JPWO2017126541A1 - 計算方法、無線局、およびプログラム - Google Patents

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伸一 田島
伸一 田島
ブンサーン ピタックダンロンキジャー
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    • H04B7/04Diversity systems; Multi-antenna system, i.e. transmission or reception using multiple antennas using two or more spaced independent antennas

Abstract

固有値分解における反復法の反復回数を低減し、演算量を低減するための無線局が提供される。無線局は、複数のアンテナを有する無線局から他の無線局への伝搬路におけるチャネル情報に基づいて初期ベクトルを決定する決定部と、該初期ベクトルに基づいて、反復法を用いて送信共分散行列の固有値分解を行う計算部と、を含む。

Description

本開示は計算方法、無線局、記憶媒体の少なくとも一つに関する。
MIMO(Multiple Input Multiple Output)では、送信機と受信機の双方に複数のアンテナが配置され、空間多重送信が行われることにより、周波数利用効率の改善が図られる。
さらに、近年では無線用回路の小型化技術の進展に伴い、基地局が数十から数百のアンテナ素子を備えるMassive MIMOの実用化が検討されている。Massive MIMOでは、多数のアンテナ素子による高アレイゲインにより、端末の受信電力が大きく改善される。また、アンテナ自由度が高いため、多数のデータを多重し伝送することができる。このため、一般的なMIMOに比べて通信路容量が大幅に改善され得る。
まず、MIMOに関する一般的な背景技術が示される。これをMassive MIMOで実現する上での課題を述べる。
MIMOでは、基地局が送信データに対してプリコーダを乗算することで、受信側は同一周波数、同一時刻に送信されたデータを空間的に分離することができ、空間多重が実現される。
また、LTE(Long Term Evolution)では、同一のプリコーダが適用される無線リソース領域としてサブバンド(図11)が定義されている。サブバンドは複数の同一時刻、周波数軸上の複数のRB(Resource Block)から構成されている。RBは、LTEにおける時間、周波数軸での無線リソースの最小単位であり、時間軸で7OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル、周波数軸上で12サブキャリアから構成される。
空間多重のためのプリコーダ生成法として、チャネル情報の特異値分解(固有値分解を含む)を用いる方法がある。以下、その例として基地局の数が1つ、端末の数が1つの場合の下りMIMO通信におけるSVD(Singular Value Decomposition、特異値分解)プリコーダの生成法が示される。
前提として、上りリンクと下りリンクで同一のキャリア周波数を用いるTDD(Time Division Duplex)システムを想定する。上りの伝搬路推定のために端末が送信した既知信号により、基地局は上り伝搬路のチャネル行列を推定するが、TDDではチャネル相反性が成立し、伝搬路のチャネル行列を下りチャネルの推定情報として用いることができる。
非特許文献1に記載のSVDプリコーダは、基地局と端末の間の下り通信の伝搬路応答を表すチャネル行列
Figure 2017126541
の右特異ベクトルVとして、次式(1)から計算される。
Figure 2017126541
ここで、√λはチャネル行列Hのi番目の特異値である。Σは特異値を対角成分とする対角行列である。diag{ }は{ }内の要素を対角要素とする対角行列である。min()は括弧内の要素の中の最小値を意味する。
Figure 2017126541
は左特異ベクトルである。
Figure 2017126541
は右特異ベクトルである。また、肩のHは複素共役転置である。
基地局側で送信データに乗ずるプリコーダとして右特異ベクトルVが、受信端末側で受信データに乗ずるポストコーダとして左特異ベクトルUが用いられる。これにより、端末は次式(2)のようにチャネル行列Hを対角化し複数のデータを分離することができる。
Figure 2017126541
ここで、xは送信信号ベクトルである。yは受信信号ベクトルである。nは雑音ベクトルである。
一方、実環境ではチャネル推定誤差が存在するが、サブバンドと呼ばれる同一時刻、周波数軸上の複数RBにわたって、チャネル行列に関する情報を平均化することで、チャネル推定誤差の影響を低減することができる。さらに、サブバンド内で平均化された情報からSVDプリコーダを計算することで、チャネル推定誤差耐性のあるプリコーダを計算可能である。
平均化に用いるチャネル情報としては、チャネル行列の電力情報である送信共分散行列RTxを用いる。送信共分散行列RTxは次式(3)で計算される。
Figure 2017126541
振幅、位相情報であるチャネル行列を用いて周波数軸上の平均化を行う場合、平均サンプル間の位相変化による打消し合いが発生し、正しく平均化情報を算出できない場合がある。
送信共分散行列の固有値分解からでも、SVDプリコーダを得ることができる。送信共分散行列の定義式に式(1)を代入することで、次式(4)が得られる。次式(4)の最後の式が送信共分散行列の固有値分解の形になっている。また、送信共分散行列の固有ベクトル、固有値はそれぞれ、チャネル行列の右特異ベクトル、特異値の2乗となっていることがわかる。
Figure 2017126541
ここで、Dは送信共分散行列の固有値を対角要素とする対角行列である。送信共分散行列とチャネル行列間の固有値、固有ベクトルの関係の詳細は、後述する。
実際に、チャネル推定誤差の影響を低減する際は、サブバンド内の各RBの送信共分散行列を複数RBにわたって平均化を行い、平均送信共分散行列を求め、平均送信共分散行列の固有値分解を行うことで、SVDプリコーダを求める。平均送信共分散行列
Figure 2017126541
は次式(5)で計算される。
Figure 2017126541
ここで
Figure 2017126541
はサブバンド内のiRB番目のRBの送信共分散行列である。NRBはサブバンド内のRBの個数である。
基地局が数十〜数百のアンテナを備えるMassive MIMOシステムでは、固有値分解の対象となる送信共分散行列が大規模となり、上記送信共分散行列の固有値分解の演算量が増大する。
G.Lebrun, T.Ying, M .Faulkner, "MIMO transmission over a time varying TDD channel using SVD", IEEElectronics Letters Volume 37, Issue 22, 25 Oct 2001 今村俊幸, 理化学研究所AICS,"固有値計算法", 2014年3月6日, インターネット<URL: http://www.aics.riken.jp/aicssite/wp-content/uploads/2014/03/sps14_enshu2-1.pdf>
一般に、固有値分解をハードウェアに実装する方法は、直接法と反復法がある。
直接法は、固有値や固有ベクトルを有限回の演算により求める方法で、固有方程式、固有値と固有ベクトルの関係式にガウス消去法を適用する方法などがある。
一方、反復法は、反復計算により初期値を収束させ近似解を求める方法である。反復法の一例は、非特許文献2に記載のべき乗法である。
一般的に直接法は、反復法と比べて計算の精度は高いが、演算量が多い点が課題である。
