JPWO2015060070A1 - 器官画像撮影装置 - Google Patents

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Abstract

器官画像撮影装置(1)は、撮像部(3)と、輪郭線抽出部(6)と、検出部(7)とを備えている。撮像部(3)は、生体の器官を撮影して画像を取得する。輪郭線抽出部(6)は、撮像部(3)にて取得された画像から、器官の輪郭線を抽出する。検出部(7)は、輪郭線抽出部(7)によって抽出された器官の輪郭線、または上記輪郭線の一部と近似する近似曲線を算出し、輪郭線と近似曲線との相関度に基づいて、輪郭線の凹凸を検出する。

Description

本発明は、生体の器官を撮影して得られる画像から、器官の輪郭線の凹凸を検出する器官画像撮影装置に関するものである。
東洋医学においては、人間の舌の状態を観察することにより、健康状態や病状を診断する診断手法(舌診)が知られている。舌診では、舌の色と形をもとに体調や健康度を判断している。
舌診における診断項目の一つに、舌の周縁部にできる歯痕の有無がある。細胞内の水分代謝が悪くなると、舌が膨張し、舌の周縁部が歯に当たって歯痕ができる。この代謝が悪い状態を、東洋医学では水滞と言い、循環器系や消化器系の不調により発症すると言われている。不調の状態が進行すると、めまい、だるさ、頭痛などの症状に繋がる。
これらの診断は、専門の医師が実施しているが、経験や勘に頼っているため、個人差があり、客観性に乏しい。また、過去の状態の記憶もあいまいで、客観的な状態の変化を捉えることができない。
これを解決するため、デジタルカメラを用いて被写体を撮影し、撮影画像からその特徴を数値化して記録、診断するシステムが提案されている。例えば、特許文献1では、舌の撮影画像から舌の重心を求め、その重心から舌の輪郭線上の点までの距離を、輪郭線上の複数の点についてそれぞれ算出し、隣り合う2つの距離の差分の総和を算出する。そして、差分の総和が大きい場合には、歯痕があってその程度が大きいと判断し、差分の総和が小さい場合には、歯痕がほとんどなくその程度が小さいと判断するようにしている。
また、特許文献2では、二値化された舌画像を複数のスキャンラインでスキャンし、舌の輪郭を示すピークの幅が、スキャンラインによって不規則に変化するか否かを見ることで、歯痕の有無を検出するようにしている。つまり、舌に歯痕がない場合には、上記ピークの幅(舌の輪郭の陰影の幅)がスキャンラインによらず略一定となるが、歯痕がある場合、歯痕は表面の陰影によって黒く現れることから、上記ピークの幅がスキャンラインによって不規則に変化する。したがって、上記ピークの幅の変化を検出することにより、歯痕の有無を検出することができる。
特開2005−137756号公報(段落〔0075〕〜〔0078〕、図6、図7等参照) 特開2009−28058号公報(段落〔0050〕〜〔0051〕、図7等参照)
ところで、舌の外形形状には、細い/太い、丸い/四角い、などの個人差があり、舌の重心から輪郭線上の点までの距離は、歯痕の有無のみならず、舌の外形形状によっても変化する。このため、特許文献1の手法では、舌の外形形状によって計測値(隣接する2つの距離の差分)が変化することになり、歯痕を精度よく検出できるとは必ずしも言えない。
また、舌の表面に陰影ができるのは、舌に重度の歯痕がある場合(輪郭線の凹凸が大きい場合)であり、軽度の歯痕がある場合(輪郭線の凹凸が小さい場合)は舌の表面に陰影が付かない。したがって、陰影を利用して歯痕を検出する特許文献2の手法では、舌に軽度の歯痕のみが存在する場合に、その歯痕を検出することができず、歯痕の検出精度が低下する。
歯痕に基づく診断、つまり、器官の輪郭線の凹凸に基づく診断の精度を向上させるためには、器官の外形形状によらずに、また、輪郭線に小さい凹凸のみが存在する場合でも、輪郭線の凹凸を精度よく検出できるようにすることが望まれる。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、器官の外形形状に関係なく、また、輪郭線に小さい凹凸のみが存在する場合でも、輪郭線の凹凸を精度よく検出することができる器官画像撮影装置を提供することにある。
