JPWO2016063725A1 - データ処理装置、x線ct装置、及びリファレンス補正方法 - Google Patents

データ処理装置、x線ct装置、及びリファレンス補正方法 Download PDF

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Abstract

大部分の計測ビューにおいて被検体がリファレンスチャンネルにはみ出した場合においても精度の高いリファレンス補正を行うことが可能なデータ処理装置等を提供するために、X線CT装置の画像処理装置(データ処理装置)は、エアキャリブレーション時に計測したリファレンス値の単位管電流あたりの値である単位エアキャルリファレンス値を算出しておき、本撮影における出力管電流値と単位エアキャルリファレンス値とから本撮影のX線条件相当のリファレンス値(推定リファレンス値)を求め、また本撮影における計測リファレンス値を推定リファレンス値で規格化した規格化リファレンスデータが許容誤差範囲内に収まるように補正し、はみ出しの影響を除去する。

Description

本発明は、データ処理装置、X線CT装置、及びリファレンス補正方法に係り、詳細には、X線CT装置により得た計測データのリファレンス補正に関する。
X線CT装置は、被検体の周囲からX線を照射し、被検体を透過したX線の強度に関するデータをX線検出器にて収集し、収集したデータに基づいて、被検体内部のX線吸収係数の分布情報を画像化する装置である。X線CT装置のX線源から放射されるX線は、その強度や線質(スペクトル分布)が時間的に変動する。その補償のため、X線検出器にて計測したデータについてリファレンス補正が行なわれている。
リファレンス補正では、一般に、X線検出器の両端の1〜複数の検出素子チャネルを校正用検出素子(以下、リファレンス検出器という)として用い、このリファレンス検出器で被検体を透過しないX線を直接検出する。X線CT装置の画像処理装置(データ処理装置)は、リファレンス検出器で検出したX線強度を基準に、その他のチャネルで得たX線強度レベルを校正し、校正後の信号を用いて断層像等の画像生成を行っている。
しかしながら、被検体の体格が大きい場合や、被検体をスキャナの回転中心からずらして配置した場合等、リファレンス検出器に入射するX線が被検体によって遮られ、正常なリファレンス信号を得られないことがある。このような被検体のはみ出しによる不具合を解決するため、両端のリファレンス検出器から得られる信号を所定の閾値と比較し、信号強度の大小でリファレンス検出器が遮られているか否かを判定する。一方が遮られている場合には、他方のリファレンス検出器の信号のみをリファレンス補正用データとして用い、アーチファクトの顕在化を抑制している。
また特許文献1には、各計測ビューで両側のリファレンス検出器の各々の出力データをモニタリングし、演算対象としているビューの前ビューまでの最大信号値を保持しておき、出力データが所定の閾値を下回った場合は「はみ出しあり」と判定し、はみ出しが生じる前のビューまでの最大信号値ではみ出しのあった計測データを置換する方法が開示されている。この方法によれば、両側のリファレンスチャネルが遮られてしまった場合でも、リファレンス補正が適度になされる。
ところで、近年はメタボリックシンドロームに代表されるように比較的大柄の被検体を撮影することが珍しくない。また、被検体を寝台に乗せたまま左右方向に移動可能な寝台もあり、寝台自体がFOV(Field Of View)からはみ出すこともある。こうした背景から、スキャン中のほとんどの計測ビューにおいてはみ出しが生じている場合においても精度よくはみ出しの補正を行うことが必要とされている。また、リファレンス補正の精度を向上するためには、本撮影時のリアルタイムなX線出力変動成分を用いて補正を行うことが望ましい。
特開2003-144427号公報
しかしながら、上述の特許文献1の方法では、はみ出しが生じたビューの前ビューまでの計測値を利用するため、スキャン開始直後からはみ出しが生じた場合に補正ができず、また、はみ出していない計測ビューのデータに置換するため、リアルタイムなX線出力変動成分で正規化していないこととなる。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすることは、大部分の計測ビューにおいて被検体がリファレンスチャンネルにはみ出した場合においても精度の高いリファレンス補正を行うことが可能なデータ処理装置、X線CT装置、及びリファレンス補正方法を提供することである。
前述した目的を達成するために第1の発明は、エアキャリブレーション時に計測したリファレンスデータであるエアキャルリファレンス値の単位管電流あたりの値である単位エアキャルリファレンス値を算出する単位エアキャルリファレンス値算出部と、本撮影における出力管電流値を取得する管電流値取得部と、前記単位エアキャルリファレンス値と前記本撮影における出力管電流値に基づいて、本撮影におけるX線条件相当のリファレンス値である推定リファレンス値を算出する推定リファレンス値算出部と、前記本撮影において計測したリファレンス値である計測リファレンス値を、前記推定リファレンス値で規格化し、規格化リファレンスデータを算出する規格化部と、前記規格化リファレンスデータが許容誤差範囲内に収まるように補正する補正処理部と、補正後の前記規格化リファレンスデータを前記推定リファレンス値で逆規格化することにより修正リファレンスデータを得る逆規格化部と、本撮影において計測された計測データを取得し、前記修正リファレンスデータを用いてリファレンス補正するリファレンス補正部と、を備えることを特徴とするデータ処理装置である。
