JPWO2015125923A1 - 医療用コネクタおよび医療用コネクタの製造方法 - Google Patents

医療用コネクタおよび医療用コネクタの製造方法 Download PDF

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Abstract

弾性弁体をハウジングに対して安定して所定の状態に取り付けることが可能とされた、改良された医療用コネクタとその製造方法を提供すること。弁受座(22)を備えるハウジング(12)の開口部(20)にディスク状の弾性弁体(14)を差し入れて、弾性弁体(14)の内面を弁受座(22)で支持せしめると共に、弾性弁体(14)の外周部分の外面にリング部材(52)を重ね合わせて、弾性弁体(14)の外周部分を弁受座(22)とリング部材(52)の間で挟持する。また、ハウジング(12)とリング部材(52)の間に突設された溶着凸部(62)を溶融させることで溶着部(66)を形成して、ハウジング(12)とリング部材(52)を溶着部(66)で相互に連結固着すると共に、溶着凸部(62)を外れた部分には、ハウジング(12)とリング部材(52)を接近方向で位置決めする位置決め部(68)を設けた。

Description

本発明は、輸液ルートを利用して薬液の混注や体液の採取などを行う際に、輸液ルートへの医療用接続具(雄コネクタ)の接続を可能とする医療用コネクタとその製造方法に関するものである。
従来から、輸液や採血などを行う輸液ルート上には、かかる輸液ルートを利用して薬液の混注を行ったり、体液の採取を行ったりするために、シリンジ先端のルアーチップなどの雄コネクタを接続可能とする医療用コネクタが設けられることが多い。例えば、輸液ルートの一部を構成する三方活栓では、3つの開口部のうちの一対を用いて点滴などの輸液ルートを形成し、残りの1つの開口部に対して雄コネクタの接続を可能とする医療用コネクタを設けることによって、既成の輸液ルートを利用した薬液の混注を可能としている。
かかる医療用コネクタとして、例えば、特表平2−502976号公報(特許文献1)に記載の所謂スプリットセプタムタイプのものが知られている。スプリットセプタムタイプの医療用コネクタは、ディスク状の弾性弁体を開口に備えた構造とされており、雄コネクタの先端部を弾性弁体のスリットに直接挿入してスリットを押し開くことにより、輸液ルートと雄コネクタの内部連通を可能とする。
ところで、特許文献1に記載の医療用コネクタでは、ハウジングの開口端部がスウェージング加工などで内周側に曲げられることにより、弾性弁体の外周端部が軸方向に挟持されるようになっている。
ところが、このような弾性弁体の支持構造では、ハウジングの開口端部を曲げ加工する際に変形量を規定し難く、それに伴って弾性弁体を一定の力で挟み込んで支持させることが難しいことから、弾性弁体のハウジングへの装着状態において、スリットの開閉特性や支持部分における弾性弁体の耐久性などに個体差が生じるおそれがあった。しかも、特許文献1に記載の構造では、ハウジングの開口端部の変形量が周上でばらつくことで、弾性弁体がハウジングに対して傾いて取り付けられてしまう場合もある。その結果、雄コネクタを弾性弁体のスリットに対して抜差しする際に、弾性弁体に対して周上で局所的に大きな応力が作用して、弾性弁体が歪に変形することでハウジングから脱落するといった不具合も生じ得る。
なお、出願人は、先の出願である特開2009−11820号公報(特許文献2)において、ハウジングの開口部に挿入される別体のリング部材を用いて、リング部材とハウジングの台座との間で弾性弁体を挟んで支持する構造を提案している。特許文献2に係る医療用コネクタでは、例えば、リング部材の上面と弾性弁体の中央部分の上面とが同一平面上に位置するまでハウジング開口部の曲げ加工とリング部材の押込みとを行うことで、ハウジングに対するリング部材の相対位置を設定することが可能であるが、ハウジング開口部を溶かしてリングを覆う構成であるため、溶けのばらつきが生じやすく、弾性弁体に不均等に圧力がかかり、各部材の位置関係にばらつきが生じるおそれがあり、より高精度に位置決めする手段が求められていた。また、従来方法においては、適切な押込み量を規定することが難しく、押込み過ぎた場合は弾性弁体が過剰に沈み込んだり、加工時に弾性弁体が変形して雄ルアー挿入時の圧力分散に好適なバランスが崩れてしまうといった各部材の位置関係のばらつきが生じ、押込みが不足した場合は十分固着強度を実現できないおそれがあるため、溶融工程時に非常に高度な制御・調整が必要となる。
特表平2−502976号公報 特開2009−11820号公報
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、弾性弁体をハウジングに対してばらつきの少ない略一定の状態に取り付けることが可能とされた、改良された医療用コネクタとその製造方法を提供することにある。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。
すなわち、本発明の第1の態様は、医療用コネクタの製造方法であって、ディスク状の弾性弁体の外周部分を支持する弁受座が形成された開口部を備えた熱可塑性樹脂製のハウジングを準備するハウジング準備工程と、該ハウジングの前記開口部に取り付けられて前記弾性弁体の外周部分を前記弁受座との間で挟持する熱可塑性樹脂製のリング部材を準備するリング部材準備工程と、前記弾性弁体を前記ハウジングの前記弁受座で支持させて前記開口部にセットする弁体セット工程と、前記弾性弁体がセットされた前記ハウジングに前記リング部材を重ね合わせて、それらハウジングとリング部材の重ね合わせ面に突設した溶着凸部を溶融させる溶融工程と、該溶融工程における前記溶着凸部の溶融状態下で、該溶着凸部が潰れて前記ハウジングと前記リング部材の重ね合わせ面の当接面積が増大するまで該ハウジングと該リング部材を接近方向へ押圧してそれらハウジングとリング部材を該溶着凸部で一体的に連結固着することにより、該ハウンジングの前記弁受座と該リング部材で前記弾性弁体の外周部分を挟持させる弁体固定工程とを、有することを特徴とする。
このような第1の態様に従う医療用コネクタの製造方法によれば、ハウジングとリング部材との間に設けられた溶着凸部を溶かして、ハウジングとリング部材とを固着する構成であるため、従来方法に比べ、溶けのばらつきが生じにくく、弾性弁体に不均等に圧力がかかる事態が生じにくい。さらに、溶着凸部は溶けやすいために押し込みやすいが、溶着凸部が完全に溶けると、ハウジングとリング部材の面と面とが突き当たり、押し込みにくくなるため、押込み過ぎを防ぐことが出来る。このため、高度な制御・調整を要せず、従来に比べて格段にばらつきが生じにくい。
また、ハウジングとリング部材を溶着凸部の溶融によって一体的に連結固着することにより、ハウジングとリング部材の重ね合わせ面に溶着凸部を突設する簡単な構造で、ハウジングとリング部材を強固に固定して、弾性弁体を安定して支持することができる。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載された医療用コネクタの製造方法において、前記ハウジングと前記リング部材の重ね合わせ面において、重ね合わせ面から先端部までの長さが均一に形成された前記溶着凸部を全周に亘って連続的にして或いは周方向に断続的に設けたものである。
