JPWO2017149642A1 - 冷凍サイクル装置 - Google Patents

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    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B1/00Compression machines, plants or systems with non-reversible cycle

Abstract

圧力損失の増大に起因する性能の低下を抑制し、冷凍サイクル装置全体の運転性能の低下を防止する冷凍サイクル装置を得る。本発明の冷凍サイクル装置100は、蒸発器4を有し内部で冷媒が循環する冷凍サイクルを備え、蒸発器4の熱交換量をQ(W)、蒸発器4の冷媒流路径をd(m)、蒸発器4の管内側伝熱面積をAi(m2)、冷媒の平均熱伝導率をk(W/mK)、冷媒の平均密度をρ(kg/m3)、冷媒の平均粘度をμ(Pa・s)、冷媒のプラントル数をPr、蒸発器4を流れる冷媒の平均流速をu(m/s)、冷媒の種類によって定められ蒸発器を流れる冷媒の平均流速uより蒸発器4の入口と出口の冷媒飽和温度差を導出する関数をTsat(u)とし、[数1]の式で表される関数Tsat_u(u)の最小値をTsat_u_minとして、冷媒は関数Tsat_u(u)がTsat_u_min+0.3(℃)未満となる平均流速uで、蒸発器4を流れる。

Description

本発明は、空調、給湯等の用途に利用される冷凍サイクル装置に関する。
従来、特許文献1のように、蒸発器と、コンプレッサ(本発明の圧縮機に相当する)と、凝縮器と、キャピラリチューブ(本発明の減圧装置に相当する)とが冷媒が循環する管路によってそれぞれ接続され、冷媒を循環させる冷凍サイクル装置が知られていた。
また、冷凍サイクル装置に使用される冷媒には複数種類の冷媒を混合した非共沸混合冷媒が用いられることがある。非共沸混合冷媒は同圧力下において相変化で温度が変化し、蒸発過程において下流側が上流側より温度が高くなり、冷凍サイクル装置の冷媒に非共沸混合冷媒を用いると蒸発器の出口側の方が蒸発器の入口側よりも温度が高くなる。また、蒸発器に送り込まれる冷媒は温度が低いほど蒸発器の冷却性能は向上するが、蒸発器に送り込まれる冷媒の温度が0℃を下回ってしまうと蒸発器に着霜する問題が生じてしまうため、冷凍サイクル装置に非共沸混合冷媒を使用すると蒸発器に流れる冷媒の温度が高めであり冷却性能が不十分な場合があった。
これに対して、特許文献1では、蒸発過程の管路内の圧力損失を大きくして、蒸発器内の冷媒の温度が一定になるよう蒸発過程の管路内の圧力を徐々に低下させる蒸発器冷凍サイクル装置が記載されている。このような冷凍サイクル装置では、蒸発過程における温度の上昇が抑制され、冷却性能の向上と着霜の防止を両立できる。
特開平9−133433号公報
しかしながら、蒸発過程の管路内の圧力損失、つまり蒸発器の圧力損失を大きくすると、蒸発器内の冷媒の圧力が小さくなり、蒸発器の熱交換性能が低くなってしまう。このため、蒸発器の圧力損失によっては、蒸発過程における温度の上昇の抑制に起因する性能の向上よりも、圧力損失の増大に起因する性能の低下の方が大きくなってしまい、冷凍サイクル装置全体の運転性能が低下してしまう問題がある。特に、蒸発温度の低い低温機器、寒冷地での給湯・暖房運転、動作圧力の低い冷媒を用いた場合では、蒸発器の冷媒の圧力低下による冷凍サイクル装置の性能低下への影響度は大きく、この問題が顕著に表れてしまう。
本発明は上記の課題を鑑みてなされたものであり、冷凍サイクル装置全体の運転性能の低下を防止した冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。
本発明の冷凍サイクル装置は、圧縮機と、凝縮器と、減圧装置と、蒸発器を有し、内部で冷媒が循環する冷凍サイクルを備え、蒸発器の熱交換量をQ(W)、蒸発器の冷媒流路径をd(m)、蒸発器の管内側伝熱面積をA(m)、冷媒の平均熱伝導率をk(W/mK)、冷媒の平均密度をρ(kg/m)、冷媒の平均粘度をμ(Pa・s)、冷媒のプラントル数をPr、蒸発器を流れる冷媒の平均流速をu(m/s)、冷媒の種類によって定められ蒸発器を流れる冷媒の平均流速uより蒸発器の入口と出口の冷媒飽和温度差を導出する関数をTsat(u)とし、
Figure 2017149642
の式で表される関数Tsat_u(u)の最小値をTsat_u_minとして、冷媒は関数Tsat_u(u)がTsat_u_min+0.3(℃)未満となる平均流速uで、蒸発器を流れることを特徴としている。
本発明の冷凍サイクルでは、冷媒は関数Tsat_u(u)がTsat_u_min+0.3(℃)未満となる平均流速u(m/s)で蒸発器を流れるため、圧力損失の増大に起因する性能の低下を抑制でき、冷凍サイクル装置全体の運転性能の低下を防止することができる。