第2の発明は、第1の発明のデータ処理装置を備えたX線CT装置である。
第3の発明は、データ処理装置が、エアキャリブレーション時に計測したリファレンスデータであるエアキャルリファレンス値の単位管電流あたりの値である単位エアキャルリファレンス値を算出するステップと、本撮影における出力管電流値を取得するステップと、前記単位エアキャルリファレンス値と前記本撮影における出力管電流値に基づいて、本撮影におけるX線条件相当のリファレンス値である推定リファレンス値を算出するステップと、前記本撮影において計測したリファレンス値である計測リファレンス値を、前記推定リファレンス値で規格化し、規格化リファレンスデータを算出するステップと、前記規格化リファレンスデータが許容誤差範囲内に収まるように補正するステップと、補正後の前記規格化リファレンスデータを前記推定リファレンス値で逆規格化することにより修正リファレンスデータを得るステップと、本撮影において計測された計測データを取得し、前記修正リファレンスデータを用いてリファレンス補正するステップと、を含むことを特徴とするリファレンス補正方法である。
第4の発明は、エアキャリブレーション時に計測したリファレンスデータであるエアキャルリファレンス値の単位管電流あたりの値である単位エアキャルリファレンス値を算出する単位エアキャルリファレンス値算出部と、本撮影における出力管電流値を取得する管電流値取得部と、前記単位エアキャルリファレンス値と前記本撮影における出力管電流値に基づいて、本撮影におけるX線条件相当のリファレンス値である推定リファレンス値を算出する推定リファレンス値算出部と、本撮影において計測された計測データを取得し、前記推定リファレンス値を用いてリファレンス補正するリファレンス補正部と、を備えることを特徴とするデータ処理装置である。
本発明により、大部分の計測ビューにおいて被検体がリファレンスチャンネルにはみ出した場合においても精度の高いリファレンス補正を行うことが可能なデータ処理装置、X線CT装置、及びリファレンス補正方法を提供できる。
X線CT装置1の全体構成図 リファレンンス検出器に入射するX線について説明する図 リファレンンス検出器に入射するX線と被検体のはみ出しについて説明する図。(a)被検体が大きい場合、(b)X線検出器のチャンネル数が少ない場合 投影データプロファイルの例を示す図。(a)はみ出しが無い場合、(b)片側はみ出しの場合、(c)両側はみ出しの場合 投影データ生成処理の全体の処理手順を示すフローチャート 修正リファレンスデータ算出処理の手順を示すフローチャート 図6に示す修正リファレンスデータ算出処理の各段階におけるデータプロファイルを示す図 修正リファレンスデータ算出処理の手順を示すフローチャート 図8に示す修正リファレンスデータ算出処理の各段階におけるデータプロファイルを示す図
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
まず、本発明に係るX線CT装置1について説明する。
図1は、X線CT装置1の全体構成を示す図である。図1に示すように、X線CT装置1は、スキャンガントリ部100、寝台105、及び操作卓120を備える。スキャンガントリ部100は、被検体に対してX線を照射するとともに被検体を透過したX線を検出する装置である。操作卓120は、スキャンガントリ部100の各部を制御するとともにスキャンガントリ部100で計測した透過X線データ(計測データ)を取得し、計測データから被検体断層像等の画像の生成を行う装置である。寝台105は、被検体を寝載し、スキャンガントリ部100のX線照射範囲に被検体を搬入・搬出する装置である。
スキャンガントリ部100は、X線源101、回転盤102、コリメータ103、X線検出器106、リファレンス検出器107L、107R、データ収集装置108、ガントリ制御装置109、寝台制御装置110、X線制御装置111、管電流計測装置112、及び高電圧発生装置113を備える。
操作卓120は、入力装置121、画像処理装置122、記憶装置123、システム制御装置124、及び表示装置125を備える。
スキャンガントリ部100の回転盤102には開口部104が設けられ、開口部104を介してX線源101とX線検出器106とが対向配置される。開口部104には寝台105に寝載された被検体が挿入される。回転盤102は、回転盤駆動装置から駆動伝達系を通じて伝達される駆動力によって被検体の周囲を回転する。回転盤駆動装置はガントリ制御装置109によって制御される。
X線制御装置111は、操作卓120のシステム制御装置124により決定されたX線管電圧値、X線管電流値に基づく制御信号を高電圧発生装置113に送る。高電圧発生装置113は、X線制御装置111から入力された制御信号に従ってX線管電圧、X線管電流をX線源101に対して印加、供給する。X線源101は、X線管電圧及びX線管電流に応じた強度のX線を連続的または断続的に照射する。
本実施の形態では、図1に示すように、X線制御装置111から出力される信号を監視する管電流計測装置112を設ける。管電流計測装置112はエアキャリブレーション時や本撮影時に実際にX線源101(X線管)に供給されるX線管電流値を計測する。管電流計測装置112により計測されたX線管電流値は、システム制御装置124に通知される。
