JPWO2017141412A1 - アキシャルギャップ回転電機 - Google Patents
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Abstract
アキシャルギャップ回転電機の作業性や生産性を向上させ又ステータ・ロータ間ギャップ長を確保するする。回転軸方向に磁束端面を有し、該回転軸を中心に複数のコアメンバが該回転軸と非接触で環状配置してなるステータと、前記磁束端面と回転軸方向で面対向するロータとを有し、前記回転軸が前記ロータと共回りするアキシャルギャップ回転電機であって、前記回転軸の前記ステータと前記ロータの間に配置し、前記ロータに面対向するステータ端面の回転軸心側端面と接触する一方側の輪と、前記ステータに面対向するロータ端面と接触する他方側の輪と、前記一方側の輪と前記他方側の輪の軸方向の対向面に夫々当接する回転体を有し、前記回転軸の回転にともなって、前記他方輪が回転する軸受を有する。
Description
本発明はアキシャルギャップ回転電機に係り、ステータとロータの間に軸受を配置するアキシャルギャップ回転電機に関する。
固定子と回転子が、アキシャル方向に所定のギャップを介して軸方向で対向するアキシャルギャップ回転電機において、固定子・回転子間のギャップ管理は性能面及び信頼性の面から重要である。
特許文献1は、アキシャルギャップ回転機のギャップ長保持方法を開示する。より具体的には、固定子と、軸方向両側から固定子を挟むように配置した2つの回転子と、回転子と共回りする回転軸と、固定子の軸方向への熱膨張を管理する自由側電機子プレート(第1プレート)及び固定側電機子プレート(第2プレート)を固定子軸方向両端部に有し、更に、回転軸の固定側電機子プレート側の端部をスラスト軸受でフレームに軸支し、自由側電機子プレート側の端部をラジアル軸受(円筒ころ軸受)でフレームに軸支する構成をとる。これによって、電機子コアが位置決めされ、回転子との距離の変動が、第1プレート側よりも相対的に小さくなる第2プレート側に、固定側軸受を設けることで、電機子コアと回転子の位置(詳しくはアキシャルギャップ面間距離)を安定させる構成を開示する。
しかしながら、特許文献1は、固定子と回転子の間の隙間(ギャップ長)を保持するものが、固定側軸受による荷重の吸収のみである。したがって、固定子の軸方向熱膨張差や回転軸の熱膨張による2つのロータの軸方向移動差などを考慮すれば精密且つ複雑な機械加工精度及び組立精度が必要となり、作業性・生産性に課題がある。特に、固定子と回転子の間は、機械的・構造的な遮蔽物がなく、ギャップ確保という信頼性に課題が残る。
この点、ギャップ確保のために、固定子と回転子の間に金属や樹脂等のスペーサを挿入することでギャップ管理を容易にすることができるが、スペーサは回転体と固定物の間に挿入するため、摩耗によるギャップ長変動を招来すると共に摩擦による熱の発生やロスを招来する虞がある。
作業性や生産性が向上し又精度よくギャップを管理し得る技術が望まれる。
作業性や生産性が向上し又精度よくギャップを管理し得る技術が望まれる。
上記課題を解決するために、例えば、請求の範囲に記載の構成を適用する。即ち回転軸方向に磁束端面を有し、該回転軸を中心に複数のコアメンバが該回転軸と非接触で環状配置してなるステータと、前記磁束端面と回転軸方向で面対向するロータとを有し、前記回転軸が前記ロータと共回りするアキシャルギャップ回転電機であって、前記回転軸の前記ステータと前記ロータの間に配置し、前記ロータに面対向するステータ端面の回転軸心側端面と接触する一方側の輪と、前記ステータに面対向するロータ端面と接触する他方側の輪と、前記一方側の輪と前記他方側の輪の軸方向の対向面に夫々当接する回転体を有し、前記回転軸の回転にともなって、前記他方輪が回転する軸受を有する構成である。
本発明の一側面によれば、アキシャルギャップ回転電機のギャップ管理及び作業性や生産性が向上する。又ステータ・ロータ間のギャップ確保の信頼性や性能を維持することができる。
本発明の他の課題・構成・効果は以下の記載から明らかになる。
本発明の他の課題・構成・効果は以下の記載から明らかになる。
以下、発明を実施するための形態を、図面を用いて説明する。
