JPWO2015083396A1 - 画像処理装置及び画像処理方法 - Google Patents

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Abstract

画像処理装置及び画像処理方法が、入力画像(Din)を拡大して低解像度拡大画像(D101)を生成する。入力画像(Din)のパターン判別結果に応じて高解像度化変換用の係数データ(D108)を選択し、低解像度の特徴成分(D102H)を高解像度の特徴成分(D103H)に変換する。入力画像(Din)の局所領域のパターンが平坦であるかどうかを判定し、平坦である場合には、高解像度化変換部(103)において画素値の大きな変更が行われないような係数データが選択される。回路規模、メモリ容量を削減しつつ、ノイズへの耐性を向上させて、ハードウェア化に適した高解像度化を行うことができる。

Description

本発明は、1枚の入力画像を用いて、入力画像より高解像度の出力画像を生成する画像処理装置及び画像処理方法に関するものである。
撮像画像の中から所望の範囲の画像のみを切り出し、拡大することにより電子的にズームを行う機能(デジタルズーム機能)を備えた撮像装置がある。一般的なデジタルズームでは、バイリニア法やバイキュービック法等を用いて画像の拡大処理が行われるが、近年、より解像感の高いデジタルズーム画像を生成することを目的として、入力画像に存在しない高解像度の情報を生成することができる超解像処理と呼ばれる手法が用いられるようになってきている。
1枚の画像を用いた超解像処理で、より高品質な高解像度化が可能な手法に、学習データベースを用いた超解像処理が知られている。この手法は、高解像度画像と低解像度画像の対応関係の事例を学習したデータベースを参照することにより、入力画像に存在しない高解像度の情報を予測し、高解像度化を行うものである(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の超解像処理では、補間された画像において分割されたパッチ毎に探索ベクトルを生成し、探索ベクトルと最も類似度の高いインデックスベクトルに対応する高周波成分データを学習データベースから検索することによって、高解像度のパッチを予測する。
特開2003−018398号公報(段落0014から0017)
しかしながら、特許文献1に記載の超解像処理では、探索ベクトルの次元数分の類似度計算をパッチ毎に行わなければならないため、1パッチあたりの演算量が多く、回路規模が大きい。また、学習データベースに大量の数のパッチを蓄えなければならず、必要となるメモリ容量が大きい。以上のことからハードウェア化に適さない。
また、学習データベースを用いた超解像処理の共通の課題として、ノイズへの耐性が低いことがある。すなわち、注目パッチにごくわずかでもノイズが混入した場合に、本来参照したいものと異なる学習データを参照してしまうことによって画質劣化を生じる。回路規模やメモリ容量の削減のために探索ベクトルの次元数や学習データベースのパッチ数を削減すると、この問題は一層顕著となる。
本発明は上記のような問題点を解決するためになされたものであり、回路規模及びメモリ容量を削減しつつ、ノイズへの耐性を向上させて、ハードウェア化に適した高品質な高解像度画像を得ることができる画像処理装置及び画像処理方法を提供するものである。
本発明に係る画像処理装置は、
入力画像を拡大し低解像度拡大画像を生成する画像拡大部と、
前記低解像度拡大画像をそのパッチごとに低解像度の特徴成分と非特徴成分に分離する特徴成分分離部と、
前記低解像度の特徴成分を高解像度の特徴成分に変換する高解像度化変換部と、
前記高解像度の特徴成分と前記非特徴成分を合成して高解像度パッチを生成する特徴成分合成部と、
各画素について1つ以上の前記高解像度パッチの値を平均化することで出力画像を生成するパッチ平均化部と、
複数の互いに異なるパターンにそれぞれ対応する複数組の係数データを記憶する係数データ記憶部と、
前記入力画像のうちの前記低解像度拡大画像のパッチに対応する局所領域のパターンを判別し、判別結果を示すパターン判別信号を出力するパターン判別部と、
前記係数データ記憶部に記憶されている複数組の係数データから前記パターン判別信号に応じた組の係数データを選択して出力する係数データ選択部とを有し、
前記高解像度化変換部は、前記係数データ選択部で選択された前記係数データを用いて、前記低解像度の特徴成分を前記高解像度の特徴成分に変換する
ことを特徴とする。
本発明によれば、回路規模及びメモリ容量を削減しつつ、ノイズへの耐性を向上させて、ハードウェア化に適した構成で、高品質な高解像度画像を得ることができる。
本発明の実施の形態1の画像処理装置を示すブロック図である。 (a)及び(b)は、入力画像及び入力画像の拡大により得られる低解像度拡大画像を示す図である。 低解像度拡大画像におけるパッチの配列及び各パッチに含まれる画素を示す図である。 (a)及び(b)は低解像度拡大画像の各パッチにおける画素の配列と、各画素についての差分値(dl〜dl25)による列ベクトルの構成要素との対応関係を示す図である。 高解像度拡大画像におけるパッチの配列及び各パッチに含まれる画素を示す図である。 変換により得られた高解像度画像の特徴量(dh〜dh)による列ベクトルの構成要素に対応する高解像度画像の画素の配列を示す図である。 係数データ記憶部106が記憶する係数データの一例を示す図である。 パターン判別部107の構成例を示すブロック図である。 (a)〜(c)は、3×3画素配列に対するLBP算出方法の一例を示す図である。 パターン判別信号D107の生成規則を示す図である。 実施の形態1の画像処理装置における処理の手順を示すフロー図である。 係数データの生成に用いられる装置(係数データ生成装置)を示すブロック図である。 (a)〜(c)は、教師画像、教師画像を縮小することで得られる縮小画像、縮小画像を拡大することで得られる低解像度拡大画像を示す図である。 パッチペアの分類の例を示す図である。 行数がNL×NLに等しく、列数がグループ内のパッチ数に等しい、係数の行列を示す図である。 