実施の形態1に係る冷凍サイクル装置全体の構成を表す概略図である。 実施の形態1に係る冷凍サイクル装置の蒸発器の構成を表す概略図である。 実施の形態1に係る冷凍サイクル装置の蒸発器の図2に示すA−A断面の断面図である。 実施の形態2に係る冷凍サイクル装置の蒸発器の入口と出口の冷媒飽和温度差ΔTsatと、蒸発器を流れる冷媒の平均流速uのグラフである。 実施の形態2に係る冷凍サイクル装置の伝熱性能により冷却対象と冷媒に生じる温度差と、蒸発器を流れる冷媒の平均流速uのグラフである。 実施の形態2に係る冷凍サイクル装置の蒸発器4の出口の冷媒飽和温度Tsat_outと、蒸発器を流れる冷媒の平均流速uのグラフである。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る冷凍サイクル装置全体の構成を表す概略図である。図2は、実施の形態1に係る冷凍サイクル装置の蒸発器の構成を表す概略図である。図3は、実施の形態1に係る冷凍サイクル装置の蒸発器の図2に示すA−A断面の断面図である。なお、各図において同じ部分又は相当する部分には同じ符号を付している。実施の形態1の冷凍サイクル装置100は、図1に示すように圧縮機1と、凝縮器2と、膨張弁3と、蒸発器4とが冷媒配管5でそれぞれ接続され、圧縮機1、凝縮器2、膨張弁3、蒸発器4、圧縮機1の順に内部で冷媒が循環する冷凍サイクルが構成されている。冷媒配管5のうち、圧縮機1と凝縮器2を接続しているものを冷媒配管5a、凝縮器2と膨張弁3を接続しているものを冷媒配管5b、膨張弁3と蒸発器4を接続しているものを冷媒配管5c、蒸発器4と圧縮機1を接続しているものを冷媒配管5dとそれぞれ称する。なお、実施の形態1に係る冷凍サイクル装置100を循環する冷媒は、特に限定されないが、冷凍サイクル装置100の用途等に応じて任意の一つの冷媒に決定される。
圧縮機1は、冷媒を吸入し、圧縮して高温高圧のガス状態にして吐出する。圧縮機1は、例えばインバータ回路等によって回転数を制御され、回転数の制御によって冷媒の吐出量が調整できるもので構成するとよい。
凝縮器2は、圧縮機1で圧縮されて高温高圧のガス状態になった冷媒が流入し、冷媒と熱源との間で熱交換を行って、冷媒を低温高圧の液状態に冷却させる。熱源としては、空気、水、ブライン等が挙げられ、実施の形態1では凝縮器2の熱源は屋外の空気である外気であり、凝縮器2は外気と冷媒との間で熱交換を行う。さらに、実施の形態1では凝縮器2の熱交換を促すために、冷媒が冷凍サイクル装置100内を循環している際に凝縮器2へ外気を送風する凝縮器送風機6を有している。凝縮器送風機6は風量を調節できるもので構成するとよい。
膨張弁3は、凝縮器2で冷却された低温高圧の液状態の冷媒が流入し、冷媒を低温低圧の液状態に減圧膨張させる。膨張弁3としては、例えば電子式膨張弁や感温式膨張弁等の冷媒流量制御手段や、毛細管(キャピラリチューブ)などで構成される。また、膨張弁3は本発明の減圧装置に相当する。
蒸発器4は、膨張弁3で減圧膨張された低温低圧の液状態の冷媒が流入し、冷媒と冷却対象との間で熱交換を行い、冷却対象の熱を冷媒に吸熱させて、冷却対象を冷却する。冷却対象を冷却する際に、冷媒は蒸発し高温低圧のガス状態になる。実施の形態1では、冷却対象としては屋内の空気であり、蒸発器4は屋内の空気と冷媒との間で熱交換を行う。さらに、実施の形態1では蒸発器4の熱交換を促すため、冷媒が冷凍サイクル装置100内を循環している際に蒸発器4へ屋内の空気を送風する蒸発器送風機7を有している。蒸発器送風機7は風量を調節できるもので構成するとよい。
蒸発器4の具体的な構成について、図2及び図3に基づき説明する。蒸発器4は、複数本の伝熱管41と、複数枚のフィン42と、冷媒分配器43と、ヘッダ44により構成されたプレートフィンチューブ熱交換器である。なお、図2では伝熱管41の本数を5本、フィン42の枚数を28枚としているが、これらの本数及び枚数は一例であり、本発明はこの本数及び枚数に限らない。
伝熱管41は、冷媒が流れる流路を構成する管であり、アルミニウムや銅などの熱伝導率の高い金属が用いられている。複数の伝熱管41は、それぞれ並列に並んでおり、冷媒分配器43及びヘッダ44に接続している。実施の形態1の伝熱管41の流路41aは、図3に示すように断面が円形である。
フィン42は、アルミニウムや銅などの熱伝導率の高い金属の薄板である。複数のフィン42は、伝熱管41の軸方向(図2の矢印X方向)に対して垂直に、所定の間隔を空けて配置されている。また、伝熱管41とフィン42はろう付けなどの方法によって接合されており、伝熱管41からフィン42へ熱が伝達するようになっている。
冷媒分配器43は、一つの流入口と、複数の流出口を備えており、流入口より流入した冷媒を複数の流出口に分配して流出させる器具である。冷媒分配器43の流入口には冷媒配管5cを介して膨張弁3と繋がっており、冷媒分配器43の複数の流出口はそれぞれ伝熱管41に繋がっている。
ヘッダ44は、複数の流入口と、一つの流出口を備えており、流入口より流入した冷媒を合流させて一つの流出口より流出させる器具である。ヘッダ44の流入口はそれぞれ伝熱管41に繋がっており、ヘッダ44の流出口は冷媒配管5dを介して圧縮機1と繋がっている。
次に、蒸発器4内の冷媒の流れについて説明を行う。まず、膨張弁3で減圧膨張された低温低圧の液状態の冷媒は、冷媒分配器43の流入口より流入する。冷媒分配器43の流入口より流入した冷媒は、分配され、冷媒分配器43のそれぞれの流出口より伝熱管41へと流れる。伝熱管41に流入した冷媒は、伝熱管41の軸方向(図2の矢印X方向)に沿って流れる。伝熱管41とフィン42の表面は冷却対象である屋内の空気が蒸発器送風機7によって送風されており、伝熱管41を流れる冷媒は伝熱管41及びフィン42と接する屋内の空気と熱交換を行って、屋内の空気の熱を吸熱する。伝熱管41にて屋内の空気と熱交換を行った冷媒は、ヘッダ44の流入口より流入し、ヘッダ44で合流してヘッダ44の流出口より圧縮機1へと流れる。
