JPWO2017115455A1 - 水処理システム、水処理方法および水製造方法 - Google Patents

水処理システム、水処理方法および水製造方法 Download PDF

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Abstract

中空糸膜ろ過モジュールを用いて水処理を行うに際し、ろ過処理の効率化と膜の閉塞の低減化とを実現し、且つ空気逆洗などによる洗浄効果も向上できるようにする。一端が固定されていない中空糸膜束を用いて原水のろ過処理を行うに先立って、原水の濁度を計測し、当該計測された濁度に基づいて調整した量の無機凝集剤を添加する。これにより、フロックを好ましいサイズに形成することで、ろ過処理の効率化と膜の閉塞の低減化とを実現し、且つ洗浄効果も向上できるようになる。

Description

本発明は、水処理システム、水処理方法および水製造方法に関し、詳しくは河川水や地下水などの原水を処理し、工業用水等として再利用するために好適な技術に関するものである。
河川水や地下水などの原水を処理するシステムとして、中空糸膜ろ過モジュールを利用するものがある。中でも、特許文献1に開示された中空糸膜ろ過モジュールは、一端(上端)が容器に固定される一方、他端(下端)が固定されていない、多数の中空糸膜からなる中空糸膜束を用いる「片端フリー」と称される構造を採用することで、両端が固定された中空糸膜束を用いるものに比べ、優れた特徴を有している。すなわち、エアースクラビングを適用して中空糸膜面にある堆積物を除去する洗浄処理を行う場合、中空糸膜の非固定端側が自由に動くために、堆積物質を剥離させる効果が高いのである。また、特許文献1の中空糸膜ろ過モジュールでは、中空糸膜束の固定側から中空糸膜束の長手方向に向かって延在する整流管を備えることで、洗浄時における中空糸膜同士の絡み合いや、それによる中空糸膜の切断、あるいは中空糸膜の固定端側の応力集中に起因した中空糸膜の折損が防止されるという効果も得られる。
一方、濁度の高い原水を処理するために、無機凝集剤を添加し、これを中空糸膜ろ過モジュールによる処理と組み合わせることがある。効果的な水処理を行うには無機凝集剤を高濃度に添加することが有効であると考えられるところ、高濃度の無機凝集剤はそれ自体が膜ファウリングや閉塞の原因となり得ることから、効率的な中空糸膜によるろ過処理(以下、単にろ過処理という)を行えなくなったり、中空糸膜の寿命を短くしたりする懸念があった。そのため、ろ過処理と組み合わせる場合、無機凝集剤の濃度ないし添加量は低く抑えられているのが一般的である。
特許第3686225号公報 国際公開WO2013/099857号公報
しかしながら、本発明者が鋭意検討したところ、無機凝集剤が低濃度であると凝集物(以下、フロックという)のサイズは一般に小さくなり、かえって中空糸膜の孔を閉塞しやすくなることや、フロックが中空糸間に容易に入り込んで滞留することで、エアースクラビングによる洗浄効果が減殺されることがわかった。
よって本発明は、中空糸膜ろ過モジュールを用いて水処理を行うに際し、ろ過処理の効率化と膜の閉塞の低減化とを実現し、且つ洗浄効果も向上できるようにすることを目的とする。
そのために、本発明の一形態では、一端が固定されていない中空糸膜束により原水を処理する水処理システムにおいて、中空糸膜束によるろ過処理を行うに先立って、原水の濁度を計測する濁度計測部と、当該計測された濁度に基づいて調整した量の無機凝集剤を添加する凝集剤添加部と、を備える。
また、本発明の他の形態では、一端が固定されていない中空糸膜束により原水を処理する水処理方法において、中空糸膜束によるろ過処理を行うに先立って、原水の濁度を計測する工程と、当該計測された濁度に基づいて調整した量の無機凝集剤を添加する工程と、を備える。
さらに、本発明の別の形態は、原水の濁度を計測する工程と、当該計測された濁度に基づいて調整された量の無機凝集剤を添加する工程と、当該無機凝集剤が添加された原水を、一端が固定されていない中空糸膜束によりろ過処理する工程と、備える水製造方法に存する。
