JPWO2015098267A1 - ブラシレス直流モータ - Google Patents

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敏嗣 谷川
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Abstract

低コスト、高効率運転、かつトルク脈動が少ないブラシレス直流モータを提供するために、該ブラシレス直流モータにおいて、励磁コイル20 が巻回されるステータ10 と、該ステータ10 に収容され、所定の向きに回転可能なロータ30 と、該ロータ30 の回転軸を中心として対向し、前記ステータ10 に固定される対の磁石(41a,41b),(42a,42b)とを備える構成とした。

Description

本発明は、ブラシレス直流モータに関する。
従来、自動車等の電動ポンプには、ブラシ及び整流子を有するブラシ付直流モータが主に用いられていた。ブラシ付直流モータは、低コストかつ構造が単純であるという利点を有する。
これに対し、前記したブラシ及び整流子に代えて、スイッチング素子のオン/オフを電気的に制御することで矩形波電圧をコイルに印加するブラシレス直流モータが知られている。ブラシレス直流モータを用いることで、その使用期間に関わらず、電気的接続の信頼性を維持できる。
なお、従来のブラシレス直流モータは、三相交流電源を用いるものと単相交流電源を用いるものがある。
三相のブラシレス直流モータは、互いに位相の異なる矩形波電圧を三相コイルに印加することで、回転磁界を発生させる構成になっている。この場合、三相コイルに正負の電圧を印加するため6個のスイッチング素子(例えば、FET:Field effect transistor)が必要となる。
また、単相のブラシレス直流モータは、交番磁界となるので、そのままでは起動できないために、補助コイル(隈取コイル)を用いている。
特許文献1には、隈取コイルが巻回されるステータと、このステータのロータ収容孔に挿入されて回転駆動するロータと、ステータを励磁する励磁コイルと、を備えた隈取モータについて記載されている。
特許第5090855号公報
しかしながら、ブラシ付直流モータは、整流子との機械的接触によって、ブラシが経年劣化し、ブラシ・整流子間の電気的接続に不具合が生じるという欠点がある。
また、三相のブラシレス直流モータは、前記したように三相コイルに正負の電圧を印加するため6個のスイッチング素子が必要となって、ブラシ付直流モータよりも製造コストが高くなるという欠点がある。
また、特許文献1に記載された隈取モータは、補助コイル(隈取コイル)を必要とすることにより、製造コストが高くなるという欠点がある。また、一周期のうちに隈取コイルに誘起電流が流れない期間では、ロータに負トルクが発生するため、運転効率が低いという問題がある。
そこで、本発明は、低コストかつ高効率運転が可能なブラシレス直流モータを提供することを課題とする。
前記の目的を達成するために、各発明を以下のような構成にした。
すなわち、本発明のブラシレス直流モータは、励磁コイルが巻回されるステータと、前記ステータに収容され、所定の向きに回転可能なロータと、該ロータの回転軸を中心として対向し、前記ステータに固定される対の磁石と、を備えることを特徴とする。
また、その他の手段は、発明を実施するための形態のなかで説明する。
本発明によれば、低コスト、高効率運転、かつトルク脈動が少ないブラシレス直流モータを提供できる。
本発明の第1実施形態に係るブラシレス直流モータの構成の一例を示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係るブラシレス直流モータの回転動作原理の概要について説明する図であり、(a)は第1の安定点におけるロータの位置と主磁束を示し、(b)は第1の安定点において、励磁コイルに電流を第1方向に流したときのロータとステータの主磁束を示し、(c)は第2の安定点におけるロータの位置と主磁束を示し、(d)は第2の安定点において、励磁コイルに電流を第2方向に流したときのロータとステータの主磁束を示している。 本発明の第1実施形態に係るブラシレス直流モータのロータ・ステータ間の最大・最小インダクタンスについて説明する図である。 磁石とロータ周辺部との対向面積を変化させたときの形状例を示す図であり、(a)は対向面積がS1であり、(b)は対向面積がS2であり、(c)は対向面積がS3であり、(d)は対向面積がS4である。 磁石とロータ周辺部との対向面積が変化したときのロータ・ステータ間のインダクタンス差の関係の一例を示す図である。 ロータ基部と磁石の中央とのギャップを変化させたときの形状例を示す図であり、(a)はギャップがG1であり、(b)はギャップがG2であり、(c)はギャップがG3であり、(d)はギャップがG4である。 ロータ基部と磁石の中央とのギャップが変化したときのロータ・ステータ間のインダクタンス差の関係の一例を示す図である。 ロータにおける二つのロータ周辺部間の距離を変化させたときの形状例を示す図であり、(a)は二つのロータ周辺部間の距離がL1であり、(b)は二つのロータ周辺部間の距離がL2であり、(c)は二つのロータ周辺部間の距離がL3である。 ロータ空隙部を備えた構造と、その作用、機能について説明する図であり、(a)はロータ空隙部のないロータの形状であり、(b)は複数の第1ロータ空隙部とひとつの第2ロータ空隙部を有するロータの形状であり、(c)はロータ空隙部のないロータを透る主磁束の状態を示し、(d)は複数の第1ロータ空隙部とひとつの第2ロータ空隙部を有するロータを透る主磁束の状態を示している。 ロータ周辺部にロータ空隙部がない場合のブラシレス直流モータのトルク特性の一例を示した模式図である。 ロータ周辺部にロータ空隙部が備えられたブラシレス直流モータのトルク特性の一例を示した模式図である。 ステータ切欠部を備えた構造と、その作用、機能について説明する図であり、(a)はステータ切欠部のないステータの形状であり、(b)は第1ステータ切欠部、第2ステータ切欠部を有するステータの形状であり、(c)はステータ切欠部のないステータを透る主磁束の状態を示し、(d)は第1ステータ切欠部、第2ステータ切欠部を有するステータを透る主磁束の状態を示している。 ステータ切欠部がない場合のブラシレス直流モータのトルク特性の一例を示した模式図である。 ステータ切欠部がある場合のブラシレス直流モータのトルク特性の一例を示した模式図である。 延出部の形状と第2ステータ切欠部の有無によってトルク変動への影響、作用について説明する図であり、(a)は延出部がロータ周辺部の円周部と同様に、磁石の内側の円弧部と対向する形状であり、かつ第2ステータ切欠部がない場合の形状であり、(b)は延出部が磁石の内側の円弧部から先端に行くにつれて離れる形状であり、かつ第2ステータ切欠部がある場合の形状である。 第2ステータ切欠部の有無によってトルク変動への影響、作用について説明する図であり、(a)は第2ステータ切欠部がない場合の形状であり、(b)は第2ステータ切欠部がある場合の形状である。 延出部が磁石の内側の円弧部と対向する形状の場合のブラシレス直流モータのトルク特性の一例を示した模式図である。 延出部が先端に行くにつれて、磁石の内側の円弧部から離れる形状であり、かつ第2ステータ切欠部がある形状の場合のブラシレス直流モータのトルク特性の一例を示した模式図である。 第2ステータ切欠部がない形状の場合のブラシレス直流モータのトルク特性の一例を示した模式図である。 第2ステータ切欠部がある形状の場合のブラシレス直流モータのトルク特性の一例を示した模式図である。 本発明の第2実施形態に係るブラシレス直流モータの回転軸に直角方向の断面を示す図である。 本発明の第2実施形態に係るブラシレス直流モータの回転動作原理について説明する図であり、(a)は第1の安定点における励磁コイルの電流とロータ位置と各主磁束を示し、(b)は第2の安定点におけるロータの位置と各主磁束を示し、(c)は第3の安定点における励磁コイルの電流とロータ位置と各主磁束を示し、(d)は第4の安定点におけるロータの位置と各主磁束を示している。 本発明の第2実施形態に係るブラシレス直流モータの磁石の形状をより詳しく示す断面図であり、(a)は図17を磁石の近傍に限定して再記した図であり、(b)は磁石の形状をより分かりやすく示すための斜視図である。 本発明の第3実施形態に係るブラシレス直流モータの構成を示す図であり、(a)は断面図であり、(b)は(a)の断面の斜視図である。 本発明の第4実施形態に係るブラシレス直流モータの断面を示す図である。
以下、本発明の実施するための形態(以下、実施形態と称す)について、適宜、図面を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態)
<ブラシレス直流モータの構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係るブラシレス直流モータ1の構成の一例を示す断面図である。
図1において、ブラシレス直流モータ1は、ロータ30がステータ10に収容されたインナーロータ型構造を呈し、ステータ10の内部(回転軸Kを基準として径方向内側)にロータ30が回転自在に軸支されている。なお、回転軸Kには、負荷(不図示)が連結される。
また、ブラシレス直流モータ1は、励磁コイル20が巻回されたステータ10と、ステータ10に収容され左回りに回転可能なロータ30と、周方向において、略等間隔でステータ10の内面に固定される磁石41a、42a、41b、42bと、を備えている。
以上の構成により、ブラシレス直流モータ1は、励磁コイル20に流れる電流に応じた磁束と、ステータ10の内面に固定される4つの磁石41a、42a、41b、42bの磁束と、の合成磁束によってトルクを発生させ、ロータ30を左回り(反時計回り)に回転駆動させる機能を有している。なお、動作の詳細は後記する。
《ステータ》
ステータ10は、径方向内側にロータ30を収容する磁性体(例えば、ケイ素鋼板)であり、コイル巻回部11と、第1収容部12と、第2収容部13と、第1接続部14と、第2接続部15とを備えている。
コイル巻回部11は、左右方向に延びる棒状部材であり、励磁コイル20が巻回されている。
第1収容部12は、断面視で概ねC字状を呈し、回転軸Kと平行に(つまり、紙面手前側・奥側に)延びている。第1収容部12は、第1接続部14を介してコイル巻回部11の左端に接続されている。
第2収容部13は、断面視で概ね逆C字状を呈し、回転軸Kと平行に延びている。第2収容部13は、第2接続部15を介してコイル巻回部11の右端に接続されている。
つまり、第1接続部14、第2接続部15を介してコイル巻回部11と一体成形された第1収容部12及び第2収容部13は、ロータ30を左右から挟み込むように、回転軸Kを中心とする円柱状の収容空間を形成している。
