JPWO2016047100A1 - 空間光受信装置、空間光通信システムおよび空間光通信方法 - Google Patents

空間光受信装置、空間光通信システムおよび空間光通信方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2016047100A1
JPWO2016047100A1 JP2016549939A JP2016549939A JPWO2016047100A1 JP WO2016047100 A1 JPWO2016047100 A1 JP WO2016047100A1 JP 2016549939 A JP2016549939 A JP 2016549939A JP 2016549939 A JP2016549939 A JP 2016549939A JP WO2016047100 A1 JPWO2016047100 A1 JP WO2016047100A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wavelength
light
spatial
signal
signal processing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016549939A
Other languages
English (en)
Inventor
成五 高橋
成五 高橋
俊治 伊東
俊治 伊東
晃平 細川
晃平 細川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Corp filed Critical NEC Corp
Publication of JPWO2016047100A1 publication Critical patent/JPWO2016047100A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B10/00Transmission systems employing electromagnetic waves other than radio-waves, e.g. infrared, visible or ultraviolet light, or employing corpuscular radiation, e.g. quantum communication
    • H04B10/11Arrangements specific to free-space transmission, i.e. transmission through air or vacuum
    • H04B10/112Line-of-sight transmission over an extended range
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B10/00Transmission systems employing electromagnetic waves other than radio-waves, e.g. infrared, visible or ultraviolet light, or employing corpuscular radiation, e.g. quantum communication
    • H04B10/25Arrangements specific to fibre transmission
    • H04B10/2581Multimode transmission
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04JMULTIPLEX COMMUNICATION
    • H04J14/00Optical multiplex systems
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04JMULTIPLEX COMMUNICATION
    • H04J14/00Optical multiplex systems
    • H04J14/04Mode multiplex systems
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04JMULTIPLEX COMMUNICATION
    • H04J14/00Optical multiplex systems
    • H04J14/06Polarisation multiplex systems

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Optical Communication System (AREA)

Abstract

空間光通信システムにおいては、受信光とシングルモードファイバとの結合効率の劣化が避けられず、伝送レートの高速化を図ることが困難であるため、本発明の空間光受信装置は、空間伝送路を伝搬した波長多重された受信側レーザ光を集光する集光手段と、集光手段が集光した受信側レーザ光を入力し、波長毎に励起状態が異なる、複数の伝搬モード光を含む伝搬モード群を生成し、複数の伝搬モード光ごとに分離して出力する励起モード制御手段と、複数の伝搬モード光をそれぞれ導波する複数の単一モード伝送媒体と、複数の単一モード伝送媒体を介して複数の伝搬モード光をそれぞれ受光する複数の受光手段、とを有する。

Description

本発明は、空間光受信装置、空間光通信システムおよび空間光通信方法に関し、特に、自由空間を伝搬するレーザ光により光通信を行う空間光受信装置、空間光通信システムおよび空間光通信方法に関する。
近年、リモートセンシング技術の発達により、航空機や人工衛星に搭載される観測機器の性能が向上し、上空から地上へ伝送される情報量が増大している。将来のさらなる観測機器の性能向上に対応するために、無線周波数帯域の制約を受けない、光周波数帯を用いた空間光通信(Free Space Optics:FSO)が検討されている。空間光通信(FSO)の大容量化のためには、伝送レートの高速化技術と波長多重技術が必要とされている。その際に、光ファイバ通信技術と共通の技術を利用すること、すなわちシングルモードファイバ(Single Mode Fiber:SMF)を用いた光送受信技術を応用することが効率的である。
このような光ファイバ通信技術を用いた空間光通信装置の例が特許文献1および特許文献2に記載されている。
空間光通信(FSO)技術では一般に、変調したレーザ光を狭ビームで送信し大気中を伝搬させる。受信側では、光アンテナで集光し、短距離のファイバを伝送させた後に信号受信を行う。
空間光通信(FSO)受信装置では、以下に述べるように、大気伝搬によるレーザ光の波面乱れが問題となる。空間光通信(FSO)受信装置の集光部では焦点面(フォーカルプレーン)上にビームスポットが形成されるが、大気の擾乱によりビームスポットにスペックルパターンが発生する。スペックルパターンの発生により、ビームスポットは理想的な焦点面に対して拡散あるいは移動(シンチレーション)する。
空間光通信(FSO)受信装置では信号のビットレートが高速化するにしたがって、シングルモードファイバ(SMF)と光結合させる必要があるが、上述したビームスポットが変動する現象は結合効率の劣化をもたらすため極めて大きな問題となる。その理由は、ファイバのコア径が小さいシングルモードファイバ(SMF)では、相対的にスペックルパターンの影響が大きいため、僅かなシンチレーションで受信データの欠損が発生し、実効的な通信レートが低下するからである。
上述したシングルモードファイバ(SMF)との結合効率の劣化を回避するために、特許文献1に記載された空間光通信装置では、複数本の光ファイバを密接状に束ねたファイバケーブル、例えば光ファイババンドルを用いた構成としている。具体的には、特許文献1に記載された空間光通信装置は、送受信望遠鏡で受信した通信相手局からの光ビームが導入される集光光学系としての凸レンズと、複数の光ファイバを密接状に束ねたファイバケーブルとを備えた精捕捉追尾機能部を有する。そして、第1〜第n光ファイバの端部が露出するファイバケーブルの一方端である送受光面上に、凸レンズを透過した光ビームの光焦点を生ぜしめ、少なくとも1つの光ファイバに入射光を結合させる。これにより、第1〜第n光ファイバの何れかを経て受信光を導く構成としている。
また、特許文献2には、大きなコアから小さなコアへと徐々に細くなっている単一のファイバを、ファイババンドルに替えて用いることとしたFSOレシーバが記載されている。具体的には、特許文献2に記載されたFSOレシーバは、テレスコープ収集システムと、波長デマルチプレクサと、ダイオード光検出器と、アナログ・デジタル変換器と、デジタル信号プロセッサとを含む。そして、徐々に細くなっているファイババンドルまたは徐々に細くなっている単一のファイバが、デマルチプレクサから複数の個別のファイバ端面に光を収集し、光検出器に対して入力するためにその光を単一の出力ファイバに集中させる構成としている。
この手段によって、比較的大きな光アパーチャが光信号を収集するために提供される。このように、効率よく光検出を行うために、収集された光を単一モードの出力ファイバに効率的に結合するための断熱テーパーを用いた、徐々に細くなっているファイババンドルが知られている。そして、このように大きなアパーチャ構成を利用可能としたことにより、通信システムの性能を悪化させるビーム・ワンダー(beam wander)に対するより大きな耐性が得られる、としている。
特許文献2にはさらに、2つ以上のダイオード・レーザーと、波長のマルチプレクサとテレスコープの機能を組み合わせた光学系を備え、波長により多重化された出力ビームを出射するFSOトランスミッタが記載されている。この出力ビームの波面は大気乱流のセルを通過するときに変形されるが、位相ひずみの量は波長に依存しているので、異なる波長チャネルにおける信号は異なる位相ひずみを受けることになる。そして、出力ビームが十分な距離を伝搬した後には、それぞれの波長チャネルにおける位相ひずみは相互に関連がなくなる。したがって、2つ以上の異なる波長チャネルについて、FSOレシーバで別個の光検出を実行することにより利得を達成することできる、としている。
特開2006−333070号公報(段落[0019]〜[0043]、図1、図2) 特表2013−535871号公報(段落[0009]〜[0033]、図1〜図4)
上述した特許文献1に記載された空間光通信装置において、光ファイババンドル中の個々のファイバのクラッド部に照射された光信号は、受信されずに損失となる。ここで、コアの面積に対するクラッドの面積の比は小さいとは言えないので、上述した損失は無視できないものである。そのため、光ファイババンドルを用いた構成では、シングルモードファイバ(SMF)との結合効率の劣化を回避することが困難である、という問題がある。
また、上述した特許文献2に記載されたFSOレシーバにおいては、単一コアによるテーパーファイバのコアの辺縁部にコヒーレントな信号光を照射すると、大きなコア領域のファイバに高次モードが励起される。このとき、後段のシングルモードファイバ(SMF)が伝搬できない高次モードは、断熱テーパーの過程で放射損失となる。そのため、特許文献2に記載されたFSOレシーバを用いても、ビームスポットの移動に伴う損失の発生を回避することができない、という問題がある。
さらに、特許文献2に記載されている大気の波長分散特性を用いたFSOシステムでは、大気の波長分散特性が極めて小さいため、波長ダイバーシティによる効果を得ることは困難である、という問題がある。具体的に説明すると、大気の屈折率nの波長(λ)分散特性dn/dλは温度や気温によらず、およそ10−8 (/nm)のオーダーであり極めて小さい。そのため、例えばエルビウム添加光ファイバ増幅器(erbium−doped optical fiber amplifier:EDFA)の利得帯域である約30nmの波長差によって得られる屈折率差Δnは10−6よりも小さい。このときの分散角Δθは、ΔθとsinθおよびΔnが近似的に等しいとすると、マイクロラジアン(μrad)のオーダーとなる。以上説明したように、特許文献2に記載されたFSOシステムでは、波長のダイバーシティによる効果を得ることは困難であり、シンチレーションによる受信効率の劣化を緩和することができない、という問題がある。