次に本発明を説明する際に用いる蒸発器4の冷媒流路長さL(m)、冷媒流路径d(m)、管外側伝熱面積A(m)及び管内側伝熱面積A(m)を定義する。なお、実施の形態1の説明において、各記号の後ろに記載されている括弧書きの内容はその記号の単位を示している。冷媒流路長さLは、図2で示すように、伝熱管41と最も上流側に位置するフィン42aとの接合箇所41bから、伝熱管41と最も下流側に位置するフィン42bの接合箇所41cまでの長さである。冷媒流路径dは、図3で示すように、伝熱管41の内径である。管外側伝熱面積Aは、接合箇所41bから接合箇所41cまでの複数の伝熱管41の外側の表面積と複数のフィン42の表面積の総和である。管内側伝熱面積Aは、接合箇所41bから接合箇所41cまでの複数の伝熱管41の内面積の総和である。また、冷媒流路長さL、冷媒流路径d、管外側伝熱面積A及び管内側伝熱面積Aは、冷凍サイクル装置100を構成した際に定まる数値であるため、定数とする。
次に冷凍サイクル装置100の運転性能について説明を行う。冷凍サイクル装置100の消費エネルギの大部分は、圧縮機1の圧縮動力が占めるため、運転性能を向上するためには圧縮機1の圧縮動力を低減すると効果的である。圧縮機1の圧縮動力を低減する方法として、圧縮比の低減があり、圧縮機1の吸入圧力を上げるか、又は吐出圧力を下げれば圧縮比が低減される。本発明では、圧縮機1の吸入圧力を上げることに着目した。
圧縮機1の吸入圧力を上げることは、換言すると蒸発器4の出口圧力を上げることである。また、冷媒の圧力は冷媒飽和温度で示すことができ、以降の説明では冷媒圧力を冷媒飽和温度で示す。冷凍サイクル装置100を循環する冷媒に非共沸混合冷媒のように同圧力下において相変化で温度が変化する冷媒を用いると、蒸発過程においてエンタルピに対して冷媒飽和温度が変化するため、冷媒飽和温度差は等エンタルピでの圧力差における冷媒飽和温度差とする。
以上の説明より、蒸発器4の出口の冷媒飽和温度を上げることによって、蒸発器4の出口圧力が上がり、圧縮機1の吸入圧力が上がり、圧縮機1の圧縮比が低減し、圧縮機1の圧縮動力が低減され、最終的に冷凍サイクル装置100の運転性能が向上することが分かる。つまり、蒸発器4の出口の冷媒飽和温度を最大化することによって、冷凍サイクル装置100の運転性能が最大となることが分かる。
次に、蒸発器4の出口の冷媒飽和温度について説明する。蒸発器4の出口の冷媒飽和温度Tsat_outは、数式2のように蒸発器4の入口の冷媒飽和温度Tsat_inより蒸発器4の入口との出口の冷媒飽和温度差ΔTsatの減算より求められる。
Figure 2017149642
ここで蒸発器4の入口の冷媒飽和温度Tsat_inについて説明する。まず、蒸発器4の熱交換量Q(W)は蒸発器4の入口の冷媒飽和温度Tsat_inを使って数式3のように表すことができる。ここで数式3を蒸発器4の入口の冷媒飽和温度Tsat_inを導出する式に変形すると数式4のようになり、蒸発器4の入口の冷媒飽和温度Tsat_inは、以下の数式4に基づいて導出できる。ここで数式3及び数式4で使用している記号を定義する。Tairは、蒸発器4が冷却する冷却対象の温度(℃)であり、実施の形態1の場合は屋内の空気の温度が該当する。αは、蒸発器4が冷却する冷却対象の熱伝達率(W/mK)であり、実施の形態1の場合は屋内の空気の熱伝達率が該当する。αは、冷媒の熱伝達率(W/mK)である。ここで、冷却対象の温度Tairと、蒸発器4の熱交換量Qと、冷却対象の熱伝達率αは、冷却対象の状態及び蒸発器4の構成が決まれば定まる値であるため、本発明では定数として扱う。なお、数式3と数式4のA及びAに関しては、それぞれ上述で定義した管外側伝熱面積A(m)及び管内側伝熱面積A(m)であるため、ここでの定義を割愛する。
Figure 2017149642
Figure 2017149642
冷媒の熱伝達率αは、以下の数式5に基づいて導出できる。ここで数式5で使用している記号を定義する。kは、冷媒の平均熱伝導率(W/mK)であり、飽和ガス状態の冷媒の熱伝導率と飽和液状態の冷媒の熱伝導率との平均値を取ることで求められる。Reは、冷媒のレイノルズ数であり、無次元数である。Prは、冷媒のプラントル数であり、無次元数である。冷媒の熱伝導率kと、冷媒のプラントル数Prは冷媒の種類が決まれば定まる値であるため、本発明では定数として扱う。なお、数式5のdに関しては、上述で定義した冷媒流路径d(m)であるため、ここでの定義を割愛する。
Figure 2017149642
レイノルズ数Reは、以下の数式6に基づいて導出できる。ここで数式6で使用している記号を定義する。ρは、冷媒の平均密度(kg/m)であり、飽和ガス状態の冷媒の密度と飽和液状態の冷媒の密度との平均値を取ることで求められる。uは、蒸発器4を流れる冷媒の平均流速(m/s)である。また、以降、単に平均流速uと称する場合は、蒸発器4を流れる冷媒の平均流速u(m/s)のことを指すとする。μは、冷媒の平均粘度(Pa・s)であり、飽和ガス状態の冷媒の粘度と飽和液状態の冷媒の粘度との平均値を取ることで求められる。冷媒の平均密度ρと、冷媒の平均粘度μは冷媒の種類が決まれば定まる値であるため、本発明では定数として扱う。また、平均流速uは、圧縮機1の回転数又は膨張弁3の開度などを調整することで容易に変更できる値であるため、本発明では変数として扱う。なお、数式6のdに関しては、上述で定義した冷媒流路径d(m)であるため、ここでの定義を割愛する。
Figure 2017149642
数式4に数式5を代入して整理すると、以下の数式7が求められ、更に数式7に数式6を代入し整理すると、数式8が求められる。ここで数式7の平均流速u以外の記号は全て定数として扱っており、数式8の第1項と第2項も定数として扱われ、数式8の第3項は平均流速uの0.8乗に反比例する。このため、平均流速uの値が小さいほど数式8の第3項の値は大きくなり、蒸発器4の入口の冷媒飽和温度Tsat_inは小さくなることがわかる。
Figure 2017149642
Figure 2017149642
