JPWO2016076335A1 - ヒ素を除去するための方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 発明は、効率よく、簡易かつ迅速にヒ素を除去するための方法および装置を提供することを目的とする。【解決手段】 本発明者らは、次亜塩素酸塩をヒ素を含有する液体と混合することにより、容易に3価ヒ素含有イオンを5価ヒ素含有イオンに酸化することができることを見出し、本発明に想到した。弱酸性イオン交換体を使用することにより、ヒ素吸着剤のために好ましい弱酸性のpHに容易に低下させることができ、かつ殺菌力の強いpHに調整できることを見出し、本発明に想到した。本発明は、液体と次亜塩素酸塩を混合する工程と、 混合溶液を弱酸性イオン交換体と接触させて、溶液のpHを低下させる工程と、pHが低下した溶液をヒ素吸着剤と接触させて、液体からヒ素を除去する工程とを含む方法を提供する。【選択図】 図1

Description

本発明は、地下水などの液体からヒ素を除去するための方法および装置に関する。
地球上には、適切な浄水施設や下水処理施設がなく、また水不足によって、安全な飲料水を確保することが難しい地域が多く存在する。このような地域では、多くの子供たちが不衛生な水を飲むことによって病気にかかったり、命を落としたりしている。
また、水に含まれるヒ素、鉄、マンガンおよびアンモニウムイオンなどの様々な有害物質が問題になっている。たとえばバングラデシュなどでは、基準値を超える濃度のヒ素を含む井戸水を毎日飲み続けている人々が多く存在する。ヒ素を含む水を飲み続けると、皮膚の色素沈着、角化症、胃腸炎、肝障害および心臓血管系循環障害などを発症するおそれがあるといわれている。
地下水中のおもな形態は、無機態であるヒ酸(H3AsO4)および亜ヒ酸(H3AsO3)であり、イオン形態で存在している。地下水は、還元的環境下にあることにより、地下水中のヒ素は酸化数3の亜ヒ酸イオンの形態で存在している場合が多い。亜ヒ酸塩は、ヒ酸塩に比べ溶解性が高く、吸着材への吸着性も劣ることが公知である。たとえば、ヒ素除去剤として、活性アルミナ(Al2O3)、水酸化鉄などの鉄系化合物および酸化セリウムなどが知られているが、この場合も亜ヒ酸イオンが活性アルミナなどにほとんど吸着されないことが問題となっている。このため、水からヒ素を除去するためには、ヒ素を酸化する技術も重要となる。また、活性アルミナ(Al2O3)、鉄系化合物および酸化セリウムなどの吸着剤は、弱酸性〜中性のpHにおいて吸着率が高いことが知られている。
一方、ヒ素を含有する水を飲用とする場合などは、水の殺菌も問題となる。そこで、ヒ素を除去する際に殺菌も行うことができれば、より迅速かつ容易に飲料水を生成することができる。
特許文献1には、亜ヒ酸酸化細菌によってヒ素を酸化することが記載されている。しかし、細菌の培養のためには、専用の設備が必要となる。また、細菌を使用することは、飲料水として好ましくない。
特開2012-210577号公報
上述したように、複雑な設備を用いることなく、簡易かつ迅速な方法で液体からヒ素を除去して、安全な飲料水を得るためのさらなる技術が求められている。
そこで、本発明は、効率よく、簡易かつ迅速に溶液中の3価の亜ヒ酸イオンを5価のヒ酸イオンに容易に酸化してヒ素を除去するための方法および装置を提供することを目的とする。
飲料水の殺菌には、次亜塩素酸塩が使用される。この次亜塩素酸塩をヒ素を含有する液体と混合することにより、容易に3価ヒ素含有イオンを5価ヒ素含有イオンに酸化することができることを見出し、本発明に想到した。次亜塩素酸塩と混合すると、溶液のpHが上昇してしまう。一方、次亜塩素酸溶液の殺菌力は、そのpHに応じて変動する。そこで、弱酸性イオン交換体を使用することにより、ヒ素吸着剤のために好ましい弱酸性のpHに容易に低下させることができ、かつ殺菌力の強いpHに調整できることを見出し、本発明に想到した。
