JPWO2016021270A1 - 制御装置、制御装置の群及び電力貯蔵装置 - Google Patents

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Abstract

モジュール電池の温度を目標温度に近づけながら複数のヒータの各々の消費電力を複数のヒータにわたって合計した合計消費電力を安定させる。相対的に低頻度で繰り返し到来する複数の第1の更新機会の各々に、複数の温度の制御の単位の各々について、温度を目標温度にするためにヒータに供給する必要がある必要電力が更新される。必要電力は、次に到来する第1の更新機会まで一定に維持される。相対的に高頻度で繰り返し到来する複数の第2の更新機会の各々に、合計必要電力と合計消費電力との電力差が基準内になるように選択されたヒータが更新される。選択されたヒータは、次に到来する第2の更新機会まで一定に維持される。選択されたヒータは、オンにすることを許可されるヒータ又はオンにされるヒータである。

Description

本発明は、モジュール電池の温度の制御に関する。
ナトリウム−硫黄電池は、高温動作型の二次電池である。このため、ナトリウム−硫黄電池を使用した電力貯蔵装置においては、単電池、ヒータ等を容器の内部に収容したモジュール電池が構成され、モジュール電池の温度が目標温度に近づくようにヒータが制御される。例えば、ナトリウム−硫黄電池を使用した電力貯蔵補償装置において単電池の周囲の温度が300℃以上330℃以下になるようにヒータをON−OFF制御することが特許文献1に記載されている。
特開2010−86963号公報
電力貯蔵装置においては、電気的に接続された複数のモジュール電池が同時に放電し同時に充電される。同時に放電し同時に充電される複数のモジュール電池においては、温度が同期して変動し、複数のヒータに供給しなければならない電力が同期して変動する。このため、複数のモジュール電池が同時に放電し同時に充電される電力貯蔵装置においては、複数のヒータの消費電力を複数のヒータにわたって合計した合計消費電力の変動が大きくなる。
例えば、モジュール電池の温度が低下した場合にヒータをオンにする時間を長くしモジュール電池の温度が目標温度に近づいた場合にヒータをオンにする時間を短くする制御を行う電力貯蔵装置において、複数のモジュール電池が同時に放電することにより複数のモジュール電池の温度が上昇した後に複数のモジュール電池が同時に充電されることにより又は同時に放電を停止することにより複数のモジュール電池の温度が低下する場合を考える。この場合は、複数のモジュール電池において、温度が低下する時機が同時に到来し、ヒータをオンにする時間が長くなる時機が同時に到来する。このため、合計消費電力が特定の時機に増加する場合がある。
合計消費電力の変動が大きい場合は、合計消費電力が最大になった場合にそなえて電力を供給する機構を準備しなければならない。例えば、変圧器、遮断機等を合計消費電力が最大になった場合でも複数のヒータへの電力の供給を継続できるものにしなければならない。これは、電力を供給する機構の肥大化をまねく。
この問題は、ナトリウム−硫黄電池以外の高温動作型の二次電池が使用される場合にも生じる。
本発明は、この問題を解決するためになされる。本発明の目的は、モジュール電池の温度を目標温度に近づけながら複数のヒータの各々の消費電力を複数のヒータにわたって合計した合計消費電力を安定させることである。
本発明は、モジュール電池の温度を制御する制御装置に向けられる。複数の温度の制御の単位の各々は、温度センサ及びヒータを備える。これにより、複数の温度の制御の単位は、複数の温度センサ及び複数のヒータを備える。
本発明の第1の局面によれば、制御装置は、温度調節器及び制御機構を備える。
温度調節器は、複数の温度の制御の単位の各々について、温度センサの検出結果から現在の温度を取得する。
温度調節器は、複数の温度の制御の単位の各々について、温度を目標温度にするためにヒータをオンにすべきか又はオフにすべきかを現在の温度及び温度プロファイルに基づいて判断する。
温度調節器は、複数の温度の制御の単位の各々について、ヒータをオンにすべきと判断しヒータが選択された場合にヒータをオンにし、ヒータをオンにすべきと判断したがヒータが選択されなかった場合に又はヒータをオフにすべきと判断した場合にヒータをオフにする。
制御機構は、相対的に低頻度で繰り返し到来する複数の第1の更新機会の各々に複数の温度の制御の単位の各々について温度を目標温度にするためにヒータに供給する必要がある必要電力を現在の温度及び目標温度に基づいて更新し、次に到来する第1の更新機会まで必要電力を一定に維持する。
制御機構は、相対的に高頻度で繰り返し到来する複数の第2の更新機会の各々に複数のヒータから選択されたヒータを合計必要電力と合計消費電力との電力差が基準内になるように更新し、次に到来する第2の更新機会まで複数のヒータから選択されたヒータを一定に維持する。合計必要電力は、必要電力を複数のヒータにわたって合計した電力である。合計消費電力は、複数のヒータの各々の消費電力を複数のヒータにわたって合計した電力である。
本発明の第2の局面によれば、制御装置は、温度測定機構、ヒータ制御機構及び制御機構を備える。
温度測定機構は、複数の温度の制御の単位の各々について、温度センサの検出結果から現在の温度を取得する。
ヒータ制御機構は、複数の温度の制御の単位の各々について、ヒータが選択された場合にヒータをオンにし、ヒータが選択されない場合にヒータをオフにする。
制御機構は、相対的に低頻度で繰り返し到来する複数の第1の更新機会の各々に複数の温度の制御の単位の各々について温度を目標温度にするためにヒータに供給する必要がある必要電力を現在の温度及び目標温度に基づいて更新し、次に到来する第1の更新機会まで必要電力を一定に維持する。
制御機構は、相対的に高頻度で繰り返し到来する複数の第2の更新機会の各々に複数のヒータから選択されたヒータを合計必要電力と合計消費電力との電力差が基準内になるように更新し、次に到来する第2の更新機会まで複数のヒータから選択されたヒータを一定に維持する。合計必要電力は、必要電力を複数のヒータにわたって合計した電力である。合計消費電力は、複数のヒータの各々の消費電力を複数のヒータにわたって合計した電力である。
本発明は、制御装置及び上位制御装置を備える制御装置の群にも向けられ、制御装置及びモジュール電池を備える電力貯蔵措置にも向けられる。
一の第1の更新機会から次に到来する他の第1の更新機会までの期間において、合計必要電力が一定に維持され、合計消費電力が合計必要電力に近づけられる。このため、当該期間において合計消費電力がほぼ一定に維持される。
合計必要電力は、複数の温度の制御の単位の各々の温度を目標温度にするために供給する必要がある電力である。このため、一の第1の更新機会から次に到来する他の第1の更新機会までの期間において、合計消費電力を合計必要電力に近づけることにより、複数の温度の制御の単位の各々の温度が目標温度に近づく。
一の第1の更新機会から次に到来する他の第1の更新機会までの期間において複数の温度の制御の単位の各々の温度を目標温度に近づけることにより、第1の更新機会の前後で合計必要電力が大きく変動しない。これにより、第1の更新機会の前後で合計消費電力が大きく変動しない。
これらにより、モジュール電池の温度を目標温度に近づけながら複数のヒータの各々の消費電力を複数のヒータにわたって合計した合計消費電力を安定させることができる。
これらの及びこれら以外の本発明の目的、特徴、局面及び利点は、添付図面とともに考慮されたときに下記の本発明の詳細な説明によってより明白となる。
電力貯蔵装置等のブロック図である。 モジュール電池の断面図である。 温度制御系のブロック図である。 必要電力等が更新される時機を示すタイムチャートである。 温度プロファイルの例を示すグラフである。 温度調節器のブロック図である。 温度調節器のモードを切り替える処理の流れを示すフローチャートである。 許可取得モードにおける処理の流れを示すフローチャートである。 自律モードにおける処理の流れを示すフローチャートである。 制御機構のブロック図である。 必要電力等を更新する処理の流れを示すフローチャートである。 選択されたヒータを更新する処理の流れを示すフローチャートである。 制御機構のモードを切り替える処理の流れを示すフローチャートである。 複数のモジュール電池等を示すブロック図である。 複数のモジュール電池等を示すブロック図である。 選択されたヒータを更新する処理の流れを示すフローチャートである。 温度制御系のブロック図である。 選択されたヒータを更新する処理の流れを示すフローチャートである。 複数のモジュール電池等を示すブロック図である。 複数のモジュール電池等を示すブロック図である。
1 第1実施形態
1.1 電力貯蔵装置
図1のブロック図は、電力貯蔵装置1000等を示す。
図1に示されるように、電力貯蔵装置1000は、複数の電池ユニット1010、複数の双方向変換器1011、変圧器1012、電力線1013、上位制御装置1014等を備える。電力貯蔵装置1000の構成は、電力貯蔵装置1000の仕様に応じて変更される。例えば、電池ユニット1010の数及び双方向変換器1011の数は、電力貯蔵装置1000の仕様に応じて増減される。
