JPWO2016017439A1 - マイクロニードルユニット - Google Patents

マイクロニードルユニット Download PDF

Info

Publication number
JPWO2016017439A1
JPWO2016017439A1 JP2016538267A JP2016538267A JPWO2016017439A1 JP WO2016017439 A1 JPWO2016017439 A1 JP WO2016017439A1 JP 2016538267 A JP2016538267 A JP 2016538267A JP 2016538267 A JP2016538267 A JP 2016538267A JP WO2016017439 A1 JPWO2016017439 A1 JP WO2016017439A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
protective sheet
microneedle
region
adhesive
sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016538267A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6565917B2 (ja
Inventor
寿美 上野
寿美 上野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Inc filed Critical Toppan Inc
Publication of JPWO2016017439A1 publication Critical patent/JPWO2016017439A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6565917B2 publication Critical patent/JP6565917B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M37/00Other apparatus for introducing media into the body; Percutany, i.e. introducing medicines into the body by diffusion through the skin
    • A61M37/0015Other apparatus for introducing media into the body; Percutany, i.e. introducing medicines into the body by diffusion through the skin by using microneedles
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M37/00Other apparatus for introducing media into the body; Percutany, i.e. introducing medicines into the body by diffusion through the skin
    • A61M37/0015Other apparatus for introducing media into the body; Percutany, i.e. introducing medicines into the body by diffusion through the skin by using microneedles
    • A61M2037/0023Drug applicators using microneedles
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M37/00Other apparatus for introducing media into the body; Percutany, i.e. introducing medicines into the body by diffusion through the skin
    • A61M37/0015Other apparatus for introducing media into the body; Percutany, i.e. introducing medicines into the body by diffusion through the skin by using microneedles
    • A61M2037/003Other apparatus for introducing media into the body; Percutany, i.e. introducing medicines into the body by diffusion through the skin by using microneedles having a lumen
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M37/00Other apparatus for introducing media into the body; Percutany, i.e. introducing medicines into the body by diffusion through the skin
    • A61M37/0015Other apparatus for introducing media into the body; Percutany, i.e. introducing medicines into the body by diffusion through the skin by using microneedles
    • A61M2037/0046Solid microneedles

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Dermatology (AREA)
  • Medical Informatics (AREA)
  • Anesthesiology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Media Introduction/Drainage Providing Device (AREA)

Abstract

マイクロニードルユニットは、第1面と第1面とは反対側の面である第2面とを有する基体と、基体の第1面から突き出た突起部と、を備えるマイクロニードルを備える。さらに、マイクロニードルユニットは、基体の第2面に貼り付けられた貼付領域と、第2面と平行な方向において基体の外側にはみ出すように貼付領域から延びる粘着領域とを含む粘着面を有する粘着シートと、第2面と平行な方向における基体の外側にて、粘着領域の一部を覆う保護シートとを備える。

