JPWO2017142093A1 - 装置、及びカード型装置 - Google Patents
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Abstract
Description
外部から到来する外部エネルギーの単位時間当たりの到来量を検出する到来量検出部と、
前記単位時間当たりの到来量の変化を基に所定形式の入力情報を取得する情報取得回路と、
対向面から検知可能な物理量変化が生じる1以上の素子が配列された作用面と、
前記1以上の素子のそれぞれに前記物理量変化を生じさせる1以上の物理量制御部と、
前記1以上の物理量制御部に、前記1以上の素子から前記物理量変化によって所定形式の出力情報を出力させる情報出力部と、を備える。
例えば上述の本発明の一態様の装置を他の装置と識別する識別情報を記憶する識別情報記憶部と、
前記識別情報と前記取得した入力情報とに基づく符号化情報を発生する符号化情報発生回路とをさらに備え、
前記情報出力部は、前記符号化情報を含む出力情報を出力する。
[情報処理システムの概要]
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムの外観的構成の一例を示す図である。
図1に示す情報処理システムは、コードを発生するコード発生装置1と、当該コードに関する所定情報が付されたカード等の媒体2と、当該コードを認識するコード認識装置3と、当該コードに関する所定の処理を実行するサーバ4とを備えている。
コード認識装置3とサーバ4は、インターネット等の所定のネットワークNを介して接続されている。
ここで、所定情報Cは、コード発生装置1が読取り可能な情報であって、当該コード発生装置1においてコードの発生が可能な情報であれば足り、その形態等は特に限定されない。例えば、QRコード(登録商標)やバーコード、カラーコード等を所定情報Cとして採用することもできる。
ここで、「ドットパターン」とは、複数のドットの配置アルゴリズムにより情報コードを符号化したものをいう。
なお、上記のドットパターンを読み取って求めた数値情報(コード)がドットコードであり、総称してドットコードとしで表記することを含む。以降も同様である。
ドットパターンによる情報コードの符号化アルゴリズムについては、グリッドマーク社のGrid Onput(登録商標)、Anoto社のアノトパターン等の、周知のアルゴリズムを用いることができる。
なお、ドットパターンのうちグリッドマーク社のGrid Onput(登録商標)については、後で詳述する。
ドットパターンの符号化アルゴリズム自体は、可視光により読み取る場合と、赤外線により読み取る場合と、で共通するため、特に限定されない。
ドットパターンはこの他にも、視認できないか、視認できたとしても単なる模様として認識される程度のものであれば足り、どのようなドットパターンであっても採用可能である。
また、ドットパターンは、座標値を定義することにより、その読み取り位置により異なる情報コードを符号化することができる。さらに、ドットパターンには、情報コードを符号化および復号化するための基準となる向きを有し、その向きを読み取ることにより、ドットパターンに対するコード発生装置1の回転角を取得することができる。一方、コード発生装置1をドットパターン形成媒体に対して、傾けると撮像画像の明るさの変化によってどの方向に、どの程度、発生装置1を傾けたかも取得できる。
情報読取部11は、媒体2に形成されたドットパターン(所定情報C)を撮像し、その結果得られる、ドットパターンの画像データに基づいて、ドットコードを認識する。
なお、情報読取部11は、媒体2に付された所定情報Cを読取る機能を有しているものであり、上述した様に所定情報Cの形態におうじて、各種各様な形態を取ることができる。
即ち、コード発生部12は、読取情報部11により新たな所定情報Cが読み取られる毎に、パターンコードを夫々発生する。
コード出力部13は、パターンコードが発生する毎に、1以上のドットの夫々について、静電容量式の位置入力センサ(タッチパネル)の反応可否を、当該パターンコードを示す配置パターンに従って変化させることで、当該パターンコードを出力する。
なお、パターンコードやその出力の具体例については、図6、図7、及び図10乃至図13を参照して後述する。
なお、機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいが、本実施形態ではソフトウェアとハードウェア(後述する図5のCPU51)とにより構成されるものとする。つまり、検出部32と認識部33は、ソフトウェアとハードウェアとが協働することにより、次のような機能を発揮するものとする。
認識部33は、検出された1以上のドットの配置パターンに基づいて、コード発生装置1のコード発生部12により発生されたパターンコードを認識する。
このパターンコードは、必要に応じてサーバ4に送信される。
サーバ4は、当該パターンコードに基づいて各種処理を実行し、その実行結果をコード認識装置3に送信する。コード認識装置3は、当該実行結果を示す画像をタッチパネル31に表示する。
具体的には、図4(A)は、コード発生装置1の外観構成の一例を示す側面図である。図4(B)は、コード発生装置1の外観構成の一例を示す下面図である。図4(C)は、コード発生装置1の表面の内部構成の一例を示す図である。図4(D)は、コード発生装置1の裏面の内部構成の一例を示す図である。
なお、後述する図8や図9の例と区別すべく、図4の例のコード発生装置1を特に「スタンプタイプのコード発生装置1」と呼ぶ。
なお、以下、図4中下方、即ち、媒体2やコード認識装置3に対して対向させる方向を、「下」として説明する。
電源ボタン15は、コード発生装置1の側面に設けられており、コード発生装置1に対する電源のON/OFFを切替えるためのボタンである。
複数のドット周辺には、コード認識装置3のタッチパネル31等のディスプレイを傷付けないように、ゴムやシリコン等の保護部材を設けてもよい。なお、スタンプ部16をディスプレイ上に移動させるならば、スタンプ部16の底面(保護部材があるならば、当該保護部材も含む)は、摩擦係数の低いシリコン等の材料を採用すると好適である。しかし、スタンプ部16をディスプレイ上で移動させないのであれば、摩擦係数の高いゴム等の材料を採用すると好適である。
所定情報Cの読取りの際には、図2(B)に示す様に、スタンプ部16は媒体2のドットパターン(所定情報C)の上に配置される。これにより、図4(C)に示す様に、所定情報Cは、読取領域IAを介して情報読取部11により読み取られる。
また、パターンコードを出力する際には、図3(B)に示す様に、スタンプ部16は、コード認識装置3のタッチパネル31のコード検出領域SPに接触又は近接する。より正確には、スタンプ部16に設けられたコード出力部13の複数のドットが、コード認識装置3のタッチパネル31のコード検出領域SPに接触又は近接する。ここで、複数のドットは、導電体等で構成され、パターンコードに応じて、タッチパネル31の反応可否(導通有無)が制御されている。即ち、タッチパネル31は、複数のドットのうち、反応可とされたドット(その位置座標)のみを検出する。このようにして検出されたドットの配置パターン等に基づいて、パターンコードが認識される。
なお、複数のドットによるパターンコードの認識の具体例については、図6及び図7を参照して後述する。
内蔵メモリ18は、CPU17によって実行されるプログラムや、CPU17に使用される各種データ等が記憶される。
PCBA19は、コード発生装置1が図2に示す各種処理を実行するために必要な各種回路が実装された基盤である。
USB端子20は、コード発生装置1のプログラム更新、データ入出力、充電等時が行われる際に、図示せぬ他の装置とUSB接続する。なお、USB端子20は、コード発生装置1にとって必須な構成ではない。
スピーカ21は、所定情報C(ドットパターン)が読み取られた時、各種操作指示が行われた時、音声を含むコンテンツが再生される時等において、各種音声を出力する。
ボタンスイッチ22は、上述した様に、操作ボタン14の押下操作に応じて、ONとOFFの状態のうち一方から他方へ切り替えるスイッチである。
自重スイッチ23は、パターンコード出力部16を自重で起動させるスイッチである。ここで、起動させるとは、パターンコード出力部16を構成する複数のドット毎に、パターンコードに応じて、タッチパネル31への反応可否(導通/非導通)の状態を確立させることである。また、図2(B)に示す様に、スタンプ部16は媒体2のドットパターン(所定情報C)の上に配置された際に、自重スイッチ23が自重で起動され、所定情報Cは、読取領域IAを介して情報読取部11により読み取られる。自重スイッチ23が自重で起動する機構は、電力を要するパターンコードの出力やドットパターンの読取を、タッチパネル31および/または媒体2にコード発生装置1を載置した場合にのみに起動させることによって、大幅な省電力を図ることができる。なお、自重スイッチ23は、コード発生装置1にとって必須な構成ではない。
電源部25は、乾電池等、コード発生装置1に対して電力を供給する部である。従って、電源部25は、乾電池である必要は特に無く、充電池でもよい。この場合、充電の手法は、特に限定されず、USB端子20でのUSB接続による充電の手法を採用してもよいし、それ以外の手法を採用してもよい。
コード認識装置3は、CPU51と、ROM(Read Only Memory)52と、RAM(Random Access Memory)53と、バス54と、入出力インターフェース55と、タッチ操作入力部56と、表示部57と、入力部58と、記憶部59と、通信部60と、ドライブ61と、を備えている。
RAM53には、CPU51が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
ここで、タッチ操作とは、タッチ操作入力部56に対する物体の接触又は近接の操作をいう。タッチ操作入力部56に対して接触又は近接する物体は、一般的にはユーザの指やタッチペン等であり、本実施形態ではコード発生装置1のコード出力部13を構成する複数のドットである。なお、以下、タッチ操作がなされた位置を「タッチ位置」と呼び、タッチ位置の座標を「タッチ座標」と呼ぶ。
表示部57は、液晶等のディスプレイにより構成され、図2や図3に示す画像等、各種画像を表示する。
このように、本実施形態では、タッチ操作入力部56と表示部57とにより、上述したタッチパネル31が構成されている。
記憶部59は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部60は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置(図1の例ではサーバ4)との間で行う通信を制御する。
なお、基本パターンは、図6(A)の円形状にドット13−1乃至13−5を配置させるパターンに特に限定されず、例えば図6(B)に示すように、シンボル13−1乃至13−5が非回転対象に配置されるようにしてもよい。また、矩形状等の任意の形状にドット13−1乃至13−5を配置させるパターンを採用することができる。また、ドットの個数も、図6(A)の例に特に限定されず、任意でよい。
図6(B)は、シンボル13−1乃至13−5を非回転対象に配置したシンボルパターンを示した図である。シンボル13−1乃至13−5を非回転対象に配置することにより、図6(A)のようにシンボル13−1乃至13−5をONした後にシンボル13−1のみをONにしなくても、シンボルパターンの正の向きを認識できる。ここで、非回転対象とは、360度を除く回転角でシンボル13−1乃至13−5を回転させた場合、幾何学的に同一のパターンにはならないため、シンボル13−1乃至13−5の向きを認識できる。
図6の例では、タッチパネル31が複数点を検出可能であるため、時刻t1乃至t25の何れのタイミングでも、「出力(ON)」は、ドット13−1乃至13−5のうち、任意の個数の任意の組合せが許可される。
ここで、図6(D)においては、時刻t1乃至t25の夫々のタイミングにおいて、図6(A)の基本パターンのうち、「出力(ON)」のドットのみが黒く塗られた単位パターンが描画されている。
このような単位パターンを複数種類用意し(図6(D)の例では、25種類用意し)、時間方向の各位置(時刻t1乃至t25の各タイミング)に、各種単位パターンを1つずつ配置していくことで、発生対象のパターンコードが定義される。
なお、本実施形態では、ドット13−1乃至13−5の夫々のON/OFFの切換えは、図4(C)のCPU17の制御により実現される。図6(D)の各単位パターンを順次切り替える手法は、特に限定されず、例えば本実施形態では、図4(A)の操作ボタン14の押下操作を繰り返す手法を採用してよいし、載置面にスタンプ部16の自重で作動する自重ボタン23の出力を用いる手法を採用してもよい。
ここで、時刻t1から時刻t2の間隔は任意でよい。即ち、コード発生装置1が所定情報Cを読み取ってパターンコードを発生させた後にタッチパネル31に載置した場合、所定の1以上のドット(図6の例ではドット13−1乃至13−5)を即座に「出力(ON)」してもいいし、所定の時間をあけて「出力(ON)」してもよい。
コード認識装置3の認識部33は、これらのドット位置を認識し、基準パターンを記憶する。なお、全てのドット13−1乃至13−5が「出力(ON)」されたことにより、タッチパネル31が各ドット13−1乃至13−5を正常に検出したことを認識することができる。これにより、コード認識装置3が正常稼働できるか否かを確認できる。
時刻t4で、ドット13−1,13−3,13−5が「出力(ON)」になる。
コード認識装置3の認識部33は、この3個のドット13−1,13−3,13−5で、単位パターンの向きを認識する。ここでは、認識部33は、ドット13−1が頂点であり、ドット13−1乃至13−5の中心からドット13−1を正の向きとして認識する。
その後、頂点のドット13−1のみが基準として「出力(ON)」が継続され、ドット13−2乃至13−5のON/OFFで情報(パターンコードの一部の情報)が出力される。
通常、意識的に回転動作を加えない限り、載置した瞬間にスタンプ部16が回転することは極めて少ないと考えられることから、直線移動による誤認識が発生しないように認識精度を確保すれば足りる。この単位パターンの向きは、タッチパネル31の面に対して、当然、スタンプ部16がどのような回転角で載置されかも認識できる。
図6(E)は、シンボルパターンの他の具体例を示している。
コード発生装置1のスタンプ部16がタッチパネル31に載置された時刻(相対的な時刻)を、時刻t1とする。時刻t1の単位パターンは、図6(E)に示す様に、シンボル13−1乃至13−5の何れもOFFとなるパターンである。
時刻t2に、シンボル13−1乃至13−5の全てが「出力(ON)」する。換言すると、基準シンボル13−1乃至13−5の全てが「出力(ON)」する単位パターンが時刻t2に配置される。
コード認識装置3の認識部33は、これらのシンボル位置を認識し、基準パターンを記憶する。なお、全てのシンボル13−1乃至13−5が「出力(ON)」されたことにより、タッチパネル31が各シンボル13−1乃至13−5を正常に検出したことを認識することができる。これにより、コード認識装置3が正常稼働できるか否かを確認できる。
その後、シンボル13−1は、ON/OFFを交互に繰り返す(点滅させる)。これにより、シンボル13−1を同期信号として用いることができる。
また、本実施形態は例示にしか過ぎないので、図示せぬ無線、音、光等の様々な手法で、コード認識装置3からコード発生装置1に対して、パターンコード(情報)の取得完了を通知してもよい。これにより、コード発生装置1側での繰り返しの出力が不要になる。
このようなパターンコード(情報)の取得完了の通知の一般的な手法としては、タッチパネル31や別途用意するディスプレイに、パターンコード(情報)の取得完了を示す画像を表示させる手法がある。さらに一方、コード認識装置3がパターンコード(情報)の取得完了を示すドットパターン等の二次元コードやカラーコードを表示して、スタンプ部16の読取領域IAを介して情報読取部11により読み取ってもよい。
ここで、繰り返し単位パターンによる情報が出力されている場合、ユーザが任意に終了したいときは、コード発生装置1に備えられた操作ボタン14を押下する。これにより、ドット13−1,13−3,13−4のみが「出力(ON)」となる。ユーザがスタンプ部16を所定の位置に移動させて、操作ボタン14を押下することにより、当該位置に配置された指示を選択することができる。これにより、ゲームから教育、ショッピング、通常のスマートフォンやPCの操作が容易にできる。
また、同時に認識できるシンボルの数、認識できるシンボルの大きさ、シンボルとシンボルの空間的な配置間隔、シンボルの出力時間、シンボルの出力終了と次のシンボルの出力開始時間までの空隙時間(タッチパネル31の性能によっては空隙時間を設けなくてもよいし、次のシンボルの出力が重複してもよい。)は、コード認識装置3の性能や処理プログラムの速度等を勘案し、任意に設定することができる。
また、図6では、シンボル13の数は5個であるが、シンボル13の数は5個に限られない。現在、スマートフォンでは同時マルチタッチが5個まで、タブレットでは同時マルチタッチが10個まで可能である。必要に応じてシンボル13の数は増加させてもよい。コード発生装置1をスマートフォンに使用する場合であっても、シンボル13の数は10個あってもよい。なぜならば、同時に5個以下の導体をONすれば、スマートフォンでも検知できるからである。
たとえば、ペンタイプのコード発生装置1であってもよい。
即ち、シンボルの形態を可変として、当該形態の組合せでパターンコードを定義することもできる。
例えば、図7(B)に示すように、4個のコーナーの内、所定の3個の導電セルを常時ONとし、1個を常時OFF(ここには導電セルを配置しなくてもよい)にして、他の導電セル25−4=21個の夫々のON/OFFを制御することにより、1回のシンボルの出力により、21bit(209715個)のコードを出力できる。この場合、パッチ模様となる。
ここで、情報量を多少減らして、ONする導電セルの集合の中に、OFFする導電セルを含まないようにしてもよい。
また、図7の例では、基準となる導電セルを3個常時ONするようなシンボルを採用したが、形態がユニークとなるように導電体をONしたシンボルを採用して、このシンボルに基づいてパターンコードを出力してもよい。
さらに、これらの形態を変化させるシンボルを複数配置して、情報量を増大させてもよい。さらにまた、時間方向に複数回出力することにより、さらに情報量を増大させてもよい。
例えば、コード認識装置3として機能する場合も含むスマートフォン、パーソナルコンピュータ、テレビジョン受像機等のディスプレイに、コードに関する所定情報Cが表示されてもよい。
図8(A)に示すように、ディスプレイ100の所定の表示領域には、ドットコード(所定情報C)を示すドットパターンが表示される。
図8(B)に示すように、ディスプレイ100の表示面(ドットコード(所定情報C)を示すドットパターンが表示されている表示領域)にコード発生装置1が載置されると、当該コード発生装置1の情報読取部11は、ドットコード(所定情報C)を読み取る。
図9(A)に示すように、コード認識装置3のタッチパネル31の所定の表示領域には、ドットコード(所定情報C)を示すドットパターンが表示される。
図9(B)に示すように、コード認識装置3のタッチパネル31の表示面(ドットコード(所定情報C)を示すドットパターンが表示されている表示領域)にコード発生装置1が載置されると、当該コード発生装置1の情報読取部11は、ドットコード(所定情報C)を読み取る。
先ず、ドットコード(所定情報C)を示すドットパターンが形成された媒体2から、コード発生装置1の情報読取部11は、ドットコード(所定情報C)を読み取る。
コード発生装置1のコード出力部13は、ドットコード(所定情報C)を所定のパターンコードとして、コード認識装置3として機能するスマートフォンのタッチパネル31に出力する。
当該スマートフォンのタッチパネル31は、認識したドットコード(所定情報C)を示すドットパターンを表示する。
コード発生装置1の情報読取部11は、スマートフォンのタッチパネル31から発する光を撮影することで、ドットコード(所定情報C)を読み取る。これにより、コード発生装置1のコード出力部13が出力したパターンコードから、認識したドットコード(所定情報C)を示すドットパターンを表示して、コード発生装置1の情報読取部11が読取、同一の所定情報Cであれば、誤認を完全に排除でき、極めてセキュリティ性の高い認証システムが実現できる。
他の実施例としては、ドットコード(所定情報C)を示すドットパターンが形成された媒体2から、ドットコード(所定情報C)を読み取る必要はなく、コード認識装置3として機能するスマートフォンのタッチパネル31に、グラフィックやテキストと共に表示した所定のドットパターンを、ユーザが選択して、コード発生装置1をその個所に載置して情報読取部11が読み取り、コード認識装置3から情報を読み取ることができる。この一連の操作により、ドットコード(所定情報C)を示すドットパターンが形成された媒体2を使用することなく、スマートフォンのタッチパネル31上に表示された、ドットパターンと共に表示されたアイコンやグラフィックやテキストを選択して、ショッピングやゲーム、学習等、様々なコンテンツをインタラクティブに操作できる。これらは、指によるタッチと比較し、コード発生装置1から出力されるパターンコードを認識し、誰が操作しているかを特定することができる。これにより、ショッピングでは、購入するユーザを特定し何を購入したかを認識することができ、ゲームでは、複数人が参加している場合、誰が操作したかを特定し、対戦ゲームなどを容易に実現できる。さらに、操作ボタンを操作したり、コード発生装置1を移動・回転させることによって、それらの情報もコード認識装置3が認識し、インタラクティブに楽しめるな無限のコンテンツを実現できる。
このような一連の処理をすることで、データの出力と受信の確認ができる。
また、スマートフォンのタッチパネル31上のコード発生装置1の載置位置を、当該コード発生装置1が取得でき、さらにそれに対応するパターンコードも出力することができる。
赤外線LEDから照射された赤外線は、ディスプレイでは反射して戻ってくることは無いため、情報読取部11は、反射する赤外線を撮影しない。
一方、スタンプタイプのコード発生装置1ならば、上述の如く、赤外線透過フィルターを設けていないので、情報読取部11は、ディスプレイからの可視光を撮影することができる。即ち、情報読取部11は、ディスプレイに表示されたドットパターンから、ドットコード(所定情報C)を読み取ることができる。
このように、情報読取部11は、ディスプレイ赤外線吸収インクで印刷されたドットパターンも、ディスプレイに表示された(可視光で発光する)ドットパターンも撮影して、ドットコード(所定情報C)を読み取ることができ、どのような媒体に形成されたドットパターンであっても、正確にドットコードを読み取ることができる。さらに、コード発生装置1が2個または3個以上の導電体から連続して出力していれば、どのようにコード発生装置1をディスプレイ上で移動・回転させても、それらの位置および操作状況を認識することができ、回転を認識しづらいユーザの指の操作を遥かに超える情報をコード認識装置3が認識することができる。そもそも、指の操作では、誰の指か、どの指かを認識することはできない。
ただし、2個の導電体の出力の場合は、コード認識装置3において、方向と配置を認識するために2個の導電体からの出力が始点か終点であるかを追跡して、移動・回転中に常時認識し続ける必要がある。3個以上の場合は、ユニークな配置(360度回転しないと同じ配置にならない配置)であれば、コード認識装置3において、コード発生装置1がどのように位置しているかを一意に認識できる。
例えば、ドットコード等の2次元コード(所定情報C)を読み取る光学読み取りセンサ、電磁波読み取り装置等を、情報読取部11として採用することができる。
スタンプタイプのコード発生装置1の情報読取装置11として光学読み取りセンサを採用した場合、上述の如く、IRLEDで照射することで、印刷媒体では赤外線領域で、ディスプレイでは可視光領域で、ドットコード等の2次元コード(所定情報C)を読み取ることができる。
例えば、スタンプ部16は、ケースを覆うように大きくして、ドット(導電体)の配置の自由度を高めてもよい。これにより、載置時のコード発生装置1の安定を図ることもできる。
所定情報を読取る情報読取部と、
前記所定情報に関するコードであって、1以上のシンボルの空間方向と時間方向の少なくとも一方の配置パターンで表すコードを、パターンコードとして発生するコード発生部と、
前記パターンコードが発生する毎に、前記1以上のシンボルの夫々について、センサの反応可否に基づく出力有無を、前記パターンコードを示す前記配置パターンに従って変化させることで、当該パターンコードを出力するパターンコード出力部と、
を備える。
前記パターンコード出力部は、
前記パターンコードが発生する毎に、前記1以上のシンボルの夫々について、前記静電容量式の位置入力センサの反応可否に基づく出力有無を、前記パターンコードを示す前記配置パターンに従って変化させることで、当該パターンコードを出力する、
ようにすることができる。
複数のシンボルの夫々が空間方向に予め規定された位置に配置されたパターンを、基本パターンとして、
前記基本パターンに含まれる前記複数のシンボルの夫々について、前記センサの反応可否が定義されたパターンを、単位パターンとして、
前記単位パターンに基づいて定義されている、
ようにすることができる。
複数種類の前記単位パターンの時間方向の配置の組合せに基づいて定義されている、
ようにすることができる。
ようにすることができる。
ようにすることができる。
ようにすることができる。
ようにすることができる。
ようにすることができる。
ようにすることができる。
ようにすることができる。
ようにすることができる。
ようにすることができる。
ようにすることができる。
ようにすることができる。
ようにすることができる。
ようにすることができる。
ようにすることができる。
ようにすることができる。
ようにすることができる。
前記所定情報に対して、前記所定の波長の光を照射する照射部と、
前記表示デバイスの表示面に前記コード発生装置が載置された状態で、外光を遮断する遮断部と、
をさらに備えるようにすることができる。
上記記載のコード発生装置から発生された前記パターンコードを認識するコード認識装置であって、
前記所定情報を表示する前記表示デバイスと、
前記所定のセンサと、
前記コード発生装置の前記パターンコード出力部により前記センサの反応可否が変化した前記1以上のシンボルに対する、前記センサの検出結果に基づいて、当該1以上のシンボルの前記配置パターンを検出する検出部と、
検出された前記1以上のシンボルの前記配置パターンに基づいて、前記コード発生装置の前記コード発生部により発生された前記パターンコードを認識する認識部と、
を備える。
ようにすることができる。
ようにすることができる。
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
例えば、コード発生装置がスタンプタイプであり、コード認識装置側のセンサが、タッチパネルに含まれる、静電容量式の位置入力センサである場合、パターンコード出力部は、図10乃至図13に示すように実現することができる。
なお、パターンコード出力部とタッチパネルとをあわせて、以下、「静電容量制御システム」と呼ぶ。
また、パターンコード出力部が、所定シンボルについて、センサの反応可否に基づく出力有無を、前記パターンコードを示す前記配置パターンに従って変化させ、タッチパネル(位置入力センサ)が、出力されたシンボルを検出することを実現する制御を、以下「スタンプ導電体のタッチパネル静電容量検出制御」と呼ぶ。
コード認識装置は、静電容量検出型タッチパネルを有するスマートフォンやタブレットPCで構成されているものとする。
この場合、静電容量検出型タッチパネルは、所定の量の静電容量を有する導電体の接近により静電容量をタッチ操作として検出する。タッチパネルは、数ピコファラド(pF)以下の僅かな静電容量を検出してタッチ位置を取得する。
ここで、図10の静電容量制御システムでは、タッチパネルが検出することができない程度の、小さな静電容量の導電体をタッチパネルに接近させ、所定の方法で、大きな静電容量を有する導電体を電気的に接続させると、小さな静電容量の導電体が大きな静電容量を有する導電体となり、タッチパネルが検出することができる。この原理を用いて、1以上の静電容量の小さい導電体をシンボルの少なくとも一部として、下部に配置したコード発生装置のパターンコード出力部において、導電体の大きな静電容量の配置または時間方向の静電容量の変化の少なくともいずれかが制御されることで、コード認識装置側のタッチパネルが当該静電容量を検出し、当該コード認識装置の認識部は、パターンコードを認識する。
なお、半導体スイッチの他、様々なスイッチを用いてよい。
図12は、図11の半導体スイッチのOff時の電流低減システムを説明するための模式図である。
半導体スイッチは、OFFにした場合でも僅かな電流が流れるため、その結果、導電体は、タッチパネルが検出する程度の静電容量を保有し続ける場合がある。
タッチパネルにコード発生装置を載置したまま、静電容量を時間方向に変化させてパターンコードを出力する場合や、コード発生装置を載置したまま所定の方法(操作ボタンの操作やディスプレイに表示された2次元コードの取得、プログラムによる自働制御)で新たなパターンコードを出力する場合、それまでに導電を検出していた導電体を継続して検知してはならない。そのためには、静電容量を検知しない程度に電流量を極小に抑えるために、各スイッチで十分に高いインピーダンスを確保することが必要となる。一つの方策としては、図12のように、半導体(トランジスタ、FET)を2段に直列に配置して、電流量を低減させ静電容量をタッチパネルの検出量以下にして、タッチパネルが導電体を検出しないようすることができる。2段の直列では、十分でない場合、段数をさらに増やしてもよい。さらに、高周波用として作られたトランジスタ、FET、MOS FETなどは電流を大幅に低下させることができ、静電容量を極小にすることができる。
以上に記述した、パターンコード出力部16を構成する複数のドット毎に、パターンコードに応じる、タッチパネル31への反応可否は、導通/非導通と説明しているが、導電体等の導通/非導通または静電容量の変化によることを含んでいる。また、パターンコード出力部16を構成する複数のドットは、面積の無い点ではなくタッチパネル31への反応可否が可能な所定の面積を有するシンボルである。このシンボルは任意の形状のシンボルである。同一形状、同一面積である必要もない。なお、上記ドットは、前記情報読取部が読み取るドットパターンやドットコードのドットとは全く異なることは言うまでもない。なお、ドットパターンは媒体(あらゆる造形物を含む)に形成(印刷や刻印、ディスプレイ表示等の光学的に形成されるものも含む)された複数のドットから構成される2次元コードである。この2次元コードはドットパターンを読み取って(撮影や撮像を含む)求めた数値情報(コード)であるドットコードである。所定情報Cは、バーコードやQRコード(登録商標)、ドットコード、カラーコード等の二次元コードや無線情報記録媒体に記録された数値情報(コード)を含んでいる。上記は、以降の実施例でも同様の意味を示す。
図11(A)のバイポーラトランジスタのコレクタ回路、図11(B)(C)のMOSトランジスタ(FET)のドレイン回路には電源を接続した。しかし、これらをスイッチとして用いる場合には、電源を設けなくてもよい。図13(A)に電源を省略してバイポーラトランジスタをスイッチとして用いる回路の構成を例示する。また、21(B)に電源を省略してMOSトランジスタ(FET)をスイッチとして用いる回路の構成を例示する。なお、すでに図12で述べた通り、図13(A)(B)のように、トランジスタを2段縦続接続することにより、コレクタ・ベース間の接合容量、エミッタ・ベース間の接合容量、ドレイン容量、ソース容量等の容量を低減できる。また、トランジスタを縦続接続する段数は、2段に限定される訳ではない。
具体的には、図14(A)は、コード発生装置1の外観構成の一例を示す側面図である。図14(B)は、コード発生装置1の外観構成の一例を示す下面図である。図14(C)は、コード発生装置1の外観構成の他の一例を示す下面図である。図14(D)は、コード発生装置1の表面の内部構成の一例を示す図である。図14(E)は、コード発生装置1の裏面の内部構成の一例を示す図である。図14(F)は、コード発生装置1のスタンプ部16を拡大した外観構成の一例を示す側面図である。図14(G)は、コード発生装置1のスタンプ部16を拡大した表面の内部構成の一例を示す図である。
電源ボタン15は、コード発生装置1の側面に設けられており、コード発生装置1に対する電源のON/OFFを切替えるためのボタンである。
複数のシンボル周辺またはシンボルの載置側の表面には、コード認識装置3のタッチパネル31等のディスプレイを傷付けないように、非導電のゴムやシリコン、PET等の保護部材を設けてもよい。なお、スタンプ部16をディスプレイ上に移動させるならば、スタンプ部16の底面(保護部材があるならば、当該保護部材も含む)は、摩擦係数の低い材料を採用すると好適である。しかし、スタンプ部16をディスプレイ上で移動させないのであれば、摩擦係数の高い材料を採用すると好適である。コード認識装置3が、載置した際に滑らないようにして、瞬時に、確実にシンボルを認識できるようにするためである。
所定情報Cの読取りの際には、図2(B)に示す様に、スタンプ部16は媒体2のシンボルパターン(所定情報C)の上または上方に配置される。これにより、図14(D)に示す様に、所定情報Cは、読取領域IAを介して情報読取部11により読み取られる。
また、パターンコードを出力する際には、図3(B)に示す様に、スタンプ部16は、コード認識装置3のタッチパネル31のコード検出領域SPに接触又は近接する。より正確には、スタンプ部16に設けられたコード出力部13の複数のシンボルが、コード認識装置3のタッチパネル31のコード検出領域SPに接触又は近接する。ここで、複数のシンボルは、導電体等で構成され、パターンコードに応じて、タッチパネル31の反応可否(が制御されている。即ち、タッチパネル31は、複数のシンボルのうち、反応可とされたシンボル(その位置座標)のみを検出する。このようにして検出されたシンボルの配置パターン等に基づいて、パターンコードが認識される。
なお、複数のシンボルによるパターンコードの認識の具体例については、図6及び図7を参照して説明しているため省略する。
内蔵メモリ18は、CPU17によって実行されるプログラムや、CPU17に使用される各種データ等が記憶される。
PCBA19は、コード発生装置1が図2に示す各種処理を実行するために必要な各種回路が実装された基盤である。
USB端子20は、コード発生装置1のプログラム更新、データ入出力、充電等が行われる際に、図示せぬ他の装置とUSB接続する。なお、USB端子20は、コード発生装置1にとって必須な構成ではない。
スピーカ21は、所定情報Cが読み取られた時、各種操作指示が行われた時、音声を含むコンテンツが再生される時等において、各種音声を出力する。
ボタンスイッチ22は、上述した様に、操作ボタン14の押下操作に応じて、ONとOFFの状態のうち一方から他方へ切り替えるスイッチである。ボタンスイッチ22は、シーソーボタンとしてどちらかを独立して異なる操作を指示するために独立して機能してもよい。
自重スイッチ23は、パターンコード出力部13を自重で起動させるスイッチである。ここで、起動させるとは、パターンコード出力部13を構成する複数のドット毎に、パターンコードに応じて、タッチパネル31への反応可否の状態を確立させることである。また、図2(B)に示す様に、スタンプ部16は媒体2のドットパターン(所定情報C)の上または上方に配置された際に、自重スイッチ23が自重で起動され、所定情報Cは、読取領域IAを介して情報読取部11により読み取られる。自重スイッチ23が自重で起動する機構は、電力を要するパターンコードの出力やドットパターン等の読取を、タッチパネル31および/または媒体2にコード発生装置1を載置した場合にのみに起動させることによって、大幅な省電力を図ることができる。さらに、自重ではスイッチが入らず、コード発生装置1を押し込むようにしてスイッチが入るようにしてもよい。なお、自重スイッチ23は、コード発生装置1にとって必須な構成ではない。
電源部25は、乾電池等、コード発生装置1に対して電力を供給する部である。従って、電源部25は、乾電池である必要は特に無く、充電池でもよい。この場合、充電の手法は、特に限定されず、USB端子20でのUSB接続による充電の手法を採用してもよいし、それ以外の手法を採用してもよい。また、外部の電力供給装置から電力を供給してもよい。電力の供給は上記を組み合わせてもよい。
なお、コード発生装置1のスタンプ部16の上方の内部にゴムやリング状のバネを設けることは、コード発生装置1にとって必須な構成ではない。
また、コード発生装置1は、コード発生装置1自体をケースで覆うように大きくして、導電体の配置の自由度を高めてもよい。また、コード発生装置1自体の大きさをおおきくすることにより、載置時のコード発生装置1の安定も図ることができる。
スタンプ部16は、図14(B)に示す様な形態でもよい。すなわち、複数のシンボルが所定のパターンで配置されて構成されるコード出力部13が設けられ、その中央部より上方には孔があけられている。この孔の部分が、情報読取装置11により所定情報Cが読み取られる情報読取領域IAとなっている。所定情報Cが形成された媒体に接面して読み取ってもよいし、当該媒体から一定の距離を離して読み取ってもよい。スタンプ部16の外周上には、情報読取指示切欠き部26が設けられている。情報読取指示切欠き部26は、コード発生装置1をコード認識装置3のディスプレイに載置して、小さなアイコンや文字、グラフィック等の対象画像を選択する場合に、対象画像の指示ポイントを正確に指示して所定情報Cを読取る。情報読取指示切欠き部27は、光学的な指示(例えば、レーザーポインター等)に代えてもよいし、それらを組み合わせてもよい。
具体的には、図15(A)は、コード発生装置1の外観構成の一例を示す側面図である。図15(B)は、コード発生装置1の外観構成の一例を示す下面図である。図15(C)は、コード発生装置1の表面の内部構成の一例を示す図である。図15(D)は、コード発生装置1の裏面の内部構成の一例を示す図である。図15(E)は、コード発生装置1のスタンプ部16を拡大した外観構成の一例を示す側面図である。図15(F)は、コード発生装置1のスタンプ部16を拡大した表面の内部構成の一例を示す図である。
電源ボタン15は、コード発生装置1の側面に設けられており、コード発生装置1に対する電源のON/OFFを切替えるためのボタンである。
パターンコード入力装置301は、コード発生装置1の表面の上方に設けられており、パターンコードを設定するための装置である。具体的には、パターンコード入力装置301の数字が描かれたリングを回して、数字を所定の位置に合わせてパターンコードを設定する。パターンコード入力装置301の設定を開始する場合、パターンコード入力装置301は、通常使用しないような各種操作ボタンの操作の組み合わせで、数字の設定を複数回実施して記憶し、パターンコードを出力する。ここでは、図示しないが、パターンコード入力装置301は、数字が描かれたリングを回転鍵のように複数段配置してもよい。また、パターンコード入力装置301は、数字ボタンを複数配置してもよい。さらに、パターンコード入力装置301は、必要回数操作ボタンを押して設定してもよい。
スピーカーダクト302は、スピーカ21から出力された各種音声を排出する。
パターンコード表示装置303は、パターンコード入力装置301により設定されたパターンコードを確認するための表示装置である。パターンコード表示装置303は、例えば、液晶モニターを採用することができる。また、パターンコード表示装置303に、タッチパネルを設け、数字を表示させ、パターンコードをタッチして設定するようにすることもできる。
複数のシンボル周辺またはシンボルの載置側の表面には、コード認識装置3のタッチパネル31等のディスプレイを傷付けないように、非導電のゴムやシリコン、PET等の保護部材を設けてもよい。なお、スタンプ部16をディスプレイ上に移動させるならば、スタンプ部16の底面(保護部材があるならば、当該保護部材も含む)は、摩擦係数の低い材料を採用すると好適である。しかし、スタンプ部16をディスプレイ上で移動させないのであれば、摩擦係数の高い材料を採用すると好適である。コード認識装置3が、載置した際に滑らないようにして、瞬時に、確実にシンボルを認識できるようにするためである。
パターンコードを出力する際には、図3(B)に示す様に、スタンプ部16は、コード認識装置3のタッチパネル31のコード検出領域SPに接触又は近接する。より正確には、スタンプ部16に設けられたコード出力部13の複数のシンボルが、コード認識装置3のタッチパネル31のコード検出領域SPに接触又は近接する。ここで、複数のシンボルは、導電体等で構成され、パターンコードに応じて、タッチパネル31の反応可否が制御されている。即ち、タッチパネル31は、複数のシンボルのうち、反応可とされたシンボル(その位置座標)のみを検出する。このようにして検出されたシンボルの配置パターン等に基づいて、パターンコードが認識される。
なお、複数のシンボルによるパターンコードの認識の具体例については、図6及び図7を参照して説明しているため省略する。
内蔵メモリ18は、CPU17によって実行されるプログラムや、CPU17に使用される各種データ等が記憶される。
PCBA19は、コード発生装置1が図2に示す各種処理を実行するために必要な各種回路が実装された基盤である。
USB端子20は、コード発生装置1のプログラム更新、データ入出力、充電等が行われる際に、図示せぬ他の装置とUSB接続する。なお、USB端子20は、コード発生装置1にとって必須な構成ではない。
スピーカ21は、各種操作指示が行われた時、音声を含むコンテンツが再生される時等において、各種音声を出力する。
ボタンスイッチ22は、上述した様に、操作ボタン14の押下操作に応じて、ONとOFFの状態のうち一方から他方へ切り替えるスイッチである。ボタンスイッチ22は、シーソーボタンとしてどちらかを独立して異なる操作を指示するために独立して使用してもよい。
自重スイッチ23は、パターンコード出力部13を自重で起動させるスイッチである。ここで、起動させるとは、パターンコード出力部13を構成する複数のシンボル毎に、パターンコードに応じて、タッチパネル31への反応可否の状態を確立させることである。自重スイッチ23が自重で起動する機構は、電力を要するパターンコードの出力やドットパターンの読取を、タッチパネル31および/または媒体2にコード発生装置1を載置した場合にのみに起動させることによって、大幅な省電力を図ることができる。さらに、自重ではスイッチが入らず、コード発生装置1を押し込むようにしてスイッチが入るようにしてもよい。なお、自重スイッチ23は、コード発生装置1にとって必須な構成ではない。
パターンコード認識装置304は、パターンコード入力装置301から設定されたパターンコードを認識する装置である。具体的には、数字が描かれたリングの裏側に数字を認識できる材料や抵抗などを配置して、数字を認識する。また、パターンコード認識装置304は、他のどのような方法でも数字を認識できればよい。
電源部25は、乾電池等、コード発生装置1に対して電力を供給する部である。従って、電源部25は、乾電池である必要は特に無く、充電池でもよい。この場合、充電の手法は、特に限定されず、USB端子20でのUSB接続による充電の手法を採用してもよいし、それ以外の手法を採用してもよい。また、外部の電力供給装置から電力を供給してもよい。電力の供給は上記を組み合わせてもよい。
なお、コード発生装置1のスタンプ部16の上方の内部にゴムやリング状のバネを設けることは、コード発生装置1にとって必須な構成ではない。
また、コード発生装置1は、コード発生装置1自体のケースで覆うように大きくして、導電体の配置の自由度を高めてもよい。また、コード発生装置1自体の大きさをおおきくすることにより、載置時のコード発生装置1の安定も図ることができる。
具体的には、図16(A)は、コード発生装置1の外観構成の一例を示す側面図である。図16(B)は、コード発生装置1の外観構成の一例を示す下面図である。図16(C)は、コード発生装置1の上方に造形物のカバーを被せた外観構成の一例を示す側面図である。図16(D)は、コード発生装置1のパターンコード設定リングの上面の一例を示す図である。図16(E)は、コード発生装置1のパターンコード設定リングの下面の一例を示す図である。図16(F)は、コード発生装置1のパターンコード設定・出力装置上面の一例を示す図である。図16(G)は、図16(D)とは異なるコード発生装置1のパターンコード設定リングの上面の一例を示す図である。図16(H)及び(I)は、図16(E)とは異なるコード発生装置1のパターンコード設定リングの下面の一例(真下を基準ドットとして右回りにパターンコードを設定した場合)を示す図である。
また、パターンコード設定リング上面402aは、図16(D)の示すところ、設定番号が設けられている。この数字が描かれたリングを回して、数字を所定の位置(例えば、マークや刻印)に合わせてパターンコードを設定する。コード発生装置1は、設定を開始する場合、通常使用しないような各種操作ボタンの操作の組み合わせで設定を開始し、数字の設定を複数回実施して記憶しパターンコードを出力する。なお、コード発生装置1は、パターンコード設定用の専用のボタンを配置してもよい。
さらに、パターンコード設定リング下面402bは、図16(E)の示すところ、導電体が設けられている。
パターンコード設定・出力装置403の上面には、図16(F)に示すように、2個で1組の接点スイッチ404が8個設けられている。
パターンコード設定・出力装置403の下面には、図16(B)に示す様に、複数のシンボルが所定のパターンで配置されて構成されるコード出力部13が設けられている。
また、パターンコード設定・出力装置403の下面には、少なくとも1個(連続して隣り合う複数個でも7個以内であれば可能)に導電体が設けられ、 リングを回転することによって、所定の接点スイッチ8個のいずれかに接触し、当該接点スイッチをONにして、パターンコードを構成する1つの数値を定義することができる。例えば、4回の回転操作を行うと、12bit(4096コード)のパターンコードが設定できる。スイッチの個数は任意である。最初に、リングを取り付けたら、直ぐに回転操作を行い、数字を所定の位置に合わせた際に、所定の時間(例えば、1.0秒前後)を経過してから、次の回転操作を行えば、他のボタン操作をして設定(開始・終了)をしなくても、容易に番号を設定できる。同じ番号が続く場合は、一旦、回転させて、再度、同じ数字を所定の位置に合わせて所定期間を経過させればよい。必要な個数の番号を設定して自動的に終了となる。
図17(A)は、基本パターンを示している。また、図17(C)に示す様に、図17(A)の基本パターンに含まれるシンボル13−1乃至13−5の夫々について、相対的な時刻t1乃至t18のうち所定時刻(所定の時間タイミング)において、「出力(ON)」又は「OFF」が定義されている。
図17の例では、タッチパネル31が複数点を検出可能であるため、時刻t1乃至t18の何れのタイミングでも、「出力(ON)」は、シンボル13−1乃至13−5のうち、任意の個数の任意の組合せが許可される。
ここで、図17(C)においては、時刻t1乃至t18の夫々のタイミングにおいて、図17(A)の基本パターンのうち、「出力(ON)」のシンボルのみが黒く塗られた単位パターンが描画されている。図17(C)の単位パターンは、タッチパネル31がシンボル検出を可能であるため、複数のシンボルが「出力(ON)」になっていることがわかる。なお、シンボル13−1と、他のシンボルの少なくとも1つががONとなり、タッチパネル31が、シンボル同志が近傍にあり検出不能である場合は、シンボル13−1と他のシンボルを同時にONにしてはならない。
このような単位パターンを複数種類用意し(図17(C)の例では、22種類用意し)、時間方向の各位置(時刻t1乃至t18の各タイミング)に、各種単位パターンを1つずつ配置していくことで、発生対象のパターンコードが定義される。
なお、本実施形態では、シンボル13−1乃至13−5の夫々のON/OFFの切換えは、図4(C)のCPU17の制御により実現される。図17(C)の1つのパターンコードを出力する手法は、特に限定されず、例えば本実施形態では、図4(A)の操作ボタン14の押下操作を繰り返す手法を採用してよいし、載置面にスタンプ部16の自重で作動する自重ボタン23を設けてコード認識装置3に載置された際に自動で出力を用いる手法を採用してもよい。同じパターンコードを所定回数繰り返し出力する設定もできる。
従って、取得したシンボルパターンで向きを認識することが可能となり、導電体の位置および回転を認識できる。
正の向きを確認する方法として、シンボル13−2乃至13−5をONにした後に、シンボル13−1のみをONにする。このシンボル13−1の役割は、スタンプ部16のシンボル13−2乃至13−4の中央または近傍を示す基準シンボルとし、直接的にスタンプ部16のシンボル13−2乃至13−4の中央または近傍の位置を容易に認識し、スタンプ部16が移動しても、スタンプ部16の位置を正確に認識できる。
時刻t1乃至時刻t18の出力の際には、シンボル13−2乃至13−5のON/OFFの組み合わせで情報を出力して、その間は、シンボル13−1はOFFとする。次にシンボル13−1のみをONにして、シンボル13−1とシンボル13−2乃至13−5のON/OFFを繰り返すことにより、シンボル13−1は、時間方向の情報出力のタイムスタンプの役割を担い、時間方向に変化する情報の取得を確実に実施できる。また、スタンプの底面積を小さくするために、シンボル13−1と他のシンボルまでの距離を短くしてもよい。なぜなら、本実施例では、同時にシンボル13−1と他のシンボルがONとならないため、タッチパネル31が、シンボル同志が近傍にあり検出不能となる場合が発生しないからである。もちろん、シンボル13−2乃至13−6同士は、タッチパネル31が検出可能な位置に配置されることは言うまでもない。
実施例では、8回情報シンボルを出力することにより、32bitのスタンプコードが出力できる。なお、最後の時刻t18をパリティチェック(4bit)にすると、認識精度は格段に向上するが、情報量は、28bit(2.7億コード)に減少する。
図17(B)および(D)は、シンボル13−1を中心に配置し、13−2乃至13−6を等間隔に配置したシンボルパターンの具体例を示している。
図17(B)は、基本パターンを示している。また、17(B)の基本パターンに含まれるシンボル13−1乃至13−6の夫々について、相対的な時刻t1乃至t18のうち所定時刻(所定の時間タイミング)において、「出力(ON)」又は「OFF」が定義されている。
図17(B)の例では、タッチパネル31が複数点を検出可能であるため、時刻t1乃至t18の何れのタイミングでも、「出力(ON)」は、シンボル13−1乃至13−6のうち、任意の個数の任意の組合せが許可される。
ここで、図17(D)においては、時刻t1乃至t18の夫々のタイミングにおいて、図17(B)の基本パターンのうち、「出力(ON)」のシンボルのみが黒く塗られた単位パターンが描画されている。図17(D)の単位パターンは、タッチパネル31がシンボル検出を可能であるため、複数のシンボルが「出力(ON)」になっていることがわかる。なお、シンボル13−1と、他のシンボルの少なくとも1つががONとなり、タッチパネル31が、シンボル同士が近傍にあり検出不能である場合は、シンボル13−1と他のシンボルを同時にONにしてはならない。
このような単位パターンを複数種類用意し(図17(D)の例では、23種類用意し)、時間方向の各位置(時刻t1乃至t18の各タイミング)に、各種単位パターンを1つずつ配置していくことで、発生対象のパターンコードが定義される。
シンボル13−3乃至13−6をONにすれば、シンボルパターンの正の向きを認識でき、他のシンボルの配置も推定して認識できる。これに限らず、シンボル13−1乃至13−6のうち、非軸回転対象となるように3個のシンボルをONにしてもよい。なお、シンボル13−1と、他のシンボルの少なくとも1つががONとなり、タッチパネル31が、シンボル同士が近傍にあり検出不能である場合は、シンボル13−2乃至13−6のうち、非軸回転対象となるように3個のシンボルをONにしなければならない。
従って、取得したシンボルパターンで向きを認識することが可能となり、導電体の位置および回転を認識できる。
正の向きを確認する方法として、シンボル13−3乃至13−6をONにした後に、シンボル13−1のみをONにする。このシンボル13−1の役割は、スタンプ部16のシンボル13−2乃至13−4の中央または近傍を示す基準シンボルとし、直接的にスタンプ部16のシンボル13−2乃至13−6の中央の位置を容易に認識し、スタンプ部16が移動しても、スタンプ部16の位置を正確に認識できる。
時刻t1乃至時刻t18の出力の際には、シンボル13−2乃至13−6のON/OFFの組み合わせで情報を出力して、その間は、シンボル13−1はOFFとする。次にシンボル13−1のみをONにして、シンボル13−1とシンボル13−2乃至13−6のON/OFFを繰り返すことにより、シンボル13−1は、時間方向の情報出力のタイムスタンプの役割を担い、時間方向に変化する情報の取得を確実に実施できる。また、スタンプの底面積を小さくするために、シンボル13−1と他のシンボルまでの距離を短くしてもよい。なぜなら、本実施例では、同時にシンボル13−1と他のシンボルがONとならないため、タッチパネル31が、シンボル同士が近傍にあり検出不能となる場合が発生しないからである。もちろん、シンボル13−2乃至13−6同士は、タッチパネル31が検出可能な位置に配置されることは言うまでもない。
実施例では、8回情報シンボルを出力することにより、40bitのスタンプコードが出力できる。なお、最後の時刻t18をパリティチェック(5bit)にすると、認識精度は格段に向上するが、情報量は、35bit(343.6億コード)に減少する。
以上、図17は、図6とは、異なるシンボルパターンで説明したが、同様な効果を得ることができ、図6、図17は、それぞれの特徴を選択的に採用した組合せでシンボルパターンを出力してもよい。
なお、載置面はどのような外形でもよい。
図18(A)は、コード認識装置3を表している。また、図18(B)には、コード発生装置1及びコード認識装置3が表されている。コード発生装置1をコード認識装置3に載置して、小さなアイコンや文字、グラフィック等の対象画像を選択する場合、コード発生装置1は一定の底面積を要するために指示しづらい。
そこで、図18(C)に示すように、コード発生装置1に指示マークや突起、コード発生装置1の底面に設けた切り欠き、光学的な指示(例えば、レザーポインター等)により、対象画像の指示領域を正確に指示する。コード認識装置3の位置情報におけるコード発生装置1の端部の指示ポイントP0(X0,Y0)の算定方法を以下に示す。
X0=X1+Lsinθ
Y0=Y1+Lcosθ で、指示ポイントP0(X0、Y0)が求まる。なお、所定の方法で指示ポイントが決まれば、その後は、移動する座標値を連続的に追跡することにより、認識する導電体は2個でもよい。このようにして、指示ポイントが定まることになる(図18(D)及び(E)参照)。
その次に、図25〜図29を参照して、コード発生装置1による情報プラットフォームシステムの各例を説明する。
これらのシステムでは、コード認識装置3では、所定のアプリケーションが実行される。所定のアプリケーションは、コード発生装置1から発生されるコードを用いる各種各様なサービスや処理を一元的に取り扱うことができるものである。つまり、図19〜図24の実施例は、たった1つの所定のアプリケーション(スタンプコード処理アプリケーション)により、コード発生装置1で出力された様々なスタンプコード(前述のパターンコード)をコード認識装置3が読み取り、コード認識装置3に設定されたアプリケーションを稼働させたり、サーバやクラウドに設定されたスタンプコードに対応するアプリケーションを実行することができるプラットホームを実現することもできる。
ここで、以下本願発明と呼ぶ場合、明細書中に記載の上述した各種発明を意味するものとする。
しかし、図19(A)において、コード発生装置1を本人のデジタル印鑑として使用することにより、利便性とセキュリティを大きく向上させることができる。なお、コード発生装置1の使用者が本人であることを証明するために、コード発生装置1に指紋認証センサを設けてもよい。また、指紋認証センサにの代わりに、静脈認証センサ、網膜認証センサ、虹彩認証センサ等を設けてもよい。
図19(B)において、様々なシーンで、本人確認や承認・契約を実施する際に、所定のアプリケーションが起動されたコード認識装置3に、本人が保有するコード発生装置1でタッチし、本人を特定するスタンプコードを出力して、本人確認を行う。その際に、本人のパスワードの入力や、指紋認証によりセキュリティ性を高めることができる。なお、指紋認証は、コード発生装置1で本人の指紋情報を所定の方法で登録し、コード発生装置1の指紋認証センサに登録された指で触れた後、あるいは触れながらコード認識装置3にタッチすることにより、対応するスタンプコードを出力して実施する。本人でなければ、本人ではないことを示すスタンプコードを出力してもよいし、一切、スタンプコードを出力しないようにしてもよい。指紋情報の登録の方法は、登録の手順を示すドットコードが形成された媒体またはドットコードを表示したコード認識装置3にタッチすることにより、コード発生装置1でドットコードを読み取ることにより登録してもよいし、コード発生装置1に備えられた操作ボタンにより登録してもよい。また、家族などの複数のユーザの指紋情報を登録して、複数のユーザが使用できるようにしてもよい。コード発生装置1には、時計機能を設け誰がいつ使用したかも記録(ログ)してもよい。それらの情報は、他の情報処理装置がUSBまたは無線で取得することができる。また、コード認識装置3にタッチしてログに対応するスタンプコードを出力してもよい。他の方法としては、コード発生装置1の指紋認証センサに指で触れた後、あるいは触れながら指紋情報を取得して、コード認識装置3にタッチすることにより、取得した指紋情報に対応するスタンプコードを出力してもよい。スタンプコードにより出力した指紋情報は、コード認識装置3またはコード認識装置3に無線または優先で接続される記憶媒体(サーバー等も含む)に登録された指紋情報と照合してもよい。
図19(C)において、偽造されたコード発生装置1や有効期限を過ぎたコード発生装置1を、排除するために、コード発生装置1から出力されたスタンプコードを暗号処理したドットコードをコード認識装置3のディスプレイに表示し、コード発生装置1で読取り、そのドットコードに対応する暗号スタンプコードを出力して、再度の高度な承認をしてもよい。コード発生装置1は、時計機能を設けており、その時間に応じたスタンプコードを出力し、コード認識装置3も、押印時間に基づくスタンプコードの認証を行って、セキュリティ性を高めてもよい。
図19(B)及び(C)では、最初にコード発生装置1が出力するスタンプコードをコード認識装置3が読み取るものとしたが、図19(D)及び(E)に示すように、最初にコード認識装置3がドットコードを表示し、コード発生装置1が、ドットコードを読取り、暗証スタンプコードを出力して、コード認識装置3が認証してもよい。図19(C)と同様に、押印時間に基づくスタンプコードの認証により、セキュリティ性を高めてもよい。また、コード発生装置1毎にドットコードに対応する暗証スタンプコードはユニークなアルゴリズムで出力すれば、更にセキュリティ性が高まる。
図20(B)において、入場時やクーポン使用時に所定のアプリケーションを起動させ、承認画面を表示する。
図20(C)において、入場時やクーポン使用時に係員がコード発生装置1でコード認識装置3にタッチする。コード発生装置1は、当該チケットやクーポンに対応するスタンプコードを出力するように予め設定する。
図20(D)において、コード発生装置1が出力するスタンプコードをコード認識装置3が読取り、入場やクーポンの使用が承認される。再入場する際は、この画面を見せればよい。
図21(B)において、入場時やクーポン使用時に所定のアプリケーションを起動させ、承認画面で当該チケットやクーポンに対応するドットコードを表示する。
図21(C)において、入場時やクーポン使用時に係員がコード発生装置1でコード認識装置3にタッチしてドットコードを読取る。コード発生装置1内に、予め、チケットやクーポン対応ドットコードを登録しておき認証する。 なお、コード発生装置1に無線機能を搭載し、サーバ4でドットコードを承認してもよい。
図21(D)において、コード発生装置1がドットコードを読取った後、対応するスタンプコードを出力し、コード認識装置3が読取り、入場やクーポンの使用が承認される。無線搭載の場合、その都度、サーバ4から承認用スタンプコードが送信されてもよい。
図22(B)において、所定のアプリケーションを起動させ、プリント出力画面で当該チケットやクーポンに対応するドットコードを表示する。
図22(C)において、無線機能を搭載したコード発生装置1でコード認識装置3にタッチする。コード発生装置1は、ドットコードを読取り、サーバ4で認証し、さらに、無線接続(例えば、BTやWIFI等)されたプリンターから、チケットやクーポンが出力される。なお、コード発生装置1内に、予め、チケットやクーポン対応ドットコードを登録しておき認証してもよい。
図22(D)において、コード発生装置1がドットコードを読取った後、対応するスタンプコードを出力して、コード認識装置3が読取り、プリント済みとされ、その後は、プリントできなくなる。
図23(B)において、ユーザは、クーポンやポイント提供する印刷物を持ってサービスカウンターに行く。クーポンやポイントの提供側は、集客が必要な場所にサービスカウンターを設置して集客を図る。
図23(C)において、所定のアプリケーションを起動させて、持ち込んだクーポンやポイント提供のドット印刷物にコード発生装置1でタッチした後、コード認識装置3の押印マーク領域にタッチする。コード発生装置1内に、予めドットコードに対応するスタンプコードを設定しておく。コード発生装置1に無線が搭載されていれば、逐次、スタンプコード等の情報を更新したり、サーバ4に情報を送信できる。スタンプを押すのは、ユーザでも提供者側のどちらでもよい。所定のアプリケーションを起動させて、印刷物にタッチして、コード認識装置3にタッチすると、印刷物に対応したクーポンやポイント画面が表示される。
図23(D)において、コード発生装置1が読み取ったドットコードに対応するスタンプコードを出力して、コード認識装置3が読取り、当該クーポンやポイントを獲得する。コード認識装置3がスタンプコードを読み取った後に、コード認識装置3のディスプレイに所定の情報が定義されたドットコードを表示して、コード発生装置1がドットコードを読取り、コード認識装置3から既に押印された情報や個人情報等の情報を読み取ってもよい。当該情報は、無線などを使って送信してもよい。コード発生装置1で押印領域をタッチすると、コード認識装置3において、印刷物に対応したポイントカードやスタンプラリーの画像が表示されて、ポイントやスタンプが付与される。さらに、ポイント、スタンプの獲得情報や個人情報に対応したドットコードをコード認識装置3の画面に表示して、コード発生装置1で読み取ってもよい。当該情報は、無線などを使って送信してもよい。
そこで、図24(B)〜(D)に示すような、本願発明を用いた電子ポイントカードサービスが提供される。図24(B)に示すように、所定のアプリケーションを起動させて、店舗にてコード発生装置1でコード認識装置3にタッチすると、当該店舗のポイントカードが表示される。
図24(C)において、店員は、レジで使った金額やクーポンに応じて、ドット印刷されたペーパーコントローラーの数字やアイコンをコード発生装置1でタッチしてポイント数や日付をコード発生装置1に一時記録する。なお、ペーパーコントローラーを使用しないで、ポイントを付与・消し込みを実施してもよい。