本発明は、ヒ素を含有する液体からヒ素を除去する方法であって、
液体と次亜塩素酸塩を混合する工程と、
混合溶液を弱酸性イオン交換体と接触させて、溶液のpHを低下させる工程と、
pHが低下した溶液をヒ素吸着剤と接触させて、液体からヒ素を除去する工程と、
を含む方法を提供する。
また、本発明は、上記ヒ素吸着剤が液体を活性アルミナである方法を提供する。
さらに、本発明は、ヒ素を含有する溶液からヒ素を除去する装置であって、
液体と次亜塩素酸塩を混合した溶液を通過させるための、弱酸性イオン交換体を含む容器と、
液体からヒ素を除去するための、ヒ素除去剤を含む除去用容器と、
を備える装置を提供する。
また、本発明は、溶液からヒ素を除去する装置であって、液体と次亜塩素酸塩を混合した溶液のpHを低下させるための、弱酸性イオン交換体を含むpH低下容器と、
液体からヒ素を除去するための、ヒ素除去剤を含む除去用容器と、
を備える装置を提供する。
本発明によれば、塩酸などの酸を使用することなく、簡易かつ迅速にヒ素を除去することができる。また、本発明によれば、簡易かつ迅速に液体のpHを調整することができ、簡易かつ迅速にヒ素を除去することができる。さらに、本発明によれば、次亜塩素酸塩を含む溶液のpHを塩基性から弱酸性に調整することができるため、溶液中には弱酸性次亜塩素酸を生成させることができる。したがって、本発明によれば、複雑な設備を用いることなく、簡易かつ迅速な方法で液体からヒ素を除去することができると共に、弱酸性次亜塩素酸を含有する殺菌効果を有する飲料水を得ることが可能である。
本発明のヒ素を除去する方法の手順を示す図。
本発明のヒ素を含有する液体からヒ素を除去する方法は、液体と次亜塩素酸塩を混合する工程と、混合溶液を弱酸性イオン交換体と接触させて溶液のpHを低下させる工程と、pHが低下した溶液をヒ素吸着剤と接触させて液体からヒ素を除去する工程とを含む。
本明細書において、「液体からヒ素を除去する」は、液体に含まれるヒ素を任意の手段によって取り除くこと、および減少させることをいう。
また、本明細書において、「ヒ素」とは、ヒ素元素を含有する任意の化合物およびその塩、並びに液体中のこれらのイオンを含む。特に、「ヒ素」は、3価の亜ヒ酸イオンおよび5価のヒ酸イオンを含む。3価のヒ素含有イオンには、H3AsO3 0、H2AsO3 -およびHAsO3 2-などの0または-1価の亜ヒ酸系イオンを含み、錯体イオンの形態も含む。5価のヒ素含有イオンには、H2AsO4 -、HAsO4 2-およびAsO4 3-などの0、-1または-2価のヒ酸系イオンを含み、錯体イオンの形態も含む。
ヒ素を含有する液体は、地下水、河川水および湖沼水などの飲料用のものであることができる。また、ヒ素を含有する液体は、工場排水やヒ素を含む土壌の汚染水などであることもできる。なお、本発明の方法によってヒ素が除去された液体は、除去前よりもヒ素の含有量が減少されていればよく、必ずしも飲用水等として法律で定められた水質基準を満たすものでなくてもよい。
本発明の方法は、液体と次亜塩素酸塩を混合する工程を含む。次亜塩素酸塩は、当業者に一般的に認識されるとおり、次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)、次亜塩素酸カリウム(KClO)および次亜塩素酸カルシウム(Ca(ClO))などの任意の次亜塩素酸の塩を含む。また、次亜塩素酸塩は、溶液の状態で混合することができる。次亜塩素酸塩は、市販の材料および当業者に周知の方法によって製造された材料を使用することができる。また、溶液は、水などの任意の溶液中のものであることができる。具体的には、次亜塩素酸塩は、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を使用することができる。また、次亜塩素酸カルシウムなどの固体を水に添加することにより、次亜塩素酸塩溶液を調製することができる。