第2の態様によれば、溶着凸部の当接部を周方向環状に設けて、ハウジングとリング部材を全周に亘って一体的に連結固着することで、ハウジングとリング部材のより強固な固着を実現することができる。更に、ハウジングとリング部材を全周に亘って連続して固着することで、固着部分の周方向端部に応力が集中するのを回避して、リング部材がハウジングから剥がれ落ちるといった不具合をより確実に防ぐことができる。また、弾性弁体に対し不均等に圧力が加わることを防止できるため、固着後における弾性弁体の位置ズレが生じにくく、リング部材がハウジングから剥がれ落ちるといった不具合をより確実に防ぐことができる。
本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様に記載された医療用コネクタの製造方法において、前記弾性弁体として、外周部分の内外両面にそれぞれ開口して周方向に延びる環状凹溝が設けられた構造を採用する一方、前記ハウジングとして、該弾性弁体の内面に設けられた該環状凹溝に差し入れられる環状凸部が設けられた前記弁受座の構造を採用すると共に、前記リング部材として、該弾性弁体の外面に設けられた該環状凹溝に差し入れられる環状凸部が設けられた構造を採用し、前記弁体セット工程において、該弾性弁体の内面の該環状凹溝に対して該ハウジングの該弁受座の該環状凸部を差し入れてセットして、前記溶融工程および前記弁体固定工程において、該弾性弁体の外面の該環状凹溝に対して該リング部材の該環状凸部を差し入れることにより、該弾性弁体の内外面の各該環状凹溝に対して各該環状凸部を押し入れて嵌め合わせるものである。
第3の態様によれば、弁体セット工程においてハウジングの環状凸部を弾性弁体の内面の環状凹溝に差し入れることで、弾性弁体をハウジングの開口部にある程度位置決めされた状態でセットすることができて、溶融工程および弁体固定工程における製造作業をし易くできる。更に、リング部材の環状凸部を弾性弁体の外面の環状凹溝に差し入れて、リング部材を弾性弁体およびハウジングに対してある程度位置決めした状態でセットすることにより、溶融工程と弁体固定工程において、ハウジングとリング部材を接近方向へ押圧する際に、ハウジングとリング部材の相対的な位置ずれが生じ難い。更にまた、ハウジングとリング部材を固着して、内外面の各環状凹溝に対して各環状凸部を押し入れて嵌め合わせることで、環状凹溝の内面に環状凸部を係止させて弾性弁体をハウジングおよびリング部材に対して位置決めすることができる。これらによって、ハウジングとリング部材と弾性弁体とを、接近方向だけでなく、それに直交する方向でも相互に位置決めして、精度良く固定することができる。
本発明の第4の態様は、第1〜第3の何れか1つの態様に記載された医療用コネクタの製造方法であって、前記溶融工程において、前記ハウジングと前記リング部材の重ね合わせ面における前記溶着凸部の当接部に対して超音波振動をおよぼして溶融させるものである。
第4の態様によれば、周波数や出力を調節することで、溶着凸部の当接部のみを選択的に溶融させることが比較的に容易であり、溶着凸部を外れた部分でハウジングとリング部材を当接によって位置決めしながら、溶着凸部の当接部においてハウジングとリング部材を固着することができる。
本発明の第5の態様は、第1〜第4の何れか1つの態様に記載された医療用コネクタの製造方法であって、前記リング部材として、前記ハウジングの前記開口部に挿し入れられて該ハウジングの該開口部の内周面に対して径方向に位置決めされる嵌合凸部を設けた構造を採用し、前記溶融工程および前記弁体固定工程において、該リング部材の該嵌合凸部を該ハウジングの該開口部に挿し入れた状態で前記溶着凸部を溶融させるものである。
第5の態様によれば、リング部材の嵌合凸部をハウジングの開口部に挿し入れることで、リング部材をハウジングの開口部に対して位置決めしながら、ハウジングとリング部材を溶着することができる。それ故、ハウジングとリング部材の相対的な位置のずれを、接近方向だけでなく径方向でも防いで、それらハウジングとリング部材を目的とする相対的な位置関係で高精度に連結固着することができる。
また、嵌合凸部の外周面を筒状として、全周に亘ってハウジングの開口部の内周面に重ね合わせるようにすれば、溶着凸部の溶融時に溶融樹脂(ウェルド)がハウジングの内周側に入り込むのを防ぐことができて、加熱された樹脂への接触による弾性弁体の劣化などが防止される。しかも、嵌合凸部とハウジングの重ね合わせ面間の微小隙間に溶融樹脂が充填されることで、ハウジングとリング部材の固着強度の向上も期待できる。
本発明の第6の態様は、ハウジングの開口部に対してディスク状の弾性弁体が組み付けられて、該弾性弁体の外周部分が該ハウジングで支持されている医療用コネクタであって、前記ハウジングの前記開口部において前記弾性弁体の外周部分の内面を支持する弁受座が形成されていると共に、該弾性弁体の外周部分の外面にリング部材が重ね合わされて、該弾性弁体の周囲において該ハウジングと該リング部材とが直接に固着されることにより該弁受座と該リング部材との間で該弾性弁体の外周部分が挟持されており、該ハウジングと該リング部材との固着部分では、それらハウジングとリング部材の重ね合わせ面間に突設された溶着凸部が溶融されて溶着部が設けられていると共に、該重ね合わせ面間における該溶着凸部を外れた部分が相互に当接して該ハウジングと該リング部材を接近方向で位置決めする位置決め部が設けられていることを、特徴とする。
本発明の第6の態様に従う構造とされた医療用コネクタによれば、ハウジングとリング部材の重ね合わせ面が、溶着凸部が溶融された部分である溶着部において一体的に連結固着されていると共に、溶着凸部を外れた部分である位置決め部において相互に当接せしめられている。これにより、ハウジングとリング部材の強固な固定を実現しながら、ハウジングとリング部材の接近方向の相対的な位置を高精度に設定することができる。従って、弾性弁体の外周部分がハウジングとリング部材の間で過剰に強く挟み込まれて、目的とする弾性弁体の耐久性や変形特性(ばね定数)を安定して有効に得ることができる。このため、弾性弁体の耐久性の低下や連通と遮断の切替え特性への悪影響などを生じたり、反対に充分な力で挟持されず、弾性弁体がハウジングから脱落するなどといった不具合を、何れも回避することができる。
なお、位置決め部における重ね合わせ面の相互の当接は、直接でも良いし、溶着凸部を介して間接でも良い。即ち、溶着凸部が略残らずに完全に溶けることにより、溶着凸部を含む周辺部分で、ハウジングとリング部材が溶着凸部より大きな面と面をもって相互に突き当たって位置決めされるものであれば良い。
本発明の第7の態様は、第6の態様に記載された医療用コネクタにおいて、前記リング部材には、前記ハウジングと係合し、該ハウジングと前記リング部材とが重ね合わされてから溶着凸部が溶融し、重ね合わせ面間における該溶着凸部を外れた部分が相互に当接するまでの前記ハウジングの移動をガイドするガイド部が形成されているものである。
第7の態様によれば、ハウジングとリング部材の溶着時に、ガイド部によってガイドしながらハウジングとリング部材を接近変位させることにより、ハウジングとリング部のずれが防止されて、適切な位置で相互に固着される。
本発明の第8の態様は、第6又は第7の態様に記載された医療用コネクタにおいて、前記溶着部が前記ハウジングの周方向で全周に亘って連続して形成されていると共に、該溶着部を径方向に外れた位置に前記位置決め部が設けられているものである。