この点を考慮した発明者は、大規模な送信共分散行列の固有値分解を必要とするMassive MIMOシステムでは、固有値分解の演算量を低減するために、反復法を用いることを見出した。
反復法によって送信共分散行列の固有値分解を行う場合、通例、初期ベクトルとして、ランダムに生成したベクトルを用いる。
しかし、このランダムベクトルと真の固有ベクトルの差異が大きい場合、収束までの反復回数が多くなり、プリコーダの演算量が増加する。
そこで、例示的な実施形態の目的の1つは、固有値分解における反復法の反復回数を低減し、演算量を低減する新たな仕組みを提供することにある。なお、この目的は、本明細書に開示される実施形態が達成しようとする複数の目的の1つに過ぎないことに留意されるべきである。その他の目的又は課題と新規な特徴は、本明細書の記述又は添付図面から明らかにされる。
例示的な実施形態の計算方法は、複数のアンテナを有する無線局から他の無線局への伝搬路におけるチャネル情報に基づいて初期ベクトルを決定することと、前記初期ベクトルに基づいて、反復法を用いて送信共分散行列の固有値分解を行うことと、を含む。
例示的な実施形態の無線局は、複数のアンテナを有する無線局から他の無線局への伝搬路におけるチャネル情報に基づいて初期ベクトルを決定する決定部と、前記初期ベクトルに基づいて、反復法を用いて送信共分散行列の固有値分解を行う計算部と、を含む。
例示的な実施形態のプログラムは、複数のアンテナを有する無線局から他の無線局への伝搬路におけるチャネル情報に基づいて初期ベクトルを決定することと、前記初期ベクトルに基づいて、反復法を用いて送信共分散行列の固有値分解を行うこととを、コンピュータに実行させる。
例示的な実施形態によれば、固有値分解における反復法の反復回数を低減し、演算量を低減することができる。
第1の例示的な実施形態の固有値演算装置の構成を例示する図である。 第1の例示的な実施形態の固有値演算装置の動作を例示する図である。 初期ベクトル計算部103の構成を説明するための図である。 動作S102の詳細を説明するための図である。 固有値分解実行部104の構成を説明するための図である。 動作S103の構成を説明するための図である。 動作S103の構成を説明するための図である。 第2の例示的な実施形態の固有値演算装置の構成を例示する図である。 第2の例示的な実施形態の固有値演算装置の動作を例示する図である。 第3の例示的な実施形態の固有値演算装置の構成を例示する図である 第3の例示的な実施形態の固有値演算装置の動作を例示する図である。 サブバンドの概念を示した図である。 第1の例示的な実施形態における無線リソース利用の概念を示した図である。 第1の例示的な実施形態における第1のRBにおける送信共分散行列の固有ベクトルの間接的な計算方法の概念を示した図である。 第2の例示的な実施形態における無線リソース利用の概念を示した図である。 第4の例示的な実施形態における無線局を示す図である。
例示的な実施形態が、以下に示される。
例示的な実施形態によれば、複数のアンテナを有する基地局(無線局ともいう)が、サブバンド内の複数のRBにわたって平均化された平均送信共分散行列(以下サブバンドの平均送信共分散行列と称する。)の固有値分解を行う。この固有値分解を行う際に、チャネル情報に基づいて計算した第1のベクトルを初期ベクトルとする反復法が行われる。また、反復法として、例えば、べき乗法が用いられる。べき乗法の詳細は後述する。
説明をシンプルにするため、受信アンテナ数は2アンテナであると仮定するが、これに限定されない。例えば、例示的な実施形態をMassive MIMOシステムにおける基地局へ適用する場合、送信アンテナ数は数十から数百とすることが可能である。
<第1の例示的な実施形態>
図12は、第1の実施形態における無線リソースの使用方法の一例を示す。図12において、1つのサブバンド内の1つのRBが第1のRBとして選択される。選択された第1のRBのチャネル行列に基づいて、第1のベクトル、第2のベクトルが計算され、各サブバンドの平均送信共分散行列の固有値分解に用いられる初期ベクトルとする。
図1は、第1の例示的な実施形態のシステム構成例を示す。図1に示されるシステムは、チャネル行列記憶部101と、平均送信共分散行列計算部102と、初期ベクトル計算部103と、固有値分解実行部104と、固有値分解結果記憶部105とを含む。
チャネル行列記憶部101は、平均送信共分散行列計算部102に接続される。平均送信共分散行列計算部102は、固有値分解実行部104に接続される。初期ベクトル計算部103は、固有値分解実行部104に接続される。固有値分解結果記憶部105は、固有値分解実行部104に接続される。
チャネル行列記憶部101は、チャネル推定によって得られた各RBのチャネル行列を格納するように構成されている。
平均送信共分散行列計算部102は、チャネル行列記憶部101から読み出した各RBのチャネル行列に基づいて、各サブバンドの平均送信共分散行列を計算し、固有値分解実行部104へ出力するように構成されている。
初期ベクトル計算部103は、チャネル行列記憶部101から読み出した第1のRBのチャネル行列を用いて、べき乗法で用いるための初期ベクトルである第1のベクトルを計算して、固有値分解実行部104へ出力するように構成されている(S102)。
固有値分解実行部104は、平均送信共分散行列計算部102から各サブバンド内の平均送信共分散行列を入力し、初期ベクトル計算部103から第1のベクトルを入力するように構成される。固有値分解実行部104は、各サブバンド内の平均送信共分散行列と第1のベクトルとに基づいてべき乗法を行い、各サブバンド内の平均送信共分散行列の固有値分解を行うように構成される。固有値分解実行部104は、固有値分解の計算結果を固有値分解結果記憶部105へ出力するように構成される(S103)。
図2は、第1の例示的な実施形態の動作の一例を示す。
S101において、チャネル推定によって得られた各RBのチャネル行列に基づいて、各サブバンドの平均送信共分散行列が計算される。
S102において、チャネル推定によって得られた各RBのチャネル行列を用いて、べき乗法で用いるための初期ベクトルである第1のベクトルが計算される。
S103において、各サブバンド内の平均送信共分散行列と第1のベクトルとに基づいてべき乗法を行い、各サブバンド内の平均送信共分散行列の固有値分解を行う。
以降において、S101、S102、S103の詳細が示される。
<平均送信共分散行列の計算>
平均送信共分散行列計算部102は、チャネル行列記憶部101から読み出した各RBのチャネル行列に基づいて平均送信共分散行列を計算する(S101)。iSB番目のサブバンドの平均送信共分散行列
Figure 2017126541
は次式(6)を用いて計算される
Figure 2017126541
ここでNRBはサブバンド内のRBの数、
Figure 2017126541
はiSB番目のサブバンドにおけるiRB番目のRBのチャネル行列、
Figure 2017126541
はiSB番目のサブバンドにおけるiRB番目のRBの送信共分散行列である。
<第一のベクトルの計算>
初期ベクトル計算部103は、チャネル行列記憶部101から読み出したRBごとのチャネル行列を用いて、べき乗法で用いるための初期ベクトルである第1のベクトルを計算する(S102)。
ここで、図3に、初期ベクトル計算部103の一例が示される。また、図4に、初期ベクトル計算部103の動作S102の詳細のフローが示される。
図3において、初期ベクトル計算部103は、RB選択部103−1と、受信共分散行列計算部103−2と、受信共分散行列固有値計算部103−3と、受信共分散行列固有ベクトル計算部103−4と、送信共分散行列固有ベクトル計算部103−5を含む。
また、図2において、S102は、動作S102−1からS102−5を含む。
