JPWO2015111660A1 - アンチグレア層付き基材およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
該AG層付き基材のAG層を形成する方法としては、例えば、シリカ系マトリックスの前駆体(エチルシリケート等)と分散媒を含む塗布液を加熱した基材に塗布し、加熱養生する方法が挙げられる。
[1]基材と、該基材上に形成されたAG層とを有し、前記AG層がシリカ系マトリックスを含有し、かつシリカ微粒子を含有しない層であり、前記AG層の表面において下記の凸部数計測方法で計測される凸部数NPが37個以上である、AG層付き基材。
(凸部数計測方法)
AG層の表面の任意の3箇所について、JIS B0601(2001年)に準拠して測定されたそれぞれの断面曲線グラフにおいて、横軸方向に長さ500μmの範囲内で、最低断面高さに対する高低差が100nm以上の断面高さを有する凸部の数を計測し、その平均値を凸部数NPとする。
[2]基材と、該基材上に形成されたAG層とを有し、前記AG層が、シリカ系マトリックスおよびシリカ微粒子を含有し、前記シリカ微粒子の平均一次粒子径が0.1〜1.0μmであり、前記AG層の表面において前記凸部数計測方法で計測される凸部数NPが37個以上である、AG層付き基材。
[3]前記AG層の表面の光沢度が130以下である、前記[1]または[2]のAG層付き基材。
[4]前記AG層の表面粗さRaが0.01μm以上である、前記[1]〜[3]のいずれかのAG層付き基材。
[5]前記基材が、厚さ0.05〜2.5mmの強化ガラス板である、前記[1]〜[4]のいずれかのAG層付き基材。
[6]基材と、該基材上に形成されたAG層とを有するAG層付き基材の製造方法であって、シリカ系マトリックスの前駆体と分散媒を含み、シリカ微粒子を含まない塗布液を、前記凸部数計測方法で計測されるAG層表面の凸部数NPが37個以上となるように、加熱された基材上にスプレー法で噴霧してAG層を形成する、AG層付き基材の製造方法。
[7]基材と、該基材上に形成されたAG層とを有するAG層付き基材の製造方法であって、シリカ系マトリックスの前駆体と平均一次粒子径が0.1〜1.0μmのシリカ微粒子と分散媒とを含む塗布液を、前記凸部数計測方法で計測されるAG層表面の凸部数NPが37個以上となるように、加熱された基材上にスプレー法で噴霧してAG層を形成する、AG層付き基材の製造方法。
[8]前記塗布液の固形分濃度が0.3〜6.0質量%である、前記[6]または[7]のAG層付き基材の製造方法。
[9]前記塗布液を、二流体スプレーノズル構造を有するスプレー噴霧装置を用いて噴霧する、前記[6]〜[8]のいずれかのアンチグレア層付き基材の製造方法。
本発明のAG層付き基材の製造方法によれば、外光を高効率に乱反射させつつ、ぎらつきを充分に抑制でき、優れた防眩性を有するAG層付き基材を得ることができる。
以下、本発明のAG層付き基材の一例を示して説明する。
本実施形態のAG層付き基材1は、図1に示すように、基材10と、基材10上に形成されたAG層12とを有する。
基材10の材質としては、ガラス、プラスチック等が挙げられる。
ガラスとしては、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、無アルカリガラス、ホウ珪酸ガラス、石英ガラス等が挙げられる。
プラスチックとしては、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロース等が挙げられる。基材10の材質がプラスチックの場合には、AG層12との密着性の点から、基材10の表面にシランカップリング剤等によるプライマー処理が施されていてもよい。
基材10の形状としては、特に限定されず、板状、フィルム状、球状、曲面形状等が挙げられる。
