JPWO2016136213A1 - 土質判定装置、土質判定方法及び土質判定プログラムを記憶する記録媒体 - Google Patents

土質判定装置、土質判定方法及び土質判定プログラムを記憶する記録媒体 Download PDF

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Abstract

さまざまな、土の種類である土種について、土種及び密度を推定することができる土質判定装置等を提供する。本発明の一態様に係る土質判定装置は、振動を計測する振動センサによって測定対象の土である対象土の振動が測定された振動データをもとに、前記対象土の振動の周波数の特徴を表す周波数特徴を算出する周波数特徴算出手段と、土が含む水分の量を測定する水分計によって測定された前記対象土が含む水分の量である水分量と、算出された前記周波数特徴とをもとに、土質記憶手段が記憶する、複数の土の種類である土種の、複数の密度についての、水分量と周波数特徴との関係を表す土質モデルを使用して、前記対象土の土種と密度とを推定する土質判定手段と、を備える。

Description

本発明は、土を判定する技術に関し、特に、土の種類である土種と密度とを判定する技術に関する。
土の密度を推定する技術が、例えば特許文献1によって開示されている。
特許文献1に記載の判定装置では、施工現場で用いる土の乾燥密度-体積含水率の関係を表す曲線が予め作成される。施工現場では土壌に電磁波を透過させ、透過電磁波を測定する。特許文献1の判定装置は、透過電磁波の特性に基づいて体積含水率を測定する。そして、その判定装置は、あらかじめ作成しておいた乾燥密度−体積含水率の曲線に基づいて、施工現場の土壌の乾燥密度を推計する。
特開2007−010568号公報
上述のあらかじめ作成された曲線が表す、乾燥密度−体積含水率の関係は、施工現場で用いる土の場合にのみ成り立つ。あらかじめ作成された曲線が表す、乾燥密度−体積含水率の関係は、他の種類の土では成り立たない。特許文献1の技術では、さまざまな種類の土について、密度を推定することはできない。
本発明の目的の1つは、さまざまな、土の種類である土種について、土種及び密度を推定することができる土質判定装置等を提供することにある。
本発明の一態様に係る土質判定装置は、振動を計測する振動センサによって測定対象の土である対象土の振動が測定された振動データをもとに、前記対象土の振動の周波数の特徴を表す周波数特徴を算出する周波数特徴算出手段と、土が含む水分の量を測定する水分計によって測定された前記対象土が含む水分の量である水分量と、算出された前記周波数特徴とをもとに、土質記憶手段が記憶する、複数の土の種類である土種の、複数の密度についての、水分量と周波数特徴との関係を表す土質モデルを使用して、前記対象土の土種と密度とを推定する土質判定手段と、を備える。
本発明の一態様に係る土質判定方法は、振動を計測する振動センサによって測定対象の土である対象土の振動が測定された振動データをもとに、前記対象土の振動の周波数の特徴を表す周波数特徴を算出し、土が含む水分の量を測定する水分計によって測定された前記対象土が含む水分の量である水分量と、算出された前記周波数特徴とをもとに、土質記憶手段が記憶する、複数の土の種類である土種の、複数の密度についての、水分量と周波数特徴との関係を表す土質モデルを使用して、前記対象土の土種と密度とを推定する。
本発明の一態様に係る記録媒体は、コンピュータに、振動を計測する振動センサによって測定対象の土である対象土の振動が測定された振動データをもとに、前記対象土の振動の周波数の特徴を表す周波数特徴を算出する周波数特徴算出処理と、土が含む水分の量を測定する水分計によって測定された前記対象土が含む水分の量である水分量と、算出された前記周波数特徴とをもとに、土質記憶手段が記憶する、複数の土の種類である土種の、複数の密度についての、水分量と周波数特徴との関係を表す土質モデルを使用して、前記対象土の土種と密度とを推定する土質判定処理とを実行させる土質判定プログラムを記憶する。本発明は、上記記録媒体が記憶する土質判定プログラムによっても実現できる。
本発明には、さまざまな、土の種類である土種について、土種及び密度を推定することができるという効果がある。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る土質判定システムの構成の一例を表すブロック図である。 図2は、本発明の第1の実施形態に係る土質判定システムの動作全体の例を表すフローチャートである。 図3は、本発明の第1の実施形態に係る土質判定システムの、密度推定処理の動作の例を表すフローチャートである。 図4は、本発明の第1の実施形態に係る土質判定システムの、土種判定処理の動作の例を表すフローチャートである。 図5は、本発明の第1の実施形態に係る土質判定システムの、土種判定処理の動作の例を表すフローチャートである。 図6は、共振周波数−水分量モデル及び計測の結果の例を模式的に表す図である。 図7は、本発明の第1の実施形態に係る土質判定システムの、土種判定処理の動作の他の例を表すフローチャートである。 図8は、本発明の第1の実施形態に係る土質判定システムの、土種モデル生成処理の動作の例を表すフローチャートである。 図9は、本発明の第2、第3、及び第4に係る実施形態の土質判定システムの構成の例を表すブロック図である。 図10は、本発明の第2の実施形態に係る土質判定システムの動作全体の例を表すフローチャートである。 図11は、本発明の第2の実施形態に係る土質判定システムの、土種判定処理の動作の例を表すフローチャートである。 図12は、本発明の第2の実施形態に係る土質判定システムの、土種判定処理の動作の例を表すフローチャートである。 図13は、本発明の第5の実施形態に係る土質判定システムの構成の例を表すブロック図である。 図14は、本発明の第3、及び第4の実施形態に係る土質判定システムの動作の例を表すフローチャートである。 図15は、本発明の第3、及び第4の実施形態に係る土質判定システムの動作の例を表すフローチャートである。 図16は、本発明の第3、及び第4の実施形態に係る土質判定システムの動作の例を表すフローチャートである。 図17は、本発明の第3、及び第4の実施形態に係る土質判定システムの、土種判定処理の動作の例を表すフローチャートである。 図18は、本発明の第3の実施形態に係る土質判定システムの、密度推定処理の動作の一例を表すフローチャートである。 図19は、本発明の第4の実施形態に係る土質判定システムの、密度推定処理の動作の例を表すフローチャートである。 図20は、本発明の第5の実施形態に係る土質判定システムの動作全体の例を表すフローチャートである。 図21は、本発明の第5の実施形態に係る土質判定システムの、土種判定処理の動作の例を表すフローチャートである。 図22は、本発明の第5の実施形態に係る土質判定システムの、密度推定処理の動作の例を表すフローチャートである。 図23は、本発明の第6、及び第7の実施形態に係る土壌崩壊危険度変化検知システムの構成の例を表すブロック図である。 図24は、本発明の第6、及び第7の実施形態に係る検知システムの、モデル化を行う動作の一例を表すフローチャートである。 図25は、本発明の第6、及び第7の実施形態に係る検知システムの、三軸圧縮試験の動作の例を表すフローチャートである。 図26は、本発明の第6、及び第7の実施形態に係る検知システムの、加水加振試験の処理の動作の例を表すフローチャートである。 図27は、本発明の第6、及び第7の実施形態に係る検知システムの、監視時の動作の例を表すフローチャートである。 図28は、本発明の第8の実施形態に係る土質判定装置の構成の例を表すブロック図である。 図29は、本発明の各実施形態に係る土質判定装置を実現することができる、コンピュータのハードウェア構成の一例を表す図である。 図30は、本発明の第1の実施形態に係る、回路によって実装された土質判定システムの構成の一例を表すブロック図である。 図31は、本発明の第2、第3、及び第4の実施形態に係る、回路によって実装された土質判定システムの構成の例を表すブロック図である。 図32は、本発明の第5の実施形態に係る、回路によって実装された土質判定システムの構成の例を表すブロック図である。 図33は、本発明の第8の実施形態に係る、回路によって実装された土質判定装置の構成の例を表すブロック図である。 図34は、本発明の第8の実施形態に係る土質判定装置の動作の例を表すフローチャートである。
以下では、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。まず、本発明が利用される斜面崩壊予兆検知の原理について説明し、その後、本発明の実施の形態について説明する。
<<斜面崩壊予兆検知の原理>>
斜面の安定は、斜面方向に働くせん断応力と、その力による滑落を阻止するせん断強さとの関係で評価することができる。このせん断応力は、土砂に加わる重力と斜面勾配角度とによって表現することができる。対して、せん断強さは、土壌がもつ粘着力と、垂直応力に基づく抵抗力とに分類できる。この垂直応力は、土塊の重力と斜面勾配角度と、有効摩擦係数とによって決まる。土塊は、例えば、土の粒子と、粒子間の隙間に介在する間隙空気と、間隙水とによって構成される。土塊の重量を支える抗力として、土粒子による垂直抗力、間隙空気圧、及び間隙水圧が作用する。ただし、この力のうち、せん断強さに寄与するのは土粒子による垂直抗力のみである。そのため、せん断強さを算出する際には、間隙水圧と間隙空気圧とを重力から差し引くことによって得られる、見かけの垂直応力を用いなければならない。含水比が大きくなると、この見かけのせん断応力は小さくなる。さらに、この垂直応力に乗じて評価される有効摩擦係数及び粘着力は、斜面が滑落するときにせん断応力とせん断強さとが釣り合うように設定される係数である。この値も、土壌の含水比の上昇とともに減少することがわかっている。このため、土壌の含水比が増加すると、せん断応力が大きくなり、そして、せん断強さが小さくなるため、斜面崩壊が起こる。
以上から、含水比の増加を検出することによって、斜面崩壊を予知できることがわかる。含水比の変化を、振動の減衰率の変化に置き換えて検知する手法において、計測対象の斜面の土の土種、密度の推定ができれば、安全監視に用いるモデルを選定することができる。なお、土種は、土の種類を表す。本発明の各実施形態では、土種及び密度の少なくともいずれかが異なる土壌に対して、前述の含水比に応じて変化する、せん断強さ及びせん断応力に影響するパラメータが、あらかじめ計測される。そして、計測されたパラメータは、振動の減衰率との関数モデルとして、データベースに保存される。そして、本発明の各実施形態では、データベースに保存されている関数モデルに基づいて、計測対象である、斜面の土の、土種及び密度が推定される。
<第1の実施形態>
次に、本発明の第1の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施形態の土質判定システム1の構成の一例を表すブロック図である。
図1を参照すると、本実施形態の土質判定システム1は、振動センサ101と、水分計102と、土質判定装置10とを含む。振動センサ101及び水分計102は、土質判定装置10と、通信可能に接続されている。土質判定システム1は、さらに、出力装置109を含んでいてもよい。土質判定装置10は、周波数特徴算出部104と、土質情報記憶部106と、土質判定部107と、出力部108とを含む。出力部108には、出力装置109が、通信可能に接続されている。なお、図1及び他の図に示す、本発明のいずれかの実施形態に係るシステム及び装置の構成において、データが送信される方向は、描かれている矢印の方向に限定されない。
振動センサ101は、測定対象である土の振動を検知(すなわちセンシング)するセンサである。振動センサ101は、検知によって得られた、対象土の振動を表す時系列データを、土質判定装置10に出力する。振動センサ101として、振動を検出する、既存のさまざまなセンサが適用可能である。振動センサ101は、例えば、加速度を測定する加速度センサであってもよい。振動センサ101は、他の種類の物理量を測定するセンサであってもよい。振動センサ101は、例えば所定時間毎に測定した対象土の加速度の時系列データを出力してもよい。振動センサ101は、測定した加速度の時系列データに基づいて、対象土の他の物理量(例えば、速度又は変位)を算出し、算出した物理量の時系列データを出力してもよい。変位は、例えば、対象土の、振動センサ101に設定されている基準位置からの変位(例えば距離)である。本発明の各実施形態では、測定対象である土を、「対象土」又は「推定対象土」と表記する。また、対象土の種類を、「対象土種」又は「推定対象土種」と表記する。上述のように、土種は、土の種類を表す。
水分計102は、対象土の水分量を計測するセンサである。水分計102として、土の中の水分量を計測する、既存のさまざまなセンサが適用可能である。
周波数特徴算出部104は、振動センサ101が検知した振動の時系列データを受信する。周波数特徴算出部104は、受信した、振動の時系列データをもとに、対象土の振動の周波数の特徴を表す周波数特徴を算出する。
周波数特徴は、例えば、共振周波数である。周波数特徴算出部104が振動の時系列データから共振周波数を算出する方法として、既存の様々な方法を適用することができる。周波数特徴は、例えば、振幅の大きさが他の周波数における振幅の大きさに卓越している周波数である、卓越周波数であってもよい。その場合、例えば、周波数特徴算出部104は、振動の時系列データをもとに、周波数と振幅との関係を算出する。周波数特徴算出部104は、算出された周波数と振幅との関係における振幅のピークを抽出する。周波数特徴算出部104は、抽出されたピークのうち、最も振幅が大きいピークが算出された周波数を、卓越周波数としてもよい。周波数特徴算出部104は、他の方法によって、卓越周波数を算出してもよい。周波数特徴は、対象土の振動を表す、他の周波数や他の特徴であってもよい。以下では、周波数特徴算出部104が、周波数特徴として、共振周波数を算出するよう設計されている場合について説明する。周波数特徴算出部104が、周波数特徴として、卓越周波数を算出するよう設計されている場合についての説明は、以下の説明の「共振周波数」を「卓越周波数」と読み替えることによって得られる。
以下の説明では、1回の測定によって得られる振動の時系列データを、「振動データ列」と表記する。周波数特徴算出部104は、例えば、複数の振動データ列の各々について、共振周波数を算出すればよい。周波数特徴算出部104は、振動データ列毎の共振周波数の、平均値及び分散を算出すればよい。周波数特徴算出部104は、さらに、算出した平均値及び分散を使用して、対象土の共振周波数を設定する。周波数特徴算出部104は、算出した平均値を、対象土の共振周波数にしてもよい。
土質情報記憶部106は、土種と密度との組み合わせ毎に、共振周波数と水分量との関係を表す、共振周波数−水分量モデルを記憶する。言い換えると、土質情報記憶部106は、あらかじめ定められた複数の土種について、あらかじめ定められた複数の密度毎に、共振周波数−水分量モデルを記憶する。共振周波数−水分量モデルは、共振周波数と水分量との関係を表す関数によって表されていてもよい。共振周波数−水分量モデルは、共振周波数の値と水分量の値とが関連付けられている、変換テーブルによって表されていてもよい。本発明の各実施形態の説明では、共振周波数−水分量モデルは、関数によって表される。以下の説明において、土質情報記憶部106に格納されている、共振周波数−水分量モデル、及び、後述される水分量−降水時間モデルなどを、「土質情報」と表記する。土質情報記憶部106が記憶する共振周波数−水分量モデル等のデータを、「データベース」と表記することもある。土質情報記憶部106に共振周波数−水分量モデル等の土質情報が格納されており、対象土と比較される土種を、「比較対象土種」と表記する。
土質判定部107は、共振周波数に基づいて、対象土の密度を推定する。
土質判定部107は、さらに、算出された共振周波数と、水分計102によって計測された水分量と、共振周波数−水分量モデルとに基づいて、対象土種が、比較対象土種のどれであるか、又は、どの比較対象土種の組み合わせであるかを判定する。土質判定部107は、さらに、対象土種に含まれる比較対象土種の、比較対象土種ごとの比率(以下、「混合比」とも表記)を算出してもよい。対象土種は、比較対象土種の組み合わせである土種モデルによって表される。土種モデルは、比較対象土種の組み合わせと、その組み合わせに含まれる比較対象土種の比率とによって表されていてもよい。
