図1は、キャリアアグリゲーション(CA)の説明図である。図1に示すように、LTE Rel.12までのCAでは、所定の帯域幅(例えば、LTE Rel.8の帯域幅)を基本単位とするコンポーネントキャリア(CC)が最大5個(CC#1−CC#5)束ねられる。すなわち、LTE Rel.12までのCAでは、UEあたりに設定可能なCC数は、最大5個に制限される。
一方、LTE Rel.13のCAでは、6個以上のCCを束ねて、更なる帯域拡張を図ることが検討されている。すなわち、LTE Rel.13のCAでは、UEあたりに設定可能なCC(セル)数を6個以上に拡張すること(CA enhancement)が検討されている。例えば、図1に示すように、32個のCC(CC#1−CC#32)を束ねる場合、最大640MHzの帯域を確保可能となる。
このように、UEあたりに設定可能なCC数を拡張することにより、より柔軟かつ高速な無線通信を実現することが期待されている。また、このようなCC数の拡張は、ライセンスバンドとアンライセンスバンドとの間のCA(例えば、LAA)による広帯域化に効果的である。例えば、ライセンスバンドの5個のCC(=100MHz)とアンライセンスバンドの15個のCC(=300MHz)とを束ねる場合、400MHzの帯域を確保可能となる。
既存システム(LTE Rel.8−12)では、UEからネットワーク側の装置(例えば、無線基地局(eNB:eNode B))に対して、上り制御情報(UCI:Uplink Control Information)を上り制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)でフィードバックする。UEは、上りデータ送信がスケジューリングされるタイミングでは、UCIを上り共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)で送信してもよい。無線基地局は、受信したUCIに基づいて、UEに対するデータの再送制御や、スケジューリングの制御を実施する。
このように、LTEシステムでは、複数のCC(セル、キャリア)を用いたユーザ端末と無線基地局の無線通信において再送制御がサポートされている。ユーザ端末は、無線基地局から送信されるDL送信に対して送達確認信号(HARQ−ACK:Hybrid Automatic Repeat Request Acknowledgement、ACK/NACK:ACKnowledgement/Negative ACKnowledgement、A/Nとも呼ぶ)を無線基地局へフィードバックする。ACK/NACKは、ACKとNACKを示すビットで構成される所定の長さのビット列で構成される。
HARQ−ACKをフィードバックする方法としては、上り制御チャネル(PUCCH)を用いたフィードバック(UCI on PUCCH)と、上り共有チャネル(PUSCH)を用いたフィードバック(UCI on PUSCH)と、が規定されている。例えば、ユーザ端末は、PUCCH−PUSCH同時送信が設定されておらず、A/N送信タイミングでULデータの送信が指示されている場合、PUSCHを用いてA/Nを送信する。一方、ユーザ端末は、上りユーザデータが存在しない場合、PUCCHを用いてA/Nを送信する。
また、LTEシステムでは、ユーザ端末がA/Nを上り制御チャネルで無線基地局に送信するために複数のPUCCH formatが規定されている。例えば、PUCCH format 1a/1bが設定されたユーザ端末は、PDSCHをスケジューリングする制御チャネル(PDCCH/EPDCCH)のCCE/ECCE(Control Channel Element/Enhanced CCE)インデックスに対応するPUCCHリソースで、A/Nについて符号化せずに送信する。
また、PUCCH format 3が設定されたユーザ端末は、上位レイヤシグナリングで設定された4つのリソースのうち、ARI(Ack/nack Resource Indicator)が指定するいずれか1つのPUCCHリソースを利用してA/Nを送信する。この場合、ユーザ端末は、SCellの下り制御情報に含まれるTPC(Transmit Power Control)フィールド(TPCコマンドビット)をARIとして読み替えることができる。
無線基地局は、異なるSCellのPDSCHをスケジューリングするPDCCH、EPDCCH間でARIの値を同一に設定してユーザ端末に送信することができる。PUCCH format 3においては、FDD(Frequency Division Duplex)を用いる場合には最大10ビット、TDD(Time Division Duplex)を用いる場合には最大21ビットのA/Nコードブックサイズが設定され、A/Nのために用いられる。
既存のLTEシステムでは、PUCCHで送信するHARQ−ACKのコードブック(ACK/NACKビット列)サイズは、上位レイヤシグナリングで通知される情報に基づきsemi−static(準静的)に決定される。
FDDを用いる場合には、RRCシグナリングで設定(Configure)されるCC数と、各CCにおいてMIMO(Multiple Input Multiple Output)の適用可否を示すTM(Transmission Mode)に基づいて、全体のA/Nビットサイズが確定される。ユーザ端末は、あるDLサブフレームで少なくとも1つのSCellでDL割当て(DL assignment)を検出した場合に、所定期間(例えば、4ms)後のULサブフレームで設定された全てのCCのA/Nをフィードバックする。
TDDを用いる場合には、上述したFDDを用いる場合に加え、1ULサブフレームあたりのA/Nの対象となるDLサブフレーム数に基づいて、PUCCHで送信するA/Nビット列全体のサイズが確定される。TDDを適用するユーザ端末は、バンドリングウィンドウで少なくとも1つのDL割当てを検出した場合、所定期間(例えば、(n+k)ms)後のULサブフレームのPUCCHを用いて設定された全てのCCにおけるA/Nをフィードバックする。
バンドリングウィンドウ(Bundling window)とは、あるULサブフレームでA/Nフィードバックを行うDLサブフレーム(特別サブフレームを含む)のグループを指す。バンドリングウィンドウは、TDDのUL/DL構成によりそれぞれ規定されている(図2A参照)。TDDを利用して通信を行うユーザ端末は、バンドリングウィンドウに基づいて、所定のサブフレームで送信されるDL信号のA/Nを所定のULサブフレームで送信するように制御する。
例えば、UL/DL構成2を適用する場合、ULサブフレーム#2に対応するバンドリングウィンドウ(DLサブフレーム)は、DLサブフレーム#4、#5、#8、特別サブフレーム#6で構成される(図2B参照)。また、ULサブフレーム#7に対するバンドリングウィンドウは、DLサブフレーム#9、#0、#3、特別サブフレーム#1で構成される。
例えば、ユーザ端末は、SF#4−#5、#8で少なくとも1つのDL割当て(DL assignment)を検出した場合に、ULサブフレーム#2において、設定された全CCのA/NをPUCCHでフィードバックする。つまり、ユーザ端末は、スケジューリング情報に含まれているスケジューリング対象のCC数や、サブフレーム数に関係なく上位レイヤシグナリングに基づいてA/Nビット列を送信する。
このように、上位レイヤシグナリングによって通知された情報に基づいてフィードバックするA/Nのビットサイズが決定される場合、ユーザ端末に実際にスケジューリングされたCC数に対応するA/Nビットサイズと異なる場合が生じる。したがって、既存システムのA/Nフィードバックを適用する場合、実際にスケジューリング(DL信号が送信)されるCCに対応するA/Nコードブックサイズと、上位レイヤシグナリングによって通知されるコードブックサイズが異なる場合でも、ユーザ端末はコードブックサイズを変更できない。
また、TDDでは、ユーザ端末は、PUSCH送信を指示するULグラントをサブフレームnで受信した場合、所定期間(例えば、(n+k)ms)後のULサブフレームでA/Nをフィードバックする。A/N送信をPUSCHで行う場合、設定された全てのCCについて、当該PUSCH送信を指示するULグラントに含まれるUL DAIで指定された数のサブフレーム分のA/Nをフィードバックする。
UL DAI(Downlink Assignment Indicator(Index))は、バンドリングウィンドウに含まれるサブフレームのうち、DL割当て(DL assignment)が送信される(DLデータがスケジューリングされる)サブフレーム数を示すインデックスである(図3B参照)。また、TDDでは、DL割当てが送信されたサブフレームの累積値を示すDL DAIも規定されている。DL DAIは、DL割当てに含まれてユーザ端末に通知され、バンドリングウィンドウに含まれるサブフレーム(DL割当てのあるサブフレーム)毎で異なるDL DAIが設定される(図3A参照)。
図3Aでは、バンドリングウィンドウのサブフレームのうち、DL割当てが送信されるSF#n、#n3、#4で異なるDL DAIが設定される場合を示している。また、DL DAIは、同一サブフレームの異なるCC間で同じ値を設定することができる。なお、バンドリングウィンドウのSF#n1〜#n4はUL/DL構成等により決定され、例えば、UL/DL構成2のULサブフレーム#2に対応するバンドリングウィンドウでは、SF#n1〜#n4は、それぞれSF#4−#6、#8に対応する。図3Bでは、所定のサブフレーム(例えば、SFn4)で送信されるULグラントにUL DAIが設定される場合を示している。
