を示すフローチャートである。
図9は、実施の形態にかかる通信システムにおけるユーザデータの復調・復号処理の一例を示すシーケンス図である。
図10は、実施の形態にかかるNOMA対応用およびNOMA非対応用の周波数領域の一例を示す図である。
図11は、実施の形態にかかるNOMA対応用およびNOMA非対応用のMCSの一例を示す図である。
図12は、実施の形態にかかる移動局によるユーザデータの復調・復号処理の一例を示すフローチャートである。
図13は、実施の形態にかかる基地局の一例を示す図である。
図14は、実施の形態にかかる基地局のハードウェア構成の一例を示す図である。
図15は、実施の形態にかかる移動局の一例を示す図である。
図16は、実施の形態にかかる移動局のハードウェア構成の一例を示す図である。
以下に図面を参照して、本発明にかかる基地局、移動局、通信システムおよび通信方法の実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態)
(実施の形態にかかる通信システム)
図1は、実施の形態にかかる通信システムの一例を示す図である。図1に示すように、実施の形態にかかる通信システム100は、基地局110と、移動局121,122と、を含む。基地局110は、自局に接続した各移動局の中から移動局のペア(組)を選択し、選択したペアの移動局に対してNOMA(非直交多元接続)による無線伝送が可能なセルを形成するNOMA対応の基地局(無線基地局)である。また、基地局110が形成するセルには、NOMAによる無線伝送が可能なNOMA対応のセルだけでなく、NOMAによる無線伝送が可能でないNOMA非対応のセルが含まれていてもよい。
移動局121,122は、通信システム100に接続している移動局のうち、基地局110によってNOMAのペアとして選択された移動局(無線端末)のペアである。移動局121は、基地局110からの無線伝送におけるパスロスが移動局122よりも小さい。移動局122は、基地局110からの無線伝送におけるパスロスが移動局122よりも大きい。
パスロスは、たとえば基地局110から移動局121,122へのDL(Down Link)における無線信号の損失(自由空間伝播損失)である。たとえば、パスロスは、基地局110が無線送信する参照信号の送信電力と、その参照信号に対する移動局121,122による受信電力の測定の結果と、の差分から算出される。
基地局110は、このような移動局121,122をNOMAのペアとして選択し、移動局121への信号と、移動局122への信号と、をNOMAにより多重化して無線送信する。たとえば、基地局110は、移動局121,122への各信号を同一の無線リソース(時間リソースおよび周波数リソース)により送信するとともに、移動局122への信号の送信電力を、移動局121への送信信号の送信電力より大きくする。
パスロスが小さい方の移動局121は、基地局110からの受信信号に基づいて、移動局122への信号のレプリカ信号を復号(推定)する。上述したように移動局122への信号の送信電力は移動局121への信号の送信電力より大きいため、移動局121は移動局122への信号のレプリカ信号を復号(推定)することが可能である。
移動局121は、復号したレプリカ信号に基づいて、基地局110からの受信信号から移動局122への信号を除去し、残った信号成分を自局への信号として復号する。このような復号処理として、たとえばSIC(Successive Interference Canceller:逐次干渉キャンセラ)を用いることができる。このように、移動局121は、上述のようなNOMAに対応する復号処理を行うため、NOMAによる無線伝送に対応可能な移動局(NOMA対応の移動局)であることを要する。ここで、NOMAによる無線伝送に対応可能な移動局とは、たとえば上述のようなNOMAに対応する復号処理が可能な移動局である。
一方、パスロスが大きい方の移動局122は、基地局110からの受信信号に基づいて、移動局122への信号を直接復号する。上述したように移動局122への信号の送信電力は移動局121への信号の送信電力より大きいため、移動局122は移動局122への信号を直接復号することが可能である。
したがって、移動局122は、移動局121のようなNOMAに対応する復号処理は行わなくてもよい。このため、移動局122は、NOMAによる無線伝送に対応可能な移動局(NOMA対応の移動局)であってもよいし、NOMAによる無線伝送に対応可能でない移動局(NOMA非対応の移動局)であってもよい。
通信システム100において、基地局110は、NOMA対応のセルにおいて、自セルがNOMA対応であることを示すNOMA対応セル情報を報知する。これにより、NOMA対応の移動局を、NOMA対応のセルに、NOMA非対応の他のセルより優先的に接続させることが可能になる。したがって、NOMA対応のセルにより多くのNOMA対応の移動局を接続させることができる。すなわち、NOMA対応のセルに接続する移動局におけるNOMA対応の移動局の割合を大きくし、基地局110においてNOMAのペアリングが可能な移動局の組み合わせを多くすることができる。これにより、基地局110が行う無線伝送におけるNOMAによる無線伝送の割合を多くして通信システム100における無線リソースの利用効率を向上させ、スループットの向上を図ることができる。
また、基地局110は、NOMA対応のセルにおいてNOMAによる無線伝送を行うための自局と移動局との間の無線品質(たとえばパスロス)に関する条件を示すNOMA可能品質情報を報知する。これにより、NOMA対応の移動局は、基地局110との間の無線品質が低すぎる場合にはNOMA対応のセルに接続しないようにすることができる。したがって、NOMA対応のセルにより多くのNOMA対応かつ無線品質が低すぎない移動局を接続させることができる。すなわち、NOMA対応のセルに接続する移動局における、NOMAを行うために十分な無線品質でありNOMA対応の移動局の割合を大きくし、NOMAによる無線伝送の通信品質を向上させることができる。このため、NOMA対応のセルにおけるスループットの向上を図ることができる。
さらに、基地局110は、NOMA対応の移動局121,122がランダムアクセス手順において自局へ送信するための特定のプリアンブル信号を示すNOMA対応プリアンブル情報を報知してもよい。これにより、NOMA対応の移動局121,122に対して、ランダムアクセス手順において特定のプリアンブル信号を基地局110へ送信させることができる。したがって、基地局110は、ランダムアクセス手順において送信されたプリアンブル信号が特定のプリアンブル信号であるか否かに基づいて、接続した移動局121,122がNOMA対応か否かを判別することができる。
さらに、基地局110は、NOMA対応の基地局セルにおけるNOMAによる無線伝送のための特定の伝送方法(使用する周波数帯域およびMCSの少なくともいずれか)を示すNOMA対応周波数/MCS情報を報知する。この伝送方法には、使用する周波数帯域およびMCSの少なくともいずれかが含まれる。そして、基地局110は、NOMA対応の基地局セルにおけるNOMAによる無線伝送に上述の特定の伝送方法を用いる。
(実施の形態にかかる通信システムにおけるNOMA対応セル情報およびNOMA可能品質情報の送信)
図2は、実施の形態にかかる通信システムにおけるNOMA対応セル情報およびNOMA可能品質情報の送信の一例を示す図である。図2において、基地局セル211〜214は、基地局110がオーバーレイ構成で形成する各セルであって、互いに異なる周波数帯域の各セルである。基地局セル211,212はNOMA対応の基地局セル(第1セル)であり、基地局セル213,214はNOMA非対応の基地局セル(第2セル)である。
移動局221〜223は、基地局セル211〜214の圏内に位置しており、基地局セル211〜214において無線送信される報知信号を受信可能である。移動局221,222は、NOMA対応であり、たとえば図1に示した移動局121,122のいずれかに対応する。移動局223は、NOMA非対応の移動局であり、たとえば図1に示した移動局122に対応する。また、図2に示す例では、移動局223は基地局セル212に接続している。
基地局110は、基地局セル211〜214のそれぞれにおいて、NOMA対応セル情報を含む報知信号を無線送信する。NOMA対応セル情報は、自セルがNOMA対応のセルであるかNOMA非対応のセルであるか否かを示す情報を含む。また、NOMA対応セル情報は、基地局110と隣接する他の基地局が形成するセルがNOMA対応のセルであるかNOMA非対応のセルであるか否かを示す情報をさらに含んでいてもよい。報知信号は、基地局110に接続していない移動局が受信可能なシステム情報(System information)である。
このシステム情報は、たとえばSIB(System Information Block:システム情報ブロック)やMIB(Master Information Block:マスタ情報ブロック)である。ただし、システム情報はこれに限らず、セル内の移動局に報知される各種のシステム情報とすることができる。
たとえば、基地局110は、基地局セル211において、基地局セル211がNOMA対応であることを示すNOMA対応セル情報を含む報知信号を無線送信する。また、基地局110は、基地局セル212において、基地局セル212がNOMA対応であることを示すNOMA対応セル情報を含む報知信号を無線送信する。また、基地局110は、基地局セル213において、基地局セル213がNOMA非対応であることを示すNOMA対応セル情報を含む報知信号を無線送信する。また、基地局110は、基地局セル214において、基地局セル214がNOMA非対応であることを示すNOMA対応セル情報を含む報知信号を無線送信する。
また、基地局110は、NOMA対応の基地局セル211,212のそれぞれにおいて、NOMA可能品質情報を含む報知信号を無線送信する。このNOMA可能品質情報を含む報知信号は、上述したNOMA対応セル情報を含む報知信号と同じ報知信号であってもよいし異なる報知信号であってもよい。NOMA可能品質情報は、NOMA通信が可能な通信品質の範囲を示す情報である。たとえば、NOMA可能品質情報は、基地局110から移動局へのパスロスの最大値である。または、NOMA可能品質情報は、基地局110からの無線信号の移動局における受信SIR(Signal−to−Interference Ratio:信号対雑音比)の最小値などでもよい。
たとえば、基地局110は、基地局セル211において、基地局セル211でNOMA通信が可能なパスロスの最大値を示すNOMA可能品質情報を含む報知信号を無線送信する。このパスロスは、基地局セル211における移動局端末のパスロスである。また、基地局110は、基地局セル212において、基地局セル212でNOMA通信が可能なパスロスの最大値を示すNOMA可能品質情報を含む報知信号を無線送信する。このパスロスは、基地局セル212における移動局端末のパスロスである。なお、基地局セル211,212でNOMA通信が可能な各パスロスの最大値は、それぞれ異なっていてもよいし同一であってもよい。
