LTEの後継システム(LTE Rel.10〜12)におけるCAでは、ユーザ端末当たりに設定可能なCC数が最大5個に制限されている。一方、LTEのさらなる後継システムであるLTE Rel.13以降においては、ユーザ端末当たりに設定可能なCC数の制限を緩和し、6個以上のCC(セル)を設定する拡張キャリアアグリゲーション(CA enhancement、enhanced CAなどともいう)が検討されている。
図1は、LTE Rel.13で検討されるキャリアアグリゲーションの一例を示す図である。図1に示すように、拡張CAでは、例えば32個のコンポーネントキャリアを束ねることが想定される。この場合には、無線基地局とユーザ端末間で最大で640MHz(20MHz×32)の帯域幅を利用して通信することができる。拡張CAを用いることで、より柔軟かつ高速な無線通信が実現される。
LTE Rel.12では、トラヒック及び干渉制御のために、eIMTAがサポートされた。eIMTAは、時分割多重(TDD)方式において、時間リソースを動的に制御する技術であり、動的TDD(Dynamic TDD)とも呼ばれる。以下で、LTE Rel.12のeIMTAの制御方法について概説する。
eIMTAでは、セル毎にTDDのUL−DL構成(UL-DL config.)を動的に変更することにより、セル間干渉を低減することができる。図2は、eIMTAで利用可能なTDDのUL−DL構成の一例を示す図である。図2において、“D”はDLサブフレーム、“U”はULサブフレーム、“S”はスペシャルサブフレームを示している。スペシャルサブフレームは、DwPTS(Downlink Pilot Time Slot)、ガード期間(Guard Period)、UpPTS(Uplink Pilot Time Slot)で構成される。eIMTAでは、例えば図2に示すような、UL/DLサブフレームの比率が異なるフレーム構成(UL−DL構成0〜6)が利用可能である。各UL−DL構成は、サブフレーム番号(SF#:SubFrame Number)0−9で指定される10サブフレームで構成される。なお、UL−DL構成はUL/DL構成と呼ばれてもよい。
ユーザ端末は、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)により、eIMTAが適用されるTDDセルのUL/DL比率を動的に設定(又は再設定、更新)される。例えば、無線基地局は、ユーザ端末に対して、図2のTDD UL−DL構成から、使用するUL−DL構成の番号(例えば、0〜6)をPDCCHで動的にシグナリングする(動的変更シグナリング)。CAの場合、キャリアの異なるセル(CC)毎に、UL/DL比率は独立に変更することができる。
動的変更シグナリングは下り制御情報(DCI)を含む下り制御信号(PDCCH)で通知される。また、動的変更シグナリングの通知の前に、無線基地局(eNB:evolved Node B)はユーザ端末(UE:User Equipment)に対し、特定のサービングセルについて、動的変更シグナリングを受信するための情報をRRC(Radio Resource Control)シグナリングにより通知する。
また、Inter−band TDD CAでは、ユーザ端末が、下り信号(DL信号)の受信と上り信号(UL信号)の送信を同一サブフレームで行うことができるかどうかを示す能力情報(ケーパビリティ(Capability))が規定されている。ケーパビリティは、ユーザ端末から無線基地局に対して報告される。例えば、ケーパビリティとしては、Simultaneous Rx−TX Capabilityが規定され、当該ユーザ端末のTDDにおける可能な動作が示される。
Simultaneous Rx−TX CapabilityがTrueの場合、CAされた複数のCC間で、異なるUL−DL Config.の運用が制約なく可能となる。つまり、CAされた複数のCC間でULとDLが異なる運用が許容され、UL−DL Config.の運用は特に制約を受けることはない。
一方、Simultaneous Rx−TX CapabilityがFalseの場合、CAされた複数のCC間でのUL−DL Config.の運用には制限が生じる。具体的には、異なるCC間で、DLとULが重なる時、すなわち、異なるCC間の同じサブフレーム(SF)番号で、DLとULが重複する場合には、Pcell(プライマリセル)の動作が優先される。
具体的な動作について図3を用いて説明する。図3には、TDDを用いるPcellとScell(セカンダリセル)がCAされた場合の、各CCのサブフレームのリソース配置の一例が示される。図3においては、PcellにUL−DL Config.#1が適用され、ScellにUL−DL Config.#5が適用される場合について示している(図2参照)。このため、PcellとScellとでは、サブフレーム毎の通信方向の一部が異なる。例えば、SF#3及びSF#8では、PcellがU、ScellがD、SF#6では、PcellがS、ScellがDである。
SF#3、SF#8に示されるように、PcellがULとなるサブフレームでは、ScellがDLとなるサブフレームであっても、ユーザ端末は受信動作を行わなくてもよい。また、SF#6に示されるように、Pcellがスペシャルサブフレームであり、ScellがDLとなるサブフレームでは、ユーザ端末は、ScellにおけるPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)や、EPDCCH(Enhanced Physical Downlink Control Channel)、PMCH(Physical Multicast Channel)、PRS(Positioning Reference Signal)の受信動作を行わなくてもよい。また、SF#6に示されるように、ユーザ端末は、Scellのスペシャルサブフレーム上で、PcellのUpPTS(Uplink Pilot Time Slot)と重なる(オーバーラップする)OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボルでは受信動作を行わなくてもよい。なお、図3には示されていないが、ユーザ端末は、PcellがDLとなるサブフレームでは、ScellがULとなるサブフレームであっても、送信動作を行わなくてもよい。
ここで、Rel.13 LAA及びRel.14以降で検討される5Gでは、新たなサブフレームへの無線リソース割り当て方法であるFlexible duplexが導入される可能性がある。Flexible duplexは、上述したUL−DL構成の運用に制約を受けることなく、無線リソースをDL又はULとして柔軟に利用できる割り当て方法である。具体的には、Flexible duplexは、あるCCの特定の無線リソースについて、DLに用いるかULに用いるかを厳密には定めない。つまり、トラヒックや(チャネル状態等の)周囲の環境条件に応じてDLサブフレーム又はULサブフレームを設定し、柔軟に利用することができる。これによれば、あるサブフレーム(周波数領域)について、DL−only、UL−only、DLとULとを任意の比率(DL−heavy/UL−heavy)で利用することが可能となり、チャネル状態の変化に対応することができる(図4参照)。