図24(C)において、コード発生装置1に記録されたポイント数や日付はスタンプコードに変換されて、ユーザのコード認識装置3にタッチすることにより、コード認識装置3内に当該店舗のポイントが加算される。なお、コード発生装置1の操作ボタンを必要回数押したり、 コード発生装置1をタップまたは回転して、ポイントを加算してもよい。ユーザは、 所定のアプリケーションで店舗ごとのポイントを何時でも知ることができ、使うことができる。所定のアプリケーションを起動して、押印領域にコード発生装置1でタッチすると、当該店舗のポイントカードが表示される。
図24(D)に示すように、ポイントを使用する際には、レジで使用するポイント数をドット印刷された数字やアイコンをコード発生装置1でコード認識装置3にタッチしてポイント数を消し込む。なお、コード発生装置1の操作ボタンを必要回数押したり、コード発生装置1をタップまたは回転して、ポイントの消し込みを行ってもよい。操作を間違っても、同様な操作でポイントの修正を行えばよい。各店舗は、ポイントやクーポンを提供するような所定のサービスに加盟することによって、キャンペーン等の様々な広告情報をコード認識装置3に送信し、店舗の利用を促進させることができる。
当該店舗のポイントカードを登録する際に、コード発生装置1でコード認識装置3をタッチした後に、ディスプレイに「店舗からの情報配信をしてもよろしいですか−」等の表示がなされ、所定の方法でユーザ自身が承認する。所定の方法としては、ドットコードを表示させて、コード発生装置1で当該ドットコードを読み取ってもらって、承認の了解とする。当該ドットコードには、コード認識装置3のIDや個人情報などを含んでおり、当該情報を無線などで送信してもよい。
コード発生装置1をタッチして表示されたポイントカード画面に、当該コード発生装置1で、加算・消し込みの操作を行うと、加算・消し込みができる。他の店舗のコード発生装置1では、操作できない。
図25(B)において、ユーザがドット印刷物にコード発生装置1をタッチしてドットコードを読取る。次にコード認識装置3にタッチすると、ドットコードに対応するスタンプコードを出力して、コード認識装置3がスタンプコードを読み取る。会員専用であれば、ドット印刷部をタッチする前に、ドット付会員カードをタッチしてユーザがログインしてもよい。パスワードの入力は、 コード発生装置1を所定回数、所定方向に回転して入力してもよいし、コード認識装置3に指でタッチして入力してもよい。Gスタンプ自身がIDを発行してもよい。コード発生装置1で様々なドット印刷物をタッチして、コード認識装置3にタッチするとコンテンツの閲覧やゲームを開始できる。
図25(C)において、コード認識装置3がスタンプコードを読み取ると、スタンプコード(ドットコードに対応)に対応する、コンテンツの閲覧やプログラムの起動・操作指示が、コード認識装置3で実行される。コード認識装置3内のメモリにスタンプコード(ドットコードに対応)が登録されていなければ、サーバ4からスタンプコード(ドットコードに対応)に対応する処理やコンテンツがコード認識装置3にダウンロードまたはストリーミングされる。なお、コンテンツによっては、さらにコード認識装置3画面上でコード発生装置1を、滑動させて、次のアクションを操作ボタンで決定することもできる。ゲームの進行や物品の購入、観光経路案内なども可能となる。コード認識装置3は、コード発生装置1の 回転角を認識できることから、 コード発生装置1を回転させ、コード認識装置3に表示されたMAPや図面・写真上の所定方向のスクロールや360度パノラマを閲覧することができる。コード認識装置3に表示された文字やアイコン、グラフィックを、コード発生装置1で選択したり、回転させたり、移動したりすると、次のコンテンツや操作指示が表示され、さらにコード発生装置1で操作することができる。
図26(B)において、ユーザが通販カタログの商品の写真や「解説アイコン」、「バスケットアイコン」、「数量アイコン」にタッチしてドットコードを読取る。次にコード認識装置3にタッチすると、ドットコードに対応するスタンプコードを出力して、コード認識装置3がスタンプコードを読み取る。
図26(C)において、コード発生装置1でカタログをタッチして、コード認識装置3にタッチすると、商品の解説が表示される。さらに、操作ボタンを押したり、コード発生装置1でタップしたり、回転させると、注文画面が表示される。コード認識装置3がスタンプコードを読み取ると、スタンプコード(ドットコードに対応)に対応する、商品の解説や注文内容が、コード認識装置3で表示される。コード認識装置3内のメモリにスタンプコード(ドットコードに対応)が登録されていなければ、サーバ4からスタンプコード(ドットコードに対応)に対応する処理やコンテンツがコード認識装置3にダウンロードまたはストリーミングされる。コード認識装置3の注文内容で問題なければ、コード認識装置3のディスプレイの「注文アイコン」をコード発生装置1でタッチして操作ボタンを押して商品を注文する。もし、取りやめたい場合は、 「中止アイコン」をタッチして操作ボタンを押して注文を中止する。コード発生装置1を「注文」、「中止」いずれかに移動して操作ボタンを押して、選択する。操作ボタンを押さないでタップ等、他の方法で選択してもよい。
図27(B)において、ユーザは所定のアプリケーションを起動して、コード発生装置1でカードやボードをタッチしてドットコード(ゲーム識別コード値)を読み取る。次に、 コード発生装置1をコード認識装置3にタッチして、ドットコードに対応するスタンプコードを出力して、コード認識装置3がスタンプコードを読み取ると、当該ゲームが開始される。カードをタッチして、コード認識装置3をタッチするだけで、当該ゲームを開始できる。
図27(C)において、収集したキャラクター、アクション、アイテムカードに印刷されたコード発生装置1でドットコードを読取り、コード認識装置3にタッチしてドットコードに対応するスタンプコードを出力して、ゲームを進行する。ボードゲームでは、XY座標値も印刷されており、 コード発生装置1をボードに載置すると、その位置の座標値とコード発生装置1の向きを読み取ることができる。その情報を対応するスタンプコードに変換して、その後、コード発生装置1でコード認識装置3をタッチすることにより、コード認識装置3に情報を入力することができる。コード認識装置3は、コード発生装置1の 回転角を認識できることから、 コード発生装置1を回転させ、コード認識装置3に表示されたゲーム画面の所定方向のスクロールや360度パノラマを閲覧することができる。また、ボタン操作で、ミサイル発射やコード認識装置3に表示されたアイコンを選択できる。さらに、コード認識装置3にドットコードを表示して、コード発生装置1で読み取ることにより、新たなスタンプコードを出力して、さらに高度なゲームを楽しめる。コード認識装置3に表示された文字やアイコン、グラフィックを、コード発生装置1で選択したり、回転させたり、移動したりしてゲームを進行する。ボードに形成されたXY座標値や、所定領域のコードをコード発生装置1で読取り、コード認識装置3にタッチして、ゲームを進行する。
図28(B)において、コード認識装置3−1で、所定のアプリケーションの情報転送モードを選択すると、表示の一部または全領域に、表示されたコンテンツを特定するドットコードが表示される。同時にドットコードに対応するスタンプコードと、紐付されたコンテンツがクラウドまたはサーバ4にアップされる。事前にアップされていてもよい。クラウドにスタンプコードに対応するコンテンツをアップする。
図28(C)において、情報を受け取るコード認識装置3―2で、所定のアプリケーションを起動して、情報受信モードを選択すると、コード認識装置3−2の押印マークが表示される。コード発生装置1内で、コード認識装置3−1で表示されたドットコードを読取り、対応するスタンプコードに変換される。次に、コード認識装置3−2に表示された押印マーク領域(どのようなグラフィックでもよい)にコード発生装置1でタッチして、スタンプコードを出力して、コード認識装置3−2がスタンプコードを読み取る。
図28(D)において、コード認識装置3−2が読み取ったスタンプコードをクラウドまたはサーバ4に送信し、既に登録されているスタンプコードに対応するコンテンツをダウンロードまたはストリーミングして、コード認識装置3−2に記録・閲覧できる。この大きな利点は、相手にアドレスを伝えることなく、容易にコンテンツを転送できることである。転送されたコンテンツは、再転送不可とする設定もできる。クラウドからスタンプコードに対応するコンテンツをダウンロードするか、またはストリーミングを行う。
図29(B)において、所定のアプリケーションの情報リンクモードを設定し、ドットコードが形成されたシールや様々な媒体に、コード発生装置1をタッチして、ドットコードを読取り、対応するスタンプコードに変換される。次に、コード認識装置3−1に表示された押印マーク領域(どのようなグラフィックでもよい)にコード発生装置1でタッチして、スタンプコードを出力して、コード認識装置3−1がスタンプコードを読み取る。なお、コード発生装置1で、ドットコードを読取り、スタンプコードを出力した後に、情報リンクモードを設定してもよい。情報リンクモードの設定は、コード認識装置3−1側で設定してもよいし、コード発生装置1で専用の情報リンクモードを指示するドットコードを読み取ってもいいし、コード発生装置1本体のボタン操作で行ってもよい。さらに、シールや様々な媒体に形成されたドットコードには、情報リンクモードの設定指示も含まれており、コード発生装置1で、当該ドットコードを読取り、コード認識装置3−1にタッチしてスタンプコードを読み取るだけで、情報リンクモードになり、当該スタンプコードとコンテンツが紐付される。ドットコードに対応するスタンプコードと、図29(A)で表示されたコンテンツを紐付し、当該コンテンツがクラウドまたはサーバ4にアップされる。コンテンツは、事前にアップされていてもよい。クラウドにスタンプコードに対応するコンテンツをアップする。スタンプコード−コンテンツ名テーブルも登録してよい。
図29(C)において、その後、図29(B)のコンテンツが紐付されたドットコードが形成されたシールや様々な媒体にコード発生装置1でタッチし、ドットコードを読取り、対応するスタンプコードに変換し、コード認識装置3−1にタッチすると、当該コンテンツを閲覧・実行できる。その後、再度、所定のアプリケーションを起動しても、同様に閲覧・実行できる。更に、コード認識装置3−2でも閲覧・実行できる。コンテンツが紐付されたドットコードが形成された媒体をタッチして、コード認識装置3−2にタッチしてスタンプコードを出力してもよい。
図29(D)において、他の方法として、所定のアプリケーションを起動させて、表示されたコンテンツに紐付されたスタンプコードに対応する第1のドットコードを表示し、 コード発生装置1で読取り、第2のドットコードが形成された媒体をタッチして、第2のドットコードとスタンプコードを紐付し、その後、当該媒体をタッチしてコード認識装置3−2にタッチし、スタンプコードを出力することにより、コンテンツを閲覧・実行できる。クラウドからスタンプコードに対応するコンテンツをダウンロードするか、またはストリーミングする。
つぎに、上記で言及したドットパターンの一例について、図30〜35を用いて以下に説明する。
情報ドットのとらえ方は、図30(A)〜(E)に示す通りである。
情報ドットのコードの割り当ては、図31(A)〜(C)に示す通りである。
ドットパターンの第1の例は、本出願人は「GRID0」との仮称で呼んでいる。
情報ドットは、情報を記憶するためのものである。
基準ドットは、予め設定された複数の位置に配置されたものである。
キードットは、基準ドットをずらして配置されるか、基準ドットの配置位置からずれた位置に加えて配置されるものである。つまり、基準ドットをずらして配置される場合は、基準ドットがずれるため元の基準ドットの配置位置には基準ドットがなくなる。そこで、キードットは元の基準ドットの役割も担うことになり、元の基準ドットの位置を他の基準ドットの配置から推定できるようにすることが望ましい。基準ドットの配置位置からずれた位置に加えて配置された場合は、基準ドットとキードットの2つが近傍に配置されることになる。
仮想点あるいは仮想領域は、基準ドットの配置により特定されるものである。図47に仮想点からの距離と方向の少なくともいずれかで情報を定義する場合、方向については、前述したキードットによるドットパターンの方向を基準として情報を定義すればよい。距離については、所定の基準ドット間の距離を基準にすればよい。なお、仮想領域を配置して情報を定義する場合は、情報を1個付与するための複数の仮想領域の中心もしくは代表点を仮想点として、上記と同様に基準ドットの配置で仮想点の位置を特定し、さらに仮想点からの距離と方向で仮想領域を定義してもよい。また、基準ドットの配置から、全ての仮想領域の配置位置を直接特定してもよい。なお、隣り合う仮想領域は連結してもよいが、その場合境界付近に情報ドットを配置すると誤認識が送る可能性があるので、一定の間隔を置いて仮想領域を配置した方が望ましい。
また、図45(A)〜(F)のドットパターンにおいて、基準ドットの配置位置からずれたキードットに加えて、さらに、その配置位置に基準ドットを配置してもよい。
ドットパターンの第2の例は、本出願人は「GRID5」との仮称で呼んでいる。
なお、「GRID5」では、パターン認識を用いてドットパターンの方向を認識している。すなわち、基準ドットにより形成されたドットパターンの形状を記憶手段に記憶しておく。そして、読み取ったドットパターンの画像と記憶手段に記憶された形状とを照合することにより、ドットパターンの方向が分かる。
図33(A)では、基準ドットのパターンは非軸対称のユニークな配置であり、仮想点の配置パターンを認識できる。但し、仮想点の配置パターンから基準ドットの配置パターンが、パターン認識(仮想点の配置パターンと照合)により認識される場合は、基準ドットの配置パターンは非軸対称のユニークな配置パターンでなくてもよい。
図33(B)では、仮想点のパターンは非軸対称のユニークな配置であり、基準ドットの配置パターンを認識できる。但し、基準ドットの配置パターンから仮想点の配置パターンが、パターン認識(基準ドットの配置パターンと照合)により認識される場合は、仮想点の配置パターンは非軸対称のユニークな配置パターンでなくてもよい。
図33(C)では、基準ドットのパターンと仮想点のパターンが関連付けられて配置されている。
図33(D)では、仮想点を始点として情報ドットを配置している。仮想点の配置パターンから基準ドットの配置パターンが、パターン認識により認識される場合は、仮想点の配置パターンは、情報ドットの配置パターンを認識することにより、近傍領域に仮想点が存在することで認識でき、仮想点のパターンと照合(パターン認識)することにより、仮想点の配置パターンを認識できる。
以上の「GRID0」、「GRID5」のドットパターンが所定の領域内で同じコード値が定義され、上下左右に繰り返し並べて配置される場合、図34のように、当該ドットパターンの範囲と同じ大きさの範囲で任意の領域を読み取れば、本来のドットパターンを構成する情報ドットが、(1)〜(16)(図中は「丸1〜丸16」と記載している。)あるいは(1)〜(9)(図中は「丸1〜丸9」と記載している。)まで全て充足され、定義されたコード値全てが読み取ることができる。このように、情報ドットの配置はドットパターンの向きと範囲によって確定できるため、コード値として構成される情報ドットの配置法則も特定できる。さらに、図35のように、任意の領域で読み取るドットパターンの範囲において、当該範囲を超えて左右どちらかの情報ドットを読み取った場合、当該情報ドットと反対側端部に位置する情報ドットとは、定義される数値が同一であり、仮想点に対して同一の方向に同一距離だけずれた位置に配置される。この2つの情報ドットを繋ぐ線分は水平線となり、この水平線を平行移動することにより、仮想点を通る水平線を正確に認識できる。平行移動量は、対応する基準ドットが存在すれば、基準ドットが水平線上に位置するまでの距離となる。さらに、上下方向に対しても同様な手順で垂直線を認識すれば、水平線と垂直線の交点の位置を求めることにより、正確に仮想点を求めることができる。この方法によれば、光学読み取り装置を傾けてドットパターンを撮像し、ドットの配置が大きく変形しても仮想点を正確に求めることができ、情報ドットが示す数値を正確に認識できる。
以下、実施形態1に係るカード型装置110を説明する。本カード型装置は、上記実施形態0のコード発生装置の構成をカード型にしたものである。ただし、本発明の実施がカード型の装置に限定される訳ではない。図36は、カード型装置110の使用例を示す。カード型装置110は、プラスティック製の板状部材に、電子回路その他の素子が埋め込まれた構成を有する。
図37、図38、図40は、実施形態1における装置の構成例を示す。また、図39および図41は、装置の上地に透明導電性フィルムを有する装置の構成例を示す。本実施形態における装置構成は一例であり、以下に限られず、実施の形態に応じて適宜構成要素の省略や置換、追加が可能である。また、各構成要素の配置は、実施の形態に応じて適宜変更が可能である。
図42は、装置110の情報機器200のタッチパネルとの接触面の構成の一例を示す模式図である。装置110は、光電変換素子配列112および5つの素子111(パターンコード出力装置ともいう)を備える。
図45は、装置110が情報機器200に対して情報を出力する処理例のフローチャートである。図45に示される処理は、例えば、装置110が情報機器200のタッチパネルに載置または近接されることにより開始される。ここで、近接とは、タッチパネルが装置110のそれぞれの素子111から静電容量等の物理量の変化を検知可能な距離の範囲に近づくことをいう。また、図45に示される処理は、情報機器200のタッチパネルに載置した装置110の指紋センサ113が、指紋またはドットコード等を検知することにより開始されてもよい。さらに、図45に示される処理は、装置111が光電変換素子配列112を介して、情報機器200からの入力情報を受信することにより開始されてもよい。
実施形態1の装置110および装置110Aは、情報機器200からの受光する光の光量の変化を基に、所定形式の入力情報を取得することができる。また、装置110および装置110Aは、導体パッド114または透明導電性フィルム114Aに指が接触した状態で、各SW115がON/OFFの間で切り替えることによる物理量変化を発生させる。装置110および装置110Aは、この物理量変化を情報機器200に検知させることで、所定形式の出力情報を情報機器200に出力することができる。なお、実施形態1では、物理量変化は、情報機器200のタッチパネルが検知する装置110と各素子111との間の静電容量の変化である。静電容量の変化は、情報機器200のタッチパネルの座標とともに検知される。また、図40に示される装置110は、電池122を備えることにより、安定した電源供給を行うことができる。
実施形態1では、装置110、110Aが有する各ハードウェア回路等は、電池122から電気エネルギーの供給を受けて駆動される。ただし、装置110、110Aの電源が電池122に限定される訳ではない。すなわち、実施形態1の変形例では、各ハードウェア回路等は、外部エネルギーを基に発生する電気エネルギーの供給を受けて駆動される。外部エネルギーを電気エネルギーに変換する方法は、例えば、光電変換、電磁波、圧電変換、熱電変換が挙げられる。上記の内、情報機器200から発生される外部エネルギーについては、情報機器200で稼働するコンピュータプログラムによって、情報機器200に搭載されたWIFIやブルーツース等の各種無線装置の起動および出力される電磁波エネルギーを制御して、装置110に供給することができる。
図47は、光電変換により電力供給を受ける装置110Bの内部の構成の一例を示す模式図である。図40と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明は省略される。
図48は、電磁波により電力供給を受ける装置110Cの内部の構成の一例を示す模式図である。図40、図41、図47と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明は省略される。
図49は、圧電変換により電力供給を受ける装置110Dの内部の構成の一例を示す模式図である。図40と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明は省略される。
図50は、熱電変換により電力供給を受ける装置110Eの内部の構成の一例を示す模式図である。図40と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明は省略される。
図47から図50に示される装置110Bから装置110Eは、外部エネルギーを電気エネルギーに変換することで、電気を発生させながら稼働されるため、電池または充電池を備えなくてもよい。
実施形態2において、装置110の構成および作用は、図38から図50で説明した装置110から装置11Eと同様である。実施形態2における装置構成は、実施形態1と同じであるため、その説明は省略される。ただし、実施形態においては、装置110は、他の装置と識別する識別情報を保持する。他の装置と識別する識別情報は、メモリ117(書き換え可能な不揮発性のメモリ、ROM等)に記憶されてもよい。装置110は、情報機器200に識別情報をパターンコードの形式で送信する(図43、図44参照)。情報機器200は、装置110から、パターンコードの形式で受信した識別情報により、装置110を認証する認証処理を実行することができる。メモリ117(書き換え可能な不揮発性のメモリ、ROM等)は装置を他の装置と識別する識別情報を記憶する識別情報記憶部の一例である。
したがって、装置110は、クレジットカード、キャッシュカード、ポイントカード等の代わりに用いることが可能となる。装置110をクレジットカード、キャッシュカード、ポイントカード等として用いる場合には、装置110は、素子111と情報機器200の有するタッチパネルとの間の物理量変化、例えば、静電容量変化により、パターンコードの形式で情報を情報機器200に伝達できる。したがって、情報機器200は、従来のクレジットカード、キャッシュカード、ポイントカード等に設けられた接触型の電気インターフェース、磁気読み取りインターフェースを介しないで、情報機器200の有するタッチパネルから装置110の有するカード番号を読み取ることが可能となる。
例えば、情報機器200は、タッチパネルの光量変化により、入力情報を装置110に伝達することで、装置110にトリガを送信し、装置110に情報機器200との通信を開始させるようにしてもよい。また、情報機器200は、タッチパネルの光を装置110の光電変換素子配列112に受光させ、電力供給を開始させることで、装置110にトリガを伝達し、装置110に情報機器200との通信を開始させるようにしてもよい。また、指紋センサ113、113A等が指紋認証に成功した場合に、装置110がパターンコードによって、トリガを情報機器200に送信し、装置110と情報機器200との通信を開始してもよい。
実施形態2の変形例1では、装置110は、情報機器200との共通の時刻と識別情報とに基づく符号化情報を生成し、情報機器200に出力する。装置110は、実施形態1の装置構成の他、クロック信号発生部、計数回路を備える。また、装置110は、クロック信号発生部、計数回路を動作させるための電池を備える。
図51は、時刻により暗号化された識別情報を送信する処理例のフローチャートである。図51の処理は、例えば、情報機器200から識別情報の送信要求を受信することにより開始される。
実施形態2の変形例2では、情報機器200は、一時的な暗号鍵、例えば乱数をタッチパネルの光量の変化、色相の変化、あるいは色相別の光量の変化に変換し、装置110に入力情報として伝達する。装置110のCPU116は、情報機器200からの光等の外部エネルギーの到来量の変化を基に得られた入力情報と、識別情報とに基づく符号化情報を生成し、情報機器200に出力する。情報機器200は、装置110に送信済みの一時的な暗号鍵により、符号化情報を復号する。このような手順により、共通鍵方式の暗号化通信の安全生を高めて、装置110から情報機器200に、装置110の識別情報を伝達できる。CPU116は入力情報とに基づく符号化情報を発生する符号化情報発生回路の一例である。なお、情報機器200と装置110との間の暗号化方式は、共有鍵方式に限定される訳ではない。
図52は、情報機器200からの入力情報により暗号化された識別情報を送信する処理例のフローチャートである。図52の処理は、例えば、情報機器200から、入力情報を受信することにより開始される。
実施形態2の変形例1では、装置110は、情報機器200との共通の時刻と識別情報とに基づく符号化情報を情報機器200に送信する。これにより、情報機器200における認証処理の安全性は向上する。
実施形態3では、装置110は、複数色の光の到来量(光量)の変化を基に所定形式の入力情報を取得する。図53は、複数色の光の到来量の変化を基に入力情報を取得する装置110Fの内部の構成の一例を示す模式図である。図40、図41、図47から図50と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明は省略される。
装置110Fは、情報機器200から受光する複数色の光に対し、光の色ごとの光量の変化を基に所定形式の入力情報を取得する。光の色ごとの光量の変化を検出することで、装置110Fは、単独の光量測定素子を用いる場合より、一度に多くの情報を受信できる。一方、装置110Fは、単独の光量測定素子を用いる場合には、簡素な構造で、情報機器200からの入力情報を取得できる。
実施形態4では、装置110は、図41で例示した指紋検出用画像センサ113Aにより、情報機器200の表示装置から読み取った画像を基に所定形式の入力情報を取得する。実施形態4における装置110の構成は、実施形態1における装置構成と同一であるため、その説明は省略される。装置110が情報機器の表示装置から読み取る画像は、例えば、表示面に形成された直径0.5mm未満のドットを複数含むドットパターン、バーコード、2次元バーコード等であってもよい。なお、指紋センサ113が十分な精度があれば、直径0.05〜0.2mm程度のドットを認識することもできる。
装置110は、情報機器200から読み取った画像またはドットパターンを基に所定形式の入力情報を取得するため、より安全性の高い情報の送受信を実現することができる。
実施形態5では、装置110は、指紋センサ113から、人体の少なくとも一部表面の凹凸部による模様、例えば指紋を検知する。指紋センサ113は、検出面とも呼ばれる当該凹凸部を検出する面と、検出対象の間の静電容量に基づき、人体の少なくとも一部の凹凸を検知する。実施形態5における装置110の構成は、実施形態1における装置構成と同一であるため、その説明は省略される。装置110は、検出された指紋等の模様が装置110により認証された場合に、情報機器200との情報の送受信を開始する。
指紋センサ113は、人体の少なくとも一部表面の他、読み取り対象の媒体面に形成された直径0.5mm未満のドットを複数含むドットパターンを検出し、検出されたドットパターンが装置110により認証された場合に、情報機器200との情報の送受信を開始してもよい。なお、指紋センサ113が十分な精度があれば、直径0.05〜0.2mm程度のドットを認識することもできる。
指紋センサ113は、例えばCCD、CMOS等のイメージセンサであってもよい。指紋センサ113は、人体の少なくとも一部表面が検出面に近接した場合、人体の少なくとも一部表面の凹凸部の画像を取得すればよい。また、指紋センサ113は、光の反射により媒体と識別可能な材料によるドットを複数含むドットパターンが形成された媒体が検出面に近接した場合、当該ドットパターンの形状を検出すればよい。
指紋センサ113は、静電容量センサであってもよい。指紋センサ113は、人体の少なくとも一部表面が検出面に近接した場合、検出面と人体の一部表面の凹凸部との間の静電容量を計測することで凹凸を検出することができる。また、指紋センサ113は、導電性材料によるドットを複数含むドットパターンが形成された非導電性の媒体が近接した場合、当該ドットとの間の静電容量を計測することでドットパターンの形状を検出することができる。
図54は、検出情報に基づき情報機器200との通信を開始する処理例のフローチャートである。検出情報は、指紋センサ113により検出された検出対象の画像等の情報である。図54の処理は、例えば、検出対象の指紋またはドットパターン等が検出面に近接することにより開始される。
装置110は、指紋センサ113により検出された指紋等またはドットパターンを認証することにより、情報機器200との情報の送受信を開始する。これにより、より安全性の高い装置110の認証が可能となる。
実施形態6では、装置110は、情報機器200から取得した入力情報に基づく情報処理を実行する処理部を備える。実施形態6における装置110の構成は、実施形態1から5における装置構成と同一であるため、その説明は省略される。CPU116は、コンピュータプログラムにより、処理部の処理を実行する。処理部の処理、またはその一部がハードウェア回路により実行されてもよい。
図55は、情報機器200からの入力情報に応じて処理を実行する例のフローチャートである。図55の処理は、例えば、情報機器200から、入力情報を受信することにより開始される。
例えば、情報機器200がタッチパネルを有する端末、携帯電話等であって、インターネットショッピングを行う場合に、ウェブサイトでクレジットカード番号を入力する際に、情報機器200が装置110からクレジットカード番号を取得してもよい。この場合に、情報機器200によるパスワード入力による認証成功を前提とした処理でもよいし、指紋センサ113等による認証成功を前提として処理により、情報機器200が装置110からクレジットカード番号を取得してもよい。
同様にインターネットバンキングを行う場合に、情報機器200がタッチパネルを有する端末、携帯電話等であって、インターネットショッピングを行う場合に、ウェブサイトで口座番号を入力する際に、情報機器200が装置110から口座番号を取得してもよい。この場合に、情報機器200によるパスワード入力による認証成功を前提とした処理でもよいし、指紋センサ113による認証成功を前提として処理により、情報機器200が装置110からクレジットカード番号を取得してもよい。
装置110は、情報機器200から取得した入力情報に基づく処理を実行する。また、装置110は、実行結果に応じた出力情報を情報機器200に出力する。これにより、装置110は、情報機器200との間で、様々な情報の送受信を実現することができる。CPU116は、入力情報に基づく情報処理を実行する処理部の一例である。
実施形態7では、実施形態1から6における装置110および装置110Aから装置110Fは、カード型装置として実現される。実施形態7におけるカード型装置の構成は、カード型装置のサイズを除いて、各実施形態1から6における構成と同一であるため、その説明は省略される。カード型装置の裏面のサイズを、例えば、ISO/JIS規格で定められた85.60×53.98mmとした場合であっても、図42のようなパターンコード出力装置の配置が可能である。
カード型とすることで、携帯に便利であり、他の情報機器200との間で安全な情報の送受信が求められる種々のカードに適用することができる。
実施形態8では、実施形態7のカード型装置のより具体的な構成を例示する。ただし、実施形態8のカード型装置に、実施形態1から実施形態6で述べた装置110等の構成を組み合わせてもよい。また、実施形態8のカード型装置に、実施形態0で説明したスタンプ型のコード発生装置1の構成の一部、あるいは、制御手順を採用してもよい。図56(A)は、カード型の装置110Gの裏面の構成の一例を示す模式図である。図56(A)の上側の図において、カード型装置110Gは、8個の素子111および光センサ130を備える。各素子111は、1つの素子111の周囲に円形に配置されている。現行のスマートフォンの素子111の認識数は同時に5か所が一般的であるが、増加する可能性もある。タブレットPCでは、既に10か所を認識できる機器が多い。また、6か所以上に素子111を配置しても、同時に出力できる個数を5個以内とすれば、現行のスマートフォンでも使用できる。
タッチパネルが同時に認識可能なタッチ位置の数に制限がある場合がある。しかし、装置110において、素子111の配置の仕方、あるいは配置の数に限定がある訳ではない。図57は、タッチ入力パネル135を備えるカード型装置110Hの裏面の構成の一例を示す模式図である。図57の上側の図において、カード型装置110Hは、8個の素子111および光センサ130を備える。各素子111(以下、パターンコード出力装置とも呼ばれる)は、1つの素子111の周囲に矩形枠状に配置されている。
図60(A)は、省電力表示装置を備えるカード型装置画像読み取り装置110I(単に装置110Iとも呼ばれる。)の裏面の構成の一例を示す模式図である。カード型装置110Iは、5個の素子111、光センサ130および光電変換素子配列(ソーラーパネル)112を備える。横一列に3個の素子111が配置され、それぞれの下側に、素子111、光センサ130、素子111が配置されている。ただし、カード型装置110Iにおいて、パターンコードを電子決済などに用いるためには、所定時間内に授受される情報量が128bit以上であることが望ましい。したがって、そのようなアプリケーションの場合には、図70Bに例示したように、シンボル1から10に対応する10個程度、あるいはそれ以上の数の素子111を設け、パターンコードによる伝送レートを高くしてもよい。
本実施形態1から実施形態8では、タッチパネルの光量の変化によって、装置110等に情報を入力した。ここでは、装置110等に入力される情報の規約を情報コードとして定義する。情報コードは、装置110等に到来するエネルギーの時間変化のパターンが定義する情報フォーマットということができる。なお、以下の説明において、実施形態1から実施形態8で説明した装置110、カード型装置110Aから110H等を単に装置110等という。また、以下の情報コードは、光センサ130を含む情報入力装置132に入力される。したがって、この情報コードは光コードとも呼ばれる。
また、以下では、素子111を含むパターンコード出力装置131から出力されるパターンコードについても規定する。以下のパターンコードのフォーマットは実施形態0のスタンプ型のコード発生装置1にも適用可能である。さらに、実施形態0のコード発生装置1が、以下に述べる光センサ130(情報入力装置132)を備える場合には実施形態0のコード発生装置1は、以下の光コードを認識し、入力可能である。
RGB光電変換素子配列として、丸印に数字1から3を付したものとしては、R、G、B3色に対応するカラーフィルタを付与したフォトダイオード(またはフォトトランジスタ)が例示される。図では、1から3の丸印は、それぞれR、G、Bに対応する情報入力センサ(以下、それぞれ、情報入力センサPD1、PD2、PD3と呼ぶ)を例示する。このような情報入力センサの列をタッチパネルに接触または近接する面(裏面)に設けることにより、装置110等は、タッチパネルを有する情報機器200等から、3チャンネルの入力情報を受信できる。ただし、本実施形態1から8において、光の波長ごとの情報入力センサの数、すなわち、チャンネル数は3に限定される訳ではない。装置110等は、2チャンネル以下、または4チャンネル以上の波長に対応するカラーフィルタ(波長選別フィルタ)を用いて情報入力をすればよい。また、装置110は、波長を分離しないで、情報入力センサPD1、PD2、PD3にそれぞれ対応するタッチパネルのディスプレイの領域からそれぞれ異なる光量の光を受光することで、3チャンネルの情報入力が可能である。
装置110等は受光した明るさの段階を認識する。明るさの段階は、1個の閾値を設けON/OFFの2段階(1bit)でもよい。閾値を複数段階にすることで、フォトダイオード1個当たり得られる情報量を2bit以上に増大させてもよい。この図では、段階数は、ON/OFFの2段階とする。図で黒色はOFFであり、光を受光していないか、または受光した光が所定の閾値以下の明るさである場合とする。また、白色はONであり、光を受光したか、または受光した光が所定の閾値以上の明るさである場合とする。
図61でパターンAは、3チャンネルで入力される入力情報の情報コードを例示する。図61でパターンAでは、情報入力センサPD1〜PD3の組を示す3つの丸印の下に通し番号0から14が付与されている。また、通し番号の下にそのときのタッチパネルのディスプレイの発行色が黒(BK)、白(W)、赤(R)、緑(G)、青(B)、シアン(C)、マゼンタ(M)、黄(Y)で例示されている。また、図で、情報入力センサD1〜D3が白丸の場合に、当該情報入力センサがオン、すなわち、光の入射による電流が基準値を超えたこと、あるいは、光の入射による端子電圧が基準値を超えたことを例示する。一方、情報入力センサD1〜D3が黒丸の場合に、当該情報入力センサがオフ、すなわち、光の入射による電流が基準値未満であること、あるいは、光の入射による端子電圧が基準値未満であることを例示する。
図62でパターンBは、3チャンネルで入力される他の入力情報の情報コードを例示する。情報入力状態で情報機器200のディスプレイ(パネル)は、通し番号0で情報入力センサPD1〜PD3をOFFにして黒色(BK)となっている。ディスプレイに装置110を接面または近接し、装置110から所定のパターンコードを出力すると、ディスプレイは通し番号1で情報入力センサPD1〜PD3をONにして白色(W)となり、次に、情報コードの出力を開始する。上記の通し番号0、1時点での発光が情報コードの出力開始および区切りを示す。その後、通し番号2、4、6、8、10、12、14の時点において、ディスプレイは情報入力センサPD1(R)、PD2(G)、PD3(B)、PD1+PD2(Y)、PD2+PD3(C)、PD3+PD1(M)の6色で情報コードを7回出力する。一方、通し番号1、3、5、7、9、11、13の時点で情報入力センサPD1〜PD3をONにして白色(W)とすることにより、タイムスタンプの役割を果たす。また、ディスプレイは、通し番号0の黒色(BK)よって、装置110が情報コードの開始や区切りを認識できるようにする。装置110において、読取のエラーが発生した場合でも、ディスプレイが情報コードを必要数繰り返すことによって、装置110は確実に正しい情報コードを認識できる。装置110が情報コード読取の完了を確認したら、素子111から読取完了のパターンコードを出力する。情報機器200は、読取完了のパターンコードをタッチパネルで検出することで、読取の可否を認識できる。なお、タイムスタンプとして、情報入力センサPD1〜PD3をOFFにして黒色(BK)としてもよい。この場合、情報入力状態でディスプレイは0で情報入力センサPD1〜PD3をONにして白色(W)とすればよい。
図63は、光コードの発光領域を例示する図である。光コードのコード量を増加させるには、情報機器200のディスプレイと装置110との間で、対面する複数の位置にそれぞれ発光領域(ディスプレイ側)と、光センサ(装置110側のフォトダイオード)を設ければよい。すなわち、情報機器200のディスプレイ上で光コード発光領域の数を増やし、各発光領域に対面する装置110の位置にRGBフォトダイオード144を配置すればよい。情報機器200のタッチパネルは、各素子111の位置情報を認識できるため、カードに設けられた複数のフォトダイオード144の位置も認識できる。したがって、情報機器200のタッチパネルは、カードがかざされた都度ディスプレイ上のRGBフォトダイオード144の位置に対応するディスプレイ上の位置に発光領域を設定し、光コードを発光すればよい。各発光領域内からの発光は、例えば、1色の光を発光するものとする。なお、光コードの発光と導体111のパターン出力は並行して実施してもよい。つまり、情報機器200と装置110とは、ディスプレイからの発光とRGBフォトダイオード144による受光、素子111からの物理量変化とタッチパネルによる検知とにより、同時に双方向通信(いわゆる全二重通信)を実行してもよい。また、認証等の時間を短縮するために、所定の時間内に取得した光コードを記憶して使用してもよい。RGBフォトダイオード144は、光センサ130に相当する。
図67は、情報機器200が装置110のRGBフォトダイオード144の位置を特定して光コードを発光する処理例のフローチャートである。この処理例では、情報機器200は、装置110に対して通信開始要求を送信する(OP70)。通信開始要求は、例えば、図70のパターンBで示した、通し番号0の黒(BK、未発光)と、通し番号1の白(W)の組み合わせである。黒(BK)と白(W)の組合わせでは、すべてのRGBフォトダイオード144が同一色で受光するため、情報機器200は、ダイオードの領域を特定する必要がない。すると、装置110は、例えば、実施形態1のSW115のON/OFF状態を変更することにより、素子111における物理量変化を情報機器200のタッチパネルに検出させる。すると、情報機器200のタッチパネルは、物理量変化を検出した位置から、素子111の配置位置を特定する(OP71)。次に、情報機器200は、各素子111の配置位置から特定されるRGBフォトダイオード144の位置にRGBのパターンを出力する(OP72)。なお、図では省略されているが、OP72において、データ送信に必要な複数のデータブロックが出力されるようにしてもよい。
なお、図67では、情報機器200から装置110に対して、RGBのパターンによる出力(通信)を開始した。しかし、本発明の実施はこのような手順に限定される訳ではない。例えば、情報機器200のタッチパネルが装置110からの素子111を通じた物理量変化を検知することで、出力(通信)を開始してもよい。情報機器200が先に素子111を通じたパターンコードを検知する場合には、情報機器200は、素子111の配置およびRGBフォトダイオード144を認識できる。したがって、図68のように、黒(BK)と白(W)の組み合わせのように、すべてのRGBフォトダイオード144に同一色で発光しなくもよい。したがって、情報機器200は、例えば、図69のように、通し番号0〜2で検知されたRGBの組の系列(通し番号0で黒色(BK)、通し番号1で白色(W)、通し番号2で赤色(R))等によって、装置110に対する情報コードの出力開始を要求できる。
なお、図68では、情報機器200から装置110に対して、RGBのパターンによる通信を開始した。しかし、本発明の実施はこのような手順に限定される訳ではない。例えば、装置110が情報機器200のタッチパネルに対して素子111を通じた物理量変化を検知させることで、出力通信を開始してもよい。
図69から図73は、パターンコードを出力し、光コードを受信するカード型装置の他の仕様を説明する。
フォトダイオードWPD1からWPD6は、それぞれ、情報機器200のディスプレイの光コード発光領域LE1からLE6に対応する破線で囲まれた位置に配置される。この例では、フォトダイオードWPD1からWPD6は、フィルターを設けずに、情報機器200のディスプレイからの光をそのまま受光する。このような構成によって、フォトダイオードWPD1からWPD6は、ディスプレイから受光する光に対して光電変換により十分な感度で電流(または所定の抵抗に対する端子電圧)を発生し、光信号から情報(光コード)を入力できる。したがって、フォトダイオードWPD1からWPD6については、特に波長の制限を設けない。フォトダイオードWPD1からWPD6は、例えば、白色光を受光可能である。なお、装置110は、厚さが1mm未満の薄型のカード形状である。一方、ディスプレイは、発光領域LE1からLE6がそれぞれ独立した光量で発光し、対応するフォトダイオードWPD1からWPD6に受光させる。このような構成によって、波長を制限しないで、ディスプレイの発光領域を区切ることで、ディスプレイから装置110に複数チャンネルの情報入力が可能となる。
<<特殊パターンコード仕様>>
また、例えば、コード発生装置1、あるいは、装置110は、ドットコード読取装置でドットコードを読み取ることで、特殊パターンを記憶する。そして、コード発生装置1、あるいは、装置110は、前方ボタン、あるいは、後方ボタンがごとに、対応するパターンコードを出力する。コード発生装置1、あるいは、装置110は、新たに、ドットコード読取装置で特殊パターンを読み取った際に、以前に記憶した特殊パターンをクリアする。
特殊パターンは底面の前方スイッチまたは後方スイッチがONになった際に出力される。図76に、特殊パターンを例示する。特殊パターンは、図のように、前方ボタン短押し(例えば、1秒未満の押下)、後方ボタン短押し、前方ボタン長押し(例えば、1秒未以上の押下)、後方ボタン長押し等のボタン操作にしたがって、パターンコード出力装置131から出力される。以下に、コード発生装置1、あるいは、装置110における前方ボタンと、後方ボタンによる操作仕様を例示する。
前方ボタンが1秒未満ONになり、その後OFFになったら、パターンコード出力装置131は、シンボル1、2を2秒ONで出力する(パターンSPEC1)。このとき、パターンコード出力装置131は、以前の操作によるすでに実行中のシンボル出力を中止する。情報機器200のアプリケーションプログラムは、パターンSPEC1を検出すると、画面上のアイコン選択を受け付ける。但し、情報機器200のアプリケーションプログラムは、誤認回避のため、例えば、同一の特殊パターンを連続して2回認識した場合に処理を行うようにすればよい。
後方ボタンが1秒未満ONになり、その後OFFになったら、パターンコード出力装置131は、シンボル1、2、4を2秒出力する(SPEC2)。このとき、パターンコード出力装置131は、以前の操作によるすでに実行中のシンボル出力を中止する。情報機器200のアプリケーションプログラムは、パターンSPEC2を検出すると、映像再生等のコンテンツでは一時停止・再生を受けつける。また、情報機器200のアプリケーションプログラムは、ポイントやスタンプの処理では、再発行を実行する。但し、情報機器200のアプリケーションプログラムは、誤認回避のため、例えば、同一の特殊コードを連続して2回認識した場合に処理を行うようにすればよい。
前方ボタンが1秒以上ONになったら、コード発生装置1、あるいは、装置110が離反し、前方ボタンがOFFになるか、他のボタンが押されるまで、パターンコード出力装置131は、シンボル1、2、6を連続出力する(SPEC3)。情報機器200のアプリケーションプログラムは、コード発生装置1、あるいは、装置110の移動・回転の際に使用に、この特殊パターンを認識する。但し、誤認回避のため、同一のパターンコードを連続して2回認識して処理を行う。一方、ユーザは、装置110をタッチパネル上で移動・回転等する場合には、前方ボタン長押し状態に維持する。情報機器200のアプリケーションプログラムは、一旦他の特殊パターンを認識して、その後、SPEC3のパターンを2回認識すれば、そのままSPEC3のパターンを認識する処理を継続する。これによって、情報機器200のアプリケーションプログラムは、コード発生装置1、あるいは、装置110の移動・回転に追従する。
後方ボタンが1秒以上ONになったら、パターンコード出力装置131は、シンボル1、2、4、6を2秒出力する(SPEC4)。他の操作が実施されれば、SPEC4の出力は中止される。情報機器200のアプリケーションプログラムは、コンテンツを終了し、待機画面に戻る。但し、情報機器200のアプリケーションプログラムは、誤認回避のため、同一の特殊コードを連続して2回認識して処理を行う。
上記実施形態、実施形態1から実施形態8では、SW115を介して、素子111と接触導体との間を接続することで、タッチパネルが検知可能な静電容量を大きくした。しかし、このような構成に代えて、素子111にパルス信号(または交流信号)を付与することにより、タッチパネルが検知する素子111の実効的な静電容量を大きくしてもよい。
検出器には、タッチパネルの交流信号源Aに接続される接触検知部から電気力線が入る。電気力線の方向(正負)および電気力線の密度、すなわち、電界強度は、交流信号源Aからの信号に応じて正負の値で変化する。ところで、検出器は、静電誘導の原理にしたがうものとすると、タッチパネルの交流信号源Aに接続される接触検知部が正の場合に、検出器は負に帯電する。したがって、検出器には、タッチパネルの交流信号源Aに接続される接触検知部に投入される交流信号と逆相の信号が発生する。
図79から図83を参照して、本発明の実施形態14に係る装置110の光センサを説明する。実施形態14に係る光センサは、実施形態8における光センサ130として使用可能である。装置110は、例えば、実施形態1等で説明したカード型装置等と同様である。
なお、上記の光センサ130A又は130Bを備えるコード読取装置は、スタンプのコード読取装置としても使用できる。また、装置110は、光センサとして、異なる波長の光を受光する受光素子に代えて,同色または一部重複する波長領域の光を受光する受光素子を用いてもよい。そのような同色または一部重複する波長領域の光を受光する受光素子を複数用いる場合には、それぞれの受光素子が受光する媒体面の光反射領域が分離され、それぞれの受光素子に入射する媒体面の反射領域からの反射光が混じらないように、受光素子の受光面を隔壁等で分離すればよい。
図84から図86を参照して、本発明の実施形態15に係るデジタルスタンプが出力するパターンコードを説明する。実施形態15に係るデジタルスタンプは、実施形態0に示すコード発生装置1と同様の構成とすることができる。
図84は、デジタルスタンプと情報機器200との接触面の構成の一例を示す模式図である。デジタルスタンプは、情報読取装置データ入力部(光電変換素子配列)112および5つの素子111(パターンコード出力装置とも呼ばれる)を備え、外周上に情報読取指示切欠き部26を有する。情報読取指示切欠き部26は、実施形態0におけるコード発生装置1に設けられる情報読取指示切欠き部26と同様である。
なお、シンボル1から5の配置が軸回転対称の場合、素子111の配置方向が定まらないため、シンボル2から5の配置順番は、認識されない場合がある。この場合、パターン2においてシンボル2から5のうち少なくとも1個とシンボル1をONで出力すれば、情報機器200のアプリケーションはシンボルの配置方向を認識可能である。パターンコードを認識するアプリケーションは、シンボル1とシンボル2から5の出力を検知して比較評価を実施し、連続する2以上のパターンでいずれもシンボル1がONであることを認識し、且つ、シンボル2から5のON/OFFの組み合わせが異なっていれば、データブロックの区切りであることを認識できる。なお、連続してONの状態とされるシンボルは、シンボル1に限定される訳ではなく、どのシンボルでもよく、3個以上のシンボルの組み合わせが連続してONとなるパターンの組であってもよい。但し、連続してONの状態とされるシンボルは、区切りとされるパターンの組以外の情報パターンを出力する際には、交互にON/OFFを繰り返すものとする。
また、区切りとなるパターンの組は、連続してOFFとなるシンボルを含むものであってもよい。つまり、交互にON/OFFを繰り返すシンボルが、当該シンボルを連続してOFFの状態にすることでデータブロックの区切りとすることもできる。この場合、他の素子111は、情報パターン毎に異なる位置のシンボルをONにするものとする。限られたシンボルの数で情報量を最大にするには、1個のシンボルのON/OFFにより時間間隔を検知することが望ましい。デジタルスタンプがデータブロックの区切りでは、パターン1またはパターン2のいずれかにおいて全てのシンボルをONにすれば、情報機器200のタッチパネルは載置されたシンボルの配置状況を認識できる。このため、情報機器200のタッチパネルはデータブロックの区切りを認識後、変化する情報パターンの出力の検知も容易にできる。
1つのデータブロックに含まれる情報パターンの個数は、出力されるパターンコードによって異なり、情報機器200のアプリケーション側で情報パターンの出力個数を認識している場合には、アプリケーションは、データブロックの区切りの前後において、情報パターンの出力数分のパターンを取得することでパターンコードを復号することができる。すなわち、情報機器200は、データブロックの区切りパターンから次の区切りパターンまでの間のすべての情報パターンを取得しなくてもよい。情報機器200は、例えば、開始を示す区切りパターンから次の区切りパターンまでの第1のデータブロック中で一部の情報パターンを取得し、さらにその次の区切りパターンまでの第2のデータブロック中で残りの情報パターンを取得する場合がある。このような場合に、情報機器200は、第2のデータブロック中では、不足している情報パターンが取得できた段階で復号を終了すればよい。このような手順により、情報機器200は復号時間を短縮することができる。
発明者らによる実験では、上記実施形態のスタンプタイプのコード発生装置1、カード型の装置110等において、電源として単三乾電池2個を用いた場合に、コード発生装置1、カード型の装置110等による静電容量の変化が携帯電話等のタッチパネルから十分に認識可能な程度となることが分かっている。すなわち、電源として単三乾電池2個を用いた場合には、図38で例示した接触導体114に人の指が接触しなくても、携帯電話のタッチパネル等は、SW115のONとOFFとによる静電容量の変化を十分に検知できる。したがって、例えば、実施形態0の図1、図14等で例示したコード発生装置1、実施形態1から実施形態9で説明した装置110等、あるいはカード型装置110H等において、装置表面あるいは、プラススティック製の板材内部に収容される金属の面積を単三乾電池2個程度に調整することで、接触導体114を用いなくても、タッチパネルに静電容量、あるいは電界強度等の物理量の変化を与えることができる。
図87から図91を参照して、本発明の実施形態16に係るデジタルカード(実施形態1から実施形態9の装置110、110Aから110J等)をカード型の装置とする場合の用途について説明する。実施形態16に係るカード型の装置は、G−Cardとも呼ばれる。実施形態16に係るデジタルカードは、例えば、個人認証または流通におけるセキュリティ管理等、様々な用途に使用することができる。また、G−Cardに、実施形態0で説明したスタンプ型のコード発生装置に含まれる回路、センサ、導体配置、制御手順を適用することができる。
図87から図91は、G−Cardを個人認証に利用する例を説明する。図87は、現行のクレジットカードを例示する図である。現行のクレジットカード等、様々なカードでの代金の支払いには、ICチップまたは磁気ストライブを読み取るための高価なカードリーダーが用いられる。さらに、非接触で情報の入出力が可能なカードのIDは、送信中にスキミングされる可能性が有り、特に磁気カードなどは、IDを容易にコピーされ偽造されるおそれがある。
発展途上国等で製造された偽造品や横流し品が横行している。特に、ブランド品等の高級品や、食品、薬品等の人の命に関わる侵害品を排除することは、世界的な課題となっている。図92から図95は、G−Cardを製品保証等のセキュリティシステムに利用する例を説明する。
図96から図98は、G−Cardをチケット購入・クーポン獲得およびチケット・クーポンの認証に利用する例を説明する。G−Cardをスマートフォンやタブレット等の情報機器200で利用するためのアプリケーションは、G−Cardアプリケーションとも呼ばれる。G−Cardアプリケーションによりチケットを購入したり、クーポンを獲得したりする場合、ユーザはG−Cardをスマートフォンやタブレット等の情報機器200のタッチパネルにかざす。この操作で、対応するパターンコード(チケット・クーポンコード)は、スマートフォン等のタッチパネルから光コードで出力され、情報入力装置132を介して、G−Cardに入力される。G−Cardは光コードを復号し、メモリ117に記録する。さらに、図96に示すように、クレジット機能を搭載したG−Cardは、決済も実行することができる。具体的には、G−Cardの素子が配置された面をタッチパネルに接触または近接させると、G−Cardは、G−Cardは、決済に使用される情報をスマートフォン等に出力する。なお、G−Cardは、図104と同様の構成とすることができる。
図99から図101は、G−Cardをコンテンツの視聴サービス、クーポン・ポイントの蓄積による集客サービスに利用する例を説明する。ユーザは、サービス提供者から所定の方法で、コンテンツ、クーポン、ポイント提供用のG−Cardを取得する。ユーザがG−Cardを取得した時点では、コンテンツ、クーポンまたはポイントを提供するためのIDは、G−Cardのメモリ117に記録されていない。なお、ユーザは、所定の方法として、G−Cardが同梱されたダイレクトメール(DM)、カタログ、雑誌、新聞、製品を受け取ったり、店舗や施設、街中で配られたりすることでG−Cardを取得することができる。
図102から図105は、G−Cardをスタンプおよびポイントカードとして利用する例である。ここでは、情報機器200のディスプレイのG−Cardへの発光により、スタンプ押印およびポイントの加算・消込みをする例を説明する。
[玩具・ゲーム]
G−Cardの表面に、タッチパネルによる入力装置を用いた電子ノートを設けてもよい。電子ノートは、例えば、図89のサイン入力タッチパネル、図102の電子ノート171等である。ユーザはタッチパネル等の入力装置を用いてカードの表面に設けられた電子ノートにサインできる。例えば、ユーザは情報機器200のタッチパネルにG−Cardを載置して、電子ノートにサインする。電子ノートは、タッチパネルを設けた有機ELEや磁性体など、筆跡を表示してデータを取得できる形態であれば、どのような形態であってもよい。カード上にドットパターンを形成してもよい。ユーザは、専用ドット読み取りペンでサインを入力すればよい。
ゲームカードでは、電気的に導体をON/OFFしないで、ユニークなパターンで素子111(導体)を形成(印刷を含む)し、指で操作する領域を設けてもよい。なお、指で操作する領域は、導体がタッチパネルに対して、タッチパネルで検出出来る程度の静電容量あるいは電界による相互作用を与える構成とする。以下、G−Cardのうち、電気的に導体をON/OFFを有しないゲーム用カードを単にカードという。
例えば、カード表面に「○○対戦ゲーム △△キャラクター」のようなカードのタイトル、およびキャラクター名称とともに、「歩く」「走る」「止まる」「座る」「寝る」「起る」「回る」「飛ぶ」「戦う」等のラベルを付したアイコンのタッチ領域TC1を設ける。
ユーザが指でタッチ領域TC1を指または手に保持した導体でタッチ(押圧)すると、導電板CA2と裏面側の絶縁体CA6とが接面する。なお、絶縁体CA6はなくてもよい。絶縁体CA6がない場合、ユーザが指でタッチ領域TC1を指または手に保持した導体でタッチ(押圧)すると、導電板CA2がタッチパネル表面に接触または近接する。したがって、指のタッチ領域TC1への押下によって、導電板CA2が絶縁体CA6またはタッチパネル表面に接触するので、タッチパネルは物理量(静電容量、静電誘導に伴う電界強度)等の存在、あるいは、変化を認識することができる。
ただし、仮にカードが滑動・回転しても、導電領域(タッチ領域TC2)をタッチすれば、滑り止めの材料を塗布しなくても、問題無く所定のアイコンを選択することができる。
なお、タッチ領域TC2と透明タッチ領域TC4を導電性の透明フィルムで被覆し、図119に例示した導体板CA2と接続しておけば、ユーザが透明タッチ領域TC4にタッチしている間、タッチ領域TC2裏面の素子111(導体)からタッチパネルへの十分な相互作用を与えることができ、情報機器200は、素子111(導体)の配置を認識できる。その場合に、ユーザは、透明タッチ領域TC4を介して、「英語」等のディスプレイ上のアイコン部分のタッチパネルに指による相互作用を与えることができ、ディスプレイ上のアイコンを選択できる。
そして、CPUが指のタッチを検知すると(S4でYES)、タッチされたアイコンがゲームプログラムの終了を指示するものか否かを判定する(S5)。タッチされたアイコンがゲームプログラムの終了を指示するものではない場合、CPUは、タッチ位置に応じた動作をキャラクターに実行させる。そして、CPUは、処理をS4に戻す。一方、S5の判定で、タッチされたアイコンがゲームプログラムの終了を指示するものである場合、CPUはゲームプログラムを終了する。
また、図123の透明タッチ領域TC4を用いることで、ゲーム機、情報機器200等のディスプレイ上のアイコンと、カードとを併用し、ディスプレイ上のアイコン操作で、カードに対応するキャラクター等を動作させることが可能となる。
図126から図128により、実施形態0のコード発生装置1、あるいは、実施形態1から実施形態9の装置110、110Aから110J等、実施形態15のデジタルスタンプ、実施形態16のG−Card等と、情報機器200との情報伝達処理を例示する。本実施形態では、情報機器200が例えば、図70に例示した装置110における素子111の配置を検知し、素子111の配置から特定されるフォトダイオードWPD1からWPD6等に対応する発光領域LE1からLE6に光コードを出力する処理例を説明する。また、本実施形態処理では、例えば、実施形態0のコード発生装置1、あるいは、実施形態1から実施形態8の装置110等、実施形態15のデジタルスタンプにおいて説明した構成を組み合わせて使用する。したがって、実施形態0のコード発生装置1、あるいは、実施形態1から実施形態8の装置110等、実施形態15のデジタルスタンプは、情報機器200からの受光するための複数のフォトダイオードを有することが想定されている。したがって、以下の図126から図128において説明する処理は、実施形態0のコード発生装置1、あるいは、実施形態1から実施形態8の装置110等、実施形態15のデジタルスタンプにそのまま適用することができる。
図126、図127では、情報機器200は、装置110の装置111の配置を基に、発光領域LE1からLE6の配置を決定した。しかし、本発明の実施はこのような処理に限定される訳ではない。例えば情報機器200は、素子111の配置から発光領域LE1からLE6を決定する代わりに、図96に例示したように、ディスプレイにカード等の装置110を載置する枠を表示してもよい。そして、表示された枠にカードが載置されたことを示すトリガ信号を検知した場合に、情報機器200は、表示された枠から装置110のフォトダイオードWPD1からWPD6を特定し、発光領域LE1からLE6の配置を決定してもよい。
図129から図133により、実施形態18の光センサ130F及び130Gを説明する。光センサ130F及び130Gは、実施形態14と同様、発光素子であるLEDと受光素子であるフォトダイオードとの組み合わせを有する。したがって、光センサ130F及び130Gは、印刷物等に光を照射し、その色を検出可能である。したがって、光センサ130F及び130Gは、実施形態8等における光センサ130として使用可能である。また、光センサ130F及び130Gは、実施形態0のスタンプ型のコード発生装置、あるいは、実施形態1から実施形態8等の装置110に組み込んで、使用可能である。
同様に、緑(G)の印刷面に対して、LED−G 242が緑の波長領域で発光したときに、フォトダイオード240は、所定以上の受光量で印刷面から反射光を受光する。一方、緑(G)の印刷面に対して、LED−R 241(赤の波長領域)、LED−B 243(青の波長領域)が、発光しても、フォトダイオード240は、所定未満の受光量でしか印刷面から反射光を受光できない。
同様に、青(B)の印刷面に対して、LED−B 243が発光したときに、フォトダイオード240は、所定以上の受光量で印刷面から反射光を受光する。一方、青(B)の印刷面に対して、LED−R 241、LED−G 242が、発光しても、フォトダイオード240は、所定未満の受光量でしか印刷面から反射光を受光できない。
図133〜148を参照して、実施形態19について説明する。
実施形態19は、電気的に導体の出力を可変にして出力するパターンコードの実施例とは異なり、固定したパターンコードの配置例を示すものである。本実施形態のパターンコードでは、基準導体と情報導体の2種類の導体を設け、基準導体と情報導体の位置関係により、パターンコードの方向とパターンコードを定義することを特徴とする。
導体間の距離は、10mm程度とすることが好ましい。ただし、好ましい距離は、スマートフォンやタブレットの性能によって異なる。