RB選択部103−1は、チャネル行列記憶部101から読み出したサブバンド内の各RBのチャネル行列に基づいて、第1のベクトルを計算するための第1のRBとして単一RBを選択する。RB選択部103−1は、選択した第1のRBのチャネル行列を受信共分散行列計算部103−2に出力する(S102−1)。
受信共分散行列計算部103−2は、RB選択部103−1から入力された第1のRBのチャネル行列に基づいて、第1のRBの受信共分散行列を計算する。受信共分散行列計算部103−2は、計算した第1のRBの受信共分散行列を、受信共分散行列固有値計算部103−3へ出力する(S102−2)。
受信共分散行列固有値計算部103−3は、受信共分散行列計算部103−2から入力された第1のRBの受信共分散行列に基づいて、第1のRBの受信共分散行列について固有値を計算する。受信共分散行列固有値計算部103−3は、固有値計算結果および第1のRBの受信共分散行列を受信共分散行列固有ベクトル計算部103−4へ出力する(S102−3)。
受信共分散行列固有ベクトル計算部103−4は、受信共分散行列固有値計算部103−3から入力された第1のRBの受信共分散行列と第1のRBの受信共分散行列の固有値に基づいて、第1のRBの受信共分散行列の固有ベクトルを計算する。受信共分散行列固有ベクトル計算部103−4は、第1のRBの受信共分散行列の固有値と固有ベクトルを、送信共分散行列の固有ベクトル計算部103−5へ出力する(S102−4)。
送信共分散行列固有ベクトル計算部103−5は、受信共分散行列固有ベクトル計算部103−4から入力された第1のRBの受信共分散行列の固有値と固有ベクトルに基づいて、第1のRBの送信共分散行列の固有ベクトルを計算する。送信共分散行列固有ベクトル計算部103−5は、計算された、第1のRBの送信共分散行列の固有ベクトルを、固有値分解実行部104へ出力する(S102−5)。
以下に、動作S102−1〜S102−5の詳細が示される。
<初期ベクトルの計算対象となるRBの選択>
RB選択部103−1は、チャネル行列記憶部101から読み出したサブバンド内の各RBのチャネル行列に基づいて、第1のベクトルを計算するための単一RBを選択し、選択されたRBのチャネル行列を受信共分散行列計算部103−2に出力する(S102−1)。
初期ベクトル計算に用いる第1のRBのインデックスを次式(7)より計算する。
Figure 2017126541
ここで、tr()は行列のトレースであり、()内の行列の対角要素の和を表す。式(7)では、サブバンド内から最もチャネルの電力が高いRBが選択されている。送信共分散行列のトレースからチャネルの電力が計算できる理由は以下の通りである。
RB番目のRBのチャネルの電力は、チャネル行列の特異値の2乗の和から計算できる。また、チャネル行列の特異値分解と送信共分散行列の固有値分解の関係から、チャネル行列の特異値の2乗の和は、送信共分散行列の固有値の和と等しい。さらに、送信共分散行列がエルミート行列であることから、送信共分散行列の固有値の和と送信共分散行列のトレースが一致する。以上を併せて考えると、送信共分散行列のトレースの和から各RBのチャネルの電力を計算できることがわかる。
サブバンド内で電力的な影響が支配的なRBを選択し、その送信共分散行列の固有ベクトルを求めることで、サブバンド内の平均送信共分散行列に近い固有ベクトルを求めることができる。
<受信共分散行列の固有ベクトルの計算>
受信共分散行列計算部103−2は、RB選択部103−1から入力されたチャネル行列に基づいて、受信共分散行列を計算し受信共分散行列固有値計算部103−3へ出力する(S102−2)。
受信共分散行列は次式(8)で計算される。
Figure 2017126541
ここで、
Figure 2017126541
は、RB選択部103−1によって選択されたRBのチャネル行列である。
<受信共分散行列の固有値の計算>
受信共分散行列固有値計算部103−3は、受信共分散行列計算部103−2から入力された受信共分散行列に基づいて、受信共分散行列の固有値を計算し、固有値計算結果および受信共分散行列を受信共分散行列固有ベクトル計算部103−4へ出力する。(S102−3)
受信共分散行列の固有方程式(9)を解き、固有値を求める。
Figure 2017126541
ただし、det()は()内の行列の行列式である。
式(8)は固有値λに関する二次方程式であるため、解析的に解くことができる。
<受信共分散行行列の固有ベクトルの計算>
受信共分散行列固有ベクトル計算部103−4は、受信共分散行列固有値計算部103−3から入力された受信共分散行列と受信共分散行列の固有値に基づいて、受信共分散行列の固有ベクトルを計算し、受信共分散行列の固有値と固有ベクトルを、送信共分散行列の固有ベクトル計算部103−5へ出力する。(S102−4)
式(9)を解いて得られた固有値に対応する固有ベクトルは、次式(10)の固有値の定義式を解くことで計算できる。
Figure 2017126541
式(10)は、固有ベクトルの各要素を変数とするN元の連立一次方程式であるため、解析的に方程式の解が求まる。
<送信共分散行列の固有ベクトルの計算>
送信共分散行列固有ベクトル計算部103−5は、受信共分散行列固有ベクトル計算部103−4から入力された第1のRBの受信共分散行列の固有値と固有ベクトルに基づいて、第1のRBの送信共分散行列の固有ベクトルを計算し、固有値分解実行部104へ出力する(S102−5)。
以降では、受信共分散行列の固有値、固有ベクトルから、間接的に送信共分散行列の固有ベクトルが求まる原理について述べる。
<チャネル行列の特異値、特異ベクトルと受信共分散行列の固有値、固有ベクトルの関係>
受信共分散行列の固有値、固有ベクトルとチャネル行列の特異値、特異ベクトルの関係について説明する。
受信共分散行列は、チャネル行列の特異値分解
Figure 2017126541
を用いて、次式(11)のように受信共分散行列の固有値分解の形で表すことができる。
Figure 2017126541
式(11)の最後の式が受信共分散行列の固有値分解の形になっていることから、チャネル行列の左特異ベクトルUと受信共分散行列の固有ベクトルが一致すること、チャネル行列の特異値の2乗が受信共分散行列の固有値と一致することがわかる。
送信共分散行列の固有値分解とチャネル行列の特異値分解については、すでに式(4)で示してある通り、チャネル行列の右特異ベクトルVと送信共分散行列の固有ベクトルは一致し、チャネル行列の特異値の2乗は送信共分散行列の固有値と一致する。
<送信共分散行列の固有ベクトルを間接的に求める方法>
送信共分散行列の固有値分解を直接行わず、チャネル行列の特異値分解の式を変形し、チャネル行列の特異値、左特異ベクトル、チャネル行列から、チャネル行列の右特異ベクトルを間接的に計算可能であることを示す。
チャネル行列Hの特異値分解の定義式を右特異ベクトルについて次式(12)のように変形する。
Figure 2017126541
なお、左特異ベクトルUはユニタリ行列であり、自身と自身の複素共役転置の積が単位行列になることを利用している。なお、Σ−1はチャネル行列の特異値の逆数を対角要素とする対角行列である。
図13は、送信共分散行列の固有ベクトルを間接的に計算する方法の概念を示す。上述の通りチャネル行列の左特異ベクトル、特異値は、受信共分散行列の固有ベクトル、固有値からそれぞれ計算可能である。また、チャネル行列の右特異ベクトルは送信共分散行列の固有ベクトルと一致する。したがって、式(12)より受信共分散行列の固有ベクトルと固有値、チャネル行列から、送信共分散行列の固有ベクトルが計算可能である。
以上が、受信共分散行列の固有値、固有ベクトルから、送信共分散行列の固有ベクトルが求まる原理である。
上述の原理を用いて、第1のRBの送信共分散行列の固有ベクトルは次式(13)から計算される。
Figure 2017126541
ここで計算したv、vをそれぞれ第1のベクトルx、第2のベクトルxとして固有値分解実行部104へ出力する。
