JPWO2016088712A1 - ヒドロゲル形成材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】調製したヒドロゲルを振とうなどによりゾル化した後においても、その後室温で静置することでゲルの再形成が可能であるヒドロゲル形成材料を、単純な組成により提供すること。【解決手段】下記式(1)で表される化合物又はその薬学的に使用可能な塩のうち少なくとも一種からなる脂質ペプチド型ゲル化剤、水及びモノパルミチンを含有するヒドロゲル形成材料。【化1】(式中、R1は炭素原子数9乃至23の脂肪族基を表し、R2は水素原子、又は炭素原子数1若しくは2のアルキル基を分枝鎖として有し得る炭素原子数1乃至4のアルキル基を表し、R3は−(CH2)n−X基を表し、nは1乃至4の数を表し、Xはアミノ基、グアニジノ基、−CONH2基、又は窒素原子を環内原子として1乃至3個有する5員環基若しくは6員環基又は5員環と6員環から構成される縮合複素環基を表す。)【選択図】なし
Description
本発明はヒドロゲル形成材料に関し、詳細には、ゾル化させてもゲルの再形成が可能なヒドロゲルを形成することができるヒドロゲル形成材料、及び当該ヒドロゲル形成材料から形成されるヒドロゲルに関する。
ヒドロゲルは水を媒質とするため生体適合性の高いゲルとして有用であり、紙おむつや化粧品、芳香剤の日用品向け用途をはじめとして、幅広い分野で使用されている。
従来型のヒドロゲルとしては、高分子鎖が架橋されて3次元網目構造を形成し、これが水などの媒体間と非共有結合を形成して膨潤することにより形成される高分子ゲルが挙げられる。この高分子ゲルの物性研究並びに用途開発は、アガロースなどの多糖類やタンパク質から形成される天然高分子ゲルや、アクリルアミドゲルなどの高分子鎖間を化学共有結合にて架橋した合成高分子ゲルにおいて数多くなされている。
近年、上述の高分子化合物からなるゲルだけでなく、比較的低分子量の有機化合物の自己集合化からなるヒドロゲルが見出され、種々検討されている。
従来型のヒドロゲルとしては、高分子鎖が架橋されて3次元網目構造を形成し、これが水などの媒体間と非共有結合を形成して膨潤することにより形成される高分子ゲルが挙げられる。この高分子ゲルの物性研究並びに用途開発は、アガロースなどの多糖類やタンパク質から形成される天然高分子ゲルや、アクリルアミドゲルなどの高分子鎖間を化学共有結合にて架橋した合成高分子ゲルにおいて数多くなされている。
近年、上述の高分子化合物からなるゲルだけでなく、比較的低分子量の有機化合物の自己集合化からなるヒドロゲルが見出され、種々検討されている。
これまでに提案されている低分子ゲル化剤の多くは疎水部である長鎖アルキル基と親水性部を組み合わせた両親媒性化合物であり、例えば、親水性部がアミノ酸のもの(非特許文献1)、ペプチドのもの(特許文献1、2)、糖類(非特許文献2、3)又はポリオール(非特許文献4)であるものが挙げられる。また、バリンにより構成されたペプチドがβ−シート構造を容易に取ることを利用した低分子ゲル化剤(非特許文献5)も提案されている。
Suzuki, Masahiro. Yumoto,Mariko.Mutsumi, Shirai. Hirofusa,Hanabusa, Kenji. Chemistry Letters, 33(11), 1496-1497.
Jong Hwa Jung, Georeg John, Mitsutosish Mausda, Kaname Yoshida, Seiji Shinnkai,andToshimi Shimizu Langumir 2001, 17, 7229-7232
I. Hamachi, S. Kiyonaka,S.Shinkai, Tetrahedron Lett.,2001, 42, 6141. I. Hamachi, S. Kiyonaka,S. Shinaki, Chem. Commun.,2000, 1281.
Masahiro Suzuki, Sanae Owa, Hirofusa Shirai and Kenji Hanabusa, Tetrahedron 2007 63 7302-7308.