同図の点線の円は、情報導体の配置候補(以下「配置候補」)である。配置候補は5mm間隔とする。認識誤差が少なければ、配置候補の間隔を短くして配置できる情報導体を増やし、多量のパターンコードを定義できる。
なお、隣接して配置する場合は、隣接する2個の導体を確実に認識できるように、10mm以上距離を離して配置する。
基準導体間距離が43mmの場合は、基準導体間の距離に対して、導体間距離が4mm以上短い(すなわち、導体間距離が39mm以下である)配置候補は38個存在する。
しかし、基準導体間に2個の情報導体が配置されると、基準導体と情報導体が一直線に配置されてしまい、パターンコードの方向を定めることができない。そのため、基準導体間には情報媒体は1個しか配置できない。そこで、まず、38個から基準導体間に位置する配置候補5個を除いた33個から、2個および1個を選択する組み合わせを以下の通り求める。
33C2+33=561通り・・・(A)
次に、導体間の距離が10mm未満となる2個の候補位置の組み合わせは、
9+15+21+27+33+28+5=138通り・・・(B)
である。
導体間の距離が10mm未満となるように導体を配置することはできない。隣接する2個を認識できなくなる可能性があるからである。したがって、10mm未満となる組み合わせは除かれる。
次に、基準導体間に位置する配置候補が1個選択され、他の導体と判別ができる場合の組み合わせは、
29×2+28×3=142通り・・・(C)
である。
以上から、(a)の場合における、配置可能な情報導体の配置組み合わせは、
(A)−(B)+(C)=561−138+142=565通り
である。
この場合は、基準導体間の距離に対して、導体間距離が4mm以上短い(すなわち、導体間距離が34mm以下である)配置候補は29個存在する。
しかし、(a)の場合と同様、基準導体間には情報媒体は1個しか配置できない。そこで、まず、29個から基準導体間に位置する配置候補4個を除いた25個から、2個および1個を選択する組み合わせを以下の通り求める。
25C2+25=325通り・・・(A)
次に、導体間の距離が10mm未満となる2個の候補位置の組み合わせは、
5+21+27+27+18+3=101通り・・・(C)
である。
(a)の場合と同様、導体間の距離が10mm未満となる組み合わせは除かれる。
次に、基準導体間に位置する配置候補が1個選択され、他の導体と判別ができる場合の組み合わせは、
21×2+20×2=82通り・・・(C)
である。
以上から、(b)の場合における、配置可能な情報導体の配置組み合わせは、
(A)−(B)+(C)=325−101+82=306通り
である。
この場合は、基準導体間の距離に対して、導体間距離が4mm以上短い(すなわち、導体間距離が29mm以下である)配置候補は21個存在する。
しかし、(a)(b)の場合と同様、基準導体間には情報媒体は1個しか配置できない。そこで、まず、21個から基準導体間に位置する配置候補3個を除いた18個から、2個および1個を選択する組み合わせを以下の通り求める。
18C2+18=171通り・・・(A)
次に、導体間の距離が10mm未満となる2個の候補位置の組み合わせは、
9+15+21+18+3=66通り・・・(B)
である。
(a)(b)の場合と同様、導体間の距離が10mm未満となる組み合わせは除かれる。
次に、基準導体間に位置する配置候補が1個選択され、他の導体と判別ができる場合の組み合わせは、
14×2+13=41通り・・・(C)
である。
以上から、(c)の場合における、配置可能な情報導体の配置組み合わせは、
(A)−(B)+(C)=171−66+41=146通り
である。
この場合は、基準導体間の距離に対して、導体間距離が4mm以上短い(すなわち、導体間距離が24mm以下である)配置候補は10個存在する。
しかし、(a)〜(c)の場合と同様、基準導体間には情報媒体は1個しか配置できない。そこで、まず、10個から基準導体間に位置する配置候補2個を除いた8個から、2個および1個を選択する組み合わせを以下の通り求める。
8C2+8=36通り・・・(A)
次に、導体間の距離が10mm未満となる2個の候補位置の組み合わせは、
3+9+8+1=21通り・・・(B)
である。
(a)〜(c)の場合と同様、導体間の距離が10mm未満となる組み合わせは除かれる。
次に、基準導体間に位置する配置候補が1個選択され、他の導体と判別ができる場合の組み合わせは、
4×2=8通り・・・(C)
である。
以上から、(d)の場合における、配置可能な情報導体の配置組み合わせは、
(A)−(B)+(C)=36−21+8=23通り
である。
565+306+146+23=1,040個
である。
同図の点線の円は、情報導体の配置候補(以下「配置候補」)である。配置候補は5mm間隔とする。認識誤差が少なければ、配置候補の間隔を短くして配置できる情報導体を増やし、多量のパターンコードを定義できる。実際に配置する場合は、隣接する2個の導体を確実に認識できるように、10mm以上距離を離して配置する。
基準導体間距離が35mmの場合は、情報導体の配置候補は34個存在する。
しかし、基準導体間に2個の情報導体が配置されると、基準導体と情報導体が一直線に配置されてしまい、パターンコードの方向を定めることができない。そのため、基準導体間には情報媒体は1個しか配置できない。そこで、まず、34個から基準導体間に位置する配置候補3個を除いた31個から、2個および1個を選択する組み合わせを以下の通り求める。
31C2+31=496通り・・・(A)
次に、導体間の距離が10mm未満となる2個の候補位置の組み合わせは、
25+25+25+15+2=92通り・・・(B)
である。
導体間の距離が10mm未満となるように導体を配置することはできない。隣接する2個を認識できなくなる可能性があるからである。したがって、10mm未満となる組み合わせは除かれる。
次に、基準導体間に位置する配置候補が1個選択され、他の導体と判別ができる場合の組み合わせは、
29×2+28=86通り・・・(C)
である。
以上から、(a)の場合における、配置可能な情報導体の配置組み合わせは、
(A)−(B)+(C)=496−92+86=490通り
である。
この場合、基準導体間距離が35mmの場合と全く同じく、情報導体の配置候補は34個存在する。
したがって、(a)の場合と全く同じ組み合わせが成り立つため、(b)の場合における、配置可能な情報導体の配置組み合わせは、490通りである。
この場合は、情報導体の配置候補は32個存在する。
しかし、(a)(b)の場合と同様、基準導体間には情報媒体は1個しか配置できない。そこで、まず、32個から基準導体間に位置する配置候補1個を除いた31個から、2個および1個を選択する組み合わせを以下の通り求める。
31C2+31=496通り・・・(A)
次に、導体間の距離が10mm未満となる2個の候補位置の組み合わせは、
25+25+25+15+2=92通り・・・(B)
である。
(a)(b)の場合と同様、導体間の距離が10mm未満となる組み合わせは除かれる。
次に、基準導体間に位置する配置候補が1個選択され、他の導体と判別ができる場合の組み合わせは、
28通り・・・(C)
である。
以上から、(c)の場合における、配置可能な情報導体の配置組み合わせは、
(A)−(B)+(C)=496−92+28=432通り
である。
この場合は、情報導体の配置候補は30個存在する。
しかし、(a)〜(c)の場合と同様、基準導体間には情報媒体は1個しか配置できない。そこで、まず、30個から基準導体間に位置する配置候補1個を除いた29個から、2個および1個を選択する組み合わせを以下の通り求める。
29C2+29=435通り・・・(A)
次に、導体間の距離が10mm未満となる2個の候補位置の組み合わせは、
25+25+25+9=84通り・・・(B)
である。
(a)〜(c)の場合と同様、導体間の距離が10mm未満となる組み合わせは除かれる。
次に、基準導体間に位置する配置候補が1個選択され、他の導体と判別ができる場合の組み合わせは、
28通り・・・(C)
である。
以上から、(d)の場合における、配置可能な情報導体の配置組み合わせは、
(A)−(B)+(C)=435−84+28=379通り
である。
490+490+432+379=1,791個
である。
さらに、2個の基準導体の大きさを変えることにより、情報導体がどこに配置されていてもパターンコードの向きを認識できる。
上記実施形態0のコード発生装置1、実施形態1から実施形態9のカード型の装置110から110G(以下単に装置110等)と、実施形態16の図110〜図124に例示した電源を要しないゲーム用のカードその他の物品(アイテム)とを組み合わせて1つの装置としてもよい。その場合に、本実施形態の装置に、実施形態10に例示した画像センサ160D、実施形態11に例示した画像センサ160E、実施形態12に例示した画像センサ160F、実施形態13に例示した画像センサ160G、実施形態14に例示した光センサ130を組み合わせてもよい。また、本実施形態の装置のパターンコードの出力手順として、実施形態15に例示した出力手順を適用してもよい。また、実施形態17に例示した装置と情報機器200との情報伝達処理を本実施形態の装置と情報機器200との情報伝達処理に適用してもよい。また、実施形態18に例示した光センサ130F及び130Gを本実施形態の装置に適用してもよい。また、本実施形態の装置のパターンコードとして、実施形態19のパターンコードの配置を適用してもよい。
裏面の6個の素子111と6個のフォトダイオードWPD1からWPD6の構成および作用は、図69および図70で説明した通りである。図69で説明したように、各素子111は、パターン1からパターン9の順にON/OFFが切り替えられ、パターンコードを出力する。装置110Kは、6個の素子111のうち例えば、5個の素子111による静電容量(電界強度)を情報機器200のタッチパネルに検知させる。情報機器200は、タッチパネル上で、6個の素子111のうち例えば、5個の素子111の出力パターンを認識することで、素子111の配置、したがって、フォトダイオードWPD1からWPD6の配置位置を認識する。
図138から図163により、実施形態21に係る装置110Lの回路構成の詳細、制御、および情報処理について、説明する。
また、情報出力側には、2つの出力バッファ183A、183Bと、セレクタ184と、駆動回路180と、SW115と、素子111と、接触導体(導体パッド)114とが設けられる。上記実施形態の装置110等と同様、利用者が接触導体114に指等を接触させると、ON状態のSW115を介して、利用者の人体が有する静電容量が素子111と電気的に接続される。その結果、素子111と人体との間で静電気が移動し、タッチパネルは、パネルと素子111との間の静電容量の変化、あるいは、素子111からの電界強度の変化を検知する。
CPU116は、例えば、メモリ117に実行可能に展開されたコンピュータプログラム等にしたがって装置110Lを制御する。CPU116は、出力バッファ183Aと183Bとから交互に情報を出力し、セレクタ184を制御し、出力バッファ183Aと183Bから交互に情報を駆動回路180に出力する。駆動回路180は、出力バッファ183Aと183Bから交互に情報を取得し、取得した情報にしたがってSW115をONまたはOFFに制御することで、素子111から情報をパターンコードの形式で出力する。なお、図138では、省略されているが、駆動回路180は、各SW115とそれぞれ独立した配線(導電路)で接続されており、各SW115を独立にONまたはOFFにすることが可能である。そして、CPU116は、次の情報を出力バッファ183Aに出力する。CPU116と駆動回路180は、情報出力部の一例といえる。
すると、情報機器200は、同期用光信号とともに、検知したパターンコードのコード値をフォトダイオードWPD1からWPD6に向けて発光する。コンパレータ118は、フォトダイオードWPD1からWPD6で受光した信号から0または1のデジタル信号を生成し、バッファ182に保存する。すると、排他論理和(EXOR)回路181が出力バッファ183Bの保持された情報(コード値)とバッファ182に保存された情報(コード値)を比較する。排他論理和回路181がバッファ182のコード値と出力バッファ183Bのコード値とで不一致を検知すると、再送指示をセレクタ184に指令する。すると、セレクタ184は、出力バッファ183Bの情報を再度駆動回路180に出力する。一方、排他論理和回路181がバッファ182のコード値と出力バッファ183Bのコード値とで一致を検知すると、バッファ切り替え指示をセレクタ184に指令する。すると、セレクタ184は、出力バッファ183Aの情報を駆動回路180に出力する。このようにして、素子111から出力されるパターンコードのコード値と、同期用光コードに含まれるコード値のとの間でエラーチェックが実行される。
ただし、図138では、装置110Lは、2つの出力バッファ183A、183Bを有するが、出力バッファ数が2面に限定される訳ではない。例えば、実施形態21で説明するように、装置110Kは、区切りとなる基準パターンと、複数の情報パターンとを1まとめにしてパターンコード列としてパターンコードを出力する。このパターンコード列は、静電容量コード、あるいは情報コードと呼ばれる。その場合、基準パターンから次の基準パターンまでの情報パターンの数だけ出力バッファ183A等を設けてもよい。パターンコード列分の出力バッファを設けことで、出力されるパターンコードのエラーチェックを実行するタイミングを遅らせることができ、例えば、パターンコード列出力後に、エラーチェックを実行できる。
また、図138では、出力バッファ183A、183Bを切り替えるセレクタ184、駆動回路180、エラーチェックを実行する排他論理和回路181等のハードウェア回路がCPU116ともに、パターンコード出力処理、エラーチェック、再送処理等を実行した。しかし、CPU116がこれらの処理の一部またはすべてを実行してもよい。一方、CPU116の処理の一部をハードウェア回路で実行してもよい。
なお、図138では省略されているが、実施形態20(図137)と同様、CPU116、コンパレータ118、フォトダイオードWPD1からWPD6、バッファ182、出力バッファ183A、183B、駆動回路180、SW115等に、図137に例示の光電変換素子配列112A、112B等から電源が供給される。
また、図138では、フォトダイオードWPD1からWPD6と、複数の素子111は、離れて配置されている。しかし、図138は、電気回路上の接続関係を明示しているのであり、物理的な位置関係を限定している訳ではない。したがって、フォトダイオードWPD1からWPD6と、複数の素子111とは、図135、図137のように、相互に隣接して配置されてもよいし、離れて配置されてもよい。また、フォトダイオードWPD1からWPD6の数と、複数の素子111の数とは、同数であってもよいし、異なってもよい。
図138に例示したように、装置110Lは、インターフェース(I/F)回路180Aと、I/F回路180Aに接続される発光部、音響部、振動部、無線通信部等を有するようにしてもよい。ここで、発光部は、例えば、発光ダイオード(LED)等である。また、音響部はデジタル/アナログ変換部を含む音(音、音声)発生部とスピーカ等である。また、振動部は、発振器と機械振動を引き起こすバイブレータ等である。また、無線通信部は、無線Local Area Ntwork(LAN)、Bluetooth規格等にしたがった通信インターフェースである。
そして、装置110L(CPU116)は、パターンコードによって第1の情報であるパターンコードのデータブロック(静電容量コード、情報コード)を出力するとともに、第2の情報である光コードのデータブロック(情報コード)を入力し、様々な情報処理を実行する。そして、装置110Lは、情報処理の結果にしたがって、I/F回路180Aを介して発光部からの発光、音響部からの音響、振動部からの振動、無線通信部からの無線通信により第3の情報を外部に報知してもよい。以上から、発光部、音響部、振動部、無線通信部の少なくとも1つとI/F回路180AとCPU116とは、情報出力部の一例といえる。ただし、実施形態21を含む本実施の形態において、発光部、音響部、振動部、無線通信部、およびI/F回路180Aは、必須の構成ではなく、省略されてもよい。
図139の例では、5個の素子111と5個のフォトダイオードWPD1からWPD5が隣接して配置されている。また、図では、素子111のそれぞれに数字のラベルを付され、5個の素子111が図面上識別できるように例示されている。
すでに実施形態8で説明したように、情報機器200は、タッチパネル上で素子111からの物理量変化を検知し、素子111の配置を認識し、フォトダイオードWPD1からWPD5の該当位置においてディスプレイを発光させることで、装置110Lと通信する。なお、本明細書を通じて、素子111に接続されるSW115をONにして、素子111と接触導体114とを導通状態にすることを「素子111をONにする」と表現する。また、素子111に接続されるSW115をOFFにして、素子111と接触導体114との間を遮断状態にすることを「素子111をOFFにする」と表現する。
装置110Lは、タッチパネルを介して情報機器200に素子111からの物理量を変化させ、素子111のタッチパネル上の配置を情報機器200に認識させる。例えば、利用者が装置110Lをタッチパネルにかざして、素子111の位置を認識させるための基準パターン(すべての素子111につながるSW115をON)を出力する。ここでパターンコードの下に記載されている数字0から10は、パターンコードのインデックスである。インデックスは、基準パターンから次の基準パターン直前までの一連のパターンコードの出力順の位置を例示する。つまり、装置110Lは、1番目のパターンコードとして基準パターンを出力する。すると、タッチパネルが物理量変化を検知し、導体の位置を認識する。
すると、情報機器200は、素子111の配置を認識した後、同期用光コードを発光して、次のパターンコードの装置110Lからの出力タイミングを制御する。情報機器200は、同期用光コードによるタイミング制御により、タッチパネルを介したパターンコードの認識確率を高めることができる。なお、図140では、同期用光コードに装置111からパターンコードのインデックス(下記進数)を含めている。インデックスは図140では、0から10の数字で例示されている。同期用光コードにインデックスを付加することで、例えば、そのインデックスを指定した同期用光コードでのパターンコードのエラーが発生した場合に、装置110Lは、そのインデックスを指定してパターンコードを再送できる。
図の例では、情報機器200は、基準パターンを認識後、インデックス2の同期用光コードを出力する。インデックス2の同期用光コードを受光すると、装置110Lは、パリティチェックパターンを出力する。なお、パリティチェックパターンは、パターンコードの列の末尾に出力されるようにしてもよい。また、装置110Lからの物理量変化によるパターンコード出力において、パリティチェックは必須ではない。パリティチェックに代わるエラーチェックについては、図図141、および164から図170を用いて別途詳述する。
情報機器200は、パリティチェックパターンを検知後、インデックス3から10の同期用光コードを出力する。インデックス3から10の同期用光コードは、組み合わされて情報を表現するので、情報コードと呼ばれる。ただし、情報コードに含まれる光コード数が8に限定される訳ではない。装置110Lは、インデックス3から10の同期用光コードを受光すると、それぞれのインデックス3から10の光用同期コードの入力に対して所定のタイミングで8パターンのパターンコードをそれぞれ出力する。
その後、情報機器200は、区切り及び導体の配置パターンを示す基準パターンを出力制御する同期用光コード1を発光する。同期用光コード1は、インデックス1を含むコードである。装置110は、同期用光コード1を受光すると、再度基準パターンを出力する。さらに、情報機器200が、インデックス2から10の同期用光コードを出力すると、同期用光コードの受光に同期して装置110Lは、パリティチェックコード、および情報を伝達するパターンコード列を出力する。インデックス3から10の同期用光コード列に対応するパターンコード列も情報コードと呼ばれる。ただし、光コードと区別するために、パターンコード列を静電容量コードいう場合もある。
このように、情報機器200がタッチパネルを介して基準パターンを認識した後に、同期用光コードを発光して、次の導体パターンを出力制御することにより、確実にタッチパネルが導体パターンを認識することできる。このように、同期用光コードに装置110からのパターンコードの順序位置を示すインデックス(下記10進数)を含めた場合は、情報機器200側で認識することができなかったパターンコードに対して、同一のインデックスを含む同期用光コード1を再度、発光してパターンコードを再出力させることができる。さらに、情報機器200側で指定のインデックスに対応するパターンコードだけを出力させることができる。ただし、必ずしも同期用光コードにインデックスを含めなくてもよい。つまり、情報機器200は、単純に同期用光信号として、1種類のパターン、例えば、すべてのフォトダイオードWPD1からWPD6を受光させる光コードを発行してもよい。すべてのフォトダイオードWPD1からWPD6を受光させる光コードを同期用光コードとする場合には、素子111の認識が不完全でも構わない。情報機器200は、ディスプレイのうち装置110を含む領域全体を発光すればよいからである。その場合は、時間間隔ごとに、順次、パターンコードを出力することになる。しかし、インデックスを設けないと、どのパターンコードを出力しているか認識できなくなり、基準パターン(すべての素子111につながるSW115をON)と、他のパターンですべてのW115がONとなる場合には、基準パターンを認識できなくなる。そこで、すべての素子111がONとなるパターンは基準パターンに限定して用いることにより、情報機器200は基準パターンを認識することができる。さらに、装置110Lは、最初の基準パターンの出力の前や、全OFFとなるパリティチェックパターン、タッチパネルが導体パターンを認識できない場合(エラー等)、タッチムーブ現象(後述)を排除するためのすべての素子111をOFFとするパターンなどと、すべての素子111がOFFとなる情報パターンを区別して認識できない。このため、すべての素子111がOFFとなるパターンはパターンコードから省くことにより、情報機器200による情報パターンの認識が可能となる。その結果、実施形態21のように、3から10の8個の導体パターンが情報パターンとなる場合、本来であれば、5bit×8=40bit(約1100兆コード)の情報量を出力できるが、情報パターンで全ON、全OFFを除くと、記述可能な情報量は5bit=64であることから、(64−2)の8乗=約218兆コードとなる。情報パターンで全ON、全OFFを除くことで、除かない場合と比較して、情報量は1/5程となる。一方、基準パターンと情報パターンを区別するためのフラグを1bit使用すると、パターンコードが記述できる情報は4bit×8=32bit(約43億コード)となり、極端に情報量が減少する。したがって、特定のビット基準パターンと情報パターンを区別する手法に対して、本実施形態の手法は極めて合理的であり、他の実施形態で説明されるパターンコードでも利用できることは言うまでもない。
情報機器200が装置110Lから出力される基準パターンをタッチパネルによって認識した後に、同期信号として同期用光コードをディスプレイから発光する。図では、同期用光コードが表す通し番号(インデックス2〜10、および1)が表示されている。装置110Lは、同期用光コードを認識したら、直ちに当該インデックスのタイミングで出力する情報を表すパターンコードを出力する。
なお、情報機器200での処理速度と、装置110Lでの処理速度が異なることから、装置110Lは、情報機器200から光コードが送り返される度にエラー結果を情報機器200に通知する必要はなく、任意のタイミングで通知してもよい。
図142では、インデックス0の全SW115がOFFの状態から、インデックス1において、基準パターンが出力される。そして、インデックス1から9の同期用光コードに対して、インデックス2から10の物理量変化によるパターンコードが出力される。例えば、インデックス2の同期用光コードは、インデックス3の同期用光コードであるとともに、その直前に出力されたインデックス2のパターンコードのエラーをチェックするためのコード(以下、エラーチェック光コードという)となっている。
装置110Lは同期用光コードとしてエラーチェック用の光コードを認識した後に、次のパターンコードを出力する。フォトダイオードWPD1からWPD5のうち、少なくと1つが発光しないと、装置110Lは同期信号を受光できない。そこで、図142では、中央のフォトダイオードWPD5が同期用として使用される。すなわち、情報機器200は、すべての同期用光コードの発光時に中央のフォトダイオードWPD5に対してはディスプレイを発光させる。
このような通信手順により、図では、次のように誤り訂正が実現される。図のインデックス5において、装置110Lは物理量変化によるパターンコードCP1では、素子111−1、111−3、111−4をON、素子111−2、111−5をOFFで出力する(素子111の定義は図139のラベルを参照)。一方、インデックス5における装置110LによるパターンコードCP1の出力直後、情報機器200からの同期用光コードCP2は、フォトダイオードWPD3、WPD4、WPD5がON、フォトダイオードWPD1、WPD2がOFFとなっている。このうち、フォトダイオードWPD5は、上述のように同期のために常時ON出力されるビットである。したがって、インデックス5における情報機器200からの同期用光コードCP2は、フォトダイオードWPD1の値がその直前に装置110Lから情報機器200に送信されたパターンコードCP1と相違する。
インデックス5の同期用光コードCP2を受光した装置110Lは、当該光コードCP2のコード値と、自身の出力バッファ183Aまたは183Bに保持したインデックス5で送信済みのパターンコードCP1のコード値と比較し、素子111−1での出力値のエラーを検知する。そこで、装置110Lは、インデックス5で出力済みのパターンコードと同一のパターンコードCP3を再度出力する。図では、この再度出力されたパターンコードCP3のインデックスは5−2と例示されている。ただし、再度の出力時に、装置110Lは、中央の素子111−5をONにする。すると、情報機器200は、中央の素子111−5がONであることから、前回出力済みパターンコード(インデックス5のパターンコード)の再度出力であると認識する。そして、インデックス5Aにおいて、直前に受光したパターンコードCP3に対応する同期用光コードを発光する。以降、装置110Lと情報機器200は、通常の通信に復帰する。このように、情報機器200が直前に検知済みのパターンコードに対応する光コードを装置110Lに送り返すことで、エラーチェックが実現される。
図145は、装置110Lがタッチパネルに接触する裏面の他の構成を例示する図である。図のように、装置110Lは、素子111−1から素子111−5を有している。なお、装置110Lは、スイッチSWLを有してもよい。スイッチSWLは、装置110Lがタッチパネルその他の表面に載置されたときに、ONになるスイッチである。また、装置110Lは、スイッチSWLの位置に、情報読取装置を設けてもよい。情報読取装置は、例えば、実施形態9の画像センサ160、実施形態10から実施形態13で例示した画像センサ160D等である。この情報読取装置は、QRコード、ドットコード、カラーコード等の2次元コードや指紋等を読み取る機能を有する。2次元コードを読み取る際には、印刷物であれば、装置110Lから光を照射しない場合には、反射光がないため暗く撮像され、光を照射した場合は、反射光により明るく撮像される。一方、ディスプレイであれば、装置から光を照射しない場合には、ディスプレイが発光していない場合を除いて、明るく撮像される。光を照射した場合では、ディスプレイで照射光が反射しないため、撮像画像に変化がない。以上から、光の照射の有無の結果から、印刷物かディスプレイかを認識できる。一方、ディスプレイに表示される二次元コードは、印刷のような高解像度で表示することはできないため、印刷よりも拡大した二次元コードで表示して情報読取装置で読み取るように切り替えることが望ましい。例えば、二次元コードがドットコードである場合は、印刷では、ドットサイズが0.042mmで、基準ドット間隔は0.508mmであるが、ディスプレイでは、いずれも2倍程度以上にしないと正確にドットパターンを表示できず、読み取りが困難となる。従って、印刷物を撮像する場合とディスプレイを撮像する場合は、どちらかを情報読取装置で判断して、対応するソフトウェアに切り替えて適正に二次元コードを読み取ることができる。
なお、装置110Lは、様々なアプリケーションに対応する情報をパターンコードとして出力する。一例として、装置110LがCPU116等の情報読取装置を有する場合には、情報読取装置で読み取った情報、例えば、ドットコード(32bit)をそのまま出力してもよいし、出力する情報の一部に装置110Lの識別情報(ID)を含めてもよい。
このように、インデックス1の基準パターン、インデックス2のパリティチェックパターン、インデックス3から10の情報パターンの前にすべての素子111がOFFのパターンコードが挿入される場合には、このすべての素子111がOFFのパターンコードを同期パターンとして利用できる。情報機器200は、各素子111に対応する物理量出力をNOR論理で合成すればよい。すると、図145の素子111−1から111−5のすべての出力がOFFの場合に、情報機器は、論理1を検知し、この全ビットOFFの入力に同期して次の情報パターンと取り込むことができる。
また、この処理では、全ビットOFFのパターンコードをエラーパターンコードとして兼用できる。例えば、第1回目のパターンコードの入力で、あるパターンコードが情報機器200に入力され、次にそのパターンコードのコード値が情報機器200から同じ光コードで返される処理を想定する。そして、前回送信済みのパターンコードのコード値と光コードで返されるコード値が不一致であったとする。すると、装置110Lは、情報機器200にエラーを通知するために、(1)まず、同期パターンコード(全ビットOFF)を出力し、(2)次に、エラーパターンコード(全ビットOFF)を出力し、(3)次に、エラーが発生したパターンを再度出力すればよい。このようにパターンコードを出力することで、情報機器200は、(1)同期パターンの次に、(2)エラーエラーパターンコード(全ビットOFF)を検知し、さらに、パターンコード再度取得できる。
ただし、この処理は、装置110Lからのパターンコードの出力に対して、次の同期パターン出力の前に情報機器200からパターンコードに対応するコード値が光コードとして返信され、時間遅れなく処理できる場合である。なお、仮に、パターンを再度出力が次の同期パターンの発生までに間に合わない場合には、装置110Lは、上記に代えて、(1)の次に、(2)エラーエラーパターンコード(全ビットOFF)を出力し、(3)次に、どのパターンコードでエラーが発生したかを示すインデックスのパターンコードを出力し、(4)次に、次に、エラーが発生したパターンを再度出力すればよい。このようにすることで、情報機器200は、同期パターンの次に、(2)エラーエラーパターンコード(全ビットOFF)を検知し、(3)エラーが発生したインデックスを取得し、(4)パターンコード再度取得できる。
図146により、実施形態21のパリティチェックについて説明する。図でインデックス2のパリティチェックパターンでは、素子111−1:OFF、素子111−2から111−4:ONとなっている。一方、インデックス3から10において、素子111−1は、インデックス3、4、5、8、9、10で1である。したがって、パリティはこれらのビット1を加算して、1+1+1+0+0+1+1+1=1である。したがって、奇数パリティを採用する場合には、パリティチェックパターンにおいて、素子111−1はOFFになる。
同様に、素子111−2について、インデックス3から10におけるビットの加算値は1+1+0+1+0+1+1+1+0=0である。奇数パリティの場合、パリティチェックパターンにおいて、素子111−1はONになる。また、素子111−3について、インデックス3から10におけるビットの加算値は0+1+1+0+0+1+1+1=1である。奇数パリティの場合、パリティチェックパターンにおいて、素子111−3はOFFになる。さらに、素子111−4について、インデックス3から10におけるビットの加算値は1+0+0+0+1+1+0+0=1である。奇数パリティの場合、パリティチェックパターンにおいて、素子111−4はOFFになる。
図149に、装置110LのCPU116が実行するパターンコード出力処理(装置側同期通信)を例示する。ただし、図149以下の処理をCPU116が実行する代わりに、ハードウェア回路が実行してもよい。そこで、以下の説明では、各処理フローは装置110Lが実行するものとして説明する。
この処理では、装置110Lは、まず、素子111から基準パターンを出力する(S60)。次に、装置110Lは、情報法機器200からの同期用光コードの受光を待つ。そして、同期用光コードを受光すると、装置110Lは、素子111からパリティチェックパターンを出力する(S61)。そして、装置110Lは、情報パターンの同期出力を実行する(S63)。
次に、装置110Lは、情報機器からの応答を待つ。そして、装置110Lは情報機器200から応答を受光する。そして、装置110Lは、情報機器200からの応答にパリティエラーが示されているか否かを判定する(S67)。なお、S67の処理は、応答が正常応答か否かを判定する処理であってもよい。S67の判定で、パリティエラーが示されている場合、装置110Lは、処理をS60に戻し、再度上記の処理を実行する。なお、S67のパリティエラーが同一のパターンコード列の送信で所定回数以上発生した場合には、装置110Lは、故障であると判定し、処理を終了してもよい。
S67の判定で、パリティエラーがない場合、装置110Lは、次に送信する情報が残っているか否かを判定する。次の情報が残っている場合、装置110Lは、処理をS60に戻し、次の情報を送信する。
なお、図149の処理では、装置110Lは、基準パターンを出力後(S60の後)、インデックス2のタイミングでパリティチェックパターンを出力するが、装置110Lは、情報パターンを出力後(インデックス10の後のタイミング)、パリティチェックパターンを出力してもよい。
S633の判定でエラーがない場合、装置110Lは、S632の判定による受光タイミングで次ぎのパターンコードを出力する(S635)。一方、S633の判定でエラーがあった場合、装置110Lは、前回出力パターンコードを再度出力する(S635)。そして、装置110Lは、全ターンコード数分の出力を完了するまで、S631からS637の処理を繰り返す。
装置110Lは、S637の判定で、全パターンコード数のパターンコードを出力した場合、S635の処理で保存した情報機器200からの返信コード値と、送信済みのパターンコードとを比較する(S638)。S638の処理は、全送信パターンコードに対して実行される。そして、装置110Lは、エラー、つまり、返信コード値と送信済みパターンコードの不一致があったか否かを判定する(S639)。
S639の判定で、エラーがあった場合、装置110Lは、例えば、エラーが検知されたパターンコードのインデックスを出力し、さらにエラーが検知されたパターンコードを出力する(S63A)。ここで、インデックスは、図142、図143、図146、図146等で例示した情報パターンの順序位置を示す番号(例えば、図142のインデックス3から10)である。
したがって、この処理では、パターンコードによって定義可能な素子111のONとOFFの組み合わせのうち、一部のパターンコードは、情報パターンとして使用し、残りのパターンコードはインデックスとして使用される。例えば、図146の場合、素子111−1から素子111−4までの4つの素子111のONとOFFとの組み合わせによって16パターンの使用が可能である。
すでに、図145の説明で述べたように、装置110Lは、素子111がすべてONのパターンを基準パターンとして用い、素子111がすべてOFFのパターンコードをエラーパターンコードとして使用できる。また、エラーが発生したパターンコードの再度出力が次の同期のタイミングに間に合わない場合には、装置110Lは、光同期パターンを受けた後、まず、エラーパターンコードを出力し、続いて、インデックスを示すパターンコードを出力すればよい。すなわち、一例としては、S63Aの処理では、エラーパターンコードと、インデックスを示すパターンと、エラーが検知された情報パターン(再度出力)が組になって出力される。なお、1つのパターンコード内にエラービットを設ける場合で、光同期パターンを受けた後、エラーが発生したパターンコードの出力が間に合うのであれば、装置110Lは、インデックスを用いず、一回の出力で、エラービットと、再度出力されるパターンコードを出力してもよい。S63Aの処理は、S638の処理でエラーが検知されたすべてのパターンコードについて実行される。
さらに、装置110Lは、S63Aで出力したパターンコードについて、S638と同様処理、つまり返信パターンを受光し、返信パターンのコード値を送信済みパターンコードを比較する処理を実行する(S63B)。そして、S63Bの処理でエラーが検知されると、装置110Lは処理を63Aに戻し、再出力を繰り返す。ただし、エラー回数が許容限度を超えた場合には、装置110Lは、異常が発生したものとして、処理を終了してもよい。
一方、S63Cの判定でエラーがなかった場合には、装置110Lはパターンコード出力バッファ183A等をクリアして(S63D)、処理を終了する。なお、S639の判定でエラーがなかった場合も、装置110Lはパターンコードパターンコード出力バッファ183A等をクリアして(S63D)、処理を終了する。
図156の処理は、同期用光コードによって同期が取られる代わりに、装置110Lが出力する同期用パターンコードによって同期をとるとともに、エラーチェックが図155のように、1回のパターンコード出力時より遅らせて実行される処理のフローチャートである。図156に、S63F、S63Gの処理は、図154と同様である。次に、装置110Lは、返信された光コードを受光し、バッファ182等に保存する(S63I)。図156のS637以降の処理は、図155と同様である。以上のように、装置110Lが同期用パターンコードを出力する場合も、図155と同様に、一旦、基準パターンから次の基準パターンまでのパターンコード列を出力した後に、エラーチェックを実行できる。
なお、図155、図155の処理では、装置110Lは、基準パターンから次の基準パターンまでのパターンコード列を出力した後にエラーチェックを実行し、エラーがある場合に再度エラーが検知されたパターンコードを出力した。しかし、装置110Lの処理が図155、図156の例に限定される訳ではない。装置110Lが十分なバッファ183を有する場合には、基準パターンから次の基準パターンまでに含まれるパターンコード列(例えば、図140のインデックス3からインデックス10のパターンコード)の受光処理期間中のどのタイミングでエラーチェックを実行しても構わない。
ここで、S6B、S6Cの処理において、装置110Lは、同期パターンとして様々な形態を使用できる。例えば、装置110Lは同期パターンとして、インデックスを含まない固定のパターンコードを入力してもよい。その場合には、情報機器200は、その固定のパターンコードの入力とタイミングを合わせて、光コードを入力すればよい。
また、装置110Lは、同期パターンとして、インデックスを入力してもよい。その場合には、情報機器200は、入力されたインデックスに対応する光コードを入力するようにしてもよい。すなわち、光コードは、例えば、図71、図140から図144のように、各光コードにインデックスが付与されている。そこで、装置110Lが同期パターンコードを入力する場合に、同期パターンとしてインデックスを指定し、情報機器200は、指定されたインデックスの光コードを発光すればよい。この場合に、情報機器200は、入力された同期パターンコードの各ビット値のOR論理で同期信号を生成し、タイミングを調整して光コードを発光すればよい。
また、装置110Lは、同期パターンコードとして、情報機器200から直前に入力された光コードをそのまま返信してもよい。この場合に、情報機器200は、同期コードの各ビット値のOR論理で同期信号を生成し、タイミングを調整して光コードを発光すればよい。また、この場合に、情報機器200は、同期パターンコードとして入力されたコード値と、直前に光コードの発光で装置110Lに送信した光コードとを比較して、エラーチェックを行ってもよい。
次に、装置110Lは、1情報コード分(1データブロック内の情報を示す光コード)の光コードを取得したか否かを判定する(S6D)。ここで、1情報コード分とは、図71で説明したように、データブロックの区切りから次の区切りまでの一連の光コードをいう。1情報コード分の光コードの取得が完了していない場合、装置110Lは処理をS6Bに戻す。1情報コード分の光コードの取得が完了した場合には、装置110Lは、次の情報を取得するか否かを判定する(S6E)。
次の情報を取得する場合とは、予め決まった情報の光コードを入力する場合で、すべての情報コードを取得していない等である。次の情報を取得する場合には、装置110Lは、制御をS6Bに処理を戻す。
以上のように、情報機器200が同期用光コードを出力する代わりに、装置110Lが同期用パターンコードを出力する場合には、基準パターン取得からパターンコードのエラーチェックを開始する必要はない。情報機器200は、基準パターンに限定されるどのようなパターンコードからも座標値を取得し、蓄積でき、基準パターンを受け、かつ、静電容量コード(1つのデータブロック)のパターンコードが揃った時点で蓄積した座標値からパターンコードを特定すればよいからである。したがって、装置110Lは、タッチパネルで取得した最新の基準パターンを含む必要数のパターンコードを記憶させ、パリティチェックを実施すればよい。もし、パリティチェックエラーが生じた場合は、記憶された最初の情報パターンを省き、新たに取得した必要数の情報パターンで、エラーチェックを行い、エラーが発生しなくなるまで、この処理を繰り返せばよい。
装置110Lがインデックスと再度出力されるパターンコードを対にして出力することで、情報機器200にインデックスを検知させることができる。情報機器200は、インデックスを検知すると、エラーが発生したパターンコードの再度の出力であると認識し、取得済みのパターンコードを修正すればよい。
S71の判定で情報機器200は、基準パターンを検知すると、フォトダイオードWPD1等の位置を特定し、光同期パターンを発光する。フォトダイオードWPD1等の位置の特定の仕方は、実施形態17(図126のS11)と同様である。すなわち、例えば、図139に例示のように、素子111−1から111−6の配置に対して、フォトダイオードWPD1からWPD6(図145の場合には、フォトダイオードWPD1からWPD5)の配置は、装置110L上で概ね固定されている。多少の移動は、基準パターンを検知した際に、各素子の検知位置を中心に所定の領域をバウンディングボックスとして設定し、若干の移動後に検知した素子の位置がバウンディングボックスに収まれば、パターンコードを認識できる。さらに、新たに検知した位置を中心に所定の領域をバウンディングボックスとして再設定すれば、装置が移動した分の補正が可能であり、それを繰り消すことにより、移動が継続中であっても正確にパターンコードの取得が可能となる。この処理は、装置110Lが他のパターンコードを認識する場合も使用できることは言うまでもない。したがって、装置110Lは、基準パターンを検知し、素子111の配置が特定できれば、フォトダイオードWPD1等の位置を一意に特定できる。もちろん、装置110Lが移動した場合の素子の配置の補正毎に、フォトダイオードWPD1等の位置を一意に特定できる。そして、情報機器200は、フォトダイオードWPD1等のそれぞれの位置に対応するディスプレイの位置で同期用光パターンを発光する(S73)。
次に、情報機器200は、タッチパネルによりパリティチェックパターンを検知する(S74)。そして、情報機器200は、情報パターン同期入力処理を実行する(S75)。そして、情報機器200は、S75で入力されたパターンコードのコード値に対するパリティチェックを実行し、応答信号を発光する(S76)。パリティチェックにエラーが生じた場合、再度、基準パターンから出力を再開する。なお、そして、情報機器200は、処理を終了するか否かを判定する(S77)。例えば、利用者がタッチパネル等のメニュー画面から処理の終了を選択した場合には、情報機器200は、処理を終了する。情報機器200は、処理を終了しない場合には、S70の処理に移動する。ここで、パリティチェックパターンでエラーを検出せず、情報機器200が正しい情報コードを取得した際に、情報コード取得終了を示す光コードを発光して、装置110Lからのパターンコードの出力を終了させてもよい。なお、基準パターン取得からパターンコードのエラーチェックを開始する必要はなく、タッチパネルで取得した最新の基準パターンを含む必要数のパターンコードを記憶させ、パリティチェックを実施すればよい。もし、パリティチェックエラーが生じた場合は、記憶された先頭の情報パターンを省き、新たに取得したパターンコードを含め必要数の情報パターンで、エラーチェックを行い、エラーが発生しなくなるまで、チェック対象のパターンコードをずらしながら当該処理を繰り返しせばよい。
この処理では、情報機器200は、装置110Lから出力されたパターンコードから復号され、装置110Lに返信するコード値を含む同期用光パターンコードを作成する(S750)。そして、作成した同期用光パターンコードを発光する(S751)。
次に、同期用光パターンコードに同期して装置110Lからのパターンコードを入力する(S752)。そして、入力されたパターンコードにエラー指定があるか否かを判定する。エラー指定がある場合とは、例えば、図142のように、エラーを示す中央の素子111−5がONの場合である。エラーを示す中央の素子111−5がONの場合には、情報機器200は、S752の処理でエラーの指定と、再度入力されるパターンコードを同時に入力する。なお、エラー指定がある場合とは、例えば、情報パターン以外のインデックスが入力された場合であってもよい。情報パターン以外のインデックスが入力された場合には、情報機器200は、さらに、次の同期用光信号を出力して、次の再度出力されるパターンコードを入力する。
そして、エラーがなかった場合には、情報機器200はS752で入力されたパターンコードを新規パターンコードとして、コード値を保存する(S754)。一方、S753の判定で入力されたパターンコードにエラー指定があった場合には、エラーが指定された、すでに入力済みのパターンコードを修正する。例えば、図142のように、エラーを示す中央の素子111−5がONの場合には、情報機器200は、S752で入力されたパターンコードにより、直前に入力済みのパターンコードのコード値を修正する。また、例えば、インデックスでエラーが指定された場合には、インデックスに対応するパターンコードのコード値を修正する。そして、情報機器200は、基準パターンから次の基準パターンまでのパターンコード列の全数が入力されたか否かを判定する。全数が入力されていない場合に情報機器はS750の処理に戻る。
ここで、エラーを示す中央の素子111−5がONの場合とあるが、図140および図146の説明中に情報パターンから、全ONの基準パターンと全OFFのパターンを省くパターンコードで情報パターンを定義することを記載したが、さらに、エラーを示すパターン1個(例えば、5の素子のみON、他をOFFとしたパターン)を情報パターンから省き、当該パターンをエラーが発生したことを出力するエラーパターンとしてもよい。その後に、インデックスと情報パターンを再出力すればよい。これにより、5bit=64であることから、(64−3)の8乗=約191兆コードとなり、4bit×8=32bit(約43億コード)と比べて、大幅に情報量が増加する。
なお、図159の処理では、基準パターンから次の基準パターンまでのパターンコード列の最後パターンコードについてのエラーチェックが省略されている。最後のパターンコードのコード値は、情報機器200が装置110Lに次の基準パターンを出力させるときの同期用光パターンに含めることで、エラーチェックがなされる。
なお、装置110Lが図152のように、単純に同期用光パターンに同期するのみで、エラーチェックを実行しない場合には、図159のS750の処理を省略してもよい。S750の処理が省略される場合には、情報機器200側のエラーチェックとしては、図157のパリティチェック(S76)がだけ実行される。ただし、パリティチェックと、図159のS750、S751により、情報機器200に入力されたパターンコードを装置110Lに返信することによる装置110Lでのチェック処理の両方が行われてもよい。
以上述べたように、実施形態21では、同期用光パターンにしたがって、装置110Lはパターンコードを出力し、情報機器200は、受信したパターンコードによるコード値を装置110Lにエラーチェック用の光コードを送信する。したがって、装置110Lと情報機器200とは、素子111からの物理量変化の出力と、情報機器200のディスプレイからの光コードの発光により、いわば双方向同時に通信可能である。また、装置110Lは、素子111からの物理量の変化によるパターンコード出力とフォトダイオードWPD1からWPD5等によるエネルギーの到来量の検出を、少なくとも1部が重複する時間で実施する。
実施形態21では、情報機器200がタッチパネル上で素子111からの物理量変化を検知した位置の座標を装置110Lに通知する処理を例示する。このような処理によって、装置110Lは、素子111から物理量変化によるパターンコードを出力することで、情報機器200からタッチパネル上の座標を取得できる。その結果、装置110Lは、例えば、情報機器200のディスプレイ上に表示されたグラフィックスオブジェクトのレイアウト情報を有している場合には、グラフィックスオブジェクトに応じた処理を実行できる。例えば、装置110Lは、特定のボタン、メニュー、アイコン等が装置110Lの素子111によってアクセスしたことを認識できる。
ここで、装置110Lがどの特定のボタン、メニュー、アイコン等にアクセスしたかを認識するためには、情報機器200のタッチパネルからどの特定のボタン、メニュー、アイコン等にアクセスしたかを、光コードを発光して、装置110Lのフォトダイオードに検知させ認識させる必要がある。このように、装置110Lが特定のボタン、メニュー、アイコン等にアクセスしたかを認識することによって、アクセスした様々な情報を装置110Lに記憶(ログに記録)することができる。この様々な情報としては、クーポンやポイントなどの特典や、特定の情報にアクセスできる鍵、ゲーム等で獲得したアイテム・ポイント、購入したチケットや仮想通貨等、どのような情報であってもよい。これらを取得することによって、装置110Lは対応する操作・処理を情報コードで出力することができる。図示しないが、装置110Lにポインター(矢印や突起等)を設け、装置110Lから出力された基準パターンにより、ポインターが指示した情報機器200上の位置情報を取得することができ、どの特定のボタン、メニュー、アイコン等にアクセスしたかを視認し易くすることもできる。
図157では、まず、基準パターンを取得し、最初にパリティチェックパターンを検知した後、情報パターンを同期入力する処理を例示した。しかし、そのような処理に代えて、基準パターンの検知の有無に拘わらず、情報機器200が装置11Lから入力される物理量変化の座標位置をとりあえず保存しておき、基準パターンと、パリティチェックパターンと、1つの静電容量コード(情報コード)分のパターンコードが入力されたときに、座標位置からパターンコードを特定してもよい。このような処理は、装置110Lが同期パターンコードとともに情報パターンを入力する場合に有効である。
図151に、同期パターンコードと同期させて情報パターンを情報機器200に入力する装置110Lの処理を例示する。この処理では、装置110Lは、まず、基準パターンを出力する(S60)。次に、装置110Lは、素子から同期パターンコードに同期してパリティチェックパターン同期出力する(S62A)。さらに、装置11Lは、素子から同期パターンコードに同期して情報パターンを所定数分だけ同期出力する(S63A)。そして、装置110Lは、情報機器200から応答の受光があったか否かを判定する(S6H)。所定の時間待っても、情報機器200から応答の受光がない場合、装置110Lは、この処理が所定回数内か否かを判定する(S67A)。
そして、所定回数内の場合、装置110Lは、制御をS60に戻し、同様の処理を繰り返す。すなわち、同期パターンコードと同期させて情報パターンを入力する場合に、情報機器200での物理量検知処理に対応して、基準パターン、パリティチェックパターン、および所定数の情報パターン(静電容量コード、情報コード)を含むデータブロックの出力を所定回数繰り返せばよい。一方、S6Hの判定で、情報機器200からの応答受光があった場合には、情報機器110Lは、次の情報コードを出力するか否かを判定する(S68A)。そして、さらに次の情報コードを出力する場合には、処理をS60に戻す。
以上のように、装置110Lが同期パターンに同期して情報パターンを入力する場合には、所定回数、基準パターン、パリティパターンコード(必要な場合以外は省略してもよい)、および所定個数の情報パターンを繰り返し出力すればよい。
この処理では、まず、情報機器200では、パターンコード入力のためのアプリケーションプログラム(Gアプリケーションともいう)が起動される(S80)。そして、情報機器200は、パターンコードを検知したか否かを判定する(S81)。パターンコードを検知できない場合、情報機器200は、処理をS81に戻し、パターンコードの入力を待つ。
一方、S81でパターンコードを検知できた場合、情報機器200は、基準パターンを検知したか否かを判定する(S82)。情報機器200は、基準パターンを検知した場合、座標の向きを決定する(S83)。次に、情報機器200は、パリティチェックパターンを入力する(S84)。一方、S82の判定で、情報機器200は、基準パターン以外のパターンコードを検知した場合、情報機器200は、とりあえず、物理量変化が検知された座標値をメモリ等に保存する(S85)。基準パターン以外のパターンの場合、座標の向き、つまり、装置110Lの素子の配置を特定できるとは限らないからである。
そして、情報機器200は、1情報コード(つまり1静電容量コード)の取得が完了したか否かを判定する(S86)。1情報コードの取得が完了していない場合、処理をS87に進める。そして、機器200は、同期パターンコードの入力を待つ(S87)。同期パターンコードが入力されると(S88でYES)、情報機器200は、同期パターンコードに合わせて所定のタイミングで情報パターンの座標値を入力する(S89)。そして、情報機器200は、情報パターン入力時に検知した座標値をメモリ等に保存する(S8A)。そして、情報機器200は、処理をS86に戻す。 以上のように、装置110Lが同期パターンに同期して情報パターンを入力する場合には、情報機器200側では、、装置110Lと連携するアプリケーションプログラム(Gアプリケーション等)を起動して、パターンコードの入力を待てばよい。この場合に、必ずしも、基準パターンが取得できなくても、基準パターン、パリティパターンコード(必要な場合以外は省略してもよい)、および所定個数の情報パターンのいずれかを順に取り込めばよい。そして、複数回のデータブロックの入力で、基準パターン、パリティパターンコード(必要な場合)、および所定個数の情報パターンが揃った時点で、情報機器200は、所定個数の情報パターンの座標値から情報パターンを特定すればよい。したがって、情報機器200は、基準パターン、パリティパターンコード(必要な場合)、および所定個数の情報パターンの順にパターンコードを入力する場合と比較して、高速処理が可能である。
一方、S86の判定で、1情報コードの取得が完了した場合,情報機器200は,メモリ等に保存してある座標値からパターンコードを決定する(S8B)。そして、情報機器200は、パリティチェック等を行い、応答信号の光コードを装置110Lに発光する(S8C)。そして、情報機器200は、処理を終了するか否かを判定する(S8D)。処理を終了しない場合、情報機器200は、処理をS81に戻し、次の情報コード取得処理に入る。
そして、情報機器200が装置110Lから座標送信要求を検知すると(S101でYES)、情報機器200は、座標送信要求が検知されたときのパターンコードの各素子111の座標を取得する(S102)。そして、情報機器200は、光コードを発光することで、取得した座標を装置110Lに送信する(S103)。次に、情報機器200は、処理を終了するか否かを判定する(S104)。例えば、利用者が本処理を実行するアプリケーションの終了を指示した場合には、情報機器200は処理を終了する。また、装置110Lからの情報コード出力で、情報機器200に処理を終了させてもよい。
次に、装置110Lは、座標値に応じた処理を実行する(S112)。例えば、装置110Lは、情報機器200のディスプレイ上で座標値の位置にあるアイコンに応じたアプリケーションを実行する。例えば、アイコンが装置110Lからの情報取得要求を意味するアイコンの場合には、装置110Lは、メモリ117等から要求された情報を取得し、情報機器200にパターンコードのフォーマットにしたがって出力する。そして、装置110Lは、処理を終了するか否かを判定する(S113)。例えば、座標値が終了を意味するアイコンに包含される座標である場合には、装置110Lは、処理を終了する。ここで、装置110Lのフォトダイオードが光コードによる情報機器200上の位置情報を認識することにより、装置110Lが情報機器200上のどの位置、どの方向で載置されたかを認識できる。これにより、装置110Lは、その位置、方向に対応する操作・処理を情報コードで出力することができる。さらに、その位置、方向の情報を装置110Lに記憶(ログに記録)することができる。情報機器200上に表示された地図やゲーム画面に装置110Lを載置すると、図示しないが、その位置、方向から計算される装置110Lの一部であるポインター(矢印や突起等)の座標値により、ユーザがどの位置を指示したかが認識でき、その位置に対応する操作・処理を情報コードで出力することができる。このポインターにより、ユーザがどこを指示しているかを視認し易くできる。
図163および図164により、装置110Lが出力する物理量の出力値を情報機器200との間で調整する処理を例示する。この処理は、装置110LのCPU116が調整プログラムを起動することによって実行される。この処理では、装置110LのCPU116は、SW115のON駆動信号およびOFF駆動信号を所定の範囲で走査し、素子111から物理量を出力し、情報機器200から物理量の検知結果を取得する。
装置110Lは、SW115のON駆動信号およびOFF駆動信号を所定値に設定する(S121)。ここで、SW115のON駆動信号とは、例えば、SW115に含まれるトランジスタをONにするためのゲート駆動信号である。SW115のOFF駆動信号とは、例えば、SW115に含まれるトランジスタをOFFにするためのゲート駆動信号である。
そして、装置110Lは、SW115を上記ON駆動信号およびOFF駆動信号で駆動して試験パターンのパターンコードを情報機器200のタッチパネルに出力する。そして、SW115のON駆動信号およびOFF駆動信号を所定範囲で走査して、処理を繰り返す(S122)。そして、所定範囲の走査が終了すると、装置110Lは、情報機器200から、上記操作範囲のうち、適正なON駆動信号振幅およびOFF駆動信号振幅を取得し、SW115のON駆動信号およびOFF駆動信号に設定する(S123)。S123の処理は、物理量の変化の調整を、前記半導体スイッチを導通状態にする駆動信号の信号振幅と、前記半導体スイッチを遮断状態にする駆動信号の信号振幅によって実施する処理例の1つである。
以上の手順によれば、装置110Lは、SW115のON駆動信号およびOFF駆動信号を適正値に設定できる。SW115のON駆動信号を適正値に設定することで、装置110Lは、SW115を確実にONにできる。一方、SW115のOFF駆動信号を適正値に設定することで、例えば、SW115に含まれるダイオード、トランジスタ等の空乏層の形成に伴う、接合容量の影響を軽減できる。
また、例えば、情報機器200のタッチパネルが交流信号によって装置110Lの素子111との間の静電容量、あるいは、素子111からの電界強度を検知する場合、SW115の接合容量を無視できない場合がある。例えば、SW115がOFFであるにも拘わらず、SW115の接合容量(寄生容量、浮遊容量ともいう)により、交流信号がSW115を流れる場合が想定される。上記図163および図164の処理によって、SW115の接合容量の影響が軽減され、情報機器200は、良好に装置110Lからの物理量または物理量変化を検知できるようになる。
図165に実施形態22に係る装置110Mのタッチパネルに接触する裏面の構成を例示する図である。なお、本実施形態で説明する装置110Mの構成は、上記実施形形態0のコード発生装置1、実施形態1から実施形態9、実施形態20、および実施形態21の装置110から110L(以下単に装置110等)に適用してもよい。また、上記実施形形態0のコード発生装置1、実施形態1から実施形態9、実施形態20、および実施形態21の装置110から110L(以下単に装置110等)の構成を本実施形態の装置110Lに適用してもよい。
実施形態22の装置110Mは、タッチパネルに接触する円形状の裏面を有する。図のように、装置110Mは、裏面の中央付近に情報読取部11を有する。また、装置110Mは、情報読取部11の周囲に、円形状に配置された6個のフォトダイオードWPDを有する。さらに、装置110Mは、6個のフォトダイオードWPDの周囲に円形状に配置された素子111を有する。
図165の構成とすることで、円形状の裏面内で、素子111間の距離を可能な限り確保できる。そのため、情報機器200のタッチパネルが複数の素子111から静電容量、電界強度等の物理量を検知する際、素子111と素子111との相互作用による影響を軽減できる。素子111と素子111との相互作用により、例えば、1つの素子111がONになった場合に、隣接するOFFの状態の素子111によって、ONの状態の素子111からの物理量、例えば、静電容量あるいは電界強度が大きく検知される場合がある。素子111間の距離を装置110Mの底面内で可能な限り確保することで素子111間の相互作用による影響を低減できる。
図167から図181により実施形態23に係る装置110Nについて説明する。本実施形態では、装置110Nの形状、構造、外観等の一例を説明する。なお、本実施形態で説明する装置110Nの構成は、上記実施形形態0のコード発生装置1、実施形態1から実施形態9、実施形態20から実施形態22の装置110から110M(以下単に装置110等)に適用してもよい。また、上記実施形形態0のコード発生装置1、実施形態1から実施形態9、実施形態20から実施形態22の装置110等の構成を本実施形態の装置110Nに適用してもよい。
実施形態23では、装置110Nは、カード型、つまり平板型の基材を用いて形成される。ただし、装置110Nがカード型に限定される訳ではなく、実施形態0のコード発生装置1のような筐体を有するものでもよいし、箱形等であってもよい。また、装置110Nが様々なキャラクター商品の一部に形成されてもよい。以下、カード型または平板型の筐体を例に説明する。ここで、筐体とは、一般には機器を納める箱をいうが、以下の実施形態23では、カードの基材の内部に電子部品、配線等が封入され、閉じ込められた場合、カードの基材と基材の間に挟み込まれた場合、あるいは、カードの基材に形成された凹部に取り付けられている場合も、カードの基材を筐体という。なお、筐体は、実施形態0のコード発生装置1の外形構造等であってもよい。