基材10としては、強度や耐擦傷性の点からガラス板が好ましく、厚さが0.05〜2.5mmの強化ガラス板が特に好ましい。また、基材10を厚みの薄い強化ガラス板とする場合は、アルミノシリケートガラスを化学強化処理により強化した化学強化ガラスが好ましい。
AG層12は、シリカ微粒子を含有するか否かによって以下のAG層(i)またはAG層(ii)に分類される。
(i)シリカ微粒子を含有しないAG層。
(ii)シリカ微粒子を含有するAG層。
以下、AG層(i)およびAG層(ii)についてそれぞれ説明する。
AG層(i)は、シリカ微粒子を含有しない層であり、以下の条件(1)および(2)を満たす。
(1)シリカ系マトリックスを含有する。
(2)AG層表面において後述の凸部数計測方法で計測される凸部数NPが37個以上である。
AG層の表面の任意の3箇所について、JIS B0601(2001年)に準拠して測定されたそれぞれの断面曲線グラフにおいて、横軸方向に長さ500μmの範囲内で、最低断面高さに対する高低差が100nm以上の断面高さを有する凸部の数を計測し、その平均値を凸部数NPとする。
例えば、図2に例示した断面曲線グラフでは、横軸方向に長さ500μmの範囲内において、最も高さが低い点aにおける高さを最低断面高さとし、該最低断面高さとの断面高さの高低差が50nmの凸部b、120nmの凸部c、80nmの凸部d、100nmの凸部eのうち、高低差が100nm以上の凸部c、凸部eの数を計測して凸部数NPとする。
AG層(i)の光沢度は、130以下が好ましく、110以下がより好ましい。
AG層の光沢度は、JIS Z8741(1997年)の60°鏡面光沢度に規定されている方法で測定される。
AG層の表面粗さRaは、JIS B0601(2001年)に準拠して測定される算術平均粗さである。
屈折率は、550nmにおける屈折率を意味し、屈折率計により測定される。
AG層(ii)は、シリカ微粒子を含み、かつ以下の条件(1)〜(3)を満たす。
(1)シリカ系マトリックスを含有する。
(2)AG層表面において前記凸部数計測方法で計測される凸部数NPが37個以上である。
(3)AG層(ii)に含有されるシリカ微粒子の平均粒子径が0.1〜1.0μmである。
AG層(ii)における条件(1)および(2)は、AG層(i)における条件(1)および(2)と同じであり、好ましい態様も同じである。
シリカ微粒子(P)は、Si以外の他の金属を含んでいてもよい。他の金属としては、Al、Cu、Ce、Sn、Ti、Cr、Co、Fe、Mn、Ni、Zn、Zr等が挙げられる。他の金属は、Siとともに複合酸化物を形成していてもよい。
AG層付き基材1のヘイズは、15%以下が好ましく、10%以下がより好ましい。ヘイズが前記上限値以下であれば、画像のコントラストの低下を充分に抑えやすい。AG層付き基材1のヘイズは、低ければ低いほどよい。
ヘイズは、JIS K7105(1981年)に準拠し、市販のヘイズメーターを用いて測定される。
AG層付き基材1の用途としては、特に限定されず、例えば、各種画像表示装置(LCD、PDP等)、画像表示装置用フィルタまたは保護板、太陽電池用カバーガラス等が挙げられる。
以上説明した本発明のAG層付き基材にあっては、前記した条件(2)を満たすAG層が形成されているため、塗布液を塗り重ねて光沢度を低くしても、AG層表面がぎらつくことを抑制できる。そのため、外光を高効率に乱反射させつつ、ぎらつきを充分に抑制でき、優れた防眩性が得られる。このような効果が得られる要因は、以下のように考えられる。
塗布液を塗り重ね、AG層表面を粗くして光沢度を低くしても、AG層が条件(2)を満たしていれば、AG層表面の凹凸の各部分で屈折した光同士がAG層の表面近傍で互いに干渉しにくくなると考えられる。その結果、外光を高効率に乱反射させつつ、ぎらつきを充分に抑制できると考えられる。また、さらにシリカ微粒子を含有する場合は、条件(2)および(3)を同時に満たすことにより、さらに高いぎらつき抑制効果が得られる。
