JPWO2016035134A1 - 嚥下用容器、嚥下用容器セット、嚥下用容器セットの製造方法、および嚥下用容器セットの製造装置 - Google Patents
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Abstract
嚥下用容器(11)は、嚥下補助物質(10)を封入する封入部(1)と、封入部(1)と隣り合って配置され、かつ、封入部(1)から流出した嚥下補助物質を通すための流動部(2)と、封入部(1)と流動部(2)との境界において、封入部(1)が外部からの圧力を受けたときにシールが破壊されるシール部(3)とを備える。流動部(2)は、嚥下補助物質の流出経路における幅がシール部(3)よりも狭くなっている裁断部(2A)を有している。
Description
本発明は、嚥下用容器、嚥下用容器セット、嚥下用容器セットの製造方法、および嚥下用容器セットの製造装置に関し、特に嚥下補助物質が封入されている嚥下用容器、嚥下用容器セット、嚥下用容器セットの製造方法、および嚥下用容器セットの製造装置に関する。
飲み込む力が弱い高齢者などの嚥下困難者は、食べ物を口に入れて噛み、飲み込み、食道から胃に送るまでの一連の過程をスムーズに行うことが困難であり、誤嚥しやすい。そのため、嚥下困難者が誤嚥をすることなく栄養補給や薬剤の摂取を容易に行うことができるように、嚥下困難者にも嚥下しやすいゼリー状に食材などを加工したもの(嚥下補助物質)が市販されている。一般に、このような嚥下補助物質はスティック状に製造されており、それを嚥下困難者が食する際に、嚥下しやすい大きさに切断するなどして利用されている。
ゼリーが所定の大きさに裁断されたものは、通常は口腔内でゼリーが散らばってしまい、嚥下困難者には不適である。しかし、所定の凝集力を持ちかつ大きさが2mm以上3mm以下程度に裁断されたゼリーは、口腔内でゼリーが散らばり難く、かつ唾液と混じり合い易い。そのため、嚥下困難者にとっても嚥下しやすい食塊とすることができる。
国際公開2010/058456号(特許文献1)には、食用ゲル化物を適当な大きさの粒状にして押し出すための充填容器体が記載されている。
しかしながら、従来の充填容器体では、嚥下補助物質を取り出す際に、嚥下困難者にも嚥下しやすい程度に十分に細かく裁断することが困難な場合があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものである。本発明の主たる目的は、嚥下補助物質を嚥下困難者にも嚥下しやすい状態として取り出すことができる嚥下用容器、嚥下用容器セット、嚥下用容器セットの製造方法、および嚥下用容器セットの製造装置を提供することにある。
本発明に係る嚥下用容器は、嚥下補助物質を封入する封入部と、封入部と隣り合って配置され、かつ、封入部から流出した嚥下補助物質を通すための流動部と、封入部と流動部との境界において、封入部が外部からの圧力を受けたときにシールが破壊されるシール部とを備える。流動部は、嚥下補助物質の流出経路における幅がシール部よりも狭くなっている裁断部を有している。
ここで、嚥下補助物質の流出経路における幅とは、封入部と流動部とが連なる方向に対して交差する方向における流出経路の幅をいう。
本発明に係る嚥下用容器によれば、封入部に封入されている嚥下補助物質は、封入部が外部から押圧されてシール部のシール強度を超える力を受けると、シール部に対しシール強度を超える力を印加してシール部を破壊し、流動部の裁断部に勢いよく押し出される。そのため、本発明に係る嚥下用容器から取り出された嚥下補助物質は、裁断部を通過する際に効果的に裁断され、十分に細かく裁断されることができる。つまり、上記嚥下用容器によれば、嚥下補助物質を嚥下困難者にも嚥下しやすい状態として取り出すことができる。
上記嚥下用容器において、シール部は、封入部と流動部とが連なる方向に対して交差する方向に延びるように設けられている。裁断部の流出経路における幅がシール部側に近づくほど大きくなるような傾斜を裁断部は有している。
これにより、封入部から押し出された嚥下補助物質の少なくとも一部は、裁断部においてこのような傾斜を有している部分と順次接触することとなる。そのため、たとえば流出経路における幅が大きい、裁断部のシール部に近い部分で裁断された嚥下補助物質を、流出経路における幅が小さい裁断部のシール部に遠い部分でさらに細かく裁断することができる。その結果、嚥下補助物質を効果的に裁断して、十分に細く裁断することができる。つまり、上記嚥下用容器によれば、嚥下補助物質を嚥下困難者にも嚥下しやすい状態として取り出すことができる。
上記嚥下用容器は、封入部および流動部の双方を両側から挟み込む第1側部と第2側部とをさらに備える。第1側部と第2側部との各々は、シール部よりも高いシール強度を有している。裁断部は、第1側部および第2側部の少なくとも一方が他方に向かって突出するように形成されている凸部によって構成されている。
このようにしても、凸部とシール部が延在する方向において凸部と対向する第1側部または第2側部との間隔に相当する裁断部の流出経路の幅は、当該延在する方向における第1側部と第2側部との間隔に相当するシール部の幅よりも、当該延在する方向における凸部の長さの分だけ狭くなっている。そのため、このような嚥下用容器によれば、嚥下補助物質を嚥下困難者にも嚥下しやすい状態として取り出すことができる。また、第1側部と第2側部とを形成することにより、封入部、流動部、および裁断部を同時に形成することも可能であるため、このような嚥下用容器は容易に製造されることができる。
上記嚥下用容器において、第1側部および第2側部の少なくとも一方には切込部が形成されており、切込部は、第1側部と第2側部との間を横断する破断部を封入部に形成可能に設けられている。
このようにすれば、嚥下用容器から嚥下補助物質を取り出す方法として、封入部を押圧して流動部を通して嚥下補助物質を押し出す方法の他に、切込部から第1側部と第2側部との間を横断する破断部を封入部に形成し、破断部を通して嚥下補助物質を押し出す方法を選択することができる。後者の場合、嚥下補助物質がたとえばゼリーなどのゲル状である場合には、嚥下補助物質を封入部に封入されていた形状のまま嚥下用容器から取り出すことができる。
上記嚥下用容器において、封入部はシール部と反対側においてラウンド形状の角部を有している。
このようにすれば、たとえば上述のように切込部から第1側部と第2側部との間を横断する破断部を形成して破断部を通して嚥下補助物質を取り出す場合に、取り出された嚥下補助物質は封入部内での形状を維持しているため、ラウンド形状の角部を有している。このような嚥下補助物質は、嚥下時に口腔内や咽喉などに引っかかり難いため、嚥下困難者にも嚥下しやすい。つまり、上記嚥下用容器によれば、嚥下補助物質を嚥下困難者にも嚥下しやすい状態として、2通りの方法により取り出すことができる。
上記嚥下用容器において、嚥下補助物質はゼリーであり、造影剤を含んでいる。このようにすれば、嚥下用容器から取り出された嚥下補助物質を嚥下した後、誤嚥や残留等について嚥下造影検査(VF)を行うことができる。
上記嚥下用容器において、嚥下補助物質はゼリーであり、着色および味付けの少なくともいずれかが施されている。このようにすれば、封入部に封入された嚥下補助物質に対し、たとえば嚥下訓練や薬剤摂取など嚥下用容器の使用目的に応じて適切な着色や味付けを行うことができる。
本発明に係る嚥下用容器セットは、上記嚥下用容器を複数有し、複数の嚥下用容器が、シール部が延在する方向において互いに連結されている。このような嚥下用容器セットにおいて、個々の嚥下用容器は嚥下補助物質を嚥下困難者にも嚥下しやすい状態として取り出すことができるように設けられている。また、このような嚥下用容器セットは、封入部に封入されている嚥下補助物質の構成材料や封入量などが互いに異なる複数の嚥下用容器で構成することができる。そのため、上記嚥下用容器セットによれば、たとえば嚥下困難者の状態に応じて最適な嚥下用容器を選択することも可能である。
上記嚥下用容器セットにおいて、複数の嚥下用容器のうち互いに隣り合う一対の嚥下用容器の間にはミシン目が形成されており、複数の嚥下用容器は互いに分離可能に設けられている。このようにすれば、嚥下用容器セットにおいて使用した嚥下用容器を分離し、あるいは廃棄することができる。また、このような嚥下用容器セットによれば、たとえば第3者は嚥下用容器セットを確認することで、使用済みの嚥下用容器が廃棄されている場合にも当該嚥下用容器セットにおいて使用された嚥下用容器を容易に知ることができ、嚥下困難者の状態把握を容易に行うことができる。