なお、コーティング材料が誘電率の高い非導電材料であれば、素子の表面にコーティングしてもよい。その際は、素子を目隠しするための印刷または有色のコーティングとする。また、コーティング層を2層構造とし、下地のコーティング層に印刷を行い、その上に印刷を被覆する透明のコーティング層を形成してもよい。コーティング層の材質に制限はなく、人体に無害で耐久性のある材料が望ましい。ただし、コーティング層は必須ではなく、露出したカード基材等の筐体表面に対して印刷を行ってもよい。コーティング材は、少なくとも光電変換素子配列112およびフォトダイオードWPDが設けられる部分は透明材料である。ただし、情報機器200の裏面を被覆するコーティング材全体が透明であってもよい。印刷がなされる場合には、光電変換素子配列112およびフォトダイオードWPDが設けられる部分以外の部分に印刷がなされる。なお、少なくともRGBのいずれかの光が透過するインクを用いればフォトダイオードWPDが設けられる部分に印刷しても構わない。
図167で点線は装置110Nの内部の構成を例示する。装置110Nの内部には、制御部が設けられ、素子111、フォトダイオードWPD、光電変換素子配列112等は制御部と配線で接続される。制御部には、例えば、図137のCPU116、メモリ117、コンデンサ123、コンパレータ118、図138のバッファ182、排他論理和回路181、出力バッファ183A、183B、駆動回路180、セレクタ184等が設けられる。
図167では、省略されているが、光電変換素子配列112とコーティング層との間に、コーティング層を支持する光が透過可能な支持構造M1(図170参照)が形成されている。また、フォトダイオードWPDは基材内部に設けられ、装置110Nの裏面の透明なコーティング材で被覆された開口から光がフォトダイオードWPDに入射する。薄型のカードでない他の形態では、装置110Nの裏面の光が入射する開口部分は、コーティングをしないで、開口したままにしておいてもよい。
図168のように、素子111を含む断面部分で、表面側のコーティング層の下または内側には、導電層114Aが設けられる。導電層114Aは、実施形態1等の接触導体114と同様の構造である。導電層114Aは、板状またはシート状の導電材料で形成されるが、導電インクで、印刷して形成してもよい。。コーティング層を設けないで、導電層114Aが装置110Nの表面に露出するようにしてもよい。
装置110Nには、筐体内部に素子111と同数のSW115が設けられる。なお、図168では、素子111−1、11−2、SW115−1、SW115−2が例示されている。導電層114Aと、SW115と、素子111とは配線で接続される。つまり、それぞれの素子111は、1以上の物理量制御部であるSW115を介して導電層114Aと導電路(配線)で接続されている。
したがって、利用者の人体の一部、例えば指が装置110Nの導電層114Aにコーティング層を通してタッチ操作すると、通電制御(ON)されたSW115および素子111を介して、静電容量、あるいは電界強度等の物理量の変化が装置110Nの裏面に生じる。情報機器200は、タッチパネルを介して装置110N裏面の物理量の変化を検知し、素子111の存在を検知する。したがって、利用者は、装置110Nの表面で導電層114Aが設けられる部分のどこをタッチ操作しても、タッチ操作による効果を情報機器200のタッチパネルに伝達できる。タッチ操作は、利用者の指で行ってもよいし、利用者が導体を手に保持し、導体によって行ってもよい。この意味で、装置110Nの筐体の裏面は、相手装置に作用させるための作用面の一例ということができる。
なお、表面のコーティング層は、導電性を有することが望ましいが、導電性が低い場合であっても、誘電率がある程度高い場合には、利用者のタッチ操作により、装置110N裏面に上記物理量の変化が生じる。ただし、上述で説明したように、コーティング層はなくてもよい。
上述のように、装置110N裏面側の凹部のうち、素子111、フォトダイオードWPDを含む領域には、充填材料M2が充填された層が形成されている。充填材料M2の層は、装置110Nのうち、素子111の周辺を含む部分で、導電層114A、素子111、SW115、コーティング層を除く基材の中空部分に非導電性(つまり、絶縁性)で、かつ、低誘電率の充填材料を充填して形成される層である。充填材料M2は、例えば、空隙を多数含むハニカム構造、空気を閉じ込めたナノカプセルを例示できる。このような充填材料M2は、空気を多く含むので、導電率および誘電率を極めて低く、例えば、空気に近い程度となるものもある。充填材料M2は、基材の中空部分に充填され、耐力面材を形成する。
このような充填材料の商品例として、帝人株式会社製のエアロカプセル(登録商標)を例示できる。エアロカプセル(登録商標)は、高中空構造糸とも呼ばれ、糸の中に大きな空洞を作り、繊維そのものの中に大量の空気を封じ込めたものである。高中空構造糸は、中空率を極限にまで高め、大量の空気を含む。ただし、充填材料M2がエアロカプセル(登録商標)、あるいは高中空構造糸に限定される訳ではない。充填材料M2は、装置110Nの厚さに大きく起因するもであり、一定の厚さ(2〜3mm程度)以上であれば、誘電率の比較的低い非導電体を使用すればよい。
ただし、充填材料M2がナノカプセルあるいは高中空構造糸に限定される訳ではない。誘電率が空気に近い2未満の材料として、いわゆるlow−k膜を例示できる。例えば、文献ULVAC TECHNICAL JOURNAL No.66 2007 pp.8−12)に例示されているように、様々な多孔質物質、例えば、多孔質シリカ材をベースにした物質で非誘電率が2未満の物質が提案されている。
充填材料M2により、装置110Nの表面および裏面を支持するとともに、利用者の指等の存在よる情報機器200のタッチパネルの物理量検出への影響を低減できる。つまり、SW115のONとOFFによって素子111に生じる物理量の変化を情報機器200が検知するときに、利用者の指等の影響がSW115のONとOFFによる物理量の変化に重畳されることがある。これは、利用者の指等が装置11Nに接触することによる物理量の変動が原因と推定される。また、装置110Nの電気回路と情報機器200の電気回路とが相互に作用し、カップリングすることによる物理量の変動がSW115のONとOFFによって素子111に生じる物理量の変化に重畳すると推定される。基材に凹部を設け、基材を中空にすることによって、筐体裏面側から筐体表面側の導電層114、あるいは筐体内部に配置されるSW115、配線層、制御部等までに空気層を形成できる。経験的には、空気層が0.1〜0.2程度あれば、人体、あるいは、装置110Nの電気回路等と情報機器200との間の相互作用を無視出来る程度まで小さくできることが分かっている。つまり、基材に凹部あるいは空洞を設けることで、上記物理量の変動の影響等を低減できる。ただし、裏面側には、素子111を配置する作用面を形成することが望まれる。そこで、実施形態23では、カードの基材凹部に、低誘電率項絶縁性の充填材料M2が充填される。なお、充填材料M2としては、上記物理量の変動を抑制できる材料であればどのような材料でもよい。充填材料M2は、低誘電率絶縁材料の一例である。また、充填材料M2の層は支持層の一例である。
充填材料M2の充填により、SW115は、情報機器200のタッチパネル表面から所定以上の距離を維持し、かつ、SW115とタッチパネル表面との相互作用を抑止できる。SW115と情報機器200のタッチパネル表面との望ましい距離については、[静電容量の限界値]の節で説明する。なお、充填材料M2の層は露出してもよいが、コーティング材料で被覆されてもよい。したがって、充填材料M2の層の裏面側は、低誘電率絶縁材料が充填された支持層が露出またはコーティング材料によってコーティングされて作用面を形成している例といえる。
SW115は、導電層114Aに固定してもよいし、導電層から離間させてもよい。SW115を導電層114Aから離間させる場合には、SW115と導電層114Aとの間に充填材料M2を充填してもよい。この場合には、図168のA断面において、装置110Nは、表面(上)側から、(コーティング材料)、導電層114A、充填材料M2、SW115、充填材料M2、(コーティング材料)、素子111の順で階層を形成する。
また、SW115と導電層114Aとの間に装置110Nの基材(カードの基材、または、電子回路が形成されていない基板等)を挟み込んでもよい。すなわち、図168のA断面において、装置110Nは、表面(上)側から、(コーティング材料)、導電層114A、カードの基材、SW115、充填材料M2、(コーティング材料)、素子111の順で階層を形成するようにしてもよい。いずれにしてもSW115とタッチパネルに接触する裏面との間には、充填材料M2の層が挟み込まれるので、1以上の物理量制御部であるSW115は、支持層を介した作用面から離間する層に設けられているといえる。
上述のように、図169の充填材料M2には、開口HL1が設けられるため、透明である必要はない。ただし、充填材料M2が透明である場合には、支持構造M1は、情報機器200が他のフォトダイオードWPD向けに発光した光が侵入しないように光を遮断する光隔壁で開口HL1を覆う必要がある。。
これにより、誘電率を低下させ、耐力面材として機能し、情報機器200からの発光エネルギーを低損失で受光できる構造となる。したがって、装置110Nの裏面がタッチパネルに接触または近接したときに、情報機器200のディスプレイからの光は、支持構造M1を透過し、光電変換素子配列112に入射し、電力を発生する。したがって、光電変換素子配列112は、支持構造M1を介した作用面(裏面)から離間する層において複数の開口から光を受光するといえる。
以上のように、光電変換素子配列112(ソーラパネルともいう)の裏面側には、光を透過可能で、かつ、裏面のコーティング材料を支持する支持構造M1(耐力面材の枠)が形成される。支持構造M1は、非導電体であり誘電率が低く、低損失で光を透過可能であれば、どのような構造でもよい。
平板型の筐体底面の上方に光電変換素子配列112を配置するのは、光電変換素子配列112に浮遊(寄生)する静電容量や、指で導電層をタッチした際の静電容量をタッチパネルが検出しないようにするためである。そのために光電変換素子配列112下方に空隙層を設け、光電変換素子配列112がタッチパネルから発光された光を無駄なく受光してエネルギーに変換できるようしている。
支持構造M1の形状は、断面が格子状に限定されず、三角形、五角形、六角形、あるいはそれ以上の多角形状であってもよい。図173は、支持構造M1としてハニカム構造と呼ばれる断面が六角形状の場合を例示する。ただし、図170の支持構造M1、あるいは図173のような断面が多角形の支持構造を設ける代わりに、タッチパネルが検知しない非導電層の誘電率の低い透明媒体を使用してもよい。
そこで、図171のように、素子111のタッチパネルに接触する面に導電性ゴム111Aの層を形成すると、素子111とタッチパネルとの密着性を向上でき、タッチパネルが素子111から検出する物理量の検出値の変動を抑制できる。導電性ゴム111Aは、金属製の素子111よりも硬度が低い。
導電性ゴム111Aの種類に限定はないが、導電性は素子111に近い方が望ましい。例えば、信越化学工業株式会社のウェブサイト(https://www.silicone.jp/contact/qa/qa123.shtml)によれば、「シリコーンゴムに混入する導体(導電性充填剤)としては、カーボンブラックの他に、銀粉末、金メッキされたシリカやグラファイト、導電性亜鉛華などさまざまあり」と記述されている。そして、「得られる体積抵抗値は、カーボン系の場合が1×10−2〜1×104(Ω・m)、銀系の場合はさらに低くなり1×10−7〜1×10−4(Ω・m)を実現でき」ると記載されている。したがって、素子111が金属材料であっても、望ましい導電性の導電性ゴム111Aを選択できる。なお、このような形態は薄型のカードではない、他の形態で使用するのが望ましい。素子111は金属層であると言えるので、導電性ゴム111Aは、金属層の作用面側を被覆する、金属層より硬度が低い導電材料層ということができる。
基板BD1には、光隔壁M3が基板BD1から下方(タッチパネルが接触される裏面方向)に立設されている。情報機器200が他のフォトダイオードWPD向けに発光した光が侵入しないように光を遮断する光隔壁M3で開口HL1を覆う必要がある。さらに、光を集光するために下部が広がるテーパー状の開口を設けてもよい。光隔壁M3は、図172の「E断面」を通り、紙面に垂直な平面で切断した断面(以下、E断面)において格子状となる壁部であってもよい。したがって、光隔壁M3は、基板BD1とともに、フォトダイオードWPDの周囲に断面矩形状の内壁空間を形成する。この内壁空間は図172のように、タッチパネルに接触する側に開口を有する。
したがって、装置110Nがタッチパネルに接触されたとき、光隔壁M3によって、各フォトダイオードWPDには、各フォトダイオードWPDが収容された内壁空間直下の情報機器200のディスプレイの光が入射する。つまり、図135のように、情報機器200がディスプレイを光コード発光領域LE1からLE6に区切って光コードを発光した場合、光コード発光領域LE1からLE6それぞれからの光を、発光領域LE1からLE6それぞれに対応するフォトダイオードWPD1からWPD6に受光させることができる。一方、光隔壁M3によって、各フォトダイオードWPDが収容された内壁空間直下以外の発光領域からの光コードが各フォトダイオードWPDに受光されるのを抑止できる。
また、光隔壁M3の間隔および厚みを適切に選択することで、光隔壁M3が装置110N裏面のコーティングを支持できる。ただし、光隔壁M3と図168から図171で用いた充填材料M2を併用してもよい。
底面の印刷層および/またはコーティング層は透明が望ましいが、フォトダイオードWPDが検知する光を透過させる印刷であればよい。なお、フォトダイオードWPDは白色を検知するものには限定されず、所定の光を検知すればよい。
図169、図172のように、底面(タッチパネルとの接触面)より上方にフォトダイオードWPDを配置するのは、フォトダイオードWPDおよびフォトダイオードWPDに接続される導電体がタッチパネル等の情報機器200の電気回路と相互作用を生じるのを抑制するためである。
例えば、このような構造により、フォトダイオードWPDおよび導電体等とタッチパネルとのカップリングが抑制される。また、このような構造により、SW115等の電子部品に浮遊(寄生)する静電容量、指で導電層をタッチした際の静電容量をタッチパネルが検出することを低減できる。さらに、光隔壁間は、光コードを検知できるように開口HL1(図169参照)を確保した上で、上述した空気層を含む非導電層を形成する充填材料M2で充填されるのが望ましい。また、充填材料M2の代わりに、タッチパネルが検知しない誘電率の低い、非導電性の透明媒体を使用してもよい。なお、フォトダイオードWPDの配置は、素子111の配置により、タッチパネルが認識できることから、限定はなく、どのような配置であってもよい。
一方、図175では、図171の導電性ゴム111Aに代えて、導電インク111Bによって形成された印刷層が形成されている。印刷層は、金属層の作用面側を被覆する、金属層より硬度が低い導電材料層ということができる。また、印刷層は、印刷加工物の一例である。
図174の導電性ゴム111Aの層、あるいは、導電インク111Bの層は、素子111と情報機器200のタッチパネルのとの間に空気層ができることを抑制し、密着性を向上させる。したがって、導電性ゴム111Aの層、あるいは、導電インク111Bの層により、タッチパネルは、SW115のONとOFFにしたがって発生する物理量、あるいは物理量の変化を安定して検知できるようになる。つまり、タッチパネルは、SW115がONの場合の素子111と導電性ゴム111Aの存在、あるいは素子111と導電インク111Bの存在を示す静電容量や電界強度を安定して検知できる。
以上述べたように、実施形態23の装置110Nは、基材のタッチパネル側に凹部を有し、空気層を介して、素子111以外の構成要素をタッチパネルから所定以上離間させることができる。その結果、実施形態23の装置110Nは、素子111以外の構成要素によるタッチパネルとの相互作用を抑制できる。したがって、SW115がONとOFFとを切り替えて、タッチパネルによって素子111から検知される物理量を変化させた場合に、SW115がタッチパネルその他の情報機器の電気回路、電子部品(以下、情報機器200等)と相互作用を起こすこと、CPU116等の制御部が情報機器200等と相互作用を起こすこと、光電変換素子112が情報機器200等と相互作用を起こすこと、導電層114Aに指等の人体を触れた利用者が情報機器200等と相互作用を起こすことを低減できる。
また、実施形態23では、平板型の筐体の基材のタッチパネル側の凹部に空気あるいは空隙を含む充填材料M2の層が形成される。充填材料M2は、低誘電率、高絶縁率の材料であり、上記相互作用を抑制しつつ、装置110Nの裏面に作用面を形成できる。また、充填材料M2は、裏面をコーティングするコーティング層を支持できる。
また、装置110Nは、SW111を制御部に格納することで、SW115とタッチパネルとの相互作用を低減できる。また、装置110Nは、光電変換素子配列112のタッチパネル側に支持構造M1を有するので、光電変換素子配列112への受光量を維持した上で、光電変換素子配列112とタッチパネルとの相互作用を抑制できる。
以上のように、実施形態23の装置110Nは、タッチパネルが素子111からの物理量変化によるパターンコード入力時に、誤検出を抑制できる。
以下、図176から図179を参照して、タッチパネルが検出する物理量として、静電容量を仮定した場合の限界値についての実験結果を説明する。この実験では、タッチパネルが検知する素子111の物理量の限界値(静電容量の限界値)を調査するための実験を行った。
また、コンデンサCとして、特性インピーダンスが50オームの同軸ケーブルを使用した。同軸ケーブルの寸法および実測から、同軸ケーブルの長さL(mm)ついて、心線とシールド材との間の静電容量は、L=0.29*L(pF)と算出できることが分かっている。ここで、アスタリスク(*)は乗算を示す記号である。以下、同軸ケーブルをシールド線ともいう。
また、素子111は、直径7mm、7.5mm、8mmの真鍮製円形材料を用いた。さらに、タッチパネルとしては、米国アップル社製の iphone(登録商標)5s、iphone(登録商標)6を用いた。
ここで、人体がコンデンサCの端子に接触しない場合に、コンデンサCの端子間の静電容量をCとする。また、素子の111の静電容量をC2とし、実験者の人体の静電容量をCmとすると,指がコンデンサCの端子に接触したときの合成容量1/CTOTAL=1/C+1/C2+Cmである。したがって、静電容量Cを変化させることで、タッチパネルが検知する合成容量の限界値を決定できる。また、人体の静電容量Cmを、静電容量Cおよび素子111を介してタッチパネルに検知させるための静電容量Cの限界値を特定できる。静電容量Cの限界値は、実施形態23で述べたようなSW115、フォトダイオードWPD、光電変換素子配列112、および制御部等(装置110Nの電気回路)と、情報機器200のタッチパネルとの相互作用を抑制するため、装置110Nの電気回路とタッチパネルとの間で設けるべき距離を決定する指針となる。また、静電容量Cの限界値は、SW115がOFFの時のSW115に含まれるトランジスタ等の半導体回路の接合容量の限界値を特定できる。
つまり、SW115、フォトダイオードWPD、光電変換素子配列112、制御部等の電気回路とタッチパネルとの間の静電容量がこの限界値未満にならないと、装置110Nの電気回路とタッチパネルとの間で相互作用が生じる可能性がある。また、SW115の接合容量がこの限界値未満にならないと、SW115をOFFにした場合でも、タッチパネルが交流信号で静電容量を検知する場合には、SW115がOFFとして機能しない場合が発生し、タッチパネルが素子111からの物理量出力OFF(SW115のOFF)を検知できない場合が生じる。
ところで、素子111がタッチパネルとの間で形成する静電容量C2は、以下の通りである。
ε:タッチパネルのセンサと導電体間の隙間(例えばタッチパネル表面のガラス)の比誘電率=7.5
d:隙間の距離(m)=0.2mm
S:導電体の面積(平方m)については、導電体もセンサも、直径8mmとする。
真空中の誘電率εo=8.854×10の−12乗から、
C2=6.64E−11×2×π×0.004m×0.004m/0.0002m=3.34E−10=33.4pFになる。
また、人体の静電容量は、Cm=100pFから150pFと報告されている(電子情報通信学会論文誌 B Vol.J84−B, no.10 pp.1841−1847 2001年10月)。
したがって、シールド線の静電容量Cと、素子111の静電容量と、人体の静電容量Cmの合成容量CTOTALとしては、素子111の静電容量C2、人体の静電容量Cmはほぼ無視できる。以上から、タッチパネルが検知できる限界の静電容量は、図177から図179のように、 1.6pFから2.2pF程度であると特定できる。
OFFの際、あるいは、相互作用を抑制するための安全係数として、1/2を採用すると、タッチパネルが静電容量を検知しないようにするためには、SW115遮断時の接合容量は0.8pF以下が望ましい。また、素子111以外の部分、つまり、SW115、フォトダイオードWPD、光電変換素子配列112、制御部等とタッチパネルとの間の相互作用を抑制するためには、素子111以外の部分とタッチパネル等の間の静電容量が0.8pF以下となる距離を保つことが望ましい。
さらに、安全係数として、1/3採用すると、タッチパネルが静電容量を検知しないようにするためには、SW115遮断時の接合容量は0.5pF以下が望ましい。また、素子111以外の部分、つまり、SW115、フォトダイオードWPD、光電変換素子配列112、制御部等とタッチパネルとの間の相互作用を抑制するためには、素子111以外の部分とタッチパネル等の間の静電容量が0.5pF以下となる距離を保つことが望ましい。
例えば、直径8mmの円形底面を有する部品Pが制御部に存在し、タッチパネルに浮遊容量Cfによる作用を及ぼす場合を想定する。部品Pとタッチパネルとの間の静電容量は、空気比誘電率を1と仮定して、Cf=εS/dで計算され、タッチパネルとの距離d=0.2mmで約0.45pFとなり、安全係数1/3の場合の静電容量の限界値を充足する。また、距離d=0.12mmで約0.75pFとなり、安全係数1/2の場合の静電容量の限界値を充足する。さらに、また、距離d=0.057mmで約1.58pFとなり、安全係数1の場合の静電容量の限界値を充足する。
一方、ONのときの安全係数を2とすると、タッチパネルが素子111の物理量として静電容量を検知するためには、ON時の静電容量は6.6pF以上が望ましい。この値は、SW115がONのときに、上記素子111の静電容量C2および人体の静電容量Cmによって十分に達成できる。
以下、図180から図181を参照して、SW115のON抵抗の限界値についての実験結果を説明する。図176は、実験治具の構成と実験手順を例示する。この実験では、素子111と、人体と間に種々の抵抗を挿入し、タッチパネルが素子111からの物理量変化をタッチ操作としてとして検知するか否かを調査した。このとき得られる抵抗値は、SW115のON抵抗の限界値ということができる。
一方、iphone(登録商標)6では、820キロオーム以下で検知可能であり、1000キロオーム以上で検知不可であった。以上から、iphone(登録商標)6での限界抵抗値は910キロオーム程度と特定でできる。
図182から図185を参照して実施形態27に係る装置110Pを説明する。実施形態24では、装置110Pが物理量変化によって出力するパターンコード(静電容量コード)と、そのパターンコードを検出する情報機器200の処理を例示する。本実施形態のパターンコードの出力および情報機器200によるパターンコードの読み取り方法は、上記実施形形態0のコード発生装置1、実施形態1から実施形態9、実施形態20から実施形態23の装置110から110N(以下単に装置110等)のパターンコードの出力およびその読み取りに適用できる。また、本実施形態に係る装置110Pの構成のうち、素子111の配置以外については明示しないが、上記各実施形態の装置110等の構成と同様である。そこで、必要に応じて、上記上記各実施形態の装置110等の構成を引用する。
したがって、例えば、図40、図47等に例示されるCPU116は、情報入力部、情報出力部の一例ということができ、SW115は物理量制御部の一例ということができる。また、図47に例示される光電変換素子配列112Aとコンパレータ118は、到来する光または電磁波によるエネルギーの到来量を検出する1または複数の検出部の一例ということができる。ただし、例えば、図135に例示される装置110Kを用いる場合には、フォトダイオードWPD1からWPD6が到来する光または電磁波によるエネルギーの到来量を検出する1または複数の検出部ということができる。
また、情報機器200のタッチパネル、あるいは、図5に例示したコード認識装置3のタッチパネル31は、パネルの一例ということができる。また、装置110Pから情報機器200に出力する物理量変化によるパターンが第1の情報の例であり、情報機器200がディスプレイから発光する光コードが第2の情報の例である。
図182は、装置110Pがタッチパネルに接触する裏面の素子111の構成と、素子111から出力されるパターンコードを例示する。本実施形態では、個々の素子111は、枝番を用いて、111−1から111−5で区別する。また、総称する場合には、素子111と呼ぶ。ただし、実施形態27において、素子111の数が5個に限定される訳ではない。装置110Pは6以上の素子を有してもよいし、4以下の素子を有してもよい。図では、111−1から111−5を例示する円のマークの中に番号1から5が付与されている。図の円の中に付与されている番号は素子番号である。素子番号は、素子を識別する番号であり、例えば、情報機器がタッチパネル上で素子の位置を認識すると、認識した素子を識別するために素子番号を付与する。
実施形態27では、各パターンコードに含まれる1つの情報パターンと次の情報パターンが区切りパターンで区分される。区切りパターンは、すべての素子111がOFFのパターンである。素子111がOFFとは、素子111と、例えば、図50で説明した接触導体114とを接続するSW115がOFFという意味である。
図182で、左上に素子111−1から素子111−5の配置が例示されている。ここでは、1つのパターンにおいて、素子111−1から素子111−5がそれぞれビット1からビット5に対応するものとする。ビット1は、ビット列の右端のビットであり、ビット5はビット列の左端のビットである。ここで、素子111−1から素子111−5からの物理量出力に対応するビットパターンをb5 b4 b3 b2 b1で表す。b1が素子111−1からの物理量出力に対応するビットであり、b5が素子111−5からの物理量出力に対応するビットである。図182では、左上に素子111−1から素子111−5の配置において、各素子がON(黒色)の場合と、OFF(白色)の場合の組み合わせのパターン(以下単にパターンという)に対するビットパターンが例示されている。各パターンが出力される時間軸上の位置(タイミング)を識別できるように、通し番号1から6が付されている。この通し番号は、各パターン識別する番号ということもできる。
通し番号のうち、1A、2A、3A、4A、5A、6Aは、それぞれ通し番号1から6の情報パターン(いずれかの素子ONで情報を伝達するパターン)出力後の区切りパターンを示す。1連のパターンを含むパターンコード(パターン列のブロック)に通し番号1A、2A、3A、4A、5A、6Aの区切りパターンを挿入することによって、1つのパターンと次のパターンとを明確に識別できる。また、例えば、ONの素子をOFFにしたときに、浮遊容量の影響でONの状態がある程度残留する場合でも、区切りパターンを設けることで、1つのパターンと次のパターンとを明確に識別できる。
図で通し番号0では、全OFFのパターンが例示されている。これは、装置110Pがまだ情報機器200に検知されていない状態を例示する。この例では、次に、装置110Pは全ONのパターンを出力し(通し番号1)、さらに区切りパターン出力(通し番号1A)を出力する。ここで、全ONのパターンは、実施形態27では基準パターンである。基準パターンはヘッダパターンとも呼ばれる。情報機器200は、基準パターンを検出することで、パターンコードに含まれる各パターンにおける素子の配置を認識できる。
図182では、装置110Pは、基準パターンの次に、パリティパターン(通し番号2)を出力し、さらに区切りパターン出力(通し番号2A)を出力する。以降、装置110Pは、情報パターンと区切りパターンの組を4組出力する。そして、装置110Pは、同一のパターンコードを再度繰り返し出力する。
実施形態27のパターンコードにおいて、情報を定義する情報パターンは、素子111−1から素子111−4の少なくとも1つがOFFの場合には、素子111−5をONとする。このようなパターンの構成により、情報パターンを全OFFの区切りパターンと区別できる。一方、素子111−1から素子111−4がONの場合には、装置110Pは素子111−5をOFFとする。このようなパターンの構成により、情報パターンを全ONのヘッダパターンと区別できる。
また、パリティパターン(通し番号2)で、素子111−1から素子111−4がすべてONとなる場合にも、装置110Pは、素子111−5をOFFとする。このようなパターンの構成により、パリティパターンを全ONのヘッダパターンと区別できる。
図182の各パターン中で、各素子111がONになる時間には時間遅れが生じる場合がある。そこで、情報機器200は、パターンの読み取り時、(1)全OFFを検知した後、いずれかの素子111がONになるか否かを監視する。(2)いずれかの素子111がONになると、全OFFになるまで、各素子がONになるか否かをそれぞれ監視する。(3)次の全OFFが検出されたとき、前の全OFF((1)の全OFF)から今回の全OFF((3)の全OFF)までの間に、どの素子111がONになったかを確認する。このような手順によって、各素子のONの時間にばらつきがあっても、情報機器200は、少なくとも1度ON状態になった素子111の組み合わせを認識し、情報パターンを特定できる。
以上のように、全OFFのパターンは情報を定義する情報パターンから除外される。全OFFのパターンは、少なくとも1つ素子111がONになることによってタッチパネルに検知されるため、少なくとも1つ素子111がONになるパターンに対する区切りパターンとしての役割を有するからである。
また、本実施形態では、全ONのパターンと、パリティパターンは情報を定義する情報パターンから除外される。全ONパターンは、パターンコード(すなわち、静電容量コード)を定義する所定数のパターンに1個含まれる。パターンコードを定義する所定数のパターンに基準パターンが1個含まれることで、情報機器は基準パターンの位置に素子番号を付与し、基準パターン以外の情報パターンを復号可能となる。したがって、基準パターンは、情報パターンとは区別された予約語しての特殊パターンの役割を有し、情報パターンには含めない。なお、基準パターンに以外に、様々役割を指定する予約語を所定数設け、情報パターンから除外してもよい。予約語としての特殊パターンには、基準パターンの他、割り込み処理を指定するパターンを設けてもよい。また、エラー発生等のステータスを通知するための予約語を設けてもよい。
なお、図186では、パリティパターンを例示したが、本実施形態では、タッチパネルが取得したパターンは光コードでディプレイから装置110Pに折り返され、正誤チェックがなされるため、装置110Pと情報機器200は、パリティチェックパターンを授受しないで、パリティチェックを省略してもよい。
図183(A)は、図182のパターンの組み合わせが定義する情報の構成を例示する。図182の情報パターン(1)から(4)を結合すると、16ビットのパターンコードが形成される。情報パターン(1)は、素子111−1と素子111−2がONのパターンで、ビットパターン0011表す。情報パターン(2)は、素子111−1、素子111−3、および素子111−4がONのパターンで、ビットパターン1101を表す。同様に、情報パターン(3)(4)はそれぞれ、ビットパターン1111、0000を表す。そこで、図182の物理量出力から、情報機器200は、図183(A)に例示する16ビットのパターンコードを復号できる。
図183(B)は、パリティパターンの設定を例示する。各素子111−1から111−4について、情報パターン(1)から(4)のビットを加算(排他的論理和)することで、パリティビットが計算できる。図183(B)の例では、情報パターン(1)から(4)の各ビットと、パリティビットを含む加算(排他的論理和)が0となる偶数パリティが例示されている。
図184は、図182に対応して、素子111から出力されるパターンにエラーがあった場合の信号授受の手順を例示する図である。本実施形態では、素子111から出力されるパターンは、情報機器200がディスプレイの発光により光コードで装置110Pに送り返す。そこで、図184では、図182で例示した素子111からのパターンに加えて光コードも例示されている。また、装置110Pの作用面を例示する記号110Pの矢印で指示された箇所にはフォトダイオードWPD1からWPD5の列(矩形内に1から5の数字が付与)が例示されている。
情報機器200は、素子111からの全OFFのパターンを認識すると、素子111から取得済みのONの位置の組み合わせからパターンを特定する。情報機器200は、パターンを特定すると、特定したパターンをビットパターンに変換し、直ちにディスプレイから光コードで送信する。図では、まず、情報機器200は、番し番号1のパターンを特定し、特定したパターンから変換された11111のビットパターンが光コードで送信されている。
次に、装置110Pは、通し番号2の情報パターン(1)(10001のビットパターンに相当)を送信し、情報機器200はそのパターン(1)を特定し、ビットパターン10001に変換し、光コードで送信する。さらに、装置110Pは、通し番号3の情報パターン(2)(10011のビットパターンに相当)を送信するが、情報機器200が特定した情報パターンは異なる情報パターン(ビットが欠落した10010に相当)である。情報機器200は、上記と同様に取得した情報パターンをビットパターンに変換し、装置110Pに送信する。すなわち、通し番号2で装置110Pから送信された情報パターン(2)と、情報機器200が折り返して送信した光コードとが食い違っている。
すると、装置110Pにおいて、情報パターン(2)の一部が欠落し、情報機器のディスプレイから送信されたビットパターンは10010であり、エラーであることが判明する。装置110Pは、同一の情報パターン(2)を再送するために、エラー再送パターンを出力する。エラー再送パターンおよび全ON、全OFFは、情報パターンでは使用しないパターン、すなわち、予約語であり、情報機器200は、エラーの発生を判別し、エラー訂正を実行できる。なお、エラー訂正後の情報パターンも、同様の手順にしたがって光コードで情報機器200から装置110Pに送信されるため、エラー訂正が正しかった否かも確認できる。
図185は送信されたパターンコードを例示する図である。上記図184の手順によって、20ビットのパターンコード10000 01111 10011 10001が送信される。但し、情報ターンの各5bit=32には、基準パターンである全ON(11111)、区切りパターン全OFF(00000)、エラー再送パターン(11110)が除かれるため、本実施形態のパターンコードで記述可能な情報量は(32−3)の4乗=707,281の数値となる。したがって、全20bitの情報=1,048,576の数値より、約30%低下する。しかしながら、例えば、5つの素子111の1つのビットにエラー等のフラグを割り当て、残り4ビットを情報パターンに使用する場合には、
4bit×4=16bit=65,536の数値である。したがって、基準パターン、区切りパターン、およびエラー再送パターンのような予約語を設ける本実施形態の通信方式では、フラグビットを設ける方式と比較して、大幅にデータを増加できる。
図186から図191は、装置110Pと情報機器200との間で図182に例示される全OFFの区切りパターンを含む物理量出力のパターンを授受する処理を例示する。図186は、情報機器200が装置110Pから出力されるパターンコードを取得する処理例である。この処理は物理量変化によるパターンを情報機器200のタッチパネルに入力する処理であるので、パネル入力処理を呼ぶ。この処理では、まず、情報機器200は検知イベントの取得処理を実行する(S140)。検知イベントとは、情報機器200のCPU(図5のコード認識装置のCPU51)がタッチパネルの制御回路を通じてタッチパネル上で物理量の変化を検知したことを示す情報である。ここで、物理量の変化とは、例えば、静電容量式タッチパネルの場合、タッチパネル上で相互静電容量等の静電容量が閾値未満から閾値を超える値に変化すること、あるいは、静電容量が閾値を超える値から閾値未満に変化することをいう。タッチパネルによって装置110Pの素子111から検出される静電容量が閾値未満の場合、素子111がOFFであるといい、素子111から検出される静電容量が閾値を越える値の場合、素子111がONであるという。実施形態1等で説明したように、素子111PのONとOFFは、SW115のONとOFFに対応する。
検知イベントの検出処理では、タッチパネルの全座標が走査され、OFFからON(またはONからOFF)に変化した座標が検出される。検知イベントで報告される情報は、タッチパネル上のOFFからONの変化、またはONからOFFの変化と、その変化が検出された位置座標である。ただし、タッチパネルの制御回路にアクセスするドライバプログラムの処理によっては、ONであったタッチパネル上の位置座標が複数隣接する場合に、1まとまりの領域としてタッチイベントが通知される場合がある。例えば、ONであったタッチパネル上の1まとまとりの位置座標群に代えて、1まとまとりの位置座標群が示す領域の中心座標とその領域の寸法(例えば、タッチパネルのX軸あるいはY軸方向での領域の長さ)等が通知される。
図187に、検知イベントの取得処理(図186のS140)の詳細を例示する。この処理では、情報機器200は、タッチパネル上のいずれかの位置で、ON/OFFの変化があったか否かを判定する(S1401)。そして、タッチパネル上のいずれかの位置で、ON/OFFの変化があった場合、次に、情報機器200は、全OFFとなったか否かを判定する(S1402)。ここで、全OFFとは、タッチパネル上の各センサを走査した結果として、相互静電容量等の物理量が閾値を越える座標位置がない場合をいう。すなわち、全OFFの検知イベントが取得される場合は、それまで、1箇所以上の位置でタッチパネル上のセンサがONであった状態から、すべてOFFに変化したこと示す。なお、装置110Pの作用面(すなわち、素子111の配置面)がタッチパネルに接触し、情報機器200が素子111の位置を認識している場合には、S140のタッチイベントの検出は、装置110Pの作用面が接触する範囲に限定してもよい。
S1402の判定で、検知イベントが全OFFでなかった場合、情報機器200は、前回の検知イベントが全ONであったかか否かを判定する(S1403)。全ONとは、装置110Pのすべての素子111の数に対応する位置でONが検知された場合をいう。なお、情報機器200は、装置110Pのすべての素子111の数に対応する位置でONが検知されると、全ONが検知されたと判定する。前回の検知イベントが全ONであった場合、情報機器200は、今回の検知イベントによる位置の配置(パターンという)をパリティパターンとして、素子バッファに記憶する(S1405)。素子バッファとは、検知イベントの結果を一時的に保持するメモリ117上のバッファであり、装置110Pの素子111の一組(図182の111−1から111−5等)の座標を保持する容量を有する。なお、情報機器200は、1つの素子111について、検出された領域の座標群を記憶してもよいし、中心座標と寸法を記憶してもよい。そして、情報機器200は、処理をS1401に戻す。
一方、S1403の判定で、前回イベントが全ONでない場合、情報機器200は、検知イベントで取得したONの位置(つまり、素子の位置)を素子バッファに記憶する。なお、上述のように、素子バッファのすべてに、ONの位置が記憶されると、情報機器200は全ONが検知されたことを認識する。情報機器200は、全ONの素子バッファの位置情報(つまり、パターン)を基準パターンとして記憶する。基準パターンは、基準パターン以外のパターンについて、座標を特定し、素子番号を付与するための情報として使用される。そして、情報機器200は、処理をS1401に戻す。また、S1402の判定で、検知イベントから全OFFが判定された場合、情報機器200は、検知イベント取得処理を終了する。
次に、図186に戻って説明を継続する。検知イベント取得処理(S140)の後、情報機器200は、素子バッファのパターンをメモリに転送し、素子バッファをクリアする(S141)。さらに、情報機器200は、今回のパターンを光コードで装置に送り返すとともに、次の物理量変化による次のパターン出力を指示する(S142)。例えば、情報機器200は、図142に例示したように、情報機器200は、同期用光コード発光を実行し、当該同期用光コードの発光直前に検知した物理量変化によるパターンコードが表す値(コード値ともいう)をそのまま装置110Pに送り返す。この同期用光コード発光によって、情報機器200は、装置110Pに次のパターン出力を指示するのである。S142の処理は、第1の情報として出力される毎に前記相手装置が取得した情報を含む前記光または電磁波によるエネルギーを応答することの一例といえる。また、S142の処理は、相手装置が前記パネルを介して1以上の素子がすべてOFFであるOFF状態を検知し、少なくとも該OFF状態を認識したことを示すOFF認識情報を第2の情報に含めて出力することの一例といえる。
次に、情報機器200は、パターンメモリに記憶したパターン数が情報パターン数+2に達したかを判定する(S143)。情報パターン数+2は、情報パターンと、基準パターンと、パリティパターンが記憶されたことを意味する。パターンメモリに記憶したパターン数が情報パターン数+2に達しない場合、情報機器200は、処理をS140に戻す。
S143の判定で、パターンメモリに記憶したパターン数が情報パターン数+2に達した場合、情報機器200は、パターンメモリに記憶した所定数の一連のパターンでパリティチェックを実行する(S144)。ここでは、情報機器200はパターンメモリ上の記憶順からパリティパターンを特定する。すなわち、情報機器は、パターンメモリ上の基準パターンの次に記憶されているパターンをパリティパターンとする。なお、情報機器200は、パターンメモリ上記憶されている一連のパターンの最後が基準パターンの場合、最初のパターンはパリティチェックパターンであると判定する。そして、情報機器200は、基準パターンおよびパリティパターンを除く、パターンメモリ上の所定数の情報パターンの各素子について排他的論理和を実行し、パリティパターンと比較する。
S144のパリティチェックでパリティエラー(NG)の場合、情報機器200は、パリティチェック対象の情報パターンをパターンメモリから消去し、エラーを装置110Pに通知する(S145)。なお、S142で説明したように、実施形態27において、情報機器200は、同期用光コード発光を実行し、当該同期用光コードの発光直前に検知した物理量変化によるパターンが表す値(コード値ともいう)をそのまま装置110Pに送り返すので、パターン単位でのエラーチェックが実行されている。すなわち、送り返された同期用光コードに含まれるコード値と、装置110Pがその直前に出力したパターンとで不一致があると、エラービット付きで、装置110Pがパターンを再出力する(図142参照)。したがって、S144およびS145のパリティチェックは省略してもよい。
一方、S144のパリティチェックがOKの場合、情報機器200は、基準パターンを基にパターンメモリ上の各パターンの素子の位置に素子番号を割り付ける(S146)。基準パターンが上下左右に非対称なパターンの場合、情報機器200は、基準パターンの向きは決定することができ、基準パターン上の装置110Pの各素子に対応する位置に素子番号を付与する。より具体的には、情報機器200は、各素子の座標と素子番号とを対応づける。そして、情報機器200はパターンメモリの素子の位置情報を基に素子番号を付与してパターンを特定する。そして、情報機器200は、パターンコード(静電容量コード)を取得し、取得完了を装置110Pに通知する(S147)。
図188は、パリティチェックを行わないパネル入力処理を例示するフローチャートである。この処理で、S140からS142の処理は図186と同一のであるので、その説明を省略する。この処理では、情報機器200は、記憶したパターン数が情報パターン数+1に達したか否かを判定する(S143A)。情報パターン数+1とは、情報パターン数に加えて、基準パターンを取得した場合のパターン数である。記憶したパターン数が情報パターン数+1に達していない場合、情報機器200は、S140の処理に戻り、検知イベント取得処理を実行する。
一方、記憶したパターン数が情報パターン数+1に達した場合、情報機器200は、基準パターンを基に素子の位置に素子番号を割り付ける(S146)。そして、情報機器200は、素子バッファの素子の位置情報と基準パターンの素子番号を基に静電容量コードを取得する(S148)。そして、情報機器200は、パターンコード(静電容量コード)の取得完了を装置110Pに通知する(S148)。
図189は、装置110Pの物理量の変化によるパターン出力処理を例示するフローチャートである。この処理では、装置110Pは、最初のパターンを出力し、その後全OFFパターンを出力する(S170)。そして、装置110Pは次のパターンの出力指示を待つ(S171)。次のパターンの出力指示がなかった場合、装置110Pは次のパターンの出力指示に代わって完了コードを受信したか否かを判定する(S178)。装置110Pは、完了コードを受信した場合には、パターン出力を終了する。一方、S171、S178の判定で、次のパターンの出力指示がなく、完了コードも受信していない場合、装置110Pは、S171の処理に戻る。
一方、S171の判定で、次のパターン出力指示があると、装置110Pは、次のパターン出力指示とともに光コードで送付される折り返しパターンを取得する(S172)。本実施形態では、情報機器200は、全OFFパターンを検知すると、装置110Pに対して、次のパターンの出力指示を光コードで送信する。また、次のパターンの出力指示には、前回装置110Pから素子111の物理量の変化によって情報機器200に出力されたパターンが折り返されている。このパターンを折り返しパターンと呼ぶ。
S171,S172で装置110Pが折り返しパターンを取得することは、情報入力部は前記応答されたエネルギーから応答情報を取得することの一例といえる。また、次のパターンの出力指示と折り返しパターンは、応答情報の一例といえる。また、次のパターンの出力指示と折り返しパターンは、OFF認識情報ということができる。
そして、装置110Pは送付済みパターンと送り返しパターンを比較する(S173)。送付済みパターンとは、装置110Pが折り返しパターン受信まで保持している、前回送信済みのパターンである。送付済みパターンと送り返しパターンとが一致した場合(S174でYES)、装置110Pは次のパターンを出力する(S176)。
一方、送付済みパターンと送り返しパターンとが一致しない場合(S174でNO)、装置110Pは送付済みパターンを再出力する(S175)。S173の処理は正誤判定の一例といえる。また、S175の処理は、該当する所定量の情報を再出力することの一例ということができる。また、S175、S176の処理は、該OFF認識情報を入力後に、情報出力部は、該OFF認識情報を同期信号として次の物理量の変化により前記ON状態を生じさせることの一例といえる。S175、S176のパターンの出力後、装置110Pは、全OFFのパターンを出力する(S177)。そして、装置110Pは、処理をS191に戻す。
S175からS177の処理は、装置110Pが第1の時点において前記1以上の素子の少なくとも1つをON状態とし、前記第1の時点以降の第2の時点において前記1以上の素子をすべてOFF状態とする処理の一例ということができる。また、本実施形態で、装置110Pが素子111からタッチパネルに検知させる物理量の変化は、パネルによって検知されるON状態と前記素子からの物理量が前記パネルによって検知されないOFF状態とを生じさせる変化の一例ということができる。
図190は、パネル入力処理の変形を例示する。図では、パターンコードを検出する情報機器200は、全ONの基準パターンを検出することで、パターンコードの出力開始を認識する。図189の処理では、まず、情報機器200は全ONパターンを検知することで開始する(S150)。なお、全ON検知前、情報機器200は、装置110の存在が認識できていない状態と考えることができる。
情報機器200は、全ONを検知すると、素子111の配置を特定する(S151)。そして、情報機器200は、素子111が全OFFとなるまで待つ(S152)。情報機器200は、全OFFを検知すると(S152でYES)、1以上の素子がONとなるまで待つ(S153)。1以上の素子がONとなる前に、所定時間が経過し、タイムアウトが発生すると(S154でYES)、情報機器200は、処理を終了する。
S153の判定で少なくとも1つの素子111がONになると(S153でYES)、情報機器200は、ONの素子111の識別、すなわち、素子111−1から111−5のいずれであるかを記憶する(S155)。そして、情報機器200は、素子111が全OFFを検知した否かを判定する(S156)。情報機器200は、全OFFを検知できない場合、処理をS155に戻し、ONの素子を記憶する。このようにして、情報機器200は、全OFFが検出されまで、どの素子111がONになるかを記憶する。
S156の判定で、全OFFが検知されると(S156でYES)、情報機器200は、1回の出力パターンを特定し、保存する。すなわち、S155の処理で検知されたONの素子111をビット1とし、ONとならなかった素子をビット0とするビットパターン4ビットを保存する(S157)。なお、実施形態27において、素子111の数が5に限定される訳ではないので、1回のパターンの出力によるビット数が4ビットに限定される訳ではない。
次に、情報機器200は誤りチェック用の光コード、つまり、S157で保存したビットパターンに相当する光コードを装置110のフォトダイオードWPD1からWPD5に発光する(S158)。フォトダイオードWPFD1からWPD5の配置位置は、例えば、図69等のように素子111の近傍であってもよいし、図167のような配置位置でもよい。S158によって、S157で保存したビットパターンに相当する光コードを装置110Pが受光すると、装置110Pは素子111から出力したパターンと、フォトダイオードWPFD1からWPD5から受光した光コードが合致するか否かを判定する。装置110Pがエラーを検知すると、素子111からパターンを再出力する。装置110Pがパターンを再出力する手順は、例えば、図153、図154、図155、図156に例示したものと同様である。すなわち、装置110Pは、出力済みのパターンコードを一定期間保持しておき、情報機器200から送り返された光コードと出力済みのパターンコードとの間に不一致があった場合には、例えば、エラーが検知されたパターンコードのインデックスを出力し、さらにエラーが検知されたパターンコードを出力すればよい。即ち、S158の光コード出力によって、装置110Pでエラーが検知された場合のエラー訂正手順は実施形態20と同様である。
次に、情報機器200は、所定数のパターン、つまり、情報パターン数+1個のパターンが保存された否かを判定する(S159)。すなわち、情報パターン数+1個のパターンは1通りのパターンコードの入力が終了したことを意味する。そこで、情報機器200は、1連のパターンコード(静電容量コード)を特定し、保存する(S160)。この保存したパターンコードには、図182のパリティパターンに対応するビットパターンと、情報パターン(1)から(4)に対応するビットパターンが含まれる。パリティチェックは、図190の処理を実行するプログラムよりも上位のプログラムがチェックすればよい。なお、S158の処理によって、1回のパターン入力ごとに誤りチェックが実行されるので、パリティチェックは実施しなくてもよい。また、図190に例示するように、S160の処理の後に、パリティチェックを実行してもよい。そして、情報機器200は、処理をS153に戻し、次のパターンコードを検知する。
なお、図190では、パターンコードは全ONのヘッダパターン(通し番号1)から開始する。しかし、情報機器200は、必ずしも、ヘッダパターンの検知から処理を開始しなくてもよい。情報機器200は、パリティパターン、情報パターン(1)から(4)を記憶後、最後にヘッダパターンを検知したときに、一連のパターンコードの検出が終了したことを認識してもよい。また、例えば,情報機器200は、まず、情報パターン(1)から(4)を認識し、次にヘッダパターンを認識してもよい。この場合に、情報機器200は、ヘッダパターンの次にパリティパターンの入力があるものして、次のパターンを検知すればよい。
同様に、情報機器200は、例えば、まず、情報パターン(2)から(4)を認識し、次にヘッダパターンを認識してもよい。この場合に、情報機器200は、ヘッダパターンの次にパリティパターンと、情報パターン(1)の入力があるものして、以降のパターンを検知すればよい。情報機器200が情報パターン(3)あるいは(4)を最初に認識する場合も同様である。
図191は、情報機器200と装置110Pとの間の通信処理の変形例を示すフローチャートである。この処理では、装置110からの出力指示にしたがって、情報機器200が光コードを発光し、装置110に受光させる。また、折り返しコードによるエラーチェックを情報機器200が実行する。図191の処理は光コード出力処理と呼ばれる。
この処理では、まず、情報機器200が光コードでトリガ信号を出力する(S190)。次に、情報機器200は、次の光コードの出力指示を待つ(S191)。次の光コードの出力指示がなかった場合、情報機器200は次の光コードの出力指示に代わって完了コードを受信したか否かを判定する(S198)。情報機器200は、完了コードを受信した場合には、光コード出力処理を終了する。一方、S191、S198の判定で、次の光コードの出力指示がなく、完了コードも受信していない場合、装置110Pは、S191の処理に戻る。
一方、S191の判定で、次の光コードの出力指示があると、装置110Pは、次の光コードの出力指示とともに送付される折り返しのパターンを取得する(S192)。本実施形態では、次のパターンの出力指示には、前回情報機器200から素子111Pに送信(発光)された光コードの情報が素子111によるパターンとして折り返されている。このパターンを折り返しパターンと呼ぶ。
そして、情報機器200は送付済み光コードと送り返しパターンを比較する(S193)。送付済み光コードとは、情報機器200が折り返しパターン受信まで保持している、前回送信済みの光コードである。送付済み光コードの情報と送り返しパターンの情報とが一致した場合、情報機器200は次の光コードを出力する(S196)。
一方、送付済み光コードと送り返しパターンとが一致しない場合、情報機器200は送付済み光コードを再出力する(S197)。そして、装置110Pは、処理をS191に戻す。
以上述べたように、本実施形態の装置110Pは、情報パターンと情報パターンとの間に全OFFのパターンを挿入するので、装置110Pからの物理量出力時、素子111がONになった後に、OFFになるまでの時間を要する場合、あるいは、素子111によって(あるいは各素子111に接続される各SW115によって)、OFFになるまでの時間にばらつきがある場合でも、情報パターンと情報パターンを区別して出力できる。また、実施形態27の手順によれば、情報機器200は、物理量変化によるパターン取得後、そのパターンで特定される情報を光コードで装置110Pに送り返し、装置110Pに正誤チェックを実行させ、エラーがある場合に、パターンを再出力させる。したがって、情報機器200と装置110Pは、素子111(素子111に接続されるSW115)からの物理量変化によるパターンと光コードによって信頼性の高いを通信を実現できる。
図192から図196により、実施形態25に係る装置110Qの処理を説明する。本実施形態では、装置110Qが素子111からの物理量の出力レベル(静電容量の大きさ、電界強度)または情報機器200物理量の出力レベルを判定する閾値を調整する処理を説明する。なお、本実施形態の装置110Qの構成および処理手順は、上記実施形態0のコード発生装置1、実施形態1から実施形態9、実施形態20から実施形態23、実施形態24の装置110から110N、110P(以下単に装置110等)のパターンコードの出力およびその読み取りに適用できる。
上記実施形態1の装置110等では、接触導体114に接触する人の静電容量と素子111の静電容量と、素子111から接触導体114に接触する人に至る系の浮遊容量と含む合成容量に依存して、情報機器200のタッチパネルによって検知される素子111の面積(以下タッチ面積と呼ぶ)が変動する。本実施形態では、情報機器200のタッチパネルによって検出される素子111のタッチ面積を装置110Q側で調整するための構成及び処理を説明する。
素子111間の距離が十分に取れ、素子111の近傍に電気部品の配置がない場合は、直径7.5〜8mm前後の円形状の素子111によってタッチパネルに影響を与える領域(以下、反応領域)の面積、あるいは寸法(例えば、最大の長さ方向の寸法である最大長)は、大人の指でスマートフォン、あるいは、タブレット端末等のタッチパネルにタッチした際のタッチ領域の面積や最大長と概ね同一となる。
複数の素子111が互いに近傍(数百ミクロンから数ミリメートル程度)にある場合、素子111同士のカップリングにより、反応領域が大きくなる傾向がある。反応領域が大きい場合には、SW115をONした際のタッチパネルによる検出領域の寸法が大きすぎて、隣り合う2個の素子111によう反応領域が1個として認識されることがある。また、反応領域が大きすぎる場合に、タッチパネルによって検知される反応領域の中心座標値が本来の素子111の中心に対応する位置からずれる場合がある。このように、情報君200のタッチパネルが適正な反応領域を超える反応領域を検出した場合は、適正な反応領域になるように光コードにより、装置側に指示し、SW1や、SW1+SW2をONにして、反応領域が適正になるように制御する。
スマートフォンあるいはタブレット端末等のタッチパネルの性能や、保護シートの材料の誘電率や厚さの影響で、反応領域が小さくなり、認識しづらくなる場合がある。このように、情報機器200のタッチパネルによって検出された反応領域の寸法、面積等が適正な反応領域の寸法、面積等を下回る場合は、適正なの寸法、面積等になるように、情報機器200は光コードにより装置110Q側に指示する。
すなわち、本実施形態では、人が接触導体114(図40等)に接触した状態で、装置110Qの素子111をONとOFFとで切り替える。そして、装置200は、素子111がONのときのタッチ面積、すなわち、素子111からの物理量出力により、タッチパネルのタッチセンサがタッチ検出の閾値を超えた表面部分の寸法(例えば、タッチセンサのマトリックスの電極数数)を取得する。このとき、装置110Qは、SW115の順方向バイアス値をパラメータとして変更しつつ、素子111をONとOFFとで切り替える。そして、装置110は、最も適正な順方向バイアス値を決定する。
図192は装置110Qと、情報機器200の信号授受の関係を例示する図である。図のように、装置110Qは、SW115の順方向バイアス電圧(または電流)をDAC DA1によって調整可能である。また、CPU116は、DAC DA1から出力される順方向バイアス電圧(または電流)を指示する。CPU116の制御によって、DAC DA1からの電圧値(または電流値)を調整することで、SW 115の順方向バイアス時の抵抗を調整できる。例えば、SW 115が通常のダイオードである場合、例えば、ダイオードの電流電圧特定をマップ形式で、電流Iと電圧Vの関係を情報機器200のメモリ等に保持しておき、順方向バイアス電圧等の指示を光コードで情報機器から装置110Qに指示してもよい。
図192の例では、まず、ユーザは装置110Qの素子111のある作用面を情報機器200のタッチパネルに載置する。そして、情報機器200は、装置110Qに順方向バイアスの調整処理を実行することを指示する。そして、情報機器200からの光コードによる指示にしたがって、装置110QがSW115を所定の電圧値(例えば、0.7V)で順方向にバイアスを加える。所定の電圧値は、初期値であってもよいし、現在の設定値であってもよい。そして、SW115がONになったことに伴う素子111とタッチパネルとの相互静電容量(あるいは素子111からの電界強度)等の物理量の変化をタッチパネルが検知する。そして、タッチパネルは検知した物理量の変化にしたがって、素子111の影響が及ぶ範囲、つまり、タッチパネルに対するタッチ操作相当の物理量の変化が得られた領域の寸法、面積等を判定する。
得られた領域の寸法が適正値から許容差の範囲の場合、情報機器200は、OKを示す光コードを装置110Qに送る。また、領域の寸法が適正値に対して小さすぎる場合、情報機器200は、順方向バイアス電圧等の所定増分による増加を装置110Qに指示する。また、領域の寸法が適正値に対して大きすぎる場合、情報機器200は、順方向バイアス電圧等の所定増分による減少を装置110Qに指示する。装置110QのCPU116は、フォトダイオードを介して光コードによる指示を受光し、光コードによる指示を復号し、DAC DA1を制御し、順方向バイアスを調整する。
このようにして、情報機器200は、領域の寸法が適正値になるまで、指示と、タッチパネルでの上記領域の検出を繰り返す。そして、得られた領域の寸法が適正値から許容差の範囲になると、情報機器200は、OKを示す光コードを装置110Qに送る。装置110QのCPU116は、OKが通知されたときのDAC DA1の設定値を不揮発性のレジスタに保持し、以降の処理でDAC DA1の設定値として用いる。
以上の処理によって、タッチパネルに対するタッチ操作相当の物理量の変化が得られた領域の寸法、面積が適正値から許容差の範囲に近づくように調整される。したがって、CPU116とDAC DA1は、一例として、物理量制御部であるSW115を制御して1以上の素子111に生じる物理量の変化に伴うパネルへの作用の程度を調整しているといえる。
図193は、図192の変形例を示す図である。図192のように、装置110Qは、DAC DA1の代わりに、パルス発生器PG1を備えるようにしてもよい。パルス発生器PG1は、SW115(半導体スイッチ)の順方向電圧(または電流)を所定のディーティ比、かつ、所定の周波数のパルス信号で加える。例えば、装置110Qは、ディーティ比を1(100%)に近づけることで、順方向電圧(あるいは電流)を増加し、半導体スイッチの順方向抵抗を低下できる。また、装置110Qは、ディーティ比を1(100%)から低下させることで、順方向電圧(あるいは電流)を低下させ、半導体スイッチの順方向抵抗を増加できる。
したがって、図192の場合と同様、情報機器200は、装置110Qの素子の影響が及ぶ領域の寸法が適正値に対して小さすぎる場合、情報機器200は、パルス信号のデューティ比の所定増分による増加を装置110Qに指示する。また、領域の寸法が適正値に対して大きすぎる場合、情報機器200は、パルス信号のデューティ比の所定増分による減少を装置110Qに指示する。装置110QのCPU116は、フォトダイオードを介して光コードによる指示を受光し、光コードによる指示を復号し、パルス発生器PG1を制御し、デューティ比または周波数を調整する。このようにして、情報機器200は、領域の寸法が適正値になるまで、指示と、タッチパネルでの上記領域の検出を繰り返す。