また、本発明のAG層付き基材は、基材とAG層の間に、反射防止層、アルカリバリヤ層、着色層、帯電防止層等の中間層を1層ないし複数層有していてもよい。
また、本発明のAG層付き基材は、AG層の表面に反射防止(AR)層、指紋付着防止(AAFP)層、着色層、耐傷性向上層等の上層を1層ないし複数層有していてもよい。
以下、AG層付き基材の製造方法の一例として、AG層付き基材1の製造方法について説明する。
AG層付き基材1の製造方法としては、形成するAG層12の種類に応じて、以下の方法(X)および方法(Y)に分類される。
(X)AG層12としてAG層(i)を形成する方法。
(Y)AG層12としてAG層(ii)を形成する方法。
以下、方法(X)および(Y)について説明する。
方法(X)としては、シリカ系マトリックスの前駆体と分散媒を含み、シリカ微粒子を含まない塗布液(以下、塗布液(Z1)とも記す。)を、AG層表面の凸部数NPが37個以上となるように、加熱した基材10上にスプレー法で噴霧し、必要に応じて加熱養生してAG層12を形成する方法が挙げられる。
塗布液(Z1)は、シリカ系マトリックスの前駆体と分散媒を含み、シリカ微粒子を含まない分散液である。
シリカ系マトリックスの前駆体としては、例えば、アルコキシシランの加水分解重合物、シランカップリング剤の加水分解重合物等が挙げられる。
塗布液(Z1)は、形成されるAG層表面の凸部数NPが37個以上となるように、加熱した基材10上にスプレー法で噴霧する。
形成されるAG層12表面の凸部数NPは、噴霧する塗布液の液滴径、スプレーノズル先端と基材10との距離、スプレー法によるコート面数(重ね塗り回数)、基材10の加熱温度等を調節することにより制御できる。
塗布液(Z1)を噴霧する際のノズルの種類、スプレー圧力、液量等の噴霧条件は、水を噴霧した際にその液滴径が30μm以下となる条件が好ましく、2〜20μmとなる条件がより好ましく、3〜15μmとなる条件がさらに好ましい。液滴径が前記下限値以上であれば、塗着効率が極端に低下しない。液滴径が前記上限値以下であれば、凸部数Npが37個以上となりやすく、従って充分なAG効果が得られやすい。
液滴径は、レーザ測定器によって測定されるザウター平均粒子径である。
塗布液(Z1)の塗布後に塗布層の加熱養生を行う場合、加熱養生温度は、100〜700℃が好ましく、200〜700℃がより好ましい。
方法(Y)としては、シリカ系マトリックスの前駆体とシリカ微粒子(P)と分散媒を含む塗布液(以下、塗布液(Z2)とも記す。)を、AG層表面の凸部数NPが37個以上となるように、加熱した基材10上にスプレー法で噴霧し、必要に応じて加熱養生してAG層12を形成する方法が挙げられる。
塗布液(Z2)におけるシリカ系マトリックスの前駆体および分散媒としては、例えば、塗布液(Z1)で挙げたものと同じものが挙げられる。
塗布液(Z2)における、シリカ系マトリックスの前駆体のSiO2換算質量に対するシリカ微粒子(P)のSiO2換算質量の比率は、0.01〜20質量%が好ましく、0.1〜10質量%がより好ましい。
方法(Y)における基材表面への塗布液(Z2)の塗布は、塗布液(Z1)の代わりに塗布液(Z2)を用いる以外は、方法(X)と同様にして行うことができ、好ましい態様も同じである。
以上説明した本発明のAG層付き基材の製造方法(X)及び(Y)によれば、凸部数NPが37個以上のAG層が形成されるため、外光を高効率に乱反射させつつ、ぎらつきを充分に抑制できる、優れた防眩性を有するAG層付き基材が得られる。
AG層の光沢度としては、光沢度計(日本電色工業社製、PG−3D型)を用いて、JIS Z8741(1997年)の60゜鏡面光沢度に規定されている方法により、AG層付き基材の裏面反射を含む光沢度をAG層のほぼ中央部で測定した。
AG層付き基材のヘイズは、ヘイズメーター(村上色彩研究所社製、HR−100型)を用いて、AG層のほぼ中央部で測定した。
AG層付き基材のぎらつきは、iPad(アップル社製、Retinaディスプレイモデル)に緑画面を表示し、そのディスプレイ上にAG層付き基材を載せた状態で、目視により以下の基準で判定した。