このように、空間光通信システムにおいては、受信光とシングルモードファイバとの結合効率の劣化が避けられず、伝送レートの高速化を図ることが困難である、という問題があった。
本発明の目的は、上述した課題である、空間光通信システムにおいては、受信光とシングルモードファイバとの結合効率の劣化が避けられず、伝送レートの高速化を図ることが困難である、という課題を解決する空間光受信装置、空間光通信システムおよび空間光通信方法を提供することにある。
本発明の空間光受信装置は、空間伝送路を伝搬した波長多重された受信側レーザ光を集光する集光手段と、集光手段が集光した受信側レーザ光を入力し、波長毎に励起状態が異なる、複数の伝搬モード光を含む伝搬モード群を生成し、複数の伝搬モード光ごとに分離して出力する励起モード制御手段と、複数の伝搬モード光をそれぞれ導波する複数の単一モード伝送媒体と、複数の単一モード伝送媒体を介して複数の伝搬モード光をそれぞれ受光する複数の受光手段、とを有する。
本発明の空間光通信システムは、空間光送信装置と空間光受信装置を有し、空間光送信装置は、波長の異なる複数のレーザ光を多重した波長多重レーザ光を送出する波長多重レーザ光送出手段と、波長多重レーザ光の出射角を波長毎に異ならせた送信側レーザ光を、単一の光軸からなる光学系から空間伝送路に出射するコリメート手段、とを備え、空間光受信装置は、送信側レーザ光が空間伝送路を伝搬した後の受信側レーザ光を集光する集光手段と、集光手段が集光した受信側レーザ光を入力し、波長毎に励起状態が異なる、複数の伝搬モード光を含む伝搬モード群を生成し、複数の伝搬モード光ごとに分離して出力する励起モード制御手段と、複数の伝搬モード光をそれぞれ導波する複数の単一モード伝送媒体と、複数の単一モード伝送媒体を介して複数の伝搬モード光をそれぞれ受光する複数の受光手段、とを有する。
本発明の空間光通信方法は、波長の異なる複数のレーザ光を多重した波長多重レーザ光を送出し、波長多重レーザ光を単一の光軸からなる光学系に導入し、光学系から送信側レーザ光を空間伝送路に出射し、送信側レーザ光が空間伝送路を伝搬した後の受信側レーザ光を集光し、集光した受信側レーザ光から、波長毎に励起状態が異なる、複数の伝搬モード光を含む伝搬モード群を生成し、複数の伝搬モード光ごとに分離し、複数の伝搬モード光を複数の単一モード伝送媒体にそれぞれ導入し、複数の単一モード伝送媒体を導波した複数の伝搬モード光をそれぞれ受光する。
本発明の空間光受信装置、空間光通信システムおよび空間光通信方法によれば、受信光とシングルモードファイバとの結合効率の劣化が通信特性に及ぼす影響を緩和し、伝送レートの高速化を図ることができる。
本発明の第1の実施形態に係る空間光受信装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る空間光通信システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係る空間光通信システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係る空間光送信装置が出射するレーザ光の伝搬形態を模式的に示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る空間光送信装置が出射するレーザ光の別の伝搬形態を模式的に示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る空間光受信装置が単一波長の信号光を受光してモード分離した後のモード毎のパワーの時間変化を模式的に示した図である。 本発明の第2の実施形態に係る空間光受信装置が単一波長の信号光を受光した場合における、信号処理手段の動作を説明するための模式図である。 本発明の第2の実施形態に係る空間光受信装置が備えるマルチモード伝送媒体に入射する信号光の波面の状態を説明するための概念図である。 本発明の第2の実施形態に係る空間光受信装置が備える信号処理手段の動作を説明するための、関連する空間光受信装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係る空間光受信装置が備える信号処理手段の動作を説明するための、空間光受信装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施形態に係る空間光受信装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施形態に係る空間光受信装置が備える波長分散手段の動作を説明するための模式図である。 本発明の第3の実施形態に係る空間光受信装置の別の構成による動作を説明するための模式図である。 本発明の第4の実施形態に係る空間光通信システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第5の実施形態に係る空間光通信システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第6の実施形態に係る空間光通信システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第6の実施形態に係る空間光通信システムの別の構成を示すブロック図である。 本発明の第6の実施形態に係る空間光受信装置の別の構成を示すブロック図である。 本発明の第7の実施形態に係る空間光受信装置の構成を示すブロック図である。
以下に、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、図面中の矢印の向きは、一例を示すものであり、ブロック間の信号の向きを限定するものではない。
〔第1の実施形態〕
図1は、本発明の第1の実施形態に係る空間光受信装置100の構成を示すブロック図である。空間光受信装置100は、集光手段110、励起モード制御手段120、複数の単一モード伝送媒体130、および複数の受光手段140を有する。
集光手段110は、空間伝送路を伝搬した波長多重された受信側レーザ光101を集光する。励起モード制御手段120は、集光手段110が集光した受信側レーザ光101を入力し、波長毎に励起状態が異なる、複数の伝搬モード光を含む伝搬モード群を生成し、複数の伝搬モード光ごとに分離して出力する。単一モード伝送媒体130は、複数の伝搬モード光をそれぞれ導波する。そして受光手段140は、単一モード伝送媒体130を介して複数の伝搬モード光をそれぞれ受光する。
上述したように、空間光通信(FSO)において問題となる受信光強度の変動(シンチレーション)は、大気のランダムな擾乱によるレーザ光の波面変動に起因する。ここで、本実施形態の空間光受信装置100においては、励起モード制御手段120が受信側レーザ光101を入力し、波長毎に励起状態が異なる、複数の伝搬モード光を含む伝搬モード群を生成し、複数の伝搬モード光ごとに分離して出力する構成としている。このような構成とすることにより、大気の擾乱によるレーザ光の波面変動を、複数の波長の複数の伝搬モード光に分散させることが可能となる。その結果、本実施形態の空間光受信装置100によれば、受信光とシングルモードファイバとの結合効率の劣化が通信特性に及ぼす影響を緩和し、伝送レートの高速化を図ることができる。
次に、本実施形態による空間光通信システムについて説明する。
図2は、本実施形態による空間光通信システム1000の構成を示すブロック図である。空間光通信システム1000は空間光受信装置1100と空間光送信装置1200とを有し、その間の自由空間の伝送路を介して信号光を伝搬させる。ここで自由空間には、宇宙空間および大気空間の少なくとも一方が含まれる。
空間光送信装置1200は、波長多重レーザ光送出手段210およびコリメート手段220を備える。波長多重レーザ光送出手段210は、波長の異なる複数のレーザ光を多重した波長多重レーザ光を送出する。コリメート手段220は波長多重レーザ光を入力し、単一の光軸からなる光学系から送信側レーザ光201を空間伝送路に出射する。
空間光受信装置1100は、図1に示した構成と同様である。空間光通信システム1000においては、空間光受信装置1100が備える集光手段110が、送信側レーザ光201が空間伝送路を伝搬した後の受信側レーザ光101を集光する。ここで受信側レーザ光101には、大気の擾乱1001によるレーザ光の波面変動が生じている。
本実施形態による空間光通信システム1000について、さらに詳細に説明する。
空間光送信装置1200が備える波長多重レーザ光送出手段210は、波長の異なる複数のレーザ送信手段211と合波手段212を備えた構成とすることができる。複数のレーザ送信手段211は、それぞれ異なる波長のレーザ光を生成し、送信信号で変調して出力する。合波手段212は複数の波長の異なるレーザ光を合波する。そして、コリメート手段220は合波したレーザ光を自由空間に送出する。
空間光受信装置1100が備える励起モード制御手段120は、集光手段110が集光した受信側レーザ光101をレーザ光の波面変動に応じて複数の伝搬モード光に分離する。また、励起モード制御手段120がさらに波長分離して出力する構成とすることができる。この場合、波長数を「w」、伝搬モード数を「m」とすると、受信側レーザ光101は「wm」個に分離され、単一モード伝送媒体130および受光手段140の個数も「wm」個となる。
上述した場合、空間光受信装置1100が備える励起モード制御手段120は、集光手段110が集光した受信側レーザ光101を、複数の波長とレーザ光の波面変動に応じた複数の伝搬モード光に分離して出力する。具体的には例えば、レーザ光の波面乱れが大きい場合、励起モード制御手段120は集光手段110が集光した受信側レーザ光101を、複数の波長と複数の伝搬モード光に分離して出力する構成とすることができる。一方、レーザ光の波面乱れが小さい場合、励起モード制御手段120は集光した受信側レーザ光101の伝搬モードを制御してから、複数の波長と複数の伝搬モード光に分離して出力する構成とすることができる。
このような構成とすることにより、本実施形態による空間光通信システム1000によれば、受信光とシングルモードファイバとの結合効率の劣化が通信特性に及ぼす影響を緩和し、伝送レートの高速化を図ることができる。
次に、本実施形態による空間光通信方法について説明する。
本実施形態の空間光通信方法においては、まず、波長の異なる複数のレーザ光を多重した波長多重レーザ光を送出する。続いて、波長多重レーザ光を単一の光軸からなる光学系に導入し、この光学系から送信側レーザ光を空間伝送路に出射する。その後に、送信側レーザ光が空間伝送路を伝搬した後の受信側レーザ光を集光する。集光した受信側レーザ光から、波長毎に励起状態が異なる、複数の伝搬モード光を含む伝搬モード群を生成し、複数の伝搬モード光ごとに分離する。そして、複数の伝搬モード光を複数の単一モード伝送媒体にそれぞれ導入し、複数の単一モード伝送媒体を導波した複数の伝搬モード光をそれぞれ受光する。
このような構成とすることにより、本実施形態の空間光通信方法によれば、受信光とシングルモードファイバとの結合効率の劣化が通信特性に及ぼす影響を緩和し、伝送レートの高速化を図ることができる。
なお、本実施形態において、大気の擾乱1001によるレーザ光の波面変動と、その結果による複数の伝搬モード光の励起は、宇宙空間においては原理的には発生しない。しかし、本構成の原理は、装置の振動などによるマルチモードファイバに入射する信号光の波面変化にも適用することが可能である。その結果、宇宙空間を空間伝送路とする空間光通信装置においても同様の効果がある。
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図3は、本発明の第2の実施形態に係る空間光通信システム2000の構成を示すブロック図である。空間光通信システム2000は空間光受信装置2100と空間光送信装置2200とを有し、その間の自由空間の伝送路を介して信号光を伝搬させる。
