JP6617716B2 - 空間光受信装置および空間光受信方法 - Google Patents

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Description

本発明は、空間光受信装置および空間光受信方法に関し、特に、自由空間を伝搬するレーザ光により光通信を行う空間光受信装置および空間光受信方法に関する。
近年、リモートセンシング技術の発達により、航空機や人工衛星に搭載される観測機器の性能が向上し、上空から地上へ伝送される情報量が増大している。将来のさらに性能が向上した観測機器が生成するデータを効率的に地上に伝送するため、マイクロ波よりも格段に広帯域化が期待できる光周波数帯を用いた空間光通信(Free Space Optics:FSO)システムが検討されている。
大容量な空間光通信(FSO)システムを実現するためには、伝送信号のビットレートの高速化技術と波長多重技術を適用することが必要とされている。また、人工衛星などから地上までの超長距離の伝送を行う空間光通信(FSO)システムにおいては、信号光は自由空間を伝搬することにより大きく減衰するので、高感度な受信装置が必要である。その際に、光ファイバ通信技術と共通の技術、すなわちシングルモードファイバ(Single Mode Fiber :SMF)を用いた光送受信技術を応用することが効率的である。その理由は、例えば、低雑音かつ高利得な直接光増幅技術、高感度なデジタルコヒーレント受信技術、高ビットレート送受信技術、および高密度波長多重(Dense Wavelength Division Multiplexing:DWDM)技術などを利用することが可能だからである。
これまでに、このようなシングルモードファイバ(SMF)を用いた技術を応用した空間光通信(FSO)システムが開発されている。ここで、シングルモードファイバ(SMF)を用いた技術を応用した空間光通信(FSO)システムにおいては、レーザ光をコア径の小さなシングルモードファイバ(SMF)に結合させる必要がある。
ここで、人工衛星などからの長距離伝送を行うFSOシステムにおいては、十分な光パワーを集光するために、空間光通信(FSO)受信装置は大きな開口径を有する望遠鏡を備える必要がある。この場合、望遠鏡の口径は大気中を伝搬したレーザ光の空間コヒーレンス半径の数倍以上となるため、風など大気の乱れの影響を受けやすくなる。そのため、望遠鏡で集光されたレーザ光のビームスポットの乱れ度合いが大きくなる、という問題があった。
そのとき、ビームスポットの乱れにより光受信器に入射するレーザ光強度が大きく変動するため、安定な通信が困難であるという問題がある。特に、大きな強度変動による強い減衰(フェード)が発生すると受信データのエラーや欠損が生じるため、エラー訂正符号(Forward Error Correction:FEC)のオーバヘッドが増大し、または再送処理が必要となる。これは、空間光通信(FSO)システムの実効スループットの低下を招くことになる。
このように、空間光通信(FSO)システムにおいては、大気伝搬中にレーザ光が受ける波面の乱れにより、通信が不安定になるという問題があった。
このような問題を解決する技術が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された関連する空間光通信(FSO)レシーバは、テレスコープ収集システムと、波長デマルチプレクサと、ダイオード光検出器と、アナログ・デジタル変換器と、デジタル信号プロセッサとを含む。そして、波長デマルチプレクサから複数の個別のファイバ端面に光を収集し、徐々に細くなっているファイバ・バンドルまたは徐々に細くなっている単一のファイバを用いて、光検出器に入力するために信号光を単一の出力ファイバに集中させる構成としている。
関連する空間光通信(FSO)レシーバは、単一モード・ファイバを融合したマルチモード・ファイバ・バンドルの大きなアパーチャ面の上に、収集レンズを用いて光を収集させる構成としている。これにより、ビームスポットの乱れに対しても安定なファイバ結合を実現することとしている。また、コア径をテーパー状にシングルモードファイバ(SMF)と同等の径まで細くすることにより、結合したレーザ光をSMFのコアに集中させ、後段においてSMFに適応した光部品との接続が可能な構成としている。
特表2013−535871号公報
上述したように特許文献1には、徐々に細くなっているファイバ・バンドルまたは徐々に細くなっている単一のファイバを用いた関連するFSOレシーバが記載されている。
ファイバ・バンドルを用いた構成の場合、複数のファイバのコアに結合したレーザ光の総和を取ることにより、フェードを回避することとしている。この構成においては、バンドルされたシングルモードファイバ(SMF)の本数に比例して、受光できるレーザ光の分量は増加する。しかし、ファイバのクラッドに照射されたレーザ光はコアに結合されないので損失となる。例えば、ファイバの断面積に占めるコアの面積の割合を考慮すると、レーザ光がコアに照射される期待値は10%程度にすぎない。そのため、大気の乱れによってビームスポットの状態が変化することに伴う、大きなフェードの発生を低減する効果は小さい。
また、単芯のマルチモードファイバ(Multi Mode Fiber:MMF)のコア径をテーパー状にSMFの径まで遷移させる構成においても、MMFに励起された伝搬モードの全てのエネルギーをSMFに無損失で結合することはできない。なぜならば、テーパー部のコア径を縮小する過程において、SMFを伝搬することができない高次の伝搬モードはクラッドに放射され損失となるからである。そのため、乱れたビームスポットによってMMFに高次伝搬モードが励起されると、SMFに結合ができずにフェードが発生することになる。
以上の理由により、特許文献1に記載された関連する空間光通信(FSO)受信装置においては、安定な受信動作が困難である。
ここで、特許文献1に記載された徐々に細くなっている単一のファイバを用いる構成に替えて、MMFによるモード多重伝送技術に用いられるモード多重分離技術およびマルチモード光アンプ技術、および信号処理技術を応用する構成とすることも可能である。モード多重分離技術は、MMFにおける伝搬モードをSMFにおける伝搬モードに多重分離することが可能だからである。
上述したように、安定な空間光受信を実現するためには、大きなコア径のマルチモードファイバ(MMF)を用いる必要がある。しかしながら、MMFの伝搬モードの個数はコア径の2乗に比例して増加するので、大きなコア径のMMFには非常に多くの伝搬モードが発生することになる。
具体的には、コア径が50マイクロメートル(μm)であるMMFで励起可能な伝搬モードの個数は、約250モードにのぼる。集光されたレーザ光は、そのうちの一部の伝搬モードに強度が分割されて結合する。例えば100モードに均等な強度で分割されると仮定すると、各モードの光信号強度は単一の伝搬モードで伝搬した場合と比較して20dBだけ劣化する。しかし、そのようなS/N比(signal−noise ratio)が20dB劣化した信号によって高感度な受信を実現することは非常に困難である。
一方、マルチモード光アンプを用いると、レーザ光がモード分離による過剰損失を受ける前に光増幅を行うことができる。そのため、空間光受信装置を高感度化することが可能である。
このとき、マルチモード光アンプでは、伝搬可能な全てのモードにおいて自然放出光(Amplified Spontaneous Emission:ASE)雑音が発生する。そのため、コア径が大きなMMFでは、非常に多くの伝搬モードにASEが分配される。その結果、信号処理回路(Digital Signal Processor:DSP)に入力される信号のS/N比が劣化するため、高感度な空間光受信が困難となる。
