JPWO2015159687A1 - 制御装置およびレーザ加工装置 - Google Patents

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Abstract

制御装置が、波長変換結晶から出力された高調波レーザ光のビーム径を調整する移動光学系の初期位置と、初期位置からの距離で定義された移動光学系の移動許容範囲と、を記憶する記憶部と、高調波レーザ光の被加工物上での出力値である加工点出力値が第1の設定値以上となるよう移動光学系の位置を移動させるとともに、移動後の移動光学系の位置が移動許容範囲内であるか否かを判定し、移動許容範囲外である場合には、波長変換結晶の移動を行わせる指示を外部出力する制御部と、を備える。

Description

本発明は、レーザ光の出力値を制御する制御装置およびレーザ加工装置に関する。
従来、高調波レーザ光の出力が低下した際には、波長変換結晶の温度調整を行ない、温度調整を行っても閾値以上の高調波レーザ出力を得ることができない場合に、波長変換結晶を光路に対して垂直方向に移動させていた。これにより、高調波レーザ光の波長変換結晶における通過点が更新されるので、高調波レーザ光の出力値の回復を図ることができる。
波長変換結晶の温度調整が実施されることによって、波長変換結晶の温度が下げられると、波長変換結晶の側面とレーザ通過点との間の温度勾配が大きくなり、その結果、熱レンズが発生する。このため、発振器出口の高調波レーザ出力が同一であっても、高調波レーザ光の伝搬状態が変化し、加工点における高調波レーザ出力が変化する。特許文献1に記載の方法では、加工点における高調波レーザ出力を一定とするために、移動光学系の位置を調整し、マスク位置でのビーム径を一定に保つことが行われていた。
特開2000−176661号公報
しかしながら、上記従来の技術では、レーザ発振器からの高調波レーザ光の出力値が回復した場合であっても、高調波レーザ光を用いたレーザ加工の際に加工不良が起きることがあった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、高調波レーザ光を用いたレーザ加工の際に加工不良が起きることを防止する制御装置およびレーザ加工装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、波長変換結晶から出力された高調波レーザ光のビーム径を調整する移動光学系の初期位置と、前記初期位置からの距離で定義された前記移動光学系の移動許容範囲と、を記憶する記憶部と、前記高調波レーザ光の被加工物上での出力値である加工点出力値が第1の設定値以上となるよう前記移動光学系の位置を移動させるとともに、移動後の前記移動光学系の位置が前記移動許容範囲内であるか否かを判定し、前記移動許容範囲外である場合には、前記波長変換結晶の移動を行わせる指示を外部出力する制御部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、高調波レーザ光を用いたレーザ加工の際に加工不良が起きることを防止することが可能になるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態1に係るレーザ加工装置の構成を示す図である。 図2は、実施の形態1に係るレーザ加工装置の処理手順を示すフローチャートである。 図3は、レーザ発振器の部品劣化に起因する熱レンズを説明するための図である。 図4は、実施の形態2に係るレーザ加工装置の処理手順を示すフローチャートである。 図5は、高調波レーザ光の立上り緩和現象を説明するための図である。 図6は、高調波レーザ光の出力値の推移例を示す図である。 図7は、波長変換結晶の劣化判定を説明するための図である。 図8は、比較出力が下限出力よりも小さい場合の高調波レーザ光の出力値の推移例を示す図である。 図9は、初期出力値に関係なく温度調整を行なった場合の高調波レーザ光の出力値の推移例を示す図である。
以下に、本発明に係る制御装置およびレーザ加工装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、これらの実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るレーザ加工装置の構成を示す図である。レーザ加工装置1は、レーザ発振器20、加工機光路系30、制御装置10を備えている。レーザ加工装置1は、UV(Ultra Violet)レーザ光などの高調波レーザ光を被加工物2に照射することによって被加工物2をレーザ加工する装置である。
本実施の形態のレーザ加工装置1は、移動光学系31の位置を移動させた際の初期位置を記憶しておき、熱レンズなどの発生によって加工点における高調波レーザ出力が変化した場合には、移動光学系31の位置を所定範囲内で移動させる。これにより、レーザ加工装置1は、熱レンズなどが発生した場合であっても、マスク位置でのビーム径を略一定に保つ。
この場合において、レーザ加工装置1は、初期位置からの移動光学系31の距離が、所定値以上になると、波長変換結晶42の劣化または損傷が著しいと判断して、波長変換結晶42の移動や温度調整を実施する。具体的には、レーザ加工装置1は、移動光学系31の位置移動と、レーザ加工とを繰り返す。そして、レーザ加工装置1は、初期位置から所定の変位量よりも多く移動光学系31を移動させなければ、マスク位置でのビーム径を所定範囲内に収めることができない状態になると、波長変換結晶42の移動や温度調整を実施する。
レーザ発振器20は、基本波レーザパワーメータ21、基本波ユニット22、波長変換ユニット23、高調波レーザパワーメータ24を有している。基本波ユニット22は、励起光源41を有しており、励起光源41から基本波レーザ光を出射する。基本波ユニット22からの基本波レーザ光は、波長変換ユニット23に送られる。基本波レーザパワーメータ21は、基本波レーザ光の出力値を検出して制御装置10に送る。
波長変換ユニット23は、波長変換結晶42と結晶移動機構43を有している。波長変換結晶42は、基本波レーザ光を高調波レーザ光に変換して加工機光路系30に送る。波長変換結晶42は、例えば、SHG(Second Harmonic Generation)結晶、THG(Third Harmonic Generation)結晶、FHG(Forth Harmonic Generation)結晶などである。
結晶移動機構43は、波長変換結晶42の位置を移動させる。結晶移動機構43は、波長変換結晶42を、光路に対して垂直方向に移動させることによって、基本波レーザ光の波長変換結晶42への照射位置を変更する。結晶移動機構43は、波長変換結晶42の温度調整を行っても所定値以上の高調波レーザ出力を得ることができない場合に、波長変換結晶42を光路に対して垂直方向に移動させる。また、結晶移動機構43は、所定値以上の高調波レーザ出力を得るために、後述する移動光学系31を移動させる処理を繰り返す。そして、結晶移動機構43は、移動光学系31と初期位置との間の距離が所定値以上となった場合に、波長変換結晶42を光路に対して垂直方向に移動させる。
高調波レーザパワーメータ24は、レーザ発振器20から加工機光路系30に送られる高調波レーザ光の出力値を測定する。高調波レーザパワーメータ24は、測定結果を制御装置10の後述する制御部11に送る。
加工機光路系30は、移動光学系31、マスク37、加工点出力用パワーメータ32を有しており、高調波レーザ光を被加工物2へ導く。移動光学系31は、レンズなどである。移動光学系31は、光軸方向に移動させられることによって、マスク37へ照射する高調波レーザ光のビーム系を調整する。マスク37には、所定の半径を有した開口部が設けられており、開口部を通過した高調波レーザ光が被加工物2へ照射される。