空間光送信装置2200は、波長多重レーザ光送出手段210およびコリメート手段220を備える。波長多重レーザ光送出手段210は、波長の異なる複数のレーザ光を多重した波長多重レーザ光を送出する。コリメート手段220は、波長多重レーザ光の出射角を波長毎に異ならせた送信側レーザ光を、単一の光軸からなる光学系から空間伝送路に出射する。ここでコリメート手段220は、波長多重レーザ光を波長毎に異なる角度で出射させる送信側マルチモード伝送媒体を備えた構成とすることができる。
空間光受信装置2100は、集光手段110、励起モード制御手段120、複数の単一モード伝送媒体130、複数の受光手段140、および信号処理手段150を有する。
本実施形態の空間光受信装置2100が備える励起モード制御手段120は、マルチモード伝送媒体121とレーザ光分離手段122を備えた構成とした。ここで、マルチモード伝送媒体121は、受信側レーザ光101を波長毎に異なる入射状態で入力し、伝搬モード群を出力する。レーザ光分離手段122は、この伝搬モード群を入力し、複数の伝搬モード光ごとに分離して出力する。
次に、本実施形態による空間光通信システム2000について、さらに詳細に説明する。
図3に示すように、空間光送信装置2200が備える波長多重レーザ光送出手段210は、波長の異なる複数のレーザ送信手段211、合波手段212、および信号源213を備えた構成とした。
レーザ送信手段211には、複数の波長の搬送波レーザ光を出力するレーザ光源と、信号源213から供給されるデータ信号によって搬送波レーザ光を変調し、変調されたレーザ光を出力する変調手段が含まれる。ここで複数のレーザ光源を独立に制御することにより、それぞれ動作状態または停止状態とすることが可能である。
コリメート手段220は、空間光受信装置2100を追尾する追尾手段を備え、1個の望遠鏡などを含む単一の光学系を有する。
信号源213が生成する送信信号のビットレートが高い場合、空間光送信装置2200内のレーザ光の伝送媒体として、高速変調したレーザ光の伝送に適したシングルモードファイバ(SMF)を用いることができる。なお、合波手段212の出力側とコリメート手段220の接続には、マルチモードファイバ(MMF)を用いることとしてもよい。
本実施形態の空間光受信装置2100が備える集光手段110は、空間光送信装置2200を追尾する追尾手段によって制御されながら、空間伝送路を伝搬した受信側レーザ光101を集光し、後段のマルチモード伝送媒体121に集光する。マルチモード伝送媒体121として、典型的にはマルチモードファイバ(MMF)を用いることができる。しかし、これに限らず、平面光波回路(Planar Lightwave Circuit:PLC)または3次元光導波路素子などを用いることとしてもよい。
レーザ光分離手段122はモード分離手段を有し、さらに波長分離手段を備えた構成とすることができる。モード分離手段と波長分離手段の両方を備える場合、これらの配置の順序は可換である。波長分離手段は、空間光送信装置2200において波長多重された複数の波長のレーザ光を分離する機能を有する。波長分離手段は、アレイ導波路回折格子(Arrayed Waveguide Grating:AWG)または干渉膜フィルタなどを用いることにより実現することができる。モード分離手段は、マルチモードファイバ(MMF)を伝搬することが可能な固有モード(以下、単に「モード」と言う)にレーザ光を分離し、それぞれをシングルモードファイバ(SMF)に結合する機能を有する。モード分離手段は、波長板などを用いることにより実現することができる。
単一モード伝送媒体130および受光手段140は、第1の実施形態による空間光受信装置100によるものと同様である。すなわち、単一モード伝送媒体130は、複数の伝搬モード光をそれぞれ導波する。単一モード伝送媒体130として、典型的にはシングルモードファイバ(Single Mode Fiber:SMF)を用いることができる。 受光手段140は、複数の単一モード伝送媒体130を介して複数の伝搬モード光をそれぞれ受光する。
信号処理手段150は、複数の受光手段140が出力する複数の受信信号に信号処理を施し、複数の受信信号を合成した出力信号を出力する。
次に、本実施形態による空間光通信システム2000の動作について説明する。
本実施形態の空間光送信装置2200が備える信号源213は、空間光送信装置2200が送信する信号を生成する。その信号を用いて、レーザ送信手段211は複数の波長のレーザ光を変調する。変調された複数の波長のレーザ光は、合波手段212によって波長多重される。合波手段212によって波長多重されたレーザ光は、コリメート手段220から自由空間に送出される。
自由空間に送出された送信側レーザ光201は、大気の擾乱などにより波面が乱れる。 自由空間を伝搬し波面の乱れを受けた受信側レーザ光101は、集光手段110によってマルチモード伝送媒体121の端面に集光される。集光された受信側レーザ光は信号光としてマルチモード伝送媒体121を伝搬し、レーザ光分離手段122に接続される。信号光は、レーザ光分離手段122における波長分離手段およびモード分離手段によって複数の直交するモードに分離される。分離された信号光は、それぞれ単一モード伝送媒体130としてのシングルモードファイバ(SMF)に出力される。ここで、シングルモードに分離可能な信号光の個数は、波長数(w)とマルチモード伝送媒体121を伝搬可能なモード数(m)の積に等しいかまたは小さい個数である。
単一モード伝送媒体130に結合された複数のシングルモード光は、それぞれ受光手段140で受信され、各モードの受信信号が生成される。全ての受信信号は信号処理手段150で信号処理され、受信信号が出力される。
本実施形態の空間光受信装置2100は、励起モード制御手段120の入力部に、シングルモードファイバ(SMF)に比べてコア面積が広いマルチモードファイバ(MMF)に代表されるマルチモード伝送媒体121を備えたことを特徴とする。信号光をマルチモードファイバ(MMF)に結合し、モード分離によってシングルモードに変換することによって、シングルモードファイバ(SMF)では結合できなかった信号光の波面成分をシングルモードファイバ(SMF)に結合することが可能になる。また、波長多重された信号光によって、ファイバ端面上に生成するスペックルパターンに波長依存性が生じる。その結果、マルチモードファイバ(MMF)に励起されるモードと波長が対応付けられることになる。
波長およびモード毎に分離され、シングルモードに変換された信号光はそれぞれ、受光手段140により光電変換される。その後に、信号処理手段150において再合成され、送信された信号が再生される。
本実施形態の空間光受信装置2100によれば、波面が乱れた受信側レーザ光101をマルチモードファイバ(MMF)に結合し、波長およびモード毎に分離することにより、大気の擾乱による影響を直交する複数の信号光に分散させることが可能となる。すなわち、単一波長の信号光を集光手段からシングルモードファイバ(SMF)に結合する場合と比較し、最大の場合で、波長数(w)とモード数(m)の積である「wm」個に相当する信号光にシンチレーションの影響を拡散させることができる。
上述した効果は、波長を用いたダイバーシティ効果であり、これにより空間光通信(FSO)における大気の擾乱の影響を緩和することができる。この波長ダイバーシティを用いることにより、伝送信号のビットレートの高速化と高効率なファイバ結合の両立を図ることができ、大容量な空間光通信(FSO)が可能となる。
次に、本実施形態による空間光通信システム2000を構成する各手段の構成および動作について、さらに詳細に説明する。
本実施形態の空間光送信装置2200が備えるレーザ送信手段211は、複数波長の搬送波レーザ光を出力するレーザ光源を有し、信号源213が生成した一連のデータ信号によって各搬送波レーザ光を変調し、変調されたレーザ光を出力する。変調方式は特に限定されず、既知の様々な手法を適用することができる。また、信号によるレーザの変調手法も、既知の様々な技術を適用することが可能である。
図3においては、単一の信号源213が、全てのレーザ送信手段211に同一の信号を分配する構成を示したが、これに限らず、複数の信号源213を備えた構成としてもよい。この場合、複数の信号源213と複数のレーザ送信手段211をスイッチ手段で接続し、複数の信号源213からの信号をそれぞれ異なる波長の任意の波長数の組み合わせにより、ダイバーシティ方式で送信する構成とすることができる。
合波手段212は、複数のシングルモードファイバ(SMF)により伝搬されるレーザ送信手段211の異なる波長の出力信号光を波長多重して合波し、単一のシングルモードファイバ(SMF)またはマルチモードファイバ(MMF)に出力する。合波手段212には、AWG、干渉膜フィルタ、またはモード多重技術などの既知の技術を適用することができる。また、合波手段212は、レーザ光を増幅する光増幅手段を含む構成としてもよい。光増幅手段は、出力光強度を可変する出力調整機能を備えることとしてもよい。この出力調整機能は、AWGなどにより波長多重されたレーザ光の波長数に応じて動作する構成とすることができる。光増幅手段として典型的にはファイバ型光アンプを用いることができる。この場合、シングルモードファイバ(SMF)型のファイバアンプに限らず、マルチモードファイバアンプを用いることもできる。光増幅手段に、さらに出力パワー調整機能を持たせることもできる。
コリメート手段220は光アンテナあるいは望遠鏡を備える。コリメート手段220は波長多重された信号光をコリメートし、空間光受信装置2100に向けて送信側レーザ光201を自由空間に送出する。さらに、空間光受信装置2100を追尾する機能を備えることとしてもよい。
ここで、本実施形態の空間光送信装置2200が備えるコリメート手段220は、単一の光軸からなる光学系で構成されている。一方、大気の擾乱による影響に対する解決手段として、複数の光ビームで送信を行う空間ダイバーシティ技術が特許文献2に記載されている。空間ダイバーシティ技術によれば、複数のビーム間隔を空間のコヒーレント長以上に離すことによって、波面の乱れを緩和することが可能である。しかし、ビーム間距離を確保するために、複数のコリメート手段が必要となる。そのため、空間光送信装置の総重量または総体積が増大する、という問題があった。
それに対して、本実施形態の空間光送信装置2200は波長ダイバーシティ技術を採用し、単一のコリメート手段220によって複数の波長の直交する信号光を送出することができる。そのため、空間光送信装置の体積や重量を削減できる効果がある。これは、空間光送信装置を航空機や人工衛星に搭載するために重量や消費電力に対する著しく厳しい制約が存在する場合に、大きな効果がある。
コリメート手段220から送出される送信側レーザ光201の波面は、合波手段212が備える光増幅手段との関係では、平面波でかつ波長多重した全ての信号光の波面が同じ波面を共有する構成とすることができる。
また、単一の光学系から出射される送信側レーザ光201を波長多重し、信号光の波面を異ならせることによって、空間ダイバーシティによる効果を持たせることとしてもよい。
この場合の送信側レーザ光201の例を図4A、4Bを用いて説明する。
図4Aに示したように、コリメート手段220における出射点が共通であっても平面波の傾きが波長間(λ、λ)で異なる場合には、送信側レーザ光は波長毎に異なる角度で空間を伝搬する。その結果、空間光送信装置から波長毎にわずかに異なる角度で二個の送信側レーザ光が出射される。ここで、波長毎のビーム中心のズレ角はビーム広がり角よりも狭く、双方の波長の信号光が同時に空間光受信装置の集光手段110に十分な強度で入射する構成としている。このとき、2種の波長(λ、λ)の信号光は大気伝搬する領域が異なるため、それぞれの波面は異なる大気の擾乱1001を通過する。そのため、受信側レーザ光101は波長毎に異なる波面の乱れを受けているので、受信側では異なる伝搬モードが励起される。
また、図4Bに示すように、単一の光学系からなるコリメート手段220において、送信側レーザ光が波長毎に異なる広がり角を有する構成とした場合であっても、同様の効果が期待できる。これは、ビーム広がり角が異なれば、波長毎に異なる擾乱1001を有する空間を通過するからである。