本発明の方法において、次亜塩素酸塩溶液は、任意の濃度の溶液を使用することができる。たとえば、100mlの溶液からヒ素を除去して飲用水を生成する場合、溶液に10000ppmの次亜塩素酸ナトリウム溶液を数滴添加することにより、数ppm〜数十ppmの次亜塩素酸ナトリウム溶液となる。また、市販されている12%次亜塩素酸ナトリウム溶液を希釈して、1〜120000ppm以上の濃度、たとえば1、5、10、50、100、200、500、1000、10000および120000ppmで使用することができる。本発明の方法によれば、10000ppmといった従来の方法では製造することができない濃度の弱酸性次亜塩素酸を製造することができる。
次亜塩素酸塩溶液は、溶液中において、そのpHに応じて次亜塩素酸、塩素分子および次亜塩素酸イオンのいずれかとして存在している。一般に次亜塩素酸ナトリウム水溶液は、アルカリ性の溶液として製造される。次亜塩素酸ナトリウム水溶液は、一般的に殺菌水とて使用される濃度である50〜100ppmまで希釈すると、pHは、8.5〜9.5程度まで低下する。このpHでも次亜塩素酸ナトリウム溶液は、次亜塩素酸HClOおよび次亜塩素酸イオンHClO-が酸化作用を有し、液体中の3価ヒ素含有イオンを5価ヒ素含有イオンに酸化される。
次いで、本発明の方法は、上記次亜塩素酸塩と混合した溶液を弱酸性イオン交換体と接触させて溶液のpHを低下させる工程を含む。
本発明の方法は、pH4〜7以上の溶液をイオン交換することができる弱酸性イオン交換体を使用する。弱酸性イオン交換体は、たとえばカルボン酸基(-COOH)を交換基として持つイオン交換体であることができる。また、弱酸性イオン交換体は、NaOHなどの塩基およびNaHCO3のような弱酸の塩を交換することができる。本発明の方法において、弱酸性イオン交換体は、当業者に公知の任意の弱酸性イオン交換体を使用することができる。弱酸性イオン交換体は、メタクリル酸系弱酸性陽イオン交換樹脂およびアクリル酸系弱酸性陽イオン交換樹脂などの弱酸性イオン交換樹脂であることができる。たとえば、アンバーライトIRC-76(オルガノ株式会社)およびアクリル系ダイヤイオン(登録商標)WK40L(三菱化学株式会社)などの当業者に公知の弱酸性イオン交換樹脂であることができる。また、弱酸性イオン交換樹脂の他にも、セラミックおよび天然の鉱石など、イオン交換作用およびpH緩衝作用を有する任意の材料を弱酸性イオン交換体使用することができる。
また、本発明に使用される弱酸性イオン交換体は、たとえば弱酸性〜中性の範囲、pHが約3.5〜7.5の値の範囲、特に4.0〜7.0の値の範囲で緩衝作用を持つ。したがって、本発明の方法によれば、弱酸性イオン交換体で処理した後の溶液のpHは、pH3.5〜7.5、たとえばpH4.0〜6.5の範囲である。
また、本発明の方法において、弱酸性イオン交換体は、任意の量で使用することができる。当業者であれば、液体中に含まれるヒ素の濃度および量などに応じて、弱酸性イオン交換体の量を調節することができるであろう。しかし、本発明の方法は、過剰量の弱酸性イオン交換体を使用しても、通過後の液体のpHが低くなりすぎることはない。したがって、本発明の方法は、液体中に含まれるヒ素の濃度および量などに応じて弱酸性イオン交換体の量を調節することなく、過剰量を使用することができる。