なお、CPU116は、パルス信号のデューティ比を変更する代わりに、周波数を変更するようにしてもよい。周波数を変更することで、SW115が有するインピーダンスが変更される。したがって、上記図192の場合と同様、CPU116とパルス発生器PG1は、SW115のインピーダンスを変化させ、順方向電圧(あるいは電流)を調整できる。
以上の処理によって、タッチパネルに対するタッチ操作相当の物理量の変化が得られた領域の寸法、面積が適正値から許容差の範囲に近づくように調整される。したがって、CPU116とパルス発生器PG1は、一例として、物理量制御部であるSW115を制御して1以上の素子111に生じる物理量の変化に伴うパネルへの作用の程度を調整しているといえる。
図194(A)、図194(B)は図192、図193の変形例を示す図である。図194(A)は、素子111の平面図と、素子111の平面図中の各部と接触導体、および半導体スイッチSW1からSW4との接続を例示した図であり、図194(B)は、図194(A)の素子111を、P1矢印を含み紙面に垂直な平面で切断した断面図である。
図194(A)、図194(B)では、素子111は、中央金属膜の部分(導体1)と前記中央金属膜の部分を取り囲む1以上の環状金属膜の部分(導体2から導体4)を有する。そして、導体1から導体4は、スイッチSW1からSW4によって、接触導体114と接続可能となっている。したがって、CPU116は、スイッチSW1からSW4とともに調整部として作用し、中央金属膜の部分(導体1)と1以上の環状金属膜の部分(導体2から導体4)のうちのSW1からSW4によって接触導体114に導通される部分の数を調整する。装置200は、図192、203の場合と同様、初期状態または現在の設定値における素子111Aによる反応領域を取得し、反応領域の寸法、面積が適正値となるように、SW1からSW4をONにする組み合わせを決定する。ON信号となるスイッチの組み合わせは、例えば、SW1、SW1+SW2、SW1+SW2+SW3、あるいはSW1+SW2+SW3+SW4等である。
図192、図193の場合と同様、情報機器200は、装置110Qの素子の影響が及ぶ領域の寸法が適正値に対して小さすぎる場合、情報機器200は、ONにするスイッチSW1からSW4等の増加を光コードで装置110Qに指示する。また、領域の寸法が適正値に対して大きすぎる場合、情報機器200は、OFFにするスイッチSW1からSW4等の増加を光コードで装置110Qに指示する。装置110QのCPU116は、フォトダイオードを介して光コードによる指示を受光し、光コードによる指示を復号し、指示にしたがって、ONにするスイッチを増加あるいは削減する。このようにして、情報機器200は、領域の寸法が適正値になるまで、指示と、タッチパネルでの上記領域の検出を繰り返す。
以上の処理によって、タッチパネルに対するタッチ操作相当の物理量の変化が得られた領域の寸法、面積が適正値から許容差の範囲に近づくように調整される。したがって、CPU116は、一例として、物理量制御部であるSW1からSW4を制御して1以上の素子111に生じる物理量の変化に伴うパネルへの作用の程度を調整しているといえる。
なお、この例では、素子111Aは導体1から導体4に分割しているが、分割数が4に限定される分けではない。すなわち、導体の数が3以下でもよいし、5以上であってもよい。また、スイッチの数は導体の数応じて適宜設ければよい。また、図204において、導体1は円形であり、導体2から導体4は円環状であるが、これらの導体が円形あるいは円環状のものに限定される訳ではない。例えば、導体1が多角形であってもよいし、導体2から導体4が多角形環状パターンであってもよい。
この図194(A)、図194(B)の例では、直径6mm、7mm、8mm、9mmの導体を選択できるようにしているが、装置を製造する際には、導体間の距離や導体の材料、導体間がどのような非導電材料で充填されているか、導体の接面を保護する材料の誘電率、の導線の長さ等、様々な条件により、導体の直径やリング状の導体の数を決定すればよい。なお、リング状の導体間は、非導電体で誘電率の低い材料で充填しておくことが望ましい。これによって、通電していない場合のカップリングを極力低減できるからである。まあ、リング状の導体間に空隙を設けてもよい。導体を凸状にしてもよい。
図195は、実施形態208のキャリブレーションを実行する情報機器200の処理を例示するフローチャートである。この処理では、情報機器200は、装置110Qへキャリブレーション開始と順方向バイアス設定指示を光コードで送信する(S201)。次に、情報機器200は、装置110Qへパターン出力指示を送信する(S202)。装置110Qは、パターン出力指示にしたがって、初期値または現在値でSW115をONにする。このとき、装置110Qは、SW115を1つ1つONにしてもよいし、SW115を複数ONにしてもよい。次に、情報機器200は、反応領域の面積を取得する(S203)。
そして、情報機器200は、反応領域の面積が適正値から許容の範囲か否かを判定する(S204、S205)。S204、S205の判定で、反応領域の面積が大きすぎる場合、情報機器200は、装置110Qに減少設定を指示する(S206)。減少設定は、例えば、順方向バイアスの減少、デューティ比の低下、周波数の低下、図195でスイッチSW1からSW4のうち導通するものの削減等である。
一方、S204、S205の判定で、反応領域の面積が小さすぎる場合、情報機器200は、装置110Qに増加設定を指示する(S206)。増加設定は、例えば、順方向バイアスの増加、デューティ比の増加、周波数の増加、図195でスイッチSW1からSW4のうち導通するものの増加等である。
そして、S204の判定で、反応領域の面積が適正な場合、情報機器200は、装置110Qへ光コードで完了通知を送信する(S208)。装置110Qは、完了通知を受信すると、キャリブレーション処理による現在の設定を不揮発性のレジスタに保持し、以降の処理で使用する。
以上述べたように、本実施形態の情報機器200は、装置110Qの素子111の影響が及ぶタッチパネル上の反応領域が適正値となるとように、装置110Qを設定できる。装置110Qは、情報機器200のタッチパネルでの反応領域の検出結果から、反応領域の寸法、面積が適正値になるように調整することができる。
図196は、実施形態28の変形例に係る情報機器200の処理を示す図である。上記実施形態28では、情報機器200は、反応領域が適正値となるとように、装置110QにSW115が半導体スイッチである場合の順方向バイアス等の設定値を指示した。図196に示す変形例では、情報機器200は、反応領域の寸法、面積が適正値となるように、タッチパネルのタッチセンサが相互静電容量の変化を検知する閾値を調整する。図196の他の処理は、図195と同様である。すなわち、図196において、S201からS205の処理は、図195と同一であるので、その説明を省略する。
S204、S205の判定で、反応領域の寸法、面積が大きすぎる場合、情報機器200は、タッチパネルのタッチセンサの閾値を増加させる(S216)。閾値が増加することで、閾値に達する検出値のタッチセンサが減少し、反応領域の寸法、面積等が小さくなる。一方、S204、S205の判定で、反応領域の寸法、面積が小さすぎる場合、情報機器200は、タッチパネルのタッチセンサの閾値を低減する(S217)。閾値が低下することで、閾値に達する検出値のタッチセンサが増加し、反応領域の寸法、面積等が大きくなる。そして、反応領域の寸法、面積が適正値になると(S204でYES)、情報機器200は、閾値を不揮発性のメモリ等に保存し、装置110Qに完了を通知する(S218)。
図196の処理によれば、装置110Qに特殊な構成を設けることなく、情報機器200の設定で、反応領域の寸法、面積を適正な値とすることができる。
図197から図199を参照して、実施形態29の装置110について説明する。図197から図199は、いずれも、素子111の変形例を示す。なお、本実施形態の装置110の構成は、上記実施形態0のコード発生装置1、実施形態1から実施形態9、実施形態20から実施形態23、実施形態24、実施形態25の装置110から110N、110P、110Q(以下単に装置110等)に適用できる。
図197は、素子111Bの構成を例示する図である。図は、素子111Bの平面図と側面図(正面図)を組み合わせたものである。図のように、素子111Bは中心に近い部分が厚く、周辺に近いほど薄い立体形状となっている。すなわち、素子111Bのタッチパネルに接触する面は、中央部が周辺部より高くなっている。すなわち、素子111Bの接触面の中心付近の法線方向の高さが周辺付近より高い凸形状となっている。
したがって、素子111Bの中央分は、タッチパネルに密着しやすい。一方、素子111Bの周辺に近い部分ほど、タッチパネルとの間に僅かな空気層ができやすい。このような構造により、タッチパネルは中央部分の静電容量を強く検知し、中心座標位置を認識する精度が向上する。すなわち、素子111Bは、タッチパネルに接触するそれぞれの接触面の中心付近で生じる物理量の変化が接触面の周辺付近よりも大きくなるように形成されている。
図198は、素子111Cの構成を例示する図である。図で黒色が付された部分は導体である。すなわち、素子111Cは、編み目状の導体を有し、かつ、接触面の中心付近を被覆する単位面積当たりの導体面積が周辺付近より多くなっている。すなわち、素子111Cは、放射状の導体と環状導体の組み合わせによって、上記導体密度の分布を達成している。このような構造により、タッチパネルは中央部分の静電容量を強く検知し、中心座標位置を認識する精度が向上する。すなわち、素子111Cは、タッチパネルに接触するそれぞれの接触面の中心付近で生じる物理量の変化が接触面の周辺付近よりも大きくなるように形成されている。
図199は、素子111Dの構成を例示する図である。素子111Dは、中央に近いほど抵抗値の低い材料が用いられ、周辺に近いほど抵抗値の高い材料が用いられている。すなわち、素子111Dは接触面の中心付近の導電率が周辺付近より高い構成となっている。例えば、印刷によって素子111Dを形成する場合、導電インクの印刷密度(網点)をグラデーションのように徐々に変化させ、中心付近で密度を高くし、抵抗値を低下させることができる。
このような構造により、タッチパネルは中央部分の静電容量を強く検知し、中心座標位置を認識する精度が向上する。すなわち、素子111Dは、タッチパネルに接触するそれぞれの接触面の中心付近で生じる物理量の変化が接触面の周辺付近よりも大きくなるように形成されている。
図200、図201により、実施形態30に係る装置110Sについて説明する。図201は、装置110Sの平面図であり、図200は、図201の矢印P2、P2で装置110Sを切断した断面図である。なお、本実施形態の装置110Sの構成は、上記実施形態1から実施形態9、実施形態20から実施形態23、実施形態27から実施形態28の装置110から110N、110Pから110Q(以下単に装置110等)に適用できる。
装置110Sは、上面(作用面の反対面)を導電シートで被覆される。ただし、誘電率の高い膜で被覆し、表面に図柄を印刷できるようにしてもよい。図201は、装置110Sの上面(作用面の反対面)の導電シートを取り除いた状態の平面図である。
図のように、装置110Sは、導電シートの下層の基板上に、CPU116、メモリ117、電池122、SW115、フォトダイオ−ドWPDを有している。電池122はボタン電池である。なお、装置110Sを薄型にする場合には、電池122に代えて、ソーラーパネルを設けてもよい。装置110Sを平面方向に装置10Sを見た場合に、CPU116、メモリ117、電池122、SW115、フォトダイオ−ドWPDが存在する領域を制御回路領域と呼ぶことにする。
一方、図201、図200のように、装置110Sの作用面上には、素子111が配置されている。図200のように、平面方向に装置10Sを見た場合に、素子111は、制御領域とは離間した領域に存在する。素子111が存在する装置110Sの平面方向に見た領域を素子領域と呼ぶことにする。一方、素子111が存在しない制御回路領域は非素子領域と呼ぶこともできる。
図201に示すように、素子111は、低誘電率絶縁層に埋め込まれている。すなわち、作用面は、低誘電率絶縁層に、素子111を形成した構造である。素子111は、導電素子と呼ぶことができ、アルミ拍、導電紙、 導電インク印刷等で形成される。ただし、作用面の表面に誘電率の高い膜を設けて、印刷できるようにしてもよい。作用面の表面の膜は、コーティング、あるいは、保護膜と呼ぶことができる。
低誘電率絶縁層は、誘電率の低い非導電体であり、空気層を含む材料が望ましい。低誘電率絶縁層は、例えば、多孔構造、中空構造、または低誘電率絶縁材料が充填された構造の絶縁層であり、例えば、図113、図114、図119から図121、図122等の空気層や空隙、図167から図175の空気層を含む非導電層、充填材料M2の層等である。
さらに、低誘電率絶縁層の上層(作用面に対する反対面側)には、基板が設けられている。そして、図200に示すように、素子領域において、素子111から上面側(作用面に対する反対面側)に、低誘電率絶縁層及び基板を貫通する貫通配線が敷設されている。貫通配線は、導電シートの下層において、基板の上面(作用面に対する反対面側)でSW115に接続される導線と接続される。すなわち、導線は、基板の上面に設けされ、SW115と貫通配線とを接続する。したがって、素子111は、貫通配線および基板上面側の導線によって素子111を接続される。なお、制御回路領域で、SW115、CPU116、メモリ117、電池122等を接続する配線は図201では記載が省略されている。
また、作用面には、開口が形成され、フォトダイオードWPDが埋め込まれいる。フォトダイオードWPDは、基板の作用面側に取り付けられており、図示しない貫通配線および基板上面上の導線によって、CPU等を含む制御回路領域と接続される。なお、ォトダイオードWPDが埋め込まれる開口は、透明体で被覆される。開口は、テーパー状として、光を集光できる構造としてもよい。
以上のように、装置110Sは、物理量を検知するセンサを備えるパネルに作用する装置であって以下のものということができる。すなわち、装置110Sは、装置の対向面から前記パネルが検知可能な物理量の変化が生じる作用面と作用の反対面でユーザの操作を受ける操作面とを有する。作用面は、1以上の素子111が配置された素子領域と素子領域以外の非素子領域を有する。
また、作用面と操作面との間には、多孔構造、中空構造、または低誘電率絶縁材料が充填された構造の絶縁層と、絶縁層の前記操作面側には、1以上の素子のそれぞれに物理量の変化を生じさせる物理量制御部と前記物理量制御部を前記1以上の素子に接続する配線部とを含む配線制御層と、を有する。
また、1以上の素子のそれぞれは絶縁層を貫通する貫通導線によって配線制御層に接続され、配線制御層の非素子領域に対応する操作面側である上層の基板部分には物理量制御部が配置され、配線部は配線制御層内で前記物理量制御部と貫通配線とを接続する。
このような構成をとることにより、基板上の導線、CPU116、メモリ117、電池122、SW115等の制御部品によるカップリングの影響を低減できる。すなわち、多孔構造、中空構造、または低誘電率絶縁材料が充填された構造の低誘電率絶縁により、制御部品によるタッチパネルへの影響を低減できる。なお、電池122の代わりに、ソーラーパネル、例えば、実施形態1等と同様、光電変換素子配列112等によって、ディスプレイ、室内照明等から受光する光で装置110Sの各部に電力を供給するようにしてもよい。また、実施形態1と同様、図48から図50のように電磁波、圧電変換、熱電変換等により、電力エネルギーを供給するようにしてもよい。
また、装置110Sがソーラーパネル等の光によって電力供給を行う場合、ソーラーパネルが情報機器200のディスプレイ等の光源に向く面側では、情報機器200のディスプレイ等から受光できるように、光が透過可能な構造、例えば、図170のような支持構造M1(直方体状やハニカム状の井戸型に開口した空間を多数形成したもの)、図173のようなハニカム構造が形成される。
したがって、素子111がSW115によって静電容量、電界強度等の物理量をタッチパネルに検知させる場合に、上記制御部品によるカップリングの影響を低減できる。したがって、装置110Sは安定して素子111からの物理量の変化をタッチパネルに検知させることができる。なお、フォトダイオードWPDについも、タッチパネルのディスプレイからの受光が可能である限り、極力基板上面に近い位置に組み込むようにしてもよい。
図202から図206により、実施形態28に係る装置110Tを説明する。図202は、装置110Tの上側(作用面に対する反対面側)から見た平面図であり、図203は、図202の矢印P3を通る紙面に垂直な平面によって装置110Tを切断した断面図である。図のように、装置110Tは、作用面上の素子111と、作用面を形成する弾性低誘電率絶縁層と、網状金属層を有する。弾性低誘電率絶縁層は、実施形態30の低誘電率絶縁層と同様、多孔構造、中空構造、または低誘電率絶縁材料が充填された構造の絶縁層である。ただし、図202の弾性低誘電率絶縁層は、実施形態30の低誘電率絶縁層よりも弾性があることが望ましい。弾性低誘電率絶縁層は、例えば、図114のようにハニカム構造または、スポンジ状の材料で形成された弾性絶縁体CA4とスペーサCA5によって構成してもよい。
網状金属層は、ユーザが装置110Tの上面(操作面という)に指を触れたときに、確実に指が網状金属層に接触する、極力編み目サイズが大きい寸法で形成する。例えば、矩形上の編み目の場合、数ミリ角である。図202は、素子111が配置された領域の上面側(作用面と反対面側)にも網状金属層がある構成を例示する。すなわち、素子111から貫通配線が低誘電率絶縁層を貫通し、網状金属層に接続する。
装置110Sを情報機器200のタッチパネルに載置し、ユーザが指で網状金属層に接触すると、ユーザの静電容量、電界等の物理量の変化が作用面上の素子111表面で発生する。すると、情報機器200は、タッチパネルを介して、物理量の変化を検出する。例えば、図202の場合には、合計4個の素子111によって、物理量の変化した4箇所の位置がタッチパネルに検出される。
さらに、ユーザが網状金属層を押圧すると、弾性低誘電率絶縁層が陥没する。すると、その陥没した部分で、網状金属層がタッチパネルに接近するので、接近した網状金属層の部分によって物理量の変化、例えば、タッチパネルのタッチセンサとの間の相互静電容量の変化、タッチパネル表面での電界強度の変化等が引き起こされる。その結果、タッチパネルは、上記素子111による物理量が変化した位置に加えて、上記陥没した部分による物理量の変化を検出する。
図202の構成では、ユーザは、素子111が配置された領域、すなわち、素子111の周辺でも、網状金属層を押圧し、物理量が変化した位置をタッチパネルに検知させることができる。なお、図202では、タッチパネルが検知可能なマルチタッチ数が最大5箇所であると想定している。したがって、陥没した部分による物理量の変化位置を検知させるため、素子111による物理量の変化位置を4箇所とするため、素子111が4個設けられている。さらに、指2本でタッチするためには、素子111を3個とすればよい。素子111は、アルミ拍、導電紙、導電インク印刷等で作用面(弾性低誘電率絶縁層表面)に形成できる。なお、作用面表面に誘電率の高い膜を設けて、印刷形成してもよい。
また、図202では、タッチパネルが検知可能なマルチタッチ数が最大5箇所であると想定しているが、マルチタッチ数が最大5箇所に限定される訳ではない。すなわち、装置110Tとしては、マルチタッチ数が最大数から指で同時に操作する位置の数を除外した数だけ、素子111を設ければよい。さらに、操作面である網状金属層の上面を誘電率の高い材料等で被覆してもよいし、被覆した誘電率の高い材料の上に図柄を印刷して、ボタン等を形成してもよい。
図204、図205は、装置110変形例である。図204は、変形例に係る装置110Tの上側(作用面に対する反対面側)から見た平面図であり、図205は、図204の矢印P4によって装置110Tを切断した平面図である。
図202、図203では、素子111が配置された領域、すなわち、素子111の周辺でも、網状金属層を押圧し、物理量が変化した位置をタッチパネルに検知させることができる。一方、図204、図205では、装置110Tを平面視したときに、素子111が配置された領域と、網状金属層とが分離している。このような構成によって、ユーザが網状金属層を押圧できる領域が限定されるが、より安定して網状金属層の押圧によってタッチパネルに作用させることができる。ユーザの指によって陥没した部分と、素子111とのカップリングが抑制できるからである。
図206は、第4の変形例に係る装置110Uの構成を例示する図である。図206は、装置110Uは平面図、左側面図、および正面図を組み合わせて点線で結んだ図である。
図のように、装置110Uは、溝部が形成された誘電体層と、誘電体層の上層の網状金属の層を有する。ただし、網状金属の層に代えて、導電印刷層を形成してもよい。導電印刷層は、例えば、誘電体層の上層に誘電率の高い膜を設けて、導電インクで印刷によって導電路を形成したものである。導電印刷層は、他の印刷と同一面に印刷してもよい。以下、網状金属または導電印刷層を網状金属層という。網が格子状の場合に、格子間隔は6mm程度とし、指でタッチした場合に必ず導線または導電インク印刷線に触れるようにし、且つ、指をタッチパネルが感知するようにする。なお、網状金属層は、網状導電体層ということもでき、網状金属層の1つ1つの導線は導電路ということができる。誘電体層と網状金属層の成型方法としては、例えば、金網を配置したシートまたは導電インクで印刷したシートを格子状に溝のある、誘電体層に下向きに貼り付ければよい。したがって、シートによって、金網、あるいは導電インク等は背面に隠されることになる。このような構成でも、シートが十分に薄くかつ誘電率が高い場合には、人の網状金属層への接触による素子111での静電容量あるいは電界強度等の物理量の変化が引き起こされる。
装置110Uは、下面側がタッチパネルに作用する作用面となっており、素子111を複数個(図では4個)有する。素子111は、誘電体層を貫通する貫通配線によって網状金属層に接続される。したがって、ユーザが網状金属層に指を触れることで、貫通配線を通じてユーザの静電容量が素子111と接続され、作用面に相互静電容量または電界強度等、物理量の変化を引き起こす。
また、図のように、装置110Uは、網状金属層に含まれる導線に対応する部分で誘電体層内に溝部を有している。溝部は網状金属層の導線が形成する経路をそのまま誘電体層内に平行移動し、断面が0.3mm程度以上の矩形、多角形、あるいは円形の通路状の空間とした形状である。すなわち、誘電体層の溝部は、網状金属層を構成する導電路に並行して形成されるといえる。溝部の幅は、指の誘電体層への接触によってタッチパネルが反応するように、1mm程度以内とする。また、溝部の深さは0.3mm程度以上とし、導線からの静電容量をタッチパネルが感知しないようにする。
この溝部の存在によって、タッチパネルに載置された装置110Uにおいて、ユーザの指が網状金属層に触れても、タッチパネルは網状金属層による相互静電容量、電界強度等の物理量の変化を検知しづらい。すなわち、網状金属層の導電路の直下に、格子状の溝を形成して、網状金属または網状印刷部分の導体によるタッチパネルへの影響を低減している。
一方、網状金属層は、誘電体層を貫通する貫通配線によって素子111と接続されている。したがって、ユーザの指が網状金属層に触れることで、素子111での物理量の変化がタッチパネルに検知される。さらに、ユーザの指が誘電体に触れることで、誘電体層を介して、相互静電容量、電界強度等の物理量の変化がタッチパネルに検知される。なお、ここで、網状金属がシート裏面に配置されている場合、あるいは、シート裏面が導電インクで印刷されて網状の導電路が形成されている場合には、ユーザの指が導電路あるいは、シート下層の誘電体に直接触れる訳ではない。しかし、シート自体が十分に薄いか、誘電率が十分に高い場合、ユーザのシートを介した導電路への接触の影響(静電容量、あるいは電界強度の変化)を素子111に及ぼすことができる。また、シート自体が十分に薄いか、誘電率が十分に高い場合、ユーザのシートを介した下地の誘電体への接触の影響(静電容量、あるいは電界強度の変化)をタッチパネルに及ぼすことができる。
したがって、図206の構成では、図202から図205とは異なり、誘電体層に弾性がなく、網状金属層が陥没しない場合であっても、網状金属層によって、素子111での物理量の変化がタッチパネルに検知されるとともに、誘電体への指の接触操作による相互静電容量、電界強度等の物理量の変化がタッチパネルに検知される。
なお、情報機器200のマルチタッチ数の最大値が5であるとする。この場合、ユーザの指による情報機器200のタッチパネルへのタッチ操作を有効とするため、素子111の個数は4個とする。なお、ユーザが指2本でタッチパネルにタッチ操作するためには、111素子を3個とする。
したがって、図206では、一般的なプラスチックカードに近い材質で、使い勝手のよりカード形状の装置110Uが形成できる。
図206の例では、素子111が配置された領域にも網状金属層または網状印刷層が形成されている。したがって、図206の装置110Uでは、ユーザは素子111が配置された領域でも、網状金属層を介して、素子111による作用を作用面に接触または近接させたタッチパネルに及ぼすことができる。
図207は、装置110Uの変形例である。図207の例では、導電性の素子111が配置された素子領域とは異なる領域に網状金属層または網状印刷層が形成されている。ここで、素子領域は、装置110Uを平面視した場合に、作用面側に素子111が配置される平面領域をいう。図の構成では、操作面(上面)の素子領域に網状金属層がないため、操作面側の素子領域では、素子111を介した物理量変化をタッチパネルに及ぼすことはできない。ただし、ユーザが指で網状金属層に触れるときに、指が誘電体層にも触れるので、誘電体層を介してユーザの操作がタッチパネルに伝達される。この場合、ユーザによる操作が素子領域から離れた領域でなされるので、素子111の影響が低減され、ユーザ安定して誘電体層を介した操作を行うことができる。
図208は、他の変形例に係る装置110Uの構成を例示する図である。図208は、装置110Uは平面図、左側面図、および正面図を組み合わせて点線で結んだ図である。図のように、図208においても、装置110Uは、誘電体層と、作用面である誘電体層下面の素子111と、操作面である誘電体層上面の網状金属層と有している。さらに、図208は、装置110Uは、素子111と網状金属層の接続を制御するSW115、情報機器200のディスプレイから光コードを受光するフォトダイオードWPDを有している。さらに、図では、省略されているが、図40、図47等と同様、図208の装置110Uは、CPU116、メモリ117、光電変換素子配列112等を有する。図では、SW115、フォトダイオードWPD、CPU116、メモリ117、光電変換素子配列112等の部分は素子ON/OFF制御部と呼ぶ。したがって、図208の装置110Uの操作面(上面)は、素子領域、素子ON/OFF制御部、および網状金属層が設けられたタッチ領域の3つの領域を有している。
したがって、図208の装置110Uは、ユーザが網状金属層に触れているときにSW115のON/OFF動作によって、素子111を介して物理量変化をタッチパネルに検知させることができる。また、装置110Uは、ユーザが網状金属層の下の誘電体層に触れることで、ユーザのタッチ操作をタッチパネルに検知させることができる。さらに、装置110は、フォトダイオードWPDにより情報機器200のディスプレイの発光による光コードを受光できる。
なお、本実施形態で説明した装置110Tの構成である網状金属層と弾性低誘電率絶縁層とを組み合わせて、素子111によるタッチパネルへの作用とユーザの指によるタッチパネルへの作用とによってタッチパネルと通信する構成は、上記実施形態1から実施形態9、実施形態20から実施形態23、実施形態27から実施形態28の装置110から110N、110Pから110Q(以下単に装置110等)に適用できる。例えば、図40の装置111において素子111を弾性低誘電率絶縁層に組み込み、作用面を形成するとともに、接触導体114に代えて、網状金属層を形成すればよい。また、例えば、図113、図135、図136等において、タッチ領域TC2およびタッチ領域TC4において、上側の保護・印刷層(例えば、図113参照)の直下に、導体板CA2に代えて、網状金属層を設け、裏側の絶縁体CA3に代えて弾性絶縁体を使用すればよい。
同様に、装置110Uの構成である網状金属層と空洞を有する誘電体とを組み合わせて、素子111によるタッチパネルへの作用とユーザの指によるタッチパネルへの作用によっては、タッチパネルと通信する構成は、上記実施形態1から実施形態9、実施形態20から実施形態23、実施形態27から実施形態28の装置110から110N、110Pから110Q(以下単に装置110等)に適用できる。例えば、図40の装置111において素子111を空洞のある低誘電体に組み込み、作用面を形成するとともに、接触導体114に代えて、網状金属層を形成すればよい。また、例えば、図113、図135、図136等において、タッチ領域TC2およびタッチ領域TC4において、上側の保護・印刷層(例えば、図113参照)の直下に、導体板CA2に代えて、網状金属層を設け、裏側の絶縁体CA3に代えて空洞のある誘電体を使用すればよい。
図210、図211を参照して実施形態32に係る装置110Vを説明する。図210は、装置110Vをタッチパネルに作用する作用面側から見た平面図であり、図211は、図210の矢印P5を通る紙面に垂直な平面によって装置110Vを切断した断面図である。本実施形態では、装置110Vは、素子111が配置された素子領域に、ソーラーパネル112Cを有している。ソーラーパネル112Cは、装置110Vの制御回路領域に電力を供給する。実施形態32の他の構成および作用は実施形態30の装置110Sと同様である。
実施形態32では、ソーラーパネル112Cが素子領域に設けられている。すなわち、装置110Sの作用面上には、素子111が配置されている。実施形態30と同様、図211のように、平面方向に装置10Sを見た場合に、素子111は、制御領域とは離間した領域に存在する。素子111が存在する装置110Sの平面方向に見た領域を素子領域と呼ぶことができきる。一方、素子111が存在しない制御回路領域は非素子領域と呼ぶことができる。
図211に示すように、素子111は、低誘電率絶縁層に組み込まれている。実施形態30と同様、作用面は、低誘電率絶縁層に素子111を形成した構造である。素子111は、実施形態1、あるいは実施形態30等と同様である。
低誘電率絶縁層は、誘電率の低い非導電体であり、空気層を含む材料が望ましい。すなわち、低誘電率絶縁層は、例えば、多孔構造、中空構造、または低誘電率絶縁材料が充填された構造の絶縁層であり、例えば、図113、図114、図119から図121、図122等の空気層や空隙、図167から図175の空気層を含む非導電層、充填材料M2の層等である。ただし、ソーラーパネル112Cの作用面側では、情報機器200のディスプレイ等から受光できるように、光が透過可能な構造、例えば、図170のような支持構造M1(直方体状やハニカム状の井戸型に開口した空間を多数形成したもの)、図173のようなハニカム構造が形成される。
さらに、低誘電率絶縁層の上層(作用面に対する反対面側)は、実施形態30と同様であるので、その説明を省略する。
このような構成をとることにより、ソーラーパネル112Cを配置する領域を確保できる。そして、装置110Vがタッチパネルに載置された場合でも、タッチパネルとソーラーパネル112Cとタッチパネル112Cとの間に低誘電率絶縁層が介在するので、タッチパネルとソーラーパネル112Cとタッチパネル112Cとのカップリングを低減できる。したがって、タッチパネルに素子111から物理量の変化を精度よく検知させることができる。
図209から図213を参照して、実施形態33に係る装置110Wと情報機器200とによる認証処理を説明する。ここでは、装置110Wは、例えば、図135の装置110Kと同様の構成である。ただし、実施形態33における装置110Wは、図135の装置110Wに限定される訳ではない。すなわち、実施形態33の処理は、上記実施形態0のコード発生装置1、実施形態1から実施形態9、実施形態20から実施形態23、実施形態27から実施形態32の装置110から110N、110Pから110V(以下単に装置110等)、に適用できる。
図209のように、装置110Wは、実施形態20の装置110Kと同様、電気機構領域110K−1と、非電気機構領域110K−2に分かれる。電気機構領域110K−1は、電子回路部品、電力供給部品等を有し、電気回路、電子回路の作用により、ユーザの操作を受け付け、情報機器200のタッチパネルに物理作用を検知させる。電気機構領域110K−1は、例えば実施形態0のコード発生装置1、実施形態1から実施形態9のカード型の装置110から110G(以下単に装置110等)と同様の構成を有する。例えば、電気機構領域110K−1は、図137、あるいは図138に例示したCPU116、メモリ117、SW115、素子111、フォトダイオードWPD1からWPD6、指紋センサ113、光電変換素子配列112A、112B等を有する。
なお、タッチ領域TC2の下部には、実施形態20と同様の接触導体114、あるいは、実施形態31の網状金属層が埋め込まれている。したがって、装置110Wをタッチパネルに載置し、ユーザがタッチ領域TC2に指を触れることで、ユーザはタッチパネルに処理の起動、例えば、「認証カード」の処理を起動できる。
非電気機構領域110K−2は、電子回路部品、電力供給部品等を有せず、例えば、ユーザが装置110Kの表面を押圧したときに、装置110K形成する材料の機械的物理的変形により、ユーザの指の接近(タッチ操作)が情報機器200のタッチパネルによって検知される。ただし、本実施形態において、ユーザの指の接近によるタッチ操作は、装置110Wを形成する材料の機械的物理的変形に限定して検知される訳ではない。例えば、実施形態30の装置110Uの網状金属層下層と同様、ユーザのタッチ操作がタッチパネルから検知される程度の厚みと誘電率の誘電体を用いることで、ユーザのタッチ操作をタッチパネルに検知させることができる。
また、非電気機構領域110K−2は、実施形態16に例示した電源を要しないゲーム用のカードその他の物品(アイテム)と同様の構造を有するものとしてもよい。非電気機構領域110K−2としては、図113、図114、図116、図119から図122のいずれの構造を用いてもよい。また、非電気機構領域110K−2のタッチ領域TC4として、図123のように、透明のタッチ領域があってもよい。
本実施形態では、装置110Wは、例えば、ユーザ認証処理を実行するIDカードとして機能する。すなわち、装置110Wの不揮発性のメモリ117にユーザのパスワード等を登録しておく。ユーザが情報機器200のタッチパネルに装置110Wを載置し、「認証カード」のラベルが付されたタッチ領域TC2にタッチすると、装置110Wの作用面(裏面、例えば、図135参照)の素子111を介して、情報パターン(素子111の配置)が情報機器200に入力される。
情報機器200は、情報パターン(素子111の配置)から、装置110Wの向きを特定し、タッチ領域TC4に付されたラベル「登録」「認証」「ENTER」「0」から「9」等の位置に対応するタッチパネル上の座標(領域)を特定する。
ユーザが、例えば、「登録」ラベルをタッチすると、装置110Wを形成する材料の機械的物理的変形または誘電体への作用が発生する。そして、情報機器200は、「登録」ラベルへのユーザのタッチ操作を検知し、登録処理を実行する。登録処理では、「0」から「9」および「ENTER」へのタッチ操作を検知して、登録用のパスワードを受け付ける。装置110Vは、受け付けた登録用のパスワードを不揮発性のメモリ117に登録する。
同様に、ユーザが、「認証」ラベルをタッチすると、装置110Wは、認証処理を起動し、「0」から「9」および「ENTER」へのタッチ操作を検知して、認証用のパスワードを受け付ける。装置110Wは、受け付けた認証用のパスワードと、不揮発性のメモリ117に登録済みのパスワードを比較し、比較結果を素子111からタッチパネルへの情報パターン(パターンコード)で出力する。
図209のように、「0」から「9」および「ENTER」等のラベルが印刷されたタッチ領域TC2を有する。また、装置110Wは、作用面に1以上の素子111を有する(図135参照)。したがって、装置110Wは、1以上の素子は、作用面の第1の領域に配置され、作用面の第1の領域と異なる第2の領域は、誘電体で形成されている。そして、装置110Wでは、第2の領域の作用面に対する反対面には、文字を示すラベル付与され、1以上の素子による情報パターンに加えて、ユーザがラベルに指を接触することによって、タッチパネル対してラベルを接触ことによる物理量の変化をタッチパネルに検知されることが可能な構成であると言える。
図212に情報機器200によるカード認証処理のフローチャートを例示する。ここでは、装置110Wはカード型の装置であるとする。まず、タッチパネルに装置110が作用面を接触させて載置されると、情報機器200は、ONの素子111の配置から、装置110W(カード)を認識する。ここで、ONの素子の配置は、不揮発性のメモリ117に記憶した情報にしたがってSW115によって指定されればよい。
そして、情報機器200は、装置110Wからのコマンドを待つ。コマンドは、上述のようにタッチ領域TC4に付されたラベルへのタッチで入力される。コマンドがパスワード登録の場合(S221でYES)、情報機器200は、パスワード登録・更新処理を実行する(S222)。パスワード登録・更新処理では、情報機器は、「0」から「9」および「ENTER」へのタッチ操作によって、タッチパネルを介して、現在のパスワード、新規パスワード等を受け付ける。そして、情報機器200は、受け付けた現在のパスワード、新規パスワード等を光コードで装置110Wに入力する。装置110Wは、光コードで入力された現在のパスワード、新規パスワード等を基に、不揮発性のメモリ117に登録用のパスワードを登録する。
コマンドがパスワード認証の場合(S223でYES)、情報機器200は、パスワード認証処理を実行する。パスワード認証処理では、情報機器は、「0」から「9」および「ENTER」へのタッチ操作によって、タッチパネルを介して、認証用のパスワードの入力を受け付ける(S224)。そして、情報機器200は、受け付けた認証用のパスワードを光コードで装置110Wに入力する(S225)。そして、情報機器200は、装置110Wから認証結果を素子111からの情報パターン(パターンコード)で取得する(S226)。そして、情報機器200は、認証結果がOKか否かを判定する(S227)。認証結果がOKの場合、情報機器200は、認証後の処理を実行する(S228)。一方、認証結果がOKの場合、情報機器200は、エラーをディスプレイに表示する(S229)。さらに、コマンドがパスワード登録、パスワード認証以外の場合には、情報機器200は、処理を終了する。
図213に、装置110Wによるカード認証処理のフローチャートを例示する。この処理では、装置110Wは、情報機器200のタッチパネルに載置され、コマンド入力を受け付ける(S230)。コマンドがパスワード登録の場合(S231でYES)、装置110Wは、パスワード登録・更新処理を実行する(S232)。パスワード登録・更新処理では、装置110Wは、情報機器200から、ディスプレイを介した光コードによって、現在のパスワード、登録用のパスワード等を受け付ける。そして、装置110Wは、受け付けた現在のパスワード、新規パスワード等を基に、不揮発性のメモリ117に登録用のパスワードを登録する。装置110WのCPU116は、登録処理の一例として、S232の処理を実行する。
また、コマンドがパスワード認証の場合(S233でYES)、装置110Wは、ディスプレイを介した光コードによって、認証用のパスワードの入力を受け付ける(S234)。そして、装置110Wは、入力されたパスワードと不揮発性のメモリ117に登録したパスワードを比較する(S235)。そして、装置110Wは、素子111からの物理量変化による情報パターン(パターンコード)で認証結果を出力する(S236)。さらに、コマンドがパスワード登録、パスワード認証以外の場合には、装置110Wは、処理を終了する。装置110WのCPU116は、認証処理の一例として、S233からS236の処理を実行する。CPU116は情報出力部の一例として、S236の処理を実行する。
以上述べたように、本実施形態によれば、装置110Wは、素子111からの物理用変化による情報パターン(パターンコード)と、装置110Wへのユーザの操作をタッチパネルで検出することによる位置情報の入力によって、情報機器200に情報を入力できる。そして、装置110Wは情報機器200から光コードによる認証情報を受け付ける。すなわち、装置110Wは、情報機器200と連携し、ユーザを認証するためのユーザの操作を一旦情報機器200で受け付け、さらに情報機器200で受け付けた情報を情報機器200から光コードで受け入れる。このような構成によって、装置110Wが有する固有のコマンド(例えば、認証カードの処理の起動)と、ユーザによるタッチパネル操作を組み合わせて、ユーザ自身を認証する認証カードとしての機能を提供する。
なお、上記のS222、S224では、情報機器200は、装置110W上のラベルへユーザのタッチ操作を検出して、登録コマンドの受け付け、認証コマンドの受け付け、パスワードの入力等を実行した。しかし、情報機器200は、S222、S224の処理において、ディスプレイとタッチパネルを用いた通常の情報機器としてのユーザインターフェースを介して、登録コマンドの受け付け、認証コマンドの受け付け、パスワードの入力等を行ってもよい。そして、タッチパネルを用いた通常の録コマンドの受け付け、認証コマンドの受け付け、パスワードの入力にしたがって、光コードで、装置110Wにパスワードの登録・更新、あるいはパスワードの認証を要求するようにしてもよい。
したがって、情報機器200と、装置110Wは、装置110Wのラベルとタッチパネルを介してユーザに入力された認証情報を光コードにより装置110Wの不揮発性の記憶部に登録する。また、情報機器200と装置110Wは、装置110Wのラベルとタッチパネルを介して入力された認証情報を光コードにより装置110Wに入力し、不揮発性の記憶部に登録された認証情報と比較する。また、情報機器200と、装置110Wは、このような処理を情報機器200のディスプレイとタッチパネルとを通じたユーザの入力に応じて実行する。したがって、情報機器200と装置110Wは相互に連携して認証を十実行するシステムの一例である。このような認証は様々場面で利用可能である。情報機器200と装置110Wは、素子111から出力パターンによって処理やサービスを特定する。そして、情報機器200と装置110Wはユーザが入力する認証情報と不揮発性のメモリ117に登録された認証情報の比較し、ユーザを認証した上で、処理やサービスを提供することができる。したがって、単にIDカード、あるいは電子キーという機能に加えて、さらに、装置110Wの不揮発性メモリに登録された認証情報によってユーザを認証できる。
上記実施形態30の処理は、上記実施形態0のコード発生装置1、実施形態1から実施形態9、実施形態20から実施形態23、実施形態24から実施形態29の装置110から110N、110Pから110V(以下単に装置110等)においては、素子111からの物理量の変化を発生するため、図19から図21等の半導体スイッチ、あるいは図40から図40、図41、図47、図137等に例示したSW115を制御した。また、図16においては、コード発生装置1はパターンコード設定・出力装置403の接点スイッチ404によりパターンコードを構成する1つの数値を定義した。
しかし、以上の実施形態の各装置において、半導体スイッチ、SW115、あるいは接点スイッチに代えてMicro Electro Mechanical Systems(MEMS)スイッチを用いてもよい。半導体スイッチはPN接合が逆方向にバイアスされたときの接合容量、あるいは空乏層の容量を有するため、OFF状態でもパルス信号あるいは交流信号が流れてしまう場合があり得る。一方、一般的な接点スイッチは、寸法が大きく、小型の装置110等として適切でない場合があり得る。
そこで、上記各実施形態の装置において、MEMSスイッチによってコード出力部13、あるいは素子111等において物理量の変化を発生させてもよい。MEMSは、可動電極と前記可動電極を駆動するアクチュエータとによって1以上の素子111が接続される導電路を導通または遮断する。MEMSのアクチュエータに限定はない。アクチュエータは、例えば、静電駆動、圧電駆動であってもよい。例えば、CPU116がドライバトランジスタにより、あるいは、直接、アクチュエータを駆動し、上記実施形態のSW115等と同様、MEMSスイッチをONまたはOFFに制御すればよい。
MEMSスイッチを用いることで、少なくとも、PN接合の接合容量あるいは空乏層に発生する様々な寄生容量の問題を抑制できる。また、MEMSは数ミクロンから数百ミクロンオーダの寸法で形成されるため、小型化においても有利である。
図214から図217からを参照して、実施形態32を説明する。本実施形態では、装置110と各種情報機器とを用いた実験結果を説明する。まず、図214は、実験時の装置の状態を例示する。実験は、情報機器200のタッチパネルに実験キットを載置して行った。実験キットは、装置110と同様、素子111と、SW115(半導体スイッチ)と、SW115をON/OFF駆動する駆動回路とを有する。SW115の一方の端子は素子111に接続され、他方の端子は人体(指)に接触されている。また、中心間距離は、2個の素子111を配置した場合の素子111間の中心間距離である。
実験手順は以下の通りである。SW115によるON/OFFを100回繰り返し、何回ON/OFFを認識できたかを計数し、認識できた割合を認識率として百分率を求めた。
このとき、SW115と素子111の間の導線の長さ、太さ、タッチパネル(情報機器200)の種類、ONのパルスの時間幅、OFFの時間幅、SW115をONからOFFに切り替えたときに情報機器200のタッチパネルを介して測定されたON状態からOFF状態への切り替え時間の平均値、最短時間、最長時間を測定した。なお、図214のように、素子111を2個搭載した場合と、1個だけ搭載した場合で実験を行い、素子111を2個搭載した場合には、素子111間の距離を変更した。情報機器200としては、米国アップル社製の iphone(登録商標)、ipad(登録商標)を用いた。
図215は、導線の長さが5cmの場合のON時間を変更してタッチパネルを介して測定されたONからOFF変化の認識率、ON状態からOFF状態への切り替え時間(以下、「ON、OFF時間」)の平均値、最短時間、最長時間を示す。導線は直径0.33mmである。また、素子111の半径は8mm、材質はアルミである。図のように、認識率は、ON時間が長くなるとともに上昇し、ON時間20msから30msで81〜85%程度であり、ON時間40ms〜100msでは、90%以上である。一方、ON,OFF時間はON時間とともに増加する傾向にある。以上の結果は、情報機器200の機種に依存しない。
以上からON時間は30msが望ましい。ただし、ON時間が40ms以上では、いずれも認識率が90%以上とることからより好ましい。なお、タッチパネルがイベントを検知するサンプリング時間をTとすると、サンプリングすなわち、制御回路がタッチパネルの開始点(例えば、左上の画素)から終了点(例えば、右下の画素)までの期間が概ねTと仮定できる。そして、例えば、サンプリング開始点近くで、素子111がONになった直前に、素子111のサンプリングが終了していた場合には、この素子111のONが検知されるのは、次のサンプリングのときとなり、検知イベントとしては、素子111がONになったときから2つめの検知イベントである。1つのサンプリングの結果が1つの検知イベントでOSに報告されるとすると、サンプリング開始点近くで、素子111がONになった直前に、素子111のサンプリングが終了していた場合には、素子111がONになったときから、概ねサンプリング時間Tの2倍の時間遅れて、検知イベントが報告される。一方、サンプリング終了点近くの素子111がONになった直後にサンプリングが実行された場合、素子111がONになったときに、最初のサンプリングはほぼ終了しており、ほとんど時間遅れなく、素子111がONになったことが報告される。したがって、タッチパネルのサンプリング時間Tに対して、素子111がONになった時刻から概ねサンプリング時間の2倍の検出誤差が生じえる。
したがって、素子111をONにする時間、つまり、SW115を駆動するパルスのON時間は概ねサンプリング時間(つまり、タッチパネルの走査時間)の2倍程度が望ましい。これ以上ON時間が短いと、素子111のONが情報機器200に検知されない可能性が生じるからである。上記図215の実験結果で、ON時間が短い場合に、認識率が低いのはこのようなことが理由と考えられる。したがって、全OFFのための時間も同様に考えることができる。全ONの時間がサンプリング時間の2倍程度よりも短いと、全OFFが検知されない可能性が生じる。
なお、情報機器200のタッチパネルのサンプリング時間は、機種に依存すると推定されるが、例えば、一般的なディスプレイのフレームレートに近い1/60秒とすると16.6msであり、ON時間、全OFF時間としては、30ms程度以上であることが望ましい。また、図215の実験結果からは、これらの時間が40msあればより望ましいことを示している。
なお、図215で、ON,OFF時間がON時間とともに長くなるのは、素子111がONのパルスの先頭付近でONが検出された場合、以降のONのパルスの時間がそのままONとして情報機器200に検知されるからである。
図216は、図215の条件のうち、導線の長さを10cmとした場合である。この場合も、認識率、および、ON,OFF時間は図214と同様である。
図217は、2個の素子111を用いて、認識率、および、ON,OFF時間を測定した結果である。この場合、導線の長さ7.cm、太さ0.33mm、ON時間40msである。図のように、中心間距離が13ミリ以上と十分ある場合には、認識率、および、ON,OFF時間ともに、素子111の中間距離には依存しない。したがって、素子111の直径が8mm程度の場合、12ミリ以上あれば、情報機器200は安定して認識できる。
図218は、1個の素子111を用いて、導線の長さを変えて認識率、および、ON,OFF時間を測定した結果である。導線の太さは、0.07mm、ON時間は40msである。図のように、認識率、および、ON,OFF時間ともに、素子の長さには依存しない。
図218は、導線の直径を0.33とした測定結果である。図のように、認識率、および、ON,OFF時間ともに、素子の長さには依存しない。
図220から図223を参照して、実施形態33に係る装置110Xを説明する。ここでは、装置110Xは、例えば、図40の装置110と同様の構成である。すなわち、実施形態33の構成は、上記実施形態0のコード発生装置1、実施形態1から実施形態9、実施形態20から実施形態32の装置110から110N、110Pから110V(以下単に装置110等)、に適用できる。なお、図220において、図40と同様の構成については、図40と同一の符合を付してその説明を省略する。
図220のように、装置110Xは、光電変換素子配列112からの電力によってONまたはOFFに設定される電源スイッチ(以下、電源SW)122Aを有している。電源SW122Aは、ONのときに、電池122の電力を、電源ライン120を介して、装置110Xの各部に供給する。したがって、装置110Xでは、光電変換素子112に基準以上の電力が発生すると、電池122から装置110Xへの各部への電力供給が開始する。
つまり、実施形態33において、光電変換素子112は、電池122からの電力供給を開始するための補助電源あるいは待機電源として機能する。
なお、図220において、補助電源あるいは待機電源が光電変換素子配列112に限定される訳ではない。例えば、光電変換素子配列112に代えて、図69に例示した、フォトダイオードWPD1等を用いてもよい。すなわち、装置110Xは、情報機器200のディスプレイの光コード等の光を受光したときに、電源SW122AをONに設定してもよい。また、装置110Xは、補助電源あるいは待機電源として、図48から図50に例示した、電磁波を受信するアンテナ124、圧電素子126、あるいは熱電素子128等の電力供給手段を用いてもよい。光電変換素子配列112、フォトダイオードWPD1等は、光の到来量を検出する検出部、あるいは、パネルを有する情報機器から、到来するエネルギーの到来量を検出する検出部の一例として作用する。
また、図220では、電池122が例示されているが、電池122に代えて、光電変換素子配列112よりも高出力のソーラーパネルを用いてもよい。すなわち、実施形態33において、電源SW122Aから供給される電力の発生手段に限定がある訳ではない。
図221に、電源SW122Aの詳細を例示する。図のように、電源SW122Aは、半導体スイッチFETと、光電変換素子等の電力を基に半導体スイッチFETをONに設定するORゲートORGおよび抵抗Rと、DD1のON状態を維持するためのフリップフロップFFと、を有している。
ORゲートORGの一方の入力端子に、光電変換素子等から基準値以上の電力が供給されると、ORゲートORGの出力が高電位(HI)となり、抵抗Rを介して半導体スイッチFETをONにする。すると、電池、ソーラーパネル等から半導体スイッチFETを関して電源ライン120に電力が供給されるとともに、フリップフロップFFに電力が供給され、かつ、フリップフロップがONにセットされる。フリップフロップFFの出力端子OUTは、ORゲートORGの一方の端子に入力されるので、半導体スイッチFETがONの状態が維持される。この状態で、電源ライン120から装置110Xの各部に電力が供給される。一方、例えば、光電変換素子がOFFになった後、CPU116がフリップフロップFFをリセットすることで、半導体スイッチFETがOFFとなり、電池等からの電力供給が遮断される。電源SW122Aは、検出部が基準値以上のエネルギーを検知したときに、前記電源から装置内に電力を供給させる電源制御部の一例ということができる。
図222に、装置110Xの起動シーケンスを例示する。装置110Xの光電変換素子112が、情報機器200のディスプレイからの光を受光すると、光の到来エネルギーを検出する(S301)。そして、光電変換素子112は電源スイッチ122AをONにするので、電池122等から電源ライン120に電力が供給される(S302)。その結果、CPU116が起動される(S303)。そして、CPU116は、メモリ117等に格納されたコンピュータプログラムにしたがって、処理を実行する(S304)。
図223は、装置110XのCPU116の処理を例示するフローチャートである。この処理では、CPU116は、光電変換素子112(あるいは図61から72Fに例示したRGBフォトダイオード、図69に例示した、フォトダイオードWPD1〜WPD6等)を介して、ディスプレイからの光コードを受光する(S3041)。ディスプレイからの光コードについては、上記実施形態21、24、その他上記の実施形態と同様である。そして、CPU116は、受光した光コードが所定の開始条件に合致するか否かを判定する(S3042)。所定の開始条件とは、例えば所定間隔の光の点滅、所定色の検出、時間方向の色の変化等が所定の条件に合致するか否かである。色の変化は、白色からグレーの変化、彩色の変化を含む。装置110Xは、光電変換素子112、フォトダイオード等によってこのような条件の光を受光したか否かを判定することで、装置110Xは、情報機器200のディスプレイに翳したかどうかを判定できる。つまり、装置110Xは、装置110Xに設けられた光電変換素子配列112、フォトダイオード等が受光する光により、ディスプレイとの通信可否を認識する。なお、情報機器200は、例えば、特定アプリケーションプログラムを起動することによって、装置110Xに、上記所定の条件に合致する光コードを発光すればよい。S3042の判定は、光の波長と到来量の少なくとも1つが所定の条件を充足するか否かの判定の一例ということができる。装置110XのCPU116は、処理部の一例ということができる。
そして、受光した光コードが所定の開始条件に合致すると、装置110Xは、処理を実行する(S3043)。ここで、処理とは、素子111による情報機器200への物理量出力と、情報機器200のディスプレイからの光電素子配列112やフォトダイオードへの光コードの受光とによる通信を含む処理である。これらの処理は、実施形態21、24等の通信処理、実施形態30のパスワード入力等である。
そして、装置110Xは、処理を終了するか否かを判定する(S3044)。ここで、処理を終了する場合とは、例えば、一連の処理が完了した場合、あるいは、情報機器200から光コードで終了を指示された場合等である。
以上の述べたように、本実施形態の装置110Xは、情報機器200のディスプレイの光を補助電源あるいは待機電源として、起動する。そして、情報機器200から所定の条件に合致する光コードを受光したときに、情報機器200のディスプレイにかざされたことを認識し、処理を実行する。したがって、装置110Xに電源スイッチを設けることなく、利用者が装置110Xをディスプレイにかざすことで、装置110Xが起動され、処理が実行される。
図224から図244を参照して、実施形態34に係る装置110Y1から110Y6について説明する。なお、カード型の装置装置110Y1から110Y6を総称する場合には、単に装置110Yという。
実施形態34では、半導体スイッチ等の電源によって駆動される能動回路を含まないカード型の装置の構成を例示する。ただし、実施形態34で例示するカード型装置に上記実施形態0から実施形態33で説明した回路の構成を適用してもよい。例えば、実施形態20のように、実施形態1から実施形態9のカード型の装置110から110G(以下単に装置110等)と、実施形態34の装置110Yを組み合わせてもよい。
図224から図228は、装置110Y1の構成を例示する。本実施形態では、装置110Y1は2枚の誘電体層を貼り合わせた構造を有する。本実施形態では、カード型装置110Yの2面のうち、情報機器200に作用する作用面(例えば、タッチパネルに接触させる面)を裏面と呼ぶ。一方、カード型装置110Yの2面のうち、利用者が操作する面を表面という。表面は、作用面の反対面ということができる。
そして、2枚の誘電体層の内、カード型装置の作用面(つまり、裏面)となる面を含む誘電体層を下層と呼ぶ。また、2枚の誘電体層の内、カード型装置の表面となる面を含む誘電体層を上層と呼ぶ。さらに、2枚の誘電体層それぞれにおいて、互いに貼り合わせる面を接合面と呼ぶ。
図224(A)は、装置110Y1の上層表面の構成を例示する。図224(B)は、図224(A)の一部断面図を組み合わせた図である。つまり、図224(B)で紙面に向かって上側は、図224(A)のA1矢印で装置110Y1を切断した断面であり、図224(B)で紙面に向かって下側は、図224(A)のA2矢印で装置110Y1を切断した断面である。図224(B)で2つの断面の境界は、2本の波線で区分して示している。
図224(A)のように、装置110Y1は、誘電体層の基板表面(上層表面)に、配線層WR1が格子状に形成されている。配線層WR1は、金属、例えば、銅、アルミニウム等の配線を縦横に組み合わせて接続した構成である。配線層WR1の間隔は、利用者の指が上層表面に触れると、配線層WR1に触れることが可能な間隔であり、大人の利用者が利用する装置110Y1については、例えば、数ミリメートル程度に設定される。表面を判定とする場合には、配線層WR1は、誘電体層の反対面側に形成された配線層ということができる。
また、上層の誘電体層では、紙面に向かって上側の領域(第1領域と呼ぶ)の配線の交点にスルーホールTH1が形成される。スルーホールTH1は、導電性の金属でめっきされるか、導電性の金属が埋め込まれる。したがって、スルーホールTH1内の金属は、上層の誘電体層の表面と接合面とを電気的に接続する。そして、スルーホールTH1は、上層の接合面、つまり、図224(A)の裏面側に、金属の接点ATP1が付与される。金属の接点ATP1は、上層の導電層と下層の導電層とを接合するときに、上層スルーホールTH1を下層の導電体、例えば、スルーホール等に接続するためのものである。
さらに、上層の誘電体層では、紙面に向かって下側の領域(第2領域と呼ぶ)の配線と配線の間に、接触端子114Aが形成される。接触端子114Aは、金属製の薄板構造である。接触端子114Aの平面視の寸法は、配線層WR1の配線に接触しない程度の寸法である。そして、接触端子114Aは、スルーホールTH1にめっきまたは埋め込まれた金属を介して、接合面側の接点ATP1に電気的に接続されている。以上の構成により、利用者が接触端子114Aに指を接触されると、配線層WR1の配線間隔が狭いので、指は配線層WR1に触れることになる。接触端子114Aは、第2領域に対するカード形状の反対面側の配線層に含まれる配線と配線との間で、配線とは絶縁されて形成される1以上の接触用端子の一例ということができる。
なお、ここでは、上層の誘電体層の表面において、「第1領域」「第2領域」を定義したが、「第1領域」「第2領域」は、上層の誘電体層の接合面においても、上層の誘電体層の表面において、「第1領域」「第2領域」の反対面として定義できる。また、下の誘電体層においても、上層の誘電体層の「第1領域」「第2領域」に対応する領域として「第1領域」「第2領域」を定義できる。ここで対応する領域とは、上層と下層の誘電体層を接合したときに、上層の誘電体層の「第1領域」「第2領域」から、上面に垂直に(つまり平面視方向に)下層に射影される領域ということができる。
図225(A)は、装置110Y1の下層の誘電体層に素子111形成前の接合面の構成を例示する。図225(B)は、図225(A)の装置110Y1をB1矢印で切断した断面図である。また、図226(A)は、装置110Y1の下層の誘電体層に素子111形成後の接合面の構成を例示する。図226(B)は、図226(A)の装置110Y1をB1矢印で切断した断面図である。
図225(A)、図225(B)のように、下層の接合面には、周囲に枠部が形成され、枠部に囲まれた接合面には、複数の突部PIR1が形成される。枠部と複数の突部PIR1は、誘電体層の上層と下層とを接合したときに、上層と下層との間に空隙SPCを形成するスペーサとして作用する。突部PIR1は、上層表面の配線層WR1の配線と配線の間に対応する下層の接合面に形成される。したがって、枠部と複数の突部PIR1によって上層と下層との間に形成される空隙SPCは、上層表面の配線層WR1の配線直下を含む部分に形成される。
図225(A)で、上層の第2領域の接合面が接合される領域には、複数の突起PR2と、突起PR2を接合面側から下層裏面側に貫通するスルーホールTH2が形成されている。スルーホールTH2には、導電性の金属がメッキまたは充填され、接合面側と下層裏面側との導電性が確保される。スルーホールTH2の接合面側には、上層の接点ATP1と電気接触させるための接点ATP2が形成されている。
図226(A)、図226(B)は、図225(A)、図225(B)の下層の誘電体層に、素子111Aを形成した状態の構成を例示する。素子111Aは、下層の誘電体層をくり抜いた孔に、金属をはめ込みまたは充填することで形成される。したがって、上層と下層の誘電体層を接合すると、素子111Aは、上層接合面の接点ATP1のいずれかに接触し、スルーホールTH1内の金属により、上層表面の配線層WR1と接続される。したがって、下層の誘電体層の素子111Aは、上層の配線層WR1の配線にスルーホールTH1の金属が接続される第1領域に対応する下層の領域に形成される。スルーホールTH1の間隔を素子111Alの寸法より小さくすることで、素子111Alが第1領域に対応する下層のどの位置に形成されても、スルーホールTH1と接続されることになる。
