以下に、図面を参照して、本願に係る発明を実施するための形態について説明する。
[第一実施形態]
まず、本発明の第一実施形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の第一実施形態である送風量制御装置の概略図、図2はその送風量制御装置の概略ブロック図である。
第一実施形態の送風量制御装置は、空気流通式マットや空調服等の空調装置に用いられる。一般に、空調装置とは、ファンを駆動することにより体近傍に空気を流して体表面の温度を調整するものである。第一実施形態では、空調装置として、椅子等の着座装置の上に敷いて使用される空気流通式マット(空気流通式座布団)を用いる場合について説明する。ここで、図1では送風量制御装置1を空気流通式マット100に適用したときの様子が示されている。
まず、空気流通式マット100について簡単に説明する。この空気流通式マット100は、図1に示すように、袋状体110と、スペーサ120と、空気流通部130と、ファン(送風手段)140と、電源装置150とを備える。袋状体110は、スペーサ120を覆うものである。この袋状体110は、上布と下布とを袋状に縫合することにより作成される。上布には、空気が漏れにくく且つ透湿性を有する素材が用いられ、一方、下布には、空気が漏れにくい素材が用いられる。空気流通式マットの使用時には、臀部が上布に接するように袋状体110が椅子の着座面に配置される。また、スペーサ120は、袋状体110の内部において空気が流通する風路を確保するためのものである。このスペーサ20としては、プラスチック製のものであって、空気抵抗がきわめて小さい構造のものを用いている。具体的には、例えば国際公開第2007/094130号パンフレットに開示されたスペーサを用いることができる。
ファン140は、外部の空気を強制的に吸入することにより空気を袋状体110の内部に流通させるものである。このファン140は、袋状体110の端部に取り付けられている。また、第一実施形態では、ファン140として例えばブラシモーターを用いている。このファン140の回転数は、印加される電圧値に応じて変化する。空気流通部130は、袋状体110の内部を流通する空気を外部に放出するためのものである。この空気流通部130は、空気を袋状体110の全体に流通させるために、ファン140と略反対側に位置する袋状体110の端部に設けられている。電源装置150は、ファン140に電力を供給するものである。この電源装置150には、四本の単三乾電池が収納されている。具体的に、四本の乾電池は直列に接続されている。また、電源装置150には、空気流通式マット100の電源スイッチ(不図示)が設けられている。
使用者が袋状体110上に座り、ファン140が駆動すると、外部の空気がファン140から袋状体110内に取り込まれる。そして、その取り込まれた空気がスペーサ120で確保された風路内を流通するときに身体(臀部)から出た汗を蒸発させ、その蒸発するときの気化熱により臀部が冷却される。
第一実施形態の送風量制御装置1は、空気流通式マット100におけるファン140の送風量を制御するためのものであり、図1に示すように、ファン140と電源装置150との間に接続されている。具体的に、送風量制御装置1は、図1及び図2に示すように、収納ケース10と、体表面温度測定部(体表面温度測定手段)20と、目標温度設定部(目標温度設定手段)30と、本体回路40と、電力入力部50と、電力出力部60とを備える。
収納ケース10は、本体回路40を収納するものであり、略直方体形状に形成されている。図1に示すように、この収納ケース10の上面には、目標温度設定部30が設けられている。また、収納ケース10の右端面には電力入力部50が設けられ、収納ケース10の左端面には電力出力部60が設けられている。電力入力部50は、電源装置150から供給される電力を入力するための電源入力端子である。電力入力部50と電源装置150とは入力ケーブル81により接続されている。また、電力出力部60は、ファン140に供給する電力を出力するための電源出力端子である。電力出力部60とファン140とは出力ケーブル82により接続されている。
尚、第一実施形態では、上述したように、空気流通式マット100の電源装置150として乾電池を用いている。一般に乾電池の電圧は使用時間の経過とともに低下するが、第一実施形態では、便宜上、電源装置150から送風量制御装置1に入力する電源の電圧は常に5V(一定)であるとして説明する。したがって、ファン140の送風量を最大にするには、送風量制御装置1はファン140に5Vの直流電圧を印加することになる。
体表面温度測定部20は、使用者の体表面(臀部)が接する空気流通式マット100の所定部位に配置されたものであって、当該所定部位の温度、したがって体表面の温度を測定するものである。第一実施形態では、体表面温度測定部20としてサーミスタを用い、この体表面温度測定部20を袋状体110の上布の略中央部であってその表面に設けている。また、体表面温度測定部20は本体回路40と接続されている。
