JPWO2016024356A1 - 無線通信システム、無線通信システムの通信方法、アクセスポイント、及び、無線機器 - Google Patents

無線通信システム、無線通信システムの通信方法、アクセスポイント、及び、無線機器 Download PDF

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Abstract

アクセスポイント(20)は、第1の無線機器(30−1)が送信した第1の信号の受信に応じて、第1の無線機器(30−1)の無線通信エリア外に位置する第2の無線機器(30−6)宛の第2の信号を送信する。

Description

本発明は、無線通信システム、無線通信システムの通信方法、アクセスポイント、及び、無線機器に関する。
従来、セルラーシステムやWiFiシステム等の無線通信システムでは、半二重(half duplex)通信が主流であった。なお、「WiFi」は「Wireless Fidelity」の略称であり、登録商標である。半二重通信では、信号の送信と受信とを異なる時間(例えば、交互)に行なう。
これに対し、全二重(full duplex)通信では、信号の送信と受信とを同一タイミングで実施することが可能である。別言すると、全二重通信では、信号を送信(又は受信)しながら、別の信号を受信(又は送信)することが可能である。
したがって、全二重通信では、半二重通信よりも時間リソースの利用効率を向上することができ、システム全体のスループットを向上することができる。そのため、近年、全二重通信機能をWiFiシステムのアクセスポイント(AP)に適用して、WiFiシステムのスループット向上を図ることも検討されている。なお、「WiFiシステム」は、「無線LAN(Local Area Network)」と称してもよい。
IEEE 802.11-14/0340-00-0hew
しかし、全二重通信機能をAPに適用しても、例えば、APにアクセスする無線機器間の電波干渉によって、結果的に、無線通信のスループットが向上しないケースがある。
1つの側面では、本発明の目的の1つは、無線通信の性能(非限定的な一例として、スループット)を向上することにある。
1つの側面において、無線通信システムは、アクセスポイントと、前記アクセスポイントと無線通信する複数の無線機器と、を備え、前記アクセスポイントは、第1の無線機器が送信した第1の信号の受信に応じて、前記第1の無線機器の無線通信エリア外に位置する第2の無線機器宛の第2の信号を送信する。
また、1つの側面において、無線通信システムは、アクセスポイントと、前記アクセスポイントと無線通信する複数の無線機器と、を備え、第1の無線機器は、前記第1の無線機器の無線通信エリア外に位置する第2の無線機器宛に前記アクセスポイントが送信した第1の信号の受信に応じて、前記アクセスポイントへ第2の信号を送信する。
更に、1つの側面において、無線通信システムの通信方法は、アクセスポイントと、前記アクセスポイントと無線通信する複数の無線機器と、を備えた無線通信システムの通信方法であって、前記アクセスポイントは、第1の無線機器が送信した第1の信号を受信し、前記第1の信号の受信に応じて、前記第1の無線機器の無線通信エリア外に位置する第2の無線機器宛の第2の信号を送信する。
また、1つの側面において、複数の無線機器と無線通信が可能なアクセスポイントは、第1の無線機器が送信した第1の信号を受信する受信部と、前記第1の信号の受信に応じて、前記第1の無線機器の無線通信エリア外に位置する第2の無線機器宛に第2の信号を送信する送信制御部と、を備える。
更に、1つ側面において、アクセスポイントと無線通信する無線機器は、前記アクセスポイントが送信した第1の信号を受信する受信部と、前記第1の信号の宛先が、第1の無線機器としての前記無線機器の無線通信エリア外に位置する第2の無線機器であることを検出すると、前記アクセスポイントへ第2の信号を送信する送信制御部と、を備える。
1つの側面として、無線通信の性能を向上することができる。
一実施形態に係る無線通信システムの一例としてのWiFiシステムの構成例を示す図である。 半二重通信の一例を示すタイミングチャートである。 全二重通信の一例を示すタイミングチャートである。 非隠れ端末に対して電波干渉が生じる様子を例示する図である。 非隠れ端末に対して電波干渉が生じる例を説明するタイミングチャートである。 図1に例示する無線通信システムにおいて無線機器とアクセスポイントとの間の通信の一例を示す図である。 図1及び図6に例示するアクセスポイントが記憶する干渉端末リストの一例を示す図である。 図1及び図6に例示するアクセスポイントの動作例(第1のケース)を説明するフローチャートである。 図8に例示するパケット長調整処理の一例を説明するフローチャートである。 図1及び図6に例示する無線通信システムの動作例(第1のケース)を説明するタイミングチャートである。 図1及び図6に例示する無線機器の動作例(第2のケース)を説明するフローチャートである。 図1及び図6に例示する無線通信システムの動作例(第2のケース)を説明するタイミングチャートである。 図1及び図6に例示するアクセスポイントの機能的構成例を示す機能ブロック図である。 図1及び図6に例示するアクセスポイントのハードウェア構成例を示すブロック図である。 図1及び図6に例示する無線機器(端末)の機能的構成例を示す機能ブロック図である。 図1及び図6に例示する無線機器(端末)のハードウェア構成例を示すブロック図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。また、以下に説明する各種の例示的態様は、適宜に組み合わせて実施しても構わない。なお、以下の実施形態で用いる図面において、同一符号を付した部分は、特に断らない限り、同一若しくは同様の部分を表す。
図1は、一実施形態に係る無線通信システムの一例としてのWiFiシステムの構成例を示す図である。図1に示すWiFiシステム1は、例示的に、アクセスポイント(AP)20と、複数の無線機器30−1〜30−Nと、を備える。なお、WiFiシステム1は、無線LAN1と称してもよい。
ここで、Nは2以上の整数であり、図1には、N=7のケース、すなわち、A〜Gで示す7つの無線機器30−1〜30−7がAP20に接続し得るケースを例示している。なお、無線機器30−i(i=1〜N)を区別しなくてよい場合には、単に「無線機器30」と略称することがある。
AP20は、例示的に、無線による全二重通信機能を有し、AP20が形成する無線通信エリア200に位置する無線機器30との間で全二重通信が可能である。なお、AP20は、無線LAN1において複数備えられていても構わない。また、AP20は、ゲートウェイ(GW)20と称されてよい。更に、AP(又はGW)20は、「無線機器」の1つであると捉えてもよい。
無線機器30は、例示的に、無線による半二重通信機能を有し、AP20が形成する無線通信エリア200において当該AP20との間で半二重通信が可能である。無線機器30は、AP20との間で半二重通信が可能であれば、その呼称は特に限定されない。例えば、無線機器30は、無線装置、無線端末、ユーザ機器(UE)、あるいは、ノードと称されてもよい。
また、無線機器30は、移動可能な移動体そのもの(移動端末)であるか、移動体に固定された機器であるか、あるいは、位置が変化しない固定の機器であるかを問わない。例示的に、無線機器30は、携帯電話やスマートフォン、タブレット端末等の無線端末であってもよいし、センサネットワークを成す、無線通信機能を具備したセンサデバイスやメータ(測定器)等であってもよい。
無線機器30は、例示的に、インフラストラクチャーモードで動作し、AP20との間で直接の通信を行ない、他の無線機器30との間では直接の通信を行なわない。ただし、無線機器30は、他の無線機器30との無線通信をサポートしていてもよい。無線機器30同士の無線通信は、デバイスツーデバイス(D2D)通信と称されることがある。