X線源101のX線照射口にはコリメータ103が設けられる。コリメータ103は、X線管101から放射されたX線の照射範囲を制限する装置であり、例えばコーンビーム(円錐形または角錐形ビーム)等に成形する。コリメータ103の開口幅はシステム制御装置124により制御される。
X線源101から照射されたX線は、被検体を透過してX線検出器106に入射する。
或いは、被検体を透過せずに、空気のみを透過してX線検出器106に入射する。
X線検出器106は、X線源101に対向するように配置され、入射したX線量を検出し、データ収集装置108に出力する。X線検出器106は例えばシンチレータとフォトダイオードの組み合わせによって構成されるX線検出素子群をチャンネル方向(周回方向)及び列方向(体軸方向)に2次元配列したものである。X線検出器106の両端に位置する1または複数のチャンネルは、リファレンス補正に使用されるリファレンスデータを取得するためのチャンネルとする。
以下、リファレンスデータ取得用のチャンネルをリファレンス検出器と呼び、右側のリファレンス検出器は107R、左側のリファレンス検出器は107Lの符号を付すこととする。左右のリファレンス検出器107L、107Rを区別する必要がない場合は107の符号を付すこととする。リファレンス検出器107は、エアキャリブレーション時、及び本撮影において被検体の周囲を周回中にリファレンスデータを計測し、データ収集装置108に出力する。
データ収集装置108は、X線検出器106の個々のX線検出素子により検出されるX線量に応じた電気信号(電流)を所定のサンプリング間隔で収集し、プリアンプで増幅し、A/Dコンバータでデジタル信号に変換し、X線減弱データとして操作卓120の画像処理装置122に順次出力する。両端のリファレンス検出器107により得たリファレンスデータも同様に、所定のサンプリング間隔で収集し、デジタル信号に変換し、X線減弱データとして操作卓120の画像処理装置122に順次出力する。
画像処理装置(データ処理装置)122は、データ収集装置108から入力されたX線減弱データを取得し、X線減弱データに対して所定の前処理を行うことで画像の再構成に必要な投影データを生成する。前処理には、リファレンス補正処理、対数変換、キャリブレーション等が含まれる。リファレンス補正処理は、X線減弱データを対数変換した後に行ってもよいし、対数変換前に行ってもよい。本明細書では、第1の実施の形態で対数変換後のリファレンス補正処理について説明し、第2の実施の形態で対数変換前のリファレンス補正処理について説明する。
ここで、図2、図3を参照しながらリファレンス補正について説明する。
リファレンス補正は、X線出力の変動を補正するものである。このリファレンス補正では、リファレンス検出器107により得た空気のみを通過したX線減弱データを用いてリファレンス検出器以外の検出器チャンネルにおける計測データ(X線減弱データ)を正規化することで、X線出力変動の補償と、検出器チャンネルの出力レベルの校正が施される。
補正対象をX線減弱データ(対数変換前の計測データ)とする場合は、以下の式(1)に示すように、計測データから対数変換前のリファレンスデータ(リファレンス減弱データ)を除算することにより正規化される。また、補正対象を投影データ(対数変換後の計測データ)とする場合は、以下の式(2)に示すように、投影データから対数変換後のリファレンスデータ(リファレンス投影データ)を減算することにより正規化される。
Figure 2016063725
図2は、一般的なリファレンス検出器107の配置を示す図である。リファレンス補正に使用するリファレンスデータは、被検体3を透過しないX線減弱データとする必要がある。したがって、例えば図2に示すように、X線検出器106の両端部に位置する1または複数のチャンネルをリファレンス検出器107L、107Rとする。リファレンス検出器107では、空気(エアー)のみを通過したX線量を検出する。なお、X線源と被検体との間にはボウタイフィルタなどのX線フィルタが配置されることがあるが、ここでは説明を簡単にするため、エアキャルにて補正されることから、空気のみを通過として、無視して説明する。
図3(a)に示すように被検体3が非常に大きい場合や、図3(b)に示すように被検体3はさほど大きくないが、X線検出器106のチャンネル数が少なくFOV(Field Of View;視野範囲)が小さい装置の場合は、リファレンス検出器107に被検体3を通過したX線が入射してしまう。これを「はみ出し」と呼ぶ。はみ出しが生じた状態で得たリファレンスデータを用いてリファレンス補正を行うと、被検体3の投影値が正しく算出されず、結果として被検体3のCT値が異常となってしまう。
図4は、はみ出しの有無に応じたリファレンス補正後投影データについて説明する図である。
図4(a)に示すように、はみ出しがない状態で得たリファレンスデータを用いてリファレンス補正を行った場合は、プロファイル41に示すように、空気部分の投影値が「0」となるように被検体3の投影値が補正され、正しいリファレンス補正後投影データが得られる。しかし、図4(b)や図4(c)に示すようにはみ出しがある状態で得たリファレンスデータによりリファレンス補正を行うと、リファレンス補正後投影データは、プロファイル42、44に示すように、本来の投影高さよりも低く算出されてしまう。