Yoko Matsuzawa,Katsuyuki Ueki, Masaru Yoshida, Nobuyuki Tamaoki, Tohru Nakamura, Hideki Sakai, and Masahiko Abe,Adv. Funct.Mater.2007,17, 1507-1514
上述したように、これまでに様々なゲル形成材料が提案されているが、従来提案されているゲル形成材料のうち、形成されたヒドロゲルを振とうなどによりゾル化させた後にゲルを再形成できるものは少なかった。これまでに少なくとも出願人が開示してきた上記低分子ゲル化剤を用いて再形成可能なゲルを形成するには、例えば、塩基性成分の添加が必要であった(国際公開第2014/054699号)。しかし、塩基性成分を添加する場合には、得られるヒドロゲルのpHは塩基性となることから、その使用場面が限られていた。
以上のことから、ゾル化させた後にゲルを再形成でき、かつ添加剤によるpH変化が少ないヒドロゲルが求められていた。
以上のことから、ゾル化させた後にゲルを再形成でき、かつ添加剤によるpH変化が少ないヒドロゲルが求められていた。
本発明は上記の事情に基づいてなされたものであり、その解決しようとする課題は、調製したヒドロゲルを振とうなどによりゾル化した後においても、その後室温で静置することでゲルの再形成が可能であるヒドロゲル形成材料を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、低分子脂質ペプチド又はその薬学的に使用可能な塩からなる脂質ペプチド型ゲル化剤と水とからヒドロゲルを形成するにあたり、特定のグリセリン脂肪酸エステルを使用することにより、得られたヒドロゲルを振とうなどによりゾル化させた後においても、室温で静置することでゲルの再形成が可能であることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、第1観点として、下記式(1)で表される化合物又はその薬学的に使用可能な塩のうち少なくとも一種からなる脂質ペプチド型ゲル化剤、水及びモノパルミチンを含有するヒドロゲル形成材料に関する。
(式中、R1は炭素原子数9乃至23の脂肪族基を表し、R2は水素原子、又は炭素原子数1若しくは2のアルキル基を分枝鎖として有し得る炭素原子数1乃至4のアルキル基を表し、R3は−(CH2)n−X基を表し、nは1乃至4の数を表し、Xはアミノ基、グアニジノ基、−CONH2基、又は窒素原子を環内原子として1乃至3個有する5員環基若しくは6員環基又は5員環と6員環から構成される縮合複素環基を表す。)
第2観点として、前記ゲル化剤と前記モノパルミチンとの割合がモル濃度比でゲル化剤:モノパルミチン=9:1乃至1:9である、第1観点に記載のヒドロゲル形成材料に関する。
第3観点として、前記式(1)中、R2は水素原子、メチル基、i−プロピル基、i−ブチル基又はsec−ブチル基を表す、第1観点又は第2観点に記載のヒドロゲル形成材料に関する。
第4観点として、前記式(1)中、R3は4−アミノブチル基、カルバモイルメチル基、2−カルバモイルエチル基、4−イミダゾールメチル基又は3−インドールメチル基を表す、第1観点又は第2観点に記載のヒドロゲル形成材料に関する。
第5観点として、前記式(1)中、R1は炭素原子数11乃至23の脂肪族基を表し、R2は水素原子、メチル基又はi−プロピル基を表し、R3は4−アミノブチル基、4−イミダゾールメチル基又は3−インドールメチル基を表す、第1観点又は第2観点に記載のヒドロゲル形成材料に関する。
第6観点として、前記式(1)中、R2は水素原子を表し、R3は4−イミダゾールメチル基を表す、第5観点に記載のヒドロゲル形成材料に関する。
第7観点として、第1観点乃至第6観点のいずれか1つに記載のヒドロゲル形成材料を用いて形成されるヒドロゲルに関する。
第8観点として、前記ヒドロゲルがpH7乃至9を有する、第7観点に記載のヒドロゲルに関する。
(式中、R1は炭素原子数9乃至23の脂肪族基を表し、R2は水素原子、又は炭素原子数1若しくは2のアルキル基を分枝鎖として有し得る炭素原子数1乃至4のアルキル基を表し、R3は−(CH2)n−X基を表し、nは1乃至4の数を表し、Xはアミノ基、グアニジノ基、−CONH2基、又は窒素原子を環内原子として1乃至3個有する5員環基若しくは6員環基又は5員環と6員環から構成される縮合複素環基を表す。)
第2観点として、前記ゲル化剤と前記モノパルミチンとの割合がモル濃度比でゲル化剤:モノパルミチン=9:1乃至1:9である、第1観点に記載のヒドロゲル形成材料に関する。
第3観点として、前記式(1)中、R2は水素原子、メチル基、i−プロピル基、i−ブチル基又はsec−ブチル基を表す、第1観点又は第2観点に記載のヒドロゲル形成材料に関する。
第4観点として、前記式(1)中、R3は4−アミノブチル基、カルバモイルメチル基、2−カルバモイルエチル基、4−イミダゾールメチル基又は3−インドールメチル基を表す、第1観点又は第2観点に記載のヒドロゲル形成材料に関する。
第5観点として、前記式(1)中、R1は炭素原子数11乃至23の脂肪族基を表し、R2は水素原子、メチル基又はi−プロピル基を表し、R3は4−アミノブチル基、4−イミダゾールメチル基又は3−インドールメチル基を表す、第1観点又は第2観点に記載のヒドロゲル形成材料に関する。