第8の態様によれば、溶着部が全周に亘って連続して形成されていることから、ハウジングとリング部材を強固に且つ周上で安定して固着することができて、ハウジングとリング部材の間に弾性弁体が安定して挟持される。更に、溶着部を径方向に外れた位置に位置決め部を設けることで、位置決め部を全周に亘って連続して設けることができて、ハウジングとリング部材が相対的に傾いた状態で固定されるのを防いで、弾性弁体をより安定して挟持させることができる。
本発明の第9の態様は、第6〜第8の何れか1つの態様に記載された医療用コネクタであって、前記リング部材において、前記ハウジングの前記開口部に挿し入れられて該ハウジングの該開口部の内周面に対して径方向に位置決めされる嵌合凸部が設けられているものである。
第9の態様によれば、ハウジングの開口部に嵌合凸部が挿し入れられることで、ハウジングとリング部材が径方向で位置決めされることから、ハウジングとリング部材の径方向での位置ずれを防ぐことができる。また、嵌合凸部の外周面がハウジングの開口部の内周面に対応する形状とされて、嵌合凸部の外周面がハウジングの開口部の内周面に全周で重ね合わされるようにすれば、溶着凸部の溶融樹脂がハウジングの内周側に入り込むのが嵌合凸部によって堰き止められて防止される。しかも、嵌合凸部とハウジングの開口部との重ね合わせ面間に溶融樹脂が入り込むことによって、ハウジングとリング部材の固着強度の向上も図られ得る。
本発明の第10の態様は、ディスク状の弾性弁体の外周部分を支持する弁受座が形成された開口部を備えた熱可塑性樹脂製のハウジングを準備するハウジング準備工程と、該ハウジングの前記開口部に取り付けられて前記弾性弁体の外周部分を前記弁受座との間で挟持する熱可塑性樹脂製のリング部材を準備するリング部材準備工程と、前記弾性弁体を前記リング部材にセットする弁体セット工程と、前記弾性弁体がセットされた前記リング部材に前記ハウジングを重ね合わせて、それらハウジングとリング部材の重ね合わせ面に突設した溶着凸部を溶融させる溶融工程と、該溶融工程における前記溶着凸部の溶融状態下で、該溶着凸部が潰れて前記ハウジングと前記リング部材の重ね合わせ面の当接面積が増大するまで該ハウジングと該リング部材を接近方向へ押圧してそれらハウジングとリング部材を該溶着凸部で一体的に連結固着することにより、該ハウンジングの前記弁受座と該リング部材で前記弾性弁体の外周部分を挟持させる弁体固定工程とを、有することを、特徴とする。
第10の態様に従う医療用コネクタの製造方法によれば、第1の態様と同様に、溶着凸部が略均一に溶融することで、ハウジングとリング部材との間に挟持される弾性弁体に不均等な圧力がかかり難いと共に、重ね合わせ面の当接面積の増大によってハウジングとリング部材が接近方向で位置決めされることで、押し込み過ぎを防ぐことができる。更に、弾性弁体がセットされたリング部材をハウジングに固着することで、弾性弁体がハウジングに差し入れられることから、弁体のハウジングへの取付けがより容易になる。
また、弾性弁体の外周部分がハウジングとリング部材の間で挟持される際に、弾性弁体の外周端部が内周側に膨出変形するのを環状凸部が制限することから、環状凹部よりも外周部分において、弾性弁体とハウジングおよびリング部材との間が特別なシール部材を要することなく封止される。
本発明によれば、弾性弁体をハウジングに対してばらつきの少ない略一定の状態に取り付けることが可能とされた、改良された医療用コネクタを製造することができる。
本発明の一実施形態としての医療用コネクタの斜視図。 図1に示す医療用コネクタの正面図。 図1に示す医療用コネクタの縦断面図。 図1に示す医療用コネクタを構成するハウジングの斜視図。 図4に示すハウジングの正面図。 図4に示すハウジングの縦断面図。 図1に示す医療用コネクタを構成する弾性弁体の斜視図。 図7に示す弾性弁体の正面図。 図7に示す弾性弁体の縦断面図。 図1に示す医療用コネクタを構成するリング部材の斜視図。 図10に示すリング部材の正面図。 図10に示すリング部材の縦断面図。 図1に示す医療用コネクタの製造工程を説明する斜視図。 図13に示す医療用コネクタの製造工程を説明する断面斜視図。 図1に示す医療用コネクタの製造工程を説明する正面図。 図15に示す医療用コネクタの製造工程を説明する縦断面図。 図16に示す医療用コネクタの製造工程における要部を拡大して示す縦断面図。 図1に示す医療用コネクタを備える三方活栓の斜視図。 図18に示す三方活栓の正面図。 図1に示す医療用コネクタに対するルアーロックコネクタの接続方法を説明するための断面モデル図。 本発明に係る医療用コネクタの別の使用例を示す斜視図であって、(a)が混注プラグを、(b)が混注管を、(c)が輸液バッグを、それぞれ示す。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1〜3に、本発明の一実施形態としての医療用コネクタ10を示す。医療用コネクタ10は、筒形状を呈するハウジング12の中心孔に、ディスク形状を呈する弾性弁体14が組み付けられて、弾性弁体14の外周部分がハウジング12によって支持された構造を有している。なお、以下の説明において上下方向とは、特に断りのない限り、図2中の上下方向を言うものとする。また、図1〜20は、同一の実施形態を示すが、見易さのために適宜に拡大または縮小されている。
より詳細には、ハウジング12は、図4〜6に示すように、大径筒部16と小径筒部18が一体形成された段付円筒形状を有している。小径筒部18の内径寸法は少なくとも開口部20(図6中、上側の開口部)において弾性弁体14を収容し得る大きさとされ、雄コネクタ抜去後のスリット50(後述)の再封止状態が安定して発現されるように、好適には、弾性弁体14の外径寸法と略等しくされる。
かかるハウジング12は、弾性弁体14を確実に保持し得る強度を有する材料から形成されることが好ましく、具体的には、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアセタール等の熱可塑性樹脂が例示される。そして、ハウジング12は、これらの材料から射出成形等によって成形される。
また、小径筒部18には、径方向内方に突出する環状の弁受座22が一体形成されており、弁受座22の内周縁部には、小径筒部18の開口方向外方(図6中、上方)に向けて突出する環状凸部としての係止凸部24が一体形成されている。係止凸部24は、一定の突出高さ寸法をもって全周に亘って連続する周壁形状とされており、弁受座22と係止凸部24によって環状の嵌合凹溝26が形成されて、ハウジング12の開口部20に向かって開口している。更に、係止凸部24の内周面から弁受座22の内周面に至る部分は、湾曲凸形の一定断面形状で周方向の全周に亘って延びる当接内周面28とされている。
また、小径筒部18の外周面には、後述するルアーロックコネクタ102の雌ねじ部106が螺合する雄ねじ部30が形成されている。雄ねじ部30は、好適にはISO594で規定された、ねじの山頂径が7.0±0.2mm、ねじの谷底径が8.0±0.1mmに設定されたルアーロックコネクタ102の雌ねじ部106との接続が可能な二条ねじとされる。
なお、ハウジング12の外径寸法は、ISO594で規定された標準的なルアーチップ104の接続を可能とするために、本実施形態のような雄ねじ部30を形成しない場合には、小径筒部18の外径が6.0〜7.0mmの範囲内で設定されることが好ましく、本実施形態のように雄ねじ部30を形成する場合には、ねじ山を含んだ小径筒部18の外径が7.0〜8.0mmの範囲内で設定されることが好ましい。
また、ハウジング12の小径筒部18側の軸方向端面である開口端面32は、略一定の幅寸法で周方向全周に連続する環状の平坦面とされており、略軸直角方向に広がっている。