そこで、本発明に係るX線CT装置1(画像処理装置122)は、後述する修正リファレンスデータ生成処理を行って、はみ出しの影響を除いた修正リファレンスデータを生成し、修正リファレンスデータを用いたリファレンス補正を行う。修正リファレンスデータ生成処理の詳細については、後述する。
画像処理装置122は、X線減弱データに対して対数変換、リファレンス補正、キャリブレーション等の前処理を施して投影データを生成し、生成した投影データを用いて断層像等の被検体画像を再構成する。システム制御装置124は、画像処理装置122によって再構成された被検体画像データを記憶装置123に記憶するとともに、表示装置125に表示する。なお、画像処理装置122は、データ収集装置108から入力されたX線減弱データを記憶装置123に保存し、撮影時とは別の任意のタイミングで読み出して投影データ生成処理を行うものとしてもよい。
システム制御装置124は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read OnlyMemory)、RAM(Random Access Memory)等を備えたコンピュータである。記憶装置123はハードディスク等のデータ記録装置であり、X線CT装置1の機能を実現するためのプログラムやデータ等が予め記憶される。
表示装置125は、液晶パネル、CRTモニタ等のディスプレイ装置と、所定の表示データをディスプレイ装置に表示させるための表示制御回路とを有する。表示装置125は画像処理装置122から出力される被検体画像、並びにシステム制御装置124が取り扱う種々の情報を表示する。
入力装置121は、例えば、キーボード、マウス等のポインティングデバイス、テンキー、及び各種スイッチボタン等により構成され、操作者によって入力される各種の指示や情報をシステム制御装置124に出力する。操作者は、表示装置125及び入力装置121を使用して対話的にX線CT装置1を操作する。入力装置121は表示装置125の表示画面と一体的に構成されるタッチパネル式の入力装置としてもよい。
寝台105は、被検体3を寝載する天板、上下動装置、及び天板駆動装置を備え、寝台制御装置110の制御により天板高さを上下に昇降したり、体軸方向へ前後動したり、体軸と垂直方向かつ床面に対し平行な方向(左右方向)へ左右動する。撮影中において、寝台制御装置110はシステム制御装置124により決定された寝台移動速度及び移動方向で天板を移動させる。
次に、図5〜図7を参照して、X線CT装置1の動作について説明する。
X線CT装置1の画像処理装置122は、図5のフローチャートに示す手順で投影データを作成する。第1の実施の形態では、対数変換後の投影データを用いて修正リファレンスデータを算出し、リファレンス補正を行う手順について説明する。
X線CT装置1は本撮影に先立ち、まずエアキャリブレーションを行う(ステップS101)。エアキャリブレーションとは、被検体がない状態でエア撮影を行い、空気のみ、もしくは空気とボウタイフィルタやコリメータなどのX線フィルタを通過したX線のX線減弱データ(エアーデータ)を取得し、このエアーデータを用いて各検出素子の出力レベルを校正する処理である。システム制御装置124は、エア撮影時の出力管電流値(エア撮影管電流値)を管電流計測装置112により計測し、記憶装置123等に保持する(ステップS102)。エア撮影管電流値は全ビューにわたって計測される。
画像処理装置122は、エア撮影においてリファレンス検出器107で計測したX線減弱データを取得し、エアキャルリファレンス値として記憶装置123等に保持する(ステップS103)。
画像処理装置122は、ステップS102で記録したエア撮影管電流値とステップS103で記録したエアキャルリファレンス値を取得し、エアキャルリファレンス値をエア撮影管電流値でビュー毎に除算することにより、「単位管電流(1mA)当たりのリファレンス値(単位エアキャルリファレンス値)」を算出し、記憶装置123に保持する(ステップS104)。
図6(a)は、単位管電流当たりのリファレンス値(単位エアキャルリファレンス値)を示すグラフである。単位エアキャルリファレンス値は、検出器列毎に求められる。
次に、X線CT装置1は本撮影を行う(ステップS105)。本撮影において、システム制御装置124は最適なX線条件を決定し、X線制御装置110に通知する。システム制御装置124は、被検体3のサイズや臓器位置、撮影条件等に応じてビュー毎に最適なX線条件(管電流値、管電圧値)を算出することが望ましい。X線制御装置110は、システム制御装置124により決定された管電流値、管電圧値に従ってX線を照射する。
画像処理装置122は、本撮影においてX線検出器106により検出されたX線減弱データを取得する。画像処理装置122は、取得したX線減弱データを記憶装置123に保持する。システム制御装置124は、本撮影において管電流計測装置112により計測される出力管電流値(本撮影管電流値)を全ビューにわたって取得し、記憶装置123に記録する(ステップS106)。
なお、画像処理装置122は、計測した本撮影管電流値に含まれるノイズを低減しておくことが望ましい。具体的なノイズ低減方法としては、例えば本撮影管電流値をビュー毎に記録した本撮影管電流曲線(図6(b)参照)を作成し、作成した本撮影管電流曲線に対してビュー方向に移動平均フィルタやメディアンフィルタ等のノイズフィルタ処理を施す。本撮影管電流値のノイズを低減しておくことにより、リファレンス補正における最終的な補正精度を向上できる。図6(b)はステップS106で得た本撮影管電流値を示す曲線(本撮影管電流曲線)であり、図6(c)はノイズを低減した本撮影管電流値を示す曲線である。