なお、第1収容部12は、上下両端に向かうにつれて肉薄に形成されている。これによって、第1収容部12の上端付近・下端付近を透る磁束の量を制限できる。なお、第2収容部13についても同様である。
また、第1収容部12の上端と、第2収容部13の上端とは、左右方向において、所定の距離(間隔)L4と後記する第2ステータ切欠部62の左右方向の長さとの合計分だけ離間している。
同様に、第1収容部12の下端と、第2収容部13の下端とは、左右方向において、所定の距離(間隔)L4と第2ステータ切欠部62の左右方向の長さとの合計だけ離間している。
これらの離間によって、励磁コイル20の電流に伴う磁束が必ずロータ30を透り抜けるようにしている。換言すると、励磁コイル20の電流に伴って生じる磁束が、ステータ10内のみで閉じないようにしている。
励磁コイル20が巻回された左端の下側の近傍で、第1接続部14と第1収容部12とが接続した部分において、第1収容部12の磁性体の一部が切欠けた第1ステータ切欠部61がある。
また、励磁コイル20が巻回された概ね中央の下側の近傍、かつ磁石41aの右端の近傍における第1収容部12の磁性体の一部が切欠けた第2ステータ切欠部62がある。
なお、第1ステータ切欠部61と第2ステータ切欠部62は、磁気抵抗が高い高磁気抵抗部の役目をする。
これら第1ステータ切欠部61と第2ステータ切欠部62の機能、作用については、後記する。
磁石41a、42a、41b、42bは、それぞれ、断面視で円弧状をなす永久磁石である。
磁石41a、42aは、ステータ10の第1収容部12の径方向内側のそれぞれ左上側と左下側に固定して備えられている。
磁石42b、41bは、ステータ10の第2収容部13の径方向内側のそれぞれ右上側と右下側に固定して備えられている。
磁石41a、42bは、ステータ10側がN極であり、ロータ30側がS極である。
磁石42a、41bは、ステータ10側がS極であり、ロータ30側がN極である。
このように磁石41a、41b、および磁石42a、42bは、ロータ30の回転軸Kを中心として、それぞれ対向して対をなしている。
磁石41a、42a、41b、42bはそれぞれ円弧状に形成され、円弧状の長さ(円弧長)はそれぞれL2である。
また、磁石41aと磁石42aとの間、磁石42aと磁石41bとの間、磁石41bと磁石42bとの間、磁石42bと磁石41aとの間は、それぞれ所定の距離(間隔)L4だけ離間している。
なお、磁石41a、42a、41b、42bは、第1収容部12と第2収容部13の内側において周方向で隣り合う他の磁石と、後記するようにロータ30の延出部53を介して磁気的に接続された状態で、自身が発生源となる磁束が、他の磁石の発生源となる磁束と強め合うように配置されている。磁石41a、42a、41b、42bとロータ30、およびその延出部53と磁束との関連、作用については後記する。
《ロータ》
ロータ30は、ブラシレス直流モータ1内での磁束分布に応じたトルクによって、左回りに回転可能な回転子であり、第1収容部12と第2収容部13との間の円柱状の収容空間に収容されている。
ロータ30は、ロータ基部31と、ロータ周辺部32a、32bと延出部53と、が一体成形された磁性体(例えば、鉄心)である。
また、ロータ周辺部32aの円周側(ステータの磁石側)には、磁気抵抗を高くして、磁束の流入を制限するための空隙である第1ロータ空隙部(高磁気抵抗部)51がある。なお、図1においては、第1ロータ空隙部(高磁気抵抗部)51は、複数の窓状の空隙から構成されている。
また、ロータ周辺部32aの側面には、磁気抵抗を高くして、磁束の流入を制限するための空隙または切欠きである第2ロータ空隙部(高磁気抵抗部)52がある。
また、ロータ周辺部32aの円周側(ステータの磁石側)の左端には、左回りの回転とする要因となる磁性体の延出部53がある。なお、延出部53の形状は、ロータ周辺部32aの形状に比較すれば、細い形状となっている。この細い形状とするのは、必要以上の磁束が透るのを避けるためである。
また、延出部53は、先端(左端)に行くにしたがって、ステータ10の磁石(41a、42a、41b、42b)から離れる形状となっている。この理由については、後記する。
なお、ロータ周辺部32bについても、第1ロータ空隙部51、第2ロータ空隙部52、延出部53が同様に備えられている。なお、ロータ周辺部32a、32bの形状は、回転軸Kに基づいて点対称である。
また、断面視において、延出部53、第1ロータ空隙部51、第2ロータ空隙部52は、ロータ30のロータ周辺部32a(32b)の左端側に形成されている。このように、ロータ周辺部32a(32b)の左端側に形成されることによって、ロータ30が左回転の動作に適した構造となる。
なお、第1ロータ空隙部51、第2ロータ空隙部52、延出部53の作用、効果の詳細は、後記する。
また、ロータ30のロータ周辺部32a、32bがステータ10の磁石(41a、42a、41b、42b)と対向する部分(円周部)は、円弧状に形成され、円弧状の長さ(円弧長)はそれぞれL1である。なお、ロータ周辺部32a、32bの円弧状の長さ(円弧長)L1は、磁石41a、42a、41b、42bのそれぞれの円弧状の長さ(円弧長)L2と概ね等しい(L1=L2)ことが望ましい。
なお、ロータ周辺部32a、32bの円弧状の長さ(円弧長)L1には、延出部53の長さは含まれていない。
また、ロータ30のロータ周辺部32a、32bとステータ10の磁石(41a、42a、41b、42b)とが互いに対向する面のそれぞれの面積が概ね等しいことが望ましい。
これらのロータ周辺部と磁石とが互いに対向する長さ、または面積が概ね等しいことが望ましい理由については、後記する。
<回転動作原理の概要>
次に、ブラシレス直流モータ1の回転動作原理の概要について説明する。
図2は、本発明の実施形態に係るブラシレス直流モータ1の回転動作原理の概要について説明する図であり、(a)は第1の安定点におけるロータの位置と主磁束を示し、(b)は第1の安定点において、励磁コイルに電流を第1方向に流したときのロータとステータの主磁束を示し、(c)は第2の安定点におけるロータの位置と主磁束を示し、(d)は第2の安定点において、励磁コイルに電流を第2方向に流したときのロータとステータの主磁束を示している。
また、図2の(a)、(b)、(c)、(d)において、ロータとステータにおいては、磁石41a、42a、41b、42bとステータ10とロータ30と励磁コイル20とによる磁束分布の概要は、複数の細線により示している。なお、ロータ30の回転に寄与しない漏洩磁束については、表記を省略している。また、細線による磁束分布のみでは、その作用がわかりにくいこともあるので、磁束分布により表記された磁束を合成したものを「主磁束」と表記する。
この主磁束として、ロータ30と磁石41a、42a、41b、42bとステータ10とで閉じる主磁束201、202<図2の(a)、(b)>、および主磁束211、212<図2の(c)、(d)>として、太い線で表記している。また、励磁コイル20とステータ10とロータ30とで閉じる主磁束を、主磁束301<図2の(b)>、主磁束311<図2の(d)>として、太い線で表記している。
図2の(a)においては、励磁コイル20には、電流が流れていない。このとき、ロータ30と磁石41aとステータ10と磁石42aとを介して主磁束202が生成される。また、ロータ30と磁石42bとステータ10と磁石41bとを介して主磁束201が生成される。なお、磁石41a、42a、41b、42bの極性(N、S)は、図1に示したとおり、あるいは前記したとおりである。
ロータ30のロータ周辺部32aの磁石との対向部の大半は、磁石42bと対向しているが、ロータ周辺部32aの磁石との対向部の一部は、磁石41aと対向している。この状態でロータ30の左回転と右回転のトルクが均衡するトルクバランスが形成され、回転しない安定点となる。
なお、ロータ周辺部32aの磁石との対向部の一部が磁石41aと対向する状態で、トルクバランスが形成されるのは、延出部53と、高磁気抵抗部となる第1ロータ空隙部51、第2ロータ空隙部52の作用が関連する。
延出部53(図1)が周方向で隣り合う磁石(例えば、磁石42b、41a)間の距離L4よりも長くなっていると、ロータ30を回転させたときに、延出部53が一対の磁石(41a、42b)と径方向で重なり合う状態ができる。そのため、一対の磁石(41a、42a)および他の磁石(41b、42b)との間で磁気的な接続を促し、それぞれ主磁束202、主磁束201が形成され、前記したように、図2の(a)においては、トルクバランスが形成される。
なお、このときの高磁気抵抗部となる第1ロータ空隙部51、第2ロータ空隙部52の作用については、後記する。
また、ロータ周辺部32bの磁石との対向部の大半は、磁石42aと対向し、対向部の一部が磁石41bと対向する状態についても同様である。重複する説明は省略する。
図2の(b)においては、図2の(a)で示した第1の安定点の状態において、励磁コイル20に電流を第1の方向20a、20bに流した状態を図示している。なお、第1の方向20aとは紙面奥側から手前側に、20bとは紙面手前側から奥側を意味している。
この励磁コイル20に電流を第1の方向20a、20bに流したことによって、新たな主磁束301が、ステータ10と磁石41bとロータ30と磁石41aを介して形成される。
図2の(b)に示すように、第1の安定点における主磁束201、202に新たな主磁束301が加わったことにより、延出部(53、図1)近傍のロータ周辺部32a、32bの磁束密度は高まる(磁束分布が密になる)。磁束密度が高まると電磁場の応力(マクスウェルの応力)が強まり、トルクバランスがくずれ、左回転する力が加わる。
そして、ロータ30が左回転することにより、第2の安定点を示した図2の(c)に向かう。
図2の(c)は、前記したように、第2の安定点におけるロータ30の位置と主磁束211、212を示している。なお、図2の(c)において、励磁コイル20には電流を流していない。
第1の安定点から左回転して第2の安定点の付近に達すると、励磁コイル20に前記の第1の方向に電流を流すのを止めても、この第2の安定点の状態でトルクバランスが形成され、回転しない安定点となる。
つまり、図2の(c)に示した状態において、ロータ周辺部32aが磁石41aと径方向で重なり合い、延出部53が磁石42aと径方向で重なり合っている。そのため、一対の磁石(41a、42a)との間で磁気的な接続を促し、主磁束212が形成される。
また、ロータ周辺部32bが磁石41bと径方向で重なり合い、延出部53が磁石42bと径方向で重なり合っている。そのため、一対の磁石(41b、42b)との間で磁気的な接続を促し、主磁束211が形成される。
これらの主磁束212と主磁束211が形成されることによって、図2の(c)においてトルクバランスが形成されるのである。
なお、図2の(c)においては、ロータ30のロータ周辺部32aの磁石との対向部の大半は、磁石41aと対向しているが、ロータ周辺部32aの磁石との対向部の一部は、磁石42aと対向している。