上記嚥下用容器セットにおいて、複数の嚥下用容器の各々の嚥下補助物質の封入量は、複数の嚥下用容器の配置の順に従って段階的に変化している。
このような嚥下用容器セットによれば、たとえば嚥下困難者の嚥下訓練に用いられて、嚥下訓練の進行に合わせて徐々に嚥下補助物質の封入量が多い嚥下用容器を使用するなどの利用が可能である。
本発明に係る嚥下用容器セットの製造方法は、第1シート材と第2シート材とを長手方向に沿って接合するシール部を形成することにより、第1シート材および第2シート材からシール部の一方側に位置する筒状体部と、シール部の他方側に位置するシート重ね部とを形成する工程と、筒状体部およびシート重ね部に、長手方向に交差する方向に延びる第1接合部を形成する工程と、筒状体部およびシート重ね部に、第1接合部に重なり、第1接合部より幅が広く、かつシール部よりも高い接合強度を有する第2接合部を形成する工程とを備える。第2接合部を形成する工程では、シート重ね部における第2接合部の部分が筒状体部における第2接合部の部分より長手方向に突き出すように形成される。
このようにすれば、上述した嚥下用容器セットを容易に製造することができる。また、このようにして得られた嚥下用容器セットを個々の嚥下用容器に分離することで、上述した嚥下用容器を容易に製造することができる。封入部に封入される嚥下補助物質の封入量が少ない嚥下用容器を製造する場合でも、封入部の容積を十分に小さくすることで封入部に膨らみを持たせることができる。その結果、封入部はシール部の接合強度以上の力で押圧されたときにその力を嚥下補助物質を介してシール部に無駄なく伝えることができる。また、シート重ね部における第2接合部の部分が筒状体部における第2接合部の部分より長手方向に突き出すように形成されることで、上記嚥下用容器の凸部を容易に形成することができる。この結果、凸部を含む流動部を通じて嚥下補助物質を嚥下困難者にも嚥下しやすい状態として取り出すことができる嚥下用容器を製造することができる。
上記嚥下用容器セットの製造方法において、第1シート材と第2シート材とは一枚のシートとして設けられている。このようにすれば、一枚のシートを折り畳むことにより、嚥下用容器セットを容易に製造することができる。
本発明に係る嚥下用容器セットの製造装置は、シート材の長手方向に沿ってシート材を供給する供給部材と、長手方向に沿ってシート材同士を接合する第1接合部材と、シート材が第1接合部材によって接合されることにより得られる筒状体に嚥下補助物質を注入する注入部材と、長手方向に交差する方向に沿ってシート材同士を接合する第2接合部材と、交差する方向に沿ってシート材同士を接合する第3接合部材とを備え、第3接合部材は、長手方向において第2接合部材よりも広い領域を接合可能に設けられている。
このような嚥下用容器セットの製造装置によれば、長手方向に延びるシート材を用いて、嚥下用容器セットを容易に製造することができる。
本発明によれば、嚥下補助物質を嚥下困難者にも嚥下しやすい状態として取り出すことができる嚥下用容器、嚥下用容器セット、嚥下用容器セットの製造方法、および嚥下用容器セットの製造装置を提供することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
(実施の形態1)
図1〜図3を参照して、実施の形態1に係る嚥下用容器11について説明する。嚥下用容器11は、封入部1、流動部2、およびシール部3を主に備える。
図1〜図3を参照して、実施の形態1に係る嚥下用容器11について説明する。嚥下用容器11は、封入部1、流動部2、およびシール部3を主に備える。
封入部1は、嚥下補助物質10を封入している。嚥下補助物質10は、薬剤の嚥下を補助可能な物質であり、たとえば薬剤を含む経口可能な食用のゼリーである。好ましくは、嚥下補助物質10は、ゲル状であり薬剤を包み込むように薬剤に付着可能である程度の粘性を有する。嚥下補助物質10は、薬剤を包み込むよう薬剤に付着した状態で口腔内に入り、咽喉、食道を通過して胃に運ばれる。それゆえ、嚥下補助物質10は、咽喉および食道の各々の内壁を滑らかに通過可能である程度の粘性を有することが好ましい。嚥下補助物質10は、液体、液状体または半固形体であり、好ましくは水分を含む。嚥下補助物質10は、水よりも粘性が高く、凝集性が高く、かつ薬剤に対する付着性が高い。嚥下補助物質10の凝集性とは、裁断された嚥下補助物質10が口腔内で散らばらずに一塊となっている性質である。嚥下補助物質10が高い凝集性を有していれば、裁断された嚥下補助物質10は口腔内において食塊を形成しやすい。
嚥下補助物質10は、薬効成分又は活性成分を含む物質(たとえば乳酸菌など)を含んでいてもよい。また、嚥下補助物質10は、たとえば造影剤を含んでいてもよい。造影剤は、たとえば硫酸バリウムやガドリニウム造影剤などである。嚥下補助物質10は、着色剤や味付け剤などを含んでいてもよい。嚥下補助物質10に含まれている着色剤は、人体に有害でない限りにおいて嚥下補助物質10に着ける色に応じて任意に選択され得るが、たとえば青色に着色する場合には食用青色1号(ブリリアントブルーFCF(食品添加物辞典2000参照))であってもよい。また、嚥下補助物質10に含まれている味付け剤は、人体に有害でない限りにおいて任意の香料とすることができる。
流動部2は、シール部3を挟んで封入部1と隣り合って配置されている。流動部2は、封入部1が外部からの圧力を受けてシール部3が破壊されたときに、封入部1から流出した嚥下補助物質10を通すことができる。つまり、流動部2は、封入部1に封入された嚥下補助物質10を嚥下用容器11から取り出して嚥下する際の嚥下補助物質10の流出経路を構成している。流動部2は、一方の端部がシール部3を介して封入部1と接続されているとともに、他方の端部(E2)が嚥下用容器11の外形端部を成している。流動部2は、たとえば他方の端部(E2)を通して外部と接続されている。
封入部1と流動部2との境界にはシール部3が設けられている。シール部3は、封入部1が外部からの圧力を受けた時にシールが破壊されるようなシール強度を有している。シール部3は、封入部1と流動部2とが連なる方向A(以下、単に連なる方向Aという)に交差する方向に延びるように形成されており、たとえば連なる方向Aに垂直な方向B(以下、単に垂直な方向Bという)に延びるように形成されている。
嚥下用容器11において、封入部1は、その全外周を複数のシート材が溶着された溶着部またはシート材が折り畳まれた折り畳み部により囲まれていることにより、密封空間として形成されているが、流動部2との境界においてはシール部3によって封じられている。また、流動部2は、その外周のうち少なくとも3方を複数のシート材が溶着された溶着部、またはシート材が折り畳まれた折り畳み部により囲まれていることにより、一端が開放された開放空間または密封空間として形成されているが、封入部1との境界においてはシール部3によって封じられている。
封入部1および流動部2が、シール部3以外に溶着により形成されているその他の溶着部(たとえば後述する第1側部5および第2側部6)が形成されることにより、封じられている場合には、シール部3のシール強度はその他の溶着部の接合強度(たとえば第1側部5のシール強度および第2側部6のシール強度)と比べて低く設けられている。これにより、封入部1が外部からの圧力を受けた時に、封入部1内の嚥下補助物質10はシール部3および他の溶着部を押圧するが、接合強度が最も弱いシール部3が確実に破壊される。
流動部2は、嚥下補助物質10の流出経路における幅がシール部3よりも狭くなっている裁断部2Aを有している。ここで、嚥下補助物質10の流出経路の幅とは、連なる方向Aに交差する方向における、嚥下補助物質10の流出経路の幅W2をいう。つまり、裁断部2Aにおける嚥下補助物質10の流出経路の幅W2は、シール部3の幅W1(言い換えると、シール部3と接続されている流動部2の一方の端部における流出経路の幅W1)よりも狭い。
裁断部2Aは、流動部2において、封入部1と接続されている一方の端部と嚥下用容器11の外部と接続されている他方の端部(E2)との間に配置されており、嚥下補助物質10の流出経路の一部を構成している。