目標温度設定部30は、使用者が体表面(臀部)の温度についての目標温度を設定するためのものである。第一実施形態では、目標温度設定部30として可変抵抗器を用い、この目標温度設定部30を収納ケース10の上面に配置している。具体的に、目標温度設定部30は、図1に示すように、使用者が抵抗値を切り替えるためのツマミと、抵抗値に対応した温度を記した目盛りとを有する。第一実施形態では、目盛りには、30℃から35℃までの各温度が記されている。当然のことながら、目盛りには、より広い範囲にわたる温度、例えば28℃から36℃までの各温度を記すようにしてもよい。目標温度設定部30は本体回路40と接続されている。
尚、目標温度設定部30を設けたのは次の理由による。通常、使用者の臀部はズボン等を介して体表面温度測定部20と接しているので、体表面温度測定部20で測定される温度と実際の臀部の温度とには若干の違いがある。また、人によって快適と感じる体表面温度が異なる。一般に肥満の人ほど快適と感じる体表面温度は低い。これらのことを考慮して、第一実施形態では、使用者自らが目標温度を30℃から35℃までの範囲内で自由に設定できるようにしている。
本体回路40は、ファン140に出力する電力を制御するものであり、図2に示すように、測定温度変換部(測定温度変換手段)41と、目標温度変換部(目標温度変換手段)42と、指示演算回路43と、回転数制御電力回路44とを有する。ここでは、測定温度変換部41、目標温度変換部42、指示演算回路43、回転数制御電力回路44はそれぞれ独立した回路となっている。測定温度変換部41は、体表面温度測定部20で測定された温度(体表面温度測定部20の情報、この場合はサーミスタの抵抗値)をそれに対応する電気信号値である測定温度対応値に変換するものである。また、目標温度変換部42は、目標温度設定部30で設定された目標温度(目標温度設定部30の情報、この場合は可変抵抗器の抵抗値)をそれに対応する電気信号値である目標温度対応値に変換するものである。
指示演算回路43は、体表面温度測定部20で測定された温度(測定温度)と目標温度設定部30で設定された目標温度とから、すなわち、測定温度変換部41で変換された測定温度対応値と目標温度変換部42で変換された目標温度対応値とから指示値を演算するものである。具体的に、指示演算回路43は、測定温度変換部41で変換された測定温度対応値と目標温度変換部42で変換された目標温度対応値とに基づいて、ファン140に印加するパルス電圧についてのデューティー比及び振幅を決めるための複数段階の指示値の中から一つの指示値を決定する。指示演算回路43が決定した指示値は、回転数制御電力回路44に出力される。
回転数制御電力回路44は、指示値によりファン140に供給する電力を制御するものである。具体的に、回転数制御電力回路44は、指示演算回路43が出力した指示値に基づいて所定のデューティー比及び所定の振幅を有するパルス電圧を生成し、ファン140に出力する。このように、第一実施形態では、回転数制御電力回路44は、デューティー比とパルス振幅とを制御するパルス幅制御の方法を用いてファン140を制御することにしている。これは次の理由による。一般的なファンを駆動するには、最低駆動電圧以上の電圧を少なくとも一定の時間(最低印加時間)以上、ファンに印加しなければならない。例えば、第一実施形態で使用しているファン140の最低駆動電圧は1.8Vである。このため、ファン140に印加する電圧を制御するだけでは、ファン140の送風量をその最大量からゼロまで連続的に制御することは難しい。ファン140の送風量を連続的に制御する実用的な方法としては、パルス周期に対して一定の電圧(5V)を印加する時間の割合(デューティー比)を制御するパルス幅制御の方法がある。しかしながら、単純なパルス幅制御の方法を用いたとしても、ファン140の最低印加時間がゼロでないため、パルス周期を相当に大きくしないと微量の送風量を実現することができない。また、パルス周期を非常に大きくすると、微量の送風量を実現できるが、ファンの停止時間が長くなり、臀部を迅速に冷却することができず、快適さが損なわれてしまう。しかも、この場合、ファン140が回転と停止を頻繁に繰り返すため、その駆動音がうるさいという問題も生じる。回転数制御電力回路44は、これらの問題を解決するために、デューティー比だけを制御するパルス幅制御の方法ではなく、デューティー比とパルス振幅とを制御するパルス幅制御の方法を用いることにしている。
第一実施形態では、複数段階の指示値として、0から255までのデジタル値を用いる。ここで、最大の指示値「255」が決定されると、回転数制御電力回路44は、デューティー比が100%で振幅が5Vであるパルス電圧、すなわち、電源装置150から供給される5Vの直流電圧をそのままファン140に出力することになる。一方、最小の指示値「0」が決定されると、回転数制御電力回路440は、デューティー比が0%であるパルス電圧を出力する、すなわち、ファン140に電圧を出力しないことになる。そして、「255」と「0」との間の指示値が決定されると、回転数制御電力回路440は、指示値が小さくなるにしたがってファン140の送風量が略連続的に少なくなるようなパルス電圧をファン140に出力することになる。このように、指示値とファン140に印加されるパルス電圧のデューティー比及び振幅との間には所定の対応関係がある。