Description

本発明は、薬剤の投与に用いられるマイクロニードルを備えるマイクロニードルユニットに関する。
薬剤を皮膚から体内に投与する方法として、マイクロニードルを用いる方法が知られている。マイクロニードルは、針形状を有する複数の突起部を基体の表面に有している。マイクロニードルを用いる投与方法では、基体が皮膚に押し付けられることによって突起部が皮膚を穿孔し、突起部によって形成された孔から、薬剤が体内に送り込まれる(例えば、特許文献1〜3参照)。
国際公開第2006/080508号 国際公開第2008/004597号 特開2009−254876号公報
マイクロニードルの使用形態の一例では、マイクロニードルと、粘着シートと、保護シートとを備えるマイクロニードルユニットが用いられる。粘着シートは、粘着面を有し、マイクロニードルの基体の外側に粘着面の一部が露出するように基体と貼り合わせられている。保護シートは、粘着面の露出されている部分の全体を保護している。マイクロニードルが使用される際には、保護シートが粘着面から剥離された後、突起部が投与対象に刺されるとともに、露出された粘着面が投与対象に貼り付けられる。これにより、投与対象に突起部が刺さった状態で、投与対象の所望の位置にマイクロニードルが保持される。
ところで、突起部の穿刺機能や粘着シートの粘着機能等のマイクロニードルユニットが有する機能の低下を抑えるためには、保護シートが剥離される際に、マイクロニードルユニットの各部に過度に大きな力が加えられることが抑えられること、すなわち、保護シートが円滑に剥離されることが好ましい。したがって、保護シートを剥離しやすいマイクロニードルユニットが求められている。
本発明は、保護シートの剥離を容易に行うことのできるマイクロニードルユニットを提供することを目的とする。
上記課題を解決するマイクロニードルユニットは、第1面と、前記第1面とは反対側の面である第2面とを有する基体と、前記基体の前記第1面から突き出た突起部と、を備えるマイクロニードルと、前記基体の前記第2面に貼り付けられた貼付領域と、前記第2面と平行な方向において前記基体の外側にはみ出すように前記貼付領域から延びる粘着領域とを含む粘着面を有する粘着シートと、前記第2面と平行な方向における前記基体の外側にて、前記粘着領域の一部を覆う保護シートと、を備える。
上記構成によれば、粘着領域のなかで保護シートから露出する領域の付近に、保護シートの剥離の起点が形成され易くなるため、粘着領域の全体が保護シートに覆われている構成と比較して、保護シートを容易に剥離することができる。
上記構成において、前記粘着領域において、前記保護シートから露出する領域は、前記保護シートによって覆われる領域よりも小さいことが好ましい。
上記構成によれば、粘着領域の半分以上が保護シートによって覆われるため、保護シートの容易な剥離を実現しつつ、保護シートによる粘着領域の保護機能が過度に低下することが抑えられる。
上記構成において、前記保護シートは、前記マイクロニードルの前記突起部が露出する第1開口部と、前記粘着領域の一部が露出する第2開口部と、を有することが好ましい。
上記構成によれば、保護シートに形成された第2開口部から粘着領域の一部が露出するため、粘着領域のなかに保護シートから露出する領域が確保され易い。
上記構成において、前記粘着領域は前記保護シートから露出する露出領域を含み、前記露出領域の外周縁のうちの任意の二箇所を前記露出領域上を通って結ぶ線分のなかで、最も長い線分の長さが、7mm以上であることが好ましい。
上記構成によれば、保護シートから露出する領域の大きさとして、人の指の中央部によって支持可能な大きさを確保しやすい。したがって、保護シートの剥離に際して、マイクロニードルユニットの使用者が、保護シートから露出する領域を指で支持しやすくなるため、保護シートをより容易に剥離することができる。
上記構成において、前記保護シートの厚みは、前記基体の厚さ方向における前記マイクロニードルの長さよりも大きいことが好ましい。
上記構成によれば、保護シートの上面は、突起部の先端よりも上方に位置するため、突起部に人の手やその他の部材が接触することが抑えられる。また、突起部を他の部材によって保護せずとも、マイクロニードルユニットを保護シートの厚さ方向に重ねたとき、突起部を傷付けることが抑えられるため、マイクロニードルユニットの取り扱いや管理が容易となる。
本発明によれば、マイクロニードルユニットにおいて、保護シートの剥離を容易に行うことができる。
一実施形態のマイクロニードルユニットに備えられるマイクロニードルの斜視構造を示す斜視図である。 一実施形態のマイクロニードルユニットに備えられるマイクロニードルの断面構造を示す断面図である。 一実施形態のマイクロニードルユニットの断面構造の一例を示す断面図である。 一実施形態のマイクロニードルユニットの断面構造の一例を示す断面図である。 一実施形態のマイクロニードルユニットの平面構造の一例を示す平面図である。 一実施形態のマイクロニードルユニットの平面構造の一例を示す平面図である。 一実施形態のマイクロニードルユニットの平面構造の一例を示す平面図である。 一実施形態のマイクロニードルユニットの平面構造の一例を示す平面図である。 一実施形態のマイクロニードルユニットの平面構造の一例を示す平面図である。 一実施形態のマイクロニードルユニットの平面構造の一例であって、保護シートが折り返された状態を示す平面図である。 一実施形態のマイクロニードルユニットの断面構造の一例であって、図10の11−11線における断面構造を示す断面図である。 一実施形態のマイクロニードルユニットの断面構造の一例であって、図10の12−12線における断面構造を示す断面図である。 一実施形態のマイクロニードルユニットの平面構造の一例を示す平面図である。 一実施形態のマイクロニードルユニットであって、保護フィルムが取り付けられたマイクロニードルユニットの断面構造を示す断面図である。 一実施形態のマイクロニードルユニットであって、ケースに収容されたマイクロニードルユニットの断面構造を示す断面図である。
図1〜図13を参照して、マイクロニードルユニットの一実施形態について説明する。
[マイクロニードルの構成]
図1および図2を参照して、マイクロニードルユニットに備えられるマイクロニードル10の構成について説明する。
図1に示されるように、マイクロニードル10は、板状を有する基体11と、基体11から突き出た突起部12とを備えている。基体11は、突起部12の形成された面である第1面11Sと、第1面11Sとは反対側の面である第2面11Tとを有し、第1面11Sは突起部12の基端を支持している。
第1面11Sと対向する方向から見た基体11の外形は特に限定されず、基体11の外形は、円形や楕円形であってもよいし、矩形であってもよい。
突起部12の形状は、角錐形状であってもよいし、円錐形状であってもよい。また、突起部12は、例えば、円柱形状や角柱形状のように、先端が尖っていない形状であってもよい。また、突起部12は、例えば、円柱に円錐が積層された形状のように、2以上の立体が結合した形状であってもよい。要は、突起部12は皮膚を刺すことが可能な形状であればよい。また、突起部12の側壁には、括れや段差が形成されていてもよい。
突起部12の数は1以上であれば特に限定されない。マイクロニードル10が複数の突起部12を有する場合、複数の突起部12の各々は、基体11の第1面11Sに規則的に並んでいてもよいし、不規則に並んでいてもよい。例えば、複数の突起部12は、格子状や同心円状に配列される。
図2に示されるように、突起部12の長さHは、基体11の厚さ方向、すなわち、第1面11Sと直交する方向における第1面11Sから突起部12の先端までの長さである。突起部12の長さHは、突起部12による穿孔の目的や投与される薬剤の種類等に応じて、突起部12の穿孔によって形成する必要のある孔の深さに基づいて決定される。突起部12の長さHは、20μm以上1000μm以下の範囲内であることが好ましい。
穿孔の対象が人体の皮膚であって、突起部12の穿孔によって形成される孔の深さを、角質層を貫通しかつ神経層へ到達しない長さに設定する場合、突起部12の長さHは200μm以上700μm以下であることが好ましく、200μm以上600μm以下であることがより好ましい。
孔の深さが角質層を貫通しかつ神経層へ到達しない長さであると、薬剤を、角質層よりも深い位置に送達することができる。角質層に形成された孔は時間の経過とともに塞がるため、外界に対し角質層がバリアとなる結果、角質層よりも下に送達された薬剤は生体内に保持される。それゆえ、角質層の新陳代謝や、スキンケア等を目的とした皮膚の洗浄に起因して、薬剤が剥落することを低減できるため、長期間に渡って、薬剤が生体内に保持された状態が維持される。