第6観点として、前記式(1)中、R2は水素原子を表し、R3は4−イミダゾールメチル基を表す、第5観点に記載のヒドロゲル形成材料に関する。
第7観点として、第1観点乃至第6観点のいずれか1つに記載のヒドロゲル形成材料を用いて形成されるヒドロゲルに関する。
第8観点として、前記ヒドロゲルがpH7乃至9を有する、第7観点に記載のヒドロゲルに関する。
本発明のヒドロゲル形成材料は、モノパルミチンを含有することにより、一旦形成されたヒドロゲルを振とうなどによりゾル状態とし、その後室温にて静置した場合においても、再度ゲルを形成することができる。さらに、使用するモノパルミチンは非イオン性のため、得られたヒドロゲルのpH変化は少ない。
また本発明のヒドロゲル形成材料に含まれる脂質ペプチド型ゲル化剤は、脂質とペプチドのみから構成される非常に安全性の高い人工低分子化合物であり、またモノパルミチンは、食品として汎用の添加剤である。即ち、本発明のヒドロゲル形成材料は生体安全性が高く、特に、細胞培養の基材や医用材料、或いは化粧品用材料等において要求される高い安全性の観点からみて、上記用途において非常に有用である。
さらに本発明のヒドロゲル形成材料は、例えば従来提案されている合成高分子型のゲル形成時に必要とされた架橋剤等を用いずに、水をゲル化させてヒドロゲルを形成することができる材料であり、得られたヒドロゲルにおいて未反応の架橋剤などの未反応物質の残存といった問題が起こらない。しかも該ヒドロゲル形成材料は、わずか20mM程度の上記ゲル化剤の添加量にてヒドロゲルを形成でき、環境や生体内で取り込まれた際に負荷が少ない。
そして本発明のヒドロゲルは、上述のように従来に比べて少量のゲル化剤の添加により得ることができるため、生体面・環境面の何れにおいても安全性の高いヒドロゲルといえる。
さらに上述のように、低分子化合物である脂質ペプチドから得られたヒドロゲルは、外部環境中で、例えば土中で使用する場合、土壌細菌などによって容易に分解され、また生体内で使用する場合には代謝酵素によって容易に分解されるため、環境・生体に対する負荷が少ない。
さらに上述のように、低分子化合物である脂質ペプチドから得られたヒドロゲルは、外部環境中で、例えば土中で使用する場合、土壌細菌などによって容易に分解され、また生体内で使用する場合には代謝酵素によって容易に分解されるため、環境・生体に対する負荷が少ない。
本発明は、下記に詳述する式(1)で表される化合物又はその薬学的に使用可能な塩のうち少なくとも一種からなる脂質ペプチド型ゲル化剤、水及びモノパルミチンを含有する、ヒドロゲル形成材料に関する。
以下、各構成成分について説明する。
以下、各構成成分について説明する。
[脂質ペプチド型ゲル化剤]
本発明において用いる脂質ペプチド型ゲル化剤としては、下記式(1)で表される化合物(脂質ペプチド)又はその薬学的に使用可能な塩(疎水性部位である脂質部と親水性部位であるペプチド部とを有する低分子化合物)を用いることができる。
本発明において用いる脂質ペプチド型ゲル化剤としては、下記式(1)で表される化合物(脂質ペプチド)又はその薬学的に使用可能な塩(疎水性部位である脂質部と親水性部位であるペプチド部とを有する低分子化合物)を用いることができる。
上記式(1)において、R1は炭素原子数9乃至23の脂肪族基を表し、好ましくは、R1は不飽和結合を0乃至2個有し得る炭素原子数11乃至23の直鎖状脂肪族基であることが望ましい。
R1及び隣接するカルボニル基で構成される脂質部(アシル基)の具体例としては、ラウロイル基、ドデシルカルボニル基、ミリストイル基、テトラデシルカルボニル基、パルミトイル基、マルガロイル基、オレオイル基、エライドイル基、リノレオイル基、ステアロイル基、バクセノイル基、オクタデシルカルボニル基、アラキドイル基、エイコシルカルボニル基、ベヘノイル基、エルカノイル基、ドコシルカルボニル基、リグノセイル基及びネルボノイル基等を挙げることができ、特に好ましいものとして、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、マルガロイル基、ステアロイル基、オレオイル基、エライドイル基及びベヘノイル基が挙げられる。
上記式(1)において、ペプチド部に含まれるR2は、水素原子、又は炭素原子数1若しくは2のアルキル基を分枝鎖として有し得る炭素原子数1乃至4のアルキル基を表す。
上記炭素原子数1若しくは2のアルキル基を分枝鎖として有し得る炭素原子数1乃至4のアルキル基とは、主鎖の炭素原子数が1乃至4であり、かつ炭素原子数1若しくは2のアルキル基を分枝鎖として有し得るアルキル基を意味し、その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基又はtert−ブチル基などが挙げられる。
上記炭素原子数1若しくは2のアルキル基を分枝鎖として有し得る炭素原子数1乃至4のアルキル基とは、主鎖の炭素原子数が1乃至4であり、かつ炭素原子数1若しくは2のアルキル基を分枝鎖として有し得るアルキル基を意味し、その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基又はtert−ブチル基などが挙げられる。
上記R2は好ましくは、水素原子、又は炭素原子数1のアルキル基を分枝鎖として有し得る炭素原子数1乃至3のアルキル基であり、より好ましくは水素原子である。
