JP6536579B2 - 空間光受信装置および空間光受信方法 - Google Patents

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Description

本発明は、空間光受信装置および空間光受信方法に関し、特に、自由空間を伝搬するレーザ光により光通信を行う空間光受信装置および空間光受信方法に関する。
近年、リモートセンシング技術の発達により、航空機や人工衛星に搭載される観測機器の性能が向上し、上空から地上へ伝送される情報量が増大している。将来のさらに性能が向上した観測機器が生成するデータを効率的に地上に伝送するため、マイクロ波よりも格段に広帯域化が期待できる光周波数帯を用いた空間光通信(Free Space Optics :FSO)システムが検討されている。
空間光通信(FSO)システムにおいては、人工衛星から地上までの超長距離の伝送を実現するため、高感度な受信装置が必要である。また、大容量な空間光通信(FSO)システムを実現するためには、伝送レートの高速化技術と波長多重技術を適用することが必要とされている。その際に、光ファイバ通信技術と共通の技術を利用すること、すなわちシングルモードファイバ(Single Mode Fiber :SMF)を用いた光送受信技術を応用することが効率的である。その理由は、例えば、低雑音かつ高利得な直接光増幅技術、高感度なデジタルコヒーレント受信技術、高ビットレート送受信技術、および高密度波長多重(Dense Wavelength Division Multiplexing:DWDM)技術などを利用することが可能だからである。
このような光ファイバ通信技術を用いた空間光通信装置の例が特許文献1に記載されている。
空間光通信(FSO)技術では一般に、変調したレーザ光を狭ビームで送信し大気中を伝搬させる。受信側では、光アンテナで集光し、短距離のファイバを伝送させた後に信号受信を行う。大容量化のため、特許文献1では、半導体レーザなどのコヒーレント光源を備えた送信器と、シングルモードファイバ(SMF)を用いた光送受信技術を用いている。
空間光通信(FSO)受信装置では、以下に述べるように、地上付近の大気中を信号伝搬することによるレーザ光の波面乱れが問題となる。空間光通信(FSO)受信装置の集光部では焦点面(フォーカルプレーン)上にビームスポットが形成されるが、大気の擾乱によりビームスポットにスペックルパターンが発生する。スペックルパターンの発生により、ビームスポットは理想的な焦点面に対して拡散あるいは移動(シンチレーション)する。
空間光通信(FSO)受信装置では信号のビットレートが高速化するにしたがって、シングルモードファイバ(SMF)と光結合させる必要がある。しかし、上述したビームスポットが変動する現象は、ファイバ結合効率の劣化(フェード)をもたらすため極めて大きな問題となる。その理由は、ファイバのコア径が小さいシングルモードファイバ(SMF)では、僅かなビームスポットの揺らぎであっても大きなフェードが発生し、受信データの欠損が生じるからである。したがって、大容量空間光通信(FSO)システムを実現するためには、伝送レートの高速化と同時に、シンチレーションによるフェードを抑制する必要がある。
上述したシングルモードファイバ(SMF)との結合効率の劣化(フェード)を回避するために、特許文献1に記載されたFSOレシーバでは、大きなコアから小さなコアへと徐々に細くなっている単一のファイバまたはファイバ・バンドルを用いた構成としている。具体的には、特許文献1に記載されたFSOレシーバは、テレスコープ収集システムと、波長デマルチプレクサと、ダイオード光検出器と、アナログ・デジタル変換器と、デジタル信号プロセッサとを含む。そして、デマルチプレクサから複数の個別のファイバ端面に光を収集し、徐々に細くなっているファイバ・バンドルまたは徐々に細くなっている単一のファイバが、光検出器に対して入力するためにその光を単一の出力ファイバに集中させる構成としている。
この手段によって、比較的大きな光アパーチャが光信号を収集するために提供される。このように、収集された光を単一モードの出力ファイバに効率的に結合するための、断熱テーパーを用いた、徐々に細くなっているテーパー・ファイバが知られている。そして、このように大きなアパーチャ構成を利用可能としたことにより、通信システムの性能を悪化させるビーム・ワンダー(beam wander)に対するより大きな耐性が得られる、としている。
また、特許文献1には、単一モード・ファイバを融合したマルチモード・ファイバ・バンドルが記載されている。そして、このファイバ・バンドルの大きなアパーチャ面の上に、収集レンズを用いて光を収集させる構成としたFSOレシーバが開示されている。
特表2013−535871号公報
上述した特許文献1に記載されたFSOレシーバにおいては、ファイバ・バンドルは、コア面積に対してクラッド面積が占める割合が大きく、効率の良い単一モードファイバへの結合は困難である。また、単一のコアによるテーパー・ファイバの場合には、大きなコアの辺縁部にコヒーレントな信号光を照射すると、大きなコア領域のファイバに高次モードが励起される。このとき、断熱テーパーでは、後段のシングルモードファイバ(SMF)が伝搬できない高次モードは放射損失となる。そのため、特許文献1に記載されたFSOレシーバでは、ファイバとの高効率な結合は困難である。
一方、特許文献1に記載されたマルチモードファイバ(Multi Mode Fiber :MMF)自体は、コア面積が十分大きいことにより、シンチレーションによるファイバ結合効率の劣化を回避することができる。そして、マルチモードファイバ(MMF)を伝搬可能な固有伝搬モードの全てを分離し、分離された各モードの光信号をそれぞれシングルモードファイバ(SMF)に結合して光受信器により光電変換する構成とすることが可能である。このとき、光電変換された全モードの信号は、信号処理回路(Digital Signal Processor:DSP)によって、受信信号として再合成される。ここで信号処理回路(DSP)は、MIMO(Multiple Input Multiple Output)処理またはSIMO(Single Input Multiple Output)処理を行う。
上述した構成では、十分に大きなコア径を持つマルチモードファイバ(MMF)を用いることにより、原理的にはコアに照射された光信号を損失無く受信し、SMFへ結合することにより高速信号の受信を可能にし、信号処理回路(DSP)による再合成により受信信号を安定に再生することが可能である。
ところで、マルチモードファイバ(MMF)には、集光スポットが照射されるコアの面内の位置によって、異なるモードが励振される。ここで、強いシンチレーションに対してもファイバ結合効率を良好に維持するためには、マルチモードファイバ(MMF)のコア径を十分に大きくする必要がある。一方、マルチモードファイバ(MMF)が伝搬可能な固有モードの個数mは、コアの直径に対して約2乗に比例した正の相関がある。そのため、十分に高い結合効率が得られるコア径の大きいマルチモードファイバ(MMF)を用いると、マルチモードファイバ(MMF)において励振されるモード数mは非常に大きくなる。したがって、強いシンチレーションに対しても、安定な空間光通信(FSO)受信特性を実現するためには、FSO受信装置は大きなコア径のマルチモードファイバ(MMF)を用いて、多くのモード信号に対してMIMO処理を行う必要がある。
しかし、MIMO処理に必要な回路規模は信号数の自乗に比例するため、信号入力数の増加に伴い信号処理回路(DSP)の回路規模がマルチモードファイバ(MMF)のコア径の拡大に連れて加速度的に増大してしまう、という問題がある。
このように、空間光受信装置においては、受信光とファイバとの結合効率の向上を図ると、信号処理が複雑になるため信号処理回路の回路規模が増大しコストが増加する、という問題があった。
本発明の目的は、上述した課題である、空間光受信装置においては、受信光とファイバとの結合効率の向上を図ると、信号処理が複雑になるため信号処理回路の回路規模が増大しコストが増加する、という課題を解決する空間光受信装置および空間光受信方法を提供することにある。
本発明の空間光受信装置は、空間伝送路を伝搬したレーザ光を集光する集光部と、レーザ光を入力し、マルチモード光を出力するマルチモード伝送媒体と、マルチモード光の一部に基づく複数の受信電気信号を出力するマルチモード信号処理部と、マルチモード光に基づく信号情報をモニタするモニタ部と、信号情報に基づいてマルチモード信号処理部の動作を制御する制御部と、複数の受信電気信号に信号処理を施し、複数の受信電気信号を合成した出力信号を出力する信号処理部、とを有する。
本発明の空間光受信方法は、空間伝送路を伝搬したレーザ光を集光し、集光したレーザ光をマルチモード光に変換し、マルチモード光に基づく信号情報をモニタし、信号情報に基づいて、マルチモード光の一部に基づく複数の受信電気信号を生成し、複数の受信電気信号を合成する。
本発明の空間光受信装置および空間光受信方法によれば、信号処理回路の回路規模の増大を抑制しつつ、受信光とファイバとの結合効率の向上を図ることができる。
本発明の第1の実施形態に係る空間光受信装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係る空間光受信装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係る空間光受信装置が備えるモニタ部によって取得した信号光の伝搬モード毎の光強度分布を示す概略図である。 本発明の第2の実施形態に係る空間光受信装置の別の構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施形態に係る空間光受信装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施形態に係る空間光受信装置の動作を説明するための図であって、単一の信号処理回路(DSP)を用いた場合の入出力信号の時間変化を示す概略図である。 本発明の第3の実施形態に係る空間光受信装置の動作を説明するための図であって、二個の信号処理回路(DSP)を用いた場合の入出力信号の時間変化を示す概略図である。 本発明の第3の実施形態に係る空間光受信装置の別の構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施形態に係る空間光受信装置のさらに別の構成を示すブロック図である。 本発明の第4の実施形態に係る空間光受信装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第5の実施形態に係る空間光受信装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第5の実施形態に係る空間光受信装置の動作を説明するためのモード分布を模式的に示す概略図であって、モード変換を適用しない場合における図である。 本発明の第5の実施形態に係る空間光受信装置の動作を説明するためのモード分布を模式的に示す概略図であって、モード変換された後のモード分布を示す図である。 本発明の第5の実施形態に係る空間光受信装置の動作を説明するためのモード分布を模式的に示す概略図であって、信号選択部が選択した後のモード分布を示す図である。 本発明の第5の実施形態に係る空間光受信装置が備えるモード制御部の動作を説明するためのフローチャートである。 本発明の第6の実施形態に係る空間光受信装置の主要部の構成を示すブロック図である。 本発明の第6の実施形態に係る空間光受信装置が備えるモード変換部の動作を説明するためのモード分布を模式的に示す概略図である。 本発明の第6の実施形態に係る空間光受信装置が備えるモード変換部の動作を説明するための別のモード分布を模式的に示す概略図である。 本発明の第6の実施形態に係る空間光受信装置が備えるモード変換部の構成を示すブロック図である。 本発明の第6の実施形態に係る空間光受信装置が備えるモード変換部の具体的な構成例を示すブロック図である。 本発明の第6の実施形態に係る空間光受信装置が備えるモード変換部の別の具体的な構成例を示すブロック図である。 本発明の第6の実施形態に係る空間光受信装置が備えるモード変換部のさらに別の具体的な構成例を示すブロック図である。 本発明の第7の実施形態に係る空間光受信装置の構成を示すブロック図である。