このような嚥下用容器11では、封入部1が外部からの圧力を受けると封入部1に封入されている嚥下補助物質10に当該圧力が加えられて、嚥下補助物質10がシール部3を押圧することになる。シール部3は嚥下補助物質10を封じているが、そのシール強度を超える力を嚥下補助物質10から受けると破壊され、封入部1が開封される。
嚥下補助物質10は、封入部1が開封されると流動部2に押し出され、裁断部2Aにおける流出経路を通って嚥下用容器11の外部に取り出される。裁断部2Aにおける流出経路の幅W2はシール部3の幅W1よりも狭いため、嚥下補助物質10は裁断部2Aを通る際に裁断される。このとき、嚥下補助物質10は、シール部3のシール強度を超える力を受けて裁断部2Aに押し出されているため、裁断部2Aによって十分に細かく裁断されることができる。つまり、嚥下用容器11によれば、嚥下補助物質10を嚥下困難者にも嚥下しやすい状態として取り出すことができる。
以下、図1〜図3を参照して、本実施の形態に係る嚥下用容器11の詳細な構成例について説明する。
封入部1は、たとえば一枚のシート材20を折り曲げて一方(第1シート材20A)と他方(第2シート材20B)とが重ね合わされたときの折り畳み部E1、重ね合わされたシート材20A,20Bが溶着されているシール部3、第1側部5、および第2側部6により囲まれている密封空間である。嚥下用容器11を平面視したときの封入部1の平面形状は、たとえば長方形状である。
流動部2は、たとえば一枚のシート材20を折り曲げて一方(第1シート材20A)と他方(第2シート材20B)とが重ね合わされたときの重なり部E2、シール部3、第1側部5、および第2側部6により囲まれている開放空間である。シート材20を構成する材料は、嚥下補助物質10と反応することなく嚥下補助物質10を密封可能な任意の材料とすることができるが、可撓性を有し、熱溶着可能な材料で構成されているのが好ましく、たとえばポリエチレンやポリエチレンテレフタラートなどの樹脂材料である。
封入部1には、嚥下補助物質10が隙間無く封入されているのが、嚥下補助物質10からの離水を防止できる点で好ましい。つまり、封入部1の容積と嚥下補助物質10の体積とが等しく形成されているのが好ましい。言い換えると、封入部1の周囲に配置されている折り畳み部E1、シール部3、第1側部5、および第2側部6は、それぞれ封入部1に封入されている嚥下補助物質10の外形状の一辺と接するように設けられている。
シール部3と折り畳み部E1とは、連なる方向Aにおいて、封入部1を挟んで対向するように設けられている。シール部3と重なり部E2とは、連なる方向Aにおいて、流動部2を挟んで対向するように設けられている。シール部3は、第1側部5と第2側部6との間を垂直な方向Bに延びるように形成されている。
第1側部5と第2側部6とは、垂直な方向Bにおいて、封入部1、流動部2、およびシール部3を挟んで対向するように設けられている。
第1側部5および第2側部6は、連なる方向Aに延びるように形成されている。第1側部5および第2側部6において、連なる方向Aにおける一方の端部は折り畳み部E1であり、他方の端部は重なり部E2である。
第1側部5および第2側部6は、垂直な方向Bにおいて、嚥下用容器11の内側に位置し封入部1および流動部2に面する端部5c,6cと嚥下用容器11の外側に位置する端部5d,6dとを有している。端部5c,6cは、シール部3を挟んで連なる方向Aに延びるように形成されており、封入部1や流動部2の側端部を構成している。端部5d,6dは、嚥下用容器11の外形端部を構成している。
重なり部E2は、連なる方向Aにおける嚥下用容器11(言い換えると流動部2)の外形端部を構成しており、重なり部E2における第1側部5と第2側部6との間に位置する部分は、嚥下補助物質10の流出経路における排出口を成している。重なり部E2における第1側部5と第2側部6との間に位置する部分は、シール部3よりも弱いシール強度で溶着されていてもよいが、好ましくは開放端である。
流動部2は、裁断部2Aを有している。裁断部2Aは、第1側部5および第2側部6のうち少なくとも一方が他方に向かって突出している凸部4によって構成されている。図1を参照して、凸部4は、たとえば第2側部6に形成されている。このとき、裁断部2Aにおける嚥下補助物質10の流出経路は、凸部4と、凸部4と垂直な方向Bにおいて対向する第1側部5との間に形成されている。裁断部2Aにおける嚥下補助物質10の流出経路の幅W2は、たとえば垂直な方向Bにおける凸部4と第1側部5との間隔であり、垂直な方向Bにおけるシール部3の幅W1、言い換えると流動部2との境界における第1側部5と第2側部6との間隔よりも狭くなるように設けられている。凸部4は、任意の方法により形成されていればよいが、たとえば第1側部5や第2側部6と同様に重ね合わされたシート材20A,20Bが溶着されることにより形成されている。
裁断部2Aは、裁断部2Aの流出経路における幅W2がシール部3側に近づくほど大きくなるような傾斜4aを有している。言い換えると、凸部4は、当該流出経路を挟んでシール部3と対向する端部がシール部3に対して傾斜角θを成すように形成されている。シール部3に対する凸部4の傾斜角θは、45度以下であるのが好ましい。異なる観点から言えば、凸部4は、当該流出経路を挟んでシール部3と対向する端部が連なる方向Aに対して傾斜するように形成されている。つまり、裁断部2Aにおける嚥下補助物質10の流出経路の幅W2は、シール部3側から離れるにつれて徐々に狭くなるように設けられている。嚥下補助物質10の流出経路の幅W2は、シール部3に近い領域においてはシール部3の幅W1と同等程度であり、シール部3から離れていくにつれて幅W1よりも徐々に狭くなり、凸部4の頂部と当該頂部と垂直な方向Bにおいて対向する第1側部5との間において最も狭くなるように設けられている。
シール部3のシール強度は、封入部1の周囲を封じている他の溶着部(第1側部5および第2側部6)のシール強度よりも弱い。シール部3のシール強度は、たとえば50gf/15mm以上300gf/15mm以下程度であり、好ましくは100gf/15mm以上200gf/15mm以下程度である。第1側部5のシール強度および第2側部6のシール強度は、シール部3のシール強度よりも強く設けられており、たとえば500gf/15mm以上程度であり、好ましくは600gf/15mm以上程度である。また、凸部4のシール強度は、シール部3のシール強度よりも強く設けられており、たとえば500gf/15mm以上程度であり、好ましくは600gf/15mm以上程度である。なお、シール強度は、JIS Z 0238に記載の方法により測定可能である。
図4を参照して、実施の形態1に係る嚥下用容器セット100について説明する。嚥下用容器セット100は、複数の嚥下用容器11を有しており、複数の嚥下用容器11が、シール部3が延在する方向Bにおいて互いに連結されている。嚥下用容器セット100は、任意の数の嚥下用容器11が連結して構成されていてもよいが、たとえば封入している嚥下補助物質10の容量の異なる3種の嚥下用容器11,12,13がそれぞれ2つずつ接続されて構成されていてもよい。より具体的には、図4に示すように、たとえば複数の前記嚥下用容器11,12,13の各々の嚥下補助物質10の封入量が、複数の嚥下用容器11,12,13の配置の順に従って段階的に変化していてもよい。
嚥下用容器セット100において、嚥下用容器11,12,13は、たとえば垂直な方向Bに互いに連結されている。嚥下用容器セット100において、嚥下用容器11,12,13は、垂直な方向Bにおける両端に設けられている嚥下用容器11および嚥下用容器13を除き、隣り合う嚥下用容器11,12,13の一方の第1側部5と他方の第2側部6とがミシン目14を介して互いに連結されている。
嚥下用容器セット100において、嚥下用容器11,12,13は、たとえばそれぞれの折り畳み部E1と重なり部E2とが垂直な方向Bにおいて平行に連なっている。また、嚥下用容器セット100において、嚥下用容器11,12,13は、たとえばそれぞれのシール部3が垂直な方向Bに延びる同一線上に形成されている。つまり、嚥下用容器11,12,13は、いずれも折り畳み部E1からシール部3までの距離、すなわち連なる方向Aにおける封入部1の幅が等しくなるように設けられている。