図1に本発明を適用した実施例1によるアキシャルギャップ回転電機1Aの電機子構成を模式的に示す。アキシャルギャップ回転電機1Aは、主に軸方向に回転磁束を生成するステータ100と、これを軸方向から挟むように配置する2つのロータ200を有する。本実施例では、1ステータ・2ロータ構成を適用するが、本発明はこれに限定されるものではなく、1ステータ・1ロータ、2ステータ・1ロータ、2ステータ・3ロータ等、少なくとも1つのステータと、1つのロータを備える構成に適用できるものである。また、電動機であっても発電機であってもよい。
ステータ100は、複数のコアメンバ140が、回転軸を中心として環状に配置してなる。コアメンバ140は、柱体形状のコア110、柱体の径方向外周を絶縁するボビン120、コイル130からなる。コア110は、削出し、圧粉又は板状片の積層といった種々の手法により得る鉄心であり、本実施例では、アモルファス金属からなる箔帯片の積層体からなるコアを適用する。例えば、コア110は、回転方向幅が軸心側から径方向外側に向かうにつれて徐々に大となる箔帯片を積層する。他の態様例としては、径方向の幅を変化させ、箔帯片を回転方向に積層するものでもよい。コア110は、概略台形状の断面形状を有する柱体として例示するが、断面が円形や他の矩形又は軸方向で異なる断面形状となる種々の構成を適用することもできる。
ボビン100は、樹脂等の絶縁材からなり、コア110の径方向外径形状に概略一致する大きさの内筒を有し、外径外周を覆うようになっている。なお、ボビン100が軸方向や径方向で分割する構成であってもよいし、ボビン100に代えて他の絶縁物(絶縁紙や絶縁剤の塗布)を適用してもよい。
ボビン100の内筒裏側である外筒に、銅やアルミからなるコイル130を巻き回す様になっている。
ボビン100の内筒裏側である外筒に、銅やアルミからなるコイル130を巻き回す様になっている。
回転軸を中心に環状に配置された複数のコアメンバ140は、絶縁を考慮して、隣接するコアメンバ140のコイル130が非接触で配置するようになっている。本実施例では、各コアメンバ140同士を被覆・固定するモールド樹脂を備え、更に、モールド樹脂によってステータ100を、ハウジング300内に固定するようになっている。
図2に、モールド樹脂の工程例を模式的に表わす側断面図を示す。ハウジング300は、ステータ100、ロータ200、回転軸201等の一部又は全部を内包する内筒空間を有する筺体である。このハウジング300の内筒径に概略一致するモールド下型500を、一方開口から挿入し、回転軸がステータ100を貫通する貫通部を形成する筒状の内径型510の外周に、各コアメンバ140を配置する。その後、ハウジング300の他方開口から、モールド下型と同径のモールド上型(不図示)を挿入する。ハウジング300、モールド下型500、内径型510及びモールド上型によって囲まれた各コアメンバ140に対し、型の軸方向外側から樹脂を封入し、各コアメンバ140間や軸方向端面の一部又は全部に、環状形状に沿ったモールド樹脂104が形成されるようになっている。換言すれば、ステータ100が、外周に環状形状のモールド樹脂を有することになる。
同時に、各コアメンバ140とハウジング300内周壁間にも樹脂を封入することで、ステータ100をハウジング内に固定するようになっている。また本実施例では、ハウジング300は、コアメンバ140の径方向と対向する外周位置に、1又は複数の貫通孔310を有し、貫通孔310に侵入するモールド樹脂によって、ステータ100のハウジング内固定を確保するようになっている。貫通孔310の位置は、ハウジング300において、モールドされた樹脂の軸方向幅分、径方向に延長した領域の何れかに一部又は全部が重なる位置であるのが好ましい。また、貫通孔310は、引出線の引出口としても利用可能であり、複数であってもよい。
なお、各コアメンバ140の固定はモールド樹脂に限定するものではなく、例えば、隣接するコアメンバ140の外周端部同士を板状部材や嵌め込み等で連結する構成やリングで一体に連結する構成とし、ハウジング300の外筒側或いは内筒側からネジ、ボルト、ピン等で固定する構成であってもよい。或いは環状配置したコアメンバ140に別にモールド樹脂を施し、その後、ハウジング300に配置してボルト等で固定等してもよく、種々の手法が適用できる。
図1に戻り、ロータ200は、フェライトやネオジウム等種々の磁性体からなる磁石220と、これを軸方向の外側から支持するヨーク210を有する。磁石220は、回転軸を中心とする扇形の複数の磁石片が環状に配置してなる。隣接する磁石片の極が軸方向で互いに異なる向きで配置するようになっている。