具体的には、コア径が50マイクロメートル(μm)であるMMFを用いた上述の構成例において、励起されなかった残りの150モードに対してもマルチモード光アンプから自然放出光(ASE)が放出される。このとき、モード毎に分配されるASEの強度は一定であると仮定すると、モード分離した光信号を受信する全ての光受信器に入射される雑音の総量は、約20dBも増加することになる。この場合も、S/N比が大きく劣化した信号によって高感度な受信を実現することは非常に困難である。
このように、空間光受信装置においては、安定な受信と高感度な受信の両立を図ることが困難である、という問題があった。
本発明の目的は、上述した課題である、空間光受信装置においては、安定な受信と高感度な受信の両立を図ることが困難である、という課題を解決する空間光受信装置および空間光受信方法を提供することにある。
本発明の空間光受信装置は、空間伝送路を伝搬したレーザ光を集光する集光手段と、集光手段が集光したレーザ光を入力してマルチモード光を励起し、励起可能なマルチモード光の個数よりも小さい複数個の伝搬モード光を含むマルチモード伝搬光を出力するマルチモード光生成手段と、マルチモード伝搬光を複数の伝搬モード光ごとに分離して出力するモード分離手段、とを有する。
本発明の空間光受信方法は、空間伝送路を伝搬したレーザ光を集光し、集光したレーザ光をマルチモード光に変換し、励起可能なマルチモード光の個数よりも小さい複数個の伝搬モード光を含むマルチモード伝搬光を生成し、マルチモード伝搬光を複数の伝搬モード光ごとに分離する。
本発明の空間光受信装置および空間光受信方法によれば、安定な受信と高感度な受信の両立を図ることができる。
本発明の第1の実施形態に係る空間光受信装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係る空間光受信装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施形態に係る空間光受信装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施形態に係る空間光受信装置が備えるマルチモード・光ファイバアンプの動作を説明するための図であって、伝搬モードの個数が制限されていない場合の光アンプ出力のモードスペクトル図である。 本発明の第3の実施形態に係る空間光受信装置が備えるマルチモード・光ファイバアンプの動作を説明するための図であって、伝搬モードの個数を制限した場合における入力信号のモードスペクトル図である。 本発明の第3の実施形態に係る空間光受信装置が備えるマルチモード・光ファイバアンプの動作を説明するための図であって、伝搬モードの個数を制限した場合における光アンプ出力のモードスペクトル図である。 本発明の第3の実施形態に係る空間光受信装置による効果を説明するための表図である。 本発明の第4の実施形態に係る空間光受信装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第4の実施形態に係る空間光受信装置の別の構成を示すブロック図である。 本発明の第5の実施形態に係る空間光受信装置の構成を示すブロック図である。
以下に、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、図面中の矢印の向きは一例を示すものであり、ブロック間の信号の向きを限定するものではない。
〔第1の実施形態〕
図1は、本発明の第1の実施形態に係る空間光受信装置100の構成を示すブロック図である。空間光受信装置100は、集光手段110、マルチモード光生成手段120、およびモード分離手段130を有する。
集光手段110は、空間伝送路を伝搬したレーザ光s101を集光する。マルチモード光生成手段120は、集光手段110が集光したレーザ光s101を入力してマルチモード光を励起し、励起可能なマルチモード光の個数よりも小さい複数個の伝搬モード光を含むマルチモード伝搬光を出力する。そして、モード分離手段130は、マルチモード伝搬光を複数の伝搬モード光s131ごとに分離して出力する。
上述したように、本実施形態の空間光受信装置100においては、マルチモード光生成手段120がレーザ光s101を入力してマルチモード光を励起する構成としている。そのため、レーザ光s101を入力するマルチモード光生成手段120の受光面の面積を大きくすることができる。これにより、レーザ光s101のビームスポットに乱れが生じている場合であっても、レーザ光s101を安定に受光することが可能になる。このとき、マルチモード光生成手段120は、励起可能なマルチモード光の個数よりも小さい複数個の伝搬モード光を含むマルチモード伝搬光を出力する構成としている。これにより、伝搬モード光s131ごとの光強度の低下を抑制することができるので、高感度な受信が可能となる。
このように、本実施形態の空間光受信装置100によれば、安定な受信と高感度な受信の両立を図ることができる。
ここで、集光手段110は視野角の狭い望遠鏡を備え、これにより長距離の空間光受信を実現することができる。具体的には例えば、集光手段110は視野角が1ミリラジアン(mrad)以下である光学系を備えた構成とすることにより、空間光受信装置100は1キロメートル(km)以上伝搬したレーザ光s101を受信することが可能となる。
次に、本実施形態による空間光受信方法について説明する。
本実施形態の空間光受信方法においては、まず、空間伝送路を伝搬したレーザ光を集光する。そして、集光したレーザ光をマルチモード光に変換し、励起可能なマルチモード光の個数よりも小さい複数個の伝搬モード光を含むマルチモード伝搬光を生成する。最後に、マルチモード伝搬光を複数の伝搬モード光ごとに分離する。
このような方法を用いることにより、本実施形態の空間光受信方法によれば、安定な受信と高感度な受信の両立を図ることができる。
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図2は、本発明の第2の実施形態に係る空間光受信装置200の構成を示すブロック図である。
空間光受信装置200は、集光手段としての集光部210、マルチモード光励起手段としてのマルチモード媒体221、マルチモード伝送媒体としてのマルチモードファイバ(MMF)222、およびモード分離手段としてのモード分離部231を有する。ここで、マルチモード媒体221とマルチモードファイバ(MMF)222がマルチモード光生成手段を構成する。
空間光受信装置200はさらに、複数の単一モード伝送媒体232、受光手段としての複数の光受信器233、信号選択手段としての信号選択部(セレクタ)241、および信号処理手段と光電変換手段を含む信号処理部(DSP)242を有する。
集光部210は光アンテナを含む集光光学系からなり、空間伝搬により波面の乱れを受けたレーザ光s201をマルチモード媒体221に集光する。レーザ光s201のビームスポットが照射されるマルチモード媒体221のコアは、ビームスポットの揺らぎに対して十分に広い面積を有しているので、レーザ光s201の安定なファイバ結合を実現することが可能である。
マルチモード光励起手段としてのマルチモード媒体221は、第1のモード個数(mi)のモード光を含むマルチモード光を励起し、第1のモード個数(mi)よりも小さい第2のモード個数(mo)であって複数の伝搬モード光を含むマルチモード伝搬光を出力する。
マルチモード伝送媒体としてのマルチモードファイバ(MMF)222は、第2のモード個数(mo)以上の個数である第3のモード個数(mf)の導波モードを有する。そして、マルチモード媒体221から出力されたマルチモード伝搬光を安定にモード分離部231に導波する。