具体的に、指示演算回路43は、測定温度対応値と目標温度対応値とを比較し、測定温度対応値が目標温度対応値よりも低く測定温度対応値と目標温度対応値の差の絶対値が所定の値よりも大きいときには、ファン140にパルス電圧を出力しないことに対応する最小の指示値「0」を決定する。また、測定温度対応値が目標温度対応値よりも低く測定温度対応値と目標温度対応値との差の絶対値が上記所定の値以下であるとき、又は、測定温度対応値が目標温度対応値以上であるときには、測定温度を目標温度に近づけることができるような指示値を決定する。したがって、本体回路40は、測定温度対応値と目標温度対応値とに基づいてパルス電圧の出力を制御する負帰還機能を備えていると言える。第一実施形態の送風量制御装置1を空気流通式マット100に用いることにより、送風量制御装置1は使用者の臀部の温度が目標温度に近づくようにファン140の送風量を自動的に制御することができる。尚、第一実施形態では、上記所定の値については、この所定の値を温度に換算したときの値が0.5℃である場合を考えることにする。このため、例えば、目標温度が33℃である場合、測定温度が32.5℃であれば、ファン140に電力が供給され、一方、測定温度が32℃であれば、ファン140に電力は供給されない。また、一般に、この所定の値を温度に換算したときの値は0.5℃に限らず、任意の値に設定することができる。
したがって、第一実施形態では、本体回路40は、使用者が空気流通式マット100に載り、測定温度対応値が目標温度対応値の近くまで上昇したときに、ファン140の送風を開始し、ファン140が送風を開始した後は測定温度対応値が目標温度対応値に絶えず近づくようにファン140の送風量を制御し、そして、使用者が空気流通式マット100から離れ、測定温度対応値が目標温度対応値を下回ったときに、ファン140の送風を停止する。
次に、回転数制御電力回路44の具体的な構成を詳しく説明する。図3は第一実施形態の送風量制御装置1における回転数制御電力回路44の概略ブロック図である。回転数制御電力回路44は、図3に示すように、パルス信号を生成する信号生成部440と、信号生成部440で生成されたパルス信号をパルス電圧に変換する電力生成部450とからなる。第一実施形態では、信号生成部440をマイコンで構成している。
信号生成部440は、図3に示すように、クロック部441と、第一周波数発生手段442と、第二周波数発生手段443と、第一変調手段444と、第二変調手段445と、アンド回路(論理積回路)446とを有する。
クロック部441は、1.28MHzの動作クロックを発生するものである。第一周波数発生手段442は、動作クロックを64分周することにより20KHzの信号を発生するものであり、第二周波数発生手段443は、第一周波数発生手段442で発生させた20KHzの信号を216分周することにより0.305Hzの信号を発生するものである。ここで、第一周波数発生手段442で発生させた20KHzの信号を「第一周波数の信号」と称し、第二周波数発生手段443で発生させた0.305Hzの信号を「第二周波数の信号」と称することにする。このように、第二周波数は第一周波数よりも十分小さい。
第一変調手段444は、指示演算回路43が出力した指示値に対応する第一デューティー比を決定し、第一周波数の信号のパルス幅を変調することによりその決定した第一デューティー比を有する第一パルス信号p1を発生させるものである。したがって、第一パルス信号p1は第一周波数の逆数であるパルス周期T1(5×10−5秒)を持ち、この第一パルス信号p1のデューティー比は上記の第一デューティー比である。
第二変調手段445は、指示演算回路43が出力した指示値に対応する第二デューティー比を決定し、第二周波数の信号のパルス幅を変調することによりその決定した第二デューティー比を有する第二パルス信号p2を発生させるものである。したがって、第二パルス信号p2は第二周波数の逆数であるパルス周期T2(3.28秒)を持ち、この第二パルス信号p2のデューティー比は上記の第二デューティー比である。
アンド回路446は、第一パルス信号p1と第二パルス信号p2との論理積をとることによって得られる第三パルス信号p3を電力生成部450に出力するものである。第一パルス信号p1の第一デューティー比と第二パルス信号p2の第二デューティー比とはそれぞれ指示値に応じて変化するので、アンド回路446から出力される第三パルス信号p3の波形も指示値に応じて変化する。
また、電力生成部450は、図3に示すように、インピーダンス変換回路(インピーダンス変換手段)451と、平滑回路(平滑手段)452とを有する。インピーダンス変換回路451は、外部から入力される直流電圧を用いて第三パルス信号p3をインピーダンスの低いパルス電圧に変換するものである。マイコンである信号生成部440から出力される第三パルス信号p3は一般に高インピーダンス状態であるので、第三パルス信号p3をそのまま電力として使用することはできないからである。具体的に、このインピーダンス変換回路451としてはトランジスタを用いて作製することができる。
