JPWO2016181955A1 - クロムめっき部品の製造方法およびクロムめっき装置 - Google Patents

クロムめっき部品の製造方法およびクロムめっき装置 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2016181955A1
JPWO2016181955A1 JP2017517944A JP2017517944A JPWO2016181955A1 JP WO2016181955 A1 JPWO2016181955 A1 JP WO2016181955A1 JP 2017517944 A JP2017517944 A JP 2017517944A JP 2017517944 A JP2017517944 A JP 2017517944A JP WO2016181955 A1 JPWO2016181955 A1 JP WO2016181955A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
range
pulse
chromium
chromium plating
current
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017517944A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6450838B2 (ja
Inventor
裕一 小林
裕一 小林
清和 中根
清和 中根
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Astemo Ltd
Original Assignee
Hitachi Automotive Systems Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Automotive Systems Ltd filed Critical Hitachi Automotive Systems Ltd
Publication of JPWO2016181955A1 publication Critical patent/JPWO2016181955A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6450838B2 publication Critical patent/JP6450838B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D5/00Electroplating characterised by the process; Pretreatment or after-treatment of workpieces
    • C25D5/18Electroplating using modulated, pulsed or reversing current
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D17/00Constructional parts, or assemblies thereof, of cells for electrolytic coating
    • C25D17/007Current directing devices
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D17/00Constructional parts, or assemblies thereof, of cells for electrolytic coating
    • C25D17/06Suspending or supporting devices for articles to be coated
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D17/00Constructional parts, or assemblies thereof, of cells for electrolytic coating
    • C25D17/10Electrodes, e.g. composition, counter electrode
    • C25D17/12Shape or form
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D17/00Constructional parts, or assemblies thereof, of cells for electrolytic coating
    • C25D17/16Apparatus for electrolytic coating of small objects in bulk
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D3/00Electroplating: Baths therefor
    • C25D3/02Electroplating: Baths therefor from solutions
    • C25D3/04Electroplating: Baths therefor from solutions of chromium
    • C25D3/08Deposition of black chromium, e.g. hexavalent chromium, CrVI
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D3/00Electroplating: Baths therefor
    • C25D3/02Electroplating: Baths therefor from solutions
    • C25D3/04Electroplating: Baths therefor from solutions of chromium
    • C25D3/10Electroplating: Baths therefor from solutions of chromium characterised by the organic bath constituents used
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D5/00Electroplating characterised by the process; Pretreatment or after-treatment of workpieces
    • C25D5/60Electroplating characterised by the structure or texture of the layers
    • C25D5/605Surface topography of the layers, e.g. rough, dendritic or nodular layers
    • C25D5/611Smooth layers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D5/00Electroplating characterised by the process; Pretreatment or after-treatment of workpieces
    • C25D5/60Electroplating characterised by the structure or texture of the layers
    • C25D5/615Microstructure of the layers, e.g. mixed structure
    • C25D5/617Crystalline layers

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)
  • Automation & Control Theory (AREA)

Abstract

このクロムめっき部品の製造方法は、クロムめっき浴中に複数のワークを浸漬し、パルス電流を利用してめっき処理を行い、前記複数のワーク表面に圧縮残留応力を有するクラックを抑制したクロムめっき層を析出させる。前記パルス電流印加の休止時間中に、めっき析出下限電流密度から前記クロムめっき層に圧縮残留応力を有する範囲となる電流密度の直流を重畳させる。