本実施形態の空間光送信装置2200においては、ビーム出射方向のズレ角や広がり角の差が、大気の擾乱の影響が最も顕著に表れる空間の領域において、コヒーレント長と等しいかそれ以上の距離を確保できるように、コリメート手段220が構成されている。
上述した波長毎に出射角や広がり角を変化させた光ビームを送出するために、コリメート手段220が回折格子を備えた構成とすることができる。これに限らず、送信側マルチモード伝送媒体としてのマルチモードファイバ(MMF)を備えた構成としてもよい。モード多重技術を用いて波長毎に異なるモードでマルチモードファイバ(MMF)に結合し、コリメート手段220から送信側レーザ光を送出する。これによって、各モードに対応して異なる波面を有する送信側レーザ光が出射される。それぞれの波長の送信側レーザ光はそれぞれの波面の法線方向に進行するので、送信側レーザ光を波長毎に異なる角度で出射させることが可能である。ビーム出射角度は、モード次数やコリメート手段220の口径を調節することにより制御することができる。また、軌道角運動量(Orbital Angular Momentum:OAM)多重技術を用いることによって、広がり角を制御することも可能である。
本実施形態の空間光受信装置2100が備えるマルチモード伝送媒体121は、複数の固有伝搬モードを有する光導波路媒体であり、典型的にはマルチモードファイバ(MMF)である。以下に、マルチモード伝送媒体121を備えた構成としたことによる、シングルモードファイバ(SMF)との結合効率の改善効果について説明する。
図3に示した本実施形態の空間光受信装置2100において、空間伝送路を伝搬した受信側レーザ光101は、集光手段110によってマルチモード伝送媒体121としてのマルチモードファイバ(MMF)の端面に集光される。受信側レーザ光101は、空間を伝搬中に大気の擾乱によって乱れた波面となっている。そのため、マルチモードファイバ(MMF)の端面において理想的なビームスポットとはならず、スペックルパターンを形成する。このとき、受信側レーザ光101をそのままコア面積が小さいシングルモードファイバ(SMF)に結合すると、結合効率の著しい劣化が発生するため安定な空間光通信(FSO)を行うことが困難である。
しかしながら、本実施形態の空間光受信装置2100においては、受信側レーザ光101をマルチモード伝送媒体121に結合する構成としている。コア面積が大きいマルチモード伝送媒体121を用いることによって、スペックルパターンにより拡散したビームスポットであっても良好なファイバ結合が可能であり、受光手段140に信号光を伝搬させることができる。
マルチモード伝送媒体121に結合した受信側レーザ光101は、受信側レーザ光101の波面と、マルチモード伝送媒体121のコア面の照射位置によって、異なる固有モードが励起される。そのため、受信側レーザ光101はマルチモード伝送媒体121内をモード多重状態で伝搬する。このように、波長ダイバーシティ方式による波長多重され大気の異なる部分を伝搬した信号光が、マルチモード伝送媒体121の端面の異なる位置に入射することにより、モードダイバーシティ方式に対応付けられる。
本実施形態の空間光受信装置2100が備えるレーザ光分離手段122は、モード分離手段および波長分離手段を有する。モード分離手段と波長分離手段の実施順序は可換である。
波長分離手段は、波長多重された信号光をそれぞれの波長に分離する。AWGや干渉膜フィルタなどを用いることにより実施することができる。
モード分離手段は、マルチモード伝送媒体121を伝搬するモード多重された信号光を固有モードに分離し、それぞれをシングルモードファイバ(SMF)に結合する。モード分離手段は、例えば、波長板の組み合わせとシングルモードファイバ(SMF)結合によるモードフィルタによって実現することができる。また、導波路間の結合を利用したフィルタを用いることによっても、モード分離手段を実施することができる。
モード分離手段を介して単一モード伝送媒体130としてのシングルモードファイバ(SMF)に受信した信号光を結合することにより、シングルモードファイバ(SMF)を用いたコヒーレント受信技術を利用することが可能になる。その結果、高ビットレート化と高感度受信を達成することができる。このとき、適切な技術を用いて波長分離手段とモード分離手段を組み合わせることにより、原理的に無損失なレーザ光分離手段122を構成することができる。
上述したモード分離手段について、さらに詳細に説明する。
特許文献1に記載されたバンドルファイバへの結合においては、個々のファイバのクラッド部分に照射される光エネルギーは損失となる。コアの面積に比べてクラッドの面積は相対的に大きいため、高効率なファイバ結合は困難である。
また、特許文献2に記載された、断熱テーパーを用いてマルチモードからシングルモードに変換する構成において、断熱テーパー部分にはマルチモードのうちの高次モードを低次モードに変換する機能が無い。そのため、基本モード成分だけがシングルモードファイバ(SMF)に結合される。マルチモードファイバ(MMF)部で励起された高次モード成分は、テーパー部分を通過する過程で放射され損失となるため、高効率なファイバ結合は困難である。
それに対して、本実施形態の空間光受信装置2100はマルチモード伝送媒体121とレーザ光分離手段122を備えた構成としている。マルチモード伝送媒体121におけるマルチモードファイバ(MMF)結合と、レーザ光分離手段122が備えるモード分離手段によって、マルチモードファイバ(MMF)に励起された全てのモードをシングルモードに変化させることができる。そのため、本実施形態の空間光受信装置2100によれば、高効率なファイバ結合を実現することができる。
受光手段140は、単一モード伝送媒体130としてのシングルモードファイバ(SMF)からの入力を受け付ける高ビットレートの光受信手段を備え、受信した信号光を光電変換する。特に、高い伝送レートで高感度な信号受信が可能な、デジタルコヒーレント技術を用いたコヒーレント受信器を用いることとしてもよい。
信号処理手段150は、受光手段140で受信した波長およびモード毎の受信信号から、空間伝搬した受信信号の合成処理を行う。
シンチレーションにより、マルチモード伝送媒体121を伝搬する信号光のモードは時間的に変動する。そのモード変動に応じて、複数の受光手段140に入力される各シングルモード光の強度も変動するので、出力される受信信号の品質も変動する。信号処理手段150は、このモード間の強度変動を補償し、送信装置が送信した信号を再生する。
なお、信号処理手段150は、受信信号間に発生するスキューをあわせて補償する構成としてもよい。このときのスキューには、マルチモード伝送媒体121のモード分散に起因するもの、およびレーザ光分離手段122以降のファイバ長や配線長に起因するものなどがある。さらに、レーザ光分離手段122におけるモード混合やモードクロストークもあわせて補償する構成とすることができる。
信号処理手段150は、A/D(Analog−to−Digital)コンバータおよびデジタル信号処理技術を適用することにより構成することができる。
上述した構成とすることにより、本実施形態の空間光受信装置2100によれば、受信光とシングルモードファイバとの結合効率の劣化を回避し、伝送レートの高速化を図ることができる。
次に、本実施形態による空間光通信システム2000の動作について説明する。
図5に、本実施形態の空間光受信装置2100を用いて、波面の乱れを受けた単一の波長の信号光を受光しモード分離した後の、モード毎のパワーの変化を模式的に示す。縦軸は概念的なモードを表し、下側が低次モード、上側が高次モードである。横軸は時間であり、各曲線は各モードの時間変化を示している。
図5では、時刻t=4からt=6にかけて、最大パワーを有するモードが低次側から4番目のモードから2番目のモードにシフトしている。これは、シンチレーションにより、マルチモード伝送媒体121への受信光の入射状態が変化することによって、マルチモード伝送媒体121において励起されるモードが変化するからである。なお、信号光のトータルパワーは一定であるとした。
この最大パワーの切り替わり時における、信号処理手段150の動作を、図6に模式的に示す。図5の4番目のモードを含むモード群1と、2番目のモードを含むモード群2からなり、それぞれ、複数のモードの重ね合わせとして示している。図5に示したモード間におけるパワーのシフトにより、図6の第1段目と第2段目に示すように、各モードのパワーが切り替わる。
モードのパワーの切り替わりに際して、信号処理手段(Digital Signal Processing:DSP)は信号の合成を行うためのアルゴリズムを切り替える必要がある。このアルゴリズムの切り替えのタイミングを、図5の第3段目に示す。アルゴリズム切り替え前後における信号処理手段(DSP)の信号合成動作を、同図の第4段目に示す。アルゴリズムの切り替えに伴い、信号処理手段(DSP)はトレーニングを行う必要があるため、トレーニングが終了するまでの時間は正常な信号の合成処理は困難である。その結果、同図の第5段目に示すように、信号処理手段(DSP)の出力信号に、信号断が発生する。
この信号断の時間が、モード変化の周期に比べて十分に短ければ、その影響は無視できる。それに対して、大気の擾乱が強く、信号断の時間が無視できない程度に頻度が増大すると、空間光通信(FSO)のスループットが急激に悪化する。
それに対して、本実施形態の空間光受信装置2100により波長ダイバーシティを適用した場合の動作について説明する。図7は、波長ダイバーシティを適用した場合における、本実施形態の空間光受信装置2100が備えるマルチモード伝送媒体121の端面に入射する信号光の波面の状態を説明するための概念図である。
大気の擾乱1001により送信側レーザ光201の波面が乱されても、大気の屈折率の波長分散は極めて小さい。そのため、異なる波長の受信側レーザ光101であっても同じ入射角θでマルチモード伝送媒体121の端面に照射される。その結果、同じ位置に同じ形状のビームスポットが形成される。
それに対して、例えば、波長が異なる二つの送信側レーザ光201が異なる出射角で送出される場合には、波長に対応した二つの経路(マルチパス)から入射した受信側レーザ光101の波面は、マルチモード伝送媒体121の端面で干渉縞を形成する。この干渉縞の間隔Dは、波長をλとすると、D=λ/sin(θ)となる。そのため、受信側レーザ光101の波長によって、マルチモード伝送媒体121の端面に形成されるビームスポットの位置が異なることになる。
ここで、マルチモード伝送媒体121の端面への受信側レーザ光101の入射位置と入射角に依存して、マルチモード伝送媒体121に励起されるモードが決定される。そのため、受信側レーザ光101の波長が異なれば、異なるモードが励起されることになる。さらに、マルチモード伝送媒体121を伝搬するモードが示す腹と節の周期は、一般に高次モードほど短周期になる。このようなマルチモード伝送媒体の伝搬特性を利用することによって、波長ダイバーシティをモード間の相関が低いモードダイバーシティに対応付けることができる。その結果、信号処理手段150における信号断が発生するタイミングを、時間軸上で拡散することができるので、信号断の頻度を低下させることができる。
以上の動作により、本実施形態の空間光受信装置2100によれば、大気の擾乱の影響を緩和し、伝送信号のビットレートの高速化と高効率なファイバ結合の両立を図ることができる。その結果、大容量の空間光通信(FSO)を実現することができる。
次に、信号処理手段150における信号処理について説明する。
図8に、比較例として、波長毎に単純に並列化して信号処理を行う構成とした関連する空間光受信装置の構成を示す。信号処理は、波長毎にデジタルシグナルプロセッサ351を用いて信号再生を行い、再生した信号を論理和回路352によって波長間で重ね合わせる構成としている。この構成により、欠損部を補完することができる。
ここで、大気の擾乱1001によるシンチレーションによって発生する信号の劣化をノイズNSCとし、図7を用いて説明したように波長間では無相関化されると仮定する。この場合、シンチレーションによるノイズは、波長ダイバーシティに用いる波長数を「w」とすると、論理和回路352による合成により、シンチレーションによるノイズはNSC/w1/2となる。