以下に、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
〔第1の実施形態〕
図1は、本発明の第1の実施形態に係る空間光受信装置100の構成を示すブロック図である。空間光受信装置100は、集光部110、マルチモード伝送媒体120、マルチモード信号処理部130、モニタ部140、制御部150、および信号処理部160を有する。
集光部110は、空間伝送路を伝搬したレーザ光101を集光する。マルチモード伝送媒体120は、レーザ光101を入力し、マルチモード光を出力する。マルチモード信号処理部130は、マルチモード光の一部に基づく複数の受信電気信号を出力する。モニタ部140は、マルチモード光に基づく信号情報をモニタする。制御部150は、信号情報に基づいてマルチモード信号処理部130の動作を制御する。そして、信号処理部160は、複数の受信電気信号に信号処理を施し、複数の受信電気信号を合成した出力信号を出力する。
このように、本実施形態による空間光受信装置においては、空間伝送路を伝搬したレーザ光をマルチモード伝送媒体に導入する構成としている。そのため、受信光とファイバとの結合効率の向上を図ることができる。このとき、マルチモード光の一部に基づく複数の受信電気信号を生成し、これらの受信電気信号に対してのみ信号処理を施し、受信電気信号を合成する構成としている。そのため、信号処理回路の回路規模を削減することができる。
次に、本実施形態による空間光受信方法について説明する。
本実施形態の空間光受信方法においては、まず、空間伝送路を伝搬したレーザ光を集光し、集光したレーザ光をマルチモード光に変換する。このマルチモード光に基づく信号情報をモニタし、この信号情報に基づいて、マルチモード光の一部に基づく複数の受信電気信号を生成する。最後に、これらの複数の受信電気信号を合成する。
このような構成とすることにより、本実施形態による空間光受信方法によれば、信号処理回路の回路規模の増大を抑制しつつ、受信光とファイバとの結合効率の向上を図ることができる。
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図2は、本発明の第2の実施形態に係る空間光受信装置200の構成を示すブロック図である。
空間光受信装置200は、集光部110、マルチモード伝送媒体120、モード分離部231、複数の単一モード伝送媒体232、複数の光受信器233、信号選択部234、制御部としての選択制御部250、および信号処理部160を有する。ここで、モード分離部231、複数の単一モード伝送媒体232、複数の光受信器233、および信号選択部234が、マルチモード信号処理部を構成する。
集光部110は光アンテナを含む集光光学系からなり、空間伝搬により波面の乱れを持ったレーザ光101を、マルチモード伝送媒体120のコア121に集光する。コア121はシンチレーションに対して十分な面積を有し、高いファイバ結合効率を実現することが可能である。マルチモード伝送媒体120は、典型的には光ファイバ形態の光導波路であるマルチモードファイバ(MMF)である。しかし、これに限らず、平面光波回路(Planar Lightwave Circuit:PLC)または3次元光導波路(例えば、3d−Photonic Lantern:PL)などを用いることとしてもよい。
マルチモード伝送媒体120のコア121上に集光されたレーザ光(信号光)は、シンチレーションによりコア121の面内で移動し、それにともなってマルチモード伝送媒体120に励起される伝搬モードも変化する。
このとき、モード分離部231はマルチモード光を複数の単一モード光に分離し、これらの単一モード光は複数の単一モード伝送媒体232をそれぞれ導波する。具体的には、モード分離部231は、マルチモード伝送媒体120が伝搬可能なm通りのモードの全てを単一モードの光信号s40に分離し、それぞれm本の単一モード伝送媒体232に結合して出力する。単一モード伝送媒体232は典型的にはシングルモードファイバ(SMF)である。また、モード分離部231は、例えばPhotonic Lanternなどを用いたモード多重分離技術を適用することにより構成することができる。このように、モード分離とシングルモードファイバ(SMF)への結合により、シングルモードファイバ(SMF)をベースとした光ファイバ伝送技術群を適用することが可能となる。これにより、空間光通信(FSO)の大容量化および長距離伝送化を達成することができる。
光受信器233は、複数の単一モード伝送媒体232を介して複数の単一モード光をそれぞれ受光し復調する。すなわち、モード分離された全ての光信号s40はm個の光受信器233により光電変換される。ここで光受信器233は、コヒーレント光受信器あるいはデジタルコヒーレント技術を適用した構成とすることができる。
信号選択部234は、複数の光受信器233の前段および後段の少なくとも一方に配置し、複数の入力信号の一部を選択して出力する。図2では、信号選択部234が光受信器233の後段に配置している場合を示す。この場合、光受信器233で光電変換された受信信号s50は、信号選択部234によってm本のうちからn本が選択される。ここで「m」と「n」は正の整数であり、m≧n≧1の関係にある。信号選択部234は電子回路によるマトリクススイッチを用いて構成することができる。
信号選択部234によって選択されたn本の受信電気信号s51は、信号処理部160に入力される。信号処理部160は、複数の受信電気信号s51の全てあるいは一部に信号処理を施し、受信電気信号を再合成した出力信号s60を出力する。信号処理部160は、典型的には信号処理回路(DSP)により構成される。
選択制御部250は、複数の単一モード光の信号情報および信号処理部160が算出する受信電気信号の品質情報の少なくとも一方に基づいて、信号選択部234の動作を制御する。以下に、信号選択部234および選択制御部250の動作について詳細に説明する。
信号選択部234は、選択制御部250からの制御信号s71に基づいて以下のように動作する。すなわち、入力されるm本の受信信号s50から任意の組み合わせのn本以下の受信電気信号s51を出力する。このとき信号選択部234は、受信信号s50の中から信号品質が良好な信号を選択し、受信電気信号s51として出力する。ここで、信号品質は単一モードの光信号s40の信号情報、典型的には信号強度から求めることができる。この場合、上述した信号品質は、例えば、モード分離した受信信号s50の各々の強度をモニタすることにより判断することができる。例えば、光受信器233に内蔵された光モニタ機能をモニタ部として用いることにより、強度信号s72を取得することができる。また、光電変換された受信信号s50の振幅から信号情報を取得することとしてもよい。
上述した信号品質が良好な信号には、光受信に際して十分な振幅がある信号のうち、S/N比(signal−noise ratio)が高い信号、またはモードクロストークの少ない信号を含めることができる。このとき、S/N比およびクロストーク量の評価を、受信電気信号s51の振幅分布を用いて行うこととしてもよい。
また、信号処理部160の内部においてデジタル信号処理技術によって受信電気信号s51の品質情報を検出し、品質情報s73として選択制御部250に供給することとしてもよい。信号処理部160の内部で検出可能な受信電気信号s51の品質情報としては、例えば、受信電気信号s51のQ値など、信号のS/N比を示す値を用いることができる。これに限らず、位相や偏波の情報を用いることとしてもよい。
さらに、選択制御部250が、信号処理部160にセレクタ切り替え情報s74を供給することによって、受信モードの選択と受信電気信号の再合成処理を連携させることとしてもよい。再合成に用いる受信電気信号s51の本数の増減は、再生される出力信号s60の品質に影響を与える。特に、受信電気信号s51の遮断は、それが再合成処理に用いられる受信電気信号の一部にすぎない場合であっても、情報量の急減による誤り訂正処理の誤動作や、再生された出力信号s60の信号断などを引き起こす可能性がある。このような不安定な動作を回避するために、あらかじめ、受信電気信号s51の遮断や追加情報を、セレクタ切り替え情報s74として信号処理部160に通知する構成とすることができる。これにより、信号処理部160における内部エラーのマスク処理や、誤り訂正処理の最適化などを行うことが可能になる。
次に、選択制御部250の動作について、図3を用いて説明する。
図3は、光受信器233に内蔵されたモニタ部によって取得した信号光の伝搬モード毎の光強度分布を示す概略図である。同図中、横軸は概念的なモードの次数であり、原点から遠ざかるほど高次モードであることを示す。縦軸は光強度を示す。また破線は、あらかじめ定められた閾値を示し、光強度がこの閾値を越えるモードの光信号に丸印を付加した。
選択制御部250は、複数のモニタ信号から得られる情報を用いて、出力信号s60の品質が最良となるように信号選択部234の制御を行う。このときの制御として例えば、図3中の丸印を付加した5個のモードを選択する構成とすることができる。また、図3に示したあらかじめ定められた閾値を越える光強度を持つ受信信号から、あらかじめ定められた個数の受信信号を、あらかじめ定められたルールにより選択することとしてもよい。このときのルールには、例えば、光強度が大きい順またはモード次数が小さい順に選択する手法、あるいは安定性の高いモードを学習により順位付けて選択する手法などを用いることができる。なお、閾値としては例えば、光受信器233の最小受信感度を基準として、あらかじめ定められたマージンを加えた値を用いることができる。