また、孔の深さを、角質層内に留まる長さに設定する場合、突起部12の長さHは30μm以上300μm以下であることが好ましく、30μm以上250μm以下であることがより好ましく、30μm以上200μm以下であることがさらに好ましい。
孔の深さが角質層内に留まる長さであると、薬剤を角質層内に滞留させることができる。角質層はたえず新陳代謝により新規に生成されるため、角質層内の薬剤は時間の経過とともに体外へ排出される。このため、薬剤が生体内に保持された状態を、例えば、皮膚の洗浄や皮膚のピーリング等によって、容易に解除することができる。
なお、マイクロニードル10が複数の突起部12を有する場合、各突起部12の長さHは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。例えば、複数の突起部12のなかで外周部に配置されている突起部12の長さHが、中央部に配置されている突起部12の長さHよりも大きい構成では、投与対象の皮膚が曲面である場合に、その曲面に沿って突起部12が皮膚に接触しやすい。また例えば、複数の突起部12のなかで外周部に配置されている突起部12の長さHが、中央部に配置されている突起部12の長さHよりも小さい構成では、外力を受けやすい外周部の突起部12について、その機械的強度を高めることができる。
突起部12の幅Dは、基体11の第1面11Sと平行な方向における突起部12の長さの最大値である。突起部12の幅Dは、必要とされる突起部12のアスペクト比や必要とされる孔の容積等に応じて決定される。突起部12の幅Dは、1μm以上300μm以下であることが好ましい。例えば、突起部12が正四角錐形状や正四角柱形状を有するとき、突起部12の底面、すなわち、基体11の第1面11Sと接している底面である正方形における対角線の長さが、突起部12の幅Dである。また、例えば、突起部12が円錐形状や円柱形状を有するとき、基体11の第1面11Sと接している突起部12の底面である円の直径が、突起部12の幅Dである。
突起部12の先端が尖った形状に形成され、穿孔によって角質層を貫通する深さの孔を形成する場合、突起部12の先端角θは5°以上45°以下であることが好ましく、8°以上25°以下であることがより好ましい。
突起部12の先端角θは、基体11の第1面11Sと直交する断面において、突起部12の先端が形成する角度の最大値である。例えば、突起部12が正四角錐形状を有するとき、突起部12の先端角θは、突起部12の底面の正方形の対角線を底辺とし、正四角錐の頂点を頂点とする三角形の頂角である。
基体11の厚みTは、基体11の第1面11Sと直交する断面における第1面11Sから第2面11Tまでの長さである。基体11の厚みTは特に限定されない。
上記構成において、突起部12の延びる方向、すなわち、基体11の厚さ方向におけるマイクロニードル10の長さは、突起部12の長さHと基体11の厚みTの合計の長さである。
なお、突起部12の形状は、上述の説明にて例示した形状に限定されず、突起部12による穿孔の目的や投与される薬剤の種類等に応じて適宜決定されればよい。例えば、突起部12による穿孔の目的としては、薬剤の経皮吸収を促進する目的や、皮膚を通じて生体内の物質を生体外へ取り出す目的が挙げられる。また、皮膚に対する穿孔の性能を向上させる観点から、突起部12の形状が決定されてもよい。
マイクロニードル10は、生体適合性を有する材料から形成されていることが好ましい。生体適合性を有する材料は、生体に及ぼす影響が小さい材料であって、水溶性高分子、非水溶性高分子、生体高分子、金属、および、樹脂等を含む。
生体適合性を有する材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、生体適合性を有する材料の例としては、アルギン酸塩、カードラン、キチン、キトサン、グルコマンナン、ポリリンゴ酸、コラーゲン、コラーゲンペプチド、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチン、シリコン、チタン、シリコーン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸等が挙げられる。キチンとキトサンとの間に明確な境界はないが、一般的には、キチンの脱アセチル化が70%以上である物質がキトサンである。脱アセチル化は、公知の方法により行うことができる。生体適合性を備えるキチン、キトサン、キトサン誘導体は、蟹、エビ等の甲殻類由来の物質、菌糸類や微生物産生である植物由来の物質、および、これらを出発原料とした物質等を用いることができる。キトサン、キチン・キトサン、および、キチン・キトサン誘導体は、皮膚に対して美容効果を示すとともに殺菌効果、抗菌効果を有するため、マイクロニードル10の形成材料として好ましい。
マイクロニードル10を用いた薬剤の投与の方式は、特に限定されず、例えば、突起部12の表面に薬剤が塗布され、突起部12が皮膚を刺したときに、薬剤が皮内に送り込まれてもよい。また、突起部12が薬剤を含み、突起部12が皮膚に刺さった状態で突起部12が溶解することにより、薬剤が皮内に送り込まれてもよい。また、マイクロニードル10が皮膚に刺される前あるいは後に、液状の薬剤が皮膚に塗布され、突起部12によって形成された孔から、薬剤が皮内に送り込まれてもよい。さらには、これらの方式が組み合わされた形態によって、薬剤が投与されてもよい。
薬剤は、皮内に投与されることにより機能する物質であれば、その種類は特に限定されず、薬剤としては、例えば、生理活性物質や美容効果を有する化粧品組成物等が挙げられる。また、薬剤として芳香を有する物質が用いられた場合、マイクロニードル10に匂いを付与することができるため、美容品としての使用に適したマイクロニードル10が得られる。なお、薬剤は、生物製剤を含んでもよい。生物製剤は、ヒトや動物の細胞や細胞組織等に由来する原料または材料を用いた薬物である。
上述のように、薬剤の投与の方式に応じて、薬剤は、突起部の表面に塗布されてもよいし、突起部12に含まれてもよいし、皮膚に塗布されてもよいし、これらが組み合わされた態様で薬剤が利用されてもよい。
なお、基体11と突起部12とは、互いに同一の組成を有する材料から形成されてもよいし、互いに異なる組成を有する材料から形成されてもよい。基体11と突起部12とが互いに同一の組成を有する材料から形成される構成では、基体11と突起部12とを一体形成によって容易に形成することができる。
マイクロニードル10は、各種の公知技術を用いて製造することが可能である。例えば、マイクロニードル10の材料として樹脂を使用する場合には、射出成形、押出成形、インプリント、ホットエンボス、または、キャスティング等の成形技術によって、マイクロニードル10を形成することができる。また、切削加工法等の機械加工法や、エッチング法を用いてマイクロニードル10を形成することもできる。また、こうした方法によってマイクロニードルの原版を作製し、さらに、めっき法や樹脂を用いた型取り法によって原版の凹凸を反転させた凹版を作製し、作製された凹版を用いてマイクロニードル10を複製してもよい。
[マイクロニードルユニットの構成]
図3〜図13を参照して、上述のマイクロニードル10を備えるマイクロニードルユニットの構成について説明する。
図3に示されるように、マイクロニードルユニット20は、マイクロニードル10と、粘着シート21と、保護シート22とを備えている。
粘着シート21は、粘着シート21が有する2つの面のうちの一方の面として、粘着面21Sを有する。粘着シート21は、粘着面21Sをマイクロニードル10の基体11の第2面11Tに向けて、基体11と貼り合わされている。粘着面21Sの一部は、基体11の第2面11Tと平行な方向である面方向において、基体11よりも外側にはみ出している。すなわち、粘着シート21の粘着面21Sは、基体11の第2面11Tに貼り付けられた領域である貼付領域M1と、面方向において基体11の外側にはみ出すように貼付領域M1から延びる領域である粘着領域M2とを含む。
粘着面21Sを構成する材料は、生体適合性を有する材料であることが好ましい。粘着面21Sは、マイクロニードル10を保持可能であって、かつ、投与対象に粘着シート21が貼り付いた状態を所望の期間に渡って保持可能な粘着力を有する。
保護シート22は、粘着面21Sの粘着領域M2を覆う。保護シート22は、保護シート22を使用者が指でつまんで引っ張ることにより生じる程度の力によって、粘着シート21から剥離することが可能に、粘着シート21に貼り付けられている。保護シート22の構成材料は、保護シート22が粘着シート21から剥離されたとき、粘着シート21が、投与対象に粘着シート21が貼り付いた状態を所望の期間に渡って保持できる粘着力を保持するとともに、粘着面21Sに、非生体適合性材料が残存しない材料であることが好ましい。