弾性弁体14は、図7〜9に示されているように、略一定の厚さ寸法を有する円板形状の中央部34と、中央部34の外周を全周に亘って囲む略円環形状を有する環状固定部36とを一体で備えており、全体として略ディスク形状とされている。弾性弁体14は、弾性を有する材料から形成されており、気密性や再封止性を考慮して、合成ゴム、天然ゴム、熱可塑性エラストマーなどから選択されるイソプレンゴムやシリコーンゴムなどの材料を用いて、プレス成形やモールド成形等によって形成される。
環状固定部36は、一定の略矩形断面形状をもって周方向に連続して延びている。この矩形断面は、径方向寸法(図9中、左右方向寸法)に比して、軸方向寸法(図9中、上下方向寸法)の方が大きくされている。なお、環状固定部36の軸方向寸法は、中央部34の軸方向寸法よりも小さくされており、環状固定部36の軸方向上端面が中央部34の軸方向上端面よりも内方(図9中の下方)に低くされている。これにより、後述するリング部材52が環状固定部36の軸方向上方に重ね合わされる際、中央部34がリング部材52よりも軸方向上方に突出するのが防止されている。
また、弾性弁体14の内面38に内環状凹溝42が形成されていると共に、外面40に外環状凹溝44が形成されている。内外の環状凹溝42,44は、略一定の凹状断面をもって全周に亘って連続しており、弾性弁体14の径方向で互いに略同じ位置に形成されている。これにより、弾性弁体14は内外の環状凹溝42,44の形成部分で厚さ寸法が小さくされており、弾性弁体14の内周部分を構成する中央部34と外周部分を構成する環状固定部36とを接続する括れ状部46が形成されている。また、括れ状部46は、弾性弁体14の厚さ方向でやや内面38寄りの位置に形成されており、弾性弁体14の中央部34は、括れ状部46よりも外面40側が内面38側よりも軸方向寸法を大きくされている。
さらに、内面38における内環状凹溝42の内周側には、湾曲凹形の断面形状で全周に亘って連続して延びる凹溝部48が形成されており、内環状凹溝42の内周側の壁面に凹溝部48が開口している。
なお、弾性弁体14の中央部34の直径は、好適には、5.0〜6.5mmの範囲内で設定される。弾性弁体14の中央部34の直径が5.0mmよりも小さいと、外径が略4.0mmに統一された標準的なルアーロックコネクタ102のルアーチップ104の挿入が困難になる一方、直径が6.5mmよりも大きいと、第3の分岐開口部90の外径が大きくなって、標準的なルアーロックコネクタ102の雌ねじ部106との接続が困難となるからである。
また、弾性弁体14の中央部34の厚さ寸法は、好適には、1.0〜3.0mmの範囲内で設定される。中央部34の厚さ寸法が1.0mmよりも小さいと、シリンジ先端部等の雄コネクタの挿入時におけるシール性が不十分となるおそれがある一方、厚さ寸法が3.0mmよりも大きいと、雄コネクタの挿入抵抗が大きくなって、挿入操作が難しくなるおそれがあるからである。
中央部34には、厚さ方向に貫通するスリット50が形成されている。ここにおいて、スリット50の形状としては、例えば直線形状の他、十字などの放射形状が採用され、本実施形態においては、中央部34の中心から外周端縁部に至らない長さで径方向3方向に延びる放射形状とされている。なお、スリット50は、成形された弾性弁体14の厚さ方向に鋭利な刃を貫通させる等して形成される。また、スリット50は、後述する弾性弁体14のハウジング12への装着状態において、弾性弁体14の弾性に基づいて内面が相互に密着した遮断状態とされて、気密性が確保されている。
そして、弾性弁体14は、ハウジング12の開口部20に挿入されて、環状固定部36の内面が弁受座22で支持されることにより、ハウジング12の開口部20にセットされている。更に、弾性弁体14は、ハウジング12の開口部20に固着されるリング部材52によって、ハウジング12からの抜けが防止されている。
リング部材52は、熱可塑性樹脂で形成された硬質の部材であって、図10〜12に示すように、周方向に略一定の断面形状で連続している。また、リング部材52は、ハウジング12の開口部20の内径寸法と略同じ外径寸法を有する内周挟持部54と、ハウジング12の開口端面32の外径寸法と略同じ外径寸法を有する外周固着部56とを、一体で備えている。
リング部材52の内周挟持部54には、嵌合凸部58が設けられている。嵌合凸部58は、略一定の断面形状で全周に亘って連続して延びており、外周固着部56の下面よりも下方まで突出して外周固着部56との間で段差をなしていると共に、外径寸法がハウジング12の開口部20の内径寸法と略同じとされている。また、環状とされた嵌合凸部58の外周面は、軸方向に延びる略円筒面とされており、ハウジング12の開口部20の内径寸法と略同じ外径寸法で形成されている。更に、嵌合凸部58の突出先端の外周縁部は、突出先端に向かって次第に内周側に傾斜するテーパ形状とされて、嵌合凸部58の突出先端部が先細形状とされており、嵌合凸部58の突出先端がハウジング12の開口部20の内径寸法よりも小径とされている。
更にまた、リング部材52の内周挟持部54には、環状凸部60が設けられている。環状凸部60は、リング部材52の内周縁部に設けられて、嵌合凸部58よりも下方まで突出しており、弾性弁体14の外環状凹溝44に差入れ可能な断面形状で周方向の全周に亘って連続している。また、環状凸部60は、内周面が突出先端に向かって次第に大径となるテーパ形状とされており、突出先端に向かって径方向で薄肉となっている。
また、リング部材52の外周固着部56は、略軸直角方向に広がる下面を有しており、下方に突出する溶着凸部62を備えている。溶着凸部62は、外周固着部56の径方向中間部分に突設された凸部であって、突出先端に向かって次第に狭幅となる略一定の断面形状をもって、略均一な突出高さ(後述する当接面64から突出先端面までの長さ)で周方向の全周に亘って連続している。更に、溶着凸部62は、嵌合凸部58に対して外周側に所定距離を隔てて設けられていると共に、突出高さが嵌合凸部58よりも小さくされている。
また、溶着凸部62の内周側には、ハウジング12に対する重ね合わせ面である外周固着部56の下面を構成する当接面64が形成されている。この当接面64は、全周に亘って略一定の幅寸法で延びて略軸直角方向に広がる環状の平坦面であって、溶着凸部62と嵌合凸部58の径方向間に設けられて、嵌合凸部58よりも上方に位置している。なお、溶着凸部62の外周側では、外周固着部56の下面が当接面64よりも上方に位置しており、外周固着部56の最外周端部が当接面64の形成部分よりも薄肉とされている。
そして、ハウジング12の開口部20に弾性弁体14がセットされた状態で、ハウジング12の開口部20にリング部材52が固着されて、リング部材52の内周部分が弾性弁体14の外周部分の外面に重ね合わされる。これにより、弾性弁体14の外周部分がハウジング12とリング部材52の間で軸方向に挟持されて、医療用コネクタ10が形成されている。なお、本実施形態では、弾性弁体14の環状固定部36がハウジング12の弁受座22とリング部材52の内周挟持部54との間で軸方向に挟持されている一方、ハウジング12の係止凸部24が弾性弁体14の内環状凹溝42に差し入れられて係止されていると共に、リング部材52の環状凸部60が弾性弁体14の外環状凹溝44に差し入れられて係止されている。
ところで、本実施形態の医療用コネクタ10は、ハウジング12とリング部材52を固着して、ハウジング12とリング部材52の間で弾性弁体14を挟持させる際に、ハウジング12とリング部材52が相互に位置決めされた状態で強固に固着されるようになっている。以下、図13〜17を参照しながら、医療用コネクタ10の製造工程を説明する。