モード分離部231は、マルチモードファイバ(MMF)222から入力されるマルチモード伝搬光を複数の単一モード光(伝搬モード光)に分離する。ここで、モード分離部231が分離できるモードの個数である第4のモード個数(md)は、マルチモードファイバ(MMF)222の導波モードの個数である第3のモード個数(mf)と等しくすることができる。
モード分離部231によって分離された単一モード光は、複数の単一モード伝送媒体232をそれぞれ導波する。具体的には、モード分離部231はマルチモードファイバ(MMF)222によって導波されるマルチモード伝搬光をm(=md)個の単一モードの光信号s232に分離し、m本の単一モード伝送媒体232にそれぞれ結合して出力する。
モード分離部231は例えば、3次元光導波路またはPhotonic Lanternなどを用いたモード分離技術を適用することにより構成することができる。また、単一モード伝送媒体232は典型的にはシングルモードファイバ(SMF)である。このように、モード分離した単一モード光をシングルモードファイバ(SMF)に結合することによって、シングルモードファイバ(SMF)をベースとした光ファイバ伝送技術を適用することが可能となる。さらに、3次元光導波路またはPhotonic Lanternなどは、マルチモード媒体221までを一体化して構成することも可能である。
光受信器233は、複数の単一モード伝送媒体232を介して複数の単一モード光s232をそれぞれ受光し復調する。すなわち、m個の光受信器233がモード分離された全ての単一モード光s232を光電変換し、受信信号s234をそれぞれ出力する。ここで光受信器233は、コヒーレント光受信器あるいはデジタルコヒーレント技術を適用した構成とすることができる。
信号選択手段としての信号選択部(セレクタ)241は、複数の受光手段(光受信器233)がそれぞれ出力する複数の受信信号s234から、複数の伝搬モード光に対応する複数の復調信号s243だけを選択する。信号選択部(セレクタ)241によって選択されたn本の復調信号s243は、信号処理部242に入力される。ここで、選択される復調信号s243の本数nは、単一モード伝送媒体232を導波する単一モード光(伝搬モード光)の本数m以下である。
信号処理部242は複数の復調信号s243の全てあるいは一部に信号処理を施し、複数の復調信号s243を合成した出力信号s244を出力する。信号処理部242は、典型的にはデジタル信号処理回路(DSP)により構成される。
上述したように、空間光受信装置において十分に安定な受信特性を実現するためには、空間光受信装置200が備えるマルチモード媒体221の入射側のコア径を拡大する必要がある。しかし、マルチモードファイバ(MMF)における伝搬モードの個数はコア径の2乗に比例して増大するため、コア径を拡大するとマルチモード媒体221に膨大な個数のモードが励起される可能性がある。このとき、多数の高次伝搬モードとの結合が発生すると、単一のモード当たりの光強度は減少する。そのため、光受信器に入力される光信号の光S/N比が劣化し、高感度な受信が困難になる。
しかし、本実施形態による空間光受信装置200においては、マルチモード媒体221で励起された伝搬モードの個数を制限する構成としている。そのため、本実施形態の空間光受信装置200によれば、安定な空間光受信を実現するとともに、光S/N比の劣化を回避することができる。
超長距離空間光通信(FSO)システムに用いられる空間光通信(FSO)受信装置は、視野角が極めて狭い集光光学系を備えているため、受光したレーザ光のビームはマルチモード媒体221に対してほぼ垂直に入射することになる。そのため、マルチモード媒体221の入射側における最大入射角θmに近い角度で入射する斜入射ビームを考慮する必要はない。したがって、マルチモード媒体221の入射側で励起される伝搬モードは、基底モードに近い比較的少数の伝搬モードだけである。ここで、最大入射角θmは、開口数をNAとすると、θm=sin−1(NA)と表わされる。
本実施形態による空間光受信装置200は、上述した特性を考慮し、マルチモード媒体221の出力側の伝搬モードの個数moが入力側のモードの個数miよりも小さい複数個からなる構成としている。すなわち、mi > mo >1、が成り立つ構成である。
また、マルチモード媒体221とモード分離部231をつなぐマルチモードファイバ(MMF)222が伝搬可能なモードの個数mfは、モード分離部231が分離可能なモードの個数mdと等しいかまたは小さい構成とした。さらに、マルチモード媒体221の出力側のコアが伝搬可能なモードの個数も、マルチモードファイバ(MMF)222が伝搬可能なモードの個数と等しいかまたは小さい構成としている。
以上の構成をまとめると、次式で表わすことができる。
mi > mo >1、かつ、mo ≦ mf≦ md
マルチモード光励起手段としてのマルチモード媒体221には、光路となるコア部を備えた光導波路であって、コア部の径が入力側から出力側に向けて縮小しているテーパー構造を備えた光導波路を用いることができる。ここで、光導波路にはマルチモードファイバ(MMF)が含まれる。また、マルチモード伝送媒体としてのマルチモードファイバ(MMF)222として、少数のモードを伝搬するフューモードファイバ(Few−Mode Fiber:FMF)を用いることができる。ここで、FMFとしては、例えば、3モードから20モード程度を上限としたモード数のマルチモードファイバを適用することができる。
上述したテーパー型のマルチモード媒体221とフューモードファイバ(FMF)を用いる構成とした空間光受信装置200によれば、ビームスポットの乱れが生じた場合であっても、レーザ光とマルチモード媒体221との安定な結合を維持することができる。さらに、励起した基底モードに近い少数の伝搬モードだけを選択的に伝搬させ、後段のモード分離部231以降においても少数の伝搬モードだけを処理する構成とすることができる。その結果、複数モードの受信により、フェードの発生を回避するとともに、S/N劣化の原因となる多数の高次モードの発生を抑制することができる。
すなわち、テーパー型マルチモード媒体221とFMFを組み合わせた構成とした空間光受信装置200によれば、フェードの発生を回避した安定な受信と、高次伝搬モードの発生を抑制しS/N比の劣化を回避することによる高感度な受信との両立が可能となる。さらに、モードの個数の削減により、モード分離部231の構成を簡略化し、光受信器233の個数を削減することが可能になる。これにより、空間光受信装置200のコストを低減することができる。
また、空間光受信装置200は、図2に示したように、マルチモード光生成手段がマルチモード光励起手段としてのマルチモード媒体221の前段に、入射するレーザ光s101の波面を制御するビーム制御手段223を備えた構成とすることができる。
集光部210により形成されるビームスポットは平面波ではあるが、集光されてマルチモード媒体221に入射すると、高次の伝搬モードが励起されやすい。ビーム制御手段223がマルチモード媒体221に入射するレーザ光のビームスポットを補正することにより、このような現象を緩和することができる。ビーム制御手段223は各種光学素子を用いることにより実現することが可能である。具体的には例えば、凹レンズやスポットサイズ変換素子、セルフォックレンズ、閉じ込めの弱い光ファイバなどを用いることができる。
ビーム制御手段223を挿入した構成には、レーザ光のビームスポットに揺らぎが生じている場合に、マルチモード媒体221で励起される伝搬モードを安定化させる効果がある。さらに、レーザ光がマルチモードファイバ(MMF)222を伝搬する間に、ファイバの屈曲や光コネクタを通過することによる高次の伝搬モードとの結合を抑制する効果がある。このように、ビーム制御手段223を用いることにより、マルチモードファイバ(MMF)222を伝搬している間におけるレーザ光のモード結合を抑制することができる。これにより、レーザ光のエネルギーを低次の伝搬モードに維持することができ、S/N比の劣化をさらに抑制することが可能となる。