既存のLTEシステムにおいて、ユーザ端末は、PUCCHでA/N送信を行う場合、DL DAIの値に関わらずバンドリングウィンドウの全CC及び全サブフレームのA/Nをフィードバックする(空間バンドリング非適用時)。例えば、図3Aにおいて、ユーザ端末は、設定された全てのCC#0−#4と、バンドリングウィンドウの全てのSF#n1〜#n4に対応するACK/NACKを送信する。
また、ユーザ端末は、PUSCHでA/N送信を行う場合、UL DAIとDL DAIの値に基づいてDL割当てがあったサブフレームを把握し、DL割当てがあった各サブフレームで設定された全CCのA/Nをフィードバックする(空間バンドリング非適用時)。例えば、図3Aにおいて、ユーザ端末は設定された全てのCC#0−#4と、SF#n1、#n3、#n4に対応するACK/NACKを送信する。
一方で、上述したようにLTE Rel.13以降では、より柔軟かつ高速な無線通信を実現するために、ユーザ端末に設定可能なCC数の制限を緩和し、6個以上のCC(5個を超えるCC、たとえば最大32個のCC)を設定することが検討されている。設定されるCC数が拡張される場合、設定されるCC数と各サブフレームでスケジューリングされるCC数の差が大きくなることが想定される。設定されるCC数に対してDL信号がスケジューリングされるCC数が少ない場合に、従来のようにコードブックサイズをsemi−staticに決定すると、ユーザ端末から送信されるACK/NACKのほとんどがNACKであるような場合が生じる。
例えば、図4Aでは、ユーザ端末に32CCが設定され、実際にスケジューリングされるCC数が10個となる場合を示している。この場合には、全体のCC数(32CC)に比べて、実際にスケジューリングされるセルの数(10CC)が少なく、半分以上のCCがNACKとなる。
一般に、A/Nのコードブックサイズが小さいほど、ユーザ端末が送信する情報量は少なくなる。したがって、A/Nのコードブックサイズを小さくできれば、無線送信に際し要求される通信品質(SINR:Signal to Interference plus Noise power Ratio)を低く抑えることができる。例えば、最大5CCを用いるCAでも、ユーザ端末がフィードバックするA/NのコードブックサイズをスケジューリングされるCCに応じて小さくすることでA/Nの送信において要求されるSINRを低く抑えることができる。
このため、ユーザ端末がフィードバックするA/N(HARQ−ACK)のコードブックサイズを、スケジューリングされたCC数に応じてダイナミック(動的)に変更可能とすることが有効となる。ユーザ端末がフィードバックするA/Nのコードブックサイズを動的に変更可能とする場合、例えば、スケジューリングされたCC数等に応じて、ユーザ端末がA/Nのビット数を動的に変更することが考えられる。A/Nのビット数を動的に変更する方法としては、ユーザ端末が、下り信号(例えば、PDSCHをスケジューリングするPDCCH/EPDCCH)の検出数に基づき、A/Nのビット数を決定する方法が考えられる。
ところで、CAを適用したA/Nにおいて用いられるPUCCH format(例えばformat 3)においては、A/Nビット列に誤り訂正符号化(例えばブロック符号化)が適用されて送信される。このため、符号化を行うユーザ端末と、復号を行う無線基地局でコードブックサイズの認識が一致していなければ、無線基地局はユーザ端末からフィードバックされたACK/NACKを正しく復号することはできない。
例えば、ユーザ端末が、本来スケジューリングされたCC数と異なるCC数を認識するような検出ミスや誤検出が発生すると、無線基地局とユーザ端末でコードブック(ビット列)サイズの認識が一致しない事態が生じる(図4B参照)。図4Bでは、無線基地局がユーザ端末に対して8CCを利用したスケジューリング(DL信号の送信)を行っているが、ユーザ端末では5CC分のPDCCH/EPDCCH(スケジューリング情報)を検出する場合を示している。つまり、ユーザ端末は、3CC分のDL信号(例えば、PDCCH/EPDCCH)について検出ミスしている。
図4Bにおいてユーザ端末が検出したDL信号(CC数)に基づいてA/Nコードブックサイズを決定する場合、ユーザ端末は、検出した5CC分のA/Nビット列を無線基地局に送信する。そのため、無線基地局は正しく復号ができずA/Nビット列全体が影響を受けて、A/Nを用いたフィードバック品質が著しく劣化してしまう。
このように、ユーザ端末は、無線基地局から所定CCで送信されたDL信号を検出ミスした場合、当該無線基地局がDL信号を送信したCC数よりも少ないCC数の割当てと判断する。また、ユーザ端末は、無線基地局から送信されたDL信号を誤検出した場合、当該無線基地局がDL信号を送信したCC数より多いCC数の割当てと判断する。
PDCCH/EPDCCHの検出数に基づいてユーザ端末が送信するA/Nのコードブックサイズを決める方法は容易に適用することができるが、検出ミスや誤検出が発生すると、無線基地局とユーザ端末の間でコードブックサイズの認識がずれる。かかる場合、上述したようにA/Nに基づくフィードバック品質が劣化し、通信品質が劣化してしまうおそれがある。
そのため、スケジューリングされるCC数に応じてA/Nのビット列(HARQ−ACKコードブック)を適用制御するために、A/NをフィードバックするCCをユーザ端末に通知することが有効となる。そこで、本発明者等は、無線基地局が、A/NをフィードバックするCC(又は、CC数)を示す識別子を下り制御情報に含めてユーザ端末に通知する方法に着目した。A/NをフィードバックするCCを示す識別子は、HARQ−ACKコードブック識別子(HCI:HARQ-ACK Codebook Indicator)とも呼ぶことができる。
例えば、無線基地局は、あらかじめHARQ−ACKコードブックセットをユーザ端末に上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング等)で設定(Configure/pre-define)する。例えば、無線基地局は、各HARQ−ACKコードブックセットとして、ユーザ端末がA/NをフィードバックすべきCCの組み合わせを設定する(図5A、図5B参照)。図5A、図5Bでは、ユーザ端末にCC#0−#31が設定される場合のHARQ−ACKコードブックセットの一例を示している。
無線基地局は、当該コードブックセットの中からいずれのコードブックを用いるかを下り制御情報にHCIを含めてユーザ端末に指定する。ユーザ端末は、HCIで指定されたCCのA/Nビット列を生成してフィードバックする。
図5AのHARQ−ACKコードブックセットは、HCIで指定されたCCに対してユーザ端末がDL割当ての検出有無に関わらずA/Nフィードバックを行う場合(方法1)に好適に適用することができる。また、図5BのHARQ−ACKコードブックセットは、HCIで指定されたCCに対してユーザ端末がDL割当てを検出したCCを考慮してA/Nフィードバックを行う場合(方法2)に好適に適用することができる。
ユーザ端末が方法1を適用する場合のA/Nフィードバック方法の一例を図6に示す。ここでは、ユーザ端末にCC#0−#7が設定され、ユーザ端末は、HARQ−ACKコードブックセットが規定されたテーブル(図6D)に基づいてA/N送信を行うセルを判断する場合を示す。
図6Aでは、各CCでCC#0−#7を指定するHCI(HCI=0)が通知されるため、ユーザ端末はDL割当ての検出有無に関わらずCC#0−#7のA/Nをフィードバックする。図6Bでは、ユーザ端末はCC#0−#2でDL割当てを検出しているが、各CCでCC#0−#3を指定するHCI(HCI=1)が通知されるため、DL割当ての検出有無に関わらずCC#0−#3のA/Nをフィードバックする。図6Cでは、各CCでCC#0−#1を指定するHCI(HCI=2)が通知されるため、ユーザ端末はDL割当ての検出有無に関わらずCC#0−#1のA/Nをフィードバックする。
ユーザ端末が方法2を適用する場合のA/Nフィードバック方法の一例を図7に示す。ここでは、ユーザ端末にCC#0−#7が設定され、ユーザ端末は、HARQ−ACKコードブックセットが規定されたテーブル(図7F)に基づいてA/N送信を行うセルを判断する場合を示す。
図7Aでは、各CCでCC#0−#7を指定するHCI(HCI=0)が通知されるため、ユーザ端末はCC#0−#7のA/Nをフィードバックする。図7Bでは、各CCでCC#0−#3又はCC#4−#7を指定するHCI(HCI=1)が通知されており、ユーザ端末はCC#0−#2でDL割当てを検出している。このため、ユーザ端末におけるDL割当ての検出結果に基づいてCC#0−#3のA/Nをフィードバックする。図7Cでは、各CCでCC#0−#3又はCC#4−#7を指定するHCI(HCI=1)が通知されており、ユーザ端末はCC#4、#5、#7でDL割当てを検出している。このため、ユーザ端末におけるDL割当ての検出結果に基づいてCC#4−#7のA/Nをフィードバックする。