先ず、熱可塑性樹脂製のハウジング12を準備する。このハウジング12は、上述のように、全体として筒状とされており、開口部20の内周側には、ディスク状とされた弾性弁体14の外周部分を支持する弁受座22が形成されている。なお、ハウジング12は、例えば、熱可塑性樹脂の射出成形やモールド成形などによって得ることができる。以上により、ハウジング準備工程を完了する。
また、熱可塑性樹脂製のリング部材52を準備する。リング部材52は、ハウジング12の開口部20に取り付けられることで、弾性弁体14の外周部分をハウジング12の弁受座22との間で挟持するようになっている。なお、リング部材52は、ハウジング12と同様に、熱可塑性樹脂の射出成形やモールド成形によって得ることができる。以上により、リング部材準備工程を完了する。
また、図13〜16の(a),(b)に示すように、予め準備された弾性弁体14の外周部分を、ハウジング12の弁受座22で支持させて、ハウジング12の開口部20にセットする。より具体的には、弾性弁体14の環状固定部36をハウジング12の弁受座22の嵌合凹溝26に挿入すると共に、弁受座22の係止凸部24を弾性弁体14の内環状凹溝42に挿入係止させることで、弾性弁体14をハウジング12の開口部20内で位置決めしてセットする。以上により、弁体セット工程を完了する。なお、環状固定部36と嵌合凹溝26の内面とを接着剤などで固着して、シール性の向上を図ることも可能であるが、本実施形態では非固着で差し入れられている。
次に、図13〜16の(c)に示すように、弾性弁体14が設置されたハウジング12の開口端面32にリング部材52を重ね合わせる。より詳細には、リング部材52の環状凸部60を弾性弁体14の外環状凹溝44に挿入して、リング部材52をハウジング12に対して径方向で位置決めしながら、リング部材52をハウジング12に対して接近させることで、リング部材52の外周固着部56に突設された溶着凸部62をハウジング12の開口端面32に当接させる。なお、本実施形態では、溶着凸部62とハウジング12の開口端面32との当接前に、リング部材52の嵌合凸部58がハウジング12の開口部20に挿し入れられて、ハウジング12の開口部20の内周面に対して径方向に位置決めされるようになっている。
さらに、ハウジング12の開口端面32にリング部材52を重ね合わせた状態で、開口端面32に当接された溶着凸部62を溶融させる。即ち、図15,16の(c),(c’)および図17に示すように、ホーン70をリング部材52に押し当てて、リング部材52の溶着凸部62に超音波振動をおよぼすことで、溶着凸部62の先端面とハウジング12の開口端面32との当接部に摩擦熱を生ぜしめて、溶着凸部62とハウジング12の開口端面32との当接部を溶融させる。本実施形態では、リング部材52の嵌合凸部58をハウジング12の開口部20に挿し入れた状態で、溶着凸部62の当接部を溶融させることで、ハウジング12とリング部材52が径方向に位置決めされた状態で溶着凸部62を溶融させることが可能となっている。また、ホーン70からリング部材52に伝達される超音波振動の周波数を適宜に調節して、リング部材52の溶着凸部62だけが溶融されるように設定することで、溶着凸部62を外れた内周側においてハウジング12およびリング部材52の溶融を防いで形状を保持する。以上のように、溶融工程を行う。
なお、ハウジング12とリング部材52の接近変位時に、嵌合凸部58の外周面がハウジング12における開口部20の内周面に摺接しながら移動することで、ハウジング12とリング部材52が径方向に位置ずれすることなく溶着される。このことからも明らかなように、ハウジング12とリング部材52の接近変位をガイドするガイド部が、嵌合凸部58によって構成されている。
本実施形態では、加熱溶融された溶着凸部62の樹脂を、溶着凸部62を外れた外周側に入り込ませることで、ハウジング12の開口端面32とリング部材52をより強固に固着させているが、例えば、溶着凸部62の外周側では、ハウジング12とリング部材52が隙間をもって軸方向に対向配置されていても良い。また、溶着凸部62の先端面がハウジング12の開口端面32に当接された状態で、ハウジング12とリング部材52が溶着凸部62を外れた内外周両側において隙間をもって軸方向に対向しており、該隙間は、開口端面32と外周固着部56との対向面間から溶着凸部62の溶融樹脂がはみ出すのを防ぐスペースとしても機能するようになっている。
また次に、溶融工程における溶着凸部62の溶融状態下で、溶着凸部62が潰れて、相互に重ね合わされるハウジング12の開口端面32とリング部材52の下面との当接面積が増大するまで、ハウジング12とリング部材52を接近方向へ押圧する。即ち、本実施形態では、溶着凸部62が潰れて、リング部材52の当接面64がハウジング12の開口端面32に当接することで、ハウジング12とリング部材52の当接面積が増大するまで、ハウジング12とリング部材52を接近方向へ押圧する。なお、本実施形態では、リング部材52の嵌合凸部58をハウジング12の開口部20に挿し入れながらリング部材52をハウジング12に対して接近方向に押圧することで、リング部材52をハウジング12に対して位置決めしながら接近させることができる。
さらに、リング部材52をハウジング12に対して接近方向に押圧することで、弾性弁体14の内外の環状凹溝42,44に対してハウジング12の係止凸部24とリング部材52の環状凸部60とを押し入れて嵌め合わせる。これにより、弾性弁体14の外周部分において、環状固定部36をハウジング12の弁受座22とリング部材52の嵌合凸部58との間で挟んで圧縮変形させると共に、括れ状部46をハウジング12の係止凸部24とリング部材52の環状凸部60との間で挟んで必要に応じて圧縮変形させる。
そして、図15,16の(d)および図17の(b)に示すように、ハウジング12とリング部材52を接近方向へ押圧した状態に保持して、溶融した溶着凸部62の当接部を冷却固化させることにより、それらハウジング12とリング部材52を溶着凸部62の当接部において溶融一体化して、一体的に連結固着する。本実施形態では、溶着凸部62を全周に亘って溶融させることで、ハウジング12とリング部材52を全周に亘って連続的に固着する。これにより、ハウジング12の開口部20にセットされた弾性弁体14の外周部分を、ハウジング12の弁受座22とリング部材52の間で挟持させて、溶融工程および弁体固定工程が完了する。本実施形態では、ハウジング12の弁受座22とリング部材52の嵌合凸部58との間で弾性弁体14の環状固定部36を挟持させると共に、ハウジング12の係止凸部24とリング部材52の環状凸部60との間で弾性弁体14の括れ状部46を挟持させる。以上により、医療用コネクタの製造工程を完了して、本実施形態に係る医療用コネクタ10を得ることができる。
このようにして製造される医療用コネクタ10は、図17(b)に示すように、リング部材52の溶着凸部62とハウジング12の開口端面32との当接部分が、超音波溶着によって溶融一体化された溶着部66とされて、溶着部66が全周に亘って連続して設けられている。一方、溶着凸部62を径方向に外れた内周側には、形状を略維持されたハウジング12の開口端面32とリング部材52の当接面64とが軸方向で相互に当接する位置決め部68が、全周に亘って連続して設けられている。なお、溶融した溶着凸部62の樹脂が位置決め部68に入り込むことで、ハウジング12の開口端面32とリング部材52の当接面64とが位置決め部68で間接的に当接すると共に、ハウジング12とリング部材52が位置決め部68において接着されていても良い。