上記のとおり、本発明の方法では、過剰量の弱酸性イオン交換体を使用してもpHを一定に維持することができる。したがって、本発明の方法において液体のpHを低下させた後に、pHが低くなりすぎることはない。したがって、特に飲料水のヒ素を除去する際に、ヒ素を酸化することができる一方、味覚を損なうことなく弱酸性のpHに維持することができる。
一方、弱酸性陽イオン交換樹脂の各種イオンに対する吸着の強さは、一般に価数が高いイオン程選択性が大きくなるが、特にHイオンに対する選択性が非常に大きいのが特徴である。このため、Hイオンが他の陽イオンで交換された後、塩酸または硫酸水溶液などの薬剤を使用して容易にR-COOHの形に戻すことができる。このため、繰り返し使用する時の再生が容易であり、理論化学当量より僅かに多い程度の薬剤量で再生が可能となる。
本発明の方法において、液体と弱酸性イオン交換体との接触は、任意の方法で行うことができる。たとえば、弱酸性イオン交換体が充填された容器に、液体を通過させることによって接触させことができる。たとえば、弱酸性イオン交換体が充填されたカラムの一方から他方へ液体を通過させることができる。本発明の方法によれば、弱酸性イオン交換体を含む容器に液体を通過させるだけで、液体のpHを低下させることができる。また、接触後、直ちにイオン交換体から分離されることにより、生成した次亜塩素酸がイオン交換体と反応することがないため、pH低下によって生成した次亜塩素酸の分解を抑制することができる。
また、弱酸性イオン交換体は、不織布などの液体透過性の袋に充填しておくことができる。これにより、カラムなどの容器内の袋を入れ替えるだけで、容易に弱酸性イオン交換体を交換することができる。
上記のように、ヒ素を含有する溶液のpHを弱酸性に低下させることにより、より協力に液体中の3価ヒ素含有イオンを5価ヒ素含有イオンに酸化される。HOClとOCl-の標準還元電位(EO)は、それぞれ1.48Vと0.81Vある。
また、上記のように、溶液のpHを弱酸性に低下させることにより、溶液における次亜塩素酸の存在率を高めることができ、したがって溶液の殺菌力を高めることができる。
本発明の方法は、液体と弱酸性イオン交換体との接触によってヒ素を酸化した後、酸化された液体からヒ素を除去する工程を含む。ヒ素の除去は、当業者に公知の任意の手段を使用することができる。たとえば、ヒ素は、活性アルミナ、鉄酸化物系の吸着濾過剤、マンガン酸化物、水酸化セリウム、その他のイオン交換樹脂およびキレート樹脂などのヒ素吸着剤に吸着させることによって除去することができる。たとえば、活性アルミナ(Al2O3)としてKHD-12およびKHD-12 SRなどのKHシリーズ(住友化学株式会社)および水酸化セリウムとしてREAD-As(株式会社日本海水)などをヒ素吸着剤として使用することができる。
吸着剤へのヒ素の吸着は、任意の方法で行うことができる。たとえば、吸着剤が充填された容器に、液体を通過させることによって接触させことができる。たとえば、吸着剤が充填されたカラムの一方から他方へ液体を通過させることができる。本発明の方法によれば、吸着剤を含む容器に液体を通過させるだけで、pH調整された液体のヒ素を容易に吸着することができる。また、吸着剤は、不織布などの液体透過性の袋に充填しておくことができる。これにより、カラムなどの容器内の袋を入れ替えるだけで、容易に吸着剤を交換することができる。
また、一つの態様において、上記の弱酸性イオン交換体との接触およびその後の吸着剤へのヒ素の吸着は、連続して行うことができる。たとえば、弱酸性イオン交換体が充填されたカラムと吸着剤が充填されたカラムを接続された一連のカラムを使用することができる。接続されたカラムを使用することにより、このカラムを通過させるだけで液体中のヒ素を酸化させることができ、ヒ素を吸着することができる。