画像処理装置122は、本撮影においてリファレンス検出器107で計測したX線減弱データを取得し、対数変換を行い、本撮影リファレンス値として記憶装置123等に保持する(ステップS107)。この本撮影リファレンス値は、両端のリファレンス検出器107L、107Rについてそれぞれ計測されて保持される。
次に、画像処理装置122は、本撮影時のリファレンス値を修正する修正リファレンスデータ算出処理を実行する(ステップS108)。
図7は修正リファレンスデータ算出処理の手順を示すフローチャートである。
画像処理装置122は、まず「推定リファレンス値」を算出する(ステップS201)。
推定リファレンス値は、エアキャリブレーション時に求めた「単位管電流あたりのリファレンス値(単位エアキャルリファレンス値)」(図6(a))と、上述の「本撮影管電流値」(図6(c))とを掛け合わせ、対数変換することで求められる。すなわち、以下の式(3)により推定リファレンス値が求められる。
Figure 2016063725
推定リファレンス値とは、エアキャル時(被検体のない状態)に計測した単位エアキャルリファレンス値を本撮影のX線条件(本撮影管電流値)で換算した値となる。図6(d)は、推定リファレンス値のビュー方向変化を示すグラフである。推定リファレンス値は列毎に求められる。
次に、画像処理装置122は、ステップS201で求めた推定リファレンス値をビュー方向に積分し、その積分値で、推定リファレンス値を除算することにより、規格化する(ステップS202)。規格化された推定リファレンス値を「単位推定リファレンス値」と呼ぶこととする。ここで言う積分は平均でもよく、規格化対象となるビュー位置の近傍データを用いた移動平均でもよい。
次に、画像処理装置122は、計測リファレンス値を算出する(ステップS203)。
計測リファレンス値は、本撮影において両側のリファレンス検出器107L、107Rにより計測された本撮影リファレンス値(ステップS107)に基づいて求められる値である。
計測リファレンス値の算出方法としては、以下の(A)〜(D)の方法等が考えられる。
(A)両端のリファレンス検出器107L、107Rの計測値の平均値(ビュー毎の平均値)を算出し、算出した平均値を計測リファレンス値とする方法。
(B)両端のリファレンス検出器107L、107Rの計測値の差を用いてビュー毎に被検体はみ出しの判定を行い、いずれか一方で被検体3がはみ出している場合に、はみ出しのない側の計測値を計測リファレンス値とする方法。
(C)前述の(A)または(B)の方法等で算出した計測リファレンス値と前ビューの計測リファレンス値との差から被検体はみ出しの判定を行い、前ビューの計測リファレンス値との差が大きく、前ビューより値が大きい場合には被検体3が両側はみ出していると判断して、前ビューのリファレンス値を計測リファレンス値とする方法。
(D)前述の(A)または(B)の方法等で算出した計測リファレンス値と前ビューの計測リファレンス値との差から被検体はみ出しの判定を行い、前ビューの計測リファレンス値との差が大きく、前ビューより値が大きい場合には被検体3が両側はみ出していると判断して、ステップS201で算出した推定リファレンス値を計測リファレンス補正値とする方法。
なお、計測リファレンス値は上述の(A)〜(D)の方法で求められるものに限定されず、どのような方法で求めてもよい。上述の方法では、検出器両端部において、両端の投影値や前後のビューの投影値と比較を行うために事前に設定した左右比較用の閾値Th_LRや前後比較用の閾値Th_FEを用いる。これらの閾値Th_LR、Th_FEは、投影データ上のノイズによる投影値変化とはみ出しに起因した投影値変化とを区別する役割がある。そのため、例えば片側に被検体はみ出しがあるが、検出器両端の投影値の差が上述の閾値よりも小さい場合には被検体はみ出しの影響が誤差として残る。
図6(e)は計測リファレンス値のビュー方向変化を表す曲線(計測リファレンスデータ)を示している。計測リファレンスデータは列毎に記録される。
画像処理装置122は、ステップS203で求めた計測リファレンス値をビュー方向に積分し、その積分値で計測リファレンス値を除算することにより、単位計測リファレンス値を算出する(ステップS204)。ここで言う積分は平均でもよく、規格化対象となるビュー位置の近傍データを用いた移動平均でもよい。
次に、画像処理装置122は、ステップS204で求めた単位計測リファレンス値をステップS202で求めた単位推定リファレンス値で規格化する(ステップS205)。具体的には、画像処理装置122は、単位計測リファレンス値を単位推定リファレンス値で除算することにより規格化リファレンスデータを算出する。
規格化リファレンスデータを算出する際、上述したようにビュー方向積分値により除算した単位計測リファレンス値や単位推定リファレンス値を用いることで、エア撮影時と本撮影時のX線管の焦点位置の違いに起因した半影効果の影響を低減できる。
規格化リファレンスデータは、図6(f)に示すように、被検体はみ出しがない場合には「1」に近い値となり、被検体はみ出しがある場合は「1」から大きく外れた値となる。