なお、ビーム制御手段223は、レーザ光のビームスポットのサイズを、マルチモード光励起手段としてのマルチモード媒体221の入力側のコア部の径と略同一の大きさに変換する構成とすることができる。すなわち、ビーム制御手段223を通過した後のレーザ光のビームスポットのサイズは、マルチモード媒体221の入射面のコア径と同等のサイズにデフォーカスされている。さらに、ビーム制御手段223は、マルチモード媒体221の入射面の直前に配置されることが望ましい。その理由は、ビームスポットを小さく絞ってから平面波に補正することにより、集光部210の焦点距離を短くすることができるからである。これにより、空間光受信装置200を小型化することが可能となる。
上述した、ビーム制御手段223、テーパー型のマルチモード媒体221、およびマルチモードファイバ(MMF)222としてのFMFとを組み合わせた構成とした空間光受信装置200によっても、上記と同様の効果が得られる。すなわち、フェードの発生を回避した安定な受信と、高次の伝搬モードの発生を抑制しS/N比の劣化を回避することによる高感度な受信との両立が可能となる。さらに、モードの個数の削減により、モード分離部231の構成を簡略化し、光受信器233の個数を削減することが可能になる。これにより、空間光受信装置200のコストを低減することができる。
また、空間光受信装置200においては、マルチモード媒体221で励起されなかった伝搬モードに対しても、光受信器233によって受信信号s234が生成される。この無信号の受信信号s234は、信号処理部(DSP)242に入力されても出力信号s244の合成には寄与しないばかりか、反対に雑音を増加させるデメリットがある。
しかし、本実施形態による空間光受信装置200は信号選択部(セレクタ)241を備え、信号選択部(セレクタ)241が励起されなかったモードに対応する受信信号s234を遮断する構成としている。これにより、信号処理部(DSP)242に入力する信号数を削減することができ、上記デメリットの発生を回避することができる。
上述したように、本実施形態による空間光受信装置200は、テーパー構造によるマルチモード媒体221と信号選択部(セレクタ)241を備えた構成としている。このような構成としたことにより、二重のモード数削減効果が得られ、安定な受信と高感度な受信の両立を図ることができる。さらに、空間光受信装置200に波長多重分離機能を付加した構成とすることにより、大容量化を図ることが可能である。
〔第3の実施形態〕
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図3に、本発明の第3の実施形態に係る空間光受信装置300の構成を示す。
本実施形態による空間光受信装置300は、マルチモード伝送媒体としてのマルチモードファイバ(MMF)322と光学的に接続する光アンプを備えた構成とした。光アンプは、典型的にはマルチモード・光ファイバアンプ(MMFA)334とすることができる。他の構成は第2の実施形態による空間光受信装置200と同様であるから、それらの詳細な説明は省略する。
光ファイバ通信においては、高感度な光受信を実現するために、光アンプ技術が適用されている。この場合、特に良好なS/N比で光受信するには、光アンプを受信器の上流側に配置して光増幅することが望ましい。本実施形態による空間光受信装置300においても、マルチモード・光ファイバアンプ(MMFA)334が、モード分離部331よりも前段側に位置し、マルチモードファイバ(MMF)322と光学的に接続した構成とすることが望ましい。
ここで、マルチモード・光ファイバアンプ(MMFA)は、MMFが伝搬可能な全ての伝搬モードに対して自然放出光(ASE)雑音を発生する。そのため、伝搬モードの個数が多いMMFAを用いると、光信号のS/N比が劣化する。空間光受信装置300において光信号のS/N比が劣化すると、信号処理部(DSP)342に入力される復調信号s343の総S/N比が劣化するため、高感度な受信が困難になる。
しかし、本実施形態による空間光受信装置300は、マルチモード媒体321で励起される伝搬モードの個数を制限し、マルチモードファイバ(MMF)322を伝搬させた後にマルチモード・光ファイバアンプ(MMFA)334を適用する構成としている。すなわち、制限された個数の伝搬モードだけを増幅する構成としているので、不要なモードへの自然放出光(ASE)雑音の発生を制限し、光信号のS/N比の劣化を防止することが可能となる。
上述したように、光アンプは典型的にはマルチモード型の光ファイバアンプであるが、これに限らず導波路型光アンプを用いることも可能である。
また、光アンプは第5のモード個数(ma)の導波モードを有する構成とすることができる。ここで第5のモード個数(ma)は、マルチモードファイバ(MMF)322の導波モードの個数である第3のモード個数(mf)以上であって、モード分離部331が分離できるモードの個数である第4のモード個数(md)以下の個数である。すなわち、次式が成り立つ構成とすることができる。
mi > mo >1、かつ、mo ≦ mf ≦ ma ≦ md
上式中、「mi」はマルチモード媒体321の入力側のモードの個数であり、「mo」は出力側の伝搬モードの個数である。
上述したように、本実施形態による空間光受信装置300は、マルチモード媒体321と、導波モードの個数を制限したマルチモード・光ファイバアンプ(MMFA)334を有する構成としている。このような構成としたことにより、信号処理部(DSP)342に入力される復調信号s343の総S/N比の劣化を防止することができるので、安定な受信と高感度な受信の両立を図ることができる。さらに、不要な伝搬モードへの自然放出光(ASE)雑音の放出が回避できるので、マルチモード・光ファイバアンプ(MMFA)334の効率を改善することができる。これにより、空間光受信装置300の低消費電力化および小型化が可能となる。
空間光受信装置300は、図3に示したように、光アンプが入力側および出力側にモード形状を変換するモードフィールド変換部335を備えた構成とすることができる。これにより、光アンプとしてのマルチモード・光ファイバアンプ(MMFA)334の両端において、光学的損失が発生することを回避することができる。その理由を以下に説明する。
光増幅媒体を添加した光ファイバアンプは、添加物を含まない標準的な光ファイバと比べてコア領域の屈折率が増大する。そのため、マルチモードファイバ(MMF)322とマルチモード・光ファイバアンプ(MMFA)334のコア径が等しい場合、MMFA334におけるモードの個数が大きくなる。これにより、不要なモードに自然放出光(ASE)雑音が放出され、光S/N比が劣化する。
このような光S/N比の劣化を回避するために、MMFA334とマルチモードファイバ(MMF)322およびモード分離部331における伝搬可能なモードの個数を等しくする必要がある。そうすると、MMFA334のファイバコア径は、マルチモードファイバ(MMF)322およびモード分離部331の入力部に比べて細くなる。コア径が異なるとモードフィールドのミスマッチが生じ、MMFA334の両端で光学的損失が発生することになる。