ところで、Rel.13 LTEのLAAで用いられるアンライセンスバンドでは、他事業者のLTE、Wi−Fi(登録商標)またはその他のシステムと共存するため、干渉制御機能が必要になる。このため、キャリアセンス(LBT:Listen Before Talk、CCA:Clear Channel Assessmentなどともいう)を用いて予めチャネルの空き状態を測定した上で信号の送信を行う。
このため、アンライセンスバンドでLTE/LTE−Aを運用するシステム(例えば、LAAシステム)においても、信号の送信前にキャリアセンスを使用することにより同一周波数内における干渉制御を行うことが検討されている。キャリアセンスが設定されるキャリアでは、複数のシステムにおける無線基地局やユーザ端末が、同一周波数帯域を共有して利用することが想定される。キャリアセンスを適用するセルは、免許不要なアンライセンスバンドとして特定され得る周波数バンド番号を有する周波数帯域であってもよいし、任意の周波数においてキャリアセンスを行うようにすることもできる。基地局がキャリアセンスするセルは、通常のLTEセルとは異なり、他システムや隣接セルの通信状況等に応じて信号有無が変化し得る。したがって、基地局が当該セルにおいてキャリアセンスを行うという情報は、当該セルにて通信を行うユーザ端末に通知されることが好ましい。ユーザ端末がキャリアセンスするセルについても同様であり、ユーザ端末がキャリアセンスすべきセルを識別するための情報が基地局から通知されることが望ましい。
キャリアセンスを使用することにより、LAAとWi−Fiとの間の干渉、LAAシステム間の干渉などを回避することができる。また、LAAシステムを運用するオペレータ毎に接続可能なユーザ端末の制御を独立して行う場合であっても、キャリアセンスによりそれぞれの制御内容を把握することなく干渉を低減することができる。
例えば、LTEシステムでLBTを適用する場合、送信ポイント(LTE−U基地局及び/又はユーザ端末)は、アンライセンスバンドにおいてUL信号及び/又はDL信号を送信する前にリスニング(キャリアセンス、LBT、CCA)を行う。そして、他システム(例えば、Wi−Fi)や別のLAAの送信ポイントからの信号を検出しなかった場合、アンライセンスバンドで通信を実行することができる。
送信ポイントは、LBTで測定した受信電力が所定の閾値以下である場合は、チャネルは空き状態(LBT−idle)であると判断し送信を行う。ここで、「チャネルが空き状態である」とは、言い換えると、特定のシステムによってチャネルが占有されていないことをいい、チャネルがアイドルである、チャネルがクリアである、チャネルがフリーである、などともいう。
このようなキャリアセンス後に送信を行う場合、どのように送信を開始するかが問題となる。既存のLTEシステムにおいては、サブフレーム毎に送信の制御が行われる。このため、キャリアセンスの結果、送信ができない場合、ユーザ端末は、サブフレーム境界まで送信開始を待機する必要がある。このため、再度のキャリアセンスの結果、送信できる場合であっても、キャリアセンスのタイミングによっては、最大1ms送信を待機する事態も想定される。一方、無線LANにおいては、最短16μs間隔での送信動作が行われる。このため、送信待機中にチャネルへの割り込みを許してしまい、キャリアセンスを行ったにも関わらず、チャネルを占有され、信号を送信できない事態も想定される。
このようなチャネルへの割り込みを防ぐためには、サブフレーム境界まで送信開始を待機することなく、LBT_Idleの終了後すぐに信号を送信する必要がある。しかしながら、サブフレームの途中から送信される信号(例えば、L1/L2制御信号又はDLデータ信号)を受信し、又はサブフレームの途中から信号(例えば、L1/L2制御信号又はULデータ信号)を送信する仕組みは、LTEでは規定されていない。
そこで、サブフレームの途中であっても信号の送信を実現するためのリソース割り当て方法として、パーシャルサブフレーム(Partial Subframe)や、フローティングサブフレーム(Floating Subframe)といった、新たなリソース割り当て方法の導入が検討されている。図5には、パーシャルサブフレームや、フローティングサブフレームのOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル上での配置の一例を示している。図5に示すように、パーシャルサブフレームやフローティングサブフレームでは、既存のノーマルサブフレーム(Normal Subframe)とは異なる無線リソース割り当てがなされる。
パーシャルサブフレームは、サブフレームの途中から送受信を開始するPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)/PUSCH(Physical Uplink Shared Channel)等を規定する。図5Aには、パーシャルサブフレームが7OFDMシンボルを占有する場合を示すが、パーシャルサブフレームのOFDMシンボル長はこれに限らない。パーシャルサブフレームは、1OFDMシンボル−14OFDMシンボルまでの大きさを取り得る。このように、パーシャルサブフレームを規定することで、キャリアセンスの後、ノーマルサブフレームよりも高精度(例えば66μs程度の粒度(精度))で、チャネルを占有することが可能となる。
フローティングサブフレームは、サブフレームの途中から、1サブフレーム分のデータを送受信する。例えば、PDSCH/PUSCH等を送信を遅らせた分だけ遅延(時間シフト)させて送信してもよいし、サブフレームの途中から送受信を始めたPDSCH/PUSCH等をModuloさせることで、1サブフレーム分(14OFDMシンボル分)のDL/ULデータを送受信してもよい。このようにModuloを適用するフローティングサブフレームを規定した場合、図5Bに示すように、PDCCHを送信するOFDMシンボルのタイミングをノーマルサブフレームと一致させることが可能である。
このように、従来のノーマルサブフレームに加え、パーシャルサブフレームやフローティングサブフレームを導入することで、LAAにおいて、キャリアセンスを適用した送信動作時に他の装置による割り込みを抑止することが可能となる。
上述したように、Rel.13以降のLTEでは、上述したFlexible duplexや、パーシャルサブフレーム、フローティングサブフレームなどの既存システムで規定されていないリソース割り当て方法を適用したセル(CC)をCAして通信を行うことが検討されている。例えば、複数CCを用いたCAにおいて、既存のLTEのTDDセルをPcellに適用し、Flexible duplexセル(又はアンライセンスバンド)をScellに適用することが検討されている。
しかしながら、TDDを適用したCCと、既存システムで規定されていないリソース割り当て方法を適用したCCとをCAする場合、既存システムにおけるeITMA制御をそのまま適用することは困難である。例えば、既存システムのCA(Inter−band TDD CA)では、ユーザ端末が同一サブフレームの異なる周波数(セル、またはCC)で下り信号の受信及び上り信号の送信を同時に実行できない場合(すなわち、Simultaneous Rx−TX CapabilityがFalseの場合)、各CCに設定されるUL−DL構成が既知であることを前提としてシステムが構成されている。このため、既存システムで規定されていないリソース割り当て方法をCCに適用する場合、適切に通信を制御できないおそれがある。
