JP6272597B1 - 波長変換装置 - Google Patents

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Abstract

波長変換装置(1)は、パルス発振された基本波である第1のビーム(21)を、基本波の高調波である第2のビーム(22)へ変換する第1の非線形媒質(11)と、第2のビームと、第1の非線形媒質を透過した第1のビームとを基に、第3のビーム(23)を発生させる第2の非線形媒質(12)と、第1のビームから第2のビームへの変換効率を調節する調節手段(30)とを備える。第1のビームのパルス発振周波数が変更された場合に、調節手段は、変換効率を調節することで、第1の非線形媒質の温度における第3のビームの強度の温度依存性が単一の極大値を示し、かつ極大値を示す第1の非線形媒質の温度と第2のビームの強度が極大値を示す第1の非線形媒質の温度とが同じである状態を維持する。

Description

本発明は、非線形媒質にて発生させた高調波を出力する波長変換装置に関する。
従来、基本波の第2高調波を発生させる非線形媒質と、基本波と第2高調波との和周波である第3高調波を発生させる非線形媒質とを備える波長変換装置が知られている。第2高調波は、基本波の波長の半分の波長の高調波である。第3高調波は、基本波の波長の3分の1の波長の高調波である。波長変換装置から出力される高調波の強度は、非線形媒質の温度に依存して変化することが知られている。波長変換装置では、出力される高調波の強度を向上させるとともに安定した強度の高調波が得られるように、非線形媒質の温度制御が行われることがある。
特許文献1には、第3高調波発生(Third Harmonic Generation,THG)結晶の出力を基に、第2高調波発生(Second Harmonic Generation,SHG)結晶の温度を設定する技術が開示されている。SHG結晶は、第2高調波を発生させる非線形媒質である。THG結晶は、第3高調波を発生させる非線形媒質である。SHG結晶とTHG結晶とは、SHG結晶の温度とTHG結晶から出力される第3高調波の強度との対応関係において第3高調波の強度の複数のピークが生じるように形成されている。SHG結晶の温度は、複数のピークに対応する温度の中間の温度に設定される。波長変換装置から一定の強度以上の強度の第3高調波を出力可能とするSHG結晶の温度の範囲が拡張されることで、波長変換装置は、SHG結晶の温度の変化による第3高調波の強度への影響を少なくすることができる。
特開2013−205426号公報
特許文献1の技術によると、第3高調波の強度のピークに対応する温度以外の温度にSHG結晶の温度が設定されることで、出力される第3高調波の強度は、ピーク時の強度より低下することとなる。これとは別に、第3高調波の強度のピークに対応する温度にSHG結晶の温度が設定された場合、一定の強度以上の強度の第3高調波を出力可能なSHG結晶の温度の範囲が縮小される。この場合、SHG結晶の温度の変化による第3高調波の強度への影響が大きくなる。このため、波長変換装置は、出力される高調波の強度の向上と、高調波の強度の安定化との両立が困難となる。
パルスレーザビームである基本波から高調波への変換において、基本波のパルス発振周波数がある値であるときに、SHG結晶の温度に対する第3高調波の強度のピークが単一のピークであったとする。この状態から、光源の平均パワーを一定としてパルス発振周波数の値が低い値へ変更された場合、SHG結晶における基本波から第2高調波への変換効率は高くなる。変換効率が高くなることで、第3高調波の強度のピークが単一のピークから複数のピークへ変化する場合がある。この場合、SHG結晶から射出される基本波の強度が低下することで、THG結晶で発生する第3高調波の強度が低くなることがある。また、第3高調波の強度のピークが複数のピークとなることで、SHG結晶の温度変化による第3高調波の強度の変化が大きくなることがある。このため、波長変換装置は、出力される高調波の強度の向上と、高調波の強度の安定化との両立が困難となる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、出力される高調波の強度の向上と安定化とを可能とする波長変換装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる波長変換装置は、パルス発振された基本波である第1のビームを、基本波の高調波である第2のビームへ変換する第1の非線形媒質と、第2のビームと、第1の非線形媒質を透過した第1のビームとを基に、第3のビームを発生させる第2の非線形媒質と、第1のビームから第2のビームへの変換効率を調節する調節手段を備える。第1のビームのパルス発振周波数が変更された場合に、調節手段は、変換効率を調節することで、第1の非線形媒質の温度における第3のビームの強度の温度依存性が単一の極大値を示し、かつ極大値を示す第1の非線形媒質の温度と第2のビームの強度が極大値を示す第1の非線形媒質の温度とが同じである状態を維持する。
本発明にかかる波長変換装置は、出力される高調波の強度の向上と安定化とが可能となるという効果を奏する。
本発明の実施の形態1にかかる波長変換装置の概略構成を示す図 図1に示すSHG結晶におけるレーザビームについて説明する第1の図 図1に示すSHG結晶におけるレーザビームについて説明する第2の図 図1に示すSHG結晶の温度とレーザビームの強度との関係を示す第1の図 図1に示すSHG結晶の温度とレーザビームの強度との関係を示す第2の図 図1に示すSHG結晶の温度とレーザビームの強度との関係を示す第3の図 実施の形態1におけるSHG結晶の変換効率を調節する手順の例を示すフローチャート 図1に示すSHG結晶の温度変化とレーザビームの強度との関係の例を示す図 図1に示す移動機構による調節についての変形例を示す図 本発明の実施の形態2にかかる波長変換装置の概略構成を示す図 図10に示すSHG結晶におけるレーザビームについて説明する第1の図 図10に示すSHG結晶におけるレーザビームについて説明する第2の図 実施の形態2におけるSHG結晶の変換効率を調節する手順の例を示すフローチャート 本発明の実施の形態3にかかる波長変換装置の概略構成を示す図 本発明の実施の形態4にかかる波長変換装置の概略構成を示す図
以下に、本発明の実施の形態にかかる波長変換装置を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる波長変換装置1の概略構成を示す図である。波長変換装置1は、パルス発振された基本波である第1のビームを、基本波の高調波である第2のビームへ変換する第1の非線形媒質である第2高調波発生(SHG)結晶11と、第2のビームとSHG結晶11を透過した第1のビームとを基に、第3のビームを発生させる第2の非線形媒質である第3高調波発生(THG)結晶12とを備える。実施の形態1において、第3のビームは、基本波と高調波との和周波である。
波長変換装置1は、第1のビームであるレーザビーム21を射出するレーザ光源10を備える。以下の説明では、レーザビーム21の波長を、第1の波長と称することがある。実施の形態1において、第1の波長は1064nmとする。
レーザ光源10は、YAGレーザあるいはYVO4レーザである。YAGレーザは、レーザ媒質にイットリウム(Yttrium)、アルミニウム(Aluminum)およびガーネット(Garnet)が用いられた固体レーザである。YVO4レーザは、レーザ媒質にイットリウム(Yttrium)および四酸化バナジウム(Vanadium tetraoxide,VO)が用いられた固体レーザである。1つの例では、レーザ光源10は、Qスイッチ発振によりレーザビーム21を発生させる。Qスイッチ発振は、レーザ媒質における励起状態の原子が増加してから発振を行わせることにより、発生させるレーザの強度を向上させる発振手法である。なお、レーザ光源10は、YAGレーザおよびYVO4レーザ以外の固体レーザであっても良い。