次に、蒸発器4の入口と出口の冷媒飽和温度差ΔTsatについて説明する。蒸発器4の入口と出口の冷媒飽和温度差ΔTsatは、冷媒の種類と蒸発器4の圧力損失ΔP(Pa)で決まる。特に、蒸発器4の圧力損失ΔPと蒸発器4の入口と出口の冷媒飽和温度差ΔTsatの関係として、蒸発器4の圧力損失が大きくなるほど蒸発器4の入口と出口の冷媒飽和温度差ΔTsatが大きくなる。なお、詳細な蒸発器4の圧力損失ΔPと蒸発器4の入口と出口の冷媒飽和温度差ΔTsatの関係式については冷媒の種類によって変化するが、冷媒の種類が定まれば詳細な蒸発器4の圧力損失ΔPと蒸発器4の入口と出口の冷媒飽和温度差ΔTsatの関係式も一意に定まり、数式9のように蒸発器4の入口と出口の冷媒飽和温度差ΔTsatは蒸発器4の圧力損失ΔPの関数Tsat(ΔP)として表すことができる。また、どのような冷媒を用いても、蒸発器4の圧力損失ΔPが大きくなるほど蒸発器4の入口と出口の冷媒飽和温度差ΔTsatが大きくなる関係は変わらない。
Figure 2017149642
蒸発器4の圧力損失ΔPは、以下の数式10に基づいて導出できる。ここで数式10で使用している記号を定義する。Φは、二相流れ圧力損失の平均補正係数であり、無次元数である。また、二相流れ圧力損失の平均補正係数Φは、一般的にLockhart−Martinelliの計算法により導出することができる。λは、冷媒の摩擦損失係数であり、無次元数である。また、二相流れ圧力損失の平均補正係数Φは、使用する冷媒の種類が決まれば定まる値であるため、定数として扱う。なお、数式10のL、d、ρ、uに関しては、上述で定義した冷媒流路長さL(m)と、冷媒流路径d(m)と、冷媒の平均密度ρ(kg/m)と、平均流速u(m/s)であるため、ここでの定義を割愛する。
Figure 2017149642
冷媒の摩擦損失係数λは、以下の数式11に基づいて導出できる。数式11のReは、レイノルズ数であり、数式11のレイノルズ数Reに数式6を代入すると数式12が求められる。
Figure 2017149642
Figure 2017149642
数式10の冷媒の摩擦損失係数λに数式12を代入すると、以下の数式13が求められる。ここで数式13の平均流速u以外の記号は全て定数として扱っており、数式13より冷媒の摩擦損失係数λは平均流速uの1.75乗に比例し、平均流速uが速いほど、冷媒の摩擦損失係数λは大きくなることがわかる。
Figure 2017149642
上述したように冷媒の種類が定まれば詳細な蒸発器4の圧力損失ΔPと蒸発器4の入口と出口の冷媒飽和温度差ΔTsatの関係式も一意に定まり、数式13は平均流速u以外の記号は全て定数であるため、冷媒の種類が定まれば数式14のように蒸発器4の入口と出口の冷媒飽和温度差ΔTsatは平均流速uの関数Tsat(u)として表すことができる。また、蒸発器4の圧力損失が大きくなるほど蒸発器4の入口と出口の冷媒飽和温度差ΔTsatが大きくなる関係があり、数式13に示したように平均流速uが速いほど冷媒の摩擦損失係数λは大きくなる関係がある。この2つの関係より、平均流速uの値が大きくなるほど、蒸発器4の入口と出口の冷媒飽和温度差ΔTsatの値、つまり関数Tsat(u)の値は大きくなる。
Figure 2017149642
そして、数式2の蒸発器4の入口の冷媒飽和温度Tsat_inに数式8を代入し、蒸発器4の入口と出口の冷媒飽和温度差ΔTsatに数式14を代入すると、数式15が求められる。数式15において、平均流速u以外の記号は全て定数として扱われているため、数式15の第1項と第2項は定数である。また、数式15の第3項と第4項はそれぞれ平均流速uの値によって取る値が異なり、数式16に示すように平均流速uに起因する蒸発器4での温度低下量を導出する平均流速uの関数Tsat_u(u)として表すことができ、数式15に数式16を代入すると数式17が求められる。この数式17より、蒸発器4の出口の冷媒飽和温度Tsat_outを最大化するためには、数式16に示す関数Tsat_u(u)を最小化すれば良いことがわかる。また、数式16より蒸発器4の出口の冷媒飽和温度が最大値Tsat_out_maxとなる平均流速uは、関数Tsat_u(u)が最小値Tsat_u_minとなる平均流速uであることが分かる。このため、実施の形態1の冷凍サイクル装置100では、冷媒は、関数Tsat_u(u)が最小値Tsat_u_minとなるような平均流速uで、蒸発器4を流れている。
Figure 2017149642
Figure 2017149642
Figure 2017149642
ここで、数式16に示す関数Tsat_u(u)の最小化が可能か否かを説明する。数式16の第1項は、平均流速uの0.8乗に反比例し、平均流速uが小さいほど大きくなることがわかる。また、数式16の第2項は、上述の通り蒸発器4の入口と出口の冷媒飽和温度差ΔTsatと平均流速uの関係を示す関数Tsat(u)の値は平均流速uが大きくなり、平均流速uが大きいほど大きくなることがわかる。このため、数式16の関数Tsat_u(u)は、平均流速uが小さいほど大きくなる項と、平均流速uが大きいほど大きくなる項との加算であるため、関数Tsat_u(u)には最小値Tsat_u_minが存在し、関数Tsat_u(u)の最小化が可能であることが分かる。また、平均流速uが0の場合は数式16の第1項が無限大に発散するため、関数Tsat_u(u)の最小値Tsat_u_minは平均流速uが0よりも大きな値である場合に存在することが分かる。