行数がNH×NHに等しく、列数がグループ内のパッチ数に等しい、係数の行列を示す図である。 低解像度拡大画像のNL×NL個の画素で構成されるパッチと、高解像度画像のNH×NH個の画素で構成されるパッチの関係を示す図である。 回帰演算で求められるNL×NL行、NL×NL列の係数の行列Msのうち、NH×NH個の画素の算出に用いられる係数を示す図である。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る画像処理装置を示す。図示の画像処理装置は、入力画像Dinを拡大し低解像度拡大画像D101を生成する画像拡大部101と、低解像度拡大画像D101をそのパッチごとに低解像度の特徴成分D102Hと非特徴成分D102Lに分離する特徴成分分離部102と、低解像度の特徴成分D102Hを高解像度の特徴成分D103Hに変換する高解像度化変換部103と、高解像度の特徴成分D103Hと非特徴成分D102Lを合成して高解像度パッチD104を生成する特徴成分合成部104と、各画素について1つ以上の高解像度パッチの値を平均化することで出力画像Doutを生成するパッチ平均化部105と、複数の互いに異なるパターンにそれぞれ対応する複数組の係数データD106を記憶する係数データ記憶部106と、入力画像Dinのうちの前記低解像度拡大画像のパッチに対応する局所領域のパターンを判別し、判別結果を示すパターン判別信号D107を出力するパターン判別部107と、係数データ記憶部106に記憶されている複数組の係数データD106からパターン判別信号D107に応じた係数データの組D108を選択して出力する係数データ選択部108とを備えている。
高解像度化変換部103は、係数データ選択部108で選択された係数データD108を用いて、低解像度の特徴成分D102Hを高解像度の特徴成分D103Hに変換する。
以下、各部の処理をより詳細に説明する。
画像拡大部101は、例えば図2(a)に示される入力画像Dinを拡大し、図2(b)に示される低解像度拡大画像D101を生成する。図2(a)及び(b)において、丸印の各々が1つの画素を表す。画像の拡大は、例えば、バイキュービック法により行う。拡大率は水平方向及び垂直方向の各々について例えば2である。図2(b)の拡大画像D101の画素のうち、黒丸で示される画素は、図2(a)に示される入力画像Dinの画素と同じ位置にある画素である。
特徴成分分離部102は、低解像度拡大画像D101(図2(b))をそのパッチ(小領域の画素群)ごとに低解像度の特徴成分D102Hと非特徴成分D102Lに分離する。
低解像度拡大画像D101におけるパッチは互いに重なり合うように形成される。
例えば、図3に示すように、各パッチLPcは、NL×NL個の画素から成る矩形の領域である。NLは例えば5であり、パッチのピッチ(パッチの中心間の距離)は水平方向、垂直方向ともに、2画素であり、従って水平方向に隣接し合うパッチ間には水平方向に3画素の重なりがあり、垂直方向に隣接し合うパッチ間には垂直方向に3画素の重なりがある。
水平方向及び垂直方向におけるパッチのピッチLPPh、LPPvがともに2であるので、パッチの中心に位置する画素は1行おきに、かつ1列おきに配置されている。
特徴成分分離部102は、低解像度拡大画像D101のNL×NL個の画素から成るパッチLPcの各々について、NL×NL個の画素の平均値lMeanを求めて非特徴成分D102Lとして出力し、各々の画素の画素値から上記平均値lMeanを減算することで得られるNL×NL個の差分値を特徴量とし、この特徴量を予め定められた順番で並べることで得られる列ベクトルを、特徴成分D102Hとして出力する。
例えば、図4(a)に示されるように、画素P(1)〜P(25)を、その番号(括弧内の数値)で示す順序で取り出して、それらの差分値dl〜dl25を特徴量として、図4(b)に示すように、上から順に並べることで列ベクトルを形成する。
特徴成分D102Hは各画素の画素値から平均値を減算することで得られるものであるので、当該パッチの高周波成分であり、非特徴成分D102Lは当該パッチの低周波成分であると言える。
特徴成分分離部102は、低解像度拡大画像D101の画像成分のうち、高解像度化変換部103での予測に用いられる特徴成分(高周波成分)のみを分離乃至抽出することにより、高解像度化変換部103への入力を正規化する役割をもつ。
高解像度化変換部103は、係数データ選択部108で選択された係数データD108を用いて低解像度の特徴成分D102Hを高解像度の特徴成分D103Hに変換する。この変換は、低解像度画像のパッチの特徴成分から、高解像度画像の対応する位置のパッチの特徴成分への変換である。ここで「位置」に関して「対応する」とは、高解像度画像のパッチの中心の画素位置が、低解像度拡大画像のパッチの中心の画素位置と同じであること、言い換えると、高解像度画像を低解像度拡大画像に重ねた場合に一致する位置を意味する。互いに対応する位置に中心を有する低解像度拡大画像のパッチと高解像画像のパッチとでパッチペアが構成される。
高解像度画像におけるパッチも互いに重なり合うように形成される。
例えば、図5に示すように、各パッチHPcは、例えばNH×NH個の画素から成る矩形の領域である。NHは例えば3であり、水平方向におけるパッチのピッチHPPh、垂直方向におけるパッチのピッチHPPvはともに2画素であり、従って水平方向に隣接し合うパッチ間には水平方向に1画素の重なりがあり、垂直方向に隣接し合うパッチ間には垂直方向に1画素の重なりがある。
図5に示す例では、高解像度画像D103HにおけるパッチHPcは、その中心に位置する画素が、1行おきにかつ1列おきに配置されている点で、低解像度拡大画像D101におけるパッチLPcと同じであり、高解像度画像D103HにおけるパッチHPcの中心は低解像度拡大画像D101におけるパッチLPcの中心と一致している。
係数データD108は低解像度画像の各パッチと、高解像画像の対応するパッチの関係を与えるものであり、係数データ選択部108から供給される。