AP20と各無線機器30との間の無線通信には、例示的に、同一の無線リソース(例示的に、周波数リソース)が用いられる。別言すると、AP20及び無線機器30は、同じ周波数リソースを共有して互いの通信を行なう。したがって、当該周波数リソースは、「共有リソース」と称してもよい。
図1の例では、ノード(「端末」と称することもある。)A〜Gのそれぞれが、AP20の形成する無線通信エリア200に位置しており、1ホップでAP20宛に、直接、信号(「データ」と称してもよい。)を共有リソースにて送信できる。なお、信号(あるいはデータ)には、制御信号(あるいは制御データ)が含まれてもよいし、ユーザ信号(あるいはユーザデータ)が含まれてもよい。
このような無線通信システム1において、ノード30のそれぞれは、例えばCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance)方式を用いて、自律的に通信を実行する。例えば、各ノード30は、それぞれ、データ送信に先立ってキャリアセンスを実行し、搬送波周波数の受信電力レベルを測定する。
そして、各ノード30は、それぞれ、測定した受信電力レベルが或る閾値以下であれば、チャネルがアイドル状態であると判定(「検出」と称してもよい)して、AP20宛のデータ送信を実行する。
一方、各ノード30は、測定した受信電力レベルが閾値よりも大きければ、チャネルがビジー状態であると判定して、AP20宛のデータ送信は行なわない。「データ送信を行なわない」ことは、「データ送信を抑止する」ことと捉えてもよい。
各ノード30は、チャネルがビジー状態であれば、所定時間経過(「待機」と称してもよい。)後に、再度、キャリアセンスを実行し、アイドル状態が検出されれば、AP20宛のデータ送信を実行する。
ところで、AP20及び各ノード30がいずれも半二重通信を行なうと仮定すると、或るノード30とAP20とが通信を行なっている間、他のノード30は、AP20と通信を行なうことができない。
図2に、半二重通信の一例を示す。図2の例では、AP20がノード30宛に信号(例えば、DATA#1)を送信し、ノード30がAP20宛に信号(例えば、DATA#2)を送信する様子を例示している。
なお、AP20からノード30への方向の通信リンクは、ダウンリンク(DL)と称してよく、その逆の方向の通信リンクは、アップリンク(UL)と称してよい。したがって、DLを通じて送信される信号は、DL信号と称してよく、ULを通じて送信される信号は、UL信号と称してよい。
図2に例示するように、半二重通信では、例えば、AP20がノード30宛のDL信号(DATA#1)を送信し、ノード30は、当該DL信号の受信に成功すると、受信確認応答信号(ACK#1)をUL信号としてAP20宛に送信する。
このDL信号(DATA#1)及びUL信号(ACK#1)の送受信時間Tでは、ノード30は、AP20宛にUL信号(例えば、DATA#2)を送信できない。ノード30は、時間Tの経過後に、AP20宛にUL信号(DATA#2)を送信することができる。AP20は、当該UL信号(DATA#2)の受信に成功すると、受信確認応答信号(ACK#2)をDL信号としてノード30宛に送信する。
このDL信号(DATA#2)及びUL信号(ACK#2)の送受信時間Tでは、AP20は、ノード30宛にDL信号を送信することができない。なお、DATA#2及びACK#2の送受信時間Tと、DATA#1及びACK#1の送受信時間Tとは、異なる場合もある。
したがって、図2に示す半二重通信の例では、AP20からノード30宛のDATA#1の送信と、ノード30からAP20宛のDATA#2の送信と、が完了するまでに、最低でも、2Tの時間がかかることになる。なお、時間Tは、データの送信が完了したことを送信元がACKを受信して認識するまでにかかる時間を表すと捉えてもよい。
これに対し、AP20が全二重通信による通信が可能な場合、DL信号及びUL信号の送受信を重複する期間に行なうことができる。例えば、AP20は、或るノード30が送信したUL信号を受信しながら、他のノード20宛にDL信号を送信できる。また、AP20は、或るノード30へDL信号を送信しながら、他のノード30が送信したUL信号を受信できる。
別言すると、AP20は、或るノード30からのUL信号の受信に応じて他のノード30へDL信号を送信してよく、また、或るノード30宛のDL信号の送信に応じて他のノード30が送信したUL信号を受信してよい。なお、「受信に応じて」及び「送信に応じて」は、「受信を契機に」及び「送信を契機に」とそれぞれ読み替えてもよい。
図3に、全二重通信の一例を示す。図3に例示するように、AP20は、或るノード30へDL信号(例えば、DATA#1)を送信しながら、当該ノード30からUL信号(例えば、DATA#2)を受信できる。また、AP20は、ノード30が送信した、DATA#1に対するACK#1を受信しながら、ノード30から受信したDATA#2に対するACK#2をノード20宛に送信できる。
したがって、図3の例では、AP20からノード30宛のDATA#1の送信と、ノード30からAP20宛のDATA#2の送信と、が完了するまでに、図2の例に比べて、半分の時間Tで済む。したがって、全二重通信では、半二重通信に比べて、システムスループットを2倍に向上することが可能である。
しかし、第1のノード30がAP20宛にUL信号を送信中に、AP20が、第1のノード30に電波干渉を与え得る位置関係にある第2のノード30宛に、DL信号を送信してしまうと、第1のノード30のUL信号と、AP20のDL信号と、が干渉し得る。
当該干渉発生の様子を図4及び図5に例示する。図4の例では、AP20の無線通信エリア200に、2つのノード30−1及び30−2(ノードA及びB)が位置している。ノード30−1は、無線通信エリア300−1を形成し、ノード30−2は、無線通信エリア300−2を形成している。なお、「無線通信エリア」は、「カバレッジ」と称してもよい。
そして、ノード30−1の無線通信エリア300−1には、ノード30−2が位置しており、ノード30−2の無線通信エリア300−2には、ノード30−1が位置している。別言すると、3つの無線通信エリア200、300−1及び300−2の重複エリアに、3つの無線機器20、30−1及び30−2が位置している。
このような位置関係では、AP20と一方のノード30との間の通信が、AP20と他方のノード30との間の通信の干渉源になり得る。このように他の通信の干渉源になり得る位置関係にあるノード30は、「非隠れ端末」あるいは「干渉端末」と称してよい。
なお、各ノード30が互いの無線通信エリア外に位置していれば、上記のような電波干渉は生じない。このように電波干渉の生じない位置関係にあるノード30は、「隠れ端末」あるいは「非干渉端末」と称してよい。
ここで、図4及び図5に例示するように、「非隠れ端末」の関係にあるノード30−1及び30−2の一方(例えば、ノード30−1)が、AP20宛にUL信号(DATA#1)を送信中であると仮定する。
AP20は、ノード30−1からのUL信号(DATA#1)の受信中に、全二重通信可能なことから、他方のノード30−2宛にDL信号(DATA#2)を送信すると、ノード30−1のUL信号(DATA#1)が、ノード30−2宛のDL信号(DATA#2)に干渉する。そのため、ノード30−2は、AP20からのDL信号(DATA#2)を正しく受信できない。
また、AP20が例えばノード30−2宛のDL信号(DATA#2)を送信中に、ノード30−2に対する「非隠れ端末」であるノード30−1が、AP20宛にUL信号(DATA#1)を送信した場合も、当該UL信号がノード30−2宛のDL信号に干渉する。そのため、ノード30−2は、AP20からのDL信号を正しく受信できない。