図2の(d)においては、図2の(c)で示した第2の安定点の状態において、励磁コイル20に電流を第2の方向21a、21bに流した状態を図示している。なお、第2の方向21aとは紙面手前側から奥側に、21bとは紙面奥側から手前側を意味している。
この励磁コイル20に電流を第2の方向21a、21bに流したことによって、新たな主磁束311が、ステータ10と磁石42aとロータ30と磁石42bを介して形成される。
図2の(d)に示すように、第2の安定点における主磁束211、212に新たな主磁束311が加わったことにより、延出部(53、図1)近傍のロータ周辺部32a、32bの磁束密度は高まる(磁束分布が密になる)。磁束密度が高まると電磁場の応力(マクスウェルの応力)が強まり、トルクバランスがくずれ、左回転する力が加わる。
そして、ロータ30が左回転することにより、第1の安定点を示した図2の(a)に向かう。
以上のように、励磁コイル20に交互(第1の方向、第2の方向)に電流を流すことにより、ブラシレス直流モータ1は図2の(a)→(b)→(c)→(d)→(a)・・・の順に左回転する。
また、このときの励磁コイル20の制御を1ステップごとに行い、安定点ごとに止めることもできるし、また、励磁コイル20における電流の反転を連続的に行い、連続的な左回転を行うこともできる。
なお、図2の(a)で示した状態を第1の安定点とし、図2の(c)で示した状態を第2の安定点とした。図2の(a)で示した状態から図2の(c)で示した状態まで、ロータ30は、90度回転している。つまりロータ30からみると90度回転するごとに安定点を通過するので、1回転で安定点が4点存在している。しかしながら、ロータの形状は、回転軸Kに基づいて点対称であるため、180度先の別の安定点に回転しても、外観上は区別がない。したがって、図2の(a)、(b)、(c)、(d)においては、2つの安定点のみを示して、簡略的に説明している。
<ロータ・ステータ間の最大・最小インダクタンス>
次に、ロータ・ステータ間の最大・最小インダクタンスについて説明する。なお、ロータ・ステータ間のインダクタンスとは、励磁コイル20(図1、図3)における電圧と電流の関係から算出される等価インダクタンスである。この等価インダクタンスは、ロータ30とステータ10との位置関係によって変化するのでロータ・ステータ間のインダクタンスと呼称する。
図3は、本発明の実施形態に係るブラシレス直流モータ1のロータ30とステータ10間の最大・最小インダクタンスについて説明する図である。
ロータ30のロータ周辺部32a、32bがそれぞれステータ10の磁石41a、41bとそれぞれの円弧が概ね一致して対向したときに、ロータ30とステータ10間の磁束が最も透りやすくなり、ロータ・ステータ間のインダクタンスは最大となる。
なお、このときのロータ30のロータ周辺部32a、32b方向の中心軸を方向101とする。
また、ロータ30とステータ10間のインダクタンスが最小となるのは、前記の方向101の直角方向、すなわち図3における方向102である。この方向102において、ロータ30とステータ10間に磁束が最も透りにくく、最小インダクタンスとなる。
ただし、前記した図1の第1ロータ空隙部51、第2ロータ空隙部52、延出部53等がロータ周辺部32a、32bにあって、対称性が満たされていないときには、最大インダクタンスとなる位置が、図3の方向101からずれる場合もある。
なお、最大インダクタンスあるいは最小インダクタンスは、ロータ30の形状によって異なるが、最大インダクタンスと最小インダクタンスの差が大きいほど、一般的には、ブラシレス直流モータ1の回転トルクが大きくなる。それとともに、ブラシレス直流モータ1のエネルギー効率(入力電力に対する出力トルク)が高くなり、高効率運転が可能となる。
<ロータの形状によるインダクタンス差>
図1または図3におけるロータ30の形状を変えると、最大インダクタンスと最小インダクタンスがそれぞれ変化するとともに、最大インダクタンスと最小インダクタンスとのインダクタンス差も変化する。
次に、ロータ30の形状を変化させる例をあげて、その場合における最大インダクタンスと最小インダクタンスとのインダクタンス差がどのように変わるかを示す。
《磁石とロータ周辺部の対向面積とインダクタンス差との関係》
ロータ30の形状を変化させる第1例として、磁石41a(あるいは42a、41b、42b)とロータ周辺部32a(あるいは32b)との対向面積との関係について、次に示す。
図4は、磁石41a(図1、図3)とロータ周辺部(32a:図1)との対向面積を変化させたときの形状例を示す図であり、(a)は対向面積がS1であり、(b)は対向面積がS2であり、(c)は対向面積がS3であり、(d)は対向面積がS4である。
なお、ロータ周辺部(32a:図1)が磁石(41a:図1)に対向する円周部の円弧長L1(図1)が磁石(41a:図1)の円弧長L2(図1)との関係において、図4の(a)、(b)では、L2>L1である。また、図4の(c)においては、L2=L1であって、ロータ周辺部の円弧長が磁石の円弧長に等しい。また、図4の(d)においては、ロータ周辺部の円弧長が磁石の円弧長よりも大きい(L2<L1)。
なお、図4の(a)、(b)、(c)、(d)において、ロータ周辺部の厚みをすべて同一とすれば、ロータ周辺部の対向面積とロータ周辺部の円弧長の大小関係は一致する。
以下において、ロータ周辺部の対向面積とロータ周辺部の円弧長の大小関係は一致するものとして説明する。
図5は、図4の(a)、(b)、(c)、(d)に示した形状の変化による磁石41a(図1、図3)とロータ周辺部(32a:図1)との対向面積が変化したときのロータ・ステータ間の最大インダクタンスと最小インダクタンスとのインダクタンス差の関係の一例を示す図である。
図5において、横軸は磁石41a(あるいは42a、41b、42b)とロータ周辺部32a(あるいは32b)との対向面積である。なお、図5では「回転子対向部 面積Sg(mm)」と表記している。縦軸は、ロータ・ステータ間の最大インダクタンスと最小インダクタンスとのインダクタンス差である。図5では「インダクタンス差」と表記している。
図5において、符号S1、S2、S3、S4で示した特性点は、それぞれ図4の(a)、(b)、(c)、(d)に示した形状に対応している。
図5においては、符号S3の特性点が、インダクタンス差が最も大きいことを示している。符号S3での特性は、図4の(c)で示した磁石41a(あるいは42a、41b、42b)とロータ周辺部32a(あるいは32b)との対向面積がS3の場合の特性である。つまり、ロータ周辺部の円弧長が磁石の円弧長に等しいときに、インダクタンス差が最も大きくなることを示している。
なお、前記したように、インダクタンス差が最も大きいということは、ブラシレス直流モータ1(図1)のエネルギー効率が、図4の(a)、(b)、(c)、(d)に示した形状の変化において、最も高いことを示唆している。
なお、図4の(a)、(b)に示した形状が、図4の(c)に示した形状におけるインダクタンス差よりも小さいのは、ロータ周辺部の円弧長が小さいために、最大インダクタンスが小さいことに起因する。
また、図4の(d)に示した形状が、図4の(c)に示した形状におけるインダクタンス差よりも小さいのは、最大インダクタンスは大きいが、ロータ30(図1、図4)の幅(図3の方向102)が大きくなり、最小インダクタンスが大きくなったため、インダクタンス差が小さくなったことに起因する。
以上において、図5では、横軸に回転子対向部の「面積」をとり、図4の(a)、(b)、(c)、(d)においては、ロータ周辺部(ロータ30:図4)の円周部の「円弧長」の形状の相違で説明したが、ロータ周辺部(ロータ30)と磁石(41a、42a、41b、42b)とが互いに対向する部分は、対向面積、および対向長(対向長さ、円弧長)が共に概ね等しいことが望ましい。
すなわち、ロータ周辺部と磁石とが互いに対向する部分において、対向面積、および、または、対向長(円弧長)が概ね等しいと、ブラシレス直流モータ1の回転トルクが大きくなる。それとともに、ブラシレス直流モータ1のエネルギー効率が高くなり、高効率運転が可能となる。
《ロータのくびれ形状とインダクタンス差との関係》
次に、ロータのくびれ形状とインダクタンス差との関係について説明する。
図6は、磁石(41a:図1)とロータ周辺部(32a:図1)との対向面積を一致させながら、ロータ基部31の幅を狭くして、ロータ30をくびれた形状にし、ロータ基部31と磁石42bの中央との距離(ギャップ)を変化させたときのくびれ形状を4例示す図であり、(a)はギャップがG1であり、(b)はギャップがG2であり、(c)はギャップがG3であり、(d)はギャップがG4である。
図7は、図6の(a)、(b)、(c)、(d)に示した形状の変化によるロータ基部(31:図6)と磁石(42b:図6)の中央との距離(ギャップ)が変化したときのロータ・ステータ間の最大インダクタンスと最小インダクタンスとのインダクタンス差の関係の一例を示す図である。
図7において、横軸はロータ基部(31:図6)と磁石(42b:図6)の中央との距離(ギャップ)である。なお、図7では「回転側面部 ギャップ(mm)」と表記している。縦軸は、ロータ・ステータ間の最大インダクタンスと最小インダクタンスとのインダクタンス差である。図7では「インダクタンス差」と表記している。
図7において、符号G1、G2、G3、G4で示した特性点は、それぞれ図6の(a)、(b)、(c)、(d)に示した形状に対応している。
図7における符号G3の特性点が、インダクタンス差が最も大きいことを示している。符号G3での特性は、図6の(c)のギャップ長がG3の場合に相当している。
図6の(c)のギャップ長G3は、図6の(a)のギャップ長G1や図6の(b)のギャップ長G2よりも大きい。したがって、図6の(c)のギャップ長G3の最小インダクタンス(図3の方向102)は、図6の(a)のギャップ長G1のときや図6の(b)のギャップ長G2のときの最小インダクタンスよりも小さくなる。そのため、図7における特性点(符号)G3におけるインダクタンス差は、特性点G2や特性点G1におけるインダクタンス差よりも大きくなる。
一方、図6の(d)のギャップ長G4は、図6の(c)のギャップ長G3よりも大きいため、図6の(d)における最小インダクタンス(図3の方向102)は、図6の(c)の最小インダクタンスよりも小さいが、ロータ(30:図6)のロータ基部(31:図6)が細くなりすぎて、磁気抵抗が高くなり、磁束が透りにくくなるので、最大インダクタンス(図3の方向101)が小さくなる。
その結果、インダクタンス差(最大インダクタンス−最小インダクタンス)は、図6の(d)に示したロータの形状の方が、図6の(c)に示したロータの形状よりも小さくなる。
以上の状況を図7における特性点G4と特性点G3におけるインダクタンス差の関係が示している。