ここで、低解像度拡大画像の各パッチの特徴成分D102HをNL×NL個の値(低解像度拡大画像の各パッチを構成する画素の特徴成分値)dl〜dlNL×NLをもつ列ベクトルnlp、高解像度画像の対応するパッチの特徴成分D103HをNH×NH個の値(高解像度画像の対応するパッチを構成する画素の特徴成分値)dh〜dhNH×NHをもつ列ベクトルnhp、係数データD108をNH×NH行NL×NL列の成分からなる行列Mで定義すると、高解像度化変換部103による変換は次式(1)で表される。
Figure 2015083396
NL=5、NH=3の場合について式(1)を、行列を用いて書き直すと下記の式(2)の如くとなる。
Figure 2015083396
式(2)の左辺は、例えば、図6に示される画素Q(1)〜Q(9)を、その番号(括弧内の数値)で示す順序で取り出して、それらの差分値dh〜dhを上から順に並べたものである。但し、図6に示される画素Q(1)〜Q(9)は、それぞれ、図4(a)に示される画素のうち、中央の3×3の位置、即ち、P(7)、P(8)、P(9)、P(12)、P(13)、P(14)、P(17)、P(18)、P(19)に対応する位置にあるものである。
式(1)及び式(2)は、高解像度の特徴成分D103Hの各画素の値は、低解像度の特徴成分D102HのNL×NL個の全ての画素に対する重み付け加算により与えられることを示している。
行列Mは、係数データ選択部108で選択された係数データD108で構成される行列である。係数データ選択部108は係数データ記憶部106に記憶された複数組の係数データD106のうちの1組の係数データを選択して、高解像度化変換部103に供給する。係数データ記憶部106に記憶されている複数組の係数データの各々は、教師画像から生成された低解像度画像の特徴成分D102Hと高解像度画像の特徴成分D103Hのペアの関係を近似する線形回帰モデルであり、予め学習を行うことで得られたものである。その生成方法については後述する。
なお、低解像度の特徴成分D102Hから高解像度の特徴成分D103Hへの変換は非線形であってもよい。その場合、係数データD108としては非線形関数の係数を与えるものを用いる。
特徴成分合成部104は、高解像度の特徴成分D103Hと非特徴成分D102Lを合成して高解像度パッチD104を生成する。
特徴成分合成部104は、例えば、低解像度拡大画像のパッチのNL×NL個の画素の平均値lMean(=D102L)を、高解像度の特徴成分D103Hの各成分(各画素についての値)dh〜dhに加算する。
特徴成分合成部104は、特徴成分分離部102で分離した非特徴成分(低周波成分)lMeanを高解像度の特徴成分に加算することで、特徴成分分離部102で行った正規化を解除する役割をもつ。
特徴成分合成部104による合成は次式(3)により表される。
Figure 2015083396
式(3)で、hpは、高解像度パッチD104を構成する画素の画素値を表すNH×NH個の値h〜hNH×NHをもつ列ベクトル、nhpは、高解像度パッチの特徴成分D103Hを構成するNH×NH個の画素の特徴成分値dh〜dhNH×NHをもつ列ベクトル、lMeanは、非特徴成分D102Lを表すスカラー値、cは、高解像度の特徴成分(高周波成分)に対するゲインを調整するスカラー値(定数)である。
NH=3の場合について、式(3)を、行列を用いて書き直すと下記の式(4)の如くとなる。
Figure 2015083396
式(3)又は(4)において、c=1とすることによって学習通りの推定結果を得ることができる。
c>1とすることによって、高解像度の特徴成分(高周波成分)を意図的に強調(エンハンス)して出力画像の解像感を高めることができる。
式(3)或いは式(4)による演算は、高解像度パッチの各々について行われる。
先にも述べたように、パッチは互いに重なりあうように形成されるので、画素の中には複数のパッチに属するものがある。図5の例では、高解像度画像の画素のうち、各パッチの中心に位置する画素Pxcは、1つのパッチLPcに属し、該中心画素Pxcに対し水平方向に隣接する画素Pxa及び垂直方向に隣接する画素Pxbは、2つのパッチLPcに属し、中心画素Pxcに対し斜め方向に隣接する画素Pxdは4つのパッチLPcに属する。
2つのパッチに属する画素については、式(3)或いは式(4)による演算の結果(各パッチの生成において求められた当該画素の画素値)が2つ得られ、4つのパッチに属する画素については、式(3)或いは式(4)による演算の結果が4つ得られる。1つのパッチにのみ属する画素については、式(3)或いは式(4)による演算の結果が1つだけ得られる。
パッチ平均化部105は、高解像度画像の各画素について1つ以上の高解像度パッチの値(各パッチの生成において求められた当該画素の画素値)を平均化することで出力画像Doutを生成する。即ち、2つのパッチに属する画素については、2つのパッチの値を平均化し、4つのパッチに属する画素については、4つのパッチの値を平均化し、1つのパッチにしか属さない画素については1つのパッチの値をそのまま出力する。
式(3)或いは式(4)による演算は出力画像Doutの各画素について1又は2以上の高解像度パッチによる画素値候補の推定であると言え、平均化は、1又は2以上の画素値候補の平均(単純平均または加重平均)を求める処理であると言える。この平均化により、最終的な出力画素値が得られる。
係数データ記憶部106は、高解像度画像と低解像度画像の対応関係を与える係数データをパターン別に複数記憶する。ここで言うパターンとは、画像内の各部における画素値の変化のパターンであり、画像の各部分がどのようなパターンを有するかは、パターン判別部107により判定される。
図7は、係数データ記憶部106が記憶する係数データD106の内容を表す。図7に示す係数データ記憶部106の構成例では、係数データD106は、式(1)或いは式(2)で用いたNH×NH行NL×NL列の成分からなる行列Mであり、パターン判別信号D107の値0、1、…、NP−1(NPはパターンの数)の各々に対して定義されている。そして、パターン判別信号D107を係数データ記憶部106に入力すると、入力されたパターン判別信号D107の値をインデックスとして係数データが選択され、読み出される。