「◎」:ぎらつきが認められない。
「○」:ぎらつきが極僅かである。
「△」:ぎらつきが僅かである。
「×」:ぎらつきが認められる。
「××」:ぎらつきが強く認められる。
AG層付き基材のAG層の観察は、OLYMPUS社製システム顕微鏡BX51を用いて行い、倍率は500倍とした。走査型電子顕微鏡による観察には、日立製作所社製、型式:S−4300を用いた。
AG層の表面の任意の3箇所について、東京精密社製SURFCOM1500DX2を用いてJIS B0601(2001年)に準拠して断面曲線を測定し、測定されたそれぞれの断面曲線グラフにおいて、横軸方向に長さ500μmの範囲内で、最低断面高さに対する高低差が100nm以上の断面高さを有する凸部の数を計測し、それらの平均値を凸部数NPとした。
AG層の表面粗さRaは、JIS B0601(2001年)に準拠し、表面粗さ測定機(東京精密社製、サーフコム130A)を用いて、AG層のほぼ中央部で測定した。測定長さは4mm、カットオフ値は0.25mmとした。
得られたAG層付き基材のAG層の断面を切り出し、該断面を走査型電子顕微鏡により観察し、10個のシリカ微粒子の直径を測定し、それらを平均して平均一次粒子径とした。
AG層中のシリカ微粒子の含有量を、以下のようにして測定した。
AG層を光学顕微鏡により観察し、その観察像における50μm四方の3つの視野内のシリカ微粒子の粒子数を計測し、それらの平均値をnとした。次いで、50μm四方の視野内におけるシリカ微粒子の占める体積V1(%)を下式(1)により算出し、さらに下式(2)によりシリカ微粒子の含有量Wを算出した。シリカ微粒子の半径rとしては、AG層中のシリカ微粒子の平均一次粒子径から算出した値を用いた。なお、後述の多孔質シリカ微粒子分散液(σ)を用いて形成したAG層では、多孔質シリカ微粒子の比重(1.15)とシリカマトリックスの比重(2.2)が大きく異なる。そのため、該AG層については、下式(1)の代わりに下式(3)によって50μm四方の視野内におけるシリカ微粒子の占める体積V1(%)を算出した。
V1=n×4×π×r3/3 ・・・(1)
W=(100×V1)/(2500×Ra) ・・・(2)
V1=n×4×π×r3/3×(1.15/2.2) ・・・(3)
(ただし、式(1)および式(3)中、rはシリカ微粒子の半径である。また、式(2)中、RaはAG層の表面粗さである。)
スプレー法による塗布液の塗布中の液滴径は、レーザ測定器(マルバーン社製、マスターサイザーS)により、同条件で水を噴霧したときのザウター平均粒子径を測定して求めた。
(マトリックス前駆体の溶液(α)の調製)
変性エタノール(日本アルコール販売社製、ソルミックスAP−11(商品名)、エタノールを主剤とした混合溶媒。以下同様。)の72.1gを撹拌しながら、これにイオン交換水の6.0gと61質量%硝酸の1.23gとの混合液を加え、さらに5分間撹拌した。次に、エチルシリケート40(SiO2換算固形分濃度:40質量%)の9.0gを加え、室温で30分間撹拌して溶液(α1)とした。さらに、変性エタノールの7.2gを撹拌しながら、イオン交換水の0.7g、61質量%硝酸の0.15g、および1,6−ビストリメトキシシリルヘキサンを1.04g加えて5分間撹拌した後、60℃で15分撹拌して溶液(α2)とした。溶液(α1)に溶液(α2)を加え、さらにエチレングリコールの2.8gを加え、室温で30分間撹拌して、SiO2換算固形分濃度が3.78質量%のマトリックス前駆体の溶液(α)(以下、溶液(α)とも記す。)を調製した。
なお、SiO2換算固形分濃度は、テトラエトキシシランのすべてのSiがSiO2に転化したときの固形分濃度である。
(中実シリカ微粒子分散液(β))
中実シリカ微粒子(株式会社日本触媒製、KE−P10(商品名))を、SiO2換算固形分濃度が23質量%となるようにジメチルアセトアミドに混合し、中実シリカ微粒子分散液(β)(以下、分散液(β)とも記す。)とした。