また、信号処理部160から品質情報s73を取得するフィードバック型の構成である場合、選択制御部250は強度信号s72と品質情報s73を組み合わせることにより最適制御を行うことができる。この場合、選択制御部250は上述した動作に加えて以下の動作を行う。信号処理部160から取得する信号の品質情報として、例えばQ値を用いる場合、受信信号s40の強度情報とQ値を組み合わせる。これにより選択制御部250は、クロストークによって劣化した信号や、モード分散の影響が大きな信号を選択から除外し、それ以外の受信信号s40から信号選択部234の出力信号である受信電気信号s51を選択することが可能となる。具体的には例えば、見かけ上の強度は大きいが、モードクロストークによりQ値が劣化した信号を用いる場合、受信電気信号の良好な再合成は困難である。このような場合、信号強度は弱いがQ値が大きい信号を選択することによって、受信電気信号の良好な再合成が可能になる。
また、信号処理部160から取得する信号の品質情報として、例えば位相情報を用いる場合、大きなモード分散を受けた信号を検出することができる。これは、モード分散による遅延量はマルチモード伝送媒体120のファイバ端部に対する入射波面の傾き、すなわち波面の乱れの大きさと相関があるからである。このことから、あらかじめ定められた閾値により、ある一定以上の傾きの波面を除外するための判定に位相情報を用いることができる。
信号処理部160から取得する信号の品質情報として偏波情報を用いると、モードの変化の検出が可能となる。マルチモードファイバ(MMF)の伝搬モード(LPモード(Linearly Polarized Mode))は、複数の基本モード(Fundamental Mode:FM)の合成である。偏波状態の変化を基本モードFMに還元することにより、モード状態の変化を検出することが可能である。具体的には、あらかじめ解析や学習を実行し、モードの変化を観測することにより信号品質の劣化を検出することが可能になる。
また、選択制御部250が複数の受信信号s40の相関関係を用いる構成としてもよい。複数モードの符号誤り率をモニタすることによってモード毎の信号品質の時間分布が分かる。そのため、時間方向におけるデータの欠損が少なくなるように、モード選択を制御することが可能となる。シンチレーションによる光信号強度の変化はモード毎に異なるため、互いに相関の無い複数のモード、あるいは逆特性のモードを選択することによって、受信電気信号s51を再合成した出力信号s60におけるデータの欠損を最小限度に制御することが可能となる。
上述の実施形態では、図2に示したように信号選択部234が光受信器233の後段に配置している場合について説明した。これに限らず、信号選択部234が複数の光受信器233の前段に配置している構成としてもよい。この場合の空間光受信装置201の構成を図4に示す。
図4に示すように、信号選択部234はモード分離部231と光受信器233の間に配置している。この場合、モニタ部は、単一モード伝送媒体232としてのシングルモードファイバ(SMF)の途中で分岐器により光信号を分岐し、光パワーのモニタを行う構成としている。信号選択部234および選択制御部250の動作は、図2に示した空間光受信装置200における場合と同様である。
このような構成とすることにより、光受信器233の個数を減らすことができるので、空間光受信装置201全体のコストおよび消費電力を低減することができる。
ここで、信号選択部234には、入力信号数がm本、出力信号数がn本である光マトリクススイッチを用いることができる。この光マトリクススイッチには、高速な接続切替性能を有する光スイッチを適用することが望ましい。高速光スイッチとしては、例えば、平面型石英光導波路型光スイッチ、シリコンフォトニクス技術を用いた光スイッチ、ニオブ酸リチウム導波路による光スイッチ、PLZT(チタン酸ジルコン酸ランタン鉛)光スイッチ、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)光スイッチなど、各種の光スイッチ素子を適用することができる。
以上説明したように、本実施形態の空間光受信装置200、201によれば、信号処理回路の回路規模の増大を抑制しつつ、受信光とファイバとの結合効率の向上を図ることができる。これは、信号処理回路(DSP)への入力信号数を削減することによって、信号処理回路(DSP)の回路規模を削減することができるからである。その結果、シンチレーションの影響の緩和と大容量伝送が可能な空間光受信装置の小型化、低コスト化を実現することが可能である。
上述したように、本実施形態による空間光受信装置200、201においては、マルチモード伝送媒体120として大きなコア径のマルチモードファイバ(MMF)を用いることにより、ファイバ結合効率の劣化を回避することを可能にしている。このとき、シンチレーションの発生により、マルチモードファイバ(MMF)において高次モードが励振されるが、マルチモードファイバ(MMF)の全てのモードが同時に励振されるわけではない。そこで、マルチモードファイバ(MMF)で励振されたモードの中でも、S/N比が十分大きい信号だけを選択して信号処理回路(DSP)に供給する構成とした。このとき、シンチレーションの時定数以下の応答速度で励起されたモードを検出し、可変的にモードを選択する制御機能を備えた構成とすることにより、安定的な受信動作が可能となる。以上より、本実施形態の空間光受信装置200、201によれば、安定な受信動作と信号処理回路(DSP)の回路規模の削減を両立させることができる。
〔第3の実施形態〕
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図5に、本発明の第3の実施形態に係る空間光受信装置300の構成を示す。
本実施形態による空間光受信装置300は、信号処理部として複数の信号処理回路を備え、複数の信号処理回路の出力を合成して出力信号s62を出力する合成部370を有する点において、第2の実施形態による空間光受信装置200の構成と異なる。図5では、第1の信号処理回路361と第2の信号処理回路362を備えた構成を示す。他の構成は第2の実施形態による空間光受信装置200と同様であるから、それらの詳細な説明は省略する。
この場合、信号選択部234は、複数の信号処理回路361、362の入力信号数の合計と等しい個数の出力を有する構成とした。具体的には、図5に示した場合、第1の信号処理回路361および第2の信号処理回路362はそれぞれn本の信号入力を有するため、信号選択部234は2×n本の受信電気信号s51a,bを出力する構成とした。すなわち、信号選択部234はm本の信号入力から任意の組み合わせの2×n本の出力信号を選択する。信号選択部234における入出力信号の個数の条件は、m≧nであるが、m≧2nである必要はない。したがって、入力信号から選択した同一の信号をそれぞれ含む信号を第1の信号処理回路361および第2の信号処理回路362に出力することとしてもよい。信号選択部234は例えば電子マトリクススイッチを用いて構成することができる。
第1の信号処理回路361と第2の信号処理回路362は、受信電気信号を再合成する際に、それぞれ独立のパラメータを設定することが可能である。ここで第1の信号処理回路361と第2の信号処理回路362は排他的に動作する必要はない。したがって、それぞれに入力される受信電気信号s51a、s51bに対して、同時に独立に受信電気信号の再合成処理を行うこととしてもよい。第1の信号処理回路361と第2の信号処理回路362は、モードの強度分布の変化にともなって見かけ上は選択制御部250に従属して動作するので、選択制御部250から制御信号s76を受け取ることにより同期動作することとしてもよい。
合成部370は、第1の信号処理回路361と第2の信号処理回路362でそれぞれ再合成された2個の信号s60a、s60bを合流させ、1個の出力信号s62として出力する。合成部370は、2個の入力信号s60a、s60bに対して、それぞれ独立な位相整合用の入力バッファ回路を入力部に備えた構成とすることができる。入力バッファ回路のバッファ量は、モード分散による遅延量の最大値よりも大きい構成とする。このとき、信号選択部234の切替え動作に従って、選択されるモード群のモード遅延量の最大値とバッファ遅延量を連動させる構成とすることができる。
合成部370は入力信号の位相を同期させ、あらかじめ定められたアルゴリズムに従って、2個の入力信号s60a、s60bを1個の出力信号s62に合流させる処理を行う。ここで、合流処理のアルゴリズムとして例えば、2個の入力信号s60a、s60bのエラーレートを比較し、エラーレートの良好な信号を選択する手法を用いることができる。合成部370は、モードの強度分布の変化にともなって見かけ上は選択制御部250に従属して動作するので、第1の信号処理回路361と第2の信号処理回路362と同様に、選択制御部250から制御信号s76を受け取ることにより同期動作することとしてもよい。
信号処理部(DSP)に入力する受信電気信号の本数の変化は、再合成処理に用いられる信号全体にしめる割合の一部であっても、再生信号s60の不安定性を引き起こす可能性がある。したがって、信号選択部234からの切替情報s74a、s74bおよび制御信号s76によって、第1の信号処理回路361と第2の信号処理回路362および合成部370に、受信電気信号の変化をあらかじめ通知する構成とすることができる。これにより、信号処理回路(DSP)の動作状態の最適化および不安定期間に劣化した信号のマスク処理を行うことが可能になる。
上述した構成とすることにより、本実施形態の空間光受信装置300によれば、安定な空間光通信(FSO)受信の実現と、信号処理部(DSP)の回路規模の削減との両立が可能となる。さらに、信号処理部(DSP)のトレーニング動作による受信電気信号の再合成処理が中断する期間に、2個の信号処理回路(DSP)を相補的に動作させることにより、出力信号の中断を回避することが可能になる。上述したように、本実施形態の空間光受信装置300は小規模な信号処理回路(DSP)を2個並列に接続して用いる構成としている。これにより、単一の信号処理回路(DSP)を用いてMIMO処理を一括して行う構成と比較して、回路規模を削減することができる。
次に、第1の信号処理回路361と第2の信号処理回路362および合成部370の動作について詳細に説明する。図6A、6Bは、マルチモードファイバ(MMF)に結合した信号光のモード強度分布の変化に伴う、信号処理回路(DSP)361、362と合成部370の入出力信号の時間変化を模式的に示す概略図である。図6Aは、単一の信号処理回路(DSP)を用いた場合であり、図6Bは本実施形態による第1の信号処理回路361と第2の信号処理回路362を用いた場合を示す。
マルチモードファイバ(MMF)の端面における集光スポットの移動に伴って、マルチモードファイバ(MMF)に励起されるモードが変化する。このとき、マルチモードファイバ(MMF)に励起されるモードは単一ではなく、複数のモードが任意の強度分布で同時に励起されると仮定し、これらをモード群と呼ぶことにする。集光スポットの移動は、波面の位相の動きに伴って連続的に変化すると仮定すると、2個のモード群の間の強度分布の移動も連続的であると推定することができる。このことを図6A、6Bでは、横軸の時間tとtとの間における光強度の遷移として模式的に表している。すなわち、時間tからtにかけて、励起されるモードが順次、モード群1からモード群2に移動している。