しかし、本実施形態による空間光受信装置300は、上述したように、マルチモード・光ファイバアンプ(MMFA)334が入力側および出力側にモードフィールド変換部335を備えた構成としている。これにより、MMFA334の両端において光学的損失が発生することを回避することができる。モードフィールド変換部335は、典型的には、コア拡散(Thermally−diffused Expanded Core:TEC)ファイバなどのテーパー型ファイバである。これに限らず、レンズ光学系によりモードフィールド変換部335を構成することも可能である。
次に、本実施形態の空間光受信装置300が備える信号選択部(セレクタ)341の動作について説明する。
空間光受信装置300において、受信したレーザ光s301によってマルチモード媒体321の伝搬モードの一部が励振されるが、必ずしも全ての伝搬モードに信号光が励振されるとは限らない。それに対して、MMFA334は信号光が励振されなかった伝搬モードに対しても自然放出光(ASE)を出力する。このとき、信号光が励振されず自然放出光(ASE)だけを含む受信信号s334、または自然放出光(ASE)が重畳されたことによりS/N比が劣化した受信信号s334が、信号処理部(DSP)342に入力するのを遮断する構成とする。これにより、信号処理部(DSP)342に入力する復調信号s343の総S/N比を良好に保つことが可能となる。
ここで、本実施形態による空間光受信装置300が備える信号選択部(セレクタ)341は、m本の受信信号s334のうちS/N比が十分に大きい信号だけを選択して信号処理部(DSP)342に供給するように動作する。これにより、信号処理部(DSP)342に入力されるノイズ成分を低減することができ、信号処理部(DSP)342に入力される復調信号s343の総S/N比を改善することができる。
上述したように、本実施形態による空間光受信装置300は、マルチモード媒体321、マルチモード・光ファイバアンプ(MMFA)334、および信号選択部(セレクタ)341を備えた構成としている。このような構成としたことにより、安定な受信と高感度な受信の両立を図ることができる。
次に、本実施形態による空間光受信装置300が備えるマルチモード・光ファイバアンプ(MMFA)334の動作について説明する。
図4A、4B、および4Cは、マルチモード・光ファイバアンプ(MMFA)の動作を説明するための図であって、各モードの信号スペクトルを模式的に示した図である。各図中の横軸は概念的なモードであり、左側が低次モード、右側が高次モードである。各図中の縦軸は信号強度であり、各棒線が励起された伝搬モードの信号強度を示している。
図4Aは、非常に多数の伝搬モードを有するマルチモード・光ファイバアンプ(MMFA)の出力のモードスペクトル図である。受信したレーザ光のパワーが多数のモードに分散し、斜線部で示した自然放出光(ASE)が重畳された状態を示している。この場合には、良好なS/N比は得られない。
図4Bは、伝搬モードをm個に制限した本実施形態で用いるマルチモード・光ファイバアンプ(MMFA)334の入力信号のモード分布を模式的に示した図である。モード2の光強度が最も強く、次に比較的高次のモードkが強く励起されていることがわかる。一方、モード4は光強度が弱く、最高次のモードmは非常に弱い励起であることを示している。
図4Cは、本実施形態で用いたマルチモード・光ファイバアンプ(MMFA)334の出力信号のモード分布を模式的に示す図である。同図中、斜め右下がりの破線は各モードに対するマルチモード・光ファイバアンプ(MMFA)334の利得分布を、斜線部は自然放出光(ASE)の強度を示している。同図に示すように、このMMFA334は高次モードの利得が低くなる特性を有している。
図4Cから、入力時の光強度が弱いモード4とモードmにおいては、信号が雑音に完全に埋もれていることがわかる。このようなS/N比が劣化したモードの信号が信号処理部(DSP)342に入力すると、合成される出力信号s344のS/N比の劣化をもたらすことになる。また、利得が小さい領域のモードkは、出力信号s344の生成には適さないレベルにまでS/N比が劣化していることがわかる。
このような場合において、出力信号s344のS/N比の劣化を回避するためには、十分良好なS/N比を有するモード1、モード2、およびモード3の信号だけを選択し、S/N比が劣化したモード4からモードk、およびモードmにいたる信号を遮断する必要がある。
このとき、本実施形態による空間光受信装置300が備える信号選択部(セレクタ)341は、十分良好なS/N比を有するモードの信号だけを選択して信号処理部(DSP)342に入力するように動作する。これにより、空間光受信装置300の高感度化を図ることができる。
次に、本実施形態による効果について説明する。
図5に、空間光受信装置の4種類の構成と各特性を示す。同図の1行目に、レーザ光をシングルモードファイバ(SMF)に直接結合する構成とした基準構成を示す。2行目と3行目に、特許文献1に記載された関連する空間光受信装置の構成を示す。2行目はバンドルファイバを用いた構成であり、3行目は単芯のMMFをテーパー状にSMFに変換する構成である。4行目に本実施形態による空間光受信装置300の構成を示す。なお同図中、「FA」はファイバアンプ(Fiber Amplifier)を、「FMF」は少数のモードを伝搬するフューモードファイバ(Few−Mode Fiber)をそれぞれ示す。また、「FM−EDFA」はエルビウム(Er)を添加したフューモード光ファイバを利用する光ファイバアンプ(Few−Mode Erbium Doped optical Fiber Amplifier)をそれぞれ示す。
各空間光受信装置の性能評価は、受信できる信号量の総和と光アンプによって重畳されるノイズの総量からS/N比を概算し、得られた値を概念的な受信情報量として行った。ここでは、図5の1行目に示した基準構成を基準として比較評価した。
信号量(S)は、レーザ光が照射されるファイバコアの面積と、SMFへの変換効率から算出した。ここで、信号量(S)は集光されたビームスポットが照射されるファイバ端面のコア面積に比例することとし、コア面積はSMFを1とした。具体的には例えば、コア径が10マイクロメートル(μm)のSMFに対して25倍のコア面積を持つコア径が50μmであるMMFは、ランダムに移動するビームスポットに対して25倍のレーザ光を結合することが可能であるとした。なお、バンドルファイバのコア面積率は10%と仮定している。
レーザ光をSMFへ変換する効率は、3行目の構成で用いるテーパー型ファイバによる場合、10%とした。それに対して4行目に記載した本実施形態による空間光受信装置300におけるモード分離によってSMFへ変換する構成では、原理的に無損失でSMFに変換可能であるとしている。また、その他の各光部品による過剰損失は無視できるものとした。
光アンプの利得は、全ての構成に対して等しいものと仮定している。また、光アンプが放出するASEは、1モード当たり同じ強度であるとした。本実施形態による空間光受信装置300(同図4行目)が備えるマルチモード・光ファイバアンプ(MMFA)334が伝搬可能なモード数は15モードとした。
空間光受信装置の性能評価の尺度とした受信情報量は、上述した設定から求めた信号量の総和と雑音の総和の比である。異なるモードの雑音は無相関であるので、雑音の総量は二乗和の平方根、すなわちRMS(Root Mean Square)加算により算出した。
上述した仮定のもとに算出した各空間光受信装置の受信可能な情報量を図5の右欄に示す。基準構成(1行目)に対して、特許文献1に記載された構成(3行目)では2.5倍の情報量であるのに対して、本実施形態の構成(4行目)では6.5倍の情報量の受信が可能であることがわかる。
これより、本実施形態の空間光受信装置300によれば、特許文献1に記載された空間光受信装置と比べて、同じ強度のフェードに対して2.6倍(=6.5/2.5)の安定性が得られることがわかる。
〔第4の実施形態〕