出力部108は、推定された対象土の密度と、判定された対象土種とを、出力装置109に出力する。出力部108は、出力装置109ではなく、例えば、斜面が崩壊する危険度の変化を検知する土壌崩壊危険度変化検知システム400が含む、土種及び密度に基づいて斜面の危険度を推定するモジュールなどに出力してもよい。
出力装置109は、例えば、ディスプレイ装置などである。
次に、本実施形態の土質判定システム1の動作について、図面を参照して詳細に説明する。
図2は、本実施形態の土質判定システム1の動作全体の例を表すフローチャートである。
まず、振動センサ101が、対象土の振動を検知(センシング)する。そして、周波数特徴算出部104は、振動センサ101による検知によって得られた振動の時系列データ(すなわち振動センサデータ)を取得する(ステップS101)。周波数特徴算出部104は、得られた時系列データを使用して、共振周波数を算出する(ステップS102)。
次に、土質判定部107が、対象土の密度を推定する密度推定処理を行う(ステップS103)。密度推定処理については、後で詳細に説明する。
次に、土質判定部107は、水分計102によって、水分量の変化を計測する(ステップS104)。すなわち、土質判定部107は、複数回、水分計102によって水分量を計測する。言い換えると、土質判定部107は、水分量の変化を、水分計102から取得する。水分量が計測される際、周波数特徴算出部104が、振動センサ101による振動の計測と共振周波数の算出とを行う。
次に、土質判定部107は、水分量と、密度と、共振周波数−水分量モデルとに基づいて、対象土種を判定する土種判定処理を行う(ステップS105)。土種判定処理については、後で詳細に説明する。
次に、出力部108が、土種と密度とを、例えば出力装置109に出力する(ステップS106)。本実施形態では、出力される土種はステップS105において判定された土種である。また、出力される密度は、ステップS103において推定された密度である。
なお、以下で説明する他の実施形態の動作の説明では、土種と密度とを出力する動作の説明は、省略する。
次に、本実施形態の土質判定システム1の、密度推定処理の動作について、図面を参照して詳細に説明する。
図3は、本実施形態の土質判定システム1の、密度推定処理の動作の例を表すフローチャートである。
まず、土質判定部107は、水分計102により初期の水分量を計測する(ステップS201)。
次に、土質判定部107は、まだ比較対象として選択されていない土種を、比較対象として選択する(ステップS202)。土質判定部107は、例えば、代表的な土種を選択してもよい。土質判定部107は、全土種の平均である平均土種を選択してもよい。その場合、土質情報記憶部106は、平均土種の、複数の密度についての、共振周波数−水分量モデルを記憶していればよい。
土質判定部107は、密度パターンから、まだ比較対象として選択されていない密度を、比較対象として選択する(ステップS203)。密度パターンは、土質情報記憶部106によって、選択された土種の共振周波数−水分量モデルが記憶されている、複数の密度を表す。
土質判定部107は、選択された土種の、選択された密度における、共振周波数−水分量モデルを使用して、計測した水分量に対する共振周波数を特定する。そして、特定した、選択した土種の、選択した密度における、特定した共振周波数と、ステップS102において計算した、推定対象土の共振周波数との差である、共振周波数差を算出する(ステップS204)。
次に、土質判定部107は、共振周波数差と、最小共振周波数差とを比較する(ステップS205)。土質判定部107は、最初に選択した密度については、ステップS205の動作を行わずに、後述するステップS206及びステップS207の動作を行ってもよい。土質判定部107は、最小共振周波数差の初期値として、あらかじめ実験的に算出した、十分大きい値を設定してもよい。
算出した共振周波数差が最小共振周波数差以上である場合(ステップS205においてNO)、土質判定システム1の動作は、ステップS208に進む。
算出した共振周波数差が最小共振周波数差より小さい場合(ステップS205においてYES)、土質判定部107は、最小共振周波数差を、算出した共振周波数差になるように更新する(ステップS206)。すなわち、土質判定部107は、最小共振周波数差の値を、算出した共振周波数差の値に変更する。さらに、土質判定部107は、推定密度を、選択されている密度に更新する(ステップS207)。すなわち、土質判定部107は、推定密度を、選択されている密度に変更する。
全密度パターンについての比較が終了していない場合(ステップS208においてNO)、土質判定システム1は、ステップS203からの動作を繰り返す。
全密度パターンについての比較が終了した場合(ステップS208においてYES)、土質判定部107は、最小共振周波数差があまりにも大きい場合、密度が適切に推定されなかったと見なして、比較対象の土種の選択からやり直してもよい。すなわち、土質判定部107は、最小共振周波数差と、あらかじめ設定されている閾値である、必要最小共振周波数差とを比較する。最小共振周波数差が、必要最小共振周波数差より大きい場合(ステップS209においてNO)、土質判定システム1は、ステップS202からの動作を繰り返す。最小共振周波数差が、必要最小共振周波数差以下である場合(ステップS209においてYES)、土質判定システム1は、図3に示す動作を終了する。以上により、土質判定部107は、算出される共振周波数差が最も小さい密度を、推定密度として選択する。
次に、本実施形態の土質判定システム1の、土種判定処理の動作について、図面を参照して詳細に説明する。
図4及び図5は、本実施形態の土質判定システム1の、土種判定処理の動作の例を表すフローチャートである。図4及び図5に示す例では、土質判定システム1によって判定される推定土種は、多くて2つの土種の組み合わせである。
図4を参照すると、土質判定部107は、比較対象土種から、土種を選択する(ステップS301)。ステップS301における比較対象土種は、土質情報記憶部106に共振周波数−水分量モデルが格納されている全ての土種である。
次に、土質判定部107は、対象土種が選択されている土種である場合の、共振周波数の予測誤差を算出する(ステップS302)。土質判定部107は、例えば、ステップS104において計測された水分量の変化と共振周波数の変化との関係を表すデータと、選択されている土種の、推定された密度における、共振周波数−水分量モデルとの差を、予測誤差として算出する。
上述のように、ステップS104において得られるデータは、例えば、計測された水分量、及び、その水分量が計測された際に算出された共振周波数の、複数の組み合わせである。土質判定部107は、例えば、計測された水分量毎の、算出された共振周波数と、共振周波数−水分量モデルの関数によって算出される共振周波数との差の2乗平均を、予測誤差として算出してもよい。土質判定部107は、例えば、計測された水分量毎の、算出された共振周波数と、共振周波数−水分量モデルの関数によって算出される共振周波数との差の2乗平均の平方根を、予測誤差として算出してもよい。
図6は、共振周波数−水分量モデル及び計測の結果の例を模式的に表す図である。図6における3本の直線は、土種A、B、及びCの、水分量に対する共振周波数の関係(すなわち共振周波数−水分量モデル)を表す。また、円形は、計測の結果(すなわち判定対象土データ)を表す。計測の結果は、土種Bの直線に最も近い。従って、土質判定部107は、第1土種として、土種Bを採用する。
次に、土質判定部107は、算出した予測誤差と、第1最小予測誤差との比較を行う(ステップS303)。土質判定部107は、最初に選択された土種については、ステップS303の動作を行わず、ステップS304及びステップS305の動作を行ってもよい。土質判定部107は、第1最小予測誤差の初期値として、十分大きい値を設定してもよい。
予測誤差が第1最小予測誤差以上である場合(ステップS303においてNO)、土質判定システム1が行う次の動作は、ステップS306の動作である。
予測誤差が第1最小予測誤差より小さい場合(ステップS303においてYES)、土質判定部107は、第1最小予測誤差を、ステップS302において算出された予測誤差に更新する(ステップS304)。すなわち、土質判定部107は、第1最小誤差を、ステップS302において算出された予測誤差に変更する。土質判定部107は、さらに、第1土種を、選択された土種に更新する(ステップS305)。すなわち、土質判定部107は、第1土種を、選択された土種に変更する。
全比較対象土種についての比較が終了していない場合(ステップS306においてNO)、土質判定システム1は、ステップS301からの動作を繰り返す。
全比較対象土種についての比較が終了した場合(ステップS306においてYES)、土質判定部107は、第1土種である土種のみからなる第1モデルを、推定土種として採用する(ステップS307)。
さらに、土質判定部107は、比較対象土種から、第1土種を除外する(ステップS308)。ステップS308の次の動作は、図5に示すステップS309の動作である。
図5を参照すると、まず、土質判定部107が、比較対象土種から、まだ選択されていない土種を選択する(ステップS309)。
次に、土質判定部107は、第1モデルと、選択された土種との混合比(以下、0より大きく1より小さい実数である、kと表記)と、混合比がkである場合の予測誤差とを算出する(ステップS310)。土質判定部107は、第1モデルのモデル関数をk倍し、選択された土種のモデル関数を(1−k)倍し、それらを足す。モデル関数は、上述の、共振周波数−水分量モデルを表す関数である。土質判定部107は、足すことによって得られたモデル関数を使用して、判定対象の土の計測された水分量における共振周波数を予測する。そして、土質判定部107は、予測誤差が最小となるk及び予測誤差を算出する。土質判定部107は、ステップS302における予測誤差を算出する方法と同じ方法で、予測誤差を算出する。
次に、土質判定部107は、ステップS310において算出した予測誤差と、第2最小予測誤差とを比較する(ステップS311)。なお、土質判定部107は、ステップS309において最初に選択された土種について、ステップS311の動作を行わず、ステップS312からステップS314までの動作を行ってもよい。土質判定部107は、第2最小予測誤差の初期値を、十分大きい値に設定しておいてもよい。
算出された予測誤差が第2最小予測誤差以上である場合(ステップS311においてNO)、土質判定システム1が次に行う動作は、ステップS315の動作である。
算出された予測誤差が第2最小予測誤差より小さい場合(ステップS311においてYES)、土質判定部107は、第2最小予測誤差を、算出された予測誤差に更新する(ステップS312)。すなわち、土質判定部107は、第2最小予測誤差を、算出された予測誤差に変更する。また、土質判定部107は、第2土種を、選択された土種に更新する(ステップS313)。すなわち、土質判定部107は、第2土種を、選択された土種に変更する。さらに、土質判定部107は、推定混合比を、算出された混合比に更新する(ステップS314)。すなわち、土質判定部107は、推定混合比を、算出された混合比に変更する。推定混合比は、第1モデル(図4及び図5の例では、上述のように、ステップS307において推定土種として採用された土種)と第2土種との混合比の推定値を表す。推定混合比に従った、推定土種と第2土種との混合が、第2モデルである。
比較が完了していない比較対象土種が存在する場合(ステップS315においてNO)、土質判定システム1は、ステップS309からの動作を繰り返す。
全ての比較対象土種についての比較が完了した場合(ステップS315においてYES)、土質判定部107は、推定土種として採用されている第1モデルと、第2モデルとの、どちらが対象土種に近いかを判定する。すなわち、土質判定部107は、第1最小予測誤差と第2最小予測誤差とを比較する(ステップS316)。
第2最小予測誤差が第1最小予測誤差以上である場合(ステップS316においてNO)、土質判定システム1は、図4及び図5に示す土種判定処理の動作を終了する。その場合、対象土種として推定された土種(すなわち推定土種)は、第1モデル(すなわち、第1土種)である。
第2最小予測誤差が第1最小予測誤差より小さい場合(ステップS316においてYES)、推定混合比に従った、第1モデルと第2土種との混合である第2モデルを、推定土種として採用する(ステップS317)。そして、土質判定システム1は、図4及び図5に示す土種判定処理の動作を終了する。
図6に示す例では、例えば、土Aと土Bとが混合された第2モデルが、推定土種として採用される。
土質判定部107は、同様のプロセスによって、3つの土種が混合されているモデル(第3モデル)、又は、3以上の数の土種が混合されているモデルを、推定土種の候補として生成し、生成したモデルの中から推定土種を選択してもよい。
図7は、本実施形態の土質判定システム1の、M以下の数の土種が混合されているモデルから推定土種を選択する場合における、土種判定処理の動作の一例を表すフローチャートである。土質判定システム1は、図7に示す動作を行うことによって、推定土種を推定してもよい。
図7を参照すると、土質判定部107は、まず、第1モデルを推定する。土質判定部107は、モデルの番号であるNを1にする(ステップS321)。そして、土種情報記憶部106に共振周波数−水分量モデルが格納されている全土種を、第1比較対象土種にする(ステップS322)。
そして、土質判定部107は、土種モデル生成処理の動作を行う(ステップS323)。ステップS323における土種モデル生成処理の動作については、後で詳細に説明する。土質判定部107は、土種モデル生成処理によって、第Nモデルを生成し、第Nモデルによる共振周波数の予測誤差である第N最小予測誤差を算出する。第Nモデルは、第N土種と、第N−1モデルが生成された後の比較によって採用された推定土種との、第N混合比による混合である。土種モデル生成処理によって、第Nモデル(第N土種及び第N混合比)と、第N最小予測誤差とが得られる。最初のステップS323の動作によって、第1モデルと、第1最小予測誤差が算出される。上述のように、第1モデルは、第1土種である。そして、第1混合比は、第1モデルにおける第1土種の比率であり、1である。
最初にステップS323の動作が行われた後、土質判定システム1は、ステップS324の動作を行わず、ステップS325及びステップS326の動作を行ってもよい。土質判定部107は、推定土種予測誤差の初期値として、通常第1最小予測誤差より大きいと判定されるような、十分大きい値をあらかじめ設定しておいてもよい。
Nが1である場合、土質判定部107は、第1モデルを推定土種として採用する(ステップS325)。そして、土質判定部107は、第1最小予測誤差を、推定土種予測誤差にする(ステップS326)。推定土種予測誤差は、採用されている推定土種による共振周波数の予測誤差である。
Nが2以上である場合、土質判定部107は、第N最小予測誤差と、推定土種予測誤差とを比較する(ステップS324)。第N最小予測誤差は、生成された第Nモデルによって予測される共振周波数と、ステップS104において算出された共振周波数との差の大きさを表す値である。
第N最小予測誤差が推定土種予測誤差以上である場合(ステップS324においてNO)、土質判定システム1は、次に、ステップS327の動作を行う。
第N最小予測誤差が推定土種予測誤差より小さい場合(ステップS324においてYES)、土質判定部107は、第Nモデルを、推定土種として採用する(ステップS325)。そして、土質判定部107は、推定土種予測誤差を、第N最小予測誤差に更新する(ステップS326)。すなわち、土質判定部107は、推定土種予測誤差を、第N最小予測誤差に変更する。
次に、土質判定部107は、NとMとを比較する(ステップS327)。NがM以上である(図7に示す例ではNとMが等しい)場合(ステップS327においてNO)、土質判定システム1は、図7に示す、土種判定処理を終了する。その場合、M以下の数の土種の混合である各モデルの中で、共振周波数の予測誤差が最も小さいモデルが、推定土種として採用される。