平滑回路452は、インピーダンス変換回路451で変換されたパルス電圧のうち第一パルス信号p1に対応する部分に平滑処理を施すことにより、演算回路43が出力した指示値に対応する所定のデューティー比及び所定の振幅を有するパルス電圧p4を生成してファン140に出力するものである。したがって、平滑回路452は、第一周波数をほとんど遮断し第二周波数にほとんど影響を及ぼさないことが必要である。第一実施形態では、第一周波数が第二周波数より十分に大きいので、このような平滑回路452はチョークコイルとコンデンサとにより極めて安価に製造することができる。
次に、回転数制御電力回路44の各部で生成されるパルス信号p1,p2,p3,p4の具体例について説明する。
第一実施形態では、指示値と第一デューティー比との間の所定の第一対応関係及び指示値と第二デューティー比との間の所定の第二対応関係が予め設定されている。第一変調手段444は、第一対応関係に基づいて指示値に対応する第一デューティー比を求め、第二変調手段445は、第二対応関係に基づいて指示値に対応する第二デューティー比を求める。図4は指示値と第一デューティー比との間の第一対応関係及び指示値と第二デューティー比との間の第二対応関係の一例を説明するための図である。この図4では、横軸は指示値を表し、縦軸はデューティー比(%)を表している。そして、第一対応関係を実線で示し、第二対応関係を破線で示している。尚、かかる第一対応関係を示すデータ及び第二対応関係を示すデータは、予め図示しないメモリ等に記憶しておくようにしてもよいし、或いは、第一変調手段444(第二変調手段445)が第一デューティー比(第二デューティー比)を求める際に用いる演算式に、第一対応関係(第二対応関係)の内容を含めるようにしてもよい。
具体的に、第一対応関係は、指示値が最大値「255」から所定の切替値「100」まで小さくなるにしたがって第一デューティー比が100%から所定の値、例えば40%まで直線的に小さくなり、指示値が切替値「100」から最小値「0」まで小さくなるにしたがって第一デューティー比が所定の値(40%)のままであるように定められている。また、第二対応関係は、指示値が最大値「255」から切替値「100」まで小さくなるにしたがって第二デューティー比が100%のままであり、指示値が切替値「100」から最小値「0」まで小さくなるにしたがって第二デューティー比が100%から0%まで直線的に小さくなるように定められている。
第一変調手段444は、上記第一対応関係に基づいて指示演算回路43が出力した指示値に対応する第一デューティー比を求め、この第一デューティー比を有する第一パルス信号p1を発生する。第二変調手段445は、上記第二対応関係に基づいて指示演算回路43が出力した指示値に対応する第二デューティー比を求め、この第二デューティー比を有する第二パルス信号p2を発生する。そして、アンド回路446は、第一パルス信号p1と第二パルス信号p2との論理積をとることによって得られる第三パルス信号p3を電力生成部450に出力する。
尚、回路設計の都合等により、第二変調手段445は、指示値が切替値「100」より高いときに第二パルス信号p2の第二デューティー比を正確に100%にすることができないことがある。このような場合、第二変調手段445は第二デューティー比を必ずしも100%にする必要はなく、100%に近い値にすることができればよい。同様に、第一変調手段444は、指示値が切替値「100」よりも小さいときに、第一パルス信号p1の第一デューティー比を必ずしも正確に40%にする必要はなく、40%に近い値にすることができればよい。
まず、指示演算回路430が指示値「255」を出力した場合を説明する。図5は指示値が「255」である場合に回転数制御電力回路44の各部から出力されるパルス信号p1,p2,p3,p4を示す図である。この場合、図4に示すように、第一デューティー比は100%であり、第二デューティー比も100%である。このため、第一変調手段444から出力される第一パルス信号p1と第二変調手段445から出力される第二パルス信号p2はともに、図5(a)に示すように5Vの直流信号である。このとき、アンド回路446から出力される第三パルス信号p3も、図5(b)に示すように5Vの直流信号である。したがって、電力生成部450からは、図5(c)に示すように、パルス電圧p4として5Vの直流電圧が出力され、ファン140に供給される。これにより、ファン140は最大の回転数で回転し、ファン140の送風量は最も多くなる。
次に、指示演算回路430が指示値「203」を出力した場合を説明する。図6は指示値が「203」である場合に回転数制御電力回路44の各部から出力されるパルス信号p1,p2,p3,p4を示す図である。この場合、図4に示すように、第一デューティー比は約80%であり、第二デューティー比は100%である。このため、第一変調手段444からは、図6(a)に示すように、デューティー比80%の第一パルス信号p1が周期T1で出力される。ここで、第一パルス信号p1の振幅は5Vである。第二変調手段444からは、図6(a)に示すように、第二パルス信号p2として5Vの直流信号が出力される。このとき、アンド回路446からは、図6(b)に示すように、第一パルス信号p1と同じ波形の第三パルス信号p3が出力される。また、平滑回路452はインピーダンス変換回路451で変換されたパルス電圧のうち第一パルス信号p1に対応する部分にだけ平滑処理を施すので、この平滑回路452からは、図6(c)に示すように、パルス電圧p4として約4Vの直流電圧が出力され、ファン140に供給される。これにより、ファン140は、4Vの電圧値に応じた回転数で回転することになる。