NOMA対応の移動局221,222は、基地局110から無線送信される報知信号に基づいて、NOMA対応の基地局セルを接続先の通信セルとして優先的に選択する。たとえば、移動局221,222は、無線品質などの基準を満たすことにより接続可能な基地局セルが複数存在し、それらの中にNOMA対応の基地局セルが含まれている場合は、NOMA対応の基地局セルを接続先として選択する。
たとえば、図2に示す例において、移動局221は、基地局セル211〜214において無線送信される各報知信号に含まれるNOMA対応セル情報に基づいて、基地局セル211,212がNOMA対応の基地局セルであると判定する。そして、基地局セル211,212における移動局221の各パスロスは、基地局セル211,212において無線送信される各報知信号に含まれるNOMA可能品質情報が示すパスロスの最大値以下であったとする。この場合に、移動局221は、基地局セル211,212のいずれも接続先として選択し得る。図2に示す例では、移動局221は基地局セル212を接続先として選択している。
移動局222は、移動局221と同様に、基地局セル211,212がNOMA対応の基地局セルであると判定する。そして、基地局セル211,212における移動局222の各パスロスは、それぞれ基地局セル211,212において無線送信される各報知信号に含まれるNOMA可能品質情報が示すパスロスの最大値より大きかったとする。この場合に、移動局222は、基地局セル211,212のいずれも接続先として選択せずに、基地局セル213,214のいずれかを接続先として選択する。図2に示す例では、移動局222は基地局セル213を接続先として選択している。
基地局110は、たとえば、基地局セル212に移動局221,223が接続しているため、たとえば基地局セル212において移動局221,223をペアとしてNOMAによる無線伝送を行う。
図2に示したように、基地局110が各基地局セルにおいてNOMA対応セル情報を報知し、NOMA対応の移動局(たとえば移動局221,222)はNOMA対応の基地局セル211,212を優先的に接続先として選択する。これにより、NOMA対応の基地局セル211,212にNOMA対応の移動局をより多く収容し、NOMA通信のためにより多くの無線リソースを用いることが可能になる。このため、無線リソースの利用効率を向上させ、通信システム100の全体のスループットの向上を図ることができる。
また、基地局110がNOMA対応の基地局セルにおいてNOMA可能品質情報を報知し、NOMA対応の移動局はNOMA可能品質情報が示す受信品質を満たさない場合はNOMA対応の基地局セルを接続先として選択しない。これにより、NOMA対応の基地局セルにおける通信品質が低いNOMA対応の移動局がNOMA対応の基地局セルを接続先として一意的に選択することを回避することができる。
ただし、この場合も、たとえばNOMA非対応の移動局223は、NOMA対応セル情報やNOMA可能品質情報に関わらずNOMA対応の基地局セルを選択し得るため、基地局110はNOMAによる伝送を行う移動局のペアを選択することができる。
たとえば、基地局110は、NOMA可能品質情報として、基地局110との間のパスロスが小さい移動局のための閾値Th#1と、基地局110との間のパスロスが大きい移動局のための閾値Th#2と、を用いてもよい。閾値Th#2は閾値Th#1より大きい値である。
基地局110との間のパスロスが小さい移動局(たとえば移動局121)は、たとえば、比較的、基地局110の近くに位置するNOMA対応の移動局である。基地局110との間のパスロスが小さい移動局を基地局110のNOMA対応の基地局セルに多く接続させることで、NOMA通信のペアリングを行う候補の母数を増やすことが可能となる。
基地局110との間のパスロスが大きい移動局(たとえば移動局122)は、たとえば、比較的、基地局110から遠く(たとえば基地局110のセル端付近)に位置する移動局である。基地局110との間のパスロスが大きすぎる移動局は、NOMA通信のペアとなる移動局として不適当となるため、なるべくNOMA対応の基地局セルに接続させないようにする。
ここで、基地局110との間のパスロスが大きすぎる移動局がNOMA通信のペアとなる移動局として不適当である理由について説明する。基地局110のセル端に近い移動局ほど、パスロスが大きくなる。このため、そのような移動局への信号の無線送信に使用される無線リソースのほとんどは、その移動局への信号を無線送信するためだけに使用される。なお、無線リソースは、たとえばLTEにおける物理リソースブロック(Physical Resource Block)に相当する。
このようなパスロスが大きい移動局の信号を、パスロスが小さい移動局の信号と非直交多重する場合に、パスロスが大きい移動局に割り当てられる送信電力が減少し、受信信号の電力が所要値を下回る状況が発生し得る。また、同時に、パスロスが小さい移動局への信号送信にも十分な送信電力を割り当てられなくなる状況になる。
この状況を解決するため、通信システム100においては、たとえば、報知信号で通知されたNOMA可能品質情報に含まれる閾値Th#2よりパスロスが大きいNOMA対応の移動局はNOMA対応の基地局セルを接続先として選択しないようにする。
図2に示したように、移動局221,222のセル選択論理において、NOMA対応の移動局のうちパスロスが小さい移動局を、NOMA対応の基地局セルに優先的に割り当て、NOMA対応とNOMA非対応の移動局の基地局セルを仕分ける。これにより、NOMA適用の効率を上げて、通信システム100における全体のスループットを向上させることが可能になる。NOMA適用の効率を上げるとは、たとえば、NOMAによる無線伝送を行うペアが成立する確率を上げて、基地局110が行う全体の無線伝送におけるNOMAによる無線伝送の割合を大きくすることである。
基地局110が基地局セル211〜214のそれぞれにおいてNOMA対応セル情報を含む報知信号を無線送信する場合について説明したが、このような構成に限らない。たとえば、基地局110は、NOMA対応の基地局セル211,212においてはNOMA対応セル情報を含む報知信号を無線送信し、NOMA非対応の基地局セル213,214においてはNOMA対応セル情報を含む報知信号を無線送信しなくてもよい。この場合は、移動局221,222は、報知信号にNOMA対応セル情報が含まれていない基地局セルはNOMA非対応であると判定する。
(実施の形態にかかるNOMA対応の移動局によるセル選択処理)
図3は、実施の形態にかかるNOMA対応の移動局によるセル選択処理の一例を示すフローチャートである。図3においてはNOMA対応の移動局221による処理について説明するが、他のNOMA対応の移動局(たとえば移動局222)の処理についても同様である。NOMA対応の移動局221は、接続先の通信セルを選択するセル選択処理として、たとえば図3に示す各ステップを実行する。
まず、移動局221は、基地局110からの各基地局セルにおける報知信号(システム情報)を受信する(ステップS301)。つぎに、移動局221は、ステップS301によって受信した報知信号に含まれるNOMA対応セル情報に基づいて、通信可能な基地局セルにNOMA対応の基地局セルがあるか否かを判断する(ステップS302)。通信可能な基地局セルとは、たとえば、移動局221における通信品質の測定結果が所定品質を満たしている基地局セルである。
ステップS302において、通信可能な基地局セルにNOMA対応の基地局セルがない場合(ステップS302:No)は、移動局221は、ステップS303へ移行する。すなわち、移動局221は、通信可能な基地局セルのうちのNOMA非対応の基地局セルを通信セルとして選択し(ステップS303)、一連の処理を終了する。
ステップS302において、通信可能な基地局セルにNOMA対応の基地局セルがある場合(ステップS302:Yes)は、移動局221は、通信可能な基地局セルにNOMA対応の基地局セルが複数あるか否かを判断する(ステップS304)。NOMA対応の基地局セルが複数ある場合(ステップS304:Yes)は、移動局221は、複数のNOMA対応の基地局セルのうちの自局におけるDLのパスロスが最も小さい基地局セルを選択する(ステップS305)。
つぎに、移動局221は、ステップS305によって選択した基地局セルの自局におけるDLのパスロスが閾値Th#1以下か否かを判断する(ステップS306)。閾値Th#1は、ステップS301によって受信した報知信号に含まれるNOMA可能品質情報が示す閾値である。
ステップS306において、パスロスが閾値Th#1以下である場合(ステップS306:Yes)は、移動局221は、ステップS305によって選択した基地局セル(NOMA対応)を通信セルとして選択し(ステップS307)、一連の処理を終了する。この場合は、移動局221は、ステップS307によって選択して接続した基地局セルにおけるNOMA通信時に、上述したNOMAのペアにおけるパスロスが小さい方の移動局121として動作する。
ステップS306において、パスロスが閾値Th#1以下でない場合(ステップS306:No)は、移動局221は、ステップS308へ移行する。すなわち、移動局221は、ステップS305によって選択した基地局セルの自局におけるDLのパスロスが閾値Th#2より大きいか否かを判断する(ステップS308)。閾値Th#2は、ステップS301によって受信した報知信号に含まれるNOMA可能品質情報が示す閾値であって、たとえば閾値Th#1より大きい閾値である。
ステップS308において、パスロスが閾値Th#2より大きい場合(ステップS308:Yes)は、移動局221は、通信可能な基地局セルのうちのNOMA非対応の基地局セルを通信セルとして選択し(ステップS309)、一連の処理を終了する。パスロスが閾値Th#2より大きくない場合(ステップS308:No)は、移動局221は、ステップS305によって選択した基地局セル(NOMA対応)を通信セルとして選択し(ステップS310)、一連の処理を終了する。この場合は、移動局221は、ステップS307によって選択して接続した基地局セルにおけるNOMA通信時に、上述したNOMAのペアにおけるパスロスが大きい方の移動局122として動作する。
ステップS304において、NOMA対応の基地局セルが複数ない場合(ステップS304:No)は、移動局221は、ステップS311へ移行する。すなわち、移動局221は、通信可能でNOMA対応の1つの基地局セルの自局におけるDLのパスロスが閾値Th#1以下か否かを判断する(ステップS311)。パスロスが閾値Th#1以下である場合(ステップS311:Yes)は、移動局221は、通信可能でNOMA対応の1つの基地局セルを通信セルとして選択し(ステップS312)、一連の処理を終了する。この場合は、移動局221は、ステップS312によって選択して接続した基地局セルにおけるNOMA通信時に、上述したNOMAのペアにおけるパスロスが小さい方の移動局121として動作する。