集光光学系13は、レーザ光源10とSHG結晶11との間に設けられている。集光光学系13は、レーザビーム21をSHG結晶11にて収束させる光学素子であるレンズ15を備える。集光光学系13に含まれるレンズ15は1つである場合に限られず、複数であっても良い。
SHG結晶11は、レーザ光源10からのレーザビーム21が入射されると、第2のビームであるレーザビーム22を発生させる。SHG結晶11は、基本波であるレーザビーム21を、第2高調波であるレーザビーム22へ変換する。レーザビーム22の波長である第2の波長は、第1の波長の半分である。実施の形態1において、第2の波長は532nmとする。SHG結晶11は、発生させたレーザビーム22を射出する。また、SHG結晶11は、レーザビーム22へ変換されずに残されたレーザビーム21を射出する。SHG結晶11には、LBO結晶(LiB)、KTP結晶(KTiPO)、BBO結晶(β−BaB)、あるいはその他の非線形光学結晶が用いられる。
集光光学系14は、SHG結晶11とTHG結晶12との間に設けられている。集光光学系14は、レーザビーム21,22をTHG結晶12にて収束させる光学素子であるレンズ16を備える。集光光学系14に含まれるレンズ16は1つである場合に限られず、複数であっても良い。また、波長変換装置1において、集光光学系14は設けられていなくても良い。
THG結晶12は、SHG結晶11から入射されたレーザビーム21とレーザビーム22とを基に、第3のビームであるレーザビーム23を発生させる。THG結晶12は、基本波であるレーザビーム21と第2高調波であるレーザビーム22とを、和周波であり第3高調波であるレーザビーム23へ変換する。レーザビーム23の波長である第3の波長は、第1の波長の3分の1である。実施の形態1において、第3の波長は355nmとする。THG結晶12は、発生させたレーザビーム23を射出する。また、THG結晶12は、レーザビーム23へ変換されずに残されたレーザビーム21,22を射出する。THG結晶12には、LBO結晶、YCOB結晶(YCaO(BO)、BBO結晶、CLBO結晶(CsLiB10)、あるいはその他の非線形光学結晶が用いられる。
波長分離素子17は、第1の波長と第2の波長とを含む波長域の光を透過させ、かつ第3の波長を含む波長域の光を反射する特性を備える。波長分離素子17は、THG結晶12からのレーザビーム21,22,23を、レーザビーム23とレーザビーム21,22とに分離させる。波長分離素子17の1つの例は、ダイクロイックミラーである。
波長変換装置1は、波長分離素子17で反射したレーザビーム23を射出する。ダンパ18は、波長分離素子17からのレーザビーム21,22を吸収する。波長分離素子17からのレーザビーム21,22は、ダンパ18にて熱エネルギーへ変換される。なお、波長分離素子17は、第1の波長の光と第2の波長の光とを反射し、かつ第3の波長の光を透過させる特性を備えるものであっても良い。波長分離素子17は、波長の違いに基づいて光を分離可能であれば良く、ダイクロイックミラー以外の光学素子であっても良い。波長分離素子17は、波長による光の屈折率の違いを利用して光を分離させるプリズムであっても良い。
波長変換装置1は、SHG結晶11の温度を制御する温度制御器24と、THG結晶12の温度を制御する温度制御器25とを備える。温度制御器24は、SHG結晶11の温度をモニタして、あらかじめ設定された温度へSHG結晶11の温度を調節する。温度制御器25は、THG結晶12の温度をモニタして、あらかじめ設定された温度へTHG結晶12の温度を調節する。1つの例では、温度制御器24,25は、熱の供給と吸収とを行う熱電素子であるペルチェ素子と、温度センサであるサーミスタとを備える。SHG結晶11の設定温度とTHG結晶12の設定温度とは、互いに独立して設定可能であるものとする。
さらに、波長変換装置1は、レーザビーム21を収束させる光学素子であるレンズ15を移動させる移動機構30を備える。移動機構30は、SHG結晶11におけるレーザビーム21からレーザビーム22への変換効率を調節する調節手段である。移動機構30は、レンズ15を保持するホルダ31を直線方向において移動させる。1つの例では、移動機構30は、モータと、モータの回転運動を直線運動へ変換させる機構とを含む。
制御回路26は、命令にしたがった処理を実行することで波長変換装置1の全体を制御するハードウェアである。制御回路26は、SHG結晶11の設定温度にしたがって温度制御器24を制御する。制御回路26は、THG結晶12の設定温度にしたがって温度制御器25を制御する。また、制御回路26は、レーザ光源10の駆動と移動機構30の駆動とを制御する。制御回路26は、CPU(Central Processing Unit)あるいはマイクロコンピュータであっても良い。
光検出器27は、移動機構30による変換効率の調節の際においてレーザビーム23の強度を検出する。光検出器27は、移動機構30による変換効率の調節の際に、波長変換装置1からのレーザビーム23が入射する位置に設置される。なお、光検出器27は、波長変換装置1の外部に設置されたものに限られず、波長変換装置1の内部に設けられたものであっても良い。波長変換装置1は、THG結晶12から波長変換装置1の外部へ向かうレーザビーム23の一部を分岐させる分光素子を備えていても良い。光検出器27は、分光素子で分岐された光を検出しても良い。
SHG結晶11でのレーザビーム22の発生における位相不整合Δkは、次の式(1)で表される。式(1)において、kはレーザビーム21の波数ベクトルの大きさ、kはレーザビーム22の波数ベクトルの大きさ、λはレーザビーム21の波長である第1の波長とする。nはレーザビーム21についてのSHG結晶11の屈折率、nはレーザビーム22についてのSHG結晶11の屈折率とする。
Figure 0006272597
SHG結晶11におけるレーザビーム22の変換効率ηは、Δk=0を満足するときに最大となる。Δk=0は、SHG結晶11の位相整合を表す。SHG結晶11は、基本波の偏光方向と第2高調波の偏光方向とが互いに垂直となる場合の、いわゆるタイプ1の位相整合においてレーザビーム22を発生させる。SHG結晶11におけるレーザビーム22の変換効率ηは、SHG結晶11から射出したレーザビーム22の強度を、SHG結晶11へ入射したレーザビーム21の強度で除算した結果を表す。また、位相整合条件を満足するときのSHG結晶11の温度は、SHG結晶11の位相整合温度と称される。
屈折率nおよびnはSHG結晶11の温度に依存することから、式(1)で表される位相不整合Δkは、SHG結晶11の温度に依存する。SHG結晶11におけるレーザビーム22の変換効率ηと、SHG結晶11におけるレーザビーム21の強度Iとの関係は、次の式(2)で表される。式(2)において、LはSHG結晶11の長さとする。なお、式(2)で表される関係は、SHG結晶11へ入射したレーザビーム21の強度とSHG結晶11から射出したレーザビーム21の強度との差が無視し得る程度に小さく、レーザビーム22の変換効率ηが低い場合に成り立つものとする。
Figure 0006272597