図7Dでは、各CCでCC#0−#1、#2−#3、#4−#5、又は#6−#7を指定するHCI(HCI=2)が通知されており、ユーザ端末はCC#0−#1でDL割当てを検出している。このため、ユーザ端末におけるDL割当ての検出結果に基づいてCC#0−#1のA/Nをフィードバックする。図7Eでは、各CCでCC#0−#1、#2−#3、#4−#5、又は#6−#7を指定するHCI(HCI=2)が通知されており、ユーザ端末はCC#4−#5でDL割当てを検出している。このため、ユーザ端末におけるDL割当ての検出結果に基づいてCC#4−#5のA/Nをフィードバックする。
このように、HCIを利用することにより、各DLサブフレームにおいてどのCCに対するA/Nフィードバックを行うかを動的に制御すると共に、ユーザ端末と無線基地局間のA/Nビット列(A/Nコードブック)サイズの認識を一致させることができる。
一方で、バンドリングウィンドウに基づいてA/Nフィードバックを制御するTDDにHCIを適用する場合、どのようにHCIを設定するか、ユーザ端末がどのようにA/Nビット数(A/Nビット列サイズ、A/Nコードブックサイズ)を決定するかが問題となる。
上述したように、TDDでは、一つのバンドリングウィンドウの中でサブフレーム毎にスケジューリングCCが変化し得る。例えば、FDDの場合と同様に、バンドリングウィンドウ内のサブフレーム毎にHCIの値を設定して、ユーザ端末が各サブフレームで送信されるHCIに基づいてA/N送信を行う場合を想定する(図8A参照)。図8Aでは、CC#0−#7が設定されたユーザ端末に対してバンドリングウィンドウのサブフレームにおけるDL割当て(DL DAI、HCI)の一例を示している。また、図8Bは、HARQ−ACKコードブックセット(A/N送信を行うCC)とHCIとの対応関係が規定されたテーブルの一例を示している。
図8Aでは、バンドリングウィンドウのSF#n1におけるCC#0−#7、SF#n3におけるCC#0−CC#3、SF#n4におけるCC#0、#1にDL信号がスケジューリングされる場合を示している。ここで、FDDと同様に、ユーザ端末がHCIに基づいて各サブフレームにおいてA/N送信を行うCCを決定する場合を想定する。
この場合、いずれかのSFでDL割当てを検出ミスした場合、ユーザ端末は検出ミスしたSFにおけるA/Nビット数を正確に認識できなくなる。例えば、図8Aにおいて、SF#n4のCC#0、#1においてDL割当てを検出ミスした場合、ユーザ端末は当該SF#n4のDL割当てを把握することが出来ず、無線基地局が想定するA/Nビット数と異なるビット数でA/Nを送信するおそれがある。これにより、ユーザ端末と無線基地局間でA/Nビット数の認識が一致しなくなるおそれがある。
そこで、本発明者等は、バンドリングウィンドウに含まれるサブフレーム毎に送信されるHCIを考慮して、当該バンドリングウィンドウにおいてHARQ−ACK送信を行うCC(A/Nフィードバックの対象となるCC)を決定することを着想した。つまり、バンドリングウィンドウにおいて送信される全てのHCIを考慮してA/N送信を行うCC(A/Nビット数)を決定することを着想した。
例えば、バンドリングウィンドウに含まれるSF毎に送信されるHCIの中で最大のHCIに基づいて、当該バンドリングウィンドウの全てのSFに対してA/N送信を行うCC(A/Nビット数)を決定することを見出した。かかる構成は、上記方法1を用いてA/Nを所定セル(例えば、PCell、PUCCH SCell)のPUCCHで送信する場合に好適に適用することができる。あるいは、バンドリングウィンドウに含まれるSF毎に送信されるHCIの中で最後にスケジューリングされたSFのHCIに基づいて、当該バンドリングウィンドウの全てのSFに対してA/N送信を行うCC(A/Nビット数)を決定するものとしてもよい。
また、バンドリングウィンドウに含まれるSF毎に送信されるHCIで一度でも指示されたCCを、当該バンドリングウィンドウの全てのSFに対してA/N送信を行うCCとしてA/Nビット数を決定することを見出した。かかる構成は、上記方法2を用いてA/Nを所定セル(例えば、PCell、PUCCH SCell)のPUCCHで送信する場合に好適に適用することができる。
また、バンドリングウィンドウに含まれるSF毎に送信されるHCIの中で最大のHCIに基づいて、当該バンドリングウィンドウに対してA/N送信を行うCCを決定し、UL DAI及び/又はDL DAIに基づいてA/N送信を行うSF(又は、SF数)を決定することを見出した。かかる構成は、上記方法1を用いてA/NをPUSCHで送信する場合に好適に適用することができる。
また、バンドリングウィンドウに含まれるSF毎に送信されるHCIとユーザ端末の検出結果に基づいて一度でも指示されたCCを、当該バンドリングウィンドウに対してA/N送信を行うCCとして決定し、UL DAI及び/又はDL DAIに基づいてA/N送信を行うSF(又は、SF数)を決定することを見出した。かかる構成は、上記方法2を用いてA/NをPUSCHで送信する場合に好適に適用することができる。
以下、本発明に係る実施形態について説明する。以下の説明では、ユーザ端末に設定されるCC数が8個(CC#0−#7)の場合を示すが、ユーザ端末に設定可能なCC数はこれに限られない。また、バンドリングウィンドウとして、4個のSFが設定される場合(例えば、UL/DL構成2のULサブフレーム2に対応するバンドリングウィンドウ)を例に挙げるが本実施の形態はこれに限られない。バンドリングウィンドウに含まれるSF数は4個に限られずUL/DL構成に応じて変更することができる。
また、以下に示す実施の形態では、A/Nフィードバックとして、PUCCHフォーマット3を利用する場合を想定するが、これに限られない。PUCCHフォーマット3より容量が大きい新規PUCCHフォーマットを利用することも可能である。また、スケジューリングを行うセルの数や配置、スケジューリングされるセルのインデックス、送信される信号についても以下の例に限られない。
また、以下に示す実施の形態では、HCIを用いてTDDにおけるA/Nフィードバック方法として、DL割当ての検出有無に関わらずHCIによりA/Nコードブックを決定する方法1と、HCIとDL割当ての検出CCによりA/Nコードブックを決定する方法2を例に挙げて説明するが、これに限られない。また、方法1の適用する場合は、図6Dのテーブルを利用し、方法2を適用する場合は、図7Fのテーブルを利用する場合を示すが、適用可能なテーブルはこれに限られない。
(第1の態様)
第1の態様では、バンドリングウィンドウに含まれるサブフレーム毎に送信されるHCIを考慮して、A/Nコードブックを決定して所定セルのPUCCHでフィードバックする場合について説明する。以下の説明では、HCIによりA/Nコードブックを決定する方法1と、HCIとDL割当ての検出CCによりA/Nコードブックを決定する方法2を例に挙げて説明する。
また、方法1の適用する場合は、図6Dのテーブルを利用し、方法2を適用する場合は、図7Fのテーブルを利用する場合を示すが、適用可能なテーブルはこれに限られない。なお、方法1に適用する構成と方法2に適用する構成はそれぞれ組み合わせて利用することができる。
<方法1>
ユーザ端末は、バンドリングウィンドウに含まれるSFで送信されるHCIのうち最大のHCIで指示されるCCに対するA/Nを、全てのSF分フィードバックする。最大のHCIとは、A/N送信を指示するCC数が最大のHCIを指し、図6Dのテーブルの場合はHCIの値が“0”が最大のHCIとなる。
無線基地局は、HCIを下り制御情報(例えば、DL DAI等を含めるDL割当て等)に含めてユーザ端末に通知することができる。そのため、バンドリングウィンドウのSFの中でHCIが送信されるのは、DL割当てが送信(例えば、DLデータがスケジューリング)されるSFとすることができる。また、無線基地局は、あるサブフレームにおいて、DL割当てを送信するCCが複数存在する場合には、DL DAI、UL DAI、HCIを複数CC間で共通の値に設定してユーザ端末に送信することができる。
図9にバンドリングウィンドウのSF(DL割当てが送信されるSF)毎に送信されるHCIの中で最大のHCIに基づいて、A/N送信を行うCCを決定する場合の一例を示す。図9Aは、バンドリングウィンドウに含まれるSF#n1−#n4のうち、SF#n1、#n3、#n4においてそれぞれ所定CCでDL割当てが送信される場合を示している。具体的には、SF#n1においてCC#0−#7、SF#n3においてCC#0−#3、SF#n4においてCC#0−#1でDL割当てがそれぞれ送信される。
この場合、無線基地局は、SF#n1の各CCに対するDL割当てに、所定のDL DAI(=0)と、HCI(=0)を含めてユーザ端末に通知する。同様に、無線基地局は、SF#n3CC#0−#3に対するDL割当てに所定のDL DAI(=1)と、HCI(=1)を含め、SF#n4のCC#0−#1に対するDL割当てに所定のDL DAI(=2)と、HCI(=2)を含めてユーザ端末に通知する。
ユーザ端末は、各SF#n1、#n3、#n4で送信されるHCIの中で最大のHCI(ここでは、CC#0−#7を指定するHCI=0)に基づいて、A/N送信を行うCC数をCC#0−CC#7に決定する。また、ユーザ端末は、決定したCC#0−#7に対して、全てのSF#n1、#n2、#n3、#n4におけるA/Nビットを生成してフィードバックする(空間バンドリング非適用時)。
