JPWO2015104797A1 - 運動性精子選別デバイス - Google Patents

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Abstract

本発明の運動性精子選別デバイスは、開口部を有する底面と該底面の周縁に設けられた側壁と該開口部を含むように該底面の一部を包囲する隔壁とによって区画される精液配置部と、該開口部を上端として有底筒状に形成された運動性精子集結部と、を備え、該隔壁の平面視形状の周長が、該平面視形状を含む最小の円の円周長より長い。

Description

本発明は、運動性精子選別デバイスに関する。
生殖補助医療技術(ART)における体外受精では、運動性の高い精子(以下、運動性精子と称する)を用いることが重要とされている。このような運動性精子の選別方法としては、遠心分離を利用する方法が挙げられる。この方法は、高い収率で運動性精子を回収できる点で優れているが、遠心分離によって精子が大きな重力を受けることから精子のDNAに物理的な損傷を与える懸念がある。
そこで、マイクロ流体デバイスを用いて、精子を含む精液サンプルと媒体とを層流状態で接触させ、精液サンプルに含まれる運動性精子をその運動性によって媒体流に移動させる方法が提案されている(例えば、特許文献1)。この方法は、遠心分離を利用しないことから精子のDNAに物理的な損傷を与えることはない。しかしながら、マイクロ流体デバイスとしてのスケールの小ささが要求されるために、処理可能量が制限される。特に、層流を維持するためには、流体が流れるチャネルの断面積および長さを一定以下に抑える必要があり、その結果、処理可能量が10分あたり5μL未満の場合もある。その結果、運動性精子の回収量(例えば、濃度、液量)が十分ではなく、その用途が顕微授精に限定されるという問題がある。
その他の選別方法として、精液配置部に精液を配置し、精子の運動性を利用して中央の窪みに運動性精子を誘導して回収する方法(Migration−Gravity Sedimentation Method)が提案されている(特許文献2)。図5〜図7に示すように、特許文献2の方法において用いられる運動性精子選別デバイス200は、円形の開口部10を有する底面21と該底面21の周縁に設けられた側壁22と該開口部10の周縁に設けられた隔壁23とによって区画される精液配置部20と、該開口部10を上端として有底筒状に形成された運動性精子集結部30と、を備える。当該運動性精子選別デバイス200の使用においては、処理対象の精液を精液配置部20に配置し、その上に隔壁23を超える位置まで培養液等の選別用媒体を重層する。精子は壁に沿って移動する性質を有することから、この状態で所定時間静置することにより、運動性精子は隔壁23を乗り越えて運動性精子集結部30まで移動することができる。よって、所定時間経過後に運動性精子集結部30内の選別用媒体を回収することにより、運動性精子を選択的に回収することができる。しかしながら、この方法によっても運動性精子の回収量が十分ではなく、その用途が顕微授精に限定されるという問題がある。
実際のARTにおいては、回収された精子の状態に基づいて人工授精(AIH)、体外受精(IVF)、顕微授精(ICSI)等のいずれの処置を行うかを決定することが多い。そのため、顕微授精用途に限定される選別方法ではなく、いずれの処置にも対応可能な遠心分離を利用する選別方法が選択される傾向がある。しかしながら、上述の通り、遠心分離には精子のDNAの物理的損傷の懸念が伴うことから、精子のDNAに物理的な損傷を与えることなく、人工授精、体外受精および顕微授精のいずれにも適用可能な濃度および液量で運動性精子を回収可能な選別方法が求められている。
特表2005−518794号公報 FR2539628A1
本発明は、精子のDNAに物理的な損傷を与えることなく、人工授精、体外受精および顕微授精のいずれにも適用可能な濃度および液量で運動性精子を回収可能な運動性精子選別デバイスを提供することを目的とする。