式(2)によると、変換効率ηは、位相不整合Δkと強度Iとに比例する。位相不整合ΔkはSHG結晶11の温度に依存することから、変換効率ηはSHG結晶11の温度に依存する。なお、式(2)の関係が成り立つ場合に比べてレーザビーム22の変換効率ηが高い場合であっても、変換効率ηがSHG結晶11の温度とレーザビーム21の強度Iとに依存することが知られている。また、THG結晶12におけるレーザビーム23の変換効率は、THG結晶12の温度と、THG結晶12へ入射するレーザビーム21およびレーザビーム22の各強度とに依存する。
図2は、図1に示すSHG結晶11におけるレーザビーム21について説明する第1の図である。以下の説明にて、X軸と、Y軸と、Z軸とは、互いに垂直な3つの軸とする。Z軸は、波長変換装置1の光学系の光軸に平行な軸とする。X軸は、水平方向の軸とする。Y軸は、垂直方向の軸とする。中心軸32は、レーザビーム21の光束の中心を表す。中心軸32は、Z軸に平行である。プラスZ方向は、Z軸に平行な方向であって、SHG結晶11の入射面33から射出面34へ向かう方向とする。マイナスZ方向は、プラスZ方向とは逆の方向とする。長さLは、Z軸方向におけるSHG結晶11の長さであって、入射面33と射出面34との間の長さである。
ここで、次の式(3)に示すように、SHG結晶11におけるレーザビーム21の実効ビーム径Weffを定義する。実効ビーム径Weffは、SHG結晶11におけるレーザビーム21の収束度合いを示す指標とする。式(3)において、w(z)は、Z軸方向の位置zにおけるレーザビーム21のビーム径とする。z=0は、入射面33の位置を表す。z=Lは、射出面34の位置を表す。1つの例では、実効ビーム径Weffは、SHG結晶11におけるレーザビーム21のビーム径w(z)の平均値を表す。
Figure 0006272597
1つの例では、ビーム径w(z)は、X軸方向またはY軸方向におけるビームの強度分布の標準偏差σの4倍の幅であるD4σ幅とする。D4σ幅は、ビーム幅におけるISO(International Organization for Standardization)の国際標準規格に定義されている。なお、ビーム径w(z)は、D4σ幅以外であっても良く、半値全幅あるいは1/e幅であっても良い。実効ビーム径Weffには、式(3)以外の定義によるものが使用されても良い。レーザビーム21の収束度合いは、実効ビーム径Weff以外の指標で示されても良い。
レーザビーム21は、SHG結晶11の内部において一旦収束してから、拡散する。レーザビーム21のビーム径w(z)は、入射面33から進行するにしたがって縮小し、ビームウェスト35にて最小となる。ビーム径w(z)は、ビームウェスト35から射出面34へ進行するにしたがって拡張する。図2において、レーザビーム21が収束する位置であるビームウェスト35の位置は、z=L/2の位置である。z=L/2の位置は、Z軸方向におけるSHG結晶11の中心位置である。なお、図2に示すレンズ15には、平行光であるレーザビーム21が入射している。レンズ15へ入射するレーザビーム21は、平行光に限られず、収束光あるいは拡散光であっても良い。
図3は、図1に示すSHG結晶11におけるレーザビーム21について説明する第2の図である。図2に示す状態から、移動機構30は、レンズ15をプラスZ方向へ移動させることで、レンズ15とSHG結晶11との間の距離を変化させる。レンズ15をプラスZ方向へ移動させることで、SHG結晶11におけるビームウェスト35の位置は、z=L/2からプラスZ方向へ移動する。移動機構30は、Z軸方向におけるSHG結晶11の中心位置から、ビームウェスト35の位置を移動させる。図3には、z=L/2とz=Lとの間の位置にビームウェスト35を移動させた状態を示している。ビームウェスト35を移動させたことで、実効ビーム径Weffは、図2に示す状態に比べて増大する。このように、移動機構30は、Z軸方向へレンズ15を移動させることで、SHG結晶11におけるレーザビーム21の収束度合いを変化させる。
上記の式(2)で示されるように、変換効率ηは、SHG結晶11におけるレーザビーム21の強度Iに比例する。実効ビーム径Weffが増大したことで、SHG結晶11におけるレーザビーム21の収束度合いが低下するため、変換効率ηは低下することとなる。このように、移動機構30は、ビームウェスト35の位置を移動させることにより変換効率ηを調節する。変換効率ηが調節されることで、SHG結晶11から射出されるレーザビーム22の強度が調節される。なお、集光光学系13に複数のレンズ15が備えられている場合、移動機構30は、各レンズ15を個別に移動させても良い。複数のレンズ15を個別に移動させる場合の変形例については後述する。
図4は、図1に示すSHG結晶11の温度とレーザビーム21,22,23の強度との関係を示す第1の図である。図4では、SHG結晶11の温度とレーザビーム21,22,23の強度との関係をグラフで表している。グラフの横軸はSHG結晶11の温度を表す。縦軸はレーザビーム21,22,23の強度を表す。図4に示すレーザビーム21,22の強度は、SHG結晶11から射出されるレーザビーム21,22の強度とする。図4に示すレーザビーム23の強度は、THG結晶12から射出されるレーザビーム23の強度とする。
図4には、実効ビーム径Weffが最小値であるとき、すなわちSHG結晶11におけるレーザビーム21の収束度合いが最大である場合における温度と強度との関係を示している。ここでは、図2に示すようにビームウェスト35がz=L/2の位置にあるときに、実効ビーム径Weffは最小値となるものとする。
SHG結晶11の温度がTa1であるとき、SHG結晶11から射出されるレーザビーム22の強度がピークとなる。SHG結晶11の温度がTa1付近であるときに、SHG結晶11での変換効率ηが高くなる。変換効率ηが高いほど、SHG結晶11では多くのレーザビーム21がレーザビーム22へ変換されることとなるため、SHG結晶11から射出されるレーザビーム21の強度は低下する。
SHG結晶11の設定温度をTa1として、SHG結晶11の実際の温度がTa1付近にて変化した場合において、SHG結晶11から射出されるレーザビーム21,22の強度の変化は比較的少ない。THG結晶12へ入射されるレーザビーム21,22の強度の変化が小さいことで、THG結晶12から射出されるレーザビーム23の強度の変化も小さくなる。
また、図4に示す関係では、SHG結晶11の温度がTa1であるとき、SHG結晶11にて多くのレーザビーム21がレーザビーム22へ変換されることで、THG結晶12でのレーザビーム23の発生に利用可能なレーザビーム21の強度が低くなっている。このため、SHG結晶11の温度がTa1であるときにおけるレーザビーム23の強度Pa1は、ピーク時の強度Pb1と比べて低下する。THG結晶12では、レーザビーム23の発生に利用可能なレーザビーム21の強度が低くなることで、レーザビーム23の発生に利用されずに残されるレーザビーム22の強度が高くなる。
レーザビーム23の強度の1つのピークは、Ta1より低い温度であるTb1において現れている。かかるピークにおいて、レーザビーム23の強度はPb1となる。また、レーザビーム23の強度のもう1つのピークは、Ta1より高い温度であるTb1において現れている。図4では、レーザビーム23の強度のピークが2つである例を示している。レーザビーム23の強度のピークは、2つより多いこともあり得る。このように、実効ビーム径Weffが最小である場合、SHG結晶11の温度とレーザビーム23の強度との対応関係において、Ta1付近の温度では、レーザビーム23の強度のピークが複数現れることとなる。