Description

本発明は、表面に硬質のクロムめっき層を形成したクロムめっき部品の製造方法及びクロムめっき装置に関する。
本願は、2015年5月12日に、日本に出願された特願2015−097272号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
金属部品の表面に耐食性の高いクロムめっき層を形成する技術として、パルス電流を用いる技術が知られている(特許文献1参照)。また、クラックを抑制したクロムめっき層を形成するためにパルス電流を用いて100MPa以上の圧縮残留応力を有するクロムめっき層を形成する技術が知られている(特許文献2、3参照)。
特開平3−207884号公報 特開2000−199095号公報 特開2004−300522号公報
特許文献2、3に記載の技術により、クロムめっき層の圧縮残留応力を100MPa以上に調整することでクラックの発生が抑制され、熱履歴を経ても耐食性に優れたクロムめっき層を実現できる。
ところが、特許文献2、3に記載されているパルス電流の印加条件において、クロムめっき層の圧縮残留応力を100MPa以上に調整できる通電時間、休止時間等のめっき処理条件は、極めて範囲が狭い。また、休止時間が長すぎるとクロムめっき層にクロム水素化物が生成し易くなり、目的の圧縮残留応力が得られなくなる可能性がある。
例えば、めっき浴に金属製のワークを複数整列状態で浸漬して各ワークの表面にクロムめっき層を形成する場合、複数のワークの全てに同時に均一の電解条件を与えることは難しい。このため、許容されるめっき処理条件の範囲が狭い場合、ワークの設置位置によっては目的の残留圧縮応力に達していないクロムめっき層が生成する可能性がある。
また、200MPa以上の圧縮残留応力を有する更にクラック発生の少ないクロムめっき層を形成するには、特許文献2、3に記載の技術では1000Hz以上の高い周波数のパルス電流を選択する必要がある。このため、誘導加熱によってめっき浴の温度が上昇し、めっき浴を冷却するための大型の冷却装置が必要になる。
本発明は、クロムめっき層を形成する場合、パルス電流の休止時間中に特殊な条件の直流電流を重畳することで、複数のワークを同一浴で電解したとしても100MPa以上の圧縮残留応力を有するクロムめっき層を従来よりも広いめっき処理条件で生成することができるクロムめっき部品の製造方法およびクロムめっき装置を提供する。
本発明の第1の態様によれば、クロムめっき部品の製造方法は、クロムめっき浴中に複数のワークを浸漬する工程と、パルス電流を利用してめっき処理を行う工程と、前記複数のワーク表面に圧縮残留応力を有するクラックを抑制したクロムめっき層を析出させる析出工程と、を備える。前記パルス電流印加の休止時間中に、めっき析出下限電流密度から前記クロムめっき層に圧縮残留応力を有する範囲となる電流密度の直流を重畳させる。
本発明の第2の態様によれば、前記圧縮残留応力を有する範囲となる電流密度は、前記めっき析出下限電流密度から25A/dmを超えない範囲であってもよい。
本発明の第3の態様によれば、前記直流重畳電流密度は、10〜35A/dmの範囲であってもよい。
本発明の第4の態様によれば、前記パルス電流の周波数が100〜700Hzであってもよい。
本発明の第5の態様によれば、前記クロムめっき浴中に複数のワークを整列状態で浸漬し、個々のワークにそれぞれ対応するカソード電極から通電するとともに、個々のワークの近傍に個別に配置したアノード電極から通電してもよい。
本発明の第6の態様によれば、クロムめっき装置は、クロムめっき浴を収容する処理槽と、金属製のワークを前記処理層中に吊下しながら前記ワークに通電するためのカソード電極と、前記処理槽内に吊下される前記ワークの近傍に配置されたアノード電極と、前記カソード電極及び前記アノード電極に接続されてこれらにパルス電流を印加するためのパルス電源と、を備える。前記パルス電源は、前記パルス電流の休止時間中に、めっき析出下限電流密度から圧縮残留応力を有する範囲となる電流密度の直流を重畳させる。
本発明の第7の態様によれば、前記パルス電源は、前記圧縮残留応力を有する範囲となる電流密度として、前記めっき析出下限電流密度から25A/dmを超えない範囲の電流密度を前記パルス電流に印加してもよい。
本発明の第8の態様によれば、前記パルス電源は、前記直流重畳電流密度として、10〜35A/dmの範囲を選択してもよい。
本発明の第9の態様によれば、前記パルス電源は、前記パルス電流の周波数として100〜700Hzの範囲を選択してもよい。
本発明の第10の態様によれば、前記カソード電極は、前記クロムめっき浴中に複数のワークを整列状態で浸漬するため複数前記処理槽に設置されてもよい。前記アノード電極は、前記処理槽内において前記個々のワークにそれぞれ対応するように複数設置されてもよい。前記カソード電極は、陽極保持体と陽極側ブスバーを介しパルス電源に接続されてもよい。前記アノード電極が陰極保持体と陰極側ブスバーを介しパルス電源に接続されてもよい。
上記したクロムめっき部品の製造方法およびクロムめっき装置によれば、クロムめっき浴で複数のワークを同時にクロムめっき処理して100MPa以上の圧縮残留応力のクロムめっき層を形成する場合、パルス電流の通電時間や休止時間の選択幅を従来技術よりも広くすることができる。結果として、複数のワークのいずれについてもクラックの無い目的の圧縮残留応力を示すクロムめっき層を生成できる。
本発明の実施形態に係るクロムめっき部品の製造方法を実施するために用いるクロムめっき装置の一例を模式的に示す図である。図1の(A)部は平断面図である。図1の(B)部は縦断面図である。図1の(C)部は側断面図である。 本発明の実施形態に係る製造方法において用いるパルス電流波形の一例を示すグラフである。 本発明の実施形態に係る製造方法により得られたクロムめっき部品の表層部分の状態を示す部分断面図である。 本発明の実施形態に係る製造方法を実施する場合に用いるパルス電源の一例構造を示す回路図である。 実施例のクロムめっき部品を製造する方法において用いたパルス電流波形の一例を示すグラフである。 実施例のクロムめっき部品を製造する場合に採用した休止時間と残留応力の関係の一例を示すグラフである。 実施例のクロムめっき部品を製造する場合に採用した重畳電流密度と得られたクロムめっき層の残留応力の関係の一例を示すグラフである。 実施例のクロムめっき部品を製造する場合に採用した電流密度と析出速度の関係の一例を示すグラフである。 実施例のクロムめっき部品を製造する場合に用いたパルス電流の周波数と得られたクロムめっき層の残留応力の関係の一例を示すグラフである。 実施例のクロムめっき部品を製造する場合に用いためっき浴の硫酸根濃度と得られたクロムめっき層の残留応力の関係の一例を示すグラフである。 実施例のクロムめっき部品を製造する場合に用いて好適なパルス電流の通電時間と休止時間の望ましい範囲を示すグラフである。
「第1実施形態」
以下、本発明の第1実施形態について添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るクロムめっき部品の製造方法を実施するために用いるクロムめっき装置の一例を示す断面図である。
本実施形態で用いるクロムめっき装置1は、有機スルフォン酸を含むクロムめっき浴Bを収容した電気的絶縁材料からなるバッチ式の処理槽2を有する。クロムめっき浴B中に、10個のワークW(W1〜W10)を浸漬し、パルス電源3から出力されるパルス電流を利用してワークWの表面に所望の圧縮残留応力を有するクロムめっき層を析出させる。なお、クロムめっき装置1に収容可能なワークWの数について特に制限はなく、図1はその一例である。クロムメッキ装置1に収容可能なワークWの数は、10個〜数10個、あるいはそれ以上の数を収容できる規模に構成できるのは勿論である。
処理槽2には、個々のワークWに対応するように筒状のアノード電極Y(陽極)が1列に所定間隔をあけて複数配置されている。各アノード電極Yの上方にそれぞれ、各アノード電極Yに対応する短冊板状のカソード電極Xが配置される。各カソード電極Xの下部にワークWがそれぞれ吊り下げ支持され、各ワークWがクロムめっき浴Bに浸漬される。
各ワークWは、筒状のアノード電極Yの内側に挿入され、アノード電極Yの内周壁に対向するように配置されている。
以下、複数個のアノード電極Yについて、適宜、必要に応じて、図1の(A)部の左側から順番に第1、第2、…第10アノード電極Y1、Y2、…Y10と呼称する。また、複数個のカソード電極Xについて、適宜、必要に応じて図1の(B)部の左側から順番に第1、第2、…第10カソード電極X1、X2、…X10と呼称する。