このように、互いに電波干渉となり得る「非隠れ端末」の関係にある2つのノード30と、AP20と、が同時に信号の送受信を行なうと、AP20のDL信号と、ノード30のUL信号と、が干渉(「衝突」と称してもよい。)してしまうことがある。
結果として、AP20が全二重通信を行なっても、システムスループットが向上せず、半二重通信で実現可能なシステムスループットしか得られない可能性がある。
そこで、本実施形態では、互いに電波干渉となり得る「非隠れ端末」の関係にある2つのノード30と、AP20と、が同時に信号の送受信を行なわないように、AP20の全二重通信を制御する。別言すると、互いに電波干渉とならない「隠れ端末」の関係にあるノード30と、AP20と、の間で全二重通信が許容されるように通信を制御する。
これにより、「非隠れ端末」に起因する電波干渉の発生を抑止あるいは低減することができ、全二重通信により本来的に実現可能と期待されるスループットを達成することができる。例えば、半二重通信で実現可能なスループットの2倍のスループットを実現することができる。別言すると、無線通信システム1における無線通信の性能を向上できる。
このような通信制御を実現するには、例えばAP20が、「非隠れ端末」(あるいは「隠れ端末」)の関係にあるノード30の情報を把握できればよい。そこで、本実施形態では、例示的に、各ノード30が、互いに干渉になり得る他のノード(非隠れ端末)30を検出し、検出したノード30の情報をAP20に送信(「通知」と称してもよい。)する。
例えば、或る第1のノード30に対して干渉になり得る第2のノード30は、第1のノード30に無線電波が到達して第1のノード30が無線信号を受信できる位置に存在するノード30である。
別言すると、第1のノード30の無線通信エリアに位置するノード30が非隠れ端末30に相当する。第1のノード30は、例えば、他の第2のノード30が送信した信号の送信元情報を検出して破棄せずに記憶することで、非隠れ端末30の情報を検出、記憶できる。
なお、第1のノード30の無線通信エリアに位置する第2のノード30であっても、第1のノード30の「非隠れ端末30」に相当しない(別言すると、「隠れ端末30」に相当する)と判断してよい場合もある。
例えば、後述するように、複数のAP20毎に送信信号に対して異なるプリアンブルパターンが設定される場合がある。この場合、異なるAP20にアクセスする2つのノード30は、互いの無線通信エリアに位置していても、AP20から受信する信号のプリアンブルのパターンが異なる。したがって、各ノード30は、互いに電波干渉があっても希望信号を正しく受信できるので、互いに干渉しない「隠れ端末30」であると判断してよい。
各ノード30で検出した非隠れ端末(干渉端末)30の情報は、例示的に、リスト形式の情報(「非隠れ端末リスト」あるいは「干渉端末リスト」と称してもよい。)としてAP20に通知されてよい。非隠れ端末30の検出及び通知は、定期的に実施されてもよいし、不定期で実施されてもよい。
AP20は、或るノード30からのUL信号の受信中にDL信号を送信する際に、各ノード30から受信した干渉端末リストを基に、UL信号の送信元ノード30に対して干渉源とならない隠れ端末30を選んでDL信号を当該隠れ端末30宛に送信する。
別言すると、AP20は、干渉端末リストを基に、DL信号の送信によって、受信中のUL信号に干渉する非隠れ端末30をDL信号の送信先候補から除外する。更に別言すると、AP20は、干渉端末リストを基に、受信中のUL信号に干渉する非隠れ端末30を避けるようにしてDL信号の送信先を選択する。当該「選択」は、「スケジューリング」と称してもよい。
一方、ノード30は、AP20宛のUL信号を送信する際に、AP20が送信中のDL信号の送信先ノード30が、自ノード30が保有する干渉端末リストに存在するか否かを判定する。AP20のDL信号の送信先ノード30が干渉端末リストに存在しなければ、UL信号を送信しても干渉は生じないので、ノード30は、AP20宛のUL信号を送信する。これに対し、AP20のDL信号の送信先ノード30が干渉端末リストに存在していれば、UL信号を送信すると干渉が生じるので、ノード30は、AP20宛のUL信号の送信を抑止する。
別言すると、ノード30は、干渉端末リストに存在する他のノード30宛にAP20がDL信号を送信している時間をAP20宛のUL信号の送信タイミング候補から除外する。更に別言すると、ノード30は、干渉端末リストに存在する他のノード30宛にAP20がDL信号を送信している時間を避けるようにして、AP20宛のUL信号の送信タイミングを制御する。
(動作例)
以下、上述した通信制御の一例について、図6〜図11を参照して説明する。図6に例示するように、AP20の無線通信エリア200に、8つのノード30−1〜30−8(端末A〜H)が位置しており、端末AがAP20宛にUL信号を送信するケースを想定する。
なお、AP20は、例示的に、図7に示す干渉端末リスト21を記憶している。干渉端末リスト21の第1のエントリは、第1列に示される端末Aにとって第2列に示される端末B及びHがそれぞれ干渉端末であることを示す。以降のエントリについても同様であり、干渉端末リスト21の第1列に示される端末B〜Hのそれぞれにとっての干渉端末が第2列に登録されている。なお、A〜Hは、それぞれ、端末A〜Hの識別情報であると捉えてよい。また、「干渉端末」は、位置的な関係に着目して「隣接端末」と称してもよい。
図7に例示する干渉端末リスト21の各エントリに登録された情報は、既述のとおり、定期又は不定期に、各端末A〜Gから通知される。したがって、各端末A〜Gは、図7に例示する干渉端末リスト21の個々のエントリに相当する情報を干渉端末リスト31として記憶していると捉えてよい。
ここで、AP20が、端末AからのUL信号の受信中にDL信号を送信する第1のケースと、AP20が端末A以外の或る端末30宛のDL信号を送信中に端末AがAP20宛にUL信号を送信する第2のケースと、について説明する。
(第1のケース)
第1のケースでは、例示的に、端末AがUL信号をAP20に送信し、AP20が、当該UL信号の受信に応じて、端末Aにとっての非干渉端末(「非隣接端末」と称してもよい。)30宛にDL信号を送信することを想定する。
図7に例示したように、端末Aにとっての干渉端末は、端末B及びHであり、これらの干渉端末B及びH以外の端末C〜Gは、端末Aにとっての非干渉端末である。AP20は、端末AからのUL信号を受信し、UL信号のプリアンブル検出を行ない、ヘッダフィールドを復号する。
「プリアンブル」は、AP20と端末A〜Gとの間で既知のパターンを有する信号の一例であり、送受信信号の同期を確立するために用いられる。同期が確立することによって、例えばAP20は、ヘッダフィールドの受信タイミングを識別でき、適切なタイミングでヘッダフィールドを復号することができる。
AP20が複数存在する場合、プリアンブル(パターン)は、AP20(のBSSID)毎に異なっていてよい。BSSIDは、“Basic Service Set Identifier”の略称である。BSSIDは、AP20を識別する識別情報の一例であり、例示的に、AP20のMACアドレスであってよい。
ヘッダフィールドには、例示的に、当該ヘッダフィールドが付加された信号の送信元や、データ長、変調方式、伝送速度等を識別可能な情報が設定されてよい。信号の送信元を識別可能な情報は、「送信元情報」と称してよく、例えば、MACアドレス等のアドレス情報であってよい。AP20は、復号したヘッダフィールドの情報を基に、受信したUL信号の送信元や、データ長、変調方式、伝送速度等を識別できる。
その後、AP20は、各端末A〜Hから定期あるいは定期的に通知された干渉端末リスト31を基に構築した干渉端末リスト21に基づいて、識別した端末Aにとっての非干渉端末30(例えば、端末F)を選択(あるいは、推定)し、AP20の送信バッファに端末F宛のDL信号を保持しているかどうかをチェックする。