図9Bは、バンドリングウィンドウに含まれるSF#n1−#n4のうち、SF#n1、#n3、#n4においてそれぞれ所定CCでDL割当てが送信される場合を示している。具体的には、SF#n1においてCC#0−#3、SF#n3おいてCC#0−#3、SF#n4においてCC#0−#1でDL割当てがそれぞれ送信される。
この場合、無線基地局は、SF#n1のCC#0−#3に対するDL割当てに、所定のDL DAI(=0)と、HCI(=1)を含めてユーザ端末に通知する。同様に、無線基地局は、SF#n3のCC#0−#3に対するDL割当てに所定のDL DAI(=1)と、HCI(=1)を含め、SF#n4のCC#0−#1に対するDL割当てに所定のDL DAI(=2)と、HCI(=2)を含めてユーザ端末に通知する。
ユーザ端末は、各SF#n1、#n3、#n4で送信されるHCIの中で最大のHCI(ここでは、CC#0−#3を指定するHCI=1)に基づいて、A/NK送信を行うCC数をCC#0−CC#3に決定する。また、ユーザ端末は、決定したCC#0−#3に対して、全てのSF#n1−#n4におけるA/NビットをフィードバックするようにA/Nを生成する。
このように、ユーザ端末が最も多くのCC数を指定する最大のHCIに基づいてA/N送信を行うCC(A/Nビット数)を決定する場合、一部のSF及び/又はCCで検出ミスが発生しても最大のHCIが指定するいずれかのCCで検出することによりA/Nビット数を決定することができる。HCIが最大のSFでは、多くのCCがスケジューリングされることが考えられるため、かかる場合に全てのCCでDL割当てを検出ミスする可能性は低い。このため、最大のHCIに基づいてA/N送信を行うCC(A/Nビット数)を決定することにより、ユーザ端末と無線基地局間でA/Nコードブックサイズの認識不一致が発生する確率を大幅に低下することができる。
<ACK/NACK用リソース>
ユーザ端末は、PUCCHを利用してA/Nをフィードバックする場合、下り制御情報で指示されるリソースを利用することが考えられる。例えば、ユーザ端末が、PUCCHフォーマット3(又は新規PUCCHフォーマット)を利用して所定セルのPUCCHで送信を行う場合、下り制御情報に含まれるARIの値に基づいてPUCCHリソースを決定する。
TDDを適用する場合、無線基地局がバンドリングウィンドウに含まれるSFの途中からDL割当てを送信するCC数を増加することも考えられる(図10参照)。図10では、バンドリングウィンドウに含まれるSF#n1においてCC#0−#1、SF#n2においてCC#0、SF#n3においてCC#0−#7、SF#n4においてCC#0−#1でDL割当てがそれぞれ送信される。
無線基地局は、SF#nの各CCに対するDL割当てに、所定のDL DAI(=0)と、HCI(=2)を含めてユーザ端末に通知する。同様に、無線基地局は、SF#n2のCC#0に対するDL割当てに所定のDL DAI(=1)と、HCI(=3)を含め、SF#n3のCC#0−#7に対するDL割当てに所定のDL DAI(=2)と、HCI(=0)を含め、SF#n4のCC#0−#1に対するDL割当てに所定のDL DAI(=3)と、HCI(=2)を含めてユーザ端末に通知する。
つまり、スケジューラ(無線基地局)は、バンドリングウィンドウ内の初期のSFにおいて割当てCC数を少なくし、ペイロードの小さいPUCCHフォーマット(例えば、PF3)でユーザ端末にPUCCHフィードバックを行うように指示するが、トラフィック等の通信環境の変化により途中以降のSFにおいて割当てCC数を増やす場合がある。
そのため、本実施の形態では、HCIが最大の値を指示しているSF(図10におけるSF#n3)で送信される下り制御情報に含まれるARIの値に基づいてPUCCHリソースを決定する構成とすることができる。なお、HCIが最大の値を示すSFが複数ある場合には、いずれか一方のSF(例えば、後半SF)で指定されるARIの値に基づいてPUCCHリソースを決定することができる。
これにより、A/Nビット数の決定に利用される最大のHCI(CC数)を考慮して設定されたPUCCHリソースを適用することができる。その結果、バンドリングウィンドウ内の途中のSFから割当てCC数が多くなる場合であっても、ACK/NACK送信(PUCCHフォーマット選択、PUCCHリソース決定等)を適切に行うことが可能となる。
なお、本実施の形態はこれに限られず、HCIが最大の値を指示しているSF以降のSFで送信されるARIを利用してもよい。HCIが最大の値を指示するSFでは、基地局はユーザ端末に送信させるPUCCHフォーマットを決定していると考えられる。このため、それ以降のSFで送信されるARIを用いてPUCCHリソースを決定する場合、HCIが最大の値を指示するSFのARIを用いてPUCCHリソースを決定する場合と同様の効果を得ることができる。
<方法2>
ユーザ端末は、バンドリングウィンドウに含まれるSFで送信されるHCIで一度でも指示されたCCについて、全てのSF分のA/NをPUCCHでフィードバックするように制御することができる。
図11にバンドリングウィンドウに含まれるSF(DL割当てが送信されるSF)毎に送信されるHCIで一度でも指示されたCCについて、A/N送信を行う場合の一例を示す。図11Aは、バンドリングウィンドウのSF#n1−#4のうち、SF#n1、#n3、#n4においてそれぞれ所定CCでDL割当てが送信される場合を示している。具体的には、SF#n1においてCC#0−#3、SF#n3においてCC#4−#7、SF#n4においてCC#0−#1でDL割当てがそれぞれ送信される。
この場合、無線基地局は、SF#n1のCC#0−#3に対するDL割当てに、所定のDL DAI(=0)と、HCI(=1)を含めてユーザ端末に通知する。同様に、無線基地局は、SF#n3のCC#4−#7に対するDL割当てに所定のDL DAI(=1)と、HCI(=1)を含め、SF#n4のCC#0−#1に対するDL割当てに所定のDL DAI(=2)と、HCI(=2)を含めてユーザ端末に通知する。
ユーザ端末は、各SF#n1、#n3、#n4でそれぞれ送信されるHCIで一度でも指定されたCCについて、A/Nフィードバックを制御する。ここでは、バンドリングウィンドウのSF#n1、#n3、#n4で受信したHCIとユーザ端末のDL割当ての検出結果により、CC#0−CC#7が少なくとも1回は指示されると判断することができる。このため、ユーザ端末は、CC#0−CC#7について全てのSF#n1−#n4におけるA/Nビットを生成してフィードバックする(空間バンドリング非適用時)。
図11Bは、バンドリングウィンドウに含まれるSF#n1−#n4のうち、SF#n1においてCC#0−#3、SF#n3においてCC#0−#3、SFn4においてCC#4−#5でDL割当てがそれぞれ送信される場合を示している。
この場合、無線基地局は、SF#n1のCC#0−#3に対するDL割当てに、所定のDL DAI(=0)と、HCI(=1)を含めてユーザ端末に通知する。同様に、無線基地局は、SF#n3のCC#0−#3に対するDL割当てに所定のDL DAI(=1)と、HCI(=1)を含め、SF#n4のCC#4−#5に対するDL割当てに所定のDL DAI(=2)と、HCI(=2)を含めてユーザ端末に通知する。
ユーザ端末は、各SF#n1、#n3、#n4で送信されるHCIと検出結果に基づいて一度でも指定されたCCに対して、A/Nフィードバックを行うCCであると判断する。ここでは、バンドリングウィンドウのSF#n1、#n3、#n4で受信したHCIとDL割当ての検出結果により、ユーザ端末は、CC#0−CC#5が少なくとも1回は指示されたと判断することができる。このため、ユーザ端末は、CC#0−CC#5について全てのSF#n−#n+3におけるA/Nビット列を生成してフィードバックする。なお、HCIが複数のCCを択一的に示している場合には、ユーザ端末における検出結果に基づいてCCを決定することができる。
このように、バンドリングウィンドウの各SFで送信されるHCIを考慮してA/Nフィードバックを行うCC(A/Nビット数)を決定することにより、ユーザ端末と無線基地局間におけるA/Nコードブックサイズの認識を適切に一致させることができる。
(第2の態様)
バンドリングウィンドウに対するA/Nビットの送信を行うタイミング(ULサブフレーム)においてULグラントでスケジューリングされたPUSCH送信がある場合、当該A/NビットはPUSCHに多重(Piggyback)して送信される。なお、PUCCH−PUSCH同時送信(Simultaneous PUCCH-PUSCH送信)が設定されている場合は、PUSCHに多重せずPUCCHを用いて行うことができる。
PUSCHにA/Nビットを多重する際に、バンドリングウィンドウの全てSF/全てのCCに対するA/Nビットを送信すると、PUSCHのオーバーヘッドが大きくなる。この場合、UL−SCHの符号化率も高くなり、ULスループットが劣化するおそれもある。そのため、A/NをPUSCHで送信する場合にA/Nビットのオーバーヘッドを削減することが求められている。
そのため、第2の態様では、バンドリングウィンドウに含まれるSF毎に送信されるHCIを考慮して、A/N送信を行うCCとSF(A/Nビット数)を決定してPUSCHで送信する場合について説明する。以下の説明では、HCIによりA/Nコードブックを決定する方法1と、HCIとDL割当ての検出CCによりA/Nコードブックを決定する方法2を例に挙げて説明する。