SHG結晶11の設定温度をTb1とした場合、SHG結晶11の実際の温度がTb1付近にて変化したときのレーザビーム21,22の強度の変化は、設定温度がTa1である場合の変化と比べて大きくなる。THG結晶12へ入射されるレーザビーム21,22の強度の変化が大きくなることで、THG結晶12から射出されるレーザビーム23の強度の変化も大きくなる。
実施の形態1の波長変換装置1は、レーザビーム21のビーム径の調節の初期段階にて、実効ビーム径Weffが最小値となるように、移動機構30によりレンズ15の位置を調節する。これにより、移動機構30は、レーザビーム23の強度とSHG結晶11の温度との対応関係におけるレーザビーム23の強度のピークが複数のピークである状態を設定する。移動機構30は、かかる状態からレンズ15を移動させることで、SHG結晶11における実効ビーム径Weffを拡張させる。なお、初期段階における調節は、実効ビーム径Weffを最小値とする調節に限られない。初期段階における調節では、レーザビーム23の強度のピークが複数のピークである状態を設定可能であれば良く、実効ビーム径Weffを最小値以外の値としても良い。
図5は、図1に示すSHG結晶11の温度とレーザビーム21,22,23の強度との関係を示す第2の図である。図5には、実効ビーム径Weffを最小値から大きくした場合における温度と強度との関係を示している。このとき、図3に示すように、ビームウェスト35はz=L/2とz=Lとの間の位置にあるものとする。初期段階のときと比べて、SHG結晶11から射出されるレーザビーム22の強度は低下している。レーザビーム22の強度の低下に伴い、SHG結晶11から射出されるレーザビーム21の強度は増大している。
SHG結晶11の温度がTa2であるとき、SHG結晶11から射出されるレーザビーム22の強度がピークとなる。このとき、SHG結晶11から射出されるレーザビーム21の強度は、図4に示す関係のうち温度がTa1であるときの強度に比べて増大している。THG結晶12では、レーザビーム23の発生に利用可能なレーザビーム21の強度が初期段階に比べて増大するとともに、レーザビーム23の発生に利用されずにTHG結晶12から射出されるレーザビーム22の強度が初期段階に比べて低下する。
図5に示す関係において、レーザビーム23の強度のピークは1つである。THG結晶12から射出されるレーザビーム23の強度とSHG結晶11の温度との対応関係におけるレーザビーム23の強度のピークは、移動機構30での調節により、単一のピークとされる。すなわち、移動機構30での調節により、SHG結晶11の温度についてのレーザビーム23の強度の温度依存性は、単一の極大値を有している。ここで、温度依存性は、非線形媒質の温度とビームの強度との関係とする。極大値は、非線形媒質の温度を横軸、ビームの強度を縦軸として温度依存性を表したグラフのうち、ピークにおける強度の値である。移動機構30は、SHG結晶11の変換効率ηを調節することで、レーザビーム23の強度のピークを、複数のピークから、極大値を示す単一のピークへ変化させる調節を行う。
変換効率ηの値は、SHG結晶11へ入射するレーザビーム21の強度、あるいはレーザビーム21の断面形状に依存する。SHG結晶11の変換効率ηがある一定の値である場合において、SHG結晶11の温度がTb2であるときにレーザビーム23の強度がピークとなる。ピークにおける強度である極大値は、Pb2である。レーザビーム23の強度が極大値であるPb2となるときのSHG結晶11の温度であるTb2と、SHG結晶11から射出されるレーザビーム22の強度が極大値となるときのSHG結晶11の温度であるTa2とは、同じである。SHG結晶11の温度がTb2であるときの変換効率ηを、図4の関係の場合における温度がTb1であるときの変換効率ηと同等とすることで、レーザビーム23のピーク時の強度であるPb2を、図4に示すピーク時の強度であるPb1と同等の強度とすることができる。
SHG結晶11の設定温度をTa2として、SHG結晶11の実際の温度がTa2付近にて変化した場合において、SHG結晶11から射出されるレーザビーム21,22の強度の変化は比較的少ない。THG結晶12へ入射されるレーザビーム21,22の強度の変化が小さいことで、THG結晶12から射出されるレーザビーム23の強度の変化も小さくなる。
図6は、図1に示すSHG結晶11の温度とレーザビーム21,22,23の強度との関係を示す第3の図である。図6には、図5に示す対応関係の状態から、実効ビーム径Weffをさらに大きくした場合における温度と強度との関係を示している。SHG結晶11の変換効率ηは、図5に示す対応関係のときと比べて低下している。
SHG結晶11の温度がTa3であるとき、SHG結晶11から射出されるレーザビーム22の強度がピークとなる。レーザビーム23の強度がピークとなるときの温度であるTb3は、Ta3と同じとなる。SHG結晶11から射出されるレーザビーム22の強度は、図5の場合に比べて低下している。THG結晶12においてレーザビーム23の発生に利用可能なレーザビーム22の強度が低下していることで、THG結晶12において発生するレーザビーム23の強度は、図5の場合に比べて低下する。
図6に示す関係において、レーザビーム23の強度のピークは1つである。THG結晶12において発生するレーザビーム23の強度は、図5の場合に比べて低下する。レーザビーム23の強度のピークであるPb3は、図5に示すレーザビーム23の強度のピークであるPb2より小さくなることから、Pb3<Pb2の関係が成り立つ。図6の場合、波長変換装置1は、図5の場合と比べて、出力されるレーザビーム23の強度が低下することとなる。
波長変換装置1は、図5に示すように、移動機構30での調節により、THG結晶12から射出されるレーザビーム23の強度とSHG結晶11の温度との対応関係におけるレーザビーム23の強度のピークが単一のピークとされている。波長変換装置1は、レーザビーム23の発生に利用可能なレーザビーム21の強度を増大できることで、出力されるレーザビーム23の強度を向上できる。また、波長変換装置1は、レーザビーム22の強度がピークとなるときの温度をSHG結晶11の設定温度とすることで、かかる設定温度付近での温度変化があった場合におけるレーザビーム23の強度の変化を低減できる。
図7は、実施の形態1におけるSHG結晶11の変換効率を調節する手順の例を示すフローチャートである。図2に示す移動機構30は、ビームウェスト35がz=L/2の位置となるようにレンズ15の位置を設定して、SHG結晶11におけるレーザビーム21の実効ビーム径Weffを最小値とする。これにより、ステップS1において、移動機構30は、第3のビームであるレーザビーム23の強度とSHG結晶11の温度との対応関係における強度のピークが複数のピークである状態を設定する。ステップS1の設定により、レーザビーム23の強度とSHG結晶11の温度との対応関係は、図4に例示される対応関係とされる。
ステップS1の設定が行われた状態におけるレーザビーム23の強度の最大値を、Pmaxとする。図4に示す関係では、Pmaxは、SHG結晶11の温度がTb1であるときのレーザビーム23の強度であるPb1である。
ステップS2では、移動機構30は、z=L/2の位置からプラスZ方向へレンズ15を移動させることで、第1のビームであるレーザビーム21のSHG結晶11における実効ビーム径Weffを拡張させる。移動機構30は、実効ビーム径Weffを拡張させることで、SHG結晶11におけるレーザビーム21から第2のビームであるレーザビーム22への変換効率ηを調節する。なお、ステップS2では、移動機構30は、プラスZ方向に代えてマイナスZ方向へレンズ15を移動させても良い。この場合も、移動機構30は、実効ビーム径Weffを拡張させることができる。