保護シート22の厚みは、基体11の厚さ方向におけるマイクロニードル10の長さ、すなわち、突起部12の長さHと基体11の厚みTとの合計の長さよりも大きいことが好ましい。上記構成によれば、保護シート22の上面は、突起部12の先端よりも上方に位置するため、突起部12に人の手やその他の部材が接触することが抑えられる。また、突起部12を他の部材によって保護せずとも、突起部12を傷付けることなく、マイクロニードルユニット20を保護シート22の厚さ方向に重ねることができるため、マイクロニードルユニット20の取り扱いや管理が容易となる。さらには、上記構成において、保護シート22の厚みと、突起部12の長さHと基体11の厚みTとの合計の長さとの差は、0.2mm以上3.0mm以下の範囲内であることが好ましい。
なお、粘着シート21の粘着面21Sにおける貼付領域M1は、図3に示されるように、マイクロニードル10の基体11の第2面11Tの全体に貼り付けられていてもよいし、図4に示されるように、第2面11Tの一部、例えば、第2面11Tの外周部のみに貼り付けられていてもよい。
図5に示されるように、保護シート22には、その中央部に、開口部23が形成されている。開口部23は第1開口部に相当する。開口部23の形成されている領域には、マイクロニードル10が配置され、開口部23から、基体11の第1面11Sと突起部12とが露出している。マイクロニードル10の基体11の第1面11Sと対向する方向から見て、開口部23の外形は特に限定されず、基体11の外形よりも大きければよい。ただし、保護シート22による粘着面21Sの保護機能を高める観点では、開口部23の外形は基体11の外形と相似形状であって、開口部23の形成されている領域の大きさと基体11の大きさとの差は小さい方が好ましい。なお、基体11の第1面11Sと対向する方向から見た保護シート22の外形は、特に限定されない。
粘着領域M2が形成されていれば、基体11の第1面11Sと対向する方向から見た粘着シート21の外形は特に限定されない。粘着シート21の外形は、マイクロニードル10の基体11の外形と相似形状であってもよいし、相似形状でなくてもよい。粘着領域M2の大きさは、マイクロニードル10を保持した粘着シート21が投与対象に貼り付いた状態を所望の期間に渡って保持可能な大きさに設定される。なお、粘着領域M2は、基体11の外周縁の全周を囲むように配置されていてもよいし、基体11の外周縁の一部のみから、外周縁の外側に粘着領域M2が突出していてもよい。
保護シート22は、粘着領域M2の一部を覆い、粘着領域M2は、保護シート22によって覆われた被覆領域N1と、保護シート22によって覆われてない露出領域N2とを有している。露出領域N2にて、粘着シート21の粘着面21Sは、保護シート22から露出している。
例えば、図5に示される例では、外形が矩形状の保護シート22に、保護シート22の一部が切り取られた部分である窓部24が形成されている。窓部24は第2開口部に相当する。粘着領域M2のなかで、保護シート22における窓部24が形成されている領域、すなわち、窓部24の位置で欠けている領域と重なる部分が露出領域N2を構成する。つまり、露出領域N2は、粘着領域M2のなかで窓部24から露出する領域である。保護シート22の外周縁は、窓部24が形成されている部分で内側に窪み、保護シート22において窓部24の位置で欠けている領域の大きさは露出領域N2よりも大きい。すなわち、粘着領域M2は、窓部24の位置で欠けている領域の一部と重なり、粘着シート21の外周縁の一部は、窓部24から露出する。
露出領域N2の外周縁のうちの任意の二箇所を、露出領域N2上を通って結ぶ線分のなかで、最も長い線分の長さが、露出領域N2の最大長Lであり、最大長Lは、7mm以上であることが好ましい。また、露出領域N2は、被覆領域N1よりも小さいことが好ましい。言い換えると、露出領域N2の面積は、粘着領域M2の面積の50%未満であることが好ましい。
[作用]
本実施形態のマイクロニードルユニット20がもたらす作用について説明する。
上述のように、粘着シート21の粘着面21Sが露出領域N2を含むため、マイクロニードルユニット20の使用者は、露出領域N2にて粘着シート21を支持しながら、露出領域N2の付近を起点として、保護シート22を粘着シート21から剥離することができる。例えば、使用者は、一方の手で粘着シート21の露出領域N2が形成されている部分を上下から挟むようにつまみ、他方の手で保護シート22をつまんで、保護シート22を粘着シート21から剥離する。そして、使用者は、露出領域N2が形成されている部分を持った状態で、マイクロニードル10を皮膚の所望の部位に押し当て、粘着シート21の粘着領域M2を皮膚に貼り付ける。
こうした構成では、粘着領域M2の全体が保護シート22で覆われている構成と比較して、保護シート22の剥離の起点が作りやすくなり、また、保護シート22の剥離中や剥離の前後に、使用者がマイクロニードルユニット20の持つ位置を変える必要も生じ難いため、保護シート22を容易に剥離しやすくなる。その結果、保護シート22を剥離する際の操作に起因してマイクロニードルユニット20の各部に過度に大きな力が加わることが抑えられるため、マイクロニードルユニット20が有する機能の低下も抑えられる。
また、露出領域N2の大きさが、人の指の中央部によって支持可能な大きさよりも大きいと、使用者が露出領域N2を支持しやすい。こうした観点から、上述のように、露出領域N2の最大長Lは、7mm以上であることが好ましい。一方で、露出領域N2が、被覆領域N1よりも小さいと、露出領域N2の大きさが過度に大きくならず、被覆領域N1の大きさが適度に確保されるため、保護シート22による粘着面21Sの保護機能が過度に低下することが抑えられる。
また、保護シート22の外周縁が含まれる領域に、窓部24が形成されているため、使用者は、容易に露出領域N2を支持することができる。
なお、開口部23と窓部24とは繋がっていてもよいし、繋がっていなくてもよい。露出領域N2の大きさが十分に確保される構成では、図5に示されるように、開口部23と窓部24とが繋がっていない構成、すなわち、開口部23と窓部24とが保護シート22によって区切られている構成の方が、露出領域N2を支持する際に、使用者の手が突起部12に触れることが抑えられる。
一方、図6に示されるように、開口部23と窓部24とが繋がっている構成の方が、保護シート22の製造が容易であり、すなわち、マイクロニードルユニット20の製造が容易である。
図7に示されるように、窓部24は、保護シート22の外周縁に達していない形状、例えば、指先の外形に倣う円形孔や楕円孔などのように、保護シートを貫通する貫通孔であってもよい。こうした構成では、使用者は、例えば、保護シート22の下から窓部24の内側に指を入れて、粘着シート21の露出領域N2が形成されている部分を上下から挟むようにつまみ、露出領域N2を支持しながら保護シート22を粘着シート21から剥離する。これにより、使用者は、保護シート22を容易に剥離することができる。上記構成においても、開口部23と窓部24とは繋がっていてもよいし、繋がっていなくてもよい。図7は、開口部23と窓部24とが繋がっていない構成を示し、図8は、開口部23と窓部24とが繋がっている構成を示す。
なお、上記構成において、例えば一点鎖線Aで示すように、保護シート22には、窓部24の縁と保護シート22の外周縁とを結ぶ位置に切れ目が形成されて、当該位置にて保護シート22が切り離されていてもよい。こうした構成によれば、使用者が窓部24に指を入れて露出領域N2を支持することが容易になり、また、保護シート22の動きの自由度が高められるため、保護シート22をより容易に剥離することができる。
また、窓部24が保護シート22の外周縁に達していない構成では、使用者が露出領域N2を支持する際に、保護シート22の一部が、粘着シート21とは反対側に折り返されてもよい。こうした構成について、図9〜図12を参照して説明する。
図9に示されるように、保護シート22にて、窓部24の縁と保護シート22の外周縁とを結ぶ領域には、脆弱部25が形成されている。脆弱部25は、保護シート22の外周縁のうちの二箇所を結ぶ直線上に配置されている。脆弱部25は、例えば、ミシン目が形成された部分や、保護シート22における粘着シート21側の面に溝が設けられることによって保護シート22の厚みが薄くされた部分であって、保護シート22にて、脆弱部25の機械的強度は、脆弱部25以外の部分の機械的強度よりも低い。こうした構造によって、保護シート22は、脆弱部25にて、粘着シート21とは反対側に折り返し可能に構成されている。脆弱部25は、窓部24の縁のなかで、粘着シート21の外周縁と重なる部分から、直線状に延びていることが好ましい。