また、方法1の適用する場合は、図6Dのテーブルを利用し、方法2を適用する場合は、図7Fのテーブルを利用する場合を示すが、適用可能なテーブルはこれに限られない。なお、方法1に適用する構成と方法2に適用する構成はそれぞれ組み合わせて利用することができる。
<方法1>
ユーザ端末は、バンドリングウィンドウの所定SFで送信されるDAI(UL DAI及び/又はDL DAI)とHCIに基づいてA/N送信を行うCCとSF(A/Nビット数)を決定する。
図12は、バンドリングウィンドウに含まれるSF毎(DL割当てが送信されるSF毎)に送信されるHCIの中で最大のHCIに基づいて、A/N送信を行うCCを決定する場合の一例を示している。
図12Aは、バンドリングウィンドウに含まれるSF#n1におけるCC#0−#7、SF#n3におけるCC#0−#3、SF#4におけるCC#0−#1でDL割当てがそれぞれ送信される場合を示している。
この場合、無線基地局は、SF#n1の各CCに対するDL割当てに、所定のDL DAI(=0)と、HCI(=0)を含めてユーザ端末に通知する。同様に、無線基地局は、SF#n3のCC#0−#3に対するDL割当てに所定のDL DAI(=1)と、HCI(=1)を含め、SF#n4のCC#0−#1に対するDL割当てに所定のDL DAI(=2)と、HCI(=2)を含めてユーザ端末に通知する。
また、無線基地局は、所定SF(例えば、SF#n4)において下り制御情報(例えば、ULグラント)にUL DAI(ここでは、UL DAI=3)を含めてユーザ端末に通知する。無線基地局は、UL DAIとDL DAIは既存システムと同様に利用し、HCIを用いて各SFにおけるA/Nフィードバックを行うCCを指定することができる。
ユーザ端末は、各SF#n1、#n3、#n4で送信されるHCIの中で最大のHCI(ここでは、CC#0−#7を指定するHCI=0)に基づいて、A/N送信を行うCC数をCC#0−CC#7に決定する。また、ユーザ端末は、UL DAIに基づいてDLデータが送信されるSF数を把握することができる。さらに、ユーザ端末は、DL DAIに基づいてどのSFで割当てがないか(又は検出ミスが発生したか)を識別することができる。
したがって、ユーザ端末は、HCIにより決定したCC数とUL DAIにより決定したSF数に基づいてA/Nコードブックサイズを決定すると共に、DL DAIで識別したSFに対するA/Nを生成することができる。図12Aに示す場合、ユーザ端末は、CC#0−#7に対して、SF#n1、#n3、#n4におけるA/Nビットを生成してフィードバックする。
図12Bは、バンドリングウィンドウに含まれるサブフレームSF#n1におけるCC#0−#3、SF#n3におけるCC#0−#3、SF#n4におけるCC#0−#1でDL割当てがそれぞれ送信される場合を示している。
この場合、無線基地局は、SF#n1のCC#0−#3に対するDL割当てに、所定のDL DAI(=0)と、HCI(=1)を含めてユーザ端末に通知する。同様に、無線基地局は、SF#n3のCC#0−#3に対するDL割当てに所定のDL DAI(=1)と、HCI(=1)を含め、SF#n4のCC#0−#1に対するDL割当てに所定のDL DAI(=2)と、HCI(=2)を含めてユーザ端末に通知する。また、無線基地局は、SF#n4において下り制御情報(例えば、ULグラント)にUL DAI(ここでは、UL DAI=3)を含めてユーザ端末に通知する。
ユーザ端末は、各SF#n1、#n3、#n4で送信されるHCIの中で最大のHCI(ここでは、CC#0−#3を指定するHCI=1)に基づいて、A/N送信を行うCC数をCC#0−CC#3に決定する。また、ユーザ端末は、UL DAIに基づいてDLデータが送信されるSF数(ここでは、3)を把握することができる。さらに、ユーザ端末は、DL DAIに基づいてどのSFで割当てがないか(ここでは、SF#n2)を識別することができる。
図12Bに示す場合、ユーザ端末は、CC#0−#3に対して、SFSF#n1、#n3、#n4におけるA/Nビットを生成してフィードバックする。このように、HCIとUL DAI及び/又はDL DAIに基づいてA/Nビット数を決定することにより、PUSCHのオーバーヘッドの増加を抑制することができる。
<方法2>
ユーザ端末は、バンドリングウィンドウに含まれるSFで送信されるDAI(UL DAI及び/又はDL DAI)と、HCIと、DL割当てでスケジューリングされたCCの検出に基づいてHARQ−ACKビット数を決定することができる。
図13にバンドリングウィンドウに含まれるSF毎(DL割当てが送信されるSF毎)に送信されるHCIとDL DAIの一例を示す。
図13Aは、バンドリングウィンドウに含まれるSF#n1においてCC#0−#3でDL割当てが送信され、SF#n3においてCC#4−#7でDL割当てが送信され、SF#n4においてCC#0−#1でDL割当てが送信される場合を示している。
この場合、無線基地局は、SF#n1のCC#0−#3に対するDL割当てに、所定のDL DAI(=0)と、HCI(=1)を含めてユーザ端末に通知する。同様に、無線基地局は、SF#n3のCC#4−#7に対するDL割当てに所定のDL DAI(=1)と、HCI(=1)を含め、SF#n4のCC#0−#1に対するDL割当てに所定のDL DAI(=2)と、HCI(=2)を含めてユーザ端末に通知する。
また、無線基地局は、所定SF(例えば、SF#4)において下り制御情報(例えば、ULグラント)にUL DAI(ここでは、UL DAI=3)を含めてユーザ端末に通知する。無線基地局は、UL DAIとDL DAIは既存システムと同様に利用し、HCIを用いて各SFにおけるA/N送信の対象となるCCを指定することができる。
ユーザ端末は、各SF#n1、#n3、#n4で送信されるHCIとDL割当ての検出に基づいて一度でも指定されたCCについて、A/Nフィードバックの対象となるCCを決定する。ユーザ端末は、SF#n1において、HCIの値(HCI=1)とDL割当てを検出したCC(CC#0−#3)に基づいて、HCIがCC#0−#3を示すと判断することができる。また、ユーザ端末は、SF#n3において、HCIの値(HCI=1)とDL割当てを検出したCC(CC#4−#7)に基づいて、HCIがCC#4−#7を示すと判断することができる。
図13Aでは、バンドリングウィンドウのSF#n1、#n3、#n4で受信したHCIにより、CC#0−CC#7が少なくとも1回は指示される。このため、ユーザ端末は、A/N送信の対象となるCC数をCC#0−CC#7に決定する。また、ユーザ端末は、UL DAIに基づいてDLデータが送信されるSF数を把握することができる。また、ユーザ端末は、DL DAIに基づいてどのSFで割当てがないか(又は検出ミスが発生したか)を識別することができる。
図13Aに示す場合、ユーザ端末は、CC#0−#7に対して、SF#n1、#n3、#n4におけるA/Nビットを生成してフィードバックする。
図13Bは、バンドリングウィンドウに含まれるSF#n−#n4のうち、SF#n1、#n3、#n4において所定CCでDL割当てが送信される場合を示している。具体的には、SF#nにおいてCC#0−#3、SF#n3においてCC#0−#3、SF#n4においてCC#2−#3でDL割当てがそれぞれ送信される。
この場合、無線基地局は、SF#n1のCC#0−#3に対するDL割当てに、所定のDL DAI(=0)と、HCI(=1)を含めてユーザ端末に通知する。同様に、無線基地局は、SF#n3のCC#0−#3に対するDL割当てに所定のDL DAI(=1)と、HCI(=1)を含め、SF#n4のCC#2−#3に対するDL割当てに所定のDL DAI(=2)と、HCI(=2)を含めてユーザ端末に通知する。
また、無線基地局は、所定SF(例えば、SF#n4)において下り制御情報(例えば、ULグラント)にUL DAI(ここでは、UL DAI=3)を含めてユーザ端末に通知する。無線基地局は、UL DAIとDL DAIは既存システムと同様に利用し、HCIを用いて各SFにおけるA/Nフィードバックの対象となるCCを指定することができる。
ユーザ端末は、各SF#n1、#n3、#n4で送信されるHCIの中で一度でも指定されたCCについて、A/Nフィードバックの送信を行うCCを決定する。ここでは、バンドリングウィンドウのSF#n1、#n3、#n4で受信したHCIとユーザ端末の検出結果により、CC#0−CC#3が少なくとも1回は指示される場合を示している。このため、ユーザ端末は、A/N送信の対象CCをCC#0−CC#3に決定する。また、ユーザ端末は、UL DAIに基づいてDLデータが送信されるSF数を把握することができる。さらに、ユーザ端末は、DL DAIに基づいてどのSFで割当てがないか(又は検出ミスが発生したか)を識別することができる。
図13Bに示す場合、ユーザ端末は、CC#0−#3に対して、サブフレームSF#n1、#n3、#n4におけるA/Nビットを生成してフィードバックする。
このように、ユーザ端末がUL DAI、DL DAI及びHCIを利用してA/N送信を行うCCとSFを決定してA/Nビットを生成することにより、A/NをPUSCHで送信する場合にA/Nペイロード(オーバーヘッド)を削減することができる。また、ユーザ端末がUL DAI、DL DAI及びHCIを利用してA/N送信を行うCCとSFを決定してA/Nビットを生成することにより、ユーザ端末と無線基地局間におけるA/Nコードブックサイズの認識を一致させることができる。