嚥下用容器11,12,13における第1側部5と第2側部6との間隔は、それぞれ異なっていてもよい。たとえば、嚥下用容器12における第1側部5と第2側部6との間隔およびシール部3の幅W3は嚥下用容器11における第1側部5と第2側部6との間隔およびシール部3の幅W1よりも広く、嚥下用容器13における第1側部5と第2側部6との間隔およびシール部3の幅W4は嚥下用容器12における第1側部5と第2側部6との間隔およびシール部3の幅W3よりも広くてもよい。このとき、嚥下用容器11,12,13における各第1側部5の垂直な方向Bにおける幅はそれぞれ等しくてもよく、嚥下用容器11,12,13の各第2側部6の垂直な方向Bにおける幅はそれぞれ等しくてもよい。
嚥下用容器11,12,13の裁断部2Aにおける嚥下補助物質10の流出経路の幅W2は、それぞれ等しくてもよい。上述のように、凸部4は第1側部5および第2側部6の少なくとも一方に形成されていればよいため、嚥下用容器11において第2側部6のみに凸部4が形成されているときでも、嚥下用容器12および嚥下用容器13においては第1側部5および第2側部6にそれぞれ凸部4が形成されていてもよい。この場合、第1側部5に形成されている凸部4と第2側部6に形成されている凸部4とは、嚥下補助物質10の流出経路を挟んで対向するように設けられているのが好ましい。また、第1側部5に形成されている凸部4と第2側部6に形成されている凸部4とは、垂直な方向Bにおける長さが互いに等しく設けられているのが製造管理上好ましいが、これらの長さは等しくなくてもよい。
なお、封入部1は、シール部3を含む限りにおいて、嚥下補助物質10を密封している他の部分(第1側部5および第2側部6など)は溶着に限られず、任意の方法により形成されていてもよい。
なお、裁断部2Aとシール部3との間や裁断部2Aと端部E2との間には、裁断部2Aにおける嚥下補助物質10の流出経路の幅W2よりも幅広な領域が形成されていてもよい。
次に、実施の形態1に係る嚥下用容器11の使用方法について説明する。
まず、図1に示すように、実施の形態1に係る嚥下用容器11が準備される。次に、封入部1に対して外部からたとえば指などにより荷重Fを加えることにより、封入部1に封入されている嚥下補助物質10がシール部3に向かって押圧される。嚥下補助物質10を介してシール部3に加えられた力がシール部3のシール強度を超えると、シール部3が破壊され、封入部1が開封される。その後、引き続き、外部からシート材20を介して嚥下補助物質10に対して荷重Fが加えられることにより、嚥下補助物質10は、第1側部5と第2側部6との間とから絞り出され、流動部2に形成されている流出経路の内部に勢いよく流出する。このとき、流動部2には嚥下補助物質10の流出経路の幅W1がシール部3の幅W2よりも狭い裁断部2Aが設けられているため、嚥下補助物質10は、裁断部2Aを通過することにより裁断されて粒状になる。つまり、封入部1の外部であって、かつ流動部2の内部において、嚥下補助物質10は細かく裁断される。さらに、外部から封入部1を介して嚥下補助物質10に対し荷重Fが加えられることにより、封入部1に残っている嚥下補助物質10が流動部2に絞り出され、裁断部2Aを通過することにより裁断された嚥下補助物質10は重なり部E2を通って嚥下用容器11から取り出され、そのまま嚥下困難者などに服用される。このように、嚥下困難者は、嚥下用容器11を使用することにより、嚥下補助物質10を嚥下しやすい状態として取り出しそのまま服用することができる。なお、嚥下困難者に限らず、一般の人が食用や薬剤服用用として嚥下用容器11を使用してもよいことは勿論である。
まず、図1に示すように、実施の形態1に係る嚥下用容器11が準備される。次に、封入部1に対して外部からたとえば指などにより荷重Fを加えることにより、封入部1に封入されている嚥下補助物質10がシール部3に向かって押圧される。嚥下補助物質10を介してシール部3に加えられた力がシール部3のシール強度を超えると、シール部3が破壊され、封入部1が開封される。その後、引き続き、外部からシート材20を介して嚥下補助物質10に対して荷重Fが加えられることにより、嚥下補助物質10は、第1側部5と第2側部6との間とから絞り出され、流動部2に形成されている流出経路の内部に勢いよく流出する。このとき、流動部2には嚥下補助物質10の流出経路の幅W1がシール部3の幅W2よりも狭い裁断部2Aが設けられているため、嚥下補助物質10は、裁断部2Aを通過することにより裁断されて粒状になる。つまり、封入部1の外部であって、かつ流動部2の内部において、嚥下補助物質10は細かく裁断される。さらに、外部から封入部1を介して嚥下補助物質10に対し荷重Fが加えられることにより、封入部1に残っている嚥下補助物質10が流動部2に絞り出され、裁断部2Aを通過することにより裁断された嚥下補助物質10は重なり部E2を通って嚥下用容器11から取り出され、そのまま嚥下困難者などに服用される。このように、嚥下困難者は、嚥下用容器11を使用することにより、嚥下補助物質10を嚥下しやすい状態として取り出しそのまま服用することができる。なお、嚥下困難者に限らず、一般の人が食用や薬剤服用用として嚥下用容器11を使用してもよいことは勿論である。
次に、実施の形態1に係る嚥下用容器セット100の使用方法について説明する。
まず、図4に示すように、実施の形態1に係る嚥下用容器セット100が、その使用目的に応じて準備される。嚥下用容器セット100は、たとえば嚥下訓練を使用目的とする場合には、嚥下補助物質10の封入量が配置順に従って段階的に変化している複数の嚥下用容器11,12,13を有していてもよい。この場合、嚥下訓練の進行度に応じて服用する量を決定し、その量の嚥下補助物質10を封入しているいずれかの嚥下用容器11,12,13を、ミシン目14を境に隣り合う嚥下用容器11,12,13から切り離すことにより、嚥下用容器セット100から取り出す。その後、上述した嚥下用容器11の使用方法と同様の方法で使用されることにより、たとえば嚥下訓練を受けている者は、所定量の嚥下補助物質10を嚥下しやすい状態として取り出し、そのまま服用することができる。
まず、図4に示すように、実施の形態1に係る嚥下用容器セット100が、その使用目的に応じて準備される。嚥下用容器セット100は、たとえば嚥下訓練を使用目的とする場合には、嚥下補助物質10の封入量が配置順に従って段階的に変化している複数の嚥下用容器11,12,13を有していてもよい。この場合、嚥下訓練の進行度に応じて服用する量を決定し、その量の嚥下補助物質10を封入しているいずれかの嚥下用容器11,12,13を、ミシン目14を境に隣り合う嚥下用容器11,12,13から切り離すことにより、嚥下用容器セット100から取り出す。その後、上述した嚥下用容器11の使用方法と同様の方法で使用されることにより、たとえば嚥下訓練を受けている者は、所定量の嚥下補助物質10を嚥下しやすい状態として取り出し、そのまま服用することができる。
次に、図5〜図10を参照して、実施の形態1に係る嚥下用容器セット100および嚥下用容器11の製造方法について説明する。なお、図10では、後述する一対のシールロール25,26および一対の回転刃27,28の各々について、一方のみを図示し他方を図示していない。
まず、図5、図6および図10を参照して、第1シート材20Aと第2シート材20Bとを長手方向に沿って接合することにより、第1シート材20Aおよび第2シート材20Bから筒状体部15Cを形成する(工程(S10))。
第1シート材20Aと第2シート材20Bとは、長手方向と短手方向とを有する一枚のシートとして設けられている。このとき、第1シート材20Aおよび第2シート材20Bの長手方向が、嚥下用容器セット100における嚥下用容器11の封入部1と流動部2とが連なる方向Aに垂直な方向B、第1シート材20Aおよび第2シート材20Bの短手方向が、連なる方向Aとなるように、第1シート材20Aおよび第2シート材20Bが準備される。
準備された第1シート材20Aと第2シート材20Bとは、ガイドロール21によりv字状のガイド部材22の外形に沿うように導かれ、折り畳み部E1が長手方向に延びるように、短手方向における端部E3同士が重なり合うように折り畳まれる。第1シート材20Aおよび第2シート材20Bは、折り畳まれながら鉛直方向の上方から下方に、その長手方向が上方から下方に延びるように送られる。
