JPWO2016136478A1 - フレキソ印刷版、フレキソ印刷版の製造方法およびフレキソ印刷版原版 - Google Patents

フレキソ印刷版、フレキソ印刷版の製造方法およびフレキソ印刷版原版 Download PDF

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Abstract

本発明は、印刷スピードによらず、画像部、特にベタ部のインキ均一性が優れるフレキソ印刷版およびその製造方法ならびにその製造に用いるフレキソ印刷版原版を提供することを課題とする。本発明のフレキソ印刷版は、非画像部と、表面に凹凸構造が形成された画像部とを備えるレリーフ層を有するフレキソ印刷版であって、凹凸構造を構成する凹部は、一方向に延びる一定幅の複数の溝、および、一方向に点在する同一直径の複数の有底孔からなる複数の孔群、の少なくとも一方によって形成され、凹部の深さは、2〜20μmであり、複数の溝および複数の孔群は、それぞれが上記一方向に直交する直交方向に配列され、溝の幅および有底孔の直径は、それぞれ2種以上であるフレキソ印刷版である。

Description

本発明は、フレキソ印刷版、フレキソ印刷版の製造方法およびフレキソ印刷版原版に関する。
フレキソ印刷版は、柔軟性のある樹脂版やゴム版(フレキシブルレリーフ)を版材とし、紙、段ボール、フィルム、ホイルおよび積層板のような種々の基板上への印刷に用いられることがよく知られている。フレキソ印刷は、凸版印刷の一例であり、イメージを表す凸版プレート表面から直接基板へインキを転写することによって、その基板上にそのイメージを生成する。フレキソ印刷では、適切な量のインキと一定のインキ分布で良好に印刷することが望まれる。
適切な量のインキと一定のインキの濃度分布を基板に転写する手法としては、例えば、特許文献1に記載されるように、インキを転写する擦り箇所を、微細なスクリーンによって被覆する手法が知られている。
特開平7−228068号公報
本発明者らは、特許文献1に記載された適切な量のインキと一定のインキの濃度分布について検討したところ、印刷スピードの相違により、印刷される画像部、特に1mm四方以上の塗りつぶし部分(以下、「ベタ部」と略す。)のインキの濃度の均一性(以下、「インキ均一性」ともいう。)が劣るという問題があることを明らかとした。
そこで、本発明は、印刷スピードによらず、画像部、特にベタ部のインキ均一性が優れるフレキソ印刷版およびその製造方法ならびにその製造に用いるフレキソ印刷版原版を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、2種以上の幅を有する溝や2種以上の直径を有する複数の孔群により凹部が形成された特定パターンの凹凸構造を画像部の表面に形成することで、印刷スピードによらず、画像部、特にベタ部のインキ均一性に優れるフレキソ印刷版を提供できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、以下の構成により上記課題を達成することができることを見出した。
[1] 非画像部と、表面に凹凸構造が形成された画像部とを備えるレリーフ層を有するフレキソ印刷版であって、凹凸構造を構成する凹部は、一方向に延びる一定幅の複数の溝、および、一方向に点在する同一直径の複数の有底孔からなる複数の孔群、の少なくとも一方によって形成され、凹部の深さは、2〜20μmであり、複数の溝および複数の孔群は、それぞれが一方向に直交する直交方向に配列され、溝の幅および有底孔の直径は、それぞれ2種以上であるフレキソ印刷版。
[2] 画像部は、ベタ部を含み、ベタ部は、凹凸構造を備える[1]に記載のフレキソ印刷版。
[3] 凹凸構造を構成する凹部が、複数の溝である[1]または[2]に記載のフレキソ印刷版。
[4] 凹凸構造が、第1の溝と第2の溝とを有し、第1の溝の幅が、第2の溝の幅より小さく、第2の溝の幅に対する第1の溝の幅の比率が、0.70以下である[3]に記載のフレキソ印刷版。
[5] 非画像部と、表面に凹凸構造が形成された画像部とを備えるレリーフ層を有するフレキソ印刷版を作製するフレキソ印刷版の製造方法であって、フレキソ印刷版の画像形成用組成物を用いてレリーフ形成層を形成する層形成工程、および、レリーフ形成層を架橋して架橋レリーフ形成層を有するフレキソ印刷版原版を得る架橋工程を有し、架橋工程の後に、フレキソ印刷版原版の架橋レリーフ形成層に、レーザー彫刻を施し、非画像部と[1]に記載の凹凸構造が表面に形成された画像部とを備えるレリーフ層を有するフレキソ印刷版を作製する彫刻工程を有するフレキソ印刷版の製造方法。
[6] 非画像部と、表面に凹凸構造が形成された画像部とを備えるレリーフ層を有するフレキソ印刷版を作製するフレキソ印刷版の製造方法であって、フレキソ印刷版の画像形成用組成物に加熱処理および加圧処理を施し、表面に凹凸構造を有するフレキソ印刷版原版を得る凹凸形成工程、および、フレキソ印刷版原版の表面にレーザー彫刻を施し、非画像部を形成することにより、非画像部と、表面に凹凸構造が形成された画像部とを備えるレリーフ層を有するフレキソ印刷版を作製する彫刻工程を有し、凹凸構造を構成する凹部は、一方向に延びる一定幅の複数の溝、および、一方向に点在する同一直径の複数の有底孔からなる複数の孔群、の少なくとも一方によって形成され、凹部の深さは、2〜20μmであり、複数の溝および複数の孔群は、それぞれが一方向に直交する直交方向に配列され、溝の幅および有底孔の直径は、それぞれ2種以上であるフレキソ印刷版の製造方法。
[7] 表面に凹凸構造を有するフレキソ印刷版原版であって、凹凸構造を構成する凹部は、一方向に延びる一定幅の複数の溝、および、一方向に点在する同一直径の複数の有底孔からなる複数の孔群、の少なくとも一方によって形成され、凹部の深さは、2〜20μmであり、複数の溝および複数の孔群は、それぞれが一方向に直交する直交方向に配列され、溝の幅および有底孔の直径は、それぞれ2種以上であるフレキソ印刷版原版。
本発明によれば、印刷スピードによらず、画像部、特にベタ部のインキ均一性が優れるフレキソ印刷版およびその製造方法ならびにその製造に用いるフレキソ印刷版原版を提供することができる。
図1は本発明のフレキソ印刷版の実施形態の一例を示す概略平面図である。 図2は図1のV−V線に沿ったフレキソ印刷版の断面図である。 図3は本発明のフレキソ印刷版の画像部の一例を示す概略平面図である。 図4は図3のVI−VI線に沿った画像部の断面図である。 図5は本発明のフレキソ印刷版の画像部の他の一例を示す概略平面図である。 図6は図5のVII−VII線に沿った画像部の断面図である。 図7Aは、本発明のフレキソ印刷版原版を作製する金型を用いた転写方法の一例を説明する概略断面図である。 図7Bは、本発明のフレキソ印刷版原版を作製する金型を用いた転写方法の一例を説明する概略断面図である。 図7Cは、本発明のフレキソ印刷版原版を作製する金型を用いた転写方法の一例を説明する概略断面図である。 図8は本発明のフレキソ印刷版の実施例、比較例におけるインキ均一性の評価時に用いる画像の一例を示す平面図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
[フレキソ印刷版]
本発明のフレキソ印刷版は、非画像部と、表面に凹凸構造が形成された画像部とを備えるレリーフ層を有する。