NがMより小さい場合(ステップS327においてYES)、土質判定部107は、第N比較対象土種から第N土種を除外することによって、第N+1比較対象土種を生成する(ステップS328)。Nが1であり、Mが2以上である場合、NはMより小さい。その場合、土質判定部107は、第1比較対象土種から第1土種を除外することによって、第2比較対象土種を生成する。そして、土質判定部107は、Nに1を加算する(ステップS329)。さらに、土質判定システム1は、ステップS323以降の動作を繰り返す。
次に、本実施形態の土質判定システム1の、ステップS323における、土種モデル生成処理の動作について、図面を参照して詳細に説明する。
図8は、本実施形態の土質判定システム1の、土種モデル生成処理の動作の例を表すフローチャートである。
図8を参照すると、土質判定部107は、第N比較対象土種から、まだ選択されていない土種を選択する(ステップS331)。次に、土質判定部107は、最も新しく推定土種として採用されている土種と、選択された土種との混合比と、予測誤差とを算出する(ステップS332)。ステップS332における混合比と予測誤差との算出方法は、図5に示すステップS310における混合比と予測誤差との算出方法と同様である。
ステップS331において選択された土種が、第N比較対象土種から最初に選択された土種である場合、土質判定部107は、次のステップS333の動作を行わず、ステップS334からステップS336までの動作を行ってもよい。土質判定部107は、第N最小予測誤差の最小値として、十分大きい値を設定しておいてもよい。
土質判定部107は、算出された予測誤差と、第N最小予測誤差とを比較する(ステップS333)。算出された予測誤差が第N最小予測誤差以上である場合(ステップS333においてNO)、土質判定部107は、次に、ステップS337の動作を行う。
算出された予測誤差が第N最小予測誤差より小さい場合(ステップS333においてYES)、土質判定部107は、第N最小予測誤差を、算出した予測誤差に更新する(ステップS334)。すなわち、土質判定部107は、第N最小予測誤差を、算出した予測誤差に変更する。そして、土質判定部107は、第N土種を、選択された土種に更新する(ステップS335)。すなわち、土質判定部107は、第N土種を、選択された土種に変更する。さらに、土質判定部107は、第N推定混合比を、算出された混合比に更新する(ステップS336)。すなわち、土質判定部107は、第N推定混合比を、算出された混合比に変更する。
土質判定部107は、全第N比較対象土種についての比較が完了したか判定する(ステップS337)。第N比較対象土種に、まだ比較が完了していない土種が存在する場合、すなわち、第N比較対象土種に、まだ選択されていない土種が存在する場合(ステップS337においてNO)、土質判定システム1は、ステップS331からの動作を繰り返す。第N比較対象土種についての比較が完了した場合、すなわち、第N比較対象土種の全ての土種が選択された場合(ステップS337においてYES)、土質判定システム1は、図8に示す動作を終了する。
以上で説明した本実施形態には、さまざまな、土の種類である土種について、土種及び密度を推定することができるという効果がある。
その理由は、土質判定部107が、振動センサ101によって対象土の振動が測定された結果と、水分計102によって対象土が含む水分が測定された結果とに基づいて、対象土の密度を推定し、対象土の土種を判定するからである。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図9は、本実施形態の土質判定システム1Aの構成の例を表すブロック図である。
図9に示す土質判定システム1Aの構成と、図1に示す第1の実施形態の土質判定システム1の構成とを比較すると、本実施形態の土質判定システム1Aは、土質判定装置10の代わりに土質判定装置10Aを含む。図9に示す土質判定装置10Aの構成と、図1に示す第1の実施形態の土質判定装置10の構成とを比較すると、本実施形態の土質判定装置10Aは、さらに、水分特性算出部105を含む。本実施形態の土質判定システム1Aは、以下で説明する相違を除き、第1の実施形態の土質判定システム1と同じである。本実施形態の土質判定システム1Aの構成要素は、以下で説明する相違を除き、第1の実施形態の土質判定システム1の、同じ番号が付与されている構成要素と同じである。
水分特性算出部105は、水分計102による測定結果から、水分量の変化速度と、水分量の初期値とを算出する。
本実施形態の土質情報記憶部106は、前述の複数の土質の、前述の複数の密度について、さらに、水分量−降水時間モデルを記憶する。水分量−降水時間モデルは、例えば、単位時間当たり、あらかじめ決められている量の水分が加えながら測定された水分量に基づいて導出された、土質及び密度毎に、水分量と降水時間との関係を表す、例えば関数である。言い換えると、水分量−降水時間モデルは、単位時間当たり、あらかじめ決められている量の水分が加えながら測定された水分量の推移を表す。水分量−降水時間モデルは、水分量、及び、その水分量に関連付けられた降水時間の、複数の組み合わせを含む、テーブルによって表されていてもよい。本発明の各実施形態の説明では、水分量−降水時間モデルは、関数によって表される。本発明の他の実施形態における水分量−降水時間モデルは、本実施形態の水分量−降水時間モデルと同じである。
本実施形態の土質判定部107は、水分計102によって測定された水分量と、水分量−降水時間モデルとをもとに、密度を推定する。本実施形態の土質判定部107は、水分計102によって測定された水分量の変化と、水分量−降水時間モデルとをもとに、土種を判定する。その際、土質判定部107は、予測誤差として、水分量−降水時間モデルに基づく水分量の予測誤差を算出する。
図10は、本実施形態の土質判定システム1Aの動作全体の例を表すフローチャートである。
まず、振動センサ101が、対象土の振動を検知(センシング)する。そして、周波数特徴算出部104は、振動センサ101による検知によって得られた振動の時系列データ(すなわち振動センサデータ)を取得する(ステップS401)。周波数特徴算出部104は、得られた時系列データを使用して、共振周波数を算出する(ステップS402)。
次に、土質判定部107が、対象土の密度を推定する密度推定処理を行う(ステップS403)。ステップS401からステップS403までの動作は、図2に示す、ステップS101からステップS103までの動作と同じである。ステップS403における密度推定処理の動作は、図3に示す、第1の実施形態の土質判定システム1の密度推定処理の動作と同じである。従って、これらのステップの動作に関する詳細な説明は省略する。
次に、水分特性算出部105は、水分計102によって、水分量の変化を計測する(ステップS404)。すなわち、水分特性算出部105は、複数回、水分計102によって水分量を計測する。水分特性算出部105は、水分量の変化を、水分計102から取得する。
次に、水分特性算出部105は、水分量の初期値及び変化速度を算出する(ステップS405)。本実施形態及び本発明の他の実施形態では、対象土に対して、例えば単位時間当たり、上述の、あらかじめ決められている量の水分が加えられる。水分特性算出部105は、降水時間に応じた、対象土の水分量の推移を表す関数を推定してもよい。水分特性算出部105は、対象土の、水分量及び降水時間の、複数の組み合わせを算出してもよい。
なお、例えば、降水時に、野外に存在する対象土の水分量の変化が計測される場合、対象土に、降水量を測定する降水計(図示されない)が設置されていればよい。そして、水分特性算出部105は、水分量の計測の際、さらに、降水計から降水量の測定値を受信してもよい。水分特性算出部105は、受信した、降水計による測定値をもとに、単位時間当たり、上述のあらかじめ決められている量の水分が加えられている場合の、対象土の水分量の初期値及び変化量を算出してもよい。
次に、土質判定部107が、土種判定処理を行う(ステップS406)。ステップS406における土種判定処理については、後で詳細に説明する。土質判定部107は、ステップS406の土種判定処理において、推定土種を導出する。すなわち、土質判定部107は、ステップS406の土種判定処理において、対象土を構成する、土種及びその土種の比率を推定する。
次に、本実施形態の土質判定システム1Aの、ステップS406における土種判定処理の動作について、図面を参照して詳細に説明する。
図11及び図12は、本実施形態の土質判定システム1Aの、土種判定処理の動作の例を表すフローチャートである。
図11及び図12に示す土種判定処理のS501からステップS517までの動作は、ステップS502及びステップS510の動作と予測誤差の種類とを除き、それぞれ、図4及び図5に示す、ステップS301からステップS317の動作と同じである。
土質判定部107は、ステップS301の動作と同様に、比較対象土種から、まだ選択されていない土種を選択する(ステップS501)。
次に、土質判定部107は、土質情報記憶部106に格納されている、選択された土種の、推定された密度における、水分量−降水時間モデルを読み出す。そして、土質判定部107は、ステップS405において導出された、水分量の初期値及び変化速度と、選択された土種の、推定された密度における、水分量−降水時間モデルとを使用して、水分量の予測誤差を算出する(ステップS502)。水分量−降水時間モデルが直線で表される場合、土質判定部107は、例えば、ステップS405において導出された、水分量の変化速度と、水分量−降水時間モデルにおける、水分量の変化量との差の大きさを、水分量の予測誤差として導出する。水分量−降水時間モデルが必ずしも直線で表されない場合、土質判定部107は、例えば、水分量−降水時間モデルにおいて、水分量が、ステップS405において導出された水分量の初期値である時刻を特定する。そして、土質判定部107は、水分量−降水時間モデルにおいて、特定した時刻から、所定の長さの時間が経過した後における水分量を特定する。また、土質判定部107は、ステップS405において測定された水分量の変化速度又は水分量の測定値に基づいて、水分量の初期値が観測される時刻から、所定の長さの時間が経過した後における水分量を特定する。そして、土質判定部107は、水分量−降水時間モデルをもとに特定した水分量と、ステップS404において取得した水分計102による測定結果を基に特定した水分量との差の大きさを、水分量の予測誤差として導出する。
図11に示すステップS503から図12に示すステップS509までの動作は、それぞれ、図4に示すステップS303から図5に示すステップS309までの動作と同じである。従って、これらのステップの動作の説明を省略する。
図12に示すステップS510において、土質判定部107は、ステップS502における動作と同様に、水分量−降水時間モデルを、予測誤差の導出に使用する。また、土質判定部107は、ステップS502における予測誤差の導出方法と同様の方法によって、予測誤差を導出される。
また、土質判定部107は、水分量−降水時間モデルをもとに、ステップS310における混合比を算出する手順と同様の手順に従って、混合比を算出する。すなわち、土質判定部107は、第1モデルと、選択された土種との混合比(以下、0より大きく1より小さい実数である、kと表記)と、混合比がkである場合の予測誤差とを算出する土質判定部107は、第1モデルのモデル関数をk倍し、選択された土種のモデル関数を(1−k)倍し、それらを足す。モデル関数は、上述の、水分量−降水時間モデルを表す関数である。土質判定部107は、足すことによって得られたモデル関数を使用して、判定対象の土の計測された水分量の変化速度(又は水分量の初期値からの単位時間当たりの変化量)を予測する。そして、土質判定部107は、予測誤差が最小となるk及び予測誤差を算出する。
ステップS511からステップS517までの動作は、予測誤差が、水分量−降水時間モデルに基づく予測誤差であることを除いて、それぞれ、図5に示す、ステップS311からステップS317までの動作と同じである。従って、これらのステップの動作の説明を省略する。なお、水分量−降水時間モデルに基づく予測誤差は、ステップS502及びステップS510において算出される、例えば、上述の、水分量の変化量の予測誤差を表す。
第1の実施形態と同様に、土質判定部107は、第2モデルを生成するプロセスと同様のプロセスによって、さらに別のモデル(第3モデル等)を生成してもよい。その場合、土質判定部107は、さらに、そのモデルを生成する前に推定土種として選択されているモデルと、生成されたモデルとから、推定土種を選択する。土質判定部107は、別のモデルの生成と、推定土種の選択とを、所定回数繰り返してもよい。
以上で説明した本実施形態には、第1の実施形態と同じ効果がある。その理由は、第1の実施形態の効果が生じる理由と同じである。
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図9は、本実施形態の土質判定システム1Aの構成の例を表すブロック図である。本実施形態の土質判定システム1Aの構成は、第2の実施形態の土質判定システム1Aの構成と同じである。本実施形態の土質判定システム1Aの各構成要素は、以下の相違を除き、第2の実施形態の土質判定システム1Aの、同じ符号が付与されている構成要素と同じである。
本実施形態の土質情報記憶部106は、複数の土種について、あらかじめ定められた複数の密度毎に、共振周波数−水分量モデルを記憶する。
本実施形態の土質判定部107は、水分計102によって測定された水分量と、共振周波数−水分量モデルとをもとに、土種を判定する。本実施形態の土質判定部107は、水分計102によって測定された水分量の変化と、共振周波数−水分量モデルとをもとに、密度を推定する。その際、土質判定部107は、予測誤差として、共振周波数−水分量モデルに基づく共振周波数の予測誤差を算出する。
次に、本実施形態の土質判定システム1Aの動作について、図面を参照して詳細に説明する。
図14、図15、及び図16は、本実施形態の土質判定システム1Aの動作の例を表すフローチャートである。
まず、振動センサ101が、対象土の振動を検知(センシング)する。そして、周波数特徴算出部104が、振動センサ101による検知によって得られた振動の時系列データ(すなわち振動センサデータ)を取得する(ステップS601)。
周波数特徴算出部104は、ステップS601において得られた時系列データを使用して、共振周波数を算出する(ステップS603)。ステップS603における周波数特徴算出部104の動作は、図2に示すステップS102における、第1の実施形態の周波数特徴算出部104の動作と同じである。
次に、土質判定部107が、対象土種に最も近い土種である第1土種を判定する土種判定処理を行う(ステップS604)。土質判定部107は、ステップS604における土種判定処理において、第1土種(すなわち、第1土種からなる第1モデル)を判定する。ステップS604における土種判定処理については、後で詳細に説明する。
次に、水分特性算出部105は、水分計102によって、水分量の変化を計測する(ステップS605)。すなわち、水分特性算出部105は、複数回、水分計102によって水分量を計測する。水分特性算出部105は、水分量の変化を、水分計102から取得する。ステップS605における水分特性算出部105の動作は、第1の実施形態の土質判定部107の、図2に示すステップS104の動作と同じである。
次に、水分特性算出部105は、水分量の初期値及び変化速度を算出する(ステップS606)。本実施形態では、対象土に対して、例えば単位時間当たり、上述の、あらかじめ決められている量の水分が加えられる。水分特性算出部105は、降水時間に応じた、対象土の水分量の推移を表す関数を推定する。ステップS606における水分特性算出部105の動作は、図10に示すステップS405における、第2の実施形態の水分特性算出部105の動作と同じである。
次に、土質判定部107は、密度推定処理を行う(ステップS607)。土質判定部107は、ステップS607の密度推定処理において、対象土種が第1土種(すなわち第1モデル)である場合における対象土の密度を推定する。土質判定部107は、第1モデルの密度を推定する過程において、第1モデルの最小予測誤差(以下、第1最小予測誤差と表記)を算出する。密度推定処理については、後で詳細に説明する。