図10に示されるように、保護シート22の剥離に際しては、保護シート22は、脆弱部25にて、粘着シート21とは反対側に折り返される。これにより、露出領域N2の一部が、マイクロニードルユニット20の端部に配置される。
図11および図12は、保護シート22が折り返された状態でのマイクロニードルユニット20の断面図であって、図11は、露出領域N2が形成されていない部分における断面を示し、図12は、露出領域N2が形成されている部分における断面を示す。また、図11および図12においては、折り返される前の保護シート22を二点鎖線で示している。
図11に示されるように、脆弱部25にて、保護シート22は、粘着シート21とは反対側に折り返される。脆弱部25の機械的強度は、保護シート22の他の部分よりも低いため、使用者は、脆弱部25にて、保護シート22を容易に折り返すことができる。
図12に示されるように、保護シート22が折り返された結果、露出領域N2の一部が、マイクロニードルユニット20の端部に配置されるため、使用者は、露出領域N2を支持しやすくなる。その結果、保護シート22をより容易に剥離することが可能となる。
なお、上記構成においては、保護シート22が折り返された状態において、露出領域N2のなかで、マイクロニードルユニット20の端部にて折り返された保護シート22から露出する部分の最大の長さが7mm以上であることが好ましい。この最大の長さは、上記折り返された保護シート22から露出する部分の外周縁のうちの任意の二箇所を、この部分の上を通って結ぶ線分のなかで、最も長い線分の長さである。この場合、露出領域N2の最大長Lは、当然ながら、7mm以上となる。
図13に示されるように、露出領域N2は、粘着領域M2のなかで、一方向に延びる粘着領域M2の長さ、すなわち、長手方向の長さが相対的に短い領域に配置されてもよい。例えば、露出領域N2は、粘着領域M2の外形が楕円である場合に楕円の長軸と交差する領域や、粘着領域M2の外形が長方形である場合に長方形の短辺に沿った領域等に配置されてもよい。上記構成においても、開口部23と窓部24とは繋がっていてもよいし、繋がっていなくてもよい。
なお、先の図7に示されるように、露出領域N2が、粘着領域M2のなかで、一方向に延びる粘着領域M2の長さが相対的に長い領域に配置される構成の方が、露出領域N2の最大長Lを大きく確保しやすいという利点はある。
以上説明したように、本実施形態のマイクロニードルユニットによれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
(1)粘着シート21の粘着面21Sが露出領域N2を含むため、露出領域N2の付近に、保護シート22の剥離の起点が形成され易くなる。したがって、保護シート22を容易に剥離することができる。また、保護シート22に窓部24が形成され、窓部24から粘着領域M2が露出することによって露出領域N2が形成されるため、粘着領域M2のなかに露出領域N2が確保され易い。
(2)また、露出領域N2の付近を、保護シート22の剥離の起点とすることができるため、マイクロニードルユニット20の製造者は、露出領域N2の位置の設定によって、製造者の意図した方法によって使用者がマイクロニードルユニット20を使用するように使用者を誘導することができる。すなわち、製造者が意図した部分から保護シート22を剥離させ、製造者が意図した部分からマイクロニードルユニット20を皮膚に貼り付けるように、使用者を誘導することができる。特に、マイクロニードル10の外形が、楕円形状や長方形状のように、円形状ではない形状である場合に、的確な誘導が可能である。
使用者は、こうした誘導に従ってマイクロニードルユニット20を使用することによって、製造者が意図するような使用しやすい方法によってマイクロニードルユニット20を使用することができるため、マイクロニードル10を皮膚に容易に適用することができる。
また、こうした誘導として、使用者が粘着シート21を皮膚に貼り付ける際に粘着シート21の持つ位置を変える必要のないように、保護シート22を剥離する際に使用者が支持する部分を設定することができる。それゆえ、粘着シート21の粘着面21Sが不用意に使用者の指等に貼り付くことが抑えられるため、粘着面21Sが十分な粘着力を保持した状態で、マイクロニードル10とともに粘着シート21を皮膚に貼り付けることができる。したがって、投与対象の皮膚に粘着シート21が貼り付いた状態、すなわち、マイクロニードル10の突起部12が皮膚に刺さった状態が十分に維持されるため、マイクロニードル10による薬剤の投与効果が得られやすい。
(3)露出領域N2が被覆領域N1よりも小さいため、粘着領域M2の半分以上が保護シート22によって覆われる。したがって、保護シート22の容易な剥離を実現しつつ、保護シート22による粘着領域M2の保護機能が過度に低下することが抑えられる。
(4)露出領域N2の最大長Lが、7mm以上であるため、露出領域N2の大きさとして、人の指の中央部によって支持可能な大きさを確保しやすい。したがって、使用者が、露出領域N2を指で支持しやすくなるため、保護シート22をより容易に剥離することができる。
(5)保護シート22の厚みが、基体11の厚さ方向におけるマイクロニードル10の長さよりも大きいため、突起部12に人の手やその他の部材が接触することが抑えられる。また、突起部12を他の部材によって保護せずとも、マイクロニードルユニット20を保護シートの厚さ方向に重ねたとき、突起部12を傷付けることが抑えられるため、マイクロニードルユニット20の取り扱いや管理が容易となる。
[変形例]
上記実施形態は、以下のように変更して実施することが可能である。
・粘着シート21の露出領域N2は、被覆領域N1と比較して、粘着面21Sの面方向の外側に突出していてもよい。すなわち、マイクロニードル10の基体11の第1面11Sと対向する方向から見て、粘着領域M2の外形は、露出領域N2にて外側に膨らんでもよい。この場合、露出領域N2は、マイクロニードル10を保持した粘着シート21が投与対象に貼り付いた状態を所望の期間に渡って保持するためにその部分にて必要な大きさよりも大きい面積を有する。こうした構成によれば、露出領域N2の最大長Lを大きく確保しやすくなる。
・窓部24の外形や、露出領域N2の外形は、上記実施形態にて例示した形状に限られない。保護シート22が粘着領域M2の一部を覆うことにより、露出領域N2が形成されていれば、保護シート22が粘着領域M2の全体を覆う構成と比較して、保護シート22の剥離の起点が形成され易くなり、保護シート22を容易に剥離することはできる。なお、粘着領域M2は、窓部24の形成されている領域、すなわち、保護シート22において窓部24の位置で欠けている領域の全体と重なり、窓部24の形成されている領域の大きさと露出領域N2の大きさとが一致する構成であってもよい。ただし、粘着領域M2が、窓部24の形成されている領域の一部と重なり、窓部24の形成されている領域の大きさよりも露出領域N2の大きさの方が小さい構成であると、粘着シート21の外周縁の一部が窓部24から露出するため、保護シート22の剥離の起点がより形成され易くなる。
・マイクロニードルユニット20は、例えば、突起部12を保護するフィルムや、マイクロニードルユニット20を収容するケースと組み合わされて用いられてもよい。
例えば、図14に示されるように、保護シート22における粘着シート21とは反対側の面に、保護フィルム30が積層されてもよい。これにより、マイクロニードル10の特に突起部12を、外部から保護することができる。
また例えば、図15に示されるように、マイクロニードルユニット20の全体が、ケース40に収容されてもよい。ケースは、袋状であってもよいし、箱状であってもよい。これにより、マイクロニードルユニット20の全体を外部から保護することができる。
[実施例]
上述したマイクロニードルユニットについて、具体的な実施例および比較例を用いて説明する。
<実施例1>
[マイクロニードルユニットの作製]
工程1.凹版の作製
まず、精密機械加工によって、マイクロニードルの原版を作製した。原版の形成材料として、シリコン基板を用い、正四角錐(高さ:200μm、底面:38μm×38μm)の突起部が、1mm間隔で、10列10行の格子状に100本配列された原版を作製した。100本の突起部は、一辺が約9mmの正方形の領域内に配置された。
次に、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂を用いて、原版の突起部の形状を転写し、原版の凹凸が反転された凹版を作製した。
工程2.マイクロニードルの材料溶液の調製
次に、マイクロニードルの材料溶液の調製を行った。ヒドロキシプロピルセルロースを水に溶解後、真空下で脱気し、マイクロニードルの材料溶液を調製した。このとき、材料溶液中におけるヒドロキシプロピルセルロースの割合を5重量%とした。