本発明の運動性精子選別デバイスは、開口部を有する底面と該底面の周縁に設けられた側壁と該開口部を含むように該底面の一部を包囲する隔壁とによって区画される精液配置部と、該開口部を上端として有底筒状に形成された運動性精子集結部と、を備え、該隔壁の平面視形状の周長が、該平面視形状を含む最小の円の円周長より長い。本願発明の運動性精子選別デバイスでは、隔壁をその平面視形状の周長が該平面視形状を含む最小の円の円周長より長くなるように形成することにより、平面視円形に形成した場合に比べて精液配置部から運動性精子集結部までの運動性精子の移動経路(移動チャネル)が増加する。その結果、より多くの運動性精子が運動性精子集結部に移動することができるので、精子のDNAに物理的な損傷を与えることなく、かつ、従来よりも優れた効率で運動性精子を選択的に回収することができる。
上記隔壁の平面視形状の周長は、好ましくは該平面視形状を含む最小の円の円周長の1.5倍〜10倍、より好ましくは2倍〜8倍、さらに好ましくは2.5倍〜5倍である。1.5倍以上であれば、運動性精子の回収がより好適に行われ得る。一方、10倍を超えると、隔壁の形状が複雑となるので、製造が困難となる。
1つの実施形態において、上記隔壁は、周方向に凹凸を繰り返す波板状に形成されている。波板状とは、凹凸の起伏がある形状であればよく、直線状であっても曲線状であってもよい。隔壁をこのように形成することにより、その周長を長くすることができる。また、精子は壁に沿って狭い所へ向かって移動する性質を有するので、隔壁の凹部に集まって隔壁沿いに移動(上昇)しやすくなる。その結果、運動性精子の回収効率が向上し得る。隔壁は、その一部のみが波板状に形成されてもよく、全部が波板状に形成されてもよい。
1つの実施形態において、上記隔壁の平面視形状が、凹多角形である。凹多角形は、少なくとも1つの内角が180°よりも大きい角度を有するので、該内角の外側部分は凹部となる。その結果、精液配置部に配置された精子は当該隔壁の凹部に集まって隔壁沿いに移動しやすくなる。なお、本明細書において、「隔壁の平面視形状が、凹多角形である」とは、平面視形状が、巨視的に見て凹多角形であることを意味する。よって、凹多角形を形成する各辺はそれぞれ、直線であってもよく、曲線であってもよい。曲線で凹多角形を形成して頂角に丸みを付与することにより、製造や搬送の際に欠け等が生じるのを防止することができる。
凹多角形としては、運動性精子の回収効率、製造容易性、デバイスのスケール等の観点から、放射形状であることが好ましい。具体的には、星型五角形、星型六角形、星型七角形、星型八角形等の星型多角形、四〜十二枚葉、好ましくは六〜十枚葉の多葉形が例示できる。
1つの実施形態において、上記精液配置部の容量(底面と側壁と隔壁の上端までとで規定される容量)が、1mL〜5mL、好ましくは1.5mL〜4mLである。このような容量であれば、十分量の精液を一度に処理できることから処理効率が向上し得る。
1つの実施形態において、上記運動性精子集結部の容量が、0.1mL〜1mL、好ましくは0.3mL〜0.6mLである。このような容量であれば、運動性精子集結部に到達した精子を適度な濃度で回収することができる。
1つの実施形態において、上記隔壁が、上記精液配置部に規定量の精液を配置した際の液面よりも0.3mm〜1mm高くなるように形成されている。換言すれば、本発明の運動性精子選別デバイスの精液配置部には、隔壁の上端から0.3mm〜1mm低い高さまで精液が配置され得る。これにより、運動性精子を選別するための経路長を好適に確保することができる。
1つの実施形態において、本発明の運動性精子選別デバイスは、上記隔壁および上記運動性精子集結部を2個以上有する。このような構成であれば、精液配置部から運動性精子集結部までの運動性精子の移動経路(移動チャネル)を増加させることができる。隔壁および運動性精子集結部の数は、製造の容易性の観点から、好ましくは5個以下である。
1つの実施形態において、上記運動性精子集結部が、下方に向かって先細りする形状である。上述の通り、精子は壁に沿って狭い所へ向かって移動する性質を有するため、運動性精子集結部をこのように形成することにより、運動性精子が運動性精子集結部の深部に集まりやすくなる。よって、運動性精子集結部の深部の選別用媒体を優先的に回収することにより、より高濃度で運動性精子を含む選別用媒体を回収することができる。