加工点出力用パワーメータ32は、被加工物2上の加工点に出力される高調波レーザ光の出力値を測定する。なお、以下の説明では、レーザ発振器20における高調波レーザ光の出力値を出力値P3ωといい、被加工物2上の加工点に出力される高調波レーザ光の出力値を加工点出力値という。
加工点出力用パワーメータ32は、例えば、マスク37を通過した後、被加工物2に照射されるまでの高調波レーザ光を用いて加工点出力値を測定する。加工点出力用パワーメータ32は、測定結果を制御装置10の後述する制御部11に送る。
制御装置10は、制御部11、励起光源用電源12、温度調整ユニット13、結晶移動機構制御ユニット14、移動光学系制御ユニット15、記憶部16を有している。励起光源用電源12は、励起光源41に励起光を送る。励起光源用電源12は、例えば、LD電流などである。励起光源用電源12は、LD電流などを調整することによって、励起光源41から出射される基本波レーザ光の光量などを調整する。
温度調整ユニット13は、波長変換結晶42の温度を調整する。温度調整ユニット13は、レーザ発振器20における高調波レーザ光の出力値P3ωが第1の閾値(Pmin)よりも低下した場合であって第5の閾値(Pdmg)よりも高い場合に、波長変換結晶42が第1の温度T1まで下がるよう温度調整を行う。第1の閾値であるPminと第5の閾値であるPdmgは、それぞれ波長変換結晶42の劣化の程度を判定するための基準値である。なお、Pdmg<Pminである。
また、温度調整ユニット13は、温度調整を行っても、高調波レーザ光の出力値P3ωが第2の閾値(Pmin+Pm)よりも低く、かつ基本波レーザ光の出力値が第3の閾値(Px)よりも低い場合に、波長変換結晶42の温度が第2の温度T2まで下がるよう温度調整を行う。第1の閾値であるPminは、波長変換結晶42が劣化していない場合に許容される下限出力であり、Pmは、出力マージンである。
また、温度調整ユニット13は、波長変換結晶42の位置を移動させた後に、波長変換結晶42の温度が第3の温度T3まで上がるよう温度調整を行う。なお、第1の温度T1〜第3の温度T3は、何れの温度でもよい。例えば、第2の温度T2は、第1の温度T1や第3の温度T3よりも低い温度である。本実施形態では、第1の温度T1〜第3の温度T3が全て同じ温度Txである場合について説明する。また、第1の閾値であるPminは、第2の閾値である(Pmin+Pm)以下の値である。
結晶移動機構制御ユニット14は、結晶移動機構43を制御する。結晶移動機構制御ユニット14は、波長変換結晶42の温度を温度Txまで下げても高調波レーザ光の出力値P3ωが第4の閾値(Pmin+Pm)よりも低い場合に、結晶移動機構43に波長変換結晶42の位置を移動させる。
また、結晶移動機構制御ユニット14は、高調波レーザ光の出力値P3ωが第5の閾値(Pdmg)よりも低い場合に、結晶移動機構43に波長変換結晶42の位置を移動させる。
また、結晶移動機構制御ユニット14は、高調波レーザ光の出力値P3ωが第6の閾値(Pmin+Pm)よりも低い場合に、結晶移動機構43に波長変換結晶42の位置を移動させる。また、結晶移動機構制御ユニット14は、移動光学系31の位置が所定領域外となる場合に、結晶移動機構43に波長変換結晶42の位置を移動させる。
移動光学系制御ユニット15は、移動光学系31の位置を制御する。移動光学系制御ユニット15は、波長変換結晶42の温度調整を行った後に、高調波レーザ光の出力値P3ωが合格範囲内であれば、移動光学系31の位置調整を行う。
制御部11は、高調波レーザパワーメータ24からの測定結果および加工点出力用パワーメータ32からの測定結果に基づいて、励起光源用電源12、温度調整ユニット13、結晶移動機構制御ユニット14、移動光学系制御ユニット15を制御する。制御部11は、被加工物2への加工の合間の任意のタイミングで、レーザ発振器20の出口における高調波レーザ光の出力値P3ωおよび、加工点における加工点出力値の調整を行う。
記憶部16は、高調波レーザパワーメータ24からの測定結果および加工点出力用パワーメータ32からの測定結果を記憶する。また、記憶部16は、第1〜第6の閾値を記憶する。
また、記憶部16は、被加工物2が損傷を受けることなく移動光学系31が初期位置から移動可能な範囲である移動許容範囲を記憶する。移動許容範囲は、初期位置からの距離によって定義されるものであり、初期位置が更新された場合には、移動許容範囲で規定される領域も更新される。
また、記憶部16は、波長変換結晶42の位置移動および温度調整が行なわれた後に、高調波レーザ光の出力値P3ωが測定された際の移動光学系31の初期位置を記憶する。波長変換結晶42の位置移動および温度調整が行なわれた後には、高調波レーザ光の出力値P3ωが第6の閾値(Pmin+Pm)よりも大きくなり、加工点における加工点出力が、移動光学系31の位置調整で調整される。このときの移動光学系31の位置が初期位置であり、記憶部16によって記憶される。
本実施の形態の制御部11は、移動光学系31の初期位置からの距離が移動許容範囲内であるかを判定する。これにより、制御部11は、移動光学系31の初期位置からの距離に基づいて、加工不良につながる波長変換結晶42の劣化の程度を判断する。
制御部11は、移動光学系31が移動許容範囲内である場合には、移動光学系31の位置を採用する。制御部11は、移動許容範囲外となる場合には、結晶移動機構制御ユニット14に、波長変換結晶42の位置移動を実行させるとともに、記憶部16に移動光学系31の位置を調整させる。
図2は、実施の形態1に係るレーザ加工装置の処理手順を示すフローチャートである。レーザ加工装置1に波長変換結晶42が配置されると、制御部11は、波長変換結晶42の移動回数をリセットする。具体的には、制御部11は、波長変換結晶42の移動回数n(nは自然数)をn=0に設定する(ステップS10)。
そして、制御部11は、高調波レーザパワーメータ24に、高調波レーザ光の出力チェックを行なわせる(ステップS20)。これにより、高調波レーザパワーメータ24は、高調波レーザ光の出力値P3ωを測定し、測定結果を制御部11に送る。
制御部11は、高調波レーザ光の出力値P3ωが所定値以上であるか否かを判定する。具体的には、制御部11は、高調波レーザ光の出力値P3ωが第1の閾値であるPmin未満であるか否かを判定する。そして、制御部11は、高調波レーザ光の出力値P3ωが第1の閾値であるPmin未満である場合には、高調波レーザ光の出力値P3ωが第5の閾値であるPdmg以下であるか否かを判定する。
制御部11は、高調波レーザ光の出力値P3ωが第5の閾値であるPdmgよりも大きく第1の閾値であるPmin未満である場合には不合格(1)と判定する。また、制御部11は、高調波レーザ光の出力値P3ωが第5の閾値であるPdmg以下である場合には不合格(2)と判定する。換言すると、Pdmg<P3ω<Pminであれば、不合格(1)と判定され、P3ω≦Pdmgであれば、不合格(2)と判定される。また、制御部11は、高調波レーザ光の出力値P3ωが第1の閾値であるPmin以上である場合には合格と判定する。
Pdmg<P3ω<Pminである場合(ステップS20、不合格(1))、制御部11は、温度調整ユニット13に波長変換結晶42の温度調整を実行させる(ステップS30)。これにより、温度調整ユニット13は、波長変換結晶42が温度Txまで下がるよう温度調整を行う。