アノード電極Yは、図1の(A)部および(C)部に示すように、同等間隔に配置されたフック部材5を介し、板状の陽極保持体6に接続されている。陽極保持体6は、その長さ方向中央部においてパルス電源3の正極端子3aに陽極側ブスバー7を介し接続されている。以下、当該接続部を給電ポイント8と呼称する。陽極側ブスバー7は、一端部がパルス電源3の正極端子3aに接続された略L字形の板状の陽極側ブスバー本体9と、陽極側ブスバー本体9の他端部に一端部が接続された陽極側ブスバー延長板10とを有する。陽極側ブスバー延長板10の他端部が陽極保持体6の給電ポイント8に接続されている。
カソード電極Xは、図1の(B)部および(C)部に示すように、処理槽2の上方に配置された板状の陰極保持体15に接続されている。陰極保持体15は、その両端部でパルス電源3の負極端子3bに、陰極側ブスバー16を介して接続されている。陰極側ブスバー16は、一端部をパルス電源3の負極端子3bに接続した略L字形の板状の陰極側ブスバー本体17と、陰極側ブスバー本体17の他端部に接続された略コ字形の陰極側ブスバー延長部18とから構成されている。
陰極側ブスバー延長部18は、板状の延長部本体19と、延長部本体19の両端部に直交して連接された直交板とから構成されている。第1直交板20、第2直交板21がそれぞれ陰極保持体15の端部に接続されている。以下、便宜上、図1の(A)部および(B)部の左側の直交板を第1直交板20、図1の(A)部および(B)部の右側の直交板を第2直交板21と呼称する。
陽極側ブスバー本体9及び陰極側ブスバー本体17は、絶縁部材22を介して極力近接させて重ね合わせて配置されている。陽極側ブスバー本体9及び陰極側ブスバー本体17は、電流が逆方向に流れること等に伴いインダクタンスを小さい値とするように構成されている。また、陰極側ブスバー本体17の他端部側には、延長部本体19における第1直交板20側の部分が絶縁部材23を介して接合されている。
パルス電源3から供給されたパルス電流は、陽極側ブスバー7を通って給電ポイント8に給電され、陽極保持体6を通って、処理槽2内に配置されたアノード電極Y(第1、第2、…第10アノード電極Y1、Y2、…Y10)に給電される。さらに、前記パルス電流はめっき浴Bを介して各ワークWにめっき層を形成し、ワークWを通してカソード電極X(第1、第2、…第10カソード電極X1、X2、…X10)に流れ、陰極側ブスバー16を通ってパルス電源3に戻る。このようにパルス電流が流れる過程で、給電ポイント8に給電された電流は、給電ポイント8から各アノード電極Yに分流されて各ワークWに流れる。そして、各ワークWに流れた電流は、陰極保持体15の両端側に向けて流れる。
一般にクロムめっきは、硬質で摩擦係数の低い金属皮膜(クロム層)を得ることができることから、耐摩耗性を必要とする部品の工業用クロムめっきとして広く用いられている。
ところが、汎用の硬質クロムめっきにあっては、得られるクロム層に金属素地に達するクラックが多数発生し、そのままでは腐食原因となる媒体が金属素地に到達して腐食が発生し、鋼を金属素地とする場合に錆が発生する可能性がある。
また、クロムめっき部品は、通常、めっき処理後にバフ研磨等の研磨加工を行って表面を平滑な状態としてから使用されるが、この研磨加工に際し、クロム層表面に塑性流動が起こり、前記クラックが閉塞される場合がある。このため、従来、汎用のクロムめっき部品は、特別の防錆処理を施すことなく研磨加工を行ってから使用するのが一般的であった。
しかしながら、クロム層の塑性流動によるクラック閉塞構造によれば、その後の熱履歴によるクロム層の収縮などに起因してクラックが開口することがあり、常温以上の高温環境下で使用される部品においては耐食性が低下する可能性が有る。
このため従来、クロムめっきを施す際にパルス電流を供給してクラックの無いクロム層を得ようとする技術が知られている。しかしながら、単にパルスめっきを行ったのでは、クロム層に引張応力が残留し、熱履歴を受けてクロム層に大きなクラックが発生する可能性が有る。
特許文献2に記載のクロムめっき技術によれば、パルス電流の波形を調整しながらクロムめっき層を形成し、クロム層に100MPa以上の圧縮残留応力を付与することで、熱履歴を経ても新たなクラックの発生を抑制できる。しかし、特許文献2に記載の技術では、クロムめっきをめっき浴でバッチ処理すると、同じ処理ロットの中でも得られるクロム層の圧縮残留応力値にばらつきが大きく、100MPa以上の圧縮残留応力を有するクロムめっき層を安定的に得ることは難しかった。
本実施形態においては、100MPa以上の圧縮残留応力を有するクラックを生じていないクロムめっき層を図1に示すクロムめっき装置1を用いて多くのワークWを同時電解処理して製造する場合であっても、問題なく製造できることを目的として、以下のようにパルス電流を調整する。
本第1実施形態においては、上記クロムめっき装置1を利用して、有機スルフォン酸を含むめっき浴B中にワークWを浸漬し、パルス電流を利用しためっき処理(以下、これをパルスめっき処理という)を行う。ここで、パルスめっき処理の条件としては、図2に示すような電流パターンを採用することができる。
図2において、パルス電流の波形は、最大電流密度IUと最小電流密度ILとの間を交番し、かつ最大電流密度IUを所定時間、例えばT時間保持し、かつ、最小電流密度ILを所定時間、例えば、T時間保持する形態を採用する。
最小電流密度ILは、本実施形態ではめっき析出下限電流密度から前記クロムめっき層に圧縮残留応力を付与できる範囲となる電流密度の間に設定する。また、保持時間Tについては、同一の値に設定しても異なる値に設定してもよい。
本実施形態においては、前記最大電流密度IUおよび最小電流密度IL、並びにそれらの電流密度に保持する保持時間T、Tを適切な値に設定してパルス電流を印加してパルスめっき処理を行い、図3に示すように鋼母材(ワークW)Mの表面に所望の圧縮残留応力を有するクラックの抑制されたクロムめっき層Sを析出させる。クロムめっき層Sは、ここでは、100MPa以上の圧縮残留応力(例えば、100MPa〜400MPa)が付与されている。
本実施形態において、印加するパルス電流による最大電流密度IUは、例えば、50〜300A/dmの範囲、より好ましくは60〜250A/dmの範囲を選択することができる。
本実施形態において、印加するパルス電流による最小電流密度ILは、例えば、10〜35A/dmの範囲、より好ましくは15〜20A/dmの範囲を選択することができる。この最小電流密度ILは、電解を行う場合のめっき析出の下限の限界値、例えば10〜15A/dmの範囲を選択することができる。なお、めっき浴によって下限の限界値は異なるが、概ね10〜15A/dmの範囲を選択できる。
本実施形態において、印加するパルス電流の周波数は、例えば、100〜700Hzの範囲、より好ましくは100〜500Hzの範囲を選択することができる。印加するパルス電流の周波数が700Hzを超えて大きくなると、めっき浴Bの浴温が上昇し、めっき浴Bの冷却装置の導入が必要になるなど、設備が大がかりとなる。また、周波数が100Hz未満になると、生成できるクロムめっき層Sの圧縮残留応力値が低下する傾向となる。
本実施形態において、印加するパルス電流のデューティ比は、80%以下であることが好ましい。デューティ比(Dy)は、パルス波のパルス幅(T)と周期(T)の関係から、Dy=T/Tで示される。
本実施形態において、パルス電流の休止時間を0.5ms以上とする必要がある。
パルス電流の休止時間が0.5ms未満の短い場合は、直流電流を重畳しなくても、発生期の水素(H)がクロム(Cr)原子と結び付いてCrHを含むクロムめっき層を形成することはない。しかし、休止時間が長くなると、発生期の水素がクロムと結び付き易くなり、CrHを含むクロムめっき層となる確率が高くなる。このため、パルス電流の休止時間が0.5msを超えて以下のように長くなる場合に直流電流をパルス電流に重畳することが重要となる。
本実施形態において、パルス電流の休止時間に重畳する直流電流に関し、パルス電流の通電時間、0.8〜5msの範囲の場合、休止時間は0.3ms〜5msの範囲で選択することができる。
例えば、通電時間0.8msの場合、休止時間は0.3ms〜3msの範囲で選択することができ、通電時間1.0msの場合、休止時間は0.3ms〜3msの範囲で選択することができ、通電時間1.2msの場合、休止時間は0.3ms〜4msの範囲で選択することができる。
例えば、通電時間1.4msの場合、休止時間は0.4ms〜4msの範囲で選択することができ、通電時間1.6msの場合、休止時間は0.4ms〜4msの範囲で選択することができ、通電時間1.8msの場合、休止時間は0.5ms〜4msの範囲で選択することができ、通電時間2.0msの場合、休止時間は0.6ms〜4msの範囲で選択することができる。
例えば、通電時間3.0msの場合、休止時間は0.8ms〜4msの範囲で選択することができ、通電時間4.0msの場合、休止時間は1.0ms〜4msの範囲で選択することができ、通電時間5.0msの場合、休止時間は1.5ms〜4msの範囲で選択することができる。