また、本発明のフレキソ印刷版においては、凹凸構造を構成する凹部は、一方向に延びる一定幅の複数の溝、および、一方向に点在する同一直径の複数の有底孔からなる複数の孔群、の少なくとも一方によって形成され、凹部の深さは2〜20μmであり、複数の溝および複数の孔群は、上記一方向に直交する直交方向に配列され、溝の幅および有底孔の直径は、それぞれ2種以上である。
ここで、「溝の幅および有底孔の直径は、それぞれ2種以上である」とは、溝の幅が2種以上であること、有底孔の直径が2種以上であること、および、溝と有底孔とをいずれも有し、溝の幅と有底孔の直径とが異なること、のいずれかをいう。
このような構成を有する本発明のフレキソ印刷版は、印刷スピードの相違により、印刷される画像部、特にベタ部のインキ均一性が劣ることを解決することができる。
これは、詳細には明らかではないが、本発明者らは以下のように推測している。
まず、画像部の表面に凹凸構造を有しない場合、画像部と被印刷体とが接し、離れる際に、画像部と印刷体の間に存在するインキが画像部側と被印刷体側に引き剥がされる。この際、エアーの巻き込みが発生するが、エアーの巻き込みが発生した箇所はインキ抜けが生じるため、インキ均一性が低下してしまう。
次に、後述する比較例のように、1種の幅を有する溝、または、1種の直径を有する有底孔から形成される特定の凹部を含む凹凸構造を画像部の表面に形成すると、インキが画像部側と被印刷体側に引き剥がされる際に、凸部が起点となり、インキの引き剥がしが均一となることでエアーの巻き込みが緩和される。これにより、インキ抜けが生じにくく、インキ均一性が向上する。
しかし、インキが引き剥がされる状態は、印刷スピードに依存し、ある印刷スピードでは有効であった凸部の起点が、印刷スピードが相違する際には、有効に働かなくなる。これは、後述する比較例1に示す結果からも明らかであるが、ある印刷スピードでは、画像部の表面に形成された凹凸構造の周期間隔とインキの引き剥がしが生じやすい周期間隔が近接していたが、印刷スピードが相違すると、画像部の表面に形成された凹凸構造の周期間隔とインキの引き剥がしが生じやすい周期間隔が近接しなくなるためと想定される。
これに対し、後述する実施例のように、2種以上の幅を有する溝、2種以上の直径を有する有底孔、または、溝の幅と有底孔の直径との2種以上の組み合わせ、のいずれかが形成される特定の凹部を画像部の表面に形成すると、印刷スピードが相違する場合においても、画像部の表面に形成された凹凸構造の周期間隔のいずれかとインキの引き剥がしが生じやすい周期間隔が近接すると推定される。これにより、インキの引き剥がしが均一となり、エアーの巻き込みが緩和されることで、インキ抜けが生じにくくなり、インキ均一性が向上したと考えられる。
次に、本発明のフレキソ印刷版の全体の構成を図1〜図6を用いて説明した後に、各構成について詳述する。
図1は、本発明のフレキソ印刷版の実施形態の一例を示す概略平面図であり、図2は、V−V線に沿った図1の断面図である。
図1および図2に示すフレキソ印刷版10は、非画像部1と画像部2を有し、図2に示す符号3は画像部の高さを示す。
図3は、本発明のフレキソ印刷版の画像部の一例を示す概略平面図である。
図3および図4に示す画像部20は、表面に凹凸構造を有し、凹部としての溝21と凸部22を有する。
図4は図3のVI−VI線に沿った断面図であり、図4に示す符号24は第1の溝の幅を示し、符号25は第2の溝の幅を示し、符号26は凹部の深さを示す。
図5は、本発明のフレキソ印刷版の画像部の一例を示す概略平面図である。
図5および図6に示す画像部30は、凹凸構造を有し、凹部としての有底孔31と凸部32を有する。また、図5に示す有底孔31は第1の孔群33a、第2の孔群33bを形成する。
図6は、図5のVII−VII線に沿った断面図であり、図6に示す符号34は第1の有底孔の直径を示し、符号35は第2の有底孔の直径を示し、符号36は凹部の深さを示す。
〔非画像部〕
本発明のフレキソ印刷版が有する非画像部は、印刷時に被印刷体と接触せず、インキを被印刷体に転写しない箇所のことを言う。非画像部の形状は、特に限定されず、画像部以外の部分が非画像部となる。
〔画像部〕
本発明のフレキソ印刷版が有する画像部は、印刷時に被印刷体と接触し、インキを被印刷物に転写する箇所のことを言い、後述する凹凸構造を表面に有する。
<凹凸構造>
画像部が有している凹凸構造は、一方向に延びる一定幅の複数の溝、および、一方向に点在する同一直径の複数の有底孔からなる複数の孔群、の少なくとも一方によって形成される凹部を有する。なお、本発明においては、画像部における凹部以外の部分を凸部という。
上記凹凸構造を構成する凹部は、上述した通り、一方向に延びる一定幅の複数の溝、および、一方向に点在する同一直径の複数の有底孔からなる複数の孔群、の少なくとも一方によって形成されており、溝によって形成されていることが好ましい。
凹部が溝である場合、上記溝の中でインキが広がることにより、溝内にてインキの量が均一となることで、画像部と被印刷体の間に存在するインキの量が均一となることに加えて、画像部から被印刷体へ転写するインキの流動性が良好となり、画像部のインキ均一性がさらに優れることから望ましい。
上記凹凸構造を構成する凹部の深さ(図4においては符号26、図6においては符号36で表される深さ)は、2〜20μmであり、3〜19μmであることが好ましく、5〜15μmであることがより好ましい。
ここで、凹部の深さは、画像部が形成されたフレキソ印刷版の表面を±1°以下の精度で垂直に断面切削し、断面を電解放出形走査型電子顕微鏡により1000倍の倍率で5視野観察し、各視野において10個の凹部の深さを測定し、合計50個の深さの値を平均した値をいう。
凹部の深さが、2μm以上である場合、凸部がインキ引き剥がしの起点となり、画像部のインキ均一性が優れるため望ましい。また、20μm以下である場合、凹部が深いことで生じるインキ抜けが発生し難く、画像部のインキ均一性が優れることから望ましい。なお、上記凹凸構造を構成する凹部の深さは、互いに異なっていてもよく、同一であってもよい。ここで、凹部の深さが同一とは、凹部の深さと上記凹部以外の凹部の深さとの差が10%以内であることをいう。
以下に、上記凹凸構造を構成する凹部の具体的態様(溝、孔群、溝と孔群と組み合わせ)について説明する。
(溝)
上記一方向に延びる一定幅の複数の溝は、それぞれが上記一方向に直交する直交方向に配列される。すなわち、複数の溝は、それぞれが互いに平行となる。ここで、平行とは、溝が延びる方向と上記溝に最近接する溝が延びる方向との角度差が、−5°〜5°の範囲であることをいうが、上記複数の溝は、画像部の領域内で互いに交わることはない。
上記複数の溝を構成する溝は、溝の深さが一定である。溝の深さの好ましい範囲は、上述した凹部の深さの好ましい範囲と同一である。
上記複数の溝を構成する溝は、溝の幅が2種以上であり、3種以上であることがより好ましい。溝の幅が3種以上である場合、印刷スピードによらず、インキの引き剥がしがより均一となり、インキ均一性がより良好となる。
溝の幅が2種である場合、小さいものを第1の溝の幅、大きいものを第2の溝の幅とする。この際、第2の溝の幅に対する第1の溝の幅の比率は、0.70以下であることが好ましく、0.10〜0.70であることがより好ましく、0.5〜0.70であることが更に好ましい。第2の溝の幅に対する第1の溝の幅の比率が0.70以下であると、インキ均一性がさらに優れるため、望ましい。
溝の幅が2種である場合、上記溝が延びる一方向に直交する方向において、第1の溝と第2の溝は交互に形成されていることが好ましい。