ここで、空間光送信装置の出力パワーが送信ブースターアンプの飽和出力Pで制限されていると仮定すると、各波長当たりの信号光パワーはP/wとなる。信号は論理和回路352では加算されないため、出力信号のS/N比は、P/(NSC・w1/2)となる。したがって、波長数wの増加に従ってS/N比が劣化することになる。
それに対して、本実施形態の空間光受信装置2100においては、図9に示すように、等価的に単一の信号処理手段150に全ての受信信号を入力し、信号処理手段150において信号の合成処理を行う構成としている。これにより、複数の波長の受信側レーザ光101の信号光パワーが加算されるので、信号処理手段150の出力信号のS/N比は、P/(NSC/w1/2)=(P/NSC)×w1/2となる。したがって、本実施形態の空間光受信装置2100によれば、波長数wの増加に従ってS/N比を改善することができる。
〔第3の実施形態〕
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図10に、本発明の第3の実施形態に係る空間光受信装置3100の構成を示す。
本実施形態による空間光受信装置3100は、集光手段110、励起モード制御手段120、複数の単一モード伝送媒体130、および複数の受光手段140を有する。
本実施形態の空間光受信装置3100が備える励起モード制御手段120は、マルチモード伝送媒体121、レーザ光分離手段122、およびマルチモード伝送媒体121の前段に波長分散手段123を備えた構成とした。ここで波長分散手段123は、集光手段110が集光した受信側レーザ光101を入力し、受信側レーザ光を波長毎に分岐し、波長毎にマルチモード伝送媒体121の端面の異なる位置に出力する。
本実施形態の空間光受信装置3100においては、波長分散手段123を挿入したことにより、弱い波面の乱れに対しても効果的に波長ダイバーシティを異なるモードに変換することができる。その結果、空間光通信(FSO)における大気の擾乱の影響を緩和し、伝送信号のビットレートの高速化と高効率なファイバ結合の両立を図ることができ、大容量な空間光通信(FSO)が可能となる。
次に、図11を用いて波長分散手段123の動作について説明する。
波長多重された信号光は大気を伝搬した後に、集光手段110を通過しマルチモード伝送媒体121の端面に集光される。ここでマルチモード伝送媒体121の前段に、波長分散手段123が配置されている。波長分散手段123は入射した信号光を波長分離し、波長毎に異なる角度でマルチモード伝送媒体121の端面に向けて照射する。
このような構成としたことにより本実施形態の空間光受信装置3100によれば、入射した信号光の波面の乱れが小さい場合であっても、波長毎にマルチモード伝送媒体121の端面における集光スポットの位置を変えることができる。そのため、波長ダイバーシティの効果を確実に得ることができる。
波長分散手段123は、プリズム、回折格子、導波路素子、非対称なチャープドファイバブラッググレーティング素子などの波面制御素子を用いることによって構成することができる。ここで、回折格子には、回折格子と音響光学素子との組み合わせや空間変調素子が含まれる。空間変調素子として、DFM(Deformable Mirror)、LCoS(Liquid Crystal on Silicon)などを用いることができる。また、導波路素子として、多モード干渉導波路(Multi Mode Interference:MIMI)素子やアレイ導波路回折格子(Arrayed Waveguide Grating:AWG)などを用いることができる。
また、図12に示すように、波長分散手段123に制御部124を設けた構成とすることができる。この場合、波長分散手段123の波長毎の分岐量を可変できるように構成し、制御部124からの制御信号で波長毎の分岐量を可変することによって、波長ダイバーシティ効果を制御することが可能になる。
このような構成とすることにより、受信側レーザ光101の波面の乱れの程度に応じて空間光送信装置から出射する波長数を可変とし、マルチモード伝送媒体121の端面における受信した信号光の照射位置を波長毎に適宜分岐させることができる。それにより、ダイバーシティ効果を確実にすることが可能である。ここで、波長毎の分岐量は、全ての波長に対して集光スポットの位置がマルチモード伝送媒体121の端面のコア面内に十分に入るように設定する。
具体的には例えば、大気擾乱が強いとき、すなわち、シンチレーションによって発生するノイズNSCが大きい場合、空間光送信装置からの送信波長数wを増やすことができる。このとき、波長分散手段123における分岐量を小さくし、全ての波長の信号光がマルチモード伝送媒体121のコア面内に均等に配置するように、あらかじめ定められた手法により制御する。例えば、使用する全ての波長の信号光のビームスポットの中心位置、すなわち平均的な分布の重心が、マルチモード伝送媒体121の端面のコア内に均等に配置するように制御することができる。また、ビームスポットがコアの中心からコア辺縁部へ向かって、あらかじめ定められた間隔で配置するように制御してもよい。
〔第4の実施形態〕
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。図13に、本発明の第4の実施形態に係る空間光通信システム4000の構成を示す。空間光通信システム4000は空間光受信装置4100と空間光送信装置4200とを有し、その間の自由空間の伝送路を介して信号光を伝搬させる。
空間光送信装置4200は、波長多重レーザ光送出手段210およびコリメート手段220を備える。波長多重レーザ光送出手段210は、複数のレーザ送信手段211、合波手段212、信号源213、および送信側遅延手段214を備える。
レーザ送信手段211は、波長の異なるレーザ光をそれぞれ送出する。合波手段212は、複数のレーザ送信手段211が送出するレーザ光を合波する。信号源213は、レーザ光によって送信するデータ信号を生成する。そして、送信側遅延手段214は、信号源213から入力したデータ信号に、波長毎に異なる所定の遅延量を与えてレーザ送信手段211に送出する。この遅延量は外部からの制御信号に従って可変する構成としてもよい。
このような構成により、本実施形態の空間光送信装置4200によれば、搬送波レーザ光を変調するデータ信号に、送信するレーザ光の波長に応じて時間差を設けた時間ダイバーシティを実現することができる。なお、合波手段212およびコリメート手段220の構成は、第2の実施形態による空間光送信装置2200におけるものと同様であるので、それらの説明は省略する。
空間光受信装置4100は、集光手段110、マルチモード伝送媒体121、レーザ光分離手段122、複数の単一モード伝送媒体を介して受光する複数の受光手段140、および信号処理手段を有する。
本実施形態においては、信号処理手段は第1の信号処理手段451、第2の信号処理手段452、および受信側遅延手段453を備えた構成とした。第1の信号処理手段451は、複数の受光手段140が出力する複数の受信信号に対して、波長が同一である受信信号毎に信号処理を施して、波長毎に第1の処理信号を出力する。受信側遅延手段453は、第1の処理信号に、波長毎に異なる遅延量を与えた第2の処理信号を出力する。そして、第2の信号処理手段452は、第2の処理信号に信号処理を施し、第2の処理信号を合成した出力信号を出力する。
なお、信号処理手段および後述する第1のセレクタ手段461、第2のセレクタ手段462以外の構成は、第2の実施形態による空間光受信装置2100におけるものと同様であるので、それらの説明は省略する。
上述したように、本実施形態による空間光受信装置4100は、信号処理手段を第1の信号処理手段451および第2の信号処理手段452の2段階に分離した構成とした。すなわち、第1の信号処理手段(DSP1)451は、レーザ光分離手段122で波長およびモード毎に分離した信号光に対して、同一の波長毎に信号処理の前処理を行う。その後に、受信側遅延手段453が波長毎にあらかじめ決められた遅延時間を付加する。そして最後に、第2の信号処理手段452が全ての波長を一括した信号処理を行う。
このような二段階の信号処理手段を用いることにより、以下に示すように、信号処理手段の回路規模を削減することができる。単一の信号処理手段においては、理論的には波長数wとモード数mの積の自乗(mw)の回路規模が必要となる。それに対して、本実施形態による信号処理手段の構成においては、波長数wとモード数mが2以上である場合、
×w+w=w(m+w)<(mw)
となり、回路規模の縮小が可能である。
また、受光手段140と第1の信号処理手段451との間に第1のセレクタ手段461を、第2の信号処理手段452の入力側に第2のセレクタ手段462を挿入した構成としてもよい。第1のセレクタ手段461および第2のセレクタ手段462は、受信信号の中から品質の良い信号を選択し、それぞれの信号処理手段に伝達する。信号の品質として、信号の強度または信号のS/N比を用いることができる。第1のセレクタ手段461および第2のセレクタ手段462を備えることにより、信号処理手段の回路規模をさらに縮小することができる。
〔第5の実施形態〕
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。図14に、本発明の第5の実施形態に係る空間光通信システム5000の構成を示す。空間光通信システム5000は空間光受信装置5100と空間光送信装置5200とを有し、その間の自由空間の伝送路を介して信号光を伝搬させる。
空間光送信装置5200は、波長多重レーザ光送出手段510およびコリメート手段220を備える。波長多重レーザ光送出手段510は、複数のレーザ光源511、合波手段512、信号源513、および変調手段514を備える。
レーザ光源511は、波長の異なる搬送波レーザ光をそれぞれ送出する。合波手段512は、複数のレーザ光源511がそれぞれ送出する搬送波レーザ光を合波して波長多重搬送波レーザ光を送出する。信号源513は送信するデータ信号を生成する。そして、変調手段514は波長多重搬送波レーザ光を、データ信号を用いて変調する。
また、コリメート手段220は、波長多重レーザ光の出射角を波長毎に異ならせた送信側レーザ光を、単一の光軸からなる光学系から空間伝送路に出射する。
空間光受信装置5100は、集光手段110、マルチモード伝送媒体121、レーザ光分離手段522、複数の単一モード伝送媒体を介して受光する複数の受光手段140、および信号処理手段550を有する。
本実施形態の空間光受信装置5100においては、レーザ光分離手段522はマルチモード伝送媒体121が送出する伝搬モード群を入力し、波長多重された状態で複数の伝搬モード光ごとに分離して出力する。そして、受光手段140は伝搬モード光を波長多重された状態で受光する。
上述したように、本実施形態による空間光送信装置5200は、信号源513で生成されたデータ信号を用いて、波長多重した搬送波レーザ光を一括して変調する構成としている。この場合、変調方式として強度変調方式を用いることができる。
一方、空間光受信装置5100においては、モード分離処理を行うだけで波長分離処理を行うことなく受光手段140で受信する構成としている。すなわち受光手段140は、モード分離された信号光を波長多重された状態のままで受信する。このような構成が可能なのは、空間光通信(FSO)の伝送路では波長分散がほとんど発生しないからである。なお、波長ダイバーシティの効果を確実にするために、図14に示すように、波長分散手段123をマルチモード伝送媒体121の前段に配置した構成としてもよい。
信号処理手段550は、モード分離した信号から受信信号を合成する。信号処理手段550の前段にセレクタ560を配置し、品質の良い信号のみを選択する構成としてもよい。
また、信号処理手段550において、論理和の演算処理を用いることとしてもよい。
このように、同一のデータ信号を用いて波長多重搬送波レーザ光を変調する構成としたことにより、部品数を削減した空間光送信装置によって波長ダイバーシティを有効に機能させることが可能である。
〔第6の実施形態〕