前述の条件のパルス電流を用いてクロムめっき層を形成する場合に用いるめっき浴Bは、一例として、クロム酸と硫酸根(SO 2−)と有機スルフォン酸を有するめっき浴である。例えば、硫酸根の濃度として2〜8g/L、より好ましくは3〜7g/Lの範囲のめっき浴Bを用いることができる。
また、パルス電流の休止時間に直流の重畳を行わない従来の電解条件では、めっき浴の硫酸根濃度(SO 2−)が6.0g/Lを超えると、100MPa以上の圧縮残留応力のクロムめっき層を析出させることが困難となり、めっき浴の管理も煩雑となる。これに対し、上述の条件で直流を重畳したパルス電流を用いるならば、6〜8g/Lの範囲の硫酸根濃度であっても100MPa以上の圧縮残留応力、更には200MPa以上の圧縮残留応力のクロムめっき層を析出させることができる。また、条件によっては更に高い400MPaレベルの圧縮残留応力を示すクロムめっき層Sを生成することができる。
めっき処理装置において1つのパルス電源を用いて1つのワークWのみにクロムめっき層を形成する場合、パルス電流の設定に応じて生成するクロムめっき層に100MPa以上の高い圧縮残留応力を確実に付与できる。ところが、図1に示すように複数のワークWを整列状態でめっき浴Bに浸漬してめっき処理する場合、めっき浴内のワークWの位置に応じてパルス電流の休止時間や通電時間が設定通りにならない可能性が有る。例えば、40本ものワークWをめっき浴Bに浸漬した場合、この傾向が強く表れる。
設定より休止時間が短いと、クロムめっき層の残留応力は引張側になり易い。設定より休止時間が長いと、上述のようにCrとHが結び付き、CHを含んだCrめっき層が生成し易くなる。しなしながら、上述の条件で直流電流を重畳したパルス電流を用いて電解するならば、休止時間の長短に対しCrとHが結び付く確率を低くすることができ、CrとHの結び付きを防止できる。
また、加えて、めっき浴Bの陰イオン濃度の上昇に伴うクロムめっき層Sの残留応力において引張側へのシフト量を直流重畳していないパルス電流で電解した場合に比べて1/5以下に低減できる効果を奏する。これは、パルス電解の休止時間中も直流電流をワークWに印加することでワークWを負の電位に保ち、ワークWの表面近傍の陰イオン(特に硫酸根)を斥けることができるためである。
以上の条件に基づき、休止時間中に直流を重畳したパルス電流を印加しつつめっき処理して得られたクロムめっき部品は、クラックのないクロムめっき層Sを備えているので、腐食原因となる媒体が鋼母材Mの金属素地まで達せず、所望の耐食性が確保される。
しかも、このクロムめっき層Sは、高い圧縮残留応力を有しているので、熱履歴を経ても新たなクラックの発生を引き起こすことはなく、優れた耐食性が維持される。
前記第1実施形態のクロムめっき装置1では、隣接するアノード電極Y間の配線のインダクタンスおよび隣接するカソード電極X間の配線のインダクタンスを十分に小さくなるように構成する。前記両方のインダクタンスが同等になるように設定する。各ワークWにできる限り均等のパルス電流が流れるようにする。
前述の最大電流密度IUおよび最小電流密度IL、並びに最小電流密度に保持する保持時間Tを上述の適切な範囲に設定するならば、100MPa以上の圧縮残留応力を有し、クラックを生じていないクロムめっき層Sをバッチ式の処理槽2を用いて大量処理する場合であっても問題なく形成できる。
ここで、上述の範囲であって図2に示すパルス電流を用いた電解によってクロムめっき層を形成した場合、そのクロムめっき層に生じる残留応力が圧縮応力となる理由について説明する。
パルス電流の通電時間にワークWの表面に析出したクロム原子は、パルス電流の休止時間の間にもワークの表面を活発に拡散し、他のクロム原子と出会い、結晶を形成する。また、クロムめっき層の結晶粒界は不整合となり、結晶粒界には空孔が生じる。また、パルス電流の休止時間中に落ち着く場所が見つからずにワークの表面を活発に拡散しているクロム原子は、不整合となった結晶粒界の空孔にも到達してこれを埋めることができる。
空孔における原子間隔がクロム原子1個入るには狭い場合であっても、このクロム原子にとってはワークWの表面を拡散するよりもエネルギー的に小さくて済む場合(表面自己拡散の活性化エネルギー>結晶粒界の空孔に割り込むように侵入する原子の形成エネルギー)の関係があるので、空孔に割り込むようにクロム原子が侵入する結果、圧縮応力が高まると考えられる。
また、この推論を基に、パルス電流の休止時間に直流を重畳することで、従来より広い範囲の休止時間において、圧縮残留応力が得られる理由を考察すると以下のようになる。
パルス電流に直流を重畳させない場合、休止時間中にワークWの表面を動き回っていたクロム原子と発生期の水素(H)とが結び付く可能性があるが、パルス電流に直流を重畳することで休止時間中も金属製のワークWはわずかに負の電位に保たれ、水素原子の発生が常に続く状態となる。
このため、クロム原子と発生期の水素(H)とが結び付いてクロム水素化物(CrH)を形成する反応に必要なエネルギーよりも、水素原子どうしが結び付いて水素分子を形成し反応界面より離れる反応に必要なエネルギーの方が低いと考えられる。従って、パルス電流の通電時間中に生じたクロム原子は、発生期の水素(H)と結び付くことなく、不整合となった格子欠陥(空孔)に自由に割り込むように侵入することができると考えられる。従って、パルス電流による電解において広範囲の休止時間で圧縮残留応力値の高いクロムめっき層を生成できると考えられる。
前述の条件で直流を重畳したパルス電流によりクロムめっき層を形成するならば、特許文献2、3に記載されている技術による1000Hz以上の高い周波数より周波数を下げることができる。このため、パルス電流のスイッチング回数を削減でき、その分、めっき浴Bの温度上昇を抑制できる。
前述の条件で直流を重畳したパルス電流で電解するならば、圧縮残留応力とするためのデューティ比として、通電時間を延ばす方向に対して鈍感であるが、休止時間を延ばす方向に対して従来のパルス電流印加の場合に敏感であった条件を、休止時間についても従来より鈍感にすることができ、従来よりも幅を持たせた電解条件を選択できるようになる。
このため、バッチ式の処理槽2において多くのワークWを同時電解処理してクロムめっき層Sを形成する場合、いずれのワークに対しても100MPaを超える圧縮残留応力を付与できる効果を得ることができる。
なお、複数のワークWを処理可能なクロムめっき装置1にあっては、パルス電源3とワークWとの間の通電経路を工夫してそのインピーダンスや導通接続部分の構造を如何に工夫したとしても、パルス電流を印加すると微妙なインピーダンスの変化やめっき浴Bの導通状態の変化が生じるので、個々のワークWに対する通電条件を完全に均一に揃えることは難しい。この点、上述の如く幅をもったパルス電流の通電条件を選択できることは、めっき処理中に個々のワークWの通電条件が微妙に異なっていたとしても、いずれのワークに対しても100MPaを超える圧縮残留応力を確実に付与できる効果に帰結する。よって、本実施形態の技術は、ワークWを大量にめっき処理する工場において多大な貢献をもたらす。
前述のめっき処理装置1において、図2に示す電流パターンを発生させるパルス電源3の一例として、図4に示す構成の如くパルス電源装置30および直流電源装置31と、ハイパスフィルタ32およびローパスフィルタ33を組み合わせた構成を採用することができる。
図4に示すようにパルス電源装置30と直流電源装置31を並列接続し、パルス電源装置30からの出力をハイパスフィルタ32を介して出力し、直流電源装置31からの出力をローパスフィルタ33を介して出力できるように構成する。
パルス電源装置30からの出力はパルス波形のみを通過させるハイパスフィルタ32を通過し、直流電源装置31からの出力は直流波形のみを通過させるローパスフィルタ33を通過した後に出力できるようにして両者の出力を合成し出力する。相互の電流の逆流を防止するパルスの波形の形状は、パルス電源装置30で調整し、直流重畳分は直流電源装置31で調整する。
図4にパルス電源装置30からの出力と直流電源装置31からの出力と、パルス電流に直流を重畳した後のパルス電流波形をそれぞれ示す。
図4に示す回路を適用することで、パルス電流印加の休止時間中に直流を重畳したパルス電流を出力することができ、図1に示すめっき処理装置1において、目的を達成することができる。
本発明の実施例について、以下に説明する。
φ12.5mmの丸棒(JIS規定S25C焼入・焼戻材)をワークとして用いる。このワークを、クロム酸(308g/L)、硫酸根(SO 2−)3.0g/L、有機スルフォン酸6.0g/Lのめっき浴に浸漬した。このめっき浴中においてパルス電解におけるピーク電流密度を210A/dm、浴温度を75℃、パルス通電時間0.8〜10.0ms、休止時間0.1〜10.0ms、重畳電流密度を0A/dm、16A/dmのいずれかに設定し、ワークの表面にクラックを抑制した厚さ20μmのクロムめっき層を析出させた。