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。図6に、本発明の第4の実施形態に係る空間光受信装置400の構成を示す。
本実施形態による空間光受信装置400は、第3の実施形態による空間光受信装置300の構成に加えて、適応光学制御手段としての適応光学システム(AO)413をさらに備えた構成とした。適応光学システム(AO)413は、マルチモード光励起手段としてのマルチモード媒体421の前段に位置し、レーザ光s401の波面を適応的に制御する。
そして、制御部450(制御手段)が、適応光学システム(AO)413、光アンプとしてのマルチモード・光ファイバアンプ(MMFA)434、および信号選択手段としての信号選択部(セレクタ)441の少なくとも一を制御する構成とした。このとき制御部450は、適応光学システム(AO)413、光受信器433、および信号処理部(DSP)442の少なくとも一から取得した信号情報に基づいて上述の制御を行うこととした。
ここで、マルチモード・光ファイバアンプ(MMFA)434は、利得のモード分布を制御する制御信号を入力する制御信号端子を備えた構成とすることができる。また、適応光学システム(AO)413は、波面状態を設定する制御信号を入力する制御信号端子を備えた構成とすることができる。
他の構成は第3の実施形態による空間光受信装置300と同様であるから、それらの詳細な説明は省略する。
適応光学システム(AO)413は、典型的には、デフォーマブルミラー(Deformable Mirror:DM)または空間変調器(Spatial Light Modulator:SLM)、シャックハルトマン型光検出器(Shack Hartmann Detector:SHD)、および波面補償制御部などから構成される。適応光学システム(AO)413は、大気伝搬で乱されたレーザビームの波面を補正し、理想的には、マルチモード媒体421の入射面に照射されるレーザ光のビームスポットが点像になるように動作する。なお、適応光学システム(AO)413は、ビーム制御手段423の機能を備えた構成とすることもできる。
制御部450は、電子回路またはプログラムで動作するコンピュータから構成され、空間光受信装置400を構成する複数の機能ブロックの制御を行う。
次に、制御部450の動作について、さらに詳細に説明する。
制御部450は適応光学システム(AO)413に、例えば波面制御の目標とする波面状態を設定することができる。具体的には例えば、マルチモード媒体421で励起される伝搬モードが低次モード側になるように波面状態を設定することができる。また、信号のS/N比の劣化を回避するために、励起モード数が最小となる波面状態になるように適応光学システム(AO)413を動作させることも可能である。
このとき、制御部450は光受信器433から得られる単一モード信号s432の強度をそれぞれモニタすることによって、マルチモード媒体421における伝搬モードの励起状態を検出することができる。また、信号処理部(DSP)442における信号処理過程で得られる信号の品質情報を参照して制御することも可能である。
このように、制御部450が適応光学システム(AO)413を制御することによって、マルチモード媒体421で励起される伝搬モードを削減し、光信号のS/N比の劣化を回避することが可能である。これにより、空間光受信装置400の高感度化を図ることができる。
また、制御部450はマルチモード・光ファイバアンプ(MMFA)434の利得のモード分布を制御することもできる。具体的には例えば、マルチモード・光ファイバアンプ(MMFA)434の低次側と高次側のモードの利得の比率を制御することにより、不要なモードへの自然放出光(ASE)出力を抑制することができる。これにより、光信号のS/N比の劣化を回避するようにマルチモード・光ファイバアンプ(MMFA)434を動作させることが可能である。このとき、制御部450は信号処理部(DSP)442の信号処理過程で得られる信号の品質情報を参照して制御することができる。
これに限らず、制御部450は適応光学システム(AO)413を構成するシャックハルトマン型光検出器(SHD)によってモニタした波面情報から、マルチモードファイバ(MMF)422を伝搬する信号光のモードを推定することができる。そして制御部450は、ここで推定した伝搬モードに基づいて、マルチモード・光ファイバアンプ(MMFA)434の利得のモード分布をフィードフォワード制御することも可能である。これにより、マルチモード・光ファイバアンプ(MMFA)434で増幅された光信号のS/N比の劣化を回避することが可能となる。その結果、空間光受信装置400の高感度化を図ることができる。
さらに制御部450は、例えば十分良好なS/N比の受信信号s434だけを選択するように信号選択部(セレクタ)441を制御することも可能である。具体的には例えば、まず、光受信器433が単一モード信号s432の強度をモニタする。そして、制御部450はそのモニタ情報に基づいて、受信信号s434から十分良好なS/N比を有する受信信号だけを選択し復調信号s443として出力するように、信号選択部(セレクタ)441を制御することも可能である。
これに限らず、制御部450は適応光学システム(AO)413を構成するシャックハルトマン型光検出器(SHD)によってモニタした波面情報から、マルチモードファイバ(MMF)422を伝搬する信号光のモードを推定することができる。そして制御部450は、ここで推定した伝搬モードに基づいて、信号選択部(セレクタ)441の選択状態を制御することも可能である。
さらに、制御部450は記憶手段を備えた構成とすることができる。この記憶手段を用いて、シャックハルトマン型光検出器(SHD)によってモニタした波面情報と、マルチモード媒体421で励起される伝搬モードとの関係を学習することにより、マルチモード媒体421において励起されるモードを推定することが可能となる。
このように、制御部450が、推定した励起モードに基づいて信号選択部(セレクタ)441をフィードフォワード制御することによって、S/N比が良好な復調信号s443を高速に選択することが可能となる。これにより、空間光受信装置400の高感度化を図ることができる。
次に、モード毎の信号品質をモニタする構成の一例を詳細に説明する。
図7に示すように、本実施形態による空間光受信装置400は、受信信号選択手段としての受信信号選択部(第2セレクタ)445と、受信信号モニタ手段としての受信信号モニタ部446をさらに備えた構成とすることができる。
受信信号選択部(第2セレクタ)445は、複数の受信信号s434から一の受信信号を選択する。すなわち、m個の光受信器433が出力する受信信号s434から任意の1つの信号を選択する。
受信信号モニタ部446は、受信信号選択部(第2セレクタ)445が選択した一の受信信号の信号品質をモニタした結果を信号情報として制御部450に出力する。具体的には、受信信号モニタ部446は1つの受信信号をモニタし、その信号強度と雑音強度を弁別して算出したS/N比s447を信号情報として制御部450に出力する。制御部450は受信信号モニタ部446から取得したS/N比s447を用いて、上述した適応光学システム(AO)413、マルチモード・光ファイバアンプ(MMFA)434、および信号選択部(セレクタ)441の制御を行うことが可能である。付随的な効果として、適応光学システム(AO)413の制御信号を、シャックハルトマン型光検出器(SHD)に代わって、受信信号モニタ部446から取得したS/N比s447を用いて生成することができる。これにより、波面誤差の検出の高感度化と高速化が期待できる。
なお、受信信号選択部(第2セレクタ)445は例えば、1番目からm番目の受信信号を一定の時間間隔で順番にモニタすることにより、一の受信信号を選択することとしてもよい。