炭素原子数1のアルキル基を分枝鎖として有し得る炭素原子数1乃至3のアルキル基とは、主鎖の炭素原子数が1乃至3であり、かつ炭素原子数1のアルキル基を分枝鎖として有し得るアルキル基を意味し、その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、i−ブチル基又はsec−ブチル基などが挙げられ、好ましくはメチル基、i−プロピル基、i−ブチル基又はsec−ブチル基である。
炭素原子数1のアルキル基を分枝鎖として有し得る炭素原子数1乃至3のアルキル基とは、主鎖の炭素原子数が1乃至3であり、かつ炭素原子数1のアルキル基を分枝鎖として有し得るアルキル基を意味し、その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、i−ブチル基又はsec−ブチル基などが挙げられ、好ましくはメチル基、i−プロピル基、i−ブチル基又はsec−ブチル基である。
上記式(1)において、R3は−(CH2)n−X基を表す。上記−(CH2)n−X基において、nは1乃至4の数を表し、Xはアミノ基、グアニジノ基、−CONH2基、又は窒素原子を環内原子として1乃至3個有する5員環基若しくは6員環基、又は5員環と6員環から構成される縮合複素環基を表す。
上記R3が表す−(CH2)n−X基において、Xは好ましくはアミノ基、グアニジノ基、カルバモイル基(−CONH2基)、ピロール基、イミダゾール基、ピラゾール基又はインドール基であり、より好ましくはイミダゾール基である。また、上記−(CH2)n−X基において、nは好ましくは1又は2であり、より好ましくは1である。
従って、上記−(CH2)n−X基は、好ましくはアミノメチル基、2−アミノエチル基、3−アミノプロピル基、4−アミノブチル基、カルバモイルメチル基、2−カルバモイルエチル基、3−カルバモイルブチル基、2−グアニジノエチル基、3−グアニジノブチル基、ピロールメチル基、4−イミダゾールメチル基、ピラゾールメチル基、又は3−インドールメチル基を表し、より好ましくは4−アミノブチル基、カルバモイルメチル基、2−カルバモイルエチル基、3−グアニジノブチル基、4−イミダゾールメチル基又は3−インドールメチル基を表し、さらに好ましくは4−イミダゾールメチル基である。
上記R3が表す−(CH2)n−X基において、Xは好ましくはアミノ基、グアニジノ基、カルバモイル基(−CONH2基)、ピロール基、イミダゾール基、ピラゾール基又はインドール基であり、より好ましくはイミダゾール基である。また、上記−(CH2)n−X基において、nは好ましくは1又は2であり、より好ましくは1である。
従って、上記−(CH2)n−X基は、好ましくはアミノメチル基、2−アミノエチル基、3−アミノプロピル基、4−アミノブチル基、カルバモイルメチル基、2−カルバモイルエチル基、3−カルバモイルブチル基、2−グアニジノエチル基、3−グアニジノブチル基、ピロールメチル基、4−イミダゾールメチル基、ピラゾールメチル基、又は3−インドールメチル基を表し、より好ましくは4−アミノブチル基、カルバモイルメチル基、2−カルバモイルエチル基、3−グアニジノブチル基、4−イミダゾールメチル基又は3−インドールメチル基を表し、さらに好ましくは4−イミダゾールメチル基である。
上記式(1)で表される化合物において、脂質ペプチド型ゲル化剤として特に好適な脂質ペプチドとしては、以下の脂質部とペプチド部(アミノ酸集合部)から形成される化合物である。なおアミノ酸の略称としては、アラニン(Ala)、アスパラギン(Asn)、グルタミン(Gln)、グリシン(Gly)、ヒスチジン(His)、イソロシン(Ile)、ロイシン(Leu)、リジン(Lys)、トリプトファン(Trp)、バリン(Val)を表す。ラウロイル−Gly−His、ラウロイル−Gly−Gln、ラウロイル−Gly−Asn、ラウロイル−Gly−Trp、ラウロイル−Gly−Lys、ラウロイル−Ala−His、ラウロイル−Ala−Gln、ラウロイル−Ala−Asn、ラウロイル−Ala−Trp、ラウロイル−Ala−Lys;ミリストイル−Gly−His、ミリストイル−Gly−Gln、ミリストイル−Gly−Asn、ミリストイル−Gly−Trp、ミリストイル−Gly−Lys、ミリストイル−Ala−His、ミリストイル−Ala−Gln、ミリストイル−Ala−Asn、ミリストイル−Ala−Trp、ミリストイル−Ala−Lys;パルミトイル−Gly−His、パルミトイル−Gly−Gln、パルミトイル−Gly−Asn、パルミトイル−Gly−Trp、パルミトイル−Gly−Lys、パルミトイル−Ala−His、パルミトイル−Ala−Gln、パルミトイル−Ala−Asn、パルミトイル−Ala−Trp、パルミトイル−Ala−Lys;ステアロイル−Gly−His、ステアロイル−Gly−Gln、ステアロイル−Gly−Asn、ステアロイル−Gly−Trp、ステアロイル−Gly−Lys、ステアロイル−Ala−His、ステアロイル−Ala−Gln、ステアロイル−Ala−Asn、ステアロイル−Ala−Trp、ステアロイル−Ala−Lys。
最も好ましいものとして、ラウロイル−Gly−His、ラウロイル−Ala−His;ミリストイル−Gly−His、ミリストイル−Ala−His;パルミトイル−Gly−His、パルミトイル−Ala−His;ステアロイル−Gly−His、ステアロイル−Ala−Hisが挙げられる。