次に画像処理装置122は、規格化リファレンスデータに対してはみ出し補正処理を行う(ステップS206)。すなわち、規格化リファレンスデータに対して事前に設定した基準範囲(上限閾値thmax、下限閾値thmin)を用いて閾値判定し、上限閾値thmax以上の値、及び下限閾値thmin以下の値を基準範囲内の値になるように修正する。例えば、上限閾値thmax以上の値は上限閾値thmaxに置換し、下限閾値thmin以下の値は下限閾値thminに置換する。
なお、図6の例では、上限閾値thmaxを「1.003」、下限閾値thminを「0.997」としている。この基準範囲(上限閾値thmax、下限閾値thmin)は、X線条件に応じた値を設定してもよい。
また、上限閾値thmax以上の値を、上限閾値thmax以上の値とビュー方向に隣接する規格化リファレンスデータを用いて求めた補間値に置換しても良い。同様に、下限閾値thmin以下の値を、下限閾値thmin以下の値とビュー方向に隣接する規格化リファレンスデータを用いて求めた補間値に置換しても良い。
これにより、図6(g)に示すように、規格化リファレンスデータは全ビューにわたって「1」に近い値に補正される。つまり、はみ出しの影響が除去され、本来のX線出力の変動を示す成分を示す規格化リファレンスデータを得ることができる。
次に、はみ出し補正後の規格化リファレンスデータを、ステップS202で求めた単位推定リファレンス値を用いて逆規格化する(ステップS207)。具体的には、はみ出し補正後の規格化リファレンスデータを規格化推定リファレンスデータに乗算する。これにより図6(h)に示すような修正リファレンスデータが算出される。
以上の一連の処理により、被検体はみ出しが生じた状態で計測したリファレンスデータからはみ出しの影響を除去し、かつ本撮影時のX線条件やX線出力変動に関する成分を残した修正リファレンスデータを得ることができる。
画像処理装置122は、ステップS207で求めた修正リファレンスデータを用いて、本撮影で得た投影データに対してリファレンス補正を行う(図5のステップS109)。
リファレンス補正では、画像処理装置122は、本撮影により得た投影データからステップS207で求めた修正リファレンスデータをビュー毎に減算する。
以上説明したように、本実施の形態の修正リファレンスデータ算出処理により、本撮影時のリファレンスデータから被検体はみ出しの影響を除去し、かつ本撮影時のX線条件やX線出力変動に関する成分を残した修正リファレンスデータを得ることができる。このような修正リファレンスデータを用いて投影データのリファレンス補正を行えば、ほとんどのビューで被検体のはみ出しが生じている場合や最初のビューからはみ出しが生じている場合にも、精度よくリファレンス補正を行うことが可能となる。
[第2の実施の形態]
次に図8及び図9を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。
第2の実施形態のX線CT装置1の構成は第1の実施の形態と同様である。以下、重複する説明を省略し、同一の各部は同一の符号を付して説明する。
第2の実施の形態では、対数変換前の計測データ(X線減弱データ)に対してリファレンス補正を行う場合について説明する。なお、投影データ生成処理の大まかな手順は第1の実施の形態と同様であるため、図5に示すフローチャートを参照して説明する。
第1の実施の形態と同様に、X線CT装置1は本撮影に先立ち、まずエアキャリブレーションを行い、エア撮影時の出力管電流値(エア撮影管電流値)を記録するとともに、エア撮影においてリファレンス検出器107で計測したX線減弱データを取得し、エアキャルリファレンス値として記憶装置123等に保持する(図5のステップS101〜ステップS103)。画像処理装置122は、エア撮影管電流値とエアキャルリファレンス値に基づいて「単位管電流(1mA)当たりのリファレンス値」を算出し、保持する(図5のステップS104)。
次にX線CT装置1は本撮影を行う(ステップS105)。本撮影において、画像処理装置122は、X線検出器106により検出されたX線減弱データを取得する。画像処理装置122は、取得したX線減弱データを記憶装置123に保持する。システム制御装置124は、本撮影において管電流計測装置112により計測される出力管電流値(本撮影管電流値)を全ビューにわたって取得し、記憶装置123に記録する(ステップS106)。画像処理装置122は、本撮影管電流値に含まれるノイズを低減しておくことが望ましい。
画像処理装置122は、本撮影においてリファレンス検出器107で計測したX線減弱データを取得し、対数変換を行う前のデータを本撮影リファレンス値として記憶装置123等に保持する(ステップS107)。この本撮影リファレンス値は、両端のリファレンス検出器107L、107Rについてそれぞれ計測されて保持される。
次に、画像処理装置122は、本撮影時のリファレンス値(対数変換前)を修正する修正リファレンスデータ算出処理を実行する(ステップS108)。
図8は対数変換前のデータを用いた修正リファレンスデータ算出処理の手順を示すフローチャートである。
画像処理装置122は、まず「推定リファレンス値」を算出する(ステップS301)。
推定リファレンス値は、エアキャリブレーション時に求めた「単位管電流あたりのリファレンス値」(図9(a))と、上述の「本撮影管電流値」(図9(c))とを掛け合わせることで求められる。以下の式(4)により推定リファレンス値が求められる。第2の実施の形態では、この段階で対数変換を行わない点が第1の実施の形態と異なる。