以上の図6に示した各形状と図7の回転側面部とインダクタンス差との関係により、ロータ基部(31:図6)の幅を所定の範囲で小さくして、ロータ基部(31:図6)と磁石(42b:図6)の中央との距離(ギャップ)を大きくすることが望ましい。換言すれば、ロータ周辺部(32a:図1)が磁石(41a、42a、41b、42b:図1)に対向する面の面積(あるいは長さ)は、ロータ基部(31:図1、図6)の面と同一方向の断面の面積(あるいは長さ)よりも大きいことが望ましい。
すなわち、最小インダクタンスを小さくして、インダクタンス差を大きくすることにより、ブラシレス直流モータ1(図1)の回転トルクが大きくなる。それとともに、ブラシレス直流モータ1のエネルギー効率が高くなり、高効率運転が可能となる。
《その他のロータのくびれ形状》
次に、図6で示したくびれ形状以外の他のロータのくびれ形状について説明する。
図8は、ロータ30における二つのロータ周辺部32a、32b間の距離が変化した形状の3例を示す図であり、(a)は二つのロータ周辺部間の距離がL11であり、(b)は二つのロータ周辺部間の距離がL12であり、(c)は二つのロータ周辺部間の距離がL13である。
なお、図8の(a)、(b)、(c)のロータ30の形状においては、ロータ周辺部32aが磁石(41a:図1)に対向する円周部の円弧長(L1:図1)は、磁石(41a:図1)の円弧長(L2:図1)と等しい。
また、ロータ基部31と磁石42bの中央との距離(ギャップ)はすべて等しい。
この前記ロータ周辺部の円周部と磁石の円弧長が等しいという条件と、ロータ基部と磁石の中央との距離が等しいという条件を満たしながら、二つのロータ周辺部間の距離を変化させたのが、図8の(a)、(b)、(c)に示した各種のロータの形状である。
なお、図8の(a)、(b)、(c)は、ロータのくびれ形状が様々にあることを示したものである。ただし、図8の(a)、(b)、(c)の各種のロータのくびれ形状による特性差については、他の要因による影響もあるので、詳しい説明は省略する。
《ロータ空隙部の影響、作用》
次に、ロータ周辺部(32a、32b)におけるロータ空隙部(第1ロータ空隙部51、第2ロータ空隙部52)の影響、作用について説明する。
図9は、ロータ空隙部(第1ロータ空隙部51、第2ロータ空隙部52)を備えた構造と、その作用、機能について説明する図であり、(a)はロータ空隙部のないロータ30の形状であり、(b)は複数の第1ロータ空隙部51とひとつの第2ロータ空隙部52を有するロータ30の形状であり、(c)はロータ空隙部のないロータ30を透る主磁束322の状態を示し、(d)は複数の第1ロータ空隙部51とひとつの第2ロータ空隙部52を有するロータ30を透る主磁束323の状態を示している。
なお、図9の(c)、(d)においては、ロータ30のロータ周辺部32aの大半が磁石41aと対向し、一部が磁石42bと対向している状態を示している。
また、図9の(c)、(d)においては、主磁束のみを示し、全体の磁束分布を示す細線の表記を省略している。これは、表記上の都合と、主磁束の作用を強調するためと、である。
図9の(a)において、ロータ30のロータ周辺部32a、32bには、空隙はない。
このロータ周辺部32a、32bに空隙がない場合には、図9の(c)に示すように主磁束322は、ロータ30とステータ10とを比較的(図9の(d)と比較して)ゆるやかな曲線を描いて一周する。
また、図9の(b)においては、ロータ30のロータ周辺部32a、32bには、鋼板に空隙があいた第1ロータ空隙部51、第2ロータ空隙部52がある。なお、第1ロータ空隙部51は、ロータ周辺部32a、32bの外周部(円周部付近)に沿って形成された複数の窓状の空隙であり、第2ロータ空隙部52は、ロータ周辺部32a、32bの側面に形成された切欠状の空隙である。なお、「切欠」を「空隙」の同意語として表記する場合もある。
ロータ周辺部32a、32bを構成する鋼板に空隙が設けられると、その部分は、磁気抵抗が大きくなる。つまり、第1ロータ空隙部51、第2ロータ空隙部52は、前記したように、高磁気抵抗部でもある。第1ロータ空隙部51、第2ロータ空隙部52の付近は、磁気抵抗が高いため磁束密度が低下する。
ロータ周辺部32aの主に左側に複数の第1ロータ空隙部51が設けられているため、図9の(d)に示すように、主磁束323は、高磁気抵抗部である第1ロータ空隙部51を迂回して、領域151に示すように、屈曲した曲線(磁束のねじれ)を描いてロータ30とステータ10とを一周する。
なお、第2ロータ空隙部52は、ロータ周辺部32a、32bの左側の側面に形成されることによって、磁束ひいては主磁束がロータ周辺部32a、32bの左側を透ることを防止する作用をする。また、第2ロータ空隙部52は高磁気抵抗部の機能を果たすものであるので、形状としては、図9の(b)、(d)または図1に示すような側面における切欠のみならず、窓形の空隙の形状でもよい。
図9の(d)に示す領域151における屈曲した部分の主磁束323は、磁束密度が部分的に高まる。磁束密度の高い場所(場)は、高磁気抵抗部のような磁束密度の低い場所に比較して、電磁場の応力(マクスウェルの応力)が強い。この電磁場の応力の差によって、ロータ30は、左回転の方向にトルク(応力)がより強く発生する。
なお、主磁束323を比喩として、張力のあるゴム紐に例えれば、領域151のように屈曲した部分を有する主磁束323は、伸びようとして左回転の方向にトルク(応力)がより強く発生する。
また、ロータ30が左回転することにより、前記の異なる電磁場の応力が均衡するように、つまり、領域151における屈曲した部分の主磁束323の磁束密度が低下するように作用する。
なお、図9の(c)に示した主磁束322が前記したゆるやかな曲線を描く場合には、図9の(d)における領域151の主磁束323の磁束密度に相当する部分がないので、左回転の方向のトルク(応力)は小さい。
つまり、図9の(c)のロータの位置では、左回転の方向のトルク(応力)は小さくなる状態であるにもかかわらず、図9の(b)に示したロータ空隙部(第1ロータ空隙部51、第2ロータ空隙部52)を設けることによって、図9の(d)に示すように、比較的に強い左回転の方向のトルク(応力)が発生する。
次に、図10A、図10Bを参照して、前記のロータ空隙部の影響、効果について説明する。
図10Aは、図9の(a)に示したロータ周辺部32a、32bにロータ空隙部(第1ロータ空隙部51、第2ロータ空隙部52)がない場合のブラシレス直流モータのトルク特性(連続回転の場合)の一例を示した模式図である。
図10Aの横軸は、ロータ30の回転位置を示す角度であり、縦軸はトルクである。
また、ロータ30が90度ごとに励磁コイル(20:図1)に流れる電流との間に働く力(トルク)が最大となり、また、90度ごとにトルクが最小となる。
そのため、図10Aに示すように、ロータ周辺部にロータ空隙部のないブラシレス直流モータは、90度を周期として、トルクが概ね0の最小から、回転力の大きい最大のトルクの間を周期的に大きく変動(脈動)する。
図10Bは、図9の(b)に示したロータ周辺部32a、32bにロータ空隙部(第1ロータ空隙部51、第2ロータ空隙部52)が備えられたブラシレス直流モータ(1:図1)のトルク特性(連続回転の場合)の一例を示した模式図である。
図10Bの横軸は、ロータ30の回転位置を示す角度であり、縦軸はトルクである。
図10Bにおいて、トルクは、0度〜360度の1回転において、小刻みに変動(脈動)するが、図10Aにおけるトルクの変動に比較すれば、変動の範囲は、著しく低減される。
このトルク変動(脈動)の低減は、図9の(d)に示した本来はトルクが低いロータ30の位置において、ロータ空隙部(第1ロータ空隙部51、第2ロータ空隙部52)の効果により、左回転の方向にトルク(応力)がより強く発生するため、最大トルクとの差が低減されることによる。
このように、ロータ周辺部32a、32bに高磁気抵抗部として機能するロータ空隙部(第1ロータ空隙部51、第2ロータ空隙部52)が備えられることにより、磁束のねじれを大きくすることができて、ブラシレス直流モータ(1:図1)の回転トルクを大きくすることができると共に、トルクの脈動を抑え、トルク特性が大きく安定化する効果がある。
<ステータの切欠部の影響、作用、効果>
次に、ステータ10のステータ切欠部が関連する影響、作用、効果について説明する。
《第1ステータ切欠部、第2ステータ切欠部の影響、作用》
まず、ステータ10のステータ切欠部(第1ステータ切欠部61、第2ステータ切欠部62)の影響、作用、効果について説明する。
図11は、ステータ切欠部(第1ステータ切欠部61、第2ステータ切欠部62)を備えた構造と、その作用、機能について説明する図であり、(a)はステータ切欠部のないステータ10の形状であり、(b)は第1ステータ切欠部61、第2ステータ切欠部62を有するステータ10の形状であり、(c)はステータ切欠部のないステータ10を透る主磁束324の状態を示し、(d)は第1ステータ切欠部61、第2ステータ切欠部62を有するステータ10を透る主磁束325の状態を示している。
なお、図11の(c)、(d)においては、ロータ30のロータ周辺部32aの大半が磁石41aと対向し、一部が磁石42bと対向している状態を示している。
また、図9の(c)、(d)においては、主磁束のみを示し、全体の磁束分布を示す細線の表記を省略している。これは、前記のように、表記上の都合と、主磁束の作用を強調するためと、である。
図11の(a)において、ステータ10の励磁コイル(20:図1)近傍の第1収容部(12:図1)は左右対称形で、切欠はない。
このステータ10の励磁コイル(20:図1)近傍の第1収容部(12:図1)に空隙がない場合には、図11の(c)に示すように主磁束324は、ロータ30とステータ10とを比較的(例えば図11の(d)に比較して)ゆるやかな曲線を描いて一周する。
また、図11の(b)においては、ステータ10の励磁コイル(20:図1)の左端近傍の第1収容部(12:図1)に鋼板の切欠である第1ステータ切欠部61がある。また、ステータ10の励磁コイル(20:図1)の中央近傍の第1収容部(12:図1)に鋼板の切欠である第2ステータ切欠部62がある。
鋼板の切欠である第1ステータ切欠部61と第2ステータ切欠部62は、高磁気抵抗部でもあって、磁気抵抗が高くなるので、磁束は流れにくくなる。
磁気抵抗が高い第1ステータ切欠部61と第2ステータ切欠部62があるので、図11の(d)に示すように、主磁束325は、第1ステータ切欠部61を迂回して、領域161に示すように、屈曲した曲線(磁束のねじれ)を描いてロータ30とステータ10とを一周する。
領域161における屈曲した部分の主磁束325は、磁束密度が部分的に高まり、マクスウェルの応力により、磁束密度が低下するように、つまり左回転の方向に動くようにトルク(応力)がより強く発生する。
なお、図11の(c)に示した主磁束324が前記したゆるやかな曲線を描く場合には、図11の(d)における領域161の主磁束325の磁束密度に相当する部分がないので、左回転の方向のトルク(応力)は小さい。