そして、制御部11は、高調波レーザパワーメータ24に、高調波レーザ光の出力チェックを行なわせる(ステップS40)。これにより、高調波レーザパワーメータ24は、高調波レーザ光の出力値P3ωを測定し、測定結果を制御部11に送る。
制御部11は、高調波レーザ光の出力値P3ωが所定値以上であるか否かを判定する。具体的には、制御部11は、高調波レーザ光の出力値P3ωが第2の閾値である(Pmin+Pm)未満であるか否かを判定する。そして、制御部11は、高調波レーザ光の出力値P3ωが第2の閾値未満である場合には不合格と判定する。また、制御部11は、高調波レーザ光の出力値P3ωが第2の閾値以上である場合には合格と判定する。
P3ω<(Pmin+Pm)である場合(ステップS40、不合格)、制御部11は、基本波レーザ光の出力チェックを行う(ステップS50)。制御部11は、基本波レーザ光の出力値Pωが第3の閾値であるPx未満であるか否かを判定する。そして、制御部11は、基本波レーザ光の出力値Pωが第3の閾値未満である場合には不合格と判定する。また、制御部11は、基本波レーザ光の出力値Pωが第3の閾値以上である場合には合格と判定する。
Pω<Pxである場合(ステップS50、不合格)、制御部11は、LD電流などを調整することによって、励起光源41から出射される基本波レーザ光の光量などを調整する(ステップS60)。さらに、制御部11は、温度調整ユニット13に波長変換結晶42の温度調整を実行させる(ステップS70)。これにより、温度調整ユニット13は、波長変換結晶42が温度Txまで下がるよう温度調整を行う。
このように、温度調整ユニット13は、温度Txまで下がるよう温度調整を行なっても、高調波レーザ光の出力値P3ωが第2の閾値よりも低く、かつ基本波レーザ光の出力値が第3の閾値よりも低い場合に、LD電流を調整したうえで温度Txまで下がるよう温度調整を行う。
この後、制御部11は、高調波レーザパワーメータ24に、高調波レーザ光の出力チェックを行なわせる(ステップS80)。これにより、高調波レーザパワーメータ24は、高調波レーザ光の出力値P3ωを測定し、測定結果を制御部11に送る。
制御部11は、高調波レーザ光の出力値P3ωが所定値以上であるか否かを判定する。具体的には、制御部11は、高調波レーザ光の出力値P3ωが第4の閾値である(Pmin+Pm)未満であるか否かを判定する。そして、制御部11は、高調波レーザ光の出力値P3ωが第4の閾値未満である場合には不合格と判定する。また、制御部11は、高調波レーザ光の出力値P3ωが第4の閾値以上である場合には合格と判定する。
P3ω<(Pmin+Pm)である場合(ステップS80、不合格)、制御部11は、波長変換結晶42の使用ポイント数N(Nは自然数)が規定数以下であるか否かを判定する(ステップS90)。なお、ここでの使用ポイント数Nの値は、波長変換結晶42の移動回数nと同じ値である。
また、ステップS20の処理においてP3ω≦Pdmgであれば(ステップS20、不合格(2))、制御部11は、波長変換結晶42の使用ポイント数Nが規定数以下であるか否かを判定する(ステップS90)。
また、ステップS50の処理においてPω≧Pxである場合(ステップS50、合格)、制御部11は、波長変換結晶の使用ポイント数Nが規定数以下であるか否かを判定する(ステップS90)。
波長変換結晶42の使用ポイント数NがN>規定数である場合(ステップS90、No)、制御部11は、波長変換結晶42の寿命であると判定し、高調波レーザ光の出力調整処理を終了する。換言すると、波長変換結晶42の使用ポイント数Nが規定数を超えると、高調波レーザ光の出力調整処理を終了する。
波長変換結晶42の使用ポイント数NがN≦規定数である場合(ステップS90、Yes)、制御部11は、結晶移動機構制御ユニット14に結晶移動機構43を制御させる。結晶移動機構制御ユニット14は、結晶移動機構43に波長変換結晶42の位置を移動させる(ステップS100)。
そして、制御部11は、波長変換結晶42の移動回数nを1つカウントUPする。具体的には、制御部11は、波長変換結晶42の移動回数nに対して、n=n+1とする(ステップS110)。さらに、制御部11は、温度調整ユニット13に波長変換結晶42の温度調整を実行させる(ステップS120)。これにより、温度調整ユニット13は、波長変換結晶42が温度Txまで下がるよう温度調整を行う。
この後、制御部11は、高調波レーザパワーメータ24に、高調波レーザ光の出力チェックを行なわせる(ステップS130)。これにより、高調波レーザパワーメータ24は、高調波レーザ光の出力値P3ωを測定し、測定結果を制御部11に送る。
制御部11は、高調波レーザ光の出力値P3ωが所定値以上であるか否かを判定する。具体的には、制御部11は、高調波レーザ光の出力値P3ωが第6の閾値である(Pmin+Pm)未満であるか否かを判定する。そして、制御部11は、高調波レーザ光の出力値P3ωが第6の閾値未満である場合には不合格と判定する。制御部11は、高調波レーザ光の出力値P3ωが第6の閾値以上である場合(ステップS130、合格)、初期値更新フラグFにF=1を設定する(ステップS140)。
初期値更新フラグFは、移動光学系31の初期位置を更新するか否かを示すフラグであり、移動光学系31の初期位置を更新する場合にF=1に設定される。初期値更新フラグFは、波長変換結晶42の結晶移動が行われた場合に「1」に設定される。そして、制御部11は、加工点出力用パワーメータ32に、加工点出力値を測定させる(ステップS160)。
また、制御部11は、ステップS20の処理においてPmin≦P3ωであれば(ステップS20、合格)、加工点出力用パワーメータ32に、加工点出力値を測定させる(ステップS160)。
また、制御部11は、ステップS40の処理において(Pmin+Pm)≦P3ωであれば(ステップS40、合格)、加工点出力用パワーメータ32に、加工点出力値を測定させる(ステップS160)。
また、制御部11は、ステップS80の処理においてP3ω≧(Pmin+Pm)である場合(ステップS80、合格)、加工点出力用パワーメータ32に、加工点出力値を測定させる(ステップS160)。
ステップS160の処理の後、制御部11は、加工点出力値の測定結果に基づいて、移動光学系31の位置を、移動光学系制御ユニット15に移動させる。移動光学系制御ユニット15は、制御部11からの指示に従って、加工点出力値が第1の設定値以上となるよう移動光学系31の位置を調整する(ステップS170)。
そして、制御部11は、初期値更新フラグFがF=1であるか否かを確認する(ステップS180)。F=1である場合(ステップS180、Yes)、制御部11は、移動光学系31の初期位置を更新する(ステップS190)。具体的には、制御部11は、移動光学系31の初期位置を、現在位置に設定し、設定した情報を記憶部16に記憶させる。これにより、移動光学系31の初期位置は、現在の移動光学系31の位置となる。そして、制御部11は、移動光学系31の現在位置が規定範囲内であるか否かを確認する(ステップS200)。
一方、F=1でない場合(ステップS180、No)、制御部11は、移動光学系31の初期位置を更新しない。そして、制御部11は、移動光学系31の現在位置が規定範囲内であるか否かを確認する(ステップS200)。
移動光学系31の現在位置が規定範囲内である場合(ステップS200、Yes)、制御部11は、レーザ発振器20は正常であると判断して、高調波レーザ光の出力調整処理を終了する。
一方、移動光学系31の現在位置が規定範囲内でない場合(ステップS200、No)、制御部11は、波長変換結晶42の使用ポイント数Nが規定数以下であるか否かを判定する(ステップS210)。
