JPWO2016043337A1 - 微生物培養容器とその使用方法 - Google Patents

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Abstract

微生物を培養する第1容器と、前記第1容器を密閉する機構を有する第2容器と、を含み、前記第1容器と前記第2容器とは、前記第1容器を前記第2容器に固定保持する第1保持機構を有する微生物培養容器を用いる。また、前記第1保持機構は、第1凸部と開口部との組み合わせであり、それぞれが、前記第1容器と前記第2容器とに分かれて配置された上記微生物培養容器を用いる。

Description

本発明は、微生物培養容器とその使用方法に関する。
従来、食品工場や各種工場、施設での水質検査において、微生物のチェックをするため、特許文献1に記載の微生物培養容器があった。この微生物培養容器では、検査液体を積層されたテープの内部の微生物培養材料に塗布しカバーテープで覆うものであった。数日後、微生物が培養されたことが、テープ上から検出できる。
特表2011―502546号公報
しかし、従来の微生物培養容器は、密閉性、保管性に欠けていた。この発明では、微生物培養容器として、密閉性、保管性を有する微生物培養容器の実現を課題とする。
上記問題を解決するために、微生物を培養する第1容器と、第1容器を密閉する機構を有する第2容器と、を含み、第2容器は、第1容器を固定保持する第1保持機構を有する微生物培養容器を用いる。
本願発明では、微生物を培養する第1容器を、第2容器の凸凹を利用し、密閉保持するので、密閉性を有する微生物培養容器となる。また、この凸凹を利用して、複数の微生物培養容器を重ねることができ、保管が便利である。
図1Aは、実施の形態1の第1容器が開いた状態の平面図である。 図1Bは、実施の形態1の第2容器の平面図である。 図1Cは、実施の形態1の第2容器の断面図である。 図1Dは、実施の形態1の第1容器を第2容器にセットする時の平面図である。 図2Aは、実施の形態1の微生物培養容器の断面図である。 図2Bは、実施の形態1の微生物培養容器の平面図である。 図2Cは、実施の形態1の微生物培養容器の断面図である。 図2Dは、実施の形態1の微生物培養容器の背面図である。 図3は、実施の形態2の第2容器の平面図である。 図4は、実施の形態3の微生物培養容器を重ねた状態図である。
(実施の形態1)
図1A〜図2Dを用いて、実施の形態1の微生物培養容器100を説明する。微生物培養容器100は、第2容器101と第1容器110とを含む。
図1Aは、第2容器101が開いた状態の平面図である。図1Bは、第1容器110の平面図である。図1Cは、第1容器110の断面図である。図1Dは、第2容器101を開けて、第1容器110を第2容器101にセットした状態の平面図である。
図2Aは、微生物培養容器100の長手方向の側面図である。図2Bは、微生物培養容器100の平面図である。図2Cは、微生物培養容器100の短手方向の側面図である。図2Dは、微生物培養容器100の裏面図である。
なお、図2A〜図2Dでは、第2容器101内に第1容器110をセットした状態である。
第2容器101の内部に、第1容器110を入れた微生物培養容器100の状態で、保管、細胞培養がされる。
<第2容器101>
第2容器101は、図1Aに示すように、下第2容器101aと上第2容器101bとからなる。
<下第2容器101a>
下第2容器101aは、第2凸部107と、第1凸部102と、第1容器保持部下106aと、第4凸部111と、を含む。
第2凸部107は、下第2容器101aの外周全体に位置する。第2凸部107は、上第2容器101bの第2凹部108と組み合わされ、微生物培養容器100(図2)内部を密閉する。
第1凸部102は、この場合、円柱状である。第1凸部102に、第1容器110の開口部113(図1B)がはめ込まれる。第1凸部102は、第1容器110を支える。第1凸部102は、柱でなくともよい。第1凸部102に開口部113がはめ込まれればよい。第1凸部102は、第1容器110を保持できればよい。
第1容器保持部下106aは、下第2容器101aの中央部の凹部になったところである。