特に、本発明の方法では、3価のヒ素が5価に酸化されていると共に、ヒ素を含む溶液のpHが約5〜7程度に低下され、ヒ素吸着剤に適したpH範囲となる。したがって、本発明の方法は、活性アルミナなどのヒ素吸着剤において問題とされている3価ヒ素の酸化およびpHの調節を簡便かつ迅速に行うことができる。さらに、生成した次亜塩素酸溶液は、次亜塩素酸の存在率が高いpH範囲となるため、同時に殺菌効果の高い溶液を生成することができる。
また、一つの態様において、液体と弱酸性イオン交換体との接触および吸着剤への吸着は、同一の容器内で行うこともできる。たとえば、弱酸性イオン交換体と吸着剤を混合してカラムに充填することができる。この混合物のカラムに液体を通過させることにより、カラムを通過させるだけで液体中のヒ素を酸化させることができ、ヒ素を吸着することができる。また、弱酸性イオン交換体と吸着剤との混合物を充填することにより、カラムを別々に準備する必要がなくなる。したがって、より簡易に本発明の方法を実施することができる。
次に、本発明の溶液からヒ素を除去する装置について、詳細に説明する。本発明の溶液からヒ素を除去する装置は、液体と次亜塩素酸塩を混合した溶液のpHを低下させるための、弱酸性イオン交換体を含むpH低下容器と、液体からヒ素を除去するための、ヒ素除去剤を含む除去用容器とを備える。
本発明の装置は、弱酸性イオン交換体が充填されたカラムなどのイオン交換体充填容器をpH低下容器として備える。弱酸性イオン交換体は、上記のとおりの材料を使用することができる。イオン交換体充填容器を通過した次亜塩素酸塩溶液は、弱酸性イオン交換体と反応して液体のpHを低下することができる。
次いで、pH低下容器は、ヒ素除去剤を含む除去用容器に接続される。ヒ素除去剤は、上記のとおりの材料を使用することができる。pHが低下された液体が除去用容器中のヒ素除去剤と接触することにより、ヒ素を除去することができる。
本発明の装置は、たとえば以下のように使用する。まず、液体中の3価ヒ素含有イオンを5価ヒ素含有イオンに酸化するために、上記の通りの次亜塩素酸塩を溶液に添加する。たとえば、100mlの溶液からヒ素を除去して飲用水を生成する場合、溶液に10000ppmの次亜塩素酸ナトリウム溶液を数滴添加することにより、数ppm〜数十ppmの次亜塩素酸ナトリウム溶液となる。この溶液をpH低下容器に導入する。導入された次亜塩素酸塩溶液は、そのpHが、ヒ素除去剤の吸着に適したpHであるpH5〜7に低下される。続いて、溶液が除去用容器に導入される。除去用容器に導入された溶液は、ヒ素がヒ素吸着剤に吸着され、ヒ素が除去された溶液が生成される。
また、本発明の装置は、貯留容器をさらに備えていてもよい。たとえば、貯留容器において、液体と次亜塩素酸塩を混合しておく。この次亜塩素酸塩溶液を弱酸性イオン交換体が充填されたイオン交換体充填容器に接続しておき、貯留容器からイオン交換体充填容器へ溶液が導入される。また、貯留容器は、イオン交換体充填容器へ溶液を導入するためのポンプをさらに備え、ポンプを介してイオン交換体充填容器に接続してもよい。
また、一つの態様において、イオン交換体とヒ素除去剤とは、混合して使用することができる。この場合、pH低下容器と除去用容器とは別々の容器にする必要はなく、単一の容器にイオン交換体とヒ素除去剤との混合物を充填するだけでよい。この混合物に液体を通過させることにより、このカラムを通過させるだけで液体中のヒ素を酸化させることができ、ヒ素を吸着することができる。