また、制御部11は、ステップS130の処理において、P3ω<(Pmin+Pm)であると判定した場合(ステップS130、不合格)、波長変換結晶42の使用ポイント数Nが規定数以下であるか否かを判定する(ステップS210)。
波長変換結晶42の使用ポイント数NがN>規定数である場合(ステップS210、No)、制御部11は、波長変換結晶42の寿命であると判定し、高調波レーザ光の出力調整処理を終了する。
一方、波長変換結晶42の使用ポイント数NがN≦規定回数である場合(ステップS210、Yes)、制御部11は、移動光学系31の移動回数nが、規定回数以下であるか否かを判定する(ステップS220)。
移動光学系31の移動回数nがn>規定回数である場合(ステップS220、No)、制御部11は、レーザ発振器20の異常であると判定し、高調波レーザ光の出力調整処理を終了する。
一方、移動光学系31の移動回数nがn≦規定回数である場合(ステップS220、Yes)、制御部11は、ステップS100〜S130の処理を行う。そして、制御部11は、高調波レーザ光の出力値P3ωが第6の閾値未満である場合(ステップS130、不合格)、ステップS210の処理を行う。また、制御部11は、高調波レーザ光の出力値P3ωが第6の閾値以上である場合(ステップS130、合格)、ステップS140〜S200の処理を行う。
制御部11は、ステップS200の処理において移動光学系31の現在位置が規定範囲内であると判断するか、ステップS210の処理において波長変換結晶42の使用ポイント数NがN>規定数であると判断するか、ステップS220の処理において移動光学系31の移動回数nがn>規定回数であると判断するまで、ステップS100〜S220の処理を繰り返す。なお、本実施形態では、第2の閾値と、第4の閾値と、第6の閾値とが同じである場合について説明したが、これらは異なる値であってもよい。
ここで、レーザ発振器20の部品劣化に起因する熱レンズとビーム伝播状況について説明する。図3は、レーザ発振器の部品劣化に起因する熱レンズを説明するための図である。図3の(a)は、移動光学系31の位置を調整する前のビーム伝播状況を示し、図3の(b)は、移動光学系31の位置を調整した後のビーム伝播状況を示している。図3の(a)と(b)においては、波長変換結晶42からマスク37までの光路を示している。
図3では、位置調整前の移動光学系31を移動光学系レンズ31Aとして図示し、位置調整後の移動光学系31を移動光学系レンズ31Bとして図示している。なお、図3では、移動光学系レンズ31A,31Bがコリメートレンズである場合を示しているが、移動光学系レンズ31A,31Bは、λ/2板などでもよい。
波長変換結晶42のレーザ光の通過点であるビーム通過点において経時的な劣化や損傷が発生した場合、レーザ発振器20の出口における高調波レーザ光の出力値P3ωを改善するために、波長変換結晶42の温度調整が実施される。換言すると、波長変換結晶42のビーム通過点温度が、劣化や損傷によって上昇し、最適値からシフトした分を冷却するために、波長変換結晶42の温度が下げられる。そのため、波長変換結晶42の側面とビーム通過点との間の温度勾配が大きくなり、この結果、熱レンズが発生する。
波長変換結晶42の劣化などに起因する熱レンズの発生が無い場合の高調波レーザ光51は、所望の加工点出力値を得ることができるよう、マスク37に照射される。具体的には、所望の加工点出力値を得ることができるビーム径の高調波レーザ光51が、マスク37に照射される。このとき、波長変換結晶42から出力される高調波レーザ光51は、コリメートレンズ35および移動光学系31を介してマスク37に照射される。
波長変換結晶42は、屈折率温度特性が負であるので、熱レンズは凹レンズとして現れる。そして、熱レンズが凹レンズとして現れると、波長変換結晶42の劣化などに起因する熱レンズの発生が有る場合の高調波レーザ光52は、所望のビーム径よりも大きなビーム径でマスク37に照射される。
この結果、熱レンズの発生の有無によってマスク37での高調波レーザ光51,52の利用率が異なることとなる。このため、マスク37を通過した後に取り出される加工点出力値は、熱レンズの発生の有無によって変化する。このように、高調波レーザ光の出力値P3ωが、レーザ発振器20の出口で同じであっても、レーザ光の伝搬が変化し、加工点出力値が変化する。
このため、マスク37でのビーム径が熱レンズの発生の前後で同じになるよう移動光学系31の位置が調整される。換言すると、加工点出力値を一定とするために、制御部11は、移動光学系31の位置を調整し、これにより、マスク37でのビーム径を同じにする。
ところが、波長変換結晶42の劣化前後でマスク37における高調波レーザ光の波面が変化するので、被加工物2の加工状態が変わることが分かった。換言すると、波長変換結晶42の劣化によって高調波レーザ波面である発散角が変化することが分かった。
そこで、本実施の形態では、制御部11が、レーザ発振器20の出口における高調波レーザ光の初期出力値を取得する際に、移動光学系31の位置を初期位置として記憶部16に記憶させておく。ここでの移動光学系31の位置は、例えば、移動式のコリメートレンズおよびマスク37で加工点出力値を調整する場合、コリメートレンズの位置である。換言すると、移動光学系31が、コリメートレンズである場合、コリメートレンズの光路方向の位置が調整されることによって加工点出力値が調整される。また、λ/2板および偏光子で加工点出力値を調整する場合、移動光学系31の位置は、λ/2板の回転位置が調整されることによって加工点出力値が調整される。
図3の(b)では、移動光学系レンズ31Aの位置が、移動光学系レンズ31Bの位置に調整されることによって、高調波レーザ光52が、高調波レーザ光53に変化した様子を示している。高調波レーザ光53は、高調波レーザ光51と同じビーム径でマスク37に照射されるレーザ光である。この高調波レーザ光51,53は、被加工物2がレーザ加工の際に損傷を受けないレーザ光である。
レーザ加工装置1では、移動光学系レンズ31Aの位置が調整されることによってマスク37でのビーム径が熱レンズ発生前と同じになるよう調整される。波長変換結晶42の劣化によって高調波レーザ光53の波面は、高調波レーザ光51よりも凸面が鋭くなる。本実施の形態では、所定範囲内で移動光学系31の位置を調整させているので、熱レンズの発生前後でマスク37上の高調波レーザ光が同様の波面を有することとなる。
本実施の形態では、被加工物2がレーザ加工の際に損傷を受けない初期位置からの移動許容範囲を記憶部16が記憶しておく。そして、制御部11は、加工点出力値を調整するために移動した移動光学系31が、初期位置からの移動許容範囲を超えた場合に、波長変換結晶42の劣化が著しいと判断して波長変換結晶42を高調波レーザ光52に対して垂直に移動させ、これにより、ビーム通過点を変更させる。また、制御部11は、波長変換結晶42の移動後は温度調整を実施させ、新たに移動光学系31の位置を調整させ、初期位置として新たに記憶させる。
このように、マスク位置でのビーム径が所定範囲内に収められることによって、加工点でのレーザ光の利用率が所定の範囲内に収まるので、高調波レーザ光を用いたレーザ加工の際に加工不良が発生することを防止できる。
このように実施の形態1によれば、移動光学系31の初期位置を記憶しておき、移動光学系31が移動許容範囲を超えた場合に、波長変換結晶42を移動させるので、高調波レーザ光を用いたレーザ加工の際に加工不良が起きることを防止することが可能になる。
実施の形態2.