第1容器保持部下106aは、第1容器保持部上106bとの間で、空間を形成し、その中に第1容器110を保持する(第3保持機構)。第1容器保持部下106aは、第1容器100より一回り大きく(少し大きめ)、第1容器110を含み、その位置を規制する。
第1容器保持部下106aは、第1凸部102を含む。第1容器保持部下106aの周辺は、第1容器110より大きくなっている。第1容器保持部下106aへ第1容器110を入れ込みやすく、取り出しやすい。
第1容器110の上面の第3凹部112(図1B)は、その空間に非接触で保持される。
第4凸部111(図1A)は、第1容器保持部下106aの周辺端部、4コーナーに位置する突起である。第1容器保持部下106aに保持される第1容器110の位置を規制する。
また、第4凸部111は、第2容器101が閉じられた時、第1容器保持部上106bの第3凸部109を受ける。結果、第1容器保持部下106aと第1容器保持部上106bとの空間を確保できる。
<上第2容器101b>
上第2容器101bは、第2凹部108と、第1容器保持部上106bと、第3凸部109を含む。
第2凹部108は、上第2容器101bの外周全体に位置する。下第2容器101aの第2凸部107と組み合わされ、微生物培養容器100(図2)内部(第1容器110を保持する領域)を密閉する。
第2凹部108を下第2容器101aに設け、第2凸部107を上第2容器101bに設けるというように、逆に設けられていれてもよい。これら2つを組み合わせて、微生物培養容器100内を密閉できればよい。
第1容器保持部上106bは、上第2容器101bの中央部に位置する凹部である。第1容器保持部上106bは、第1容器保持部下106aとの間で、第1容器110を保持する。第1容器保持部上106bは、第1容器110の第3凹部112より一回り大きく、第1容器110の平面部115の周囲を押さえる。
第3凸部109は、第2凹部108の内周にある凸部である。第3凸部109は、第4凸部111との間で、第1容器110の平面部115(図3、図1B)を挟み支える(第2保持機構)。
なお、下第2容器101aと上第2容器101bとは、ヒンジ部103で連結されている。このヒンジ部103で折り曲げされ、第2容器101が開閉される。
なお、ヒンジ部103でなく、下第2容器101aと上第2容器101bとが別部材でもよい。
<第1容器110>
第1容器110(図1B、図1C)は、透明な樹脂材料からなる。微生物が培養され、その微生物量をカウントするためである。また、材質は、たとえば、ポリプロピレンからなる。そのまま、廃棄できる。
第1容器110は、開口部113と、第3凹部112と、平面部115とを有する。
平面部115は、外周に位置する平面状のものあり、第3凹部112と開口部113を平面内に有する。この平面部115の外形は、第2容器101の第1容器保持部下106aより小さく、第2容器101の第1容器保持部上106bより大きい。
また、平面部115は、その上面の一部を、第2容器101の第3凸部109で押えられる。
その結果、第1容器110は、その空間内に保持される。
開口部113は、第2容器101の第1凸部102に挿入される部分である。この挿入により、その位置が固定される(第1保持機構)。なお、開口部113は、開口である必要はなく、第1凸部102に合う凹部でもよい。また、第1凸部102と、凹部または開口とは逆になっていてもよい。これらの組み合わせにより、第1容器110の位置が第2容器101内で固定されればよい。これらの組み合わせにおいて、それぞれの形状も、両者がはめ込み、はめ込まれる形状ならよい。
なお、開口部113と第1凸部102との嵌め合いは、少し遊びがあった方が好ましい。無理にはめ込むと、第1容器110が変形する。また、第1容器110が、第1容器保持部下106aに挿入できなくなる。第1容器110と第1容器保持部下106aとの間も嵌め合いであり、遊びがあるのが好ましい。
第3凹部112は、微生物を培養する材料(微生物培養材料)がセットされる部分である。微生物の種類で材料が変わる。栄養成分や、微生物を検知しやすいように、各種色材や、材料を固定保持する材料を含めることもできる。栄養成分や色材は、(検出すべき)培養される微生物に応じて選択される。
<材質>