送信アンテナ数が受信アンテナ数よりも膨大なときは、直接的に、送信共分散行列の固有値分解を行うのではなく、上記S102−1〜S102−5のように受信共分散行列を介して間接的に送信共分散行列の固有ベクトルを計算することで演算量を低減できる。
具体的には、送信共分散行列の固有値分解を直接的に行う場合、例えばべき乗法の1反復の計算量は乗算器、加算器ともに行列サイズの2乗オーダの演算量が必要となる。一方で、上述したように、間接的に送信共分散行列の固有値分解を行う場合、受信共分散行列の固有値、固有ベクトルの計算は、代数的な計算でよく、送共分散行列の固有値を求める式(13)でも
Figure 2017126541
同士の行列の積が一回、
Figure 2017126541
の行列の積が一回であるため、演算量は送信共分散行列のサイズの1乗オーダである。
したがって、受信アンテナが送信アンテナに比べて大幅に少ないときは、上述のようにサイズの小さい受信共分散行列の固有値分解を介して、サイズの大きい送信共分散行列の固有値分解を行うことで、固有値分解の演算量を低減することができる。
<平均送信共分散行列の固有値分解>
固有値分解実行部104は、平均送信共分散行列計算部102から入力された各サブバンド内の平均送信共分散行列と、初期ベクトル計算部103から入力された第1のベクトル、第2のベクトルに基づいて、べき乗法を行い、各サブバンド内の平均送信共分散行列の固有値分解を行う(S103)。
図5は、固有値分解実行部104の詳細な構成をしめす。図6Aおよび図6Bは、固有値分解実行部104の動作S103の詳細フローを示す。固有値分解実行部104は、第1固有値計算部104−1と第2固有値計算部104−2を含む。動作S103は、動作S103−1からS103−13を含む。
第1固有値計算部104−1は平均送信共分散行列計算部から入力された各サブバンド内の平均送信共分散行列と、初期ベクトル計算部103から入力された第一のベクトルに基づいてべき乗法を行い、各RBの平均送信共分散行列の第一固有値と第一固有ベクトルを計算し、固有値分解結果記憶部105および第2固有値計算部104−2へ出力する(S103−1〜S103−7)。
第2固有値計算部104−2は、平均送信共分散行列計算部102から入力された各サブバンドの平均送信共分散行列と、第1固有値計算部104−1から入力された第一固有値と第一固有ベクトルに基づいて、第2固有値と第2固有ベクトルを計算し、固有値分解結果記憶部105に出力する(S103−8〜S103−15)。
まず、べき乗法の原理を説明する。ここでは、対称行列Aの固有値分解を行うものとする。べき乗法では、初期ベクトルに対して、固有値分解対象のベクトルを反復的に乗ずることにより、初期ベクトルを固有ベクトルに収束させる。
任意のベクトルは、すべての固有ベクトルの線形結合で表現可能である。このため、第1のベクトルx(0)は、各サブバンドの平均送信共分散行列のi番目の固有ベクトルvと任意の定数c(i=1〜NEV)を用いて、次式(14)で表される。
Figure 2017126541
ここで、NEVは、固有値の個数である。
初期ベクトル、すなわち反復を行う前の推定固有ベクトルv(0)を第1のベクトルx(0)とする。初期ベクトルv(0)に対してi回、固有値分解を行う対象の行列を乗じたベクトルは、固有ベクトルの定義式Av=λvを用いて次式(15)で表される。
Figure 2017126541
ここで、
λ>λ(n=2〜NEV)であることから、式(15)の{}内における第二項のλn/λは1より小さくなる。このため、iが十分大きければ、v(i)は次式(16)で表される。

Figure 2017126541
式(16)には

Figure 2017126541
が含まれており、これがオーバーフローの原因となるが、べき乗法における各ステップでv(i)を正規化することでオーバーフローを防ぐことができる。こうして、固有ベクトルのスカラ倍のベクトルが得られるため、次式(17)に示すように十分に反復を繰り返した後の推定固有ベクトルを正規化することで最終的な固有ベクトルが得られる。
Figure 2017126541
以上で述べた通り、べき乗法は、対象となる行列の最大固有値と、最大固有値に対応する固有ベクトルを求める方法である。ただし、以下の処理を行うことで第2固有値以降も求めることができる。
行列Aの第2固有値を求めるためには、エルミート行列のスペクトル分解を用いて、行列Aの第二固有値を第一固有値とする行列A´を計算し、行列A´に対してべき乗法を適用する。行列Aは各固有ベクトルについてスペクトル分解は次式(18)で表される。
Figure 2017126541
したがって行列A´を求めるには行列Aから第一固有値に対応する固有ベクトルの成分を差し引けばよく、行列A´は次式(19)で計算される。
Figure 2017126541
以降では、図6Aおよび図6Bに示される固有値分解実行部104の動作S103の詳細が示される。
<各サブバンドの平均送信共分散行列の第1固有値、第1固有ベクトルの計算>
第1固有値計算部104−1は平均送信共分散行列計算部102から入力された各サブバンド内の平均送信共分散行列と、初期ベクトル計算部103から入力された第一のベクトルに基づいてべき乗法を行い、各サブバンドの平均送信共分散行列の第一固有値と第一固有ベクトルを計算し、固有値分解結果記憶部105および第2固有値計算部104−2へ出力する(S103−1〜S103−7)。
反復処理に入る前に、初期ベクトルの設定(S103−1)とインデックスの初期化が行われる(S103−2)。
初期ベクトルとしては、第1のベクトルxが用いられる。
反復処理では、次式(20)で示すように、
前回の繰り返しの中で計算されたv(k−1)に対して固有値分解の計算対象であるRTxを乗ずる(S103−3)。
Figure 2017126541
さらに、ベクトル
Figure 2017126541
に対して前述したオーバーフローを防ぐために次式(21)により正規化を行う(S103−4)。
Figure 2017126541
最後に次式(22)によりk番目の繰り返し処理における固有値の推定値λ(k)を計算する(S103−5)。
Figure 2017126541
ここで、(,)は()内のベクトルの内積である。
以上S103−3〜S103−5がべき乗法における1反復処理となる。
反復処理後に次式(23)の収束条件を満たさなければ、再度S103−3〜S103−5の処理を実行する(S103−7)。
Figure 2017126541
ここで、εは固有値許容誤差である。
べき乗法では、任意のkに対してλ(k)の真の固有値に対する最大の誤差はλ(k)−λ(k−1)である。したがって、システムが必要とする固有値の精度に応じて、εを定めればよい。
また、上記で説明した収束判定を行うには、2回の反復処理間での推定固有値の差を計算する必要があるため、1回目の反復処理では、無条件で2回目の反復処理へ進む。(S103−6)
<各サブバンドの平均送信共分散行列の第2固有値、第2固有ベクトルの計算>
第2固有値計算部104−2は、平均送信共分散行列計算部102から入力された各サブバンドの平均送信共分散行列と、第1固有値計算部104−1から入力された第一固有値と第一固有ベクトルに基づいて、第2固有値と第2固有ベクトルを計算し、固有値分解結果記憶部105に出力する(S103−7〜S103−13)。
エルミート行列のスペクトル分解を利用して第2固有値計算用行列R´Txを次式(24)より計算する。(S103−8)
Figure 2017126541
初期ベクトルとしては、初期ベクトル計算部103から入力された第2のベクトルを用いる(S103−9)。
以下S103−11〜S103−15では、第2固有値計算用の行列R´Txに対して、S103−2〜S103−7と同様の動作を行い、第2固有値計算用の行列の第1固有値と第1固有ベクトルを求める。第2固有値計算用の行列の第1固有値と第1固有ベクトルは、各RBの平均送信共分散行列の第2固有値と第2固有ベクトルとそれぞれ等しいため、これを固有値分解結果記憶部105へ出力する(S103−11〜S103−15)。