以上より、実施の形態1の冷凍サイクル装置100では、冷媒は、関数Tsat_u(u)が最小値Tsat_u_minとなるような平均流速uで、蒸発器4を流れるため、蒸発器の出口の冷媒飽和温度を最大化でき、結果的に冷凍サイクル装置の運転性能が最大となり、冷凍サイクル装置全体の運転性能の低下を防止することができる。さらに、蒸発温度の低い低温機器、寒冷地での給湯・暖房運転、動作圧力の低い冷媒などにおいては、圧縮機の吸入圧力の運転性能に対する影響が大きいため、特に有効となる。
なお、冷凍サイクル装置100全体の運転性能の低下を防止するためには、必ず平均流速uが、関数Tsat_u(u)が最小値Tsat_u_minとなるようにする必要は無く、冷凍サイクル装置100の運転性能が極端に低下しない程度に平均流速uに範囲を持たせても構わない。例えば、一般的に用いられる冷媒において、蒸発器4の出口の冷媒飽和温度Tsat_outが0.3℃以上低下すると、運転性能が1%低下し、無視できない影響となることが知られている。このため、冷凍サイクル装置は、冷媒が、数式16に示す関数Tsat_u(u)がTsat_u_min+0.3(℃)未満となるような平均流速uで蒸発器を流れていれば、冷凍サイクル装置100全体の運転性能の低下を防止する効果を発揮する。
また、平均流速uが制御可能であれば、平均流速uを取得し、取得した平均流速uに基づき平均流速uを制御する制御装置を備えていても良い。
蒸発器4を流れる冷媒の平均流速u(m/s)は、以下の数式18で表される。ここで数式18で使用しているGrは冷媒の質量流量(kg/s)である。冷媒の質量流量は圧縮機1の回転数及び膨張弁3の開度等で制御を行うことができる。なお、数式18のρ,Aiは、上述で定義した冷媒の平均密度ρ(kg/m)と、蒸発器の管内側伝熱面積をA(m)であるため、ここでの定義を割愛する。
Figure 2017149642
数式18より蒸発器4を流れる冷媒の平均流速uを制御するには冷媒の質量流量Grを制御すればよいことが分かる。つまり、平均流速uを制御する手段として、圧縮機1の回転数を制御する、膨張弁3の開度を制御する、などの手段が挙げられる。圧縮機1では、回転数を上げることで平均流速uを大きくすることができ、回転数を下げることで平均流速uを小さくすることができる。また、膨張弁3では、開度を下げることで平均流速uを大きくすることができ、開度を上げることで平均流速uを小さくすることができる。
また、蒸発器4を流れる冷媒の平均流速uを取得する方法としては、流速センサを用いて蒸発器4を流れる冷媒の平均流速uを直接測定する方法が挙げられる。さらに、数式18より冷媒の質量流量Grと冷媒の平均流速uは比例の関係にあるため、流量計を用いて測定した蒸発器4に流れる質量流量Gr、又は圧縮機の回転数の設定値と膨張弁の開度の設定値との2つの設定値に基づいて冷媒の平均流速uを取得することができる。
制御装置は、例えば蒸発器4の伝熱管41に取り付けられた流速センサの測定値と、予め設定した数式16に示す関数Tsat_u(u)が最小値Tsat_u_minとなる平均流速uの設定値を比較し、測定値を設定値に近づける様に平均流速uを制御すればよい。また、冷媒の状態として、蒸発器4の出口の冷媒飽和温度Tsat_outを使用する場合において、制御装置は、冷凍サイクル装置100の運転開始時に圧縮機の回転数又は蒸発器の開度を予め定められた範囲で変化させて、二分法などの方法で蒸発器4の出口の冷媒飽和温度Tsat_outが最小値Tsat_u_minとなる圧縮機の回転数又は蒸発器の開度で運転するよう制御すればよい。
また、実施の形態1の冷凍サイクル装置100の構造は一例であり、本発明の冷凍サイクル装置の構造は実施の形態1の構造に限らない。例えば、実施の形態1の伝熱管41の流路の断面は円形であるが、これに限らず、伝熱管の断面は楕円形、扁平形又は矩形でも構わない。伝熱管の流路の断面が楕円形、扁平形又は矩形の場合の冷媒流路径d(m)は、等価直径を用いればよい。
実施の形態2.
実施の形態2に係る冷凍サイクル装置100は、実施の形態1に係る冷凍サイクル装置100と比べて、冷凍サイクル装置100内を循環する冷媒の組成を限定している点が異なる。なお、それ以外の冷凍サイクル装置100自体の構成は実施の形態1と同様であるため、説明を割愛する。
実施の形態2の冷凍サイクル装置100を循環する冷媒は、R32と、R1234yfと、R125の混合冷媒であり、R32の割合XR32が67(wt%)、R1234yfの割合XR1234yfが26(wt%)、R125の割合XR125が7(wt%)である。このような冷媒を使用することで以下に示すような効果を得ることができる。
まず、各単一冷媒では長所または短所となる物性が備わっているが、複数冷媒を混合することで、短所を低減して長所を増長させることができる。R32の物性としては動作圧力が高いため、圧力損失による性能低下影響を低減でき、スーパーマーケットのショーケースなど低温の利用でも冷凍能力を向上することができる。また、R1234yfの物性としては、地球温暖化係数が0のため、環境影響を低減できる。R125の物性としては不燃性のため、R32とR1234yfの燃焼性を低減し、安全性を高めることができる。よって、上述の混合冷媒により、地球環境に影響が少なく、かつ安全性と性能を同時に向上することができる。