指示演算回路43が最大値「255」から切替値「100」までの間の指示値を出力した場合には、指示値が「203」である場合と同様に、第二デューティー比は100%のままである。このため、平滑回路452からはパルス電圧p4として常に直流の電圧が出力されることになる。このとき、平滑回路452から出力される電圧の電圧値は指示値、すなわち第一デューティー比に応じた所定の電圧値に変換される。実際、指示値が最大値「255」から切替値「100」まで連続的に変化するにしたがって、平滑回路452から出力される直流電圧は5Vから2Vまで略連続的に変化する。
次に、指示演算回路43が指示値「50」を出力した場合を説明する。図7は指示値が「50」である場合に回転数制御電力回路44の各部から出力されるパルス信号p1,p2,p3,p4を示す図である。この場合、第一デューティー比は40%であり、第二デューティー比は50%である。このため、第一変調手段444からは、図7(a)に示すように、デューティー比40%の第一パルス信号p1が周期T1で出力される。一方、第二変調手段445からは、図7(a)に示すように、デューティー比50%の第二パルス信号p2が周期T2で出力される。ここで、第一パルス信号p1の振幅及び第二パルス信号p2の振幅はともに5Vである。また、アンド回路446からは、図7(b)に示すように、第一パルス信号p1と同じ波形の第三パルス信号p3がT2の半分の間隔で出力される。そして、第一デューティー比は40%であり、第二デューティー比は50%であるので、平滑回路452からは、図7(c)に示すように、デューティー比が50%で振幅が2Vであるパルス電圧p4が出力され、ファン140に供給される。これにより、ファン140は、パルス電圧p4に応じて回転と停止を繰り返すことになる。
指示演算回路43が切替値「100」から最小値「0」までの間の指示値を出力した場合には、指示値が「50」である場合と同様に、第一デューティー比は40%のままである。このため、平滑回路452からは常に振幅が2Vであるパルス電圧p4が出力されることになる。ここで、このパルス電圧p4の周期はT2(3.28秒)である。また、平滑回路452から出力されるパルス電圧p4のデューティー比は、指示値、すなわち第二デューティー比に応じて変化する。実際、指示値が切替値「100」から最小値「0」まで連続的に変化するにしたがって、平滑回路452から出力されるパルス電圧p4のデューティー比は100%から0%まで略連続的に変化する。
尚、第一実施形態において、指示値が「100」以下である場合、パルス電圧p4の振幅は常に2Vのままである。これは、空気流通式マット100におけるファン140の最低駆動電圧が1.8Vであるので、指示値に応じてファン140の送風量を細かく制御するには、「0」以外のどのような指示値が決定された場合であってもファン140には1.8V以上のパルス電圧p4を印加する必要があるからである。
また、指示値が「100」よりも小さい場合、ファン140は、パルス電圧p4に応じて回転と停止を繰り返すことになる。しかし、実際、指示値が「100」よりあまり小さくない場合には、パルス電圧p4のデューティー比が十分大きいので、ファン140は慣性により連続して回転する。そして、指示値が「100」より十分に小さい場合に、ファン140は回転と停止を繰り返すことになる。但し、ファン140に印加されるパルス電圧p4の振幅が2Vであり、最大振幅(5V)の半分以下であるので、使用者はファン140が回転・停止を繰り返しても、ファン140の駆動音がうるさいと感じることはない。
このように、回転数制御電力回路44は、指示値に応じて、所定のデューティー比及び所定の振幅を有するパルス電圧p4を生成する。指示値は「255」から「0」までの256段階の値の中から決定されるので、回転数制御電力回路44は、ファン140の送風量を最大送風量から送風量ゼロまでの256段階で細かく調整することができる。したがって、ファン140の送風量は、実質的に指示値に対応し、最大送風量から送風量ゼロに至るまで略連続的に変化させることができる。
次に、第一実施形態の送風量制御装置1を空気流通式マット100に用いた場合の使用者の臀部の冷却効果について説明する。本発明者等は、空気流通式マット100を身体表面の温度よりも低い温度の屋内で使用し、そのときの使用者の臀部の温度変化を測定した。具体的に、この室内の環境は、温度30℃、湿度50%である。尚、標準的な人の身体表面の温度は約33℃である。