そこで、本発明者らは、Pcellにおける通信方向(上り方向又は下り方向)に対して、Scellにおける通信方向が相反する場合にセル間干渉等の原因となり得ることに着目した。そして、Pcellにおける通信方向に対して相反する通信方向のScellの通信を制限することがセル間干渉の低減や通信効率の向上に寄与することを見出し、本発明に想到した。
すなわち、本発明の骨子は、ユーザ端末において、Pcell(第1セル)における下りリンクの時間区間に対応するScell(第2セル)の時間区間において、上りリンクの通信を行わないように制御する一方、Pcellにおける上りリンクの時間区間に対応するScellの時間区間において、下りリンクの通信を行わないように制御することである。
本発明によれば、Pcellの通信方向に応じてScellにおける特定の通信方向の通信が制限される。これにより、通信方向が任意の時間区間で切り替えられる場合であっても、Scellでセル間干渉等の原因となる通信の実行を回避することができる。この結果、既存システムで規定されていないリソース割り当て方法が適用されたCCを含んでCAされる場合であっても、適切に通信を行うことが可能となる。
以下、本発明に係る複数の実施の形態について説明する。なお、以下に示す各実施の形態においては、ユーザ端末が複数の無線基地局が形成するセルとの間でキャリアアグリゲーション(CA)を適用して上りリンク通信及び下りリンク通信を実行する場合について示す。また、ユーザ端末は、下りリンク(DL)信号の受信と上りリンク(UL)信号の送信を同一サブフレームで行う能力を有しないものとする。すなわち、ユーザ端末から無線基地局に送信されるケーパビリティ情報(Simultaneous Rx-Tx Capability)がFalseであるものとする。あるいは、アンライセンスバンドのセルとライセンスバンドのセルを組み合わせたCAにおいて、下りリンク(DL)信号の受信と上りリンク(UL)信号の送信を同一サブフレームで行う能力を有さないことを示す新たなケーパビリティ情報が規定され、それがFalseであるものとしてもよい。
なお、以下に示す各実施の形態においては、説明の便宜上、PcellにTDDのUL−DL Config.#1を適用した場合について説明する。しかしながら、Pcellに適用されるTDDのUL−DL Config.#1については、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、PcellにUL−DL Config.#0、#2−#6等を適用してもよい。
また、以下に示す各実施の形態においては、Pcell及びScellが1つずつ配置される場合について説明する。しかしながら、ユーザ端末が通信を行うScellの数については、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、Pcellと2つ以上のScellを配置する場合を想定してもよい。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態においては、Pcellにて、UL−DL Config.により上りリンク/下りリンクの時間区間が動的に切り替えられる一方、Scellにて、任意の時間区間で上りリンク/下りリンクが切り替えられる場合におけるユーザ端末のScellでのリソース配置について説明する。図6は、第1の実施の形態に係るPcell及びScellのリソース配置の説明図である。
なお、第1の実施の形態においては、同一の通信方向(上り方向又は下り方向)の信号が連続している区間又は通信が行われない区間を1つの時間区間として定義する。例えば、Pcellでは、下りリンクの信号が連続するSF#0及びSF#1の一部(DwPTS)で1つの時間区間TDP1が構成される。また、上りリンクの信号が連続するSF#1の一部(UpPTS)、SF#2及びSF#3で1つの時間区間TDP2が構成される。さらに、通信が行われないSF#1の一部(ガード期間)で1つの時間区間TDP3が構成される。なお、時間区間については、以下に示す各実施の形態においても同様である。
第1の実施の形態においては、図6に示すように、Pcellにおける下りリンクの時間区間TDP1に対応するScellの時間区間TDS1において、上りリンクの通信を制限する(UL不可)。ユーザ端末は、この時間区間TDS1において、上りリンクの通信を行わないように制御される。この場合、ユーザ端末は、この時間区間TDS1において、Scellの任意のサブフレームに含まれるOFDMシンボルの送信を行わなくてもよい。
同様に、Pcellにおける上りリンクの時間区間TDP2に対応するScellの時間区間TDS2において、下りリンクの通信を制限する(DL不可)。ユーザ端末は、この時間区間TDS2において、下りリンクの通信を行わないように制御される。この場合、ユーザ端末は、この時間区間TDS2において、Scellの任意のサブフレームに含まれるOFDMシンボルの受信を行わなくてもよい。
このようにScellにおけるユーザ端末の送受信動作を制御することにより、Pcellの通信方向に応じてScellにおける特定の通信方向の通信が制限される。これにより、Scellにて通信方向が任意の時間区間で切り替えられる場合であっても、Scellでセル間干渉等の原因となる通信の実行を回避することができる。この結果、既存システムで規定されていないリソース割り当て方法(例えば、Flexible duplexや、パーシャルサブフレーム、フローティングサブフレーム)が適用されたCCを含んでCAが実行される場合であっても、適切に通信を行うことが可能となる。
また、第1の実施の形態においては、Pcellにおける通信が行われない時間区間TD3に対応するScellの時間区間TDS3において、特定の通信方向の通信を制限する。この場合、ユーザ端末は、Scellの時間区間TDS3において、特定の通信方向の通信に使用されないと想定する。これにより、Pcellの通信が行われない時間区間TDP3に対応するScellの時間区間TDS3における信号の送受信処理を回避することができる。この結果、ユーザ端末における処理を簡素化することが可能となる。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態においては、Pcellにて、UL−DL Config.により上りリンク(UL)/下りリンク(DL)の時間区間が動的に切り替えられる一方、Scellにて、Flexible−duplexを適用される場合におけるユーザ端末のScellでのリソース配置について説明する。図7は、第2の実施の形態に係るPcell及びScellのリソース配置の説明図である。
第2の実施の形態においては、図7に示すように、Pcellにおける下りリンクの時間区間TDP1に対応するScellの時間区間TDS1において、下りリンクの通信のみを許容する。この場合、ユーザ端末は、この時間区間TDS1が下りリンクの通信のみに使用されると想定し、上りリンク送信を行わないよう制御することができる。
同様に、第2の実施の形態においては、Pcellにおける上りリンクの時間区間TDP2に対応するScellの時間区間TDS2において、上りリンクの通信のみを許容する。この場合、ユーザ端末は、この時間区間TDS2が上りリンクの通信のみに使用されると想定し、品質測定動作や制御信号受信動作等の下りリンク受信関連動作を行わないよう制御することができる。