ヨーク210は金属製等の環状部材であり、磁石220の環状形状に概略一致する平面を備え、磁石220の軸方向一方面を支持する。また、磁石220の内輪及び外輪形状に沿って、これらの外周に磁石220の厚さと同一又は異なる厚さの支持壁を備え、磁石220の径方向周面を更に支持するようになっている。なお、ヨーク210と磁石220を接着剤で固定してもよい。また、ヨーク210は、軸心側中央に、貫通孔205を有し、圧入や凹凸による係合などによってロータ200と、回転軸201とを固定するようになっている。
図3に、アキシャルギャップ回転電機1Aの軸方向部分断面を示す。ハウジング300は、軸方向両端開口において、ブラケット400a、400bと接続する。ブラケット400a、400bの中央には、ラジアル軸受202a、202bが配置し、回転軸201を回転可能に軸支する。
モールド樹脂104を有するステータ100の中央は、軸方向に軸貫通孔107を有し、回転軸201が非接触で貫通するようになっている。本実施例は、この軸貫通孔107の軸方向の両開口付近に、径方向に比して軸方向の応力耐性が同等乃至強い(有利な)軸受を配置することを特徴の一つとする。軸方向の応力耐性が比較的ある軸受としては、スラスト軸受、アンギュラ軸受、円錐コロ軸受等を適用することができ、本実施例では、スラスト軸受240a及び240bを適用するものとして説明する。
図4に、スラスト軸受240付近の拡大図を示す。一方のスラスト軸受240bで説明すれば、ステータ側の輪241bは、軸貫通孔107の開口端から所定幅径方向のモールド樹脂端面に接触する。スラスト軸受の一方側の輪であるステータ側の輪241bは、モールド樹脂との接触面において、例えば回転軸に圧入された軸受やロータに対する応力、接着剤或いは回転方向に係合する切欠きや凹凸等により固定され、回転が制限される。また、図4(a)に示す様に、ステータ側の輪241bの軸心側の内径は、回転軸201の外径よりも大であり、回転軸201とは非接触であるのが好ましい。他の態様例としては、図4(b)に示す様に、回転軸201が、ステータ側の輪241bと軸心方向で対向する部分を小径となることで非接触状態を実現することもできる。
他方、スラスト軸受240の他方側の輪であるロータ側の輪242bは、金属乃至樹脂からなる環状のスペーサ230bを介して、ロータヨーク210bの回転軸心側付け根付近の面と接触する。ロータヨーク210b、スペーサ230b及びスラスト軸受240bのロータ側の輪242bの各軸方向接触面は、例えば、圧入に対する応力、接着剤或いは回転方向に係合する切欠きや凹凸等により固定される。また、軸端側の輪の軸心側の内径は、回転軸201の外径と概略同径であり、回転軸201と接触固定されるようになっている。なお、位置決めが可能であれば、軸端側の輪の軸心側内径は、回転軸の外径よりも大として非接触であってもよい。
スラスト軸受240a及び240bと、スペーサ230a及び230bとの軸方向厚さは、ヨーク210a及びヨーク210bの軸方向付け根面と接触した状態で、ステータ100の軸方向端面と、磁石220a及び220bのステータとの対向面との間に所定のギャップが生ずるように、予め寸法を決めておくことでアキシャル方向のギャップを確保することができるようになっている。スペーサ230を複数に増やしたり或いは全く取り付けなかったりすることで、各部材の誤差を調整することもできる。
なお、本実施例において、スぺーサ230aや230bの軸方向厚みは、スラスト軸受240の軸方向厚み或いは何れかの輪の軸方向厚みよりも小であるのが好ましいが、本発明はこれに限定するものではなく、これらと同等或いは以上の軸方向の厚みがあってもよい。更に、図4(b)に点線で示すように、スペーサを取り付ける位置も、ヨーク210とロータ側の輪242bの間のみならず、ステータ側の輪241とステータ100との間(スペーサ242c)或いはこれら両方に設置するようにすることもできる。
本実施例によれば、ステータ100とロータ200の間にスラスト軸受240(必要に応じてスペーサ230も)設置することで、ステータ・ロータ間のギャップ長が確保され、性能も維持することができる。経年変化等によりロータ200と回転軸201との固定状態が弛緩等してロータ200が軸方向に若干ずれる状態になっても、スラスト軸受240等が、ステータ100側への移動を制限し、磁石面及びステータ端面といった、磁束面の保守を確実に行うことができる。また、ステータ100のハウジング固定状態が緩んだ場合にも同様の効果を期待できる。