また、受信信号選択部(第2セレクタ)445、受信信号モニタ部446、および信号選択部(セレクタ)441の一部または全部を、信号処理部(DSP)442と一体として1個のLSI(Large Scale Integration)に集積化することが可能である。この場合、受信信号選択部(第2セレクタ)445は信号選択部(セレクタ)441の一部として構成することができる。また、受信信号モニタ部446は信号処理部(DSP)442が備える機能の一部を用いる構成とすることができる。
このように、制御部450は受信信号のS/N比をモニタすることによって、適応光学システム(AO)413、マルチモード・光ファイバアンプ(MMFA)434、および信号選択部(セレクタ)441の制御を行うことができる。これにより、空間光受信装置400の高感度化を図ることができる。
〔第5の実施形態〕
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。図8に、本発明の第5の実施形態に係る空間光受信装置500の構成を示す。
本実施形態による空間光受信装置500は、第4の実施形態による空間光受信装置400の構成に加えて、偏波変換手段としての偏波変換部515と偏波制御手段としての偏波制御部554をさらに備えた構成とした。ここで、複数の光受信器533の少なくとも一は、受光した光信号の偏波状態を検出することができる両偏波光受信器533Aとした。その他の構成は第4の実施形態による空間光受信装置400と同様であるから、それらの詳細な説明は省略する。
偏波変換部515は、レーザ光s501の偏波状態を任意の状態に変換する機能を有し、例えば偏波コントローラを用いて構成することができる。また、偏波変換部515は、偏波状態を設定する制御信号を入力する制御信号端子を備えた構成とすることができる。
両偏波光受信器533Aは、単一モード信号s532の偏波状態を検出することができる光受信器である。両偏波光受信器533Aは典型的には、直交する偏波のH軸とV軸を分離して受信可能なコヒーレント光受信器を用いて構成することができる。両偏波光受信器533Aは、図8に示した構成では、m個の光受信器533のうち少なくとも1個からなる。その他の光受信器533は片偏波のみを受信する構成であってもよい。
偏波制御部554は、両偏波光受信器533Aが検出した単一モード光(伝搬モード光)の偏波状態に基づいて偏波変換部515を制御する。具体的には、偏波制御部554は両偏波光受信器533Aが受信するH軸とV軸の信号強度をモニタし、そのモニタ結果に基づいて偏波変換部515を制御する。これにより、レーザ光s501の偏波をあらかじめ定められた偏波状態に維持することができる。偏波制御部554は典型的には、片偏波の光受信器533が受信するのに適した直線偏波状態となるようにレーザ光s501の偏波を制御する。
上述の構成は、片偏波のレーザ光が自由空間中を伝搬する構成とした空間光通信(FSO)システムを想定したものである。この場合、レーザ光が乱れた大気を伝搬する過程においてレーザ光の偏波が回転すると、光受信器533に入力されるレーザ光の偏波は、送信側における直線偏波ではなく楕円偏波となる。楕円偏波となった単一モード信号s532を両偏波光受信器533Aによって復調すると、受信した光のエネルギーが2つの偏波に分散する。そのため、受信信号s534の1偏波当たりのS/N比は劣化することになる。
しかし、本実施形態による空間光受信装置500は、両偏波光受信器533Aによって偏波状態をモニタし、モニタした偏波状態に基づいて偏波制御部554が偏波変換部515をフィードバック制御する構成としている。このような構成としたことにより、片偏波の光受信器533に入力する光信号(単一モード信号s532)の偏波を直線偏波に維持することができ、受信信号s534のS/N比の劣化を抑制することができる。
このように、レーザ光s501の偏波状態をフィードバック制御することによって、受信信号s534のS/N比の劣化を抑制することができる。これにより、空間光受信装置500の高感度化を図ることができる。
ここで、全ての光信号(単一モード信号s532)を両偏波光受信器533Aによって受信する構成とすると、片偏波受信の構成に比べて光受信器533の受光素子の個数が2倍となる。さらに、信号処理部(DSP)542に入力される復調信号s543も2倍になる。そのため、信号処理部(DSP)542の回路規模が増大し、空間光受信装置のコストが増大することになる。
しかし、本実施形態による空間光受信装置500によれば、少なくとも1個の両偏波光受信器533Aと偏波変換部515によって、レーザ光s501の偏波を直線偏波に補正することができる。このような構成としたことにより、上述のコスト増大要因の発生を回避することができるので、空間光受信装置500のコストを削減することができる。
以上、上述した実施形態を模範的な例として本発明を説明した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態には限定されない。即ち、本発明は、本発明のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。
この出願は、2014年12月1日に出願された日本出願特願2014−243148を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)空間伝送路を伝搬したレーザ光を集光する集光手段と、前記集光手段が集光したレーザ光を入力してマルチモード光を励起し、励起可能なマルチモード光の個数よりも小さい複数個の伝搬モード光を含むマルチモード伝搬光を出力するマルチモード光生成手段と、前記マルチモード伝搬光を前記複数の伝搬モード光ごとに分離して出力するモード分離手段、とを有する空間光受信装置。
(付記2)前記マルチモード光生成手段は、第1のモード個数のモード光を含む前記マルチモード光を励起し、前記第1のモード個数よりも小さい第2のモード個数であって複数の伝搬モード光を含む前記マルチモード伝搬光を出力するマルチモード光励起手段と、前記第2のモード個数以上の個数である第3のモード個数の導波モードを有し、前記マルチモード伝搬光を導波するマルチモード伝送媒体、を備え、前記モード分離手段が分離できるモードの個数である第4のモード個数が、前記第3のモード個数以上である付記1に記載した空間光受信装置。
(付記3)前記マルチモード光励起手段は、光路となるコア部を備えた光導波路であり、前記コア部は、前記コア部の径が入力側から出力側に向けて縮小しているテーパー構造である付記2に記載した空間光受信装置。
(付記4)前記マルチモード光生成手段は、前記マルチモード光励起手段の前段に、前記レーザ光の波面を制御するビーム制御手段を備える付記2または3に記載した空間光受信装置。
(付記5)前記マルチモード光生成手段は、前記マルチモード伝送媒体と光学的に接続する光アンプを備え、前記光アンプは、前記第3のモード個数以上であって前記第4のモード個数以下の個数である第5のモード個数の導波モードを有する付記2から4のいずれか一項に記載した空間光受信装置。
(付記6)前記複数の伝搬モード光をそれぞれ導波する複数の単一モード伝送媒体と、前記複数の単一モード伝送媒体を介して前記複数の伝搬モード光をそれぞれ受光する複数の受光手段と、前記複数の受光手段がそれぞれ出力する複数の受信信号から、前記複数の伝搬モード光に対応する複数の復調信号だけを選択する信号選択手段と、前記複数の復調信号を合成した出力信号を出力する信号処理手段、とを有する付記2から5のいずれか一項に記載した空間光受信装置。