ステップS311において、パスロスが閾値Th#1以下でない場合(ステップS311:No)は、移動局221は、ステップS313へ移行する。すなわち、移動局221は、通信可能でNOMA対応の1つの基地局セルの自局におけるDLのパスロスが閾値Th#2より大きいか否かを判断する(ステップS313)。
ステップS313において、パスロスが閾値Th#2より大きい場合(ステップS313:Yes)は、移動局221は、通信可能な基地局セルのうちのNOMA非対応の基地局セルを通信セルとして選択し(ステップS314)、一連の処理を終了する。パスロスが閾値Th#2より大きくない場合(ステップS313:No)は、移動局221は、通信可能でNOMA対応の1つの基地局セルを通信セルとして選択し(ステップS315)、一連の処理を終了する。この場合は、移動局221は、ステップS315によって選択して接続した基地局セルにおけるNOMA通信時に、上述したNOMAのペアにおけるパスロスが大きい方の移動局122として動作する。
図1〜図3に示したように、基地局110は、NOMA対応の基地局セル211,212にて、NOMA対応である旨とNOMA適用のための無線品質の条件を報知する。これにより、NOMA対応で無線品質が低すぎない(たとえばパスロスが閾値Th#2以下の)移動局をNOMA対応の基地局セル211,212に多く接続させることができる。このため、NOMAによって通信システム100におけるスループットを高くできる。
(実施の形態にかかる通信システムにおけるプリアンブル信号の送信処理)
図4は、実施の形態にかかる通信システムにおけるプリアンブル信号の送信処理の一例を示すシーケンス図である。実施の形態における通信システム100においては、たとえば図4に示す各ステップが実行される。図4においてはNOMA対応の移動局221による処理について説明するが、他のNOMA対応の移動局(たとえば移動局222)の処理についても同様である。
まず、基地局110が、基地局セル211〜214のそれぞれにおいて、NOMA対応プリアンブル情報を含む報知信号を無線送信する(ステップS401)。NOMA対応プリアンブル情報は、NOMA対応の移動局がPRACH(Physical Random Access Channel)によるランダムアクセス手順において送信すべきプリアンブル信号のシーケンス(識別情報)を示す情報である。
つぎに、移動局221が、ステップS401によって基地局110から無線送信された報知信号からNOMA対応プリアンブル情報を取得する(ステップS402)。たとえば、移動局221は、図3に示した処理によって接続先の通信セルとして選択した基地局110の基地局セルにおいて基地局110から無線送信された報知信号からNOMA対応プリアンブル情報を取得する。これにより、NOMA対応の移動局221が接続する基地局セルへ接続するためのランダムアクセス手順において送信すべきプリアンブル信号のシーケンスを得ることができる。
つぎに、移動局221が、ステップS402によって取得したNOMA対応プリアンブル情報が示すランダムアクセス手順のプリアンブル信号のシーケンスのうちのいずれかのシーケンスを選択する。そして、移動局221は、選択したシーケンスに基づくランダムアクセス手順のプリアンブル信号を生成し、生成したプリアンブル信号を、ランダムアクセス要求(Msg1)としてPRACHにより基地局110へ無線送信する(ステップS403)。
つぎに、基地局110は、ステップS403によって移動局221から送信されたプリアンブル信号のシーケンスに基づいて、移動局221がNOMA対応であることを判別する(ステップS404)。また、基地局110および移動局221は、ランダムアクセス手順におけるMsg2以降の送受信を行うことで、移動局221の基地局110の基地局セルへの接続を完了する。
基地局110は、自セルに接続した移動局221について、ステップS404においてNOMA対応であることを判別しているため、NOMA通信のペアにおけるパスロスが小さい方の移動局121の候補に移動局221を加える。
(実施の形態にかかるNOMA対応用およびNOMA非対応用のプリアンブル信号のシーケンス)
図5は、実施の形態にかかるNOMA対応用およびNOMA非対応用のプリアンブル信号のシーケンスの一例を示す図である。図5に示すシーケンスリスト500は、基地局110のNOMA対応の基地局セルへ接続するためのランダムアクセス手順のランダムアクセス要求として使用可能なプリアンブル信号のシーケンスを示す。
シーケンスリスト500に示すように、ある基地局セルにおいて、ランダムアクセス手順のプリアンブル信号のシーケンスには、サイクリックシフト(cyclic shift)が異なる64個のシーケンスが含まれる。図5に示す例では64個のシーケンスをプリアンブルシーケンス#0〜#63とする。
また、64個のシーケンスのうち、プリアンブルシーケンス#0〜#nはNOMA非対応用のプリアンブルシーケンスとして設定され、プリアンブルシーケンス#n+1〜#63はNOMA対応用のプリアンブルシーケンスとして設定されている。nは、たとえば0〜62の自然数である。
この場合に、基地局110は、上述したNOMA対応プリアンブル情報として、NOMA対応用のプリアンブルシーケンス#n+1〜#63を特定可能な情報を報知信号によって送信する。たとえば、基地局110は、プリアンブルシーケンス#n+1〜#63を列挙した情報をNOMA対応プリアンブル情報として送信する。
または、基地局110は、たとえばNOMA非対応用とNOMA対応用との境界を示すn(またはn+1)をNOMA対応プリアンブル情報として送信してもよい。この場合は、移動局221,222は、NOMA対応プリアンブル情報が示すn(またはn+1)に基づいて、プリアンブルシーケンス#n+1〜#63がNOMA対応用のプリアンブル信号のシーケンスであると判別する。
たとえば、NOMA対応の移動局221,222は、基地局110のNOMA対応の基地局セルへ接続する際に、NOMA対応プリアンブル情報によって特定したプリアンブルシーケンス#n+1〜#63のいずれかを選択する。そして、移動局221,222は、選択したプリアンブルシーケンスに基づくプリアンブル信号を、ランダムアクセス手順におけるランダムアクセス要求(Msg1)として使用する。
基地局110は、自セルに接続した移動局221,222がランダムアクセス手順において送信したプリアンブル信号のシーケンスを取得する。そして、基地局110は、取得したシーケンスがプリアンブルシーケンス#n+1〜#63に含まれていることにより、移動局221,222がNOMA対応であると判別する。
図6は、実施の形態にかかるNOMA対応用およびNOMA非対応用のプリアンブル信号のシーケンスの他の一例を示す図である。図6において、図5に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
図6に示す例では、64個のシーケンスのうち、プリアンブルシーケンス#0,#1,#3〜#n,#63はNOMA非対応用のプリアンブルシーケンスとして設定されている。また、プリアンブルシーケンス#2,#n+1〜#62はNOMA対応用のプリアンブルシーケンスとして設定されている。図5,図6に示すように、64個のシーケンスのうちのNOMA非対応用のプリアンブルシーケンスとNOMA対応用のプリアンブルシーケンスの割当方法は任意の割当方法とすることができる。
図7は、実施の形態にかかるNOMA対応用およびNOMA非対応用のプリアンブル信号のシーケンスのさらに他の一例を示す図である。図7において、図5,図6に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
図7に示す例では、64個のシーケンスのうち、プリアンブルシーケンス#0〜#nはNOMA非対応用のプリアンブルシーケンスとして設定され、プリアンブルシーケンス#n+1〜#63はNOMA対応用のプリアンブルシーケンスとして設定されている。さらに、図7に示す例では、プリアンブルシーケンス#n+1〜#63のうち、プリアンブルシーケンス#n+1〜#mはNOMA対応用のプリアンブルシーケンスのサブグループ#1として設定されている。また、プリアンブルシーケンス#m+1〜#63はNOMA対応用のプリアンブルシーケンスのサブグループ#2として設定されている。mは、たとえばn+2〜62の自然数である。
この場合に、基地局110は、上述したNOMA対応プリアンブル情報として、NOMA対応用のサブグループ#1のシーケンスと、NOMA対応用のサブグループ#2のシーケンスと、を特定可能な情報を報知信号によって送信する。たとえば、基地局110は、サブグループ#1のプリアンブルシーケンス#n+1〜#mと、サブグループ#2のプリアンブルシーケンス#m+1〜#63と、をそれぞれ区別可能なように列挙した情報をNOMA対応プリアンブル情報として送信する。
または、基地局110は、たとえばNOMA非対応用とNOMA対応用との境界を示すn(またはn+1)およびサブグループ#1,#2の境界を示すm(またはm+1)をNOMA対応プリアンブル情報として送信してもよい。この場合は、移動局221,222は、NOMA対応プリアンブル情報が示すn(またはn+1)に基づいて、プリアンブルシーケンス#n+1〜#63がNOMA対応用のプリアンブル信号のシーケンスであると判別する。また、移動局221,222は、NOMA対応プリアンブル情報が示すm(またはm+1)に基づいて、プリアンブルシーケンス#n+1〜#mがサブグループ#1であり、プリアンブルシーケンス#m+1〜#63がサブグループ#2であると判別する。
サブグループ#1のプリアンブルシーケンスは、NOMA対応であり、かつ基地局110との間のDLの通信品質が所定品質以上である移動局がPRACHによるランダムアクセス手順において送信すべきプリアンブル信号のシーケンスである。サブグループ#1のプリアンブルシーケンスは、NOMA対応であり、かつ基地局110との間のDLの通信品質が所定品質未満である移動局がPRACHによるランダムアクセス手順において送信すべきプリアンブル信号のシーケンスである。
たとえば、DLの通信品質が所定品質以上とは、DLのパスロス(伝搬路損失)が閾値X[dB]以下であることとし、DLの通信品質が所定品質未満とは、DLのパスロスが閾値X[dB]より大きいこととすることができる。または、DLの通信品質が所定品質以上とは、DLのSIRが閾値Y[dB]以上であることとし、DLの通信品質が所定品質未満とは、DLのSIRが閾値Y[dB]未満であることとしてもよい。
図7に示したように、NOMA対応用のPRACHのプリアンブルシーケンスを2つのサブグループ(Subgroup)に分けて設定し、NOMA対応の移動局は、DLのパスロスに応じたサブグループのプリアンブルシーケンスを選択する。これにより、NOMA対応であるか否かだけでなく、NOMA送信時のペア端末としてすぐ選択可能であるか否かを基地局110へ間接的に通知することが可能になる。
(実施の形態にかかるNOMA対応の移動局によるプリアンブル信号の送信処理)