ステップS3では、設定温度にしたがって温度制御器24がSHG結晶11の温度を制御して、設定温度に対応するレーザビーム23の強度を光検出器27が測定する。光検出器27は、SHG結晶11の設定温度ごとのレーザビーム23の強度を測定する。ステップS4では、SHG結晶11の設定温度と光検出器27で測定されたレーザビーム23の強度との対応関係において、レーザビーム23の強度のピークが単一のピークであるか否かが判断される。
強度のピークが単一ではない場合(ステップS4:No)、強度のピークはなお複数のピークであるため、ステップS2の手順へ戻る。移動機構30は、実効ビーム径Weffの拡張による変換効率ηの調節を再度行う。
強度のピークが単一である場合(ステップS4:Yes)、ステップS5の手順へ進む。ステップS5では、レーザビーム23のピーク時の強度がPmax−ΔP以上か否かが判断される。ΔPは、レーザビーム23の強度低下の許容量とする。なお、図5に例示される対応関係は、レーザビーム23のピーク時の強度がPmax−ΔP以上であるときのレーザビーム23の強度とSHG結晶11の温度との対応関係とする。図6に例示される対応関係は、レーザビーム23のピーク時の強度がPmax−ΔP未満であるときのレーザビーム23の強度とSHG結晶11の温度との対応関係とする。ΔPは、任意に設定可能であるものとする。
レーザビーム23のピーク時の強度がPmax−ΔP以上である場合(ステップS5:Yes)、ステップS6において、制御回路26は、SHG結晶11の設定温度に、レーザビーム23の強度がピークとなるときの温度を設定する。これにより、波長変換装置1は、SHG結晶11におけるレーザビーム21からレーザビーム22への変換効率ηの調節を終了する。
レーザビーム23のピーク時の強度がPmax−ΔP未満である場合(ステップS5:No)、ステップS7において、移動機構30は、マイナスZ方向へレンズ15を移動させることで、SHG結晶11におけるレーザビーム21の実効ビーム径Weffを縮小させる。移動機構30は、実効ビーム径Weffを縮小させることで、SHG結晶11における変換効率ηを再度調節する。そして、ステップS3の手順へ戻る。
1つの例では、図7に示す手順による波長変換装置1の調節は、波長変換装置1の出荷時において実施される。かかる調節は、波長変換装置1の出荷時以外において実施されても良く、波長変換装置1のメンテナンス時に実施されても良い。波長変換装置1は、図7に示す手順による調節のための機能の全部あるいは一部を、CPUあるいはマイクロコンピュータにて解析および実行されるプログラム上で実行しても良い。波長変換装置1は、プログラムが格納されたメモリを備えていても良い。波長変換装置1は、図7に示す手順による調節のための機能の全部あるいは一部を、ワイヤードロジックによるハードウェア上で実行しても良い。
図8は、図1に示すSHG結晶11の温度変化とレーザビーム23の強度との関係の例を示す図である。図8では、SHG結晶11の温度変化とレーザビーム23の強度との関係をグラフで表している。グラフの横軸は、SHG結晶11の温度変化を表す。温度の単位はセルシウス度とする。縦軸は、THG結晶12から射出されるレーザビーム23の強度を表す。強度の単位は任意とする。破線のグラフは、図7に示す手順による波長変換装置1の調節が実施される前における関係を表している。実線のグラフは、図7に示す手順による波長変換装置1の調節が実施された後における関係を表している。
図8に示すように、波長変換装置1の調節前における関係では、レーザビーム23の強度には2つのピークが現れている。1つのピークは、−0.5℃付近の温度変化において現れている。かかるピークにおける強度は、レーザビーム23の強度の最大値となる。もう1つのピークは、0.5℃付近の温度変化において現れている。波長変換装置1の調節前における関係では、レーザビーム23の強度が最大値の90%以上となる場合におけるSHG結晶11の温度範囲は、±0.2℃程度である。
波長変換装置1の調節後における関係では、レーザビーム23の強度には1つのピークが現れている。かかるピークは、0℃付近の温度変化において現れている。波長変換装置1の調節後における関係では、レーザビーム23の強度が最大値の90%以上となる場合におけるSHG結晶11の温度範囲は、±0.6℃程度である。最大値の90%以上の強度のレーザビーム23を射出可能とする温度範囲は、調節前に比べて拡張されている。このように、波長変換装置1は、図7に示す手順による調節により、SHG結晶11の温度変化によるレーザビーム23の強度の変化を低減可能とし、レーザビーム23の強度を安定化させることができる。
さらに、波長変換装置1の調節後におけるレーザビーム23の強度の最大値は、調節前におけるレーザビーム23の強度の最大値と同等となる。波長変換装置1は、図7に示す手順による調節がなされても、高い強度のレーザビーム23を出力できる。
1つの例において、SHG結晶11が、タイプ1の非臨界位相整合(noncritical phase matching,NCPM)条件で波長変換を行うLBO結晶であって、レーザビーム21の第1の波長が1064nmである場合、SHG結晶11の設定温度はおよそ150℃とされる。NCPM条件での波長変換では、基本波と高調波との進行方向のずれであるウォークオフを低減可能とし、角度許容幅を広くすることが可能となる。このようにSHG結晶11の設定温度と室温との温度差が大きい場合、SHG結晶11の温度を精度良く制御することが難しいため、SHG結晶11の温度は設定温度から変化し易くなる。実施の形態1の波長変換装置1は、SHG結晶11の温度が変化し易い場合においても、レーザビーム23の強度を安定化させることができ、かつ高い強度のレーザビーム23を出力できる。
実施の形態1によると、波長変換装置1は、レンズ15を移動させる移動機構30によりレーザビーム23の強度のピークを単一のピークとする調節を行う。波長変換装置1は、移動機構30による調節により、SHG結晶11の温度変化によるレーザビーム23の強度の変化を低減可能とする。また、波長変換装置1は、高い強度のレーザビーム23を出力できる。これにより、波長変換装置1は、出力される高調波の強度の向上と安定化とが可能となるという効果を奏する。
図9は、図1に示す移動機構30による調節についての変形例を示す図である。変形例において、移動機構30は、SHG結晶11におけるレーザビーム21のビーム径を変化させることにより、SHG結晶11におけるレーザビーム21からレーザビーム22への変換効率ηを調節する。
変形例において、波長変換装置1は、図1に示す集光光学系13に代えて、複数のレンズ15を含む集光光学系36を備える。図9に示す集光光学系36は、光学素子である3つのレンズ15A,15B,15Cを備える。各レンズ15A,15B,15Cは、ホルダ31にて保持されている。
移動機構30は、Z軸方向において各レンズ15A,15B,15Cを個別に移動させることができる。移動機構30は、各レンズ15A,15B,15Cを個別に移動させることで、ビームウェスト35を移動させずに、ビームウェスト35におけるビーム径を拡張および縮小可能とする。なお、集光光学系36に備えられる光学素子の数は、3つに限られず、2つあるいは4つ以上であっても良い。
移動機構30は、SHG結晶11におけるレーザビーム21のビーム径を変化させることで、実効ビーム径Weffを変化させる。変形例においても、ビームウェスト35を移動させる場合と同様に、移動機構30による波長変換装置1の調節を行うことができる。
実施の形態2.