本発明において用いられる脂質ペプチド型ゲル化剤は、上記式(1)で表される化合物(脂質ペプチド)又はその薬学的な使用可能な塩のうちの少なくとも一種からなり、当該ゲル化剤としてこれら化合物を単独で、或いは二種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明によるヒドロゲル形成材料において、脂質ペプチド型ゲル化剤の配合割合(2種以上の脂質ペプチド型ゲル化剤を用いる場合は、その合計量)は、ヒドロゲル形成材料の総体積に対して、例えば0.1乃至200ミリモーラー(mM、mol/m3)、好ましくは0.5乃至100ミリモーラー、より好ましくは1乃至50ミリモーラーである。
[モノパルミチン]
本発明のヒドロゲル形成材料はモノパルミチンを含む。また本発明のヒドロゲル形成材料は、本発明の効果を損なわなければ、モノパルミチンをその他のグリセリン脂肪酸エステル、例えば、モノカプリン、モノラウリン、モノミリスチン、モノステアリン及びモノオレイン等と組み合わせて使用することができる。
本発明のヒドロゲル形成材料はモノパルミチンを含む。また本発明のヒドロゲル形成材料は、本発明の効果を損なわなければ、モノパルミチンをその他のグリセリン脂肪酸エステル、例えば、モノカプリン、モノラウリン、モノミリスチン、モノステアリン及びモノオレイン等と組み合わせて使用することができる。
本発明において、モノパルミチンをその他のグリセリン脂肪酸エステルと組み合わせて使用する場合、モノパルミチンとその他のグリセリン脂肪酸エステルとの配合割合はモル濃度比で、通常、モノパルミチン:その他のグリセリン脂肪酸エステル=9:1乃至1:9であり、好ましくは9:1乃至3:7であり、より好ましくは9:1乃至5:5である。
本発明によるヒドロゲル形成材料において、モノパルミチンの配合割合(モノパルミチンをその他のグリセリン脂肪酸エステルと併用する場合は、その合計量)は、ヒドロゲル形成材料の総体積に対して、例えば0.1乃至200ミリモーラー、好ましくは0.5乃至100ミリモーラー、より好ましくは1乃至50ミリモーラーである。
[ヒドロゲル形成材料]
本発明のヒドロゲル形成材料は、前記式(1)で表される化合物又はその薬学的に使用可能な塩のうちの少なくとも一種からなる脂質ペプチド型ゲル化剤、水及びモノパルミチンを含有するものである。
本発明のヒドロゲル形成材料は、前記式(1)で表される化合物又はその薬学的に使用可能な塩のうちの少なくとも一種からなる脂質ペプチド型ゲル化剤、水及びモノパルミチンを含有するものである。
ヒドロゲル形成材料は、上記各成分を混合した後、およそ100℃の温度条件下で、好ましくは撹拌しながら加熱することにより、脂質ペプチド型ゲル化剤を媒体である水に容易に溶解、分散させることができる。
このとき加熱撹拌の時間は、用いる脂質ペプチド型ゲル化剤や添加剤の種類、そしてそれらの配合量によって異なるが、通常20分乃至90分程度である。
こうして、脂質ペプチド型ゲル化剤が溶解・分散状態にある溶液形態のヒドロゲル形成材料を、およそ室温(約25℃)で冷却し、静置することにより、ヒドロゲルが得られる。
このとき加熱撹拌の時間は、用いる脂質ペプチド型ゲル化剤や添加剤の種類、そしてそれらの配合量によって異なるが、通常20分乃至90分程度である。
こうして、脂質ペプチド型ゲル化剤が溶解・分散状態にある溶液形態のヒドロゲル形成材料を、およそ室温(約25℃)で冷却し、静置することにより、ヒドロゲルが得られる。
本発明のヒドロゲル形成材料において、上記ゲル化剤と上記モノパルミチンとの配合割合はモル濃度比で、通常、ゲル化剤:モノパルミチン=9:1乃至1:9であり、好ましくは8:2乃至3:7であり、より好ましくは7:3乃至5:5である。
[ヒドロゲル]
上述のヒドロゲル形成材料を用いて形成されるヒドロゲルもまた本発明の対象である。得られたヒドロゲルは好ましくはpH7乃至9を有するヒドロゲルである。
上述のヒドロゲル形成材料を用いて形成されるヒドロゲルもまた本発明の対象である。得られたヒドロゲルは好ましくはpH7乃至9を有するヒドロゲルである。
[ヒドロゲル形成メカニズム]
本発明のヒドロゲル形成材料、特に前記式(1)で表される低分子化合物(脂質ペプチド)は、水に投入され、溶解・分散されると、アルキル鎖間に生じる疎水性相互作用、アミド結合間に生じる水素結合といった分子間相互作用を駆動力として自己組織化し、分子会合状態を形成する。生じた分子会合状態は2次元に成長することで繊維状会合体を形成する。
上記繊維状会合体同士が絡み合うことで三次元網目構造を形成し、この三次元網目構造が、水の流動性を低下させることで、ヒドロゲルを形成する。
本発明のヒドロゲル形成材料、特に前記式(1)で表される低分子化合物(脂質ペプチド)は、水に投入され、溶解・分散されると、アルキル鎖間に生じる疎水性相互作用、アミド結合間に生じる水素結合といった分子間相互作用を駆動力として自己組織化し、分子会合状態を形成する。生じた分子会合状態は2次元に成長することで繊維状会合体を形成する。
上記繊維状会合体同士が絡み合うことで三次元網目構造を形成し、この三次元網目構造が、水の流動性を低下させることで、ヒドロゲルを形成する。