図8は、実施の形態にかかるNOMA対応の移動局によるプリアンブル信号の送信処理の一例を示すフローチャートである。図8においてはNOMA対応の移動局221による処理について説明するが、他のNOMA対応の移動局(たとえば移動局222)の処理についても同様である。実施の形態にかかるNOMA対応の移動局221は、たとえば、図3に示した各ステップによって通信セルとして基地局セルを選択した後に、図8に示す各ステップを実行する。
まず、移動局221は、通信セルとして選択した基地局セルにおける基地局110からの報知信号を受信する(ステップS801)。つぎに、移動局221は、ステップS801によって受信した報知信号に含まれるNOMA対応プリアンブル情報を参照し、NOMA対応用のシーケンスと、NOMA非対応用のシーケンスと、を分類する(ステップS802)。
つぎに、移動局221は、ステップS802によって分類したNOMA対応用のシーケンスを自局のメモリに記憶する(ステップS803)。また、ステップS803において、移動局221は、NOMA対応プリアンブル情報にサブグループ(たとえば図7参照)の情報がある場合は、サブグループの情報を自局のメモリに記憶する。
つぎに、移動局221は、通信セルとして選択した基地局セルに対するRACHシーケンス(通信要求)が発生したか否かを判断し(ステップS804)、RACHシーケンスが発生するまで待つ(ステップS804:Noのループ)。RACH(Random Access Channel)シーケンスは、基地局110との間の通信を要求する移動局221による通信要求に基づき発生する。ステップS804において、RACHシーケンスが発生すると(ステップS804:Yes)、移動局221は、ステップS803において記憶したサブグループの情報があるか否かを判断する(ステップS805)。
ステップS805において、サブグループの情報がない場合(ステップS805:No)は、移動局221は、ステップS803によって記憶したNOMA対応用のシーケンスのいずれかのシーケンスを選択する。そして、移動局221は、選択したシーケンスに基づくプリアンブル信号を生成して基地局110へ送信し(ステップS806)、一連の処理を終了する。
ステップS805において、サブグループの情報がある場合(ステップS805:Yes)は、移動局221は、通信セルとして選択した基地局セルにおけるDLのパスロスを測定する。そして、移動局221は、測定したパスロスが閾値X以下であるか否かを判断する(ステップS807)。
ステップS807において、パスロスが閾値X以下である場合(ステップS807:Yes)は、移動局221は、ステップS803によって記憶したNOMA対応用のサブグループ#1のシーケンスのいずれかのシーケンスを選択する。そして、移動局221は、選択したシーケンスに基づくプリアンブル信号を生成して基地局110へ送信し(ステップS808)、一連の処理を終了する。
ステップS807において、パスロスが閾値X以下でない場合(ステップS807:No)は、移動局221は、ステップS803によって記憶したNOMA対応用のサブグループ#2のシーケンスのいずれかのシーケンスを選択する。そして、移動局221は、選択したシーケンスに基づくプリアンブル信号を生成して基地局110へ送信し(ステップS809)、一連の処理を終了する。
図4〜図8において説明したように、基地局110から送信する報知信号(システム情報)に、NOMA対応の移動局が選択すべきPRACHのプリアンブル信号のシーケンスを示すNOMA対応プリアンブル情報を含めてもよい。
NOMA対応の移動局221,222は、基地局110から送信される報知信号に含まれるNOMA対応プリアンブル情報が示すNOMA対応用のシーケンスの中から1つのシーケンスを選択する。そして、移動局221,222は、選択したシーケンスを使用してPRACHのプリアンブル信号を生成し、生成したプリアンブル信号を基地局110へ送信する。
基地局110は、移動局221,222から送信されるPRACHのプリアンブル信号を受信してそのシーケンスを特定することにより、移動局221,222がNOMA対応の移動局であることを判別することができる。これにより、基地局110は、たとえば移動局221,222を上述したパスロスが大きい方の移動局121としてNOMAのペアリングを行うことができる。
このように、基地局110は、NOMA対応のセルに接続する際のランダムアクセス手順におけるプリアンブル信号のうち、NOMA対応の移動局221,222が自局へ送信するための特定のプリアンブル信号を示すNOMA対応プリアンブル情報を報知する。NOMA対応の移動局221,222は、基地局110から報知されたNOMA対応プリアンブル情報に基づいて、NOMA対応の基地局セル211,212に接続するためのランダムアクセス手順において特定のプリアンブル信号を基地局110へ送信する。基地局110は、NOMA対応のセルに接続する際のランダムアクセス手順において送信されたプリアンブル信号が特定のプリアンブル信号であるか否かに基づいて、NOMAによる無線伝送を行う移動局の選択(ペアリング)を行う。
また、図7,図8に示したように、基地局110は、自局と移動局との間の無線品質に応じてグループ分けされた特定のプリアンブル信号(#n+1〜#m,#m〜#63)を示すNOMA対応プリアンブル情報を報知してもよい。この場合に、NOMA対応の移動局221,222は、ランダムアクセス手順において、特定のプリアンブル信号のうちの、自局と基地局110との間の無線品質に応じたグループのプリアンブル信号を基地局110へ送信する。
基地局110は、NOMA対応のセルに接続する際のランダムアクセス手順において送信されたプリアンブル信号が特定のプリアンブル信号であるか否かに基づいて、NOMAによる無線伝送を行う移動局の選択(ペアリング)を行う。また、基地局110は、NOMA対応のセルに接続する際のランダムアクセス手順において送信された特定のプリアンブル信号がいずれのグループのプリアンブル信号であるかによって、そのプリアンブル信号を送信した移動局と自局との間の無線品質を判定する。たとえば、基地局110は、この無線品質の判定結果を、NOMAによる無線伝送を行う移動局の選択(ペアリング)に用いてもよいし、他の処理に用いてもよい。
(実施の形態にかかる通信システムにおけるユーザデータの復調・復号処理)
図9は、実施の形態にかかる通信システムにおけるユーザデータの復調・復号処理の一例を示すシーケンス図である。実施の形態における通信システム100においては、ユーザデータの復調・復号処理として、たとえば図9に示す各ステップが実行される。図9においてはNOMA対応の移動局221による処理について説明するが、他のNOMA対応の移動局(たとえば移動局222)の処理についても同様である。
まず、基地局110が、NOMA対応周波数/MCS情報を含む報知信号を無線送信する(ステップS901)。NOMA対応周波数/MCS情報は、NOMAによるDLの無線伝送に用いられる所定の周波数領域およびMCS(Modulation and Coding Scheme:変調・符号化方式)を示す情報である。MCSは、変調方式や符号化方式などの通信方式を示すインデックスである。つぎに、移動局221が、ステップS901によって基地局110から無線送信された報知信号からNOMA対応周波数/MCS情報を取得する(ステップS902)。
つぎに、基地局110が、移動局221へのユーザデータを無線送信する(ステップS903)。ステップS903において、基地局110は、NOMAによってユーザデータを送信する場合は、上述したNOMA対応周波数/MCS情報が示す周波数領域およびMCSを用いてユーザデータを送信する。また、基地局110は、NOMAによらずに(たとえばOFDMAにより)ユーザデータを送信する場合は、上述したNOMA対応周波数/MCS情報が示す周波数領域およびMCSとは異なる周波数領域およびMCSを用いてユーザデータを送信する。
ステップS903によるユーザデータの送信に用いられる周波数領域およびMCSは、たとえばDLの制御情報によって基地局110から移動局221へ送信される。DLの制御情報には、たとえばPDCCH(Physical Downlink Control Channel:物理下りリンク制御チャネル)を用いることができる。
つぎに、移動局221が、ステップS903において基地局110から無線送信されたユーザデータの周波数領域およびMCSを判定する。この判定は、たとえば基地局110から移動局221へ送信されたDLの制御情報に基づいて行うことができる。また、移動局221は、ステップS902によって取得したNOMA対応周波数/MCS情報と、判定した周波数領域およびMCSと、に基づいて、このユーザデータがNOMAにより送信されたか否かを判定する。そして、移動局221は、判定結果に基づいて、ステップS903において基地局110から無線送信されたユーザデータの復調および復号を行う(ステップS904)。
ステップS904において、たとえば、移動局221は、判定した周波数領域およびMCSが、NOMA対応周波数/MCS情報が示す周波数領域およびMCSに含まれていた場合は、ユーザデータがNOMAにより送信されたと判定する。この場合は、移動局221は、ユーザデータの復調および復号をNOMAに対応する方式で行う。たとえば、移動局221は、基地局110からの受信信号から、自局とペアになったパスロスが大きい移動局122への信号のレプリカ信号を復号する。そして、移動局221は、復号したレプリカ信号に基づいて、基地局110からの受信信号から移動局122への信号を除去し、残った信号成分を自局への信号として復号する。
また、移動局221は、判定した周波数領域およびMCSが、NOMA対応周波数/MCS情報が示す周波数領域およびMCSに含まれていない場合は、ユーザデータがたとえばOFDMAにより送信されたと判定する。この場合は、移動局221は、ユーザデータの復調および復号をOFDMAに対応する方式で行う。
(実施の形態にかかるNOMA対応用およびNOMA非対応用の周波数領域)
図10は、実施の形態にかかるNOMA対応用およびNOMA非対応用の周波数領域の一例を示す図である。図10において、横軸は周波数を示す。システム帯域1010は、基地局110がNOMA対応の基地局セルにおいて使用可能な周波数領域である。システム帯域1010の帯域幅は、たとえば20[MHz]である。
システム帯域1010は、リソースブロック(Resource Block)に分割されている。リソースブロックは、システム帯域1010の帯域幅によらず一定である。また、セル内で使用できるリソースブロックの数は、システム帯域1010の帯域幅に依存する。たとえば、帯域幅が20[MHz]のシステム帯域1010においては、100個のリソースブロックが使用可能である。各リソースブロックは、リソースブロック番号によって識別可能である。
図10に示す例では、システム帯域1010のうちの周波数領域1011は、NOMA対応用の周波数領域に設定されている。また、システム帯域1010のうちの周波数領域1012,1013は、NOMA非対応用の周波数領域に設定されている。