また、本実施例によれば、ステータ100を挟んで軸方向両側にスラスト軸受240を有することから、一方のスラスト軸受240が、ロータ200等がステータ100側に移動するのを制限すると共に、他方のスラスト軸受240が、ロータ200等がステータ100側から離間するのを防止し、所定ギャップ長を維持が確実となる。
また、ステータ・ロータ間のギャップ確保のために、スペーサのみを設置る場合のような摩擦ロスがなく、性能も確保できる。更には、少なくともスラスト軸受230のステータ側の輪241が、回転軸201に非接触であることで、回転による軸受の輪と回転軸との摩擦ロスがない。
さらに、本実施例では予めスラスト軸受240等の軸方向幅が規定されているため、組み立て面でもギャップ確保が容易になるという効果を期待することができる。また、スペーサ230の増減によってもギャップ長を調節できるため、部材の誤差の調節やスペーサ230の増減のみでギャップ長の変更を行うことも容易にできる。以下に、かかるギャップ調整及び組立性が容易になる点について、図5及び図6を用いて説明する。
図5は、図3に示す実施例1のアキシャルギャップ回転電機1Aとは異なり、スラスト軸受240a、240bを使用しない場合の比較例の構成を示す。組み立て後に、ステータ・ロータ間のギャップ長を測定するのは困難であることから、組み立て前に各部品の寸法を測定し、ギャップ長を算出する必要がある。
図5に示す様に、スラスト軸受240を設置しないでギャップ長の確保を行う場合、〔A〕〜〔H〕の合計8箇所の寸法を測定し、組み立て後のギャップ長を算出する。その結果から、所望するギャップ長となるように、組み立てを行う。この方法の場合、測定及び算出の工程が多くなり、更には各部材の組み付けに高精度が要求される。
また、回転軸201等が軸方向に移動するのを制限するために、少なくともラジアル軸受202aの外輪が、ロータ200等側に移動するのを制限する軸受固定板410等を設ける必要性も高まる。
また、回転軸201等が軸方向に移動するのを制限するために、少なくともラジアル軸受202aの外輪が、ロータ200等側に移動するのを制限する軸受固定板410等を設ける必要性も高まる。
これに対し、図6に示す様に、スラスト軸受240a、240bを利用する場合、ロータとステータ間に軸受が挿入されるため、確実にギャップ長を確保できる。また、軸受の寸法精度が高ければ(一般には精度が高い。)、所望するギャップ長が得られるスペーサの厚みの算出に必要となる寸法測定箇所は〔G〕、〔H〕の2点のみとなる。これにより、工数が低減でき、信頼性も向上する。また、軸方向の荷重(アキシャル荷重)をスラスト軸受240が受けるため、軸受固定板410等も不要となる。このように本実施例によれば、ギャップ長の調整及び組立工程も簡便となる。
次に、本発明を適用した実施例2によるアキシャルギャップ回転電機1Bを説明する。なお、以下の説明において、実施例1と機能が共通する部材には同一符号を付し、詳細な説明を省略する場合がある。
図7に、アキシャルギャップ回転電機1Bの軸方向部分断面図を示す。実施例1とのの主な相違点は、ロータ200が1つの1ステータ・1ロータ型である点と、コア110の反ロータ側端面に、ステータバックヨーク111を有する点とである。1ステータ・1ロータ型の場合、ステータ100の磁束面がロータ200と対向するのが主に軸方向の一方となるために、軸方向の反対側にバックヨーク(継鉄)を構成し、磁束密度の効率化を図るようになっている。
図7に、アキシャルギャップ回転電機1Bの軸方向部分断面図を示す。実施例1とのの主な相違点は、ロータ200が1つの1ステータ・1ロータ型である点と、コア110の反ロータ側端面に、ステータバックヨーク111を有する点とである。1ステータ・1ロータ型の場合、ステータ100の磁束面がロータ200と対向するのが主に軸方向の一方となるために、軸方向の反対側にバックヨーク(継鉄)を構成し、磁束密度の効率化を図るようになっている。
本実施例でも実施例1と同様に、ステータ100の軸貫通孔107付近のモールド樹脂104とロータ200の間にスラスト軸受240を挿入することで、ギャップ長を確保できる。また、所望するギャップ長を得るのに必要となる寸法測定箇所は、〔J〕のみである。即ち磁石220のステータ100との対表面の軸方向延長線と、ロータ200がスラスト軸受240のロータ側の輪242と対向する面の軸方向延長線との間の水平方向幅を測定し、これに基づいてスペーサ230の厚みを管理することで容易にギャップの調節を行うことができる。