本発明の一側面に係る器官画像撮影装置は、生体の器官を撮影して画像を取得する撮像部を備えた器官画像撮影装置であって、前記撮像部にて取得された前記画像から、前記器官の輪郭線を抽出する輪郭線抽出部と、前記輪郭線抽出部によって抽出された前記器官の輪郭線、または前記輪郭線の一部と近似する近似曲線を算出し、前記輪郭線と前記近似曲線との相関度に基づいて、前記輪郭線の凹凸を検出する検出部とを備えている。
上記構成によれば、器官の輪郭線と近似曲線との相関度に基づいて輪郭線の凹凸を検出することにより、器官の外形形状に関係なく、また、輪郭線に小さい凹凸のみが存在する場合でも、輪郭線の凹凸を精度よく検出することができる。
本発明の実施の一形態に係る器官画像撮影装置の外観を示す斜視図である。 上記器官画像撮影装置の概略の構成を示すブロック図である。 上記器官画像撮影装置の輪郭線抽出部で使用されるエッジ抽出フィルタの一例を示す説明図である。 上記器官画像撮影装置における撮影対象の照明角度を示す説明図である。 上記輪郭線抽出部によって抽出された舌の輪郭線を複数の多項式で近似した例を示す説明図である。 外形形状の異なる複数の舌の各々についての輪郭線と近似曲線とを示す説明図である。 歯痕がある舌の撮影画像を示す説明図である。 図7の撮影画像から抽出した舌の輪郭線を示す説明図である。 図8の舌の輪郭線およびその近似曲線と、近似曲線の多項式および決定係数R2とを示す説明図である。 図8の舌の輪郭線と近似曲線とのy座標の差をプロットして示す説明図である。 複数人の舌を漢方医が診断したときの実際の所見と、相関度との関係を示す説明図である。 漢方医の所見と決定係数または座標値差の最大値との関係を示すグラフである。 漢方医の所見と座標値差の総和との関係を示すグラフである。 上記器官画像撮影装置における動作の流れを示すフローチャートである。 本発明の他の実施の形態に係るものであって、舌の撮影画像の他の例を示す説明図である。 舌の輪郭線(先端部を含む)とその近似曲線とを示す説明図である。 舌の輪郭線の一部(先端部を除く)と、その近似曲線とを示す説明図である。
<実施の形態1>
本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本明細書において、数値範囲をA〜Bと表記した場合、その数値範囲に下限Aおよび上限Bの値は含まれるものとする。
〔器官画像撮影装置の全体構成〕
図1は、本実施形態の器官画像撮影装置1の外観を示す斜視図であり、図2は、器官画像撮影装置1の概略の構成を示すブロック図である。器官画像撮影装置1は、生体の器官を含む撮影対象を撮影して、撮影対象の診断に必要な情報を抽出するものである。上記の撮影対象には、生体の器官(例えば舌、眼)およびその周縁部(例えば舌の周辺、眼の下)が含まれる。以下では、例として、撮影対象が生体の器官としての舌である場合を示す。
器官画像撮影装置1は、照明部2、撮像部3、表示部4、操作部5、輪郭線抽出部6、検出部7、記憶部8、通信部9および制御部10を備えている。照明部2は筐体21に設けられており、照明部2以外の構成(例えば撮像部3、表示部4、操作部5)は、筐体22に設けられている。筐体21と筐体22とは相対的に回転可能に連結されているが、必ずしも回転は必要ではなく、一方が他方に完全に固定されていてもよい。なお、照明部2とそれ以外の構成とは、単一の筐体に設けられていてもよい。また、器官画像撮影装置1は、多機能携帯情報端末で構成されてもよい。
照明部2は、撮影対象を上方より照明する照明器で構成されている。照明部2の光源としては、色再現性を向上するため、例えばキセノンランプなどの昼光色を発光するものを用いている。光源の明るさは、撮像部3の感度や撮影対象までの距離により異なるが、一例としては、撮影対象の照度が1000〜10000lxとなるような明るさを考えることができる。照明部2は、上記の光源の他に、点灯回路や調光回路を有しており、制御部10からの指令によって点灯/消灯および調光が制御される。
撮像部3は、照明部2による照明下で、生体の器官を撮影して画像を取得するものであり、撮像レンズとエリアセンサ(撮像素子)とを有している。撮像レンズの絞り(レンズの明るさ)、シャッター速度、焦点距離は、撮影対象の全ての範囲に焦点が合うように設定されている。一例としては、Fナンバー:16、シャッター速度:1/120秒、焦点距離:20mmである。