電力貯蔵装置1000が系統1020へ送電する場合は、複数の電池ユニット1010が放電し、複数の電池ユニット1010から系統1020へ電力線1013により電力が伝送される。複数の電池ユニット1010の各々からの電力は、複数の電池ユニット1010の各々に対応する双方向変換器1011により直流から交流へ変換され、変圧器1012により昇圧される。
電力貯蔵装置1000が系統1020から受電する場合は、系統1020から複数の電池ユニット1010へ電力線1013により電力が伝送され、複数の電池ユニット1010が充電される。複数の電池ユニット1010の各々への電力は、変圧器1012により降圧され、複数の電池ユニット1010の各々に対応する双方向変換器1011により交流から直流へ変換される。
電力貯蔵装置1000は、負荷平準化運転を行ってもよいし、負荷追従運転を行ってもよい。電力貯蔵装置1000が停電対策又は瞬低対策に使用されてもよい。
1.2 電池ユニット
図1に示されるように、複数の電池ユニット1010の各々は、複数のモジュール電池1030、配線1031、制御装置1032、筐体1033等を備える。電池ユニット1010の構成は、電池ユニット1010の仕様に応じて変更される。例えば、モジュール電池1030の数は、電池ユニット1010の仕様に応じて増減される。制御装置1032及び上位制御装置1014は、制御装置の群を構成する。
複数の電池ユニット1010の各々においては、複数のモジュール電池1030が配線1031により電気的に直列に接続される。直列数は、典型的には10から20までである。複数のモジュール電池1030の電気的な接続が変更されてもよい。例えば、複数のモジュール電池1030を電気的に直列に接続した電池列が構成され、複数の電池列が電気的に並列に接続されてもよい。電池ユニット1010が放電する場合は、放電する電池ユニット1010が備える複数のモジュール電池1030が同時に放電する。電池ユニット1010が充電される場合は、充電される電池ユニット1010が備える複数のモジュール電池1030が同時に充電される。
複数の電池ユニット1010の各々においては、同時に放電し同時に充電される複数のモジュール電池1030の温度が制御装置1032に制御され、複数のモジュール電池1030、配線1031、制御装置1032等が筐体1033の内部に設置される。
1.3 モジュール電池
図2の断面図は、モジュール電池1030を模式的に示す。
図2に示されるように、モジュール電池1030は、複数の単電池1040、配線1041、温度センサ1042、ヒータ1043、砂1044、容器1045等を備える。モジュール電池1030の構成は、モジュール電池1030の仕様に応じて変更される。例えば、単電池1040、温度センサ1042及びヒータ1043の数は、モジュール電池1030の仕様に応じて増減される。
複数の単電池1040の各々は、ナトリウム−硫黄電池である。複数の単電池1040の各々がナトリウム−硫黄電池以外の高温動作型の二次電池であってもよい。
複数の単電池1040は、配線1041により電気的に接続される。モジュール電池1030が放電する場合は、複数の単電池1040が同時に放電する。モジュール電池1030が充電される場合は、複数の単電池1040が同時に充電される。
温度センサ1042は、容器1045の内部の温度を検出する。
ヒータ1043は、供給された電力を熱に変換し、容器1045の内部を加熱する。
容器1045の内部には、複数の単電池1040、配線1041、温度センサ1042、ヒータ1043、砂1044等が収容される。複数の単電池1040、配線1041、温度センサ1042、ヒータ1043等は、砂1044に埋設される。
1.4 温度制御系
図3のブロック図は、温度制御系1050を示す。
図3に示されるように、複数のモジュール電池1030の各々は、温度センサ1042及びヒータ1043を備える。これにより、複数のモジュール電池1030は、複数の温度センサ1042及び複数のヒータ1043を備える。複数のモジュール電池1030の各々は、1個の温度の制御の単位になる。複数の温度の制御の単位の各々は、残余の温度の制御の単位とは別に温度を制御できるように構成された部分であり、温度の制御に使用される少なくとも1個の温度センサ及び少なくとも1個のヒータを備える。
制御装置1032は、複数の温度調節器1060、制御機構1061、電力計1062、温度センサ1063、電力線1064、電力線1065等を備える。複数の温度調節器1060は、互いに独立している。互いに独立している複数の温度調節器1060に代えて、複数の温度調節器1060を内蔵した機構が備えられてもよい。
複数の温度調節器1060の各々は、対応するモジュール電池1030の温度を目標温度T2t(i)に近づけるための個別判断を行う。自然数iは、複数のモジュール電池1030の各々を識別する。制御機構1061は、複数のヒータ1043の各々の消費電力を複数のヒータ1043にわたって合計した合計消費電力Wを安定させるための全体判断を行う。複数の温度調節器1060の各々は、対応するモジュール電池1030が備えるヒータ1043をオンにする又はオフにする場合に、複数の温度調節器1060の各々による個別判断に加えて制御機構1061による全体判断を考慮する。これにより、複数のモジュール電池1030の各々の温度が目標温度T2t(i)に近づき、合計消費電力Wが安定する。
複数の温度調節器1060の各々は、対応するモジュール電池1030について、温度センサ1042の検出結果から現在の温度T1a(i)を取得し、温度を目標温度T2t(i)にするためにヒータ1043をオンにすべきか又はオフにすべきかを現在の温度T1a(i)及び温度プロファイルに基づいて判断する。
複数の温度調節器1060の各々は、対応するモジュール電池1030について、ヒータ1043をオンにすべきと判断した場合にオンリクエスト信号を制御機構1061へ送信する。複数の温度調節器1060の各々は、対応するモジュール電池1030について、ヒータ1043をオンにすべきと判断しオン許可信号を制御機構1061から受信できた場合にヒータ1043をオンにし、ヒータ1043をオンにすべきと判断したがオン許可信号を制御機構1061から受信できない場合に又はヒータ1043をオフにすべきと判断した場合にヒータ1043をオフにする。
複数の温度調節器1060の各々は、対応するモジュール電池1030について、目標温度T2t(i)から現在の温度T1a(i)を減じた温度差T2t(i)-T1a(i)、温度差T2t(i)-T1a(i)の時間積分及び温度差T2t(i)-T1a(i)の時間微分に基づいて、ヒータ1043をオンにすべきか又はオフにすべきかを判断する。温度差T2t(i)-T1a(i)が大きくなるほどヒータ1043をオンにすべきという判断がされやすくなり、温度差T2t(i)-T1a(i)の時間積分が大きくなるほどヒータ1043をオンにすべきという判断がされやすくなり、温度差T2t(i)-T1a(i)の時間微分が大きくなるほどヒータ1043をオンにすべきという判断がされやすくなる。判断の基礎となる因子又は判断のアルゴリズムが変更されてもよい。
制御機構1061は、オンリクエスト信号を受信し、オンリクエスト信号の送信元の温度調節器1060に対応するモジュール電池1030が備えるヒータ1043を選択する場合にオンリクエスト信号の送信元の温度調節器1060へオン許可信号を送信し、オンリクエスト信号の送信元の温度調節器1060に対応するモジュール電池1030が備えるヒータ1043を選択しない場合にオンリクエスト信号の送信元の温度調節器1060へオン許可信号を送信しない。したがって、複数の温度調節器1060の各々がオン許可信号を受信できるのは対応するモジュール電池1030が備えるヒータ1043が選択された場合であり、複数の温度調節器1060の各々がオン許可信号を受信できないのは対応するモジュール電池1030が備えるヒータ1043が選択されなかった場合である。
制御機構1061は、複数のモジュール電池1030の各々について温度を目標温度T2t(i)にするためにヒータ1043に供給する必要がある必要電力WD(i)を現在の温度T1a(i)及び目標温度T2t(i)に基づいて求め、必要電力WD(i)を複数のヒータ1043にわたって合計した合計必要電力WDtを求める。
制御機構1061は、合計消費電力Wが合計必要電力WDtに近づくように複数のヒータ1043の全部又は一部を選択する。選択は、望ましくは現在の温度T1a(i)が現在の目標温度T1t(i)以下であるモジュール電池1030が備えるヒータ1043から行われる。これにより、現在の温度T1a(i)が現在の目標温度T1t(i)より高いモジュール電池1030が加熱されない。