前述した通り、本発明のヒドロゲル形成材料(及びそれより得られるヒドロゲル)は、ゲル化剤として脂肪酸やアミノ酸といった天然由来原料により構成された低分子ゲル化剤やモノパルミチンを用いていることから、生体安全性に優れた材料である。
また、本発明のヒドロゲルは、振とうなどによりゾル化させた後、再度室温で放置することで、ゲルを再形成することができる。
このように、本発明のヒドロゲル形成材料は、繰り返しの使用といった実際の使用現場において非常に有利な材料であり、そして、細胞培養基材、細胞やタンパク質などの生体分子保存材、外用基材、医療用材料、生化学用材料、化粧品材料、食品用材料、コンタクトレンズ、紙おむつ、人工アクチュエーター、乾燥地農業用材など、様々な分野における材料に使用することができる。
以下、本発明を実施例を挙げて詳しく説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものでない。
[合成例1:脂質ペプチド原料(N−パルミトイル−Gly−メチル)の合成]
本実施例において、ゲル化剤として用いた脂質ペプチドの原料は、国際公開第2011/027897号に準じて、以下に示す方法で合成した。
2Lの4つ口フラスコに、グリシンメチルエステル塩酸塩89.1g(709mmol)、炭酸ナトリウム75.2g(709mmol)、水750g、及びトルエン450gを投入し、撹拌した。その後、パルミチン酸クロライド150g(546mmol)をトルエン900gに溶解させた溶液を、反応温度25±5℃で2時間かけて滴下したところ、白色の固体が析出し、スラリーとなった。25℃で2時間撹拌した後、水750gを追加して1時間撹拌し、その後ろ過して、水150gで洗浄した。得られた湿品を減圧乾燥させ、N−パルミトイル−Gly−メチルの白色の結晶150.61g(収率87%)を得た。
本実施例において、ゲル化剤として用いた脂質ペプチドの原料は、国際公開第2011/027897号に準じて、以下に示す方法で合成した。
2Lの4つ口フラスコに、グリシンメチルエステル塩酸塩89.1g(709mmol)、炭酸ナトリウム75.2g(709mmol)、水750g、及びトルエン450gを投入し、撹拌した。その後、パルミチン酸クロライド150g(546mmol)をトルエン900gに溶解させた溶液を、反応温度25±5℃で2時間かけて滴下したところ、白色の固体が析出し、スラリーとなった。25℃で2時間撹拌した後、水750gを追加して1時間撹拌し、その後ろ過して、水150gで洗浄した。得られた湿品を減圧乾燥させ、N−パルミトイル−Gly−メチルの白色の結晶150.61g(収率87%)を得た。
[合成例2:脂質ペプチド(N−パルミトイル−Gly−His)の合成]
本実施例において、ゲル化剤として用いた脂質ペプチドは、国際公開第2011/027897号に準じて、以下に示す方法で合成した。
2Lの4つ口フラスコに、ヒスチジン28.4g(183mmol)、N−パルミトイル−Gly−メチル60g(183mmol)、シクロヘキサン600gを投入し、油浴で加熱撹拌した。反応溶液が60℃に達した時点で、ナトリウムメトキシド28%メタノール溶液70.7g(366mmol)の滴下を開始し、20分で滴下を完了した。滴下終了後、約60℃で1時間反応を続けた。
その後、油浴を外し25℃まで放冷したところ、シクロヘキサンを主成分とする上層とメタノールを主成分とする下層に分離した。2層に分かれた反応溶液の下層を、分液ロートを用いてマイヤーに集め、残った上層へ水180g、メタノール420gを混合した溶液を加え、再び2層に分離した溶液を20分間静置した。その後、下層をマイヤーに集め、先ほど集めた下層と混合した。
この混合溶液を、水720g、メタノール780g、6規定塩酸36.5mL(366mmol)の混合溶液へと25℃で撹拌を行いながら加えた。全量を加え終わった後、反応溶液を60℃に加熱し、1時間撹拌した。その後、25℃まで放冷し析出した固体を濾取し、水180gで洗浄した。
次に、得られた固体へ水900g、メタノール1800gを加え、60℃で1時間加熱撹拌した。その後、25℃まで放冷し析出した固体を濾取した。同様の操作をもう一度繰り返した後に、得られた固体を減圧乾燥した。次に、乾燥した固体へテトラヒドロフラン650gを加え、25℃で1時間撹拌した。その後、固体を濾取し、得られた固体へメタノール1300g、テトラヒドロフラン650gを加え60℃で加熱溶解させた後に、2時間かけて0℃まで冷却し、0℃で終夜撹拌した。析出した固体を濾取、減圧乾燥することでN−パルミトイル−Gly−Hisの白色の結晶、60.0g(収率72.8%)を得た。
本実施例において、ゲル化剤として用いた脂質ペプチドは、国際公開第2011/027897号に準じて、以下に示す方法で合成した。
2Lの4つ口フラスコに、ヒスチジン28.4g(183mmol)、N−パルミトイル−Gly−メチル60g(183mmol)、シクロヘキサン600gを投入し、油浴で加熱撹拌した。反応溶液が60℃に達した時点で、ナトリウムメトキシド28%メタノール溶液70.7g(366mmol)の滴下を開始し、20分で滴下を完了した。滴下終了後、約60℃で1時間反応を続けた。