このようにユーザ端末は、Pcellの通信方向に応じてScellで使用可能な通信方向を想定することができる。このため、通信方向が任意の時間区間で切り替えられる場合であっても、Scellで上りリンク又は下りリンクの通信を実行できる時間区間を特定することができる。この結果、Scellの無線リソースを有効に活用して通信を行うことが可能となる。
なお、第2の実施の形態においても、上りリンクの通信が制限されるScellの時間区間TDS1にて上りリンクの通信を行わないように制御され、下りリンクの通信が制限されるScellの時間区間TDS2にて下りリンクの通信を行わないように制御されるのは、第1の実施の形態と同様である。また、Scellの時間区間TDS3において、特定の通信方向の通信が制限されるのは、第1の実施の形態と同様である。
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態においては、Pcellにて、UL−DL Config.によって上りリンク/下りリンクの時間区間が動的に切り替えられる一方、Scellにて、LAAを適用される場合におけるユーザ端末のScellでのリソース配置について説明する。図8は、第3の実施の形態に係るPcell及びScellのリソース配置の説明図である。特に、図8Aにおいては、LAAでパーシャルサブフレームが導入された場合について示し、図8Bにおいては、LAAでフローティングサブフレームが導入された場合について示している。なお、第3の実施の形態においては、Scellにおける信号送信の前にキャリアセンスを行うことで、チャネルが空き状態にあるかどうかの確認を行う。
第3の実施の形態において、ユーザ端末が上りリンクの通信が制限されるScellの時間区間TDS1にて上りリンクの通信を行わないように制御され、下りリンクの通信が制限されるScellの時間区間TDS2にて下りリンクの通信を行わないように制御されるのは、第1の実施の形態と同様である。また、Scellの時間区間TDS3において、特定の通信方向の通信が制限されるのは、第1の実施の形態と同様である。さらに、Pcellにおける下りリンクの時間区間TDP1に対応するScellの時間区間TDS1にて下りリンクの通信が許容され、Pcellにおける上りリンクの時間区間TDP2に対応するScellの時間区間TDS2にて上りリンクの通信が許容されるのは、第2の実施の形態と同様である。
図8Aにおいては、Pcellにおける時間区間TDP3に対応するScellの時間区間TDS3に対して、パーシャルサブフレーム(PSF1、PSF2)が配置された場合について示している。なお、PSF1は、下りリンクのパーシャルサブフレームであり、PSF2は、上りリンクのパーシャルサブフレームである。また、図8Bにおいては、Pcellにおける時間区間TDP3に対応する時間区間に対してフローティングサブフレーム(FSF1)が配置され、Pcellにおける時間区間TDP1及び時間区間TDP2に跨ってフローティングサブフレーム(FSF2、FSF3)が配置された場合について示している。なお、FSF1及びFSF3は、下りリンクのフローティングサブフレームであり、FSF2は、上りリンクのフローティングサブフレームである。
上述のように、Scellの時間区間TDS3には、特定の通信方向の通信が制限される。このため、ユーザ端末は、Scellの時間区間TDS3を含む時間区間に対してパーシャルサブフレーム(PSF1、PSF2)やフローティングサブフレーム(FSF1)がスケジューリングされないことを想定することができる。これにより、パーシャルサブフレームやフローティングサブフレームが導入される場合であっても、Pcellの通信が行われない時間区間TDP3に対応するScellの時間区間TDS3における信号の送受信処理を回避することができる。この結果、ユーザ端末における処理を簡素化し、送受信動作を行う時間区間を限定することで消費電力を低減することが可能となる。
また、上述のように、Scellの時間区間TDS1には、下りリンクの通信のみが許容される。一方、Scellの時間区間TDS2には、上りリンクの通信のみが許容される。このため、ユーザ端末は、Scellの時間区間TDS1及び時間区間TDS2に跨ってフローティングサブフレーム(FSF2、FSF3)がスケジューリングされないことを想定することができる。これにより、パーシャルサブフレームやフローティングサブフレームが導入される場合であっても、Pcellの通信方向が切り替わるタイミングを含む時間区間における信号の送受信処理を回避することができる。この結果、ユーザ端末における処理を簡素化し、送受信動作を行う時間区間を限定することで消費電力を低減することが可能となる。
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態においては、Pcellにて、UL−DL Config.によって上りリンク/下りリンクの時間区間が動的に切り替えられる一方、Scellにて、LAAを適用される場合におけるユーザ端末のScellでのリソース配置について説明する。図9は、第4の実施の形態に係るPcell及びScellのリソース配置の説明図である。特に、図9Aにおいては、LAAでパーシャルサブフレームが導入された場合について示し、図9Bにおいては、LAAでフローティングサブフレームが導入された場合について示している。なお、第4の実施の形態においては、Scellにおける信号送信の前にキャリアセンスを行うことで、チャネルが空き状態にあるかどうかの確認を行う。
第4の実施の形態において、Pcellにおける下りリンクの時間区間TDP1に対応するScellの時間区間TDS1にて下りリンクの通信のみが許容され、Pcellにおける上りリンクの時間区間TDP2に対応するScellの時間区間TDS2にて上りリンクの通信のみが許容されるのは、第2の実施の形態と同様である。
図9Aにおいては、Pcellにおける時間区間TDP1に対応するScellの時間区間TDS1に対して、パーシャルサブフレーム(PSF11、PSF12)が配置され、Pcellにおける時間区間TDP2に対応するScellの時間区間TDS2に対して、パーシャルサブフレーム(PSF13)が配置された場合について示している。なお、PSF11及びPSF12は、下りリンクのパーシャルサブフレームであり、PSF13は、上りリンクのパーシャルサブフレームである。また、図9Bにおいては、Pcellにおける時間区間TDP1に対応するScellの時間区間TDS1に対して、フローティングサブフレーム(FSF11、FSF13)が配置され、Pcellにおける時間区間TDP2に対応するScellの時間区間TDS2に対して、フローティングサブフレーム(FSF12、FSF14)が配置された場合について示している。なお、FSF11及びFSF13は、下りリンクのフローティングサブフレームであり、FSF12及びFSF14は、上りリンクのフローティングサブフレームである。
上述のようにScellの時間区間TDS1には、下りリンクの通信が許容される。このため、ユーザ端末は、Scellの時間区間TDS1にスケジューリングされたパーシャルサブフレーム(PSF11、PSF12)やフローティングサブフレーム(FSF11、FSF13)を受信できなければならない。また、Scellの時間区間TDS2には、上りリンクの通信が許容される。このため、ユーザ端末は、Scellの時間区間TDS2にスケジューリングされたパーシャルサブフレーム(PSF13)やフローティングサブフレーム(FSF12、FSF14)を送信できなければならない。これにより、パーシャルサブフレームやフローティングサブフレームが導入される場合であっても、Pcellにおける上りリンク又は下りリンクの時間区間に対応するScellの時間区間の一部又は全部で上りリンク又は下りリンクの通信を実行することができる。この結果、Pcellとのセル間干渉を低減しながら、Scellの無線リソースを有効に活用して通信を行うことが可能となる。