まず、本発明者等は、使用者が空気流通式マット100の電源スイッチをオフにしたまま空気流通式マット100の上に座った場合の使用者の臀部の温度変化を調べた。図8(a)は使用者が空気流通式マット100の電源スイッチをオフにしたまま空気流通式マット100の上に座った場合の使用者の臀部の温度変化を示す図である。ここで、図8(a)において横軸は経過時間を表し、縦軸は臀部の温度を表す。この場合、ファン140は動作しないので、空気流通式マット100の袋状体110内には空気の流れが発生しない。すなわち、空気流通式マット100は単なる座布団として使用されている。使用者が空気流通式マット100の上に座った直後は、空気流通式マット100の表面温度は屋内の温度と同じ30℃であり、臀部の温度よりも低い。図8(a)に示すように、時間の経過とともに臀部に接する空気流通式マット100の表面温度が上昇し、やがて空気流通式マット100の表面温度は臀部の温度と同じ温度(33℃)になる。このように臀部とその周囲との温度差がなくなると、臀部から放熱ができなくなるため、臀部の汗腺から適量の汗が出る。当初、空気流通式マット100の内部の湿度は50%であり、汗腺から出た汗は袋状部110を介して空気流通式マット100の内部に入り込み、そこで気化する。このとき、この気化の際に汗が周囲から奪う気化熱により、使用者の身体は臀部の温度がさらに上昇しないように生理的に調整され、臀部の温度は33℃にとどまるようになる。しかし、やがて空気流通式マット100の内部の湿度が上昇し、汗を気化することができなくなると、臀部の温度が大きく上昇する。
次に、本発明者等は、使用者が送風量制御装置1を動作させて空気流通式マット100の上に座った場合の使用者の臀部の温度変化を調べた。図8(b)は使用者が送風量制御装置1を動作させて空気流通式マット100の上に座った場合の使用者の臀部の温度変化を示す図である。ここで、図8(b)において横軸は経過時間を表し、縦軸は臀部の温度を表す。この場合、使用者は目標温度設定部30を用いて目標温度を33℃に設定している。上述したように、第一実施形態の送風量制御装置1は、最大送風量から送風量ゼロまでの256段階でファン140の送風量を調整することができる。具体的には、送風量制御装置1は、測定温度が目標温度より高い場合にファン140が多量の空気を送風するようにファン140を制御し、逆に測定温度が目標温度よりも低い場合にはファン140が少量の空気を送風するように又は送風を停止するようにファン140を制御する。このため、使用者が空気流通式マット100に座る前には、体表面温度測定部20が測定する測定温度はその屋内の温度(30℃)を示し、目標温度よりも0.5℃以上低いので、送風量制御装置1はファン140に電力を供給せず、ファン140が動作することはない。使用者が空気流通式マット100に座ると、臀部によって空気流通式マット100の表面が温められ、温度測定部20が測定する測定温度が徐々に上昇する。そして、測定温度が所定の温度(32.5℃)に達すると、送風量制御装置1はファン140への電力供給を開始し、ファン140が動作し始める。測定温度が目標温度よりも低いときには、ファン140から微量の空気が送風されるだけであり、測定温度はさらにゆっくりと上昇し続ける。やがて測定温度は目標温度に達するようになる。そして、測定温度が目標温度を上回ると、送風量制御装置1は、ファン140が大量の空気を送風するように、ファン140を制御する。尚、周囲の温湿度が高く、ファン140が最大の送風量で送風しても測定温度が目標温度にならない場合には、送風量制御装置1は、ファン140が最大の送風量で送風し続けるようにファン140を制御することになる。
その後、使用者が空気流通式マット100から離れると、温度測定部20が測定する測定温度は徐々に低下していく。そして、測定温度が目標温度より0.5℃だけ低くなると、送風量制御装置1はファン140への電力供給を止め、ファン140の駆動が停止する。したがって、身体表面の温度よりも低い温度の屋内で空気流通式マット100を使用する場合、電源スイッチをONにしたままであっても、使用者が空気流通式マット100から離れれば、やがてファン140の動作が停止することになる。
第一実施形態の送風量制御装置は、体表面温度測定部で測定した測定温度と目標温度設定部で設定した目標温度とに基づいてファンの送風量を制御する負帰還機能を備えていることにより、測定温度が目標温度に絶えず近づくようにファンの送風量を自動的に制御することができる。しかも、使用者が空気流通式マットから離れ測定温度対応値が目標温度対応値を下回ったときにファンの送風が停止するので、空気流通式マットの電源スイッチの切り忘れによる電池の無駄遣いを防止することができる。
また、周囲の温度があまり高くない場合等、僅かな送風量が必要な場合でも、ファンの送風量を256段階で自動的に調整することができるので、使用者の身体が冷えすぎることはない。更に、第一実施形態の送風量制御装置では、目標温度設定部を設けたことにより、使用者が暑がり、寒がり等、どのようなタイプの人でも、着用している服装に応じて、自分が最適と感じる目標温度を設定することができる。尚、目標温度を必要以上に低く設定した場合には、脳の体温調整中枢からの指示で発汗量は抑制される。空気流通式マットはあくまでも人が有する生理クーラー作用を利用して身体を冷却するものであり、生理クーラー作用を利用することを逸脱するような目標温度の設定を行った場合には、当然に、送風量制御装置による負帰還機能はあまり有効に作用しない。