つぎに、図4〜図9を用いてこの発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2では、レーザ発振器20から加工機光路系30に送られる高調波レーザ光の出力値P3ωが、初期出力値から所定の割合よりも低下した場合に波長変換結晶42を移動させる。換言すると、高調波レーザ光の出力値P3ωの変化量が、初期出力値から所定の割合以上低下した場合に、波長変換結晶42が移動させられる。
本実施の形態の温度調整ユニット13は、高調波レーザ光の出力値P3ωが第7の閾値(PminまたはPc(x))よりも低下した場合であって第10の閾値(Pdmg)よりも高い場合に、波長変換結晶42が第4の温度T4まで下がるよう温度調整を行う。Pc(x)は、波長変換結晶42の劣化判定に用いられる比較出力であり、初期出力からの低下割合を用いて定義された値である。
また、温度調整ユニット13は、温度調整を行っても、高調波レーザ光の出力値P3ωが第8の閾値(PminまたはPc(x))よりも低く、かつ基本波レーザ光の出力値が第3の閾値(Px)よりも低い場合に、波長変換結晶42の温度が第5の温度T5まで下がるよう温度調整を行う。
また、温度調整ユニット13は、波長変換結晶42の位置を移動させた後に、波長変換結晶42の温度が第6の温度T6まで下がるよう温度調整を行う。なお、第4の温度T4〜第6の温度T6は、何れの温度でもよい。例えば、第5の温度T5は、第4の温度T4や第6の温度T6よりも低い温度である。本実施の形態では、第4の温度T4〜第6の温度T6が全て同じ温度Txである場合について説明する。
結晶移動機構制御ユニット14は、結晶移動機構43を制御する。結晶移動機構制御ユニット14は、波長変換結晶42の温度を温度Txまで下げても高調波レーザ光の出力値P3ωが第9の閾値(Pjdg(x))よりも低い場合に、結晶移動機構43に波長変換結晶42の位置を移動させる。また、結晶移動機構制御ユニット14は、高調波レーザ光の出力値P3ωが第10の閾値(Pmin+Pm)よりも低い場合に、結晶移動機構43に波長変換結晶42の位置を移動させる。また、結晶移動機構制御ユニット14は、高調波レーザ光の出力値P3ωが第11の閾値(Pdmg)よりも低い場合に、結晶移動機構43に波長変換結晶42の位置を移動させる。
記憶部16は、第7〜第11の閾値を記憶する。また、記憶部16は、波長変換結晶42の位置を移動させた際の、高調波レーザ光の出力値P3ωの初期出力値(P0)を記憶する。また、記憶部16は、波長変換結晶42の劣化判定に用いられる比較出力を記憶する。
本実施の形態の制御部11は、高調波レーザ光の出力値P3ωが、初期出力値から所定割合の変化範囲内であるかを判定する。具体的には、制御部11は、高調波レーザ光の出力値P3ωが、初期出力値の低下割合で定義された出力値許容範囲内であるかを判定する。これにより、制御部11は、初期出力値からの変動量に基づいて、加工不良につながる波長変換結晶42の劣化の程度を判断する。
図4は、実施の形態2に係るレーザ加工装置の処理手順を示すフローチャートである。図4の各処理のうち図2に示す実施の形態1の処理と同様の処理についてはその説明を省略する。
レーザ加工装置1に波長変換結晶42が配置されると、制御部11は、波長変換結晶42の移動回数をリセットする(ステップS10)。そして、制御部11は、高調波レーザパワーメータ24に、高調波レーザ光の出力チェックを行なわせる(ステップS21)。これにより、高調波レーザパワーメータ24は、高調波レーザ光の出力値P3ωを測定する。
制御部11は、高調波レーザ光の出力値P3ωが所定値以上であるか否かを判定する。本実施の形態の制御部11は、高調波レーザ光の出力値P3ωが第7の閾値未満であるか否かを判定する。第7の閾値は、例えば、Pc(x)>Pminである場合には、Pc(x)であり、Pc(x)≦Pminである場合には、Pminである。
Pc(x)は、波長変換結晶42の劣化判定に用いられる比較出力であり、例えば、Pc(x)=(1−αx)P0である。このように、比較出力であるPc(x)は、初期出力であるP0からの低下割合であるαxで定義されている。なお、以下の説明では、波長変換結晶42を1回目に移動させた際のPc(x)をPc(1)とし、M(Mは自然数)回目に移動させた際のPc(x)をPc(M)として説明する。
制御部11は、第7の閾値がPc(x)である場合には、高調波レーザ光の出力値P3ωがPc(x)以上であるか否かを判定し、第7の閾値がPminである場合には、高調波レーザ光の出力値であるP3ωがPmin以上であるか否かを判定する。制御部11は、P3ωがPc(x)以上である場合、またはPmin以上である場合には、高調波レーザ光の出力値P3ωが第11の閾値であるPdmg以下であるか否かを判定する。
制御部11は、高調波レーザ光の出力値P3ωが第11の閾値であるPdmgよりも大きく第7の閾値であるPminまたはPc(x)未満である場合には不合格(3)と判定する。また、制御部11は、高調波レーザ光の出力値P3ωが第11の閾値であるPdmg以下である場合には不合格(4)と判定する。換言すると、Pdmg<P3ω<Pc(x)またはPdmg<P3ω<Pminであれば、不合格(3)と判定され、P3ω≦Pdmgであれば、不合格(4)と判定される。また、制御部11は、高調波レーザ光の出力値P3ωが第7の閾値であるPminまたはPc(x)以上である場合には合格と判定する。なお、以下の説明では、Pc(x)>Pminである場合について説明する。
Pdmg<P3ω<Pc(x)である場合(ステップS21、不合格(3))、制御部11は、温度調整ユニット13に波長変換結晶42の温度調整を実行させる(ステップS30)。
そして、制御部11は、高調波レーザパワーメータ24に、高調波レーザ光の出力チェックを行なわせる(ステップS41)。これにより、高調波レーザパワーメータ24は、高調波レーザ光の出力値P3ωを測定する。
制御部11は、高調波レーザ光の出力値P3ωが所定値以上であるか否かを判定する。本実施の形態の制御部11は、高調波レーザ光の出力値P3ωが第8の閾値であるPc(x)未満であるか否かを判定する。そして、制御部11は、高調波レーザ光の出力値P3ωが第8の閾値未満である場合には不合格と判定する。また、制御部11は、高調波レーザ光の出力値P3ωが第8の閾値以上である場合には合格と判定する。
P3ω<Pc(x)である場合(ステップS41、不合格)、制御部11は、基本波レーザ光の出力チェックを行う(ステップS50)。制御部11は、基本波レーザ光の出力値Pωが第3の閾値であるPx未満であるか否かを判定する。そして、制御部11は、基本波レーザ光の出力値Pωが第3の閾値未満である場合には不合格と判定する。また、制御部11は、基本波レーザ光の出力値Pωが第3の閾値以上である場合には合格と判定する。
Pω<Pxである場合(ステップS50、不合格)、制御部11は、LD電流などを調整することによって、励起光源41から出射される基本波レーザ光の光量などを調整する(ステップS60)。さらに、制御部11は、温度調整ユニット13に波長変換結晶42の温度調整を実行させる(ステップS70)。これにより、温度調整ユニット13は、波長変換結晶42が温度Txまで下がるよう温度調整を行う。