端末F宛のDL信号が送信バッファに保持されていれば、AP20は、端末F宛にDL信号を送信する。その際、AP20の送信アンテナから受信アンテナに端末FへのDL信号が回り込んで干渉信号として受信され得る。しかし、AP20は、自身が送信中のDL信号を知っているので、受信アンテナで受信した信号から当該DL信号成分をキャンセルすることができる。したがって、AP20は、端末AがAP20宛に送信しているUL信号を正しく受信できる。
ここで、DL信号の送信先端末Fと、UL信号の送信元端末Aと、は、互いに非干渉端末であるため、端末AがAP20宛に送信するUL信号と、AP20が端末F宛に送信するDL信号と、は干渉しない。したがって、AP20から端末F宛に送信したDL信号も、端末Fで正しく受信される。
図8は、上述した第1のケースにおけるAP20の動作例を示すフローチャートである。なお、図8には、DL信号及びUL信号が、それぞれ、パケットデータ(以下「パケット」と略称することがある。)である場合について例示している。
図8に例示するように、AP20は、プリアンブルの検出可否によって、パケットを受信したか否かを判定する(処理P11)。プリアンブルの検出に失敗した場合、AP20は、パケットを受信していないと判断して、その後の受信処理を行なわなくてよい(処理P11のNoルート)。
一方、プリアンブルを検出した場合(処理P11でYesの場合)、AP20は、ヘッダフィールドを復号して(処理P12)、データフィールドの受信処理を行なう(処理P13)。なお、ヘッダフィールドの復号結果に含まれる送信元アドレス情報を基に、AP20は、受信パケットの送信元端末30(例えば、端末A)を識別できる。
パケットの受信処理には、データフィールドの復調、及び、CRC(Cyclic Redundancy Check)符号を用いた誤り訂正復号が含まれてよい。受信パケットにCRCエラーが無ければ(処理P14のNoルート)、AP20は、SIFS(Short Inter Frame Space)時間の経過を待って(処理P15)、受信パケットの送信元端末A宛にACK信号を送信する(処理P16)。CRCエラーが有った場合(処理P14のYesルート)、AP20は、CRCエラーの有った受信パケットを破棄してパケット受信処理を終了してよい。
また、AP20は、パケットの受信(プリアンブルの検出)に応じて、ヘッダフィールドの復号結果を基に識別される送信元端末30(例えば、端末A)にとっての非干渉端末30宛のパケットがバッファに保持されているかどうかをチェックする(処理P17)。当該チェックは、例示的に、図7に示した干渉端末リスト21に基づいて実施される。
非干渉端末30(例えば、端末F)宛のパケットがバッファに保持されていなければ(処理P17のNoルート)、AP20は、DL送信を行なわない。一方、非干渉端末F宛のパケットがバッファに保持されていれば(処理P17でYesの場合)、AP20は、ヘッダフィールドの復号結果から識別されるパケット長を基に、非干渉端末F宛のパケット長を調整する(処理P18)。
例えば、AP20は、識別したパケット長を基に、端末AからのULパケットの受信が終了(完了)する予定のタイミング(「受信終了タイミング」と称してよい。)を算出(「推定」と称してもよい。)する。
そして、AP20は、算出した受信終了タイミングで端末Aにとっての非干渉端末F宛のDLパケットの送信が終了するように、端末F宛のDLパケットのパケット長を調整して端末F宛に当該パケットを送信する(処理P19)。なお、DLのパケット長の調整は、DLの信号長の調整の一例である。DLのパケット長を調整することで、端末30宛のDL信号の送信期間を容易に制御できる。
その後、AP20は、例えばSIFS時間の経過を待って(処理P20)、端末FからACK信号が受信されるか否かを監視する(処理P21)。
ACK信号が受信されれば(処理P21でYesの場合)、AP20は、端末F宛のDLパケットの送信が正常に完了したと認識して処理を終了してよい。所定時間が経過しても、ACK信号が受信されなければ(処理P21でNoの場合)、AP20は、端末Fに対する再送制御等のバックオフ処理を実施してよい(処理P22)。例えば、AP20は、端末FからACK信号を受信するまで、端末F宛にパケットを再送してよい。
次に、図10に、第1のケースでの送信パケット長調整処理の一例をタイミングチャートにて模式的に示す。なお、図10において、端末Aと端末Fとは「隠れ端末」の関係にあり、互いに非隣接端末に相当する。
端末Aは、時刻T1において、AP20宛にULパケットの送信を開始する。当該ULパケットのパケット長は、例示的にLA1(LA1は正の実数)である。したがって、端末Aは、時刻T1からパケット長LA1分の送信にかかる時間後の時刻T3(T3>T1)において、ULパケットの送信を終了(完了)する。
AP20は、端末AからのULパケットのプリアンブルを検出し、プリアンブル検出に成功すると、ヘッダフィールド(以下、単に「ヘッダ」とも称する。)を復号する。復号結果を基に、AP20は、受信したULパケットの送信元が端末Aであることを識別する。
AP20は、識別した送信元端末Aに対して干渉とならない非干渉端末F宛の送信データを送信バッファに保持しているか否かを確認する。端末F宛の送信データを送信バッファに保持していれば、AP20は、復号したヘッダに設定されているパケット長(LA1)から、端末Aにとっての非干渉端末F宛に送信可能なDLパケットのサイズ(例えば、パケット長LF1)を計算する。
例えば、ULパケットの送信元端末Aの識別により当該端末Aに対する非干渉端末Fが、非干渉端末リスト21(図7参照)を基に識別されて、AP20が、当該端末FへDLパケットを送信できる状態になった時刻がT2(T1<T2<T3)であったとする。
この場合、AP20は、時刻T2からULパケットの受信終了タイミングに相当する時刻T3までに送信可能なDLパケットのパケット長LF1を計算する。そして、AP20は、パケット長LF1に応じたデータ量の端末F宛の送信データを送信バッファから読み出して、端末F宛のパケット長LF1のDLパケットを生成し、端末F宛に送信する。これにより、端末F宛のDLパケットの送信終了タイミングが、端末AからのULパケットの受信終了タイミング(時刻T3)に一致する。
AP20は、自身の送信アンテナから送信しているDL信号を受信アンテナで受信した信号からキャンセルすることで、端末AからのULパケットを正しく受信できる。
ULパケットの受信及びDLパケットの送信がそれぞれ時刻T3において完了してから、SIFS時間の経過を待って、例えば時刻T4において、AP20は端末Aに、端末FはAP20にそれぞれACK信号を送信する。
ULパケットの受信及びDLパケットの送信がそれぞれ同一時刻T3において完了するので、ULパケット及びDLパケットそれぞれに対するACK信号の送受信タイミングも一致する。
例えば、AP20において、端末A宛のACK信号の送信タイミングと、端末FからのACK信号の受信タイミングと、が一致する。したがって、上述したDLパケットのパケット長調整を実施しない場合に、例えば、AP20において、端末F宛のDLパケットの送信と端末A宛のACK信号の送信とが重複して、両信号を送信できない状況を回避することができる。別言すると、時間リソースの無駄を低減してスループットを向上できる。
なお、AP20は、自身が送信アンテナから端末A宛に送信しているACK信号を、受信アンテナで受信される信号からキャンセルすることで、端末FからAP20宛に送信されたACK信号を正しく受信できる。
(送信パケット長調整処理の具体例)
次に、図8に例示した送信パケット長調整処理(P18)の具体例について、図9のフローチャートを参照して説明する。
AP20は、受信したパケットのヘッダの復号結果に含まれるパケット長から、当該受信パケットの受信が完了する時刻(受信終了タイミング)t1を求めることができる。なお、時刻t1は、例えば図10に例示した時刻T3に相当する。