Figure 2016063725
図9(d)は、第2の実施の形態の推定リファレンス値(対数変換前)のビュー方向変化を示すグラフである。推定リファレンス値は列毎に求められる。
次に画像処理装置122は、ステップS301で求めた推定リファレンス値をビュー方向に積分し、その積分値で推定リファレンス値を除算することにより規格化する(ステップS302)。規格化された推定リファレンス値を、単位推定リファレンス値と呼ぶ。
次に、画像処理装置122は、計測リファレンス値を算出する(ステップS303)。
計測リファレンス値は、本撮影において両側のリファレンス検出器107L、107Rにより計測された本撮影リファレンス値(ステップS107)に基づいて求められる値である。第2の実施の形態では対数変換前のX線減弱データを用いる点が、第1の実施の形態と異なる。
計測リファレンス値は、例えば、上述の(A)〜(D)のいずれの方法を用いて算出することが望ましい。
図9(e)は、対数変換前の計測リファレンス値のビュー方向変化を表す曲線(計測リファレンスデータ)を示している。計測リファレンスデータは、列毎に記録される。
画像処理装置122は、ステップS303で求めた計測リファレンス値をビュー方向に積分し、その積分値で計測リファレンス値を除算することにより、単位計測リファレンス値を算出する(ステップS304)。ここで言う積分は平均でもよく、規格化対象となるビュー位置の近傍データを用いた移動平均でもよい。
次に、画像処理装置122は、ステップS304で求めた単位計測リファレンス値をステップS302で求めた単位推定リファレンス値で規格化する(ステップS305)。具体的には、画像処理装置122は、単位計測リファレンス値を単位推定リファレンス値で除算し、規格化リファレンスデータを算出する。
図9(f)に示すように、規格化リファレンスデータは、被検体はみ出しがない場合には「1」に近い値となり、被検体はみ出しがある場合は「1」から大きく外れた値となる。
次に画像処理装置122は、規格化リファレンスデータに対してはみ出し補正処理を行う(ステップS306)。すなわち、規格化リファレンスデータに対して事前に設定した基準範囲(上限閾値thmax、下限閾値thmin)を用いて閾値判定し、上限閾値thmax以上の値、及び下限閾値thmin以下の値を基準範囲内の値になるように修正する。例えば、上限閾値thmax以上の値は上限閾値thmaxに置換し、下限閾値thmin以下の値は下限閾値thminに置換する。
なお、図9では、上限閾値thmaxを「1.03」、下限閾値thminを「0.97」としている。対数変換前のデータを用いて算出した規格化リファレンスデータは第1の実施の形態と比較してばらつきが大きいため、基準範囲を広くとっている。
これにより、図9(g)に示すように、規格化リファレンスデータは全ビューにわたって「1」に近い値に補正される。つまり、はみ出しの影響が除去され、本来のX線出力の変動の成分を残した規格化リファレンスデータを得ることができる。
次に、はみ出し補正後の規格化リファレンスデータを、ステップS302で求めた単位推定リファレンス値を用いて逆規格化する(ステップS307)。逆規格化とは、具体的には、はみ出し補正後の規格化リファレンスデータと規格化推定リファレンスデータを乗算することである。これにより図9(h)に示すような修正リファレンスデータが算出される。
画像処理装置122は、ステップS307で求めた修正リファレンスデータ(対数変換前)を用いて、本撮影で得たX線減弱データに対してリファレンス補正を行う(図5のステップS109)。リファレンス補正では、画像処理装置122は、本撮影により得たX線減弱データからステップS307で求めた修正リファレンスデータをビュー毎に除算する。
なお、ステップS307で得た修正リファレンスデータ(図9(h))を対数変換すれば、図9(i)に示すように、第1の実施の形態と同様の、対数変換後の修正リファレンスデータを得ることも可能である(ステップS308)。
以上説明したように、本実施の形態の修正リファレンスデータ算出処理により、本撮影時のリファレンスデータから被検体はみ出しの影響を除去し、かつ本撮影時のX線条件やX線出力変動に関する成分を残した修正リファレンスデータを得ることができる。このような修正リファレンスデータを用いて投影データのリファレンス補正を行えば、ほとんどのビューではみ出しが生じている場合や最初のビューからはみ出しが生じている場合にも、精度よくリファレンス補正を行うことが可能となる。
第1の実施の形態と第2の実施の形態とを比較すると、対数変換後の規格化リファレンスデータ(図6(g))の方がデータのばらつきが小さく、はみ出しの影響が顕現しやすく、はみ出しの影響を除去しやすい。つまりステップS206のはみ出し補正時の許容誤差をより狭い範囲としても、はみ出しによる成分を十分に除去できる。そのため、第1の実施の形態の手順で得た修正リファレンスデータの方が、第2の実施の形態の手順で得た修正リファレンスデータよりも、本撮影時に実際に計測したデータに近いものとなる。そのため、このデータを利用してリファレンス補正を行えば、アーチファクト等も低減できる。
なお、上述の各実施の形態の投影データ生成方法を、はみ出しが生じていない計測データ(投影データ、X線減弱データ)に適用しても、十分な効果を得ることができる。