パターン判別部107は、入力画像Dinのうち、低解像度拡大画像D101のパッチの中心に対応する位置の画素を注目画素として、該注目画素を中心とする局所領域のパターンを判別し、判別結果を示すパターン判別信号D107を出力する。
ここで言う局所領域は、低解像度拡大画像における各パッチに対応する入力画像Dinの領域であり、水平方向及び垂直方向の拡大率が2である場合、低解像度拡大画像の各パッチの中心と一致する中心を持つ、3×3画素の配列から成る矩形の領域である。パターンとしてここでは、局所二値パターン(LBP;Local Binary Pattern)を用いるものとする。
図8は、パターン判別部107の構成例を表す図である。
パターン判別部107は、入力画像Dinの局所領域の画素の画素値の平均値AVEを求める平均部201と、注目画素の周辺画素の画素値と平均値AVEを比較し、これらの画素の各々についての比較の結果の組合せを表すパターン番号Pnumを生成するLBP算出部202と、注目画素の周辺画素の画素値と平均値AVEの差分絶対値に基づいて当該領域が平坦かどうかを判定し、判定結果を示す平坦判定信号Flatを出力する平坦判定部203と、パターン番号Pnumと平坦判定信号Flatからパターン判別信号D107を生成するパターン判別信号生成部204を備えている。
平均部201は、入力画像Dinの注目画素(低解像度拡大画像D101における各パッチの中心の画素に対応する画素)を中心とする局所領域、例えば3×3画素の領域の画素の画素値の平均値AVEを求める。
平均は、3×3画素の画素値の単純平均であってもよいし、中心画素に対する重み付けが大きくなるようにした加重平均であってもよい。加重平均を求める演算の例を、次式(5)に示す。
Figure 2015083396
ここで、(s,t)は3×3画素の中心画素からのオフセット座標を、imLBP(s,t)は座標(s,t)における入力画像Dinの画素値を表す。
LBP算出部202は、注目画素の近傍8画素の画素値と平均値AVEを比較し、これらの画素の各々についての比較の結果の組合せを表すパターン番号Pnumを生成する。上記の比較の結果は、平均値AVE以上であるか否かを示すものであり、例えば「1」と「0」の2値で表される。比較結果の組合せは、比較結果を示す値を予め定められた順序で並べることで得られる数列である。
図9(a)〜(c)は、ある3×3画素配列に対するLBP算出例を示す図である。
図9(a)において、中心画素からのオフセット座標(s,t)で示される各マス目に記載された数値は、3×3画素の領域の各画素における画素値を表している。
LBP算出部202では、まず、3×3画素の画素値の平均値AVE(式(5)の場合、AVE=51.78)と、注目画素の近傍8画素の画素値とを比較し、各画素の値を、AVE以上であれば「1」、AVE未満であれば「0」に二値化する。
図9(b)に、二値化の結果を示す。この二値化は次式(6)で表される。
Figure 2015083396
ここで、D(s,t)は座標(s,t)の画素の二値化結果を表す。
次に、座標(s,t)=(−1,−1)の画素の二値化結果を第1ビット、座標(s,t)=(−1,0)の画素の二値化結果を第2ビット、以降、反時計回りに順次二値化結果を並べる(各ビット位置に割り当てる)ことによってできる8ビットの値を生成し、この8ビットの値をパターン番号Pnumとして出力する。パターン番号の決定は、次式(7)で表される。
Figure 2015083396
図9(c)に示すように、図9(a)の3×3画素配列の場合、式(7)により算出されるパターン番号Pnumは「135」となる。
なお、公知のLBP算出方法では、中心画素の画素値そのものと近傍8画素の画素値の比較により二値化を行うが、実施の形態1では、3×3画素の平均値AVEと近傍8画素の画素値の比較により二値化を行うことで、ノイズの影響を軽減したパターン情報の抽出を可能としている。
平坦判定部203は、例えば注目画素の周辺画素の画素値と平均値AVEの差分絶対値の平均が予め定められた閾値よりも小さいか否かに基づいて当該領域が平坦かどうかを判定し、判定結果を示す平坦判定信号Flatを出力する。
具体的にはまず、次式(8)により、注目画素の近傍8画素の画素値と平均値AVEの差分絶対値の平均diffを算出する。
Figure 2015083396
ここで、差分絶対値の平均diffが予め設定した閾値sigより小さければ当該領域は平坦であると判定し、平坦判定信号Flatを「1」とする。差分絶対値の平均diffが閾値sig以上である場合には当該領域は平坦でないと判定し、平坦判定信号Flatを「0」とする。平坦判定の式を式(9)に示す。
Figure 2015083396
パターン判別信号生成部204は、パターン番号Pnumと平坦判定信号Flatからパターン判別信号D107を生成する。パターン番号Pnum及び平坦判定信号Flatの組合せによるパターン判別信号D107の生成規則を図10に示す。
図10に示した例では、平坦判定信号Flatが「0」のとき、パターン番号Pnumの値そのものをパターン判別信号D107として出力する。また、平坦判定信号Flatが「1」のとき、パターン番号Pnumによらず、予め定められた、平坦であることを示すパターン判別番号256を出力する。このような処理をする結果、判別されるパターンの数は257となる。
ここで、平坦判定信号Flatが「1」のときのパターン判別信号D107(図10の場合は256)に対応する係数データとしては、単位行列または単位行列に近い行列を予め設定しておくものとする。ここで言う「単位行列」は、高解像度画像の各画素についての差分値の算出に当たり、低解像度画像における上記各画素に対応する画素についての係数が「1」で、それ以外は「0」となる行列、即ち、第1〜6列、第10、11列、第15、16列、第20〜25列の要素をすべて「0」とし、残りの列のみが存在すると考えたときの左上から右下への対角線上の要素のみを「1」とし、それ以外の要素を0とした行列を意味し、「単位行列に近い行列」は、上記した行列において、「1」の代わりに「1」に近い値、例えば1よりも小さく、0.9よりも大きい値を用い、「0」の代わりに「0」に近い値、例えば0よりも大きく0.1よりも小さい値を用いた行列である。このような行列を用いることで、パッチが平坦であると判定された場合には、高解像度化変換部103において画素値の大きな変更が行われないようにする。