図10は、本発明の実施の形態2にかかる波長変換装置40の概略構成を示す図である。波長変換装置40には、図1に示すレンズ15を移動させる移動機構30に代えて、第1の非線形媒質であるSHG結晶11を移動させる移動機構41が設けられている。実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
移動機構41は、SHG結晶11におけるレーザビーム21からレーザビーム22への変換効率を調節する調節手段である。移動機構41は、SHG結晶11を保持するホルダ42を直線方向において移動させる。1つの例では、移動機構41は、モータと、モータの回転運動を直線運動へ変換させる機構とを含む。制御回路26は、移動機構41の駆動を制御する。
図11は、図10に示すSHG結晶11におけるレーザビーム21について説明する第1の図である。図12は、図10に示すSHG結晶11におけるレーザビーム21について説明する第2の図である。
図11に示す状態から、移動機構41がSHG結晶11をプラスZ方向へ移動させると、SHG結晶11におけるビームウェスト35の位置は、マイナスZ方向へ移動する。ビームウェスト35を移動させたことで、実効ビーム径Weffは、図11に示す状態に比べて増大する。このように、移動機構41は、Z軸方向へSHG結晶11を移動させることで、SHG結晶11におけるレーザビーム21の収束度合いを変化させる。実施の形態2では、移動機構41は、SHG結晶11以降におけるレーザビーム21の拡がりを変化させずに、SHG結晶11におけるレーザビーム21の収束度合いを変化させることができる。
図13は、実施の形態2におけるSHG結晶11の変換効率を調節する手順の例を示すフローチャートである。図11に示す移動機構41は、ビームウェスト35の位置がZ軸方向におけるSHG結晶11の中心位置となるようにSHG結晶11の位置を設定して、SHG結晶11におけるレーザビーム21の実効ビーム径Weffを最小値とする。これにより、ステップS11において、移動機構41は、第3のビームであるレーザビーム23の強度とSHG結晶11の温度との対応関係における強度のピークが複数のピークである状態を設定する。ステップS11の設定により、レーザビーム23の強度とSHG結晶11の温度との対応関係は、図4に例示される対応関係とされる。ステップS11の設定が行われた状態におけるレーザビーム23の強度の最大値を、Pmaxとする。
ステップS12では、移動機構41は、マイナスZ方向へSHG結晶11を移動させることで、第1のビームであるレーザビーム21のSHG結晶11における実効ビーム径Weffを拡張させる。移動機構41は、実効ビーム径Weffを拡張させることで、SHG結晶11におけるレーザビーム21から第2のビームであるレーザビーム22への変換効率ηを調節する。なお、ステップS12では、移動機構41は、マイナスZ方向に代えてプラスZ方向へSHG結晶11を移動させても良い。この場合も、移動機構41は、実効ビーム径Weffを拡張させることができる。
ステップS13では、設定温度にしたがって温度制御器24がSHG結晶11の温度を制御して、設定温度に対応するレーザビーム23の強度を光検出器27が測定する。光検出器27は、SHG結晶11の設定温度ごとのレーザビーム23の強度を測定する。ステップS14では、SHG結晶11の設定温度と光検出器27で測定されたレーザビーム23の強度との対応関係において、レーザビーム23の強度のピークが単一のピークであるか否かが判断される。
強度のピークが単一ではない場合(ステップS14:No)、強度のピークはなお複数のピークであるため、ステップS12の手順へ戻る。移動機構41は、実効ビーム径Weffの拡張による変換効率ηの調節を再度行う。
強度のピークが単一である場合(ステップS14:Yes)、ステップS15の手順へ進む。ステップS15では、レーザビーム23のピーク時の強度がPmax−ΔP以上か否かが判断される。
レーザビーム23のピーク時の強度がPmax−ΔP以上である場合(ステップS15:Yes)、ステップS16において、制御回路26は、SHG結晶11の設定温度に、レーザビーム23の強度がピークとなるときの温度を設定する。これにより、波長変換装置40は、SHG結晶11におけるレーザビーム21からレーザビーム22への変換効率ηの調節を終了する。
レーザビーム23のピーク時の強度がPmax−ΔP未満である場合(ステップS15:No)、ステップS17において、移動機構41は、プラスZ方向へSHG結晶11を移動させることで、SHG結晶11におけるレーザビーム21の実効ビーム径Weffを縮小させる。移動機構41は、実効ビーム径Weffを縮小させることで、SHG結晶11における変換効率ηを再度調節する。そして、ステップS13の手順へ戻る。
実施の形態2によると、波長変換装置40は、SHG結晶11を移動させる移動機構41によりレーザビーム23の強度のピークを単一のピークとする調節を行う。波長変換装置40は、移動機構41による調節により、SHG結晶11の温度変化によるレーザビーム23の強度の変化を低減可能とする。また、波長変換装置40は、高い強度のレーザビーム23を出力できる。これにより、波長変換装置40は、出力される高調波の強度の向上と安定化とが可能となるという効果を奏する。
実施の形態3.