この後、制御部11は、高調波レーザパワーメータ24に、高調波レーザ光の出力チェックを行なわせる(ステップS81)。これにより、高調波レーザパワーメータ24は、高調波レーザ光の出力値P3ωを測定する。
制御部11は、高調波レーザ光の出力値P3ωが所定値以上であるか否かを判定する。本実施の形態の制御部11は、高調波レーザ光の出力値P3ωが第9の閾値である出力判定値Pjdg(x)未満であるか否かを判定する。出力判定値Pjdg(x)は、第8の閾値であるPc(x)に出力マージンであるPmを加算したものであり、波長変換結晶42を移動させるか否かの判定基準に用いられる。出力判定値Pjdg(x)は、高調波レーザ光の出力値P3ωとして許容される出力下限値であり、この値よりも高調波レーザ光の出力値P3ωの値が小さくなる場合には、波長変換結晶42の移動が実行される。
制御部11は、高調波レーザ光の出力値P3ωが第9の閾値未満である場合には不合格と判定する。また、制御部11は、高調波レーザ光の出力値P3ωが第9の閾値以上である場合には合格と判定する。
P3ω<Pjdg(x)である場合(ステップS81、不合格)、制御部11は、波長変換結晶42の使用ポイント数Nが規定数以下であるか否かを判定する(ステップS90)。また、ステップS21の処理においてP3ω≦Pdmgであれば(ステップS21、不合格(4))、制御部11は、波長変換結晶42の使用ポイント数Nが規定数以下であるか否かを判定する(ステップS90)。
また、ステップS50の処理においてPω≧Pxである場合(ステップS50、合格)、制御部11は、波長変換結晶の使用ポイント数Nが規定数以下であるか否かを判定する(ステップS90)。
波長変換結晶42の使用ポイント数NがN>規定数である場合(ステップS90、No)、制御部11は、波長変換結晶42の寿命であると判定し、高調波レーザ光の出力調整処理を終了する。
波長変換結晶42の使用ポイント数NがN≦規定数である場合(ステップS90、Yes)、制御部11は、実施の形態1のステップS100〜S130と同様の処理を行う。すなわち、制御部11は、波長変換結晶42の位置を移動させ(ステップS100)、結晶移動回数を1つカウントUPする(ステップS110)。さらに、制御部11は、温度調整ユニット13に波長変換結晶42の温度調整を実行させ(ステップS120)、その後、高調波レーザパワーメータ24に、高調波レーザ光の出力チェックを行なわせる(ステップS130)。
制御部11は、高調波レーザ光の出力値P3ωが第10の閾値である(Pmin+Pm)未満であるか否かを判定する。なお、第10の閾値は、Pc(x)であってもよい。そして、制御部11は、高調波レーザ光の出力値P3ωが第10の閾値未満である場合には不合格と判定する。制御部11は、高調波レーザ光の出力値P3ωが第10の閾値以上である場合(ステップS130、合格)、初期値更新フラグFにF=1を設定する(ステップS140)。
そして、制御部11は、使用ポイント数Nに対応する結晶位置Npにおけるレーザ発振器20の初期出力値を更新する(ステップS150)。これにより、波長変換結晶42を移動させた後の、高調波レーザ光の初期出力値が更新されることとなる。この初期出力値は、記憶部16によって記憶される。
そして、制御部11は、加工点出力用パワーメータ32に、加工点出力値を測定させる(ステップS160)。また、制御部11は、ステップS21の処理においてPc(x)≦P3ωであれば(ステップS21、合格)、加工点出力用パワーメータ32に、加工点出力値を測定させる(ステップS160)。
また、制御部11は、ステップS41の処理においてPc(x)≦P3ωであれば(ステップS41、合格)、加工点出力用パワーメータ32に、加工点出力値を測定させる(ステップS160)。
また、制御部11は、ステップS81の処理においてPjdg(x)≦P3ωであれば(ステップS81、合格)、加工点出力用パワーメータ32に、加工点出力値を測定させる(ステップS160)。
ステップS160の処理の後、制御部11は、加工点出力値の測定結果に基づいて、移動光学系31の位置を、移動光学系制御ユニット15に移動させる。移動光学系制御ユニット15は、制御部11からの指示に従って、加工点出力値が所定範囲内に収まるよう移動光学系31の位置を調整する(ステップS170)。そして、制御部11は、レーザ発振器20は正常であると判断して、高調波レーザ光の出力調整処理を終了する。
一方、制御部11は、ステップS130の処理において、P3ω<(Pmin+Pm)であると判定した場合(ステップS130、不合格)、波長変換結晶42の使用ポイント数Nが規定数以下であるか否かを判定する(ステップS210)。
波長変換結晶42の使用ポイント数NがN>規定数である場合(ステップS210、No)、制御部11は、波長変換結晶42の寿命であると判定し、高調波レーザ光の出力調整処理を終了する。
一方、波長変換結晶42の使用ポイント数NがN≦規定回数である場合(ステップS210、Yes)、制御部11は、移動光学系31の移動回数nが、規定回数以下であるか否かを判定する(ステップS220)。
移動光学系31の移動回数nがn>規定回数である場合(ステップS220、No)、制御部11は、レーザ発振器20の異常であると判定し、高調波レーザ光の出力調整処理を終了する。
一方、移動光学系31の移動回数nがn≦規定回数である場合(ステップS220、Yes)、制御部11は、ステップS100〜S130の処理を行う。
制御部11は、ステップS210の処理において波長変換結晶42の使用ポイント数NがN≧規定数であると判断するか、ステップS220の処理において移動光学系31の移動回数nがn>規定回数であると判断するまで、ステップS100〜S130,S210,S220の処理を繰り返す。
ここで、レーザ発振器20の部品劣化に起因する高調波レーザ光の立上り緩和現象について説明する。図5は、高調波レーザ光の立上り緩和現象を説明するための図である。図5の横軸は時間であり、縦軸は、高調波レーザ光の規格化された出力である。
図5では、波長変換結晶42の汚れが小さい場合や少ない場合の特性を特性61で示している。また、図5では、波長変換結晶42の汚れが大きい場合や多い場合の特性を特性62で示している。
波長変換結晶42では、基本波レーザ光や高調波レーザ光などのレーザ光の通過に伴って、粉塵の焼け付きや劣化が発生する。これにより、波長変換結晶42は、高調波レーザを吸収しやすくなり、レーザ光通過時に、波長変換結晶42のビーム通過点温度が一時的に上昇する。その後、温度は熱拡散し、波長変換結晶42内の温度分布が均一となる。
このように、レーザ発振器20では、高調波レーザ光の出力を開始した直後から波長変換結晶42のビーム通過点の温度が経時的に変化するので、波長変換結晶42における波長変換効率が変化する。このため、高調波レーザ光の出力開始時である立上り時には、高調波レーザ光のパルス出力が経時的に変化し、その結果、所望の出力で安定するまでに長時間を要することとなる。本実施の形態では、この現象を緩和現象と呼ぶ。
例えば、波長変換結晶42の汚れが小さい場合や少ない場合には、特性61に示すように、高調波レーザ光のパルス出力が短時間で所望の出力まで上昇する。一方、波長変換結晶42の汚れが大きい場合や多い場合には、特性62に示すように、高調波レーザ光のパルス出力が所望の出力まで上昇するのに長時間を要する。