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。図15に、本発明の第6の実施形態に係る空間光通信システム6000の構成を示す。空間光通信システム6000は空間光受信装置6100と第5の実施形態による空間光送信装置5200とを有し、その間の自由空間の伝送路を介して信号光を伝搬させる。
空間光送信装置5200は上述したように、信号源513で生成されたデータ信号を用いて、波長多重した搬送波レーザ光を一括して変調する構成としている。
空間光受信装置6100は、集光手段110、マルチモード伝送媒体121、レーザ光分離手段122、複数の単一モード伝送媒体を介して受光する複数の受光手段140、および信号処理手段を有する。
本実施形態においては、信号処理手段は第1の信号処理手段651および第2の信号処理手段652を備えた構成とした。第1の信号処理手段651は、複数の受光手段140が出力する複数の受信信号に対して、伝搬モード光が同一である受信信号毎に信号処理を施して、伝搬モード光毎に処理信号を出力する。そして、第2の信号処理手段652は、これらの処理信号に信号処理を施し、処理信号を合成した出力信号を出力する。
すなわち、空間光受信装置6100においては、レーザ光分離手段122が信号光についてモード分離処理と波長分離処理を行い、信号処理手段を二段階に分離している。第1の信号処理手段651は、異なる波長で同一のモード毎に第一の信号処理を行う。続いて、全てのモードの受信信号を集めて、第2の信号処理手段652によって受信信号の合成処理を行う。
自由空間およびマルチモード伝送媒体を含む伝送路全体において、波長分散は発生しない。一方、マルチモード伝送媒体を伝搬中にはモード分散が発生する。これらのことから、異なる波長であっても同一のモードであれば分散量は等しくなる。したがって、上述したように、まず第1の信号処理手段651によって同一のモード分散を受けた受信信号を一括して処理し、その後に第2の信号処理手段652によって、異なるモード分散を受けた受信信号を合成することにより出力信号を得ることができる。
本実施形態の空間光受信装置6100によれば、第4の実施形態と同様に、信号処理手段の回路規模を縮小することができる。
また、受光手段140と第1の信号処理手段651との間に第1のセレクタ手段661を、第2の信号処理手段652の入力側に第2のセレクタ手段662を挿入した構成としてもよい。第1のセレクタ手段661および第2のセレクタ手段662は、受信信号の中から品質の良い信号を選択し、それぞれの信号処理手段に伝達する。第1のセレクタ手段661および第2のセレクタ手段662を備えることにより、信号処理手段の回路規模をさらに縮小することができる。
なお、波長ダイバーシティの効果を確実にするために、図15に示すように、波長分散手段123をマルチモード伝送媒体121の前段に配置した構成としてもよい。また、受光手段140にデジタルコヒーレント受信技術を用いることとしてもよい。
上述したように、本実施形態による空間光通信システム6000においては、異なる波長で伝送した信号光に対する受信信号を一括して、第1の信号処理手段651により信号処理を行う構成としている。このとき、波長毎に異なる光周波数の位相雑音が存在すると、第1の信号処理手段651は波長毎に位相同期処理回路を備える必要がある。
この場合、各波長の位相雑音が揃っていれば位相同期回路の規模を削減することが可能である。そこで、図16に示すように、空間光送信装置5200が備える波長多重レーザ光送出手段510が、複数のレーザ光源511がそれぞれ送出する搬送波レーザ光の光位相を同期させる送信側光位相同期手段610を備えた構成とすることができる。また、空間光受信装置6100が備える複数の受光手段140は、それぞれ局部発振光源を備え、局部発振光源がそれぞれ送出する局部発振光の光位相を同期させる受信側光位相同期手段640を備えた構成とすることができる。
送信側光位相同期手段610および受信側光位相同期手段640を備えることにより、位相雑音の波長間の相対的な揺らぎを極めて小さく抑えることができる。そのため、第1の信号処理手段651においては、波長は異なっても同じ位相雑音として検出される。これにより、第1の信号処理手段651の回路規模を削減し、異なる波長の受信信号に対して一括して位相同期処理を行うことが可能になる。
送信側光位相同期手段610および受信側光位相同期手段640には、光PLL(Phase Locked Loop)や光コム(Optical Comb)などを用いることができる。
また、空間光送信装置5200の送信側光位相同期手段610と空間光受信装置6100の受信側光位相同期手段640との間で、光周波数同期を行うこととしてもよい。この場合、あらかじめ決められた光周波数同期用の波長を用いて、空間光送信装置5200または空間光受信装置6100のいずれか一方から他方へ同期信号を転送することとしてもよい。衛星光空間通信に用いる場合は、大きな伝送遅延が発生する。そこで、位相雑音を最小化するために、送信器側の同期用波長光を信号光と並行して伝送し、受信側の局発光源の同期に用いることが望ましい。
また、光周波数同期を行うことに替えて、図17に示すように、一つの第1の信号処理手段651で検出した位相オフセット情報を、他の複数の第1の信号処理手段651で共有することによって、信号処理手段の回路規模の削減を図ることができる。すなわち、第1の信号処理手段651のうち、一の波長に対応した検出用第1の信号処理手段が位相オフセット情報を検出し、位相オフセット情報を他の波長に対応した第1の信号処理手段651に送出する構成とすることができる。
具体的には、一つの第1の信号処理手段651で検出した、ある波長の信号光の位相オフセットを、それ以外の複数の第1の信号処理手段651で共有し、全ての波長の位相雑音を共有する。位相オフセット情報の共有には、図17に示すように、ハブ装置670を介して行うこととしてもよい。第1の信号処理手段651は、他の第1の信号処理手段651と共有した各波長の位相オフセットを、入力された各波長の信号に適用することによって位相雑音の補償処理を行う。
このような構成とすることにより、全ての第1の信号処理手段651において個別に位相雑音を検出する処理を省略することができる。その結果、第1の信号処理手段651の回路規模を削減し、位相雑音の補償を実現することが可能となる。
〔第7の実施形態〕
次に、本発明の第7の実施形態について説明する。図18に、本発明の第7の実施形態に係る空間光受信装置700の構成を示す。空間光受信装置700は、集光手段110、波長分散手段123、マルチモード伝送媒体としての複数のマルチモードファイバ721、レーザ光分離手段122、および複数の単一モード伝送媒体130を有する。
集光手段110は、空間伝送路を伝搬した波長多重された受信側レーザ光101を集光する。複数のマルチモードファイバ721は、それぞれの端面が受信側レーザ光の入力方向に対して異なる位置になるように配置している。そして波長分散手段123は、受信側レーザ光を波長毎に異なるマルチモードファイバ721の端面に出力する。
マルチモードファイバ721は、複数の伝搬モード光を含む伝搬モード群を出力する。レーザ光分離手段122は、伝搬モード群を入力し、複数の伝搬モード光ごとに分離して出力する。そして単一モード伝送媒体130は、複数の伝搬モード光をそれぞれ導波する。
このように、本実施形態による空間光受信装置700は、波長分散手段123によって受信側レーザ光を波長分離し、波長毎に異なるマルチモードファイバ(MMF)721に結合させる。
ここで、波長分散手段123から出力される信号光ビームに対して、波長毎に対応するマルチモードファイバ(MMF)721の位置を理想的に一致させた場合を考える。この場合には、大気の波長分散が無いために、それぞれの波長に対応した全てのマルチモードファイバ(MMF)721の端面において、同じシンチレーションが発生する。そのため、波長ダイバーシティの効果は得られない。
それに対して、本実施形態の空間光受信装置700は、波長毎のマルチモードファイバ(MMF)721の位置に異なるオフセットを与えることによって、マルチモードファイバ(MMF)721のコア面における集光スポットの位置を変える構成としている。このように、マルチモードファイバ(MMF)721の端面の面内方向にオフセットを与えると、マルチモードファイバ(MMF)721のコア面における集光スポットの位置が変わる。そのため、異なるモードが励起されることになる。また、波長分散手段123からマルチモードファイバ(MMF)721の端面までの光学長にオフセットを与えてデフォーカスすることにより、集光スポットのパタンが変化し異なるモードが励起される。なお、このオフセットは波長程度のオーダーであり、しかも固定値である。そのため、オフセットによる位相シフトにより後段における信号処理に与える影響は軽微である。
以上述べたように、本実施形態の空間光受信装置700によれば、波長ダイバーシティの効果によって、受信光とシングルモードファイバとの結合効率の劣化が通信特性に及ぼす影響を緩和し、伝送レートの高速化を図ることができる。
上述した各実施形態における波長ダイバーシティを用いた空間光通信システムにおいて、送信波長の個数など送信リソースを可変制御することが可能である。具体的には、波面の乱れの大きさに応じて、単一の信号源から波長ダイバーシティに用いる波長数や、空間ダイバーシティを用いる場合における広がり角やビームのズレ角、および出力光の強度を可変制御することができる。また、第4の実施形態の空間光送信装置における時間ダイバーシティでの遅延量を可変制御することとしてもよい。このような構成とすることにより、送信側の電力等のリソースが限られる衛星や航空機において、波面乱れが少ない伝送路条件の場合には、リソース消費を抑制する効果が得られる。
なお、リソースを制御するために、受信側で検出される光信号のS/N比やエラーレートから送信側にフィードバック制御することとしてもよい。フィードバックには、対応する空間光通信(FSO)や無線回線を用いることができる。また、送信器側で大気状態をモニタして波面乱れを予測し、オープンループでリソースを制御することとしてもよい。大気状態のモニタには、送信した信号光のミー散乱(後方散乱)や気象情報などを用いることができる。
あるいは、異なる衛星や航空機からの空間光通信(FSO)で得られたリソース情報を利用することもできる。これは以下の理由による。すなわち、波面の乱れは大気下層における影響が強いので受信局の近傍で発生することが多い。そのため、複数の空間光通信(FSO)機器との接続切替がある場合であっても、大気の状態の時定数に比べて切替の時間が十分に短ければ、同等の波面乱れの大きさを受けると仮定できるからである。このような手段を用いることにより、送信リソースの制御を簡略化することができる。
また、送信リソースの増減に対応して、合波手段に含まれる光増幅手段の強度を制御することとしてもよい。このとき、波長数や波長の組み合わせに応じて、あらかじめ定められた設定により出力光強度を調整する。このように制御することによって、光増幅手段において発生する非線形効果を抑制し、安定な空間光通信(FSO)を実現することができる。
以上、上述した実施形態を模範的な例として本発明を説明した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態には限定されない。即ち、本発明は、本発明のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。
この出願は、2014年9月25日に出願された日本出願特願2014−195305を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)空間伝送路を伝搬した波長多重された受信側レーザ光を集光する集光手段と、 前記集光手段が集光した前記受信側レーザ光を入力し、波長毎に励起状態が異なる、複数の伝搬モード光を含む伝搬モード群を生成し、前記複数の伝搬モード光ごとに分離して出力する励起モード制御手段と、前記複数の伝搬モード光をそれぞれ導波する複数の単一モード伝送媒体と、前記複数の単一モード伝送媒体を介して前記複数の伝搬モード光をそれぞれ受光する複数の受光手段、とを有する空間光受信装置。