本発明によれば、一端が固定されていない中空糸膜束を用いて原水のろ過処理を行うに先立って、原水の濁度を計測し、当該計測された濁度に基づいて調整した量の無機凝集剤を添加する。これにより、フロックを好ましいサイズに形成することで、ろ過処理の効率化と膜の閉塞の低減化とを実現し、且つ洗浄効果も向上できるようになる。
本発明に適用可能な中空糸膜ろ過モジュールの一例を、一部破断して示す側面図である。 図1の中空糸膜ろ過モジュールを用いた、本発明水処理システムの一実施形態を模式的に示すブロック図である。 図2の水処理システムを作動させるための制御系の概略を示すブロック図である。 図3の制御系による水処理システムの制御手順の一例を示すフローチャートである。 原水に添加する無機凝集剤の種類や濃度を異ならせて用意した5つの試料に対する、ろ過処理後の透水性を比較した結果を示すグラフである。 図5Aのうちの1つの試料について、原水に添加する無機凝集剤の濃度を異ならせて用意した3つの試料に対する、ろ過処理後の透水性を比較した結果を示すグラフである。 濁度25の原水に対して添加する無機凝集剤の濃度と透水性との関係を計測した結果を示すグラフである。 原水に添加する無機凝集剤の種類や濃度を異ならせて用意した5つの試料に対する、洗浄後のろ過性能の回復性を比較した結果を示すグラフである。 図7Aのうちの1つの試料について、原水に添加する無機凝集剤の濃度を異ならせて用意した3つの試料に対する、洗浄後のろ過性能の回復性を比較した結果を示すグラフである。 無機凝集剤として硫酸バンドを添加する場合の濃度とSDI値との関係を示す説明図である。 原水の濁度と無機凝集剤の好ましい濃度との関係を示す説明図である。
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は以下に述べる実施の態様に限定されるものではない。
(定義)
なお、本明細書および特許請求の範囲において、原水とは、河川水、湖沼水、地下水、処理後の各種排水などを言い、濁りを除去することで工業用水などとして再利用可能なものを言う。
また、濁度とは、JIS K 0101に規定される水の濁りの程度を表す指標であり、精製水1L(リットル)に対して標準物質であるカオリンまたはホルマジン1mgを均一に分散させたときの懸濁液の濁り(「濁度1度」と定義される)と試料(原水)とを比較することで決定されたものを言う。以下の実施形態では標準物質としてカオリンを用い、単に「濁度50」の如く標記するが、標準物質としてホルマジンを用いることができることは勿論である。
さらに、無機凝集剤にはアルミニウム系や鉄系のものが含まれ、以下の実施形態では硫酸バンド(硫酸アルミニウム)および塩化第二鉄を用いる場合を例示するが、その他、アルミニウム系のものとしてPAC(ポリ塩化アルミニウム)など、また鉄系のものポリ硫酸第二鉄など)を用いることができる。
(水処理システムの実施形態)
図1は、本発明水処理システムに適用可能な中空糸膜ろ過モジュールの一例を一部破断して示す側面図である。図1において、全体を符号100で示す中空糸膜ろ過モジュール(以下、単にろ過モジュールという)は、多数の中空糸膜からなる、精密ろ過膜または限外ろ過膜とすることができる中空糸膜束1を収容した容器3を有する。ここで、各中空糸膜の一端側(図1の下端側)は封止されるとともに、容器3には固定されていない自由端となっている。一方、各中空糸膜の他端側(図1の上端側)は開口されるとともに、固定部材6によって容器3に固定された固定端となっている。すなわち、中空糸膜束1は、各中空糸膜の固定端側の開口状態を保ったまま収束されて固定され、ろ過された水が当該固定端側の開口から出て行くように容器3に収容されている。