溝の幅が3種である場合、最も大きいものを第3の溝の幅、2番目に大きいものを第2の溝の幅、最も小さいものを第1の溝の幅とする。この際、第2の溝の幅に対する第1の溝の幅の比率、および、第3の溝の幅に対する第2の溝の幅の比率は、0.70以下であることが好ましく、0.10〜0.70であることがより好ましく、0.5〜0.70であることが更に好ましい。第2の溝の幅に対する第1の溝の幅の比率、および、第3の溝の幅に対する第2の溝の幅の比率が0.70以下であると、インキ均一性がさらに優れるため、望ましい。
上記溝の幅は、特に限定されることはないが、インキ均一性がさらに優れることから、すべての溝において、1〜100μmであることが好ましい。なお、深さ方向で、上記溝の幅は変わらないことが好ましい。
ここで、上記溝の幅は、画像部が形成されたフレキソ印刷版の表面を電解放出形走査型電子顕微鏡により1000倍の倍率で5視野観察し、各視野において10個の溝の幅を測定し、合計50個の幅の値を平均した値をいう。なお、後述する有底孔の直径についても同様の方法で測定し、平均した値をいう。
(孔群)
上記一方向に点在する同一直径の複数の有底孔からなる複数の孔群は、それぞれが上記一方向に直交する直交方向に配列される。すなわち、複数の孔群はそれぞれが互いに平行となる。ここで、平行とは、一方向に点在する複数の有底孔の隣接線と上記複数の有底孔に最近接する複数の有底孔の隣接線との角度差が、−5°〜5°の範囲であることをいうが、これらの隣接線は、画像部の領域内で互いに交わることはない。
上記孔群は、同一直径の複数の有底孔から構成され、点在し、上記有底孔が互いに重なることはない。ここで、同一とは、孔群を構成する有底孔の直径と上記有底孔以外の上記孔群を構成する有底孔の直径との差が10%以内であることをいう。
上記孔群を構成する有底孔の最近接の中心間距離は、有底孔の直径より大きく、有底孔の直径の1.5倍以上であることが好ましい。ここで、中心とは、図5に示す平面図における有底孔31の重心をあらわす。
上記孔群を構成する有底孔は、有底孔の深さが互いに同一である。ここで、同一とは、孔群を構成する有底孔の深さと上記有底孔以外の上記孔群を構成する有底孔の深さとの差が5%以内であることをいう。上記有底孔の深さの好ましい範囲は、上述した凹部の深さの好ましい範囲と同一である。
上記複数の孔群を構成する有底孔は、有底孔の直径が2種以上であり、3種以上であることがより好ましい。有底孔の直径が3種以上である場合、印刷スピードによらず、インキの引き剥がしがより均一となり、インキ均一性がより良好となる。
有底孔の直径が2種である場合、上記孔群が点在する一方向に直交する方向において第1の孔群と第2の孔群は交互に形成されていることが好ましい。
上記有底孔の形状は、特に限定されることはないが、真円、楕円、4〜6の多角形であることが好ましく、特に、真円であることが好ましい。ここで、真円とは、最も長い直径を長軸、最も短い直径を短軸とした場合、長軸に対する短軸の比率が90%以上であるものいい、楕円とは、長軸に対する短軸の比率が90%より小さいものをいう。また、楕円、4〜6の多角形である場合、もっとも長い部分を有底孔の直径とする。有底孔が真円である場合、上記凹凸構造のパターンが均一となることから、画像部と被印刷体の間に存在するインキの量が均一となり、インキ均一性がさらに優れるため、望ましい。
上記有底孔の直径は、特に限定されることはないが、インキ均一性がさらに優れることから、すべての有底孔において、1〜100μmであることが好ましい。なお、深さ方向で、上記有底孔の直径は変わらないことが好ましい。
(溝と孔群の組み合わせ)
上記一方向に延びる一定幅の複数の溝、および、上記一方向に点在する同一直径の複数の有底孔からなる複数の孔群の組み合わせも、上記凹部に含まれる。この場合、複数の溝および複数の孔群は、それぞれが上記一方向に直交する直交方向に配列される。すなわち、複数の溝および複数の孔群は、それぞれが互いに平行となり、互いに交わることはない。
上記複数の溝を構成する溝に対し、上記直交方向に配列されるもののうち、最近接するものは、溝、または、孔群のいずれでもよい。また、上記複数の孔群を構成する孔群に対し、最近接し、上記直交方向に配列されるものは、溝、または、孔群のいずれでもよい。
なお、上記複数の溝を構成する溝は、溝の幅が1種以上であり、上記複数の孔群を構成する有底孔は、有底孔の直径が1種以上であり、かつ、組み合わされる溝の幅と有底孔の直径は異なる。
<ベタ部>
本発明のフレキソ印刷版は、画像部にベタ部を含み、かつ、上述した凹凸構造がベタ部に形成されていることが好ましい。
ここで「ベタ部」とは、上述したように1mm四方以上の塗りつぶし部分のことをいう。凹凸構造がベタ部に形成されている場合、インキ均一性がさらに優れるため、望ましい。
<画像部の高さ>
本発明のフレキソ印刷版においては、画像部の高さ、すなわち、非画像部の高さと画像部の高さの相違(図2においては符号3で表される深さ)は、0.05〜1.00mmであることが好ましく、0.20〜0.70mmであることがより好ましく、0.30〜0.60mmであることが更に好ましい。上記範囲内であると、耐摩耗性、または、小点再現性のような種々の印刷適性が優れるため、望ましい。
ここで、耐摩耗性とは、フレキソ印刷版が印刷に耐え得る機械的強度のことを示す。耐摩耗性の高いフレキソ印刷版を用いることで、ロングラン印刷後も、レリーフの欠けやレリーフの削れが、発生せず、安定して印刷物を得ることができる。
また、小点再現性とは、フレキソ印刷版上で設定された複数の小点からなる網点の画像濃度を、上記網点からインキが転写された被印刷体上での網点の画像濃度が再現する程度を示す。
なお、画像部と非画像からなる構造を凹凸構造と定義する先行技術文献も存在するが、本発明の画像部に形成された凹凸構造は、凹部の深さは2〜20μmであり、上述した上記画像部と非画像部からなる凹凸構造は、画像部の高さが0.05〜1.00mmであることから、大きく異なるものである。
[フレキソ印刷版の第1の様態に係る製造方法]
本発明のフレキソ印刷版の第1の態様に係る製造方法(以下、「本発明の第1製造方法」ともいう。)は、フレキソ印刷版の画像形成用組成物を用いてレリーフ形成層を形成する層形成工程、および、レリーフ形成層を架橋して架橋レリーフ形成層を有するフレキソ印刷原版を得る架橋工程を有し、架橋工程の後に、フレキソ印刷版原版の架橋レリーフ形成層に、レーザー彫刻を施し、非画像部と上述した凹凸構造が表面に形成された画像部とを備えるレリーフ層を有するフレキソ印刷版を作製する彫刻工程を有する。
ここで、レリーフ形成層とは、レーザー彫刻に供する画像形成層としての未架橋の架橋性層を称し、架橋レリーフ形成層とは、上記レリーフ形成層を架橋した層を称し、レリーフ層とは、上記架橋レリーフ形成層にレーザー彫刻がなされた層、すなわち、レーザー彫刻後の上記架橋レリーフ形成層を称する。
以下に、各工程について詳述する。
〔層形成工程〕
本発明の第1製造方法では、フレキソ印刷版の画像形成用組成物を用いてレリーフ形成層を形成する層形成工程を含む。
<画像形成用組成物>
層形成工程に用いる画像形成用組成物は、例えば、ジエン系ポリマー、熱重合開始剤、および、カーボンブラックを含有する樹脂組成物が挙げられる。
次に、層形成工程に用いる画像形成用組成物に含有する各成分について説明する。
(ジエン系ポリマー)
ジエン系ポリマーは、ジエンを含むポリマーをあらわす。層形成工程に用いる画像形成用組成物に含有するジエン系ポリマーは特に限定されず、従来公知のジエン系ポリマーを制限なく使用することができる。