本実施形態では、リング部材52における溶着凸部62を内周側と外周側とにそれぞれ外れた部分に環状の平坦面が設けられており、これら内外周の平坦面上で溶着凸部62が完全に溶けることで、ハウジング12に対して平坦状の面と面で重ね合わされて、溶融を阻止して位置決めし得るようになっている。
このような構造とされた本実施形態に係る医療用コネクタ10によれば、位置決め部68においてハウジング12の開口端面32とリング部材52の当接面64が相互に当接することで、ハウジング12とリング部材52が軸方向で高精度に位置決めされる。それ故、ハウジング12の弁受座22とリング部材52の内周挟持部54との過剰な接近が回避されて、ハウジング12とリング部材52の間で挟持される弾性弁体14の過大な弾性変形が防止されることから、目的とする弾性弁体14の変形特性(ばね特性)や耐久性などを有効に得ることができる。特に、弾性弁体14の外周部分がハウジング12とリング部材52の間で挟持された状態において、環状固定部36に比して薄肉とされた括れ状部46の厚さ寸法が安定して設定されることから、括れ状部46が係止凸部24と環状凸部60の間で強く挟み込まれて破断したり耐久性が低下するといった不具合を回避して、品質の安定性と向上が図られる。
また、溶着凸部62の内周側と外周側でハウジング12の開口端面32とリング部材52の外周固着部56との対向面間距離が異ならされている。特に、内周側よりも対向面間距離が大きい外周側で、開口端面32と外周固着部56の対向面積が大きくされている。これにより、ハウジング12とリング部材52の溶着に際して、内周側の対向面で開口端面32と外周固着部56(当接面64)が直接に当接することで、又は内周側の対向面間に入って充填状態とされた溶融樹脂を介して開口端面32と外周固着部56が間接に当接することで、ハウジング12とリング部材52の接近方向の位置が規定される。万一、更に溶融工程および弁体固定工程が継続された場合には、外周側で控えた開口端面32と外周固着部56の対向面がより大きな面積で直接又は間接に当接することにより、ハウジング12とリング部材52の接近方向の相対位置が確実に規定されて過度の接近が防止され得る。
また、ハウジング12とリング部材52は、溶着部66において溶融して一体的に連結固着されることで強固に固定されて、実質的に分離不能とされていることから、弾性弁体14がハウジング12とリング部材52の間で安定して支持される。
さらに、溶着部66がハウジング12およびリング部材52の周方向で全周に亘って連続して設けられており、ハウジング12とリング部材52が全周に亘って相互に固着されていることにより、ハウジング12とリング部材52の溶着面積が大きく確保されてより強固に固着される。
しかも、溶着部66の内周側には位置決め部68が全周に亘って環状に設けられており、ハウジング12とリング部材52が全周に亘って連続的に当接することで、位置決め作用が発揮されるようになっている。従って、ハウジング12とリング部材52が相対的に傾斜した状態で固定されるのを防いで、ハウジング12とリング部材52の間で弾性弁体14を安定して挟持することができる。
また、リング部材52の内周挟持部54に設けられた嵌合凸部58がハウジング12に挿し入れられて、嵌合凸部58の外周面がハウジング12の内周面に実質的に当接した状態で重ね合わされている。これにより、リング部材52がハウジング12に対して径方向で位置決めされて、リング部材52がハウジング12に対して適切な位置に取り付けられると共に、溶着凸部62の溶融樹脂がハウジング12の内周側に流れ込むのが防止されて、弾性弁体14が溶着時の熱から保護される。加えて、嵌合凸部58とハウジング12の開口部20の内周面との重ね合わせ面間に溶融樹脂が入り込むことで、ハウジング12とリング部材52のより強固な固着も期待できる。
さらに、図3に示されているように、ハウジング12において弾性弁体14の環状固定部36を収容する開口部20の外周壁は、環状固定部36よりも高くされており、弾性弁体14の環状固定部36の外周面の全面がハウジング12の開口部20の外周壁によって覆われている。そして、ハウジング12の開口部20の外周壁の先端面(開口端面)32におけるリング部材52との溶着部位が、弾性弁体14の環状固定部36から上方に離れた位置に設定されている。
これにより、ハウジング12とリング部材52との溶着に際して、仮にハウジング12の開口端面32とリング部材52の溶着突部62との重ね合わせ面から溶融樹脂が内周側にはみ出たとしても、溶融樹脂が弾性弁体14の環状固定部36の外周面等を直接に押圧する事態が生じにくくされている。また、リング部材52に設けられたガイド部(嵌合凸部58)により、溶融樹脂が弾性弁体14の環状固定部36の外周面等を直接に押圧する事態をなくしている。このため、弾性弁体14の保持状態が安定して維持されると共に、溶融樹脂が弾性弁体14の耐久性などに悪影響を及ぼすこともない。特に本実施形態では、ハウジング12とリング部材52との溶着部位と弾性弁体14の環状固定部36との間に、リング部材52の嵌合凸部58とハウジング12の開口部20への全周に亘る嵌合部が設けられていることから、溶融樹脂の弾性弁体14への接触が一層効果的に防止されるようになっている。
また、リング部材52に突設された環状凸部60が弾性弁体14の外環状凹溝44に差し入れられることから、リング部材52の嵌合凸部58がハウジング12に挿入される前にリング部材52がハウジング12に対して軸直角方向で仮に位置決めされるようになっている。それ故、硬質の嵌合凸部58を硬質のハウジング12に嵌め入れ易くなっており、ハウジング12とリング部材52の軸直角方向での位置決めが容易である。
しかも、ハウジング12とリング部材52が固定された状態では、内環状凹溝42にハウジング12の係止凸部24が嵌め入れられて係止されていると共に、外環状凹溝44にリング部材52の環状凸部60が嵌め入れられて係止されている。これにより、弾性弁体14の環状固定部36がハウジング12の弁受座22とリング部材52の嵌合凸部58との間で挟持される際に、環状固定部36の内周側への膨出変形が係止凸部24と環状凸部60によって制限されている。従って、ハウジング12における開口部20の内周面および嵌合凹溝26の内面と、リング部材52の嵌合凸部58の先端面とに、環状固定部36が押し当てられて、環状固定部36とハウジング12およびリング部材52との重ね合わせ面間が封止される。
なお、医療用コネクタ10は、図18,19に示すように、例えば三方活栓72の混注ポートとして用いられる。三方活栓72は、ホルダ74にコック76が取り付けられた構造とされている。
より詳細には、ホルダ74は、略円筒形状を有する本体部78と、本体部78の外周から突出する第1〜第3の3本の分岐管80,82,84を備えた中空構造の一体成形品とされている。これら第1〜第3の分岐管80,82,84は、軸方向一方の端部が本体部78と接続されて本体部78の内部空間に連通されていると共に、他方の端部が、図19に破線でモデル的に示すように、外部空間に連通する第1〜第3の分岐開口部86,88,90とされている。これにより、第1〜第3の分岐管80,82,84の各内部空間によって、第1〜第3の分岐開口部86,88,90と接続する内部流路がそれぞれ形成されている。また、第1の分岐管80と第2の分岐管82は、本体部78の外周上の対向する位置に形成されて、略同一軸上に配置されている。一方、第3の分岐管84は、本体部78の外周上で、第1の分岐管80および第2の分岐管82に対して略90度の角度をなす位置に形成されている。