次に、本発明を適用した実施例3によるアキシャルギャップ回転電機1Cを説明する。なお、以下の説明において、実施例1或いは2と機能が共通する部材には同一符号を付し、詳細な説明を省略する場合がある。
図8に、アキシャルギャップ回転電機1Cの軸方向部分断面図を示す。他の実施例との主な相違点は、ロータ200が1つで、ステータ100が2つの所謂2ステータ・1ロータ型である。また、ステータ100の一方が、他の実施例と同様にモールド樹脂104によってハウジング300と固定され、他方が別に樹脂モールドされた後、ハウジング300に挿入されてボルト、係合部乃至接着剤によって固定するようになっている点である。
図8に、アキシャルギャップ回転電機1Cの軸方向部分断面図を示す。他の実施例との主な相違点は、ロータ200が1つで、ステータ100が2つの所謂2ステータ・1ロータ型である。また、ステータ100の一方が、他の実施例と同様にモールド樹脂104によってハウジング300と固定され、他方が別に樹脂モールドされた後、ハウジング300に挿入されてボルト、係合部乃至接着剤によって固定するようになっている点である。
2つのステータ100A及び100Bは、実施例2と同様に、ロータ200と軸方向対向面と反対側のコア110a及びbの端面にステータバックヨーク111a、111bを有する。
スラスト軸受240a及び240b夫々のステータ側の輪241a及び241bの軸方向端面は、両ステータ100の軸貫通孔107開口近傍のモールド樹脂104部分と接触し、回転軸201とは非接触である。反対に、ロータ側の輪242a及びbの軸方向端面は、スペーサ230a、230bを介してヨーク210と接触状態であるとともに回転軸201と非接触乃至接触状態である(図4参照)。
実施例3の場合であっても、ステータ・ロータ間ギャップを確保するのには、〔L〕及び〔K〕の寸法計測に基づいて、スペーサ230aや230bを管理等することで容易に実現することができる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は上記種々の例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変形が可能である。例えば、上記実施例の一部又は全部を他の実施例に置換することや、構成の一部を省略することも可能である。
例えば、上記実施例では、コアメンバ同士を一体に覆うモールド樹脂を有するステータの例を説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、モールド樹脂を使用せずに、コアメンバ同士を金属等の連結部材で環状に連結し、各コアメンバ140が露出する構成のステータであっても適用できるものである。この場合、スラスト軸受のステータ側の輪241と接触する部分に、金属、ケイ素材、樹脂或いはゴム等からなる環状のあて板部材等を介して接触部分の強度確保や保守を図るのが好ましい。更に、スラスト軸受のステータ側の輪241と、コア110やコイル130との絶縁(絶縁材や構造的離間等)は十分に確保するのが好ましい。
また、上記実施例では、ステータ100がハウジング300に固定されている状態で回転子200、回転軸201を組み付ける構成例について説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、ステータ100、ロータ200及び回転軸201を先に組立、その後、所望のケーシング、ハウジング又はフレームに設置する場合にも適用でき、同様の効果を期待することができる。