次に、土質判定部107は、ステップS604において判定された土種(すなわち第1土種)からなる第1モデルを、推定土種にする(ステップS608)。すなわち、土質判定部107は、第1モデルを、推定土種として採用する。さらに、土質判定部107は、ステップS607において推定された密度を、推定土種の密度にする(ステップS609)。
そして、土質判定部107は、第1土種を、選択対象土種から除外する(ステップS610)。本実施形態の土質判定システム1Aの、ステップS610の次の動作は、図15に示す、ステップS611の動作である。
次に、土質判定部107は、選択対象土種から、まだ選択されていない土種を選択する(ステップS611)。
次に、土質判定部107は、推定土種として採用されている第1モデルと、選択された土種との混合比(すなわち比率)を設定する。土質判定部107は、例えば、あらかじめ定められている複数の混合比を含む選択対処混合比から、まだ選択されていない混合比を選択してもよい(ステップS612)。
次に、土質判定部107は、選択した混合比による、推定土種として採用されているモデルと選択された土種との混合である土種について、密度を推定する密度推定処理を行う(ステップS613)。ステップS613において、土質判定部107は、密度を推定する。密度を推定する際、土質判定部107は、推定された密度における予測誤差(本実施形態では、共振周波数の予測誤差)を算出する。ステップS613の密度推定処理の終了時における、推定密度が、推定された密度であり、最小予測誤差が、推定された密度における予測誤差である。
土質判定部107は、ステップS611において最初に選択された土種と、ステップS612において最初に設定された比率との組み合わせについて、ステップS614の動作を行わず、ステップS615からステップS618までの動作を行ってもよい。土質判定部107は、第2最小予測誤差の初期値として、十分大きい値をあらかじめ設定しておいてもよい。その場合、土質判定部107は、ステップS614の動作の結果、ステップS611において最初に選択された土種と、ステップS612において最初に設定された比率との組み合わせについて、ステップS615からステップS618までの動作を行う。
ステップS614において、土質判定部107は、ステップS613において算出された予測誤差(すなわち、ステップS613において推定された密度における予測誤差)と、第2最小予測誤差とを比較する。その予測誤差が第2最小予測誤差以上である場合(ステップS614においてNO)、土質判定システム1Aは、次に、ステップS619の動作を行う。
ステップS613において算出された予測誤差が第2最小予測誤差より小さい場合(ステップS614においてYES)、土質判定部107は、第2最小予測誤差を、ステップS613において算出された予測誤差に更新する(ステップS615)。すなわち、土質判定部107は、第2最小予測誤差を、ステップS613において算出された予測誤差に変更する。次に、土質判定部107は、第2土種を、選択されている土種に更新する(ステップS616)。すなわち、土質判定部107は、第2土種を、選択されている土種に変更する。次に、土質判定部107は、第2土種の密度を、推定された密度に更新する(ステップS617)。すなわち、土質判定部107は、第2土種の密度を、推定された密度に変更する。さらに、土質判定部107は、推定比率を、設定されている比率に更新する(ステップS618)。すなわち、土質判定部107は、推定比率を、設定されている比率に変更する。
ステップS619において、土質判定部107は、全選択対象比率についての、密度推定処理及びステップS614における判定が終了したか否かを判定する(ステップS619)。すなわち、土質判定部107は、全選択対象比率が、ステップS612において設定されたか否かを判定する。判定が行われていない選択対象比率が存在する場合(ステップS619においてNO)、土質判定システム1Aは、ステップS612以降の動作を繰り返す。
全選択対象比率についての判定が終了した場合(ステップS619においてYES)、土質判定部107は、全選択対象土種についての、密度推定処理及びステップS614における判定が終了したか否かを判定する(ステップS620)。すなわち、土質判定部107は、全選択対象土種がステップS611において選択されたか否かを判定する。まだ判定が行われていない選択対象土種が存在する場合(ステップS620においてNO)、土質判定システム1Aは、ステップS611以降の動作を繰り返す。全選択対象土種についての、密度推定処理及びステップS614における判定が終了した場合(ステップS620においてYES)、土質判定システム1Aは、次に、図16に示す、ステップS621の動作を行う。
図16を参照すると、ステップS621において、土質判定部107は、第1モデルの最小予測誤差と、第2最小予測誤差とを比較する。第2最小予測誤差が第1モデルの最小予測誤差以上である場合(ステップS621においてNO)、土質判定システム1Aは、図16に示す動作を終了する。その場合、推定土種は、第1モデルである。そして、推定密度は、第1モデルの密度として推定された密度である。
第2最小予測誤差が第1モデルの最小予測誤差より小さい場合(ステップS621においてYES)、土質判定部107は、推定土種として、第2モデルを採用する(ステップS622)。すなわち、土質判定部107は、推定土種を、第2モデルに変更する。第2モデルは、推定比率による、第1モデルと第2土種との混合である。さらに、土質判定部107は、推定密度として、第2モデルの密度を採用する(ステップS623)。すなわち、土質判定部107は、推定密度を、第2モデルの密度に変更する。
第1の実施形態と同様に、土質判定部107は、第2モデルを生成するプロセスと同様のプロセスによって、さらに別のモデル(第3モデル等)を生成してもよい。その場合、土質判定部107は、さらに、そのモデルを生成する前に推定土種として選択されているモデルと、生成されたモデルとから、推定土種を選択する。土質判定部107は、別のモデルの生成と、推定土種の選択とを、所定回数繰り返してもよい。
次に、本実施形態の土質判定システム1Aの、土種判定処理の動作について、図面を参照して詳細に説明する。
図17は、本実施形態の土質判定システム1Aの、土種判定処理の動作の例を表すフローチャートである。
図17を参照すると、まず、水分計102が水分量を計測する(ステップS701)。例えば水分特性算出部105は、水分計102によって計測された水分量を受信し、受信した水分量を、土質判定部107に送信する。
次に、土質判定部107は、選択対象土種から、土種を選択する(ステップS702)。ステップS702における選択対象土種は、共振周波数−水分量モデルが土質情報記憶部106に格納されている土種である。
次に、土質判定部107は、密度パターンから、まだ選択されていない密度を選択する(ステップS703)。ステップS703における密度パターンは、選択された土種について、土質情報記憶部106が、共振周波数−水分量モデルを記憶している密度の集合である。
次に、土質判定部107は、共振周波数−水分量モデルに基づいて共振周波数を予測する。すなわち、土質判定部107は、選択された土種の選択された密度における、共振周波数−水分量モデルを使用して、水分量がステップS701において測定された水分量である場合の、共振周波数を導出する。そして、土質判定部107は、共振周波数の予測誤差(すなわち共振周波数差)として、ステップS603において算出した、対象土の共振周波数と、共振周波数−水分量モデルに基づいて予測した共振周波数との差を算出する(ステップS704)。
土質判定部107は、ステップS702において最初に選択された土種と、ステップS703において最初に選択された土種との組み合わせについて、次のステップS705の動作を行わず、ステップS706及びステップS707の動作を行ってもよい。土質判定部107は、最小共振周波数差として、十分大きい値をあらかじめ設定しておいてもよい。その場合、土質判定部107は、ステップS705の動作の結果、ステップS706及びステップS707の動作を行う。
ステップS705において、土質判定部107は、ステップS704において算出した共振周波数差と、最小共振周波数差とを比較する。算出した共振周波数差が最小共振周波数差以上である場合(ステップS705においてNO)、土質判定システム1Aは、次に、ステップS708の動作を行う。
算出された共振周波数差が最小共振周波数差より小さい場合(ステップS705においてYES)、土質判定部107は、最小共振周波数差を、算出した共振周波数差に更新する(ステップS706)。すなわち、土質判定部107は、最小共振周波数差を、算出した共振周波数差に変更する。さらに、土質判定部107は、推定土種を、選択した土種に更新する(ステップS707)。すなわち、土質判定部107は、推定土種を、選択した土種に変更する。
ステップS708において、土質判定部107は、全密度パターンについての、ステップS705における比較が完了したか否かを判定する。すなわち、土質判定部107は、密度パターンの全ての密度が、選択されたか否かを判定する。比較が行われていない密度パターンが存在する場合、すなわち、選択されていない密度パターンが存在する場合(ステップS708においてNO)、土質判定システム1Aは、ステップS703以降の動作を繰り返す。
全密度パターンについての比較が完了した場合(ステップS708においてYES)、ステップS709において、土質判定部107は、全選択対象土種についての、ステップS705における比較が完了したか否かを判定する。すなわち、土質判定部107は、全ての選択対象土種が選択されたか否かを判定する。比較が完了していない選択対象土種が存在する場合、すなわち、選択されていない選択対象土種が存在する場合(ステップS709においてNO)、土質判定システム1Aは、ステップS702以降の動作を繰り返す。全選択対象土種についての比較が完了した場合、すなわち、全ての選択対象土種が選択された場合(ステップS709においてYES)、土質判定システム1Aは、図17に示す土種判定処理の動作を終了する。図17に示す土種判定処理の動作が終了した際、算出された共振周波数が最も小さい土質が、推定土質として採用されている。
次に、本実施形態の土質判定システム1Aの密度推定処理の動作について、図面を参照して詳細に説明する。
図18は、本実施形態の土質判定システム1Aの、密度推定処理の動作の一例を表すフローチャートである。
図18を参照すると、まず、土質判定部107は、密度パターンから、まだ選択されていない密度を、比較対象として選択する(ステップS801)。ステップS801における密度パターンは、密度推定処理の対象である土質についての、共振周波数−水分量モデルが土質情報記憶部106に格納されている密度の集合である。例えば、図18に示す密度推定処理が、図14に示すステップS607において行われる密度推定処理である場合、密度推定処理の対象である土質は、ステップS604において判定された土種(すなわち第1土種)である。例えば、図18に示す密度推定処理が、図15に示すステップS613において行われる密度推定処理である場合、密度推定処理の対象である土質は、第1土種と、ステップS611において選択された土種との混合である。その場合の、第1土種と、ステップS611において選択された土種とが混合される混合比は、ステップS612において設定された混合比である。さらに、この場合、土質判定部107は、混合されている全ての土質の密度は同一であると見なす。
次に、土質判定部107は、共振周波数−水分量モデルによって、共振周波数の予測誤差を算出する(ステップS803)。ステップS803における共振周波数の予測誤差の算出方法は、図4に示すステップS302における、共振周波数の予測誤差を算出する方法と同様である。土質判定部107は、例えば、ステップS605において取得された水分量において、その水分量が取得された際に算出された共振周波数と、共振周波数−水分量モデルによって、その水分量に対して定まる共振周波数との差の大きさを算出する。
土質判定部107は、ステップS801において最初に選択された密度に対して、ステップS804の動作を行わず、ステップS805及びステップS806の動作を行ってもよい。土質判定部107は、最小予測誤差の初期値として、十分大きい値をあらかじめ設定しておいてもよい。その場合、土質判定部107は、ステップS801において最初に選択された密度に対して、ステップS804の結果として、ステップS805及びステップS806の動作を行う。
ステップS804において、土質判定部107は、算出された予測誤差と、最小予測誤差とを比較する(ステップS804)。算出された予測誤差が最小予測誤差以上である場合(ステップS804においてNO)、土質判定部107は、次に、ステップS807の動作を行う。
算出された予測誤差が最小予測誤差より小さい場合(ステップS804においてYES)、土質判定部107は、最小予測誤差を、算出した予測誤差に更新する(ステップS805)。すなわち、土質判定部107は、最小予測誤差を、算出した予測誤差に変更する。さらに、土質判定部107は、推定密度を、選択されている密度に更新する(ステップS806)。すなわち、土質判定部107は、推定密度を、選択されている密度に変更する。
ステップS807において、土質判定部107は、全密度パターンについて、比較が終了したか否かを判定する。すなわち、土質判定部107は、密度パターンに含まれる全ての密度が、ステップS801において選択されたか否かを判定する。密度パターンに含まれる密度に、比較が終了していない密度(すなわち、ステップS801において選択されていない密度)が存在する場合(ステップS807においてNO)、土質判定システム1Aは、ステップS801からの動作をやり直す。全密度パターンについての比較が終了した場合、すなわち、密度パターンに含まれる全ての密度がステップS801において選択された場合(ステップS807においてYES)、土質判定システム1Aは、図18に示す動作を終了する。図18に示す動作が終了する際、密度パターンの中で、共振周波数の予測誤差が最も小さい密度が、推定密度として選択される。
以上で説明した本実施形態には、第1の実施形態と同じ効果がある。その理由は、第1の実施形態の効果が生じる理由と同じである。
<第4の実施形態>
次に、本発明の第4の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図9は、本実施形態の土質判定システム1Aの構成の例を表すブロック図である。本実施形態の土質判定システム1Aの構成は、第3の実施形態の土質判定システム1Aの構成と同じである。本実施形態の土質判定システム1Aは、以下で説明する相違を除き、第3の実施形態の土質判定システム1Aと同じである。
本実施形態の土質情報記憶部106は、複数の土種について、さらに、水分量−降水時間モデルを記憶する。
本実施形態の土質判定部107は、水分計102によって測定された水分量と、共振周波数−水分量モデルとをもとに、土種を判定する。本実施形態の土質判定部107は、水分特性算出部105によって算出された水分量の初期値及び変化速度と、水分量−降水時間モデルとをもとに、密度を推定する。その際、土質判定部107は、予測誤差として、共振周波数−水分量モデルに基づく水分量の予測誤差を算出する。
次に、本実施形態の土質判定システム1Aの動作について、図面を参照して詳細に説明する。
図14、図15、及び、図16は、本実施形態の土質判定システム1Aの動作全体の例を表すフローチャートである。
本実施形態の土質判定システム1Aの水分特性算出部105は、ステップS605において、第2の実施形態の水分特性算出部105による、図10に示すステップS404における動作と同様の動作を行う。
本実施形態の土質判定部107による、図14に示すステップS607及び図15に示すステップS613における密度推定処理は、第3の実施形態の土質判定部107による密度推定処理と異なる。本実施形態の土質判定部107は、図14に示すステップS607及び図15に示すステップS613における密度推定処理において、予測誤差として、共振周波数−水分量モデルに基づく水分量の予測誤差を算出する。本実施形態の土質判定部107による密度推定処理については、後で詳細に説明する。