同様の処理を行うために、平坦判定信号Flatを高解像度化変換部103に入力し(図示せず)、高解像度化変換部103における演算を、平坦判定信号Flatが「0」の場合は式(1)或いは式(2)を用い、平坦判定信号Flatが「1」の場合は式(1)或いは式(2)の演算を行わず、低解像度の特徴成分D102Hの一部、即ち、25個の要素を持つ列ベクトルで構成される特徴成分D102Hのうちの7〜9番目、12〜14番目、17〜19番目の要素を、それぞれ1乃至9番目の要素として並べた列ベクトルを高解像度の特徴成分D103Hとして出力するように構成してもよい。
以上で説明したように、パターン判別部107は、入力画像Dinの局所領域のパターンを判別し、判別結果を示すパターン判別信号D107を出力する。
係数データ選択部108は、係数データ記憶部106に記憶されている複数組の係数データD106のうち、パターン判別信号D107に対応する組の係数データを選択して、選択された係数データD108として出力する。
図7で説明したように、係数データ記憶部106は、パターン判別信号D107の値0、1、…、NP−1の各々に対して、式(1)或いは式(2)で用いるNH×NH行NL×NL列の成分からなる行列Mを記憶したものである。係数データ選択部108は、パターン判別信号D107を受けて、係数データ記憶部106から、パターン判別信号D107の値に対応する行列Mを読み出し、係数データD108として出力する。
以上が、実施の形態1に係る画像処理装置の各構成要素の説明である。
続いて、実施の形態1に係る画像処理装置の動作を説明する。
図11は、実施の形態1に係る画像処理装置における処理の手順を表す。実施の形態1の画像処理装置の動作としては、まず、画像拡大ステップS11にて、入力画像Dinを画像拡大部101により拡大し、低解像度拡大画像D101を生成する。
次にパッチ選択ステップS12において低解像度拡大画像D101からパッチを一つ選択する。パッチの選択は例えばラスター順に、例えば画像を左上から右下へ(上から下へ、かつ同じ高さ位置においては左から右へ)と言う順に行われる。パッチの選択とともに、入力画像Din中の対応する局所領域を選択する。
次に、ステップS13からステップS17において、低解像度拡大画像D101のパッチ毎に、特徴成分分離部102、パターン判別部107、係数データ選択部108、高解像度化変換部103、及び特徴成分合成部104による処理を行う。
パッチ毎の処理(ステップS13からステップS17)においては、まず、特徴成分分離ステップS13にて、各パッチを低解像度の特徴成分D102Hと非特徴成分D102Lに分離する。
これと並行して、パターン判別ステップS14において、各パッチに対応する入力画像Dinの局所領域の画素を用いてパターンを判別し、判別結果を示すパターン判別信号D107を出力する。
次に、係数データ選択ステップS15において、ステップS14で得られたパターン判別信号D107に応じた係数データを係数データ記憶部106から選択して出力する。
ステップS13及びステップS15の次に、高解像度化変換ステップS16において、ステップS13で得られた低解像拡大画像の各パッチの特徴成分D102Hに対して、ステップS15で選択した係数データD108を用いて演算を行い、低解像度の特徴成分D102Hから高解像度の特徴成分D103Hへの変換を行う。
次に、ステップS17において、ステップS13で分離した非特徴成分D102Lを、ステップS16の出力である高解像度の特徴成分D103Hと合成して、高解像度パッチを生成する。
次に判定ステップS18において、画像中のすべてのパッチについてのステップS12〜S17の処理が行われたか否かの判定を行う。まだ処理されていないパッチがあれば(ステップS18でNO)、ステップS12に戻り、次のパッチを選択する。
ステップS18ですべてのパッチについての処理が終わっていれば、パッチ平均化ステップS19に進み、各画素についてパッチ毎の処理で得られた高解像度パッチの値をパッチ平均化部105により平均化し出力画像Doutを生成する。
なお、画像内のすべてのパッチが終わらなくても、各画素についてそれが属するパッチについての処理が終わったら、直ちに当該画素についてステップS18の処理を行うようにしても良い。この場合、ステップS12〜S18の処理と、ステップS18の処理とが並行して行われることになる。
以上が、実施の形態1に係る画像処理装置の動作の説明である。
次に、係数データMの生成方法について説明する。係数データMは、前述したように、教師画像から生成された低解像度画像の特徴成分D102Hと高解像度画像の特徴成分D103Hのペアの関係を近似する線形回帰モデルであり、予め学習を行って係数データ記憶部106に記憶させておく。
図12は、係数データの生成に用いられる装置(係数データ生成装置)を示す。
係数データの生成には、まず、画像縮小部401で、教師画像となる高解像度画像Dti(図13(a))を縮小し、縮小画像(低解像度画像)D401(図13(b))を生成する。縮小率は、画像拡大部101における拡大率と同じである。縮小は間引きによって行っても良く、平均化によって行っても良い。図13(b)の縮小画像D401の画素は、図13(a)の高解像度画像Dtiの画素のうちの黒丸で示される画素と同じ位置にある。
次に、パターン判別部307で、縮小画像D401の各画素に対してパターン判別を行ってパターン判別信号D307を出力する。パターン判別部307によるパターン判別は、図1のパターン判別部107における処理と同内容のものである。但し、パターン判別部107では、パッチの中心の画素に一致する画素を中心としてパターン判別が行われるが、パターン判別部307では、縮小画像D401のすべての画素が順次注目画素として選択され、該注目画素を中心とする3×3画素の領域についてパターン判別が行われる。