つまり、図11の(c)と同じ図11の(d)のロータの位置では、左回転の方向のトルク(応力)は小さくなる状態であるにもかかわらず、図11の(b)に示したステータ切欠部(第1ステータ切欠部61、第2ステータ切欠部62)を設けることによって、比較的に強い左回転の方向のトルク(応力)が発生する。
なお、この左回転の方向のトルク発生に関しては、第1ステータ切欠部61の方が、第2ステータ切欠部62よりも、より効果的な要因である。
次に、図12A、図12Bを参照して、前記のステータ切欠部(第1ステータ切欠部61、第2ステータ切欠部62)の影響、効果について説明する。
図12Aは、図11の(a)に示したステータ切欠部(第1ステータ切欠部61、第2ステータ切欠部62)がない場合のブラシレス直流モータ(1:図1)のトルク特性(連続回転の場合)の一例を示した模式図である。
図12Aの横軸は、ロータ30の回転位置を示す角度であり、縦軸はトルクである。
図12Aに示すように、ステータ切欠部(第1ステータ切欠部61、第2ステータ切欠部62)がないブラシレス直流モータは、ロータ30の角度によってトルクが比較的(例えば次の図12Bに比較して)大きく変動する。特に、図12Aにおいて破線で示した領域401では、トルクの変動(脈動)が顕著である。
図12Bは、図11の(b)に示したステータ切欠部(第1ステータ切欠部61、第2ステータ切欠部62)がある場合のブラシレス直流モータ(1:図1)のトルク特性(連続回転の場合)の一例を示した模式図である。
図12Bの横軸は、ロータ30の回転位置を示す角度であり、縦軸はトルクである。
図12Bにおいて、トルクは、0度〜360度の1回転において、小刻みに変動(脈動)するが図12Aにおけるトルクの変動に比較すれば、変動の範囲は、軽減されている。特に図12Aの領域401に相当する図12Bの箇所(領域)においては、トルクの変動(脈動)が著しく軽減されている。
このトルク変動(脈動)の軽減は、図11の(d)に示した本来はトルクが低いロータ30の位置において、ステータ切欠部(第1ステータ切欠部61、第2ステータ切欠部62)の効果により、左回転の方向にトルク(応力)がより強く発生するため、最大トルクとの差があまりないトルクが発生することによる。
このように、ステータ10の励磁コイル(20:図1)の左端近傍、および中央近傍の第1収容部(12:図1)に鋼板の切欠があることにより、磁束のねじれを大きくすることができて、ブラシレス直流モータ(1:図1)の回転トルクを大きくすることができると共に、トルクの脈動を抑え、トルク特性が大きく安定化する効果がある。
《延出部の形状と第2ステータ切欠部の影響、作用》
次に、延出部53の形状と第2ステータ切欠部62のトルク変動への影響、作用について説明する。
図13は、延出部53の形状と第2ステータ切欠部62の有無によってトルク変動への影響、作用について説明する図であり、(a)は延出部53がロータ周辺部32aの円周部と同様に、磁石の内側の円弧部と対向する形状であって、かつ励磁コイル(20:図1)の中央近傍の第1収容部(12:図1)の領域(第2ステータ切欠部62に対応)62に鋼板の切欠がない場合の形状であり、(b)は延出部53が磁石の内側の円弧部から先端に行くにつれて離れる形状であって、かつ第2ステータ切欠部62がある場合の形状である。
延出部53は、前記したようにロータ30の左回転の動作に寄与するが、その形状や配置によって、トルク特性が変化する。図13の(a)と図13の(b)における延出部53の相違は、図13の(a)における延出部53が、磁石(41a:図1)の内側の円弧部とほぼ並行に対向して配置されているのに対し、図13の(b)における延出部53は、磁石(41a:図1)の内側の円弧部から、先端に行くにつれて離れる形状で構成されている。
また、図13の(b)においては、延出部53が磁石の内側の円弧部から、先端に行くにつれて離れる形状の場合に関連して、第2ステータ切欠部62を設けている。第2ステータ切欠部62を設けることにより、後記するようにトルクの安定性がさらに増す。なお、図13の(a)においては、第2ステータ切欠部62は設けられていない。
次に、図15A、図15Bを参照して、前記の延出部53の形状と第2ステータ切欠部62の有無によってトルク変動への影響、作用について説明する。(図14については、後記する。)
図15Aは、図13の(a)に示した延出部53がロータ周辺部32aの円周部と同様に、磁石の内側の円弧部と対向する形状の場合のブラシレス直流モータ(1:図1)のトルク特性(連続回転の場合)の一例を示した模式図である。
図15Aの横軸は、ロータ30の回転位置を示す角度であり、縦軸はロータ30のトルクである。
図15Aに示すように、延出部53がロータ周辺部32aの円周部と同様に、磁石の内側の円弧部と対向する形状であり、かつ励磁コイル(20:図1)の中央近傍の第1収容部(12:図1)の領域(第2ステータ切欠部62に対応)62に鋼板の切欠がない場合において、ブラシレス直流モータ1は、ロータ30の角度によってトルクが比較的(例えば次の図15Bに比較して)大きく変動する。特に、図15Aにおいて破線で示した領域501では、トルクの変動が顕著である。
図15Bは、図13の(b)に示した延出部53が磁石の内側の円弧部から先端に行くにつれて離れる形状であって、かつ第2ステータ切欠部62がある形状の場合のブラシレス直流モータ(1:図1)のトルク特性(連続回転の場合)の一例を示した模式図である。
図15Bの横軸は、ロータ30の回転位置を示す角度であり、縦軸はトルクである。
図15Bにおいて、トルクは、0度〜360度の1回転において、小刻みに変動するが図15Aにおけるトルクの変動に比較すれば、変動の範囲は、軽減される。特に図15Aの領域501に相当する図15Bの箇所(領域)においては、トルクの変動が著しく軽減されている。
このトルク変動(脈動)の軽減は、延出部53が磁石の内側の円弧部から先端に行くにつれて離れる形状とし、かつ第2ステータ切欠部62を設けたことで、ロータ30が回転するときの延出部53が次に位置する磁石に接近する際におけるトルクの急激な変化を抑制することに起因する。
《第2ステータ切欠部の影響、作用》
次に、第2ステータ切欠部62の影響、作用について説明する。前記のように、図13の(a)、(b)および図15A、図15Bを参照して、延出部の形状と第2ステータ切欠部の影響、作用について説明したが、次に、第2ステータ切欠部62の影響について、さらに詳しく説明する。
図14は、第2ステータ切欠部62の有無によってトルク変動への影響、作用について説明する図であり、(a)は励磁コイル(20、図1)の中央近傍の第1収容部(12、図1)の領域(第2ステータ切欠部に対応)62に鋼板の切欠がない場合の形状であり、(b)は第2ステータ切欠部62がある場合の形状である。
図14(b)と図14(a)における相違は、第2ステータ切欠部62の有無のみである。第2ステータ切欠部62の有無の相違によるトルクの特性を比較(後記の図16A、図16B)することにより、第2ステータ切欠部62の効果を説明するものである。
なお、図14の(a)、(b)において、延出部(53:図13)は磁石の内側の円弧部から先端に行くにつれて離れる形状である。
次に、図16A、図16Bを参照して、前記の第2ステータ切欠部62の有無によってトルク変動への影響、作用について説明する。
図16Aは、図14の(a)に示した前記の第2ステータ切欠部62がない場合のブラシレス直流モータ(1、図1)のトルク特性の一例を示した模式図である。
図16Aの横軸は、ロータ30の回転位置を示す角度であり、縦軸はロータ30のトルクである。
図16Aに示すように、第2ステータ切欠部62がない場合において、ブラシレス直流モータ1は、ロータ30の角度によってトルクが比較的(例えば次の図15Bに比較して)大きく変動(脈動)する。特に、図16Aにおいて破線で示した領域601では、トルクの変動(脈動)が顕著である。
図16Bは、図14の(b)に示した第2ステータ切欠部62がある形状の場合のブラシレス直流モータ(1、図1)のトルク特性の一例を示した模式図である。
図16Bの横軸は、ロータ30の回転位置を示す角度であり、縦軸はトルクである。
図16Bにおいて、トルクは、0度〜360度の1回転において、小刻みに変動(脈動)するが図16Aにおけるトルクの変動に比較すれば、変動の範囲は、軽減される。特に図15Aの領域601に相当する図16Bの箇所(領域)においては、トルクの変動(脈動)が著しく軽減されている。
このトルク変動(脈動)の軽減は、第2ステータ切欠部62を設けたことで、ロータ30が回転する際のトルクの急激な変化を抑制することに起因する。
(第2実施形態)
<ブラシレス直流モータの構成>
図17は、本発明の第2実施形態に係るブラシレス直流モータ2の回転軸に直角方向の断面を示す図である。
図17において、ブラシレス直流モータ2は、ロータ30がステータ10に収容されたインナーロータ型構造を呈し、ステータ10の内部(回転軸Kを基準として径方向内側)にロータ30が回転自在に軸支されている。なお、回転軸Kには、負荷(不図示)が連結される。
また、ブラシレス直流モータ2は、励磁コイル20が巻回されたステータ10と、ステータ10に収容され左回りに回転可能なロータ30と、ステータ10に固定される2つの磁石43a、43bを備えている。この磁石43a、43bは、ロータ30の回転軸Kを中心として、対向して対をなしている。
以上の構成により、ブラシレス直流モータ2は、励磁コイル20に流れる電流に応じた磁束と、ステータ10に固定される2つの磁石43a、43bの磁束と、の合成磁束によってトルクを発生させ、ロータ30を左回り(反時計回り)に回転駆動させる機能を有している。なお、動作の詳細は後記する。
《ステータ》
ステータ10は、径方向内側にロータ30を収容する磁性体(例えば、ケイ素鋼板)であり、コイル巻回部11と、第1収容部121と、第2収容部131と、第1接続部14と、第2接続部15とを備えている。
コイル巻回部11は、左右方向に延びる棒状部材であり、励磁コイル20が巻回されている。
第1収容部121は、断面視で概ねC字状を呈し、回転軸Kと平行に(つまり、紙面手前側・奥側に)延びている。第1収容部121は、第1接続部14を介してコイル巻回部11の左端に接続されている。
第2収容部131は、断面視で概ね逆C字状を呈し、回転軸Kと平行に延びている。第2収容部131は、第2接続部15を介してコイル巻回部11の右端に接続されている。
つまり、第1接続部14、第2接続部15を介してコイル巻回部11と一体成形された第1収容部121及び第2収容部131は、ロータ30を左右から挟み込むように、回転軸Kを中心とする円柱状の収容空間を形成している。
なお、第1収容部121は、上下両端に向かうにつれて肉薄に形成されている。これによって、第1収容部121の上端付近・下端付近を透る磁束の量を制限できる。また、第2収容部131についても同様である。