以上で説明したステップの動作を除き、図14、図15、及び、図16に示す、本実施形態の土質判定システム1Aの各ステップの動作は、第3の実施形態の土質判定システム1Aの、同じ符号が付与されているステップの動作と同じである。なお、本実施形態の土質判定システム1Aの、ステップS604における土種判定処理の動作も、図17に示す、第3の実施形態の土質判定システム1Aの土種判定処理の動作と同じである。従って、本実施形態の土質判定システム1Aの動作のうち、第3の実施形態の土質判定システム1Aの動作と同じ動作については、説明を省略する。
次に、本実施形態の土質判定システム1Aの、密度推定処理の動作について、図面を参照して詳細に説明する。
図19は、本実施形態の土質判定システム1Aの、密度推定処理の動作の例を表すフローチャートである。
土質判定部107は、密度パターンから、比較対象として、まだ選択されていない密度を選択する(ステップS901)。ステップS901の動作は、図18に示す、ステップS801の動作と同じである。
次に、土質判定部107は、密度を推定する対象の土質の、選択された密度の水分量−降水時間モデルにおける、水分量の初期値を、算出された初期値に設定する(ステップS902)。
次に、土質判定部107は、水分量−降水時間モデルによって、水分量の予測誤差を算出する(ステップS903)。ステップS903における水分量の予測誤差の算出方法は、図4に示すステップS302における水分量の予測誤差の算出方法と同様である。
ステップS904からステップS907までの動作は、それぞれ、図18に示す、ステップS804からステップS807までの動作と同じである。従って、これらのステップの動作についての説明を省略する。
図19に示す密度推定処理の終了時において、密度パターンの中で、水分量の予測誤差が最も小さい密度が、推定密度として選択される。
以上で説明した本実施形態には、第1の実施形態と同じ効果がある。その理由は、第1の実施形態の効果が生じる理由と同じである。
<第5の実施形態>
次に、本発明の第5の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図13は、本実施形態の土質判定システム1Bの構成を表すブロック図である。
図13に示す土質判定システム1Bの構成と、図9に示す第3の実施形態の土質判定システム1Aの構成とを比較すると、本実施形態の土質判定システム1Bは、土質判定装置10Aの代わりに土質判定装置10Bを含む。図13に示す土質判定装置10Bの構成と、図9に示す第3の実施形態の土質判定装置10Aの構成とを比較すると、本実施形態の土質判定装置10Bは、さらに、変動幅算出部103を含む。本実施形態の土質判定システム1Bは、以下で説明する相違を除き、第3の実施形態の土質判定システム1Aと同じである。本実施形態の土質判定システム1Bの構成要素は、以下で説明する相違を除き、第3の実施形態の土質判定システム1Aの、同じ番号が付与されている構成要素と同じである。
変動幅算出部103は、振動センサ101によって測定された、対象土の振動を表す振動センサデータを、振動センサ101から受信する。変動幅算出部103は、振動センサ101によって測定された、対象土の振動を表す振動センサデータの、パワースペクトル密度を算出する。変動幅算出部103は、振動センサ101によって測定された、対象土の振動を表す振動センサデータの、変動幅(振幅)を算出してもよい。
本実施形態の土質情報記憶部106は、複数の土種の各々について、共振周波数と、その共振周波数におけるパワースペクトル密度との組み合わせである、パワースペクトルモデルを記憶する。土種のパワースペクトルモデルは、例えば、密度と水分量とのさまざまな組み合わせにおいて測定された振動データから導出された共振周波数の中で、パワースペクトル密度が最も大きい、共振周波数とパワースペクトル密度の組み合わせである。振動データを測定する、密度の範囲及び水分量の範囲は、あらかじめ決められていればよい。
本実施形態の土質判定部107は、共振周波数におけるパワースペクトル密度の比に基づいて、土種が対象土種に含まれるか否かを判定する。
また、本実施形態の土質判定部107は、水分量の変化速度の差に基づいて、密度を推定する。
次に、本実施形態の土質判定システム1Bの動作について、図面を参照して詳細に説明する。
図20は、本実施形態の土質判定システム1Bの動作全体の例を表すフローチャートである。
まず、振動センサ101が、対象土の振動を検知(センシング)する。そして、変動幅算出部103が、振動センサ101による検知によって得られた振動の時系列データ(すなわち振動センサデータ)を取得する(ステップS1001)。
変動幅算出部103は、振動センサ101によって測定された、対象土の振動を表す振動センサデータの、パワースペクトル密度を算出する(ステップS1002)。
周波数特徴算出部104は、ステップS1001において得られた時系列データを使用して、共振周波数を算出する(ステップS1003)。ステップS1003における周波数特徴算出部104の動作は、図2に示すステップS102における、第1の実施形態の周波数特徴算出部104の動作と同じである。
次に、土質判定部107は、土種判定処理を行う(ステップS1004)。ステップS1004の土種判定処理において、土質判定部107は、比較対象土種の中から、共振周波数におけるパワースペクトル密度の値に基づく判定基準に合致する土種を、モデル土種として採用する。モデル土種は、対象土に含まれると判定された土種である。土種判定処理については、後で詳細に説明する。
水分特性算出部105は、水分計102によって、水分量の変化を計測する(ステップS1005)。すなわち、水分特性算出部105は、複数回、水分計102によって水分量を計測する。水分特性算出部105は、水分量の変化を、水分計102から取得する。
次に、水分特性算出部105は、取得した水分量の変化から、水分量の初期値及び変化速度を算出する(ステップS1006)。以下の説明において、ステップS1006において算出された水分量の変化速度を、「対象変化速度」と表記する。対象変化速度は、対象土の水分量の変化速度である。
次に、土質判定部107は、モデル土種の中から、まだ選択されていないモデル土種を選択する(ステップS1007)。
土質判定部107は、選択されたモデル土種について、密度推定処理を行う(ステップS1008)。土質判定部107は、ステップS1008の密度推定処理において、ステップS1007において選択されたモデル土種の密度を推定する。ステップS1008の密度推定処理については、後で詳細に説明する。
土質判定部107は、全モデル土種が、ステップS1007において選択されたか否かを判定する。まだ選択されていないモデル土種が存在する場合(ステップS1009においてNO)、土質判定システム1Bは、ステップS1007からの動作を繰り返す。
全ての選択対象土種についての判定が終了した場合、すなわち、全てのモデル土種が選択された場合(ステップS1009においてYES)、土質判定部107は、モデル土種として選択された土種の各々の、混合比(比率とも表記)を算出する(ステップS1010)。土質判定部107は、ステップS1010において、例えば、モデル土種として選択された土種を選択対象土種として使用した、第1の実施形態の土種判定処理と同様の動作によって、モデル土種の各々の混合比を算出してもよい。土質判定部107は、ステップS1010において、例えば、モデル土種として選択された土種を選択対象土種として使用した、第2の実施形態の土種判定処理と同様の動作によって、モデル土種の各々の混合比を算出してもよい。土質判定部107は、他の方法によって、モデル土種の各々の混合比を算出してもよい。
次に、本実施形態の土質判定システム1Bの土種判定処理の動作について、図面を参照して詳細に説明する。
図21は、本実施形態の土質判定システム1Bの、ステップS1004における、土種判定処理の動作の例を表すフローチャートである。
図21を参照すると、まず、土質判定部107は、比較対象土種から、まだ選択されていない土種を選択する(ステップS1101)。ステップS1101における比較対象土種は、土質情報が土質情報記憶部106に格納されている土種である。
次に、土質判定部107は、選択された土種の共振周波数における、選択された土種のパワースペクトル密度と、対象土のパワースペクトル密度の比(以下、ピーク比と表記)を算出する(ステップS1102)。具体的には、土質判定部107は、例えば、選択された土種の及び対象土の、選択された土種の共振周波数におけるパワースペクトル密度のうち、大きい方の値を小さい方の値で割ることによって、ピーク比を算出する。その場合、選択された土種の及び対象土の、選択された土種の共振周波数におけるパワースペクトル密度の差が小さいほど、ピーク比の値が1に近くなる。選択された土種の及び対象土の、選択された土種の共振周波数におけるパワースペクトル密度の差が大きいほど、ピーク比の値は大きくなる。後述される本発明の他の実施形態におけるピーク比も、本実施形態のピーク比と同じである。選択された土種の、共振周波数及びその共振周波数におけるパワースペクトル密度は、土質情報記憶部106に、その選択された土種のパワースペクトルモデルとして格納されている。対象土のパワースペクトル密度は、ステップS1002において、変動幅算出部103によって算出される。土質判定部107は、変動幅算出部103によって算出された対象土のパワースペクトル密度において、選択された土種の上述の共振周波数におけるパワースペクトル密度を特定すればよい。
次に、土質判定部107は、算出したピーク比と、あらかじめ定められている、ピーク比に関する閾値とを比較する(ステップS1103)。ピーク比が閾値より小さくない場合(ステップS1103においてNO)、土質判定システム1Bは、次に、ステップS1105の動作を行う。
ピーク比が閾値より小さい場合(ステップS1103においてYES)、土質判定部107は、選択されている土種を、モデル土種として採用する(ステップS1104)。
次に、土質判定部107は、全比較対象土種についての、ステップS1103の判定が終了したか否かを判定する。すなわち、土質判定部107は、全ての比較対象土種が選択されたか否かを判定する。比較対象土種に比較が終了していない土種が存在する場合、すなわち、まだ選択されていない比較対象土種が存在する場合(ステップS1105においてNO)、土質判定システム1Bは、ステップS1101からの動作を繰り返す。
全比較対象土種についての比較が終了した場合、すなわち、全ての比較対象土種が選択された場合(ステップS1105においてYES)、土質判定システム1Bは、モデル土種として採用された土種が存在するか否かを判定する(ステップS1106)。
モデル土種として採用された土種が存在する場合(ステップS1106においてYES)、土質判定システム1Bは、図21に示す土種判定処理の動作を終了する。
モデル土種として採用された土種が存在しない場合(ステップS1106においてNO)、土質判定部107は、土種情報記憶部105に、対象土のモデル土種の情報が格納されていないとみなしてもよい。すなわち、土質判定部107は、対象土が、土質情報が格納されている土質情報記憶部106に土種を含まないとみなしてもよい。その場合、土質判定部107は、例えば、土質情報を生成する装置(図13においては図示されない)から、新たな比較対象土種の土質情報を取得してもよい(ステップS1107)。土質判定部107は、取得した土質情報を、土質情報記憶部106に格納してもよい。そして、土質判定システム1Bは、ステップS1101からの動作を繰り返してもよい。
次に、本実施形態の土質判定システム1Bの、密度推定処理の動作について、図面を参照して詳細に説明する。
図22は、本実施形態の土質判定システム1Bの、密度推定処理の動作の例を表すフローチャートである。
図22に示す密度推定処理の動作の開始時において、1つのモデル土種が選択されている。
土質判定部107は、選択されたモデル土種の、水分量−降水時間モデルが土質情報記憶部106に格納されている複数の密度(すなわち密度パターン)から、まだ選択されていない密度を選択する(ステップS1201)。
土質判定部107は、選択されたモデル土種の、選択された密度の水分量−降水時間モデルにおける、水分量の初期値を、ステップS1006において算出された水分量の初期値に設定する(ステップS1202)。
土質判定部107は、選択されたモデル土種の、選択された密度の水分量−降水時間モデルを使用して、設定した水分量の初期値における、水分量の変化速度を算出する(ステップS1203)。対象土の水分量の変化速度は、ステップS1006において算出されている。
次に、土質判定部107は、選択されたモデル土種の変化速度と、対象土の変化速度との差(以下、「変化速度差」と表記)の大きさ(すなわち絶対値)を算出する(ステップS1204)。
ステップS1201において選択された密度が、選択されたモデル土種の密度パターンの中で最初に選択された密度である場合、土質判定部107は、ステップS1205の動作を行わず、ステップS1206及びステップS1207の動作を行ってもよい。土質判定部107は、最小変化速度の初期値として、十分大きい値をあらかじめ設定しておいてもよい。その場合、ステップS1205の動作の結果として、土質判定部107は、ステップS1206及びステップS1207の動作を行う。
ステップS1205において、土質判定部107は、算出した変化速度差と、最小変化速度差とを比較する。算出した変化速度差が最小変化速度差以上である場合(ステップS1205においてNO)、土質判定システム1Bは、次に、ステップS1208の動作を行う。
算出した変化速度差が最小変化速度差より小さい場合(ステップS1205においてYES)、土質判定部107は、最小変化速度差を、算出された変化速度差に更新する(ステップS1206)。すなわち、土質判定部107は、最小変化速度差を、算出された変化速度差に変更する。さらに、土質判定部107は、推定密度を、選択されている密度に更新する(ステップS1207)。すなわち、土質判定部107は、推定密度を、選択されている密度に変更する。
そして、ステップS1208において、土質判定部107は、全密度パターンについての、ステップS1205における比較が終了したか否かを判定する。すなわち、全ての密度パターンが、ステップS1201において選択されたか否かを判定する。密度パターンに、比較が終了していない密度が存在する場合、すなわち、密度パターンに、まだ選択されていない密度が存在する場合(ステップS1208においてNO)、土質判定システム1Bは、ステップS1201からの動作を繰り返す。全密度パターンについての比較が終了した場合、すなわち、密度パターンの全ての密度が選択された場合(ステップS1208においてYES)、土質判定システム1Bは、図22に示す動作を終了する。図22に示す動作の終了時において、選択されているモデル土種の推定密度として、上述の変化速度差が最も小さい密度が選択されている。
以上で説明した本実施形態には、第1の実施形態と同じ効果がある。その理由は、第1の実施形態の効果が生じる理由と同じである。
<第6の実施形態>
次に、本発明の第6の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図23は、本実施形態の、土壌崩壊危険度変化検知システム400の構成の例を表すブロック図である。土壌崩壊危険度変化検知システム400は、第1から第5までのいずれかの実施形態に係る土質判定システムを含む。上述の各実施形態に係る土質判定システムは、後述される、データベース412、土種−密度判定モジュール415及び実斜面計測装置421に相当する。以下の説明において、土壌崩壊危険度変化検知システム400を、「検知システム400」と略記する。
図23を参照すると、検知システム400は、三軸圧縮試験装置418と、プランター419と、検知装置420と、ディスプレイ417と、実斜面計測装置421とを含む。検知装置420は、三軸圧縮試験装置418、プランター419、ディスプレイ417、及び、実斜面計測装置421と、通信可能に接続されている。検知装置420は、さらに、試験条件1及び試験条件2を検知装置420に入力する、例えば端末装置(図示されない)と、通信可能に接続されている。
三軸圧縮試験装置418は、応力センサ401と、応力センサ402とを含む。