上記ジエン系ポリマーとしては、具体的には、例えば、ポリイソプレン、ポリブタジエン、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、フレキソ印刷版原版のレリーフ形成層の膜厚のばらつきが小さくなる理由から、ポリイソプレン、ポリブタジエンおよびエチレン−プロピレン−ジエン共重合体よりなる群から選択される少なくとも1種のジエン系ポリマーであるのが好ましい。
本発明においては、ジエン系ポリマーは、カレンダーロールによりシート成形したレリーフ形成層の引張強度の観点から、重量平均分子量は200,000以上であることが好ましく、300,000〜2,000,000であることがより好ましく、300,000〜1,500,000であることが更に好ましく、300,000〜700,000であることが特に好ましい。
ここで、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ法(GPC)法にて測定され、標準ポリスチレンで換算して求められる。具体的には、例えば、GPCは、HLC−8220GPC(東ソー株式会社製)を用い、カラムとして、TSKgeL Super HZM−H、TSKgeL SuperHZ4000、TSKgeL SuperHZ2000(東ソー株式会社製、4.6mmID×15cm)を3本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いる。また、条件としては、試料濃度を0.35質量%、流速を0.35mL/min、サンプル注入量を10μL、測定温度を40℃とし、IR検出器を用いて行う。また、検量線は、東ソー株式会社製「標準試料TSK standard,polystyrene」:「F−40」、「F−20」、「F−4」、「F−1」、「A−5000」、「A−2500」、「A−1000」、「n−プロピルベンゼン」の8サンプルから作製する。
ジエン系ポリマーの樹脂組成物中の含有量は、全固形分に対して、5〜90質量%であることが好ましく、15〜85質量%であることがより好ましく、30〜85質量%であることが更に好ましい。ジエン系ポリマーの含有量が上記範囲内であると、彫刻カスのリンス性に優れ、インキ転移性に優れるので好ましい。
(熱重合開始剤)
層形成工程に用いる画像形成用組成物に含有する熱重合開始剤は特に限定されず、従来公知の熱重合開始剤(例えば、ラジカル重合開始剤等)を制限なく使用することができる。
上記熱重合開始剤としては、具体的には、例えば、(a)芳香族ケトン類、(b)オニウム塩化合物、(c)有機過酸化物、(d)チオ化合物、(e)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(f)ケトオキシムエステル化合物、(g)ボレート化合物、(h)アジニウム化合物、(i)メタロセン化合物、(j)活性エステル化合物、(k)炭素ハロゲン結合を有する化合物、(l)アゾ系化合物等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、半減期温度が高く、その結果、樹脂組成物の混練時のスコーチ(早期硬化)を抑制することができり理由や、彫刻感度と、フレキソ印刷版原版のレリーフ形成層に適用した際にはレリーフエッジ形状を良好とするといった理由などから、(c)有機過酸化物が特に好ましい。
ここで、上記(a)芳香族ケトン類、(b)オニウム塩化合物、(d)チオ化合物、(e)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(f)ケトオキシムエステル化合物、(g)ボレート化合物、(h)アジニウム化合物、(i)メタロセン化合物、(j)活性エステル化合物、(k)炭素ハロゲン結合を有する化合物、および、(l)アゾ系化合物としては、特開2008−63554号公報の段落0074〜0118に挙げられている化合物を好ましく用いることができる。
一方、好適例である(c)有機過酸化物としては、以下に示す化合物が好ましい。
上記有機過酸化物としては、具体的には、例えば、ジクミルペルオキシド(10時間半減期温度:116℃)、α,α’−ジ(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン(10時間半減期温度:119℃)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(10時間半減期温度:118℃)等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明において、有機過酸化物の形態としては、原体のまま使用することも可能であるが、取扱い上の問題(危険性、作業性など)から、原体を炭酸カルシウムなどの無機フィラーに吸着させた濃度40wt%の希釈品(非危険物、粉状)や更に、混練時の粉立ち防止、ポリマーへの分散性改善を目的としたマスターバッチタイプの希釈品をより好ましく用いることができる。
原体としては、例えば、パークミルD(日油株式会社製)、PerkadoxBC−FF(化薬アクゾ株式会社製)、ルペロックスDC(アルケマ吉富株式会社製)、パーブチルP(日油株式会社製)、パーカドックス14(化薬アクゾ株式会社製)、ルペロックスF(アルケマ吉富株式会社製)、ルペロックスF90P(アルケマ吉富株式会社製)、パーヘキサ25B(日油株式会社製)、カヤヘキサAD(化薬アクゾ株式会社製)、ルペロックス101(アルケマ吉富株式会社製)等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
また、希釈品としては、例えば、パークミルD−40(日油株式会社製:不活性充填剤希釈品)、パークミルD−40MB(日油株式会社製:シリカ/ポリマー他希釈品)、カヤクミルD−40C(化薬アクゾ株式会社製:炭酸カルシウム希釈品)、カヤクミルD−40MB−S(化薬アクゾ株式会社製:ゴムマスターバッチ)、カヤクミルD−40MB(化薬アクゾ株式会社製:ゴムマスターバッチ)、パーブチルP−40(日油株式会社製:不活性充填剤希釈品)、パーブチルP−40MB(日油株式会社製:シリカ/ポリマー他希釈品)、パーカドックス14/40(化薬アクゾ株式会社製:炭酸カルシウム希釈品)、パーカドックス14−40C(化薬アクゾ株式会社製:炭酸カルシウム希釈品)、ルペロックスF40(アルケマ吉富株式会社製)、パーヘキサ25B−40(日油株式会社製:シリカ他希釈品)、カヤヘキサAD−40C(化薬アクゾ株式会社製:ケイ酸カルシウム希釈品)、トリゴノックス101−40MB(化薬アクゾ株式会社製:ゴムマスターバッチ)、ルペロックス101XL(アルケマ吉富株式会社製)等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明においては、熱重合開始剤は、彫刻カスのリンス性に優れ、耐刷性やインキ着肉性も良好となる理由から、ジエン系ポリマー100質量部に対して0.1〜20.0質量部であることが好ましく、0.5〜15.0質量部であることがより好ましく、1.0〜15.0質量部であるのが更に好ましい。
(カーボンブラック)
層形成工程に用いる画像形成用組成物に含有するカーボンブラックは特に限定されず、樹脂組成物中における分散性などが安定である限り、American Society for Testing and materials(ASTM)による分類のほか、用途(例えば、カラー用、ゴム用、乾電池用など)の如何に拘らずいずれも使用可能である。