以上の第1−第4の実施の形態においては、ユーザ端末がPcellにおけるリソース配置に基づいて、Scellのリソース配置を想定するものであるとしているが、これに限らない。例えば、ユーザ端末が想定するように無線基地局がリソースをスケジューリングするようにしてもよい。
以上の第1−第4の実施の形態によれば、Flexible duplexキャリアを束ねながらも、Half−duplex運用を維持することができる。さらに、これによれば、TDDを用いて通信を行うことができるため、FDDを用いたユーザ端末を用いる場合と比べて、送受信を行う周波数間の干渉を避けるためのRFフィルタが不要となるため、より簡易な構成を有するユーザ端末で通信を行うことが可能となる。
(無線通信システムの構成)
以下、本発明の一実施形態に係る無線通信システムの構成について説明する。この無線通信システムでは、本発明の実施形態に係る無線通信方法が適用される。なお、上記の各実施の態様に係る無線通信方法は、それぞれ単独で適用されてもよいし、組み合わせて適用してもよい。
図10は、本発明の一実施形態に係る無線通信システムの概略構成の一例を示す図である。なお、図10に示す無線通信システムは、例えば、LTEシステム、SUPER 3G、LTE−Aシステムなどが包含されるシステムである。この無線通信システムでは、複数のコンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)を一体としたキャリアアグリゲーション(CA:Carrier Aggregation)及び/又はデュアルコネクティビティ(DC:Dual Connectivity)を適用することができる。また、複数のCCには、ライセンスバンドを利用するライセンスバンドCCと、アンライセンスバンドを利用するアンライセンスバンドCCが含まれる。なお、この無線通信システムは、IMT−Advancedと呼ばれても良いし、4G、5G、FRA(Future Radio Access)などと呼ばれても良い。
図10に示す無線通信システム1は、マクロセルC1を形成する無線基地局11と、マクロセルC1内に配置され、マクロセルC1よりも狭いスモールセルC2を形成する無線基地局12(12a−12c)と、を備えている。また、マクロセルC1及び各スモールセルC2には、ユーザ端末20が配置されている。
ユーザ端末20は、無線基地局11及び無線基地局12の双方に接続することができる。ユーザ端末20は、異なる周波数を用いるマクロセルC1とスモールセルC2を、CA又はDCにより同時に使用することが想定される。また、ユーザ端末20は、少なくとも2CC(セル)を用いてCAを適用することができ、6個以上のCCを利用することも可能である。
ユーザ端末20と無線基地局11との間は、相対的に低い周波数帯域(例えば、2GHz)で帯域幅が狭いキャリア(既存キャリア、Legacy carrierなどと呼ばれる)を用いて通信を行うことができる。一方、ユーザ端末20と無線基地局12との間は、相対的に高い周波数帯域(例えば、3.5GHz、5GHzなど)で帯域幅が広いキャリアが用いられてもよいし、無線基地局11との間と同じキャリアが用いられてもよい。無線基地局11と無線基地局12との間(又は、2つの無線基地局12間)は、有線接続(光ファイバ、X2インターフェースなど)又は無線接続する構成とすることができる。
無線基地局11及び各無線基地局12は、それぞれ上位局装置30に接続され、上位局装置30を介してコアネットワーク40に接続される。なお、上位局装置30には、例えば、アクセスゲートウェイ装置、無線ネットワークコントローラ(RNC)、モビリティマネジメントエンティティ(MME)などが含まれるが、これに限定されるものではない。また、各無線基地局12は、無線基地局11を介して上位局装置30に接続されてもよい。
なお、無線基地局11は、相対的に広いカバレッジを有する無線基地局であり、マクロ基地局、集約ノード、eNB(eNodeB)、送受信ポイントなどと呼ばれてもよい。また、無線基地局12は、局所的なカバレッジを有する無線基地局であり、スモール基地局、マイクロ基地局、ピコ基地局、フェムト基地局、HeNB(Home eNodeB)、RRH(Remote Radio Head)、送受信ポイントなどと呼ばれてもよい。以下、無線基地局11及び12を区別しない場合は、無線基地局10と総称する。各ユーザ端末20は、LTE、LTE−Aなどの各種通信方式に対応した端末であり、移動通信端末だけでなく固定通信端末を含んでよい。
無線通信システムにおいては、無線アクセス方式として、下りリンクについてはOFDMA(直交周波数分割多元接続)が適用され、上りリンクについてはSC−FDMA(シングルキャリア−周波数分割多元接続)が適用される。OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC−FDMAは、システム帯域幅を端末毎に1つ又は連続したリソースブロックからなる帯域に分割し、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。なお、上り及び下りの無線アクセス方式は、これらの組み合わせに限られない。
無線システムにおいては、上りリンク及び又は下りリンクにTDDを適用してもよい。無線システムは、従来のTDDの割り当て方法であるUL−DL構成(UL-DL Configuration)に加えて、Flexible duplexを適用してもよい。Flexible duplexでは、無線リソースをDL又はULとして柔軟に用いることができる。
無線通信システム1では、下りリンクのチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される下り共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)、報知チャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)、下りL1/L2制御チャネルなどが用いられる。PDSCHにより、ユーザデータや上位レイヤ制御情報、所定のSIB(System Information Block)が伝送される。また、PBCHにより、MIB(Master Information Block)などが伝送される。
また、無線通信システム1では、無線リソースのスケジューリングの単位として、従来のサブフレーム単位のみではなく、サブフレームよりも時間長が短い単位での無線リソースを割り当てることができる。例えば、OFDMシンボル単位で無線リソースの割り当てを行ってもよい。この場合、例えば、Partial subframeや、Floating subframeなどを割り当てるようにしてもよい。また、例えば、SC−FDMAシンボルについても、OFDMシンボルと同様に無線リソースの割り当てを行ってもよい。