図227(A)は、装置110Y1の裏面(下層の裏面)、つまり、情報機器200のタッチパネルに作用する作用面の構成を例示する。ただし、図では、参考用に、突起PIR1が点線で仮想的に例示されている。したがって、突起PIR1間は、空隙SPCが誘電体内部に形成されている。また、図227(B)は、上層と下層の誘電体を接合した後の装置110Y1の断面の概要を例示する。
図227(A)、図227(B)のように、装置110Y1の上層の第1領域に対応する、裏面の領域には、複数の素子111Aが形成される。素子111Aは、上層の接点ATP1、スルーホールTH1を介して配線層WR1に接続されている(図224(A)、図224(B)参照)。接点ATP1、スルーホールTH1は、誘電体層を貫通して前記第1領域に形成された1以上の素子と配線層とを接続する第1の貫通導電路の一例ということができる。
利用者の指が配線層WR1に接触すると、利用者と複数の素子111Aが導通され、装置110Y1の裏面に接触または近接した情報機器200のタッチパネルに対して、静電容量あるいは電界強度の変化を引き起こす。したがって、情報機器200は、複数の素子111Aの配置位置を検出し、配置位置の形状に対応する情報を特定する。この意味で、複数の素子111Aは、固定の配置パターンを定義していると言える。また、また、第1領域に形成された1以上の素子は、配線層に利用者の指が接触したときにセンサが検知できる物理量を形成し、配線層に利用者の指が接触しないときには、前記センサが検知できる物理量を形成しないということができる。
なお、配線層WR1の密度を十分に高くすると、利用者の指が配線層WR1に接触しない状態で、装置110Y1を情報機器200のタッチパネルに接触あるいは近接させたときにも、情報機器200は、複数の素子111Aの配置位置を検出し、配置位置の形状に対応する情報を特定できる。配線層WR1と複数の素子111Aとによって形成される静電容量が情報機器200のタッチパネルがタッチ操作として認識出来る程度に十分大きくなるからである。素子111Aは、作用面の第1領域に形成された1以上の素子の一例ということができる。
また、装置110Y1の上層の第2領域に対応する、裏面の領域には、複数の素子111Bが形成される。複数の素子111Bは、導電性材料、例えば、導電性インクで印刷することで形成可能である。
複数の素子111Bのそれぞれは、下層側のスルーホールTH2、接点ATP2、上層側の接点ATP1、スルーホールTH1を介して、表面の接触端子114Aのそれぞれと電気的に接続される。したがって、利用者の指が表面の接触端子114Aに接触することで、利用者と素子111Bが導通され、装置110Y1の裏面に接触または近接した情報機器200のタッチパネルに対して、静電容量あるいは電界強度の変化を引き起こす。利用者は、複数の接触端子114Aのうち、所望するものを順次接触することができるので、利用者の指による操作に伴い、情報機器200のタッチパネルの素子111Bの位置に、いわばタッチ操作を順次実行できる。したがって、表面の第2領域に配置された接触端子114Aは、キーボードあるいはタッチパッド等と同様の入力装置として作用する。例えば、接触端子114Aのそれぞれに導電性物質で、アイコンを形成してきおき、情報機器200アイコンの配置を認識しているアプリケーションプログラムを実行することで、情報機器は、利用者から接触端子114Aへの操作に伴う情報を取得できる。素子111Bは、作用面の第2領域に形成された1以上の素子の一例ということができる。下層側のスルーホールTH2、接点ATP2、上層側の接点ATP1、スルーホールTH1は、誘電体層を貫通して前記第2領域に形成された1以上の素子と前記接触用端子とを接続する第2の貫通導電路の一例ということができる。
さらに、装置110Y1では、配線層WR1が利用者の指の幅よりも十分に小さな間隔で配置される配線によって形成されるので、利用者が接触端子114Aへの操作を行うと、利用者の指が配線層WR1に触れることになる。したがって、上記固定の配置パターンでの情報機器200への情報入力と、入力装置としての接触端子114Aからの情報入力が同じタイミングで実行されることになる。したがって、例えば、情報機器200は、上記固定の配置パターンによって、特定の識別子を認識し、その識別子に応じた処理を実行し、その処理に対応した入力を利用者から受けることが可能となる。したがって、装置110Y1では、配線層は、第2領域に対する前記カード形状の反対面に利用者の指を接触させたときに、前記指がいずれかの配線に接触できる配線間隔で配置されるということができる。
図228から図230により、実施形態33の他の例として、装置110Y2の構成を例示する。装置110Y2の誘電体層の上層の構成は装置110Y1(図224(A)、図224(B))と同一であるので、その説明を省略する。図228(A)は、装置110Y2の誘電体層の下層の接合面の平面図を例示する。また、図228(B)は、図228(A)のD1断面図とD2断面図とを組み合わせて、2本の波線で仮想的に接続した図である。図のように、上層の第1領域に対応する下層の領域には、突起PIR2が複数格子状に配列して形成される。それぞれの突起PIR2には、接合面側と裏面とを貫通するスルーホールTH2が形成される。スルーホールTH2は、金属がめっきまたは充填され、接合面側と裏面とを電気的に接続する。また、スルーホールTH2の接合面側には、接点ATP3が形成される。したがって、上側と下側の誘電体層が接合されると、下層のスルーホールTH2は、接点ATP3、上層の接点ATP1、スルーホールTH1を介して、表面の配線層WR1と接続される。装置110Y2の上層第2領域に対応する下層の領域の構成は、装置110Y1と同様であるので、同一の符号を付してその説明を省略する。
図229(A)、図229(B)は、図228(A)、図228(B)において、下層の誘電体裏面に、素子111Cを形成した状態を例示する。装置110Y1の素子111Aは、誘電体の下層をくり抜いて、金属をはめ込み、あるいは充填することで形成した。一方、図229(A)、図229(B)では、素子111Aは、導電性材料、例えば、導電性インクで印刷して形成される。誘電体の下層には、金属がめっきあるいは充填されたスルーホールTH2、および接点ATP3が形成される。したがって、上側と下側の誘電体層が接合されると、素子111Aは、上側の接点ATP1、およびスルーホールTH1を介して、表面の配線層WR1に接続される。
図230(A)は、装置110Y2の裏面(下層の裏面)、つまり、情報機器200のタッチパネルに作用する作用面の構成を例示する。ただし、図では、参考用に、突起PIR2とスルーホールTH2が点線で仮想的に例示されている。したがって、突起PIR2間は、空隙SPCが誘電体内部に形成されている。また、図230(B)は、上層と下層の誘電体を接合した後の装置110Y2の断面の概要を例示する。図のように、装置110Y2は、印刷形成された素子111Cが、下層のスルーホールTH2、接点ATP3、上層の接点ATP1、スルーホールTH1を介して、表面の配線層WR1に接続される。したがって、装置110Y2によって、装置110Y1と同様に作用させることが可能である。素子111Cが印刷形成される場合には、複数の素子111Cの様々な配置パターンを柔軟に形成可能である。したがって、装置110Y2によれば、情報機器200で実行される多様なアプリケーションプログラムへの対応が容易となり、装置110Y2の量産に対応できる。
図231から図233により、実施形態33の他の例として、装置110Y3の構成を例示する。図231(A)は、装置110Y3の上層表面の構成を例示する。図231(B)は、図231(A)の一部断面図を組み合わせた図である。つまり、図231(B)で紙面に向かって上側は、図231(A)のE1矢印で装置110Y3を切断した断面であり、図231(B)で紙面に向かって下側は、図231(A)のE2矢印で装置110Y13を切断した断面である。図231(B)で2つの断面の境界は、2本の波線で区分して示している。
図231(A)のように、装置110Y3の誘電体層の上層表面の構成は、装置110Y1、装置110Y2と同様である。一方、図231(B)のように、装置110Y3の誘電体層の上層の接合面には、突部PIR4、突部PIR5、突部PIR6が複数形成される点で、装置110Y1、装置110Y2と相違する。突部PIR4は、上層の第1領域で配線層WR1に接続されるスルーホールTH1の位置に対応する位置で、接合面側に形成される。したがって、突部PIR4には、上層の誘電体層を貫通し、配線層WR1に接続されるスルーホールTH1が形成される。
また、突部PIR4は、上層の第2領域で接触端子114Aに接続されるスルーホールTH1の位置に対応する位置で、接合面側に形成される。したがって、突部PIR5には、上層の誘電体層を貫通し、接触端子114Aに接続されるするスルーホールTH1が形成される。突部PIR6は、突部PIR4および突部PIR5の密度が低い領域で、接合される上層と下層との間で、空隙を形成するためのスペーサとして作用する。
図232(A)は、装置110Y3の誘電体層の下層の接合面を例示する平面図である。また、図232(B)は、図232(A)のF1断面図とF2断面図とを組み合わせて、2本の波線で仮想的に接続した図である。図のように、装置110Y3の誘電体層の下層は、凹凸のない平板な誘導体層に孔を形成したものとなる。すなわち、図231(B)のように、上層接合面に、突部PIR4、突部PIR5、突部PIR6が複数形成される結果、上層と下層を接合したときの空隙は、突部PIR4、突部PIR5、突部PIR6によって支持される。したがって、装置110Y3の誘電体層の下層は、平板に近い構成で済むのである。
装置110Y3の誘電体層の下層には、孔HL1とHL2が複数形成される。上層の第1領域に対応する下層の領域に形成される孔HL1は,接合時に、上層接合面の突部PIR4を貫通させるためのものである。また、上層の第2領域に対応する下層の領域に形成される孔HL2は,接合時に、上層接合面の突部PIR5を貫通させるためのものである。
図233(A)は、上層と下層とを接合後の装置110Y3の裏面(下層の裏面)、つまり、情報機器200のタッチパネルに作用する作用面の構成を例示する。また、図233(B)は、上層と下層の誘電体を接合した後の装置110Y3の断面の概要を例示する。ただし、図では、参考用に、突起PIR4からPIR6、およびとスルーホールTH1が点線で仮想的に例示されている。すなわち、上層の第1領域に対応する位置で、突起PIR4が孔HL1を貫通する。その結果、突起PIR4内のスルーホールTH1が装置110Y3の表面と裏面を電気的に接続する。したがって、裏面に印刷成型された素子111Cは、突起PIR4内のスルーホールTH1を介して、表面の配線層WR1に接続される。
また、同様に、上層の第2領域に対応する位置で、突起PIR5が孔HL2を貫通する。その結果、突起PIR5内のスルーホールTH1が装置110Y3の表面と裏面を電気的に接続する。したがって、裏面に印刷成型された素子111Bは、突起PIR4内のスルーホールTH1を介して、表面の接触端子114Aに接続される。
したがって、装置110Y3の構成によっても、装置110Y3と同様に、素子111B、111Cを印刷成型することで、複数の素子111Cの様々な配置パターンを柔軟に形成可能である。したがって、装置110Y3によれば、情報機器200で実行される多様なアプリケーションプログラムへの対応が容易となり、装置110Y2の量産に対応できる。さらに図233(A)、図233(B)に例示したように、装置110Y3の場合には、下層が極めて簡易な平板構成となり、より印刷成型に適した構成とすることができる。
図234から図236により、装置110Y4について説明する。上記で説明した装置110Y1から装置110Y4では、配線層WR1が、編み目上、格子状その他の構成で誘電体層の上層上面のほぼ全面に敷設される。このような構成によって、配線層WR1による表面積が増加し、配線層WR1と素子111A、111C等による静電容量を増加でき、利用者の指が配線層WR1に接触しなくても、情報機器200のタッチパネルが装置110Yの接触あるいは近接を検出できるという効果が得られる。
一方、配線層WR1の配線層WR1による表面積が増加すると、利用者の指が配線層WR1に接触していない、いわゆる物理量出力OFFのときに、情報機器200のタッチパネルが配線層WR1と素子111A、111Cによる静電容量を検出しないことを前提とするアプリケーションでは、誤検出が生じる可能性がある。そこで、以下、配線層WR1と素子111A、111Cによる静電容量を極力低減する構成を装置110Y4によって例示する。
図234(A)は、装置110Y4の上層表面の構成を例示する。図234(B)は、図234(A)の一部断面図を組み合わせた図である。つまり、図234(B)で紙面に向かって上側は、図234(A)のG1矢印で装置110Y4を切断した断面であり、図234(B)で紙面に向かって下側は、図234(A)のG2矢印で装置110Y1を切断した断面である。図234(B)で2つの断面の境界は、2本の波線で区分して示している。
図234(B)のように、装置110Y4の断面の構成のうち、接触導体114Aおよび接触導体114Aに接続されるスルーホールTH1、接点ATP1の構成は、装置110Y1と同様である。
一方、装置110Y4では、上層の第1領域で、配線層WR3は、接合面側に形成される。そのため、図234(A)では、配線層WR3は点線で記載されている。そして、配線層WR3の接合面側には接点ATP5が形成されている。接点ATPは、上層と下層が接合されるときに、下層接合面の接点ATP3と電気的に接続するための接点である。配線層WR3は、接合面側に形成されることで、利用者が第2領域の配線層WR2以外の部分に接触することによって、固定の配置パターンが情報機器に誤入力される可能性を低減できる。ただし、利用者が第2領域の配線層WR2以外の部分に接触することによって、固定の配置パターンが情報機器に誤入力が生じないアプリケーションでは、配線層WR3が表面に形成されるようにしてもよい。
また、上層の第2領域で、配線層WR2は、編み目状ではなく、1次元のラインアンドスペース構成で形成され、各配線の一端で1つの配線に接続される。なお、配線層WR3も、接合面側で、1次元のラインアンドスペース構成で形成され、スルーホールTH5を介して、表面の配線層WR2と接続される。
図235(A)は、装置110Y4の下層接合面の構成を例示する。図235(B)は、図235(A)の一部断面図を組み合わせた図である。つまり、図235(B)で紙面に向かって上側は、図235(A)のH1矢印で装置110Y4を切断した断面であり、図235(B)で紙面に向かって下側は、図235(A)のH2矢印で装置110Y4を切断した断面である。図235(B)で2つの断面の境界は、2本の波線で区分して示している。また、図236(A)は、上層と下層を接合した装置110Y4の裏面の構成を例示する平面図であり、図236(B)は、上層と下層を接合した装置110Y4の断面構成の概要を示す図である。
図235(A)のように、下層接合面には、装置110Y1と同様、突起部PIR3にスルーホールTH2が形成され、裏面側の素子111Cと接続される。スルーホールTH2の接合面側には、接点ATP3が形成される。したがって、突起部PIR3、スルーホールTH2、および接点ATP3が素子111Cに対応する部分にだけ形成される点で、装置110Y4は、装置110Y1とは異なる。しかし、装置110Y4表面と裏面とを接続する部分の構成は、装置110Y1と同様である。
このように、利用者の指が接触する配線層WR2直線上のラインアンドスペース構成とすること、および、装置110Y4裏面の素子111Cに接続するための配線層WR3を最初限のリード線とすることで、配線層WR2、WR3の静電容量を低減できる。そして、図234(A)から図236(B)の構成によっても、利用者の指が配線層WR2に接触することで、情報機器200のタッチパネルは、素子111Cによるいわゆる固定の配置パターンを認識できる。一方、装置110Y4における接触端子114Aによる情報入力は、装置110Y1から110Y3と同様である。
図237に、装置110Y5の裏面の構成を例示する。ただし、図237では、上層と下層が接合された誘電体層内部で空隙SPCを支持する突起PIR1が点線で仮想的に例示されている。また、図では、装置110Y5の表面の接触端子114Aと、配線層WR10が点線で仮想的に例示されている。接触端子114Aは、例えば、導電性材料で印刷形成される。
図のように、裏面には、素子111Cが印刷形成され、スルーホールTH2等によって、装置110Y1から110Y4と同様に表面の配線層WR10と接続される。ただし、装置110Y5では、配線層WR10は、網の目状、格子状、あるいは、ラインアンドスペースパターンのように、広範囲に展開される構成ではなく、素子110Bと、接触端子114Aとを極力短距離で接続できる配置となっている。
このような構成によって、固定の配置パターンによって情報機器200に情報を入力する複数の素子111Bが、接触端子114A1、114A2、114A3に接続される3グループ形成されることになる。この場合に、各グループの配線層WR10の配線の長さが十分に短く、各グループの配線層WR10と素子111Bとの静電容量だけでは、情報機器200のタッチパネルが、装置110Y5作用面(裏面)の接触、あるいは近接を検出しないようにできる。そして、利用者の指が各グループの配線層WR10に接触したときにのみ、素子111Bの配置パターンを検知するように、各グループの配線層WR10と素子111Bとの静電容量を調整可能である。したがって、利用者は、各グループの所望の順序で、操作することで、配置パターンの組み合わせを情報機器200に検知させることが可能となる。この例では、利用者が接触端子114A1、114A2、114A3に指を接触する順番に応じて、6通りの入力が可能となる。したがって、複数の素子111Bの配置パターンが異なる装置110Y5を複数用意することで、利用者に様々なアプリケーションを提供できる。
なお、点線円は、表面にタッチ領域として表面に形成される接触端子114Aである。ただし、接触端子114Aを設ける代わりに、配線層WR10に含まれる配線(導線)を点線円の中心を通り、さらに、点線円の端まで伸ばして、タッチ用導線としても構わない。
したがって、装置110Y5では、第1領域に形成された1以上の素子と前記1以上の素子に接続される前記配線層との組み合わせが複数組形成されていると言える。また、利用者が順次各グループに対応する接触端子114A1、114A2、114A3に指を接触する場合には、複数組に含まれるそれぞれの配線層に順次指を接触することによって、複数組に含まれる第1領域に形成された1以上の素子からの物理量変化に伴う情報がパネルに入力されるといえる。
図238に、装置110Y6の裏面の構成を例示する。装置110Y6は、図237の装置110Y5と比較して、素子111Bによる情報入力部が設けられている。したがって、装置110Y6によれば、利用者は、接触端子114A1、114A2による固定の配置パターンの組み合わせによって、情報機器200に対して、固定の情報の組み合わせを入力するととも、汎用的な英数字、特殊記号等のキー入力、専用キーによる選択、カーソル操作等が可能となる。
図239〜図242は、カードに配置された導電パターンを認識し、さらに、カード表面に、文字やグラフィックでアイコン化(グラフィックの一部でもよい)して印刷された複数のタッチ領域に、タッチして、データの入力や、アプリの起動・操作を行う実施例である。
図239は、様々なメンバーズカードの実施例である。導電体の配置パターンによって、どの施設であるかや、会員資格の種別等が識別できる。さらに、パスワードを数字アイコンをタッチし、ENTERアイコンをタッチすれば、パスワードを入力でき、本人認証ができる。パスワードの入力を中止また、間違った場合は、CANCELアイコンをタッチして、再入力すればよい。本人認証ができれば、施設の様々な情報やサービスを閲覧・享受できる。メンバーズカード以外にも、様々な店舗のポイントカードやスタンプカードとして、スマホで店舗の情報や利用ができる。さらに、診察券として使用し、診察スケジュールや処方箋等も閲覧できる。また、スクラッチ等をカード面に設け、パスワードを印刷しておけば、そのカードを販促用等でユーザに提供し、WEBにアクセスし所定の領域にカードを翳して、スクラッチで取得したパスワードを入力すれば、特典や特別な情報・コンテンツを提供することができる。
図240は、観光カードの実施例である。観光カードをタッチパネルに翳して、言語アイコンをタッチすると、その言語で観光地の説明やイベント情報等が閲覧できる。インバウンド向けに、ホテルや施設、観光案内所等にカードとタッチパネルを設置してもよい。また、旅行業者や交通機関等がカードを設置・配布してユーザのスマホで閲覧できるようにしてもよい。また、様々な店舗にディスプレイされた商品棚に商品と共に商品カードを設置して、特定個所に設けられた製品情報閲覧用のタッチパネルディスプレイに、その商品カードを翳すことにより、商品の説明やカラーバリエーション、価格等の情報を取得することができる。ディスプレイには、性能、カラーバリエーション等の枠を表示し、その領域に翳すことによって、その情報を表示してもよい。在庫が無い商品でも、商品カードをディスプレイすることにより、情報提供や注文ができるようにしてもよい。さらに、人目を惹くようなデザインや写真が印刷された広告カードを様々な個所にディスプレイして、ユーザに提供し、広告付きのコンテンツを取得できるようにしてもよい。
図241は、教育用の‘科学学習カード’の実施例である。学習カードをタブレットに翳し、質問アイコンをタッチすると、問題が出てくる。回答が4択であれば、1〜4までの数字をタッチし、正誤であれば、○×をタッチする。正解であれば、ピンポーン等とその場で正誤結果を出力してもよい。また、回答アイコンをタッチすると、回答や回答の解説をしてもよい。さらに、質問アイコンをタッチすると、次の質問が出力される。採点アイコンをタッチすれば、カードを翳してからの回答の採点結果(5問中3問正解です等)が出力される。終了アイコンをタッチすると、質問の経過等はクリアされ、再度、質問アイコンをタッチすると、最初の質問から開始される。このような、質問、回答、採点は様々な教育分野で利用できることは言うまでもない。さらに、タッチ選択領域を数多く設定することもできることから、アンケートとしても利用できる。また、タブレットに回答項目を表示して、カードを当該回答項目に移動させて、選択アイコンをタッチすると当該回答項目を選択できる。カードを回転させることによって、回転を認識できることから、回転方向で回答を選ぶこともできる。
図242は、ゲームカードの実施例である。カードをタブレットに載置すると、そのカードのキャラクターが表示される。矢印アイコンをタッチすると、その方向にキャラクタ−がその方向に移動する。STOPアイコンをタッチすると移動が止まる。JUMPアイコンをタッチすると、キャラクターがジャンプする。GETアイコンをタッチすると、アイテムをゲットできる。ATTACKアイコンをタッチすると、相手方に攻撃をしかける。攻撃をしかける方向は、カードを回転させることによって、向きを変えてその方向を攻撃する。ディスプレイにMAPが表示されれば、カードを所定の位置に移動させながら、ゲームを進行することもできる。タブレット以外では、スマホでも使用できるし、平面プレイ面にカードを載置して楽しむアーケードゲームでも使用できる。本カードと平面プレイ面にタッチパネルを使用すれば、ゲームセンターでも、自宅のスマホやタブレットでも連動したゲームを楽しむことができる。
上述の図224(A)から図242に配置された導体パターンでは、導体の大きさ・形状が単一であり、それほど多くのパターンは定義できない。しかし、現行のタッチパネルは、タッチ面積やタッチ最大幅を認識できることから、各パターンの大きさを変化させることによって、図267に示すように相当な個数のパターンを定義できる。さらに、将来、タッチ形状も認識できると予想され、形状を変化させることにより、更に多くの導体パターンを定義・認識することができるようになる。
図244は導体の大きさを変化させた実施例である。図a)はここで、各導体の大きさを2種類設定・認識できるとし、向きを認識できる導体を3個および4個を使用した場合で、導体Aと導体B間の距離が最長になるように設定し、その2個を基準導体として検討する。図b)のように、3個の配置によって。情報導体は33か所のいずれかに配置され、導体パターンは33個である。ここで、基準導体を含めて、35か所で、小円を0、大円を1とすれば、3個の導体で8種類(3bit)の組み合わせがある。従って、33×8=264個となる。図c)のように、導体を4個にすると、情報導体2個の配置パターンは、33個から2個を選択する組み合わせであり、528個となり、 4個の導体で16種類(4bit)の組み合わせがあり、528×16=8,448個となる。この結果、導電体を3個と4個の場合を加算すると、264+8,448=8,712個となる。さらに、最長となる導体Aと導体B間の距離を数種類設ければ、更に多くの導体パターンを定義・認識できる。もちろん、大きさも2段階から複数段階にすれば、膨大な量の導体パターンを設定できる。
以上、電気回路で制御しないカードについて論じたが、電気的に導体が反応する大きさや形状を変更することは電気的にも可能であり、同様に、導体パターンを導体の大きさ・形状の変化でさらに多くの情報を定義・認識できることは言うまでもない。
図243は、実施形態35に係る装置110Zを例示する図である。図243は、図201(装置110S)の変形例ということも言える。(A)は装置110Zを上側から見た平面図であり、(B)は左側面図であり、(C)は下面図である。また、(A)の平面図には、装置110Z裏面の素子111が点線で仮想的に例示されている。
装置110Zの特徴は、素子111が配置される裏面に対して、その直上に相当する表面の位置にSW115が配置される点にある。素子111とSW115とは、例えば、スルーホールTH10に金属をめっきまたは充填した基板垂直方向の導電路で接続される。このような構成とすること、SW115から素子111に至る配線を最小限の長さにできる。したがって、SW115がOFFの場合に、SW115の出力端子(例えば、ダイオードのカソード)から素子111に至る配線が形成する静電容量を極めて小さなもとすることができる。その結果、SW115がOFFの場合の静電容量と、SW115がONの場合の静電容量との差を大きくすることができ、情報機器200のタッチパネルが検知する物理量変化(静電容量変化、電界強度変化)を大きくすることができる。情報機器200のタッチパネルが検知する物理量変化が大きくなると、情報機器200の装置110Zの素子111からの情報入力の精度を向上でき、誤入力(誤検出)を低減できる。
図243の2つめの特徴は、(C)の下面図に例示されるように、配線層の配線直下に溝を設けた点にある。このような溝を設けることで、配線と、情報機器200のタッチパネル間のカップリングを低減し、情報機器200の誤検出を低減できる。
なお、図243で、集光筒は、フォトダイオードWPDに集光する光のディスプレイ上の領域を限定するためのものである。すなわち、情報機器200のディスプレイのうち、特定領域の光が集光筒に入射し、集光筒内のフォトダイオードWPDによって検知される。したがって、装置110Zは、5つのフォトダイオードWPDにより、ディスプレイの5つの領域から並列に光コードを取得可能である。
さらに、(B)の左側面図に例示される空隙により、素子111をSW115によってON/OFF制御する制御部を情報機器200のタッチパネルから離間させることができる。その結果、制御部のタッチパネルに対するカップリングを軽減し、情報機器200の誤動作を低減できる。
すでに、上記実施形態0から33で説明したように、素子111を3以上設け、非対象な位置関係で配置することにより、情報機器200のタッチパネルが素子111による物理量の発生、または変化を検知したときに、情報機器200は素子111の配置形状、および、配置の向きを特定できる。また、情報機器200は、タッチパネルに対する装置110Zの回転角を認識できる。
装置110Zと情報機器200との間の通信は、実施形態21、24等で例示したように、素子111からの物理量によるパターンコード(静電容量コード)と、情報機器200のディスプレイからの光コードとによる。ただし、装置110Zに無線通信手段を設け、これらの通信と併用するようにしてもよい。装置110Zは、タッチパネルに3以上の素子111からの物理量をタッチパネルに引き渡すことで、単に、大量の情報を引き渡す以外に、タッチパネル上の位置、および、装置110Zの向きを情報機器200に引き渡すことができる、という従来にはない、特徴を有する。
さらに、装置110Zには、メモリ117が設けられているので、情報機器200のディスプレイから光コードでメモリ117にデータを記憶し、更新することで、装置110Zは様々なアプリケーションに適用可能である。例えば、観光案内、展示会での製品説明、各種言語(日英中等)によるガイドが可能となる。
図245から図253を参照して、実施形態36に係る装置110AAを説明する。ここでは、装置110AAは、例えば、図40の装置110と同様の構成である。すなわち、実施形態36の構成は、上記実施形態0のコード発生装置1、実施形態1以下の装置110等に適用できる。なお、図245において、図40と同様の構成については、図40と同一の符合を付してその説明を省略する。
ただし、図245において、指紋センサは、なくてもよい。また、電池122の変わりに、光電変換素子配列122と同様のもの、例えば、ソーラーパネルを設けてもよい。また、図245では、駆動回路121がSW115、あるいは、SW115Aを駆動するが、CPU116の入出力インターフェース、例えば、General Purpose Input/Output(GPIO)から直接SW115、あるいは、SW115Aを駆動してもよい。なお、駆動回路121がSW115、あるいは、SW115Aを駆動する場合には、駆動回路121としては、DAコンバータおよび必要に応じてトランジスタの増幅回路を用いればよい。また、図245では、素子111は、SW115がONの場合に、接触導体114を介して、利用者の指等あるいは接地電位に接続される。なお、接触導体114を介さず、SW115を介して、素子111が接地電位に接続されるようにしてもよい。なお、接触導体114に利用者の指が触れる場合も、接触導体114は利用者の人体を通じて接地電位に接続される。したがって、接触導体114を介さず、SW115を介して、素子111が接地電位に接続される場合も、接触導体114に利用者の指が触れる場合も類似の物理量変化が情報機器200のタッチパネルに生じる。
図245においても、実施形態1と同様、SW115のONとOFFに応じて、装置110AAの作用面上の素子111がタッチパネルに作用して、静電容量あるいは電界強度等の物理量を検知させる。装置110AAは、上記実施形態0〜実施形態35までの装置の構成に加えて、駆動回路121(またはCPU116の入出力インターフェース)によって駆動されるSW115Aと、SW115AのONとOFFによって接地電位に通電されるカップリング用導体114Aを有している。この構成では、SW115AがONになると、カップリング用導体114Aは、接地電位に接続され、タッチパネルに対して物理作用を及ぼす。例えば、カップリング用導体114Aは、タッチパネルに、静電容量あるいは電界強度等の物理量を検知させる。
そして、駆動回路121(またはCPU116の入出力インターフェース)は、複数のSW115のうちのいずれかがONになるタイミングと同期してSW115AをONにする。したがって、タッチパネルは、ONになったSW115によって接触導体114または接地電位に接続される素子111による物理量の変化に重畳してカップリング用導体114Aによる物理量変化の作用を受ける。例えば、タッチパネルは、素子111による静電容量に加えてカップリング用導体114Aによる静電容量を検知する。あるいは、タッチパネルは、素子111による電界強度に加えてカップリング用導体114Aによる電界強度を検知する。
また、駆動回路121(またはCPU116の入出力インターフェース)は、複数のSW115のうちのいずれかがOFFになるタイミングと同期してSW115AをOFFにする。したがって、SW115およびSW115AがONの場合と同様に、タッチパネルは、OFFになったSW115によって接触導体114または接地電位から遮断される素子111による物理量の変化に重畳してカップリング用導体114Aによる物理量変化の作用を受ける。例えば、タッチパネルは、素子111が形成する静電容量の減少に加えてカップリング用導体114Aが形成する静電容量の減少を検知する。あるいは、タッチパネルは、素子111からの電界強度の減少に加えてカップリング用導体114Aからの電界強度の減少を検知する。
図246は、カップリング用導体114AとSW115Aがない装置110の構成を模式的に例示する図である。図のように、それぞれの素子111(PAD1、PAD2、PDA3ともいう)は、それぞれのSW115(SW1、SW2、SW3)を介して、図示しない接地電位接続される。CPU116の入出力インターフェースは、それぞれのSW115(SW1、SW2、SW3)をONにすることで、それぞれの素子111(PAD1、PAD2、PDA3)を接地する。また、CPU116の入出力インターフェースは、それぞれのSW115(SW1、SW2、SW3)をOFFにすることで、それぞれの素子111(PAD1、PAD2、PDA3)を接地電位から遮断する。このようなSW115(SW1、SW2、SW3)のONとOFFの状態により、タッチパネルは、素子111(PAD1、PAD2、PDA3)による物理量変化を検知する。
図247は、SW115(あるいはSW115A、以下、単にSW115等という)を模式的に例示する図である。SW115等は、素子111と接地電位との間を接続状態(ON)または遮断状態(OFF)にする。
図248は、SW115等の具体的な構成を例示する図である。図のように、SW115等は、抵抗R115とダイオードD115とバイアス回路B115を直列接続した構成を有する。バイアス回路B115の一端は接地される。また、抵抗R115の一端は、CPUの入出力インターフェースに接続される。ダイオードD115は、CPUの入出力インターフェースから接地電位に向かう電圧によって順方向に駆動されるように接続される。すなわち、ダイオードD115のアノードが抵抗R115を介してCPUの入出力インターフェースに接続される。また、ダイオードD115のカソードはバイアス回路B115を介して接地される。そしてダイオードD115のアノードには、素子111が接続される。このような構成とすることで、タッチパネルが素子111の物理量を検出するときの検出電圧によるダイオードD115のスイッチング動作への影響を緩和できる。
すなわち、タッチパネルの表面には、静電容量センサが配列されている。静電容量センサは、素子111等のようにタッチパネルの表面に近接あるいは接触する対象の静電容量を検知する。タッチパネルの制御回路は、静電容量センサに例えばパルス電圧を加え、インピーダンスの変化から、タッチパネルの表面に近接あるいは接触する対象の静電容量の変化を検知し、対象の接近、接触等を認識する。したがって、例えば、タッチパネルの制御回路の駆動電圧のダイオードD115に作用する分圧が、ダイオードの順方向電圧よりも高いと、ダイオードD115はOFF状態からON状態に変わる場合がある。すなわち、CPUの入出力インターフェースからの駆動電圧が0の場合でも、タッチパネルの制御回路によってOFFのダイオードがONになる場合がある。この場合には、ダイオードD115は、SW115としての機能を果たせなくなる。
しかしながら、図248の構成をとることにより、タッチパネルの制御回路の駆動電圧のダイオードD115に作用する分圧は、バイアス回路B115の電圧分だけ減少する。したがって、図248の回路構成によれば、タッチパネルの制御回路の駆動電圧のダイオードD115に作用する分圧を低減でき、タッチパネルの制御回路によってOFFのダイオードがONになることを抑制できる。
なお、ダイオードのオフ時の容量を低減するのには逆電圧をダイオードに加えるのが良いが、電池の代わりにプロセッサ制御端子の反転電圧をこの電池の代わりにすると望ましい効果が得られる。
なお、図248のダイオードとしては、ダイオードD115がOFFのときの接合量が極力小さい高周波用ダイオード、あるいは、ピンダイオードが望ましい。ダイオードD115の接合容量が大きいと、ダイオードD115がOFFの場合も、パルス信号あるいは交流信号に対しては導通状態となる。したがって、ダイオードD115のOFFのときにも、タッチパネルの静電容量センサが接合容量を介して素子111の静電容量等の物理量をダイオードD115のONのときに近い物理量で誤検知する場合があるからである。
図249は、図248の変形例である。図の素子111と接地電位等との接続をONまたはOFFに制御するため、ダイオードにD115に変えてトランジスタT115を用いてもよい。なお、図249のトランジスタT115の代わりに、実施形態0と同様トランジスタを直列に接続した構成としてもよい。
図250は、本実施形態の装置110AAにおけるカップリング導体1114A、SW115A、素子111、およびCPU116の接続を例示する図である。図のように、複数の素子111(それぞれPAD1、PAD2、PAD3等と呼ばれる)は、それぞれSW115を介して、図245の接触導体114または接地電位(以下、単に接地電位等)に接続される。また、カップリング用導体114Aは、SW115Aを介して、接地電位に接続される。ただし、図250では、接触導体114および接地電位は省略されている。本実施形態では、CPU116は、複数のSW115(PAD1、PAD2、PAD3等)のいずれか1以上をONにするときに、SW115AをONに制御する。また、、CPU116は、複数のSW115(PAD1、PAD2、PAD3等)のすべてをOFFにするときに、SW115AをOFFに制御する。
したがって、カップリング導体1114Aは、接地電位等に接続される素子111に連動して、接地電位に接続される。その結果、いずれか1以上の素子111がONになり、タッチパネル上で物理量を変化させると、その物理量変化と連動して、カップリング導体1114Aがタッチパネル上に生じる。そして、カップリング用導体114Aと素子111とが、タッチパネル上で物理量を検出するセンサ配列のうち、同一のセンサに作用にする位置関係にあると、カップリング導体1114Aによる物理量変化は、素子111による物理量変化に重畳することになる。例えば、タッチパネル表面で法線方向にカップリング用導体114Aと素子111とが、上記法線方向で重畳し、パネルから見て素子111の上側にするカップリング用導体114Aが配置される位置関係になると、カップリング導体1114Aによる物理量変化は、素子111による物理量変化に重畳する。
図250の例では、複数のSW115(PAD1、PAD2、PAD3等)のすべてを被覆するように、複数のSW115を挟んで、複数のSW115の上側(タッチパネルと反対側)にカップリング用導体114Aが設けられる。カップリング用導体114Aとタッチパネルとが十分に広い面積を有し、周辺部分の端効果が無視できるとすると、カップリング用導体114Aはタッチパネルに対して、平行平板コンデンサと同様の均一な電界、あるいは、静電容量を生じさせることになる。したがって、各素子111による物理量変化に、カップリング用導体114Aによる物理量変化が重畳される。その結果、ONになるSW115に接続される素子111(以下、単にONなる素子111)による物理量変化がタッチパネルによる検出限界未満の物理量変化であっても、カップリング用導体114Aによる物理量変化が重畳されることで、タッチパネルはONになる素子111の物理量変化を検知できる。
図251は、図250の変形例である。CPU116の入出力インターフェースのチェンネル数が複数のSW111(SW1、SW2、SW3等)とSW115Aの数よりも少ない場合には、CPU116は、I/Oエクスパンダを介して、例えば、複数のSW111をONとOFFに制御してもよい。
I/Oエクスパンダは、例えば、CPU116とシリアルインターフェースで接続され、複数のSW111をGPIOで駆動する。すなわち、I/Oエクスパンダは、例えば、CPUからのシリアル通信による指示を受けて、複数のSW111(SW1、SW2、SW3等)を並列にONまたはOFFに制御する。CPU116は、シリアル通信により、GPIOのチャンネル番号と、ONまたはOFFの指定をI/Oエクスパンダに送信する。I/Oエクスパンダは、CPU116の指示にしたがって、複数のSW111をそれぞれONまたはOFFに制御する。
さらに、図251の回路では、複数のSW111(SW1、SW2、SW3等)の制御信号がORゲートで論理和演算され、ORゲートの出力信号でSW115Aが制御される。したがって、図251の構成では、複数のSW111(SW1、SW2、SW3等)の少なくとも1つがONに制御されると、ORゲートの出力がONとなり、SW115AがONに制御される。ただし、ORゲートを用いる代わりに、I/OエクスパンダからのGPIOの1つのチャンネルでSW115Aを制御してもよい。すなわち、CPU116は複数のSW111(SW1、SW2、SW3等)の少なくとも1つをONに制御するときに、その制御に連動して、SW115AをONに制御してもよい。CPU116が、複数のSW111(SW1、SW2、SW3等)と連動してSW115Aを制御する場合には、ORゲートは不要である。
図252は、図250の変形例である。図252では、図250、図251で一体であったカップリング用導体114Aが、カップリング用導体114A1、114A2、114A3等のように部分に分離されている。ここでは、3部分のカップリング用導体114A1、114A2、114A3が例示されているが、分離されたカップリング用導体114A1が3部分に限定される訳ではない。
そして、カップリング用導体114A1、114A2、114A3等は、それぞれ、SW115A1、SW115A2、SW115A3を介して接地電位に接続される。また、複数の素子111(PAD1、PAD2、PAD3等)と複数のSW111(SW1、SW2、SW3等)の接続は、図251と同様である。そして、カップリング用導体114A1、114A2、114A3等は、タッチパネル表面上の複数の素子111(PAD1、PAD2、PAD3等)に対して、装置110Aの作用面の法線方向(すなわち、タッチパネルに作用面が接触したときにはタッチパネルの法線方向)において、それぞれ重畳する位置関係にある。以下、装置110Aの作用面の法線方向において重畳する関係にあるカップリング用導体114Akと素子111(PADk)との関係を重畳する関係にあるということにする。ここでkは整数である。
このような構成において、CPU116は、素子111(PADk)に接続されるSW115(SWk)をONにする場合に、素子111(PADk)に重畳するカップリング用導体114Akに接続されるSW115AkをONにする。また、CPU116は、素子111(PADk)に接続されるSW115(SWk)をOFFにする場合に、素子111(PADk)に重畳するカップリング用導体114Akに接続されるSW115AkをOFFにする。ここで、kは整数である。
したがって、カップリング導体1114Akは、接地電位等に接続される素子111(PADk)に連動して、接地電位に接続される。その結果、素子111(PADk)がONになり、タッチパネル上で物理量を変化させると、その物理量変化と連動して、カップリング導体114Akによる物理量変化がタッチパネル上に生じる。そして、装置110AAの作用面がタッチパネルに近接または接触したときに、カップリング用導体114Akと素子111(PADk)とは、タッチパネル上で物理量を検出するセンサ配列のうち、同一のセンサに作用にする位置関係にある。したがって、カップリング導体1114Akによる物理量変化は、素子111(PADk)による物理量変化に重畳することになる。
図252のように、カップリング用導体114Akのように、カップリング用導体が複数の断片に分離している場合には、タッチパネル上で平行平板コンデンサと同様の均一な電界、あるいは、静電容量を生じる箇所は限定される。その結果、カップリング用導体114Akがタッチパネル上に重畳される領域、すなわち、カップリング用導体114Akをタッチパネル上に法線方向に射影した領域の内部には平行平板コンデンサに近い電界が生じる、一方、カップリング用導体114Akがタッチパネル上に重畳される領域外は、カップリング用導体114Akからの距離に依存して電界強度が減少する。したがって、装置110AAがタッチパネルに近接あるいは接触したときに、タッチパネルが検出する物理量(電界強度、静電容量)は、カップリング用導体114Ak直下のカップリング用導体114Akがタッチパネル上に重畳される領域で所定量となり、カップリング用導体114Akがタッチパネル上に重畳される領域から離れれば離れるほど弱くなると考えてよい。
したがって、上記のように、CPU116は、SW115(SWk)に連動して、SW115AkをONし、または、OFFにすることで、ONとなるSW115(SWk)によって生じる素子111(PDAk)に生じる物理量変化に、カップリング用導体114Akによる物理量変化を重畳させることができる。また、カップリング用導体114Akによる物理量変化のカップリング用導体114Akが重畳される領域外への影響は、距離に応じて低減される。一方、CPU116は、OFFにされるSW115(SWk)に接続される素子111(PDAk)からの物理量には、カップリング用導体114Akによる物理量を重畳させないように遮断できる。以上のように、図252の装置110AAによれば、ONとなるSW115(SWk)によって生じる素子111(PDAk)に生じる物理量変化に対してある程度限定的にカップリング用導体114Akによる物理量変化を重畳させることができる。このことは、図252の構成によれば、SW115(SWk)のONとOFFとの制御によって生じる物理量変化のダイナミックレンジを拡げることができること考えてよい。すなわち、タッチパネルは、ONとなるSW115(SWk)によって生じる素子111(PDAk)に生じる物理量変化をONとして検知しやすく、OFFとなるSW115(SWk)によって生じる素子111(PDAk)に生じる物理量変化をOFFとして検知しやす(ONと誤認しにく)という結果が得られる。
なお、図252では、CPU116がSW115(SWk)と独立にSW115Aを駆動するが、CPU116からSW115(SWk)への制御信号の経路を分岐させてSW115Aを駆動するようにしてもよい。
図253は、図250の変形例である。図253は、図250の構成と図252の構成を組み合わせたものである。すなわち、図253では、図252で例示したように、カップリング用導体114Akのように、カップリング用導体が複数の断片に分離しているがすべてのカップリング用導体114Akは、複数の素子111(PAD1、PAD2、PAD3等)のいずれか1つ以上と連動し、接地電位等と接続または遮断される。なお、図253では、CPU116がSW115Aを駆動するが、図251と同様、複数のSW115の制御信号をORゲートで論理和演算した信号がW115Aを駆動するようにしてもよい。
図254は、タッチパネルが物理量を検知するときの閾値と、閾値にしたがって判定される判定結果を例示する。以下、SW115がONになることによって、素子111に生じる物理量変化によって生じる検出結果をONと定義する。検出結果ONとは、タッチパネルに利用者の指が接触されたときの検出結果と同様である。また、SW115がOFFになることによって、素子111に生じる物理量変化によって生じる検出結果をOFFと定義する。
本実施形態では、タッチパネルが物理量からONとOFFとを判定するときの閾値には、ヒステリシスがあるものとする。例えば、タッチパネルがOFFと判定している(つまりONと判定していない状態の)ときにONに変化したと判定するための閾値をSTONとする。また、例えば、タッチパネルがONと判定しているときにOFFに変化したと判定するための閾値をSTOFFとする。図254のように、通常、STOFFよりもSTONの方が高い値となる。以下、2つの閾値STONとSTOFFによる本実施形態の装置110AAからの物理量変化により、タッチパネルがONとOFFを判定する処理を例示する。
(1)物理量変化が十分に大きい場合のOFFからONおよびONからOFFの検知
ここでは、装置110AAをタッチパネルに近接または接触させた状態でCPU116が複数のSW115のいずれかONまたはOFFにしたときのタッチパネルの検出結果を例示する。まず、装置110AAの電源がOFFのときには、タッチパネルは装置110AAの作用面上の複数の素子111のいずれからの物理量変化を検出しない。したがって、タッチパネルはONを判定できず、OFFと判定する(OK1)。
次に、装置110AAの電源が投入されると、装置110AAが処理等を実行することにより、複数のSW111(SWk)のいずれかをONにする。すると、SW111(SWk)によって素子111(PADk)が接地電位または接触導体114に接続され、タッチパネル上のセンサに物理量変化(物理量の増加)を生じさせる。その結果、この物理量変化に基づく物理量が閾値STON以上の場合、タッチパネルはONと判定する(OK2)。なお、このとき、装置110AAでは、SW115Ak(あるいは、SW115A)がONにされるので、カップリング用導体114Ak(あるいはカップリング用導体114A)による物理量変化(物理量の増加)もタッチパネルに重畳される。
装置110AAがさらに処理等を実行することにより、ONのSW111(SWk)をOFFにする。すると、SW111(SWk)によって接地電位または接触導体114に接続されていた素子111(PADk)が接地電位または接触導体114から遮断され、タッチパネル上のセンサに物理量変化を生じさせる。その結果、この物理量変化に基づく物理量が閾値STOFF以下の場合、タッチパネルはOFFと判定する(OK3)。なお、このとき、装置110AAでは、SW115Ak(あるいは、SW115A)がONのSW111(SWk)に連動してOFFにされるので、カップリング用導体114Ak(あるいはカップリング用導体114A)による物理量変化(物理量の減少)もタッチパネルに重畳される。以上は、タッチパネルが素子111(PADk)からの物理量変化に基づき、OFFからONへの変化およびOFFからONへの変化を判定できる例である。
しかし、SW115(ピンダイオード、トランジスタなど)の性能の限界により、ダイナミックレンジが十分でなく、様々なタイプのタッチパネルにおいて使用環境が異なると、タッチパネルが適切にONとOFFを判定できなくなる(NGケースと呼ぶ)。具体的には、以下の(2)〜(4)のケースがある。以下、NGケースが発生する事例を列挙する。
電気回路の構成、スイッチの種別、素子111(PADk)の容量(大きさ、配線)、他の電気回路部分によるタッチパネルへのカップリングの有無、タッチパネルの種別、タッチパネルの保護シートの有無、タッチパネル自身の保有する容量起因し、タッチパネルがONとOFFを精度よく判定できない場合がある。また、利用者に使い方に起因する場合がある。また、例えば、タッチパネルが手持ちされているか否か、金属机上にあるか否か、木机の上など他、湿度などの自然環境差、指や人の個体差に起因してタッチパネルがONとOFFを精度よく判定できない場合がある。
(2)物理量変化が不十分な場合OFFからONの検知不可
次に、タッチパネルが素子111(PADk)からの物理量変化に基づき、OFFからONへの変化を判定できない場合を説明する。まず、今、タッチパネルは、OFFと判定している(ONと判定できない)とする(OK4)。OK4は、例えば、装置110AAの電源がOFFのときに相当する。次に、装置110AAの電源が投入されると、装置110AAが処理等を実行することにより、複数のSW111(SWk)のいずれかをONにする。すると、SW111(SWk)によって素子111(PADk)が接地電位または接触導体114に接続され、タッチパネル上のセンサに物理量変化(物理量の増加)を生じさせる。ただし、この物理量変化が不十分な場合、すなわち、タッチパネルが検出する物理量が閾値STONに達しない場合、タッチパネルはONと判定できない(NG5)。
(3)物理量変化が不十分な場合ONからOFFの検知不可
OFF時の物理量が閾値STONに近い場合(OK6)、物理量変化が不十分な場合でも
も、物理量変化後の物理量が閾値STON以上となることで、タッチパネルはONを判定できる(ON7)。ただし、この場合には、ONからOFFになるときに、物理量の減少が十分ではなく、物理量が閾値STAFF以下とならない場合がある。この場合には、タッチパネルはOFFを判定できない(NG7)。
(4)
また、装置110AAの電源が投入され、複数のSW111(SWk)のすべてをOFFの場合でも、素子111(PADk)によって形成される物理量が閾値STON以上の場合があり得る(NG8)。この場合には、装置110AAは、SW111(SWk)の制御によって素子111(PADk)からの物理量をOFFと判定される状態にできない場合である。この場合には、CPU116がSW111(SWk)をONにした場合も、タッチパネルはONと判定したままの状態となる(OK9)。したがって、装置110AAが処理等を実行することにより、複数のSW111(SWk)のいずれかをOFFした場合も、素子111(PADk)からの物理量は閾値STOFF以下にならない。したがって、タッチパネルはOFFを判定できない(NG10)。
(5)物理量変化が不十分な場合の対策(OFFからONの変化)
OK4からNG5の場合のように、物理量変化が不十分でタッチパネルが検出する物理量が閾値STONに達しない場合、装置110AAは、カップリング導体114Ak(あるいはカップリング用導体114A)の物理量変化を重畳することで、OFFからONの変化をタッチパネルに検出させることができる。装置110AAでは、SW115と連動して、SW115Ak(あるいは、SW115A)がONにされるので、カップリング用導体114Ak(あるいはカップリング用導体114A)による物理量変化(物理量の増加)もタッチパネルに重畳される。カップリング用導体114Ak(あるいはカップリング用導体114A)による物理量変化が素子111(PADk)による物理量変化に重畳され、素子111(PADk)に近接または接触するセンサにおける合計の物理量変化が閾値STON以上となると、センサはONと判定できる(OK12)。
(5)物理量変化が不十分な場合の対策(ONからOFFの変化)
さらに、OK12のONが判定された状態で、装置110AAが処理等を実行することにより、複数のSW111(SWk)のいずれかをOFFにする場合を検討する。このとき、本実施形態では、CPU116は、OFFにする素子111(PADk)に接続されるSW115(PADk)に連動して、カップリング導体114Ak(あるいはカップリング用導体114A)に接続されるSW115Ak(またはSW115A)をOFFにする。すると、カップリング用導体114Ak(あるいはカップリング用導体114A)による物理量変化が素子111(PADk)による物理量変化に重畳され、素子111(PADk)に近接または接触するセンサにおける合計の物理量変化が閾値STOFF以下となる。これによってタッチパネルは、素子111(PADk)に近接または接触するセンサの位置でONからOFFに変化したことを判定できる(OK13)。
以上のように、素子111(PADk)に接続されるSW111(SWk)と連動して、カップリング用導体114Ak(あるいはカップリング用導体114A)に接続されるSW115Ak(あるいはSW115A)をONおよびOFFに制御することで、ONのときの物理量を増大させ、OFFのときの物理量を減少させることができる。したがって、カップリング用導体114Ak(あるいはカップリング用導体114A)を用いて、素子111(PADk)の物理量変化の幅を実効的に大きくできる。したがって、素子111(PADk)による物理量変化が閾値STONおよび閾値STOFFに対して、十分な変化幅を有しない場合も、カップリング用導体114Ak(あるいはカップリング用導体114A)を用いることで、ONとOFFとの変化をタッチパネルに認識させることができる。
図255から図263を参照して、情報機器200による素子111の位置認識方法およびこの位置認識方法にしたがうプログラムの処理を例示する。ここでは、装置110は、例えば、実施形態34の装置110Yと同様の構成である。したがって、本実施形態で情報機器200が位置認識を実施する対象は、例えば、電源のない薄板状の装置である。ただし、実施形態37のタッチパネルによる処理は、上記実施形態0のコード発生装置1、実施形態1以下の装置110等に適用できる。また、情報機器200の構成は、実施形態1と同様のであるのでその説明を省略する。
図255は、本実施形態の情報機器200の処理対象である装置110の作用面における素子111の配列例(タイプ1という)であり、図256は、装置110の素子111の他の配列例(タイプ2という)であり、図257は、装置110の作用面における素子111を配置するID領域とタッチ領域を説明する図である。本実施形態では、図255から図257のように、装置110は、情報機器200のタッチパネルに近接または接触する面である作用面上で、仮想的に形成された格子点上に、素子111が配置される。すなわち、素子111の中心が各格子点に位置するように素子111が配置される。ただし、格子点には、ID領域の格子点と、タッチ領域の格子点が含まれる。
ID領域には、基準導体2個と情報導体2個の計4個の導体が予め配置される。基準導体とは、ID領域の格子点に配置される素子111のうち、格子位置を決定する基準となる素子111をいう。基準導体は、通常、矩形状のID領域のうち、対角位置の2つの4隅に配置される。すなわち、基準導体の配置位置は、左上隅と右下隅の1組(以下、パターンタイプ1という)、および右上隅と左下隅の1組(以下、パターンタイプ2という)の2種類に限定される。
また、情報導体とは、ID領域の格子点に配置される素子111で、上記矩形状のID領域のうちの基準導体以外の素子111をいう。情報導体は、装置110ごとに、多数の格子点(図257では、7×8=56−4=52箇所)に自在に配置可能であり、装置110を識別するためのコード(ID)を定義する役割を有する。
タッチ領域とは、装置110の作用面の反対面に設けられる指接点に利用者がタッチ操作することで、指接点直下(裏側)の作用面上に、タッチパネルに対して物理量変化を生じさせる領域である。指接点の一例としては、上記実施形態34の接触端子114Aを例示できる。また、以下の本実施形態を含む実施形態では、装置110の上面(作用面の反対面)上の指接点および指接点へのタッチ操作によって、タッチパネル表面に物理量変化を引き起こす作用面上の位置(指接点の裏面位置)を総称してタッチポイントと呼ぶ。本実施形態では、タッチポイントは、例えば3×4=12個設けられる。ただし、タッチポイントの数が12に限定される訳ではない。タッチポイントに対応する作用面上の位置(タッチ操作による物理量変化が生じる位置)には、タッチポイント数分の素子111が設けられてもよい。また、タッチポイントに対応する作用面上の素子111と、タッチポイントとは、例えば、導体(導電路)で接続されてもよい。
ただし、タッチポイントおよびタッチポイントに対応する作用面上の位置には、素子111および導体(導電路)を設けなくてもよい。素子111および導体(導電路)を設けない場合には、利用者がタッチポイントをタッチ操作すると、装置110の薄い板上の基材の誘電率に応じて、タッチポイントに対応する作用面上(タッチポイント裏面)に、タッチパネルに作用する物理量変化が生じる。基材の誘電率が十分に高い場合には、素子111あるいは導電路がない場合でも、情報機器200のタッチパネルは、このような物理量変化を検知する。以上のように、本実施形態の装置110は、ID領域に配置される4個の素子111(基準導体2個、情報導体2個)と、タッチ領域における12か所のタッチポイントを有するタッチカードということができる。ただし、以下では、タッチ領域に素子111がない場合も含めて、基準導体2個、情報導体2個、およびタッチポイントを合わせて5個の導体という場合がある。
図255は、パターンタイプ1の装置110である。また、図256は、パターンタイプ2の装置110である。誤認を防ぐため、本実施形態では、ID領域の情報導体は隣接する2つの格子点には配置されない。つまり、2つの情報導体の配置(上下左右斜め)は、点線〇で示した配置候補個所を少なくとも1か所おいて(少なくとも1つの格子点を空けて)配置する。図では、情報導体は、ドットのハッチングが付された情報導体T1−3、T1−4、T2−3、T2−4によって例示される。また、図で基準導体は、黒丸で例示され、基準導体T1−1、T1−2、T2−1、T2−2で例示される。なお、2個の基準導体は、ID領域の4隅に限定されるわけではなく、例えば、4隅の上下または、左右に配置してもよい。2個の基準導体の位置を4隅以外とすることで、その分、カードを識別するIDが数多く設定できる。
IDとタッチ操作によるタッチ入力lの組み合わせをID領域コードと呼ぶことにする。パターンタイプ1のID領域のコード数(ID数ともいう)977×タッチ領域タッチポイント数12=11,724種類のID領域コードを定義できる。また、パターンタイプ2については、ID領域のコード数976×タッチ領域タッチポイント数12=11,712種類のID領域コードを定義できる。なお、パターンタイプ2のコード数がパターンタイプ1のコード数977から976に1個減少したのは、パターンタイプ1と重複するID領域の4隅の2箇所に情報導体が配置されたコードを除くからである。
図から図258により、ID領域コードの認識アルゴリズムを説明する。
(アルゴリズムの概要)
アルゴリズムの概要は以下の通りである。
(ステップG1)情報機器200は、タッチパネルによって5個の導体検知位置を認識し、その5個から2個の基準導体を検索する。
(ステップG2)タッチパネルは2個の基準導体から一意に定まるID領域の所定数(例えば、48箇所)の情報導体配置位置(格子点)の2か所に配置される情報導体を検知することにより定義されたIDを認識する。
(ステップG3)さらに、情報機器200は、2個の基準導体から一意に定まる12か所からなるタッチ領域を特定する。そして、情報機器200は、タッチ操作されたタッチポイントに対応するタッチ領域上の格子点を検出することにより、特定したカードIDにおけるタッチ選択(12か所の内の1か所)を検知し、IDに関連する、タッチ操作を認識する。例えば、カード状の装置110には、処理対象を示すマークが形成されている。情報機器200は、タッチ操作された装置110上の位置を特定し、特定した位置に付されたマークに対応するアプリケーションの実行、コンテンツの操作・閲覧等の機能を提供する。したがって、利用者は、カード状の装置110に形成された選択対象を示すマーク近傍のタッチポイントをタッチ操作することで、上記アプリケーションの実行、コンテンツの操作・閲覧等を行うことができる。
(アルゴリズムの詳細)
アルゴリズムの詳細を図263に例示する。情報機器200のCPUは、RAM上に実行可能に展開されたコンピュータプログラムにより、図263の処理を実行する。
(ステップD1)情報機器200は、タッチパネル上でID領域の素子111およびタッチポイントでの物理量変化が生じた座標位置を検出する。図259のタッチパネル上の座標系での検知点の座標値はT1−1:P1(X1’,Y1’),T1−2:P2(X2’,Y2’),T1−3:P3(X3’,Y3’),T1−4:P4(X4’,Y4’),T1−5:P5(X5’,Y5’)とする。情報機器200は、検知したID領域の4点とタッチ領域1点の計5点の内の2点間の距離をすべて計算する。情報機器200は、2点間の距離の長い方からL1〜L10としてソートする。ソートの結果は、L1>L2>L3>L4>L5>L6>L7>L8>L9>L10のように得られる。情報機器200は、L1からL10をタッチパネル上の座標系で検知するため、情報機器200が取得するL1からL10の数値は、実寸の数値とは異なる。なお、図258のXY座標系は、タッチ領域の左下を原点とした装置110(カード状の媒体)の作用面上の座標系である。また、図258のXiYi座標系は、ID検索用のテーブル(図262のID領域座標値−ID番号テーブル、以下単にID領域テーブルとも呼ぶ)で座標値を照合できるように基準化された座標値を基にしている。上述のように、図259のカード状の媒体をタッチパネルにθ回転して載置した際の各検知点の座標値は、タッチパネルのX’Y’座標系で表されている。すなわち、X’Y’座標系は、カードをタッチパネルにθ回転して載置した際のタッチパネルの座標系である。また、図261のX”Y”座標系は、θ回転して載置されたカードを、−θ回転して、カードの向きを正(Y”軸方向)とし各点を座標変換した座標系である。これらの座標系は、左下を原点としているが、タッチパネルの座標検知で多く使用している左上(右上、右下でもよい)を原点としてもよい。