ここでまず、単一の信号処理回路(DSP)を用いた場合の受信動作シーケンスを、図6Aを用いて説明する。信号処理回路(DSP)へ供給する信号を信号選択部234で選択する場合、モード群1のモード分布が変化し強度が低下した時点(時間t)で、信号選択部234の制御信号(セレクタ制御信号)s71の切り替わりに従って、信号処理回路(DSP)の入力信号である受信電気信号s51が切り替わる。信号処理回路(DSP)は信号の切り替わりによって、あらかじめ定められたMIMOパラメータのトレーニングシーケンスを開始し、トレーニング終了後にモード群2から再合成した信号を出力する。
信号処理回路(DSP)のトレーニングに要する時間をτtrgとすると、信号処理回路(DSP)から出力される出力信号s60はτtrgに相当する時間だけ中断する。また、一般にマルチモードファイバ(MMF)を伝搬する固有モードは、それぞれ群遅延が異なるので、モード群の切り替りに伴って出力信号s60の位相が異なる可能性がある。このような信号の中断と位相の変化は、空間光通信(FSO)受信における安定な信号受信を妨げる要因となり得る。
次に、本実施形態による空間光受信装置300における受信動作のシーケンスを、図6Bを用いて説明する。
モード群1からモード群2へのモード分布の移動は、図6Aで示した場合と同じである。信号選択部234は2組の出力を有し、第1の信号処理回路(DSP1)にモード群1を、第2の信号処理回路(DSP2)にモード群2を選択して出力するものとする。
時間tより以前は、モード群1が第1の信号処理回路(DSP1)によって再合成されるのに対して、モード群2には十分な光強度が分配されていないため、第2の信号処理回路(DSP2)では信号再合成は行われない。
時間t以降においては、モード群2への光強度の分配が増加し、第2の信号処理回路(DSP2)でトレーニングが開始される。このとき、第1の信号処理回路(DSP1)は依然としてモード群1の信号の再合成を継続して行っている。
時間t以降は、モード群1の強度が弱まるため、第1の信号処理回路(DSP1)における信号の再合成は困難になるが、第2の信号処理回路(DSP2)において、すでに信号の再合成が開始されている。
合成部370は、第1の信号処理回路(DSP1)および第2の信号処理回路(DSP2)の出力信号s60a、s60bに対してあらかじめ設定した長さのバッファをそれぞれ備える。これにより、第1の信号処理回路(DSP1)および第2の信号処理回路(DSP2)において再合成された2個の信号の位相差(Δτskew)を解消し、位相を整合させることができる。そして、双方の位相を整合させた後に合成処理を行う。バッファの長さは、空間光受信装置300で使用するマルチモードファイバ(MMF)における最大の群遅延差(Differential Group Delay:DGD)を十分に吸収できるだけの長さである。ここで、(t−t)>τtrgであれば、出力信号s62に中断は発生せず、安定な受信を実現することができる。
次に、本実施形態による空間光受信装置の別の構成を図7に示す。空間光受信装置301は、信号処理部を構成する信号処理回路(DSP)の並列数を拡張した構成としている。図7では、4個の信号処理回路(DSP)361〜364を備えた構成を示している。信号処理回路(DSP)の並列数を増加することによって、より複雑なモード変化に追従することが可能となり、空間光通信(FSO)におけるより安定な受信を実現することができる。
図8に、本実施形態による空間光受信装置のさらに別の構成を示す。空間光受信装置302は、信号選択部234から第1の信号処理回路361と第2の信号処理回路362に同一信号を分配する構成とした。ここで、マルチモードファイバ(MMF)で励振されるモード数が少ない場合には、第1の信号処理回路361および第2の信号処理回路362のパラメータを異なる値に設定することにより、信号選択部234の出力数を削減し制御を簡略化することが可能になる。
上述したように、本実施形態の空間光受信装置300〜302は、マルチモードファイバ(MMF)で励振されたモードの信号を選択的に受信する構成としている。これにより、信号処理回路の回路規模の増大を抑制しつつ、受信光とファイバとの結合効率の向上を図ることができる。このとき、本実施形態の空間光受信装置300〜302によれば、信号光のモードが変化する時間領域においても、信号処理部(DSP)の出力信号の中断を回避することが可能になる。
この効果について、さらに詳細に説明する。マルチモードファイバ(MMF)で励起されるモードは時間的に変動するため、信号処理部(DSP)が受信する信号の組み合わせも変化する。ここでシングルモードファイバ(SMF)の結合効率の劣化とモード変化の原因がほぼ等しいとすると、モード変動の周波数成分は、最大で数100Hzと考えられる。
一方、MIMO処理を行う信号処理部(DSP)のパラメータを最適化(トレーニング)するのに要する時間は約10ミリ秒(msec)程度である。
すなわち、信号処理部(DSP)のトレーニングが終了する前にモードが変化してしまう可能性がある。信号処理部(DSP)のトレーニングが終了しない期間は、信号処理部(DSP)が受信信号の再合成を安定に行うことは困難であるため、受信信号の安定な再生を行うことはできない。
しかし、本実施形態の空間光受信装置300〜302は上述したように、複数の信号処理回路が入力された受信電気信号の再合成をそれぞれ行い、合成部が複数の信号処理回路の出力を合成して出力信号を出力する構成としている。このとき、複数の信号処理回路がモードの変化に対してそれぞれ相補的に動作することにより、一方の信号処理回路が信号の再合成を行っている期間中に、他方の信号処理回路がトレーニングを行うことが可能になる。これにより、信号光のモード変化に伴う信号処理部(DSP)の出力信号の中断を回避することできる。
上述したように、本実施形態の空間光受信装置300〜302によれば、信号処理部(DSP)の回路規模の削減と同時に、モードの変化に伴う信号処理部(DSP)のトレーニングの影響を隠蔽し、信号再生の中断の中断時間を削減することができる。これにより、空間光通信(FSO)における安定な受信を実現することが可能になる。
この場合、同一の入力信号を単一の信号処理部(DSP)で処理する場合に比べ、回路規模を削減することができる。この効果について、具体的に説明する。ここでは、2個の信号処理部(DSP)を備えた空間光受信装置を例に説明する。ある1つの受信状態に対してnモードの受信によるMIMO処理を行う場合について回路規模を概算する。n入力のMIMO処理を行う信号処理部(DSP)の回路規模は、原理的にnに比例するので、2個の信号処理部(DSP)の回路規模は、2×nとなる。それに対して、仮に単一の信号処理部(DSP)を用いて同一の入力信号数を処理する場合、原理的に(2n)=4nの回路規模となる。以上より、本実施形態の空間光受信装置300〜302によれば、この場合、信号処理部(DSP)の回路規模を原理的に半減させることが可能である。
〔第4の実施形態〕
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。図9に、本発明の第4の実施形態に係る空間光受信装置400の構成を示す。
空間光受信装置400は、集光部110、マルチモード伝送媒体120、モード変換部410、モード分離部231、複数の単一モード伝送媒体232、複数の光受信器233、制御部としてのモード制御部480、および信号処理部160を有する。ここで、モード変換部410、モード分離部231、複数の単一モード伝送媒体232、および複数の光受信器233が、マルチモード信号処理部を構成する。
モード変換部410は、マルチモード伝送媒体120が出力するマルチモード光の光エネルギー分布を変換し、光エネルギーが集中した複数の伝搬モード光を生成する。モード分離部231は、複数の伝搬モード光を分離してそれぞれ出力する。単一モード伝送媒体232は、複数の伝搬モード光をそれぞれ導波する。光受信器233は、複数の単一モード伝送媒体を介して複数の伝搬モード光をそれぞれ受光し復調する。
モード制御部480は、複数の伝搬モード光の信号情報および信号処理部160が算出する受信電気信号の品質情報の少なくとも一方に基づいて、モード変換部410の動作を制御する。具体的に説明すると、モード制御部480には、モード分離した後のm本の光信号s40の信号情報、例えば強度情報s72が入力される。また、モード制御部480は、信号処理部160から受信電気信号の品質情報s73を取得することとしてもよい。そして、モード制御部480はモード制御信号s80によりモード変換部410の動作を制御する。また、モード制御部480がモード制御の状態を示すモード情報s81を信号処理部160に通知する構成としてもよい。
上述したように、モード変換部410は、モード分離部231の出力信号s40の強度分布が分散しないようにマルチモード光を制御する。具体的には、単一または少数のモードに光強度が集中し、多数のモードにエネルギーが分散することを回避するように、マルチモード光のモード変換を行う。
以上の動作において、モード変換部410は、信号処理部160に供給する受信電気信号s51の本数を削減するように動作するので、信号処理部160の回路規模の削減が可能となる。すなわち、本実施形態の空間光受信装置400によれば、信号処理回路の回路規模の増大を抑制しつつ、受信光とファイバとの結合効率の向上を図ることができる。
〔第5の実施形態〕
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。図10に、本発明の第5の実施形態に係る空間光受信装置500の構成を示す。
図10に示すように、本実施形態の空間光受信装置500は、第4の実施形態による空間光受信装置400に、第2の実施形態の空間光受信装置200が備える信号選択部234および選択制御部250をあわせて備えた構成である。すなわち、空間光受信装置500は複数の光受信器233の前段および後段の少なくとも一方に配置した信号選択部234をさらに備える。ここで、信号選択部234は複数の入力信号の一部を選択して出力する。そして、制御部としての選択制御部250は、複数の伝搬モード光の信号情報および信号処理部160が算出する受信電気信号の品質情報の少なくとも一方に基づいて、信号選択部234の動作を制御する。
なお、本実施形態の空間光受信装置500は、第3の実施形態による空間光受信装置300と同様に、信号処理部160として複数の信号処理回路を備えた構成とすることもできる。
本実施形態の空間光受信装置500において、信号選択部234はモード変換部410の動作と連動して、光強度が集中した強い光信号だけを選択し、信号処理部160に受信電気信号s51として供給する。このとき、選択制御部250は、例えば各モードの光信号s40の光強度情報s72や、信号処理部160からの信号品質情報s73を用いることとしてもよい。また、選択制御部250は制御信号s82を介してモード制御部480と連携して動作する構成としてもよい。このとき、制御信号s82として用いる信号としては例えば、モード変換部410の選択モード情報や、または信号選択部234の接続情報などがある。これらの制御信号を交換することにより、モード変換部410と信号選択部234の連携動作が可能となり、S/N比の高い信号の受信が可能となる。