電力計1062は、合計消費電力Wを測定する。電力計1062が合計消費電力Wを実測することにより、複数のヒータ1043の各々に印加される電圧が定格電圧からずれている、複数のヒータ1043の各々の抵抗値が定格抵抗値からずれている等の理由により複数のヒータ1043の各々の消費電力が定格消費電力からずれている場合でも、合計消費電力Wが正確に測定される。電力計1062以外の電力測定機構により合計消費電力Wが測定されてもよい。例えば、ヒータ用の電力を伝送する電力線1064の電圧を電圧計が測定し、電力線1064を流れる電流を電流計が測定し、当該電圧と当該電流とを乗算器が乗じることにより、合計消費電力Wが測定されてもよい。
温度センサ1063は、複数のモジュール電池1030の周辺温度Taを検出する。複数のモジュール電池1030の各々に対応する温度センサが備えられてもよい。温度センサ1063が筐体1033の外部において周辺温度Taを検出してもよい。周辺温度Taが一定であるとみなせる環境に電力貯蔵装置1000が設置される場合は、温度センサ1063が省略されてもよい。
電力線1064は、ヒータ用の電力を温度調節器1060へ伝送する。電力線1065は、制御用の電力を温度調節器1060及び制御機構1061へ伝送する。
1.5 更新機会
図4のタイムチャートは、必要電力WD(i)、合計必要電力WDt及び選択されたヒータ1043が更新される時機を示す。
制御機構1061は、図4に示されるように、周期CT1で繰り返し到来する複数の更新機会1070の各々に、必要電力WD(i)及び合計必要電力WDtを更新する。更新された必要電力WD(i)及び合計必要電力WDtは、次に到来する更新機会1070まで一定に維持される。
制御機構1061は、周期CT2で繰り返し到来する複数の更新機会1071の各々に、選択されたヒータ1043を更新する。更新された、選択されたヒータ1043は、次に到来する更新機会1071まで一定に維持される。
周期CT1は周期CT2より長く、更新機会1071は更新機会1070より高頻度で到来する。一の更新機会1070から次に到来する他の更新機会1070までの期間1080と、一の更新機会1071から次に到来する他の更新機会1071までの期間1081とを考えた場合は、複数の期間1080の各々に複数の期間1081が属する。これにより、オンすべきと判断されたヒータ1043の一部が選択された場合でも、選択されたヒータ1043が更新機会1071に更新され、オンにすべきと判断されたヒータ1043の中において実際にオンにされるヒータ1043が偏ることが抑制される。
1.6 温度制御系の利点
温度制御系1050によれば、複数の期間1080の各々において、合計必要電力WDtが一定に維持され、合計消費電力Wが合計必要電力WDtに近づけられる。このため、複数の期間1080の各々において、合計消費電力Wがほぼ一定に維持される。
合計必要電力WDtは、複数のモジュール電池1030の各々の温度を目標温度T2t(i)にするために供給する必要がある電力である。このため、複数の期間1080の各々において、合計消費電力Wを合計必要電力WDtに近づけることにより、複数のモジュール電池1030の各々の温度が目標温度T2t(i)に近づく。
複数の期間1080の各々において複数のモジュール電池1030の各々の温度を目標温度T2t(i)に近づけることにより、更新機会1070の前後で合計必要電力WDtが大きく変動しない。これにより、更新機会1070の前後で合計消費電力Wが大きく変動しない。
これらにより、複数のモジュール電池1030の各々の温度を目標温度T2t(i)に近づけながら合計消費電力Wを安定させることができる。
複数のモジュール電池1030が同時に放電し同時に充電される場合は、複数のモジュール電池1030の温度が同期して変動し、複数のモジュール電池1030を加熱しなければならない時機が同時に到来する。このため、複数のモジュール電池1030が同時に放電し同時に充電されるにもかかわらず合計消費電力Wを変動しにくくするための処理が行われない場合は、複数のヒータ1043の全部が同時にオンにされることが想定され、複数のヒータ1043の各々の定格消費電力を複数のヒータ1043にわたって合計した電力と制御装置1032及び温度調節器1060が消費する電力とを合計した電力以上の電力を供給できる非常用電源を停電が発生した場合に備えて準備しなければならない。これに対して、温度制御系1050によれば、合計消費電力Wを変動しにくくするための処理が行われるため、合計必要電力WDt程度の電力を供給できる非常用電源を停電が発生した場合に備えて準備すれば足りる。変圧器、遮断機等についても同様である。
1.7 温度プロファイル及び目標温度
図5のグラフは、温度プロファイルの例を示す。
図5に示される温度プロファイルは、モジュール電池1030の温度を最終目標温度まで上昇させる場合の時間とモジュール電池1030の温度との関係を示す。最終目標温度は、305℃である。最終目標温度は、モジュール電池1030の仕様に応じて変更される。
現在の目標温度T1t(i)は、温度プロファイルにしたがってモジュール電池1030の温度が上昇する場合の、現在の時刻t1に到来する更新機会1070におけるモジュール電池1030の温度である。目標温度T2t(i)は、温度プロファイルにしたがってモジュール電池1030の温度が上昇する場合の、未来の時刻t2に到来する更新機会1070におけるモジュール電池1030の温度であり、望ましくは次に到来する更新機会1070におけるモジュール電池1030の温度である。現在の目標温度T1t(i)及び目標温度T2t(i)が温度プロファイルによらずに決定される場合もある。例えば、モジュール電池1030の温度が最終目標温度に到達した後にモジュール電池1030の温度を最終目標温度に維持する場合は、最終目標温度が現在の目標温度T1t(i)及び目標温度T2t(i)になってもよい。
1.8 必要電力及び合計必要電力
必要電力WD(i)は、複数のモジュール電池1030の各々から放熱される熱を補うのに必要な電力WD1(i)と、複数のモジュール電池1030の各々から放熱される熱が存在しない場合に複数のモジュール電池1030の各々の温度を目標温度T2t(i)にするのに必要な電力WD2(i)と、の和である。
必要電力WD(i)が複数のモジュール電池1030の各々の温度を次に到来する更新機会1070に目標温度T2t(i)にするために複数のモジュール電池1030の各々が備えるヒータ1043に供給する必要がある電力である場合は、電力WD1(i)は、現在の温度T1a(i)及び目標温度T2t(i)を平均した平均温度{T1a(i)+T2t(i)}/2から周辺温度Taを減じた温度差[{T1a(i)+T2t(i)}/2]-Taと第1の係数との積であり、電力WD2(i)は、目標温度T2t(i)から現在の温度T1a(i)を減じた温度差T2t(i)-T1a(i)と第2の係数との積である。
したがって、周辺温度と温度差TDrが生じている場合に複数のモジュール電池1030の各々から単位時間に放熱される熱がWOであるとし、複数のモジュール電池1030の各々の熱容量がCであるとし、モジュール電池1030の数がn個であるとした場合は、必要電力WD(i)及び合計必要電力WDtは、それぞれ以下の式1及び式2で表現される。
Figure 2016021270
1.9 温度調節器
温度調節器1060には、組み込みコンピュータが内蔵される。組み込みコンピュータは、インストールされたファームウェアを実行し、ファームウェアにしたがって処理を行う。組み込みコンピュータが担う処理の全部又は一部がソフトウェアを実行しないハードウェアにより担われてもよい。
図6のブロック図は、温度調節器1060を示す。
図6に示されるように、温度調節器1060の記憶部1100には、温度プロファイル1110及び制限温度差1111が記憶される。
1.10 温度調節器のモードの切り替え
温度調節器1060のモードは、許可取得モードと自律モードとの間で切り替えられる。複数の温度調節器1060の各々のモードは残余の温度調節器1060のモードから独立しているため、許可取得モードと自律モードとの切り替えは複数のモジュール電池1030の各々について行われる。互いに独立している複数の温度調節器1060に代えて複数の温度調節器1060を内蔵した機構が備えられる場合も、複数のモジュール電池1030の各々について許可取得モードと自律モードとの切り替えが行われる。
図7のフローチャートは、温度調節器1060のモードを切り替える処理の流れを示す。
図7に示されるように、温度調節器1060は、ステップ1120において、現在の目標温度T1t(i)から現在の温度T1a(i)を減じた温度差T1t(i)-T1a(i)が制限温度差DT未満であるか否かを判定する。現在の目標温度T1t(i)は、記憶部1100から読み出された温度プロファイル1110から得られる。現在の温度T1a(i)は、温度センサ1042の検出結果から取得される。制限温度差DT(制限温度差1111)は、記憶部1100から読み出される。温度調節器1060は、ステップ1120において温度差T1t(i)-T1a(i)が制限温度差DT未満であると判定した場合は、ステップ1121において許可取得モードとなる。温度調節器1060は、ステップ1120において温度差T1t(i)-T1a(i)が制限温度差DT以上であると判定した場合は、ステップ1122において自律モードとなる。
1.11 許可取得モード