1つの実施形態において、本発明の運動性精子選別デバイスは、自立可能に形成されている。具体的には、本発明の運動性精子選別デバイスは、デバイス自身を自立可能とする任意の適切な支持手段を備え得る。これにより、操作性が向上し得る。支持手段としては、支持脚、台座等が挙げられる。支持手段は、代表的には、側壁または底面に接続するように設けられ得る。
1つの実施形態において、本発明の運動性精子選別デバイスは、上記側壁の上端開口部を覆う蓋を備える。蓋を備えることにより、不純物等の混入を防止することができる。
1つの実施形態において、本発明の運動性精子選別デバイスは、上記側壁の外表面に上記精液配置部に配置された液量の目安となる目盛を有する。目盛を有することにより、作業性が向上し得る。
1つの実施形態において、本発明の運動性精子選別デバイスは、外表面の少なくとも一部が、書き込み可能またはラベルの貼付け可能とされている。これにより、処理サンプルの取り違え等のトラブルを防止し得る。書き込み可能またはラベルの貼付け可能とされる外表面は、蓋、側壁等の任意の部分の外表面であり得る。
本発明によれば、精子のDNAに物理的な損傷を与えることなく、人工授精、体外受精および顕微授精のいずれにも適用可能な濃度および液量で運動性精子を回収可能な運動性精子選別デバイスが提供される。
本発明の1つの実施形態における運動性精子選別デバイスの概略斜視図である。 図1に示す運動性精子選別デバイスのA−A線概略断面図である。 図1に示す運動性精子選別デバイスの概略平面図である。 (a)〜(d)はそれぞれ、本発明の運動性精子選別デバイスの変形例の概略平面図である。 従来の運動性精子選抜デバイスの概略斜視図である。 図5に示す運動性精子選別デバイスのB−B線概略断面図である。 図5に示す運動性精子選別デバイスの概略平面図である。
図1は、本発明の1つの実施形態における運動性精子選別デバイスの概略斜視図であり、図2および図3はそれぞれ、図1に示す運動性精子選別デバイスのA−A線概略断面図および概略平面図である。
運動性精子選別デバイス100は、開口部10を有する底面21と底面21の周縁に設けられた側壁22と開口部10を含むように底面21の一部を包囲する隔壁23とによって区画される精液配置部20と、開口部10を上端として有底筒状に形成された運動性精子集結部30と、該底面21を支持する支持脚40と、を備える。図示しないが、運動性精子選別デバイス100は、側壁22の上端開口部を覆う蓋をさらに備え得る。
底面21は、中心部に円形の開口部10が設けられた穴あき円板形状を有する。底面21の直径は、例えば10mm〜40mm、好ましくは12mm〜30mmである。また、開口部10の直径は、例えば3mm〜15mm、好ましくは5mm〜10mmである。底面および開口部の直径が上記範囲内であれば、精液配置部の容量を実用上十分な量(例えば1mL〜5mL、好ましくは1.5mL〜4mL)としつつ、隔壁の高さを適度に設定することができる。また、精液の配置操作および運動性精子の回収操作を容易に行うことができる。
側壁22は、底面21の周縁から垂直に立ち上がるように形成され、上端は開口されている。側壁22の高さは、例えば10mm〜40mmである。このような高さであれば、精液の配置操作および運動性精子の回収操作を容易に行うことができる。また、自立安定性に優れ得る。
隔壁23は、開口部10を包囲するように底面21から垂直に立ち上がるように形成されている。隔壁23の高さは、例えば4mm〜12mmである。このような高さであれば、精液配置部の容量を実用上十分な量としつつ、運動性精子を選別するための経路長を確保することができる。
隔壁23の平面視形状は、放射状の9枚葉形とされており、平面視において曲線状の波形パターンの凹部の底が開口部10の周縁上に位置している。隔壁23の平面視形状の周長は、該平面視形状を含む最小の円(図3において点線で示す円)の円周長より長く、好ましくは1.5倍〜10倍、より好ましくは2倍〜8倍、さらに好ましくは2.5倍〜5倍の長さである。
なお、図示例では、開口部10の平面視形状と隔壁23の平面視形状とが異なる形状とされているが、これらの平面形状は同じであってもよい。