以上の動作において、モード変換部410は、信号処理部160に供給する受信電気信号s51の本数を削減するように動作するので、信号処理部160の回路規模の削減が可能となる。すなわち、本実施形態の空間光受信装置500によれば、信号処理回路の回路規模の増大を抑制しつつ、受信光とファイバとの結合効率の向上を図ることができる。
次に、本実施形態による空間光受信装置500の動作について、さらに詳細に説明する。
図11A、11B、および11Cを用いて、モード変換部410と信号選択部234の連携動作により、受信電気信号s51が選択される過程を説明する。
図11Aは、モード変換を適用しない場合における、モード分離部231から出力される各モードの光強度分布を模式的に示す概略図である。図3に示した場合と同様に、閾値をわずかに下回る光強度の信号が複数存在することがわかる。
図11Bに、モード変換部410を通過してモード変換された後の各モードの光強度分布を示す。同図から、閾値をわずかに下回るモードが顕著に減少し、替わって少数のモードに光のエネルギーが集中していることがわかる。ここで、図11Aに示したモード分布から図11Bに示したモード分布へのモード変換によって、モードの強度分布は変化するが、信号の持つエネルギーは原理的に保存されると考えられる。
図11Cに、信号選択部234がS/N比の高い信号を選択し、光受信器233に入射される光信号の強度分布を示す。この例では、信号選択部234は閾値を越えた3本の信号だけを番号の小さい出力ポート側に集めて出力し、それ以外の出力ポートは接続回路を開放し無信号状態としている。
モード制御部480は、信号強度s72の分布に基づいてモード変換部410を制御し、上述したモード変換を行う。選択制御部250はモード変換後の信号強度s72の分布に基づいて、信号選択部234における接続を制御する。また、選択制御部250は、モード制御部480から出力されるモード変換情報である制御信号s82と信号強度の分布に基づいて、良好なS/N比の信号を信号処理部160に供給するように、信号選択部234の接続を制御することとしてもよい。
次に、モード制御部480の動作について説明する。モード制御部480は、あらかじめ定められた周期でモード分離後の信号s40の強度分布を観測し、モード変換部410の状態を最適に補正する。なお、モード制御部480は、あらかじめ定められたアルゴリズムに基づいて制御動作を繰り返す電子回路やコンピュータなどにより構成することができる。
図12に示したフローチャートを用いて、モード制御部480の動作をさらに詳細に説明する。モード制御部480はまず、モード分離した信号s40の各々の強度情報s72を収集し、モードの強度分布を検出する(ステップS10)。このモード強度分布から、マルチモード伝送媒体120における伝搬モードの推定を行う(ステップS20)。
次に、モード制御部480はモード変換のシミュレーションを行う(ステップS30)。まず、ステップS20で推定した伝搬モードを用いて、モード変換を生じさせるモードの結合状態が変化した場合を仮定する(ステップS31)。この仮定に基づいて、モード変換を行った後のモード強度分布のシミュレーションを行う(ステップS32)。そして、仮定したモード変換状態と現状を比較し、良否判断の比較により収束判定を行う(ステップS33)。ここで例えば、誤差があらかじめ定められた閾値以下であれば、収束したと判断することができる。または、極小値探索により収束判定を行うこととしてもよい。これに限らず、強度情報s72の分布から、あらかじめ定められた計算手法により各モードのS/N比を推定し、このときのS/N比と、あらかじめ定められた基準を比較して収束判定することとしてもよい。さらに、受信光強度の合計値を基準に、あらかじめ定められた手法により収束判定を行うこととしてもよい。
収束判定を行った後、ステップS31で仮定したモード変換の状態となるように、あらかじめ定められた計算式から制御信号s80を生成し、モード変換部410に出力する(ステップS40)。また、選択制御部250および信号処理部160の少なくとも一方に対して、モード変換の更新情報、シミュレーションから推定される強度分布の情報、または伝搬モードから間接的に推定可能な波面の乱れの程度を示す情報などを出力する(ステップS50)。この後に再びステップS10の強度分布検出に戻る。さらに、以上のシーケンスを繰り返すことによって得られる誤差情報の学習に基づいて、モード推定やモード変換のアルゴリズムを更新する(ステップS60)こととしてもよい。また、モード変換のシミュレーション(ステップS30)で用いる方式に依存して、伝搬モードを推定するステップ(ステップS20)を行うこととしてもよいし、あるいは省略することとしてもよい。
以上説明したモード制御部480の動作により、モード分離した信号光のS/N比を改善することができ、信号処理部160に供給する信号のS/N比の劣化を回避することができる。
上述したように、本実施形態の空間光受信装置500は、モード変換部410とモード制御部480を備えた構成としている。これにより、受信光の波面揺らぎに追従して、モード変換を制御することが可能である。ここでモード制御部480は、モニタ部からの信号を用いて、変換後の出力光のモード分布をあらかじめ定められた手法に基づいて制御する。モニタ部がモニタする対象としては例えば、入射光の波面状態、モード変換部410を伝搬した後の光強度または波面状態、モード分離後の光強度分布、または信号処理部160で検出可能な各信号の信号品質情報などがあげられる。ここで、信号品質情報には平均強度、S/N比、Q値、位相情報、または符号誤り率などが含まれる。なお、モード制御部480は、変換後の出力光のモードにおいて可能な限り少数かつ低次のモードに光信号強度が集中するように制御することが望ましい。
このような構成としたことにより、本実施形態の空間光受信装置500によれば、信号処理部160への入力信号数の削減と同時に信号処理部160に供給する信号のS/N比を高く維持することができる。これにより、安定な空間光通信(FSO)受信と信号処理部(DSP)の回路規模の削減を実現することが可能になる。その結果、シンチレーションの影響を緩和することができ大容量伝送が可能な空間光受信装置の小型化、低コスト化を実現することができる。
なお、上述したように、マルチモードファイバ(MMF)内では一部のモードだけが励振されるが、高次モードの光信号を安定に受信することは困難である。例えば、高次モードの光はマルチモードファイバ(MMF)を伝搬中にモード間で容易に結合し、複数のモードにパワーが分散する可能性がある。そのため、モード分離後の光信号のS/N比の劣化により、安定な信号受信が困難になる。
しかし、本実施形態の空間光受信装置500においては、マルチモードファイバ(MMF)の励振モードを制御し、少数のモードが選択的に励振される構成とすることにより、モード分離後の光信号のS/N比を改善することができる。
この効果について、さらに詳細に説明する。
図2に示した第2の実施形態による空間光受信装置200においては上述したように、信号選択部234がm個のモードにモード分離した受信信号s40から、あらかじめ定められたルールによりモード強度分布が強い信号を選択する。これにより、信号処理部160の回路規模を縮小することができる。
このとき、選択された信号以外の(m−n)本の信号は破棄される。そのため、信号処理部160が受け取る情報量は、マルチモード伝送媒体120のコア121に照射された光信号から破棄されるモードに分配された光強度分だけ減少している。この点を図3に示した例を用いて具体的に説明する。図3に示すように、光信号がマルチモード伝送媒体120に結合して多数のモードが励振されている。その中で、破線で示す閾値を越えた信号強度を持つモード(丸印を付加した太線の5本)だけが、信号選択部234で選択され受信されるものとする。この場合、選択された5本以外の閾値を下回る信号は破棄されることになる。
図3の例では、閾値を僅かに下回る強度のモードが複数存在しているが、これらの信号は単一では十分なS/N比は得られない。しかし、このような閾値以下の光強度のモードであっても、その本数が多くなると破棄される光エネルギーが増え、全体としては光受信の効率が低下することになる。
しかし、本実施形態の空間光受信装置500においては、モード変換部410が、マルチモード伝送媒体120が出力するマルチモード光の光エネルギー分布を変換し、光エネルギーが集中した複数の伝搬モード光を生成する構成としている。そのため、上述したような場合であっても、信号選択部234が受信しないモードを破棄することによる信号エネルギーの損失、すなわち信号のS/N比の劣化を回避することができる。
〔第6の実施形態〕
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。図13に、本発明の第6の実施形態に係る空間光受信装置600の構成の主要部を示す。
空間光受信装置600は、マルチモード伝送媒体120、モード変換部610、モード分離部231、複数の単一モード伝送媒体232、複数の光受信器233、制御部としてのモード制御部680を有する。ここで、モード変換部610、モード分離部231、複数の単一モード伝送媒体232、および複数の光受信器233が、マルチモード信号処理部を構成する。空間光受信装置600は、モード変換部610の構成が第4の実施形態および第5の実施形態による空間光受信装置400、500と異なる。
モード変換部610は、可変モードスクランブラ611およびモードフィルタ612を備える。可変モードスクランブラ611は、マルチモードファイバと、マルチモードファイバに機械的作用を印加する作動部を備える。そして、モード制御部680は作動部の動作を制御する。以下に、可変モードスクランブラ611の構成を具体的に説明する。
可変モードスクランブラ611は、マルチモード伝送媒体120から入射した受信光信号の伝搬モードを撹拌する機能を有する光ファイバコンポーネントである。具体的には、ファイバコイルやマイクロベンディング、オフセットランチを用いたものを利用することができる。このようなモードスクランブラは、マルチモードファイバ(MMF)のコイルの応力によりマルチモードファイバ(MMF)内部のモード結合を生成し、モード間で光エネルギーの交換が行われることを利用している。
モード制御部680は、可変モードスクランブラ611を構成するマルチモードファイバ(MMF)の曲率または応力を制御する。具体的には、制御信号s80によって、可変モードスクランブラに内蔵されるピエゾ素子やコイルなど電気制御による力学的な調整手段を用いて、ファイバコイルの曲率、張力、または応力を可変する。
可変モードスクランブラ611が伝搬可能なモード数は、マルチモード伝送媒体120を伝搬可能なモード数に対して、等しいかまたは多い構成とする。可変モードスクランブラ611はマルチモード伝送媒体120を伝搬するモードの全てと原理的に結合可能であり、さらに十分に小さな損失で結合することが可能であることが望ましい。その理由は、結合効率の高いマルチモード伝送媒体120に結合した光信号を、損失させることなくモード変換するためである。仮に、マルチモード伝送媒体120よりも可変モードスクランブラ611の伝搬モード数が少ないと、モード変換する前に一部のモードの信号光が損失となり、高効率な空間光通信(FSO)受信にとって障害となるからである。