容器3の下端部すなわち中空糸膜束1の自由端側の端部は、原水を導入するための原水導入部7として形成されており、そこには圧縮空気を導入するための空気導入部9が接続されている。一方、容器3の上端部すなわち中空糸膜束1の固定端側の端部は、ろ過処理された水(以下、処理水という)を排出するための処理水導出部11として形成されており、さらに容器3の上端近傍には排気部13が設けられている。なお、図には示されていないが、特許文献1に記載されているように、中空糸膜束1の固定端側から自由端側に向かって延在するように、中空糸膜束1の中心近傍に整流管を配置することができる。
原水は、原水導入部7から容器3内に導入され、中空糸膜束1を通過することでろ過処理され、処理水は導出部11を介して流出する。一方、空気導入部9を介して圧縮空気を容器3内に導入し、容器3の内部に流体の運動を生じさせることで、中空糸膜束1の洗浄(エアースクラビング;以下、空気逆洗ともいう)が行われる。特許文献1に記載されたように、整流管が設けられていれば、空気逆洗時における中空糸膜同士の動きが抑制され、絡みが防止される。なお、空気逆洗時に導入された空気は排気部13を介して排出される。
図2は、図1のろ過モジュール100を用いた、本発明水処理システムの一実施形態を模式的に示す。このシステムには複数(図示の例では4基)のろ過モジュール100が配設され、原水導入部7および空気導入部9は、それぞれ、原水配管70および空気配管90に共通に接続されている。原水は、ポンプ72により原水配管70および原水導入部7を介して、各ろ過モジュール100に対し例えば0.1MPa(ゲージ圧)の圧力で供給される。一方、空気逆洗に際しては、圧縮空気供給源(空気圧縮機など)92から空気配管90および空気導入部9を介して、各ろ過モジュール100に0.1MPa以上の圧縮空気が導入される。なお、本実施形態では、原水導入部7はろ過モジュール100のドレン抜き部に兼用されており、原水配管70の終端側はドレン排出管76となっている。
ろ過モジュール100の処理水導出部11および排気部13は、それぞれ、処理水配管110および排気管130に共通に接続されている。すなわち、ろ過モジュール100の中空糸膜束1を通過することでろ過処理された処理水は、導出部11から処理水配管110を介して導出され、例えば工業用水として利用される。また、排気管130の終端はドレン排出管76に接続されている。
原水配管70の終端のドレン排出管76、空気配管90、処理水配管110および排気管130には、それぞれ、開閉弁形態のバルブ74、94、114および134が介挿されている。これらのバルブは、ろ過処理時および空気逆洗時等において適宜制御され、各配管の流路を開放/閉鎖することが可能である。また、原水配管70および処理水配管110にそれぞれ圧力センサ78および118を配設することができ、例えば原水の導入側と導出側との圧力差を検出することで、中空糸膜の性能低下等の判断に供することができる。
さらに、原水配管70には、ろ過モジュール100に原水を分配するに先立って濁度を計測する濁度計測器202と、計測された濁度に基づいて無機凝集剤を原水に添加する凝集剤添加装置204と、が配設される。これらは本実施形態の特徴をなす構成要素であるが、適宜の形態のものを使用できる。例えば、濁度計測器202はJIS K 0801に準拠した濁度自動計測器を使用できるが、計測した濁度の情報を後述するコントローラなどに提示できるものであることが好ましい。また、凝集剤添加装置204は、無機凝集剤の貯留部と、後述するコントローラなどの指示に応じた量の無機凝集剤を原水配管70中に投入する投入部と、を備えることが好ましい。
(水処理システムの制御)
図3は図2に示したシステムの構成に対して適用可能な制御系の構成例を示すブロック図である。図示の制御系は、図4について後述する制御手順を実行するCPU、その制御手順に対応するプログラムを格納したROMおよび作業用のRAMなどを有するコントローラ200を中心に構成されている。コントローラ200の制御対象はバルブ74,94,114,134、ポンプ72、圧縮空気供給源(空気圧縮機など)92および凝集剤添加装置204の投入部であり、これらはそれぞれ駆動部212、214、216および218を介して駆動される。また、コントローラ200に対しては、濁度計測器202の計測情報が入力されるとともに、空気逆洗などによる洗浄タイミングを規定する洗浄タイミング規定部220からの情報が入力される。