図5に直流を重畳したパルス電流波形の一例を示す。図5に示すパルス電流波形は、通電時間2ms、休止時間0.6ms、重畳電流密度16A/dmのパルス電流波形である。
図6に上述の範囲のクロムめっき処理条件において、通電時間1.2ms、休止時間0.1〜1.5ms、重畳電流密度0A/dm、16A/dmのいずれかに設定してクロムめっき処理を行った場合に得られたクロムめっき層について、その残留応力の値とパルス電流の休止時間との関係を示す。
図6に示すように、重畳電流密度を0A/dmとした場合、即ち、休止時間に電流を重畳していないパルス電流を用いてクロムめっき処理を行った場合、クロムめっき層の残留応力値が−100MPa以上の値(例えば、−100MPa〜−350MPa)となるのは、パルス休止時間0.3〜0.5msの範囲であることがわかる。このパルス休止時間の幅は極めて狭い。
これに対し、重畳電流密度16A/dmとした場合、即ち、休止時間に電流を重畳したパルス電流を用いてクロムめっき処理を行った場合、0.3msにおいて−100MPaを超える−137MPaの圧縮残留応力値となり、休止時間を順次1.5msまで増加させても−250〜−400MPa前後の高い圧縮残留応力値を示す。即ち、パルス電流の休止時間の選択幅を大幅に拡げることができた。
図6に示すように休止時間に電流を重畳していないパルス電流を用いてクロムめっき処理を行った場合、休止時間が長くなるに従って残留圧縮応力が高くなり、1つのピークを示した後、応力値は引張応力方向に転じる。
休止時間が長すぎる条件では、クロム水素化物(CH)が混在したクロムめっき層が生成する。これは、電解に伴って生じる発生期の水素(H)がめっき面近傍に多数存在しているため、休止時間が長すぎてクロムめっき浴からのクロム原子(Cr原子)の供給が不足すると、析出したCr原子と発生期の水素(H)とが結び付き、CrHを生じるためであると考えられる。
次に、先に説明した試験条件に基づき、以下の表1と表2に示すように、重畳電流密度を16A/dmに設定したパルス電流を用いて電解を行い、クロムめっき層を形成した場合と、重畳電流密度を0A/dmに設定したパルス電流により電解を行い、クロムめっき層を形成した場合の両方について、得られたクロムめっき層の残留応力値を測定した。それぞれの電解時にパルス電流の通電時間と休止時間を表1、表2に示す組み合わせのように調整している。また、表2にCrHと記載した欄はCrHを含むクロムめっき層を生成したことを意味する。
Figure 2016181955
Figure 2016181955
表1に示すように、パルス電流に対し直流電流を重畳し、通電時間を0.8〜5msの範囲に設定し、休止時間を0.3ms〜5msの範囲に設定して試験した。表1、表2では、圧縮残留応力側の応力値を負の値で示し、引張残留応力側の応力値を正の値で示している。
表1から、100MPa以上の圧縮残留応力値を得るためには、通電時間0.8msの場合に休止時間は0.3ms〜3msの範囲で選択することができ、通電時間1.0msの場合に休止時間は0.3ms〜3msの範囲で選択することができ、通電時間1.2msの場合に休止時間は0.3ms〜4msの範囲で選択することがわかった。
また、100MPa以上の圧縮残留応力値を得るためには、通電時間1.4msの場合に休止時間は0.4ms〜4msの範囲で選択することができ、通電時間1.6msの場合に休止時間は0.4ms〜4msの範囲で選択することができ、通電時間1.8msの場合に休止時間は0.5ms〜4msの範囲で選択することができ、通電時間2.0msの場合に休止時間は0.6ms〜4msの範囲で選択できることがわかった。
また、100MPa以上の圧縮残留応力値を得るためには、通電時間3.0msの場合に休止時間は0.8ms〜4msの範囲で選択することができ、通電時間4.0msの場合に休止時間は1.0ms〜4msの範囲で選択することができ、通電時間5.0msの場合に休止時間は1.5ms〜4msの範囲で選択できることがわかった。これらの領域は表1において灰色に示している。
表2に示す試験結果では、通電時間を0.8〜5msの範囲に設定し、休止時間を0.1〜5msの範囲に選択して試験し、直流を重畳しないパルス電流で電解している。
表2に示す結果から、100MPa以上の圧縮残留応力値を得るためには、通電時間0.8msの場合に休止時間は0.3ms〜0.4msの範囲、通電時間1.0ms、1.2msの場合に休止時間は0.3ms〜0.5msの範囲、通電時間1.4、1.6msの場合に休止時間は0.4ms〜0.6msの範囲で選択できることがわかった。
また、100MPa以上の圧縮残留応力値を得るためには、通電時間1.8msの場合に休止時間は0.4ms〜0.5msの範囲、通電時間2msの場合に休止時間は0.5〜0.8msの範囲、通電時間3msの場合に休止時間は0.8〜1msの範囲で選択できることがわかった。これらの領域は表2において灰色に示している。
表1と表2に示す結果の比較から、パルス電流の休止時間に直流を重畳してクロムめっき層を形成した方が、より広い範囲の通電時間において、より広い範囲の休止時間で100MPa以上の残留圧縮応力値を得ることができることがわかる。
表1のように広い範囲で残留圧縮応力値の高いクロムめっき層を得られることは、めっき浴に多くのワークを浸漬してめっき処理を行った場合に、いずれのワークにおいても残留圧縮応力値の高いクロムめっき層を形成する上で重要である。
例えば、図1に示すめっき浴Bを用いて多くのワークWを収容してパルス電流によりめっきする場合、全てのワークWに表2のように0.2〜0.3msの休止時間を維持してパルス電流を印加することは難しいので、ワークに応じて残留圧縮応力値に大きなばらつきを生じる可能性がある。これに対し、直流を重畳したパルス電流を用いることで表1のように極めて広い範囲の休止時間で100MPa以上のクロムめっき層を形成できることから、1つのめっき浴Bで多くのワークWをめっき処理しても、いずれのワークに対しても圧縮残留応力値の高いクロムめっき層を形成できる効果を得られることがわかる。
図7はパルス電流の通電時間を2.0msに設定し、休止時間を1.2msに設定した場合、パルス電流に重畳する電流密度と、各重畳電流密度の場合に得られたクロムめっき層の残留応力値の関係を求めた結果を示す。図7では0〜−500と表示した領域が圧縮残留応力側、0〜300と表記した領域が引張残留応力側を示す。
図7に示す結果から、パルス電流に重畳する電流密度を0A/dmから10A/dmまで徐々に増加させるとクロムめっき層の引張残留応力値が0に向かって順次低下するが、重畳電流密度を12A/dmに到達させた時点で残留応力が圧縮残留応力側に急激に変化し、12〜35A/dmの範囲で100MPa以上の圧縮残留応力値を示すクロムめっき層を得られることがわかる。また、200MPa以上の圧縮残留応力値を得るためには、パルス電流に重畳する電流密度を12〜25A/dmの範囲とすることが好ましいこともわかる。
図8はパルス電流を用いる場合の直流電流密度とクロムめっきの析出速度との関係を示すもので、0〜10A/dmまでの電流密度ではクロムめっきの析出は進行しないが、12A/dmに到達した時点でクロムめっきの析出速度が立ち上がる。
このため、図7に示す圧縮残留応力値に変化する場合の境界値が示す重畳電流密度は、図8に示すクロムめっきの析出速度が立ち上がる電流密度であることがわかる。
このため、クロムめっき層の圧縮残留応力値を100MPa以上にするための重畳電流の閾値は、クロムめっきを析出させる場合のめっき析出下限電流密度であることがわかる。
図9は、パルス電流に対する重畳電流密度を21A/dmに設定し、パルス電流の周波数を50〜333Hzの間で5種類の値(50Hz、100Hz、167Hz、250Hz、333Hz)にそれぞれ設定して得られた各クロムめっき層の残留圧縮応力値を示す。
周波数50Hzの場合、パルス通電時間/休止時間の関係は10.0ms/10.0ms、周波数100Hzの場合、パルス通電時間/休止時間の関係は5.0ms/5.0ms、周波数167Hzの場合、パルス通電時間/休止時間の関係は3.0ms/3.0ms、周波数250Hzの場合、パルス通電時間/休止時間の関係は2.0ms/2.0ms、周波数333Hzの場合、パルス通電時間/休止時間の関係は1.5ms/1.5msとなっている。
パルス周波数を100Hz以上に設定した場合においてクロムめっき層の圧縮残留応力値100MPa以上を得られることがわかる。