(無線通信システム)
以下、本発明の一実施形態に係る無線通信システムの構成について説明する。この無線通信システムでは、上記各態様に係る無線通信方法が適用される。なお、上記各態様に係る無線通信方法は、それぞれ単独で適用されてもよいし、組み合わせて適用されてもよい。
図14は、本発明の一実施形態に係る無線通信システムの概略構成の一例を示す図である。無線通信システム1では、LTEシステムのシステム帯域幅(例えば、20MHz)を1単位とする複数の基本周波数ブロック(コンポーネントキャリア)を一体としたキャリアアグリゲーション(CA)及び/又はデュアルコネクティビティ(DC)を適用することができる。なお、無線通信システム1は、SUPER 3G、LTE−A(LTE−Advanced)、IMT−Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)などと呼ばれても良い。
図14に示す無線通信システム1は、マクロセルC1を形成する無線基地局11と、マクロセルC1内に配置され、マクロセルC1よりも狭いスモールセルC2を形成する無線基地局12a〜12cとを備えている。また、マクロセルC1及び各スモールセルC2には、ユーザ端末20が配置されている。
ユーザ端末20は、無線基地局11及び無線基地局12の双方に接続することができる。ユーザ端末20は、異なる周波数を用いるマクロセルC1とスモールセルC2を、CA又はDCにより同時に使用することが想定される。また、ユーザ端末20は、複数のセル(CC)(例えば、6個以上のCC)を用いてCA又はDCを適用することができる。
ユーザ端末20と無線基地局11との間は、相対的に低い周波数帯域(例えば、2GHz)で帯域幅が狭いキャリア(既存キャリア、Legacy carrierなどと呼ばれる)を用いて通信を行うことができる。一方、ユーザ端末20と無線基地局12との間は、相対的に高い周波数帯域(例えば、3.5GHz、5GHzなど)で帯域幅が広いキャリアが用いられてもよいし、無線基地局11との間と同じキャリアが用いられてもよい。なお、各無線基地局が利用する周波数帯域の構成はこれに限られない。
無線基地局11と無線基地局12との間(又は、2つの無線基地局12間)は、有線接続(例えば、CPRI(Common Public Radio Interface)に準拠した光ファイバ、X2インターフェースなど)又は無線接続する構成とすることができる。
無線基地局11及び各無線基地局12は、それぞれ上位局装置30に接続され、上位局装置30を介してコアネットワーク40に接続される。なお、上位局装置30には、例えば、アクセスゲートウェイ装置、無線ネットワークコントローラ(RNC)、モビリティマネジメントエンティティ(MME)などが含まれるが、これに限定されるものではない。また、各無線基地局12は、無線基地局11を介して上位局装置30に接続されてもよい。
なお、無線基地局11は、相対的に広いカバレッジを有する無線基地局であり、マクロ基地局、集約ノード、eNB(eNodeB)、送受信ポイント、などと呼ばれてもよい。また、無線基地局12は、局所的なカバレッジを有する無線基地局であり、スモール基地局、マイクロ基地局、ピコ基地局、フェムト基地局、HeNB(Home eNodeB)、RRH(Remote Radio Head)、送受信ポイントなどと呼ばれてもよい。以下、無線基地局11及び12を区別しない場合は、無線基地局10と総称する。
各ユーザ端末20は、LTE、LTE−Aなどの各種通信方式に対応した端末であり、移動通信端末だけでなく固定通信端末を含んでもよい。
無線通信システム1においては、無線アクセス方式として、下りリンクにOFDMA(直交周波数分割多元接続)が適用され、上りリンクにSC−FDMA(シングルキャリア−周波数分割多元接続)が適用される。OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC−FDMAは、システム帯域幅を端末毎に1つ又は連続したリソースブロックからなる帯域に分割し、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。なお、上り及び下りの無線アクセス方式は、これらの組み合わせに限られず、上りリンクでOFDMAが用いられてもよい。
無線通信システム1では、下りリンクのチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される下り共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)、報知チャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)、下りL1/L2制御チャネルなどが用いられる。PDSCHにより、ユーザデータや上位レイヤ制御情報、SIB(System Information Block)などが伝送される。また、PBCHにより、MIB(Master Information Block)が伝送される。
下りL1/L2制御チャネルは、下り制御チャネル(PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、EPDCCH(Enhanced Physical Downlink Control Channel))、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)、PHICH(Physical Hybrid-ARQ Indicator Channel)などを含む。PDCCHにより、PDSCH及びPUSCHのスケジューリング情報を含む下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)などが伝送される。PCFICHにより、PDCCHに用いるOFDMシンボル数が伝送される。PHICHにより、PUSCHに対するHARQの送達確認情報(ACK/NACK)が伝送される。EPDCCHは、PDSCH(下り共有データチャネル)と周波数分割多重され、PDCCHと同様にDCIなどの伝送に用いられる。
無線通信システム1では、上りリンクのチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される上り共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)、上り制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)、ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)などが用いられる。PUSCHにより、ユーザデータ、上位レイヤ制御情報が伝送される。送達確認情報(ACK/NACK)や無線品質情報(CQI)などの少なくも一つを含む上り制御情報(UCI:Uplink Control Information)は、PUSCH又はPUCCHにより、伝送される。PRACHにより、セルとの接続確立のためのランダムアクセスプリアンブルが伝送される。
<無線基地局>
図15は、本発明の一実施形態に係る無線基地局の全体構成の一例を示す図である。無線基地局10は、複数の送受信アンテナ101と、アンプ部102と、送受信部103と、ベースバンド信号処理部104と、呼処理部105と、伝送路インターフェース106とを備えている。なお、送受信部103は、送信部及び受信部で構成される。
下りリンクにより無線基地局10からユーザ端末20に送信されるユーザデータは、上位局装置30から伝送路インターフェース106を介してベースバンド信号処理部104に入力される。
ベースバンド信号処理部104では、ユーザデータに関して、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤの処理、ユーザデータの分割・結合、RLC(Radio Link Control)再送制御などのRLCレイヤの送信処理、MAC(Medium Access Control)再送制御(例えば、HARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)の送信処理)、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理、プリコーディング処理などの送信処理が行われて送受信部103に転送される。また、下り制御信号に関しても、チャネル符号化や逆高速フーリエ変換などの送信処理が行われて、送受信部103に転送される。
送受信部103は、ベースバンド信号処理部104からアンテナ毎にプリコーディングして出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部103で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部102により増幅され、送受信アンテナ101から送信される。