工程3.マイクロニードルの成形
次に、インクジェット法によって、工程2で調整したマイクロニードルの材料溶液を工程1で作製した凹版内に供給して、材料溶液を凹部に充填した。材料溶液が充填された凹版を、常温常湿環境下で静置して材料溶液を乾燥させた後、成形物を凹版から剥離し、マイクロニードルを得た。得られたマイクロニードルの基体の厚みは200μmであり、突起部の長さは200μmであった。このマイクロニードルについて、突起部の形成されている領域が中心に配置されるように基体の外形をφ12mmの円形に成形した。
工程4.粘着シートの作製
次に、粘着シートを作製した。シートの有する2つの面のうち、一方の面が粘着面であって、シートの厚みが200μmである皮膚貼付用粘着シートを20mm×20mm角に成形して、粘着シートを得た。
工程5.保護シートの作製
次に、保護シートを作製した。シートの有する2つの面のうち、一方の面がフッ素加工された剥離層から構成され、シートの厚みが600μmであるシートを30mm×30mm角に成形した。続いて、シートの中央部のφ13mmの円形領域を除去して開口部を形成し、シートの有する4角のうちの1角の10mm×10mm角の矩形領域を除去して窓部を形成して、保護シートを得た。
工程6.粘着シートとマイクロニードルの貼り合わせ
次に、工程4で作製した粘着シートの粘着面の中央部に、工程3で作製したマイクロニードルの基体の第2面を貼り付けた。基体の外周縁の全域について、基体の面方向の外側に粘着面が露出して、粘着領域が形成された。
工程7.保護シートと粘着シートとの貼り合わせ
次に、工程6で作製したマイクロニードルが貼り付けられた粘着シートの粘着領域に、工程5で作製した保護シートの剥離層から構成される面を貼り付けた。このとき、保護シートの開口部からマイクロニードルが出るように、開口部とマイクロニードルとの位置を合わせて、粘着シートに保護シートを貼り付けた。これにより、実施例1のマイクロニードルユニットが得られた。
実施例1のマイクロニードルユニットにおいて、保護シートの窓部から、粘着シートの粘着面における5×5mm角の粘着領域が露出していた。粘着シートにおける露出領域の最大長は7.1mmであった。
[評価結果]
右手の人差し指と親指で露出領域近傍の保護シートをつまみ、左手の人差し指と親指で露出領域を含む粘着シートをつまんで、保護シートを粘着シートから剥離したところ、容易に剥離が可能であった。さらに、マイクロニードルの突起部に触れることなく保護シートを剥離できた。
<比較例>
[マイクロニードルユニットの作製]
工程1〜3.マイクロニードルの作製
実施例1の工程1〜3と同様の工程によって、実施例1と同じ形状のマイクロニードルを得た。基体の厚みは200μm、突起部の長さは200μm、基体の外形はφ12mmの円形であった。
工程4.粘着シートの作製
実施例1の工程4と同様の工程によって、実施例1と同様の構成の粘着シートを作製した。粘着シートの厚みは200μmであり、粘着シートの大きさは20mm×20mm角であった。
工程5.保護シートの作製
窓部の形成を行わない以外は実施例1の工程5と同様の工程によって、窓部以外の構成が実施例1と同様の保護シートを作製した。保護シートの厚みは600μmであり、開口部はφ13mmの円形領域であり、保護シートの大きさは30mm×30mm角であり、窓部は形成されていなかった。
工程6,7.粘着シート、マイクロニードル、および、保護シートの貼り合わせ
実施例1の工程6,7と同様の工程によって、粘着シートにマイクロニードルを貼り付け、粘着シートの粘着領域に保護シートを貼り付けた。これにより、比較例のマイクロニードルユニットが得られた。
比較例のマイクロニードルユニットにおいては、粘着シートの粘着領域は、保護シートから露出している露出領域を有さなかった。
[評価結果]
右手の人差し指と親指で保護シートをつまみ、左手の人差し指と親指で粘着シートをつまんで、保護シートを粘着シートから剥離しようと試みたが、粘着シートの露出領域がないために、粘着シートに爪を立てて剥離の起点をつくる必要があり、保護シートの剥離が非常に困難であった。さらに爪を立てたことによって、粘着シートの外周部の一部が折れ曲がり、粘着面同士が付着して剥離が困難になった。
<実施例2>
[マイクロニードルユニットの作製]
工程1〜3.マイクロニードルの作製
実施例1の工程1〜3と同様の工程によって、実施例1と同じ形状のマイクロニードルを得た。基体の厚みは200μm、突起部の長さは200μm、基体の外形はφ12mmの円形であった。
工程4.粘着シートの作製
実施例1の工程4と同様の工程によって、実施例1と同様の構成の粘着シートを作製した。粘着シートの厚みは200μmであり、粘着シートの大きさは20mm×20mm角であった。
工程5.保護シートの作製
実施例1の工程5と同様の工程によって、厚み以外の構成は実施例1と同様の保護シートを作製した。保護シートの厚みは300μmであり、開口部はφ13mmの円形領域であり、窓部は10mm×10mm角の矩形領域であり、保護シートの大きさは30mm×30mm角であった。
工程6,7.粘着シート、マイクロニードル、および、保護シートの貼り合わせ
実施例1の工程6,7と同様の工程によって、粘着シートにマイクロニードルを貼り付け、粘着シートの粘着領域に保護シートを貼り付けた。これにより、実施例2のマイクロニードルユニットが得られた。
実施例2のマイクロニードルユニットにおいて、保護シートの窓部から、粘着シートの粘着面における5×5mm角の粘着領域が露出していた。粘着シートにおける露出領域の最大長は7.1mmであった。
[評価結果]
右手の人差し指と親指で露出領域近傍の保護シートをつまみ、左手の人差し指と親指で露出領域を含む粘着シートをつまんで、保護シートを粘着シートから剥離したところ、容易に剥離が可能であった。しかしながら、右手で保護シートをつまむ際に、マイクロニードルの突起部にわずかに触れてしまった。
<実施例3>
[マイクロニードルユニットの作製]
工程1〜3.マイクロニードルの作製
実施例1の工程1〜3と同様の工程によって、実施例1と同じ形状のマイクロニードルを得た。基体の厚みは200μm、突起部の長さは200μm、基体の外形はφ12mmの円形であった。
工程4.粘着シートの作製
実施例1の工程4と同様の工程によって、実施例1と同様の構成の粘着シートを作製した。粘着シートの厚みは200μmであり、粘着シートの大きさは20mm×20mm角であった。
工程5.保護シートの作製
実施例1の工程5と同様の工程によって、窓部の大きさ以外の構成は実施例1と同様の保護シートを作製した。保護シートの厚みは600μmであり、開口部はφ13mmの円形領域であり、窓部は6mm×6mm角の矩形領域であり、保護シートの大きさは30mm×30mm角であった。
工程6,7.粘着シート、マイクロニードル、および、保護シートの貼り合わせ
実施例1の工程6,7と同様の工程によって、粘着シートにマイクロニードルを貼り付け、粘着シートの粘着領域に保護シートを貼り付けた。これにより、実施例3のマイクロニードルユニットが得られた。
実施例3のマイクロニードルユニットにおいて、保護シートの窓部から、粘着シートの粘着面における1×1mm角の粘着領域が露出していた。粘着シートにおける露出領域の最大長は1.4mmであった。
[評価結果]
右手の人差し指と親指で露出領域近傍の保護シートをつまみ、左手の人差し指と親指で露出領域を含む粘着シートをつまもうと試みたが、露出領域が狭いため、つまみにくかった。そこで、粘着シートに爪を立てて露出領域の端部付近に剥離の起点をつくり、保護シートを粘着シートから剥離した。比較例と比較すると、剥離の起点を作りやすく保護シートの剥離は容易であり、粘着シートの変形も抑えられたが、実施例1,2と比較すると、保護シートの剥離は困難であった。
以上の実施例および比較例によって、粘着シートに露出領域を有する実施例1〜3では、露出領域を有さない比較例よりも、保護シートの剥離が容易であることが示された。さらに、露出領域の最大長が7mm以上である実施例1では、露出領域の最大長が7mm未満である実施例3よりも保護シートの剥離が容易であることが示された。また、保護シートの厚みがマイクロニードルの長さよりも大きい実施例1では、保護シートの厚みがマイクロニードルの長さよりも小さい実施例2よりも、突起部の保護機能が高められることが示された。
10…マイクロニードル、11…基体、11S…第1面、11T…第2面、12…突起部、20…マイクロニードルユニット、21…粘着シート、21S…粘着面、22…保護シート、23…開口部、24…窓部、25…脆弱部、30…保護フィルム、40…ケース、M1…貼付領域、M2…粘着領域、N1…被覆領域、N2…露出領域。