第1容器110も第2容器101も同様透明のポリプロピレンからなる。微生物培養容器100のまま廃棄ができる。微生物培養材料として、シート状のものを第3凹部112にセットしてもよい。たとえば、3Mのペトリフィルム(商標)を用いてもよい。
<組み立て>
図1Dに示すように、第1容器110は、第2容器101にセットされる。図1Dは、図1Aの第2容器101に図1Bの第1容器110を組み込んだ状態である。開口部113と第1凸部102が組み合わされ、第1容器保持部下106aに第1容器110が組み込まれている。この状態後、ヒンジ部103を利用して上第2容器101bを下第2容器101aと組み合わされ、第1容器110が第2容器101へ密閉保持される。
<効果>
第2凹部108と第2凸部107とで、微生物培養容器100内部を密閉する。内部の微生物が外部へ出ない。かつ、外部からの影響が内部の微生物培養に影響を与えない。
上記、第1、2,3保持機構により、第2容器101内で第1容器110は、全体的にしっかり、無理なく保持される。さらに、第1容器110の第3凹部112は非接触で保持される。
なお、第2容器101は、透明材料であり、微生物培養容器100の内部にセットされる第1容器110を観察できる。たとえば、ポリプロピレンからなる。
結果、微生物培養の機能が安定して達成できる。
<使用方法>
(1) 準備工程
微生物培養容器100内の第1容器110の第3凹部112に、微生物培養材料をセットする。微生物培養材料はペースト、溶液状である。予めセットしておき、第1容器110を第2容器101の内部にセットした状態(微生物培養容器100)で保管しておくとよい。必要なときに、以下の(2)の工程からはじめることができる。
(2)検査すべき液採取工程
微生物培養容器100から、第1容器110を取り出す。検査すべき液体へ、第1容器110を浸す。または、第1容器110の第3凹部112に検査すべき液体を塗布する。または、開口部113を手に持って、液体へ浸ける。液体が手に触れず、衛生的によい。手を洗う必要がない。
(3) 保持工程
第1容器110を第2容器101内部へセットする。上第2容器101bと下第2容器101a間に第1容器110を挟む。第2容器101の第2凸部107と第2凹部108とで密閉する。第2容器101の第3凸部109と第1容器保持部下106aとで、第1容器110を保持する。微生物培養容器100を保管する。立てて保管しても、複数、重ねて保管してもよい。
(4)評価工程
一定時間後(通常1日から数日後)、微生物培養容器100を観察する。微生物が培養されると色が変わる。点として観察できる。点の数を数えることで微生物量を評価する。なお、第2容器101は透明であり、外部から内部の第1容器110を観察できる。評価後は、そのまま廃棄できる。
(実施の形態2)
図3に実施の形態2の第1容器110の平面図を示す。実施の形態1との相違点は、第3凹部112に仕切り116があることである。仕切り116は、突起であり、第3凹部112を分割し、複数のセル117に分ける。仕切り116の高さは、第3凹部112の深さ内であり、第1容器110の上面(平面部115の面)から飛び出ない。セル117の保持物を他のものと接触させないためである。
<使用方法>
すべてのセル117に同一の微生物培養材料を入れる場合、セル117ごとに培養された微生物をカウントできる。複数のセル117に分けているのでカウントしやすい。
セル117ごとに、異なる微生物培養材料を入れる場合、培養された微生物の種類を特定できる。一度に、複数種類の微生物を観察できる。たとえば、大腸菌、ブドウ菌、カビ酵母などである。微生物培養容器100のセル117上方に、各対象微生物名称を記載しておくと、培養された微生物を判別しやすい。
(実施の形態3)
図4は、微生物培養容器100の保管の例である。微生物培養容器100は、図2Aに示したものである。この複数の微生物培養容器100は重ねることができる。上にある微生物培養容器100の第2凸部107と、下にある微生物培養容器100の第2凹部108とが組み合う。第2凸部107と第2凹部108とは、微生物培養容器100の外周全体にあるので、安定して積層される。材質が樹脂系であれば、微生物培養容器100同士の柔軟性、密着性があるので、多くの容器を積層できる。