運動性精子集結部30は、開口部10を上端として先細りの有底筒状に形成されている。運動性精子集結部30の深さは、例えば5mm〜25mm、好ましくは10mm〜20mmである。このような深さであれば、運動性精子集結部の容量を実用上十分な量(例えば0.1mL〜1mL、好ましくは0.3mL〜0.6mL)とすることができる。また、運動性精子の回収操作を容易に行うことができる。
支持脚40は、底面21の周縁から鉛直方向に伸びるように形成されている。支持脚40の高さは、代表的には、運動性精子選別デバイスが作業台に載置された際に作業台表面から底面21までの距離が運動性精子集結部30の深さ以上となるように設定される。なお、図示例では底面の周縁に沿って支持脚が形成されているが、図示例とは異なり、側壁または底面から鉛直方向または斜め下方に伸びるように複数本の支持脚が設けられてもよい。
運動性精子選別デバイス100の形成材料としては、任意の適切な材料が選択され得る。成形性の観点からは、熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)等のポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、テフロン(登録商標)などで知られるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS樹脂)、アクリロニトリルスチレン樹脂(AS樹脂)、PMMA等の(メタ)アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の汎用プラスチック;ポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、グラスファイバー強化ポリエチレンテレフタレート(GF−PET)、環状ポリオレフィン(COP)等のエンジニアリングプラスチック;ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、非晶ポリアリレート(PAR)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、熱可塑性ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)等のスーパーエンジニアリングプラスチックが挙げられる。一方、光造形法のような製法を用いる場合は光硬化性樹脂を用いることもできる。光硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂が挙げられる。
運動性精子選別デバイス100は、任意の適切な方法で製造され得る。例えば、運動性精子集結部30は、底面21を下方に突出させることによって底面と一体に形成され得る。あるいは、運動性精子集結部30は、上端を開口とした有底筒状の容器の開口部を穴あき円板状の底面21の開口部10と接合することによって形成されてもよい。あるいは、光造形法によって、三次元データをもとに積層造形してもよい。量産的な観点から、好ましくは、射出成形法等を用いて一体に形成され得る。
運動性精子選別デバイス100の使用方法を以下に説明する。まず、ピペットやスポイト等を用いて処理対象の精液を精液配置部に配置する。好ましくは隔壁の上端を0.3mm〜1mm下回る高さまで精液を配置する。このように配置することにより、運動性精子の移動距離を確保できるので、運動性精子と非運動性精子との選別が好適に行われ得る。
処理対象の精液としては、採取されたままの精液であってもよく、ろ過、洗浄、希釈等の任意の適切な処理後の精液であってもよい。精子のDNAへの物理的損傷を回避する観点からは、遠心分離処理が施されていないものが好ましい。
次いで、精液の上に培養液、洗浄液等の運動性精子の選別用媒体を界面を乱さないように静かに重層する。選別用媒体は、液面が隔壁の上端を超えるまで、好ましくは5mm〜20mm程度高くなるように重層する(この操作により、運動性精子集結部も選別用媒体で満たされる)。この状態でデバイスを静置することにより、運動性精子が、隔壁に沿って移動し、運動性精子集結部に集結する。静置時間は、精液配置部に配置された精液量等によって異なるが、一般的には30分〜180分である。