ここで、本発明においては、カーボンブラックは、レーザーの光を吸収し発熱することで、レーザー彫刻時の硬化物の熱分解を促進する光熱変換剤として機能していると考えられる。
上記カーボンブラックとしては、具体的には、例えば、ファーネスブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、これらのカーボンブラックは、分散を容易にするため、必要に応じて分散剤を用い、予めニトロセルロースやバインダーなどに分散させたカラーチップやカラーペーストとして使用することができるが、コストの観点から粉体で使用することが好ましい。
本発明においては、カーボンブラックの含有量は、レーザー彫刻時の感度が良好となり、インキ着肉性も良好となる理由から、ジエン系ポリマー100質量部に対して1〜30質量部であることが好ましく、2〜25質量部であることがより好ましく、3〜20質量部が特に好ましい。
(その他の添加剤)
層形成工程に用いる画像形成用組成物には、公知の各種添加剤を、本発明の効果を阻害しない範囲で適宜配合することができる。例えば、架橋助剤、シランカップリング剤、他の充填剤、ワックス、プロセス油、金属酸化物、オゾン分解防止剤、老化防止剤、重合禁止剤、着色剤等が挙げられ、これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<レリーフ形成層の形成方法>
レリーフ形成層の形成方法としては、上述した画像形成用組成物を混練により調製し、その後、混練物をシート状に成形する。シート成形は、混練された画像形成用組成物を支持体上に設けた状態で実施されてもよいし、支持体がない状態で実施されてもよい。
(混練)
ジエン系ポリマーと熱重合開始剤とカーボンブラックを含む画像形成用組成物を混練する方法は特に限定されないが、例えば、これらを同時に混練する方法、ジエン系ポリマーとカーボンブラックとを先に予備混練しておき、その後、熱重合開始剤を添加して混練する方法等が挙げられる。
これらのうち、カーボンブラックの分散性が向上し、熱重合開始剤の熱分解性が抑制される観点から、後者の方法であるのが好ましい。
混練機としては、例えば、単軸押出機、多軸押出機、バンバリーミキサー、インターミックスミキサー、ニーダーなどの密閉式混練機や、ミキシングロール(オープンロール)などの非密閉式(オープン型)混練機を挙げられるが特に限定するものではない。
(シート成形)
混練により調製した画像形成用組成物(混練物)は、カレンダー加工により圧延成形されシート状にされる。
カレンダー加工は、カレンダーロールでシート化する手法を用いてもよい。カレンダーロールでシート化するには、加工性を上げるために原材料である画像形成用組成物(混練物)を適切な温度に熱しておき、カレンダーロールも加熱しておく。混練物を加熱するために通常、ウォームアップロールを使用する。ウォームアップロールで混練物を加熱しながらロールになじませる。ロール温度は40℃〜60℃が好ましい。温度がこの範囲より低いと混練物がロールへなじみにくく、温度がこの範囲より高いと混練物がロールへ密着しやすくなり、ロールから剥がれにくくなり次のカレンダー工程へ搬送できなくなる。
その後、カレンダーロールでシート化するが、カレンダーロールは通常、ロール間隔の広いロール対とロール間隔の狭いロール対から成る。初期のロール温度は、ウォームアップロール同様に40℃〜60℃が好ましい。温度がこの範囲より低いと混練物がロールへなじみにくく、温度がこの範囲より高いと混練物がロールへ密着しやすくなり、ロールから剥がれにくくなり次の精密カレンダー工程へ搬送できなくなる。後期のロール温度は、70℃〜120℃が好ましい。温度がこの範囲より低いと膜厚精度が不十分となり、温度がこの範囲より高いとシートがロールへ密着しやすくなり、ロールから剥がれにくくなり次の搬送ロールへ搬送できなくなる。また、温度が120℃を超えると熱重合開始剤が分解しやすくなりスコーチを起こしやすくなる。
シート成形は、混練された画像形成用組成物を支持体上に設けた状態で実施されてもよいし、支持体がない状態で実施されてもよい。
(支持体)
支持体が使用される場合の支持体としては特に限定されないが、寸法安定性の高いものが好ましく使用され、例えば、ポリエステル(例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート));PAN(ポリアクリロニトリル);PI(ポリイミド);PA(ポリアミド);テフロン(登録商標)等のフッ素樹脂;シリコーン樹脂やポリ塩化ビニルなどのプラスチック樹脂;スチレン−ブタジエンゴムなどの合成ゴム;ガラスファイバーで補強されたプラスチック樹脂(エポキシ樹脂やフェノール樹脂など);等が挙げられる。
支持体としては、PETフィルム、PENフィルム、PIフィルム、PAフィルム、フッ素樹脂フィルム、シリコーン樹脂フィルムが好ましく用いられる。
このような方法により形成されるレリーフ形成層の厚さは、0.1mm以上10.0mm以下が好ましく、0.1mm以上7.0mm以下がより好ましく、0.1mm以上3.0mm以下が更に好ましい。
〔架橋工程〕
本発明の第1製造方法では、上述したレリーフ形成層を架橋して架橋レリーフ形成層を有するフレキソ印刷版原版を得る架橋工程を含む。
上記レリーフ形成層は、熱重合開始剤を含有していてもよく、レリーフ形成層を加熱することで、レリーフ形成層を架橋することができる。
<架橋レリーフ形成層の形成方法>
架橋レリーフ形成層の形成方法としては、シート成形後、架橋工程前にカッターで目的の大きさ及び形状に裁断した後に架橋してもよいし、シート成形後の連続したシートのまま架橋してもよい。前者の場合は、加熱プレス機が使用される。
熱架橋設備としては、熱風加熱炉、加熱プレス機(枚葉型加熱プレス機、連続型プレスコンベア)、加熱ロール等を挙げられるが特に限定するものではない。架橋工程前にカッターで目的の大きさに裁断した後に架橋する場合は、枚葉型加熱プレス機が使用される。
(加熱)
加熱温度は、硬化膜の強度(耐刷性)、リンス性および表面タック性の観点から、50〜200℃が好ましく、120〜200℃がより好ましく、140〜190℃が特に好ましい。加熱時間は、1〜30分が好ましく、3分〜25分がより好ましく、5〜20分が特に好ましい。
(加圧)
加熱する際に、加圧しながら加熱してもよい。そのときの圧力は、膜厚精度の点で、1〜50MPaが好ましく、3〜35MPaがより好ましい。この範囲内の圧力だと、プレス機の型板間で受ける圧力とその圧力に対抗するシートの弾性反発力等の反力とが釣り合うことで、プレス機の型板間が所定の距離に維持され、熱架橋されるため、膜厚はほとんど変化しない。
(保護フィルム)
架橋レリーフ形成層表面への傷や凹み防止の目的で、架橋レリーフ形成層表面に保護フィルムをラミネート(積層)してもよい。保護フィルムの厚さは、25〜500μmが好ましく、50〜200μmがより好ましい。保護フィルムは、例えば、PETのようなポリエステル系フィルム、PE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)のようなポリオレフィン系フィルムを用いることができる。またフィルムの表面はマット化されていてもよい。保護フィルムは、剥離可能であることが好ましい。