折り畳まれた第1シート材20Aと第2シート材20Bとは、一対のシールロール23の間に供給されることにより、たとえば短手方向に間隔を隔てた2箇所で熱溶着される。短手方向において、端部E3側に位置する熱溶着部15Aと、折り畳み部E1側に位置する熱溶着部15Bとは、ともに長手方向に延びるように形成される。熱溶着部15Bと折り畳み部E1とは、短手方向において間隔を隔てて設けられているとともに、長手方向において平行に設けられている。これにより、第1シート材20Aおよび第2シート材20Bは、熱溶着部15Bが形成されることにより、熱溶着部15Bと折り畳み部E1とに挟まれている領域(熱溶着部15Bの一方側に位置する領域)において長手方向に延びる軸を有する筒状体部15Cを形成し得る。なお、熱溶着部15Bは、最終的にその一部が嚥下用容器11におけるシール部3となる部分である。
また、筒状体部15Cが形成されるのと同時に、熱溶着部15Aと熱溶着部15Bとに挟まれている領域(熱溶着部15Bの他方側に位置する領域)において、長手方向に延びる軸を有するシート重ね部(筒状体部)15Dを形成し得る。
第1シート材20Aと第2シート材20Bとは、一対のシールロール23に挟持されて筒状体部15C,15Dが形成されながら、下方へ送られる。
熱溶着部15Bは、後の工程(S20)や工程(S30)において形成される第1接合部16や第2接合部17よりも、シール強度が弱くなるように設けられている。なお、熱溶着部15Aは、熱溶着部15Bと同等程度のシール強度として設けられる。
次に、図7および図10を参照して、筒状体部15C,15Dに、長手方向に交差する方向に延びる第1接合部16を形成する(工程(S20))。
筒状体部15Cおよび筒状体部15Dは、下方へ送られて一対のシールロール25の間に挟持される。このとき、一対のシールロール25に設けられている圧接部間において熱溶着されることにより、筒状体部15Cおよび筒状体部15Dに第1接合部16が形成される。第1接合部16は、筒状体部15Cおよび筒状体部15Dの延在方向(第1シート材20Aおよび第2シート材20Bの長手方向)における一方の側(下方側)を封止して分断する。つまり、筒状体部15Cおよび筒状体部15Dは、下方側が第1接合部16により封止されているとともに上方側が開放されている袋状体16Cおよび袋状体16Dとなる。
次に、袋状体16Cに、嚥下補助物質が供給される。嚥下補助物質10は、たとえば上方から下方に送られている袋状体16Cに対し、ガイド部材23の間を通って下方に延びる注入部材(ノズル)24から供給される。このときの袋状体16Cへの嚥下補助物質10の供給量は、各嚥下用容器の封入量と等しい。
袋状体16Cに所定量の嚥下補助物質が供給された後、袋状体16Cおよび袋状体16Dの上方側が先の一対のシールロール25の間に供給されて、圧接部間において熱溶着されることにより、袋状体16Cおよび袋状体16Dに第1接合部16が形成される。第1接合部16は、袋状体16Cおよび袋状体16Dの下方側に形成されている第1接合部16と間隔を隔てた上方側に位置する部分に形成される。つまり、袋状体16Cは、上方側および下方側が第1接合部16に、側方が熱溶着部15Bおよび折り畳み部E1により封止され、その内部に嚥下補助物質10が密封されている分包体部16Eとなる。また、嚥下補助物質10が供給されない袋状体16Dは、上方側および下方側が第1接合部16に、側方が熱溶着部15Bおよび折り畳み部E1により封止されている中空体部16Fとなる。
一対のシールロール25には、その周方向において所定の間隔を空けて複数の圧接部が形成されている。各圧接部は、たとえば等しく構成されており、第1シート材20Aと第2シート材20Bとの短手方向において、折り畳み部E1から重なり部E3までの全体と重なるとともに、長手方向において所定の幅W5を有する第1接合部16を形成可能に設けられている。また、各圧接部は、第1シート材20Aと第2シート材20Bとの長手方向において所定の間隔W6,W7,W8を隔てて第1接合部16を形成可能に設けられている。この場合、シート材20上に複数形成される第1接合部16の各々は、いずれも面積やシート材20の短手方向における位置は等しく、シート材20の長手方向における間隔のみ異なっている。
第1接合部16は、たとえば熱溶着部15Bに対して垂直な方向に延びるように形成される。第1接合部16の幅W5は、嚥下用容器11における第1側部5および第2側部6の垂直な方向Bにおける幅よりも狭くなるように設けられている。言い換えると、本工程(S20)において形成される分包体部16Eの容積は、最終的に製造される嚥下用容器11の封入部1の容積よりも大きい。なお、第1接合部16は、本製造方法により得られる嚥下用容器11の第1側部5または第2側部6の少なくともいずれか一方に含まれるように形成されていればよい。
次に、図8および図10を参照して、筒状体部15C,15D(具体的には筒状体部15C,15Dが複数に分断された分包体部16Eおよび中空体部16F)に、第1接合部16に重なり、かつ、第1接合部16より幅が広い第2接合部17を形成する(工程(S30))。
嚥下補助物質10が密封された分包体部16Eと、分包体部16Eと短手方向に連なる中空体部16Fとは、下方に送られて一対のシールロール26の間に挟持される。このとき、一対のシールロール26に設けられている圧接部間において熱溶着されることにより、分包体部16Eおよび中空体部16Fに第2接合部17が形成される。第2接合部17は、第1接合部16に重なり、かつ、第1接合部16より幅広に形成される。言い換えると、第2接合部17は、長手方向において隣り合う分包体部16E間、および中空体部16F間に跨って形成される。たとえば第1接合部16間が間隔W6を隔てて形成されている分包体部16E上には、間隔W6よりも狭い間隔W1を隔てて第2接合部17が形成される。
これにより、分包体部16Eは、シート材20の長手方向における両端部が第2接合部17に、短手方向における両端部が熱溶着部15Bおよび折り畳み部E1により封止されている封入体部17Cとなる。また、長手方向に延びるように形成されていた熱溶着部15Bは、よりシール強度の高い第2接合部17が熱溶着部15Bの一部と重なるように形成されることにより、第2接合部17が重なるように形成されていない領域、すなわち第2接合部17間に形成されている部分のみが熱溶着部15Bとして残され、シール部3を構成する。
また、中空体部16Fは、シート材20の長手方向における両端部が第2接合部17に、短手方向における両端部が熱溶着部15Aおよび熱溶着部15Bにより封止されている中空体部17Dとなる。
さらに、本工程(S30)では、中空体部17D(シート重ね部)における第2接合部17の部分が、封入部17C(筒状体部)における第2接合部の部分よりシート材20の長手方向に突き出すように形成される。言い換えると、当該長手方向において対向するように形成された隣り合う第2接合部17のうち、少なくともいずれか一方から他方に向かって突き出すように凸部4が形成される。これにより、中空体部17D(シート重ね部)における第2接合部17間の幅W2(図8参照)、すなわち、長手方向において互いに対向する凸部4と他の部分17Aとの間隔または裁断用凸部4同士の間隔は、長手方向におけるシール部3の幅W1,W3,W4と比べて狭く設けられる。
次に、図9および図10を参照して、第2接合部17上にミシン目14を形成する(工程(S40))。封入体部17Cと、封入体部17Cと短手方向に連なる中空体17Dとは、下方に送られてミシン針が設けられた一対の回転刃27の間に挟持される。このとき、一対の回転刃27に設けられているミシン針によって第2接合部17上にミシン目14が形成される。
次に、図9および図10を参照して、第2接合部17上にカット部18を形成する(工程(S50))。封入体部17Cと、封入体部17Cと短手方向に連なる中空体17Dとは、下方に送られて一対の回転刃28の間に挟持される。このとき、回転刃28によって、第2接合部17上に折り畳み部E1から短手方向に延びるカット部18が形成されるとともに、熱溶着部15Aとシール部3との間に長手方向に延びるカット部18が形成される。なお、先の工程(S40)において、ミシン目14は、第2接合部17上において、カット部18に囲まれる領域内にのみ形成されていればよい。カット部18および折り畳み部E1は、嚥下用容器セット100の外形を構成する。