この場合に、基地局110は、上述したNOMA対応周波数/MCS情報として、NOMA対応用の周波数領域1011と、NOMA非対応用の周波数領域1012,1013と、を特定可能な情報を報知信号によって送信する。たとえば、基地局110は、NOMA対応用の周波数領域1011と、NOMA非対応用の周波数領域1012,1013と、を示す情報をNOMA対応周波数/MCS情報として送信する。このようなNOMA対応周波数/MCS情報は、たとえばリソースブロック番号ごとにNOMA対応用か否かを示すビットマップ等により実現することができる。
(実施の形態にかかるNOMA対応用およびNOMA非対応用のMCS)
図11は、実施の形態にかかるNOMA対応用およびNOMA非対応用のMCSの一例を示す図である。図11に示すMCSテーブル1100は、基地局110がDLのユーザデータを送信する際に使用可能なMCSを示す。MCSテーブル1100には、MCSインデックスとして0〜31が含まれる。
MCSテーブル1100におけるMCSインデックスのそれぞれには、モジュレーションオーダ(modulation order)およびTBS(Transport block size)インデックスが対応付けられている。モジュレーションオーダは、変調方式を指示する情報である。TBSインデックスは、トランスポートブロックのサイズを指示する情報である。基地局110は、スケジューリングにおいて、移動局との間の通信にいずれのMCSを使用するかを選択する。
図11に示す例では、MCSテーブル1100の各MCSインデックスのうちの0〜10,21〜31がNOMA非対応用のMCSに設定されている。ただし、図11に示す例では、MCSテーブル1100の各MCSインデックスのうちの29〜31は、リザーブド(reserved)になっており使用されない。また、MCSテーブル1100の各MCSインデックスのうちの11〜20がNOMA対応用のMCSに設定されている。
この場合に、基地局110は、上述したNOMA対応周波数/MCS情報として、NOMA非対応用のMCSインデックス(0〜10,21〜31)と、NOMA対応用のMCSインデックス(11〜20)と、を特定可能な情報を報知信号によって送信する。たとえば、基地局110は、NOMA対応用のMCSインデックスの範囲と、NOMA非対応用のMCSインデックスの各範囲と、をNOMA対応周波数/MCS情報として送信する。このようなNOMA対応周波数/MCS情報は、たとえばMCSインデックスごとにNOMA対応用か否かを示すビットマップ等により実現することができる。
(実施の形態にかかる移動局によるユーザデータの復調・復号処理)
図12は、実施の形態にかかる移動局によるユーザデータの復調・復号処理の一例を示すフローチャートである。図12においてはNOMA対応の移動局221による処理について説明するが、他のNOMA対応の移動局(たとえば移動局222)の処理についても同様である。実施の形態にかかる移動局221は、たとえば、図8に示した処理で送信したプリアンブル信号に基づくランダムアクセス手順によって基地局110の基地局セルに接続した後に、図12に示す各ステップを実行する。
まず、移動局221は、接続した基地局セルにおける基地局110からの報知信号を受信する(ステップS1201)。つぎに、移動局221は、ステップS1201によって受信した報知信号に含まれるNOMA対応周波数/MCS情報を参照し、NOMA対応用の周波数領域およびMCSを特定する(ステップS1202)。つぎに、移動局221は、ステップS1202によって特定したNOMA対応用の周波数領域およびMCSを自局のメモリに記憶する(ステップS1203)。
つぎに、移動局221は、接続した基地局セルにおいて、基地局110からユーザデータを受信したか否かを判断し(ステップS1204)、基地局110からユーザデータを受信するまで待つ(ステップS1204:Noのループ)。基地局110からユーザデータを受信すると(ステップS1204:Yes)、移動局221は、ステップS1205へ移行する。すなわち、移動局221は、受信したユーザデータに使用された周波数帯域が、ステップS1203により記憶したNOMA対応用の周波数領域に含まれるか否かを判断する(ステップS1205)。
ステップS1205において、NOMA対応用の周波数領域に含まれない場合(ステップS1205:No)は、移動局221は、ステップS1204において受信したユーザデータがNOMAによらずにOFDMAにより送信されたと判別する。この場合は、移動局221は、ステップS1204において受信したユーザデータの復調および復号をOFDMA方式で実施し(ステップS1206)、一連の処理を終了する。
ステップS1205において、NOMA対応用の周波数領域に含まれる場合(ステップS1205:Yes)は、移動局221は、ステップS1207へ移行する。すなわち、移動局221は、受信したユーザデータに使用されたMCSが、ステップS1203によって記憶したNOMA対応用のMCSに含まれるか否かを判断する(ステップS1207)。
ステップS1207において、NOMA対応用のMCSに含まれない場合(ステップS1207:No)は、移動局221は、ステップS1204において受信したユーザデータがNOMAによらずにOFDMAにより送信されたと判別する。この場合は、移動局221は、ステップS1204において受信したユーザデータの復調および復号をOFDMA方式で実施し(ステップS1208)、一連の処理を終了する。
ステップS1207において、NOMA対応用のMCSに含まれる場合(ステップS1207:Yes)は、移動局221は、ステップS1204において受信したユーザデータがNOMAにより送信されたと判別する。この場合は、移動局221は、ステップS1204において受信したユーザデータの復調および復号をNOMA方式で実施し(ステップS1209)、一連の処理を終了する。
図9〜図12において説明したように、基地局110から送信される報知信号に、NOMA通信の適用が可能な周波数領域と、NOMA通信に適用可能なMCS範囲と、を示すNOMA対応周波数/MCS情報を含める。これに対して、NOMA対応の移動局221,222は、基地局110からの報知信号に含まれるNOMA対応周波数/MCS情報を取得する。そして、移動局221,222は、基地局110から送信される無線データ信号が送信されている周波数帯域と、その無線データ信号に適用されているMCSから、その無線データ信号がNOMAにより送信されたか否かを判別する。
これにより、基地局110が送信する無線データ信号にNOMAを適用しているか否かをDLの制御情報によって直接的に移動局221,222に通知しなくても、移動局221,222はNOMAが適用されているか否かを判別できる。ただし、基地局110が送信する無線データ信号にNOMAを適用しているか否かをDLの制御情報によって直接的に移動局221,222に通知する構成としてもよい。
このように、基地局110は、NOMA対応の基地局セル211,212におけるNOMAによる無線伝送のための特定の伝送方法を示すNOMA対応周波数/MCS情報を無線信号により報知する。そして、基地局110は、NOMA対応の基地局セル211,212におけるNOMAによる無線伝送に、NOMA対応周波数/MCS情報が示す特定の伝送方法を用いる。これにより、NOMAによる無線伝送の送信先の移動局221は、基地局110から受信したデータの伝送方法に基づいてNOMAが適用されていると判定し、NOMAによる無線伝送に対応した復号方式によってデータを復号することができる。
図9〜図12に示す例では、周波数領域およびMCS範囲をNOMA対応およびNOMA非対応に分ける構成について説明したが、周波数領域およびMCS範囲のいずれかのみをNOMA対応およびNOMA非対応に分ける構成としてもよい。この場合は、基地局110は、NOMA対応周波数/MCS情報に代えて、NOMA対応の基地局セル211,212におけるNOMAによる無線伝送のための特定の周波数領域または特定のMCSを示す情報を報知してもよい。
たとえば、基地局110は、NOMA対応の基地局セル211,212におけるNOMAによる無線伝送に、報知する情報が示す特定の周波数領域を用いる。これにより、NOMAによる無線伝送の送信先の移動局221は、基地局110から受信したデータの周波数帯に基づいてNOMAが適用されていると判定し、NOMAによる無線伝送に対応した復号方式によってデータを復号することができる。
または、基地局110は、NOMA対応の基地局セル211,212におけるNOMAによる無線伝送に、報知する情報が示す特定のMCSを用いる。これにより、NOMAによる無線伝送の送信先の移動局221は、基地局110から受信したデータのMCSに基づいてNOMAが適用されていると判定し、NOMAによる無線伝送に対応した復号方式によってデータを復号することができる。
(実施の形態にかかる基地局)
図13は、実施の形態にかかる基地局の一例を示す図である。図13に示すように、実施の形態にかかる基地局110は、たとえば、アンテナ1310と、無線通信部1320と、信号処理部1330と、制御部1340と、有線通信部1350と、を備える。また、基地局110は、NOMA対応判別部1360と、ファイル/システムデータ管理部1370と、報知情報記憶部1380と、を備える。
アンテナ1310は、移動局(たとえば移動局121,122)から無線送信された信号を受信し、受信した信号を無線通信部1320へ出力する。また、アンテナ1310は、無線通信部1320から出力された信号を移動局(たとえば移動局121,122)へ無線送信する。
無線通信部1320は、アンテナ1310を用いた無線通信を行う。たとえば、無線通信部1320は、無線復調部1321と、無線変調部1322と、を備える。無線復調部1321は、アンテナ1310から出力された信号を復調し、復調した信号を信号処理部1330へ出力する。無線変調部1322は、信号処理部1330から出力された信号に基づく変調を行い、変調により得られた信号をアンテナ1310へ出力する。
また、無線通信部1320は、アンテナ1310から出力された信号を増幅する増幅器、増幅した信号をベースバンド帯に周波数変換する周波数変換器、周波数変換した信号をデジタル信号に変換するデジタル変換器などを備えていてもよい。この場合に、無線復調部1321は、デジタル変換器によってデジタル信号に変換された信号を復調する。
また、無線通信部1320は、無線変調部1322の変調により得られた信号をアナログ信号に変換するアナログ変換器、アナログ信号に変換された信号を高周波帯に周波数変換する周波数変換器、周波数変換した信号を増幅する増幅器などを備えていてもよい。この場合は、増幅器によって増幅された信号がアンテナ1310へ出力される。
信号処理部1330は、無線通信部1320によって送受信される信号のベースバンド処理を行う。信号処理部1330によるベースバンド処理には、たとえば、無線通信部1320から出力された信号の復号処理や、基地局110が送信するデータを符号化し、符号化により得られた信号を無線通信部1320へ出力する処理が含まれる。