保護フィルムのラミネートは、加熱したカレンダーロールなどで保護フィルムと架橋レリーフ形成層を圧着することや、表面に少量の溶剤を含浸させた架橋レリーフ形成層に保護フィルムを密着させることによって行うことができる。保護フィルムを用いる場合には、先ず保護フィルム上に架橋レリーフ形成層を積層し、次いで支持体をラミネートする方法を採ってもよい。
〔彫刻工程〕
本発明の第1製造方法では、架橋工程の後に、フレキソ印刷版原版の架橋レリーフ形成層に、レーザー彫刻を施し、非画像部と上述した凹凸構造が表面に形成された画像部とを備えるレリーフ層を有するフレキソ印刷版を作製する彫刻工程を含む。
レーザー彫刻の方法は特に限定されず、架橋された架橋レリーフ形成層に対して、所望の画像に対応したレーザー光を照射して彫刻を行うことができる。また、所望の画像のデジタルデータを元にコンピューターでレーザーヘッドを制御し、架橋レリーフ形成層に対して走査照射する方法が好ましく挙げられる。
(画像データ生成方法)
フレキソ印刷版の製造方法における、レーザー彫刻のための画像データの生成方法は、後述する手法を用いることができる。
まず、作成する印刷版の原画像データを取得する。次に、この原画像データを、レーザー彫刻を行うためのデータに変換するため、RIP(Raster Image Processor)処理を行う。一方で、原画像データをラスタライズして、各画像部の外縁(端辺)から所定の幅の複数の部分領域を抽出する。抽出した各部分領域に、それぞれ所定の面積率の凹部パターンのテンプレートを重ねてマスクを生成する。さらに、RIP処理をした画像データに、生成したマスクを掛け合わせて、出力画像データを生成する。
このようにして、原画像データの画像部に凹部パターンを付加した出力画像データを生成して、この出力画像データを用いてレーザー彫刻を行い、フレキソ印刷版を作製する。
(レーザー彫刻)
レーザー彫刻の方法については、従来のフレキソ印刷版の製造方法で用いられるレーザー彫刻の方法、例えば、特開2009−172658号公報、および、特開2009−214334号公報に詳細に記載された手法を用いることができる。レーザー彫刻の方法としては、例えば、円筒形を有するドラムの外周面にシート状のレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版を巻きつけてドラムを回転させて、印刷版原版に向けて露光ヘッドを主走査方向と直交する副走査方向に所定ピッチで走査させることで、印刷版原版の表面に2次元画像を高速で記録する方法、等が利用可能である。なお、非画像部と表面に上述した凹凸構造が形成された画像部は、上述したレーザー彫刻の際に同時に形成される。
このような方法により形成されるフレキソ印刷版の画像部の厚さは、耐摩耗性やインキ転移性のような種々の印刷適性を満たす観点からは、0.1mm以上10mm以下が好ましく、0.1mm以上7.0mm以下がより好ましく、0.1mm以上3.0mm以下が更に好ましい。
〔リンス工程〕
本発明の第1製造方法では、彫刻工程の後に、彫刻表面をアルカリ水溶液でリンスするリンス工程を有していてもよい。リンス工程を有することにより、彫刻表面の付着・残留する彫刻カスを洗い流し、除去することが可能である。
リンスの手段として、アルカリ水溶液に浸漬する方法、アルカリ水溶液に浸漬しながら、リンス液を回転させ、彫刻表面をブラシで摺る方法、アルカリ水溶液をスプレー噴射する方法、感光性樹脂凸版の現像機として公知のバッチ式又は搬送式のブラシ式洗い出し機で、彫刻表面を主にアルカリ水溶液の存在下でブラシ擦りする方法などが挙げられ、彫刻カスのヌメリがとれない場合は、石鹸や界面活性剤を添加したリンス液を用いてもよい。
〔乾燥工程〕
本発明の第1製造方法では、彫刻表面をリンスするリンス工程を行った場合、彫刻工程の後に、乾燥してリンス液を揮発させる乾燥工程を追加してもよい。
〔後架橋工程〕
本発明の第1製造方法では、必要に応じて、彫刻工程の後に更に架橋する後架橋工程を追加してもよい。追加の架橋工程である後架橋工程を行うことにより、彫刻によって形成されたレリーフをより強固にすることができる。
[フレキソ印刷版の第2の様態に係る製造方法]
本発明のフレキソ印刷版の第2の態様に係る製造方法(以下、「本発明の第2製造方法」ともいう。)は、フレキソ印刷版の画像形成用組成物に加熱処理および加圧処理を施し、表面に凹凸構造を有するフレキソ印刷版原版を得る凹凸形成工程、および、フレキソ印刷版原版の表面にレーザー彫刻を施し、非画像部を形成することにより、非画像部と、表面に凹凸構造が形成された画像部とを備えるレリーフ層を有するフレキソ印刷版を作製する非画像部を形成する彫刻工程を有する。
以下に、各工程について詳述する。
〔凹凸形成工程〕
本発明の第2製造方法では、フレキソ印刷版の画像形成用組成物に、加熱処理、および、加圧処理を施し、表面に凹凸構造を有するフレキソ印刷版原版を形成する凹凸形成工程を含む。
<画像形成用組成物>
凹凸形成工程に用いる画像形成用組成物は、上述した本発明の第1製造方法における層形成工程に用いる画像形成用組成物を用いることができる。
<フレキソ印刷版原版>
本発明の第2製造方法では、凹凸形成工程で得られるフレキソ印刷版原版は、表面に凹凸構造を有するフレキソ印刷版原版である。
ここで、凹凸構造を構成する凹部は、一方向に延びる一定幅の複数の溝、および、一方向に点在する同一直径の複数の有底孔からなる複数の孔群、の少なくとも一方によって形成され、凹部の深さは、2〜20μmであり、複数の溝および複数の孔群は、それぞれが上記一方向に直交する直交方向に配列され、溝の幅および有底孔の直径は、それぞれ2種以上である。
なお、フレキソ印刷版原版の表面に形成される凹凸構造は、上述した本発明のフレキソ印刷版の画像部に形成される凹凸形状と同一であるため、その説明は割愛する。
<フレキソ印刷版原版の作製方法>
本発明の第2製造方法では、フレキソ印刷版の画像形成用組成物に、加熱処理、および、加圧処理を施すことにより、表面に凹凸構造を有するフレキソ印刷版原版を形成する。これは、本発明の第1製造方法に係る層形成工程、および、架橋工程を同時に行うことに相当する。
(加熱処理および加圧処理)
凹凸形成工程は、フレキソ印刷版の画像形成用組成物に加熱処理、および、加圧処理を施す。加熱、および、加圧を施す手法としては、金型を用いた転写方法を用いることができる。
金型を用いた転写方法を用いる場合、加熱、および、加圧を同時に行うことで、図7A〜図7Cに示すように、シート形成、架橋、および、表面への凹凸形成を同時に行うことができる。
具体的には、図7Aに示すように、所定の凹凸構造を有する上側金型71と所定の凹凸構造を有さない下側金型72を用い、図7Bに示すように、上述した画像形成用組成物(混練物)73を所定の凹凸構造が施された上側金型71と上述の凹凸構造が施されていない下側金型72との間にはさむ。その後、図7Cに示すように、加熱プレス機を用い、加熱しながら加圧することで、上述した表面に凹凸構造を有するフレキソ印刷版原版74を作製することができる。
上記金型は、特に限定されるものではないが、ステンレスにより形成されたものが好ましい。
上記加熱プレス時の圧力は、10〜50MPaが好ましく、20〜40MPaがより好ましい。
上記加熱プレス時にレリーフ形成層と接触する面の金型の表面温度は、120〜200℃が好ましく、140〜190℃がより好ましい。
〔彫刻工程〕
本発明の第2製造方法では、凹凸形成工程の後に、フレキソ印刷版原版の表面にレーザー彫刻を施し、非画像部を形成することにより、非画像部と、表面に凹凸構造が形成された画像部とを備えるレリーフ層を有するフレキソ印刷版を作製する彫刻工程を含む。
<非画像部の形成方法>