図8のフローチャートは、許可取得モードにおける処理の流れを示す。許可取得モードにおける処理は、「1.4 温度制御系」の欄で説明した制御を行うために実行される。
図8に示されるように、温度調節器1060は、ステップ1130において、ヒータ1043をオンにすべきか又はオフにすべきかを判断する。温度調節器1060は、ステップ1130においてヒータ1043をオンにすべきと判断した場合は、ステップ1131においてオンリクエスト信号を制御機構1061へ送信する。
続いて、温度調節器1060は、ステップ1132において、オンリクエスト信号への応答のオン許可信号を受信できたか否かを判定する。温度調節器1060は、ステップ1132においてオン許可信号を受信できたと判定した場合は、ステップ1133においてヒータ1043をオンにする。温度調節器1060は、ステップ1132においてオン許可信号を受信できなかったと判定した場合は、ステップ1134においてヒータ1043をオフにする。
温度調節器1060は、ステップ1130においてヒータ1043をオフにすべきと判断した場合は、ステップ1134においてヒータ1043をオフにする。
これにより、温度調節器1060がヒータ1043をオンにすべきと判断し制御機構1061がヒータ1043を選択した場合はヒータ1043がオンにされ、温度調節器1060がヒータ1043をオンにすべきと判断したが制御機構1061がヒータ1043を選択しなかった場合又は温度調節器1060がヒータ1043をオフにすべきと判断した場合はヒータ1043がオフにされる。オンにされたヒータ1043には、温度調節器1060から電力が供給される。オフにされたヒータ1043には、温度調節器1060から電力が供給されない。
1.12 自律モード
図9のフローチャートは、自律モードにおける処理の流れを示す。自律モードにおける処理は、「1.4 温度制御系」の欄で説明した制御とは異なる制御を例外的に行うために実行される。
図9に示されるように、温度調節器1060は、ステップ1140において、光を発すること、音を鳴らすこと等により自律モードになったことを報知する。
続いて、温度調節器1060は、ステップ1141において、ヒータ1043をオンにすべきか又はオフにすべきかを判断する。温度調節器1060は、ステップ1141においてヒータ1043をオンにすべきと判断した場合は、ステップ1142においてヒータ1043をオンにする。温度調節器1060は、ステップ1141においてヒータ1043をオフにすべきと判断した場合は、ステップ1143においてヒータ1043をオフにする。
これにより、温度調節器1060がヒータ1043をオンにすべきと判断した場合は、制御機構1061がヒータ1043を選択したか否かにかかわらずヒータ1043がオンにされ、温度調節器1060がヒータ1043をオフにすべきと判断した場合は、ヒータ1043がオフにされる。
自律モードにより、温度調節器1060が制御機構1061からオン許可信号を正常に受信できない等の原因により温度差T1t(i)-T1a(i)が適正範囲外となった場合に温度調節器1060のモードが許可取得モードから自律モードへ移行し、温度差T1t(i)-T1a(i)が適正範囲内に復帰する。これにより、モジュール電池1030の劣化が抑制される。温度調節器1060が自律モードになった場合は、合計消費電力Wを変動しにくくするための制御機構1061の判断が自律モードになった温度調節器1060に対応するヒータ1043のオン又はオフに反映されないため、合計消費電力Wが変動しやすくなる。しかし、温度調節器1060が自律モードになったことを報知することにより、操作者は温度調節器1060が自律モードになったことを認識でき、正常な電池ユニット1010を使用して合計消費電力Wが変動することを抑制する等の措置をとることができる。また、自律モードになった温度調節器1060が発生した場合に、許可取得モードのままの温度調節器1060に対して合計必要電力WDt及び選択されたヒータ1043の更新を継続することにより、合計消費電力Wの変動が抑制される。
1.13 制御機構
制御機構1061には、組み込みコンピュータが内蔵される。組み込みコンピュータは、インストールされたファームウェアを実行し、ファームウェアにしたがって処理を行う。組み込みコンピュータが担う処理の全部又は一部がソフトウェアを実行しないハードウェアにより担われてもよい。
図10のブロック図は、制御機構1061を示す。
図10に示されるように、制御機構1061の記憶部1150には、温度プロファイル1160及び複数のヒータ1043の各々の定格消費電力1161が記憶される。モジュール電池1030の温度が最終目標温度に到達した後にモジュール電池1030の温度を最終目標温度に維持する制御のみを制御機構1061が行う場合は、温度プロファイル1160が記憶部1150に記憶されていなくてもよく、記憶部1150の容量を削減できる。
1.14 必要電力、合計必要電力、選択されたヒータ、オンにされるヒータ及びオフにされるヒータの更新
図11のフローチャートは、必要電力WD(i)、合計必要電力WDt、選択されたヒータ1043、オンにされるヒータ1043及びオフにされるヒータ1043を更新する処理の流れを示す。
図11に示される処理は、ステップ1170から1173までの必要電力WD(i)及び合計必要電力WDtを更新する第1の処理と、ステップ1174から1177までの選択されたヒータ1043、オンにされるヒータ1043及びオフにされるヒータ1043を更新する第2の処理と、に大別される。
制御機構1061は、図11に示されるように、ステップ1170において、CT1タイマにより監視されている時間が周期CT1を経過したか否かを判定する。制御機構1061は、CT1タイマにより監視されている時間が周期CT1を経過したとステップ1170において判定した場合は、ステップ1171において必要電力WD(i)を更新し、ステップ1172において合計必要電力WDtを更新し、ステップ1173においてCT1タイマをリセットし、必要電力WD(i)及び合計必要電力WDtを更新する処理を終了する。制御機構1061は、CT1タイマにより監視されている時間が周期CT1を経過していないとステップ1170において判定した場合は、必要電力WD(i)及び合計必要電力WDtを更新せずに第1の処理を終了する。
必要電力WD(i)及び合計必要電力WDtを更新する処理が終了した後に、制御機構1061は、ステップ1174において、CT2タイマにより監視されている時間が周期CT2を経過したか否かを判定する。制御機構1061は、CT2タイマにより監視されている時間が周期CT2を経過したとステップ1174において判定した場合は、ステップ1175において選択されたヒータ1043を更新する。これに応答して、複数の温度調節器1060の各々は、ステップ1176において、対応するモジュール電池1030が備えるヒータ1043をオンにするか又はオフにする。続いて、制御機構1061は、ステップ1177においてCT2タイマをリセットし、選択されたヒータ1043、オンにされるヒータ1043及びオフにされるヒータ1043を更新する処理を終了する。制御機構1061は、CT2タイマにより監視されている時間が周期CT2を経過していないとステップ1174において判定した場合は、選択されたヒータ1043、オンにされるヒータ1043及びオフにされるヒータ1043を更新せずに第2の処理を終了する。
これにより、周期CT1で繰り返し到来する複数の更新機会1070の各々に必要電力WD(i)及び合計必要電力WDtが更新され、周期CT2で繰り返し到来する複数の更新機会1071の各々に選択されたヒータ1043、オンにされるヒータ1043及びオフにされるヒータ1043が更新される。
1.15 選択されたヒータの更新
図12のフローチャートは、選択されたヒータ1043を更新する処理の流れを示す。
制御機構1061は、図12に示されるように、ステップ1180において、ヒータ1043を選択する順を決定する。ヒータ1043を選択する順は、ヒータ1043を備えるモジュール電池1030における温度差T1t(i)-T1a(i)が大きい順である。これにより、温度差T1t(i)-T1a(i)が大きいモジュール電池1030が備えるヒータ1043、すなわち、オンにする必要性が高いヒータ1043がオンされやすくなる。温度差T1t(i)-T1a(i)は、温度調節器1060から取得される。制御機構1061が現在の温度T1a(i)を取得し温度差T1t(i)-T1a(i)を求めてもよい。ヒータ1043を選択する順を決定する基礎となる因子が変更されてもよい。例えば、ヒータ1043を選択する順が、温度調節器1060がオンにすべきと判断したが制御機構1061が選択しなかった時間が長い順又は温度調節器1060がオンにすべきと判断したが制御機構1061が選択しなかった回数が多い順であってもよい。この場合は、選択されたヒータ1043については時間又は回数が0にリセットされる。
続いて、制御機構1061は、ステップ1181において、決定された順が最も上位のヒータ1043を選択していないヒータ1043から選択し、選択されたヒータ1043を1つ増加させる。