制御部1340は、基地局110における通信の制御を行う。制御部1340における通信の制御には、たとえば、基地局110と移動局(たとえば移動局121,122)との間の呼処理や、基地局110における通信の状況の監視制御などが含まれる。また、制御部1340における通信の制御には、上述したNOMAのペアリングなどが含まれる。
有線通信部1350は、基地局110と有線接続された他の通信装置との間で有線通信を行う。基地局110と有線接続された他の通信装置には、たとえば、基地局110が接続されたコアネットワークにおけるMME(Mobility Management Entity)やS−GW(Serving−Gateway)が含まれる。また、基地局110と有線接続された他の通信装置には、基地局110とX2インタフェースなどによって接続された隣接基地局などが含まれる。
NOMA対応判別部1360は、移動局221〜223が基地局110の基地局セルに接続するために送信するプリアンブル信号に基づいて、移動局221〜223がNOMA対応か否かを判別する処理(図4〜図8参照)を行う処理部である。たとえば、NOMA対応判別部1360は、信号処理部1330によって受信処理が行われた移動局221〜223からのプリアンブル信号に基づいて、移動局221〜223がNOMA対応か否かを判別する処理を行う。NOMA対応判別部1360による判別結果は、たとえば信号処理部1330を介して制御部1340へ出力され、制御部1340におけるNOMAのペアリングに使用される。
ファイル/システムデータ管理部1370は、基地局110が無線通信を行うためのファイルやシステムデータを管理する処理部である。報知情報記憶部1380は、基地局110が自セルにおいて無線送信する報知情報を記憶する。報知情報記憶部1380に記憶された報知情報には、たとえば、上述のNOMA対応セル情報、NOMA可能品質情報、NOMA対応プリアンブル情報、NOMA対応周波数/MCS情報などが含まれる。
報知情報記憶部1380に記憶された報知情報は、ファイル/システムデータ管理部1370を介して制御部1340へ出力される。制御部1340へ出力された報知情報は、制御部1340の制御により、信号処理部1330、無線通信部1320およびアンテナ1310によって基地局110の自セルにおいて無線送信される報知信号に格納される。
図13に示した基地局110において、報知信号を生成する制御部は、たとえば、制御部1340、ファイル/システムデータ管理部1370および報知情報記憶部1380により実現することができる。報知信号を送信する無線通信部は、たとえば、アンテナ1310、無線通信部1320および信号処理部1330により実現することができる。
(実施の形態にかかる基地局のハードウェア構成)
図14は、実施の形態にかかる基地局のハードウェア構成の一例を示す図である。図13に示した基地局110は、たとえば図14に示す通信装置1400により実現することができる。通信装置1400は、CPU1401と、メモリ1402と、無線通信インタフェース1403と、有線通信インタフェース1404と、を備える。CPU1401、メモリ1402、無線通信インタフェース1403および有線通信インタフェース1404は、バス1409によって接続される。
CPU1401(Central Processing Unit)は、通信装置1400の全体の制御を司る。メモリ1402には、たとえばメインメモリおよび補助メモリが含まれる。メインメモリは、たとえばRAM(Random Access Memory)である。メインメモリは、CPU1401のワークエリアとして使用される。補助メモリは、たとえば磁気ディスク、光ディスク、フラッシュメモリなどの不揮発メモリである。補助メモリには、通信装置1400を動作させる各種のプログラムが記憶されている。補助メモリに記憶されたプログラムは、メインメモリにロードされてCPU1401によって実行される。
無線通信インタフェース1403は、無線によって通信装置1400の外部(たとえば移動局121,122)との間で通信を行う通信インタフェースである。無線通信インタフェース1403は、CPU1401によって制御される。無線通信インタフェース1403には、たとえば、ADC(Analog/Digital Converter:アナログ/デジタル変換器)やDAC(Digital/Analog Converter:デジタル/アナログ変換器)などが含まれる。また、無線通信インタフェース1403には、増幅器や、周波数変換を行うミキサなどが含まれる。
有線通信インタフェース1404は、有線によって通信装置1400の外部との間で通信を行う通信インタフェースである。有線通信インタフェース1404は、CPU1401によって制御される。有線通信インタフェース1404の通信先(外部)は、たとえば基地局110が接続されたコアネットワークの各通信装置である。
図13に示したアンテナ1310および無線通信部1320は、たとえば無線通信インタフェース1403に含まれる。図13に示した有線通信部1350は、たとえば有線通信インタフェース1404に含まれる。図13に示した信号処理部1330、制御部1340、NOMA対応判別部1360およびファイル/システムデータ管理部1370は、たとえばCPU1401により実現することができる。図13に示した報知情報記憶部1380は、たとえばメモリ1402により実現することができる。
(実施の形態にかかる移動局)
図15は、実施の形態にかかる移動局の一例を示す図である。上述したNOMA対応の移動局221,222は、たとえば図15に示す移動局1500により実現することができる。移動局1500は、たとえば、アンテナ1510と、無線通信部1520と、信号処理部1530と、制御部1540と、データ記憶部1550と、通信セル選択部1560と、を備える。また、移動局1500は、NOMA対応プリアンブル情報記憶部1570と、NOMA対応周波数/MCS情報記憶部1580と、NOMA/OFDMA判定部1590と、を備える。
アンテナ1510は、基地局110から無線送信された信号を受信し、受信した信号を無線通信部1520へ出力する。また、アンテナ1510は、無線通信部1520から出力された信号を基地局110へ無線送信する。
無線通信部1520は、アンテナ1510を用いた無線通信を行う。たとえば、無線通信部1520は、無線復調部1521と、無線変調部1522と、を備える。無線復調部1521は、アンテナ1510から出力された信号を復調し、復調した信号を信号処理部1530へ出力する。無線変調部1522は、信号処理部1530から出力された信号に基づく変調を行い、変調により得られた信号をアンテナ1510へ出力する。
また、無線通信部1520は、アンテナ1510から出力された信号を増幅する増幅器、増幅した信号をベースバンド帯に周波数変換する周波数変換器、周波数変換した信号をデジタル信号に変換するデジタル変換器などを備えていてもよい。この場合に、無線復調部1521は、デジタル変換器によってデジタル信号に変換された信号を復調する。
また、無線通信部1520は、無線変調部1522の変調により得られた信号をアナログ信号に変換するアナログ変換器、アナログ信号に変換された信号を高周波帯に周波数変換する周波数変換器、周波数変換した信号を増幅する増幅器などを備えていてもよい。この場合は、増幅器によって増幅された信号がアンテナ1510へ出力される。
信号処理部1530は、無線通信部1520によって送受信される信号のベースバンド処理を行う。信号処理部1530によるベースバンド処理には、たとえば、無線通信部1520から出力された信号の復号処理や、移動局1500が送信するデータを符号化し、符号化により得られた信号を無線通信部1520へ出力する処理が含まれる。信号処理部1530による復号処理には、たとえば、上述のNOMAに対応したSIR等を含む復号処理と、OFDMAに対応した復号処理と、が含まれる。
制御部1540は、移動局1500における通信の制御を行う。制御部1540における通信の制御には、たとえば、移動局1500における通信の状況等の監視制御などが含まれる。データ記憶部1550は、制御部1540における通信の制御に用いられる各種のデータを記憶する。
通信セル選択部1560は、移動局1500の接続先の通信セルを選択する処理を行う。たとえば、通信セル選択部1560は、アンテナ1510、無線通信部1520、信号処理部1530および制御部1540を介して基地局110の各基地局セルにおいて送信された報知信号を取得する。そして、通信セル選択部1560は、取得した報知信号に含まれるNOMA対応セル情報に基づいて、NOMA対応の基地局セルを優先的に通信セルとして選択する処理(たとえば図3参照)を行う。
また、通信セル選択部1560は、取得した報知信号に含まれるNOMA可能品質情報が示す所定品質を移動局1500が満たさない場合には、NOMA非対応の基地局セルを通信セルとして選択する処理(たとえば図3参照)を行う。通信セル選択部1560による通信セルの選択結果は、制御部1540へ通知される。制御部1540は、通信セル選択部1560から通知された選択結果に基づいて、通信セル選択部1560によって選択された基地局セルへの接続の制御を行う。
NOMA対応プリアンブル情報記憶部1570は、上述したNOMA対応プリアンブル情報を記憶する。たとえば、信号処理部1530は、基地局110が各基地局セルにおいて送信した報知信号からNOMA対応プリアンブル情報を取得し、取得したNOMA対応プリアンブル情報をNOMA対応プリアンブル情報記憶部1570に記憶させる。
また、信号処理部1530は、制御部1540からの制御によってNOMA対応の基地局セルへの接続を行うためのランダムアクセス手順において、NOMA対応プリアンブル情報記憶部1570に記憶されたNOMA対応プリアンブル情報を用いる。すなわち、信号処理部1530は、NOMA対応プリアンブル情報が示すシーケンスのいずれかを選択し、選択したシーケンスのプリアンブル信号を生成する。
そして、信号処理部1530は、生成したプリアンブル信号を、ランダムアクセス手順におけるランダムアクセス要求(Msg1)として、無線通信部1520およびアンテナ1510を介して基地局110へPRACHにて送信する。これにより、移動局1500がNOMA対応であることを基地局110に対して間接的に通知することができる。
NOMA対応周波数/MCS情報記憶部1580は、上述したNOMA対応周波数/MCS情報を記憶する。たとえば、信号処理部1530は、基地局110が各基地局セルにおいて送信した報知信号からNOMA対応周波数/MCS情報を取得する。そして、信号処理部1530は、取得したNOMA対応周波数/MCS情報を、制御部1540を介してNOMA対応周波数/MCS情報記憶部1580に記憶させる。