波長変換結晶42におけるビーム通過点の温度変化は、レーザ光の通過の有無、波長変換結晶42のビーム通過点の損傷、劣化度合によって常に発生し得る状態にある。この温度変化に起因する緩和現象の程度を規定範囲以内に収めるために、制御部11は、波長変換結晶42上のビーム通過点において、初めてレーザ光を通過させた際の高調波レーザ光の出力値である初期出力値を記憶させておく。制御部11は、例えば、波長変換結晶42の位置を移動させた後、最初にレーザ光を通過させた際の高調波レーザ光の初期出力値を記憶させておく。
そして、初期出力値からの出力低下割合が所定の閾値を超えた場合に、制御部11は、波長変換結晶42の劣化が著しいと判断する。そして、制御部11は、波長変換結晶42をレーザ光に対して垂直方向に移動させることによって、ビーム通過点を変更する。波長変換結晶42の移動後は、温度調整が実施され、新たな初期出力値が記憶される。このフローによって、高調波レーザ光のパルス変動幅を規定範囲以内に収めることができるので、緩和現象に起因する加工不良を防止することができる。
なお、制御部11は、初期出力値の低下割合の閾値であるPc(x)を、波長変換結晶42のビーム通過点ごとに変えてもよい。例えば、制御部11は、初期出力値を記憶した際の基本波レーザ光の出力値の大きさに応じてPc(x)を変更してもよい。このとき、制御部11は、Pc(x)=(1−αx)P0のαxの値を種々変更することによって、Pc(x)の値を種々変更する。また、制御部11は、出力判定値Pjdg(x)を、波長変換結晶42のビーム通過点ごとに変えてもよい。
図6は、高調波レーザ光の出力値の推移例を示す図である。図6では、本実施の形態の処理に沿って波長変換結晶42の温度調整および移動を実行した場合の、高調波レーザ光の出力値の推移を示している。
ここでは、ビーム通過点(1)における初期出力値を初期出力値P0(1)で示し、ビーム通過点(2)における初期出力値を初期出力値P0(2)で示している。出力判定値Pjdg(1)は、ビーム通過点(1)における出力判定値であり、出力判定値Pjdg(2)は、ビーム通過点(2)における出力判定値である。また、Pc(1)は、ビーム通過点(1)における比較出力であり、Pc(2)は、ビーム通過点(2)における比較出力である。
出力マージンをPmとすると、Pc(1)=(1−α1)P0の場合、Pjdg(1)=(1−α1)P0+Pmとなり、Pc(2)=(1−α2)P0の場合、Pjdg(2)=(1−α2)P0+Pmとなる。
初期出力値P0(1)の高調波レーザ光を使い続けると、高調波レーザ光の出力値P3ωが低下してくる。制御部11は、高調波レーザ光の出力値P3ωが、ビーム通過点(1)における比較出力であるPc(1)よりも小さくなると、波長変換結晶42の温度調整を実行させる。これにより、高調波レーザ光の出力値P3ωは上昇する。レーザ加工装置1では、高調波レーザ光の出力値P3ωが低下する現象と、温度調整によって高調波レーザ光の出力値P3ωを上昇させる処理とが繰り返される。
そして、温度調整が実行されても高調波レーザ光の出力値P3ωが出力判定値Pjdg(1)よりも大きくならない場合には、波長変換結晶42の移動処理が実行される。これにより、波長変換結晶42におけるレーザ光の通過位置は、ビーム通過点(1)からビーム通過点(2)に変更される。
そして、ビーム通過点(2)に対しても、ビーム通過点(1)と同様の処理が実行される。初期出力値P0(2)の高調波レーザ光を使い続けると、高調波レーザ光の出力値P3ωが低下してくる。制御部11は、高調波レーザ光の出力値P3ωが、ビーム通過点(2)における比較出力であるPc(2)よりも小さくなると、波長変換結晶42の温度調整を実行させる。これにより、高調波レーザ光の出力値P3ωは上昇する。レーザ加工装置1では、高調波レーザ光の出力値P3ωが低下する現象と、温度調整によって高調波レーザ光の出力値P3ωを上昇させる処理と、波長変換結晶42を移動させる処理とが繰り返される。
図7は、波長変換結晶の劣化判定を説明するための図である。初期出力値P0(1)の高調波レーザ光を使い続けると、高調波レーザ光の出力値P3ωが低下してくる。高調波レーザ光の出力値P3ωが、ビーム通過点(1)における比較出力値であるPjdg(1)よりも小さくなると、その後、何れかのタイミングで高調波レーザ光の出力値P3ωが0になる。このため、制御部11は、高調波レーザ光の出力値P3ωが、Pjdg(1)よりも小さくなると、波長変換結晶42の劣化が所定値よりも進行したと判断して波長変換結晶42の移動を行わせる。
つぎに、比較出力であるPc(M)が、下限出力であるPminよりも小さい場合の、高調波レーザ光の出力値の推移について説明する。図8は、比較出力が下限出力よりも小さい場合の高調波レーザ光の出力値の推移例を示す図である。
ここでは、ビーム通過点(M)における初期出力値を初期出力値P0(M)で示し、ビーム通過点(M+1)における初期出力値を初期出力値P0(M+1)で示している。出力判定値Pjdg(M)は、ビーム通過点(M)における出力判定値である。そして、Pminは、Pc(M)よりも大きな値である。
初期出力値P0(M)の高調波レーザ光を使い続けると、高調波レーザ光の出力値P3ωが低下してくる。制御部11は、高調波レーザ光の出力値P3ωが、下限出力であるPminよりも小さくなると、波長変換結晶42の温度調整を実行させる。これにより、高調波レーザ光の出力値P3ωは上昇する。レーザ加工装置1では、高調波レーザ光の出力値P3ωが低下する現象と、温度調整によって高調波レーザ光の出力値P3ωを上昇させる処理とが繰り返される。
そして、温度調整が実行されても高調波レーザ光の出力値P3ωが出力判定値Pjdg(M)よりも大きくならない場合には、波長変換結晶42の移動処理が実行される。これにより、波長変換結晶42におけるレーザ光の通過位置は、ビーム通過点(M)からビーム通過点(M+1)に変更される。そして、ビーム通過点(M+1)に対しても、ビーム通過点(M)と同様の処理が実行される。
図9は、初期出力値に関係なく温度調整を行なった場合の高調波レーザ光の出力値の推移例を示す図である。図9では、高調波レーザ光の立上り緩和現象への対策を行うことなく波長変換結晶42の温度調整および移動を実行した場合の、高調波レーザ光の出力値の推移を示している。
ここでは、ビーム通過点(Z1)における初期出力値を初期出力値P0(Z1)で示し、ビーム通過点(Z2)における初期出力値を初期出力値P0(Z2)で示している。出力判定値Pjdg(Zx)は、全てのビーム通過点に共通の出力判定値である。また、Pminは、全てのビーム通過点に共通の下限出力である。また、Pdmgは、波長変換結晶42が劣化しているか否かを判定する基準値であり、全てのビーム通過点に共通の値である。
初期出力値P0(Z1)の高調波レーザ光を使い続けると、高調波レーザ光の出力値P3ωが低下してくる。制御部11は、高調波レーザ光の出力値P3ωが、下限出力であるPminよりも小さくなると、波長変換結晶42の温度調整を実行させる。これにより、高調波レーザ光の出力値P3ωは上昇する。
全てのビーム通過点で共通のPminを用いて温度調整の要否が判断されると、温度調整が行われた際に、高調波レーザ光の立上り緩和現象が発生する。この立上り緩和現象は、被加工物2への加工不良につながる。