更に、第一実施形態の送風量制御装置では、回転数制御電力回路は、指示値が最大値から所定の切替値まで小さくなるにしたがって振幅が最大振幅値から所定の値(例えば2V)まで小さくなるがデューティー比が100%のままであり、指示値が切替値から最小値まで小さくなるにしたがってデューティー比が100%から0%に近づき振幅が切替値における値(例えば2V)のままであるようなパルス電圧を生成する。これにより、指示値が最大値から切替値までの範囲内にあるときには、その指示値に応じた振幅を有する直流電圧がファンに出力されて、ファンは常時駆動するようになり、一方、指示値が切替値よりも小さいときには、その指示値に応じたデューティー比と切替値に応じた振幅とを有するパルス電圧がファンに供給され、ファンは回転・停止を繰り返すことになる。このように指示値が切替値よりも小さい場合には、ファンに印加するパルス電圧の振幅が最大振幅値よりも小さいので、パルス電圧の周期を大きくしなくても少ない送風量を実現することができると共に、使用者はファンが回転・停止するときの駆動音がうるさいと感じることはない。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について図面を参照して説明する。図9は本発明の第二実施形態である送風量制御装置の概略図である。尚、第二実施形態において、第一実施形態のものと同一の機能を有するものには、同一の符号を付すことにより、その詳細な説明を省略する。
第二実施形態では、図9に示すように、空調装置として、布団等の寝具の上に敷いて使用される空気流通式マット(空気流通式寝具)100Aを用いている。使用者はこの空気流通式マット100Aの上に横になり、空気流通式マット100Aを動作させることにより、使用者の体全体が冷却される。また、空気流通式マット100Aの電源としては商用電源を利用している。このため、空気流通式マット100Aは、この商用電源を直流電源に変換するACアダプター160を備えている。尚、第二実施形態の送風量制御装置1Aの電力入力部50とACアダプター160とは入力ケーブル91により接続されており、その送風量制御装置1Aの電力出力部60と空気流通式マット100Aのファン140とは出力ケーブル92により接続されている。
第二実施形態の送風量制御装置1Aは、図9に示すように、収納ケース10と、三つの体表面温度測定部20a,20b,20cと、目標温度設定部30と、本体回路40と、電力入力部50と、電力出力部60とを備える。この第二実施形態の送風量制御装置1Aが第一実施形態の送風量制御装置と異なる点は、体表面温度測定部が三つ設けられている点である。また、体表面温度測定部を三つ設けたことに対応して、本体回路40における測定温度変換部も三つ設けている。その他の構成は上記第一実施形態の送風量制御装置におけるものと同様である。
寝具の上に敷いて使用される空気流通式マット100Aでは、椅子の上に敷いて使用される空気流通式マットと異なり、使用者が寝ている間に体の態勢が変わる場合があるので、体表面温度測定部を一つだけ設けることにすると、その体表面温度測定部が体表面の温度を検出できないことがある。そこで、第二実施形態では、図9に示すように、三つの体表面温度測定部20a,20b,20cをそれぞれ、空気流通式マット100Aの袋状体110の所定箇所に設けている。具体的に、三つの体表面温度測定部20a,20b,20cは、空気流通式マット100Aの略中央部に一定の間隔をあけて配置されている。これにより、空気流通式マット100Aの上で使用者の体の態勢が変わっても、その体は必ず少なくとも一つの体表面温度測定部が設けられた箇所と接するようになる。
また、三つの体表面温度測定部20a,20b,20cはそれぞれ、本体回路40と接続されている。第二実施形態では、本体回路40の指示演算回路430は、三つの測定温度変換部により変換された三つの測定温度対応値のうち最も高い測定温度対応値を用いて、指示値を決定する。これにより、本体回路40は、使用者が寝ている間に体の態勢が変化しても、体表面温度を示す測定温度に基づいてファン140の送風量を制御することができる。
第二実施形態の送風量制御装置は、上記第一実施形態の送風量制御装置と同様の作用・効果を奏する。特に、第二実施形態の送風量制御装置では、三つの体表面温度測定部及び三つの測定温度変換部が備えられ、指示演算回路は、三つの測定温度変換部により変換された三つの測定温度対応値のうち最も高い測定温度対応値を用いて、指示値を決定することにより、空気流通式マットとして寝具の上に敷いて使用するマットを用いる場合、使用者が寝ている間に体の態勢が変わったとしても、少なくとも一つの体表面温度測定部で体表面の温度を測定することができるので、使用者の体表面の温度が目標温度に近づくようにファンの送風量を自動的に制御することができる。
[他の実施形態]
尚、本発明は上記の各実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が可能である。
上記の各実施形態では、体表面温度測定部を空気流通式マットにおける袋状体の上布の表面に配置する場合について説明したが、体表面温度測定部を配置する箇所は、袋状体の上布の裏面でもよいし、上布を介して身体と接するスペーサの所定箇所でもよい。また、体表面温度測定部を配置する箇所は、身体が接する箇所でなくても、体表面の温度に近似した温度を測定できる箇所であればどこでもよい。