図14は、本発明の実施の形態3にかかる波長変換装置50の概略構成を示す図である。波長変換装置50において、第1の非線形媒質であるSHG結晶11と第2の非線形媒質であるTHG結晶12とは、光共振器61の内部に設けられている。実施の形態1および2と同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
波長変換装置50は、励起光60を射出する励起光源51と、励起光60により励起され、第1のビームでありパルスレーザビームであるレーザビーム21を射出するレーザ媒質56とを備える。また、波長変換装置50は、レーザ媒質56と、SHG結晶11と、THG結晶12とが内部に配置された光共振器61を備える。2つの共振ミラー55,59は、光共振器61を構成する。
励起光源51の1つの例は、半導体レーザである。実施の形態3において、励起光60の波長は808nmであるものとする。制御回路26は、励起光源51の駆動を制御する。励起光源51から射出された励起光60は、光ファイバ52を伝搬する。励起光学系54は、光ファイバ52の射出端53から射出された励起光60を収束させる。共振ミラー55は、励起光60の波長を含む波長域の光を透過させ、かつ第1の波長および第2の波長を含む波長域の光を反射する特性を備える。共振ミラー55は、励起光学系54からの励起光60を透過させる。
レーザ媒質56と、Qスイッチ素子57と、波長分離素子58と、THG結晶12と、SHG結晶11とは、2つの共振ミラー55,59の間の光路に設けられている。レーザ媒質56は、励起光60の吸収によって励起状態となり、励起状態からのエネルギー状態の遷移に伴い自然放出光を発生する。レーザ媒質56は、2つの共振ミラー55,59の間を往復する自然放出光を誘導放出により増幅させて、基本波であるレーザビーム21を射出する。レーザ媒質56は、ネオジウムあるいはイッテルビウムがドープされたレーザ結晶であるYAG結晶あるいはYVO4結晶である。
Qスイッチ素子57は、Qスイッチ発振によりレーザビーム21を発生させる。なお、波長変換装置50において、Qスイッチ素子57は設けられていなくても良い。
波長分離素子58は、Qスイッチ素子57とTHG結晶12との間に設けられている。波長分離素子58は、第3の波長を含む波長域の光を透過させ、かつ第1の波長と第2の波長とを含む波長域の光を反射する特性を備える。波長分離素子58は、THG結晶12からのレーザビーム21,22,23を、レーザビーム23とレーザビーム21,22とに分離させる。また、波長分離素子58は、Qスイッチ素子57からのレーザビーム21,22をTHG結晶12へ進行させる。波長分離素子58の1つの例は、ダイクロイックミラーである。
波長変換装置50は、波長分離素子58を透過したレーザビーム23を射出する。なお、波長分離素子58は、第3の波長の光を反射し、かつ第1の波長の光と第2の波長の光とを透過させる特性を備えるものであっても良い。波長分離素子58は、波長の違いに基づいて光を分離可能であれば良く、ダイクロイックミラー以外の光学素子であっても良い。波長分離素子58は、波長による光の屈折率の違いを利用して光を分離させるプリズムであっても良い。
共振ミラー59は、第1の波長および第2の波長を含む波長域の光を反射する特性を備える。SHG結晶11には、共振ミラー59からのレーザビーム21,22と、THG結晶12からのレーザビーム21,22とが入射する。SHG結晶11は、レーザビーム21を、第2のビームでありパルスレーザビームであるレーザビーム22へ変換する。SHG結晶11は、発生させたレーザビーム22と、レーザビーム22へ変換されずに残されたレーザビーム21とを射出する。また、SHG結晶11は、THG結晶12あるいは共振ミラー59から入射したレーザビーム22を透過させる。
THG結晶12には、波長分離素子58からのレーザビーム21,22と、SHG結晶11からのレーザビーム21,22とが入射する。THG結晶12は、レーザビーム21,22を、第3のビームでありパルスレーザビームであるレーザビーム23へ変換する。THG結晶12は、発生させたレーザビーム23と、レーザビーム23へ変換されずに残されたレーザビーム21,22とを射出する。
レーザビーム21,22は、2つの共振ミラー55,59の間を往復する。2つの共振ミラー55,59は、SHG結晶11にてビームウェストを形成するように曲率半径が設定された曲面形状としても良い。
さらに、波長変換装置50は、実施の形態2と同様に、SHG結晶11を移動させる移動機構41を備える。調節手段である移動機構41は、SHG結晶11を移動させることで、SHG結晶11におけるレーザビーム21からレーザビーム22への変換効率を調節する。なお、波長変換装置50は、移動機構41に代えて、図1に示す移動機構30を備えていても良い。この場合、調節手段である移動機構30は、実施の形態1と同様に、レーザビーム21を収束させる光学素子であるレンズ15を移動させることで、SHG結晶11における変換効率ηを調節する。移動機構30は、実施の形態1の変形例と同様に、光学素子である複数のレンズ15を個別に移動させることにより変換効率ηを調節しても良い。
実施の形態3によると、波長変換装置50は、実施の形態1および2と同様に、出力される高調波の強度の向上と安定化とが可能となるという効果を奏する。
実施の形態4.
図15は、本発明の実施の形態4にかかる波長変換装置70の概略構成を示す図である。波長変換装置70には、図10に示す実施の形態2におけるレーザ光源10に代えて、パルスレーザ光源71と周波数制御器72とが設けられている。波長変換装置70のうちパルスレーザ光源71および周波数制御器72以外の構成は、実施の形態2にかかる波長変換装置40におけるレーザ光源10以外の構成と同様であるものとする。実施の形態1および2と同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
パルスレーザ光源71は、第1のビームでありパルスレーザビームであるレーザビーム21を射出するレーザ光源である。周波数制御器72は、パルスレーザ光源71の駆動タイミングを調節することで、パルスレーザ光源71からレーザビーム21を射出させる周波数であるパルス発振周波数を制御する。制御回路26は、周波数制御器72を制御する。SHG結晶11は、レーザビーム21を、第2のビームでありパルスレーザビームであるレーザビーム22へ変換する。THG結晶12は、レーザビーム21,22を、第3のビームでありパルスレーザビームであるレーザビーム23へ変換する。
さらに、波長変換装置70は、実施の形態2と同様に、SHG結晶11を移動させる移動機構41を備える。移動機構41は、SHG結晶11を移動させることで、SHG結晶11におけるレーザビーム21からレーザビーム22への変換効率ηを調節する調節手段である。実施の形態4では、移動機構41は、実施の形態2と同様に変換効率ηを調節することに加えて、レーザビーム21のパルス発振周波数が変更された場合にも変換効率ηを調節する。移動機構41は、レーザビーム21のパルス発振周波数が変更された場合に、変換効率ηを調節することで、SHG結晶11の温度におけるレーザビーム23の強度の温度依存性が単一の極大値を示し、かつ当該極大値を示すSHG結晶11の温度とレーザビーム22の強度が極大値を示すSHG結晶11の温度とが同じである状態を維持する。
パルスレーザ光源71の平均出力が一定である場合、パルス発振周波数が高いほど、パルスレーザ光源71から射出されるパルスごとのレーザビーム21の強度は低下する。パルス発振周波数が高くなることにより、SHG結晶11へ入射するレーザビーム21の強度が低下した場合、SHG結晶11におけるレーザビーム21からレーザビーム22への変換効率ηは低くなる。また、パルスレーザ光源71の平均出力が一定である場合、パルス発振周波数が低いほど、パルスレーザ光源71から射出されるパルスごとのレーザビーム21の強度は上昇する。パルス発振周波数が低くなることにより、SHG結晶11へ入射するレーザビーム21の強度が上昇した場合、SHG結晶11におけるレーザビーム21からレーザビーム22への変換効率ηは高くなる。
ここで、ある値であるF1がパルス発振周波数に設定されている場合において、図13に示す手順により波長変換装置70が調節されたとする。図13に示す手順による調節がなされている波長変換装置70において、パルス発振周波数がF1より高い値であるF2へ変更された場合、SHG結晶11におけるレーザビーム21からレーザビーム22への変換効率ηは低くなる。変換効率ηが低くなることで、レーザビーム23の強度のピークが単一のピークであることは維持される一方、レーザビーム23の強度の最大値がPmaxより低くなる場合がある。この場合、波長変換装置70から出力されるレーザビーム23の強度が低くなることがある。