可変モードスクランブラ611でモード変換された信号光が、モードフィルタ612に接続される構成とすることができる。モードフィルタ612は、あらかじめ定められたモード範囲の信号光を選択的に伝搬させる。モードフィルタ612として例えば、コア径の小さなマルチモードファイバ(MMF)を用いることができる。具体的には、2個から数10個程度までの低次モードだけが伝搬可能なマルチモードファイバ(MMF)を適用することができる。また、高次モードを選択的に拡散(損失)させる技術を適用することとしてもよい。
マルチモード伝送媒体120および可変モードスクランブラ611を構成するマルチモードファイバ(MMF)が伝搬可能なモード数は、数100モードに上る。それに対して、後段のモード分離部231が数100本のモードを分離する構成とすると、空間光受信装置を実現する際における体積やコストなどの実装条件の難度が上昇する。一方、実装条件を緩和するためにモード分離数を制限すると、分離できない高次モードがモード分離部231に入射しモードクロストークの原因となる。しかし、本実施形態の空間光受信装置600においては、モード分離部231の前段にモード分離数に相当するモードフィルタ612を配置し、あらかじめ高次モードを除去する構成としている。このような構成とすることにより、不要なモードクロストークを回避することができる。
上述したように、可変モードスクランブラ611はマルチモードファイバ(MMF)を備えた構成であり、またモードフィルタ612も光ファイバを用いて構成される。そのため、マルチモード伝送媒体120とモード変換部610を複数の機能を持つ一体のコンポーネントと考えることもできる。したがって、このような構成を、例えば1本のマルチモードファイバ(MMF)を分離せずに、マルチモードファイバ(MMF)の伝送路上で各機能に区分けすることによって実現することが可能である。例えば、融着接続された複数のファイバを上述した単一のコンポーネントとすることも可能である。
また、マルチモードファイバ(MMF)により構成される一連の機能、すなわち、可変モードスクランブラ611、モードフィルタ612、およびモード分離部231を、3次元光導波路デバイスを適用して実現することとしてもよい。例えば、3次元光導波路であるPhotonic Lantern(PL)は、マルチモード側ではマルチモードファイバ(MMF)と等価の入力特性を持つため、可変モードスクランブラ611の機能を付加することが可能である。また、PLのマルチモード側の導波モードを適切に設計することにより、モードフィルタ612の機能を付加することも可能である。ここでPLは、マルチモードで入力した光信号を、原理的に無損失で複数のシングルモードファイバ(SMF)に結合させることができる。このとき、直交したモード状態が複数のシングルモードファイバ(SMF)に出力され、後段の信号処理部160におけるMIMO処理によりモード分離が行われる。ここで、PLのシングルモードファイバ(SMF)への出力においては、厳密な意味でのモード分離はされていないが、信号処理部160における処理と組み合わせることによってモード分離が可能である。したがって、PLを本実施形態の空間光受信装置600におけるモード分離機能を実現する手段として用いることができる。
また、モード変換部610に光ファイバアンプを挿入し、モード変換部610の内部損失を補償する構成としてもよい。例えば1.55マイクロメートル(μm)のファイバ伝送波長帯であれば、マルチモード・エルビウム添加ファイバアンプ(Multimode Erbium−doped fiber amplifier:MM−EDFA)とマルチモード伝送媒体120および可変モードスクランブラ611との共用化を図ることができる。 また、数モードファイバ(Few Mode fiber:FMF)伝送用の数モード・エルビウム添加ファイバアンプ(Few Mode Erbium−doped fiber amplifier:FM−EDFA)とモードフィルタ612を共用化することとしてもよい。
次に、モード変換部610およびモード制御部680の動作について説明する。
モード制御部680は、第4の実施形態および第5の実施形態による空間光受信装置400、500と同様に、モード分離後の光信号の強度信号s72を用いてモード毎の光強度分布をモニタすることができる。これに加えて、モード制御部680は図13に示すように、モードフィルタ612の出力光を分岐してモニタ手段681を用いて観測することにより、モード強度分布情報を得ることができる。この場合、モニタ手段681は単純な光強度の測定であってもよい。
モード変換部610およびモード制御部680の動作を、図14A、14Bを用いてさらに具体的に説明する。ここでは一例として、モード分離部231が分離可能なモードを5モードとした。図中で丸印を付したモードが分離可能なモードを表している。
モード変換部610によるモード変換結果が、図14Aに示す状態であった場合、閾値を越える信号強度を有するモードの大半は、後段でモード分離ができない高次モードに存在している。このとき、モニタ手段681が観測するモードフィルタ612の出力の光強度は、モード分離が可能な5本のモードの光強度の合計値と等しい。そのため、モードの状態が図14Aに示した場合では、5本のモードの光強度は小さい。それに対して、図14Bに示したモード状態である場合は、モニタ手段681が観測する光強度は大きくなる。
図14Aと14Bに示した二通りの状態を比較すると、モード分離が可能な5本のモードの光強度の合計値をモニタ手段681によってモニタすることにより、光受信器233によって受信される光強度が最大となるように制御できることがわかる。正確なモード変換を行うために微調整を行う場合は、モード強度分布を強度信号s72により取得する必要がある。しかしながら、モード変換の粗調性や極大値の探索のためには、単一の強度情報が得られるモニタ手段681を用いることが有効となる。
また、図13に示したモニタ手段682を用いることによっても、同様のモード強度分布情報を観測することが可能である。モニタ手段682はモード変換後のモード分布を直接測定する機能を有する。モニタ手段682として、例えば波面センサなどを用いることができる。
図15に、本実施形態によるモード変換部の別の構成を示す。図15に示したモード変換部620は、可変モードスクランブラ611の前段にビームスキャナ621を備える。この構成によりモード変換部620は、可変モードスクランブラ611におけるモード結合状態を固定または半固定状態とし、可変モードスクランブラ611の外部に配置するビームスキャナ621を用いてモードを可変的に制御する。これにより、上述したモード変換部610と同様の機能を実現することができる。
モード変換部620で用いる半固定的な可変モードスクランブラ611は、光学系の機械的なオフセットや光学系側の状態の変化、例えば焦点距離や開口径の変化などに対応した時定数の長い変化に対応することができる。それに対して、ビームスキャナ621は、時定数の短いシンチレーションの変化に対応するために用いられる。なお、このようなマルチモードファイバ中の伝搬条件を制御する手段として、マルチモードファイバ(MMF)の帯域制御技術やモード変換技術などが知られている。
次に、ビームスキャナ621の動作原理を説明する。ビームスキャナ621は、マルチモードファイバ(MMF)のコア領域における光ビームの照射位置の変化に対して、励起される伝搬モードが変化する現象を利用する。基本モードのガウスビームをマルチモードファイバ(MMF)コアの辺縁部に照射すると高次モードが励起される。光線の伝搬は可逆的なので、高次モードを適切にコア辺縁部に照射できれば、原理的にはマルチモードファイバ(MMF)には基本モードが励起される。しかし、空間を伝搬した光の波面は複雑に重ね合わさった状態で乱れているため、上述したような理想的な逆変換は困難である。
本実施形態によるモード変換部620は、モードスクランブラの機能を持たせた可変モードスクランブラ611としてのマルチモードファイバ(MMF)を用いて、そのコア面に対する受信ビームの照射位置をビームスキャナ621によってスキャンする。モード制御部680は、制御信号s84によってビームスキャナ621を制御する。このときモード制御部680が行う制御は、モード変換部620における可変モードスクランブラ611に対する制御と同様である。
図15に示したモード変換部620は、モード変換部610が備える可変モードスクランブラ611を有する構成とした。しかし、モード変換部620はビームスキャナ621を備えているので、可変モードスクランブラ611に限らず、多モードを励起することが可能な伝送媒体であればよい。例えば、作動部を備えていないマルチモードファイバ(MMF)単体や光導波路を用いることとしてもよい。
また、集光部110によって光結合するマルチモード伝送媒体120は、ビームスキャナ621の前段に配置する構成であっても、後段に配置する構成であってもよい。マルチモード伝送媒体120をビームスキャナ621の後段に配置する構成の場合、集光された光信号はビームスキャナ621を通過してからマルチモード伝送媒体120に入射する。この場合、上述したように、マルチモード伝送媒体120と可変モードスクランブラ611を一体化した部品として構成することができる。
図16に、図15に示したビームスキャナ621の具体的な構成例を示す。この例では、受信光を結合したマルチモード伝送媒体120としてのマルチモードファイバ(MMF)の出射端の機械的な位置を可変することによって、ビームの可変を実現する構成とした。このとき、ピエゾ素子622を用いてマルチモードファイバ(MMF)の位置制御を行うことができる。また、マルチモードファイバ(MMF)の出射位置を可変する構成に替えて、可動レンズとミラーを用いて可変する構成としてもよい。さらに、レンズおよびミラーに替えて、電気光学効果または磁気光学効果を持つ光学結晶とそれに印加する制御信号とを用いてビームスキャンを行う構成とすることもできる。
モード制御部680は、ピエゾ素子622、またはレンズおよびミラーの位置を制御する。モード制御部680は上述したように、後段のモードフィルタ612の出射側における光強度またはモード分布のモニタ結果、または信号処理部160が検出する信号品質情報に基づいて最適制御を行う。このとき、モード制御部680は図12を用いて説明したモード推定のプロセスを行うこととしてもよい。
図17に、ビームスキャナの別な具体的な構成例を示す。ビームスキャナ631は空間変調器632を備える。モード制御部680は、後段におけるモード分離したモード分布のモニタ結果、または信号処理部160が検出する信号品質情報に基づいて、空間変調器632を制御する。このとき、モード制御部680は図12を用いて説明したモード推定のプロセスを行うこととしてもよい。なお、図17においては、空間変調器632は透過型の構成としているが、これに限らず反射型として構成してもよい。