φ12.5mmの丸棒(JIS規定S25C焼入・焼戻材)をワークとして用いた。このワークを、クロム酸298g/L、硫酸根(SO 2−)を3.0〜7.0g/Lの間の複数の濃度に設定し、有機スルフォン酸5.5g/Lに設定した複数のめっき浴に浸漬した。これらのめっき浴中においてパルス電解におけるピーク電流密度を210A/dm、浴温度を75℃、パルス通電時間/休止時間=0.8ms/0.3ms(重畳なし)、パルス通電時間/休止時間=1.5ms/0.9ms(重畳電流密度16A/dm)にそれぞれ設定し、ワークの表面にクラックを抑制した厚さ20μmのクロムめっき層を析出させた。また、このクロムめっき層の残留応力値を測定した。
図10に硫酸根(SO 2−)とクロムめっき層残留応力との関係を示す。
図10に示す結果から、パルス電流に直流を重畳することで、硫酸根(SO 2−)濃度の上昇に伴うクロムめっき層の残留応力値の引張方向へのシフト量を1/5程度に低減できることがわかる。また、硫酸根(SO 2−)濃度7.0g/Lにおいても、−200MPa程度の圧縮残留応力を有するクロムめっき層を得ることができた。
次に、先の実施例において得られた結果のうち、表1に示す通電時間(ms)と休止時間(ms)を調整した場合に得られたクロムめっき層について、圧縮残留応力値を100MPa以上とするための望ましい通電時間と休止時間の範囲について再度説明する。
図11は、表1に示す通電時間を横軸にプロットし、表1に示す休止時間を縦軸にプロットしたグラフであり、このグラフ内において、圧縮残留応力値100MPa以上のクロムめっき層が得られる範囲を以下のように策定する。
図11のグラフにおいて、通電時間5ms、休止時間4msをA点と規定し、通電時間1.2ms、休止時間4msをB点と規定し、通電時間1ms、休止時間3msをC点と規定し、通電時間0.8ms、休止時間3msをD点と規定した。
図11のグラフにおいて、通電時間0.8ms、休止時間0.3msをE点と規定し、通電時間1.2ms、休止時間0.3msをF点と規定し、通電時間1.4ms、休止時間0.4msをG点と規定し、通電時間1.6ms、休止時間0.4msをH点と規定し、通電時間1.8ms、休止時間0.5msをI点と規定した。
図11のグラフにおいて、通電時間2ms、休止時間0.6msをJ点と規定し、通電時間3ms、休止時間0.8msをK点と規定し、通電時間4ms、休止時間1sをL点と規定し、通電時間5ms、休止時間1.5msをM点と規定した。
以上のように各点を規定した図11のグラフにおいて、A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、Mの各点を結ぶ線分で囲まれる範囲内で選択される通電時間と休止時間の関係を選択したパルス電流を用い、このパルス電流に直流を重畳して電解するならば、先の表1に示す結果から、圧縮残留応力値を100MPa以上としたクロムめっき層を得られることがわかる。
本実施形態に係るクロムめっき部品の製造方法は、次のように規定することができる。すなわち、パルス電流の通電時間を0.8〜5msの範囲、パルス電流の休止時間を0.3〜4msの範囲に設定する場合、横軸に通電時間(ms)を縦軸に休止時間(ms)をとった図11に示すグラフにおいて、
通電時間5ms、休止時間4msをA点と規定し、
通電時間1.2ms、休止時間4msをB点と規定し、
通電時間1ms、休止時間3msをC点と規定し、
通電時間0.8ms、休止時間3msをD点と規定し、
通電時間0.8ms、休止時間0.3msをE点と規定し、
通電時間1.2ms、休止時間0.3msをF点と規定し、
通電時間1.4ms、休止時間0.4msをG点と規定し、
通電時間1.6ms、休止時間0.4msをH点と規定し、
通電時間1.8ms、休止時間0.5msをI点と規定し、
通電時間2ms、休止時間0.6msをJ点と規定し、
通電時間3ms、休止時間0.8msをK点と規定し、
通電時間4ms、休止時間1sをL点と規定し、
通電時間5ms、休止時間1.5msをM点と規定した場合、
図11のグラフにおいて、A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、Mの各点を結ぶ線分で囲まれる範囲内で選択される通電時間と休止時間を選択したパルス電流が用いられる。
同様に、本実施形態に係るクロムめっき部品の製造装置は、次のように規定することができる。すなわち、本実施形態に係るクロムめっき部品の製造装置には、前記パルス電源から与えるパルス電流の通電時間を0.8〜5msの範囲、前記パルス電流の休止時間を0.3〜4msの範囲に設定する場合、横軸に通電時間(ms)を縦軸に休止時間(ms)をとった図11に示すグラフにおいて、
通電時間5ms、休止時間4msをA点と規定し、
通電時間1.2ms、休止時間4msをB点と規定し、
通電時間1ms、休止時間3msをC点と規定し、
通電時間0.8ms、休止時間3msをD点と規定し、
通電時間0.8ms、休止時間0.3msをE点と規定し、
通電時間1.2ms、休止時間0.3msをF点と規定し、
通電時間1.4ms、休止時間0.4msをG点と規定し、
通電時間1.6ms、休止時間0.4msをH点と規定し、
通電時間1.8ms、休止時間0.5msをI点と規定し、
通電時間2ms、休止時間0.6msをJ点と規定し、
通電時間3ms、休止時間0.8msをK点と規定し、
通電時間4ms、休止時間1sをL点と規定し、
通電時間5ms、休止時間1.5msをM点と規定した場合、
図11のグラフにおいて、A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、Mの各点を結ぶ線分で囲まれる範囲内で選択される通電時間と休止時間を選択可能なパルス電流が用いられる。
上記したクロムめっき部品の製造方法およびクロムめっき装置によれば、クロムめっき浴で複数のワークを同時にクロムめっき処理して100MPa以上の圧縮残留応力のクロムめっき層を形成する場合、パルス電流の通電時間や休止時間の選択幅を従来技術よりも広くすることができる。結果として、複数のワークのいずれについてもクラックの無い目的の圧縮残留応力を示すクロムめっき層を生成できる。
以上説明した実施形態に基づくクロムめっき部品の製造方法およびクロムめっき装置として、例えば以下に述べる態様のものが考えられる。クロムめっき部品の製造方法の第1態様としては、クロムめっき浴中に複数のワークを浸漬しする工程と、パルス電流を利用してめっき処理を行いう工程と、前記複数のワーク表面に圧縮残留応力を有するクラックを抑制したクロムめっき層を析出させる析出工程と、を備え、前記パルス電流印加の休止時間中に、めっき析出下限電流密度から前記クロムめっき層に圧縮残留応力を有する範囲となる電流密度の直流を重畳させる。
第2の態様としては、第1の態様において、前記圧縮残留応力を有する範囲となる電流密度は、前記めっき析出下限電流密度から25A/dmを超えない範囲である。
第3の態様としては、第1の態様において、前記直流重畳電流密度は、10〜35A/dmの範囲である。
第4の態様としては、第1乃至第3の態様において、前記パルス電流の周波数が100〜700Hzである。
第5の態様としては、第1乃至第4の態様において、前記クロムめっき浴中に複数のワークを整列状態で浸漬し、個々のワークにそれぞれ対応するカソード電極から通電するとともに、個々のワークの近傍に個別に配置したアノード電極から通電する。
クロムめっき部品の製造装置の第6態様としては、クロムめっき浴を収容する処理槽と、金属製のワークを前記処理層中に吊下しながら前記ワークに通電するためのカソード電極と、前記処理槽内に吊下される前記ワークの近傍に配置されたアノード電極と、前記カソード電極及び前記アノード電極に接続されてこれらにパルス電流を印加するためのパルス電源と、を備え、前記パルス電源は、前記パルス電流の休止時間中に、めっき析出下限電流密度から圧縮残留応力を有する範囲となる電流密度の直流を重畳させる。
第7の態様としては、第6の態様において、前記パルス電源は、前記圧縮残留応力を有する範囲となる電流密度として、前記めっき析出下限電流密度から25A/dmを超えない範囲の電流密度を前記パルス電流に印加する。
第8の態様としては、第6乃至第8の態様において、前記パルス電源は、前記直流重畳電流密度として、10〜35A/dmの範囲を選択する。
第9の態様としては、第6乃至第8の態様において、前記パルス電源は、前記パルス電流の周波数として100〜700Hzの範囲を選択する。
第10の態様としては、第6乃至第9の態様において、前記カソード電極は、前記クロムめっき浴中に複数のワークを整列状態で浸漬するため複数前記処理槽に設置され、前記アノード電極は、前記処理槽内において前記個々のワークにそれぞれ対応するように複数設置され、前記カソード電極は、陽極保持体と陽極側ブスバーを介しパルス電源に接続され、前記アノード電極が陰極保持体と陰極側ブスバーを介しパルス電源に接続される。
1 クロムめっき装置
2 処理槽
3 パルス電源
6 陽極保持体
7 陽極側ブスバー
15 陰極保持体
16 陰極側ブスバー
W(W1〜W10) ワーク
S クロムめっき層
Y アノード電極
X カソード電極