NOMA/OFDMA判定部1590は、NOMA対応周波数/MCS情報記憶部1580に記憶されたNOMA対応周波数/MCS情報に基づいて、基地局110からのDLのデータがNOMAおよびOFDMAのいずれにより無線伝送されたかを判別する。すなわち、NOMA/OFDMA判定部1590は、基地局110からのDLのデータの周波数帯域およびMCSが、NOMA対応の周波数帯域およびMCSであるか否かをNOMA対応周波数/MCS情報に基づいて判別する。
そして、NOMA/OFDMA判定部1590は、NOMA対応の周波数帯域およびMCSであると判別した場合は、DLのデータがNOMAにより無線伝送されたと判定する。また、信号処理部1530は、NOMA対応の周波数帯域およびMCSでないと判別した場合は、DLのデータがOFDMAにより無線伝送されたと判定する。NOMA/OFDMA判定部1590による判別結果は信号処理部1530に通知される。
信号処理部1530は、基地局110からのDLのデータを復号する際に、NOMAにより無線伝送されたとNOMA/OFDMA判定部1590が判定した場合はNOMAに対応したSIR等を含む復号処理を行う。また、信号処理部1530は、基地局110からのDLのデータを復号する際に、OFDMAにより無線伝送されたとNOMA/OFDMA判定部1590が判定した場合はOFDMAに対応した復号処理を行う。
図15に示した移動局1500において、基地局110から報知される各情報を受信する受信部は、たとえば、アンテナ1510、無線通信部1520および信号処理部1530により実現することができる。また、基地局110のNOMAによる無線伝送に対応可能な無線通信部は、たとえば、アンテナ1510、無線通信部1520、信号処理部1530、制御部1540および通信セル選択部1560により実現することができる。
(実施の形態にかかる移動局のハードウェア構成)
図16は、実施の形態にかかる移動局のハードウェア構成の一例を示す図である。図15に示した移動局1500は、たとえば図16に示す通信装置1600により実現することができる。通信装置1600は、CPU1601と、メモリ1602と、ユーザインタフェース1603と、無線通信インタフェース1604と、を備える。CPU1601、メモリ1602、ユーザインタフェース1603および無線通信インタフェース1604は、バス1609によって接続される。
CPU1601は、通信装置1600の全体の制御を司る。メモリ1602には、たとえばメインメモリおよび補助メモリが含まれる。メインメモリは、たとえばRAMである。メインメモリは、CPU1601のワークエリアとして使用される。補助メモリは、たとえば磁気ディスク、フラッシュメモリなどの不揮発メモリである。補助メモリには、通信装置1600を動作させる各種のプログラムが記憶されている。補助メモリに記憶されたプログラムは、メインメモリにロードされてCPU1601によって実行される。
ユーザインタフェース1603は、たとえば、ユーザからの操作入力を受け付ける入力デバイスや、ユーザへ情報を出力する出力デバイスなどを含む。入力デバイスは、たとえばキー(たとえばキーボード)やリモコンなどにより実現することができる。出力デバイスは、たとえばディスプレイやスピーカなどにより実現することができる。また、タッチパネルなどによって入力デバイスおよび出力デバイスを実現してもよい。ユーザインタフェース1603は、CPU1601によって制御される。
無線通信インタフェース1604は、無線によって通信装置1600の外部(たとえば基地局110)との間で通信を行う通信インタフェースである。無線通信インタフェース1604は、CPU1601によって制御される。
図15に示したアンテナ1510および無線通信部1520は、たとえば無線通信インタフェース1604に含まれる。図15に示した信号処理部1530、制御部1540、通信セル選択部1560およびNOMA/OFDMA判定部1590は、たとえばCPU1601により実現することができる。図15に示したデータ記憶部1550、NOMA対応プリアンブル情報記憶部1570およびNOMA対応周波数/MCS情報記憶部1580は、たとえばメモリ1602により実現することができる。
このように、実施の形態にかかる通信システム100においては、基地局110が、NOMA対応の基地局セル211,212において、自セルがNOMA対応であることを示すNOMA対応セル情報を報知する。
これにより、NOMA対応の移動局221,222を、NOMA非対応の基地局セル213,214より優先的に、NOMA対応の基地局セル211,212に接続させることが可能になる。したがって、NOMA対応の基地局セル211,212により多くのNOMA対応の移動局221,222を接続させ、基地局110においてNOMAのペアリングが可能な移動局の組み合わせを多くすることができる。これにより、NOMAによる無線伝送を多くして通信システム100における無線リソースの利用効率を向上させ、スループットの向上を図ることができる。
また、基地局110は、NOMA対応の基地局セル211,212においてNOMAによる無線伝送を行うための自局と移動局との間の無線品質(たとえばパスロスやSIR)に関する条件を示すNOMA可能品質情報を報知する。
これにより、NOMA対応の移動局221,222は、基地局110との間の無線品質が低すぎる場合にはNOMA対応の基地局セル211,212に接続しないようにすることができる。したがって、NOMA対応の基地局セル211,212により多くのNOMA対応かつ無線品質が低すぎない(たとえばパスロスが閾値Th#2以下の)移動局を接続させ、NOMAにおける通信品質を向上させることができる。このため、NOMA対応の基地局セル211,212におけるスループットの向上を図ることができる。
また、基地局110は、NOMA対応セル情報およびNOMA可能品質情報を1つの情報によってまとめて報知してもよい。たとえば、基地局110は、NOMA対応のセルの報知信号にNOMA可能品質情報を格納し、NOMA非対応のセルの報知信号にはNOMA可能品質情報を格納しない。これにより、基地局110はNOMA対応セル情報を報知信号に格納しなくても、移動局221,222は、NOMA可能品質情報の有無によって各セルのNOMA対応/非対応を判別することができる。
さらに、基地局110は、NOMA対応の移動局221,222がランダムアクセス手順において自局へ送信するための特定のプリアンブル信号を示すNOMA対応プリアンブル情報を報知してもよい。これにより、NOMA対応の移動局221,222に対して、ランダムアクセス手順において特定のプリアンブル信号を基地局110へ送信させることができる。
したがって、基地局110は、ランダムアクセス手順において送信されたプリアンブル信号が特定のプリアンブル信号であるか否かに基づいて、接続した移動局221,222がNOMA対応か否かを判別することができる。これにより、UL(Up Link)のシグナリング量の増加を回避しつつ、基地局110が、接続した移動局221,222がNOMA対応か否かを判別し、NOMAによる無線伝送を行う移動局の選択(ペアリング)を行うことができる。ULのシグナリング量の増加を回避することにより、使用される無線リソースの量の増加を抑制することができる。
さらに、基地局110は、NOMA対応の基地局セル211,212におけるNOMAによる無線伝送のための特定の伝送方法(使用する周波数帯域およびMCSの少なくともいずれか)を示すNOMA対応周波数/MCS情報を報知する。この伝送方法には、使用する周波数帯域およびMCSの少なくともいずれかが含まれる。そして、基地局110は、NOMA対応の基地局セル211,212におけるNOMAによる無線伝送に上述の特定の伝送方法を用いる。
これにより、DLのシグナリング量の増加を回避しつつ、NOMA対応の基地局セル211,212におけるデータの送信先の移動局221,222が、データ送信に用いられた伝送方法に基づいて、NOMAが適用されたか否かを判別することができる。このため、移動局221,222は、判別結果に基づいてデータの復号を行うことができる。DLのシグナリング量の増加を回避することにより、使用される無線リソースの量の増加を抑制することができる。
たとえば、従来、移動局が接続先の基地局セルを選択するための方法として、移動局における受信電力が最も大きくなる参照信号を送信している(受信品質が最もよい)基地局セルを選択する方法がある。この方法においては、受信電力をセル選択の際の主要な判断基準とするので、NOMA対応とNOMA非対応の基地局セルが混在する環境下では、NOMA対応の移動局がNOMA対応の基地局セルを選択するとは限らない。基地局セルがNOMA対応である場合に、その基地局セルにNOMA非対応の移動局よりもNOMA対応の移動局をより多く収容していれば、その基地局セルにおける無線リソースの利用効率をより向上させることが可能である。そのためには、NOMA対応の移動局はセル選択を行う機会においてNOMA非対応の基地局セルよりもNOMA対応の基地局セルを選択できるようにすることが望ましい。
これに対して、上述した実施の形態によれば、基地局が、NOMA対応の基地局セルにおいて、NOMA対応であることを示すNOMA対応セル情報を報知する。これにより、NOMA対応の移動局を、NOMA非対応の基地局セルより優先的に、NOMA対応の基地局セルに接続させることが可能になる。したがって、NOMA対応の基地局セルにより多くのNOMA対応の移動局を接続させ、NOMAのペアリングが可能な移動局の組み合わせを多くすることができる。このため、NOMAによる無線伝送を多くして無線リソースの利用効率を向上させ、スループットの向上を図ることができる。
また、NOMA送信を行う際には、パスロスが小さい移動局とパスロスが大きい移動局を選択してペアを作るペアリングが行われる。このとき、パスロスが大きすぎる移動局は、NOMA対応であってもNOMAによる無線伝送に適さない。これは、たとえば、パスロスが大きすぎる移動局がNOMAのペアとして選択される場合は、そのパスロスが大きい移動局における受信電力が、受信信号の復調および復号を行うには不十分なものになり得るためである。また、そのパスロスが大きい移動局への電力を大きくすると、その移動局とペアになるパスロスが小さい移動局への送信に割り当てる電力が小さくなりすぎ、NOMAにより期待できるゲイン(gain)がなくなる可能性がある。このように、NOMA対応であるがパスロスが大きすぎる移動局がNOMA対応の基地局セルに接続すると、NOMAによって十分な通信品質が得られず、NOMA対応の基地局セルにおけるスループットの向上を図ることができない。
これに対して、上述した実施の形態によれば、基地局が、NOMA対応の基地局セルにおいてNOMAによる無線伝送を行うための自局と移動局との間の無線品質に関する条件を示すNOMA可能品質情報を報知する。これにより、NOMA対応の移動局は、基地局との間の無線品質が低すぎる場合にはNOMA対応の基地局セルに接続しないようにすることができる。したがって、NOMA対応の基地局セルにより多くのNOMA対応かつ無線品質が低すぎない移動局を接続させ、NOMAにおける通信品質を向上させることができる。このため、NOMA対応の基地局セルにおけるスループットの向上を図ることができる。