空気逆洗は時間に基づいて実施することができ、例えば15〜30分毎のタイミングで行うことができる。従って、洗浄タイミング規定部220は、時間の管理を行うタイマユニットを有するものとすることができる。しかしその他の条件、中空糸膜束1の性能低下を判断して空気逆洗が行われるようにしてもよく、その場合には、洗浄タイミング規定部220を例えば圧力センサ78および118の検出値を比較するコンパレータなどを有するものとすることができる。また、ろ過モジュール100内に次亜塩素酸ナトリウムなどの薬品を適宜投入して行う薬品洗浄を組み合わせることもできる。薬品洗浄のタイミングについても、例えば時間に基づいて実施することができ、例えば1〜2日毎のタイミングで行うことができる。
図4は、図3の制御系を用いた、図2の水処理システムの制御手順の一例を示す。本手順が起動されると、まずステップS1にてバルブ114を開、バルブ74、94および134を閉とした後、ステップS3にてポンプ72を駆動する。これらにより、原水配管70から各ろ過モジュール100への原水の流れ、および各ろ過モジュール100から処理水配管110を介した処理水の流れが確立されるとともに、空気配管90、ドレン排出管76および排気管130が閉塞される。そして、ステップS5では濁度計測器202により原水の濁度を計測し、ステップS7では凝集剤添加装置204を駆動することで、濁度および処理対象である原水の流量に応じて適切に定めた量の無機凝集剤を投入する。これにより、無機凝集剤が添加された原水がろ過モジュール100に流入する。この過程で原水に含まれる不純物が凝集するが、無機凝集剤の濃度が適切に調整されることでフロックが好ましいサイズに形成され、中空糸膜の孔の閉塞や中空糸間の滞留が生じにくいものとなる。なお、濁度の計測およびそれに応じた無機凝集剤添加量の調整は、常時行うのではなく、適宜のタイミングで行うようにしてもよい。
次に、ステップS11では空気逆洗による洗浄タイミングとなったか否かを判定し、否定判定であればステップS5に復帰する一方、肯定判定であればステップS13に進み、バルブ114を閉、バルブ74、94および134を開とする。これにより、原水配管70から各ろ過モジュール100への原水の流れ、および各ろ過モジュール100から処理水配管110を介した処理水の流れが阻止されるとともに、空気配管90、ドレン排出管76および排気管130を介した流路が確立される。
ステップS15では凝集剤添加装置204の駆動を停止し、ステップS15にて空気圧縮機92を駆動する。これにより、圧縮空気が空気配管90を介してろ過モジュール100に供給されることで、中空糸膜束1の空気逆洗が行われる。この空気逆洗によって容器3内で浮遊しているフロックや中空糸膜束1から剥離したフロックを含む流体は、排気部13から排気管130を介してドレン排出管76に移送される。また、本実施形態では、容器3の下端側の原水導入部7はドレン排出口を兼ねているため、空気逆洗時にもポンプ72を駆動しておくことで、原水導入部7に沈降したフロックをドレン排出管76に移送することができる。
空気逆洗による洗浄を行う期間についても時間で管理することができ、ステップS19で洗浄が終了したことが判定されると、ステップS21で空気圧縮機92の駆動を停止する。そしてステップS1に復帰することで、通常の水処理が再開される。なお、図4には示されていないが、薬剤洗浄を実施する処理ステップが付加されていてもよい。
(無機凝集剤の添加量について)
本発明者は、以下に示すような様々な実験を通じ、ろ過処理の効率化と膜の閉塞の低減化とを実現し、且つ洗浄効果も向上できるようにするための無機凝集剤の適切な添加量について検討を行った。
まず、図5A、原水に添加する無機凝集剤の種類や濃度に応じた、ろ過処理後の透水性を比較した実験結果を示すグラフである。実験には、次の5つの試料、すなわち、
試料1:無機凝集剤を添加していない原水(濁度25)、