その後、油浴を外し25℃まで放冷したところ、シクロヘキサンを主成分とする上層とメタノールを主成分とする下層に分離した。2層に分かれた反応溶液の下層を、分液ロートを用いてマイヤーに集め、残った上層へ水180g、メタノール420gを混合した溶液を加え、再び2層に分離した溶液を20分間静置した。その後、下層をマイヤーに集め、先ほど集めた下層と混合した。
この混合溶液を、水720g、メタノール780g、6規定塩酸36.5mL(366mmol)の混合溶液へと25℃で撹拌を行いながら加えた。全量を加え終わった後、反応溶液を60℃に加熱し、1時間撹拌した。その後、25℃まで放冷し析出した固体を濾取し、水180gで洗浄した。
次に、得られた固体へ水900g、メタノール1800gを加え、60℃で1時間加熱撹拌した。その後、25℃まで放冷し析出した固体を濾取した。同様の操作をもう一度繰り返した後に、得られた固体を減圧乾燥した。次に、乾燥した固体へテトラヒドロフラン650gを加え、25℃で1時間撹拌した。その後、固体を濾取し、得られた固体へメタノール1300g、テトラヒドロフラン650gを加え60℃で加熱溶解させた後に、2時間かけて0℃まで冷却し、0℃で終夜撹拌した。析出した固体を濾取、減圧乾燥することでN−パルミトイル−Gly−Hisの白色の結晶、60.0g(収率72.8%)を得た。
[実施例1及び2並びに参考例1及び2:N−パルミトイル−Gly−Hisのモノパルミチン配合ヒドロゲル化能評価、及び再形成評価試験]
上記合成例で調製したN−パルミトイル−Gly−Hisを、マイティーバイアル(No.3、(株)マルエム製)中で、N−パルミトイル−Gly−Hisとモノパルミチンの合計終濃度が20mM(溶媒:超純水)となるように加え、ドライバスSahara320(アズワン(株)製)で、100℃で60分間加熱し、1日放冷した。
ヒドロゲル化能の評価として、溶液の流動性が失われて、バイアルを倒置しても溶液が流れ落ちない状態を「ゲル化(○)」、流れ落ちた場合を「ゲル化せず(×)」と判定した。また、調製したゲルのpHを、ツインpHメーター(アズワン(株)製)により測定を行った。
上記試験によりゲル化を確認したヒドロゲルに関して、ボルテックスミキサー(Scientific Industries Inc.)にて30秒間撹拌してゾル化させ、その後室温で一日静置を行った。ヒドロゲルの再形成能の評価として、溶液の流動性が失われて、バイアルを倒置しても溶液が流れ落ちない状態を「再形成(○)」、流れ落ちる状態を「再形成せず(×)」と判定した。
ヒドロゲル化能評価、及び再形成評価試験に用いた組成と、得られた試験結果を下表に示す。
上記合成例で調製したN−パルミトイル−Gly−Hisを、マイティーバイアル(No.3、(株)マルエム製)中で、N−パルミトイル−Gly−Hisとモノパルミチンの合計終濃度が20mM(溶媒:超純水)となるように加え、ドライバスSahara320(アズワン(株)製)で、100℃で60分間加熱し、1日放冷した。
ヒドロゲル化能の評価として、溶液の流動性が失われて、バイアルを倒置しても溶液が流れ落ちない状態を「ゲル化(○)」、流れ落ちた場合を「ゲル化せず(×)」と判定した。また、調製したゲルのpHを、ツインpHメーター(アズワン(株)製)により測定を行った。
上記試験によりゲル化を確認したヒドロゲルに関して、ボルテックスミキサー(Scientific Industries Inc.)にて30秒間撹拌してゾル化させ、その後室温で一日静置を行った。ヒドロゲルの再形成能の評価として、溶液の流動性が失われて、バイアルを倒置しても溶液が流れ落ちない状態を「再形成(○)」、流れ落ちる状態を「再形成せず(×)」と判定した。
ヒドロゲル化能評価、及び再形成評価試験に用いた組成と、得られた試験結果を下表に示す。
[比較例1乃至5及び参考例3:N−パルミトイル−Gly−Hisのモノラウリン配合ヒドロゲル化能評価、及び再形成評価試験]
上記合成例で調製したN−パルミトイル−Gly−Hisを、マイティーバイアル(No.3、(株)マルエム製)中で、N−パルミトイル−Gly−Hisとモノラウリンの合計終濃度が20mM(溶媒:超純水)となるように加え、ドライバスSahara320(アズワン(株)製)で、100℃で60分間加熱し、1日放冷した。
ヒドロゲル化能の評価として、溶液の流動性が失われて、バイアルを倒置しても溶液が流れ落ちない状態を「ゲル化(○)」、流れ落ちた場合を「ゲル化せず(×)」と判定した。また、調製したゲルのpHを、ツインpHメーター(アズワン(株)製)により測定を行った。
上記試験によりゲル化を確認したヒドロゲルに関して、ボルテックスミキサー(Scientific Industries Inc.)にて30秒間撹拌してゾル化させ、その後室温で一日静置を行った。ヒドロゲルの再形成能の評価として、溶液の流動性が失われて、バイアルを倒置しても溶液が流れ落ちない状態を「再形成(○)」、流れ落ちる状態を「再形成せず(×)」と判定した。
ヒドロゲル化能評価、及び再形成評価試験に用いた組成と、得られた試験結果を下表に示す。表中、「−」は未実施を示す。
上記合成例で調製したN−パルミトイル−Gly−Hisを、マイティーバイアル(No.3、(株)マルエム製)中で、N−パルミトイル−Gly−Hisとモノラウリンの合計終濃度が20mM(溶媒:超純水)となるように加え、ドライバスSahara320(アズワン(株)製)で、100℃で60分間加熱し、1日放冷した。