最後に、ピペットやスポイト等を用いて運動性精子集結部から、好ましくはその最深部から選別用媒体を回収する。回収された選別用媒体(以下、「回収液」と称する)は、人工授精にも適用可能な濃度で運動性精子を含み得る。
図4(a)〜(d)は、本発明の運動性精子選別デバイスの変形例の概略平面図である。これらの変形例は、隔壁の平面視形状以外は上述の通りである。図4(a)に示す第1の変形例においては、隔壁23がその平面視形状が6枚葉形となるように形成されている。また、図4(b)に示す第2の変形例においては、隔壁23がその平面視形状が星型正八角形となるように形成されている。また、図4(c)に示す第3の変形例においては、隔壁23がその平面視形状が曲線状の波形パターンを有するように形成されている。また、図4(d)に示す第4の変形例においては、隔壁23がその平面視形状が直線状の波形パターンを有するように形成されている。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。
[実施例1]
光造形法によって、図1〜3に示す形態の運動性精子選別デバイスを製造した。得られた運動性精子選別デバイスの底面の直径は28mm、側壁の高さは25.5mm、隔壁の高さは5mm、開口部の直径は8mm、運動性精子集結部の深さは12.5mm、精液配置部の容量は2.3mL、運動性精子集結部の容量は0.4mLであった。また、隔壁の平面視形状の周長は、該平面視形状を含む最小の円の円周長の2.7倍であった。
[実施例2]
光造形法によって、図4(a)に示す形態の運動性精子選別デバイスを製造した。得られた運動性精子選別デバイスの底面の直径は14.1mm、側壁の高さは20.25mm、隔壁の高さは5mm、開口部の直径は5mm、運動性精子集結部の深さは18.5mm、精液配置部の容量は0.4mL、運動性精子集結部の容量は0.22mLであった。また、隔壁の平面視形状(6枚葉形)の周長は、該平面視形状を含む最小の円の円周長の1.5倍であった。
[比較例1]
光造形法によって、図5〜7に示す形態の運動性精子選別デバイスを製造した。得られた運動性精子選別デバイスの底面の直径は13mm、側壁の高さは20.25mm、隔壁の高さは5mm、開口部の直径は5mm、運動性精子集結部の深さは18.5mm、精液配置部の容量は0.4mL、運動性精子集結部の容量は0.22mLであった。
[試験例1]
実施例1で得た運動性精子選別デバイスの精液配置部にヒトから採取した後何の処理も施していない精液(以下、「ヒト原精液」と称する)を1.8mL配置した。このとき、配置された原精液の液面は、隔壁上端よりも1mm低い位置であった。次いで、該原精液の上に選別用媒体(培養液(アイエスジャパン社製、modified HTF)に代替血清(アイエスジャパン社製、SSS代替血清)を10%添加して調製した)を隔壁の上端を10mm程度上回る位置まで重層した。この状態で60分静置した後、ピペット先端を運動性精子集結部の最深部に当接させて0.4mLの選別用媒体を回収した。計算盤を用いて回収液中の運動性精子の数を計測し、その濃度を算出した。
[試験例2]
実施例2で得た運動性精子選別デバイスを用いたこと、精液配置部にヒト原精液を0.3mL配置したこと、および、運動性精子集結部から0.2mLの選別用媒体を回収したこと以外は試験例1と同様にして、運動性精子を回収した。なお、精液配置部に配置された原精液の液面は、隔壁上端よりも1mm低い位置であった。計算盤を用いて回収液中の運動性精子の数を計測し、その濃度を算出した。結果を表1に示す。
[比較試験例1]
比較例1で得た運動性精子選別デバイスを用いたこと、精液配置部にヒト原精液を0.3mL配置したこと、および、運動性精子集結部から0.2mLの選別用媒体を回収したこと以外は試験例1と同様にして、運動性精子を回収した。なお、精液配置部に配置された原精液の液面は、隔壁上端よりも1mm低い位置であった。計算盤を用いて回収液中の運動性精子の数を計測し、その濃度を算出した。結果を表1に示す。
[試験例3]
異なる個体から採取したヒト原精液を用いたこと以外は試験例1と同様にして、運動性精子を回収した。計算盤を用いて回収液中の運動性精子の数を計測し、その濃度を算出した。結果を表2に示す。
[試験例4]