(付記7)前記マルチモード伝送媒体が出力するモードの個数、および前記光アンプが伝搬増幅可能なモードの個数の少なくとも一方は、3個以上、かつ20個以下である 付記5に記載した空間光受信装置。
(付記8)制御手段をさらに有し、前記マルチモード光生成手段は、前記マルチモード伝送媒体と光学的に接続する光アンプと、前記マルチモード光励起手段の前段に前記レーザ光の波面を適応的に制御する適応光学制御手段、とを備え、前記制御手段は、前記適応光学制御手段、前記受光手段、および前記信号処理手段の少なくとも一から取得した信号情報に基づいて、前記適応光学制御手段、前記光アンプ、および前記信号選択手段の少なくとも一を制御する付記6に記載した空間光受信装置。
(付記9)前記複数の受信信号から一の受信信号を選択する受信信号選択手段と、
前記一の受信信号の信号品質をモニタした結果を前記信号情報として前記制御部に出力する受信信号モニタ手段、とを有する付記8に記載した空間光受信装置。
(付記10)前記マルチモード光生成手段は、前記レーザ光の偏波状態を変換する偏波変換手段を備え、前記複数の受光手段の少なくとも一は、受光した光信号の偏波状態を検出することができる両偏波光受信器であり、前記両偏波光受信器が検出した前記伝搬モード光の偏波状態に基づいて、前記偏波変換手段を制御する偏波制御手段、を有する付記6に記載した空間光受信装置。
(付記11)空間伝送路を伝搬したレーザ光を集光し、集光した前記レーザ光をマルチモード光に変換し、励起可能なマルチモード光の個数よりも小さい複数個の伝搬モード光を含むマルチモード伝搬光を生成し、前記マルチモード伝搬光を前記複数の伝搬モード光ごとに分離する空間光受信方法。
(付記12)前記光アンプは、入力側および出力側にモード形状を変換するモードフィールド変換部を備える付記5に記載した空間光受信装置。
(付記13)前記集光手段は、視野角が1ミリラジアン以下である光学系を備える付記1から12のいずれか一項に記載した空間光受信装置。
(付記14)前記マルチモード光励起手段は、光路となるコア部を備えた光導波路であり、前記コア部は、前記コア部の径が入力側から出力側に向けて縮小しているテーパー構造であり、前記ビーム制御手段は、前記レーザ光のビームスポットのサイズを、前記マルチモード光励起手段の入力側の前記コア部の径と略同一の大きさに変換する付記4に記載した空間光受信装置。
(付記15)前記光アンプは、前記光アンプの利得のモード分布を制御する制御信号を入力する制御信号端子を備える付記5に記載した空間光受信装置。
(付記16)前記マルチモード光生成手段は、前記レーザ光の波面を適応的に制御する適応光学制御手段を備え、前記適応光学制御手段は、波面状態を設定する制御信号を入力する制御信号端子を備える付記1から5のいずれか一項に記載した空間光受信装置。
(付記17)前記マルチモード光生成手段は、前記レーザ光の偏波状態を変換する偏波変換手段を備え、前記偏波変換手段は、偏波状態を設定する制御信号を入力する制御信号端子を備える付記1から5のいずれか一項に記載した空間光受信装置。
100、200、300 空間光受信装置
110 集光手段
120 マルチモード光生成手段
130 モード分離手段
210、310、410、510 集光部
221、321、421、521 マルチモード媒体
222、322、422、522 マルチモードファイバ(MMF)
223、323、423、523 ビーム制御手段
231、331、431、531 モード分離部
232、332、432、532 単一モード伝送媒体
233、333、433、533 光受信器
241、341、441、541 信号選択部(セレクタ)
242、342、442、542 信号処理部(DSP)
334、434、534 マルチモード・光ファイバアンプ(MMFA)
335 モードフィールド変換部
413 適応光学システム(AO)
445 受信信号選択部(第2セレクタ)
446 受信信号モニタ部
450 制御部
515 偏波変換部
554 偏波制御部
533A 両偏波光受信器

Claims (8)

  1. 空間伝送路を伝搬したレーザ光を集光する集光手段と、
    前記集光手段が集光したレーザ光を入力してマルチモード光を励起し、励起可能なマルチモード光の個数よりも小さい複数個の伝搬モード光を含むマルチモード伝搬光を出力するマルチモード光生成手段と、
    前記マルチモード伝搬光を前記複数の伝搬モード光ごとに分離して出力するモード分離手段、とを有し、
    前記マルチモード光生成手段は、
    光路となるコア部を備えた光導波路であり、前記コア部は、前記コア部の径が入力側から出力側に向けて縮小しているテーパー構造であるマルチモード光励起手段と、
    前記マルチモード伝搬光を導波するマルチモード伝送媒体、を備える
    空間光受信装置。
  2. 請求項1に記載した空間光受信装置において、
    前記マルチモード光励起手段は、第1のモード個数のモード光を含む前記マルチモード光を励起し、前記第1のモード個数よりも小さい第2のモード個数であって複数の伝搬モード光を含む前記マルチモード伝搬光を出力
    前記マルチモード伝送媒体は、前記第2のモード個数以上の個数である第3のモード個数の導波モードを有し、
    記モード分離手段が分離できるモードの個数である第4のモード個数が、前記第3のモード個数以上である
    空間光受信装置。
  3. 請求項2に記載した空間光受信装置において、
    前記マルチモード光生成手段は、前記マルチモード光励起手段の前段に、前記レーザ光の波面を制御するビーム制御手段を備える
    空間光受信装置。
  4. 請求項2または3に記載した空間光受信装置において、
    前記マルチモード光生成手段は、前記マルチモード伝送媒体と光学的に接続する光アンプを備え、
    前記光アンプは、前記第3のモード個数以上であって前記第4のモード個数以下の個数である第5のモード個数の導波モードを有する
    空間光受信装置。
  5. 請求項2からのいずれか一項に記載した空間光受信装置において、
    前記複数の伝搬モード光をそれぞれ導波する複数の単一モード伝送媒体と、
    前記複数の単一モード伝送媒体を介して前記複数の伝搬モード光をそれぞれ受光する複数の受光手段と、
    前記複数の受光手段がそれぞれ出力する複数の受信信号から、前記複数の伝搬モード光に対応する複数の復調信号だけを選択する信号選択手段と、
    前記複数の復調信号を合成した出力信号を出力する信号処理手段、とを有する
    空間光受信装置。
  6. 請求項に記載した空間光受信装置において、
    前記マルチモード伝送媒体が出力するモードの個数、および前記光アンプが伝搬増幅可能なモードの個数の少なくとも一方は、3個以上、かつ20個以下である
    空間光受信装置。
  7. 請求項に記載した空間光受信装置において、
    制御手段をさらに有し、
    前記マルチモード光生成手段は、前記マルチモード伝送媒体と光学的に接続する光アンプと、前記マルチモード光励起手段の前段に前記レーザ光の波面を適応的に制御する適応光学制御手段、とを備え、
    前記制御手段は、前記適応光学制御手段、前記受光手段、および前記信号処理手段の少なくとも一から取得した信号情報に基づいて、前記適応光学制御手段、前記光アンプ、および前記信号選択手段の少なくとも一を制御する
    空間光受信装置。
  8. 請求項に記載した空間光受信装置において、
    前記複数の受信信号から一の受信信号を選択する受信信号選択手段と、
    前記一の受信信号の信号品質をモニタした結果を前記信号情報として前記制御部に出力する受信信号モニタ手段、とを有する
    空間光受信装置。
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