ここで、現在時刻を「t2」、プリアンブル及びヘッダの合計長に相当する時間を「t3」、1シンボル長に相当する時間を「t4」、送信パケットの1シンボル当たりの送信ビット数を「m」、符号化率を「R」でそれぞれ表すとする。この場合、AP20は、送信可能なデータビット数bを、以下の数式1によって計算することができる(処理P31)。
Figure 2016024356
AP20は、式(1)によって計算される送信可能なデータビット数bと、現在時刻t2において、送信バッファに保持しているデータビット数Bと、を比較する(処理P32)。
比較の結果、送信バッファのデータビット数Bの方が送信可能なデータビット数bよりも大きければ(処理P32でYesの場合)、AP20は、送信データビット数をbに決定する(処理P33)。
そして、AP20は、決定したビット数bの送信データを送信バッファから読み出して符号化率Rにて符号化する(処理P34)。これにより、図10に例示したように、受信パケットの受信終了タイミングに一致するパケット長の送信パケットを生成することができる。
一方、送信バッファのデータビット数Bが送信可能なデータビット数b以下であった場合(処理P32でNoの場合)、AP20は、送信データビット数をBに決定し(処理P35)、当該ビット数Bの送信データを符号化率Rにて符号化する(処理P36)。
送信バッファのデータビット数Bよりも送信可能なデータビット数bが大きければ、AP20は、以下の数式2で計算されるビット数Dをダミービットとして送信パケットに挿入する。
Figure 2016024356
当該ダミービットの挿入によって、図10に例示したように、受信パケットの受信終了タイミングに一致するパケット長の送信パケットを生成することができる。
(第2のケース)
次に、例えば図6において、AP20が端末A以外の或る端末30宛のDL信号を送信中に端末AがAP20宛にUL信号を送信する第2のケースについて、図11及び図12を参照して説明する。
図11は、第2のケースでの端末Aの動作例を示すフローチャートであり、図12は、第2のケースでのパケットの送受信タイミングの一例を示すタイミングチャートである。なお、図11及び12には、DL信号及びUL信号が、それぞれ、パケットである場合について例示している。
図11に例示するように、端末30(例えば、端末A)は、プリアンブルの検出可否によって、パケットを受信したか否かを判定する(処理P41)。プリアンブルの検出に失敗した場合、端末Aは、パケットを受信していないと判断して、その後の受信処理を行なわなくてよい(処理P41のNoルート)。
一方、プリアンブルを検出した場合(処理P41でYesの場合)、端末Aは、ヘッダフィールドを復号して(処理P42)、復号結果の宛先情報から識別される、受信パケットの宛先が自端末A宛であるか否かを判定する(処理P43)。
判定の結果、受信パケットが自端末A宛であれば(処理P43でYesの場合)、端末Aは、当該パケットのデータフィールドの受信処理を行なう(処理P44)。パケットの受信処理には、データフィールドの復調、及び、CRC符号を用いた誤り訂正復号が含まれてよい。
受信パケットにCRCエラーが無ければ(処理P45のNoルート)、端末Aは、SIFS時間の経過を待って(処理P46)、AP20宛にACK信号を送信する(処理P47)。CRCエラーが有った場合(処理P45のYesルート)、端末Aは、CRCエラーの有った受信パケットを破棄してパケット受信処理を終了してよい。
一方、受信パケットが自端末A宛でなかった場合(処理P43でNoの場合)、端末Aは、当該受信パケット宛先が、干渉端末リスト31(図7参照)に登録済みの、自端末Aにとっての隣接端末(例えば、干渉端末F)宛か否かを判定する(処理P48)。
判定の結果、受信パケットの宛先が自端末Aにとっての干渉端末(例えば図6の端末Bや端末H)であった場合(処理P48でNoの場合)、端末AがAP20宛にULパケットを送信してしまうと、干渉端末宛のDLパケットと干渉(衝突)が生じ得る。そのため、端末Aは、送信処理を終了してULパケットの送信を抑止する。
一方、受信パケットが自端末Aにとっての非干渉端末(例えば、端末F)宛であった場合(処理P48でYesの場合)、端末Aは、端末F宛のパケットのヘッダの復号結果から当該パケットのパケット長を識別する。
そして、端末Aは、識別したパケット長から、端末F宛のパケットの受信終了タイミング、別言すると、AP20による端末F宛のパケットの送信終了タイミングを算出する。算出した終了タイミングで、端末AからAP20へのULパケットの送信が終了するように、端末Aは、ULパケットのパケット長を調整して(処理P49)、ULパケットをAP20宛に送信する(処理P50)。なお、パケット長の調整処理は、図9に例示した処理P31〜P37と同様でよい。ULのパケット長の調整は、ULの信号長の調整の一例である。ULのパケット長を調整することで、AP20宛のUL信号の送信期間を容易に制御できる。
ULパケットの送信終了後、SIFS時間の経過を待って(処理P51)、端末Aは、当該ULパケットに対するACK信号がAP20から受信されるか否かを監視する(処理P52)。
ACK信号が受信されれば(処理P52でYesの場合)、端末Aは、ULパケットの送信が正しく完了したと認識して処理を終了してよい。所定時間が経過しても、AC信号が受信されなければ(処理P52でNoの場合)、端末Aは、AP20に対する再送制御等のバックオフ処理を実施してよい(処理P53)。例えば、端末Aは、AP20からACK信号を受信するまで、AP20宛にパケットを再送してよい。
次に、図12を参照して、第2のケースでの送信パケット長調整処理の一例をタイミングチャートにて模式的に示す。なお、図12において、端末Aと端末Fとは「隠れ端末」の関係にあり、互いに非隣接端末に相当する。
AP20は、時刻T11において、端末F宛にDLパケットの送信を開始する。当該DLパケットのパケット長は、例示的にLF2(LF2は正の実数)である。したがって、AP20は、時刻T1からパケット長LF2分の送信にかかる時間後の時刻T13(T13>T11)において、DLパケットの送信を終了(完了)する。
一方、端末Aは、端末F宛のDLパケットをプリアンブル検出によって受信すると、ヘッダの復号結果から受信パケットが自端末Aにとっての非干渉端末F宛のDLパケットであると判断する。
そして、端末Aは、復号したヘッダに設定されているパケット長LF2から、端末F宛のDLパケットの終了時刻T13を計算し、当該終了時刻T13までにAP20宛に送信可能なパケットサイズ(例えば、パケット長LA2)を計算する。
例えば、端末Aにおいて、AP20宛の送信データが生じ、AP20宛のULパケットを送信できる状態になった時刻がT12(T11<T12<T13)であったとする。
この場合、端末Aは、時刻T12から端末F宛のDLパケットの終了タイミングに相当する時刻T13までに送信可能なULパケットのパケット長LA2を計算する。そして、端末Aは、パケット長LA2に応じたデータ量のAP20宛の送信データを送信バッファから読み出して、AP20宛のパケット長LA2のULパケットを生成し、AP20宛に送信する。これにより、AP20宛のULパケットの送信終了タイミングが、端末F宛のDLパケットの終了タイミング(時刻T13)に一致する。
AP20は、自身の送信アンテナから送信している端末F宛のDL信号を受信アンテナで受信した信号からキャンセルすることで、端末AからのUL信号を正しく受信できる。
DLパケットの送信及びULパケットの受信がそれぞれ時刻T13において完了してから、SIFS時間の経過を待って、例えば時刻T14において、端末FはAP20宛に、AP20は端末A宛に、それぞれACK信号を送信する。
DLパケットの送信及びULパケットの受信がそれぞれ同一時刻T13において完了するので、DLパケット及びULパケットそれぞれに対するACK信号の送受信タイミングも一致する。