第1の実施形態によれば、サブバンド内のRBから第1のRBを選択し、その送信共分散行列の固有ベクトルをサブバンド内の全RBの平均送信共分散行列を固有値分解する際の初期値とする。第1のRBは、サブバンド内で電力的に支配的なものを選択するため、第1のRBの送信共分散行列の固有ベクトルである第1のベクトルは、ランダムに生成したベクトルと比べ、サブバンド内の全RBの平均送信共分散行列の固有ベクトルと近くなる。したがって、べき乗法の初期ベクトルとして、第1のベクトルを用いることでべき乗法の反復回数、ひいては固有値分解の演算量を低減できる。
さらに、初期ベクトルの計算では、受信アンテナが送信アンテナに比べて大幅に小さいことを利用し、送信共分散行列の固有値分解を間接的に行うことで第1のRBの送信共分散行列の固有ベクトルを計算することが可能である。
<第2の例示的な実施形態>
図14は、第2の例示的な実施形態の概念図を示す。
第2の実施形態の第1のベクトルの計算方法は、第1の実施形態の計算方法と異なる。第1の実施形態では、サブバンド内の1RBの送信共分散行列の固有ベクトルを第1のベクトルとする。対して、第2の実施形態では、複数サブバンドにわたって平均化された送信共分散行列(サブバンド間の平均送信共分散行列ともいう)の第1固有ベクトル、第2固有ベクトルをそれぞれ第1のベクトル、第2のベクトルとする。
第1のベクトルが決定された後は、決定された第1のベクトルを初期ベクトルとして、各サブバンドの平均送信共分散行列のべき乗法による固有値分解を行い、結果を固有値分解結果記憶部105へ出力する。
図7は、第2の例示的な実施形態のシステム構成を例示する。
チャネル行列記憶部101は、チャネル推定によって得られたRBごとのチャネル行列を格納するように構成されている。
平均送信共分散行列計算部102Aは、チャネル行列計算部から読み出したRBごとのチャネル行列に基づいて各サブバンド内、およびサブバンド間の平均送信共分散行列を計算するように構成されている。平均送信共分散行列計算部102Aは、各サブバンド内、およびサブバンド間の平均送信共分散行列を、初期ベクトル計算部103Aと固有値分解実行部104へ出力するように構成されている。
初期ベクトル計算部103Aは、平均送信共分散行列計算部102Aから読み出したサブバンド間の平均送信共分散行列に基づいて、第1のベクトルを計算するように構成されている。初期ベクトル計算部103Aは、第1のベクトルを固有値分解実行部104へ出力するように構成されている。
固有値分解実行部104は、初期ベクトル計算部103Aから入力された第1のベクトルと、平均送信共分散行列計算部102Aから入力された各サブバンド内の平均送信共分散行列に基づいてべき乗法を行い、各サブバンドの平均送信共分散行列の固有ベクトルを計算するように構成されている。
図2は、第2の例示的な実施形態の動作の一例を示す。
<平均送信共分散行列の計算>
平均送信共分散行列計算部102Aは、チャネル行列計算部から読み出したRBごとのチャネル行列に基づいて平均送信共分散行列を計算し、初期ベクトル計算部103Aと固有値分解実行部104へ出力する(S101A)。本動作S101Aは、S101の動作に加えて、サブバンド間の平均送信共分散行列を求める点で異なる。各サブバンド内の平均送信共分散行列と、初期ベクトル生成用のサブバンド間の平均送信共分散行列はそれぞれ次式(25)(26)で計算される。
Figure 2017126541

Figure 2017126541
<第一のベクトルの計算>
初期ベクトル計算部103Aは、平均送信共分散行列計算部102Aから読み出したサブバンド間の平均送信共分散行列
Figure 2017126541
に基づいて、べき乗法で用いる初期ベクトルである第1のベクトルを計算する(S102A)。
第1実施形態におけるS102は、サブバンド内の1RBの送信共分散行列の固有ベクトルを第1のベクトルとするのに対して、本実施形態のS102Aでは、サブバンド間の平均送信共分散行列の第1固有ベクトル、第2固有ベクトルをそれぞれ第1のベクトル、第2のベクトルとする。
サブバンド間の平均送信共分散行列計算の際に平均化するサブバンドの個数NSBは、事前にシミュレーションにより算出した固有値分解の演算量削減効果が大きいNSBを数値探索により決定してもよい。
<固有ベクトルの計算>
固有値分解実行部104は、平均送信共分散行列計算部102Aから入力されたサブバンドの平均送信共分散行列と、初期ベクトル計算部103Aから入力された第一のベクトル、第二のベクトルに基づいて、サブバンドの平均送信共分散行列の固有値および固有ベクトルを計算し、固有値分解結果記憶部105へ格納する(S103)。
本動作S103は、第一の実施形態と同様のため省略する。
本実施形態では、サブバンド間の平均送信共分散行列の固有値分解を行うことで、サブバンドの平均送信共分散行列の固有ベクトルに近いベクトルを計算できる。これをべき乗法の初期ベクトルとすることにより、各サブバンドの平均送信共分散行列の際の反復回数を減らし、演算回数を低減することができる。初期ベクトルの計算には、べき乗法による固有値分解を行うため一定の演算量を要する。しかし、この初期ベクトル設定により各サブバンド内の平均送信共分散行列のべき乗法の反復回数が改善することによって、初期ベクトル計算を含めたトータルの固有値分解の演算量としては、初期値ベクトルをランダムとした場合にくらべて演算量が少なくなる。
具体的な演算量の削減効果を、数式を用いて以下で述べる。
まず、平均送信共分散行列を、ランダムベクトルを初期値としてべき乗法を行った場合の演算量の平均値を計算しCrandとする。
次に、あるNSBを仮定して、各サブバンド内の平均送信共分散行列のべき乗法による固有値分解の際に、初期ベクトルをランダムベクトルとした場合と比較した本実施形態の初期ベクトル生成を用いたことによる演算量の改善量の平均値をCImpとする。
本実施形態の初期ベクトルの決定法を使わなかった場合のNSB個のサブバンドにおける固有値分解の演算量は、次式(27)となる。
Figure 2017126541
第一項目は初期ベクトルの計算にかかる演算量であり、第二項目は各サブバンド内の平均送信共分散行列の固有値分解にかかる演算量である。
一方、本実施形態の初期ベクトルの決定法を用いた場合の演算量は、次式(28)となる。
Figure 2017126541
したがって本実施形態における初期ベクトルの決定法の演算量低減量は次式(29)で表される。
Figure 2017126541
適切なNSBを定めることにより式(29)の第1項が第2項よりも大きくなる、すなわち初期ベクトルの設定による演算量増に対して、各サブバンド内の固有値分解の演算量低減効果が上回り、演算量低減効果が得られる。
第一実施形態との比較では、第一の実施形態では初期ベクトルを低演算量で計算できるのに対して、本実施形態では初期値計算のための固有値分解の計算量が、サブバンドごとの固有値分解の計算量に対して無視できない演算量が必要である。一方、広い帯域から初期ベクトルを計算することで、チャネル推定誤差の影響を低減できるメリットがある。
<第3の例示的な実施形態>
図9は、第3の例示的な実施形態のシステム構成を示す。
第3の実施形態では、端末からのフィードバック情報をもとに各サブバンドの平均送信共分散行列のべき乗法を用いた固有値分解の初期ベクトルが用いられる。
図9に示されるシステムは、チャネル行列記憶部101と、平均送信共分散行列計算部102と、初期ベクトル計算部103Bと、固有値分解実行部104と、固有値分解結果記憶部105と、端末フィードバック情報記憶部106とを含む。