画像拡大部301は、縮小画像D401(図13(b))を拡大して低解像度拡大画像D301(図13(c))を生成する。画像拡大部301の処理は、図1の画像拡大部101の処理と同じである。図13(c)の拡大画像D301の画素のうち、黒丸で示される画素は、図13(b)に示される縮小画像D401の画素と同じ位置にある画素である。
特徴成分分離部302は、得られた低解像度拡大画像D301の各パッチの特徴成分を抽出する。即ち、特徴成分分離部302は、低解像度拡大画像D301のうち、それぞれ縮小画像D401の画素と同じ位置の画素(図13(c)に黒丸で示す)を中心とするNL×NL個の画素の大きさのパッチLPc(図3のLPcと同様のもの)の各々について、NL×NL個の画素の平均値tlMeanを求め、各々の画素の画素値から平均値tlMeanを減算することで得られるNL×NL個の差分値を特徴量とし、この特徴量を予め定められた順番で並べることで得られる列ベクトルを特徴成分D302Hとして出力する。以上の処理の結果、特徴成分D302Hは、縮小画像D401の各画素に対応して求められることになる。
特徴成分分離部402は、高解像度画像Dtiの各パッチの特徴成分を抽出する。即ち、特徴成分分離部402は、高解像度画像(教師画像)Dtiのうち、縮小画像D401の画素と同じ位置の画素(図13(a)に黒丸で示す)の各々を中心とするNL×NL個の画素から成るパッチTPc(図3のLPcと同じ大きさを有するもの)の各々について、NL×NL個の画素の平均値thMeanを求め、各々の画素の画素値から平均値thMeanを減算することで得られるNL×NL個の差分値を特徴量とし、この特徴量を予め定められた順番で並べることで得られる列ベクトルを、特徴成分D402Hとして出力する。以上の処理の結果、特徴成分D402Hは、縮小画像D401の各画素に対応して求められることになる。
特徴成分分離部302で特徴成分の分離を行ったパッチと、特徴成分分離部402で特徴成分の分離を行ったパッチとはともに、特徴成分分離部102で特徴成分の分離を行ったパッチと同じ大きさ(NL×NL)を有する。
縮小画像D401の同じ画素に対応して、特徴成分分離部302で特徴成分が求められたパッチと、特徴成分分離部402で特徴成分が求められたパッチとによってペア(パッチペア)が構成される。従って、パッチペアを構成する低解像度拡大画像D301のパッチLPcと高解像度画像DtiのパッチTPcとは、それらの中心に位置する画素が互いに同じ位置にある。
分類部403は、各ペアを構成するパッチの特徴成分D302H及びD402Hを互いに対応付け、各ペアを、当該ペアを構成するパッチの中心の画素についての、パターン判別部307によるパターン判別の結果(パターン判別信号D307の値)ごとに、分類(グループ分け)する。
分類の結果を表に纏めれば例えば図14に示す如くとなる。図14でパターン判別信号D307の欄には、パターン判別部107に関して説明したパターン判別信号D107(0から256までの値)が予め記入されている。
ペア番号欄には、判別信号の値に対応するペア番号(すべて「xx」で示すがその値は異なる)が記入されている。例えばあるペアについて、当該ペアを構成するパッチの中心に位置する画素についてパターン判別の結果、ある値を持つパターン判別信号D307が生成されたら、その値の欄に当該ペアの番号が記入される。ペアの番号として、ペアを構成するパッチの中心の画素の座標を表すデータを用いても良い。
このようなグループ分けの結果、判別信号の各値と、それに対応するペア番号が対応付けて記憶される。
以上、一つの教師画像Dtiが供給されて、それに対するパターン判別、パッチペアの形成及び分類を行う場合を想定して説明したが、複数の教師画像Dtiを順次供給して、パターン判別、パッチペアの形成、及び分類を行い、これらの処理の結果を分類部403に蓄積しても良い。
演算部404は、パターン判別信号D307の値が同じであるグループごとに、低解像度パッチと高解像度パッチの関係を近似するための係数データの値を線形回帰演算により導出する。この演算は式(10)で表される。
Figure 2015083396
ここで、行列Msは当該グループのパターン判別信号に対するNL×NL行NL×NL列の成分からなる係数データ、
Xtはグループ内の低解像度パッチ(特徴成分分離部302で特徴成分の分離を行ったパッチ)をベクトル化することで得られる、行数が(NL×NL)に等しく、列数がグループ内のパッチの数に等しい行列、即ち、図15に示すように、当該グループに分類されたペアを構成する低解像度パッチの特徴成分D302Hを構成するNL×NL個の特徴量、即ち差分値を列方向に並べ、異なるパッチについての特徴成分D302Hを行方向に並べた(異なる列に配置した)行列、
Ytはグループ内の高解像度パッチ(特徴成分分離部402で特徴成分の分離を行ったパッチ)をベクトル化することで得られる、行数が(NL×NL)に等しく、列数がグループ内のパッチの数に等しい行列、即ち、図16に示すように、当該グループに分類されたペアを構成する高解像度パッチの特徴成分D402Hを構成するNL×NL個の特徴量、即ち差分値を列方向に並べ、異なるパッチについての特徴成分D402Hを行方向に並べた(異なる列に配置した)行列、
λは予め定められた定数、
eye(NL×NL,NL×NL)はNL×NL行NL×NL列の単位行列である。
また、Xt、YtはそれぞれXt、Ytの転置行列である。
なお、各グループ内でパッチ数が(NL×NL)個に満たない場合は、Msとして単位行列を出力する。
係数データ抽出部405は、上記のようにして得られたNL×NL行NL×NL列の行列Msから、高解像度パッチHPcを構成するNH×NH個の画素に対応する要素(NH×NH個の画素の特徴成分D103Hの算出に用いられる要素)だけを取り出したNH×NH行NL×NL列の行列Mを抽出して、係数データ記憶部106に記憶させる。