続いて、制御機構1061は、ステップ1182において、選択されたヒータ1043を備えるモジュール電池1030に対応する温度調節器1060にオン許可信号を送信する。このとき、オン許可信号を受信した温度調節器1060が選択されたヒータ1043をオンにするため、合計消費電力Wは選択されたヒータ1043の消費電力の分だけ増加する。
続いて、制御機構1061は、ステップ1183において、合計必要電力WDtから次に選択するヒータ1043の定格消費電力Wmを減じた電力WDt-Wmを合計消費電力Wが超えているか否かを判定する。合計消費電力Wは、電力計1062から取得される。次に選択するヒータ1043の定格消費電力Wm(定格消費電力1161)は、記憶部1150から読み出される。制御機構1061は、ステップ1183において合計消費電力Wが電力WDt-Wmを超えていると判定した場合は、選択されたヒータ1043を更新する処理を終了する。制御機構1061は、ステップ1183において合計消費電力Wが電力WDt-Wmを超えていないと判定した場合は、ステップ1181に戻ってステップ1181から1183までを繰り返す。
これにより、選択されたヒータ1043が更新される場合に、選択されたヒータ1043がない状態から選択されたヒータ1043がひとつずつ増やされ、合計消費電力Wが電力WDt-Wmを初めて超えるまでヒータ1043が決定された順に追加選択される。
この場合は、通常は、合計消費電力Wと合計必要電力WDtとの電力差WDt-Wが0以上Wm未満という基準内になるように複数のヒータ1043の全部又は一部が選択される。ただし、現在の温度T1a(i)が目標温度T1t(i)以下であるモジュール電池1030が備えるヒータ1043から選択が行われる場合は、現在の温度T1a(i)が目標温度T1t(i)以下であるモジュール電池1030が不足し電力差WDt-Wが0以上Wm未満という基準を上回る場合もある。
基準が変更されてもよい。例えば、合計必要電力WDtが、合計必要電力WDtに補正値Waddを加えた電力WDt+Waddに置き換えられてもよい。この場合は、合計消費電力Wが電力WDt+Wadd-Wmを初めて超えるまでヒータ1043が決定された順に追加選択され、電力差WDt-Wが-Wadd以上Wm-Wadd未満という基準内になるように複数のヒータ1043の全部又は一部が選択される。
0以上Wm未満という基準が採用された場合は、合計消費電力Wが合計必要電力WDt以下になるため、複数のモジュール電池1030の各々の温度を目標温度T2t(i)にするのに必要な電力が複数のヒータ1043に供給されず、複数のモジュール電池1030の全部又は一部の温度が次に到来する更新機会1070に目標温度T2t(i)にならない。この場合は、次に到来する更新機会1070に合計必要電力WDtが大きくなり、不十分な温度の上昇が解消に向かうが、合計消費電力W及び合計必要電力WDtが変動しやすくなる。これに対して、補正値Waddにより合計必要電力WDtが補正された場合は、合計消費電力Wが合計必要電力WDtにより近づき、合計消費電力W及び合計必要電力WDtが変動しにくくなる。補正値Waddは、望ましくは次に選択されるヒータ1043の定格消費電力の1/2である。これにより、合計消費電力W及び合計必要電力WDtの変動を抑制する効果が特に大きくなる。
1.16 制御機構のモードの切り替え
制御機構1061のモードは、通常モードと停電モードとの間で切り替えられる。
図13のフローチャートは、制御機構1061のモードを切り替える処理を示す。
図13に示されるように、制御機構1061は、ステップ1190において、停電が発生しているか否かを判定する。制御機構1061は、ステップ1190において停電が発生していると判定した場合は、ステップ1191において停電モードとなる。制御機構1061は、ステップ1190において停電が発生していないと判定した場合は、ステップ1192において通常モードとなる。通常モードと停電モードとの間の切り替えが手動で行われてもよい。
制御機構1061は、通常モードにおいては、電力差WDt-Wが0以上Wm未満という基準内になるように選択されたヒータ1043を更新する。
制御機構1061は、停電モードにおいては、合計必要電力WDtを上限電力Wmaxに置き換え、電力差Wmax-Wが0以上Wm未満という基準内になるように選択されたヒータ1043を更新する。
使用される非常用電源が停電の発生前に決まっている場合は、上限電力Wmaxは、停電の発生前に設定され、使用される非常用電源から供給を受けることができる電力以下に設定される。
使用される非常用電源が停電の発生前に決まっていない場合は、上限電力Wmaxは、停電の発生後であって非常用電源からのヒータ用の電力及び制御用の電力の供給が開始される前に設定され、使用される非常用電源から供給を受けることができる電力以下に設定される。
上限電力Wmaxは、合計必要電力WDtより小さくてもよく、以下の式3であらわされる電力WD1(i)を複数のモジュール電池1030にわたって合計した電力であってもよい。
Figure 2016021270
停電が発生した場合に合計必要電力WDtをより小さな上限電力Wmaxに置き換えることにより、非常用電源が供給しなければならない電力を減らすことができる。
停電が発生した場合に合計必要電力WDtをより小さな上限電力Wmaxに置き換えた場合は、温度プロファイルにしたがって複数のモジュール電池1030の各々の温度を上昇させることができず、複数のモジュール電池1030の各々の温度を上昇させるのに必要な時間が長くなる。しかし、停電の発生後に速やかに非常用電源からのヒータ用の電力及び制御用の電力の供給が開始された場合は、非常用電源からヒータ用の電力及び制御用の電力が供給されるのは停電が発生した場合等に限られ、複数のモジュール電池1030の各々の温度の低下が少ないため、実使用上の問題は発生しない。
1.17 制御装置
制御機構1061と上位制御装置1014との間では周期的に通信が行われる。通信が行われる周期は、例えば1秒である。通信が非周期的に行われてもよい。制御機構1061が故障した場合は、制御機構1061が故障したことを示す信号が制御機構1061から上位制御装置1014へ送信される。上位制御装置1014は、制御機構1061が故障したことを示す信号を受信した場合は、ディスプレイに表示を行うこと、音をならすこと等により、制御機構1061が故障したことを報知する。上位制御装置1014が、制御機構1061が故障したことを示す信号を受信した場合に代えて、又は、制御機構1061が故障したことを示す信号を受信した場合に加えて、制御機構1061と上位制御装置1014との間で正常に通信が行われなくなった場合に、制御機構1061が故障したことを報知してもよい。
上位制御装置1014が、制御機構1061が故障したことを報知するのに加えて、又は、制御機構1061が故障したことを報知するのに代えて、温度調節器1060が自律モードになったことを報知してもよい。この場合は、温度調節器1060が自律モードになったことを制御機構1061が検出したときに温度調節器1060が自律モードになったことを示す信号が制御機構1061から上位制御装置1014へ送信される。上位制御装置1014は、温度調節器1060が自律モードになったことを示す信号を受信した場合は、ディスプレイに表示を行うこと、音をならすこと等により、温度調節器1060が自律モードになったことを報知する。
1.18 一群の測定点
複数のモジュール電池の各々が、一群の測定点の各々に対応する個々の温度センサ及び個々のヒータを備えることにより一群の温度センサ及び一群のヒータを備える場合がある。例えば、複数のモジュール電池の各々が、底面の近傍の測定点に対応する温度センサ及びヒータと側面の近傍の測定点に対応する温度センサ及びヒータとを備えることにより一群の温度センサ及び一群のヒータを備える場合がある。この場合は、複数のモジュール電池の各々が1個の温度の制御の単位であってもよいし一群の温度の制御の単位を有してもよい。
図14のブロック図は、図3に示される複数のモジュール電池1030及び複数の温度調節器1060を置き換える複数のモジュール電池1200及び複数の温度調節器1220を示す。
複数のモジュール電池1200の各々が1個の温度の制御の単位になる場合は、図14に示されるように、複数のモジュール電池1200の各々に対応する温度調節器1220が備えられる。
複数の温度調節器1220の各々は、対応するモジュール電池1200について、個々の温度センサ1210の検出結果から個々の現在の温度を取得することにより一群の現在の温度を取得し、一群の現在の温度を単純平均することにより現在の温度T1a(i)を取得する。一群の現在の温度を加重平均することにより現在の温度T1a(i)が取得されてもよい。一群の現在の温度が加重平均される場合は、放熱への寄与が大きい領域に属する測定点1240に対応する温度センサ1210の検出結果から取得される温度に乗ぜられる加重係数が大きくなり、放熱への寄与が小さい領域に属する測定点1240に対応する温度センサ1210の検出結果から取得される温度に乗ぜられる加重係数が小さくなる。放熱への寄与は、一群の測定点1240の各々の温度を変化させた場合にモジュール電池1200から放熱される熱がどのように変化するのかを測定することにより求められる。加重係数が他の方法により求められてもよい。