また、混合冷媒は非共沸混合冷媒であり、非共沸混合冷媒は同圧力下において相変化で温度が変化し、蒸発過程において下流側が上流側より温度が高くなり、冷凍サイクル装置100の冷媒に非共沸混合冷媒を用いると蒸発器4の出口側の方が蒸発器4の入口側よりも温度が高くなる。特に、R32の混合冷媒は低温の利用でも冷凍能力が向上するため、冷凍サイクル装置100がショーケースなどの飽和温度が氷点下未満の低温機器に用いられることが多く、このように飽和温度が氷点下未満の低温機器で用いられる場合には蒸発器4に着霜が発生する。着霜が発生する機器に蒸発過程において温度勾配を有する冷媒を用いると、冷媒の温度が低い蒸発器4の入口側では空気の冷却が促進されて着霜量が多く、冷媒の温度が高い蒸発器4の出口側では空気の冷却が進まず着霜量は少なくなり、蒸発器4の着霜に偏りが生じる。着霜に偏りが生じた場合は、着霜が均等な場合に比べて全体の着霜量が同じとしても、早期に蒸発器4の入口側のフィン42の間の空間が霜によって目詰まりが発生して熱交換不能に陥ってしまう。
非共沸混合冷媒は、蒸発器4内部の圧力をある所定の勾配で連続的に下げることによって蒸発器4に流れる冷媒の温度を均一とすることができ、蒸発器4の着霜の偏りは蒸発器4に流れる冷媒の温度を均一にすることで抑制することができる。蒸発器4内部の圧力を徐々に下げると蒸発器4の入口と出口に圧力差が生じるため、蒸発器4に流れる冷媒の温度を均一にした際の蒸発器4の入口と出口の冷媒飽和温度差が、非共沸混合冷媒の組成に応じて一意に決まる。このため、蒸発器4の入口と出口の冷媒飽和温度差ΔTsatを、蒸発器4に流れる冷媒の温度を均一にした際の蒸発器4の入口と出口の冷媒飽和温度差と略同じにすることで、蒸発器4の着霜の偏りを抑制することができる。
しかし、冷媒の種類によっては、蒸発器4の入口と出口の冷媒飽和温度差ΔTsatを蒸発器4に流れる冷媒の温度を均一にした際の蒸発器4の入口と出口の冷媒飽和温度差と略同じにすると、平均流速(m/s)における数式16に示す関数Tsat_u(u)がTsat_u_min+0.3(℃)未満とならない場合や、数式16に示す関数Tsat_u(u)がTsat_u_min+0.3(℃)未満になったとしても蒸発器4の冷媒流路長さL(m)又は冷媒流路径d(m)などの数値が非現実的な値となり実際の冷凍サイクル装置としては成り立たない場合がありえる。
ここで、実施の形態2の冷凍サイクル装置100において、蒸発器4の入口と出口の冷媒飽和温度差ΔTsatを、蒸発器4に流れる冷媒の温度を均一にした際の蒸発器4の入口と出口の冷媒飽和温度差と略同じにした場合について説明する。なお、以下の説明では上述の混合冷媒の冷媒物性の値や関数Tsat(u)の算出結果のグラフを示すが、これらの値はNIST(National Institute of Standards and Technology)が作成するソフト「Refprop」のVer.9.1と当ソフトに標準搭載されている混合則を用いてシミュレーションを行ったものである。
次に数式2から数式17で説明した記号のうち、冷媒に依存する記号について上述の混合冷媒を用いた場合の具体的な数値を説明する。まず、冷媒の平均密度ρ(kg/m)は、飽和ガス状態の冷媒の密度が約17.6(kg/m)、飽和液状態の冷媒の密度が約1126.8(kg/m)であるため、両者の平均値より572.2(kg/m)である。また、冷媒の平均粘度μ(Pa・s)は、飽和ガス状態の冷媒の粘度が約1.1×10−5(Pa・s)、飽和液状態の冷媒の粘度が約1.72×10−4(Pa・s)であるため、両者の平均値より約9.2×10−5(Pa・s)である。また、冷媒の平均熱伝導率k(W/mK)は、飽和ガス状態の冷媒の熱伝導率が約0.011(W/mK)、飽和液状態の冷媒の熱伝導率が約0.126(W/mK)であるため、両者の平均値より約0.069(W/mK)である。プラントル数Prは、約1.766である。二相流れ圧力損失の平均補正係数Φは、約3である。
次に数式2から数式17で説明した記号のうち、冷凍サイクル装置100の構造に依存する記号について、具体的な数値を説明する。蒸発器4の冷媒流路長さL(m)は9(m)、冷媒流路径d(m)は9.52×10−3(m)、管外側伝熱面積A(m)は29.4(m)、管内側伝熱面積A(m)は4.8(m)、熱交換量Q(W)は20000(W)である。なお、これらの数値は冷凍サイクル装置100を構成するに当たって、現実的な値であり、実際の冷凍サイクル装置として成り立つ。
また、数式2から数式17で説明した記号のうち、冷却対象に依存する記号について、具体的な数値を説明する。Tairは、蒸発器4が冷却する冷却対象の温度Tair(℃)は0.7(℃)、冷却対象の熱伝達率α(W/mK)は100(W/mK)である。
また、上述の混合冷媒は、蒸発器4に流れる冷媒の温度を均一にした際の蒸発器4の入口と出口の冷媒飽和温度差が約1.3℃となる。このため、蒸発器4の入口と出口の冷媒飽和温度差ΔTsatを約1.3℃とすれば、蒸発過程における温度の上昇が抑制され、蒸発器4を流れる冷媒の温度を均一になる。
図4は、実施の形態2に係る冷凍サイクル装置の蒸発器の入口と出口の冷媒飽和温度差ΔTsatと、蒸発器を流れる冷媒の平均流速uのグラフである。図4のグラフは換言すると関数Tsat(u)のグラフであり、上述の通り、平均流速uの値が大きくなるほど、蒸発器4の入口と出口の冷媒飽和温度差ΔTsatの値は大きくなる関係であることが分かる。また、図4のグラフより蒸発器4の入口と出口の冷媒飽和温度差ΔTsatの値が1.3℃となる平均流速uの値は約1.2(m/s)である。このため、実施の形態2における冷凍サイクル装置100では、平均流速uの値を約1.2(m/s)とすれば、蒸発器4に流れる冷媒の温度を均一にした際の蒸発器4の入口と出口の冷媒飽和温度差と蒸発器4の入口と出口の冷媒飽和温度差ΔTsatが等しくなり、蒸発器4を流れる冷媒の温度を均一にすることができる。