本実施形態では、素子111の幾何学的配置から、2個の基準導体は、2点間の距離が長い方から1〜5番目までの範囲(L1からL5)に含まれる。2個の基準導体が5番目までの範囲に含まれる根拠は、図258から明らかなように、タッチ領域の少なくともいずれか1点からID領域で検知された4点までの距離が、2個の基準導体間の距離より長い場合があるからである。なお、T1−2(X2,Y2)から最も離れているタッチID領域の1点からの当該距離が2個の基準導体間の距離よりも短い配置のカードであれば、2個の基準導体は、2点間の距離が長い方から1〜4番目までの範囲に含まれる。
(ステップD2)図259において、1〜5番目までのすべての距離L1からL5の線分に対応する両端の座標をPi、Pjとする。情報器気200は、Pi(Xi’,Yi’),Pj(Xj’,Yj’),i=1〜5,j=1〜5,i≠jの2点を基準導体としてみなし、当該2点間を対角線とする矩形の領域内に2個の情報導体を検知することが可能か否かを検索する。図255のパターンタイプ1では、2点間を底辺として、その2点のそれぞれから2辺の長さが右回りで、図258の格子ブロック数の横縦比m:n=7:6(カード実寸は、例えば、42mm対カード実寸36mm)の比となるように頂点が直角の三角形を2個形成することにより、矩形を生成できる。
図256のパターンタイプ2では、2点間を底辺として、その2点のそれぞれから2辺の長さが左回りで、横縦比m:n=7:6の比となるように2辺を形成すればよい。
図260で、タッチパネルに対するID領域の回転角θは以下のように求められる。
ID領域のXi方向に対するP1とP2を結ぶ対角線の角度は、θ0=tan−1(n/m)(ただし、m=7,n=6)である。
カードを傾けて載置した場合のX方向に対する2点のT1−1(P1)、T1−2(P2)を繋ぐ角度は、θ’=tan−1{(Y2’−Y1’)/(X2’−X1’)}である。
このとき、タッチパネルY’方向に対するカードの傾きは、θ=θ’−θ0である。そして、図260に示すように基準導体とみなした2点を基に、θ0=tan−1(n/m)として計算できる。したがって、
(式1)
θ=tan−1((Y2’−Y1’)/(X2’−X1’))−θ0;
で向きθが計算される。情報機器200は、5個の検知点を、例えば、基準導体とみなした2点間の中心を回転角の中心として(ただし、情報機器200はどの位置を回転中心にしてもよい)、−θ回転させカードの正方向(Y”軸方向)に配置できるように座標変換する。座標変換により、2点T1−1:P1(X1”,Y1”),T1−2:P2(X2”,Y2”)から、ID領域はX1”〜X2”およびY1”〜Y2”内となり、矩形のID領域内の導体を容易に認識できる。同様に、情報機器200は、タッチ領域を幾何学的に下方に定めることができる。当該タッチ領域内に1個の導体が存在した場合に、情報機器200は、2個の基準導体、2個の情報導体、1個のタッチポイトを認識できたことになる。
なお、情報機器200は、ID領域およびタッチ領域内に導体があるか否かを判定する際、素子111の検知誤差(タッチパネルの導体検知解像度等による)を考慮して、所定ののりしろを左右上下方向に付加した判定領域を定めればよい。情報機器200は、以上のステップD3の処理をパターンタイプ1、パターンタイプ2について実施し、すべての素子111(基準導体、情報導体、およびタッチポイント)をパターンタイプ1、パターンタイプ2いずれかで認識する。
(ステップD3)情報機器200は、図261で5点の座標変換された座標値をID領域テーブル座標系の座標値に基準化して、当該テーブルに当てはめ、対応するIDコードを求める。基準化では、情報機器200は、先ず、座標変換された情報導体とみなしたP3(X3”,Y3”)とP4(X4”,Y4”)をP0(X0”,Y0”)で減じ、P0からの相対座標値ΔP3(ΔX3=X3”−X0”,ΔY3=Y3”−Y0”)とΔP4(ΔX4=X4”−X0”,ΔY4=Y4”−Y0”)を求める。次に、情報機器200は、2個の基準導体間の距離をL0とすると、ΔP3とΔP4の各座標値をK=L0/(m2+n2)1/2で除することにより、ID領域テーブル座標系の座標値となる。ID領域テーブル座標系の座標値は、図258に例示されるように、例えば、(0,0)〜((7,6)の整数値である。そこで、小数点以下の座標値は四捨五入して整数化(i)する。ここで、誤認を防ぐためには、i−α以上、i+α未満のみをiとし、α=0.25前後とするのが望ましい。すなわち、情報機器200は、(ΔX3,ΔY3)、(ΔX4、ΔY4)が、誤差αの範囲で、図258のID領域テーブル座標値となるか否かを判定する。また、情報機器200は、i−1+α以上の値、i−α未満の値、i+α以上の値、i+1−α未満の値はエラーとする。
(ステップD4)情報機器200は、D3の結果、エラーか否かを判定する。情報機器200は、エラーと判定した場合、次の2点を基準導体としてみなし、再計算する(ステップD2に戻る)。
(ステップD5)ID領域テーブル座標系の座標値として適正であった場合、情報機器200は、T1−5:P5(X5”,Y5”)が、2点T1−1:P1(X1”,Y1”),T1−2:P2(X2”,Y2”)から幾何学的に定まるタッチ領域の12か所の座標値(図261のの中心位置)を求める。情報機器200は、残り1点が求めた12か所の座標値を中心とする許容値の範囲に当てはめる。すなわち、情報機器200は、導体の検知誤差(タッチパネルの導体検知解像度等による)を考慮して、残り1点が12点の各中心から所定ののりしろとして半径r以内(または矩形)の範囲に属するかで正誤を判定しする。そして、判定結果が正しければ、情報機器200は、タッチ位置の番号を取得する。12か所のいずれの範囲にも属さなければ、エラーとし、次の2点を基準導体としてみなし、再計算する(ステップD2に戻る)。
(ステップD6)(ステップD4)で整数化して求められたID領域テーブル座標系の2個の情報導体の座標値を、図262に示すID領域座標値−ID番号テーブルで照合して、ID番号を検索する。検索されたID番号とタッチ領域のタッチ位置番号が認識され、対応するアプリケーションの実行(パラメータの入力も含む)やコンテンツの閲覧が実施できる。なお、カード中心座標値PC’(XC’,YC’)と上記式1で求められたθを、アプリの実行(パラメータの入力も含む)やコンテンツの閲覧に使用してもよい。
図264から図269を参照して、情報機器200による素子111の位置認識方法およびこの位置認識方法にしたがうプログラムの処理を例示する。本実施形態では、情報機器200は、ID領域に配置される4個の素子111(導体)とタッチポイントの1個のすべてを情報導体として導体配置パターンを認識し、5個の検知点でIDを定義・取得する。本実施形態の他の構成および作用は、実施形態37と同様である。
本実施形態では、ID領域に配置される4個の素子111とタッチポイント1個のすべてを情報導体として導体配置パターンを認識する点以外の構成および作用は、実施形態37がそのまま本実施形態に適用される。なお、誤認認を防ぐため、本変形例においても、素子111は隣接して配置しないように、2つの素子111間の配置(上下左右斜め)は、点線〇で示した配置候補個所を1か所おいて配置される。
(アルゴリズムの詳細)
(ステップE1)図269にアルゴリズムの詳細を例示する。本変形例においても、図265のタッチパネル上の座標系での検知点の座標値は、P1(X1’,Y1’),P2(X2’,Y2’),P3(X3’,Y3’),P4(X4’,Y4’),P5(X5’,Y5’)とする。情報機器200は、検知したID領域の4点とタッチ領域1点の計5点の内の2点間の距離をすべて計算する。2点間の距離の長い方からL1〜L10としてソートする。ソートの結果は、L1>L2>L3>L4>L5>L6>L7>L8>L9>L10となる。なお、図264のXY座標系は、タッチ領域の左下を原点とした座標形である。また、図265においては、カード状の装置110をタッチパネルにθ回転して載置した際の各検知点の座標値は、タッチパネルのX’Y’座標系で表している。検知2点を結ぶ最長線分L1は、P1とP5からなり、カードの正方向(Y軸方向)に対してL1の角度θ1を成している。θ1は、検知2点を結ぶ最長線分に対応する情報の1つとして予め情報機器200に設定され、例えば、ROMに記憶されている。
(ステップE2)検知点5点によるIDの認識では、先ず、情報機器200は、検知2点を結ぶ最長線分L1を構成する始点PSと終点PE(本変形例では、P5とP1)を求める。カードを傾けて載置した場合のタッチパネルY’方向に対する、PSを始点とした2点PS,PEを結ぶ線分の角度は、θ’=tan−1{(Y1’−Y5’)/(X1’−X5’)となる。
(ステップE3)情報機器200は、PSを原点とし、L1で基準化した他の4点の検知点の相対座標値ΔP1{ΔX1’=(X1’−X5’)/L1,ΔY1’=(Y1’−Y5’)/L1},ΔP2{X2’=(X2’−X5’)/L1,ΔY2’=(Y2’−Y5’)/L1},ΔP3{ΔX3’=(X3’−X5’)/L1,ΔY3’=(Y3’−Y5’)/L1},ΔP4’{ΔX4’=(X4’−X5’)/L1,ΔY4’=(Y4’−Y5’)/L1}を求める。
さらに、情報機器200は、図267のように、タッチパネル上の座標値を−θ’回転させて座標変換を行う。この座標変換後の座標を基準化座標と呼び、座標変換後の座標値を基準化座標値と呼ぶ。ここで、始点と終点との判別ができないため、P5とP1のそれぞれを原点とした各検知点の座標値を求める。
(ステップE4)そして、情報機器200は、最長線分L1を構成する始点PSと終点PEを除く3点の基準化座標値を事前に算出し、最長線分L1のカードの正方向(Y軸方向)に対する角度θ1に対応づけて基準化座標−ID番号テーブルに記憶している。情報機器200は、最長線分L1のカードの正方向(Y軸方向)に対する角度θ1と基準化座標−ID番号テーブルに記憶された最長線分の角度θ1を照合する。
図268は基準化座標−ID番号テーブルの例である。4個のID領域の素子111の配置座標およびタッチ領域の格子点の組み合わせについて、最長線分L1の角度θ1ごとに、始点PSと終点PEを除く3点の基準化座標値を計算し、ROMに格納している。図で、「原点座標系」のフィールドは、最長線分L1の端点P1、P5のいずれを原点するかによって決まり2つの座標系を示す。「ID番号」のフィールドは、図268の表の各行で決定されるIDを示す。「最長線分の角度θ1」のフィールドは、最長線分L1のカードの正方向(Y軸方向)に対する角度θ1である。情報機器200は、最長線分L1の長さと角度θ1との対応表をRAMまたはROMに保持しているので、最長線分L1の長さを算出すれば、角度θ1を求めることができる。「判定範囲半径」は、図268の表で特定される座標値と、情報機器200がタッチパネルから取得した3点の位位置座標の許容誤差である。「情報導体座標1」から「情報導体座標3」は、最長線分L1の端点P1、P5以外の3点の座標が照合される基準化座標値である。情報機器200は、最長線分L1の角度θ1が一致し、かつ、最長線分L1の端点P1、P5以外の3点の座標が情報導体座標1から情報導体座標3に判定範囲半径の誤差範囲で合致したときに、当該行のID番号をIDとして特定する。
所定誤差は、タッチパネルの検知解像度の影響が多くを占めており、その誤差は実寸での絶対値となる。一方、各検知座標は、検知2点を結ぶ最長線分L1で基準化しているため、ID(つまり、L1の距離)によって誤差範囲が一定でなくなる。そこで、図268には、基準化された座標値でも適正な合致の判定のために、基準化座標−ID番号テーブルに誤差範囲半径rが設定されている。情報機器200は、テーブル内の座標値(I,J)を中心に半径r内に納まれば合致として判定する。なお、情報機器200は、この誤差範囲は矩形で設定・判定してもよい。
(ステップE4)そして、情報機器200は、得られた座標値からIDと、タッチ位置番号を特定し、対応する処理を実行する。
(効果)以上のように、情報機器200は、図268の基準化座標−ID番号テーブルで照合し、所定の誤差範囲で合致した際に当該ID番号であるIDを求まることができる。したがって、情報機器200は、求めたIDに対応する様々な処理を実行できる。
[変形例1]始点を原点とした各検知点の基準化された座標値との照合のために、図268のように、P5とP1のそれぞれを原点としたケースをテーブルに設定する場合、−θ’回転させて行う座標変換は、図266の検知2点最長線分を構成するいずれか1点(P5とP1のいずれか)で実施すればよい。一方、テーブルはいずれか1ケースのみを設定し、2点(P5とP1の両方)を原点として座標変換した2種の座標値で照合してもよい。なお、図264〜図267の座標系は、いずれも左下を原点としているが、タッチパネルの座標検知で多く使用している左上(右上、右下でもよい)を原点としてもよい。
[変形例2]なお、基準化座標−ID番号テーブルは、図268の例に限定される訳ではない。例えば、基準化座標−ID番号テーブルとして、ID領域とタッチ領域に分けてコード化してテーブルに含めておいてもよい。基準化座標−ID番号テーブルでは、検知2点による最長線分で基準化しているため、相似形の大小による導体の配置を排除しているが、タッチパネルの座標系(単位長さ当たりの座標値)を認識することができれば、検知2点による最長線分の距離に依存する相似形パターンの組み合わせも付加することができ、大量のIDを定義することもできる。なお、基準化の利点は、タッチパネル毎の座標系や解像度の違いに影響されることなく導体の配置を認識できる点である。
[変形例3]本変形例では、ID領域とタッチ領域が存在することを前提としているが、これに限定することなく5点の導体検知によるIDの定義・認識として活用してよい。さらに、タブレットや業務用タッチパネル等では、10点以上まで検知できることから、5点に限らず、複数の導体でIDを生成・認識してもよい。また、図264のように、導体配置位置やタッチ位置が所定間隔で設定されているが、任意の位置に設定して一意のパターンを形成すれば、より多くのIDを設定・認識できる。但し、導体の配置、タッチポイントは、タッチパネルの導体検知解像度を十分に把握し、誤認識しないように導体間の距離、導体の大きさ、カップリングによる影響等を考慮する必要がある。
[変形例4]カードの正方向(Y軸方向)に対する検知2点PSとPEを結ぶ最長線分のPSを原点とする角度をθ1とすると、図266のカード載置方向の算定により、Y方向に対するカードの傾きθは、θ=θ’−θ1で算定されるが、このθやカード中心座標値PC’(XC’,YC’)をアプリの実行(パラメータの入力も含む)やコンテンツの閲覧に使用してもよい。さらに、タッチパネル上でカードを載置する方向が特定されていれば、θ1もパターンの組み合わせに付加することができ、膨大な量のIDを定義・認識することもできる。上記のような利用に対応するためには、図268の基準化座標−ID番号テーブルにθ1を含めることが望ましい。本実施例では、カードの導体パターンの設定・認識に関して論じたが、電気制御しない電子スタンプや電気制御するスマートカード、デジタルスタンプ等でも同様に利用できる。
[変形例5]図268の基準化座標−ID番号テーブルには、最長線分L1のカードの正方向(Y軸方向)に対する角度θ1が記憶された。また、上記ステップE4では、情報機器200は、最長線分L1の長さと角度θ1との対応表をRAMまたはROMに保持し、最長線分L1の長さを基に角度θ1を求め、角度θ1を基に基準化座標−ID番号テーブルを参照した。しかし、このような処理に代えて、基準化座標−ID番号テーブルには、最長線分L1が記憶されるようにしてもよい。上記ステップE4では、情報機器200は、最長線分L1の長さと角度θ1との対応表をRAMまたはROMに保持し、最長線分L1の長さを基に基準化座標−ID番号テーブルを参照し、タッチパネルから得られる基準化座標値と、基準化座標−ID番号テーブルの情報導体座標1から情報導体座標3を照合してもよい。
[はじめに−タッチパネルの導電タップの閾値に関して]
(1)スマートフォン等の10秒経過時閾値変化
iPhon(登録商標)の多くの機種では、検出した容量により、タッチ状況のイベントを発行する条件として、第1と、第2の閾値(その他、導体毎にエラー処理の設定がある場合も想定される)がある。装置110の素子111等の導体がタッチパネルにタッチした瞬間では、第1の低い閾値が使用され、タッチパネルは比較的低い容量でも導体を検知する。タッチパネルが導体を検知した後は、ヒステリシスにより、直ぐにOFF(検知→非検知)にならないように、さらに低い容量でOFFとなるように閾値が設定されている。しかし。タッチパネルが検知した導体の内、少なくとも1つの導体がタッチパネル上を移動しない状態(静止状態)で10秒間連続して経過すると、全ての導体に対して第2の閾値が設定される。その瞬間に、当該導体による検知容量が、第2の閾値のOFF容量を下回っていれば、タッチパネルは直ちに導体を非検知となる。ただし、なお、全ての導体が移動している間は、指が移動している状態と想定され、第1の閾値が適用され続ける。つまり、少なくとも1個でも静止している状態で指程の容量がない場合では、指ではない導体が触れていると判断して、導体OFFのイベントがデバイスドライバからOSおよびアプリケーションに発行される。なお、第2の閾値のOFF容量を上回っている導体が含まれていて、当該導体が静止していれば、同時に非検知となる。その後、 当該導体が僅かでも移動を検知した場合は、再度検知されるが、不安定な挙動(エラー設定されと推定される)となる。さらに、静止状態の導体が非検知となった場合で、第2の閾値のOFF容量を上回っている導体が移動している場合は、当該導体は非検知とはならないが、タッチパネルは不安定な挙動(エラー設定されと推定される)となる。なお、全ての導体が第2の閾値のOFF容量を上回っている場合は、静止状態および/または移動状態に関わらず非検知とはならない。上記の様々なケースで、非検知や不安定な稼働となった導体が存在していても、その後、タッチパネルが新たな導体を検知した場合は、当該導体のみ正常に検知され、再度、10秒間で、当該導体の容量、静止・移動によって上記の処理がなされる。すなわち、導体毎に第1,第2の閾値、エラー設定が実施されていると思われる。
一方、第1と、第2の閾値に関わらず、導体の存在は一定の容量がある限り、非検知となっても常に検出されており、導体が移動した場合は、タッチパネルはその動きに追従して導体を検出している。但し、設定された閾値の条件により導体のON/OFFを示すイベント(エラー設定も含む)が発行され、開発された様々なアプリケーションは導体の検知( エラー設定も含む)状況を認識する。一方、容量の比較的小さな導体を検知している状態で、導体が水平または垂直に並んだ状態では、タッチパネルの特性から、検出される容量がさらに低下し、1個または並んだ導体の全部がOFFとなる場合が発生する。ここで、他の導体が非検知となってない限り、水平または垂直状態で非検知となっている導体は、水平または垂直に並ばないように移動された場合にはタッチパネルに検知される。これを回避するには、十分な容量を検知させるように、導電タップの容量を増やすことが望ましい。なお、人の指であっても、子供の指や接触面が小さい時などは、容量が足りないため、第2の閾値が適用されると、検知しなくなる。その後、接触面積を広げ容量を増やし、且つ導体を移動させると再度、検知されるが、タッチパネルの挙動が不安定(エラー設定されと推定される)になる。なお、検知する容量は、タップの面積が大きく、密着度が高く、配線も含めたタップの容量が大きければ、より検知し易くなるのは言うまでもない。
(2)タブレットの10秒経過時閾値変化
iPad(登録商標)でも、 iPhone(登録商標)同様に、タッチ状況のイベントを発行する条件として、第1と、第2の閾値(エラー処理を含む第3の閾値がある場合も想定される)があり、第1と、第2の閾値の基本的な処理はスマートフォンと同一と考えられる。しかし、筐体が大きなiPad(登録商標)では、スマートフォンに比べて導体の容量を大きく検知し反応が良い。本実施形態のID領域の導電タップ(上記各実施形態の素子111、実施例0のコード出力部13に相当)等の導体では、原則、第2の閾値でもタッチパネルの検出結果がOFFとならない。従って、カードゲームのように、タッチパネルの表面でカードを移動させながら、継続してプレイできる。タブレット専用のカードでは、本実施形態のタッチ領域で、実施形態図291Aから図296の機構のように、廉価に製造するためにタッチ領域にスルーホール(導通孔)、導電タップも設けず、タッチの直下に誘電柱を設けるだけでも、タッチを検知できる。しかし、ID領域の導電タップの検知容量(接続された配線も含む)が少なく、木の机の上(スチールの付けに比べて検知容量が少ない)で使用した場合は、10秒間で非検知となる場合もある。なお、タッチパネルが検知する容量は、タップの面積が大きく、配線も含めたタップの容量が大きく、タッチパネルとの密着度が高ければ、より検知し易くなるのは言うまでもない。つまり、どのような状況でも正常に導体を検知できるのは、第二の閾値で全ての導体が検知できるだけの十分な容量を保有していれば、10秒以上の静止状態および/または移動状態に限らず、正常に検知し続ける。
[次に−タッチパネルの使用環境]
スマホ、タブレット、業務用タッチパネルの検知容量は、機種や使用環境によって異なるため、どの機種およびどのような使用環境でも機能する機構とすることが望ましいが、スルーホール、接点、タップの数量が多くなると、コスト高になる。そこで、各タッチパネルの特性に応じた専用のカード仕様も考えられる。
(スマホ使用時のタッチ領域に関して)
使用環境は、手でスマホを持つ場合も、机に置いて使用する場合も想定される。机は木の机とスチールの机があり、導体の容量の検知しづらい木の机で正常に機能することを条件とする。
1)手でスマホを持って使用する。
2)木の机の上に置いて使用する。−> 1)、2)のいずれも、本実施実施形態の図270、図271のように、指接点とスルーホール(導通孔)、導電タップを設けた場合は良好に検知し、特に1)の反応が良い。
しかし、実施形態40の図291から図296のように、誘電柱だけの場合は、1)では、多少反応するが、タッチの容量を検知しづらいことから、指接点、スルーホール(導通孔)、導電タップを設けるのが望ましい。なお、カードの厚さを0.8mm程度以下になるよう十分に薄くし、誘電性の高い材料を使用すれば、誘電柱だけでもタッチの容量を検知し易くなる。一方、実施形態40の図291Bから図291Eのように誘電柱を導電柱とする機構(タッチ領域を除く上板と底板の底面は非導電体とする)も望ましい。その場合は、柱内部のスルーホールは必要なく、導電柱を底板にはめ込んでもよいし、多重成型により底板に設けてもよい。また、この導電柱を金属棒、金属線としてもよい。なお、2)より、1)の方が、タッチする人体とスマホの筐体経由でタッチパネルとの回路ができるため、容量を多く検知し、反応が良い。
(スマートフォン使用時のID領域に関して)
基本的に、指でタッチしなくても容量を保有してID領域の導電タップを検知するために延長30cm程度以上の配線を設け容量を保有し、配線上に設けられたスルーホール(導通孔)で導電タップに導通することで、タッチパネルに導電タップを検出させることができる。上記30cmの設計条件は、実験から得たものである。0.07mm、0.15mm、0.33mm、1mmの導線を使用し、直径8mmの円形メッキ導電体に半田付けした導線を鉛直上に延ばし、木製の棒に固定して、導線には手を触れないようにし、導線の長さを変化させて導電タップを検知するかを実験した。その結果、スマホを手に持った場合は、21cmから、スマホを木の机に置いた場合は、28cmから導電タップを確実に検知した。タブレットでは、スチールの机に置いた場合は、27cmから、木の机に置いた場合は、29cmから導電タップを確実に検知した。この結果から、直径が0.07mmから1mmまでの間、0.07mmの約14倍の1mmでも太さの変動は数%の誤差しか認められず、明らかに導線の長さが、導電タップを検知する要因であることが分かった。そこで、スマホおよびタブレットに関して、どのような使用状況でも導線や導電タップに手を触れないで、導電タップを検知するための設計条件として、導線の延長を30cmとして定めた。1)手でスマホを持って使用する。
2)机の上に置いて使用する。 −> 1)、2)のいずれも、良好であるが、特に1)は、指が配線に触れなくても導電タップの検知反応はよいが、2)の場合でも、指が配線に触れなくても、装置110をタッチパネルに載置するだけで、タッチパネルがID領域の全ての導電タップの容量を確実に検知できるように配線の長さ、接点およびタップの大きさを増加させるのが望ましい。多くの機種のiPhone(登録商標)では、導電タップが静止状態で10秒経過すると、全ての導電タップを検知しなくなる。一方、スマートフォンと同様に導電タップを検知している状態で、導電タップが水平または垂直に並んだ状態では、タッチパネルの特性から、検出される容量が低下し、いずれか1個または並んだ導体の全部がOFFとなる場合が発生する。これを回避するには、十分な容量を検知させるように、本実施形態の図271、図273、図276のように、タッチ領域にも、スルーホール(導通孔)と導電タップを設けると、非検知の頻度が大幅に低下する。
「配線をタッチしていれば、1)の場合の多くの動作試験で、10秒を超えてもタッチパネルがID領域の導電タップを検知できる」ことから、タッチ領域にタッチする毎に、10秒を超えても、再度導電タップを検知できるように、タッチ領域に配線してID領域の導電タップに導通させる(交流信号が導通可能な)機構とするのが望ましい。なお、スマートフォンの画面は小さいため、カードを載置して、タッチ領域を1個タッチした後は、カードを画面上から外してアプリの実行やコンテンツを閲覧するため、カードを載置してから10秒以内にタッチ領域をタッチする使用条件であってもよいと考えられる。カード状の装置110が載置され、タッチパネルが一度でもID領域の4個の導電タップを確実に検知すれば、配線を介してのID領域の導電タップへの指からの導通も必要なくなり、タッチ領域とID領域を分離できる。さらに、カード状の装置110を載置する領域が、概ねカード状の装置110と同サイズで、カード状の装置の載置方向も限定すれば、タッチパネルがID領域の4個の導電タップを検知すれば、10秒間を超えて、その後のタッチ領域へのタッチを誤認なくスマートフォンは検知できる。
(タブレット使用時のタッチ領域に関して)
使用環境としては、ユーザが装置110とタブレットの両方を手に持って使用することは原則ないと考え、机の上に置いて使用することを前提とし、タッチパネルが導電タップ(導体)の容量を検知しづらい木の机で正常に機能することを条件とする。
タブレットでは、スマートフォンに比べ、タッチパネルによる導電タップの検知反応が良く、継続して検知できる。タッチ領域には、スルーホール(導通孔)、導電タップも設けなくてもよい。ただし、誘電柱を形成する材料の誘電性が低く、誘電柱の直径が8mm未満、カードの厚さが0.8mm以上等の条件によって、タッチパネルが導電タップの容量を検知しづらくなる。なお、スルーホール(導通孔)、導電タップを設けない方が製造コストを廉価に抑えることができる。
(タブレット使用時のID領域に関して)
基本的に、指で装置110にタッチしなくても容量を保有して導電タップを検知するために延長30cm以上の配線を設け、配線上に設けられた各ID領域の導電タップ上のスルーホールで配線と導電タップを導通させる。筐体が大きく、対地や操作する人体との間の浮遊容量が大きいため容量を多く検知し、10秒を超えて第2の閾値が適用されても、ID領域の導体の検知を継続でき、極めて良好である。一方、スマートフォンと同様に導体を検知している状態で、導体が水平または垂直に並んだ状態では、タッチパネルの特性から、検出される容量が低下し、いずれか1個または並んだ導体の全部がOFFとなる場合が発生する。これを回避するには、十分な容量を検知させるように、本実施例の図270、図271のように、タッチ領域にも、スルーホール(導通孔)と導電タップを設けると、非検知の頻度が大幅に低下する。タッチ領域に配線してID領域の導電タップに導通させ、指でタッチした際に、ID領域のタップの容量を十分に確保するか、カード状の装置110を載置するだけでID領域の全ての導電タップの容量を確実に検知できるように配線の長さ、接点およびタップの大きさを増加させるのが望ましい。カード状の装置110を載置する領域が、概ねカードと同サイズで、カードの載置方向も限定すれば、タッチパネルがID領域の4個の導電タップを検知すれば、10秒間を超えて、その後のタッチ領域へのタッチを誤認なくスマートフォンは導体タップのタッチを検知できる。その結果、カード状の装置110をタッチパネルに載置して一度でもID領域の4個の導電タップを確実に検知すれば、配線を介してのID領域の導電タップへの指との(交流信号の)導通も必要なくなり、タッチ領域とID領域を分離できる。
[実施形態−C−CARDの機構(薄型上板+凹凸底板)]
図270から図285により、実施形態39に係る装置110ABを説明する。本実施形態の装置110ABは、実施形態37、実施形態38等と同様、薄板状で電池を用いない装置である。上記実施形態1等と同様、薄板を平面視した面のうち、タッチパネルに近接または接触する面を作用面と呼ぶ。また、作用面の反対面を上面と呼ぶ。装置110ABの作用面および上面はともに、実施形態37、実施形態38等と同様のID領域とタッチ領域を有する。また、以下では、ID領域の素子111とタッチ領域のタッチポイントとを導体とよび、ID領域の素子111とタッチ領域のタッチポイントの形状および配置によって形成される平面形状を導体パターンと呼ぶ。
本実施形態では、上板と底板の2枚で形成され、ID領域に多くのパターン配置をするために、ID領域の素子111とタッチ領域のタッチポイントとを含む導体パターン毎に金型を製作しなくてもよいように、設計および工法、材料を用いる。図270(a)のように、上板は、非道電性の高いシートもしくは成型板とし、貼り合わせた際に撓まないようにする。そのためには、硬質であるか、または伸縮しない材料を使用する。タッチパネルが容量、電界等の物理量を検知し易くするためにはタッチパネルとカードの接触面は平面を保持できるような材料で、図270(c),(d)の底板を成型するのが望ましい。特に、非道電性の硬質な熱硬化性樹脂で(1)インジェクション(射出)成形法、(2)コンプレッション(圧縮)成形法、(3)トランスファー(移送)成形法等で成型するのが望ましい。タッチパネル上でカードを回転および/または移動させない静止状態で使用する場合は、タッチパネルに張り付くような密着性の高い非導電材料を使用するのが望ましい。
様々なIDを示す導体パターンに対応するため、図270(a),(b),(c)のように、底板に導体が配置される候補の個所の中心の上方の上板および底板には、導体と配線を繋ぐスルーホールTH1用の穴を設けることが望ましい。これらの穴は成型時に穴を空けてもよいし、成形後に、必要個所に穴を空けてもよい。なお、スルーホール用の穴は、直径0.3〜1.0mm程度を必要とする。一方、機構によっては、図291A,図294から図296等のように、上板に穴を空けなくてもよい場合がある。上板および底板の材料の誘電率が十分に高く、IDを示す導体パターン(素子111の配列)に、タッチパネルが検知できる程度の十分な静電容量を形成できる場合があるからである。なお、本実施形態では、底板のタッチ領域の12か所にはスルーホールTH2用の穴が設けられる。製造工程は、40cm×50cm程度以上の版で成型し、導電インクによる印刷やメッキ等で配線を実施し、貼り合わせ後に、スルーホールを導電インクで充填するのが望ましい。貼り合わせる前に上板と底板を導通させるスルーホールを設ける場合は、両者のスルーホールが繋がるように接点が設けられる。カード表面と裏面の印刷は、上板は厚さが0.2〜0.3mmであり、各種印刷機で扱えることから直接印刷できる。底板は厚いため、別途白色シートに印刷して底板の裏面に貼り付けるのが望ましい。なお、導電タップ(素子111)や配線、接点を目隠しする必要がある場合は、白色シート(グラフィックによっては他の色でもよい)で目隠しし、その上にグラフィックを印刷して印刷シートを制作するのが望ましい。印刷シートは、インク層と接着層を含めて、0.1〜0.15m程度とし、導電タップ(素子111)の検知に影響ないようにしなければならなし。さらに、指による導通を実施する場合は、印刷シートの厚さは 0.1m程度が、良好である。製造工程は、コストを十分に考慮し、上板と底板に、配線、接点、スルーホール、導電タップ等を形成し、印刷または印刷シートの貼り合わせを適正な順番で実施し、上板と底板を貼り付けた後に、カードサイズに裁断するのが望ましい。なお、素子111を導電タップ、あるいは単にタップともいう。
図270(b),(c)の底板の厚さは例えば、0.6mm〜0.8mmであり、ID領域に、横方向7列、縦方向8列の56個の導電タップ配置のためのスルーホール用の柱2mm×2mmの柱が、6mm間隔で設けられている(ID領域柱)。これらの柱の寸法と個数は設計条件であり、柱およびスルーホールを介して配線と接続される導電タップ(素子111)の個数は任意である。6mm間隔は、配置される導電タップ以外の位置を指タッチした場合は、検知される可能性が大きいが、導電タップ配置の候補を多くするために6mm間隔としている。このようにIDパターン以外の容量検知は、タッチパネル側のアプリで誤認としてエラー処理する。本来であれば、8 mm程度の間隔でスルーホール用の柱を設けるのが望ましい。もっとも、量産工程において、導電タップ配置の候補にスルーホール付き柱を成型しなくても、都度、任意の位置に成型できる製造工程があれば、所定の間隔で柱を配置する必要はない。その場合は、カードが撓んだり、指の押し圧によりへこんだりしないための支柱を設ければよい。柱の周囲の領域には、例えば、深さ0.4〜0.5の溝(上板と底板の間の空洞)が設けられている。この溝は、最も誘電率(1)の低い空気層を設けることになり、指のタッチや上板の配線・接点によるカップリングを装置110ABからの物理量変化としてタッチパネルが誤認しないようにし、ID領域の導電タップのみを正しく検知するためのものである。柱は、円形や多角形でも構わないが、できるだけ断面寸法が小さい方が望ましい。なぜなら、指で上板をタッチした際に、柱のサイズが大きいと指の容量を、柱を通じて、タッチパネルが検知してしまうおそれがあるからである。本来、ID領域は、カードを特定する導電パターン(素子111の配列)が配置されているため、当該配置以外の位置を指でタッチして検知されると導体パターンで定義されるIDの誤認を生じるからである。もちろん、タッチパネル側のパターン認識で、あり得ない位置の導体タップの検知はエラーとしているが、カードを指で触る度に、エラーが頻繁に生じて正常に稼働できなくなってしまう。そこで、スルーホール用の柱はできるだけ小さく、断面形状が矩形の場合には、2×2mm程度以内、断面形状が円形の場合には、直径3mm程度以内とするのが望ましい。但し、当該柱が小さくても、柱の間隔が狭いと、指タッチした際に複数個の柱を介して1個の導体として、タッチパネルが容量を検知する場合があり、少なくとも柱端部の間隔が4〜6mm以上距離を置くことが望ましい。この距離の大小は、上板の厚さや、底板の空隙(溝の深さ)や底板の誘電率の特性にも大きく影響される。上記の空隙を設けると、 底板の厚さは0.2〜0.3mmであり、この厚さはカード底面の平面性を保つための非道電性の硬質な熱硬化性樹脂で成型できる。さらに、底面に導電タップを配置する場合は、導電タップの目隠しのため白色(グラフィックによっては他の色でもよい)等のシートを貼り付ける際に、十分に平面を保つための圧着をすることが望ましい。
タッチ領域には、底面に配置される、横方向4列、縦方向3列の12個の導電タップを配置するめのスルーホールTH2用およびカードが撓まないようにするための柱(タッチ領域柱)が、横方向14mm,縦方向12mm間隔で設けられている。この柱はタッチポイントの柱とも呼ばれる。
柱の形状は、図270(b)では断面が円形であり、直径3mm〜8mm程度が望ましい。スルーホールを設ける場合は、ID領域と同じく柱断面の直径は3mm程度で構わないが、スルーホールを設けない場合は指の容量を検知できるように柱断面の直径は8mm程度が望ましい。図270(c)では柱の形状は矩形であり、断面寸法は2×2mm〜7×7mm程度が望ましい。スルーホールを設ける場合は、ID領域と同じく柱断面の寸法は2×2mm程度で構わないが、スルーホールを設けない場合は指の容量を検知できるように柱断面の寸法は7×7mm程度が望ましい。図270(b), (c)のタッチ領域には、図に例示した4行3列=12個のタッチポイントの柱以外に、カードが撓まないように適宜、どのような形状の柱を設けてもよい。但し、12か所のタッチポイント以外に指を触れた場合に、タッチパネルが検知しないような柱の大きさと配置間隔を十分考慮しなくてはならない。なお、上記タッチポイント以外の領域は、ID領域と同様に深さ0.4〜0.5mmの溝が設けられており、その機能はID領域と同一である。ここで、スルーホールを設けない柱の活用には、下部の導電タップを使用しない方法も含んでおり、これにより足りない容量は、上板に配置した指接点や配線によるカップリングを有効に利用する。
カード表面に配線や指接点等を目隠しするには、前述したように、グラフィックを印刷できる白色(グラフィックによっては他の色でもよい)等のシート(接着層を含め0.1〜0.15mm程度)を貼り付ける。ここで、指を白色シートにタッチした際に、白色シートに被覆されるID領域に配置した導電タップに接続する配線に、指を通じたタッチパネルからの検出信号を導通させるために、一定の面積を有する電極を設けることが望ましく、図276、図277では円形の導電体114D、図271から図273ではリング状の導電体114Cを設ける。仮に導電体114C、114Dの寸法が大きくなり、隣接する電極に指が触れても導通するのは、ID領域の導電タップであり機能上の支障はない。支障があるのは、利用者の指が隣接するタッチポイントの指接点を同時に触れて、タッチパネルが2個のタッチ領域の導電タップを検知することであるが、図270に示すようにタッチ領域では、十分な間隔(例えば、縦12mm,横14mm間隔)で導電タップが配置されており、同時にタッチできないように設計されている。また、タッチポイントの指接点の面積が大きくなり過ぎると、カップリングによりタッチしていないのにタッチを検知する場合があり、注意する必要がある。導通用の導電体配置により、スルーホールを介してタッチ領域の導電タップに通電され、タッチした位置を確実に検知できる。なお、導通によるID領域の導電タップとタッチした直下のタッチ領域の導電タップだけを、タッチパネルが検知できるように、リング状の導電体と指接点間は、1mm程度以上離反させて両者間で導通しないようにすることが望ましい。ここでは、リング状の導電体と円形の指接点を示したが、ID領域への導通のための導電体と導電タップ用の指接点間で導通されなければ、楕円形、多角形等、どのような形状や組み合わせでも構わない。
図271(a)の上板の上面には、ID領域の導電タップに導通するためのリング状の導伝体114C(例えば、直径6mm)が設けられている。その中央には、タッチ領域の導電タップに導通するための指接点(矩形 1.0×1.0〜2.0×2.0程度または直径1.5〜3mm程度)が設けられている。直径6mm程度のタッチ領域をタッチすると、図271(b)と同図(c)の指接点およびスルーホールを介して、図271(d)の直下に配置されている導電タップ(素子111)に導通するのと同時に、ID領域に配置された導電タップ(素子111)4個に導通され、タッチパネルによって全部で5個の素子111が検知される。配線の延長は、タッチ領域の固定された配線だけで30cm以上あり、タッチパネルが検知する閾値以上の容量を有し、iPHON(登録商標)およびiPAD(登録商標)でも装置110ABをタッチパネルに載置しただけでID領域の導電タップ4個を検知できることが確認されている。図では、この30cm以上の配線はすだれ状となっているが、格子状、螺旋状等、どのような配線であっても構わない。なお、本実施形態の情報機器200等、例えば、スマートフォンでは、装置110ABによるタッチパネルへの載置等の操作から10秒経過すると、タッチパネルが検知する物理量(例えば、静電容量)の閾値が変動し、非検知となるが、タブレットでは時間無制限で導電タップの検知を継続できることが確認されている。そこで、以下では、スマートフォンのタッチパネルに装置110ABを載置する等の操作を行った直後に、タッチパネルが物理量検知の有無を判定するときの閾値を第1の閾値とよぶ。また、この操作から約10秒経過経過に、設定される閾値を第2の閾値と呼ぶ。第2の閾値は第1の閾値より高いことが確認されている。
図271(b)の上板内部には、0.3〜1.0mmのスルーホールが形成され、指接点あるいはリング状導体114Cへの指のタッチにより、利用者の指が導電タップ(素子111)に導通される。図271(c)のように、底板上面には、高さ0.4〜0.5mmの柱の内部にスルーホールが設けられ、図271(d)のように、底板下面に配置されたID領域の4個の導電タップに導通される。タッチ領域には、縦12mm,横14mm間隔で導電タップを配置しており、当該導電タップはいずれも直径8mm程度である。直径8mmの導電タップは概ね指のタッチの面積(接した最大長)に相当している。
さらに、指接点は、縦横の比が若干横長になっており、これは人の指が接触する場合、その接面領域が若干横長となるからである。これにより、隣り合う指接点を同時に触れないようにする。この12個のタッチ領域には各々異なったアイコンが印刷されており、その内1個のタッチ領域をタッチすると、 ID領域の4個の導電タップに加え1個の導電タップが検知され、装置110ABに印刷された画像に関連するアイコンで特定されたアプリケーションの実行または、アイコンで特定されたコンテンツを閲覧できる。上板と底板の接着前に両者のスルーホールを設けた場合は、適正に導通を確保するために、上板のスルーホールと底板のスルーホールの接触点に矩形 1.0×1.0〜2.0×2.0程度または直径1.5〜3mm程度の接合接点を設けるのが望ましい。
一方、上板と底板を接着した後に、スルーホール用の穴を空け、導電インクを充電すれば、確実に導電性の高いスルーホールを設けることができる。上板上面において、図271(a)の配線と指接点を目隠しするためには、0.1〜0.15mmの白色シート(他の色でもよい)を貼り付けることが望ましい。リング状の導電体114Cの円周形状の線幅が狭い場合、指からリング状の導電体114Cに導電されない可能性がある。そこで、指からの導通を高めるため、図271(a)の下部に示すようにリング状の導電体114Cの円周形状の線幅を広くし、形状をドーナッツ状にして、面積を大きくする。
一方、12個のタッチ領域の中央部分(各タッチポイント)に、アイコンを印刷した導電材料で成型した直径6〜10mm,矩形5×5mm〜8×8mm程度のボタンを配置してもよい。隣り合うボタンは1mm以上の間隔を空けて互いに導通しないようにしておけばよい。ただし、導電ボタンの面積が広すぎると、カップリングを起こし検知する容量の範囲が過大になり、エラーとなったり、タッチした位置と検知した位置が一致しない場合が発生するため、ボタンのサイズは十分に注意する必要がある。ボタンに使用する導電材料の導電性で制御してもよい。
なお、ボタンと指接点に若干の隙間を設けて、指で押圧した領域だけが、カード配線部分と接触し導通させる。12個の導電ボタンは、非道電性の材料で形成したシート上に配置するのが望ましい。ただし、シートの導電ボタンの下部は、導通できるように穴を空けてなければならない。なお、導電性のボタンと非道電性のシートは、多重成型により一体成型してもよい。さらに、導電性の強弱の制御(導電材料の選択)で前述のカップリングの影響による誤認を誘発しなければ、比較的弱めの適正な導電性を有する材料で、ボタンとシートを一体成型してもよい。なお、図271(c),(d)は、後述の上板図272〜図285の底板として使用するが望ましい。
一方、ゲームやセキュリティのための各タッチ領域のタッチの誘導のために、所定のタッチ領域にタッチパネルから誘導光を発光してもよい。これをユーザが視認し易いように、タッチ領域下部の誘導柱を半透明にしたり、誘導柱内に中空部を設けてもよい。また、図271(d)に配置される導電タップ(素子111)で誘導光で遮光される場合は、導電タップをドーナツ状にしてもよい。
図272は、図271に対して、両図の(a)の上板の導線の配置を変更したものである。図272(a)のように、上板において、ID領域の導電タップ上の配線を波状の密集部分を形成することにより、より多くの容量を保有することができる。つまり、スルーホールによって導電タップに接続される配線の長さが波状の密集部分を形成することによって増加する結果、タッチパネルが検知する導電タップと配線の静電容量が増加する。その結果、タッチパネルにカードを載置して指を触れなくても、タッチパネルが4個の導電タップを検知し易くすることができる。また、波状の配線の下部にはカップリングにより、さらに検知容量を高める効果がある。これにより、前述のiPHON(登録商標)やiPAD(登録商標)で、第2の閾値になっても、容量を検知し続けるようにするためである。波状の配線の密集部分は、多重丸や螺旋状、格子状であってもよい。
図273は、図272に対して、両図の(a)の上板の導線の配置を変更したものである。図273(a)のように、ID領域の導電タップ上の配線に導電タップと同様な導電体114Bを配置することにより、より多くの容量を保有し、特にカップリングにより、さらに検知容量を高める効果がある。
図274は、図272に対して、両図の(a)の上板の導線の配置を変更したものであり、ID領域とタッチ領域を接続しないで、矩形の配線とID導電タップ上の配線(30cmを十分に超えるだけの配線)だけで、タッチパネルにカードを載置して指を触れなくても4個の導電タップ(図271(d)の素子111参照)を検知する設計である。これを実現するためには、タッチパネルとの密着性が大きな課題であり、底板の下面が平面を維持する必要がある。
図275は、図274に対して、両図の(a)の上板の導線の配置を変更したものであり、タッチパネルに例えばカード状の装置110ABを載置し、ユーザの指が装置110ABに触れなくても、情報機器200のタッチパネルが底板下面の4個の導電タップ(図271(d)の素子111参照)を検知する設計である。図275(a)のように、ID領域の導電タップ上の配線を導電タップと同様な導電体114Bを配置することにより、より多くの容量を保有し、特にカップリングにより、さらに検知容量を高める効果がある。
なお、図274と図275は、ID領域の導電タップとタッチ領域の指接点が導通していないため、カードが変形したり、タッチパネル表面が小さな粉塵等付着していたり、保護シートが旨く貼り付けられていないと、検知する容量が少なくなり、導電タップを認識できない場合があり、注意を要する。
図276は、カード表面に配線や接点等を目隠しするために、貼り付けられる白色等のシート(接着層を含め0.1〜0.15mm程度)を指でタッチした際に、ID領域に配置した導電タップに接続する配線と指とをシートを介して、タッチパネルからの検出信号である交流信号を導通させる構成を例示する。このため一定の面積を有する導電体をシート直下のタッチポイントに設ける必要があり、ここでは円形(多角形等どのような形状でもよい)の導電体(指接点114D)を設けている。その結果、タッチパネルからの交流センサ信号をシートに導通させて、タッチパネルがID領域の導電タップ(素子111)を検知できるようにする。なお、この下部には、上板を介して、円形(多角形等どのような形状でもよい)の導電体を配置して、底板は図271の機構にしてもよいし、図285(c)のように当該導電体と接着する直径8mm程度の誘電率の高い誘電柱が形成し、指タッチにより誘電柱の上部に配置した導電体によるカップリングも生じ、タッチパネルが検知できる容量とすることができる。ここで、図276(a)に配置された導電体114Dを指で触れた場合、配線WRを介して他のタッチ領域の導電体114Dに導通されても、指による直接のタッチではないため、下部の誘電柱を介して、容量を検知するほどにはならない。ただし、上板および底板の厚さや材料、タッチパネルの機種、使用環境により容量を検知できる場合もある。また、ID領域には、図273(a)、図275(a)のように、ID領域の導電タップ上の配線に導電タップと同様な導電体を配置することにより、より多くの容量を保有し、特にカップリングにより、さらに検知容量を高める効果がある。
図277のタッチ領域は図276(a)(b)と同一であり、同一の機能を有する。一方、ID領域の底板および上板の下面は、図271(a)の配線と同一であるが、ID領域の上板上面上で底板下面のID領域の導電タップ(図271(d)の素子111)直上の位置には、導電体114Bが配置される。すなわち、ID領域の導電タップ上の同図上板の下面に図277(a)の上板上面の配線WRからスルーホールTHを介して導電タップと同様な導電体114Bを図277(b)のように、上板下面に導電体114Bを配置する。この配置により、導電体114Bから底板下面までの距離を短縮してさらにカップリングの影響を及ぼし、検知容量を高める効果がある。
通常、カードは高品位のグラフィックが印刷される場合が一般的である。本実施形態のようにタッチ領域は、機能優先であり、さほどグラフィックに拘らなくてもよい場合が多い。以下、図278〜図285は、タッチ領域以外の領域に高品位のグラフィックを直接印刷したり、高品位の印刷済みシートをカードに貼り付けた際に、導線やスルーホール等が透けて見えたり、凹凸が生じないように、上板上面には何も設けず、下面に配線や接点を設けた実施例である。ただし、いずれも上板の上面と下面の両方に配線および/または導電体を配置するため、コスト高になる。
図278および図279は、図274および図275のID領域の上板上面の配線を、上板下面に配線した実施例である。そのため、上板上面のID領域は、指タッチより導通する機構を設けない。一方、タッチ領域の底板下面の導電タップ(素子111)は、指タッチにより上板上面と導通させるだけでよいため、上板上面はできる限り目立たない指接点を設けるのが望ましい。一方、ID領域には、指から導通がないため、ID領域の配線(カップリング用導電体も含む)や導電タップで容量を保有している。しかし、カードが変形したり、タッチパネル表面が小さな粉塵等付着していたり、保護シートが旨く貼り付けられていないと、導電タップを認識できない場合があり、注意を要する。
図280および図281は、図271および図272のID領域の上板上面の配線を、上板下面に配線した実施例である。 これも、タッチ領域以外の領域に高品位のグラフィックを形成させるための機構である。図278および図279と異なるのは、上板上面のリング状の導電体114Cがスルーホール内の導電路を介して上板下面の配線WR、および底板下面ID領域の導電タップと接続される点である。そのため、導電体114Cへの指タッチにより、ユーザがID領域の導電タップに導電されることから、カードとタッチパネルの密着状況や、タッチパネルの検知容量が多少低くても、確実に容量を検知できる機構となっている。ここで、上面にグラフィックを印刷したり、印刷済みシートを貼っても、あまりタッチ領域が目立たないように、上板表面の各タッチ領域の中央に指接点114Aと、その周辺を囲むようにリング状の導電体114Cを設け、リング状導電体114C上にスルーホールを通る導電路を設けて下面の配線WRに接続する。指接点114Aからは直下の導電タップに導通するようにスルーホールを設け、スルーホール内に導電路を形成する。このため、カード表面は各タッチ領域の12所個に対して、指接点114Aとリング状の導電体114Cが目立たないようなデザインで印刷されればよい。場合によっては、タッチ領域のデザインの一環として、指接点114Aとリング状導電体114Cをむき出しにしたり、同系色のグラフィックで印刷してもよい。
図282は、ゲームやセキュリティのための各タッチ領域のタッチの誘導のために、所定のタッチ領域にタッチパネルから誘導光を発光して、これをユーザが視認できる機構である。図282(a)は、指接点をドーナツ状の導電体とし、この導電体にスルーホールを設けているが、図279(a)のようなリング状の導線でもよい。さらに、図282(c)のタッチ領域の底板下面の誘導柱(タッチ領域柱)を半透明にしたり、誘導柱内に中空部を設けて光を透過させ視認できるようにするのが望ましい。なお、導電タップが誘導光で遮光される場合は、図282(d)のように導電タップをドーナツ状にしてもよい。本実施例は、指タッチにより、ID領域の導電タップの導通できない配線となっているが、両者を導通できる配線にしてもよい。例えば、図ZU27〜図273、図276〜図281にも、ドーナツ状にした導電タップやID領域の導電タップに導通するための導電体等、誘導光が視認できるよう設計が可能である。本実施例の利用分野としては、カード表面にアイコン印刷が無くても、誘導光により、タッチする位置を指示できる。誘導光は、異なる色の発光で選択的に指タッチを誘導してもよい。さらに、点滅の間隔(発光・消灯時間)を変えて、選択的に指タッチを誘導してもよい。設定した光および設定以外の光も同時に発光してもよい。なお、同時に複数タッチしてもよい。エンタメ系としては、次にタッチする位置を指示したり、発光色や光点滅で、アイテムの選択やキャラクターの移動、攻撃の方向、言語等を定めてもよい。セキュリティ系では、ユーザーが発光色や点滅を設定し、ワンタイムパスワードとして、様々な光を、一部または全部のタッチ領域で、時間変化させて発光させて、予め設定した光を選択して当該タッチ領域をタッチすればワンタイムパスワードを入力できる。さらに、複数の光の色や点滅をタッチする順番も含めて設定すれば、さらに高セキュリティを実現できる。また、設定した光の位置をタッチしないで、当該位置の左右上下・斜め方向をタッチすることにすれば、容易にスキミングされない。また、カードの成型材料を透明にすれば、タッチ領域以外に画像を表示することもできる。これにより、指タッチして画像の切り替えや、当該画像(製品やサービス)の注文・決済等に利用することもできる。もちろん、タッチ領域に光を遮断する導電体が配置されない機構のカードでは、タッチ領域にも画像を表示させて、自由に切り替えることもできる。
図283は、図277(a)の上板上面の配線を上板下面(図283(b))に配線した実施例である。図283(a)は、目隠しシートに指タッチしたら、ID領域に配置した導電タップに接続する配線に導通させるために、一定の面積を有する円形状(多角形等どのような形状でもよい)の導電体114Dを設けて、図283(b)に設けた配線WRでID領域の導電タップに導通させる。ここでは、各タッチ領域下部の底板には、図285(c)の点線のように直径8mm程度の誘電率の高い誘電柱を形成し、指タッチにより導電タップに導通させなくても、誘電柱の上部に配置した導電体によるカップリングも生じ、タッチパネルが検知できる容量とすることができる。なお、図283(a)の各タッチ領域に設けられた円形状の導電体114Dは、他のタッチ領域の導電体114Dから、配線WRおよびスルーホール内の導電路を介して導通されても、指による直接のタッチではないため、下部の誘電柱を介して、容量を検知するほどにはならない。
図284は、上板上面にリング状配線を設け、上板下面の配線上に上板を貫通するスルーホールを設けて、上板上面のリング状導線と上板下面の配線を導電路で接続しており、上面に印刷した場合に最もグラフィックに影響を与えない配線である。このような配線は、グラフィックの品質を損ねず上板に直接印刷できる。上板下面(図284(b))には、図282(a)と同様なドーナツ状の導電体を設けている。このドーナツ状の導電体は、図282のように、所定のタッチ領域にタッチパネルから誘導光を発光して、これをユーザが視認できる機構である。なお、本実施形態の装置110ABは、図283と同様に底板の下面に配置されるタッチ領域の導電タップには導通するためのスルーホールは設けない。つまり、タッチ領域の導電タップは、上板の円形状の同延滞114Dとは接続されない。そのため、底板の各タッチ領域に設けられた誘電柱を介して、タッチパネルが指タッチの容量を検知する機構が採用される。しかし、図284(a)のリング状配線からスルーホールを通じて、図ZU40(b)に形成されたドーナツ状の導電体に導通し、十分な面積があることから、底板の各タッチ領域の誘電柱を介しても、検知容量が図283と比べて大きくなる。その分、少ない容量でも検知するタッチパネルでは、指タッチした個所以外のタッチ領域を導体として検知される可能性もあり注意を有する。
図285は、底板下面に導電タップを設けない実施例の模式図である。図285が模式図であるという意味は、図285(c)において、ID領域柱およびタッチ量領域柱が省略され、点線で記載されているからである。なお、タッチ量領域柱は、点線で12個記載されているが、ID領域柱は、点線で4個だけ記載され、残りは省略されており、記載されてない。
底板のタッチ領域に設けられた誘電柱(同図(c)の点線)だけで指タッチにより、タッチパネルが容量を検知する機構であり、誘電柱は高い誘電性を備えなければならない。図285(a)のように、上板上面には、図277(a)と同一の配線と指タッチ用の円形(多角形等どのような形状でもよい)の導電体(指接点114A)と、配線端部にスルーホールを設け、底板下面のID領域の導電タップに導通される。ID領域の容量の検知位置は指のタッチ位置ではないことから、タッチパネルが容量を検知できるよう、上板上面の指接点114Aに導通させた導体タップを設ける。また、図285(a)のタッチ領域の指接点114Dの導電体の直径が8mm 程度(他の形状では、面積50平方mm程度)の面積を有することにより、指タッチ時のカップリング効果が生じ、直下の容量を検知し易くなる。また、目隠しシートにも対応できる。さらに、タッチ領域の導電タップがないため誘導光が遮断されず、上部に導電体があっても周辺に光が漏れ、タッチパネルからのタッチパネルから誘導光を視認し易い。本実施例は、タッチ領域の底板下面に導体タップを配置する場合や、指接点と導体タップを導通させる形態より検知容量は少なくなるが、最も廉価なコストで製造できる。なお、この実施例の底板は、上板として、図274〜図277、図282〜図284にも適用できる。但し、タッチ領域の導電タップに通電するためのスルーホールは必要ない。
以上、図ZU26構造を適用した具体的な実施例として、図271〜図285を記載したが、こられの様々な導電配線、導電体、スルーホール、接点、導電タップをどのように組み合わせて、図270の機構に形成してもよい。
図286から図289により、実施形態40に係る装置110ACを説明する。本実施形態の装置110ACは、実施形態37から実施形態39等と同様、薄板状で電池を用いない装置である。装置110ACの作用面および上面はともに、実施形態37から実施形態39等と同様のID領域とタッチ領域を有する。本実施形態では、装置110ACは、上板と底板の構造が上記実施形態39と逆になる。本実施形態の他の構成および作用は、実施形態39と同様である。
装置110ACは、上板と底板の2枚で形成され、ID領域に多くのパターン配置をするために、導体パターン毎に金型を製作しなくてもよいように、設計および工法、材料を用いる。図286では、図270(a)、(b)の薄型の上板を図286(c)、(d)の底板として、図270(c)、(d)の凹凸のある底板を図286(a)、(b)の上板として使用した実施例である。
この実施例は2種の特徴があり、その1つは、底板の上面にID領域およびタッチ領域の導電タップ(素子111)を形成し、タッチパネル面と接面する底板の下面には導電タップを形成しなくてもよい機構を実現できる。底板の下面に導電タップを形成すると、下面上に若干の段差が発生する。その結果、例えば、装置110ACが情報機器200のタッチパネルに載置された場合に、作用面である底板の下面とタッチパネルとの間に空気層ができ、タッチパネルによる容量等の物理量の検知精度が低下する。しかし、薄型の底板を硬質な材料で成型でき平面性を保持することができれば、カードとタッチパネル面が密着し空気層の発生が抑制され、タッチパネルは底板の上面側の導電タップの容量を検知しやすくなる。指の代わりとなる導電タップから、タッチパネル面までの距離は、底板の厚さの0.2〜0.3mm程度であり、スマートフォン等のタッチパネルに被覆する一般的な保護シートの厚さが0.5mm前後であり、導電タップの検知に、大きな影響はない。但し、図289の実施例のように、指タッチとタッチ領域の導電タップとが導通されていないため、上板および底板の厚さは、できるだけ薄くし、誘電性の高い成型材料を使用しなければ、容量を検知できない場合が発生する可能性がある。
2つ目の特徴は、 底板の色を白色(デザインによっては他の色でもよい)で成型すれば、底板の厚さが0.2〜0.3mmのため、様々な印刷機で印刷が可能となり、カード裏面のグラフィックの印刷が容易になる。同様に、底板の上面の導電タップも、導電インクにより印刷できる。
図286(c)のように、底板は、非道電性の高いシートもしくは成型板とし、貼り合わせた際に撓まないようにする。そのためには、硬質または/および伸縮しない材料を使用する。タッチパネルが容量を検知し易くするためにはタッチパネルとカードの接触面は平面を保持できるような材料で、底板を成型するのが望ましい。特に、非道電性の硬質な熱硬化性樹脂を使用するのが望ましい。タッチパネル上でカードを回転および/または移動させない静止状態で使用する場合は、タッチパネルに張り付くような密着性の高い非導電材料を使用するのが望ましい。
様々なID導体パターンに対応するため、図286(a),(b)のように、底板上面に導電タップが配置される候補の位置には、導電タップと配線を繋ぐスルーホール用の穴を設ける必要がある。これらの穴は成型時に穴を空けてもよいし、成形後に、必要個所に穴を空けてもよい。なお、スルーホール用の穴は、直径0.3〜1.0mm程度を必要とする。一方、機構によっては、図289のように、上板に穴を空けなくてもよい場合がある。図287、図289では、上板のタッチ領域の12か所にはスルーホール用の穴が設けられる。製造工程は、40cm×50cm程度以上の版で上板を成型し、導電インクによる印刷やメッキ等で配線を実施し、貼り合わせ後に、スルーホールを導電インクで充填するのが望ましい。貼り合わせる前に上板と底板を導通させるスルーホールを設ける場合は、上板のスルーホールが底板の導電タップに繋がるように接点を設ける。
上板は厚いため、カード表面の印刷は、別途白色シートに印刷して上板の表面に貼り付けるのが望ましい。なお、導電タップや配線、接点を目隠しする必要がある場合は、白色シート(グラフィックによっては他の色でもよい)で目隠しし、その上にグラフィックを印刷して印刷シートを制作するのが望ましい。印刷シートは、インク層と接着層を含めて、0.1〜0.15m程度とし、導電タップの検知に影響しないようにする。さらに、指による導通を実施する場合は、印刷シートの厚さは 0.1m程度が、良好である。製造工程は、コストを十分に考慮し、上板と底板に、配線、接点、スルーホール、導電タップ等を形成し、印刷または印刷シートの貼り合わせを適正な順番で実施し、上板と底板を貼り付けた後に、カードサイズに裁断するのが望ましい。