また、図6(e)の計測リファレンス値を用いないことになるが、図6(d)の推定リファレンス値を修正リファレンスデータとして扱っても良い。以上、本発明に係るX線CT装置等の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1 X線CT装置、100 スキャンガントリ部、101 X線源、102 回転盤、103 コリメータ、106 X線検出器、107R、107L リファレンス検出器、111 X線制御装置、112 管電流計測装置、120 操作卓、121 入力装置、122 画像処理装置(データ処理装置)、123 記憶装置、124 システム制御装置、125 表示装置

Claims (9)

  1. エアキャリブレーション時に計測したリファレンスデータであるエアキャルリファレンス値の単位管電流あたりの値である単位エアキャルリファレンス値を算出する単位エアキャルリファレンス値算出部と、
    本撮影における出力管電流値を取得する管電流値取得部と、
    前記単位エアキャルリファレンス値と前記本撮影における出力管電流値に基づいて、本撮影におけるX線条件相当のリファレンス値である推定リファレンス値を算出する推定リファレンス値算出部と、
    前記本撮影において計測したリファレンス値である計測リファレンス値を、前記推定リファレンス値で規格化し、規格化リファレンスデータを算出する規格化部と、
    前記規格化リファレンスデータが許容誤差範囲内に収まるように補正する補正処理部と、
    補正後の前記規格化リファレンスデータを前記推定リファレンス値で逆規格化することにより修正リファレンスデータを得る逆規格化部と、
    本撮影において計測された計測データを取得し、前記修正リファレンスデータを用いてリファレンス補正するリファレンス補正部と、
    を備えることを特徴とするデータ処理装置。
  2. 前記出力管電流値のノイズを除去するノイズ除去部を更に備え、
    前記推定リファレンス値算出部は、ノイズ除去後の前記出力管電流値を用いて前記推定リファレンス値を算出することを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
  3. 前記規格化部は、
    前記計測リファレンス値をビュー方向に積分した積分値で前記計測リファレンス値を規格化することにより単位計測リファレンス値を求め、
    前記推定リファレンス値をビュー方向に積分した積分値で前記推定リファレンス値を規格化することにより単位推定リファレンス値を求め、
    前記単位計測リファレンス値を、前記単位推定リファレンス値で規格化することにより前記規格化リファレンスデータを算出することを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
  4. 前記計測リファレンス値及び前記推定リファレンス値は対数変換後の値であることを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
  5. 前記計測リファレンス値及び前記推定リファレンス値は対数変換前の値であることを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
  6. 前記補正処理部において用いられる許容誤差は、本撮影のX線条件に応じて設定されることを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
  7. 請求項1に記載のデータ処理装置を備えたX線CT装置。
  8. データ処理装置が、
    エアキャリブレーション時に計測したリファレンスデータであるエアキャルリファレンス値の単位管電流あたりの値である単位エアキャルリファレンス値を算出するステップと、
    本撮影における出力管電流値を取得するステップと、
    前記単位エアキャルリファレンス値と前記本撮影における出力管電流値に基づいて、本撮影におけるX線条件相当のリファレンス値である推定リファレンス値を算出するステップと、
    前記本撮影において計測したリファレンス値である計測リファレンス値を、前記推定リファレンス値で規格化し、規格化リファレンスデータを算出するステップと、
    前記規格化リファレンスデータが許容誤差範囲内に収まるように補正するステップと、
    補正後の前記規格化リファレンスデータを前記推定リファレンス値で逆規格化することにより修正リファレンスデータを得るステップと、
    本撮影において計測された計測データを取得し、前記修正リファレンスデータを用いてリファレンス補正するステップと、
    を含むことを特徴とするリファレンス補正方法。
  9. エアキャリブレーション時に計測したリファレンスデータであるエアキャルリファレンス値の単位管電流あたりの値である単位エアキャルリファレンス値を算出する単位エアキャルリファレンス値算出部と、
    本撮影における出力管電流値を取得する管電流値取得部と、
    前記単位エアキャルリファレンス値と前記本撮影における出力管電流値に基づいて、本撮影におけるX線条件相当のリファレンス値である推定リファレンス値を算出する推定リファレンス値算出部と、
    本撮影において計測された計測データを取得し、前記推定リファレンス値を用いてリファレンス補正するリファレンス補正部と、
    を備えることを特徴とするデータ処理装置。
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