また、関数Tsat(u)は数式9から14に示すように蒸発器4の入口と出口の冷媒飽和温度差ΔTsatは蒸発器4の圧力損失ΔPの関係より導出している。この圧力損失ΔPは、冷媒と配管との摩擦による圧力損失であり、蒸発器4の入口から出口にかけて連続的に増加する。このため、蒸発器4内の圧力の変化は蒸発器4の入口から出口にかけて勾配を持って連続的に下げることができる。よって、蒸発器4の着霜の偏りを抑制するには、蒸発器4は、実施の形態1と同じく図3に示すようなプレートフィンチューブ熱交換器であり、圧縮機1の回転数、膨張弁3の開度、冷媒流路の分岐数に応じて平均流速uを変化させて圧力損失を変化させる方法が最適である。
図5は、実施の形態2に係る冷凍サイクル装置の伝熱性能により冷却対象と冷媒に生じる温度差と、蒸発器を流れる冷媒の平均流速uのグラフである。図5より平均流速uの値が小さいほど伝熱性能により冷却対象と冷媒に生じる温度差の値が大きくなっていることが分かる。以下にこの理由を説明する。まず、冷凍サイクル装置の伝熱性能により冷却対象と冷媒に生じる温度差は換言すると、冷却対象の温度Tairと蒸発器4の入口の冷媒飽和温度Tsat_inの差Tair−Tsat_inで表される。また、数式8を変形することで、数式19が導出できる。数式19よりTair−Tsat_inは平均流速uの0.8乗に反比例し、平均流速uの値が小さいほどTair−Tsat_inは大きくなることがわかる。
Figure 2017149642
図6は、実施の形態2に係る冷凍サイクル装置の蒸発器4の出口の冷媒飽和温度Tsat_outと、蒸発器を流れる冷媒の平均流速uのグラフである。図6のグラフは換言すると、数式15のグラフであり、蒸発器4の出口の冷媒飽和温度Tsat_outに最大値Tsat_out_maxが存在することが分かる。また、数式15と数式17の関係より、蒸発器4の出口の冷媒飽和温度Tsat_outが最大値Tsat_out_maxとなる平均流速uは、関数Tsat_u(u)が最小値Tsat_u_minとなる平均流速uでもある。
図6のグラフより蒸発器4の出口の冷媒飽和温度Tsat_outの最大値Tsat_out_maxは約−10.0℃である。また、蒸発器4の出口の冷媒飽和温度Tsat_outの最大値Tsat_out_maxとなる平均流速uは、約1.2(m/s)であり、蒸発器4に流れる冷媒の温度を均一にした際の蒸発器4の入口と出口の冷媒飽和温度差と蒸発器4の入口と出口の冷媒飽和温度差ΔTsatが等しくなる平均流速uとが略等しくなる。このため、実施の形態2に係る冷凍サイクル装置100は、蒸発器4を流れる冷媒の温度を均一にして着霜の偏りを防止すると同時に、確実に冷凍サイクル装置全体の運転性能の最大化することができる。
以上より、実施の形態2のように、冷凍サイクル装置を循環する冷媒に、組成がR32が67wt%、R1234yfが26wt%、R125が7wt%である混合冷媒を用いた場合では、実際の冷凍サイクル装置として成り立つ範囲で、蒸発器4を流れる冷媒の温度を均一にして着霜の偏りを抑制すると同時に、確実に冷凍サイクル装置全体の運転性能の最大化を行うことができる。
なお、冷凍サイクル装置100全体の運転性能の低下を防止し、蒸発器4の着霜の偏りを抑制するためには、必ず平均流速uを蒸発器4の出口の冷媒飽和温度Tsat_outが最大値Tsat_out_maxとなり、蒸発器4に流れる冷媒の温度を均一にした際の蒸発器4の入口と出口の冷媒飽和温度差と蒸発器4の入口と出口の冷媒飽和温度差ΔTsatが等しくなる必要は無い。実施の形態1と同様の理由で、冷媒が、数式16に示す関数Tsat_u(u)がTsat_u_min+0.3(℃)未満となるような平均流速uで蒸発器を流れていれば、冷凍サイクル装置100全体の運転性能の低下を防止する効果を発揮し、また蒸発器4の着霜の偏りも抑制できる。実施の形態2の条件では、関数Tsat_u(u)がTsat_u_min+0.3(℃)未満となる平均流速u、つまり蒸発器4の出口の冷媒飽和温度Tsat_outが−10.3℃より大きくなる平均流速uは、図6より平均流速uが0.85(m/s)<u<1.6(m/s)の条件を満たせばよい。また、平均流速uが0.85(m/s)<u<1.6(m/s)の条件を満たす場合の蒸発器4の入口と出口の冷媒飽和温度差ΔTsatは、図4より0.7(℃)<ΔTsat<2.1(℃)の条件を満たしており、この条件を満たす冷媒飽和温度差ΔTsatは少なくとも平均流速uが1.6(m/s)以上に比べて、蒸発器4の入口と出口の冷媒飽和温度差ΔTsatと蒸発器4に流れる冷媒の温度を均一にした際の蒸発器4の入口と出口の冷媒飽和温度差の差が小さくなり、蒸発器4の着霜の偏りが抑制できることがわかる。
また、実施の形態2の冷凍サイクル装置100では、蒸発器4の出口の冷媒飽和温度Tsat_outが最大値Tsat_out_maxとなる平均流速uと、蒸発器4に流れる冷媒の温度を均一にした際の蒸発器4の入口と出口の冷媒飽和温度差と蒸発器4の入口と出口の冷媒飽和温度差ΔTsatが等しくなる平均流速uと、が略等しくなるようになっているが、これに限らない。蒸発器4に流れる冷媒の温度を均一にした際の蒸発器4の入口と出口の冷媒飽和温度差と蒸発器の入口と出口の冷媒飽和温度差ΔTsatが等しくなる平均流速uにおける数式16に示す関数Tsat_u(u)がTsat_u_min+0.3(℃)未満となっていれば、冷凍サイクル装置全体の運転性能の低下を防止する効果を発揮し、また蒸発器の着霜の偏りも抑制できる。
また、実施の形態2では、R32と、R1234yfと、R125の混合冷媒であり、R32の割合XR32が67(wt%)、R1234yfの割合XR1234yfが26(wt%)、R125の割合XR125が7(wt%)である冷媒を使用しているがこれには限らず、非共沸混合冷媒であり、蒸発器4に流れる冷媒の温度を均一にした際の蒸発器4の入口と出口の冷媒飽和温度差と蒸発器の入口と出口の冷媒飽和温度差ΔTsatが等しくなる平均流速uにおける数式16に示す関数Tsat_u(u)がTsat_u_min+0.3(℃)未満となっていれば、冷凍サイクル装置全体の運転性能の低下を防止する効果を発揮し、また蒸発器の着霜の偏りも抑制する効果を発揮する。