プランター419は、水分計403と、振動センサ404と、間隙水圧計405とを含む。
検知装置420は、粘着力−内部摩擦角算出モジュール406と、粘着力−内部摩擦角モデル化モジュール407と、含水比対応化モジュール408とを含む。検知装置420は、さらに、共振周波数算出モジュール409と、減衰率算出モジュール410と、重量−間隙水圧モデル化モジュール411とを含む。検知装置420は、さらに、データベース412と、土種−密度判定モジュール415と、斜面安全率算出判定モジュール416とを含む。検知装置420は、1つの装置によって実現されていてもよい。検知装置420は、検知装置420が含むモジュール及びデータベース412の少なくともいずれかを含む、複数の装置によって実現されていてもよい。
実斜面計測装置421は、振動センサ413と、水分計414とを含む。振動センサ413及び水分計414は、ともに、斜面の一地点において、例えば深さ10cm(centimeters)の位置に埋設される。
検出システム400が含む各装置は、概略、以下のように動作する。
三軸圧縮試験装置418は、粘着力、及び内部摩擦角を算出するための試験を実施する。
プランター419は、土塊重量、及び体積含水率をモデル化するためのデータを取得する。
検知装置420は、三軸圧縮試験装置418及びプランター419を使った試験を通して得られたデータから、修正フェレニウス法による斜面安定解析式に用いられる粘着力、内部摩擦角、土塊重量、及び間隙水圧をモデル化する。検知装置420は、さらに、データベース412に、土種及び密度毎に、モデルデータを格納する。検知装置420は、さらに、実斜面のデータから実斜面の土種及び密度を判定し、判定の結果に基づいて、データベース412から適切なモデルを選択する。検知装置420は、さらに、選択したモデルに基づいて、実斜面データを元に斜面の安全率を算出する。検知装置420は、さらに、算出された安全率に基づいて状態変化を推定し、推定された状態変化に応じて、ディスプレイ417に表示する表示内容を変更する。
ディスプレイ417は、推定された状態変化に応じた表示内容を表示する。
以下では、検知システム400が含む各装置の各要素について、さらに詳しく説明する。
応力センサ401及び応力センサ402は、三軸圧縮試験装置418にセットされ圧縮される土塊の、剪断時の応力を計測する。
水分計403は、プランター419にセットされ、加水及び加振が行われる、土種、密度、及び含水比が設定されている土塊の、水分量を測定する。
振動センサ404は、プランター419にセットされる上述の土塊の、振動を計測する。振動センサ404は、具体的には、振動センサ404が設置されている場所にある土塊の例えば加速度を、例えば所定時間毎に測定すればよい。振動センサ404が測定する物理量は、加速度に限られない。振動センサ404は、例えば、測定した加速度の時系列データを出力すればよい。振動センサ404が出力するデータは、加速度の時系列データに限られない。振動センサ404は、測定した物理量(例えば加速度)に基づいて他の物理量(例えば速度又は振動センサ404においてあらかじめ定められている基準位置からの変位)の時系列データを算出してもよい。振動センサ404は、測定した物理量に基づいて算出した物理量の時系列データを出力してもよい。
間隙水圧計405は、プランター419にセットされる上述の土塊の、間隙水圧を計測する。
プランター419は、さらに、図示されない重量計によって、上述の土塊の重量を測定する。
粘着力−内部摩擦角算出モジュール406は、土種、締固め度、及び含水比の各々を振る形で設定された試験条件1に基づいて実施された、三軸圧縮試験によるデータを元に、粘着力及び内部摩擦角を算出する。
減衰率算出モジュール410は、同様に土種、締固め度、及び含水比を振る形で設定された試験条件2に基づいてプランター419を使って実施された、加水加振試験によるデータを元に、減衰率を算出する。
含水比対応化モジュール408は、含水比、水分量、及び減衰率を、関連付ける。
粘着力−内部摩擦角モデル化モジュール407は、含水比をキーとして使用して、水分量及び減衰率によって、粘着力及び内部摩擦角をモデル化する。
共振周波数算出モジュール409は、プランター419を使って実施された加水加振試験によるデータを元に、共振周波数を算出する。
重量−間隙水圧モデル化モジュール411は、減衰率によって、重量及び間隙水圧をモデル化する。
データベース412には、粘着力、内部摩擦角、重量、及び間隙水圧のモデル関数と、水分量の変化と、共振周波数とが、土種及び密度毎に格納される。
土種−密度判定モジュール415は、実斜面において計測された振動データ及び水分量の値に基づいて、実斜面の安全監視に用いるモデルをデータベース412から選択する。
斜面安全率算出判定モジュール416は、判定された土種及び密度に条件が一致するモデルを用いて斜面の安全率を算出し、算出された安全率によって安全度を判定する。
振動センサ413は、斜面の振動を計測する。振動センサ413は、振動センサ404が測定する物理量と同じ物理量を測定すればよい。そして、振動センサ413は、振動センサ404が出力する時系列データと同じ物理量の時系列データを出力すればよい。振動センサ413が測定する物理量は、振動センサ413が測定する物理量と異なっていてもよい。その場合、振動センサ413は、測定した物理量に基づいて、振動センサ413が出力する時系列データと同じ物理量の時系列データを出力するように構成されていればよい。
水分計414は、斜面の水分量を計測する。
次に、本実施形態の検知システム400の動作について、図面を参照して詳細に説明する。
図24は、本実施形態の検知システム400の、三軸圧縮試験及び加水加振試験の結果に基づいてモデル化を行う動作(すなわちモデル学習)の一例を表すフローチャートである。
まず、試験条件として設定されている、土種及び密度の全ての組み合わせのうち、まだ選択されていない、土種及び密度の組み合わせを選択する(ステップS1401)。
試験条件として指定されている含水比から、まだ選択されていない含水比を選択する(ステップS1402)。
選択された、土種、密度、及び含水比が指定されている試験条件に従って、三軸圧縮試験装置418によって三軸圧縮試験が実施される(ステップS1403)。三軸圧縮試験については、後で詳細に説明する。検知装置420は、実施された三軸圧縮試験によって得られた粘着力及び内部摩擦角を、含水比の関数としてモデル化する(ステップS1404)。
試験条件の全ての含水比が選択されていない場合(ステップS1405においてNO)、ステップS1402からステップS1404までの動作が繰り返される。試験条件の全ての含水比が選択された場合(ステップS1405においてYES)、検知システム400は、次に、ステップS1406の動作を行う。
土種及び密度が指定されている試験条件に従って、プランター419を用いて加水加振試験が実施される(ステップS1406)。加水加振試験については、後で詳細に説明する。検知装置420は、実施された加水加振試験によって得られた土塊重量及び間隙水圧を、土塊重量及び間隙水圧が得られるのと同時に取得された振動データの特徴量である減衰率によってモデル化する(ステップS1407)。検知装置420は、さらに、含水比をキーとして、粘着力及び内部摩擦角を、各含水比における減衰率と関連付けることによって、粘着力及び内部摩擦角を減衰率によってモデル化する(ステップS1408)。
検知装置420は、得られたモデルのデータであるモデルデータをデータベース412に格納する(ステップS1409)。
試験条件として設定されている、土種及び密度の組み合わせの少なくともいずれかについて、モデルが生成されていない場合(ステップS1410においてNO)、ステップS1401以降の動作が繰り返される。試験条件として設定されている、土種及び密度の組み合わせについて、モデルが生成された場合(ステップS1410においてYES)、図24に示す動作は終了する。
次に、本実施形態の検知システム400の、三軸圧縮試験の動作について、図面を参照して詳細に説明する。
図25は、実施形態の検知システム400の、三軸圧縮試験の動作の例を表すフローチャートである。図25のフローチャートには、三軸圧縮試験において、三軸圧縮試験装置418の操作を行う作業者の動作も含まれる。
まず、作業者は、試験条件に従って含水比が調整されている土塊である、含水比調整土塊を作成する(ステップS1501)。
作業者は、作成した土塊を三軸圧縮試験装置418にセットする(ステップS1502)。
例えば作業者による指示に従って、三軸圧縮試験装置418は、セットされた土塊を圧縮する(ステップS1503)。三軸圧縮試験装置418は、セットされた土塊の、剪断時の応力を計測する(ステップS1504)。試験回数が、粘着力及び内部摩擦角の算出に必要な試験回数である必要回数より少ない場合(ステップS1505においてNO)、ステップS1502からステップS1504までの動作が繰り返される。試験回数は、ステップS1502からステップS1504までの動作によって表される試験が行われた回数である。試験回数が必要回数以上である場合(ステップS1505においてYES)、検知装置420は、試験を繰り返すことによって得られたデータを使用して、粘着力及び内部摩擦角を算出する(ステップS1506)。
試験サンプル数が、モデル化に必要なサンプル数より小さい場合(ステップS1507においてNO)、ステップS1501以降の動作が繰り返される。試験サンプル数は、例えば、得られた粘着力及び内部摩擦係数の組み合わせである。試験サンプル数が、モデル化に必要なサンプル数以上である場合(ステップS1507においてYES)、図25に示す三軸圧縮試験の処理は終了する。
次に、本実施形態の検知システム400の、加水加振試験の処理の動作について、図面を参照して詳細に説明する。
図26は、本実施形態の検知システム400の、加水加振試験の処理の動作の例を表すフローチャートである。
図26に示す加水加振試験の処理が開始される際、例えば、検知システム400を操作する作業者によって、プランター419に土塊がセットされている。
試験回数が1である場合(ステップS1601においてNO)、検知システム400は、ステップS1603から動作を開始する。試験回数は、ステップS1603からステップS1608までの動作である試験が行われた回数である。試験回数が2以上である場合(ステップS1601においてYES)、例えば、上述の作業者が、所定量の水を土塊に加える操作である加水を行う(ステップS1602)。プランター419に、所定量の水を土塊に加える加水装置が取り付けられ、その加水装置が加水を行ってもよい。土塊に加えられる水の量は、試験条件によって指定される含水比に従って定められる。
次に、プランター419の水分計403は、土塊に含まれる水分の量である土中水分量を計測する(ステップS1603)。計測された土中水分量は、検知装置420に送信される。
次に、間隙水圧計405が、土塊の間隙水圧を計測する(ステップS1604)。計測された間隙水圧は、検知装置420に送信される。
次に、例えば、作業者が、プランター419に取り付けられている、土塊に振動を与える振動発生装置(図示されない)によって、土塊に振動を加える、加振を行う(ステップS1605)。
検知装置420は、振動センサ404が土塊の振動を計測することによって得られる振動データを、振動センサ404から取得する(ステップS1606)。
次に、検知装置420は、得られたデータを使用して、共振周波数を算出する(ステップS1607)。検知装置420は、得られたデータを使用して、さらに、減衰率を算出する(ステップS1608)。
試験回数が指定されている回数である指定回数より少ない場合(ステップS1609においてNO)、検知システム400は、ステップS1601からステップS1608までの動作(すなわち試験)を繰り返す。試験回数が指定回数以上である場合(ステップS1609においてYES)、検知システム400は、図26に示す動作を終了する。
以上で説明した、図24、図25、及び図26の動作によって、土種及び密度毎に、粘着力、内部摩擦角、土塊重量、及び間隙水圧の減衰率によるモデルと、加水時の水分変化データ及び共振周波数とがデータベース412に格納される。
次に、本実施形態の検知システム400の、監視時の動作について、図面を参照して詳細に説明する。
図27は、本実施形態の検知システム400の、監視時の動作の例を表すフローチャートである。
実斜面計測装置421は、監視対象である斜面(以下、監視対象斜面と表記)に設置されている、振動センサ413及び水分計414によって、監視対象斜面の振動及び水分量のデータを計測する(ステップS1305)。検知装置420は、監視対象斜面の土の性質を表すモデルである、監視用モデルを決定する(ステップS1306)。検知装置420は、決定した監視用モデルを用いて、監視対象斜面の安全率を算出し、ディスプレイ417に、算出した安全率を表す表示を行う(ステップS1307)。例えば、作業者は、ディスプレイ417に表示される表示を監視することによって、監視対象斜面の監視を行う。作業者は、ディスプレイ417に表示される表示を、監視対象斜面の監視に利用する。
次に、ステップS1306における、監視用モデルを決定する動作について、さらに詳しく説明する。ステップS1306の動作は、主に、土種−密度判定モジュール415によって行われる。
土種−密度判定モジュール415は、実斜面計測装置421の振動センサ413から、振動センサデータを取得する。土種−密度判定モジュール415は、取得した振動センサデータを使用して、共振周波数を算出する。その際、土種−密度判定モジュール415は、振動センサデータを複数回取得する。そして、土種−密度判定モジュール415は、1回に取得した振動センサデータに対して、1つの共振周波数を算出する。土種−密度判定モジュール415は、共振周波数の平均値と分散とを算出する。土種−密度判定モジュール415は、算出した共振周波数の平均値と分散とを使用して、1つの共振周波数を設定する。土種−密度判定モジュール415は、算出した共振周波数と、データベース412に格納されている、さまざまな密度についての共振周波数とを比較することによって、監視対象斜面の土(すなわち、本実施形態における対象土)の密度を推定する。
具体的には、土種−密度判定モジュール415は、まず、対象土と比較される土種を、データベース412にモデルが格納されている土種から選択する。土種−密度判定モジュール415は、さらに、データベース412にモデルが格納されている密度パターンから、密度を選択する。土種−密度判定モジュール415は、選択された密度における、選択された土種の共振周波数と、対象土の共振周波数との差(すなわち共振周波数差)を算出する。
土種−密度判定モジュール415は、算出した共振周波数差と、記憶している最小共振周波数差とを比較する。算出した共振周波数差が最小共振周波数より小さい場合、土種−密度判定モジュール415は、最小共振周波数差として、算出した共振周波数差を記憶する。そして、土種−密度判定モジュール415は、推定密度として、選択されている密度を記憶する。
土種−密度判定モジュール415は、選択された土種に対して最初に選択された密度については、算出した共振周波数差と記憶している最小共振周波数差との比較を行わない。そして、土種−密度判定モジュール415は、最小共振周波数差として、算出した共振周波数差を記憶する。そして、土種−密度判定モジュール415は、推定密度として、選択されている密度を記憶する。
土種−密度判定モジュール415は、密度パターンに含まれる全ての密度について、密度を選択する動作以降の動作を繰り返す。密度パターンに含まれる全ての密度についての動作の繰り返しの後、最小共振周波数差が例えば所定の閾値より大きい場合、適切な推定密度が推定されなかったと判定し、データベース412に格納されているモデルデータの取得(例えば土種の選択)からやり直す。
以上の、密度の推定の後、土種−密度判定モジュール415は、対象土と比較される土種を、第1土種の候補として、データベース412に、共振周波数−水分量モデルなどのモデル(以下、土質モデルと表記)が格納されている土種から選択する。
データベース412には、土種及び密度毎に、共振周波数−水分量モデルが格納されている。土種−密度判定モジュール415は、共振周波数−水分量モデルをもとに、計測された、対象土の水分量における共振周波数を予測する。また、土種−密度判定モジュール415は、水分計414によって取得した計測データと、振動センサ413による計測値を使用して算出された共振周波数とから、予測誤差を算出する。