波長変換装置70は、パルス発振周波数が過去の調節時におけるF1より高い値であるF2へ変更された場合に、図13に示す手順により、SHG結晶11における変換効率ηを再調節可能とする。レーザビーム23の強度のピークが単一のピークであることが維持されていることから、再調節では、図13に示すステップS11からステップS14までをスキップして、ステップS15からの手順が実施されても良い。
一方、図13に示す手順による調節がなされている波長変換装置70において、パルス発振周波数がF1より低い値であるF3へ変更された場合、SHG結晶11におけるレーザビーム21からレーザビーム22への変換効率ηは高くなる。変換効率ηが高くなることで、レーザビーム23の強度のピークが単一のピークから複数のピークへ変化している場合がある。この場合、SHG結晶11から射出されるレーザビーム21の強度が低下することで、THG結晶12で発生するレーザビーム23の強度が低くなることがある。また、レーザビーム23の強度のピークが複数のピークとなることで、SHG結晶11の温度変化によるレーザビーム23の強度の変化が大きくなることがある。
波長変換装置70は、パルス発振周波数が過去の調節時におけるF1より低い値であるF3へ変更された場合に、図13に示す手順により、SHG結晶11における変換効率ηを再調節可能とする。レーザビーム23の強度のピークが単一のピークから複数のピークへ変化している場合があることから、再調節では、実施の形態2と同様に、ステップS11からの手順が実施される。
このように、波長変換装置70は、パルス発振周波数が変更された場合に、SHG結晶11における変換効率ηを再調節することで、高い強度のレーザビーム23を出力可能とし、かつSHG結晶11の温度変化によるレーザビーム23の強度の変化を低減できる。
なお、波長変換装置70は、移動機構41に代えて、図1に示す移動機構30を備えていても良い。この場合、波長変換装置70には、図1に示す実施の形態1におけるレーザ光源10に代えて、パルスレーザ光源71と周波数制御器72とが設けられる。波長変換装置70のうちパルスレーザ光源71および周波数制御器72以外の構成は、実施の形態1にかかる波長変換装置1におけるレーザ光源10以外の構成と同様であるものとする。
調節手段である移動機構30は、レーザビーム21が射出される周波数が変更された場合に、レーザビーム21を収束させる光学素子であるレンズ15を移動させることで、SHG結晶11におけるレーザビーム21からレーザビーム22への変換効率ηを調節する。実施の形態1と同様に、移動機構30は、図2および図3に示すようにビームウェスト35の位置を移動させて、SHG結晶11におけるレーザビーム21の実効ビーム径Weffを変化させる。これにより、移動機構30は、変換効率ηを調節する。
実施の形態1の変形例と同様に、移動機構30は、光学素子である複数のレンズ15を個別に移動させても良い。図9に示す例では、移動機構30は、3つのレンズ15A,15B,15Cを備える集光光学系36において、Z軸方向において各レンズ15A,15B,15Cを個別に移動させる。移動機構30は、各レンズ15A,15B,15Cを個別に移動させることで、ビームウェスト35におけるビーム径の拡張と縮小とを可能とする。移動機構30は、ビームウェスト35を移動させずに、SHG結晶11におけるレーザビーム21の実効ビーム径Weffを変化させる。これにより、移動機構30は、変換効率ηを調節する。
実施の形態3の波長変換装置50は、Qスイッチ素子57におけるQスイッチ発振の周波数を変更した場合に、実施の形態4の波長変換装置70と同様に変換効率ηを再調節しても良い。波長変換装置50の調節手段である移動機構41あるいは移動機構30は、レーザビーム21が射出される周波数が変更された場合に、変換効率ηを調節する。波長変換装置50は、高い強度のレーザビーム23を出力可能とし、かつSHG結晶11の温度変化によるレーザビーム23の強度の変化を低減できる。
実施の形態4によると、波長変換装置70は、レーザビーム21が射出される周波数が変更された場合に、調節手段により変換効率ηを調節する。波長変換装置70は、変換効率ηを調節することで、SHG結晶11の温度変化によるレーザビーム23の強度の変化を低減可能とする。また、波長変換装置70は、高い強度のレーザビーム23を出力できる。これにより、波長変換装置70は、出力される高調波の強度の向上と安定化とが可能となるという効果を奏する。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1,40,50,70 波長変換装置、10 レーザ光源、11 SHG結晶、12 THG結晶、13,14,36 集光光学系、15,15A,15B,15C,16 レンズ、17,58 波長分離素子、18 ダンパ、21,22,23 レーザビーム、24,25 温度制御器、26 制御回路、27 光検出器、30,41 移動機構、31,42 ホルダ、32 中心軸、33 入射面、34 射出面、35 ビームウェスト、51 励起光源、52 光ファイバ、53 射出端、54 励起光学系、55,59 共振ミラー、56 レーザ媒質、57 Qスイッチ素子、60 励起光、61 光共振器、71 パルスレーザ光源、72 周波数制御器。

Claims (10)

  1. パルス発振された基本波である第1のビームを、前記基本波の高調波である第2のビームへ変換する第1の非線形媒質と、
    前記第2のビームと、前記第1の非線形媒質を透過した前記第1のビームとを基に、第3のビームを発生させる第2の非線形媒質と、
    前記第1のビームから前記第2のビームへの変換効率を調節する調節手段と
    を備え、
    前記第1のビームのパルス発振周波数が変更された場合に、前記調節手段は、前記変換効率を調節することで、前記第1の非線形媒質の温度における前記第3のビームの強度の温度依存性が単一の極大値を示し、かつ前記極大値を示す前記第1の非線形媒質の温度と前記第2のビームの強度が極大値を示す前記第1の非線形媒質の温度とが同じである状態を維持することを特徴とする波長変換装置。
  2. 前記調節手段は、前記第3のビームの強度のピークを、複数のピークから前記極大値を示す単一のピークへ変化させる調節を行うことを特徴とする請求項1に記載の波長変換装置。
  3. 前記第1のビームは、前記第1の非線形媒質にて収束し、
    前記調節手段は、前記第1のビームが収束する位置を移動させることにより前記変換効率を調節することを特徴とする請求項1または2に記載の波長変換装置。
  4. 前記第1の非線形媒質にて前記第1のビームを収束させる光学素子を備え、
    前記調節手段は、前記光学素子と前記第1の非線形媒質との間の距離を変化させることにより前記変換効率を調節することを特徴とする請求項1または2に記載の波長変換装置。
  5. 前記調節手段は、前記光学素子を移動させる移動機構であることを特徴とする請求項4に記載の波長変換装置。
  6. 前記調節手段は、前記第1の非線形媒質を移動させる移動機構であることを特徴とする請求項4に記載の波長変換装置。
  7. 前記調節手段は、前記第1のビームの中心軸の方向における前記第1の非線形媒質の中心位置から、前記第1のビームが収束する位置を移動させることを特徴とする請求項3から6のいずれか1つに記載の波長変換装置。
  8. 前記調節手段は、前記第1の非線形媒質における前記第1のビームのビーム径を変化させることにより前記変換効率を調節することを特徴とする請求項1または2に記載の波長変換装置。
  9. 前記第1のビームを射出するパルスレーザ光源を備えることを特徴とする請求項1から8のいずれか1つに記載の波長変換装置。
  10. 励起光を射出する励起光源と、
    前記励起光により励起され、前記第1のビームを射出するレーザ媒質と、
    前記レーザ媒質と、前記第1の非線形媒質と、前記第2の非線形媒質とが内部に配置された光共振器と
    を備えることを特徴とする請求項1から8のいずれか1つに記載の波長変換装置。
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