Claims (5)

  1. 第1面と、前記第1面とは反対側の面である第2面とを有する基体と、
    前記基体の前記第1面から突き出た突起部と、を備えるマイクロニードルと、
    前記基体の前記第2面に貼り付けられた貼付領域と、前記第2面と平行な方向において前記基体の外側にはみ出すように前記貼付領域から延びる粘着領域とを含む粘着面を有する粘着シートと、
    前記第2面と平行な方向における前記基体の外側にて、前記粘着領域の一部を覆う保護シートと、
    を備えるマイクロニードルユニット。
  2. 前記粘着領域において、前記保護シートから露出する領域は、前記保護シートによって覆われる領域よりも小さい
    請求項1に記載のマイクロニードルユニット。
  3. 前記保護シートは、
    前記マイクロニードルの前記突起部が露出する第1開口部と、
    前記粘着領域の一部が露出する第2開口部と、を有する
    請求項1または2に記載のマイクロニードルユニット。
  4. 前記粘着領域は前記保護シートから露出する露出領域を含み、前記露出領域の外周縁のうちの任意の二箇所を前記露出領域上を通って結ぶ線分のなかで、最も長い線分の長さが、7mm以上である
    請求項1〜3のいずれか一項に記載のマイクロニードルユニット。
  5. 前記保護シートの厚みは、前記基体の厚さ方向における前記マイクロニードルの長さよりも大きい
    請求項1〜4のいずれか一項に記載のマイクロニードルユニット。
JP2016538267A 2014-07-30 2015-07-16 マイクロニードルユニット Active JP6565917B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014154970 2014-07-30
JP2014154970 2014-07-30
PCT/JP2015/070428 WO2016017439A1 (ja) 2014-07-30 2015-07-16 マイクロニードルユニット