送受信部(送信部)103は、TDDを適用して各セルからDL送信を行うと共に、バンドリングウィンドウのDL割当てを行うサブフレーム毎にHARQ−ACKコードブック識別子(HCI:HARQ-ACK Codebook Indicator)を送信することができる。送受信部103は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置から構成することができる。なお、送受信部103は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部及び受信部から構成されてもよい。
一方、上り信号については、送受信アンテナ101で受信された無線周波数信号がアンプ部102で増幅される。送受信部103はアンプ部102で増幅された上り信号を受信する。送受信部103は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部104に出力する。
ベースバンド信号処理部104では、入力された上り信号に含まれるユーザデータに対して、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)処理、逆離散フーリエ変換(IDFT:Inverse Discrete Fourier Transform)処理、誤り訂正復号、MAC再送制御の受信処理、RLCレイヤ及びPDCPレイヤの受信処理がなされ、伝送路インターフェース106を介して上位局装置30に転送される。呼処理部105は、通信チャネルの設定や解放などの呼処理や、無線基地局10の状態管理や、無線リソースの管理を行う。
伝送路インターフェース106は、所定のインターフェースを介して、上位局装置30と信号を送受信する。また、伝送路インターフェース106は、基地局間インターフェース(例えば、CPRI(Common Public Radio Interface)に準拠した光ファイバ、X2インターフェース)を介して隣接無線基地局10と信号を送受信(バックホールシグナリング)してもよい。
図16は、本実施形態に係る無線基地局の機能構成の一例を示す図である。なお、図16では、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、無線基地局10は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。図16に示すように、ベースバンド信号処理部104は、制御部(スケジューラ)301と、送信信号生成部(生成部)302と、マッピング部303と、受信信号処理部304と、を備えている。
制御部(スケジューラ)301は、PDSCHで送信される下りデータ信号、PDCCH及び/又はEPDCCHで伝送される下り制御信号のスケジューリング(例えば、リソース割り当て)を制御する。また、システム情報、同期信号、ページング情報、CRS(Cell-specific Reference Signal)、CSI−RS(Channel State Information Reference Signal)等のスケジューリングの制御も行う。また、上り参照信号、PUSCHで送信される上りデータ信号、PUCCH及び/又はPUSCHで送信される上り制御信号等のスケジューリングを制御する。
制御部301は、ユーザ端末からフィードバックされる送達確認信号(HARQ−ACK)に基づいて、下りデータの再送/新規データ送信を制御する。また、制御部301は、DL送信に対してユーザ端末がバンドリングウィンドウに基づいてフィードバックするHARQ−ACKの受信処理を制御する。なお、受信処理は、制御部301からの指示に基づいて受信信号処理部304で行ってもよい。
例えば、制御部301は、HCI(例えば、バンドリングウィンドウのサブフレームで送信した最大のHCIが指定するCC、又はHCIで一度指定したCC)に基づいて、ユーザ端末からフィードバックされるHARQ−ACKビット数を判断することができる。なお、制御部301は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置とすることができる。
送信信号生成部302は、制御部301からの指示に基づいて、DL信号(下りデータ信号、下り制御信号を含む)を生成して、マッピング部303に出力する。具体的には、送信信号生成部302は、ユーザデータを含む下りデータ信号(PDSCH)を生成して、マッピング部303に出力する。また、送信信号生成部302は、DCI(ULグラント)を含む下り制御信号(PDCCH/EPDCCH)を生成して、マッピング部303に出力する。また、送信信号生成部302は、CRS、CSI−RSなどの下り参照信号を生成して、マッピング部303に出力する。
送信信号生成部302は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路又は信号生成装置とすることができる。
マッピング部303は、制御部301からの指示に基づいて、送信信号生成部302で生成されたDL信号を、所定の無線リソースにマッピングして、送受信部103に出力する。マッピング部303は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置とすることができる。
受信信号処理部304は、ユーザ端末20から送信されるUL信号(HARQ−ACK、PUSCH等)に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号など)を行う。処理結果は、制御部301に出力される。受信信号処理部304は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置、並びに、測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。
<ユーザ端末>
図17は、本発明の一実施形態に係るに係るユーザ端末の全体構成の一例を示す図である。ユーザ端末20は、MIMO伝送のための複数の送受信アンテナ201と、アンプ部202と、送受信部203と、ベースバンド信号処理部204と、アプリケーション部205と、を備えている。なお、送受信部203は、送信部及び受信部から構成されてもよい。
複数の送受信アンテナ201で受信された無線周波数信号は、それぞれアンプ部202で増幅される。各送受信部203はアンプ部202で増幅された下り信号を受信する。送受信部203は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部204に出力する。
送受信部(受信部)203は、TDDを適用する複数のセルから送信されるDL信号を受信する。例えば、送受信部(受信部)203は、バンドリングウィンドウのサブフレーム毎に送信されるHARQ−ACKコードブック識別子(HCI)を受信する。また、送受信部(送信部)203は、受信したDL信号に対するHARQ−ACKを送信する。なお、送受信部203は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置とすることができる。
ベースバンド信号処理部204は、入力されたベースバンド信号に対して、FFT処理や、誤り訂正復号、再送制御の受信処理などを行う。下りリンクのユーザデータは、アプリケーション部205に転送される。アプリケーション部205は、物理レイヤやMACレイヤより上位のレイヤに関する処理などを行う。また、下りリンクのデータのうち、報知情報もアプリケーション部205に転送される。
一方、上りリンクのユーザデータについては、アプリケーション部205からベースバンド信号処理部204に入力される。ベースバンド信号処理部204では、再送制御の送信処理(例えば、HARQの送信処理)や、チャネル符号化、プリコーディング、離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)処理、IFFT処理などが行われて各送受信部203に転送される。送受信部203は、ベースバンド信号処理部204から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部203で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部202により増幅され、送受信アンテナ201から送信される。
図18は、本実施形態に係るユーザ端末の機能構成の一例を示す図である。なお、図18においては、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、ユーザ端末20は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。図18に示すように、ユーザ端末20が有するベースバンド信号処理部204は、制御部401と、送信信号生成部402と、マッピング部403と、受信信号処理部404と、判定部405と、を備えている。
制御部401は、無線基地局10から送信された下り制御信号(PDCCH/EPDCCHで送信された信号)及び下りデータ信号(PDSCHで送信された信号)を、受信信号処理部404から取得する。制御部401は、下り制御信号や、下りデータ信号に対する再送制御の要否を判定した結果などに基づいて、上り制御信号(例えば、送達確認信号(HARQ−ACK)など)や上りデータ信号の生成を制御する。具体的には、制御部401は、送信信号生成部402、マッピング部403及び受信信号処理部404の制御を行うことができる。