下りL1/L2制御チャネルは、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、EPDCCH(Enhanced Physical Downlink Control Channel)、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)、PHICH(Physical Hybrid-ARQ Indicator Channel)などを含む。PDCCHにより、PDSCH及びPUSCHのスケジューリング情報を含む下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)などが伝送される。PCFICHにより、PDCCHに用いるOFDMシンボル数が伝送される。PHICHにより、PUSCHに対するHARQの送達確認信号(ACK/NACK)が伝送される。EPDCCHは、PDSCH(下り共有データチャネル)と周波数分割多重され、PDCCHと同様にDCIなどを伝送するために用いられてもよい。
また、下りリンクの参照信号として、セル固有参照信号(CRS:Cell-specific Reference Signal)、チャネル状態測定用参照信号(CSI−RS:Channel State Information-Reference Signal)、復調用に利用されるユーザ固有参照信号(DM−RS:Demodulation Reference Signal)などを含む。
無線通信システム1では、上りリンクのチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される上り共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)、上り制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)、ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)などが用いられる。PUSCHにより、ユーザデータや上位レイヤ制御情報が伝送される。また、PUCCHにより、下りリンクの無線品質情報(CQI:Channel Quality Indicator)、送達確認信号(HARQ-ACK)などが伝送される。PRACHにより、セルとの接続確立のためのランダムアクセスプリアンブル(RAプリアンブル)が伝送される。
<無線基地局>
図11は、本発明の一実施形態に係る無線基地局の全体構成の一例を示す図である。無線基地局10は、複数の送受信アンテナ101と、アンプ部102と、送受信部103と、ベースバンド信号処理部104と、呼処理部105と、伝送路インターフェース106と、を備えている。なお、送受信部103は、送信部及び受信部で構成される。
下りリンクにより無線基地局10からユーザ端末20に送信されるユーザデータは、上位局装置30から伝送路インターフェース106を介してベースバンド信号処理部104に入力される。
ベースバンド信号処理部104では、ユーザデータに関して、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤの処理、ユーザデータの分割・結合、RLC(Radio Link Control)再送制御等のRLCレイヤの送信処理、MAC(Medium Access Control)再送制御(例えば、HARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)の送信処理)、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理、プリコーディング処理等の送信処理が行われて各送受信部103に転送される。また、下り制御信号に関しても、チャネル符号化や逆高速フーリエ変換などの送信処理が行われて、各送受信部103に転送される。
各送受信部103は、ベースバンド信号処理部104からアンテナ毎にプリコーディングして出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部103で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部102により増幅され、送受信アンテナ101から送信される。
一方、上り信号については、各送受信アンテナ101で受信された無線周波数信号がそれぞれアンプ部102で増幅される。各送受信部103はアンプ部102で増幅された上り信号を受信する。送受信部103は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部104に出力する。
また、送受信部(受信部)103は、ユーザ端末20からDL受信とUL送信を同一サブフレームで実施可能かどうかを示すケーパビリティ(Capability)を受信する。ケーパビリティとしては、例えば、Simultaneous Rx-Tx capabilityが規定される。なお、送受信部103は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置とすることができる。
ベースバンド信号処理部104では、入力された上り信号に含まれるユーザデータに対して、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)処理、逆離散フーリエ変換(IDFT:Inverse Discrete Fourier Transform)処理、誤り訂正復号、MAC再送制御の受信処理、RLCレイヤ、PDCPレイヤの受信処理がなされ、伝送路インターフェース106を介して上位局装置30に転送される。呼処理部105は、通信チャネルの設定や解放等の呼処理や、無線基地局10の状態管理や、無線リソースの管理を行う。
伝送路インターフェース106は、所定のインターフェースを介して、上位局装置30と信号を送受信する。また、伝送路インターフェース106は、基地局間インターフェース(例えば、光ファイバ、X2インターフェース)を介して隣接無線基地局10と信号を送受信(バックホールシグナリング)してもよい。
図12は、本実施形態に係る無線基地局の機能構成の一例を示す図である。なお、図12では、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、無線基地局10は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。図12に示すように、ベースバンド信号処理部104は、制御部(スケジューラ)301と、送信信号生成部(生成部)302と、マッピング部303と、受信信号処理部304と、測定部305と、を備えている。
制御部(スケジューラ)301は、PDSCHで送信される下りデータ、PDCCH及び/又はEPDCCHで伝送される下り制御情報のスケジューリング(例えば、リソース割り当て)を制御する。また、システム情報、同期信号、ページング情報、CRS、CSI−RS等のスケジューリングの制御も行う。
制御部301は、上り参照信号、PUSCHで送信される上りデータ信号、PUCCH及び/又はPUSCHで送信される上り制御信号、PRACHで送信されるランダムアクセスプリアンブル等のスケジューリングを制御する。また、制御部301は、リスニング(DL LBT)結果に基づいてDL信号の送信を制御する。