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2016017439A1 true JPWO2016017439A1 (ja) 2017-04-27
JP6565917B2 JP6565917B2 (ja) 2019-08-28

Family

ID=55217344

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016538267A Active JP6565917B2 (ja) 2014-07-30 2015-07-16 マイクロニードルユニット

Country Status (3)

Country Link
US (1) US10702687B2 (ja)
JP (1) JP6565917B2 (ja)
WO (1) WO2016017439A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5931155B2 (ja) * 2014-09-30 2016-06-08 日本写真印刷株式会社 マイクロニードルシートの梱包体及びその製造方法
JP2017164191A (ja) * 2016-03-15 2017-09-21 凸版印刷株式会社 経皮投与デバイス

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008522731A (ja) * 2004-12-10 2008-07-03 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 医療用デバイス
JP3152532U (ja) * 2009-04-22 2009-08-06 コスメディ製薬株式会社 マイクロニードルパッチ収納ケース
JP2010029512A (ja) * 2008-07-30 2010-02-12 Seirin Kk 薬剤付き鍼灸針
JP2013066730A (ja) * 2005-06-27 2013-04-18 Three M Innovative Properties Co マイクロニードルカートリッジアセンブリ及び適用方法
WO2014003002A1 (ja) * 2012-06-27 2014-01-03 コスメディ製薬株式会社 マイクロニードルパッチの保護離型シート

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20070100820A (ko) 2005-01-31 2007-10-11 가부시키가이샤 바이오세렌택 경피 흡수 제제, 경피 흡수 제제 유지 시트 및 경피 흡수제제 유지 용구
US20080195035A1 (en) * 2005-06-24 2008-08-14 Frederickson Franklyn L Collapsible Patch and Method of Application
JP4265696B2 (ja) 2006-07-04 2009-05-20 凸版印刷株式会社 マイクロニードルの製造方法
WO2008013282A1 (en) 2006-07-27 2008-01-31 Toppan Printing Co., Ltd. Method for producing microneedle

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008522731A (ja) * 2004-12-10 2008-07-03 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 医療用デバイス
JP2013066730A (ja) * 2005-06-27 2013-04-18 Three M Innovative Properties Co マイクロニードルカートリッジアセンブリ及び適用方法
JP2010029512A (ja) * 2008-07-30 2010-02-12 Seirin Kk 薬剤付き鍼灸針
JP3152532U (ja) * 2009-04-22 2009-08-06 コスメディ製薬株式会社 マイクロニードルパッチ収納ケース
WO2014003002A1 (ja) * 2012-06-27 2014-01-03 コスメディ製薬株式会社 マイクロニードルパッチの保護離型シート
JP2014028108A (ja) * 2012-06-27 2014-02-13 Kosumedei Seiyaku Kk マイクロニードルパッチの保護離型シート

Also Published As

Publication number Publication date
US10702687B2 (en) 2020-07-07
US20170128708A1 (en) 2017-05-11
JP6565917B2 (ja) 2019-08-28
WO2016017439A1 (ja) 2016-02-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6402714B2 (ja) マイクロニードルユニット
US10561831B2 (en) Transdermal administration device packaged body
JP6489025B2 (ja) マイクロニードルユニット
WO2016157985A1 (ja) マイクロニードルパッチ
JP5495034B2 (ja) 多層構成のマイクロニードルパッチ
WO2015194260A1 (ja) マイクロニードルユニット
US20180126139A1 (en) Transdermal administration device
JP6528413B2 (ja) 経皮投与デバイス
JP2017164191A (ja) 経皮投与デバイス
JP6565917B2 (ja) マイクロニードルユニット
US10596040B2 (en) Transdermal administration device
US20180200495A1 (en) Administration device
JP2017192662A (ja) 経皮投与デバイス収容体
JP6848182B2 (ja) 経皮投与デバイス収容体
JP2017158936A (ja) 経皮吸収デバイス
JP2016150134A (ja) 針状体パッケージ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180621

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190212

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190412

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190702

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190715

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6565917

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250