(付記2)前記励起モード制御手段は、前記受信側レーザ光を波長毎に異なる入射状態で入力し、前記伝搬モード群を出力するマルチモード伝送媒体と、前記伝搬モード群を入力し、前記複数の伝搬モード光ごとに分離して出力するレーザ光分離手段、とを備える付記1に記載した空間光受信装置。
(付記3)前記励起モード制御手段は、前記マルチモード伝送媒体の前段に波長分散手段を備え、前記波長分散手段は、前記受信側レーザ光を入力し、前記マルチモード伝送媒体に励起する伝搬モードを制御する付記2に記載した空間光受信装置。
(付記4)前記波長分散手段は、前記受信側レーザ光を入力し、前記受信側レーザ光を波長毎に分岐し、前記波長毎に前記マルチモード伝送媒体の端面の異なる位置に出力する 付記3に記載した空間光受信装置。
(付記5)空間光送信装置と空間光受信装置を有し、前記空間光送信装置は、波長の異なる複数のレーザ光を多重した波長多重レーザ光を送出する波長多重レーザ光送出手段と、前記波長多重レーザ光の出射角を波長毎に異ならせた送信側レーザ光を、単一の光軸からなる光学系から空間伝送路に出射するコリメート手段、とを備え、前記空間光受信装置は、前記送信側レーザ光が前記空間伝送路を伝搬した後の受信側レーザ光を集光する集光手段と、前記集光手段が集光した前記受信側レーザ光を入力し、波長毎に励起状態が異なる、複数の伝搬モード光を含む伝搬モード群を生成し、前記複数の伝搬モード光ごとに分離して出力する励起モード制御手段と、前記複数の伝搬モード光をそれぞれ導波する複数の単一モード伝送媒体と、前記複数の単一モード伝送媒体を介して前記複数の伝搬モード光をそれぞれ受光する複数の受光手段、とを有する空間光通信システム。
(付記6)前記空間光受信装置は、前記複数の受光手段が出力する複数の受信信号に信号処理を施し、前記複数の受信信号を合成した出力信号を出力する信号処理手段をさらに有し、前記コリメート手段は、前記波長多重レーザ光を波長毎に異なる角度で出射させる送信側マルチモード伝送媒体を備え、前記励起モード制御手段は、前記受信側レーザ光を波長毎に異なる入射状態で入力し、前記伝搬モード群を出力するマルチモード伝送媒体と、 前記伝搬モード群を入力し、前記複数の伝搬モード光ごとに分離して出力するレーザ光分離手段、とを備える付記5に記載した空間光通信システム。
(付記7)前記波長多重レーザ光送出手段は、波長の異なるレーザ光をそれぞれ送出する複数のレーザ送信手段と、前記複数のレーザ送信手段が送出する前記レーザ光を合波する合波手段と、前記レーザ光によって送信するデータ信号を生成する信号源と、前記信号源から入力した前記データ信号に、前記波長毎に異なる所定の遅延量を与えて前記レーザ送信手段に送出する送信側遅延手段、とを備え、前記信号処理手段は、第1の信号処理手段と、受信側遅延手段と、第2の信号処理手段とを含み、前記第1の信号処理手段は、前記複数の受光手段が出力する複数の受信信号に対して、前記波長が同一である前記受信信号毎に信号処理を施して、前記波長毎に第1の処理信号を出力し、前記受信側遅延手段は、前記第1の処理信号に、前記波長毎に異なる前記遅延量を与えた第2の処理信号を出力し、 前記第2の信号処理手段は、前記第2の処理信号に信号処理を施し、前記第2の処理信号を合成した出力信号を出力する付記6に記載した空間光通信システム。
(付記8)前記波長多重レーザ光送出手段は、波長の異なる搬送波レーザ光をそれぞれ送出する複数のレーザ光源と、前記複数のレーザ光源がそれぞれ送出する前記搬送波レーザ光を合波して波長多重搬送波レーザ光を送出する合波手段と、送信するデータ信号を生成する信号源と、前記波長多重搬送波レーザ光を、前記データ信号を用いて変調した波長多重レーザ光を送出する変調手段、とを備え、前記信号処理手段は、第1の信号処理手段と第2の信号処理手段を含み、前記第1の信号処理手段は、前記複数の受光手段が出力する複数の受信信号に対して、前記伝搬モード光が同一である前記受信信号毎に信号処理を施して、前記伝搬モード光毎に処理信号を出力し、前記第2の信号処理手段は、前記処理信号に信号処理を施し、前記処理信号を合成した出力信号を出力する付記6に記載した空間光通信システム。
(付記9)前記第1の信号処理手段のうち、一の波長に対応した検出用第1の信号処理手段が位相オフセット情報を検出し、前記位相オフセット情報を他の波長に対応した前記第1の信号処理手段に送出する付記8に記載した空間光通信システム。
(付記10)波長の異なる複数のレーザ光を多重した波長多重レーザ光を送出し、前記波長多重レーザ光を単一の光軸からなる光学系に導入し、前記光学系から送信側レーザ光を空間伝送路に出射し、前記送信側レーザ光が前記空間伝送路を伝搬した後の受信側レーザ光を集光し、集光した前記受信側レーザ光から、波長毎に励起状態が異なる、複数の伝搬モード光を含む伝搬モード群を生成し、前記複数の伝搬モード光ごとに分離し、前記複数の伝搬モード光を複数の単一モード伝送媒体にそれぞれ導入し、前記複数の単一モード伝送媒体を導波した前記複数の伝搬モード光をそれぞれ受光する空間光通信方法。
(付記11)前記波長多重レーザ光送出手段は、波長の異なる搬送波レーザ光をそれぞれ送出する複数のレーザ光源と、前記複数のレーザ光源がそれぞれ送出する前記搬送波レーザ光を合波して波長多重搬送波レーザ光を送出する合波手段と、送信するデータ信号を生成する信号源と、前記波長多重搬送波レーザ光を、前記データ信号を用いて変調した波長多重レーザ光を送出する変調手段、とを備え、前記レーザ光分離手段は、前記伝搬モード群を入力し、波長多重された状態で前記複数の伝搬モード光ごとに分離して出力し、前記受光手段は、前記伝搬モード光を波長多重された状態で受光する付記6に記載した空間光通信システム。
(付記12)前記波長多重レーザ光送出手段は、前記複数のレーザ光源がそれぞれ送出する前記搬送波レーザ光の光位相を同期させる送信側光位相同期手段を備え、前記複数の受光手段は、それぞれ局部発振光源を備え、前記局部発振光源がそれぞれ送出する局部発振光の光位相を同期させる受信側光位相同期手段を備える付記8に記載した空間光通信システム。
(付記13)前記信号処理手段は、前記受光手段が出力する前記受信信号から高品質な受信信号を選択して前記第1の信号処理手段に出力する第1のセレクタ手段と、前記第1の信号処理手段が出力する信号から高品質な信号を選択して前記第2の信号処理手段に出力する第2のセレクタ手段、とをさらに備える付記7または8に記載した空間光通信システム。
(付記14)前記マルチモード伝送媒体は、複数のマルチモードファイバを含み、前記複数のマルチモードファイバは、それぞれの端面が前記受信側レーザ光の入力方向に対して異なる位置になるように配置しており、前記波長分散手段は、前記受信側レーザ光を前記波長毎に異なる前記マルチモードファイバの端面に出力する付記3または4に記載した空間光受信装置。
(付記15)前記光学系から送信側レーザ光を空間伝送路に出射する際に、前記波長多重レーザ光を波長毎に異なる角度で出射させる付記10に記載した空間光通信方法。
(付記16)前記受信側レーザ光から、波長毎に励起状態が異なる、複数の伝搬モード光を含む伝搬モード群を生成する際に、前記受信側レーザ光を波長毎に分岐し、前記波長毎にマルチモード伝送媒体の端面の異なる位置に出力することにより、前記マルチモード伝送媒体から前記伝搬モード群を出力させる付記10に記載した空間光通信方法。
100、700、1100、2100、3100、4100、5100、6100 空間光受信装置
101 受信側レーザ光
110 集光手段
120 励起モード制御手段
121 マルチモード伝送媒体
122、522 レーザ光分離手段
123 波長分散手段
124 制御部
130 単一モード伝送媒体
140 受光手段
150、550 信号処理手段
201 送信側レーザ光
210、510 波長多重レーザ光送出手段
211 レーザ送信手段
212、512 合波手段
213、513 信号源
214 送信側遅延手段
220 コリメート手段
351 デジタルシグナルプロセッサ
352 論理和回路
451、651 第1の信号処理手段
452、652 第2の信号処理手段
453 受信側遅延手段
461、661 第1のセレクタ手段
462、662 第2のセレクタ手段
511 レーザ光源
514 変調手段
560 セレクタ
610 送信側光位相同期手段
640 受信側光位相同期手段
670 ハブ装置
721 マルチモードファイバ
1000、2000、4000、5000、6000 空間光通信システム
1001 大気の擾乱
1200、2200、4200、5200 空間光送信装置

Claims (10)

  1. 空間伝送路を伝搬した波長多重された受信側レーザ光を集光する集光手段と、
    前記集光手段が集光した前記受信側レーザ光を入力し、波長毎に励起状態が異なる、複数の伝搬モード光を含む伝搬モード群を生成し、前記複数の伝搬モード光ごとに分離して出力する励起モード制御手段と、
    前記複数の伝搬モード光をそれぞれ導波する複数の単一モード伝送媒体と、
    前記複数の単一モード伝送媒体を介して前記複数の伝搬モード光をそれぞれ受光する複数の受光手段、とを有する
    空間光受信装置。
  2. 請求項1に記載した空間光受信装置において、
    前記励起モード制御手段は、
    前記受信側レーザ光を波長毎に異なる入射状態で入力し、前記伝搬モード群を出力するマルチモード伝送媒体と、
    前記伝搬モード群を入力し、前記複数の伝搬モード光ごとに分離して出力するレーザ光分離手段、とを備える
    空間光受信装置。
  3. 請求項2に記載した空間光受信装置において、
    前記励起モード制御手段は、前記マルチモード伝送媒体の前段に波長分散手段を備え、
    前記波長分散手段は、前記受信側レーザ光を入力し、前記マルチモード伝送媒体に励起する伝搬モードを制御する
    空間光受信装置。
  4. 請求項3に記載した空間光受信装置において、
    前記波長分散手段は、前記受信側レーザ光を入力し、前記受信側レーザ光を波長毎に分岐し、前記波長毎に前記マルチモード伝送媒体の端面の異なる位置に出力する
    空間光受信装置。
  5. 空間光送信装置と空間光受信装置を有し、
    前記空間光送信装置は、
    波長の異なる複数のレーザ光を多重した波長多重レーザ光を送出する波長多重レーザ光送出手段と、
    前記波長多重レーザ光の出射角を波長毎に異ならせた送信側レーザ光を、単一の光軸からなる光学系から空間伝送路に出射するコリメート手段、とを備え、
    前記空間光受信装置は、
    前記送信側レーザ光が前記空間伝送路を伝搬した後の受信側レーザ光を集光する集光手段と、
    前記集光手段が集光した前記受信側レーザ光を入力し、波長毎に励起状態が異なる、複数の伝搬モード光を含む伝搬モード群を生成し、前記複数の伝搬モード光ごとに分離して出力する励起モード制御手段と、
    前記複数の伝搬モード光をそれぞれ導波する複数の単一モード伝送媒体と、
    前記複数の単一モード伝送媒体を介して前記複数の伝搬モード光をそれぞれ受光する複数の受光手段、とを有する
    空間光通信システム。
  6. 請求項5に記載した空間光通信システムにおいて、
    前記空間光受信装置は、前記複数の受光手段が出力する複数の受信信号に信号処理を施し、前記複数の受信信号を合成した出力信号を出力する信号処理手段をさらに有し、
    前記コリメート手段は、前記波長多重レーザ光を波長毎に異なる角度で出射させる送信側マルチモード伝送媒体を備え、
    前記励起モード制御手段は、前記受信側レーザ光を波長毎に異なる入射状態で入力し、前記伝搬モード群を出力するマルチモード伝送媒体と、
    前記伝搬モード群を入力し、前記複数の伝搬モード光ごとに分離して出力するレーザ光分離手段、とを備える
    空間光通信システム。
  7. 請求項6に記載した空間光通信システムにおいて、
    前記波長多重レーザ光送出手段は、
    波長の異なるレーザ光をそれぞれ送出する複数のレーザ送信手段と、
    前記複数のレーザ送信手段が送出する前記レーザ光を合波する合波手段と、
    前記レーザ光によって送信するデータ信号を生成する信号源と、
    前記信号源から入力した前記データ信号に、前記波長毎に異なる所定の遅延量を与えて前記レーザ送信手段に送出する送信側遅延手段、とを備え、
    前記信号処理手段は、第1の信号処理手段と、受信側遅延手段と、第2の信号処理手段とを含み、