制御部301は、CSI−RSの送信にDL LBTを適用する際に、キャリアセンス(CCA、LBT、リスニングとも称する)を用いたLBTを適用してもよい。また、制御部301は、送受信部103で送受信される信号に対して、Flexible duplexを適用して送信するようにしてもよい。また、OFDMシンボル単位でのリソース割り当てである、Partial subframeやFloating subframeを適用して、信号を送信するようにしてもよい。また、制御部301は、ユーザ端末20をスケジューリング可能であってもよい。例えば、制御部301は、第1−第4の実施の形態で示したユーザ端末20の動作に合わせて、無線リソースのスケジューリングを行うようにしてもよい。
送信信号生成部302は、制御部301からの指示に基づいて、DL信号を生成して、マッピング部303に出力する。例えば、送信信号生成部302は、制御部301からの指示に基づいて、下り信号の割り当て情報を通知するDLアサインメント及び上り信号の割り当て情報を通知するULグラントを生成する。また、送信信号生成部302は、アンライセンスバンドで送信するDL信号にUL送信用のLBTに関する情報を含めることができる。また、送信信号生成部302は、ULグラントにUL−LBTの適用有無に関する情報を含めることができる。なお、送信信号生成部302は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路又は信号生成装置とすることができる。
マッピング部303は、制御部301からの指示に基づいて、送信信号生成部302で生成された下り信号を、所定の無線リソースにマッピングして、送受信部103に出力する。なお、マッピング部303は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置とすることができる。
受信信号処理部304は、ユーザ端末から送信されるUL信号(例えば、送達確認信号(HARQ−ACK)、PUSCHで送信されたデータ信号等)に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号など)を行う。処理結果は、制御部301に出力される。受信信号処理部304は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置から構成することができる。
測定部305は、受信した信号を用いて受信電力(例えば、RSRP(Reference Signal Received Power))、受信品質(RSRQ(Reference Signal Received Quality))やチャネル状態(CSI)などについて測定することができる。また、測定部305は、アンライセンスバンドにおけるDL信号の送信前に行うリスニングにおいて、システム等から送信される信号の受信電力を測定することができる。測定部305で測定した結果は、制御部301に出力される。制御部301は測定部305の測定結果(リスニング結果)に基づいて、DL信号の送信を制御することができる。
測定部305は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。
<ユーザ端末>
図13は、本実施形態に係るユーザ端末の全体構成の一例を示す図である。ユーザ端末20は、MIMO伝送のための複数の送受信アンテナ201と、アンプ部202と、送受信部203と、ベースバンド信号処理部204と、アプリケーション部205と、を備えている。なお、送受信部203は、送信部及び受信部から構成されてもよい。
複数の送受信アンテナ201で受信された無線周波数信号は、それぞれアンプ部202で増幅される。各送受信部203はアンプ部202で増幅された下り信号を受信する。送受信部203は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部204に出力する。
ベースバンド信号処理部204は、入力されたベースバンド信号に対して、FFT処理や、誤り訂正復号、再送制御の受信処理などを行う。下りリンクのユーザデータは、アプリケーション部205に転送される。アプリケーション部205は、物理レイヤやMACレイヤより上位のレイヤに関する処理などを行う。また、下りリンクのデータのうち、報知情報もアプリケーション部205に転送される。
一方、上りリンクのユーザデータについては、アプリケーション部205からベースバンド信号処理部204に入力される。ベースバンド信号処理部204では、再送制御の送信処理(例えば、HARQの送信処理)や、チャネル符号化、プリコーディング、離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)処理、IFFT処理などが行われて各送受信部203に転送される。送受信部203は、ベースバンド信号処理部204から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部203で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部202により増幅され、送受信アンテナ201から送信される。
図14は、本実施形態に係るユーザ端末の機能構成の一例を示す図である。なお、図14においては、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、ユーザ端末20は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。図14に示すように、ユーザ端末20が有するベースバンド信号処理部204は、制御部401と、送信信号生成部402と、マッピング部403と、受信信号処理部404と、測定部405と、を備えている。
制御部401は、送信信号生成部402、マッピング部403及び受信信号処理部404の制御を行うことができる。例えば、制御部401は、無線基地局10から送信された下り制御信号(PDCCH/EPDCCHで送信された信号)及び下りデータ信号(PDSCHで送信された信号)を、受信信号処理部404から取得する。制御部401は、下り制御情報(ULグラント)や、下りデータに対する再送制御の要否を判定した結果等に基づいて、上り制御信号(例えば、HARQ−ACK等)や上りデータの生成/送信(UL送信)を制御する。また、制御部401は、リスニング(UL LBT)結果に基づいてUL信号の送信を制御する。
また、制御部401は、無線基地局11をPCell、無線基地局12をSCellとしてCAを行う場合には、以下に示す制御を行ってもよい。制御部401は、無線基地局11から送信される信号のUL/DLの種類に応じて、無線基地局12との通信を制御又は想定してもよい。例えば、無線基地局11からDLを受信した場合には、制御部401は、無線基地局12に対してULを送信しないように制御してもよい。また、無線基地局11からDLを受信した場合には、制御部401は、無線基地局12に対してDLを送信すると想定してもよい。また、無線基地局11からDLを受信した場合には、制御部401は、無線基地局12に対してULを送信することはないと想定してもよい。また、無線基地局11に対してULを送信した場合には、制御部401は、無線基地局12からDLを受信しないように制御してもよい。無線基地局11に対してULを送信した場合には、制御部401は、無線基地局12に対してULを送信すると想定してもよい。また、無線基地局11に対してULを送信した場合には、制御部401は、無線基地局12からDLを受信することはないと想定してもよい。また、制御部401は、PCellのスペシャルサブフレームのガードピリオドに対応する時間区間においては、SCellの通信を行わなくてもよい。