1A・1B・1C…アキシャルギャップ回転電機、100…ステータ、107…軸貫通孔、110・110a・100b…ステータコア、111・111a・111b…ステータバックヨーク、120…ボビン、130・130a・130b…コイル、140…コアメンバ、200…ロータ、201…回転軸、202・202a・202b…ラジアル軸受、210・210a・210b…ロータヨーク、220・220a・220b…磁石、230・230a・230b…スペーサ、240・240a・240b…スラスト軸受、241・241a・241b…ステータ側の輪、242・242a・242b・242c…ロータ側の輪、300…ハウジング、301…貫通孔、400・400a・400b…エンドブラケット、410…軸受固定板、500…下型、510…内径型、A…負荷側ラジアル軸受挿入部端面ーハウジング負荷側端面間の距離、B…ハウジング負荷側端面―負荷側樹脂端面間の距離、C…ハウジング反負荷側端面―反負荷側樹脂端面間の距離、D…ハウジング両端面間の距離、E…シャフト負荷側ラジアル軸受突き当て部〜シャフト負荷側ロータヨーク突き当て部間の距離、F…シャフト負荷側ラジアル軸受突き当て部〜シャフト反負荷側ロータヨーク突き当て部の距離、G…負荷側ロータヨーク対向面〜負荷側マグネット対向面間の距離、H…反負荷側ロータヨーク対向面〜反負荷側マグネット対向面間の距離、J…ロータヨーク対向面〜マグネット対向面間の距離、K…ロータヨーク負荷側対向面〜マグネット負荷側対向面間の距離、L…ロータヨーク反負荷側対向面〜マグネット反負荷側対向面間の距離
Claims (12)
- 回転軸方向に磁束端面を有し、該回転軸を中心に複数のコアメンバが該回転軸と非接触で環状配置してなるステータと、前記磁束端面と回転軸方向で面対向するロータとを有し、前記回転軸が前記ロータと共回りするアキシャルギャップ回転電機であって、
前記回転軸の前記ステータと前記ロータの間に配置し、
前記ロータに面対向するステータ端面の回転軸心側端面と接触する一方側の輪と、
前記ステータに面対向するロータ端面と接触する他方側の輪と、
前記一方側の輪と前記他方側の輪の軸方向の対向面に夫々当接する回転体を有し、
前記回転軸の回転にともなって、前記他方輪が回転する軸受を有するアキシャルギャップ回転電機。
- 請求項1に記載のアキシャルギャップ回転電機であって、
前記ステータの径方向外周側で該ステータを固定する内筒空間を有する筺体を更に有するものであるアキシャルギャップ回転電機。
- 請求項2に記載のアキシャルギャップ回転電機であって、
前記筺体が、前記内空間に前記ロータ及び前記軸受を内包するものであるアキシャルギャップ回転電機。
- 請求項2又は3に記載のアキシャルギャップ回転電機であって、
前記内筒空間が、ネジ、ボルト又はピンを介して前記ステータを固定するものであるアキシャルギャップ回転電機。
- 請求項1に記載のアキシャルギャップ回転電機であって、
前記複数のコアメンバの外周の一部又は全部を覆い、回転軸を中心とした配置に沿って前記ステータを環状に覆うモールド樹脂を更に有し、
前記軸受の一方の輪が、前記モールド樹脂を介してステータ端面の回転軸心側端面と接触するものであるアキシャルギャップ回転電機。
- 請求項4に記載のアキシャルギャップ回転電機であって、
前記ステータの径方向外周側で該ステータを固定する内筒空間を有する筺体を更に有するものであるアキシャルギャップ回転電機。
- 請求項4に記載のアキシャルギャップ回転電機であって、
前記内筒空間が、前記モールド樹脂によって前記を固定するものであるアキシャルギャップ回転電機。
- 請求項1に記載のアキシャルギャップ回転電機であって、
前記他方側の輪が、少なくとも1つのスペーサを介して、前記ロータ端面と接触するものであるアキシャルギャップ回転電機。
- 請求項1に記載のアキシャルギャップ回転電機であって、
前記一方側の輪が、少なくとも1つのスペーサを介して、前記ステータ端面と接触するものであるアキシャルギャップ回転電機。
- 請求項8又は9に記載のアキシャルギャップ回転電機であって、
前記スペーサの回転軸方向の厚みが、前記軸受の回転軸方向の厚みよりも小であるアキシャルギャップ回転電機。
- 請求項8又は9に記載のアキシャルギャップ回転電機であって、
前記スペーサの回転軸方向の厚みが、前記一方側の輪又は前記他方側の輪の回転軸方向の厚みよりも小であるアキシャルギャップ回転電機。
- 請求項1に記載のアキシャルギャップ回転電機であって、
前記軸受が、スラスト軸受、円錐コロ軸受又はアンギュラ軸受であるアキシャルギャップ回転電機。
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- 2016-02-19 JP JP2017567904A patent/JPWO2017141412A1/ja active Pending
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