試料2:硫酸バンドを5ppm添加した原水、
試料3:硫酸バンドを10ppm添加した原水、
試料4:塩化第二鉄を5ppm添加した原水、および
試料5:塩化第二鉄を10ppm添加した原水、
を用意した。そして、図1に示したような構造を有するろ過モジュールであるクラレアクア株式会社製のピューリア(登録商標)GSの中空糸膜を切断し、総面積が0.0152m2となるようにその数本を自由端端部と反対側において束ねたものを試験用のろ過膜として使用した。そのろ過膜に0.1MPaの圧力で原水を供給した。
図5Aの縦軸は処理水の流量を示し、膜1m2、1時間当たり何L(リットル)の処理水が得られたかを示している。このグラフから、原水に無機凝集剤を添加するほうが透水性は良好となり、膜の閉塞がない効率的なろ過処理が可能となること、また、無機凝集剤の添加率(濃度)は高いほうがより効率的となるとの知見が得られた。そしてこのことは、フロックが好ましいサイズに形成されていることに由来するものと考えられる。
そこで本発明者は、無機凝集剤として硫酸バンドを選択し、試料3に加え、
試料3−2:硫酸バンドを15ppm添加した原水、および
試料3−3:硫酸バンドを25ppm添加した原水、
を用意し、同様にして透水性を検証した。図5Bはその実験結果を示すグラフである。このグラフから、試料3よりも無機凝集剤の添加率(濃度)が高い試料3−2のほうが透水性は高いが、さらに高濃度に無機凝集剤を添加した試料3−3ではかえって透水性が低くなることがわかった。
本発明者はさらに、原水(濁度25)に対して硫酸バンドの添加率を変化させて透水性を検証する実験を行った。この実験で用いた原水は、下記の範囲内の水質を有していた。
pH:5.4〜7.8
SS:20〜380mg/L
色度:30〜50
電気伝導度:1.80〜5.34mS/cm
塩分:0.3%
Ca:250〜870mg/L
SiO:7mg/L
NH :0.2〜0.7mg/L
CaCO:150〜200mg/L
図6はその実験結果を示すグラフである。この結果から、無機凝集剤を適切な濃度となるように添加すること、すなわち硫酸バンドを使用する場合、原水に対し15ppm程度の濃度となるように添加することが、透水性を良好にする上で好ましいことを確認した。
一方、本発明者は、無機凝集剤の濃度に応じた洗浄効果を確認する実験を行った。実験ではまず、上記試料1〜5を上記と同じろ過モジュールに対し50Lを供給した後、物理洗浄(空気逆洗)および(薬品洗浄)を行った。
図7Aは、洗浄後にどこまで膜の性能が回復したかを、供給前の透水性を100%としたときの流量比にて示したグラフである。このグラフから、原水に無機凝集剤を添加するほうが概して回復性は良く、図5Aに示した透水性も勘案すれば、無機凝集剤を10ppm以上の濃度で添加することが好ましいとの知見が得られた。そしてこのことも、フロックが好ましいサイズに形成されていることに由来するものと考えられる。
そこで本発明者は、無機凝集剤として硫酸バンドを選択し、試料3、試料3−2および試料3−3を用意し、同様に回復性を検証した。図7Bはその実験結果を示すグラフである。このグラフから、硫酸バンドを使用する場合、濁度25の原水に対し15ppm程度の濃度(例えば、12.5〜17.5ppmの範囲)となるように添加することが、洗浄後の回復性の観点からも好ましいことが確認された。本発明においてこのような濃度の無機凝集剤を用いることは、上記の水質を有する原水の処理において特に好適である。
さらに本発明者は、特許文献2の明細書に記載されている方法に従って、米国ASTMD 4189の規定に準じて、硫酸バンドを添加したときの原水の濁質成分量(SDI(Silt Density Index)値)を評価する実験を行った。
図8はその結果を示している。一般に、水はSDI値が3〜4以下となるように処理されることが必要とされているが、硫酸バンドを添加した場合、「×」で示すUF(限外ろ過膜)処理した場合よりも優れたSDI値となっていることが確認された。
加えて、本発明者は、種々の濁度に対し、透水性および洗浄後の回復性の観点から好ましい無機凝集剤(硫酸バンド)の濃度を求める実験を行った。