チャネル行列記憶部101は、平均送信共分散行列計算部102に接続される。平均送信共分散行列計算部102は、固有値分解実行部104に接続される。端末フィードバック情報記憶部106は、初期ベクトル計算部103Bに接続される。初期ベクトル計算部103Bは、固有値分解実行部104に接続される。固有値分解実行部104は、固有値分解結果記憶部105に接続される。
チャネル行列記憶部101は、チャネル推定によって得られたRBごとのチャネル行列を格納するように構成されている。
端末フィードバック情報記憶部106は、端末からフィードバックされた情報を格納するように構成されている。
初期ベクトル計算部103Bは、端末フィードバック情報記憶部106から読み出した端末フィードバック情報に基づいて、第1のベクトルと第2のベクトルを計算して、固有値分解実行部104へ出力するように構成されている。
平均送信共分散行列計算部102は、チャネル行列記憶部101から読み出したRBごとのチャネル行列に基づいて各サブバンドの平均送信共分散行列を計算するように構成されている。平均送信共分散行列計算部102は、各サブバンドの平均送信共分散行列を固有値分解実行部104へ出力する。
固有値分解実行部104は、初期ベクトル計算部103Bから入力された第1のベクトル、第2のベクトルと、平均送信共分散行列計算部102から入力された各サブバンドの平均送信共分散行列とに基づき、各サブバンドの平均送信共分散行列の固有値および固有ベクトルを計算するように構成されている。
<平均送信共分散行列の計算>
平均送信共分散行列計算部102は、チャネル行列記憶部から読み出したRBごとのチャネル行列に基づいて各RBの平均送信共分散行列を計算する(S101)。計算方法は第1実施形態と同様である。
<第一のベクトルの計算>
初期ベクトル計算部103Bは、端末フィードバック情報記憶部106から読み出した端末フィードバック情報を読み出し、べき乗法で用いる初期ベクトルである第1のベクトルを計算する(S102B)。
LTEでは、端末からのチャネル情報フィードバックとしてPMI(Precoding Matrix Indicator)が定義されている。基地局と端末は、コードブックと呼ばれる量子化されたプリコーディングのテーブルを保持している。端末が判断した好適なプリコーダをコードブックのインデックスとして基地局へフィードバックする。
本実施形態では、初期ベクトル計算部103BがPMIで指定されたプリコーダを、第1のベクトル、第2のベクトルとして固有値分解実行部104に出力する。
また、Massive MIMOでは、アレイゲインを稼ぐ目的で、標準規格で決められたアンテナ数に縛られず、自由に物理的なアンテナを増やすことが可能である。この場合、コードブックのプリコーダの前提となる基地局のアンテナ本数と実際の基地局アンテナ本数が異なる場合がある。このため、送信アンテナ数に関してプリコーダを修正した修正プリコーダが保持されてもよい。修正プリコーダの設定法としては、たとえばコードブックのプリコーダのビームパターンとピーク方向が同一なステアリングウェイトを用いてもよい。
コードブックのi番目のプリコーダのピーク方向をθとすると修正コードのi番目のプリコーダ
Figure 2017126541
のn番目の要素
Figure 2017126541
は次式(30)で表される。
Figure 2017126541
<固有値分解の実行>
固有値分解実行部104は、平均送信共分散行列計算部102から入力された各サブバンドの平均送信共分散行列と、初期ベクトル計算部103Bから入力された第一のベクトルに基づいて、各サブバンドの平均送信共分散行列の固有値と固有ベクトルを計算する。
本動作は、第一の実施形態と同様なので省略する。
[実施形態の効果]
本実施形態では、第一実施形態、第二実施形態と異なり、端末からのフィードバックをもとに、テーブルを参照するだけで初期ベクトルを決定できる。このため、初期ベクトルの演算が不要になるというメリットがある。
<第4の例示的な実施形態>
図15は、第4の例示的な実施形態における無線局を示す。無線局1000は、決定部1001と計算部1002とを有する。
決定部1001は、複数のアンテナを有する無線局から他の無線局への伝搬路におけるチャネル情報に基づいて初期ベクトルを決定する。
計算部1002は、該初期ベクトルに基づいて、反復法を用いて送信共分散行列の固有値分解を行う。
本実施形態によれば、固有値分解における反復法の反復回数を低減し、演算量を低減することができる。
<他の例示的な実施形態>
上記実施形態は、下り通信(ダウンリンク)に関するものについて主に詳細が示されたが、上り通信(アップリンク)についても適用可能である。
上記実施形態は、上り回線と下り回線で同一の周波数を異なる時間で使用するTDD (Time Division Duplex)方式を採用する異なる無線通信システム(例えばWiFi、WiMAX(Worldwide interoperability for Microwave Access)、IEEE 802.16m)であってもよい。
また、上記実施形態は、上り回線と下り回線で異なる周波数を同時に使用するFDD (Frequency Division Duplex)方式を採用する無線通信システムであってもよい。
また、上記実施形態では、LTE方式の無線通信システムに関して説明されたが、様々な実施形態の方法および装置のうちの少なくともいくつかは、多くの非LTEおよび/または非セルラーシステムを含む広範囲の通信システムに適用可能である。例えば、上記実施形態は、UMTS (Universal Mobile Telecommunications System)方式であってもよい。
上記の無線局は、例えば、送信機であってもよい。ここで、この送信機からデータを受信する無線局は、受信機であってもよい。
上記の無線局とは、例えば、基地局であってもよい。ここで、基地局は、1つまたは複数のワイヤレス端末との通信に使用することができ、アクセスポイント、ノード、進化型ノードB(eNB: evolved Node B)、または他の何らかのネットワークエンティティの機能性の一部または全部を含み得る。基地局は、エアインターフェースを介してUE(User Equipment)と通信する。この通信は、1つまたは複数のセクタを通って起こり得る。基地局は、受信したエアインターフェースフレームをIPパケットに変換することによって、UEと、インターネットプロトコル(IP)ネットワークを含み得るアクセスネットワークの残りとの間のルータとして作用し得る。基地局は、エアインターフェース用の属性の管理を調整することもでき、ワイヤードネットワークとワイヤレスネットワークとの間のゲートウェイであってもよい。
上記の端末とは、無線端末、移動端末またはユーザ端末(またはユーザ)と呼ぶこともできる。また、端末は、システム、加入者ユニット、加入者局、移動局、ワイヤレス端末、モバイルデバイス、ノード、デバイス、リモート局、リモート端末、ワイヤレス通信デバイス、ワイヤレス通信デバイス、ワイヤレス通信装置またはユーザエージェントの機能性の一部または全部を含み得る。端末は、セルラー電話、コードレス電話、セッション開始プロトコル(SIP)電話、スマートフォン、ワイヤレスローカルループ(WLL)局、携帯情報端末(PDA)、ラップトップ、タブレット、ネットブック、スマートブック、ハンドヘルド通信デバイス、ハンドヘルドコンピューティングデバイス、衛星無線、ワイヤレスモデムカードおよび/またはワイヤレスシステムを介して通信する別の処理デバイスでよい。
なお、上記実施形態において、端末の操作者が1台の端末を所有している例が示されたが、これに限られない。1台の端末は、複数の操作者によって共有される場合であってもよい。
また、上記の無線局は、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせにより実現することができる。また、上記の計算方法も、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせにより実現することができる。ここで、ソフトウェアによって実現されるとは、コンピュータがプログラムを読み込んで実行することにより実現されることを意味する。