選択されている土種が、第1土種の候補として最初に選択された土種である場合、土種−密度判定モジュール415は、算出した予測誤差を、第1最小予測誤差として記憶する。さらに、土種−密度判定モジュール415は、選択されている土種を、第1土種として記憶する。選択されている土種が、第1土種の候補として最初に選択された土種ではない場合、土種−密度判定モジュール415は、算出した予測誤差と第1最小予測誤差とを比較する。予測誤差が第1最小予測誤差より小さい場合、土種−密度判定モジュール415は、算出した予測誤差を、第1最小予測誤差として記憶する。さらに、土種−密度判定モジュール415は、選択されている土種を、第1土種として記憶する。
土種−密度判定モジュール415は、第1土種の候補として、データベース412に土質モデルが格納されている全ての土種が選択されるまで、第1土種の候補としての土種の選択以降の動作を繰り返す。データベース412に土質モデルが格納されている全ての土種が第1土種の候補として選択され、以上の比較が完了した後、土種−密度判定モジュール415は、第1土種として記憶している土種を、第1モデルである第1土種として採用する。土種−密度判定モジュール415は、さらに、第1モデルを、対象土の土種として推定される推定土種にする。
次に、土種−密度判定モジュール415は、第2モデルにおいて、第1モデルに追加される第2土種の候補として、データベース412に土質モデルが格納されている土種を選択する。第2モデルは、推定土種としての第1モデルと、第1モデルに含まれない土種である第2土種との混合である。土種−密度判定モジュール415は、第2土種の候補として、第1モデルの第1土種を選択しない。
土種−密度判定モジュール415は、第1土種のモデル関数をk(kは0より大きく1より小さい実数)倍する。モデル関数は、土質モデルを表す関数である。土種−密度判定モジュール415は、第2モデルの候補として選択された土種のモデル関数を(1−k)倍する。土種−密度判定モジュール415は、それらの関数が足された関数に基づいて、計測された水分量における、判定対象土の共振周波数を予測する。土種−密度判定モジュール415は、共振周波数の予測誤差が最小化されるように、k及び予測誤差を算出する。
選択されている土種が、第2土種の候補として最初に選択された土種である場合、土種−密度判定モジュール415は、算出した予測誤差を、第2最小予測誤差として記憶する。さらに、土種−密度判定モジュール415は、比率として、kを記憶する。
選択されている土種が、第2の土種の候補として最初に選択された土種ではない場合、土種−密度判定モジュール415は、算出した予測誤差と、第2最小予測誤差とを比較する。そして、算出した予測誤差が第2最小予測誤差より小さい場合、土種−密度判定モジュール415は、算出した予測誤差を、第2最小予測誤差として記憶する。土種−密度判定モジュール415は、第2土種として、選択されている土種を記憶する。さらに、土種−密度判定モジュール415は、比率として、kを記憶する。
土種−密度判定モジュール415は、推定土種に含まれる土種(この例では第1モデルに含まれる第1土種)を除く、データベース412に土質モデルが格納されている全ての土種について、第2土種の候補としての選択から上述の比較までの動作を繰り返す。その後、土種−密度判定モジュール415は、第2土種として記憶している土種を、第2土種として採用する。そして、土種−密度判定モジュール415は、比率kによる、推定土種(この例では第1モデル)と第2土種の混合を、第2モデルとして採用する。
さらに、土種−密度判定モジュール415は、以下のように、生成した第2モデルと推定土種との比較の結果に応じた推定土種の更新を行う。すなわち、土種−密度判定モジュール415は、推定土種の最小予測誤差(この例では第1最小予測誤差)と、第2モデルの最小予測誤差である第2最小予測誤差とを比較する。土種−密度判定モジュール415は、新しく生成した、複数の土種の混合である土種モデル(この例では第2モデル)の最小予測誤差が、推定土種(この例では第1モデル)の最小予測誤差より小さい場合、新しく生成したモデルを新しい推定土種にする。例えば、第2最小予測誤差が第1最小予測誤差より大きい場合、土種−密度判定モジュール415は、第2モデルを、新しい推定土種にする。
土種−密度判定モジュール415は、同様のプロセスによって、第3モデル以降の土種モデルを生成し、生成したモデルと推定土種との比較の結果に応じた推定土種の更新を行ってもよい。
斜面安全率算出判定モジュール416は、導出された比率に従って、土種の土質モデルの係数を設定し、設定された係数に従って、推定土種の土質モデルを生成する。斜面安全率算出判定モジュール416は、生成した土質モデルを、監視に用いる。斜面安全率算出判定モジュール416は、振動センサ413による計測の結果である時系列データを減衰率に変換する。そして、斜面安全率算出判定モジュール416は、減衰率によってモデル化された粘着力、内部摩擦角、土塊重量、間隙水圧、及び、それらを用いて算出された安全率を、状態として、ディスプレイ417に逐次表示する。
<第7の実施形態>
次に、本発明の第7の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図23は、本実施形態の検知システム400の構成の例を表すブロック図である。本実施形態の検知システム400の構成は、第6の実施形態の検知システム400の構成と同じである。従って、詳細な説明を省略する。以下では、主に、本実施形態の検知システム400と、第6の実施形態の検知システム400との相違点について、説明する。
次に、本実施形態の検知システム400の動作について、図面を参照して詳細に説明する。
図24は、本実施形態の検知システム400の、モデル化を行う動作の一例を表すフローチャートである。本実施形態の検知システム400の、モデル化を行う動作は、第6の実施形態の検知システム400の、モデル化を行う動作と同じである。
図25は、本実施形態の検知システム400の、三軸圧縮試験の動作の例を表すフローチャートである。本実施形態の検知システム400の、三軸圧縮試験の動作は、第6の実施形態の検知システム400の、三軸圧縮試験の動作と同じである。
図26は、本実施形態の検知システム400の、加水加振試験の処理の動作の例を表すフローチャートである。本実施形態の検知システム400の、加水加振試験の処理の動作は、第6の実施形態の検知システム400の、加水加振試験の処理の動作と同じである。
図27は、本実施形態の検知システム400の、監視時の動作の例を表すフローチャートである。本実施形態の検知システム400の、監視時の動作は、ステップS1306における、監視用モデルを決定する方法を除いて、第6の実施形態の検知システム400の、監視時の動作と同じである。以下では、本実施形態における監視用モデルを決定する方法について詳細に説明する。
土種−密度判定モジュール415は、振動センサ413から取得した時系列データをもとに、共振周波数を算出する。共振周波数の算出方法は、第6の実施形態の共振周波数の算出方法と同じである。土種−密度判定モジュール415は、算出された共振周波数と、データベース412に格納されているさまざまな土種の共振周波数のデータとを比較することによって、対象土の土種を判定する。
具体的には、土種−密度判定モジュール415は、対象土と比較される土種を、データベース412に土質モデルが格納されている土種から選択する。土種−密度判定モジュール415は、選択された土種の共振周波数における、対象土のパワースペクトル密度の値の比(以下、ピーク比と表記)を算出する。本実施形態におけるピーク比の算出方法は、第5の実施形態におけるピーク比の算出方法と同じである。土種−密度判定モジュール415は、算出したピーク比と、あらかじめ設定されている閾値とを比較する。ピーク比が閾値より小さい場合、選択されている土種を、対象土に含まれる土種であるモデル土種として採用する。閾値は、固定であってもよい。土種−密度判定モジュール415が、振動が測定された時系列データをもとに算出した振動幅に応じて、閾値を設定してもよい。
土種−密度判定モジュール415は、データベース412に土質モデルが格納されている全ての土種が選択されるまで、以上の動作を繰り返す。その後、モデル土種として採用された土種が存在しない場合、検知システム400は、データベース412に格納される土質モデルを新たに生成してもよい。
次に、土種−密度判定モジュール415は、水分計414より検知(すなわちセンシング)されたデータをもとに、水分量の初期値及び変動速度を算出する。土種−密度判定モジュール415は、算出された水分量の初期値及び変動速度をもとに、例えば以下のように、モデル土種の各々の密度を推定する。
土種−密度判定モジュール415は、採用されたモデル土種から、対象土と比較される比較対象として、選択されていない土種を選択する。土種−密度判定モジュール415は、さらに、選択された土種の土質モデルがデータベース412に格納されている密度(密度パターン)から、選択されていない密度を選択する。土種−密度判定モジュール415は、選択された土種の選択された密度における水分量が、対象土の水分量と同じである状態における、選択された土種の水分量の変化速度を算出する。土種−密度判定モジュール415は、算出した、選択された土種の水分量の変化速度と、水分計414によって測定された結果をもとに算出された、対象土の水分量の変化速度との差の絶対値(以下、変化速度差と表記)を算出する。
選択されている密度が、選択された土種について、最初に選択された密度である場合、土種−密度判定モジュール415は、算出した変化速度差を、最小変化速度差として記憶する。土種−密度判定モジュール415は、さらに、選択されている密度を、推定密度として記憶する。
選択されている密度が、選択された土種について、最初に選択された密度はない場合、土種−密度判定モジュール415は、算出した変化速度差と、最小変化速度差とを比較する。算出した変化速度差が最小変化速度差より小さい場合、土種−密度判定モジュール415は、算出した変化速度差を、最小変化速度差として記憶する。土種−密度判定モジュール415は、さらに、選択されている密度を、推定密度として記憶する。
密度パターンに含まれる全ての密度について、変化速度差の比較及び最小変化速度などの更新が終了した後、土種−密度判定モジュール415は、推定密度として記憶している密度を、選択されている土種の推定密度にする。
土種−密度判定モジュール415は、以上のように、採用されたモデル土種の全てについて、推定密度を推定する。さらに、土種−密度判定モジュール415は、モデル土種の各々が対象土に含まれている比率(すなわち含有比率)を算出する。
斜面安全率算出判定モジュール416は、導出された比率に従って、土種の土質モデルの係数を設定し、設定された係数に従って、推定土種の土質モデルを生成する。斜面安全率算出判定モジュール416は、生成した土質モデルを、監視に用いる。斜面安全率算出判定モジュール416は、計測された振動センサの時系列データを減衰率に変換する。そして、斜面安全率算出判定モジュール416は、減衰率によってモデル化された粘着力、内部摩擦角、土塊重量、間隙水圧、及び、それらを用いて算出された安全率を、状態として、ディスプレイ417に逐次表示する。
<第8の実施形態>
次に、本発明の第8の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。本実施形態は、本発明の最小構成を表す。
図28は、本実施形態の土質判定装置10Cの構成の例を表すブロック図である。
図28を参照すると、本実施形態の土質判定装置10Cは、周波数特徴算出部104と、土質判定部107と、を備える。周波数特徴算出部104は、振動を計測する振動センサによって測定対象の土である対象土の振動が測定された振動データをもとに、前記対象土の振動の特徴を表す周波数である周波数特徴を算出する。土質判定部107は、土が含む水分の量を測定する水分計によって測定された前記対象土が含む水分の量である水分量と、算出された前記周波数特徴とをもとに、例えば土質情報記憶部(図28に図示されない)が記憶する、土質モデルを使用して、前記対象土の土種と密度とを推定する。土質モデルは、複数の土の種類である土種の、複数の密度についての、水分量と周波数特徴との関係を表す。言い換えると、土質判定部107は、前述の水分量と、算出された周波数特徴と、前述の土質モデルとに基づいて、対象土の土種と密度とを推定する。
次に、本実施形態の土質判定装置10Cの動作について、図面を参照して詳細に説明する。
図34は、本実施形態の土質判定装置10Cの動作を表すフローチャートである。図34を参照すると、まず、周波数特徴算出部104が、振動を計測する振動センサによって測定対象の土である対象土の振動が測定された振動データをもとに、前記対象土の振動の特徴を表す周波数である周波数特徴を算出する(ステップS1701)。次に、土質判定部107が、前述の水分量と、算出された周波数特徴と、前述の土質モデルとに基づいて、対象土の土種と密度とを推定する(ステップS1702)。
以上で説明した本実施形態には、第1の実施形態と同じ効果がある。その理由は、第1の実施形態の効果が生じる理由と同じである。
<他の実施形態>
上述の各実施形態に係る土質判定装置は、それぞれ、コンピュータ及びコンピュータを制御するプログラム、専用のハードウェア、又は、コンピュータ及びコンピュータを制御するプログラムと専用のハードウェアの組合せにより実現することができる。
言い換えると、上述の各実施形態に係る土質判定装置は、回路構成(circuitry)などのハードウェアによって実現することができる。回路構成は、例えば、コンピュータに含まれるプロセッサとメモリであってもよい。その場合、プログラムが、メモリにロードされていればよい。そのプログラムは、プロセッサが実行することが可能であり、コンピュータを上述の各実施形態の土質判定装置として動作させればよい。回路構成は、例えば、通信可能に接続された複数のコンピュータであってもよい。回路構成は、例えば、回路(circuit)であってもよい。回路構成は、例えば、通信可能に接続された複数の回路であってもよい。回路構成は、通信可能に接続された、1台以上のコンピュータと、1個以上の回路との組み合わせであってもよい。
図29は、土質判定装置10、土質判定装置10A、土質判定装置10B、及び土質判定装置10Cを実現することができる、コンピュータ1000のハードウェア構成の一例を表す図である。図29を参照すると、コンピュータ1000は、プロセッサ1001と、メモリ1002と、記憶装置1003と、I/O(Input/Output)インタフェース1004とを含む。また、コンピュータ1000は、記録媒体1005にアクセスすることができる。メモリ1002と記憶装置1003は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクなどの記憶装置である。記録媒体1005は、例えば、RAM、ハードディスクなどの記憶装置、ROM(Read Only Memory)、可搬記録媒体である。記憶装置1003が記録媒体1005であってもよい。プロセッサ1001は、メモリ1002と、記憶装置1003に対して、データやプログラムの読み出しと書き込みを行うことができる。プロセッサ1001は、I/Oインタフェース1004を介して、例えば、振動センサ101、水分計102、及び出力装置109にアクセスすることができる。プロセッサ1001は、記録媒体1005にアクセスすることができる。記録媒体1005には、コンピュータ1000を、土質判定装置10、土質判定装置10A、土質判定装置10B、又は土質判定装置10Cとして動作させるプログラムが格納されている。
プロセッサ1001は、記録媒体1005に格納されている、コンピュータ1000を、土質判定装置10、土質判定装置10A、土質判定装置10B、又は土質判定装置10Cとして動作させるプログラムを、メモリ1002にロードする。そして、プロセッサ1001が、メモリ1002にロードされたプログラムを実行することにより、コンピュータ1000は、土質判定装置10、土質判定装置10A、土質判定装置10B、又は土質判定装置10Cとして動作する。