例えば、AP20において、端末FからのACK信号の受信タイミングと、端末A宛のACK信号の送信タイミングと、が一致する。したがって、端末AがULパケットのパケット長調整を実施しない場合に、例えば、AP20において、端末F宛のDLパケットの送信と端末A宛のACK信号の送信とが重複して、両信号を送信できない状況を回避することができる。別言すると、時間リソースの無駄を低減してスループットを向上できる。
なお、AP20は、自身が送信アンテナから端末A宛に送信しているACK信号を、受信アンテナで受信される信号からキャンセルすることで、端末FからAP20宛に送信されたACK信号を正しく受信できる。
以上のように、上述した第1及び第2のケースを含む実施形態によれば、端末30が互いに電波干渉し得る他の干渉端末30の情報をAP20に通知し、AP20が、通知された情報を基に、互いに電波干渉しない端末30を選んで全二重通信を行なう。
別言すると、AP20による全二重通信において、送信と受信とを同一期間に実施する端末30の選択を最適化することができる。
例えば、AP20は、或る端末30からのUL信号の受信中に、当該端末30にとっての非干渉端末30を宛先に選んでDL信号を送信できる。
また、端末30は、AP20から送信されているDL信号の宛先が自端末30にとっての非干渉端末30である時間を選んでAP20宛にUL信号を送信できる。別言すると、無線通信システム1において、AP20から送信されているDL信号の宛先端末30に対して干渉しない非干渉端末30が、UL信号を送信可能な端末30に選ばれる。
このようにして、無線通信システム1のスループットの向上を図ることができる。
例えば、無線通信システム1におけるULの通信時間を「TUL」、ULのビットレートを「BUL」、DLの通信時間を「TDL」、DLのビットレートを「BDL」で表すとき、半二重通信のDLスループットは、TDLDL/TDL=BDLとなる。また、半二重通信のULスループットは、TULUL/TUL=BULとなる。
これに対し、上述したAP20による全二重通信によれば、ULの通信時間TUL及びDLの通信時間TDLのそれぞれの時間リソースにおいて信号を送受信できるので、DLスループットは、(TDL+TUL)BDL/TDL=(1+TUL/TDL)BDLとなる。また、ULスループットは、(TDL+TUL)BUL/TUL=(1+TDL/TUL)BULとなる。
したがって、半二重通信に比べて、DLスループットは1+TUL/TDL倍にでき、ULスループットは1+TDL/TUL倍にできる。ULの通信時間TULと、DLの通信時間TDLと、が同じ時間であれば、DL及びULのスループットは、それぞれ、2倍になる。
(AP20及び端末30の構成例)
次に、図13〜図16を参照して、上述したAP20及び端末30の構成例について説明する。なお、図13は、AP20の機能的な構成例を示す機能ブロック図であり、図14は、端末30の機能的な構成例を示す機能ブロック図である。また、図15は、AP20のハードウェア構成例を示すブロック図であり、図16は、端末30のハードウェア構成例を示すブロック図である。
(AP20の機能的構成例)
図13に示すAP20は、例示的に、受信アンテナ201、受信アンプ202、受信ミキサ(乗算器)203、ローカル発振器204、アナログ−デジタル変換器(ADC)205、データ受信部206、及び、受信パケット長識別部207を備える。
また、AP20は、例示的に、送信元端末識別部208、隣接端末情報収集部209、隣接端末リスト生成部210、送信先端末決定部211、送信パケット調整部212、送信パケット生成部213を備える。更に、AP20は、例示的に、デジタル−アナログ変換器(DAC)214、送信ミキサ(乗算器)215、送信アンプ216、及び、送信アンテナ217を備える。
受信アンテナ201は、空間に電波として放射された信号を受信する。
受信アンプ202は、受信アンテナ201で受信された信号を増幅する。受信アンプ202は、例示的に、低雑音増幅器(LNA)であってよい。
受信ミキサ203は、受信アンプ202で増幅された受信信号に、ローカル発振器204の出力信号をミキシングする(乗じる)ことで、無線周波数(RF)の受信信号をベースバンド信号に周波数変換(「ダウンコンバート」と称してよい。)する。
ローカル発振器204は、上記のダウンコンバートと、送信ミキサ215による周波数変換(「アップコンバート」と称してよい。)と、に用いられる、連続波の交流信号を発振、出力する。
ADC205は、受信ミキサ203にてベースバンド信号にダウンコンバートされた受信アナログ信号をデジタル信号に変換する。
データ受信部206は、例示的に、ADC205によって得られた受信デジタル信号についてプリアンブル検出を行ない、ヘッダの復号を行なう。
受信パケット長識別部207は、データ受信部206でのヘッダの復号結果から、受信デジタル信号であるパケットのパケット長を識別する。識別されたパケット長は、例えば、送信パケット長調整部212に通知される。
送信元端末識別部208は、データ受信部206でのヘッダの復号結果から、受信したパケットの送信元端末30を識別する。識別した送信元端末30の情報は、例えば、送信先端末決定部211に通知される。
隣接端末情報収集部209は、例示的に、ADC205により得られた受信デジタル信号から、各端末30が検出、送信した干渉端末リスト31を収集して隣接端末リスト生成部210へ送信する。
隣接端末リスト生成部210は、隣接端末情報収集部209から受信した干渉端末リスト31を基に、図7に例示した干渉端末リスト21を生成する。生成された干渉端末リスト21は、例えば、送信先端末決定部211に与えられる。
データ受信部206、受信パケット長識別部207、送信元端末識別部208、隣接端末情報収集部209、及び、隣接端末リスト生成部210は、端末30が送信したUL信号を受信する受信部(又は受信系)の一例に相当すると捉えてよい。当該受信部には、受信アンテナ201、受信アンプ、受信ミキサ203及びADC205が含まれてもよい。
送信先端末決定部211は、干渉端末リスト21を基に、既述の第1のケースにおいて、UL信号の受信に応じてDL信号を送信しても当該UL信号に干渉しない非干渉端末30を選択、決定する。
送信パケット長調整部212は、図8〜図10にて既述のように、非干渉端末30宛に送信するDLパケットのパケット長を調整する。例えば、送信パケット長調整部212は、受信パケット長識別部207で識別されたULの受信パケット長から、当該パケットの受信終了タイミングを算出する。
そして、送信パケット長調整部212は、算出した受信終了タイミングで、送信先端末決定部211で決定した非干渉端末30宛のDLパケットの送信が終了するように、非干渉端末30宛のDLパケットのパケット長(別言すると、送信データ量)を調整する。
送信パケット生成部213は、送信パケット長調整部212によって調整されたデータ量の送信データをデータフィールドに含む送信(DL)パケットを生成する。また、送信パケット生成部213は、データフィールドに対して、送信元及び宛先を示すアドレス情報を含むヘッダフィールドを付加する。
送信先端末決定部211、送信パケット長調整部212及び送信パケット生成部213は、端末30宛のDLのパケット(データ)を送信する送信部(又は送信系)の一例に相当すると捉えてよい。
当該送信部は、第1の端末30からの第1の信号の一例であるUL信号の受信に応じて、当該第1の端末30の無線通信エリア外に位置する第2の端末30宛に第2の信号の一例であるDL信号を送信する送信制御部の一例に相当すると捉えてもよい。なお、送信部には、DAC214、送信ミキサ215、送信アンプ216及び送信アンテナ217が含まれてもよい。
DAC214は、送信パケット生成部213で生成された送信デジタル信号であるDLパケットをアナログ信号に変換する。