なお、上下方向、左右方向は、図17に付記した方向とする。
また、第1収容部121の上端と、第2収容部131の上端とは、左右方向において、所定の距離(間隔)L3と後記する第2ステータ切欠部62の左右方向の長さとの合計分だけ離間している。
同様に、第1収容部121の下端と、第2収容部131の下端とは、左右方向において、所定の距離(間隔)L3と後記する第2ステータ切欠部62の左右方向の長さとの合計分だけ離間している。
これらの離間によって、励磁コイル20の電流に伴う磁束がロータ30を透り抜けるようにしている。換言すると、励磁コイル20の電流に伴って生じる磁束が、ステータ10内のみで閉じないようにしている。
上下の第1収容部121の間には、段差部121dが形成されている。
上下の第2収容部131の間には、段差部131dが形成されている。
段差部12d、13dは、上下方向にL44の距離(間隔)がある。
なお、段差部121d、131dにおいて、L44の距離(間隔)の隙間を設けることで、ロータ30のトルクの脈動を低減することが出来る。また、L44の距離(間隔)の隙間を設けることで、磁石43a、43bの磁界が作用する幅を大きくすることが出来る。
なお、前記の第1収容部121と第2収容部131の上端の間(および下端の間)の距離(間隔)L3と、上下の第1収容部121の間の段差部121d(および上下の第2収容部131の間の段差部131d)の上下方向の距離(間隔)L44とは、概ね等しい。
励磁コイル20が巻回された左端の下側の近傍で、第1接続部14と第1収容部121とが接続した部分において、第1収容部121の磁性体の一部が切欠けた第1ステータ切欠部61と第2ステータ切欠部62がある。
なお、第1ステータ切欠部61および第2ステータ切欠部62は、磁気抵抗が高い高磁気抵抗部の役目をする。この第1ステータ切欠部61および第2ステータ切欠部62によって、ロータ30が回転する際のトルクの脈動を低減する。
磁石43a、43bは、それぞれ、直方体の形状の永久磁石である。
磁石43aは、ステータ10の上下の第1収容部121の間に固定して備えられている。
磁石43bは、ステータ10の上下の第2収容部131の間に固定して備えられている。
磁石43a、43bは、上側がS極であり、下側がN極である。
磁石43a、43bは、上下方向の厚みがL5である。
磁石43aは、上下の第1収容部121の間の段差部12dにおいて、距離(間隔)L6だけ、第1収容部121から露出している。
磁石43bは、上下の第2収容部131の間の段差部13dにおいて、距離(間隔)L6だけ、第2収容部131から露出している。
図17の構成において、磁石43aと磁石43bとは、ロータ30の回転軸Kを中心として対向している。また、磁石43a、43bは前記したように、上側がS極であり、下側がN極であって、この磁極による磁界の方向は、対をなしている磁石43aと磁石43bを結ぶ方向に対して直交する方向である。また、磁石43a、43bは前記したように、共に上側かS極であり、下側がN極であるので、磁石43a、43bの磁界の方向は、同一の向きである。
また、前記したように、磁石43a、43bは直方体である。磁石43a、43bが第1収容部121、第2収容部131と接する方向の幅(適宜、「横幅」と称する)は、磁石43a、43bの厚み幅L5よりも長い。
磁石43a、43bは、希土類のネオジム(Neodymium、ネオジウム)および鉄・ホウ素を主成分として焼結して製造したネオジム磁石(Neodymium magnet)である。ネオジム磁石の材料は、高価な材料であり、また加工が難しい材料である。すなわち、この材料は硬く、加工が一体成形による製造が困難であるという特徴がある。
高価な材料である磁石43a、43bを直方体とし、横幅を厚み幅L5より長く形成することは、同一の体積において、より強い磁界を発生させることができる。つまり、コスト当たりの磁力と、さらに製造における加工上の大きなメリットがある。なお、磁石が直方体でない第1実施形態(磁石は円弧状)との比較について後記し、そこで磁石を直方体で形成することのメリットを再度説明する。
《ロータ》
第2実施形態におけるロータ30(図17)は、第1実施形態におけるロータ30(図1)と同じ構成、構造であるので重複する説明は省略する。
なお、第2実施形態の図17におけるロータ周辺部32a、32bの円弧状の長さ(円弧長)L1は、第2収容部131の下側(第1収容部121の下側)の円弧状の長さ(円弧長)L22と概ね等しい(L1=L22)。このL1=L22ということは、ブラシレス直流モータ2の高効率運転の観点から望まれる。
<回転動作原理>
次に、ブラシレス直流モータ2の回転動作原理について説明する。
図18は、本発明の第2実施形態に係るブラシレス直流モータ2の回転動作原理について説明する図であり、(a)は第1の安定点(1極目)における励磁コイルに電流を第1方向に流したときのロータの位置とロータおよびステータの主磁束を示し、(b)は第2の安定点(2極目)におけるロータの位置とロータおよびステータの主磁束を示し、(c)は第3の安定点(3極目)における励磁コイルに電流を第2方向に流したときのロータの位置とロータおよびステータの主磁束を示し、(d)は第4の安定点(4極目)におけるロータの位置とロータおよびステータの主磁束を示している。
また、図18の(a)、(b)、(c)、(d)において、ロータ30とステータ10においては、磁石43a、43bとステータ10とロータ30と励磁コイル20とによる磁束分布の概要を、複数の細線により示している。なお、ロータ30の回転に寄与しない漏洩磁束については、表記を省略している。また、細線による磁束分布のみでは、その作用がわかりにくいこともあるので、磁束分布により表記された磁束を合成したものを「主磁束」と表記する。
この主磁束として、磁石43aとステータ10とで閉じる主磁束を、主磁束204、214、224、234として、太い線で表記している。磁石43bとステータ10とで閉じる主磁束を、主磁束203、213、223、233として、太い線で表記している。
また、励磁コイル20とステータ10とロータ30とで閉じる主磁束を、主磁束303、313として、太い線で表記している。
磁石43aまたは磁石43bと、ステータ10とロータ30とで閉じる主磁束を、それぞれ主磁束404、403として、太い線で表記している。
前記したように、磁石43a、43bは、上側がS極であり、下側がN極である。
また、励磁コイル20に第1方向<励磁コイルの上側コイル20aにおいて紙面裏から表の方向、励磁コイルの下側コイル20bにおいて紙面表から裏の方向:図18の(a)>に電流を流すことと、第2方向<励磁コイルの上側コイル21aにおいて紙面表から裏の方向、励磁コイルの下側コイル21bにおいて紙面裏から表の方向:図18の(c)>に電流を流すことに切り換えることと、前記の磁石43a、43bとを組み合わせることによって、ロータ30が第1〜第4の安定点を有することに相当する4極の磁界を発生させることが出来る。
《第1の安定点(1極目)》
図18の(a)においては、励磁コイル20に第1方向に電流が流れている。そのため、主磁束303が励磁コイル20とステータ10とロータ30との間を通るように形成されている。また、磁石43aまたは磁石43bと、ステータ10とで閉じる主磁束がそれぞれ主磁束204、203として形成されている。
このとき、ロータ30には、励磁コイル20による磁界(主磁束)によって右回転する力(トルク)と、磁石43a、43bによる磁界(主磁束)によって左回転する力(トルク)とが均衡するトルクバランスが形成され、回転しない第1の安定点(1極目)となっている。
その後、励磁コイル20に第1方向に流れていた電流が切られると、前記の均衡が破れて磁石43a、43bによる磁界(主磁束)に引かれて左回転の方向に動きだす。
なお、ロータ周辺部32aの円周側の左端に備えられた磁性体の延出部53(図17)は、この左回転の動きをすることにおいて、より効果的に作用する。
《第2の安定点(2極目)》
図18の(b)は、前記したように、第2の安定点(2極目)におけるロータ30の位置と主磁束213、214とを示している。
図18の(b)においては、励磁コイル20には電流を流していない。そのため、ロータ30は、磁石43a、43bの磁力に引かれる。
つまり、図18の(b)に示した状態において、ロータ周辺部32aが磁石43aと径方向で重なり合っている。そのため、磁石43aとの間で磁気的な接続を促し、主磁束214が形成される。
また、ロータ周辺部32bが磁石43bと径方向で重なり合っている。そのため、磁石43bとの間で磁気的な接続を促し、主磁束213が形成される。
これらの主磁束214と主磁束213が形成されることによって、図18の(b)においてトルクバランスが形成されるのである。
その後、励磁コイル20に第2方向に電流が流れると、前記の均衡が破れて励磁コイル20による磁界(主磁束)に引かれて左回転の方向に動きだす。
《第3の安定点(3極目)》
図18の(c)は、前記したように、第3の安定点(3極目)における励磁コイル20に電流を第2の方向に流した状態を図示している。
この励磁コイル20に電流を前記の第2の方向に流したことによって、新たな主磁束313が、ステータ10と磁石43aとロータ30とを介して形成される。
この励磁コイル20に流れる電流による主磁束313と磁石43a、43bによる主磁束224、223とによって、ロータ30は、トルクバランスが形成される。
その後、励磁コイル20に第2方向に流れていた電流が切られると、前記の均衡が破れて磁石43a、43bによる磁界(主磁束)に引かれて左回転の方向に動きだす。
《第4の安定点(4極目)》
図18の(d)は、前記したように、第4の安定点(4極目)におけるロータ30の位置と磁石43a、43bによる主磁束234、233と、ロータ30を介する主磁束404、403とを示している。
図18の(d)においては、励磁コイル20には電流を流していない。そのため、ロータ30は、磁石43aと磁石43bとの磁力によって、トルクバランスが形成される。
つまり、図18(d)に示した状態において、ロータ30を介した主磁束404と主磁束403とによって、ロータ30が左回転する力と右回転する力とのトルクバランスが形成される。
その後、励磁コイル20に前記の第1方向に電流が流れると、第4の安定点(4極目)におけるトルクバランスは崩れて、ロータ30は、左回転の方向に動きだす。
《再度の第1の安定点(1極目)》
励磁コイル20に第1方向に電流が流れると、図18の(a)に示した状態に戻る。なお、このときロータ30は、当初の位置に対して、180度の回転である。ロータ30が完全に元の状態(360度)に戻るには、さらに図18の(a)〜(d)の動作をする必要がある。
しかしながら、ロータの形状は、回転軸Kに基づいて点対称であるため、180度先の別の安定点に回転しても、外観上は区別がない。そのため、実質的に重複する説明は省略する。