なお、図18および図19に示す三方活栓72には、第1の分岐開口部86に対して、内周面に雌ねじが形成された雌ルアーキャップ92が外挿状態で着脱可能にねじ固定されている。また、第2の分岐管82には、内周面に雌ねじが形成されたロックアダプター94が、第2の分岐管82に形成された図示しないフランジ状部で抜け出し不能に係止されて外挿状態で装着されている。更に、第2の分岐開口部88には、雄ルアーキャップ96が外挿状態で着脱可能に取り付けられている。
かかる本体部78にコック76が挿し入れられて、回動可能で液密に組み付けられている。このコック76を回動操作することにより、第1〜第3の分岐管80,82,84の内部空間によって形成されて第1〜第3の分岐開口部86,88,90において開口する各内部流路を、選択的に連通させることが可能となっている。
また、ホルダ74の第3の分岐管84の分岐開口部90に対して、医療用コネクタ10が接続されることで、三方活栓72が構成される。このような構造とされた三方活栓72は、一般に、第1の分岐開口部86が輸液ルートの上流側のチューブと接続され、第2の分岐開口部88が下流側のチューブと接続されることによって、第1の分岐管80と第2の分岐管82によって輸液ルートの一部を構成して輸液ルート上に配設される。
そして、医療用コネクタ10には、図20に示すように、例えば雄コネクタとしてのルアーロックコネクタ102が接続される。図20(a)はルアーロックコネクタ102の接続前の状態、図20(b)はルアーロックコネクタ102の接続状態を示す。ルアーロックコネクタ102は、例えばISO594に規定された標準的なサイズを有する従来公知のものであり、先細の円筒テーパ形状を有して外部流路を形成するルアーチップ104と、ルアーチップ104の外周を囲む雌ねじ部106を備えている。
このルアーロックコネクタ102のルアーチップ104が医療用コネクタ10の弾性弁体14の外面40に押し当てられることで、弾性弁体14が弾性変形して、図20(b)に示すように、押し開かれたスリット50にルアーチップ104が挿通される。これにより、ルアーチップ104に接続されている例えばシリンジ等の内部空間が、ルアーチップ104内の流体流路を通じて第3の分岐管84の内部流路に連通される。それと共に、ルアーロックコネクタ102の雌ねじ部106が医療用コネクタ10の雄ねじ部30と螺合することによって、ルアーチップ104の挿通状態が確実に維持される。
かかるルアーチップ104の挿通状態で、コック76を操作して第3の分岐管84と第2の分岐管82を連通状態とすることによって、シリンジ内に充填された薬液を輸液ルート上に混注することが可能となる。そして、混注が完了してルアーチップ104を抜去した後は、弾性弁体14の弾性復元力によって、中央部34が円板形状に復帰して、スリット50が略気密に閉塞されることとなる。
なお、図20においては、雄コネクタとして雌ねじ部106を有するルアーロックタイプのコネクタを例示しているが、雌ねじ部106を有さず、ルアーチップ104のみを備える所謂ルアースリップタイプのコネクタも、接続可能である。雄コネクタとしてルアースリップタイプのみが対象とされるような場合には、ハウジング12の段付形状や雄ねじ部30は必ずしも必要ではない。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、溶着凸部は、ハウジングの開口端面からリング部材に向かって突出するように設けられていても良い。更に、ハウジングとリング部材の重ね合わせ面の両方から突出するように、ハウジングとリング部材にそれぞれ溶着凸部を形成することもできる。
また、前記実施形態のように、溶着凸部がハウジングとリング部材の重ね合わせ面において径方向で部分的に形成される場合には、溶着凸部が重ね合わせ面の径方向中間部分に設けられることが望ましいが、例えば重ね合わせ面の内周端や外周端に設けることも可能である。更に、複数の溶着凸部が径方向で相互に離れて配置されていても良い。
さらに、ハウジングとリング部材の重ね合わせ面の径方向中間部分に溶着部が設けられている場合には、前記実施形態にも示したように、溶着部を外れた内周側と外周側の何れか一方にのみ位置決め部を設けても良いし、内周側と外周側の両方に位置決め部を設けることで、当接による位置決め作用をより高度に得ることも可能である。
更にまた、重ね合わせ面の径方向中間部分に溶着部が設けられて、径方向で外れた位置に位置決め部が設けられる場合には、位置決め部は溶着部と隣接して設けられることが望ましいが、溶融樹脂のはみ出しを防止するための溝を溶着凸部に沿って設けるなどして、溶着部と位置決め部を径方向に離れて配することもできる。
また、溶着凸部は、ハウジングとリング部材の重ね合わせ面において周方向の全周に亘って連続する環状には限定されず、例えば、それぞれ突起状とされた複数の溶着凸部が、周方向で相互に離れて断続的に設けられていても良い。
さらに、溶着凸部がハウジングとリング部材の重ね合わせ面において周上で部分的に形成される場合には、溶着凸部が重ね合わせ面の径方向全長に亘って連続して設けられていても良い。この場合には、複数の溶着凸部の周方向間でハウジングとリング部材が軸方向に当接して、ハウジングとリング部材が軸方向で相互に位置決めされる。
また、前記実施形態においてリング部材52の内周挟持部54に設けられる嵌合凸部58と環状凸部60は必須ではない。即ち、リング部材における内周挟持部の下面の形状は、弾性弁体の形状などによって適宜に変更され得るものであって、例えば下面が平坦面とされたリング部材の内周挟持部も採用され得る。また、嵌合凸部は、全周に亘って連続していることが望ましいが、ハウジングの開口部に挿し入れられる形状とされていれば、必ずしも全周に亘って連続して設けられている必要はない。具体的には、嵌合凸部は、周方向で複数に分割された構造であっても良い。
また、前記実施形態においては、本発明に係る医療用コネクタ10を三方活栓の混注ポートとして用いる例を示したが、例えば、図21(a),(b),(c)に示されるように、混注プラグ108や、混注管112や、薬剤バッグ118等を構成する医療用コネクタに本発明を適用することも勿論可能である。
より詳細には、図21(a)に示される混注プラグ108では、前記実施形態の医療用コネクタ10のハウジング12に対して、筒状のプラグ本体110の一方の開口部が液密に取り付けられており、これら医療用コネクタ10とプラグ本体110とにより混注プラグ108が構成されている。また、図21(b)に示される混注管112では、長尺の輸液管体114に対して筒状の取付部116が上方に開口して設けられており、この取付部116の開口部に対して、前記実施形態の医療用コネクタ10のハウジング12が液密に取り付けられている。これら医療用コネクタ10と輸液管体114及び取付部116により混注管112が構成されている。さらに、図21(c)に示される薬剤バッグ118においては、医療用コネクタ10のハウジング12が筒状に伸び出すことにより、各種の薬液や生理食塩水等が封入されたバッグ本体120と接続されている。バッグ本体120はアルミニウムが蒸着された合成樹脂製のシート材等で構成されており、開口周辺部が溶着等により閉塞されて医療用コネクタ10と一体的に密封されることにより、医療用コネクタ10とバッグ本体120とが液密に連結されて接続されている。これら医療用コネクタ10とバッグ本体120とにより薬剤バッグ118が構成されている。