特に、実施の形態2の混合冷媒のそれぞれの組成が±3wt%未満の範囲で異なる冷媒、つまりR32の割合XR32(wt%)が64<XR32<70である条件と、R1234yfの割合XR1234yf(wt%)が23<XR1234yf<29である条件と、R125の割合XR125(wt%)が4<XR125<10である条件と、XR32とXR1234yfとXR125の総和が100である条件と、を全て満たす冷媒は、R32の割合XR32が67(wt%)、R1234yfの割合XR1234yfが26(wt%)、R125の割合XR125が7(wt%)である混合冷媒と比較して、各種物性、蒸発器4の入口と出口の冷媒飽和温度差ΔTsat及び関数Tsat(u)は大きく変わらないため、蒸発器4の入口と出口の冷媒飽和温度差ΔTsatは、図4より0.7(℃)<ΔTsat<2.1(℃)の条件を満たしていれば冷凍サイクル装置全体の運転性能の低下を防止する効果を発揮し、また蒸発器の着霜の偏りも抑制する効果を発揮する。
1 圧縮機、2 凝縮器、3 膨張弁、4 蒸発器、5 冷媒配管、5a〜5d 冷媒配管、6 凝縮器送風機、7 蒸発器送風機、41 伝熱管、41a 流路、41b 接合箇所、41c 接合箇所、42 フィン、42a フィン、42b フィン、43 冷媒分配器、44 ヘッダ、100 冷凍サイクル装置

Claims (8)

  1. 圧縮機と、凝縮器と、減圧装置と、蒸発器を有し、内部で冷媒が循環する冷凍サイクルを備え、
    前記蒸発器の熱交換量をQ(W)、前記蒸発器の冷媒流路径をd(m)、前記蒸発器の管内側伝熱面積をA(m)、前記冷媒の平均熱伝導率をk(W/mK)、前記冷媒の平均密度をρ(kg/m)、前記冷媒の平均粘度をμ(Pa・s)、前記冷媒のプラントル数をPr、前記蒸発器を流れる前記冷媒の平均流速をu(m/s)、前記冷媒の種類によって定められ前記蒸発器の入口と出口の冷媒飽和温度差を示す前記平均流速uの関数をTsat(u)とし、
    Figure 2017149642
    の式で表される関数Tsat_u(u)の最小値をTsat_u_minとして、
    前記冷媒は、前記関数Tsat_u(u)がTsat_u_min+0.3(℃)未満となるような前記平均流速uで、前記蒸発器を流れる冷凍サイクル装置。
  2. 前記冷媒は、前記蒸発器を流れる前記冷媒の平均流速uが、前記関数Tsat_u(u)がTsat_u_min(℃)となるように前記冷凍サイクルを循環している請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
  3. 前記冷媒は、同圧力下において相変化で温度が変化する冷媒であり、
    前記蒸発器の入口と出口の冷媒飽和温度差が蒸発器に流れる冷媒の温度を均一にした際の蒸発器4の入口と出口の冷媒飽和温度差と等しくなる前記平均流速uにおける前記関数Tsat_u(u)がTsat_u_min+0.3(℃)未満となる請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
  4. 前記蒸発器の圧力損失は、前記蒸発器の入口から出口にかけて連続的に増加する請求項3に記載の冷凍サイクル装置。
  5. 前記蒸発器の入口と出口の冷媒飽和温度差が蒸発器4に流れる冷媒の温度を均一にした際の蒸発器4の入口と出口の冷媒飽和温度差と等しくなる前記平均流速uにおける前記関数Tsat_u(u)がTsat_u_min(℃)となる請求項3又は4に記載の冷凍サイクル装置。
  6. 前記冷媒は、R32と、R1234yfと、R125の混合冷媒であり、前記R32の割合XR32(wt%)が64<XR32<70である条件と、前記R1234yfの割合XR1234yf(wt%)が23<XR1234yf<29である条件と、前記R125の割合XR125(wt%)が4<XR125<10である条件と、前記R32の割合XR32と前記前記R1234yfの割合XR1234yfと前記R125の割合XR125の総和が100である条件と、を全て満たす冷媒である請求項3から5のいずれかに記載の冷凍サイクル装置。
  7. 圧縮機と、凝縮器と、減圧装置と、蒸発器を有し、内部で冷媒が循環する冷凍サイクルを備え、
    前記冷媒は、R32と、R1234yfと、R125の混合冷媒であり、前記R32の割合XR32(wt%)が64<XR32<70である条件と、前記R1234yfの割合XR1234yf(wt%)が23<XR1234yf<29である条件と、前記R125の割合XR125(wt%)が4<XR125<10である条件と、前記R32の割合XR32と前記前記R1234yfの割合XR1234yfと前記R125の割合XR125の総和が100である条件と、を全て満たす冷媒であり、
    前記蒸発器の入口と出口の冷媒飽和温度差ΔTsat(℃)は、0.7<ΔTsat<2.1の条件を満たす冷凍サイクル装置。
  8. 前記冷媒は、前記R32の割合XR32が67(wt%)、前記前記R1234yfの割合XR1234yfが26(wt%)、前記R125の割合XR125が7(wt%)であり、
    蒸発器の入口と出口の冷媒飽和温度差ΔTsat(℃)は、1.3℃である請求項7に記載の冷凍サイクル装置。
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