また、NOMA対応の移動局がNOMA対応の基地局セルを選択して接続を行った後に、基地局は接続した移動局がNOMA対応であるということを判別することを要する。これに対して、たとえば、NOMA対応の基地局セルに接続したNOMA対応の移動局が、自局がNOMA対応であることを示すULの制御信号を基地局へ送信することも考えられるが、ULのシグナリング量が増加する場合がある。
これに対して、上述した実施の形態によれば、基地局が、NOMA対応の移動局がランダムアクセス手順において自局へ送信するための特定のプリアンブル信号を示すNOMA対応プリアンブル情報を報知する。これにより、NOMA対応の移動局に対して、ランダムアクセス手順においてNOMA対応プリアンブル情報が示す特定のプリアンブル信号を基地局へ送信させることができる。したがって、基地局は、ランダムアクセス手順において送信されたプリアンブル信号が特定のプリアンブル信号であるか否かに基づいて、接続した移動局がNOMA対応か否かを判別することができる。このため、ULのシグナリング量の増加を回避しつつ、基地局が、接続した移動局がNOMA対応か否かを基地局が判別し、NOMAによる無線伝送を行う移動局の選択(ペアリング)を行うことができる。
また、NOMA対応の基地局に接続したNOMA対応の移動局に対するDLのデータ送信に対して常にNOMAが適用されるわけではない。これは、たとえば、NOMA送信を行ううえでペアとなる適切な移動局が存在しない状況が発生するためである。したがって、NOMA対応の移動局は、DLにおいて基地局から受信した信号に対して、NOMAに対応する復号処理を行うべきか、またはNOMA信号でない信号(たとえばOFDMA信号)に対応する復号処理を行うべきかを判断することを要する。これに対して、たとえば、NOMA対応の移動局に対してデータ送信を行う基地局が、NOMAを適用するか否かを通知するDLの制御情報をNOMA対応の移動局へ送信することも考えられるが、DLのシグナリング量が増加する場合がある。
これに対して、上述した実施の形態によれば、基地局が、NOMA対応の基地局セルにおけるNOMAによる無線伝送のための特定の伝送方法を示すNOMA対応周波数/MCS情報を報知する。この伝送方法には、使用する周波数帯域およびMCSの少なくともいずれかが含まれる。そして、基地局は、NOMA対応の基地局セルにおけるNOMAによる無線伝送に上述の特定の伝送方法を用いる。これにより、DLのシグナリング量の増加を回避しつつ、NOMA対応の基地局セルにおけるデータの送信先の移動局が、データ送信に用いられた伝送方法に基づいて、NOMAが適用されたか否かを判別し、判別結果に基づいてデータの復号を行うことができる。
以上説明したように、基地局、移動局、通信システムおよび通信方法によれば、スループットの向上を図ることができる。
たとえば、NOMA対応の基地局セルとNOMA非対応の基地局セルが混在する環境において、NOMA対応の移動局をNOMA対応の基地局セルに効率よく収容させることが可能となる。また、無線リソースをNOMA送信のためにより多く使えるようになるため、無線リソースの利用効率が向上し、全体スループット向上の効果が得られる。また、NOMA方式で送信される無線データ信号であるかどうかを示す情報を、無線データ信号送信のたびに基地局から移動局へ直接通知しなくても、移動局は受信した無線データ信号がNOMA方式で送信されたものかどうかを判別可能になる。このため、制御信号の送信に使用される無線リソースの量を削減できる。
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)複数の移動局に対して非直交多元接続による無線伝送が可能なセルを形成し、
前記セルにおいて前記非直交多元接続による無線伝送が可能なことと、前記セルにおいて前記非直交多元接続による無線伝送を行うための自局と移動局との間の無線品質に関する条件と、を含む報知信号を生成する制御部と、
前記報知信号を送信する無線通信部と、
を備えることを特徴とする基地局。
(付記2)前記制御部は、前記セルにおいて前記非直交多元接続による無線伝送が可能なことを報知する前記報知信号を生成することにより、前記非直交多元接続による無線伝送が可能な前記セル(以下、第1セルと称する。)と、前記第1セルと異なり非直交多元接続による無線伝送が可能でない第2セルと、の圏内に位置し前記非直交多元接続による無線伝送に対応可能な移動局を、前記第2セルより優先的に前記第1セルに接続させることを特徴とする付記1に記載の基地局。
(付記3)前記制御部は、前記無線品質に関する条件を報知する前記報知信号を生成することにより、前記非直交多元接続による無線伝送に対応し自局との間の無線品質が前記条件を満たす移動局を前記非直交多元接続による無線伝送が可能なセルに接続させ、前記非直交多元接続による無線伝送に対応し自局との間の無線品質が前記条件を満たさない移動局を前記非直交多元接続による無線伝送が可能なセルに接続させないことを特徴とする付記2に記載の基地局。
(付記4)前記制御部は、
前記非直交多元接続による無線伝送が可能なセルに接続する際のランダムアクセス手順におけるプリアンブル信号のうちの、前記非直交多元接続による無線伝送に対応可能な移動局が自局へ送信するための特定のプリアンブル信号を報知する前記報知信号を生成し、
前記ランダムアクセス手順において送信されたプリアンブル信号が前記特定のプリアンブル信号であるか否かに基づいて、前記非直交多元接続による無線伝送を行う移動局の選択を行う、
ことを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の基地局。
(付記5)前記制御部は、前記特定のプリアンブル信号を報知する前記報知信号を生成することにより、前記非直交多元接続による無線伝送が可能なセルに接続する移動局のうちの前記非直交多元接続による無線伝送に対応可能な移動局に対して、前記ランダムアクセス手順において前記特定のプリアンブル信号を自局へ送信させることを特徴とする付記4に記載の基地局。
(付記6)前記制御部は、
自局と移動局との間の無線品質に応じてグループ分けされた前記特定のプリアンブル信号を報知する前記報知信号を生成し、
前記ランダムアクセス手順において送信された前記特定のプリアンブル信号のグループに基づいて、前記ランダムアクセス手順において前記特定のプリアンブル信号を送信した移動局と自局との間の無線品質を判定する、
ことを特徴とする付記4または5に記載の基地局。
(付記7)前記制御部は、自局と移動局との間の無線品質に応じてグループ分けされた前記特定のプリアンブル信号を報知する前記報知信号を生成することにより、前記非直交多元接続による無線伝送に対応可能な移動局に対して、前記特定のプリアンブル信号のうちの、前記非直交多元接続による無線伝送に対応可能な移動局と自局との間の無線品質に応じたグループのプリアンブル信号を前記ランダムアクセス手順において送信させることを特徴とする付記6に記載の基地局。
(付記8)前記制御部は、
前記非直交多元接続による無線伝送が可能なセルにおける前記非直交多元接続による無線伝送のための特定の伝送方法であって、使用する周波数帯域および通信方式の少なくともいずれかを含む特定の伝送方法を報知する前記報知信号を生成し、
前記非直交多元接続による無線伝送が可能なセルにおける前記非直交多元接続による無線伝送に前記特定の伝送方法を用いる、
ことを特徴とする付記1〜7のいずれか一つに記載の基地局。
(付記9)前記制御部は、前記特定の伝送方法を報知する前記報知信号を生成することにより、前記非直交多元接続による無線伝送が可能なセルにおける前記非直交多元接続による無線伝送によるデータの送信先の移動局に対して、前記非直交多元接続による無線伝送に対応した復号方式によって前記データを復号させることを特徴とする付記8に記載の基地局。
(付記10)複数の移動局に対して非直交多元接続による無線伝送が可能なセルを形成する基地局から無線送信される、前記セルにおいて前記非直交多元接続による無線伝送が可能なことと、前記セルにおいて前記非直交多元接続による無線伝送を行うための前記基地局と移動局との間の無線品質に関する条件と、を報知する報知信号を受信する受信部と、
前記非直交多元接続による無線伝送に対応可能な無線通信部であって、前記受信部によって受信された前記報知信号に基づいて選択したセルに接続し、接続したセルにおいて無線通信を行う無線通信部と、
を備えることを特徴とする移動局。
(付記11)前記無線通信部は、前記非直交多元接続による無線伝送が可能なセル(以下、第1セルと称する。)と、前記第1セルと異なり非直交多元接続による無線伝送が可能でない第2セルと、の圏内において、自局と前記基地局との間の無線品質が前記条件を満たす場合は前記第1セルに接続し、自局と前記基地局との間の無線品質が前記条件を満たさない場合は前記第2セルに接続することを特徴とする付記10に記載の移動局。
(付記12)複数の移動局に対して非直交多元接続による無線伝送が可能なセルを形成する基地局であって、前記セルにおいて前記非直交多元接続による無線伝送が可能なことと、前記セルにおいて前記非直交多元接続による無線伝送を行うための自局と移動局との間の無線品質に関する条件と、を報知する報知信号を送信する基地局と、
前記非直交多元接続による無線伝送に対応可能な移動局であって、前記基地局によって送信された前記報知信号に基づいて選択したセルに接続し、接続したセルにおいて無線通信を行う移動局と、
を含むことを特徴とする通信システム。
(付記13)複数の移動局に対して非直交多元接続による無線伝送が可能なセルを形成する基地局が、前記セルにおいて前記非直交多元接続による無線伝送が可能なことと、前記セルにおいて前記非直交多元接続による無線伝送を行うための自局と移動局との間の無線品質に関する条件と、を報知する報知信号を送信し、
前記非直交多元接続による無線伝送に対応可能な移動局が、前記基地局によって送信された前記報知信号に基づいて選択したセルに接続し、接続したセルにおいて無線通信を行う、
ことを特徴とする通信方法。
100 通信システム
110 基地局
121,122,221〜223,1500 移動局
211〜214 基地局セル
500 シーケンスリスト
1010 システム帯域
1011〜1013 周波数領域
1100 MCSテーブル
1310,1510 アンテナ
1320,1520 無線通信部
1321,1521 無線復調部
1322,1522 無線変調部
1330,1530 信号処理部
1340,1540 制御部
1350 有線通信部
1360 NOMA対応判別部
1370 ファイル/システムデータ管理部
1380 報知情報記憶部
1400,1600 通信装置
1401,1601 CPU
1402,1602 メモリ
1403,1604 無線通信インタフェース
1404 有線通信インタフェース
1409,1609 バス
1550 データ記憶部
1560 通信セル選択部
1570 NOMA対応プリアンブル情報記憶部
1580 NOMA対応周波数/MCS情報記憶部
1590 NOMA/OFDMA判定部
1603 ユーザインタフェース