前記実施形態では、ハウジング12の開口端面32にリング部材52が重ね合わされて、それらハウジング12とリング部材52の重ね合わせ面間が溶着されるようになっているが、溶着されるハウジング12とリング部材52の重ね合わせ面は、必ずしもハウジング12の開口端面32に限定されない。即ち、リング部材の外周部分がハウジング12の開口部20に向かって延びる筒状とされて、かかる筒状部分がハウジング12の開口部20に外挿されると共に、筒状部分の下端に設けられたフランジ部がハウジング12に重ね合わされて、該フランジ部とハウジング12の重ね合わせ面間に設けられた溶着凸部62が溶融されることにより、リング部材の筒状部分の下端がハウジング12に溶着されるようにしても良い。
また、例えば、弁体セット工程を、弾性弁体14の外環状凹溝44にリング部材52の環状凸部60を差し入れるなどして、弾性弁体14をリング部材52にセットする工程とすることもできる。この場合には、例えば溶融工程が、弾性弁体14がセットされたリング部材52の下面を、ハウジング12の開口端面32に重ね合わせて、リング部材52の溶着凸部62を溶融させる工程とされる。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
10:医療用コネクタ、12:ハウジング、14:弾性弁体、20:開口部、22:弁受座、24:係止凸部(環状凸部)、32:開口端面、42:内環状凹溝(環状凹溝)、44:外環状凹溝(環状凹溝)、52:リング部材、58:嵌合凸部、60:環状凸部、62:溶着凸部、64:当接面、66:溶着部、68:位置決め部

Claims (10)

  1. ディスク状の弾性弁体の外周部分を支持する弁受座が形成された開口部を備えた熱可塑性樹脂製のハウジングを準備するハウジング準備工程と、
    該ハウジングの前記開口部に取り付けられて前記弾性弁体の外周部分を前記弁受座との間で挟持する熱可塑性樹脂製のリング部材を準備するリング部材準備工程と、
    前記弾性弁体を前記ハウジングの前記弁受座で支持させて前記開口部にセットする弁体セット工程と、
    前記弾性弁体がセットされた前記ハウジングに前記リング部材を重ね合わせて、それらハウジングとリング部材の重ね合わせ面に突設した溶着凸部を溶融させる溶融工程と、
    該溶融工程における前記溶着凸部の溶融状態下で、該溶着凸部が潰れて前記ハウジングと前記リング部材の重ね合わせ面の当接面積が増大するまで該ハウジングと該リング部材を接近方向へ押圧してそれらハウジングとリング部材を該溶着凸部で一体的に連結固着することにより、該ハウンジングの前記弁受座と該リング部材で前記弾性弁体の外周部分を挟持させる弁体固定工程と
    を、有することを特徴とする医療用コネクタの製造方法。
  2. 前記ハウジングと前記リング部材の重ね合わせ面において、重ね合わせ面から先端部までの長さが均一に形成された前記溶着凸部を全周に亘って連続的にして或いは周方向に断続的に設けた請求項1に記載の医療用コネクタの製造方法。
  3. 前記弾性弁体として、外周部分の内外両面にそれぞれ開口して周方向に延びる環状凹溝が設けられた構造を採用する一方、
    前記ハウジングとして、該弾性弁体の内面に設けられた該環状凹溝に差し入れられる環状凸部が設けられた前記弁受座の構造を採用すると共に、
    前記リング部材として、該弾性弁体の外面に設けられた該環状凹溝に差し入れられる環状凸部が設けられた構造を採用し、
    前記弁体セット工程において、該弾性弁体の内面の該環状凹溝に対して該ハウジングの該弁受座の該環状凸部を差し入れてセットして、前記溶融工程および前記弁体固定工程において、該弾性弁体の外面の該環状凹溝に対して該リング部材の該環状凸部を差し入れることにより、該弾性弁体の内外面の各該環状凹溝に対して各該環状凸部を押し入れて嵌め合わせる請求項1又は2に記載の医療用コネクタの製造方法。
  4. 前記溶融工程において、前記ハウジングと前記リング部材の重ね合わせ面における前記溶着凸部の当接部に対して超音波振動をおよぼして溶融させる請求項1〜3の何れか1項に記載の医療用コネクタの製造方法。
  5. 前記リング部材として、前記ハウジングの前記開口部に挿し入れられて該ハウジングの該開口部の内周面に対して径方向に位置決めされる嵌合凸部を設けた構造を採用し、
    前記溶融工程および前記弁体固定工程において、該リング部材の該嵌合凸部を該ハウジングの該開口部に挿し入れた状態で前記溶着凸部を溶融させる請求項1〜4の何れか1項に記載の医療用コネクタの製造方法。
  6. ハウジングの開口部に対してディスク状の弾性弁体が組み付けられて、該弾性弁体の外周部分が該ハウジングで支持されている医療用コネクタであって、
    前記ハウジングの前記開口部において前記弾性弁体の外周部分の内面を支持する弁受座が形成されていると共に、該弾性弁体の外周部分の外面にリング部材が重ね合わされて、該弾性弁体の周囲において該ハウジングと該リング部材とが直接に固着されることにより該弁受座と該リング部材との間で該弾性弁体の外周部分が挟持されており、
    該ハウジングと該リング部材との固着部分では、それらハウジングとリング部材の重ね合わせ面間に突設された溶着凸部が溶融されて溶着部が設けられていると共に、該重ね合わせ面間における該溶着凸部を外れた部分が相互に当接して該ハウジングと該リング部材を接近方向で位置決めする位置決め部が設けられていることを特徴とする医療用コネクタ。
  7. 前記リング部材には、前記ハウジングと係合し、該ハウジングと前記リング部材とが重ね合わされてから溶着凸部が溶融し、重ね合わせ面間における該溶着凸部を外れた部分が相互に当接するまでの前記ハウジングの移動をガイドするガイド部が形成されている請求項6に記載の医療用コネクタ。
  8. 前記溶着部が前記ハウジングの周方向で全周に亘って連続して形成されていると共に、該溶着部を径方向に外れた位置に前記位置決め部が設けられている請求項6又は7に記載の医療用コネクタ。
  9. 前記リング部材において、前記ハウジングの前記開口部に挿し入れられて該ハウジングの該開口部の内周面に対して径方向に位置決めされる嵌合凸部が設けられている請求項6〜8の何れか1項に記載の医療用コネクタ。
  10. ディスク状の弾性弁体の外周部分を支持する弁受座が形成された開口部を備えた熱可塑性樹脂製のハウジングを準備するハウジング準備工程と、
    該ハウジングの前記開口部に取り付けられて前記弾性弁体の外周部分を前記弁受座との間で挟持する熱可塑性樹脂製のリング部材を準備するリング部材準備工程と、
    前記弾性弁体を前記リング部材にセットする弁体セット工程と、
    前記弾性弁体がセットされた前記リング部材に前記ハウジングを重ね合わせて、それらハウジングとリング部材の重ね合わせ面に突設した溶着凸部を溶融させる溶融工程と、
    該溶融工程における前記溶着凸部の溶融状態下で、該溶着凸部が潰れて前記ハウジングと前記リング部材の重ね合わせ面の当接面積が増大するまで該ハウジングと該リング部材を接近方向へ押圧してそれらハウジングとリング部材を該溶着凸部で一体的に連結固着することにより、該ハウンジングの前記弁受座と該リング部材で前記弾性弁体の外周部分を挟持させる弁体固定工程と
    を、有することを特徴とする医療用コネクタの製造方法。
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