これにより、図4に示すように、嚥下補助物質の封入量が異なる複数の嚥下用容器11,12,13が形成されている嚥下用容器セット100が製造される。封入体部17Cは封入部1となり、中空体部17Dは流動部2となる。以上のように、実施の形態1に係る嚥下用容器セット100の製造方法は、第1シート材20Aおよび第2シート材20Bの短手方向を嚥下用容器セット100における嚥下用容器11の封入部1と流動部2とが連なる方向Aとして、長手方向を垂直な方向Bとして、実施される。
嚥下用容器11は、このようにして得られた嚥下用容器セット100を用いて、ミシン目14に沿って嚥下用容器セット100に含まれている複数の嚥下用容器11,12,13を互いに分離することにより、製造され得る。
なお、図11を参照して、凸部4は、当該流出経路を挟んでシール部3と対向する端部がシール部3と平行に延びるように形成されていてもよい。つまり、凸部4は、裁断部2Aにおける嚥下補助物質10の流出経路における幅W2がシール部3の幅W1よりも狭い一定の幅となるように設けられていてもよい。異なる観点から言えば、凸部4は、当該流出経路を挟んでシール部3と対向する端部が垂直な方向Bに延びるように形成されていてもよい。このようにしても、流動部2は、嚥下補助物質10の流出経路における幅W2がシール部3の幅W1よりも狭くなっている裁断部2Aを有している。そのため、このような嚥下用容器11によれば、嚥下補助物質10を嚥下困難者にも嚥下しやすい状態として取り出すことができる。
次に、図10を参照して、実施の形態1に係る嚥下用容器の製造装置200について説明する。
嚥下用容器の製造装置200は、シート材20の長手方向に沿ってシート材20を供給する供給部材(ガイドロール21)と、長手方向に沿ってシート材20同士を接合する第1接合部材(シールロール23)と、シート材20がシールロール23によって接合されることにより得られる筒状体部15Cに嚥下補助物質10(図1参照)を注入する注入部材24と、長手方向に交差する方向(短手方向)に沿ってシート材20同士を接合する第2接合部材(シールロール25)と、短手方向に沿ってシート材20同士を接合する第3接合部材(シールロール26)とを備える。
製造装置200は、一枚のシート材20から嚥下用容器セット100を製造するための製造装置である。そのため、製造装置200は、ガイドロール21とシールロール23との間に、v字状のガイド部材22をさらに備えている。
また、製造装置200は、シールロール25により形成された袋状体16Cに嚥下補助物質10を注入するための注入部材(ノズル)24をさらに備えている。注入部材24は、たとえばガイド部材22に挟まれている領域を上方から下方に延びるように形成されている。
シールロール23は、その全周に渡って圧接部が設けられている。シールロール25およびシールロール26は、周方向において所定の間隔を空けて複数の圧接部が設けられている。シールロール25の複数の圧接部は、いずれも等しい表面積を有している。シールロール26の複数の圧接部は、たとえば3段階に異なる表面積を有していてもよい。シールロール26は、長手方向においてシールロール25よりも広い領域を接合可能に設けられている。言い換えると、シールロール26の複数の圧接部の表面積は、いずれもシールロール25の圧接部の表面積よりも大きく設けられている。
製造装置200は、たとえばシート材20を上方から下方に送りながら嚥下用容器セット100を製造可能に構成されている。
(実施の形態2)
次に、図12を参照して、実施の形態2に係る嚥下用容器11および嚥下用容器セット100について説明する。
(実施の形態2)
次に、図12を参照して、実施の形態2に係る嚥下用容器11および嚥下用容器セット100について説明する。
実施の形態2に係る嚥下用容器11および嚥下用容器セット100は、基本的には実施の形態1に係る嚥下用容器11および嚥下用容器セット100と同様の構成を備えるが、封入部1において、第1側部5および第2側部6の少なくともいずれか一方には切込部30が形成されている点で異なる。
図12を参照して、切込部30は、第1側部5と第2側部6との間を横断する破断部(一点鎖線)を封入部1に形成可能に設けられている。たとえば、切込部30は、第1側部5上を嚥下用容器11の外形端部5dから、または第2側部6上を外形端部6dから、それぞれ連なる方向Aに交差する方向(たとえば垂直な方向B)に延びるように形成されている。あるいは、切込部30は、第1側部5および第2側部6上を、ミシン目14を跨いで連なる方向Aに交差する方向(たとえば垂直な方向B)に連なるように形成されている。
切込部30は、連なる方向Aにおいて任意の場所に形成されていればよく、図12に示すようにたとえばシール部3に近接する位置に形成されていてもよいし、図13に示すようにたとえば折り畳み部E1に近接する位置に形成されていてもよい。
これにより、嚥下用容器11,12,13には切込部30から第1側部5と第2側部6との間を横断する破断部が形成され得るため、封入部1は当該破断部により流動部2およびシール部3と一体である一方の切断領域Cとそれ以外の他方の切断領域Dとに二分される。図12に示すように切込部30がシール部3に近い位置に形成されている場合には、上記二分されている状態において、嚥下補助物質10は当該他方の切断領域Dに開封された状態で収容されていることになる。このとき、流動部2を含む一方の切断領域は他方の切断領域と離れているため、嚥下補助物質10を裁断することなく、嚥下用容器11(他方の切断領域)から取り出すことができる。また、図13に示すように切込部30が折り畳み部E1に近接する位置に形成されている場合には、上記二分されている状態において、嚥下補助物質10はシール部3を含む一方の切断領域Cに開封された状態で収容されていることになる。そのため、嚥下補助物質10を裁断することなく、嚥下用容器11(一方の切断領域)から取り出すことができる。
切込部30は、たとえば第2接合部17上にミシン目14と、カット部18を形成する工程(S40)において形成される。
なお、実施の形態2に係る嚥下用容器11,12,13および嚥下用容器セット100は、実施の形態1に係る嚥下用容器11,12,13および嚥下用容器セット100と同様に流動部2を通して裁断された嚥下補助物質10を取り出すことができる。
(実施の形態3)
次に、図14を参照して、実施の形態3に係る嚥下用容器11および嚥下用容器セット100について説明する。
(実施の形態3)
次に、図14を参照して、実施の形態3に係る嚥下用容器11および嚥下用容器セット100について説明する。
実施の形態3に係る嚥下用容器11および嚥下用容器セット100は、基本的には実施の形態1に係る嚥下用容器11および嚥下用容器セット100と同様の構成を備えるが、連なる方向Aにおいてシール部3を挟んで対向する保持部31,32が形成されている点で異なる。
保持部31および保持部32は、嚥下用容器11,12,13や嚥下用容器セット100が保持部31と保持部32との間で折り返された状態で、互いの相対的な位置を保持可能に設けられている。このとき、保持部31および保持部32は、保持部31と保持部32との間で折り返された状態において形成される折り返し部が封入部1内に位置するように形成されているのが好ましい。つまり、保持部31および保持部32は、当該折り返し部がシール部3上または封入部1と重なるように形成されている。また、保持部31と保持部32との間に働く保持力は、たとえば保管時において封入部1に外部から加えられ得る圧力であって、シール部3のシール強度以上の圧力を封入部1が受けた場合にも、保持部31と保持部32との間で折り返された状態を保持可能とする程度であればよい。
これにより、実施の形態3に係る嚥下用容器11および嚥下用容器セット100は保持部31と保持部32との間で折り返された状態で保管することができるため、保管時において封入部1が外部からシール部3のシール強度以上の圧力を受けたときにも、当該折り返し部は嚥下補助物質10の移動を妨げて嚥下補助物質10がシール部3のシール強度以上の力でシール部3を押圧することを防止する。その結果、シール部3の破壊を防ぐことができ、流動部2への嚥下補助物質10の流出を防止することができる。
つまり、実施の形態3に係る嚥下用容器11および嚥下用容器セット100は、保存性に優れているとともに、嚥下補助物質10を嚥下困難者にも嚥下しやすい状態として取り出すことができる。