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD−ROM(Compact Disc − Read Only Memory)、CD−R(Compact Disc − Recordable)、CD−R/W(Compact Disc − Rewritable)、DVD−ROM(Digital Versatile Disc − ROM)、DVD−R(Digital Versatile Disc − Recordable)、DVD−R/W(Digital Versatile Disc − Rewritable)、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。
また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
<付記>
前述の例示的な実施形態の一部または全部は、以下の各付記のようにも記載することができる。しかしながら、以下の各付記は、あくまでも、本発明の単なる例示に過ぎず、本発明は、かかる場合のみに限るものではない。
(付記1)
複数のアンテナを有する無線局から他の無線局への伝搬路におけるチャネル情報に基づいて初期ベクトルを決定し、
前記初期ベクトルに基づいて、反復法を用いて送信共分散行列の固有値分解を行う、
計算方法。
(付記2)
前記チャネル情報は、
前記固有値分解の対象となる無線リソース領域の一部の領域に関連する、
前記初期ベクトルは、
前記チャネル情報に基づいて計算される固有ベクトルである、
付記1に記載の計算方法。
(付記3)
前記送信共分散行列は、
受信共分散行列の固有値と、前記受信共分散行列の固有ベクトルに基づいて計算され、
前記固有ベクトルは、
前記送信共分散行列の固有ベクトルである、
付記2に記載の計算方法。
(付記4)
前記一部の領域は、
前記固有値分解の対象となる前記無線リソース領域のうち最もチャネルの電力が高い領域である、
付記2に記載の計算方法。
(付記5)
前記初期ベクトルは、
前記固有値分解の対象となる無線リソース領域を複数併せた領域に関するチャネル情報に基づいて計算される固有ベクトルである、
付記1に記載の計算方法。
(付記6)
前記固有ベクトルは、
前記固有値分解の対象となる前記無線リソース領域を複数併せた領域のなかで平均化された送信共分散行列の固有ベクトルである、
付記5に記載の計算方法。
(付記7)
前記初期ベクトルは、
前記他の無線局が選択したプリコーダに基づいて、所定のテーブルを参照して決定される、
付記1に記載の計算方法。
(付記8)
前記テーブルは、
システムで定義されたプリコーダを、前記無線局のアンテナの数に対応するように補正したプリコーダである、
付記7に記載の計算方法。
(付記9)
前記チャネル情報は、
前記無線局が推定したチャネル行列である、
付記1に記載の計算方法。
(付記10)
前記チャネル情報は、
前記他の無線局が選択したプリコーダである、
付記1に記載の計算方法。
(付記11)
複数のアンテナを有する無線局から他の無線局への伝搬路におけるチャネル情報に基づいて初期ベクトルを決定する決定部と、
前記初期ベクトルに基づいて、反復法を用いて送信共分散行列の固有値分解を行う計算部とを有する、
無線局。
(付記12)
前記チャネル情報は、
前記固有値分解の対象となる無線リソース領域の一部の領域に関連する、
前記初期ベクトルは、
前記チャネル情報に基づいて計算される固有ベクトルである、
付記11に記載の無線局。
(付記13)
前記送信共分散行列は、
受信共分散行列の固有値と、前記受信共分散行列の固有ベクトルに基づいて計算され、
前記固有ベクトルは、
前記送信共分散行列の固有ベクトルである、
付記12に記載の無線局。
(付記14)
前記一部の領域は、
前記固有値分解の対象となる前記無線リソース領域のうち最もチャネルの電力が高い領域である、
付記12に記載の無線局。
(付記15)
前記初期ベクトルは、
前記固有値分解の対象となる前記無線リソース領域を複数併せた領域に関するチャネル情報に基づいて計算される固有ベクトルである、
付記11に記載の無線局。
(付記16)
前記固有ベクトルは、
前記固有値分解の対象となる前記無線リソース領域を複数併せた領域のなかで平均化された送信共分散行列の固有ベクトルである、
付記15に記載の無線局。
(付記17)
前記初期ベクトルは、
前記他の無線局が選択したプリコーダに基づいて、所定のテーブルを参照して決定される、
付記11に記載の無線局。
(付記18)
前記テーブルは、
システムで定義されたプリコーダを、前記無線局のアンテナの数に対応するように補正したプリコーダである、
付記17に記載の無線局。
(付記19)
前記チャネル情報は、
前記無線局が推定したチャネル行列である、
付記11に記載の無線局。
(付記20)
前記チャネル情報は、
前記他の無線局が選択したプリコーダである、
付記11に記載の無線局。
(付記21)
複数のアンテナを有する無線局から他の無線局への伝搬路におけるチャネル情報に基づいて初期ベクトルを決定し、
前記初期ベクトルに基づいて、反復法を用いて送信共分散行列の固有値分解を行う、
ことをコンピュータに実行させるプログラム。
(付記22)
前記チャネル情報は、
前記固有値分解の対象となる無線リソース領域の一部の領域に関連する、
前記初期ベクトルは、
前記チャネル情報に基づいて計算される固有ベクトルである、
付記21に記載のプログラム。
(付記23)
前記送信共分散行列は、
受信共分散行列の固有値と、前記受信共分散行列の固有ベクトルに基づいて計算され、
前記固有ベクトルは、
前記送信共分散行列の固有ベクトルである、
付記22に記載のプログラム。
(付記24)
前記一部の領域は、
前記固有値分解の対象となる前記無線リソース領域のうち最もチャネルの電力が高い領域である、
付記22に記載のプログラム。
(付記25)
前記初期ベクトルは、
前記固有値分解の対象となる前記無線リソース領域を複数併せた領域に関するチャネル情報に基づいて計算される固有ベクトルである、
付記21に記載のプログラム。
(付記26)
前記固有ベクトルは、
前記固有値分解の対象となる前記無線リソース領域を複数併せた領域のなかで平均化された送信共分散行列の固有ベクトルである、
付記25に記載のプログラム。
(付記27)
前記初期ベクトルは、
前記他の無線局が選択したプリコーダに基づいて、所定のテーブルを参照して決定される、
付記21に記載のプログラム。
(付記28)
前記テーブルは、
システムで定義されたプリコーダを、前記無線局のアンテナの数に対応するように補正したプリコーダである、
付記27に記載のプログラム。
(付記29)
前記チャネル情報は、
前記無線局が推定したチャネル行列である、
付記21に記載のプログラム。
(付記30)
前記チャネル情報は、
前記他の無線局が選択したプリコーダである、
付記21に記載のプログラム。
さらに、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、既に述べた本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。本明細書で説明したそれぞれの実施形態による機能またはステップおよび/または動作は特定の順序で実行しなくてもよい。さらに、本発明の要素は、単数形で説明または請求されていることがあるが、単数形に限定することが明示的に述べられていない限り、複数形であってもよい。
この出願は、2016年1月20日に出願された日本出願特願2016−008497を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