以上のように、励磁コイル20に交互(第1の方向、第2の方向)に電流を流すことにより、ブラシレス直流モータ2は図18の(a)→(b)→(c)→(d)→(a)・・・の順に左回転する。
また、このときの励磁コイル20の制御を1ステップごとに行い、安定点ごとに止めることもできるし、また、励磁コイル20における電流の反転を連続的に行い、連続的な左回転を行うこともできる。
<第2実施形態における磁石の形状、構造についての補足>
次に、第2実施形態における磁石の形状、構造についての補足をする。これは、第3実施形態における磁石の形状、構造について説明するために、その比較として、第2実施形態における磁石の形状、構造をより明確に説明するものである。
図19は、本発明の第2実施形態に係るブラシレス直流モータの磁石、構造の形状をより詳しく示す断面図であり、(a)は図17を磁石43a、43bの近傍に限定して再記した図であり、(b)は磁石の形状、構造をより分かりやすく示すための斜視図である。
図19の(a)、(b)の磁石43a、43bの近傍を示す領域45a、領域45bにおいて、磁石43a、43bは、段差部121d、131d(図17)から距離(間隔)L6だけ、それぞれ第1収容部121、第2収容部131から露出している(図17)。換言すれば、段差部121d、131dにおいて、磁石43a、43bの端は、段差部121d、131dのステータ10の端から突き出ている。
この磁石43a、43bがそれぞれ第1収容部121、第2収容部131から露出している部分は高磁気抵抗に接していることになる。そのため、磁石43a、43bの側面(段差部121d、131d)を介する磁束(磁界)が低減し、第1収容部121、第2収容部131を通る磁束(磁界)が増加するので、磁石43a、43bの磁力が有効に使われ、効率が向上し、高効率運転が可能なブラシレス直流モータを提供できる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態のブラシレス直流モータについて説明する。
図20は、本発明の第3実施形態に係るブラシレス直流モータの構成を示す図であり、(a)は断面図であり、(b)は(a)の断面の斜視図である。
図20の(a)、(b)に示すように、第3実施形態において、領域46a、46bに着目すると、磁石44a、44bは、第1収容部124、第2収容部134の中に埋め込まれている。換言すれば、段差部(121d、131d)において、磁石44a、44bの端は、段差部(121d、131d)のステータ(10)の端の内部に埋もれている。
そのため、第1収容部124、第2収容部134の製作は、上下の第1収容部124、第2収容部134に分けることなく、同一製造工程で行えるので、製造工程が容易、かつ低コストで製作できるという効果がある。
また、磁石44a、44bを収容しても、上下の第1収容部124、第2収容部134はそれぞれ同一の鋼板であるため強度が高いという効果がある。
また、磁石44a、44bの幅を段差部におけるステータの幅より短くすることで、磁石を接着剤などで接合する必要が無くなり、ステータに固定しやすくなり、製造工程が容易になるという効果がある。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態のブラシレス直流モータについて説明する。
図21は、本発明の第4実施形態に係るブラシレス直流モータの断面を示す図である。
第4実施形態の断面構造を示す図21を第2実施形態の断面構造を示す図17または図19の(a)と比較すると、第4実施形態を示す図21における磁石48a、48bのそれぞれの近傍である領域47a、47bの構造が第2実施形態のブラシレス直流モータと異なっている。
すなわち、図21において、断面における磁石48a、48bの第1収容部125、第2収容部135と接する方向の幅(適宜、「横幅」と称する)が、図19の(a)における磁石43a、43bの第1収容部121、第2収容部131と接する方向の幅より長くなっている。
また、これに伴い、第1収容部125、第2収容部135の磁石48a、48bと接する方向の幅が長くなっている。
つまり、この第4実施形態のブラシレス直流モータにおいては、磁石48a、48bの横幅を、ブラシレス直流モータとして、構造上、許容される範囲で、長くしたものである。磁石48a、48bの横幅を長くすることによって、磁石48a、48bの磁力(磁界)を強くする。
なお、磁石48aの端は、上下の第1収容部125の間の段差部125dの底部の面(磁石48a側の壁面)と一致しており、ステータの外にとび出していない。
また、同様に、磁石48bの端は、上下の第2収容部135の間の段差部135dの底部の面(磁石48b側の壁面)と一致しており、ステータの外にとび出していない。
このように、磁石48aの端が段差部135dの底部の面(磁石48b側の壁面)と揃っていることで、磁石の磁界を無駄なくステータに作用させることが出来る。
以上のように、第4実施形態の磁石48a、48bの第1収容部125、第2収容部135と接する方向の幅(横幅)が長くなっている分、第2実施形態の磁石43a、43bよりも、第4実施形態の磁石48a、48bの磁力(磁界)が強く作用して、トルクを生成する効率が向上し、高効率運転が可能なブラシレス直流モータを提供できる。
<本発明の第1〜第4実施形態の特許文献1などの従来技術に対する効果>
本発明の第1〜第4実施形態の特許文献1などの従来技術に対する効果については、次のとおりである。
<A> 従来技術で用いられていたレゾルバ等の回転角センサが不要となる。すなわち、本発明の第1〜第4実施形態では、前記のような位置センサ、位置センサ入出力回路、位置センサ取付用部品を削減でき、大幅なコスト低減ができる。
<B>従来技術で用いられていた起動用のための補助コイル(隈取コイル)が不要であり、ロータに負トルクが発生することもないので、運転効率が高いという効果がある。
<第2〜第4実施形態と第1実施形態の比較>
次に、本発明の第2〜第4実施形態と第1実施形態とについて比較する。
本発明の第2〜第4実施形態のブラシレス直流モータは、直方体の磁石を2個、用いている構成である。また、本発明の第1実施形態のブラシレス直流モータは、円弧状の磁石を4個、用いた構成である。
また、前記したようにブラシレス直流モータの磁石は、希土類のネオジム(Neodymium、ネオジウム)および鉄・ホウ素を主成分として焼結して製造したネオジム磁石(Neodymium magnet)が一般的に使用される。ネオジム磁石の材料は、高価な材料であり、また加工が難しい材料である。すなわち、この材料は硬く、加工が一体成形による製造が困難であるという特徴がある。
そして、第1実施形態の図1における磁石41a、42a、41b、42bはそれぞれ円弧状に形成されているので、製造上の難易度が高いという課題がある。
すなわち、円弧状の磁石を製造する場合には、まず直方体の磁石を製作し、この直方体の磁石を研削することによって、円弧状に成形するという工程が必要である。
したがって、加工に多大の労力を必要とすることと、この磁石を研削する工程において、高価な磁石材料を削り滓として、大量の無駄を生ずるという課題がある。
《第2〜第4実施形態が第1実施形態に対して優位な特徴》
したがって、本発明の第2〜第4実施形態は、第1実施形態に対して、次のような効果(優位性)がある。
<1> 磁石が2個であって使用数が少ないこと、および1個あたりの材料の使用量が少ないので、高価な磁石が少量ですみ、モータ全体の製造コストを低減させることが出来る。
<2> 磁石が直方体であるので、製造が容易である。
<3> 磁石が直方体であるので、成形工程における磁石材料の無駄が生じない。
<4> ロータの径方向に磁石が無いので、同じ大きさのステータを用いるのに比べてロータを大きくすることができる。すなわち、同じモータの大きさで効率を向上させることができる。
<5> ロータの回転によって磁石の磁界の変化が少ないため、渦電流の発生が少なく、効率を向上させることができる。
すなわち、本発明の第2〜第4実施形態によって、低コストかつ製造が容易なブラシレス直流モータを提供できる。
《第1実施形態が第2〜第4実施形態に対して優位な特徴》
第1実施形態のブラシレス直流モータは、前記のように円弧状の磁石を4個、用いた構成であるので、第2〜第4実施形態に比較して、トルク変動(脈動)が少なく、強い回転トルクを有するという特徴がある。
(その他の実施形態、変形例)
なお、本発明は、以上で説明した実施形態に限定されるものではなく、様々な実施形態や変形例が含まれる。
《ロータ空隙部の形状》
以上の第1〜第4実施形態において、ロータ空隙部である第1ロータ空隙部51(図1)は、窓状の空隙として、また、第2ロータ空隙部52(図1)は切欠として説明したが、これらの形状には限定されない。
例えば、図9(b)、(d)においては、第1ロータ空隙部51は、長方形または台形の形状を例示したが、三角または丸形などの他の形状でもよい。また、第1ロータ空隙部51は3個(4個にも見える)の窓状の空隙を例示したが、4個(5個)以上でも2個以下でもよい。
また、第2ロータ空隙部52は、窓状の空隙でも切欠状の空隙でもよい。また、形状も前記のように三角形でも四角形でもその他の多角形でも円形でもよい。また、2個以上の空隙でもよい。
このように、様々な形状の空隙や切欠を複数個、そして配置を組み合わせることによって、所望の主磁束を形成し、トルク安定化や効率化などの特性改善をさらに具現化することができる。
《ロータの高磁気抵抗部》
ロータ30(図1)のロータ周辺部32a、32b(図1)におけるロータ空隙部(第1ロータ空隙部51、第2ロータ空隙部52)は、窓状の空隙、または側面における切欠として説明したが、高磁気抵抗部を形成すればよいので、鋼板の厚さを変更することによって、高磁気抵抗部を形成してもよい。また、磁気抵抗が高い材質を用いて高磁気抵抗部を形成してもよい。
高磁気抵抗部を鋼板に空隙や切欠によって形成するのではなく、鋼板の厚さや材質によって形成すると、ロータ30の強度を保てるという効果がある。また、鋼板の形状としては、より左右対称形に近く構成できるので、回転時の安定性をより確保できるという効果がある。
《ステータの切欠部<1>》
ステータ10の第1ステータ切欠部61、第2ステータ切欠部62も高磁気抵抗部であるので、ロータ30のロータ空隙部と同様に、様々な形状の切欠や空隙でよく、また、その個数や配置は様々に組み合わせることが可能である。また、切欠や空隙ではなく、鋼板の厚さや材質によって高磁気抵抗部とすることも可能である。
これらのステータの第1ステータ切欠部61、第2ステータ切欠部62の構成は、ロータ30の第1ロータ空隙部51、第2ロータ空隙部52の構成で説明したのと概ね同様の効果がある。
《ステータの切欠部<2>》
ステータ10における第2ステータ切欠部62は、第1収容部12の端と第2収容部13の端とは、磁石の端より短くすることによって、形成してもよい。
《延出部の形状》