(中実シリカ微粒子分散液(γ))
中実シリカ微粒子(株式会社日本触媒製、KE−P30(商品名))を、SiO2換算固形分濃度が23質量%となるようにジメチルアセトアミドに混合し、中実シリカ微粒子分散液(γ)(以下、分散液(γ)とも記す。)とした。
(中実シリカ微粒子分散液(δ))
中実シリカ微粒子(株式会社日本触媒製、KE−P50(商品名))を、SiO2換算固形分濃度が23質量%となるようにジメチルアセトアミドに混合し、中実シリカ微粒子分散液(δ)(以下、分散液(δ)とも記す。)とした。
(多孔質シリカ微粒子分散液(σ))
多孔質シリカ微粒子(日産化学工業社製、ライトスターS23A(商品名))を、SiO2換算固形分濃度が23質量%となるようにジメチルアセトアミドに混合し、多孔質シリカ微粒子分散液(σ)(以下、分散液(σ)とも記す。)とした。
(中実シリカ微粒子分散液(ε))
中実シリカ微粒子(株式会社日本触媒製、KE−P100(商品名))を、SiO2換算固形分濃度が23質量%となるようにジメチルアセトアミド液に混合し、中実シリカ微粒子分散液(ε)(以下、分散液(ε)とも記す。)とした。
(マトリックス前駆体の溶液(ζ)の調製)
変性エタノールの268gを撹拌しながら、イオン交換水の47gと61質量%硝酸の0.36gとの混合液を加え、5分間撹拌した。さらに、テトラエトキシシランの84gを加え、室温で90分間撹拌して、SiO2換算固形分濃度が3質量%のマトリックス前駆体の溶液(ζ)(以下、溶液(ζ)とも記す。)を調製した。
(塗布液(A)の調製)
溶液(α)をそのまま用いて、塗布液(A)とした。
(塗布液(B)の調製)
溶液(α)と分散液(β)とを、溶液(α)のマトリックス前駆体のSiO2換算質量に対する分散液(β)のシリカ微粒子のSiO2換算質量の比率が1質量%となるように混合し、塗布液(B)を調製した。
(塗布液(C)〜(I)の調製)
分散液(β)を表1に示す分散液に変更した以外は、製造例9と同様にして塗布液(C)〜(I)を調製した。
(塗布液(J)の調製)
溶液(ζ)をそのまま用いて、塗布液(J)とした。
透明基材として、ガラス板(ソーダライムガラス、旭硝子社製、FL1.1、サイズ:300mm×300mm、厚さ1.1mm。)を用意した。該ガラス板の表面を炭酸水素ナトリウム水で洗浄した後、イオン交換水でリンスし、乾燥させた。
次に、ガラス板を表面温度が80℃になるようにオーブンで加熱し、塗布液(A)をスプレー法にて下記の条件でガラス板上に塗布した。
スプレー圧力:0.4MPa、
塗布液量:7mL/分、
ノズル移動速度:750mm/分、
スプレーピッチ:22mm、
ノズル先端とガラス板との距離:115mm、
液滴径:6.59μm。
(x1)ノズル20をガラス板10Aの第1の端10aから第2の端10bまで横方向に移動させる。
(x2)ノズル20を縦方向に22mm移動させる。
(x3)ノズル20をガラス板10Aの第2の端10bから第2の端10bまで横方向に移動させる。
(x4)ノズル20を縦方向に22mm移動させる。
スプレー法による塗布には、6軸塗装用ロボット(川崎ロボティックス社製、JF−5)を用いた。また、ノズル20としては、SU1Aノズル(スプレーイングシステムジャパン社製)を用いた。
塗布条件を表2および表3に示すとおりに変更した以外は、例1と同様にしてAG層付き基材を得た。
一方、AG層に含有されるシリカ微粒子の平均一次粒子径が1.0μm超である例13のAG層付き基材では、ぎらつきが充分に抑制されなかった。
また、AG層の表面における凸部数NPが37個未満の例14〜18のAG層付き基材でも、ぎらつきが充分に抑制されなかった。
なお、2014年1月24日に出願された日本特許出願2014−011674号の明細書、特許請求の範囲、図面および要約書の全内容をここに引用し、本発明の開示として取り入れるものである。