保持部31および保持部32は、たとえば永久磁石として構成されている。この場合、保持部31と保持部32とは、互いに磁力により引力を受けて接触し、かつ接触状態(嚥下用容器11,12,13や嚥下用容器セット100が保持部31と保持部32との間で折り返された状態)を保持可能に設けられている。また、保持部31および保持部32は、たとえば互いに機械的に引っ掛かるとともに、これを維持可能な構造体として構成されていてもよい。
保持部31,32は、実施の形態1に係る嚥下用容器11,12,13や嚥下用容器セット100を製造した後に、形成されてもよい。
なお、実施の形態3に係る嚥下用容器11,12,13および嚥下用容器セット100は、実施の形態1に係る嚥下用容器11,12,13および嚥下用容器セット100と同様に流動部2を通して裁断された嚥下補助物質10を取り出すことができる。
また、図14を参照して、実施の形態3に係る嚥下用容器11,12,13および嚥下用容器セット100は、実施の形態2に係る嚥下用容器11,12,13および嚥下用容器セット100と同様に切込部30をさらに備えていてもよい。このとき、保持部32が切込部30よりもシール部3から離れた位置に形成されている場合には、保持部31と保持部32との間で折り返された状態で切込部30は第1側部5または第2側部6と重なっているため、切込部30から第1側部5と第2側部6との間を横断する破断部が形成されることを防止することができる。
(実施の形態4)
次に、図15および図16を参照して、実施の形態4に係る嚥下用容器11および嚥下用容器セット100について説明する。
(実施の形態4)
次に、図15および図16を参照して、実施の形態4に係る嚥下用容器11および嚥下用容器セット100について説明する。
実施の形態4に係る嚥下用容器11および嚥下用容器セット100は、基本的には実施の形態1に係る嚥下用容器11および嚥下用容器セット100と同様の構成を備えるが、第1シート材20Aおよび第2シート材20Bがそれぞれ異なる二枚のシートとして準備され、第1シート材20Aおよび第2シート材20Bが折り畳まれずに接合されることにより嚥下用容器11および嚥下用容器セット100が製造されている点で異なる。
嚥下用容器11および嚥下用容器セット100には、封入部1を挟んでシール部3と対向する領域に、第1シート材20Aと第2シート材20Bとが接合されている底部7が形成されている。連なる方向Aにおける封入部1の外形端部は、折り畳み部E1(図1および図4参照)ではなく、底部7の接合端部E4として形成されている。底部7のシール強度は、シール部3のシール強度よりも高い。つまり、封入部1は、シール部3と、シール部3よりもシール強度の高い第1側部5、第2側部6、および底部7により封じられている。
実施の形態4に係る嚥下用容器セット100の製造方法は、基本的には実施の形態1に係る嚥下用容器セット100の製造方法と同様の構成を備えるが、筒状体部15Cを形成する工程(S10)において、第1シート材20Aと第2シート材20Bとは短手方向における両端部において互いに接合され、筒状体部15Cが形成される点で異なる。
第1シート材20Aと第2シート材20Bとはそれぞれの短手方向の端部同士が重なり合うように配置され、一方の端部側に熱溶着部15A,15Bが形成されるとともに、他方の端部側において第1シート材20Aおよび第2シート材20Bが熱溶着などにより接合されて、第1シート材20Aおよび第2シート材20Bの長手方向に延びる熱溶着部15Eが形成される。筒状体部15Cは、熱溶着部15Bと熱溶着部15Eとにより接合されている第1シート材20Aおよび第2シート材20Bにより構成される。
このようにしても、実施の形態4に係る嚥下用容器11,12,13および嚥下用容器セット100は、実施の形態1に係る嚥下用容器11,12,13および嚥下用容器セット100と同様に流動部2を通して裁断された嚥下補助物質10を取り出すことができる。
なお、実施の形態4に係る嚥下用容器セットの製造装置は、基本的には実施の形態1に係る嚥下用容器セットの製造装置と同様の構成を備えるが、ガイド部材22が不要な点、および底部7を形成するための新たな圧接部あるいは新たなシールロールをさらに備えている点で異なる。
(実施の形態5)
次に、図17〜図19を参照して、実施の形態5に係る嚥下用容器11および嚥下用容器セット100について説明する。
(実施の形態5)
次に、図17〜図19を参照して、実施の形態5に係る嚥下用容器11および嚥下用容器セット100について説明する。
実施の形態5に係る嚥下用容器11は、基本的には実施の形態1に係る嚥下用容器11と同様の構成を備えるが、流動部2における嚥下補助物質10の流出経路が嚥下用容器11の外部と接続されていない点で異なる。言い換えると、封入部1と流動部2とが連なる方向Aにおいて、シール部3と反対側に位置する流動部2の端部は閉じられている。
流動部2は、たとえば第2側部6により3方が囲まれて封止されている。裁断部2Aは、たとえば第2側部6内に形成されている。
この場合、シール部3は、たとえば連なる方向Aにおいて第1側部5と第2側部6との間にあって、垂直な方向Bにおける一方の端部から他方の端部まで延びるように形成されている。つまり、封入部1は、第1側部5と連なる方向Aにおいて対向するシール部3との間に形成されている。
裁断部2Aは、嚥下補助物質10の流出経路における幅W2がシール部3の幅W1よりも狭くなっている限りにおいて、任意の構造を有していればよいが、たとえば連なる方向Aにおいてシール部3側に近づくほど大きくなるような傾斜4aを有している。傾斜4aは、図17に示すように、たとえば曲線に沿うように形成されている。具体的には、傾斜4aは、該曲線の接線とシール部3との成す傾斜角θが場所によって徐々に変化している曲線に沿うように形成されている。
このとき、嚥下補助物質10の流出経路は、たとえば第2側部6内に端部を有し第2側部6により閉じられている。そのため、たとえば第2側部6において垂直な方向Bの少なくとも一方の端部には、上記流出経路を横断する破断部を封入部1に形成可能に設けられている切込部33が形成されており、切込部33から破断部を形成することにより嚥下補助物質10の流出経路は嚥下用容器11の外部と接続され、嚥下補助物質10を嚥下用容器11の外部に取り出すことができる。
ここで、裁断部2Aにおける嚥下補助物質10の流出経路における幅W2は、たとえば切込部33から形成される破断部と重なる領域における嚥下補助物質10の流出経路の幅である。
また、封入部1および流動部2には、連なる方向Aにおける嚥下用容器11の一方の外形端部から他方の外形端部まで延びるように背貼り部40が形成されている。背貼り部40は、たとえば第1シート材20Aと第2シート材20Bとが一枚のシートとして構成されている場合に、第1シート材20Aおよび第2シート材20Bの短手方向の端部同士を重ね合わせて接合することにより形成されている。背貼り部40は、垂直な方向Bにおける一方の端部(折り畳み部)と他方の端部(折り畳み部)との間に配置される。つまり、封入部1は、垂直な方向Bに沿ってシール部3と第1側部5とによって封止されているとともに、連なる方向Aに沿って背貼り部40によって封止されていることにより、嚥下補助物質10を封入している。また、流動部2は、連なる方向Aに沿って背貼り部40によって封止されていることにより、連なる方向Aに延びる嚥下補助物質10の流出経路を有している。
垂直な方向Bにおいて背貼り部40は、たとえば嚥下用容器11を平面視したときに裁断部2Aにおける嚥下補助物質10の流出経路と重ならない位置に形成される。
実施の形態5に係る嚥下用容器11は、使用の前に、切込部33から流動部2における嚥下補助物質10の流出経路を横断する破断部を予め形成しておけば、後は実施の形態1に係る嚥下用容器11と同様に使用し得る。このようして、実施の形態5に係る嚥下用容器11は、実施の形態1に係る嚥下用容器11と同様の効果を奏することができる。
実施の形態5に係る嚥下用容器セット100は、基本的には実施の形態1に係る嚥下用容器セット100と同様の構成を備えるが、複数の嚥下用容器11,12,13がシール部3の延在方向ではなく連なる方向A(貼り部40が延在する方向)おいて互いに連結されている点で異なる。
そのため、複数の嚥下用容器11,12,13に封入されている嚥下補助物質10の収容量がそれぞれ異なっている場合には、連なる方向Aにおける第1側部5とシール部3との距離が変化している。一方で、垂直な方向Bにおける封入部1の幅W1は、複数の嚥下用容器11,12,13のそれぞれにおいて等しく設けられている。