Claims (10)

  1. クロムめっき浴中に複数のワークを浸漬する工程と、
    パルス電流を利用してめっき処理を行う工程と、
    前記複数のワーク表面に圧縮残留応力を有するクラックを抑制したクロムめっき層を析出させる析出工程と、
    を備え、
    前記パルス電流印加の休止時間中に、めっき析出下限電流密度から前記クロムめっき層に圧縮残留応力を有する範囲となる電流密度の直流を重畳させる
    クロムめっき部品の製造方法。
  2. 前記圧縮残留応力を有する範囲となる電流密度は、前記めっき析出下限電流密度から25A/dmを超えない範囲である請求項1に記載のクロムめっき部品の製造方法。
  3. 前記直流重畳電流密度は、10〜35A/dmの範囲である請求項1に記載のクロムめっき部品の製造方法。
  4. 前記パルス電流の周波数が100〜700Hzである請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のクロムめっき部品の製造方法。
  5. 前記クロムめっき浴中に複数のワークを整列状態で浸漬し、個々のワークにそれぞれ対応するカソード電極から通電するとともに、個々のワークの近傍に個別に配置したアノード電極から通電する請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のクロムめっき部品の製造方法。
  6. クロムめっき浴を収容する処理槽と、
    金属製のワークを前記処理層中に吊下しながら前記ワークに通電するためのカソード電極と、
    前記処理槽内に吊下される前記ワークの近傍に配置されたアノード電極と、
    前記カソード電極及び前記アノード電極に接続されてこれらにパルス電流を印加するためのパルス電源と、
    を備え、
    前記パルス電源は、前記パルス電流の休止時間中に、めっき析出下限電流密度から圧縮残留応力を有する範囲となる電流密度の直流を重畳させる
    クロムめっき装置。
  7. 前記パルス電源は、前記圧縮残留応力を有する範囲となる電流密度として、前記めっき析出下限電流密度から25A/dmを超えない範囲の電流密度を前記パルス電流に印加する請求項6に記載のクロムめっき装置。
  8. 前記パルス電源は、前記直流重畳電流密度として、10〜35A/dmの範囲を選択する請求項6に記載のクロムめっき装置。
  9. 前記パルス電源は、前記パルス電流の周波数として100〜700Hzの範囲を選択する請求項6〜請求項8のいずれか一項に記載のクロムめっき装置。
  10. 前記カソード電極は、前記クロムめっき浴中に複数のワークを整列状態で浸漬するため複数前記処理槽に設置され、
    前記アノード電極は、前記処理槽内において前記個々のワークにそれぞれ対応するように複数設置され、
    前記カソード電極は、陽極保持体と陽極側ブスバーを介しパルス電源に接続され、
    前記アノード電極が陰極保持体と陰極側ブスバーを介しパルス電源に接続される
    請求項6〜請求項9のいずれか一項に記載のクロムめっき装置。
JP2017517944A 2015-05-12 2016-05-10 クロムめっき部品の製造方法 Active JP6450838B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015097272 2015-05-12
JP2015097272 2015-05-12
PCT/JP2016/063834 WO2016181955A1 (ja) 2015-05-12 2016-05-10 クロムめっき部品の製造方法およびクロムめっき装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2016181955A1 true JPWO2016181955A1 (ja) 2018-03-01
JP6450838B2 JP6450838B2 (ja) 2019-01-09