空間変調器632を用いてシングルモードファイバ(SMF)への結合効率を改善するためには、一般には入射した光の精密な波面検出とそれに対する大量の計算が必要なフーリエ変換などを用いた波面推定処理を行う必要がある。しかしながら、本実施形態による空間光受信装置600の構成においては、入射光を平面波に変換する必要がない。これは、本実施形態による空間光受信装置600では、図14Aおよび14Bを用いて説明したように、モード変換部620を通過した後にモード分離部231においてモード分離が可能なモードに変換されていればよいからである。そのため、必ずしも単一の波面を生成するための最適解は必要ではないので、一般に必要とされている大量の計算は不要となる。
図18に、ビームスキャナのさらに別の具体的な構成例を示す。ビームスキャナ641はビームの出射方向を変化させる機構として音響光学スキャナ642を備える。ここで音響光学スキャナ(Acousto−Optic Scanner:AOS)は、超音波を用いて音響光学媒体に回折格子を生成し、媒体内を伝搬する光の進行方向を可変する素子である。音響光学スキャナ642を用いたモード変換の原理およびビームスキャナの可変制御手法は、上述したピエゾ素子622または空間変調器632を用いた場合と同様である。
モード制御部680は、後段におけるモード分離したモード分布のモニタ結果、または信号処理部160が検出する信号品質情報に基づいて、音響光学スキャナ642を制御する。このとき、モード制御部680は図12を用いて説明したモード推定のプロセスを行うこととしてもよい。
〔第7の実施形態〕
次に、本発明の第7の実施形態について説明する。図19に、本発明の第7の実施形態に係る空間光受信装置700の構成を示す。本実施形態による空間光受信装置700においては、モード変換部620が第6の実施形態による音響光学スキャナ642を備えた構成とした。また、光受信器233は局発光源733を備えたコヒーレント光受信器とした。
音響光学スキャナ(AOS)は、媒質内に回折格子を生成する超音波により、通過する信号光に超音波の周波数に相当した周波数シフトを発生させる。媒質に印加する超音波の周波数を、数メガヘルツ(MHz)から数100メガヘルツ(MHz)とすることができるので、それに相当する周波数シフトが信号光に誘起される。
このとき、光受信器233にコヒーレント光受信技術を用いている場合、局発光源733からの局発光との周波数誤差が大きな問題となる。すなわち、信号光と局発光の周波数差が急変すると、受信信号の符号誤り率に大きな劣化が生じる可能性がある。
ここで本実施形態による空間光受信装置700は、図19に示すように、モード制御部680が局発光源733に周波数オフセット情報s86を供給する構成としている。そのため、局発光源733の周波数をオフセットさせることにより、音響光学スキャナ(AOS)による周波数シフトを補償することができる。
音響光学スキャナ(AOS)が発生する超音波の周波数は、モード変換制御信号s84に対応して定まるため、モード制御部680にとって原理的に既知の量である。したがってモード制御部680は、発生した超音波による信号の周波数オフセットも一意に決定することが可能である。そして、モード制御部680はあらかじめ定められた関係を用いて、このモード変換制御信号s84に対応した周波数オフセット信号s86を生成する。局発光源733は周波数オフセット信号s86を参照して、あらかじめ定められた関係を用いて発振周波数の調整を行う。これらのあらかじめ定められた関係は、変換式や参照テーブルを用いて規定することができる。
次に、本実施形態による音響光学スキャナ642を用いた空間光受信装置700の効果について説明する。
空間光通信(FSO)を適用するアプリケーションの一例に、人工衛星から地上へ向けた通信がある。人工衛星は高速移動するため、ドップラシフトにより信号光の周波数がシフトすることが知られている。そのため、局発光源周波数の同期制御が必要であり、例えばフィードバック制御における時定数を長く設定することにより局発光の周波数の安定化を図る技術がある。
しかし、大気擾乱に起因したシンチレーションはランダムかつ高速な変化であるため、局発光源周波数も高速かつランダムに変化させる必要がある。ここで、音響光学スキャナ(AOS)により受信信号光が受ける周波数シフトは、音響光学スキャナ(AOS)に印加するマイクロ波の周波数で決まるため、積極的に局発光源733にフィードフォアードすることが可能である。フィードフォアードすることにより、高速な周波数変化に対しても追従して制御することが可能になり、音響光学スキャナ(AOS)による周波数シフトを補償することが可能となる。
以上説明したように、音響光学スキャナ(AOS)周波数シフト補償技術を空間光通信(FSO)受信器に適用した空間光受信装置700によれば、シンチレーションに連動したコヒーレント光受信器で発生する急激な符号誤り率の劣化を補償することができる。その結果、空間光通信(FSO)における安定な受信を実現することが可能になる。
また、デジタルコヒーレント受信技術を用いて、音響光学スキャナ642による信号光の周波数オフセットをDSPにおける信号処理により補償することとしてもよい。
デジタルコヒーレント受信技術においては、信号光と局発光の周波数誤差の補償を信号処理の過程で行うことができる。信号光と局発光の周波数同期技術では、周波数差の変化を推定することにより周波数差を補償している。しかし、音響光学スキャナ(AOS)による周波数シフトは高速かつランダムであるため、DSPによる周波数誤差の推定が不安定になる可能性がある。
しかし、本実施形態による空間光受信装置700においては、モード制御部680が音響光学スキャナ(AOS)により発生する周波数シフトの情報を、モード切替情報s81と同じ経路で信号処理部160に通知する構成としている。このときの周波数シフト情報は、例えばシフトの方向と大きさとすることができる。そして、信号処理部160が受け取った周波数シフト情報に基づいて、フィードフォアードで周波数オフセットを補償することにより、空間光通信(FSO)における安定な受信を実現することが可能になる。
また、音響光学スキャナ(AOS)による周波数シフトによって、音響光学スキャナ(AOS)の回折次数に対応した異なるシフト量を受けた複数の周波数の信号光が生成される。複数の回折次数に対応する信号光は、音響光学スキャナ(AOS)から異なる角度で出射されるため、次段の可変モードスクランブラ611において異なるモードが励起され、それらはモード分離部231によって分離される。
このとき、同じ信号光の入力に対して異なるモードに変換された信号光には、異なる周波数オフセットが発生する。すなわち、モードとオフセット量には対応関係が存在する。この対応関係はあらかじめ決められるか、またはトレーニングシーケンスなどを用いて対応関係を学習することにより決定することができる。このことから、DSPの内部処理による周波数オフセットの制御をモード毎に動的に切り替えることによって、より高品質な信号受信が可能となる。
具体的に説明すると、モード制御部680は音響光学スキャナ642で発生する信号光の周波数オフセット情報を、モード切替情報s81と同じ経路で信号処理部160に供給する。信号処理部160は、あらかじめ定められた範囲における、周波数オフセット量の整数倍となる周波数差をオフセット値の候補として用いて、各モードに対応する受信信号に対し最適な周波数オフセットを探索する。ここで、整数倍の周波数差は音響光学スキャナ(AOS)の回折次数に対応する。
本実施形態の空間光受信装置700によれば、信号処理部160はモード変換の切替に連動した信号光周波数シフトの変化のタイミングと、周波数シフト量の候補を知ることができる。そのため、信号処理部160の内部における周波数差の推定に要する計算負荷を低減することができる。
なお、上述した本実施形態による空間光受信装置700の構成は、局発光源733を用いない差動位相シフト変調(Differential Phase Shift Keying:DPSK)によるコヒーレント光受信器にも適用することが可能である。この構成では、音響光学スキャナ(AOS)による信号光周波数が遷移する間に、位相差のオフセットが発生し受信特性の劣化が起きる可能性がある。それに対して、本実施形態による空間光受信装置700においては、上述した場合と同様に、音響光学スキャナ642で発生する周波数のオフセットは既知となる。したがって、オフセットを補償することができるので、受信特性の劣化が生じるのを回避することが可能となる。
以上、上述した実施形態を模範的な例として本発明を説明した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態には限定されない。即ち、本発明は、本発明のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。
この出願は、2014年7月22日に出願された日本出願特願2014−148668を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)空間伝送路を伝搬したレーザ光を集光する集光部と、前記レーザ光を入力し、マルチモード光を出力するマルチモード伝送媒体と、前記マルチモード光の一部に基づく複数の受信電気信号を出力するマルチモード信号処理部と、前記マルチモード光に基づく信号情報をモニタするモニタ部と、前記信号情報に基づいて前記マルチモード信号処理部の動作を制御する制御部と、前記複数の受信電気信号に信号処理を施し、前記複数の受信電気信号を合成した出力信号を出力する信号処理部、とを有する空間光受信装置。
(付記2)前記マルチモード信号処理部は、前記マルチモード光に含まれる低次モード光に基づく複数の受信電気信号を出力する付記1に記載した空間光受信装置。
(付記3)前記マルチモード信号処理部は、前記マルチモード光を複数の単一モード光に分離するモード分離部と、前記複数の単一モード光をそれぞれ導波する複数の単一モード伝送媒体と、前記複数の単一モード伝送媒体を介して前記複数の単一モード光をそれぞれ受光し復調する複数の光受信器と、前記複数の光受信器の前段および後段の少なくとも一方に配置した、複数の入力信号の一部を選択して出力する信号選択部、とを備え、前記制御部は、前記複数の単一モード光の信号情報および前記信号処理部が算出する前記受信電気信号の品質情報の少なくとも一方に基づいて、前記信号選択部の動作を制御する付記1または2に記載した空間光受信装置。
(付記4)合成部をさらに有し、前記信号処理部は複数の信号処理回路を備え、前記合成部は、前記複数の信号処理回路の出力を合成して前記出力信号を出力する付記3に記載した空間光受信装置。
(付記5)前記マルチモード信号処理部は、前記マルチモード光の光エネルギー分布を変換し、光エネルギーが集中した複数の伝搬モード光を生成するモード変換部と、前記複数の伝搬モード光を分離してそれぞれ出力するモード分離部と、前記複数の伝搬モード光をそれぞれ導波する複数の単一モード伝送媒体と、前記複数の単一モード伝送媒体を介して前記複数の伝搬モード光をそれぞれ受光し復調する複数の光受信器、とを備え、前記制御部は、前記複数の伝搬モード光の信号情報および前記信号処理部が算出する前記受信電気信号の品質情報の少なくとも一方に基づいて、前記モード変換部の動作を制御する付記1または2に記載した空間光受信装置。
(付記6)前記モード変換部はモードスクランブラを備え、前記モードスクランブラは、マルチモードファイバと、前記マルチモードファイバに励起するモードを制御する作動部を備え、前記制御部は、前記作動部の動作を制御する付記5に記載した空間光受信装置。