なお、レーザ加工装置1は、実施の形態1で説明した処理と実施の形態2で説明した処理とを組み合わせた処理を実行してもよい。この場合、レーザ加工装置1は、例えば、実施の形態1で説明した熱レンズ対策の処理と、実施の形態2で説明した立上り緩和現象対策の処理との両方を実行する。具体的には、レーザ加工装置1は、図2で説明したステップS20,S40,S80の処理の代わりに、図4で説明したステップS21,S41,S81の処理を実行することによって、図2で説明した処理を実行する。
このように実施の形態2によれば、高調波レーザ光の出力値P3ωの初期出力値を記憶しておき、高調波レーザ光の出力値P3ωが初期出力値から所定の割合以上低下した場合に、波長変換結晶42を移動させるので、高調波レーザ光を用いたレーザ加工の際に加工不良が起きることを防止することが可能になる。
以上のように、本発明に係る制御装置およびレーザ加工装置は、レーザ光の出力値制御に適している。
1 レーザ加工装置、2 被加工物、10 制御装置、11 制御部、13 温度調整ユニット、14 結晶移動機構制御ユニット、15 移動光学系制御ユニット、16 記憶部、20 レーザ発振器、23 波長変換ユニット、24 高調波レーザパワーメータ、30 加工機光路系、31 移動光学系、31A,31B 移動光学系レンズ、32 加工点出力用パワーメータ、37 マスク、42 波長変換結晶、43 結晶移動機構、51〜53 高調波レーザ光。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、波長変換結晶からマスク側へ出力された高調波レーザ光のマスク位置でのビーム径を調整する移動光学系の初期位置と、前記初期位置からの距離で定義された前記移動光学系の移動許容範囲と、を記憶する記憶部と、前記高調波レーザ光の被加工物上での出力値である加工点出力値が第1の設定値以上となるよう前記移動光学系の位置を移動させるとともに、移動後の前記移動光学系の位置が前記移動許容範囲内であるか否かを判定し、前記移動許容範囲外である場合には、前記波長変換結晶の移動を行わせる指示を出力する制御部と、を備えることを特徴とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、波長変換結晶からマスク側へ出力された高調波レーザ光のマスク位置でのビーム径を調整するコリメートレンズの初期位置と、前記初期位置からの距離で定義された前記コリメートレンズの移動許容範囲と、を記憶する記憶部と、前記高調波レーザ光の被加工物上での出力値である加工点出力値が第1の設定値以上となるよう前記コリメートレンズの位置を移動させるとともに、移動後の前記コリメートレンズの位置が前記移動許容範囲内であるか否かを判定し、前記移動許容範囲外である場合には、前記波長変換結晶の移動を行わせる指示を出力する制御部と、を備えることを特徴とする。

Claims (9)

  1. 波長変換結晶から出力された高調波レーザ光のビーム径を調整する移動光学系の初期位置と、前記初期位置からの距離で定義された前記移動光学系の移動許容範囲と、を記憶する記憶部と、
    前記高調波レーザ光の被加工物上での出力値である加工点出力値が第1の設定値以上となるよう前記移動光学系の位置を移動させるとともに、移動後の前記移動光学系の位置が前記移動許容範囲内であるか否かを判定し、前記移動許容範囲外である場合には、前記波長変換結晶の移動を行わせる指示を外部出力する制御部と、
    を備えることを特徴とする制御装置。
  2. 前記制御部は、前記波長変換結晶の移動を行わせた後、前記加工点出力値が前記第1の設定値以上となるよう前記移動光学系の位置を再び移動させ、移動後の前記移動光学系の初期位置を前記記憶部に更新させ、更新後の初期位置に基づいて、前記移動光学系の位置が前記移動許容範囲内であるか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記移動光学系は、コリメートレンズであり、
    前記移動許容範囲は、前記コリメートレンズの光路方向の位置に関する範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の制御装置。
  4. 前記移動光学系は、λ/2板であり、
    前記移動許容範囲は、前記λ/2板の回転位置に関する範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の制御装置。
  5. 波長変換結晶の温度調整が行なわれた後に前記波長変換結晶から出力される高調波レーザ光の初期出力値と、前記初期出力値の低下割合で定義された比較出力値と、を記憶する記憶部と、
    前記高調波レーザ光の出力値が前記比較出力値以下になると前記波長変換結晶の温度調整を行わせるとともに、温度調整後の前記高調波レーザ光の出力値が前記比較出力値よりも大きな値である出力判定値以上であるか否かを判定し、前記出力判定値未満である場合には、前記波長変換結晶の移動を行わせる指示を外部出力する制御部と、
    を備えることを特徴とする制御装置。
  6. 前記比較出力値は、前記高調波レーザ光が前記波長変換結晶を通過する位置であるビーム通過点毎に予め設定された値であることを特徴とする請求項5に記載の制御装置。
  7. 前記出力判定値は、前記高調波レーザ光が前記波長変換結晶を通過する位置であるビーム通過点毎に予め設定された値であることを特徴とする請求項5に記載の制御装置。
  8. 波長変換結晶を用いて高調波レーザ光を出力するレーザ発振器と、
    移動光学系を用いて前記高調波レーザ光を被加工物上へ導く加工機光路系と、
    前記レーザ発振器および前記加工機光路系を制御する制御装置と、
    を有し、
    前記制御装置は、
    波長変換結晶から出力された高調波レーザ光のビーム径を調整する移動光学系の初期位置と、前記初期位置からの距離で定義された前記移動光学系の移動許容範囲と、を記憶する記憶部と、
    前記高調波レーザ光の被加工物上での出力値である加工点出力値が第1の設定値以上となるよう前記移動光学系の位置を移動させるとともに、移動後の前記移動光学系の位置が前記移動許容範囲内であるか否かを判定し、前記移動許容範囲外である場合には、前記波長変換結晶の移動を行わせる指示を外部出力する制御部と、
    を備えることを特徴とするレーザ加工装置。
  9. 波長変換結晶を用いて高調波レーザ光を出力するレーザ発振器と、
    移動光学系を用いて前記高調波レーザ光を被加工物上へ導く加工機光路系と、
    前記レーザ発振器および前記加工機光路系を制御する制御装置と、
    を有し、
    前記制御装置は、
    波長変換結晶の温度調整が行なわれた後に前記波長変換結晶から出力される高調波レーザ光の初期出力値と、前記初期出力値の低下割合で定義された比較出力値と、を記憶する記憶部と、
    前記高調波レーザ光の出力値が前記比較出力値以下になると前記波長変換結晶の温度調整を行わせるとともに、温度調整後の前記高調波レーザ光の出力値が前記比較出力値よりも大きな値である出力判定値以上であるか否かを判定し、前記出力判定値未満である場合には、前記波長変換結晶の移動を行わせる指示を外部出力する制御部と、
    を備えることを特徴とするレーザ加工装置。
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