非画像部の形成方法としては、表面に凹凸を有するフレキソ印刷版原版に対して、所望の画像に対応したレーザー光を照射して彫刻を行うことにより非画像部を形成することが好ましい。また、所望の画像のデジタルデータを元にコンピューターでレーザーヘッドを制御し、非画像部に対して走査照射する工程が好ましく挙げられる。
なお、非画像部の形成の際、画像部がレーザー孔により彫刻されることはなく、非画像部を形成した後には、非画像部と、表面に上述した凹凸構造が形成された画像部とを備えるレリーフ層を有する本発明のフレキソ印刷版を得ることができる。
(レーザー彫刻)
レーザー彫刻の方法については、上述した本発明の第1の製造方法におけるレーザー彫刻の方法を用いることができる。
〔リンス工程〕
本発明の第2製造方法では、彫刻工程の後に、彫刻表面をアルカリ水溶液でリンスするリンス工程を有していてもよい。リンスの手法は、上述した本発明の第1の製造方法におけるリンス工程の手法を用いることができる。
〔乾燥工程〕
本発明の第2製造方法では、彫刻表面をリンスするリンス工程を行った場合、彫刻工程の後に乾燥してリンス液を揮発させる乾燥工程を追加してもよい。乾燥方法は、上述した本発明の第1の製造方法における乾燥工程の手法を用いることができる。
〔後架橋工程〕
本発明の第2製造方法では、必要に応じて、彫刻工程の後に、更に架橋する後架橋工程を追加してもよい。後架橋の方法は、上述した本発明の第1の製造方法における後架橋工程の手法を用いることができる。
[フレキソ印刷版原版]
本発明のフレキソ印刷版原版は、上述した本発明の第2製造方法において用いることができる原版であって、本発明のフレキソ印刷版における画像部の凹凸構造を上述した本発明の第2製造方法において記載した凹凸形成工程において予め形成したフレキソ印刷版原版である。
具体的には、本発明のフレキソ印刷版原版において、凹凸構造を構成する凹部は、一方向に延びる一定幅の複数の溝、および、一方向に点在する同一直径の複数の有底孔からなる複数の孔群、の少なくとも一方によって形成され、凹部の深さは、2〜20μmであり、複数の溝、および複数の孔群は、上記一方向に直交する直交方向に配列され、溝の幅および有底孔の直径は、それぞれ2種以上である。
以下に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
[実施例1]
<画像形成用組成物の調製>
MS式小型加圧ニーダー(株式会社モリヤマ製)を用いて、ポリマーとしてEPDM:MITUI EPT1045(エチレン プロピレン ジエン共重合体、エチレン含量:58質量%、ジエン含量:5質量%、ジエン種:ジシクロロペンタジエン(DCPD)、三井化学株式会社製)を80質量部と、光熱変換剤としてカーボンブラック#45(三井化学株式会社製)を12質量部とを、80℃にて、前ブレード35rpm、後ブレード35rpmで10分間混練した後、60℃まで冷却し、架橋剤としてパークミルD−40(日油株式会社)を8質量部添加して、60℃にて前ブレード20rpm、後ブレード20rpmで更に10分間混練し、画像形成用組成物を得た。
<架橋レリーフ形成層の作製>
得られた画像形成用組成物を、カレンダーロール(日本ロール製造株式会社製 逆L型4本)でシート状に成形し、レリーフ形成層を作製した。
具体的には、ウォームアップロールを50℃として上記画像形成用組成物を10分間予備混練し、ロールに巻き付いたものを途中でカットしてシート状に引き出し、一旦ロール状に巻き取った。これをカレンダーロールの第1ロールと第2ロールの間にセットし、圧延成形した。なお、カレンダーロールの各ロール温度は、第1ロール温度を50℃、第2ロール温度を60℃、第3ロール温度を70℃、第4温度ロール温度80℃とした。搬送速度は1m/分とした。
得られたシートを、加熱プレス機(株式会社東洋精機製作所製 MP−WCL)を用いて、10MPaの圧力で、160℃で20分間加熱して架橋し、厚さが0.9mmの架橋レリーフ形成層を得た。
<フレキソ印刷版原版の作製>
上記で得た架橋レリーフ形成層に光硬化性組成物(株式会社スリーボンド社製:3030)を平均膜厚が80μmになるように塗設した。その後、上記光硬化性物が塗設された面の架橋レリーフ形成層に、支持体として250μm厚のPETフィルムをニップローラにて貼り合わせた。貼り合わせから20秒後に、PETフィルム側からUV露光機(アイグラフィックス株式会社製UV露光機ECS−151U、メタルハライドランプ、1.500J/cm2、露光時間14秒)によるUV露光を行い、光硬化性層を硬化させて、架橋レリーフ形成層、硬化した光硬化性層とPETフィルムとをこの順で備えるフレキソ印刷版原版を得た。
<フレキソ印刷版の作製>
上記で得たフレキソ印刷版原版の架橋レリーフ形成層を用いて、レーザー彫刻することにより、画像部、および、非画像部を有するフレキソ印刷版を形成した。
レーザー照射による彫刻は、レーザー彫刻機(Hell Gravure Systems社製 1300S)により、解像度2540dpi、レーザーパワー(Depth Power)100%で彫刻し、その後、洗浄剤(The Procter & Gamble Company社製 ジョイ(登録商標)2%水溶液)を版上に垂らし、豚毛ブラシで擦り、流水にて水洗することで彫刻カスを除去した。
上記レーザー照射による彫刻により、図8に示すように、124×124mm(図8における非画像部81)のフレキソ印刷版原版の架橋レリーフ形成層の中央100mm×100mm(図8におけるベタ部82A)に第1の溝と第2の溝、または、第1の孔群と第2の孔群が交互となるよう第1の後述する表1に示した凹凸構造を有した画像を形成した。なお、図8における符号82Bは枕部、すなわち、画像部であるがインキ均一性の評価には含まれない箇所となる。
なお、表1に示す溝の幅、または、有底孔の直径は、画像が形成されたフレキソ印刷版の表面を電解放出形走査型電子顕微鏡(FE−SEM,株式会社日立ハイテクノロジーズ製、S−4300)により1000倍の倍率において、5視野観察し、各視野につき該当する箇所を10箇所測定し、平均を算出することにより求めた。また、表1に示す溝の深さ、または、有底孔の深さは、画像が形成されたフレキソ印刷版をかみそりにて、表面に対し±1°以下の精度で垂直に断面切削し、断面を電解放出形走査型電子顕微鏡(FE−SEM,株式会社日立ハイテクノロジーズ製、S−4300)により1000倍の倍率において、5視野観察し、各視野につき該当する箇所を10箇所測定し、平均を算出することにより求めた。
[実施例2〜実施例10、比較例1〜7]
フレキソ印刷版原版の架橋レリーフ形成層に、レーザー彫刻を施し、非画像部と下記表1に示す凹凸構造を持つ画像部とを形成した以外は、実施例1と同様にして、フレキソ印刷版を得た。なお、実施例7においては、上記溝が延びる一方向に直交する方向において第1の溝、第2の溝、および、第3の溝はこの順に交互に形成した。
[実施例11]
下記に示す工程以外は、実施例1と同様にしてフレキソ印刷版を得た。
上述した画像形成用組成物(混練物)を所定の凹凸構造が施された上側金型と上述の凹凸構造が施されていない下側金型との間にはさみ、その後、加熱プレス機(株式会社東洋精機製作所製MP−WCL)を用いて、金型を160℃、25MPaにおいて、加熱プレスし、後述する表1に示す凹凸構造を有するフレキソ印刷版原版形成した。その後、上記フレキソ印刷版原版にレーザー彫刻工程を施し、非画像のみ形成した。
[比較例8]