材料および方法 実施例1では、液体として、試薬ヒ素を蒸留水に添加して0.5ppmのヒ素濃度となるように原水を作製した。
実施例2および3では、ヒ素標準液1000ppm(Merck Millipore)を蒸留水に添加して0.25ppmに希釈した。この溶液に亜ヒ酸ナトリウム水溶液6500ppm(Merck Millipore)を蒸留水に添加して0.25ppmにした。理論上は合計で0.5ppmのヒ素標準液+亜ヒ酸ナトリウム水溶液を含む原水を作製した。
実施例4では、ミャンマーで採取した地下水を原水として使用した。これらの地下水は、3価および5価のヒ素を含有することが分かっている。地下水は、0.03ppmのヒ素を含有した。
弱酸性イオン交換体として、アクリル系ダイヤイオン(登録商標)WK40L(三菱化学株式会社)を使用した。ヒ素吸着剤として、READ-As(株式会社日本海水)を使用した。活性アルミナとして、市販の活性アルミナを使用した。
ヒ素の含有量の測定は、エムクァント(商標)ヒ素テスト(Merck Millipore)およびヒ素メルコクァントヒ素テスト(超高感度タイプ)(Merck Millipore)を使用した。pHの測定は、pH ポータブル水質計P-30(東亜DKK)を使用した。次亜塩素酸の測定は、ハンディ水質計“アクアブ”AQ-202型(柴田)を使用した。
実施例1 本発明の方法によるヒ素の除去効果の確認 本実施例では、試薬ヒ素を蒸留水に添加して0.5ppmのヒ素濃度となるように作製した原水からのヒ素除去を確認した。ヒ素吸着剤2ml+弱酸性イオン交換体20mlを充填したカラム、活性アルミナ2ml+弱酸性イオン交換体20mlを作製した。一方、弱酸性イオン交換体20mlを充填しただけのカラムも作製した。
結果 原水のヒ素含有量を測定すると、0.5ppmであった。一方、原水を弱酸性イオン交換体20ml+ヒ素吸着剤2mlを充填したカラムに通した液体のヒ素含有量を測定すると、0.05ppmであった。ヒ素溶液を弱酸性イオン交換体で処理することにより、pHが低下してヒ素吸着の効果が高まることがわかる。本発明のヒ素除去方法により、非常に効率よくヒ素を除去することができた。
一方、弱酸性イオン交換体のみを充填したカラムに通した液体のヒ素含有量を測定すると、0.25ppmであった。弱酸性イオン交換体によってpHを低下させるだけでも、弱酸性イオン交換体にヒ素を吸着させることができた。
実施例2 本発明の方法による亜ヒ酸およびヒ素の活性アルミナによる除去効果の確認 本実施例では、試薬亜ヒ酸およびヒ素を蒸留水に添加して、それぞれを0.25ppm(合計0.5ppm)の濃度で含むように混合した原水からのヒ素除去を確認した。
上記原水を、活性アルミナ250mlを充填したカラムおよび弱酸性イオン交換体500mlを充填したカラムを通した際のヒ素除去を確認した。
以下の処理をした後のヒ素濃度およびpHを測定した。1.原水を無処理。2.原水を活性アルミナカラム通過。3.原水を弱酸性イオン交換体カラム通過。4.原水を弱酸性イオン交換体カラム通過、次いで活性アルミナカラム通過。
結果を以下に示す。
Figure 2016076335
ヒ素濃度0.4ppmの原水(ヒ素と亜ヒ酸等量混合物)は、pH7.9では活性アルミナを通してもヒ素濃度とpHに変化が見られなかった(結果2)。弱酸性イオン交換体を通過するとpHがpH6.5に低下したが、ヒ素濃度は変化しなかった(結果3)。さらに活性アルミナを通過することでヒ素濃度が0.1ppmまで低下した(結果4)。 活性アルミナへのヒ素の吸着は、弱酸性領域において吸着率の高いことが知られている。弱酸性イオン交換体によって原水のpHを低下させることにより、大きな吸着力を得られる事がわかった。様々な条件の下で原水を弱酸性域とすることは、現場においては大変困難となる。弱酸性イオン交換体を通過するだけでpHを容易に弱酸性にすることができ、活性アルミナのヒ素吸着率を格段に向上させることができた。