また、上記の各実施形態では、体表面温度測定部としてサーミスタを使用した場合について説明したが、体表面温度測定部としては、サーミスタ以外の体表面温度測定手段を使用することができる。
また、上記の各実施形態では、目標温度設定部として可変抵抗器を使用した場合について説明したが、目標温度設定部としては、可変抵抗器に限らず、例えば二つのタクトスイッチを使用することができる。この場合、一方のタクトスイッチを押すと、設定値が高くなり、他方のタクトスイッチを押すと、設定値が低くなる。目標温度設定部としてタクトスイッチを使用する場合、タクトスイッチを押す回数や押す長さ等の情報を処理する手段が目標温度変換部となる。
更に、上記の各実施形態では、測定温度変換部と目標温度変換部を本体回路に設けた場合について説明したが、測定温度変換部と目標温度変換部を本体回路に設けるのではなく、測定温度変換部は体表面温度測定部と一体化させ、目標温度変換部は目標温度設定部と一体化させるようにしてもよい。
また、上記の各実施形態では、測定温度変換部、目標温度変換部、測定温度変換部、指示演算回路、回転数制御電力回路がそれぞれ独立した回路である場合について説明したが、これらの回路の全部又は一部は一体的に作製された集積回路であってもよい。例えば、指示演算回路と回転数制御電力回路を一つの集積回路として作製することができる。この場合、指示値は、その集積回路の内部で発生する当該指示値の内容を示す信号である。
更に、上記の各実施形態では、回転数制御電力回路の信号生成部をマイコンで構成し、回転数制御電力回路の電力生成部として、信号生成部から出力された信号をインピーダンスの低い信号に変換した後、その変換された信号に所定の平滑処理を施すものを用いた場合について説明したが、回転数制御電力回路としては、インピーダンス変換回路及び平滑回路を内蔵した集積回路を使用することもできる。
また、上記の各実施形態では、回転数制御電力回路の信号生成部をマイコンで構成した場合について説明したが、信号生成部は、マイコンで構成せず、オペアンプや発振回路を用いて負帰還制御を行う回路で構成してもよい。
上記の各実施形態では、指示値とファンに印加するパルス電圧のデューティー比及び振幅との間に所定の対応関係がある場合について説明したが、使用するファンの特性等に応じて、この対応関係の内容を変更するようにしてもよい。例えば、指示値が小さいときには、指示値が大きいときに比べて、ファンの送風量をより細かく制御することができるような対応関係を定めることができる。
また、上記の各実施形態では、第二周波数を0.305Hzとし、第二変調手段が周期3.28秒の第二パルス信号を発生させることにしているため、指示値が小さいときにファンが回転・停止を繰り返す場合について説明した。しかしながら、平滑回路による処理が第二周波数に影響を及ぼさない範囲で、第二周波数を大きな値、例えば2Hzにするようにしてもよい。これにより、回転数制御電力回路は、指示値が小さいときでもファンがその慣性により略連続した低速回転を行うことができるようなパルス電圧を出力することができる。
上記の第一実施形態では、空気流通式マットの電源装置として乾電池を使用した場合について説明したが、無論、電源装置としては、どのような電源を使用してもよい。尚、電源装置として乾電池等を使用した場合には、使用中に電圧が低下するが、上述したように本発明の送風量制御装置は負帰還機能を備えているため、電圧が変動しても、動作範囲内では使用者の身体表面の温度が目標温度に近づくようにファンの送風量を自動的に制御することができる。
上記の第一実施形態では、体表面温度測定部を一つ備えている場合について説明したが、体表面温度測定部は複数個備えていてもよい。また、上記の第二実施形態では、体表面温度測定部を三つ備えている場合について説明したが、体表面温度測定部は必要に応じて二つ又は四つ以上備えていてもよい。
また、上記の各実施形態では、空気流通式マットがファンを一つ備えている場合について説明したが、空気流通式マットはファンを複数個備えていてもよい。この場合、本発明の送風量制御装置は、複数個のファンに電力を供給することになる。
更に、上記の各実施形態において、空気流通式マットの所定部位にはヒーターを設けるようにしてもよい。この場合、例えば、指示演算回路は、測定温度対応値が目標温度対応値よりも低いときに、ヒーターを駆動する旨の信号を回転数制御電力回路に出力し、回転数制御電力回路は、指示演算回路からヒーターを駆動する旨の信号を受けたときに、ヒーターに電力を供給する。これにより、体表面温度測定部が測定する温度が目標温度よりも低いときには、ヒーターを用いて測定温度を速やかに目標温度にまで上昇させることができる。尚、ヒーターとしては、例えば、市販されている電気カーペットに用いられているものと同様のものを使用することができる。
加えて、上記の各実施形態では、空気流通式マットを用いて人の身体表面の温度を調整する場合について説明したが、空気流通式マットを用いて、犬や猫等のペットの身体表面の温度を調整するようにしてもよい。したがって、本明細書において「使用者」とは、人だけでなく、犬や猫等のペットとをも意味する。