図9はその結果を示しており、この結果から、濁度と、好ましい無機凝集剤の添加量とには概ね線形の関係があることが確認された。図9の場合には、ほぼ
無機凝集剤添加量(ppm)=0.45×濁度+5
の式で表される関係となっている。従って、図2および図3に示した水処理システムに適用するにあたっては、濁度計測器202によって計測された濁度に対し、処理する原水の流量に応じた濃度が得られる量の無機凝集剤が添加されるように、図4のステップS7にて凝集剤添加装置204を制御すればよいことになる。なお、好ましい量の無機凝集剤を添加するに際しては、例えば、濁度、添加量および原水の流量を予めテーブル化したものをコントローラ200のROM等に格納しておき、このテーブルを参照するようにすることができる。あるいは、コントローラ200のCPUが、濁度に基づき上式に従って好ましい濃度ひいては添加量を算出するものであってもよい。
(その他)
なお、本発明は、以上の実施形態および随所に述べた変形例に限られるものではない。例えば、無機凝集剤として硫酸バンドを添加する場合について好ましい濃度を具体的に説明したが、これは単に例示であって、PAC、あるいは鉄系の無機凝集剤である塩化第二鉄やポリ硫酸第二鉄などを用いる場合にも同様に適切な添加量を定め得ることは勿論である。また、中空糸膜の諸元(中空糸自体の径や孔径など)に応じ、あるいは、ろ過システムの使用条件や環境条件(水温など)に応じ、用いる無機凝集剤の種類や濃度ないしは添加量を定め得ることも勿論である。
加えて、上述の実施形態では、濁度の計測および無機凝集剤の添加を自動で行う水処理システムを例示したが、水処理方法または水製造方法に具現化される本発明の趣旨に照らし、少なくとも一部を操作者の指示または操作に従って行われるものであってもよい。また、本発明に従って処理された水は、工業用水等として直接的に利用されるものであってもよいし、付加的な処理が施されるものであってもよい。

Claims (7)

  1. 一端が固定されていない中空糸膜束により原水を処理する水処理システムにおいて、
    前記中空糸膜束によるろ過処理を行うに先立って、原水の濁度を計測する濁度計測部と、
    当該計測された濁度に基づいて調整した量の無機凝集剤を添加する凝集剤添加部と、
    を備えたことを特徴とする水処理システム。
  2. 前記濁度計測部によって計測された濁度がX度(カオリン)であるとき、前記凝集剤添加部は次式で定まる濃度Y(ppm)
    Y=0.45×X+5
    が得られるように前記無機凝集剤の添加を行うことを特徴とする請求項1に記載の水処理システム。
  3. 前記中空糸膜束は精密ろ過膜または限外ろ過膜であることを特徴とする請求項1または2に記載の水処理システム。
  4. 前記無機凝集剤として硫酸アルミニウムが用いられることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の水処理システム。
  5. さらに、0.1MPa以上の圧力で圧縮空気を導入することにより前記中空糸膜束の洗浄が行われることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の水処理システム。
  6. 一端が固定されていない中空糸膜束により原水を処理する水処理方法において、
    前記中空糸膜束によるろ過処理を行うに先立って、原水の濁度を計測する工程と、
    当該計測された濁度に基づいて調整した量の無機凝集剤を添加する工程と、
    を備えたことを特徴とする水処理方法。
  7. 原水の濁度を計測する工程と、
    当該計測された濁度に基づいて調整された量の無機凝集剤を添加する工程と、
    当該無機凝集剤が添加された原水を、一端が固定されていない中空糸膜束によりろ過処理する工程と、
    を備えたことを特徴とする水製造方法。
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