微生物培養容器100を上記のように積層方法は、省スペースな積層方法である。特に毎日検査し、過去のサンプルを保管する場合には、この積層方法は有効である。なお、微生物培養容器100の側面に日付、メモなどを記入できる部分を設けると、積層状態で各微生物培養容器100を判別でき、微生物培養容器100を保管管理しやすい。
(なお書き)
上記の実施の形態1から3は、組み合わせることができる。
第3凸部109と第4凸部111とは、下第2容器101aと上第2容器10bとのどちらかに、わかれて位置すればよい。
第2凸部107と第2凹部108とは、下第2容器101aと上第2容器10bとのどちらかに、わかれて位置すればよい。
第1容器保持部下106aと第1容器保持部上106bとは、下第2容器101aと上第2容器10bとのどちらかに、にわかれて位置すればよい。
第1凸部102と開口部113とは、第2容器101と第1容器110とのどちらかに分かれて位置すればよい。
微生物培養容器として、色々な分野で使用できる。実験、研究開発用、家庭にも使用できる。各種工場の微生物検査に利用できる。
16 保持部
17,18 開口
100 微生物培養容器
101 第2容器
101a 上第2容器
101b 下第2容器
102 第1凸部
103 ヒンジ部
106a 第1容器保持部下
106b 第1容器保持部上
107 第2凸部
108 第2凹部
109 第3凸部
110 第1容器
111 第4凸部
112 第3凹部
113 開口部
115 平面部
116 仕切り
117 セル

Claims (9)

  1. 微生物を培養する第1容器と、
    前記第1容器を密閉する機構を有する第2容器と、を含み、
    前記第1容器と前記第2容器とは、前記第1容器を前記第2容器に固定保持する第1保持機構を有する微生物培養容器。
  2. 前記第1保持機構は、第1凸部と開口部との組み合わせであり、それぞれが、前記第1容器と前記第2容器とに分かれて配置された請求項1記載の微生物培養容器。
  3. 前記密閉する機構は、第2凸部と第2凹部との組み合わせであり、
    前記第2容器が上第2容器と下第2容器とからなり、
    前記上第2容器と前記下第2容器とに、前記第2凸部と前記第2凹部とが分かれて、それらの外周に、配置されている請求項1または2記載の微生物培養容器。
  4. 前記第2容器の上第2容器と下第2容器とは連結され、折りたたみ型である請求項3記載の微生物培養容器。
  5. 前記下第2容器の前記密閉する機構の内側に、前記第1容器の外形より一回り大きく、位置規制する凹状であり、前記第1容器を保持する第3保持機構としての下第1容器保持部がある請求項1から4のいずれか1項に記載の微生物培養容器。
  6. 前記上第2容器の前記密閉する機構の内側に、
    前記上第2容器と前記下第2容器とに、第3凸部と第4凸部とが分かれてあり、
    前記第4凸部と前記第3凸部とで、前記第1容器を挟み固定する第2保持機構を有する請求項3から5のいずれか1項に記載の微生物培養容器。
  7. 前記第1容器は、微生物を培養する第3凹部と、前記開口部または前記第1凸部と、を平面部内に有し、
    前記平面部の上面を前記第3凸部で、
    前記第1容器の下面を前記下第1容器保持部で保持する請求項6記載の微生物培養容器。
  8. 前記上第2容器には、前記密閉する機構の内側に凹状の前記第1容器を収納する上第1容器保持部があり、
    前記上第1容器保持部は、前記第3凹部より大きく、前記下第1容器保持部より小さく、
    前記第3凹部の上面が非接触状態で、前記第1容器が前記第2容器に保持される請求項1〜7のいずれか1項に記載の微生物培養容器。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の複数の微生物培養容器で、
    前記一方の微生物培養用容器の前記密閉する機構の第2凸部または第2凹部と、
    前記他方の微生物培養用容器の前記密閉する機構の第2凸部または第2凹部と、
    を重ねて、運搬、保管、販売の少なくとも1つを行う微生物培養容器の使用方法。
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