図17に示すように、NL=5、NH=3の場合について、NH×NH行NL×NL列の行列Mの生成のため、NL×NL行NL×NL列の行列Msから取り出される行が図18に示されている。図17には、NL×NL個の画素から成るパッチ内の画素が符号P(1)〜P(25)で示される。符号P(1)〜P(25)のうち、括弧内の数値が画素に付与された番号である。図18において、行を表す符号R(1)〜R(25)のうち括弧内の数値が行の番号を表す。図18の行R(1)〜R(25)は、それぞれ画素P(1)〜(25)に対応する。
図17に示されるNL×NL個の画素から成るパッチLPcのうちの、高解像度パッチHPcを構成するNH×NH個の画素は、図17に示される太線HPcで囲まれた部分内の画素であり、図6のNH×NH個の画素Q(1)〜Q(9)に対応する。図18で取り出される行は、図6のNH×NH個の画素Q(1)〜Q(9)の算出に用いられる係数から成る行であり、NL×NL個の画素のうち、太線HPcで囲まれる領域内にある、画素P(7)、P(8)、P(9)、P(12)、P(13)、P(14)、P(17)、P(18)、P(19)に対応する行R(7)、R(8)、R(9)、R(12)、R(13)、R(14)、R(17)、R(18)、R(19)であり、これらの行は、図18には、左端に丸印が付してある。
以上の処理がパターン判別信号の257個の値の各々について行われ、係数データ記憶部106には、パターン判別信号の257個の値の各々に対応した係数データMが記憶される。
上記の係数データの生成方法は、高解像度化変換部103による変換が線形である場合についてのものであるが、非線形である場合についても公知の最適化手法を用いて係数データを算出することが可能である。
以上が係数データの生成方法の説明である。
次に実施の形態1の画像処理装置による効果を説明する。
実施の形態1の画像処理装置では、パッチ毎に行う高解像度化変換処理において、パターン判別部107が入力画像Dinの局所領域のパターンを判別し、係数データ選択部108がパターン別に記憶された係数データの中から、パターン判別信号D107に応じた係数データを選択するようにした。
これにより、従来のように、1パッチ毎の学習データベースの探索のために、探索ベクトルの次元数分の類似度計算を行う必要がなく、各パッチについて、入力画像Dinの局所領域の画素群からパターン判別信号D107を生成し、生成したパターン判別信号D107により係数データを選択すればよい。従って、回路規模を削減することができる。
また、パターン判別部107のLBP算出部202において、局所二値パターン(LBP)を使ってパターン判別するようにした。このため、注目画素の近傍8画素の画素値と平均値AVEの比較演算だけでパターン番号Pnumを決定することが可能であり、パターン番号Pnumの決定に必要な回路規模を削減できる。
また、パターン判別にLBPを用いることで、係数データ記憶部106は、256通りのパターン番号Pnumに対応する係数データと、平坦判定信号Flatが「1」である場合に対応する係数データの合計257組の係数データを保持すればよく、学習データベースに大量の数のパッチを蓄える必要がないので、メモリ容量を削減できる。
さらに、パターン判別部107の平坦判定部203において、注目画素の近傍8画素の画素値と平均値AVEの差分絶対値の平均diffを算出し、予め設定した閾値sigと比較することにより平坦判定を行い、パッチが平坦であると判定された場合には、高解像度化変換部103において画素値の大きな変更が行われないようにした。
これにより、注目パッチにノイズが混入し、差分絶対値の平均diffが閾値sig未満である場合には平坦と判定され、高解像度化変換部103での処理が行われないため、ノイズのパターンによる影響を受けた、係数データの誤選択(本来参照すべきものとは異なるものの選択)により生じる画質劣化を防止することができる。
とくにパターン判別にLBPを用いる場合、従来の方法では、ノイズ耐性が低いという欠点があった。LBP算出では、注目画素の近傍8画素の画素値と平均値AVEの差分値の大きさにかかわらずその大小のみでパターンを決定するため、画素値の変化が小さく平坦な領域であってもノイズのパターンを特定のパターンとして判別してしまう。この場合、高解像度化変換部103で実際のパターンとは異なるノイズのパターンを強調する処理が行われ、画質が劣化する。
これに対して、画素値の変化が小さい領域を平坦領域と判定し、平坦領域では高解像度化変換部103において画素値の大きな変更が行われないようにすることで、LBPを用いる場合の回路規模、メモリ容量が小さいという利点を保ちつつ、ノイズのパターンを強調することによる画質劣化を多くの場合で回避することができる。これによりノイズへの耐性が向上する。
以上本発明を画像処理装置として説明したが、画像処理装置で実施される画像処理方法もまた本発明の一部を成す。上記の画像処理装置を構成する要素の一部又は全部、或いは上記画像処理方法における処理の一部又は全部は、ソフトウェアにより、即ちプログラムされたコンピュータによって実現することができる。
以上で説明したように、本発明によれば、回路規模、メモリ容量を削減しつつ、ノイズへの耐性を向上させて、ハードウェア化に適した高品質な高解像度化を行うことができる。
101 画像拡大部、 102 特徴成分分離部、 103 高解像度化変換部、 104 特徴成分合成部、 105 パッチ平均化部、 106 係数データ記憶部、 107 パターン判別部、 108 係数データ選択部、 201 平均部、 202 LBP算出部、 203 平坦判定部、 204 パターン判別信号生成部、 301 画像拡大部、 302 特徴成分分離部、 307 パターン判別部、 401 画像縮小部、 402 特徴成分分離部、 403 分類部、 404 演算部、 405 係数データ抽出部。

Claims (9)

  1. 入力画像を拡大し低解像度拡大画像を生成する画像拡大部と、
    前記低解像度拡大画像をそのパッチごとに低解像度の特徴成分と非特徴成分に分離する特徴成分分離部と、
    前記低解像度の特徴成分を高解像度の特徴成分に変換する高解像度化変換部と、
    前記高解像度の特徴成分と前記非特徴成分を合成して高解像度パッチを生成する特徴成分合成部と、