フレキソ印刷版原版の架橋レリーフ形成層に、レーザー彫刻を施し、下記表1に示す凹凸構造を持つ画像部を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして、フレキソ印刷版を得た。
[評価]
〔低速印刷時(20m/min)でのベタ部濃度〕
得られたフレキソ印刷版を印刷機(ILF−270−4F、太陽機械製作所)にセットし、水性フレキソ藍(ハイドリックFCG 739、大日精化製)をインキとして用い、印刷紙として、太閤OPPフィルム FOS−AQ(フタムラ化学株式会社製)を用いて、20m/minにて印刷を継続し、印刷開始から1,000mにおける印刷物上のベタ部のインキの付着度合いによりインキ均一性を比較した。
インキ均一性の評価は、上記で得た印刷物上のベタ部の濃度を、3箇所をポータブル反射濃度計(エックスライト社製)により各2回測定し、計6回の測定を行った。
評価の基準は以下の通りである。
A:計6回の測定のうち、反射濃度が1.65以上である回数が6回
B:計6回の測定のうち、反射濃度が1.65以上である回数が3回以上5回以下
C:計6回の測定のうち、反射濃度が1.65以上である回数が2回以下
〔高速印刷時(200m/min)でのベタ部濃度〕
印刷速度を200m/minとして印刷を継続した以外は、低速印刷時のベタ部濃度評価と同一の印刷条件、同一の測定条件、同一の評価基準とし、評価を行った。
これらの結果を下記表1に示す。
表1に示すように、一定幅の溝が1種類または同一直径の複数の有底孔からなる孔群が1種類である画像部を有するフレキソ印刷は、低速印刷時または高速印刷時のいずれかにおいてインキ均一性が劣ることが分かった(比較例1、2および5〜8)。
これに対して、画像部に第1の溝または孔群と第2の溝または孔群を有するフレキソ印刷版は、低速印刷時および高速印刷時のどちらにおいてもインキ均一性が優れることが分かった(実施例1〜11)。
画像部に第1の溝または孔群と第2の溝または孔群を有するフレキソ印刷版においても、第1の溝または孔群の深さ、または、第2の溝または孔群の深さのいずれかが、2μmより浅い、または、21μm以上である場合には、低速印刷時および高速印刷時のいずれにおいてもインキ均一性が劣ることが分かった(比較例3および4)。
実施例1〜6および実施例8〜11と比較例1および2の対比から、画像部に第1の溝または孔と第2の溝または孔を有するフレキソ印刷版であって、第1の溝または孔の深さ、および、第2の溝または孔の深さがともに、2〜20μmであって、第2の溝の幅に対する第1の溝の幅の比率、または、第2の孔の開口径に対する第1の孔の開口径の比率が0.82未満である場合には、低速印刷時または高速印刷時いずれかのインキ均一性が更に優れることが分かった。
特に、実施例1と実施例2および3との対比から、第1の溝または孔の深さ、および、第2の溝または孔の深さのいずれかが5〜15μmであるフレキソ印刷版は、低速印刷時および高速印刷時のいずれにおいてもインキ均一性が更に向上することが分かった。
また、特に、実施例1、4、5、6および10と実施例8との対比から、第2の溝の幅に対する第1の溝の幅の比率、または、第2の孔の直径に対する第1の孔の直径の比率が0.70以下である場合には、低速印刷時または高速印刷時のいずれかがにおいてインキ均一性が更に向上することが分かった。
更に、実施例5と実施例7との対比から、第3の溝または孔がある場合には、低速印刷時または高速印刷時のいずれかにおいてインキ均一性が更に向上することが分かった。
10 フレキソ印刷版
1 非画像部
2 画像部
3 画像部の高さ
20 画像部
21 凹部としての溝
22 凸部
24 第1の溝の幅
25 第2の溝の幅
26 凹部の深さ
30 画像部
31 凹部としての有底孔
32 凸部
33a 第1の孔群
33b 第2の孔群
34 第1の有底孔の直径
35 第2の有底孔の直径
36 凹部の深さ
71 上側金型
72 下側金型
73 画像形成用組成物
74 表面に凹凸構造を有するフレキソ印刷版原版
81 非画像部
82A ベタ部
82B 枕部

Claims (7)

  1. 非画像部と、表面に凹凸構造が形成された画像部とを備えるレリーフ層を有するフレキソ印刷版であって、
    前記凹凸構造を構成する凹部は、一方向に延びる一定幅の複数の溝、および、一方向に点在する同一直径の複数の有底孔からなる複数の孔群、の少なくとも一方によって形成され、
    前記凹部の深さは、2〜20μmであり、
    前記複数の溝および前記複数の孔群は、それぞれが前記一方向に直交する直交方向に配列され、
    前記溝の幅および前記有底孔の直径は、それぞれ2種以上であるフレキソ印刷版。
  2. 前記画像部は、ベタ部を含み、
    前記ベタ部は、前記凹凸構造を備える請求項1に記載のフレキソ印刷版。
  3. 前記凹凸構造を構成する凹部が、前記複数の溝である請求項1または2に記載のフレキソ印刷版。
  4. 前記凹凸構造が、第1の溝と第2の溝とを有し、
    前記第1の溝の幅が、前記第2の溝の幅より小さく、
    前記第2の溝の幅に対する前記第1の溝の幅の比率が、0.70以下である請求項3に記載のフレキソ印刷版。
  5. 非画像部と、表面に凹凸構造が形成された画像部とを備えるレリーフ層を有するフレキソ印刷版を作製するフレキソ印刷版の製造方法であって、
    フレキソ印刷版の画像形成用組成物を用いてレリーフ形成層を形成する層形成工程、および、前記レリーフ形成層を架橋して架橋レリーフ形成層を有するフレキソ印刷版原版を得る架橋工程を有し、
    前記架橋工程の後に、前記フレキソ印刷版原版の前記架橋レリーフ形成層に、レーザー彫刻を施し、非画像部と請求項1に記載の凹凸構造が表面に形成された画像部とを備えるレリーフ層を有するフレキソ印刷版を作製する彫刻工程を有するフレキソ印刷版の製造方法。
  6. 非画像部と、表面に凹凸構造が形成された画像部とを備えるレリーフ層を有するフレキソ印刷版を作製するフレキソ印刷版の製造方法であって、
    フレキソ印刷版の画像形成用組成物に加熱処理および加圧処理を施し、表面に凹凸構造を有するフレキソ印刷版原版を得る凹凸形成工程、および、
    前記フレキソ印刷版原版の表面にレーザー彫刻を施し、非画像部を形成することにより、前記非画像部と、表面に前記凹凸構造が形成された画像部とを備えるレリーフ層を有するフレキソ印刷版を作製する彫刻工程を有し、
    前記凹凸構造を構成する凹部は、一方向に延びる一定幅の複数の溝、および、一方向に点在する同一直径の複数の有底孔からなる複数の孔群、の少なくとも一方によって形成され、
    前記凹部の深さは、2〜20μmであり、
    前記複数の溝および前記複数の孔群は、それぞれが前記一方向に直交する直交方向に配列され、
    前記溝の幅および前記有底孔の直径は、それぞれ2種以上であるフレキソ印刷版の製造方法。
  7. 表面に凹凸構造を有するフレキソ印刷版原版であって、
    前記凹凸構造を構成する凹部は、一方向に延びる一定幅の複数の溝、および、一方向に点在する同一直径の複数の有底孔からなる複数の孔群、の少なくとも一方によって形成され、
    前記凹部の深さは、2〜20μmであり、
    前記複数の溝および前記複数の孔群は、それぞれが前記一方向に直交する直交方向に配列され、
    前記溝の幅および前記有底孔の直径は、それぞれ2種以上であるフレキソ印刷版原版。
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