制御部401は、バンドリングウィンドウのサブフレーム毎に送信されるHARQ−ACKコードブック識別子(HCI)に基づいて、バンドリングウィンドウに対するHARQ−ACKの送信を行うセルを決定する。例えば、制御部401は、バンドリングウィンドウのサブフレーム毎に送信されるHCIの中で最大のHCIに基づいて、HARQ−ACKの送信を行うセル(HARQ−ACKビット数)を決定することができる。また、制御部401は、最大のHCIが送信されるサブフレームで送信されるARI(Ack/nack Resource Indicator)に基づいてHARQ−ACKを送信するリソースを決定することができる。あるいは、制御部401は、バンドリングウィンドウに含まれるSF毎に送信されるHCIの中で最後にスケジューリングされたSFのHCIに基づいて、当該バンドリングウィンドウの全てのSFに対してA/N送信を行うCC(A/Nビット数)を決定してもよい。
また、制御部401は、バンドリングウィンドウのサブフレーム毎に送信されるHCIで少なくとも一度指示されたセルに対してHARQ−ACKを送信するように制御することができる。また、制御部401は、バンドリングウィンドウの全てのサブフレームのHARQ−ACKを上り制御チャネルで送信することができる。
また、制御部401は、バンドリングウィンドウの所定サブフレームでULグラントが送信される場合、サブフレーム毎に送信されるDL DAI、HCI、及び所定サブフレームで送信されるUL DAIに基づいて、HARQ−ACKビット数を決定して、上り共有チャネルで送信するように制御することができる。例えば、制御部401は、バンドリングウィンドウのサブフレーム毎に送信されるHCIの中で最大のHCIに基づいてHARQ−ACKの送信を行うセルを決定すると共に、UL DAI及び/又はDL DAIに基づいてHARQ−ACKの送信を行うサブフレームを決定することができる。
また、制御部401は、バンドリングウィンドウのサブフレーム毎に送信されるHCIで少なくとも一度指示されたセルに対してHARQ−ACKを送信するように制御することができる。なお、制御部401は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置とすることができる。
送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて、UL信号を生成して、マッピング部403に出力する。例えば、送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて、送達確認信号(HARQ−ACK)やチャネル状態情報(CSI)等の上り制御信号を生成する。
また、送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて上りデータ信号を生成する。例えば、送信信号生成部402は、無線基地局10から通知される下り制御信号にULグラントが含まれている場合に、制御部401から上りデータ信号の生成を指示される。送信信号生成部402は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路又は信号生成装置とすることができる。
マッピング部403は、制御部401からの指示に基づいて、送信信号生成部402で生成された上り信号(上り制御信号及び/又は上りデータ)を無線リソースにマッピングして、送受信部203へ出力する。マッピング部403は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置とすることができる。
受信信号処理部404は、DL信号(例えば、無線基地局から送信された下り制御信号、PDSCHで送信された下りデータ信号等)に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号など)を行う。受信信号処理部404は、無線基地局10から受信した情報を、制御部401、判定部405に出力する。受信信号処理部404は、例えば、報知情報、システム情報、RRCシグナリング、DCIなどを、制御部401に出力する。
受信信号処理部404は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置、並びに、測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。また、受信信号処理部404は、本発明に係る受信部を構成することができる。
判定部405は、受信信号処理部404の復号結果に基づいて、再送制御判定(ACK/NACK)を行うと共に、判定結果を制御部401に出力する。複数CC(例えば、6個以上のCC)から下り信号(PDSCH)が送信される場合には、各CCについてそれぞれ再送制御判定(ACK/NACK)を行い制御部401に出力する。判定部405は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される判定回路又は判定装置から構成することができる。
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的に分離した2つ以上の装置を有線又は無線で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
例えば、無線基地局10やユーザ端末20の各機能の一部又は全ては、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを用いて実現されても良い。また、無線基地局10やユーザ端末20は、プロセッサ(CPU:Central Processing Unit)と、ネットワーク接続用の通信インターフェースと、メモリと、プログラムを保持したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体と、を含むコンピュータ装置によって実現されてもよい。つまり、本発明の一実施形態に係る無線基地局、ユーザ端末などは、本発明に係る無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
ここで、プロセッサやメモリなどは情報を通信するためのバスで接続される。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、例えば、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、CD−ROM(Compact Disc−ROM)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクなどの記憶媒体である。また、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。また、無線基地局10やユーザ端末20は、入力キーなどの入力装置や、ディスプレイなどの出力装置を含んでいてもよい。
無線基地局10及びユーザ端末20の機能構成は、上述のハードウェアによって実現されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実現されてもよいし、両者の組み合わせによって実現されてもよい。プロセッサは、オペレーティングシステムを動作させてユーザ端末の全体を制御する。また、プロセッサは、記憶媒体からプログラム、ソフトウェアモジュールやデータをメモリに読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。
ここで、当該プログラムは、上記の各実施形態で説明した各動作を、コンピュータに実行させるプログラムであれば良い。例えば、ユーザ端末20の制御部401は、メモリに格納され、プロセッサで動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。
また、ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及び/又はシンボルは信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC)は、キャリア周波数、セルなどと呼ばれてもよい。
また、本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスで指示されるものであってもよい。
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的に(例えば、当該所定の情報の通知を行わないことによって)行われてもよい。
情報の通知は、本明細書で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法で行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRCConnectionSetup)メッセージ、RRC接続再構成(RRCConnectionReconfiguration)メッセージなどであってもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
本出願は、2015年9月24日出願の特願2015−187472に基づく。この内容は、全てここに含めておく。