    各画素について1つ以上の前記高解像度パッチの値を平均化することで出力画像を生成するパッチ平均化部と、
    複数の互いに異なるパターンにそれぞれ対応する複数組の係数データを記憶する係数データ記憶部と、
    前記入力画像のうちの前記低解像度拡大画像のパッチに対応する局所領域のパターンを判別し、判別結果を示すパターン判別信号を出力するパターン判別部と、
    前記係数データ記憶部に記憶されている複数組の係数データから前記パターン判別信号に応じた組の係数データを選択して出力する係数データ選択部とを有し、
    前記高解像度化変換部は、前記係数データ選択部で選択された前記係数データを用いて、前記低解像度の特徴成分を前記高解像度の特徴成分に変換する
    ことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記パターン判別部は、前記入力画像の局所領域のパターンが平坦であるかどうかを判定する平坦判定部を備え、
    前記係数データ選択部は、前記平坦判定部の判定結果に応じて前記係数データの選択を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記平坦判定部の判定結果が平坦である場合に選択される前記係数データは、前記高解像度化変換部における変換で画素値の大きな変更が行われないような係数データであることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記パターン判別部は、前記入力画像の局所領域のパターンが平坦であるかどうかを判定する平坦判定部を備え、
    前記高解像度化変換部は、
    前記平坦判定部の判定結果が平坦でないことを示す場合には前記係数データを用いて前記低解像度の特徴成分を変換したものを前記高解像度の特徴成分として出力し、
    前記平坦判定部の判定結果が平坦であることを示す場合には前記係数データを用いず、前記低解像度の特徴成分の全部または一部をそのまま前記高解像度の特徴成分として出力する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  5. 前記パターン判別部は、
    前記入力画像のうちの前記低解像度拡大画像のパッチの中心に対応する位置の画素を注目画素として、前記注目画素を中心とする局所領域の画素の画素値の平均値を求める平均部と、
    前記注目画素の周辺画素の画素値と前記平均値を比較し、各画素についての比較の結果の組合せを表すパターン番号を生成するLBP算出部と、
    前記注目画素の周辺画素の画素値と前記平均値の差分絶対値の平均が予め定められた閾値よりも小さいか否かに基づいて当該領域が平坦かどうかを判定して平坦判定信号を出力する平坦判定部と、
    前記パターン番号と前記平坦判定信号からパターン判別信号を生成するパターン判別信号生成部とを有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  6. 前記パターン判別部は、
    前記入力画像のうちの前記低解像度拡大画像のパッチの中心に対応する位置の画素を注目画素として、前記注目画素を中心とする局所領域の画素の画素値の平均値を求める平均部と、
    前記注目画素の周辺画素の画素値と前記平均値を比較し、各画素についての比較の結果の組合せを表すパターン番号を前記パターン判別信号として出力するLBP算出部と、
    前記注目画素の周辺画素の画素値と前記平均値の差分絶対値の平均が予め定められた閾値よりも小さいか否かに基づいて当該領域が平坦かどうかを判定して平坦判定信号を出力する平坦判定部とを有し、
    前記高解像度化変換部は、前記平坦判定信号を受けて、
    前記平坦判定信号が平坦でないことを示す場合には前記係数データを用いて前記低解像度の特徴成分を変換したものを前記高解像度の特徴成分として出力し、
    前記平坦判定信号が平坦であることを示す場合には前記係数データを用いず、前記低解像度の特徴成分の全部または一部をそのまま前記高解像度の特徴成分として出力する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  7. 前記特徴成分分離部により分離される前記非特徴成分は、当該パッチを構成する画素の画素値の平均値であり、前記特徴成分分離部により分離される前記低解像度の特徴成分は、当該パッチを構成する画素の画素値の、前記平均値に対する差分で構成されることを特徴とする請求項1から6までのいずれかに記載の画像処理装置。
  8. 前記特徴成分合成部は、前記非特徴成分を前記特徴成分に加算することで前記合成を行うことを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
  9. 入力画像を拡大し低解像度拡大画像を生成する画像拡大ステップと、
    前記低解像度拡大画像をそのパッチごとに低解像度の特徴成分と非特徴成分に分離する特徴成分分離ステップと、
    前記低解像度の特徴成分を高解像度の特徴成分に変換する高解像度化変換ステップと、
    前記高解像度の特徴成分と前記非特徴成分を合成して高解像度パッチを生成する特徴成分合成ステップと、
    各画素について1つ以上の前記高解像度パッチの値を平均化することで出力画像を生成するパッチ平均化ステップと、
    前記入力画像のうちの前記低解像度拡大画像のパッチに対応する局所領域のパターンを判別し、判別結果を示すパターン判別信号を出力するパターン判別ステップと、
    係数データ記憶部に、複数の互いに異なるパターンにそれぞれ対応して記憶されている複数組の係数データから、前記パターン判別信号に応じた組の係数データを選択して出力する係数データ選択ステップとを有し、
    前記高解像度化変換ステップは、前記係数データ選択ステップで選択された前記係数データを用いて、前記低解像度の特徴成分を前記高解像度の特徴成分に変換する
    ことを特徴とする画像処理方法。
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