送信ミキサ215は、DAC214の出力信号に、ローカル発振器204の出力信号をミキシングすることにより、DLの送信アナログ信号を無線信号にアップコンバートする。
送信アンプ216は、送信ミキサ215で無線信号にアップコンバートされたDLの送信信号を規定の送信電力に増幅する。送信アンプ216は、例示的に、高出力電力増幅(HPA)であってよい。また、送信アンプ216の送信電力は、可変制御されてよい。
送信アンテナ217は、送信アンプ216で増幅されたDLの送信信号を無線電波として空間に放射する。
(AP20のハードウェア構成例)
次に、図14を参照してAP20のハードウェア構成例を説明する。図14に示すAP20は、図13に例示した構成に比して、プロセッサ221及びメモリ222を備える点が異なる。
プロセッサ221は、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)等の演算能力を備えた演算装置の一例であり、AP20の全体的な動作を制御する。演算装置は、プロセッサデバイスあるいはプロセッサ回路と称してもよい。
プロセッサ221が、メモリ222に記憶されたプログラムやデータを読み取って動作することによって、図13に例示した各部206〜213の機能が具現される。
メモリ222は、上記のプログラムやデータを記憶する記憶デバイスの一例であり、RAM(Random Access Memory)やハードディスクドライブ(HDD)等であってよい。メモリ222に、図7に例示した干渉端末リスト21が記憶される。また、メモリ222において、既述の送信バッファが構成される。当該送信バッファに保持されている送信データ量が、送信可能なデータ量よりも少なければ、図9にて既述のダミービットによるパケット長調整が行なわれる。
(端末30の機能的構成例)
次に、図15を参照して、端末30の機能的な構成例を説明する。図15に示す端末30は、例示的に、送受信アンテナ301、アンテナ共用器317、受信アンプ302、受信ミキサ(乗算器)303、ローカル発振器304、ADC305、データ受信部306、及び、受信パケット長識別部307を備える。
また、端末30は、例示的に、送信宛先識別部308、隣接端末情報生成部309、隣接端末リスト生成部310、送信可否決定部311、送信パケット調整部312、送信パケット生成部313を備える。更に、端末30は、例示的に、DAC314、送信ミキサ(乗算器)315、及び、送信アンプ316を備える。
送受信アンテナ301は、送信アンプ316から出力されるULの送信信号を無線電波として空間に放射し、また、無線電波として空間に無線電波として放射されたDLの信号を受信する。
アンテナ共用器317は、送受信アンテナ301で受信されたDLの信号を受信アンプ303へ出力し、送信アンプ316から出力されたULの信号を送受信アンテナ301へ出力する。
受信アンプ302は、送受信アンテナ301で受信されアンテナ共用器317から入力される受信信号を増幅する。受信アンプ302は、例示的に、低雑音増幅器(LNA)であってよい。
受信ミキサ303は、受信アンプ302で増幅された受信信号に、ローカル発振器304の出力信号をミキシングする(乗じる)ことで、無線周波数(RF)の受信信号をベースバンド信号に周波数変換(ダウンコンバート)する。
ローカル発振器304は、上記のダウンコンバートと、送信ミキサ315による周波数変換(アップコンバート)と、に用いられる、連続波の交流信号を発振、出力する。
ADC305は、受信ミキサ303にてベースバンド信号にダウンコンバートされた受信アナログ信号をデジタル信号に変換する。
データ受信部306は、例示的に、ADC305によって得られた受信デジタル信号についてプリアンブル検出を行ない、ヘッダの復号を行なう。
受信パケット長識別部307は、データ受信部306でのヘッダの復号結果から、受信デジタル信号であるパケットのパケット長を識別する。識別されたパケット長は、例えば、送信パケット長調整部312に通知される。
送信宛先識別部308は、データ受信部306でのヘッダの復号結果から、受信したパケットの宛先端末30を識別する。識別した宛先端末30の情報は、例えば、送信可否決定部311に通知される。
隣接端末情報生成部309は、例示的に、ADC305により得られた受信デジタル信号から、自端末30と「非隠れ端末」の関係にある隣接端末(干渉端末)30を検出、生成する。
隣接端末リスト生成部310は、隣接端末情報生成部309で生成された隣接端末の情報を基に、干渉端末リスト31(図7参照)を生成する。生成された干渉端末リスト31は、例えば、送信可否決定部211と、送信パケット生成部313と、に与えられる。
データ受信部306、受信パケット長識別部307、送信宛先識別部308、隣接端末情報生成部309、及び、隣接端末リスト生成部310は、AP20が送信したDL信号を受信する受信部(又は受信系)の一例に相当すると捉えてよい。当該受信部には、送受信アンテナ301、受信アンプ302、受信ミキサ303及びADC305が含まれてもよい。
送信可否決定部311は、干渉端末リスト31を基に、既述の第2のケースにおいて、送信宛先識別部308で識別された受信DL信号の宛先端末30が、干渉端末リスト31に干渉端末30として登録されているか否かを判定する。
そして、送信可否決定部311は、受信DL信号の宛先端末30が干渉端末30でなければ、AP20宛のUL信号の送信を決定し、受信DL信号の宛先端末30が干渉端末30であれば、AP宛のUL信号の送信を抑止する。
送信パケット長調整部312は、図11、図12、図9にて既述のように、AP20宛に送信するULパケットのパケット長を調整する。例えば、送信パケット長調整部312は、受信パケット長識別部307で識別されたDLの受信パケット長から、当該パケットの受信終了タイミングを算出する。
そして、送信パケット長調整部312は、算出した受信終了タイミングで、AP20宛のULパケットの送信が終了するように、AP20宛のULパケットのパケット長(別言すると、送信データ量)を調整する。
送信パケット生成部313は、送信パケット長調整部312によって調整されたデータ量の送信データをデータフィールドに含む送信(UL)パケットを生成する。また、送信パケット生成部313は、データフィールドに対して、送信元及び宛先を示すアドレス情報を含むヘッダフィールドを付加する。
送信可否決定部311、送信パケット長調整部312及び送信パケット生成部313は、AP20へUL信号を送信する送信部(又は送信系)の一例に相当すると捉えてよい。当該送信部は、第1の信号の一例であるDL信号の宛先が、第1の端末の一例である自端末30の無線通信エリア外に位置する第2の端末30であることを検出すると、AP20へ第2の信号の一例であるUL信号を送信する送信制御部の一例に相当してよい。なお、送信部には、DAC314、送信ミキサ315、送信アンプ317、及び、送受信アンテナ301が含まれてよい。
DAC314は、送信パケット生成部313で生成された送信デジタル信号であるULパケットをアナログ信号に変換する。
送信ミキサ315は、DAC314の出力信号に、ローカル発振器304の出力信号をミキシングすることにより、ULの送信アナログ信号を無線信号にアップコンバートする。
送信アンプ316は、送信ミキサ315で無線信号にアップコンバートされたULの送信信号を規定の送信電力に増幅する。送信アンプ316は、例示的に、HPAであってよい。また、送信アンプ316の送信電力は、可変制御されてよい。
送信アンプ316で増幅されたULの送信信号は、アンテナ共用器317を通じて送受信アンテナ301に出力され、送受信アンテナ301から無線電波として空間に放射される。
(端末30のハードウェア構成例)
次に、図16を参照して端末30のハードウェア構成例を説明する。図16に示す端末30は、図15に例示した構成に比して、プロセッサ321及びメモリ322を備える点が異なる。