10 基材
10A ガラス板
12 AG層
20 ノズル
Claims (9)
- 基材と、該基材上に形成されたアンチグレア層とを有し、
前記アンチグレア層がシリカ系マトリックスを含有し、かつシリカ微粒子を含有しない層であり、
前記アンチグレア層の表面において下記の凸部数計測方法で計測される凸部数NPが37個以上である、アンチグレア層付き基材。
(凸部数計測方法)
アンチグレア層の表面の任意の3箇所について、JIS B0601(2001年)に準拠して測定されたそれぞれの断面曲線グラフにおいて、横軸方向に長さ500μmの範囲内で、最低断面高さに対する高低差が100nm以上の断面高さを有する凸部の数を計測し、その平均値を凸部数NPとする。 - 基材と、該基材上に形成されたアンチグレア層とを有し、
前記アンチグレア層が、シリカ系マトリックスおよびシリカ微粒子を含有し、
前記シリカ微粒子の平均一次粒子径が0.1〜1.0μmであり、
前記アンチグレア層の表面において下記の凸部数計測方法で計測される凸部数NPが37個以上である、アンチグレア層付き基材。
(凸部数計測方法)
アンチグレア層の表面の任意の3箇所について、JIS B0601(2001年)に準拠して測定されたそれぞれの断面曲線グラフにおいて、横軸方向に長さ500μmの範囲内で、最低断面高さに対する高低差が100nm以上の断面高さを有する凸部の数を計測し、その平均値を凸部数NPとする。 - 前記アンチグレア層の表面の光沢度が130以下である、請求項1または2に記載のアンチグレア層付き基材。
- 前記アンチグレア層の表面粗さRaが0.01μm以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のアンチグレア層付き基材。
- 前記基材が、厚さ0.05〜2.5mmの強化ガラス板である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のアンチグレア層付き基材。
- 基材と、該基材上に形成されたアンチグレア層とを有するアンチグレア層付き基材の製造方法であって、
シリカ系マトリックスの前駆体と分散媒を含み、シリカ微粒子を含まない塗布液を、下記の凸部数計測方法で計測されるアンチグレア層表面の凸部数NPが37個以上となるように、加熱された基材上にスプレー法で噴霧してアンチグレア層を形成する、アンチグレア層付き基材の製造方法。
(凸部数計測方法)
アンチグレア層の表面の任意の3箇所について、JIS B0601(2001年)に準拠して測定されたそれぞれの断面曲線グラフにおいて、横軸方向に長さ500μmの範囲内で、最低断面高さに対する高低差が100nm以上の断面高さを有する凸部の数を計測し、その平均値を凸部数NPとする。 - 基材と、該基材上に形成されたアンチグレア層とを有するアンチグレア層付き基材の製造方法であって、
シリカ系マトリックスの前駆体と平均一次粒子径が0.1〜1.0μmのシリカ微粒子と分散媒とを含む塗布液を、下記の凸部数計測方法で計測されるアンチグレア層表面の凸部数NPが37個以上となるように、加熱された基材上にスプレー法で噴霧してアンチグレア層を形成する、アンチグレア層付き基材の製造方法。
(凸部数計測方法)
アンチグレア層の表面の任意の3箇所について、JIS B0601(2001年)に準拠して測定されたそれぞれの断面曲線グラフにおいて、横軸方向に長さ500μmの範囲内で、最低断面高さに対する高低差が100nm以上の断面高さを有する凸部の数を計測し、その平均値を凸部数NPとする。 - 前記塗布液の固形分濃度が0.3〜6.0質量%である、請求項6または7に記載のアンチグレア層付き基材の製造方法。
- 前記塗布液を、二流体スプレーノズル構造を有するスプレー噴霧装置を用いて噴霧する、請求項6〜8のいずれか一項に記載のアンチグレア層付き基材の製造方法。
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