実施例3 本発明の方法による亜ヒ酸およびヒ素の活性アルミナおよび次亜塩素酸による除去効果の確認 本実施例では、試薬亜ヒ酸およびヒ素を蒸留水に添加して、それぞれを0.25ppm(合計0.5ppm)の濃度で含むように混合した原水からのヒ素除去を確認した。また、次亜塩素酸ナトリウムは、このヒ素を含有する原水に50ppmの終濃度となるように添加した。
以下の処理をした後のヒ素濃度およびpHを測定した。1.原水を無処理。2.原水を活性アルミナカラム通過。3.原水に次亜塩素酸ナトリウム5ppmを添加。4.原水に次亜塩素酸ナトリウム5ppmを添加、次いで弱酸性イオン交換体カラム通過。5.原水に次亜塩素酸ナトリウム5ppmを添加、次いで原水を弱酸性イオン交換体カラム通過、次いで活性アルミナカラム通過。
結果を以下に示す。
Figure 2016076335
次亜塩素酸ナトリウムを添加すると、一旦原水のpHが高くなる。原水に次亜塩素酸ナトリウムを添加後に弱酸性イオン交換体を通過させると、pHは6.5まで低下した。この溶液をさらに活性アルミナを通過させると、溶液中のヒ素濃度は、0.05ppmまで低下した。亜砒酸は、ヒ素と比較して活性アルミナへの吸着が悪いことが知られている。次亜塩素酸ナトリウム添加により、亜ヒ酸が酸化されて容易にヒ素となる。さらに、弱酸性イオン交換体を通過させることにより、溶液のpHを飲用にも適したpHまで低下させることができると共に、活性アルミナへの吸着率がされる。
実施例4 ヒ素を含有するミャンマーの水からのヒ素の除去効果の確認
本実施例では、ミャンマーで採取した地下水を原水として使用した。ヒ素吸着剤2ml+弱酸性イオン交換体20mlを充填したカラム、活性アルミナ2ml+弱酸性イオン交換体20mlを作製した。一方、弱酸性イオン交換体20mlを充填しただけのカラムも作製した。
結果
原水として地下水1のヒ素含有量を測定すると、0.03ppmであった。一方、ミャンマーの地下水を弱酸性イオン交換体20ml+ヒ素吸着剤2mlを充填したカラムに通した液体のヒ素含有量を測定すると、検出限界以下であった。本発明のヒ素除去方法により、非常に効率よくヒ素を除去することができた。
また、原水および本発明の方法で処理した原水のそれぞれ50μlを寒天版に播種し、37℃にて22時間培養した。本発明の方法で処理した原水は、全く細菌が増殖しなかったが、処理していない原水は、細菌が増殖していた。
本発明であれば、原水を簡易かつ迅速にヒ素を除去することができ、かつ弱酸性の次亜塩素酸溶液を生成することができるため、有用な浄水装置として利用することができる。

Claims (3)

  1. ヒ素を含有する液体からヒ素を除去する方法であって、
    前記液体と次亜塩素酸塩を混合する工程と、
    前記混合溶液を弱酸性イオン交換体と接触させて、前記溶液のpHを低下させる工程と、
    前記pHが低下した溶液をヒ素吸着剤と接触させて、前記液体からヒ素を除去する工程と、
    を含む方法。
  2. 前記ヒ素吸着剤は、活性アルミナである、請求項1に記載の方法。
  3. 次亜塩素酸塩ヒ素を含有する溶液からヒ素を除去する装置であって、
    前記液体と次亜塩素酸塩を混合した溶液のpHを低下させるための、弱酸性イオン交換体を含むpH低下容器と、
    前記液体からヒ素を除去するための、ヒ素除去剤を含む除去用容器と、
    を備える装置。
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