プロセッサ321は、CPUやDSP等の演算能力を備えた演算装置の一例であり、端末30の全体的な動作を制御する。
プロセッサ321が、メモリ322に記憶されたプログラムやデータを読み取って動作することによって、図15に例示した各部306〜313の機能が具現される。
メモリ322は、上記のプログラムやデータを記憶する記憶デバイスの一例であり、RAMやHDD等であってよい。メモリ322に、干渉端末リスト31(図7参照)が記憶される。また、メモリ322において、既述の送信バッファが構成される。当該送信バッファに保持されている送信データ量が、送信可能なデータ量よりも少なければ、図9にて既述のダミービットによるパケット長調整が行なわれる。
なお、図16中に、点線で示すように、端末30には、センサ323が備えられていてもよい。センサ323は、温度、湿度、圧力、位置、変位、距離、速度、加速度、角速度、電圧、電流、磁気、光等の物理量を単独あるいは複合的にセンシング(測定)する。
センサ323の測定結果は、例えば、プロセッサ321に与えられて、送受信アンテナ301から送信されてよい。別言すると、センサ323を備える端末30は、無線通信機能を具備したセンサデバイスやメータ(測定器)に相当すると捉えてよい。なお、センサは、AP20にも備えられていて構わない。別言すると、AP20が、無線通信機能を具備したセンサデバイスやメータ(測定器)に相当してもよい。
1 無線通信システム(無線LAN)
20 アクセスポイント(AP)
21 干渉端末リスト(隣接端末リスト)
200 無線通信エリア
201 受信アンテナ
202 受信アンプ
203 受信ミキサ(乗算器)
204 ローカル発振器
205 アナログ−デジタル変換器(ADC)
206 データ受信部
207 受信パケット長識別部
208 送信元端末識別部
209 隣接端末情報収集部
210 隣接端末リスト生成部
211 送信先端末決定部
212 送信パケット調整部
213 送信パケット生成部
214 デジタル−アナログ変換器(DAC)
215 送信ミキサ(乗算器)
216 送信アンプ
217 送信アンテナ
30−1〜30−N 無線機器(端末)
31 干渉端末リスト(隣接端末リスト)
300−1,300−2 無線通信エリア
301 送受信アンテナ
302 受信アンプ
303 受信ミキサ(乗算器)
304 ローカル発振器
305 ADC
306 データ受信部
307 受信パケット長識別部
308 送信宛先識別部
309 隣接端末情報生成部
310 隣接端末リスト生成部
311 送信可否決定部
312 送信パケット調整部
313 送信パケット生成部
314 DAC
315 送信ミキサ(乗算器)
316 送信アンプ
317 アンテナ共用器
321 プロセッサ
322 メモリ
323 センサ

Claims (17)

  1. アクセスポイントと、
    前記アクセスポイントと無線通信する複数の無線機器と、を備え、
    前記アクセスポイントは、
    第1の無線機器が送信した第1の信号の受信に応じて、前記第1の無線機器の無線通信エリア外に位置する第2の無線機器宛の第2の信号を送信する、無線通信システム。
  2. 前記アクセスポイントは、
    前記第1の信号の受信終了タイミングで前記第2の信号の送信が終了するように、前記第2の信号の送信期間を制御する、請求項1に記載の無線通信システム。
  3. 前記複数の無線機器は、それぞれの無線通信エリアに位置する他の無線機器の情報を前記アクセスポイントに送信し、
    前記アクセスポイントは、
    前記無線機器の情報に基づいて、前記第1の無線機器の無線通信エリア外に位置する前記第2の無線機器を判定する、請求項1又は2に記載の無線通信システム。
  4. アクセスポイントと、
    前記アクセスポイントと無線通信する複数の無線機器と、を備え、
    第1の無線機器は、
    前記第1の無線機器の無線通信エリア外に位置する第2の無線機器宛に前記アクセスポイントが送信した第1の信号の受信に応じて、前記アクセスポイントへ第2の信号を送信する、無線通信システム。
  5. 前記第1の無線機器は、
    前記第1の信号の受信終了タイミングで前記第2の信号の送信が終了するように、前記第2の信号の送信期間を制御する、請求項4に記載の無線通信システム。
  6. 前記第1の無線機器は、
    前記第1の無線機器の無線通信エリアに位置する他の無線機器の情報を検出し、
    前記無線機器の情報に基づいて、前記第1の無線機器の無線通信エリア外に位置する前記第2の無線機器を判定する、請求項4又は5に記載の無線通信システム。
  7. アクセスポイントと、前記アクセスポイントと無線通信する複数の無線機器と、を備えた無線通信システムの通信方法であって、
    前記アクセスポイントは、
    第1の無線機器が送信した第1の信号を受信し、
    前記第1の信号の受信に応じて、前記第1の無線機器の無線通信エリア外に位置する第2の無線機器宛の第2の信号を送信する、無線通信システムの通信方法。
  8. 複数の無線機器と無線通信が可能なアクセスポイントであって、
    第1の無線機器が送信した第1の信号を受信する受信部と、
    前記第1の信号の受信に応じて、前記第1の無線機器の無線通信エリア外に位置する第2の無線機器宛に第2の信号を送信する送信制御部と、を備えた、アクセスポイント。
  9. 前記送信制御部は、
    前記第1の信号の受信終了タイミングで前記第2の信号の送信が終了するように、前記第2の信号の送信期間を制御する、請求項8に記載のアクセスポイント。
  10. 前記送信期間の制御は、前記第2の信号の信号長を調整することを含む、請求項9に記載のアクセスポイント。
  11. 前記送信制御部は、
    前記第1の信号の受信終了タイミング後に、前記第1の信号の確認応答信号を前記第1の無線機器宛に送信し、
    前記受信部は、前記確認応答信号の送信中に前記第2の無線機器から前記第2の信号の確認応答信号を受信する、請求項9又は10に記載のアクセスポイント。
  12. 前記受信部は、
    前記複数の無線機器から、それぞれの無線通信エリアに位置する他の無線機器の情報を受信し、
    前記送信制御部は、
    受信した前記無線機器の情報に基づいて、前記第1の無線機器の無線通信エリア外に位置する前記第2の無線機器を判定する、請求項8〜11のいずれか1項に記載のアクセスポイント。
  13. アクセスポイントと無線通信する無線機器であって、
    前記アクセスポイントが送信した第1の信号を受信する受信部と、
    前記第1の信号の宛先が、第1の無線機器である前記無線機器の無線通信エリア外に位置する第2の無線機器であることを検出すると、前記アクセスポイントへ第2の信号を送信する送信制御部と、を備えた無線機器。
  14. 前記送信制御部は、
    前記第1の信号の受信終了タイミングで前記第2の信号の送信が終了するように、前記第2の信号の送信期間を制御する、請求項13に記載の無線機器。
  15. 前記送信期間の制御は、前記第2の信号の信号長を調整することを含む、請求項14に記載の無線機器。
  16. 前記受信部は、
    前記第2の信号の送信終了タイミング後に、前記アクセスポイントが、前記第2の無線機器から前記第1の信号の確認応答信号を受信している期間に送信した、前記第2の信号の確認応答信号を受信する、請求項14又は15に記載の無線機器。
  17. 前記受信部は、前記第1の無線機器の無線通信エリアに位置する他の無線機器の情報を検出し、
    前記送信制御部は、前記無線機器の情報に基づいて、前記第2の無線機器が前記第1の無線機器の無線通信エリアに位置しないことを検出する、請求項13〜16のいずれか1項に記載の無線機器。
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