    前記第1の信号処理手段は、前記複数の受光手段が出力する複数の受信信号に対して、前記波長が同一である前記受信信号毎に信号処理を施して、前記波長毎に第1の処理信号を出力し、
    前記受信側遅延手段は、前記第1の処理信号に、前記波長毎に異なる前記遅延量を与えた第2の処理信号を出力し、
    前記第2の信号処理手段は、前記第2の処理信号に信号処理を施し、前記第2の処理信号を合成した出力信号を出力する
    空間光通信システム。
  8. 請求項6に記載した空間光通信システムにおいて、
    前記波長多重レーザ光送出手段は、
    波長の異なる搬送波レーザ光をそれぞれ送出する複数のレーザ光源と、
    前記複数のレーザ光源がそれぞれ送出する前記搬送波レーザ光を合波して波長多重搬送波レーザ光を送出する合波手段と、
    送信するデータ信号を生成する信号源と、
    前記波長多重搬送波レーザ光を、前記データ信号を用いて変調した波長多重レーザ光を送出する変調手段、とを備え、
    前記信号処理手段は、第1の信号処理手段と第2の信号処理手段を含み、
    前記第1の信号処理手段は、前記複数の受光手段が出力する複数の受信信号に対して、前記伝搬モード光が同一である前記受信信号毎に信号処理を施して、前記伝搬モード光毎に処理信号を出力し、
    前記第2の信号処理手段は、前記処理信号に信号処理を施し、前記処理信号を合成した出力信号を出力する
    空間光通信システム。
  9. 請求項8に記載した空間光通信システムにおいて、
    前記第1の信号処理手段のうち、一の波長に対応した検出用第1の信号処理手段が位相オフセット情報を検出し、前記位相オフセット情報を他の波長に対応した前記第1の信号処理手段に送出する
    空間光通信システム。
  10. 波長の異なる複数のレーザ光を多重した波長多重レーザ光を送出し、
    前記波長多重レーザ光を単一の光軸からなる光学系に導入し、前記光学系から送信側レーザ光を空間伝送路に出射し、
    前記送信側レーザ光が前記空間伝送路を伝搬した後の受信側レーザ光を集光し、
    集光した前記受信側レーザ光から、波長毎に励起状態が異なる、複数の伝搬モード光を含む伝搬モード群を生成し、前記複数の伝搬モード光ごとに分離し、
    前記複数の伝搬モード光を複数の単一モード伝送媒体にそれぞれ導入し、
    前記複数の単一モード伝送媒体を導波した前記複数の伝搬モード光をそれぞれ受光する
    空間光通信方法。
JP2016549939A 2014-09-25 2015-09-15 空間光受信装置、空間光通信システムおよび空間光通信方法 Pending JPWO2016047100A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014195305 2014-09-25
JP2014195305 2014-09-25
PCT/JP2015/004701 WO2016047100A1 (ja) 2014-09-25 2015-09-15 空間光受信装置、空間光通信システムおよび空間光通信方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2016047100A1 true JPWO2016047100A1 (ja) 2017-07-06

Family

ID=55580650

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016549939A Pending JPWO2016047100A1 (ja) 2014-09-25 2015-09-15 空間光受信装置、空間光通信システムおよび空間光通信方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JPWO2016047100A1 (ja)
WO (1) WO2016047100A1 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10454577B2 (en) * 2015-08-20 2019-10-22 Nec Corporation Free space optical transmitter and free space optical communication method
MX2020008787A (es) 2018-02-22 2021-01-08 8 Rivers Capital Llc Sistema para comunicacion inalambrica optica multicanal de haz divergente.
EP3748873B1 (en) * 2018-03-01 2023-05-03 Mitsubishi Electric Corporation Spatial optical communication receiver
US11977219B2 (en) 2018-11-13 2024-05-07 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Optical compensation system and optical compensation method
WO2020222901A1 (en) 2019-04-29 2020-11-05 Massachusetts Institute Of Technology Multi-spatial mode enabled pat and ao terminal architecture for free-space optical communications
WO2021152678A1 (ja) * 2020-01-27 2021-08-05 株式会社島津製作所 光通信装置
EP3860000A1 (en) * 2020-02-03 2021-08-04 Nokia Solutions and Networks Oy Free-space optical communication
CN113595632B (zh) * 2021-08-10 2023-12-12 长春理工大学 一种基于多单元拼接阵列的空间激光通信方法和系统
FR3142310A1 (fr) * 2022-11-21 2024-05-24 Cailabs Système de telecommunication optique en espace libre

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9048950B2 (en) * 2010-07-07 2015-06-02 LGS Innovations LLC Multiple-input method and apparatus of free-space optical communication
FR2977099B1 (fr) * 2011-06-23 2014-02-21 Telecom Paris Tech Methode et systeme de transmission sur fibre optique multi-mode et/ou multi-coeur
EP3119019B1 (en) * 2014-03-13 2018-11-21 Nec Corporation Spatial light receiving apparatus and spatial light receiving method

Also Published As

Publication number Publication date
WO2016047100A1 (ja) 2016-03-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2016047100A1 (ja) 空間光受信装置、空間光通信システムおよび空間光通信方法
JP6536579B2 (ja) 空間光受信装置および空間光受信方法
US9564968B2 (en) Multiple-input method and apparatus of free-space optical communication
Morioka et al. Enhancing optical communications with brand new fibers
Sakaguchi et al. 19-core fiber transmission of 19× 100× 172-Gb/s SDM-WDM-PDM-QPSK signals at 305Tb/s
US8320769B2 (en) Transverse-mode multiplexing for optical communication systems
US9503186B2 (en) Space division multiplexing apparatus including multi-core fiber and selfhomodyne detection method
US10122447B2 (en) Free space optical receiver and free space optical receiving method
JP6763382B2 (ja) 光通信装置、光通信システムおよび光通信方法
WO2016088318A1 (ja) 空間光受信装置および空間光受信方法
Oh et al. 42.8 Gbit/s indoor optical wireless communication with 2-dimensional optical beam-steering
JP5804365B2 (ja) ダイバーシティ光伝送装置および方法
JP2012195944A (ja) 偏波多重信号の干渉低減システムおよび方法
US9042730B2 (en) System and method for compensating signal degradation in dual polarization optical systems
US7308211B2 (en) Optical receiver and method for controlling dispersion compensation
Mazurek et al. Towards 1 Tbit/s SOA‐based 1310 nm transmission for local area network/data centre applications
Huang et al. Optical broadcasting employing incoherent and low-coherence spatial modes for bi-directional optical wireless communications
Liu et al. Orbital angular momentum data transmission using a silicon photonic mode multiplexer
US20170365971A1 (en) Multi-span optical communications link having remote optically pumped amplifier
JP6992907B2 (ja) 光増幅装置および光増幅方法
Huang et al. Orbital-angular-momentum-based reconfigurable and “lossless” optical add/drop multiplexing of multiple 100-Gbit/s channels
JP2012213043A (ja) 光送信機及び方法、光受信機及び方法、光送受信装置及び方法、並びに光伝送システム
WO2016203747A1 (ja) 空間光送信装置および空間光通信方法
Allahverdyan et al. Carrying data on the orbital angular momentum of light
Khider et al. The high efficiency of slotted optical time division multiplexing