目標温度T2t(i)は、一群の測定点1240の各々に対応する個々の目標温度を得ることにより一群の目標温度を得て一群の目標温度を単純平均又は加重平均することにより得られる。現在の目標温度T1t(i)は、一群の測定点1240の各々に対応する個々の現在の目標温度を得ることにより一群の現在の目標温度を得て一群の現在の目標温度を単純平均又は加重平均することにより得られる。
複数の温度調節器1220の各々は、対応するモジュール電池1200について、温度を目標温度T2t(i)にするために一群のヒータ1211をオンにすべきか又はオフにすべきかを現在の温度T1a(i)及び温度プロファイルに基づいて判断する。複数の温度調節器1060の各々は、対応するモジュール電池1200について、一群のヒータ1211をオンにすべきと判断した場合にオンリクエスト信号を制御機構1061へ送信し、一群のヒータ1211をオンにすべきと判断しオン許可信号を制御機構1061から受信できた場合に一群のヒータ1211をオンにし、一群のヒータ1211をオンにすべきと判断したがオン許可信号を制御機構1061から受信できなかった場合に又は一群のヒータ1211をオフにすべきと判断した場合に一群のヒータ1211をオフにする。
図15のブロック図は、図3のブロック図に示される複数のモジュール電池1030及び複数の温度調節器1060を置き換える複数のモジュール電池1250及び複数の温度調節器1270を示す。
複数のモジュール電池1250の各々が一群の温度の制御の単位1260を有する場合は、図15に示されるように、一群の温度の制御の単位1260の各々に対応する温度調節器1270が備えられる。これにより、複数のモジュール電池1250の各々に対応する一群の温度調節器1270が備えられる。
複数の温度調節器1270の各々は、図3に示される複数の温度調節器1060の各々が対応するモジュール電池1030について行った処理と同様の処理を、対応する温度の制御の単位1260について行う。この場合は、一群の温度の制御の単位1260の各々の熱容量がモジュール電池1250の熱容量を按分することより得られる。一群の温度の制御の単位1260の各々に按分される熱容量は、モジュール電池1250の内部の温度が均一になるように一群のヒータ1280の各々に電力を供給した場合に一群のヒータ1280の各々に供給される電力に応じて決められる。按分が他の方法により行われてもよい。
1.19 電力計の省略
電力計1062が省略され、制御機構1061が合計消費電力Wを求めてもよい。
図16のフローチャートは、制御機構1061が合計消費電力Wを求める場合の、選択されたヒータ1043を更新する処理の流れを示す。
図16に示されるように、制御機構1061は、ステップ1290において、図12のフローチャートのステップ1180と同様に、ヒータ1043を選択する順を決定する。
続いて、制御機構1061は、ステップ1291において、合計消費電力Wが合計必要電力WDt以下となる範囲内において選択されたヒータ1043の数が最大となるようにヒータ1043を決定された順に選択する。合計消費電力Wは、選択されたヒータ1043の各々の定格消費電力を選択されたヒータ1043にわたって合計することにより求められる。これにより、電力差WDt-Wが0以上Wm未満という基準内になるように複数のヒータ1043の全部又は一部が選択される。ただし、現在の温度T1a(i)が目標温度T1t(i)以下であるモジュール電池1030が備えるヒータ1043から選択が行われる場合は、現在の温度T1a(i)が目標温度T1t(i)以下であるモジュール電池1030が不足し電力差WDt-Wが0以上Wm未満という基準を上回る場合もある。
基準が変更されてもよい。例えば、合計必要電力WDtが、合計必要電力WDtに補正値Waddを加えた電力WDt+Waddに置き換えられてもよい。この場合は、制御機構1061は、合計消費電力Wが合計必要電力WDt+Wadd以下となる範囲内において選択されたヒータ1043の数が最大となるように複数のヒータ1043の全部又は一部を選択する。
続いて、制御機構1061は、ステップ1292において、選択されたヒータ1043を備える温度調節器1060にオン許可信号を送信する。
1.20 運転例
タイムテーブル1は、合計必要電力WDtの時間による変化の例を示す。
Figure 2016021270
タイムテーブル2,3及び4は、それぞれ、期間1,2及び3におけるヒータの状態の時間による変化の例を示す。数字の「1」は、ヒータがオンにされたことを意味する。数字の「0」は、ヒータがオフにされたことを意味する。期間1-1から期間1-10までは期間1に属し、期間2-1から期間2-10までは期間2に属し、期間3-1から期間3-10までは期間3に属する。期間1-1から期間1-10まで、期間2-1から期間2-10まで及び期間3-1から期間3-10までの各々の長さは、周期CT2に一致する。
Figure 2016021270
Figure 2016021270
Figure 2016021270
期間1-1から期間1-10までの各々においては、10個のモジュール電池のうち4個のモジュール電池においてヒータがオンになり、合計消費電力Wが20kWになり、合計消費電力Wが合計必要電力WDt以下となる範囲内において選択されたヒータの数が最大になっている。
期間2-1から期間2-10までの各々においては、10個のモジュール電池のうち5個のモジュール電池においてヒータがオンになり、合計消費電力Wが25kWになり、合計消費電力Wが合計必要電力WDt以下となる範囲内において選択されたヒータの数が最大になっている。
期間3-1及び期間3-3から期間3-10までにおいては、10個のモジュール電池のうち5個のモジュール電池においてヒータがオンになり、合計消費電力Wが25kWになり、合計消費電力Wが合計必要電力WDt以下となる範囲内において選択されたヒータの数が最大になっている。しかし、期間3-2においては、10個のモジュール電池のうち4個のモジュール電池においてヒータがオンになり、合計消費電力Wが20kWになる。これは、現在の温度が現在の目標温度T1t(i)以下であるモジュール電池が不足し、5個のヒータをオンにすることができなかったためである。
2 第2実施形態
2.1 温度制御系
第2実施形態は、第1実施形態の温度制御系1050を置き換える温度制御系2000に関する。以下では、第2実施形態の温度制御系2000が第1実施形態の温度制御系1050と相違する点が主に説明される。説明されない点については、第1実施形態の温度制御系1050の構成が第2実施形態の温度制御系2000において援用される。
図17のブロック図は、第2実施形態の温度制御系2000を示す。
図17に示されるように、複数のモジュール電池2010の各々は、温度センサ2020及びヒータ2021を備える。これにより、複数のモジュール電池2010は、複数の温度センサ2020及び複数のヒータ2021を備える。複数のモジュール電池2010の各々は、1個の温度の制御の単位になる。
制御装置2030は、複数の温度測定機構2040、複数のヒータ制御機構2041、制御機構2042、電力計2043、温度センサ2044、電力線2045、電力線2046等を備える。互いに独立している複数の温度測定機構2040に代えて複数の複数の温度測定機構2040を内蔵した機構が備えられてもよい。互いに独立している複数のヒータ制御機構2041に代えて複数のヒータ制御機構2041を内蔵した機構が備えられてもよい。
複数の温度測定機構2040の各々は、対応するモジュール電池2010について、温度センサ2020の検出結果から現在の温度T1a(i)を取得する。
複数のヒータ制御機構2041の各々は、対応するモジュール電池2010について、オン信号を制御機構2042から受信した場合にヒータ2021をオンにし、オフ信号を制御機構2042から受信した場合にヒータ2021をオフにする。
制御機構2042は、選択されたヒータ2021を備えるモジュール電池2010に対応するヒータ制御機構2041にオン信号を送信し、選択されなかったヒータ2021を備えるモジュール電池2010に対応するヒータ制御機構2041にオフ信号を送信する。したがって、複数のヒータ制御機構2041の各々がオン信号を受信するのは対応するモジュール電池2010が備えるヒータ2021が選択された場合であり、複数のヒータ制御機構2041の各々がオフ信号を受信するのは対応するモジュール電池2010が備えるヒータ2021が選択されなかった場合である。
制御機構2042は、第1実施形態の場合と同様に、複数のモジュール電池2010の各々について、温度を目標温度T2t(i)にするためにヒータ2021に供給する必要がある必要電力WD(i)を現在の温度T1a(i)及び目標温度T2t(i)に基づいて求め、必要電力WD(i)を複数のヒータ2021にわたって合計した合計必要電力WDtを求める。