前記した第1実施形態の説明においては、延出部53(図1)の長さは、二つの磁石(例えば42bと41a)の間隔(距離)L4よりも大きいと説明したが、必ずしもL4以上である必要はない。L4未満でも、左回転の方向性とトルクを形成することは可能である。
また、図1においては、延出部53の形状を長方形もしくは直方体のように表記しているがこの形状に限定されない。延出部53の先端(図1において左端)に行くにしたがって細くなる形状であってもよい。また、先端に行くにしたがって厚みを薄くする形状であってもよい。
また、前記のように、延出部53の形状を長方形もしくは直方体のように表記しているが、磁石(例えば41a)と対向する側の形状が、直線状ではなく、磁石の円弧よりも半径の小さい円弧状であってもよい。また、円弧以外のその他の曲線状であってもよい。
このような形状を改良することによって、さらなる回転トルクの向上、高効率運転、トルク変動(脈動)の軽減などができる可能性がある。
《磁石の対数》
第1実施形態を示す図1においては、4個の磁石すなわち2対の磁石で構成しているが、3対以上の複数対の磁石で構成することも可能である。
第2実施形態を示す図17においては、2個の磁石すなわち1対の磁石で構成しているが、2対以上の複数対の磁石で構成することも可能である。
いずれの場合も、磁石の対数を増やすことによって、トルク変動(脈動)の低減ができる可能性がある。
《収容部の間の段差部における磁石の構造》
第4実施形態においては、図21の断面図に示すように、磁石48aの端は、上下の第1収容部125の間の段差部125dの底部の面(磁石48a側の壁面)と一致しており、とび出していない。
しかし、磁石48aの端が、上下の第1収容部125の間の段差部125dの底部の面(磁石48a側の壁面)から、とび出していたとしても、断面における磁石48a、48bの第1収容部125、第2収容部135と接する方向の幅を長くして、磁石の磁力を強くする効果は、同じように期待できる。
また、磁石48aの端が上下の第1収容部125の間の段差部125dの底部の面であるステータ10の端の内部に埋もれている場合にも、断面における磁石48a、48bの第1収容部125、第2収容部135と接する方向の幅を長くして、磁石の磁力を強くする効果は、同じように期待できる。
《磁石の形状》
第2〜第4実施形態において、磁石43a、43b、44a、44b、48a、48bは直方体として説明したが、厳密に直方体に限定されるものではない。例えば、直方体の辺や角度の一部が変形した形状、あるいは製造工程の都合により、直方体の一部に小さな欠けや、細い筋がはいっている場合であっても、概ね直方体に類する形状であれば、前記した効果がある。
《磁石の材質》
第2実施形態においては、磁石43a、43bをネオジム磁石で説明したが、他の材質の磁石であっても本願の第2実施形態で説明した効果が同様にある。
《磁石の極性》
第2実施形態においては、図17に示すように、磁石43a、43bは、上側がS極であり、下側がN極であった。しかし、磁石43a、43bの極性は、図17に限定されるものではない。
磁石43a、43bを、上側がN極、下側がS極とすることも可能である。この場合には、励磁コイル20に印加する電圧の方向を逆にすることで、ロータ30は同様の回転をする。
1、2 ブラシレス直流モータ
10 ステータ
11 コイル巻回部
12、121、124、125 第1収容部(収容部)
13、131、134、135 第2収容部(収容部)
14 第1接続部
15 第2接続部
20 励磁コイル
20a、21a 上側コイル
20b、21b 下側コイル
30 ロータ
31 ロータ基部(基部)
32a、32b ロータ周辺部
41a、41b、42a、42b、43a、43b、44a、44b、48a、48b
磁石
45a、45b、46a、46b、47a、47b、151、161、401、501、601 領域
51 第1ロータ空隙部(高磁気抵抗部)
52 第2ロータ空隙部(高磁気抵抗部)
53 延出部
61 第1ステータ切欠部(高磁気抵抗部)
62 第2ステータ切欠部(高磁気抵抗部)
121d、125d、131d、135d 段差部
K 回転軸

Claims (19)

  1. 励磁コイルが巻回されるステータと、
    前記ステータに収容され、所定の向きに回転可能なロータと、
    該ロータの回転軸を中心として対向し、前記ステータに固定される対の磁石と、
    を備える
    ことを特徴とするブラシレス直流モータ。
  2. 請求項1において、
    前記対の磁石は、前記ロータの回転軸を中心として異極が対向するように、周方向において所定間隔で前記ステータの内面に固定される複数対の磁石からなり、
    前記ロータは、
    自身の回転に応じて前記複数対の磁石に近接可能に配置され、径方向に延びる基部と、前記基部の両端から前記所定の向きに延びる延出部と、有し、
    それぞれの前記磁石は、
    周方向で隣り合う他の磁石と前記延出部を介して磁気的に接続された状態で、自身が発生源となる磁束が、前記他の磁石の発生源となる磁束と強め合うように配置される
    ことを特徴とするブラシレス直流モータ。
  3. 請求項2において、
    前記延出部は、前記ロータから離れるにつれて前記磁石からの距離が離れるように延びている
    ことを特徴とするブラシレス直流モータ。
  4. 請求項1において、
    前記対の磁石は、前記ロータの回転軸を中心として異極が対向するように、周方向において所定間隔で前記ステータの内面に固定される複数対の磁石からなり、
    前記ロータの前記磁石に対向する側の面は、前記磁石の前記ロータ側の面と、略同一の面積または、略同一の面の対向長さである
    ことを特徴とするブラシレス直流モータ。
  5. 請求項1において、
    前記対の磁石は、前記ロータの回転軸を中心として異極が対向するように、周方向において所定間隔で前記ステータの内面に固定される複数対の磁石からなり、
    前記ロータは、前記磁石に対向する側の二つのロータ周辺部と回転軸側のロータ基部とを含んでなり、
    前記ロータ周辺部が前記磁石に対向する面の面積は、前記ロータ基部の前記面と同一方向の断面の面積よりも大きい
    ことを特徴とするブラシレス直流モータ。
  6. 請求項1において、
    前記対の磁石は、前記ロータの回転軸を中心として異極が対向するように、周方向において所定間隔で前記ステータの内面に固定される複数対の磁石からなり、
    前記ロータは、前記磁石に対向する側の二つのロータ周辺部と回転軸側のロータ基部とを含んでなり、
    前記ロータ周辺部が前記磁石に対向する面と同一方向の前記ロータ周辺部の断面の面積が、前記ロータ基部に向かうにつれて減少する
    ことを特徴とするブラシレス直流モータ。
  7. 請求項1において、
    前記対の磁石は、前記ロータの回転軸を中心として異極が対向するように、周方向において所定間隔で前記ステータの内面に固定される複数対の磁石からなり、
    前記ロータが前記磁石に対向する面付近において、前記ロータに他の部分より磁気抵抗が高い高磁気抵抗部が設けられ、
    該高磁気抵抗部は、前記ロータに空隙の形成、切欠きの形成によって、あるいは前記ロータの厚さの変更、異材化によって形成される
    ことを特徴とするブラシレス直流モータ。
  8. 請求項1において、
    前記対の磁石は、前記ロータの回転軸を中心として異極が対向するように、周方向において所定間隔で前記ステータの内面に固定される複数対の磁石からなり、
    前記ステータの前記励磁コイルが巻回される付近の第一収容部に、前記ロータの他の部分より磁気抵抗が高い高磁気抵抗部が設けられ、
    該高磁気抵抗部は、前記ロータに空隙の形成、切欠きの形成によって、あるいは前記ロータの厚さの変更、異材化によって形成される
    ことを特徴とするブラシレス直流モータ。
  9. 請求項1において、
    前記対の磁石は、前記ロータの回転軸を中心として異極が対向するように、周方向において所定間隔で前記ステータの内面に固定される複数対の磁石からなり、
    前記ロータの回転方向と対向する前記ステータの第一収容部の端および第二収容部の端が、前記磁石の端より短く形成される
    ことを特徴とするブラシレス直流モータ。
  10. 請求項1において、
    前記ステータは、
    前記励磁コイルが巻回されるコイル巻回部と一体形成され、前記ロータを収容する収容部を備え、
    前記収容部は、
    二対の前記磁石それぞれの一方が固定され、第1接続部を介して前記コイル巻回部の一端に接続される第1収容部と、
    二対の前記磁石それぞれの他方が固定され、第2接続部を介して前記コイル巻回部の他端に接続される第2収容部と、を有し、
    前記第1収容部の端部と、前記第2収容部の端部と、が互いに離間している
    ことを特徴とするブラシレス直流モータ。
  11. 請求項1において、
    前記磁石は、前記対の磁石を結ぶ方向に対して直交する方向、かつ前記ロータの回転軸に直交する方向に磁界が発生する
    ことを特徴とするブラシレス直流モータ。
  12. 請求項11において、
    前記対の磁石は、同一の向きに磁界が発生する
    ことを特徴とするブラシレス直流モータ。
  13. 請求項11において、
    前記ステータは、第一収容部と第二収容部とを有し、前記第一収容部と前記第二収容部とは、隙間をもって形成され、
    前記第一または第二収容部の前記ロータに対向する面には、前記隙間と略同一の幅の隙間が出来るように段差部を有し、
    前記段差部における前記第一または第二収容部に前記磁石が設けられる
    ことを特徴とするブラシレス直流モータ。
  14. 請求項11において、
    前記磁石は、直方体の形状である
    ことを特徴とするブラシレス直流モータ。
  15. 請求項14において、
    前記直方体の形状である磁石は、前記対の磁石を結ぶ方向に対して直交する方向の厚み幅に対し、前記対の磁石を結ぶ方向の横幅が長い
    ことを特徴とするブラシレス直流モータ。
  16. 請求項13において、
    前記段差部において、前記磁石の端は、前記段差部のステータの端から突き出ている
    ことを特徴とするブラシレス直流モータ。
  17. 請求項13において、
    前記段差部において、前記磁石の端は、前記段差部のステータの端と揃っている
    ことを特徴とするブラシレス直流モータ。
  18. 請求項13において、
    前記段差部において、前記磁石の端は、前記段差部のステータの端の内部に埋もれている
    ことを特徴とするブラシレス直流モータ。
  19. 請求項11において、
    前記磁石は、ネオジム磁石である
    ことを特徴とするブラシレス直流モータ。
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