異なる個体から採取したヒト原精液(試験例3で用いたものと同じヒト原精液)を用いたこと以外は試験例2と同様にして、運動性精子を回収した。計算盤を用いて回収液中の運動性精子の数を計測し、その濃度を算出した。結果を表2に示す。
[比較試験例2]
異なる個体から採取したヒト原精液(試験例3で用いたものと同じヒト原精液)を用いたこと以外は比較試験例1と同様にして、運動性精子を回収した。計算盤を用いて回収液中の運動性精子の数を計測し、その濃度を算出した。結果を表2に示す。
Figure 2015104797
表1から明らかなように、隔壁の平面視形状の周長が該平面視形状を含む最小の円の円周長よりも長く設計された実施例1および2のデバイスでは、比較例1のデバイスに比べて顕著に優れた効率で運動性精子を選別および回収することができる。また、実施例2のデバイスは、比較例1のデバイスに比べて隔壁の平面視形状の周長が1.5倍であるが、5倍以上の数および濃度の運動性精子を回収することができる。これは、隔壁の周長を増大させることによって運動性精子の選別経路を増やしたことに加えて、隔壁を周方向に凹凸を繰り返す波板状に形成することによって凹部に運動性精子が入りやすくなったことが寄与していると推測される。
Figure 2015104797
表2から明らかなように、隔壁の平面視形状の周長が該平面視形状を含む最小の円の円周長よりも2倍以上長く設計された実施例1のデバイスによれば、運動性精子の数が少ない原精液を用いた場合であっても、運動性精子の選別および回収が好適に行われ得る。
本発明の運動性精子選別デバイスは、生殖補助医療技術の分野において好適に利用され得る。
100 運動性精子選別デバイス
10 開口部
20 精液配置部
21 底面
22 側壁
23 隔壁
30 運動性精子集結部
40 支持手段

Claims (14)

  1. 開口部を有する底面と該底面の周縁に設けられた側壁と該開口部を含むように該底面の一部を包囲する隔壁とによって区画される精液配置部と、
    該開口部を上端として有底筒状に形成された運動性精子集結部と、を備え、
    該隔壁の平面視形状の周長が、該平面視形状を含む最小の円の円周長より長い、運動性精子選別デバイス。
  2. 前記隔壁が、周方向に凹凸を繰り返す波板状に形成されている、請求項1に記載の運動性精子選別デバイス。
  3. 前記隔壁の平面視形状が、凹多角形である、請求項1または2に記載の運動性精子選別デバイス。
  4. 前記隔壁の平面視形状が、星形多角形または多葉形である、請求項1から3のいずれかに記載の運動性精子選別デバイス。
  5. 前記隔壁の平面視形状の周長が、該平面視形状を含む最小の円の円周長の1.5倍〜10倍である、請求項1から4のいずれかに記載の運動性精子選別デバイス。
  6. 前記精液配置部の容量が、1mL〜5mLである、請求項1から5のいずれかに記載の運動性精子選別デバイス。
  7. 前記運動性精子集結部の容量が、0.1mL〜1mLである、請求項1から6のいずれかに記載の運動性精子選別デバイス。
  8. 前記隔壁が、前記精液配置部に規定量の精液を配置した際の液面よりも0.3mm〜1mm高くなるように形成されている、請求項1から7のいずれかに記載の運動性精子選別デバイス。
  9. 前記隔壁および前記運動性精子集結部を2個以上有する、請求項1から8のいずれかに記載の運動性精子選別デバイス。
  10. 前記運動性精子集結部が、下方に向かって先細りする形状である、請求項1から9のいずれかに記載の運動性精子選別デバイス。
  11. 自立可能である、請求項1から10のいずれかに記載の運動性精子選別デバイス。
  12. 前記側壁の上端開口部を覆う蓋を有する、請求項1から11のいずれかに記載の運動性精子選別デバイス。
  13. 前記側壁の外表面に前記精液配置部に配置された液量の目安となる目盛を有する、請求項1から12のいずれかに記載の運動性精子選別デバイス。
  14. 外表面の少なくとも一部が、書き込み可能またはラベルの貼付け可能とされている、請求項1から13のいずれかに記載の運動性精子選別デバイス。
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