101 第1、第2、第3の実施形態におけるチャネル行列記憶部
102 第1、第3の実施形態における平均送信共分散行列計算部
102A 第2の実施形態における平均送信共分散行列計算部
103 第1の実施形態における初期ベクトル計算部
103A 第2の実施形態における初期ベクトル計算部
103B 第3の実施形態における初期ベクトル計算部
103−1 第1の実施形態の初期ベクトル計算部103におけるRB選択部
103−2 第1の実施形態の初期ベクトル計算部103における受信共分散行列計算部
103−3 第1の実施形態の初期ベクトル計算部103における受信共分散行列固有値計算部
103−4 第1の実施形態の初期ベクトル計算部103における受信共分散行列固有ベクトル計算部
103−5 第1の実施形態の初期ベクトル計算部103における送信共分散行列固有ベクトル計算部
104 第1、第2、第3の実施形態における固有値分解実行部
104−1 第1の実施形態における固有値分解実行部104における第1固有値計算部
104−2 第1の実施形態における固有値分解実行部104における第2固有値計算部
105 第1、第2、第3の実施形態における固有値分解結果記憶部
106 第3の実施形態における端末フィードバック情報記憶部
1000 無線局
1001 決定部
1002 計算部

Claims (30)

  1. 複数のアンテナを有する無線局から他の無線局への伝搬路におけるチャネル情報に基づいて初期ベクトルを決定し、
    前記初期ベクトルに基づいて、反復法を用いて送信共分散行列の固有値分解を行う、
    計算方法。
  2. 前記チャネル情報は、
    前記固有値分解の対象となる無線リソース領域の一部の領域に関連する、
    前記初期ベクトルは、
    前記チャネル情報に基づいて計算される固有ベクトルである、
    請求項1に記載の計算方法。
  3. 前記送信共分散行列は、
    受信共分散行列の固有値と、前記受信共分散行列の固有ベクトルに基づいて計算され、
    前記固有ベクトルは、
    前記送信共分散行列の固有ベクトルである、
    請求項2に記載の計算方法。
  4. 前記一部の領域は、
    前記固有値分解の対象となる前記無線リソース領域のうち最もチャネルの電力が高い領域である、
    請求項2に記載の計算方法。
  5. 前記初期ベクトルは、
    前記固有値分解の対象となる無線リソース領域を複数併せた領域に関するチャネル情報に基づいて計算される固有ベクトルである、
    請求項1に記載の計算方法。
  6. 前記固有ベクトルは、
    前記固有値分解の対象となる前記無線リソース領域を複数併せた領域のなかで平均化された送信共分散行列の固有ベクトルである、
    請求項5に記載の計算方法。
  7. 前記初期ベクトルは、
    前記他の無線局が選択したプリコーダに基づいて、所定のテーブルを参照して決定される、
    請求項1に記載の計算方法。
  8. 前記テーブルは、
    システムで定義されたプリコーダを、前記無線局のアンテナの数に対応するように補正したプリコーダである、
    請求項7に記載の計算方法。
  9. 前記チャネル情報は、
    前記無線局が推定したチャネル行列である、
    請求項1に記載の計算方法。
  10. 前記チャネル情報は、
    前記他の無線局が選択したプリコーダである、
    請求項1に記載の計算方法。
  11. 複数のアンテナを有する無線局から他の無線局への伝搬路におけるチャネル情報に基づいて初期ベクトルを決定する決定部と、
    前記初期ベクトルに基づいて、反復法を用いて送信共分散行列の固有値分解を行う計算部とを有する、
    無線局。
  12. 前記チャネル情報は、
    前記固有値分解の対象となる無線リソース領域の一部の領域に関連する、
    前記初期ベクトルは、
    前記チャネル情報に基づいて計算される固有ベクトルである、
    請求項11に記載の無線局。
  13. 前記送信共分散行列は、
    受信共分散行列の固有値と、前記受信共分散行列の固有ベクトルに基づいて計算され、
    前記固有ベクトルは、
    前記送信共分散行列の固有ベクトルである、
    請求項12に記載の無線局。
  14. 前記一部の領域は、
    前記固有値分解の対象となる前記無線リソース領域のうち最もチャネルの電力が高い領域である、
    請求項12に記載の無線局。
  15. 前記初期ベクトルは、
    前記固有値分解の対象となる無線リソース領域を複数併せた領域に関するチャネル情報に基づいて計算される固有ベクトルである、
    請求項11に記載の無線局。
  16. 前記固有ベクトルは、
    前記固有値分解の対象となる前記無線リソース領域を複数併せた領域のなかで平均化された送信共分散行列の固有ベクトルである、
    請求項15に記載の無線局。
  17. 前記初期ベクトルは、
    前記他の無線局が選択したプリコーダに基づいて、所定のテーブルを参照して決定される、
    請求項11に記載の無線局。
  18. 前記テーブルは、
    システムで定義されたプリコーダを、前記無線局のアンテナの数に対応するように補正したプリコーダである、
    請求項17に記載の無線局。
  19. 前記チャネル情報は、
    前記無線局が推定したチャネル行列である、
    請求項11に記載の無線局。
  20. 前記チャネル情報は、
    前記他の無線局が選択したプリコーダである、
    請求項11に記載の無線局。
  21. 複数のアンテナを有する無線局から他の無線局への伝搬路におけるチャネル情報に基づいて初期ベクトルを決定し、
    前記初期ベクトルに基づいて、反復法を用いて送信共分散行列の固有値分解を行う、
    ことをコンピュータに実行させるプログラムを記憶する記憶媒体。
  22. 前記チャネル情報は、
    前記固有値分解の対象となる無線リソース領域の一部の領域に関連する、
    前記初期ベクトルは、
    前記チャネル情報に基づいて計算される固有ベクトルである、
    請求項21に記載の記憶媒体。
  23. 前記送信共分散行列は、
    受信共分散行列の固有値と、前記受信共分散行列の固有ベクトルに基づいて計算され、
    前記固有ベクトルは、
    前記送信共分散行列の固有ベクトルである、
    請求項22に記載の記憶媒体。
  24. 前記一部の領域は、
    前記固有値分解の対象となる前記無線リソース領域のうち最もチャネルの電力が高い領域である、
    請求項22に記載の記憶媒体。
  25. 前記初期ベクトルは、
    前記固有値分解の対象となる無線リソース領域を複数併せた領域に関するチャネル情報に基づいて計算される固有ベクトルである、
    請求項21に記載の記憶媒体。
  26. 前記固有ベクトルは、
    前記固有値分解の対象となる前記無線リソース領域を複数併せた領域のなかで平均化された送信共分散行列の固有ベクトルである、
    請求項25に記載の記憶媒体。
  27. 前記初期ベクトルは、
    前記他の無線局が選択したプリコーダに基づいて、所定のテーブルを参照して決定される、
    請求項21に記載の記憶媒体。
  28. 前記テーブルは、
    システムで定義されたプリコーダを、前記無線局のアンテナの数に対応するように補正したプリコーダである、
    請求項27に記載の記憶媒体。
  29. 前記チャネル情報は、
    前記無線局が推定したチャネル行列である、
    請求項21に記載の記憶媒体。
  30. 前記チャネル情報は、
    前記他の無線局が選択したプリコーダである、
    請求項21に記載の記憶媒体。
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