Family

ID=57247967

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017517944A Active JP6450838B2 (ja) 2015-05-12 2016-05-10 クロムめっき部品の製造方法

Country Status (6)

Country Link
US (1) US10851464B1 (ja)
JP (1) JP6450838B2 (ja)
KR (1) KR102197508B1 (ja)
CN (1) CN107636206B (ja)
DE (1) DE112016002153T5 (ja)
WO (1) WO2016181955A1 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EA201792049A1 (ru) 2009-06-08 2018-05-31 Модьюметал, Инк. Электроосажденные наноламинатные покрытия и оболочки для защиты от коррозии
EP2971266A4 (en) * 2013-03-15 2017-03-01 Modumetal, Inc. A method and apparatus for continuously applying nanolaminate metal coatings
CA2961507C (en) 2014-09-18 2024-04-09 Modumetal, Inc. Methods of preparing articles by electrodeposition and additive manufacturing processes
EP3194642A4 (en) 2014-09-18 2018-07-04 Modumetal, Inc. A method and apparatus for continuously applying nanolaminate metal coatings
CN109952391B (zh) 2016-09-08 2022-11-01 莫杜美拓有限公司 在工件上提供层压涂层的方法,及由其制备的制品
EP3612669A1 (en) 2017-04-21 2020-02-26 Modumetal, Inc. Tubular articles with electrodeposited coatings, and systems and methods for producing the same
WO2019210264A1 (en) 2018-04-27 2019-10-31 Modumetal, Inc. Apparatuses, systems, and methods for producing a plurality of articles with nanolaminated coatings using rotation

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02274892A (ja) * 1989-04-17 1990-11-09 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 高硬度・高耐摩耗性製品の製造方法
JPH03207884A (ja) * 1989-10-11 1991-09-11 Lpw Chem Gmbh 高耐食性の工業用硬質クロム層を直接的又は間接的に析出させる方法
JP2000199095A (ja) * 1998-11-06 2000-07-18 Tokico Ltd クロムめっき部品およびクロムめっき方法
JP2008542552A (ja) * 2005-06-07 2008-11-27 マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジー 負の電流をパルスする電着を用いた合金堆積物の製造及びそのナノ構造の制御方法、並びにそのような堆積物を組み入れる物品
JP2010226065A (ja) * 2009-03-21 2010-10-07 Masazumi Okido 放熱部材の製造方法、放熱部材

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4092226A (en) * 1974-12-11 1978-05-30 Nikolaus Laing Process for the treatment of metal surfaces by electro-deposition of metal coatings at high current densities
JP4206798B2 (ja) 2003-03-31 2009-01-14 株式会社日立製作所 クロムめっき部品およびその製造方法
US20070068821A1 (en) * 2005-09-27 2007-03-29 Takahisa Hirasawa Method of manufacturing chromium plated article and chromium plating apparatus
US7887930B2 (en) 2006-03-31 2011-02-15 Atotech Deutschland Gmbh Crystalline chromium deposit

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02274892A (ja) * 1989-04-17 1990-11-09 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 高硬度・高耐摩耗性製品の製造方法
JPH03207884A (ja) * 1989-10-11 1991-09-11 Lpw Chem Gmbh 高耐食性の工業用硬質クロム層を直接的又は間接的に析出させる方法
JP2000199095A (ja) * 1998-11-06 2000-07-18 Tokico Ltd クロムめっき部品およびクロムめっき方法
JP2008542552A (ja) * 2005-06-07 2008-11-27 マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジー 負の電流をパルスする電着を用いた合金堆積物の製造及びそのナノ構造の制御方法、並びにそのような堆積物を組み入れる物品
JP2010226065A (ja) * 2009-03-21 2010-10-07 Masazumi Okido 放熱部材の製造方法、放熱部材

Also Published As

Publication number Publication date
KR102197508B1 (ko) 2020-12-31
CN107636206B (zh) 2019-09-17
CN107636206A (zh) 2018-01-26
WO2016181955A1 (ja) 2016-11-17
KR20180005180A (ko) 2018-01-15
US20200370192A1 (en) 2020-11-26
JP6450838B2 (ja) 2019-01-09
DE112016002153T5 (de) 2018-01-18
US10851464B1 (en) 2020-12-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6450838B2 (ja) クロムめっき部品の製造方法
KR100407201B1 (ko) 크롬 도금 부품의 제조 방법 및 크롬 도금 장치
US10100423B2 (en) Electrodeposition of chromium from trivalent chromium using modulated electric fields
US20070158204A1 (en) Tin and tin alloy electroplating method with controlled internal stress and grain size of the resulting deposit
US11542615B2 (en) Method of producing an electrocatalyst
Duhin et al. Electroless plating of rhenium-based alloys with nickel, cobalt and iron
Cesiulis et al. Electrodeposition of CoMo and CoMoP alloys from the weakly acidic solutions
CN114207191A (zh) 用于借助于脉冲技术电解涂覆钢带的方法和设备
Wu Electrodeposition and thermal stability of Re60Ni40 amorphous alloy
KR20220043575A (ko) 크롬 도금 부품의 제조 방법 및 크롬 도금 장치
US10214832B2 (en) Apparatus for recovery of material generated during electrochemical material removal in acidic electrolytes
US20150197870A1 (en) Method for Plating Fine Grain Copper Deposit on Metal Substrate
JP5688145B2 (ja) ニッケルのpHを調整する方法及び装置
JP3752675B2 (ja) バッチ式クロムめっき方法および装置
JP2011208175A (ja) めっき物の製造方法及びめっき物
WO2014115203A1 (ja) クロムめっき浴及びそれを使用したクロムめっき皮膜の形成方法
US10301735B2 (en) Method of forming metal coating
JP2006265735A (ja) 微細Viaホールを有する基板への電解めっき方法
US11247434B2 (en) Articles including a nickel and chromium layer and methods of forming the same
RU2655481C2 (ru) Способ получения гальванопокрытий на магнетите
KR102280086B1 (ko) 3가 크롬 전기도금액 및 이를 이용한 전기도금 방법
US10240246B2 (en) Enhanced efficiency electro-enhancement process for surfaces
US20210115586A1 (en) High surface area anode and method of manufacturing
Kawamura et al. Influence of illumination on morphology of metal electrodeposits on p-type Si
Wahab et al. Research Article Quantitative Analysis of Electroplated Nickel Coating on Hard Metal

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171110

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171110

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180828

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181026

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181113

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181210

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6450838

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250