ヒドロゲル化能の評価として、溶液の流動性が失われて、バイアルを倒置しても溶液が流れ落ちない状態を「ゲル化(○)」、流れ落ちた場合を「ゲル化せず(×)」と判定した。また、調製したゲルのpHを、ツインpHメーター(アズワン(株)製)により測定を行った。
上記試験によりゲル化を確認したヒドロゲルに関して、ボルテックスミキサー(Scientific Industries Inc.)にて30秒間撹拌してゾル化させ、その後室温で一日静置を行った。ヒドロゲルの再形成能の評価として、溶液の流動性が失われて、バイアルを倒置しても溶液が流れ落ちない状態を「再形成(○)」、流れ落ちる状態を「再形成せず(×)」と判定した。
ヒドロゲル化能評価、及び再形成評価試験に用いた組成と、得られた試験結果を下表に示す。表中、「−」は未実施を示す。
[比較例6乃至10及び参考例4:N−パルミトイル−Gly−Hisのモノミリスチン配合ヒドロゲル化能評価、及び再形成評価試験]
上記合成例で調製したN−パルミトイル−Gly−Hisを、マイティーバイアル(No.3、(株)マルエム製)中で、N−パルミトイル−Gly−Hisとモノミリスチンの合計終濃度が20mM(溶媒:超純水)となるように加え、ドライバスSahara320(アズワン(株)製)で、100℃で60分間加熱し、1日放冷した。
ヒドロゲル化能の評価として、溶液の流動性が失われて、バイアルを倒置しても溶液が流れ落ちない状態を「ゲル化(○)」、流れ落ちた場合を「ゲル化せず(×)」と判定した。また、調製したゲルのpHを、ツインpHメーター(アズワン(株)製)により測定を行った。
上記試験によりゲル化を確認したヒドロゲル関して、ボルテックスミキサー(Scientific Industries Inc.)にて30秒間撹拌してゾル化させ、その後室温で一日静置を行った。ヒドロゲルの再形成能の評価として、溶液の流動性が失われて、バイアルを倒置しても溶液が流れ落ちない状態を「再形成(○)」、流れ落ちる状態を「再形成せず(×)」、ボルテックス処理においてもゾル化が確認できなかったものを「ゾル化せず(*)」と判定した。
ヒドロゲル化能評価、及び再形成評価試験に用いた組成と、得られた試験結果を下表に示す。表中、「−」は未実施を示す。
上記合成例で調製したN−パルミトイル−Gly−Hisを、マイティーバイアル(No.3、(株)マルエム製)中で、N−パルミトイル−Gly−Hisとモノミリスチンの合計終濃度が20mM(溶媒:超純水)となるように加え、ドライバスSahara320(アズワン(株)製)で、100℃で60分間加熱し、1日放冷した。
ヒドロゲル化能の評価として、溶液の流動性が失われて、バイアルを倒置しても溶液が流れ落ちない状態を「ゲル化(○)」、流れ落ちた場合を「ゲル化せず(×)」と判定した。また、調製したゲルのpHを、ツインpHメーター(アズワン(株)製)により測定を行った。
上記試験によりゲル化を確認したヒドロゲル関して、ボルテックスミキサー(Scientific Industries Inc.)にて30秒間撹拌してゾル化させ、その後室温で一日静置を行った。ヒドロゲルの再形成能の評価として、溶液の流動性が失われて、バイアルを倒置しても溶液が流れ落ちない状態を「再形成(○)」、流れ落ちる状態を「再形成せず(×)」、ボルテックス処理においてもゾル化が確認できなかったものを「ゾル化せず(*)」と判定した。
ヒドロゲル化能評価、及び再形成評価試験に用いた組成と、得られた試験結果を下表に示す。表中、「−」は未実施を示す。
上記結果より、N−パルミトイル−Gly−Hisにモノパルミチンを配合した本発明のヒドロゲル形成材料はヒドロゲルを形成し、かつ再生形成能を有することが明らかである。一方、モノパルミチンの代わりにモノラウリンやモノミリスチンを配合したヒドロゲル形成材料は、一定条件下、ヒドロゲルを形成したが、当該ヒドロゲルは再形成能を有さなかった。また、グリセリン脂肪酸エステルのみでは、ゲルを形成しなかった。
Claims (8)
- 前記ゲル化剤と前記モノパルミチンとの割合がモル濃度比でゲル化剤:モノパルミチン=9:1乃至1:9である、請求項1に記載のヒドロゲル形成材料。
- 前記式(1)中、R2は水素原子、メチル基、i−プロピル基、i−ブチル基又はsec−ブチル基を表す、請求項1又は請求項2に記載のヒドロゲル形成材料。
- 前記式(1)中、R3は4−アミノブチル基、カルバモイルメチル基、2−カルバモイルエチル基、4−イミダゾールメチル基又は3−インドールメチル基を表す、請求項1又は請求項2に記載のヒドロゲル形成材料。
- 前記式(1)中、R1は炭素原子数11乃至23の脂肪族基を表し、R2は水素原子、メチル基又はi−プロピル基を表し、R3は4−アミノブチル基、4−イミダゾールメチル基又は3−インドールメチル基を表す、請求項1又は請求項2に記載のヒドロゲル形成材料。
- 前記式(1)中、R2は水素原子を表し、R3は4−イミダゾールメチル基を表す、請求項5に記載のヒドロゲル形成材料。
- 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のヒドロゲル形成材料を用いて形成されるヒドロゲル。
- 前記ヒドロゲルがpH7乃至9を有する、請求項7に記載のヒドロゲル。
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