第1のグループに含まれる部は、例えば、プログラムを記憶する記録媒体1005からメモリ1002に読み込まれた、各部の機能を実現することができる専用のプログラムと、そのプログラムを実行するプロセッサ1001により実現することができる。第1のグループは、変動幅算出部103、周波数特徴算出部104、水分特性算出部105、土質判定部107、及び出力部108である。
また、土質情報記憶部106は、コンピュータ1000が含むメモリ1002やハードディスク装置等の記憶装置1003により実現することができる。あるいは、第1のグループに含まれる部及び土質情報記憶部106の一部又は全部を、各部の機能を実現する専用の回路によって実現することもできる。
図30は、本発明の第1の実施形態の、回路によって実装された土質判定システム1の構成の一例を表すブロック図である。
図31は、本発明の第2、第3、及び第4の実施形態の、回路によって実装された土質判定システム1Aの構成の例を表すブロック図である。
図32は、本発明の第5の実施形態の、回路によって実装された土質判定システム1Bの構成の例を表すブロック図である。
図33は、本発明の第8の実施形態の、回路によって実装された土質判定システムCの構成の例を表すブロック図である。
図30〜図33において、変動幅算出回路1103は、変動幅算出部103として動作する。周波数特徴算出回路1104は、周波数特徴算出部104として動作する。水分特性算出回路1105は、水分特性算出部105として動作する。土質情報記憶装置1106は、土質情報記憶部106として動作する。土質情報記憶装置1106は、ハードディスク等の記録媒体によって実装されていてもよい。土質情報記憶装置1106は、回路によって実装されていてもよい。土質判定回路1107は、土質判定部107として動作する。出力回路1108は、出力部108として動作する。
また、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
振動を計測する振動センサによって測定対象の土である対象土の振動が測定された振動データをもとに、前記対象土の振動の周波数の特徴を表す周波数特徴を算出する周波数特徴算出手段と、
土が含む水分の量を測定する水分計によって測定された前記対象土が含む水分の量である水分量と、算出された前記周波数特徴とをもとに、土質記憶手段が記憶する、複数の土の種類である土種の、複数の密度についての、水分量と周波数特徴との関係を表す土質モデルを使用して、前記対象土の土種と密度とを推定する土質判定手段と、
を備える土質判定装置。
(付記2)
前記土質判定手段は、前記水分量及び前記周波数特徴の少なくともいずれかに基づいて、前記土質記憶手段が前記土質モデルを記憶する土種である候補土種と、前記対象土との近さを表す誤差を算出し、算出した前記誤差を使用して、前記対象土に含まれる1つ以上の前記候補土種を、前記対象土の土種として導出する
付記1に記載の土質判定装置。
(付記3)
前記土質判定手段は、1つ以上の前記候補土種に加えて、前記誤差を使用して、前記候補土種が前記対象土に含まれる割合である混合比を、前記対象土の土種として算出する
付記2に記載の土質判定装置。
(付記4)
前記土質判定手段は、算出された前記周波数特徴に基づいて、前記対象土の密度を推定し、測定された前記水分量と算出された前記周波数特徴とに基づいて、前記対象土の土種を推定する
付記1乃至3のいずれか1項に記載の土質判定装置。
(付記5)
前記土質記憶手段は、単位時間当たり所定量の水を加えながら計測された前記水分量の推移をさらに含む前記土質モデルを記憶し、
前記土質判定手段は、算出された前記周波数特徴に基づいて、前記対象土の密度を推定し、複数回測定された前記水分量と、降水量を測定する降水計から受信した、前記水分量が測定された際の前記降水量とに基づいて、前記対象土の土種を推定する
付記1乃至3のいずれか1項に記載の土質判定装置。
(付記6)
前記土質判定手段は、算出された前記周波数特徴に基づいて、前記対象土の土種を推定し、測定された前記水分量と算出された前記周波数特徴とに基づいて、前記対象土の密度を推定する
付記1乃至3のいずれか1項に記載の土質判定装置。
(付記7)
前記土質記憶手段は、単位時間当たり所定量の水を加えながら計測された前記水分量の推移をさらに含む前記土質モデルを記憶し、
前記土質判定手段は、算出された前記周波数特徴に基づいて、前記対象土の土種を推定し、複数回測定された前記水分量と、降水量を測定する降水計から受信した、前記水分量が測定された際の前記降水量とに基づいて、前記対象土の密度を推定する
付記1乃至3のいずれか1項に記載の土質判定装置。
(付記8)
付記1乃至7のいずれか1項に記載の前記土質判定装置と、
前記振動センサと、前記水分計と、を含み、
前記土質判定装置は、前記土質記憶手段をさらに含む、
土質判定システム。
(付記9)
振動を計測する振動センサによって測定対象の土である対象土の振動が測定された振動データをもとに、前記対象土の振動の周波数の特徴を表す周波数特徴を算出し、
土が含む水分の量を測定する水分計によって測定された前記対象土が含む水分の量である水分量と、算出された前記周波数特徴とをもとに、複数の土の種類である土種の、複数の密度についての、水分量と周波数特徴との関係を表す土質モデルを使用して、前記対象土の土種と密度とを推定する、
土質判定方法。
(付記10)
前記水分量及び前記周波数特徴の少なくともいずれかに基づいて、前記土質モデルが記憶されている土種である候補土種と、前記対象土との近さを表す誤差を算出し、算出した前記誤差を使用して、前記対象土に含まれる1つ以上の前記候補土種を、前記対象土の土種として導出する
付記9に記載の土質判定方法。
(付記11)
1つ以上の前記候補土種に加えて、前記誤差を使用して、前記候補土種が前記対象土に含まれる割合である混合比を、前記対象土の土種として算出する
付記10に記載の土質判定方法。
(付記12)
算出された前記周波数特徴に基づいて、前記対象土の密度を推定し、測定された前記水分量と算出された前記周波数特徴とに基づいて、前記対象土の土種を推定する
付記9乃至12のいずれか1項に記載の土質判定方法。
(付記13)
単位時間当たり所定量の水を加えながら計測された前記水分量の推移をさらに含む前記土質モデルを前記土質記憶手段に記憶し、
算出された前記周波数特徴に基づいて、前記対象土の密度を推定し、複数回測定された前記水分量と、降水量を測定する降水計から受信した、前記水分量が測定された際の前記降水量とに基づいて、前記対象土の土種を推定する
付記9乃至12のいずれか1項に記載の土質判定方法。
(付記14)
算出された前記周波数特徴に基づいて、前記対象土の土種を推定し、測定された前記水分量と算出された前記周波数特徴とに基づいて、前記対象土の密度を推定する
付記9乃至12のいずれか1項に記載の土質判定方法。
(付記15)
単位時間当たり所定量の水を加えながら計測された前記水分量の推移をさらに含む前記土質モデルを前記土質記憶手段に記憶し、
算出された前記周波数特徴に基づいて、前記対象土の土種を推定し、複数回測定された前記水分量と、降水量を測定する降水計から受信した、前記水分量が測定された際の前記降水量とに基づいて、前記対象土の密度を推定する
付記9乃至12のいずれか1項に記載の土質判定方法。
(付記16)
コンピュータに、
振動を計測する振動センサによって測定対象の土である対象土の振動が測定された振動データをもとに、前記対象土の振動の周波数の特徴を表す周波数特徴を算出する周波数特徴算出処理と、
土が含む水分の量を測定する水分計によって測定された前記対象土が含む水分の量である水分量と、算出された前記周波数特徴とをもとに、複数の土の種類である土種の、複数の密度についての、水分量と周波数特徴との関係を表す土質モデルを使用して、前記対象土の土種と密度とを推定する土質判定処理と、
を実行させる土質判定プログラム。
(付記17)
前記土質判定処理は、前記水分量及び前記周波数特徴の少なくともいずれかに基づいて、前記土質モデルが記憶されている土種である候補土種と、前記対象土との近さを表す誤差を算出し、算出した前記誤差を使用して、前記対象土に含まれる1つ以上の前記候補土種を、前記対象土の土種として導出する
付記16に記載の土質判定プログラム。
(付記18)
前記土質判定処理は、1つ以上の前記候補土種に加えて、前記誤差を使用して、前記候補土種が前記対象土に含まれる割合である混合比を、前記対象土の土種として算出する
付記17に記載の土質判定プログラム。
(付記19)
前記土質判定処理は、算出された前記周波数特徴に基づいて、前記対象土の密度を推定し、測定された前記水分量と算出された前記周波数特徴とに基づいて、前記対象土の土種を推定する
付記16乃至18のいずれか1項に記載の土質判定プログラム。
(付記20)
コンピュータに、さらに、
単位時間当たり所定量の水を加えながら計測された前記水分量の推移をさらに含む前記土質モデルを記憶する前記土質記憶処理を実行させ、
前記土質判定処理は、算出された前記周波数特徴に基づいて、前記対象土の密度を推定し、複数回測定された前記水分量と、降水量を測定する降水計から受信した、前記水分量が測定された際の前記降水量とに基づいて、前記対象土の土種を推定する
付記16乃至18のいずれか1項に記載の土質判定プログラム。
(付記21)
前記土質判定処理は、算出された前記周波数特徴に基づいて、前記対象土の土種を推定し、測定された前記水分量と算出された前記周波数特徴とに基づいて、前記対象土の密度を推定する
付記16乃至18のいずれか1項に記載の土質判定プログラム。
(付記22)
前記土質記憶処理は、単位時間当たり所定量の水を加えながら計測された前記水分量の推移をさらに含む前記土質モデルを記憶し、
前記土質判定処理は、算出された前記周波数特徴に基づいて、前記対象土の土種を推定し、複数回測定された前記水分量と、降水量を測定する降水計から受信した、前記水分量が測定された際の前記降水量とに基づいて、前記対象土の密度を推定する
付記16乃至18のいずれか1項に記載の土質判定プログラム。
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
この出願は、2015年2月26日に出願された日本出願特願2015−036715を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
本発明は、土砂災害の予兆の検出に利用できる。
1 土質判定システム
1A 土質判定システム
1B 土質判定システム
10 土質判定装置
10A 土質判定装置
10B 土質判定装置
10C 土質判定装置
101 振動センサ
102 水分計
103 変動幅算出部
104 周波数特徴算出部
105 水分特性算出部
106 土質情報記憶部
107 土質判定部
108 出力部
109 出力装置
400 土壌崩壊危険度変化検知システム
401 応力センサ
402 応力センサ
403 水分計
404 振動センサ
405 間隙水圧計
406 粘着力−内部摩擦角算出モジュール
407 粘着力−内部摩擦角モデル化モジュール
408 含水比対応化モジュール
409 共振周波数算出モジュール
410 減衰率算出モジュール
411 重量−間隙水圧モデル化モジュール
412 データベース
413 振動センサ
414 水分計
415 土種−密度判定モジュール
416 斜面安全率算出判定モジュール
417 ディスプレイ
418 三軸圧縮試験装置
419 プランター
420 検知装置
421 実斜面計測装置
1000 コンピュータ
1001 プロセッサ
1002 メモリ
1003 記憶装置
1004 I/Oインタフェース
1005 記録媒体
1103 変動幅算出回路
1104 周波数特徴算出回路
1105 水分特性算出回路
1106 土質情報記憶装置
1107 土質判定回路
1108 出力回路

Claims (10)

  1. 振動を計測する振動センサによって測定対象の土である対象土の振動が測定された振動データをもとに、前記対象土の振動の周波数の特徴を表す周波数特徴を算出する周波数特徴算出手段と、
    土が含む水分の量を測定する水分計によって測定された前記対象土が含む水分の量である水分量と、算出された前記周波数特徴とをもとに、土質記憶手段が記憶する、複数の土の種類である土種の、複数の密度についての、水分量と周波数特徴との関係を表す土質モデルを使用して、前記対象土の土種と密度とを推定する土質判定手段と、
    を備える土質判定装置。
  2. 前記土質判定手段は、前記水分量及び前記周波数特徴の少なくともいずれかに基づいて、前記土質記憶手段が前記土質モデルを記憶する土種である候補土種と、前記対象土との近さを表す誤差を算出し、算出した前記誤差を使用して、前記対象土に含まれる1つ以上の前記候補土種を、前記対象土の土種として導出する
    請求項1に記載の土質判定装置。
  3. 前記土質判定手段は、1つ以上の前記候補土種に加えて、前記誤差を使用して、前記候補土種が前記対象土に含まれる割合である混合比を、前記対象土の土種として算出する
    請求項2に記載の土質判定装置。
  4. 前記土質判定手段は、算出された前記周波数特徴に基づいて、前記対象土の密度を推定し、測定された前記水分量と算出された前記周波数特徴とに基づいて、前記対象土の土種を推定する
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載の土質判定装置。
  5. 前記土質記憶手段は、単位時間当たり所定量の水を加えながら計測された前記水分量の推移をさらに含む前記土質モデルを記憶し、
    前記土質判定手段は、算出された前記周波数特徴に基づいて、前記対象土の密度を推定し、複数回測定された前記水分量と、降水量を測定する降水計から受信した、前記水分量が測定された際の前記降水量とに基づいて、前記対象土の土種を推定する
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載の土質判定装置。
  6. 前記土質判定手段は、算出された前記周波数特徴に基づいて、前記対象土の土種を推定し、測定された前記水分量と算出された前記周波数特徴とに基づいて、前記対象土の密度を推定する
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載の土質判定装置。
  7. 前記土質記憶手段は、単位時間当たり所定量の水を加えながら計測された前記水分量の推移をさらに含む前記土質モデルを記憶し、
    前記土質判定手段は、算出された前記周波数特徴に基づいて、前記対象土の土種を推定し、複数回測定された前記水分量と、降水量を測定する降水計から受信した、前記水分量が測定された際の前記降水量とに基づいて、前記対象土の密度を推定する
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載の土質判定装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の前記土質判定装置と、
    前記振動センサと、
    前記水分計と、を含み、
    前記土質判定装置は、前記土質記憶手段をさらに備える
    土質判定システム。
  9. 振動を計測する振動センサによって測定対象の土である対象土の振動が測定された振動データをもとに、前記対象土の振動の周波数の特徴を表す周波数特徴を算出し、
    土が含む水分の量を測定する水分計によって測定された前記対象土が含む水分の量である水分量と、算出された前記周波数特徴とをもとに、複数の土の種類である土種の、複数の密度についての、水分量と周波数特徴との関係を表す土質モデルを使用して、前記対象土の土種と密度とを推定する、
    土質判定方法。
  10. コンピュータに、
    振動を計測する振動センサによって測定対象の土である対象土の振動が測定された振動データをもとに、前記対象土の振動の周波数の特徴を表す周波数特徴を算出する周波数特徴算出処理と、
    土が含む水分の量を測定する水分計によって測定された前記対象土が含む水分の量である水分量と、算出された前記周波数特徴とをもとに、複数の土の種類である土種の、複数の密度についての、水分量と周波数特徴との関係を表す土質モデルを使用して、前記対象土の土種と密度とを推定する土質判定処理と、
    を実行させる土質判定プログラムを記憶する記録媒体。
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