嚥下用容器12における第1側部5とシール部3との間隔L2は嚥下用容器11における第1側部5とシール部3との間隔L1よりも長く、嚥下用容器13における第1側部5とシール部3との間隔L3は嚥下用容器12における第1側部5とシール部3との間隔L2よりも長く設けられている。
実施の形態5に係る嚥下用容器セット100の製造方法は、基本的には実施の形態1に係る嚥下用容器セット100の製造方法と同様の構成を備えるが、筒状体を形成する工程(S10)においてシール部3となるべき熱溶着部15Bが形成されず、背貼り部40が形成される点で異なる。また、シール部3は、第1側部5および第2側部6と同時に形成されてもよい。言い換えると、実施の形態5に係る嚥下用容器セットの製造装置は、第1側部5および第2側部6を形成するシールロールにシール部3を形成するための圧接部がさらに形成されていてもよい。
また、図20および図21を参照して、実施の形態5に係る嚥下用容器11,12,13において、封入部1および流動部2には、背貼り部40に代わって、連なる方向Aにおける嚥下用容器11の一方の外形端部から他方の外形端部まで延びるように側貼り部41が形成されていてもよい。側貼り部41は、嚥下用容器11を平面視したときに、垂直な方向Bにおける嚥下用容器11の端部を成すように形成されている。この場合、切込部33は、たとえば垂直な方向Bにおいて側貼り部41から第2側部6にまで達するように設けられている。
なお、実施の形態5に係る嚥下用容器11,12,13には、実施の形態2に係る嚥下用容器11,12,13と同様に切込部30が形成されていてもよい。切込部30は、第1側部5および第2側部6の少なくともいずれか一方に形成されていればよい。この場合、切込部30は、たとえば第1側部5と第2側部6との間を連なる方向Aに横断する破断部を封入部1に形成可能に設けられている。
また、実施の形態1〜実施の形態5に係る嚥下用容器セット100において、裁断部2Aにおける嚥下補助物質の流出経路における幅は、複数の嚥下用容器11,12,13の間で互いに異なるように設けられていてもよい。図22を参照して、たとえば封入部1において封入されている嚥下補助物質10の収容量が等しい複数の嚥下用容器11のうち、一方の嚥下用容器11の裁断部2Aにおける嚥下補助物質の流出経路における幅W2が、他方の嚥下用容器11の裁断部2Aにおける嚥下補助物質の流出経路における幅W5よりも狭く形成されていてもよい。
また、実施の形態1〜実施の形態5に係る嚥下用容器セット100において、傾斜4aは、図1に示すようにシール部3に対して所定の傾斜角θを成す1つの線分に沿うように形成されていてもよいし、図17に示すようにシール部3に対する傾斜角θが場所によって徐々に変化している任意の曲線に沿うように形成されていてもよい。また、傾斜4aは、シール部3に対して異なる傾斜角θを成し、かつ互いに交差する複数の線分に沿うように形成されていてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 封入部、2 流動部、2A 裁断部、3 シール部、4 凸部(裁断用凸部)、5 第1側部、5c,6c 内周端部、5d,6d 外形端部、6 第2側部、7 底部、10 嚥下補助物質、11,12,13 嚥下用容器、14 ミシン目、15A,15B,15E 熱溶着部、15C,15D 筒状体、16 第1接合部、16C,16D 袋状体、16E 分包体、16F,17D 中空体、17 第2接合部、17A 他の部分、17C 封入体、18 カット部、20 シート材、20A 第1シート材、20B 第2シート材、21 ガイドロール、22,23 ガイド部材、23 シールロール、23,25,26 シールロール、24 注入部材、27 回転刃、30 切込部、31,32 保持部、40 背貼り部、41 側貼り部、100 嚥下用容器セット、200 製造装置。
Claims (13)
- 嚥下補助物質を封入する封入部と、
前記封入部と隣り合って配置され、かつ、前記封入部から流出した前記嚥下補助物質を通すための流動部と、
前記封入部と前記流動部との境界において、前記封入部が外部からの圧力を受けたときにシールが破壊されるシール部とを備え、
前記流動部は、前記嚥下補助物質の流出経路における幅が前記シール部よりも狭くなっている裁断部を有している、嚥下用容器。 - 前記シール部は、前記封入部と前記流動部とが連なる方向(A)に対して交差する方向に延びるように設けられており、
前記裁断部の前記流出経路における幅が前記シール部側に近づくほど大きくなるような傾斜を前記裁断部は有している、請求項1に記載の嚥下用容器。 - 前記封入部および前記流動部の双方を両側から挟み込む第1側部と第2側部とをさらに備え、
前記第1側部と前記第2側部との各々は、前記シール部よりも高いシール強度を有し、
前記裁断部は、前記第1側部および前記第2側部の少なくとも一方が他方に向かって突出するように形成されている凸部によって構成されている、請求項1または請求項2に記載の嚥下用容器。 - 前記第1側部および前記第2側部の少なくとも一方には切込部が形成されており、
前記切込部は、前記第1側部と前記第2側部との間を横断する破断部を前記封入部に形成可能に設けられている、請求項3に記載の嚥下用容器。 - 前記封入部は、前記シール部と反対側においてラウンド形状の角部を有している、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の嚥下用容器。
- 前記嚥下補助物質はゼリーであり、造影剤を含んでいる、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の嚥下用容器。
- 前記嚥下補助物質はゼリーであり、着色および味付けの少なくともいずれかが施されている、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の嚥下用容器。
- 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の嚥下用容器を複数有し、
複数の前記嚥下用容器が、前記シール部が延在する方向において互いに連結されている、嚥下用容器セット。 - 複数の前記嚥下用容器のうち互いに隣り合う一対の前記嚥下用容器の間にはミシン目が形成されており、複数の前記嚥下用容器は互いに分離可能に設けられている、請求項8に記載の嚥下用容器セット。
- 複数の前記嚥下用容器の各々の前記嚥下補助物質の封入量は、複数の前記嚥下用容器の配置の順に従って段階的に変化している、請求項8または請求項9に記載の嚥下用容器セット。
- 嚥下補助物質が封入されている嚥下用容器セットの製造方法であって、
第1シート材と第2シート材とを長手方向に沿って接合するシール部を形成することにより、前記第1シート材および前記第2シート材から前記シール部の一方側に位置する筒状体部と、前記シール部の他方側に位置するシート重ね部とを形成する工程と、
前記筒状体部および前記シート重ね部に、前記長手方向に交差する方向に延びる第1接合部を形成する工程と、
前記筒状体部および前記シート重ね部に、前記第1接合部に重なり、前記第1接合部より幅が広く、かつ前記シール部よりも高いシール強度を有する第2接合部を形成する工程とを備え、
前記第2接合部を形成する工程では、前記シート重ね部における前記第2接合部の部分が前記筒状体部における前記第2接合部の部分より前記長手方向に突き出すように形成される、嚥下用容器セットの製造方法。 - 前記第1シート材と前記第2シート材とは一枚のシートとして設けられている、請求項11に記載の嚥下用容器セットの製造方法。
- シート材の長手方向に沿って前記シート材を供給する供給部材と、
前記長手方向に沿って前記シート材同士を接合する第1接合部材と、
前記シート材が前記第1接合部材によって接合されることにより得られる筒状体に嚥下補助物質を注入する注入部材と、
前記長手方向に交差する方向に沿って前記シート材同士を接合する第2接合部材と、
前記交差する方向に沿って前記シート材同士を接合する第3接合部材とを備え、
前記第3接合部材は、前記長手方向において前記第2接合部材よりも広い領域を接合可能に設けられている、嚥下用容器の製造装置。
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