なお、制御部401は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置とすることができる。
送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて、UL信号を生成して、マッピング部403に出力する。例えば、送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて、DL信号に対応する送達確認信号(HARQ−ACK)やチャネル状態情報(CSI)等の上り制御信号を生成する。
また、送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて上りデータ信号を生成する。例えば、送信信号生成部402は、無線基地局10から通知される下り制御信号にULグラントが含まれている場合に、制御部401から上りデータ信号の生成を指示される。送信信号生成部402は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路又は信号生成装置とすることができる。
マッピング部403は、制御部401からの指示に基づいて、送信信号生成部402で生成された上り信号(上り制御信号及び/又は上りデータ)を無線リソースにマッピングして、送受信部203へ出力する。マッピング部403は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置とすることができる。
受信信号処理部404は、DL信号(例えば、無線基地局からPDCCH/EPDCCHで送信される下り制御信号、PDSCHで送信される下りデータ信号等)に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号等)を行う。受信信号処理部404は、無線基地局10から受信した情報を、制御部401、測定部405に出力する。なお、受信信号処理部404は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置から構成することができる。また、受信信号処理部404は、本発明に係る受信部を構成することができる。
また、測定部405は、無線基地局10が送信したチャネル状態情報測定用参照信号を用いてチャネル状態について測定する。また、測定部405は、受信電力(例えば、RSRP(Reference Signal Received Power))、受信品質(RSRQ(Reference Signal Received Quality))やチャネル状態などについて測定してもよい。また、測定部405は、アンライセンスバンドにおけるUL信号の送信前に行うリスニングにおいて、他システム等から送信される信号の受信電力を測定することができる。測定部405で測定した結果は、制御部401に出力される。制御部401は測定部405の測定結果(リスニング結果)に基づいて、UL信号の送信を制御することができる。
測定部405は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的に分離した2つ以上の装置を有線又は無線で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
例えば、無線基地局10やユーザ端末20の各機能の一部又は全ては、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを用いて実現されても良い。また、無線基地局10やユーザ端末20は、プロセッサ(CPU:Central Processing Unit)と、ネットワーク接続用の通信インターフェースと、メモリと、プログラムを保持したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体と、を含むコンピュータ装置によって実現されてもよい。つまり、本発明の一実施形態に係る無線基地局、ユーザ端末などは、本発明に係る無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
ここで、プロセッサやメモリなどは情報を通信するためのバスで接続される。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、例えば、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、CD−ROM(Compact Disc−ROM)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクなどの記憶媒体である。また、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。また、無線基地局10やユーザ端末20は、入力キーなどの入力装置や、ディスプレイなどの出力装置を含んでいてもよい。
無線基地局10及びユーザ端末20の機能構成は、上述のハードウェアによって実現されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実現されてもよいし、両者の組み合わせによって実現されてもよい。プロセッサは、オペレーティングシステムを動作させてユーザ端末の全体を制御する。また、プロセッサは、記憶媒体からプログラム、ソフトウェアモジュールやデータをメモリに読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。
ここで、当該プログラムは、上記の各実施形態で説明した各動作を、コンピュータに実行させるプログラムであれば良い。例えば、ユーザ端末20の制御部401は、メモリに格納され、プロセッサで動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。
また、ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及び/又はシンボルは信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC)は、キャリア周波数、セルなどと呼ばれてもよい。
また、本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスで指示されるものであってもよい。
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的に(例えば、当該所定の情報の通知を行わないことによって)行われてもよい。
情報の通知は、本明細書で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法で行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRCConnectionSetup)メッセージ、RRC接続再構成(RRCConnectionReconfiguration)メッセージなどであってもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
本出願は、2015年8月13日出願の特願2015−159985に基づく。この内容は、すべてここに含めておく。