図287(a),(b)の上板は、図270(b)、(c)と同様に、上板の下面には柱以外の領域に深さ0.4〜0.5の溝が設けられていることから、基本的には、ID領域の導電タップへの導通用の配線およびタッチ領域の指接点用の導電体は上板の上面に形成する。上板の上面と下面の導電配線は、図271(a),(b)と同一であり、タッチ領域(導電タップ上方)に指タッチすることにより、直下の導電タップと、ID領域の導電タップに導通させて、5個の導電タップをタッチパネルが検知できる。図287(c),(d)の底板のID領域に4個、タッチ領域に12個の導電タップが上面に形成されている。このような上板の導電配線としては、図271(a),(b)の他、図272(a),(b),図273(a),(b)を使用してもよい。なお、上面に導線の配線および導電体を配置するため、その目隠しのため白色(グラフィックによっては他の色でもよい)等のシートを貼り付け、目隠しシートにグラフィックを印刷することが好ましい。省力化を勘案し、製造工程は印刷後または印刷シート貼り付け後に、上板と底板を貼り付けるのが望ましい。本件は、下記に示す図288、図289でも同様である。
図288(a),(b)の上板は、ID領域が図272(a),(b)と、タッチ領域が図282(a),(b)と同一であり、タッチ領域(導電タップ上方)に指タッチすることにより、直下の導電タップにのみ導通する。ID領域の導電タップには導電タップ上方の配線を波状にすることにより、より多くの容量を保有することができる。つまり、タッチパネルに、例えばカード状の装置110ACを載置して指を触れなくても、タッチパネルが4個の導電タップを検知し易くする。また、波状の配線の密集部の下部にはカップリングにより、さらに検知容量を高める効果がある。これにより、前述のiPHON(登録商標)やiPAD(登録商標)で、第2の閾値になっても、容量を検知し続けるようにするためである。波状配線は、多重丸や螺旋状、格子状であってもよい。タッチ領域の上面には、ドーナツ状の指接点用導電体を設け、目隠しシートが貼られても指タッチから導通できるように所定の面積を有している。さらに、図288(c)の底板上面のタッチ領域には、タッチパネルからの誘導光を透過させ視認し易いように上板の導電体と同一サイズのドーナツ状の導電タップを設けている。このような導電配線としては、図274(a),(b)、図275(a),(b)を使用してもよい。
図289(a)の上板上面は、図284(b)と同一の導電配線であり、図289(b)の上板下面は、ID領域の導電タップへのスルーホールのみが形成されている。図289(b)は、図288(b)と同一の導電タップが形成されている。図288の実施例との違いの1つは、指タッチがID領域の導電タップに通電され、ID領域の導電タップの容量を増やし検知し易くすることである。さらに、タッチ領域から下方の導電タップに導通されないために、タッチ領域の導電タップが検知しづらくなることである。目隠しシートと誘導光の対応は、図288と同様である。このような導電配線としては、図274(a),(b)、図275(a),(b)を使用してもよい。
以上、図286を適用した具体的な実施例として、図287〜図289を記載したが、図271〜図285、図287〜図289の様々な導電配線、導電体、スルーホール、導電タップをどのように組み合わせて、図286の機構に形成してもよい。
[変形例]
本実施形態の上板および前記実施形態39の底板に設ける誘電体柱をテーパー状にしてもよい。図290に、テーパー状の誘電体中を有する薄板状の基材を例示する。図290の基材は、実施形態JS4の底板またはJS5の上板に用いる。例えば、装置110AB、110AC等がタッチパネルに載置されたときに、誘電体柱のタッチパネルに近い側が太く、タッチパネル面から遠い面が細い形状の場合、タッチパネルに近い誘電体柱端部の断面積が小さいものと比較して、タッチパネルが装置110AB、110Cの作用面上で検知する物理量を大きくするとともに、装置110AB、110AC等の上板上面(作用面の反対面)でのタッチポイントの間隔を広くとることが可能となる。タッチポイントの間隔を広くとることで、タッチポイント間での指のタッチに干渉を回避できる
一方、逆に、誘電体中を介して作用面上に形成される物理量が十分に大きい場合には、誘電体柱のタッチパネルに近い側が細く、タッチパネル面から遠い面が太い形状としてもよい。
なお、図270、図286において、ID領域にはスルーホールが形成されたID領域柱が多数設けられている。しかし、本来、例えば、図271(d)のように、ID領域の底板下面に4つの素子111を配置し、4つの素子111を上板に設けた配線と接続するのであれば、スルーホールを設けたID領域柱は4つあればよい。しかし、図270(b)(c)のように、スルーホールが形成された柱を多数ID領域に設けることで、素子111を形成前の装置110AB、110AC等(あるいは、その上板、底板)を量産することができる。すなわち、例えば、図270(b)(c)のような底板(あるいは図286(b)のような上板)を同一の金型等で多数生産し、相手方の上板(あるいは底板)と接合するときに素子111を形成、印刷あるいははめ込むことで、異なるIDの装置110AB、110AC等を量産できる。
素子111は、第1面上に形成された複数の第1の導電性パターン部材の一例である。配線は、第1面から所定距離以上を隔てて形成される第2の導電性パターン部材の一例である。スルーホール内の導電路は、第1面の前記第1の導電性パターン部材が形成された部分に開口する孔を通り前記第1の導電性パターン部材と前記第2の導電性パターン部材とを接続する第1の導電路の一例である。上板と底板の間の溝(空間)は、空洞の一例である。上板上面に印刷された種々の操作を促す印刷された形状は、マークの一例である。
[C−CARDの機構(薄型上板+多重成型凹凸底板)]
図291Aから図291Fにより、装置110の製造方法を例示する。
図291Aから図291Fでは、装置110は、上板と底板の2枚で形成され、底板は導電材料と非導電材料による多重成型で成型される。導電材料で固定導電柱12個、情報A導電柱2個、情報B導電柱2個を形成する。固定導電柱12個は、タッチ領域で指タッチした際に、固定導電柱よりずれた位置をタッチしても誤認しないように、当該固定導電柱の下部のみが容量を検知される機構となっている。情報A導電柱2個は固定位置に配置されるが、情報B導電柱2個は任意の位置に配置することにより、ID領域の導電パターンを形成する。しかし、パターン数を増加させるために、情報A導電柱2個も任意の位置に配置してもよい。金型の構成により、必要な位置に導電柱と非道電性の支持柱を配置できるようにする。支持柱は、薄型上板を指で押圧した場合に、撓まない程度に所定の間隔で配置する。支持柱の大きさは、矩形では、2×2mm程度以内、円形では、直径3mm程度以内とするのが望ましく、少なくとも柱端部の間隔が4〜6mm以上距離を置くことが望ましい。上記を含む底板の機構の諸条件は、図270の説明に記載している。
図291Bの断面図(AY断面)において黒色で記載した導電柱は、厚さ0.3mmの底板下面の上部に厚さ0.4mm,直径8mmで形成されていることから、底板下面の表面に直接印刷したり、0.1mm以下の極薄の印刷シートを貼り付けることができる。なお、導電柱は直径8mmを有していることから、厚さ0.3mmの底板下面および0.1mm程度の印刷シートからなる誘電層を介しても、十分に容量を検知できる。図291Aの上板には、上面に指接点、下面に導電柱との接点を設ける。導線の配線は上面および/または下面に形成する。上板にはスルーホールが設けられるが、底面には導電柱の配置によりスルーホールを設けなくても構わない。また、多重成型の他、通常の成型を非道電体で実施し、底板上面から導電柱を配置し下面を接着してもよい。この底板の上板としては、図271(a),(b)、図272〜図275を適用できる。図276(a),(b)は、下面のタッチ領域の導電体を形成しなくても適用できる。図277(a),(b)は、上面のID領域の導電体を形成しなくても適用できるが、スルーホールと導電柱との接点は必要となる。図278(a),(b)は、下面の波状の配線はなくても適用できる。図279(a),(b)は、下面の導電体を形成しなくても適用できる。その他は、図285(a),(b),図287(a),(b)が適用できる。
図291Cでは、直径8mmの導電柱を円筒形で成型(中空部は空隙もしくは透明の非道電体)し、各タッチ領域のタッチの誘導のために、所定のタッチ領域にタッチパネルから誘導光を発光して、カード表面から視認できる。また、多重成型の他、通常の成型を非道電体で実施し、底板上面から導電柱を配置し下面を接着してもよい。この底板の上板としては、図279、図288(a),(b)、図289(a),(b)が適用できる。図282(a),(b)は、下面の波状の配線はなくても適用できる。図291Dでは、直径8mmの導電柱の中央垂直方向に切り欠きを設け、図291C同様に各タッチ領域のタッチの誘導のために、所定のタッチ領域にタッチパネルから誘導光を発光して、カード表面から視認できる。また、多重成型の他、通常の成型を非道電体で実施し、底板上面から導電柱を配置し下面を接着してもよい。この底板の上板としては、図279、図283、図288(a),(b)、図289(a),(b)が適用できる。なお、図283は、カード表面から誘導光を視認できない。図293および図294は、図291Dの切り欠き導電柱の特徴を生かした上板の配線図である。上板上面には指接点用リング状導線または指接点だけを形成することから、直接印刷または0.1mm以下の極薄の印刷シートを貼り付けることができる。0.15mm程度の目隠しシートを貼り付ける場合は、指からの導通を確実に実施するため、図293(a)の指接点用リング状導線を、図289(c)のようにドーナツ状の導電体を形成すればよい。また、図293および図294のID領域の配線は、図281(b)または図288(b)の配線を用いてもよい。なお、上板下面の導線の配線は、全て上板上面に形成してもよい。その際は、スルーホールをID領域の導電柱に導電するように配置しなければならない。図291Cは、鍋蓋状の導電柱を多重成型により配置している。導電柱は下部直径8mm厚さ0.3mm上部直径3mm厚さ0.4mmであり、導電体の下部は、底板下面と面一になっており、容量を確実に検知できる。また、多重成型の他、通常の成型を非道電体で実施し、底板上面から非道電体をはめ込んで導電柱の下部周辺で接着してもよい。しかし、導電柱の下部が視認できるため、目隠しシートが被覆される。この底板の上板としては、図271(a),(b)、図272〜図278、図280、図281、図285(a),(b)を適用できる。なお、図276、図277の上板下面のタッチ領域の導電体および、図281の上板下面の波状の配線はなくても適用できる。図291(f)は、多重成型の他、通常の成型を非道電体で実施し、底板上面から道電柱をはめ込んで接着する適切な機構である。底板上面は、図291Aと同様な特徴を有し、適用できる上板も同様である。しかし、導電柱の下部が視認できるため、目隠しシートが必要である。
[C−CARDの機構(多重成型凹凸上板+薄型底板)]
図294では、上板と底板の2枚で形成され、上板は導電材料と非導電材料による多重成型で成型される。本実施形態は、図291Aから図291Fの底板を上板に用い表裏を反対にした機構であり、導電柱および指示柱の成型に関しては同様である。図294(b)の断面図において黒色で記載した導電柱は、厚さ0.3mmの底板上面の下部に厚さ0.4mm,直径8mmで形成されていることから、原則、導電の配線は上板上面に形成し、ID領域の導電柱にスルーホールを設けて導通させなければならない。厚さ0.2mmの底板、さらに底板下面に0.1mm程度の印刷シートを設けて、これらの誘電層を介しても、十分に容量を検知できる。この上板の底板は、白色(他の色でもよい)0.2mm厚の平板またはシートである。また、底板の下面は、直接、印刷することが可能である。なお、底板は、タッチパネルと接面するため平面を保持する必要があり、非道電性の高いシートもしくは成型板とし、貼り合わせた際に撓まないようにする。そのためには、硬質であるか、または伸縮しない材料を使用する。また、多重成型の他、通常の成型を非道電体で実施し、底板上面から導電柱を配置し下面を接着してもよい。この底板の上面の配線としては、図271〜図275、図285、図277のそれぞれの上面の配線、指接点、スルーホールを適用できる。
図294(c)では、図291Cの導電体と同じ形状であり、導電体の上端面が上板上面と面一になっており、指接点の役割を担っている。この上板は、多重成型の他、通常の成型を非道電体で実施し、底板上面から道電柱をはめ込んで接着する適切な機構である。しかし、導電柱の上部が視認できるため、目隠しシートが必要である。
以上、金属やメッキ、導電インクによる印刷で形成した導電タップや、導電タップとスルーホールを兼用する導電材料で成型した導電柱に関する様々な実施例を示したが、導線による配線や指タッチして導通させる指接点、2枚の導電部を導通させる接点、板を貫通させて厚さ方向に導通させるスルーホール等との、組み合わせは、本来の機能を保持する限り、どのような組み合わせで用いてもよい。また、凹凸板の平面側に直接、配線やグラフィックを形成できなければ、もう一層のシートも設けて、当該シートに配線やグラフィックを形成してもよい。さらに、図示していないが、凹凸板が下向きの場合に、上面となる平面への配線を極力減らして、凹凸側の凹部分に配線してもよい。
図297から300を参照して、実施形態42に係る装置110と情報機器200を含む情報システムについて説明する。ここで、装置110は、上記各実施形態のうち、実施形態1の装置110等に例示される、光電変換素子配列112、あるいは、図218に例示されるフォトダイオードWPD等を有し、情報機器200のディスプレイからの光信号による情報(光コードともいう)を受光する。また、装置110は、作用面に素子配列111を有し、作用面に近接または接触したタッチパネルに物理量を引き起こし、素子111からのONとOFFの組み合わせの情報(情報パターン、静電容量コードともいう)を引き渡すことができる。また、情報機器200は、上記の各実施形態と同様、実施形態0で説明したコード認識装置3と同様であるので、その説明を省略する。
図297は、情報機器200のタッチパネル上のタッチセンサを制御回路が走査する動作を例示する模式図である。例えば、タッチセンサがタッチパネル上で、左上から右したに向かって走査されると仮定する。今、時刻TIME0で走査が開始、時刻TIME0+Tscanで1画面分の走査が終了するとする。そして、TIME1で示される時刻に、走査が上記TIME1の矢印の箇所を通過し、その直後にTCP1の位置において素子111がONになったとする。この場合、すでにTCP1の位置のタッチセンサへの走査は終了しているため、TCP1の位置において素子111がONになったことが検知されるのでは、次の走査においてである。
一方、TIME1で示される時刻に、走査が上記TIME2の矢印の箇所を通過し、その直前にTCP2位置において素子111がONになったとする。ここで、素子111のONとは、すでに上記実施形態で述べたように、素子111で検知される物理量、例えば、静電容量が所定の閾値STON以上の状態をいう。一方、素子111のOFFとは、素子111の物理量、例えば、静電容量が所定の閾値STOFF以下の状態をいう。
この場合には、この走査(つまり、時刻TIME0から時刻TIME0+Tscanまで)において、TCP2位置において素子111がONになったことが検知される。つまり、素子111がONになる時刻と位置に依存して、タッチセンサの走査との関係から、1つのタッチパネルで複数の素子111のONが検知されるタイミングがタッチパネルの制御回路がタッチパネル前面のタッチセンサを繰り返し走査するときの走査周期(Tcycleとする)1つ分ずれる可能性がある。
さらに、タッチパネルによっては、1つのタッチセンサにおいて複数回の走査で連続してON(またはOFF)が検出されたときに、ON(またはOFF)のイベントがデバイスドライバプログラム(以下単にドライバともいう)およびOSを介してアプリケーションプログラムに通知されるものがある。このONのイベントが検出されたと判定される連続検出回数を基準判定回数と呼ぶことにする。
例えば、情報機器200のドライバが2回連続する走査でON(またはOFF)を検出したときに、ON(またはOFF)のイベントをOSに通知するとする。この場合には、基準判定回数=2であり、情報機器200では、複数の素子111のONのイベントが通知されるタイミングは、走査1回目から3回目に分散する可能性がある。
そこで、本実施形態では、情報機器200のアプリケーションプログラムは、基準判定回数+1回の走査周期分だけ、装置110からの物理量変化、すなわち、ONとOFFとを監視する。つまり、情報機器200のアプリケーションプログラムは、(基準判定回数+1回)*走査周期Tcycleの期間、素子111からの物理量変化を監視し、(基準判定回数+1回)*走査周期Tcycleの期間の経過後にONまたはOFFを判定する。ここで、“*”は乗算を示す。
一方、本実施形態の装置110は、タッチパネルに情報を入力するとき、情報機器200からの同期光信号を確認後、(基準判定回数+1回)*走査周期Tcycleの期間、素子111のON状態またはOFF状態を継続する。このような情報入力方法をとることにより、装置110は、各素子111のONまたはOFFをほぼ確実に情報機器200に伝達できる。したがって、装置110は、情報パターン入力時に、全OFFの区切り記号を情報パターンと情報パターンの間に入れる必要がない。
ただし、同期信号として、複数の素子111のいずれかのONとOFFの組み合わせを利用する場合には、装置110は(基準判定回数+2回)*走査周期Tcycleの期間、情報パターンを維持し、出力を継続することになる。例えば、基準判定回数=2の場合、装置110は全OFFの区切りパターンなしに、情報パターンを4*走査周期Tcycleの期間出力することで、情報パターンをタッチパネルに入力できる。なぜなら、情報機器200は、アプリケーションプログラムにおいては、同期信号を受信時、これが1回目の走査なのか(基準判定回数−1回以前のなのか)、2回目の走査なのか(基準判定回数の最後の走査なのか)、判断できない。そのため、情報機器は、ON信号が確認できたときから+1回の走査周期Tcycleの期間、素子111でのONまたはOFFを検知し続けることになる。すると、たまたま2回目の走査(基準判定回数の最後の走査)で第1回の同期信号を検知した場合には、連続して同期信号を検知できるのは、3回目の走査周期となる。したがって、情報機器200は、3回目の走査周期で素子111からの情報パターンの検知を完了できるが、情報パターンの検知完了が2回目の走査なのか(基準判定回数以前のなのか)、3回目の走査なのか(基準判定回数+1の走査なのか)、判断できない。そのため、情報機器200は、常時、同期信号の確認完了後+1回待つことになり、結果として、同期信号を基準判定回数+2回待つことになる。このような情報機器の処理に対応して、装置110は、基準判定回数+2回の期間、素子111のONまたはOFFを維持することになる。
したがって、情報パターンと情報パターンの間に全OFFを出力する場合には、情報パターンの出力に3*走査周期Tcycle,全OFFの出力に3*走査周期Tcycleを要するので、本実施形態の方法では、装置110は、情報パターンの入力時間を高速化できる。
図298は、情報機器200と装置110との間の光コードと情報パターン(静電容量コード)とを用いた通信手順を例示するタイミングチャートである。この処理では、まず、情報機器200と装置110との間で同期が確立される。情報機器200と装置110との間の同期の確立の仕方に限定はない。例えば、情報機器200のアプリケーションプログラムあるいは情報機器200がディスプレイに表示中のウェブサイトのサービスにしたがって、情報機器200がディスプレイから装置110のフォトダイオードWPDあるいは光電変換素子配列112に,予め規定された光コード(プリアンブル)を繰り返し発光し、その後に同期光信号を発光すればよい。装置110が上記プリアンブルを検知すると、プリアンブルの次に光コードによる最初の同期信号が入力されものとして、同期信号の入力を予期した処理を実行すればよい。そして、装置110がプリアンブルを検知後に同期信号を検知すると、情報パターンを出力すればよい。
すでに述べたように、装置110は、TST=(基準判定回数+1回)*走査周期Tcycleの期間、情報パターンの出力、すなわち、素子111のON状態またはOFF状態を継続する。一方、情報機器200は、(基準判定回数+1回)*走査周期Tcycleの期間、素子111での物理量変化を監視し、装置110から情報パターンを取得すると、次の同期光信号を発光すればよい。なお、この場合、次の同期光信号は、単なる同期光信号でもよいし、入力された最新の情報パターンを光コードで折り返すものでもよい。このようにして、情報機器200と装置110は、通信終了まで処理を継続する。
図299は、光同期通信を実行する装置110の処理を例示するフローチャートである。この処理では、まず、装置110は情報機器200との間で同期を確立し、さらに同期光信号を受光する(S271)。すると、装置110は、受光した同期光信号に同期して素子111から情報パターンを出力する(S272)。なお、装置110は、情報パターン(ONとOFFの組み合わせ)の出力を(基準判定回数+1回)*走査周期Tcycleの期間維持する。
次に、装置110は、同期光信号を受光する(S273)。S273の同期光信号は、単純な同期を示すONとOFFの間の変化であってもよい。ただし、S273の同期光信号は、S272で情報機器200が入力された情報パターンを光コードに変換して折り返した情報を含んでもよい。図では、同期光信号が折り返しの光コードに含まれる場合が例示されている。
そして、装置110は、S272で出力した情報パターンとS273で受光した折り返しの光コードを比較し、エラーの有無を判定する(S274)。エラーが検出された場合、S272の処理に戻り、S272で出力済みの情報パターンを再出力する。一方、エラーがない場合、装置110は、処理が終了か否かを判定する(S275)。処理の終了は、例えば、装置110から出力すべき情報パターンがなくなった場合、装置110からの指示による場合、ユーザの装置110への操作による場合等、様々である。処理が終了しない場合、装置110は、S273で受光した同期信号に同期して、次の情報パターンを出力する(S272)。一方、処理が終了する場合、装置110は、終了処理を実行する(S276)。終了処理は、例えば、情報パターンと光コード送受信ためのバッファの解放等である。
なお、S273で受光する同期光信号に折り返し光コードが含まれない場合、S273の処理は、省略される。本実施形態では、光同期が実行され、かつ、(基準判定回数+1回)*走査周期Tcycleの期間、素子111を通じた情報パターンの出力が行われるため、エラーの確立は極めて低く、別途のパリティチェック等で十分にエラー検出でき、エラーに伴う通信速度の低下も少ない考えられる。
図300は、光同期通信を実行する情報機器200の処理を例示するフローチャートである。この処理では、まず情報機器200は装置110との間で同期を確立し、さらに同期光信号を発光する(S281)。すると、装置110は、受光した同期光信号に同期して素子111から情報パターンを出力するので、情報機器200は、同期光信号に同期して素子111から出力される情報パターンを取得する。情報パターンの出力は、装置110が同期光信号を受光したときから、TST=(基準判定回数+1回)*走査周期Tcycleの期間、情報パターンの出力を継続するので、この期間で、情報機器200は、素子111のONまたはOFFを確定できる。
なお、情報機器200はS286で応答同期光信号を発光するが、情報機器200はS282で検知し、確定したONとOFFの組み合わせによる情報パターンを光コードに変換して、折り返しの光コードとしてS286の同期光信号に組み込んで発光してもよい。情報機器200が、折り返しの光コードを同期光信号に組み込んで発光する場合には、情報機器200は、S282で取得された情報パターンが前回エラーによる再入力の情報パターンか否かを判定する(S283)。そして、前回エラーなしの場合には、情報機器200は、S282で取得した情報パターンをRAMに保存する。一方、前回エラーあり(再入力)の場合には、情報機器200は、S282で取得した情報パターンで前回取得しRAM上に保存されている情報パターンを修正する(S285)。
そして、情報機器200は、応答同期光信号を発光する(S286)。上述のように、S286において、情報機器200は、折り返し光コードを、応答同期光信号に含めて発光してもよい。ただし、情報機器200は、折り返し光コードを、応答同期光信号に含めない場合には、S283、S285の処理は省略される。
次に、情報機器200は、処理が終了か否かを判定する(S287)。処理の終了は、例えば、装置110からの指示による場合、情報機器200上の処理結果による場合、情報機器200がアクセスするウェブサイトの処理結果による場合、ユーザの操作による場合等、様々である。処理を終了しない場合、情報機器200は、S282に戻り、S286の同期光信号に同期して入力される情報パターンを取得する。
一方、処理を終了する場合、情報機器200は、終了処理を実行する。終了処理は、例えば、情報パターンと光コード送受信ためのバッファの解放等である。
以上述べたように、図299、300の処理によれば、装置110と情報機器200とは、情報機器200が送信する同期光信号に同期して、TST=(基準判定回数+1回)*走査周期Tcycleの期間継続して、情報パターン授受を実行するので、情報授受のエラーを十分に低減し、情報の授受を実行できる。
したがって、必ずしも図299のS274、図300のS283、S285のような折り返し光コードによる情報再送を実施しなくても、エラーの発生を低減でき、例えば、別途パリティチェック等により、高い信頼性と通信スループットを得ることができる。
また、すでに他の実施形態で説明したように、情報パターンと情報パターンとの間に全OFFを挟んで情報を授受するシステムでは、2*(基準判定回数+1回)の期間を要するの対して、同期光信号を利用する場合には、(基準判定回数+1回)の期間で情報を授受できる。すなわち、全OFFを含めないで情報パターンを授受可能であり、かつ、全OFFを含める手順よりも2倍の通信スループットを得ることができる。
なお、図299、図300では、同期信号として情報機器200のディスプレイの同期光信号を用いて説明した。しかし、同期信号が同期光信号に限定される訳ではない。情報機器200から装置110に通信できる手段であれば、いかな手段でも同期信号に利用できる。例えば、情報機器200が無線LAN、Bluetooth等の通信インターフェースを有する場合には、装置110にも、同一規格の通信インターフェースを設けて、同期信号の経路とすればよい。
[変形例]
上記実施形態42では、装置110は、上記各実施形態のうち、実施形態1の装置110等に例示される、光電変換素子配列112、あるいは、図208に例示されるフォトダイオードWPD等を有し、情報機器200のディスプレイからの光信号による情報(光コードともいう)を受光する。しかし、このような光信号の受光機能がない場合でも装置110は、情報機器200のタッチパネルを介して、同期信号付きの情報パターンを情報器200に入力することが可能である。本変形例では、光信号の受光機能がない装置110による情報パターンの入力手順を例示する。なお、この手順は、上記各実施形態の装置110(光信号の受光機能があるものも含む)に適用可能である。
ここで、同期信号付きの情報パターンは、例えば、図85パターンが例示される。図85のパターンでは、同期信号は、交互にON/OFFを繰り返すシンボル11が相当する。
図301は、同期信号付きの情報パターンを情報器200に入力する装置110の処理を例示するフローチャートである。同期信号付きの情報パターンによる情報の入力を静電同期処理と呼ぶ。この処理では、まず、装置110は情報機器200との間で同期を確立する(S291)。同期の確立のため、装置110は、規定の単位パターンを組み合わせたプリアンブルを所定期間継続して情報機器200のタッチパネルに入力すればよい。プリアンブルの出力後、装置110は、素子111から同期信号付き情報パターンを出力する(S292)。ここで、同期信号は、情報パターンに含まれるシンボル、すなわち、複数の素子111のうち、特定の1または複数の素子111からのON信号とOFF信号が該当する。装置110は、情報パターン(ONとOFFの組み合わせの単位パターン)の出力を(基準判定回数+2回)*走査周期Tcycleの期間維持する。
そして、装置110は、終了か否かを判定する(S293)。終了は、例えば、複数の情報パターン(単位パターン)を組み合わせたデータブロックの終了まで同期信号つき情報パターンがタッチパネルに入力された場合である。また、終了は、ユーザが装置110に所定の操作を行い、処理を終了させた場合である。終了でない場合、装置110は、S292に戻り、次の情報パターン(単位パターン)を出力する。このようにして、装置110は、(基準判定回数+2回)*走査周期Tcycleの期間維持した情報パターンの出力をデータブロックの終了まで繰り返す。
図302は、同期信号付きの情報パターンを装置110から取得する情報機器200の処理を例示するフローチャートである。この処理では、まず、情報機器200は装置110との間で同期を確立する(S301)。同期の確立のため、情報機器200は、装置110から出力される規定の単位パターンを組み合わせたプリアンブルを取得する。プリアンブルの取得後、情報機器200は、装置110の各素子111から同期信号付き情報パターンを取得し、RAMに保存する(S302)。装置110は、情報パターン(ONとOFFの組み合わせの単位パターン)の出力を(基準判定回数+2回)*走査周期Tcycleの期間維持するので、情報機器200は、タッチパパネルのタッチセンサを介して情報パターンを検知し、取得できる。
そして、情報機器200は、終了か否かを判定する。終了は例えば、情報パターン(単位パターン)を組み合わせたデータブロック数を予め定めておき、所定数の情報パターンが取得されたか否かで判定すればよい。
以上述べたように、本変形例では、装置110が(基準判定回数+2回)*走査周期Tcycleの期間、情報パターン(単位パターン)を維持して、タッチパネルに素子111からのONとOFFの情報を入力するので、情報機器200は、タッチパネルのタッチセンサの走査により、安定して情報を取得できる。
図303から305により、実施形態43を説明する。本実施形態では、図12、図13と同様に、トランジスタを半導体(トランジスタ、FET)を2段に直列に配置して、素子111に接続した装置110がタッチパネルに近接または載置されて作用するときに、タッチパネルが検出する静電容量を見積もる。図303は、直列のトランジスタをONにした回路の例である。この回路では、2段に直列のトランジスタX1,X2ののうち、電源側のトランジスタX2のコレクタにコンデンサC1を介して電源電圧が供給される。
今、電源電圧として、所定周波数(例えば、100kHz)、V3ボルトの電圧を加えた場合を想定する。そして、トランジスタX2のコレクタの電圧がVCであったとする。この場合、VC位置、つまり、トランジスタX2のコレクタと接地電位との間の等価的な容量(あるいはインピーダンス)は、容量=C1*(IN−VC)/VCと比例計算することができる。図303の場合、ベース端子には、3Vが供給されるので、この容量をON容量と呼ぶことにする。
所定のベース電流、コレクタ電圧、コレクタ電流の特性を有するシミュレータを用いた計算結果は以下の通りである。
RG=500kΩ、ON容量=2pF*(6v−6.5mV)/6.5mV=1841pF
RG=1MΩ、ON容量=2pF*(6v−13mV)/13mV=921pF
RG=2MΩ、ON容量=2pF*(6v−26.4mV)/26.4mV=452pF
RG=4MΩ、ON容量=2pF*(6v−55.6mV)/55.6mV=213pF
この様にベース抵抗を小さくするとON容量が増えることが分かる。すなわち、図303の回路によって、ベースに接続されるベース抵抗RGを変更することで、2段に直列のトランジスタX1,X2ののうち、電源側のトランジスタX2のコレクタから見た容量を200pF程度から2000pF程度の範囲に制御できる。したがって、例えば、図12、図13の回路において、ベース抵抗を調整することで、素子111のONのときの静電容量を200pF程度から2000pF程度の範囲に制御できる。
また、図304は、図303に対して、ベースを接地した回路である。この場合に、シミュレーションによって計算される容量は、トランジスタがOFFであるので、OFF容量と呼ぶ。図304による計算結果は以下の通りである。
RG=2.2MΩ、OFF容量=2pF*(6v−5.201V)/5.202V=0.307pF
なお、トランジスタX1,X2のCcbは0.27pFと小さくベース抵抗RGの影響を受けづらい。したがって、RGを変更しても、OFF容量の計算結果に大きな差異はない。したがて、トランジスタを適切に選択することによって、例えば、図12、図13の回路において、ベース抵抗を調整することで、素子111のONのときの静電容量を0.3pF未満に制御できる。
図305は、図302の結果を検証するための回路である。図305では、電源電圧を介して、左側に図303の回路が接続され、右側にコンデンサC2=2Fを介してコンデンサC3と抵抗R3が並列接続されている。
そして、RG=2.2Mオームのとき、コンデンサC3=416pFとすると、V1の電位とVC2の電位が一致した。したがって、2段に直列のトランジスタX1,X2ののうち、電源側のトランジスタX2のコレクタから見た容量は、C4=416pFとほぼ等価ということができ、図303の結果とほぼ一致した。
図306は、図12のバイポーラトランジスタの回路で、縦続接続されたトランジスタX1、X2のベース・コレクタ間にコンデンサCcbを接続したものである。なお、図では、トランジスタX1のエミッタにはユーザの指等の人体に接触する端子と接続されることを想定している。なお、コンデンサCcbは容量Ccbを有するものとする。
また、図307は、図12のFETの回路で、縦続されたFETX3、X4のゲート・ドレイン間にコンデンサCdgを接続したものである。なお、図では、FET X3のエミッタにはユーザの指等の人体に接触する端子と接続されることを想定している。なお、コンデンサCdgは容量Cdgを有するものとする。
図308は、トランジスタがONのときの図306の等価回路である。トランジスタX1X2のベース・コレクタ間のコンデンサCcbは、トランジスタX1、X2のミラー効果により、コレクタ側の回路で、Cc=hfe*Ccbの容量を有するコンデンサとして作用する。また、トランジスタX1、X2がオンのときのコレクタ・エミッタ間の抵抗をRcとすると、図のように、容量Ccと抵抗Rcの並列回路が直列に接続されて、人体の有する静電容量に接続されることになる。
また、後述するように、トランジスタX1、X2がOFFの場合には、ベース・エミッタ間の容量Cebが支配的となるため、トランジスタX1、X2の縦続接続によって(1/2)Cebは小さな値となり、タッチパネルが人体による容量を検知することを抑制できる。以上のような図306の回路の動作は、FETを用いた図GC5においても同様である。
図309は、図306のユーザに代えて基準コンデンサCrefと抵抗Rrefを並列に接続した回路である。ただし、図でも図306と同様、トランジスタX1のエミッタにユーザの指等の人体が接触できるようにしてもよい。なお、基準コンデンサCrefと抵抗Rrefの接続箇所は、トランジスタX1のエミッタと接地電位の間に限定される訳ではない。素子111からトランジスタX2のコレクタ、エミッタ、トランジスタX1のコレクタ、エミッタから接地電位に至る回路のどこに、CrefとRrefを設けてもよい。
図310は、図309のトランジスタがONのときの等価回路である。図のように、トランジスタX1、X2のベース・コレクタ間のコンデンサCcbは、トランジスタX1、X2のミラー効果により、コレクタ側の回路で、Cc=hfe*Ccbの容量を有するコンデンサとして作用する。ここで、hfeはトランジスタX1、X2の電流増幅率である。
また、トランジスタX1、X2がオンのときのコレクタ・エミッタ間の抵抗をRcとすると、図のように、容量Ccと抵抗Rcの並列回路が直列に接続されて、コンデンサCrefに接続されることになる。したがって、容量CcまたはトランジスタON時のコレクタ・エミッタ間の抵抗Rcを介して、タッチパネルが基準コンデンサCrefによる容量を検知可能となる。
また、後述するように、トランジスタX1、X2がOFFの場合には、ベース・エミッタ間の容量Cebが支配的となるため、トランジスタX1、X2の縦続接続によって(1/2)Cebは小さな値となり、タッチパネルが容量Crefを検知することを抑制できる。以上のような図309の回路の動作は、FETを用いた回路においても同様である。
図311は、図309の回路で、基準コンデンサCrefを除いた回路である。図309に対する、トランジスタX1、X2がONのときの等価回路(図GC8)から明らかなように、図311の回路でトランジスタX1、X2がONのとき、タッチパネルからは、コレクタ側で、Cc=hfe*Ccbの容量とトランジスタX1、X2がONの時のコレクタ・エミッタ間の抵抗Rcの並列回路が縦続された回路が検知される。したがって、Ccbとhfeを適切な値に制御することにより、トランジスタX1、X2がONの時、縦続接続された(1/2)Ccがタッチパネルによる容量を検知のときの閾値以上とし、タッチパネルにCcの作用による容量を検知させることが可能となる。
また、後述するように、トランジスタX1、X2がOFFの場合には、ベース・エミッタ間の容量Cebが支配的となるため、トランジスタX1、X2の縦続接続によって(1/2)Cebは小さな値となり、タッチパネルが容量(1/2)Cebを検知することを抑制できる。以上のような図311の回路の動作はFETの回路についても同様である。
図312は、図309の回路で、トランジスタX1、X2のベース・コレクタ間のコンデンサCcbを除いた回路である。この場合に、トランジスタX1、X2がONのときの等価回路は、図310と同様であるがミラー効果に容量Ccは、トランジスタX1、X2の素子自体がベース・コレクタ間に有する容量に起因するため、コレクタ・エミッタ間の抵抗をRcと比較して無視できる程度に小さなものとなる。したがって、図312の回路では、トランジスタX1、X2がONのとき、タッチパネルは、直列接続された抵抗2*Rcを介して、容量Crefを検知する。なお、図312の回路で、トランジスタX1、X2がOFFのときの動作は、図309と同様である。
以上、図306から図312は、トランジスタ(あるいはFET)を縦続接続した回路で説明した。トランジスタ(あるいはFET)を縦続接続することで、トランジスタがOFFのときのコレクタからエミッタに至るトランジスタ(あるいはドレインからソースに至るFET)の容量を1/2にできる効果がある。したがって、タッチパネルが素子111からの容量によるOFFを検知し易くすることができる。ただし、トランジスタ等がOFFのときの容量が十分小さい場合には、トランジスタ(あるいはFET)は縦続接続しなくてもよい。
図313は、図311に対して、トランジスタを1段にした回路である。また、図314は、トランジスタX2がONのときの等価回路であり、図315は、トランジスタX2がOFFのときの等価回路である。なお、図314では、電源側の抵抗RDも考慮煮含めている。また、図315では、ベース側の抵抗RGも考慮に含めている。
図314のように、トランジスタX2ONの場合には、コレクタと電源間の抵抗RD、ミラー効果による容量Cc、およびコレクタ・エミッタ間のトランジスタのON抵抗RCの並列回路となる。したがって、Cc=hfe*Ccbを制御することによって、タッチパネルに素子111を介した容量Ccを検知させることができる。容量Ccがタッチパネルのタッチセンサの検出閾値を超えるように、ベース電流等を制御することで、タッチパネルに素子111からのONの信号を入力できる。
また、図315のように、トランジスタX2がOFFの場合には、ベース・コレクタ間に接続されたコンデンサCcbによる容量の他、コレクタ・エミッタ間の容量Cce(接合容量)が存在する。ただし、コンデンサCcbには、ベース回路の抵抗RGを介して接続されることになり、一般的にはRGが十分に大きく、コンデンサCcbの影響は少ない。したがって、この場合には、トランジスタX2のコレクタ・エミッタ間の容量Cceが支配的となる。このため、トランジスタX2のコレクタ・エミッタ間の容量Cceが、素子111を介してタッチパネルから検知出来ない程度の閾値以下の値とすることで、タッチパネルに対してOFFを入力できる。
以上は、図313の1段のトランジスタ回路を用いた場合について説明したが、図GG4等のように、トランジスタを2段以上縦続接続した場合も同様である。ただし、トランジスタを縦続接続することで、トランジスタOFF時のコレクタ・エミッタ間の容量Cceが、直列接続にしたがって低下し、タッチパネルにOFFを検出しやすくすることが可能になる。
図316から図320を参照して、実施形態JS8に係るコード発生装置1Aについて説明する。図316は、コード発生装置1Aの斜視図であり、図317は、コード発生装置1Aの正面図であり、図318は、コード発生装置1Aの底面図であり、図319は、図HG2の点P1P2を結ぶ線分を通り、紙面に垂直な平面で図の矢印方向に見たコード発生装置1Aの断面図であり、図320は、コード発生装置1Aのハウジングを除去した内部構造を例示する図である。
コード発生装置1Aは、実施形態0のコード発生装置1と同様、底面をなすスタンプ16を有する。また、図のように、コード発生装置1Aは、底面を構成するスタンプ部16より上部をカバーするハウジングを有している。ハウジングは底面に近い、帯状の下部ハウジングHS2と、下部ハウジングHS2より上部をカバーする上部ハウジングを有する。
コード発生装置1Aは、実施形態0と同様、スタンプ部16の底面に、情報読取部11と、コード出力部13とを有している。また、下部ハウジングHS2には、USB端子20が形成されている。また、上部ハウジングHS1には、操作ボタン14と、電源ボタン15とが設けられている。なお、本実施形態では省略するが、コード発生装置1Aは、実施形態0と同様、内部に、コード発生部12、CPU17と、内部メモリ18と、PCBA19と、スピーカ21と、ボタンスイッチ22と、自重スイッチ23と、無線デバイス24と、電源部25とを備える。
コード発生装置1Aのコード発生装置1との相違点の1つは、コード出力部13がバネSPを介して下部ハウジングHS2内部の基材BSに支持されている点にある。コード出力部13は、配線WRを介して、上部ハウジングHS1内部のPCBA19と接続され、PCBA19上の制御回路の動作により、タッチパネルが検知可能な物理量を発生させる。配線WRは、柔軟性のある導線であり、バネSPの押圧にともないコード出力部13がタッチパネル表面の法線方向(上下方向)に移動するときに、位置の変動を吸収する。
コード出力部13がバネSPで押圧されることにより、コード発生装置1Aをタッチパネルに接触されたときに、バネSPによってコード出力部13(導電性部材)がタッチパネルに密着し、タッチパネルがコード出力部13からのON状態を検知しやすくしている。バネSPは、弾性部材の一例である。
バネSPおよびバネSPを支える柱状部PLは、金属製ではなくプラスティック製であり、寄生容量および浮遊容量の発生を抑制している。図では、バネSPのらせん形状の内側に柱状部PLが設けられているが、バネSPのらせん形状の外側を囲む筒状部によってバネSPを支えるようにしてもよい。筒状部を用いる場合も、筒状部は、プラスティック製とすることが望ましい。バネSPおよびバネSPを支える部材を金属製ではなくプラスティック製にすることで、寄生容量および浮遊容量の発生を抑制し、バネSPおよびバネSPを支える部材からタッチパネルへのカップリングを低減する。このようにして、実施形態44のコード発生装置1Aは、タッチパネルがコード出力部13からのOFF状態を検知しやすくしている。
1.タッチパネルの導電タップの閾値に関して
(1)スマホの10秒経過時閾値変化
iPhon(登録商標)の多くの機種では、検出した容量により、タッチ状況のイベントを発行する条件として、第1と、第2の閾値(その他、導体毎にエラー処理の設定がある場合も想定される)がある。導体をタッチした瞬間では、第1の低い閾値が使用され、比較的低い容量でも導体を検知する。検知した後は、ヒステリシスにより、直ぐにOFF(検知→非検知)にならないように、さらに低い容量でOFFとなるように設定されている。しかし。検知した導体の内、少なくとも1つの導体が移動しない状態(静止状態)で10秒間連続して経過すると、全ての導体に対して第2の閾値が設定される。その瞬間に、当該導体による検知容量が、第2の閾値のOFF容量を下回っていれば、直ちに非検知となる。ただし、なお、全ての導体が移動している間は、指が移動している状態と想定され、第1の閾値が適用され続ける。つまり、少なくとも1個でも静止している状態で指程の容量がない場合では、指ではない導体が触れていると判断して、導体OFFのイベントが発行される。なお、第2の閾値のOFF容量を上回っている導体が含まれていて、当該導体が静止していれば、同時に非検知となる。その後、 当該導体が僅かでも移動を検知した場合は、再度検知されるが、不安定な挙動(エラー設定されと推定される)となる。さらに、静止状態の導体が非検知となった場合で、第2の閾値のOFF容量を上回っている導体が移動している場合は、当該導体は非検知とはならないが、不安定な挙動(エラー設定されと推定される)となる。なお、全ての導体が第2の閾値のOFF容量を上回っている場合は、静止状態および/または移動状態に関わらず非検知とはならない。上記の様々なケースで、非検知や不安定な稼働となった導体が存在していても、その後、新たな導体を検知した場合は、当該導体のみ正常に検知され、再度、10秒間で、当該導体の容量、静止・移動によって上記の処理がなされる。すなわち、導体毎に第1,第2の閾値、エラー設定が実施されていると思われる。
一方、第1と、第2の閾値に関わらず、導体の存在は一定の容量がある限り、非検知となっても常に検出されており、導体が移動した場合は、その動きに追従して導体を検出している。但し、設定された閾値の条件により導体のON/OFFを示すイベント( エラー設定も含む)が発行され、開発された様々なアプリは導体の検知( エラー設定も含む)状況を認識する。一方、容量の比較的小さな導体を検知している状態で、導体が水平または垂直に並んだ状態では、タッチパネルの特性から、検出される容量がさらに低下し、1個または並んだ導体の全部がOFFとなる場合が発生する。ここで、他の導体が非検知となってない限り、水平または垂直状態で非検知となっている導体は、水平または垂直に並ばないように移動された場合には検知される。これを回避するには、十分な容量を検知させるように、導電タップの容量を増やすことが望ましい。なお、人の指であっても、子供の指や接触面が小さい時などは、容量が足りないため、第2の閾値が適用されると、検知しなくなる。その後、接触面積を広げ容量を増やし、且つ導体を移動させると再度、検知されるが挙動が不安定(エラー設定されと推定される)になる。なお、検知する容量は、タップの面積が大きく、密着度が高く、配線も含めたタップの容量が大きければ、より検知し易くなるのは言うまでもない。
(2)タブレットの10秒経過時閾値変化
iPad(登録商標)でも、iPhon(登録商標)同様に、タッチ状況のイベントを発行する条件として、第1と、第2の閾値(エラー処理を含む第3の閾値がある場合も想定される)があり、第1と、第2の閾値の基本的な処理はスマホと同一と考えられる。しかし、筐体が大きなi−PADでは、スマホに比べて導体の容量を大きく検知し反応が良い。本実施例のID領域の導電タップでは、原則、第2の閾値でも導体がOFFとならない。従って、カードゲームのように、タッチパネルの表面でカードを移動させながら、継続してプレイできる。タブレット専用のカードでは、本実施例のタッチ領域で図321の機構のように、廉価に製造するためにタッチ領域にスルーホール(導通孔)、導電タップも設けず、タッチの直下に誘電柱を設けるだけでも、タッチを検知できる。しかし、ID領域の導電タップの検知容量(接続された配線も含む)が少なく、木の机の上(スチールの付けに比べて検知容量が少ない)で使用した場合は、10秒間で非検知となる場合もある。なお、検知する容量は、タップの面積が大きく、配線も含めたタップの容量が大きく、タッチパネルとの密着度が高ければ、より検知し易くなるのは言うまでもない。つまり、どのような状況でも正常に導体を検知できるのは、第二の閾値で全ての導体が検知できるだけの十分な容量を保有していれば、10秒以上の静止状態および/または移動状態に限らず、正常に検知し続ける。
図110〜図124、図224〜242において、半導体スイッチ等の電源によって駆動される能動回路を含まないカード型の装置について説明した。このような、回路を含まないカード型の装置(以下「C−Card」と記載する)の利用例について、以下に説明する。
なお、カード型の装置のデザイン、およびその利用方法については、以下の具体例に限定されないことはもちろんである。
まずユーザは、スマートフォンやタブレット等(以下「スマートフォン」と記載する)で、サービスを希望するウェブサイトを開く。そして、そのウェブサイト上でC−Cardを翳す。するとスマートフォンは、C−Card毎に設けられたカードIDを認識することにより、C−Cardを特定する。
C−Cardには、例えば12個のアイコンが設けられている。ユーザがアイコンをタッチすることにより、種々の操作、コンテンツの出力を行うことが可能である。
また、スマートフォンのディスプレイを用いて、アイコン領域またはアイコンの周辺を光らせもよい。光らせることにより、ユーザの操作を誘導したり喚起したりすることが可能となる。
C−Cardを光らせる場合は、C−Cardの全部または一部を、透明または半透明とすることが望ましい。
C−Cardの具体的な用途としては、以下のものがある。
(1)ミュージックカード
CDと一緒にミュージックカードを販売する。カード面にピンコードが印刷され、そのピンコードをスマートフォンに入力すると、ライブを鑑賞することができる。
(2)広告カード
興味を喚起するような写真を掲載して、スマートフォンに翳す動機を与え、スマートフォンに貰う。スマートフォンには、広告付きコンテンツが表示される。アイコンにも写真が提示されている。手渡し、ポスティング、折り込み、DM、店舗で提供される。
(3)プリペイドカード
カードの表面にユニークなピンコードが記載されており、ピンコードを見ながら、数字アイコンをタッチすると、ショッピングや残高確認ができる。配送先は、一度だけ入力し、その後は、スマホIDと紐づけされるため、入力の必要はない。ピンコードは毎回必要である。どのスマートフォンからでも使用できるようにしてもよい。カードは、コンビニ等で販売される。
(4)注文カード
ショッピングサイトにカードを翳して、設定アイコンをタッチして、配送先やクレジットカード情報を入力する。商品設定・購入をタッチして、購入する商品を選択して商品(1)〜(10)に登録する。その後は、購入したい商品をタッチして、スマートフォンの画面で数量を決定して購入する。商品(1)〜(10)のイメージが予めアイコンで印刷されていてもよい。メーカーの製品ネット販売強化に使用する。
(5)スポーツカード
野球、サッカー、相撲等、様々なスポーツ選手の写真をカード表面に印刷して、アイコンをタッチして、コンテンツを閲覧したり、チケットを購入したりする。スポーツカードは、販売してもよいし、協賛企業が無償で提供してもよい。
その他、ギフトカード、アイドルコンテンツ、インバウンド、音声コンテンツカード、セキュリティ・ワンタイムパスワード等、あらゆる用途に用いることができる。
110・・・装置、カード型装置、200・・・情報機器、111・・・素子、112・・・光電変換素子配列、113・・・指紋センサ、114・・・接触導体(導体パッド)、114A・・・導電層、115・・・SW、116・・・CPU、117・・・メモリ、118・・・コンパレータ、119・・・制御ライン、120・・・電源ライン、121・・・駆動回路、122・・・電池、123・・・コンデンサ、124・・・アンテナ、125・・・電力変換回路、126・・・圧電素子、127・・・整流回路、128・・・熱電素子、129・・・光量測定素子配列
Claims (35)
- 物理量を検知するセンサを備えるパネルに作用する薄板状の装置であって、
薄板状で内部に空洞部が形成された非導電性基材と、
前記非導電性基材の前記パネルに作用する第1面上に形成された複数の第1の導電性パターン部材と、
前記第1面から所定距離以上を隔てて形成される第2の導電性パターン部材と、
前記第1面の前記第1の導電性パターン部材が形成された部分に開口する孔を通り前記第1の導電性パターン部材と前記第2の導電性パターン部材とを接続する第1の導電路と、を備える薄板状の装置。 - 前記第1の導電性パターン部材の平面形状は、凸多角形、略円形または略楕円形である請求項1に記載の薄板状の装置。
- 前記第2の導電性パターン部材は、配線パターンである請求項1または2に記載の薄板状の装置。
- 前記第1面を前記パネルに作用させたときに、前記配線パターンは前記パネルに検知されない幅寸法を有するとともに、前記第1の導電性パターン部材と接続されることにより前記第1の導電性パターン部材に対して前記パネルによる検知が可能な限度以上まで前記物理量を増加させている請求項3に記載の薄板状の装置。
- 前記第2の導電性パターン部材は、前記装置を平面視した領域中の前記空洞が形成された領域に形成される第1部分と前記装置を平面視した領域中の前記空洞がない領域に形成される第2部分とを有する請求項1から4のいずれか1項に記載の薄板状の装置。
- 前記第1部分は、前記第1面の反対面である第2面上で直下の前記非導電性基材内に空洞が形成された領域、前記空洞の前記第2面側の内壁面、または前記第2面と前記内壁面との間の前記非導電性基材内に形成されている請求項5項に記載の薄板状の装置。
- 前記第1部分は、前記空洞の前記第2面側の内壁面に形成され、
前記第2面上には、利用者の人体が接触する接点が設けられ、前記接点が第2の導電路によって前記第1部分に接続されている請求項6に記載の薄板状の装置。 - 前記第2の導電性パターン部材は、前記第1面の反対面である第2面上に形成された配線を含み、
前記第2面上に形成された配線の両側に前記配線から離間して利用者の人体を接触させる接触パターンが形成されている請求項1から7のいずれか1項に記載の薄板状の装置。 - 前記空洞の前記第2面側の内壁に形成された第2の導電性パターン部材を前記第2面上に導通させる第2の導電路をさらに備える請求項1から6のいずれか1項に記載の薄板状の装置。
- 前記空洞内には、断面が凸多角形、略円形または略楕円形で前記第1面と第2面とを支持する柱状部が形成される請求項1から9のいずれか1項に記載の薄板状の装置。
- 前記柱状部のうち、第1の種類の柱状部にはスルーホールが形成され、前記第1の導電路は前記スルーホールを通って形成される請求項10に記載の薄板状の装置。
- 前記第2面上には、利用者の指による接触対象となるマーカが形成され、
前記マーカ直下の前記非導電性基材には、前記柱状部のうち、第2の種類の柱状部が形成され、第2の種類の柱状部は、前記利用者の指が前記マーカに接触したときに前記第1面上に前記パネルによる検知が可能な限度以上の前記物理量を形成するために十分な断面寸法を有している請求項10または11に記載の薄板状の装置。 - 前記第2の種類の柱状部は、前記第1面側よりも第2面側が細いテーパ状に形成されている請求項12に記載の薄板状の装置。
- 前記第2面を被覆する印刷層をさらに備え、
前記第2の導電性パターン部材は、前記印刷層と前記第2面との間に設けられた配線を有する請求項1から13のいずれか1項に記載の薄板状の装置。 - 前記印刷層と前記第2面との間に設けられた配線と接続される第1接点が前記印刷層表面に形成されている請求項14に記載の薄板状の装置。
- 前記第2の導電性パターン部材と絶縁された第2接点が前記印刷層表面に形成されている請求項14または15に記載の薄板状の装置。
- 前記第1面上に前記第2の導電性パターン部材と絶縁された第3の導電性部材が形成され、
前記第2接点と前記第3の導電性部材と接続する第3の導電路が形成されている請求項14から16のいずれか1項に記載の薄板状の装置。 - 前記印刷層と前記第2面との間に設けられた配線と接続され、前記印刷層を介した指の接触により前記パネルのセンサに前記物理量を検知させるための作用を伝達する第1の電極が前記印刷層と前記第2面との間に形成されている請求項14に記載の薄板状の装置。
- 前記第2の導電性パターン部材と絶縁されと接続され、前記印刷層を介した指の接触により前記パネルのセンサに前記物理量を検知させるための作用を伝達する第2の電極が前記印刷層と前記第2面との間にさらに形成されている請求項14または16に記載の薄板状の装置。
- 前記第1面上に前記第2の導電性パターン部材と絶縁された第3の導電性部材が形成され、
前記第2の電極と前記第3の導電性部材と接続する第3の導電路が形成されている請求項17に記載の薄板状の装置。 - 物理量を検知するセンサを備えるパネルに作用するカード形状の装置であって、
前記装置の対向面から前記パネルが検知可能な前記物理量の変化が生じる作用面を有し、
前記作用面の第1領域に形成された1以上の素子と、
前記作用面の第2領域に形成された1以上の素子と、
前記作用面と前記作用面に対する前記カード形状の反対面との間に介在する誘電体層と、
前記誘電体層の前記反対面側に形成された配線層と、
前記第2領域に対する前記カード形状の反対面側の前記配線層に含まれる配線とは絶縁されて形成される1以上の接触用端子と、
前記誘電体層を貫通して前記第1領域に形成された1以上の素子と前記配線層とを接続する第1の貫通導電路と、
前記誘電体層を貫通して前記第2領域に形成された1以上の素子と前記接触用端子とを接続する第2の貫通導電路と、
を備え、
前記配線層は、前記第2領域に対する前記カード形状の反対面に利用者の指を接触させたときに、前記指がいずれかの配線に接触できる配線間隔で配置される、装置。 - 前記1以上の接触用端子は、それぞれ前記反対面側の前記配線層に含まれる配線を挟む一対平面領域を形成する請求項21に記載の装置。
- 物理量を検知するセンサを備えるパネルに作用する装置であって、
前記装置の対向面から前記パネルが検知可能な前記物理量の変化が生じる作用面を有し、
前記作用面に形成された1以上の素子と、
前記1以上の素子のそれぞれに前記物理量の変化を生じさせる第1の物理量制御部と、
前記作用面から所定距離以上離れて形成される導電性パターン部材と、
前記導電性パターン部材から前記パネルに対して物理量変化を生じさせる第2の物理量制御部と、
前記1以上の物理量制御部を駆動して第1の所定の情報を出力させるとともに、前記1以上の物理量制御部と連動して第2の物理量制御部を駆動する制御部と、
を備える装置。 - 前記制御部は、1以上の前記第1の物理量制御部をオンに制御するときには前記第2の物理量制御部をオンに制御し、すべての前記第1の物理量制御部をオフに制御するときには前記第2の物理量制御部をオフに制御する請求項23に記載の装置。
- 導電性パターン部材は、前記作用面上の複数の前記素子が存在する領域に対応する前記所定距離以上離れた面内に、前記複数の素子に対して一体で設けられている請求項23に記載の装置。
- 導電性パターン部材は、前記作用面上の複数の前記素子の存在する領域に対応する前記所定距離以上離れた面内に、前記複数の素子それぞれに対して、個別に複数設けられ、複数設けられた電性パターン部材からは、それぞれ個別に第2の物理量制御部によって前記物理量変化が生じる請求項23に記載の装置。
- 導電性パターン部材は、前記作用面上の複数の前記素子の存在する領域に対応する前記所定距離以上離れた面内に、前記複数の素子それぞれに対して、個別に複数設けられ、
前記制御部は、前記複数の素子それぞれと連動して前記複数の素子それぞれと対となる複数の電性パターン部材からの物理量を駆動する請求項23に記載の装置。 - 前記第1の物理量制御および第2の物理量制御部は、導電性の経路を形成するかまたは前記経路を遮断するかを制御するスイッチである請求項23から27に記載の装置。
- 前記作用面に対する裏面に形成され、外部からの接触を受ける導電性の被接触材料部をさらに備え、
前記第1の物理量制御は前記1以上の素子から前記アース電位および前記非接触材料部導電性への導電性の経路を形成するかまたは前記導電性の経路を遮断するかを制御するスイッチであり、前記前記第2の物理量制御は前記導電性パターン部材から前記アース電位および前記非接触材料部導電性への導電性の経路を形成するかまたは前記導電性の経路を遮断するかを制御するスイッチである請求項27に記載の装置。 - 前記スイッチは、ダイオードと、前記ダイオードに直列に接続され、前記ダイオードの順方向の電圧降下に加算する電圧降下を発生させるバイアス回路と、を有する請求項26または29に記載の装置。
- 物理量を検知するセンサを備えるパネルに作用する装置であって、
前記装置の対向面から前記パネルが検知可能な前記物理量の変化が生じる作用面を有し、
前記作用面に形成された1以上の素子と、
前記1以上の素子のそれぞれに前記物理量の変化を生じさせる物理量制御部と、を備え、
前記物理量制御部には、ベースとコレクタとの間にコンデンサが接続され、前記コレクタとエミッタとの間の導電路により前記それぞれの素子を接地電位に接続するON状態と接地電位から遮断するOFF状態に制御されるバイポーラトランジスタ、およびとゲートドレインとの間にコンデンサが接続され、前記ドレインとソースとの間の導電路により前記それぞれの素子を接地電位に接続するON状態と接地電位から遮断するOFF状態に制御される電界効果トランジスタの少なくとも一方が1または複数縦続接続されている装置。 - 前記1または複数縦続接続されているバイポーラトランジスタは、前記ON状態において、前記1以上の素子のそれぞれに生じる物理量が前記パネルによって前記物理量を検知する閾値以上となるように前記コンデンサと前記バイポーラトランジスタの増幅率とが設定され、前記1または複数縦続接続されている電界効果トランジスタは、前記ON状態において、前記1以上の素子のそれぞれに生じる物理量が前記パネルによって前記物理量を検知する閾値以上となるように前記コンデンサと前記電界効果トランジスタの増幅率とが設定されている請求項29に記載の装置。
- 前記1以上の素子のそれぞれから前記バイポーラトランジスタまたは前記電界効果トランジスタを介して接地電位に接続される経路上に、前記前記バイポーラトランジスタまたは前記電界効果トランジスタがOFFからONに変化したときに、前記タッチパネルが検知可能な容量のコンデンサが設けられている請求項29または30に記載の装置。
- 物理量を検知するセンサを備えるパネルに作用する装置であって、
前記装置の対向面から前記パネルが検知可能な前記物理量の変化が生じる作用面を有し、
前記作用面に形成された1以上の素子と、
前記1以上の素子のそれぞれに前記物理量の変化を生じさせる物理量制御部と、を備え、
前記物理量制御部は、コレクタとエミッタとの間の導電路により前記それぞれの素子を接地電位に接続するON状態と接地電位から遮断するOFF状態に制御されるバイポーラトランジスタ、およびとドレインとソースとの間の導電路により前記それぞれの素子を接地電位に接続するON状態と接地電位から遮断するOFF状態に制御される電界効果トランジスタの少なくとも一方が1または複数縦続接続され、
前記1以上の素子のそれぞれから前記バイポーラトランジスタまたは前記電界効果トランジスタを介して接地電位に接続される経路上に、前記前記バイポーラトランジスタまたは前記電界効果トランジスタがOFFからONに変化したときに、前記タッチパネルが検知可能な容量のコンデンサが設けられている装置。 - 物理量を検知するセンサを備えるパネルに作用する装置であって、
対向面から検知可能な前記物理量の変化が生じる1以上の素子が配列された被検出面と、
前記パネルに接触又は近接された状態で、前記1以上の素子のそれぞれに、前記センサが検知可能な前記物理量の変化を生じさせる1以上の物理量制御部と、
前記被検出面が前記パネルに接触させたときに、前記1以上の素子のそれぞれを前記パネルに押圧する弾性部材と、を備える装置。
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