(付記7)前記モード変換部は、前記モード変換部の出射側にモードフィルタを備える 付記6に記載した空間光受信装置。
(付記8)前記マルチモード信号処理部は、前記複数の光受信器の前段および後段の少なくとも一方に配置した、複数の入力信号の一部を選択して出力する信号選択部、をさらに備え、前記制御部は、前記複数の伝搬モード光の信号情報および前記信号処理部が算出する前記受信電気信号の品質情報の少なくとも一方に基づいて、前記信号選択部の動作を制御する付記5から7のいずれか一項に記載した空間光受信装置。
(付記9)空間伝送路を伝搬したレーザ光を集光し、集光した前記レーザ光をマルチモード光に変換し、前記マルチモード光に基づく信号情報をモニタし、前記信号情報に基づいて、前記マルチモード光の一部に基づく複数の受信電気信号を生成し、前記複数の受信電気信号を合成する空間光受信方法。
(付記10)前記マルチモード光を複数の単一モード光に分離し、前記複数の単一モード光の信号情報および前記受信電気信号の品質情報の少なくとも一方に基づいて、前記複数の単一モード光に基づく受信信号の一部を選択する付記9に記載した空間光受信方法。
(付記11)前記信号情報は、信号強度、信号振幅、ノイズ強度、およびノイズ振幅のうちの少なくとも一つを含む付記3に記載した空間光受信装置。
(付記12)前記品質情報は、信号振幅、ノイズ振幅、Q値、S/N比、位相情報、偏波情報、および符号誤り率の少なくとも一つを含む付記3に記載した空間光受信装置。
(付記13)前記合成部は、再合成された信号の位相整合用の入力バッファ回路を備える付記3に記載した空間光受信装置。
(付記14)前記制御部は、前記信号選択部を制御することによりモードを選択する際に、所定の閾値を越える光強度を持つ受信信号を選択する手法、光強度が大きい順に選択する手法、モード次数が小さい順に選択する手法、Q値に基づいて選択する手法、位相情報に基づいて選択する手法、偏波情報に基づいて選択する手法、および符号誤り率に基づいて選択する手法、のうち少なくとも一の手法を用いる付記3または4に記載した空間光受信装置。
(付記15)前記信号選択部は、m本の入力からn本を選択して出力する電子回路によるマトリクススイッチであり、mとnは正の整数であって、m≧n≧1の関係にある付記3または4に記載した空間光受信装置。
(付記16)前記制御部は、前記信号処理部にセレクタ切り替え情報を供給することによって、受信モードの選択と前記受信電気信号の再合成処理を連携させる付記3または4に記載した空間光受信装置。
(付記17)前記制御部は、前記受信電気信号の遮断や追加情報をセレクタ切り替え情報として前記信号処理部に通知する構成を備え、前記信号処理部における内部エラーのマスク処理および誤り訂正処理の少なくとも一方の最適化を行う付記3または4に記載した空間光受信装置。
(付記18)前記信号選択部は、入力信号数がm本であり出力信号数がn本である光マトリクススイッチを備える付記3または4に記載した空間光受信装置。
(付記19)前記複数の信号処理回路は、前記信号処理回路のトレーニング動作による受信電気信号の再合成処理が中断する期間に、相補的に動作する付記4に記載した空間光受信装置。
(付記20)前記信号選択部は、低次かつ少数のモードを選択する付記8に記載した空間光受信装置。
(付記21)前記モード制御部は、伝搬モードを推定し、推定した伝搬モードを用いてモード変換状態を変更した場合を仮定し、前記仮定に基づいてモード変換を行った後のモード強度分布のシミュレーションを行い、仮定したモード変換状態と現状を比較し良否判断の比較により収束判定を行う付記5から8のいずれか一項に記載した空間光受信装置。
(付記22)前記モードスクランブラは、前記マルチモード伝送媒体を伝搬するモードの全てと結合可能である付記6に記載した空間光受信装置。
(付記23)前記モードフィルタは、前記モード分離部が分離可能なモードを伝搬する付記7に記載した空間光受信装置。
(付記24)前記モードフィルタは、前記可変モードスクランブラが備える前記マルチモードファイバのコア径よりも小さいコア径からなるマルチモードファイバである付記7に記載した空間光受信装置。
(付記25)前記モードフィルタは、高次モードを選択的に拡散させる付記7に記載した空間光受信装置。
(付記26)前記可変モードスクランブラ、前記モードフィルタ、および前記モード分離部の少なくとも一つは3次元光導波路デバイスを含む付記7に記載した空間光受信装置。
(付記27)前記モード変換部は、前記可変モードスクランブラの前段にビームスキャナをさらに備え、前記制御部は、前記ビームスキャナの動作を制御する付記6に記載した空間光受信装置。
(付記28)前記ビームスキャナは、ピエゾ素子、可動レンズ、およびミラーのいずれかを含む付記6に記載した空間光受信装置。
(付記29)前記ビームスキャナは、音響光学スキャナを備える付記28に記載した空間光受信装置。
(付記30)前記ビームスキャナは音響光学スキャナを備え、前記光受信器は局発光源を備えたコヒーレント光受信器であり、前記モード制御部は、前記局発光源に周波数オフセット情報を供給する付記28に記載した空間光受信装置。
(付記31)前記周波数オフセット情報は、前記音響光学スキャナによる周波数シフトに関する情報を含む付記30に記載した空間光受信装置。
(付記32)前記ビームスキャナは音響光学スキャナを備え、前記光受信器は局発光源を備えたコヒーレント光受信器であり、前記モード制御部は、前記音響光学スキャナにより発生する周波数シフトに関する情報を前記信号処理部に通知し、前記信号処理部は受け取った周波数シフトに関する情報に基づいて前記周波数オフセットを補償する付記27に記載した空間光受信装置。
100、200、201、300、301、302、400、500、600、700 空間光受信装置
101 レーザ光
110 集光部
120 マルチモード伝送媒体
121 コア
130 マルチモード信号処理部
140 モニタ部
150 制御部
160 信号処理部
231 モード分離部
232 単一モード伝送媒体
233 光受信器
234 信号選択部
250 選択制御部
361 第1の信号処理回路
362 第2の信号処理回路
363、364 信号処理回路(DSP)
370 合成部
410、610、620 モード変換部
480、680 モード制御部
611 可変モードスクランブラ
612 モードフィルタ
621、631、641 ビームスキャナ
622 ピエゾ素子
632 空間変調器
642 音響光学スキャナ
681、682 モニタ手段
733 局発光源

Claims (10)

  1. 空間伝送路を伝搬したレーザ光を集光する集光手段と、
    前記レーザ光を入力し、マルチモード光を出力するマルチモード伝送媒体と、
    前記マルチモード光の一部に基づく複数の受信電気信号を出力するマルチモード信号処理手段と、
    前記マルチモード光に基づく信号情報をモニタするモニタ手段と、
    前記信号情報に基づいて前記マルチモード信号処理手段の動作を制御する制御手段と、
    前記複数の受信電気信号に信号処理を施し、前記複数の受信電気信号を合成した出力信号を出力する信号処理手段、とを有する
    空間光受信装置。
  2. 請求項1に記載した空間光受信装置において、
    前記マルチモード信号処理手段は、前記マルチモード光に含まれる低次モード光に基づく複数の受信電気信号を出力する
    空間光受信装置。
  3. 請求項1または2に記載した空間光受信装置において、
    前記マルチモード信号処理手段は、
    前記マルチモード光を複数の単一モード光に分離するモード分離手段と、
    前記複数の単一モード光をそれぞれ導波する複数の単一モード伝送媒体と、
    前記複数の単一モード伝送媒体を介して前記複数の単一モード光をそれぞれ受光し復調する複数の光受信手段と、
    前記複数の光受信手段の前段および後段の少なくとも一方に配置した、複数の入力信号の一部を選択して出力する信号選択手段、とを備え、
    前記制御手段は、前記複数の単一モード光の信号情報および前記信号処理手段が算出する前記受信電気信号の品質情報の少なくとも一方に基づいて、前記信号選択手段の動作を制御する
    空間光受信装置。
  4. 請求項3に記載した空間光受信装置において、
    合成手段をさらに有し、
    前記信号処理手段は複数の信号処理回路を備え、
    前記合成手段は、前記複数の信号処理回路の出力を合成して前記出力信号を出力する
    空間光受信装置。
  5. 請求項1または2に記載した空間光受信装置において、
    前記マルチモード信号処理手段は、
    前記マルチモード光の光エネルギー分布を変換し、光エネルギーが集中した複数の伝搬モード光を生成するモード変換手段と、
    前記複数の伝搬モード光を分離してそれぞれ出力するモード分離手段と、
    前記複数の伝搬モード光をそれぞれ導波する複数の単一モード伝送媒体と、
    前記複数の単一モード伝送媒体を介して前記複数の伝搬モード光をそれぞれ受光し復調する複数の光受信手段、とを備え、
    前記制御手段は、前記複数の伝搬モード光の信号情報および前記信号処理手段が算出する前記受信電気信号の品質情報の少なくとも一方に基づいて、前記モード変換手段の動作を制御する
    空間光受信装置。
  6. 請求項5に記載した空間光受信装置において、
    前記モード変換手段はモードスクランブラを備え、
    前記モードスクランブラは、マルチモード伝送媒体と、前記マルチモード伝送媒体に励起するモードを制御する作動手段を備え、
    前記制御手段は、前記作動手段の動作を制御する
    空間光受信装置。
  7. 請求項6に記載した空間光受信装置において、
    前記モード変換手段は、前記モード変換手段の出射側にモードフィルタを備える
    空間光受信装置。
  8. 請求項5から7のいずれか一項に記載した空間光受信装置において、
    前記マルチモード信号処理手段は、
    前記複数の光受信手段の前段および後段の少なくとも一方に配置した、複数の入力信号の一部を選択して出力する信号選択手段、をさらに備え、
    前記制御手段は、前記複数の伝搬モード光の信号情報および前記信号処理手段が算出する前記受信電気信号の品質情報の少なくとも一方に基づいて、前記信号選択手段の動作を制御する
    空間光受信装置。
  9. 空間伝送路を伝搬したレーザ光を集光し、
    集光した前記レーザ光をマルチモード光に変換し、
    前記マルチモード光に基づく信号情報をモニタし、
    前記信号情報に基づいて、前記マルチモード光の一部に基づく複数の受信電気信号を生成し、
    前記複数の受信電気信号を合成する
    空間光受信方法。
  10. 請求項9に記載した空間光受信方法において、
    前記マルチモード光を複数の単一モード光に分離し、
    前記複数の単一モード光の信号情報および前記受信電気信号の品質情報の少なくとも一方に基づいて、前記複数の単一モード光に基づく受信信号の一部を選択する
    空間光受信方法。
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