制御機構2042は、第1実施形態の場合と同様に、合計消費電力Wが合計必要電力WDtに近づくように複数のヒータ2021の全部又は一部を選択する。選択は、望ましくは現在の温度T1a(i)が現在の目標温度T1t(i)以下であるモジュール電池2010が備えるヒータ2021から行われる。
制御機構2042は、第1実施形態の場合と同様に、周期CT1で繰り返し到来する複数の更新機会1070の各々に必要電力WD(i)及び合計必要電力WDtを更新し、次に到来する更新機会1070まで必要電力WD(i)及び合計必要電力WDtを一定に維持する。制御機構2042は、周期CT2で繰り返し到来する複数の更新機会1071の各々に選択されたヒータ2021を更新し、次に到来する更新機会1071まで選択されたヒータ2021を一定に維持する。更新機会1071は更新機会1070より高頻度で到来する。
電力計2043は、合計消費電力Wを測定する。温度センサ2044は、複数のモジュール電池2010の周辺温度Taを検出する。電力線2045は、ヒータ用の電力をヒータ制御機構2041へ伝送する。電力線2046は、制御用の電力を制御装置2030の構成物へ伝送する。
温度制御系2000によれば、第1実施形態の場合と同様に、複数のモジュール電池2010の各々の温度を目標温度T2t(i)に近づけながら合計消費電力Wを安定させることができる。
2.2 選択されたヒータの更新
図18のフローチャートは、選択されたヒータ2021を更新する処理の流れを示す。
制御機構2042は、図18に示されるように、ステップ2050において、第1実施形態の場合と同様に、ヒータ2021を選択する順を決定する。
続いて、制御機構2042は、ステップ2051において、決定された順が最も上位のヒータ2021を選択していないヒータ2021から追加選択し、選択したヒータ2021を増加させる。
続いて、制御機構2042は、ステップ2052において、選択したヒータ2021を備えるモジュール電池2010に対応するヒータ制御機構2041にオン信号を送信する。このとき、オン信号を受信したヒータ制御機構2041が選択されたヒータ2021をオンにするため、合計消費電力Wは選択されたヒータ2021の消費電力の分だけ増加する。
続いて、制御機構2042は、ステップ2053において、合計必要電力WDtから次に選択するヒータ2021の定格消費電力Wmを減じた電力WDt-Wmを合計消費電力Wが超えているか否かを判定する。合計消費電力Wは、電力計2043から取得される。次に選択するヒータ2014の定格消費電力Wmは、記憶部から読み出される。制御機構2042は、合計消費電力Wが電力WDt-Wmを超えているとステップ2053において判定した場合は、選択されたヒータ2021を更新する処理を終了する。制御機構2042は、合計消費電力Wが電力WDt-Wmを超えていないとステップ2053において判定した場合は、ステップ2051に戻ってステップ2051から2053までを繰り返す。
これにより、選択されたヒータ2021が更新される場合に、選択されたヒータ2021がない状態から選択されたヒータ2021がひとつずつ増やされ、合計消費電力Wが電力WDt-Wmを初めて超えるまでヒータ2021が決定された順に追加選択される。
この場合は、合計消費電力Wと合計必要電力WDtとの電力差WDt-Wが0以上Wm未満という基準内になるように複数のヒータ2021の全部又は一部が選択される。第1実施形態の場合と同様に、基準が変更されてもよい。
2.3 一群の測定点
第1実施形態の場合と同様に、複数のモジュール電池の各々が、一群の測定点の各々に対応する個々の温度センサ及び個々のヒータを備えることにより一群の温度センサ及び一群のヒータを備える場合がある。この場合は、複数のモジュール電池の各々が1個の温度の制御の単位になってもよいし一群の温度の制御の単位を有してもよい。
図19のブロック図は、図17のブロック図に示される複数のモジュール電池2010、複数の温度測定機構2040及び複数のヒータ制御機構2041を置き換える複数のモジュール電池2060、複数の温度測定機構2070及び複数のヒータ制御機構2071を示す。
複数のモジュール電池2060の各々が1個の温度の制御の単位になる場合は、図19に示されるように、複数のモジュール電池2060の各々に対応する温度測定機構2070及びヒータ制御機構2071が備えられる。
複数の温度測定機構2070の各々は、対応するモジュール電池2060について、個々の温度センサ2080の検出結果から個々の現在の温度を取得することにより一群の現在の温度を取得し、一群の現在の温度を単純平均することにより現在の温度T1a(i)を取得する。一群の現在の温度を加重平均することにより現在の温度T1a(i)が取得されてもよい。
目標温度T2t(i)は、一群の測定点2090の各々に対応する個々の目標温度を得ることにより一群の目標温度を得て一群の目標温度を単純平均又は加重平均することにより得られる。現在の目標温度T1t(i)は、一群の測定点2090の各々に対応する個々の現在の目標温度を得ることにより一群の現在の目標温度を得て一群の現在の目標温度を単純平均又は加重平均することにより得られる。
複数のヒータ制御機構2071の各々は、対応するモジュール電池2060について、オン信号を制御機構2042から受信した場合に一群のヒータ2081をオンにし、オフ信号を制御機構2042から受信した場合に一群のヒータ2081をオフにする。
図20のブロック図は、図17のブロック図に示される複数のモジュール電池2010、複数の温度測定機構2040及び複数のヒータ制御機構2041を置き換える複数のモジュール電池2100、複数の温度測定機構2120及び複数のヒータ制御機構2121を示す。
複数のモジュール電池2100の各々が一群の温度の制御の単位2110を有する場合は、図20に示されるように、一群の温度の制御の単位2110の各々に対応する温度測定機構2120及びヒータ制御機構2121が備えられる。これにより、複数のモジュール電池2100の各々に対応する一群の温度測定機構2120及び一群のヒータ制御機構2121が備えられる。
複数の温度測定機構2120の各々は、図17に示される複数の温度測定機構2070の各々が対応するモジュール電池2010について行った処理と同様の処理を、対応する温度の制御の単位2110について行う。複数のヒータ制御機構2121の各々は、図17に示される複数のヒータ制御機構2071の各々が対応するモジュール電池2010について行った処理と同様の処理を、対応する温度の制御の単位2110について行う。
本発明は詳細に示され記述されたが、上記の記述は全ての局面において例示であって限定的ではない。したがって、本発明の範囲からはずれることなく無数の修正及び変形が案出されうると解される。
1000 電力貯蔵装置
1014 上位制御装置
1030,1200,1250,2010,2060,2100 モジュール電池
1032 制御装置
1042,1063,1210,2020,2044,2080 温度センサ
1043,1211,1280,2021,2081 ヒータ
1050,2000 温度制御系
1060,1220,1270 温度調節器
1061,2042 制御機構
1062,2043 電力計
1260,2110 温度の制御の単位
2040,2070,2120 温度測定機構
2041,2071,2121 ヒータ制御機構

Claims (22)

  1. 複数の温度の制御の単位の各々が温度センサ及びヒータを備えることにより前記複数の温度の制御の単位が複数の温度センサ及び複数のヒータを備える場合にモジュール電池の温度を制御する制御装置であって、
    前記複数の温度の制御の単位の各々について、前記温度センサの検出結果から現在の温度を取得し、温度を目標温度にするために前記ヒータをオンにすべきか又はオフにすべきかを前記現在の温度及び温度プロファイルに基づいて判断し、前記ヒータをオンにすべきと判断し前記ヒータが選択された場合に前記ヒータをオンにし、前記ヒータをオンにすべきと判断したが前記ヒータが選択されなかった場合に又は前記ヒータをオフにすべきと判断した場合に前記ヒータをオフにする温度調節器と、
    相対的に低頻度で繰り返し到来する複数の第1の更新機会の各々に前記複数の温度の制御の単位の各々について温度を前記目標温度にするために前記ヒータに供給する必要がある必要電力を前記現在の温度及び前記目標温度に基づいて更新し、次に到来する第1の更新機会まで前記必要電力を一定に維持し、前記必要電力を前記複数のヒータにわたって合計した電力を合計必要電力とし、前記複数のヒータの各々の消費電力を前記複数のヒータにわたって合計した電力を合計消費電力とした場合に、相対的に高頻度で繰り返し到来する複数の第2の更新機会の各々に前記合計必要電力と前記合計消費電力との電力差が基準内になるように前記複数のヒータから選択されたヒータを更新し、次に到来する第2の更新機会まで前記複数のヒータから選択されたヒータを一定に維持する制御機構と、
    を備えるモジュール電池の温度を制御する制御装置。
  2. 前記制御機構は、前記複数のヒータから選択されたヒータを更新する場合に、前記温度調節器がオンにすべきと判断したが前記制御機構が選択しなかった時間が長い順に又は前記温度調節器がオンにすべきと判断したが前記制御機構が選択しなかった回数が多い順にヒータを選択する
    請求項1の制御装置。
  3. 前記温度調節器は、前記複数の温度の制御の単位の各々について、現在の目標温度から前記現在の温度を減じた温度差が制限温度差未満である場合に許可取得モードとなり、前記現在の目標温度から前記現在の温度を減じた温度差が前記制限温度差以上である場合に自律モードとなり、前記許可取得モードとなった場合は、前記ヒータをオンにすべきと判断し前記ヒータが選択された場合に前記ヒータをオンにし、前記ヒータをオンにすべきと判断したが前記ヒータが選択されなかった場合又は前記ヒータをオフにすべきと判断した場合に前記ヒータをオフにし、前記自律モードとなった場合は、前記ヒータをオンにすべきと判断した場合に前記ヒータをオンにし、前記ヒータをオフにすべきと判断した場合に前記ヒータをオフにする
    請求項1又は2の制御装置。
  4. 前記温度調節器は、
    前記自律モードになったことを報知する
    請求項3の制御装置。
  5. 1個のモジュール電池が一群の温度の制御の単位を備え、
    前記一群の温度の制御の単位の各々に前記温度調節器が対応し、
    前記温度調節器は、対応する温度の制御の単位について、前記温度センサから前記現在の温度を取得し、前記目標温度を得る
    請求項1から4までのいずれかの制御装置。
  6. 前記複数の温度の制御の単位の各々は、一群の測定点の各々に対応する個々の温度センサ及び個々のヒータを備えることにより一群の温度センサ及び一群のヒータを備え、
    前記温度調節器は、前記複数の温度の制御の単位の各々について、前記個々の温度センサの検出結果から個々の現在の温度を取得することにより一群の現在の温度を取得し、前記一群の現在の温度を平均することにより前記現在の温度を取得し、前記一群の測定点の各々に対応する個々の目標温度を得ることにより一群の目標温度を得、前記一群の目標温度を平均することにより前記目標温度を得る
    請求項1から4までのいずれかの制御装置。
  7. 複数の温度の制御の単位の各々が温度センサ及びヒータを備えることにより前記複数の温度の制御の単位が複数の温度センサ及び複数のヒータを備える場合にモジュール電池の温度を制御する制御装置であって、
    前記複数の温度の制御の単位の各々について、前記温度センサの検出結果から現在の温度を取得する温度測定機構と、
    前記複数の温度の制御の単位の各々について、前記ヒータが選択された場合に前記ヒータをオンにし、前記ヒータが選択されなかった場合に前記ヒータをオフにするヒータ制御機構と、
    相対的に低頻度で繰り返し到来する複数の第1の更新機会の各々に前記複数の温度の制御の単位の各々について温度を目標温度にするために前記ヒータに供給する必要がある必要電力を前記現在の温度及び前記目標温度に基づいて更新し、次に到来する第1の更新機会まで前記必要電力を一定に維持し、前記必要電力を前記複数のヒータにわたって合計した電力を合計必要電力とし、前記複数のヒータの各々の消費電力を前記複数のヒータにわたって合計した電力を合計消費電力とした場合に、相対的に高頻度で繰り返し到来する複数の第2の更新機会の各々に前記合計必要電力と前記合計消費電力との電力差が基準内になるように前記複数のヒータから選択されたヒータを更新し、次に到来する第2の更新機会まで前記複数のヒータから選択されたヒータを一定に維持する制御機構と、
    を備えるモジュール電池の温度を制御する制御装置。
  8. 1個のモジュール電池が一群の温度の制御の単位を備え、
    前記一群の温度の制御の単位の各々に前記温度測定機構が対応し、
    前記温度測定機構は、対応する温度の制御の単位について前記温度センサから前記現在の温度を取得し、
    前記制御機構は、前記一群の温度の制御の単位の各々について前記目標温度を得る
    請求項7の制御装置。
  9. 前記複数の温度の制御の単位の各々は、一群の測定点の各々に対応する個々の温度センサ及び個々のヒータを備えることにより一群の温度センサ及び一群のヒータを備え、
    前記温度測定機構は、前記個々の温度センサの検出結果から個々の現在の温度を取得することにより一群の現在の温度を取得し、前記一群の現在の温度を平均することにより前記現在の温度を取得し、
    前記制御機構は、前記一群の測定点の各々に対応する個々の目標温度を得ることにより一群の目標温度を得、前記一群の目標温度を平均することにより前記目標温度を得る
    請求項7の制御装置。
  10. 前記制御機構は、前記複数のヒータから選択されたヒータを更新する場合に、前記現在の温度が現在の目標温度以下である温度の制御の単位が備えるヒータの全部又は一部を選択する
    請求項1から9までのいずれかの制御装置。
  11. 前記制御機構は、前記複数のヒータから選択されたヒータを更新する場合に、温度の制御の単位における現在の目標温度から前記現在の温度を減じた温度差が大きい順にヒータを選択する
    請求項1、7、8、9及び10のいずれかの制御装置。
  12. 前記合計消費電力を測定する電力測定機構をさらに備え、
    前記制御機構は、前記複数のヒータから選択されたヒータを更新する場合に、前記合計必要電力から次に選択するヒータの定格消費電力を減じた電力を前記合計消費電力が初めて超えるまでヒータを順に選択する
    請求項1から11までのいずれかの制御装置。
  13. 前記制御機構は、前記複数のヒータから選択されたヒータを更新する場合に、前記合計消費電力が前記合計必要電力以下となる範囲内において前記複数のヒータから選択されたヒータの数が最大となるようにヒータを順に選択し、前記複数のヒータから選択されたヒータの各々の定格消費電力を前記複数のヒータから選択されたヒータにわたって合計することにより前記合計消費電力を求める
    請求項1から11までのいずれかの制御装置。
  14. 前記合計消費電力を測定する電力測定機構をさらに備え、
    前記制御機構は、前記複数のヒータから選択されたヒータを更新する場合に、前記合計必要電力に補正値を加えた電力から次に選択するヒータの定格消費電力を減じた電力を前記合計消費電力が初めて超えるまでヒータを順に選択する
    請求項1から11までのいずれかの制御装置。
  15. 前記制御機構は、前記複数のヒータから選択されたヒータを更新する場合に、前記合計消費電力が前記合計必要電力に補正値を加えた電力以下となる範囲内において前記複数のヒータから選択されたヒータの数が最大となるようにヒータを順に選択し、前記複数のヒータから選択されたヒータの各々の定格消費電力を前記複数のヒータから選択されたヒータにわたって合計することにより前記合計消費電力を求める
    請求項1から11までのいずれかの制御装置。
  16. 前記補正値は、次に選択するヒータの定格消費電力の1/2である
    請求項14又は15の制御装置。
  17. 前記必要電力は、前記複数の温度の制御の単位の各々から放熱される熱を補うのに必要な第1の電力と、前記複数の温度の制御の単位の各々から放熱される熱が存在しない場合に前記複数の温度の制御の単位の各々の温度を前記目標温度にするのに必要な第2の電力と、の和である
    請求項1から16までのいずれかの制御装置。
  18. 前記温度センサが第1の温度センサであり、
    前記複数の温度の制御の単位の周辺温度を検出する第2の温度センサをさらに備え、
    前記必要電力は、次に到来する第1の更新機会に前記複数の温度の制御の単位の各々の温度を前記目標温度にするために前記ヒータに供給する必要がある電力であり、
    前記第1の電力は、前記現在の温度及び前記目標温度を平均した平均温度から前記周辺温度を減じた温度差と第1の係数との積であり、
    前記第2の電力は、前記目標温度から前記現在の温度を減じた温度差と第2の係数との積である
    請求項17の制御装置。
  19. 前記制御機構は、通常モード又は停電モードとなり、前記通常モードとなった場合は、前記合計消費電力と前記合計必要電力との電力差が基準内となるように前記複数のヒータから選択されたヒータを更新し、前記停電モードとなった場合は、非常用電源から供給を受けることができる電力以下に上限電力を設定し、前記合計消費電力と前記上限電力との電力差が基準内となるように前記複数のヒータから選択されたヒータを更新する
    請求項1から18までのいずれかの制御装置。
  20. 請求項1から19までのいずれかの制御装置と、
    前記制御機構が故障したことを報知する上位制御装置と、
    を備える制御装置の群。
  21. 請求項3又は4の制御装置と、
    前記温度調節器が前記自律モードになったことを報知する上位制御装置と、
    を備える制御装置の群。
  22. 請求項1から19までのいずれかの制御装置と、
    モジュール電池と、
    を備える電力貯蔵装置。
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