エリアセンサは、例えばCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)のような撮像素子で構成されており、撮影対象の色および形状を十分に検出できるように、感度や解像度などが設定されている。一例としては、感度:60db、解像度:1000万画素である。
撮像部3による撮影は、制御部10によって制御されている。また、撮像部3は、撮像レンズやエリアセンサの他にも、不図示のフォーカス機構、絞り機構、駆動回路およびA/D変換回路などを有しており、制御部10からの指令により、フォーカスや絞りの制御、A/D変換などが制御される。撮像部3では、撮影画像のデータとして、赤(R)、緑(G)、青(B)のそれぞれについて、例えば8ビットで0〜255のデータが取得される。
表示部4は、不図示の液晶パネル、バックライト、点灯回路および制御回路を有しており、制御部10からの指令により、撮像部3での撮影によって取得される画像を表示する。また、表示部4は、通信部9を介して外部から取得した情報(例えば外部の医療機関に情報を送信して診断された結果)を表示することもできる。
操作部5は、撮像部3による撮影を指示するための入力部であり、OKボタン(撮影実行ボタン)5aおよびCANCELボタン5bで構成されている。本実施形態では、表示部4および操作部5を、共通のタッチパネル表示装置11で構成し、タッチパネル表示装置11における表示部4の表示領域と操作部5の表示領域とを別々にしている。なお、操作部5は、タッチパネル表示装置11以外の入力部で構成されてもよい(タッチパネル表示装置11の表示領域外の位置に操作部5を設けてもよい)。
輪郭線抽出部6は、撮像部3にて取得された画像から、器官の輪郭線を抽出するものである。本実施形態では、輪郭線抽出部6は、撮影画像の輝度エッジ(画像の中で急激に明るさが変化している部分)に基づいて、器官としての舌の輪郭線を抽出する。
輝度エッジの抽出は、例えば図3に示すようなエッジ抽出フィルタを用いて行うことができる。エッジ抽出フィルタは、1次微分をするときに(隣接画素間で画像データの差分をとるときに)、注目画素の近傍の画素に重みを付けるフィルタである。このようなエッジ抽出フィルタを用い、例えば、撮影画像の各画素の緑色の画像データについて、注目画素と近傍画素とで画像データの差分を取り、その差分値が所定の閾値を超える画素を抽出することで、輝度エッジとなる画素を抽出できる。舌の周囲には、その影に起因する輝度差が存在するため、上記のように輝度エッジとなる画素を抽出することにより、舌の輪郭線を抽出することができる。なお、ここでは、輝度への影響が最も大きい緑色の画像データを演算に用いているが、赤色や青色の画像データを用いてもよい。
検出部7は、不図示の演算部を有しており、表示部4に表示された画像、つまり、撮像部3にて取得された画像から、診断に必要な情報を検出する。特に、本実施形態では、検出部7は、撮影画像から舌の輪郭線の凹凸を検出することにより、舌の歯痕を検出するが、その詳細については後述する。
記憶部8は、撮像部3にて取得した画像のデータ、輪郭線抽出部6および検出部7にて得られた情報、外部から受信した情報などを記憶するメモリである。通信部9は、上記の画像データや情報を、通信回線(有線や無線を含む)を介して外部に送信したり、外部からの情報を受信するためのインターフェースである。制御部10は、器官画像撮影装置1の各部の動作を制御するものであり、例えばCPU(Central Processing Unit)と、各部を制御するためのプログラムを格納するメモリとを有して構成されている。
〔照明部および撮像部の配置例〕
図4は、器官画像撮影装置1における撮影対象の照明角度を示す説明図である。同図に示すように、撮像部3は、撮影対象(舌や顔)に正対して配置されている。照明部2は、撮影対象を通る撮像部3の撮影光軸Xに対して、例えば0°〜45°の角度Aで撮影対象を照明するように配置されている。なお、撮影光軸Xとは、撮像部3が有する撮像レンズの光軸を指す。
ここで、照明時の角度Aが大きいと、上唇の影により、舌を撮影できる範囲が小さくなる。逆に、角度Aが小さいと、正反射による色とびが大きくなる。以上のことを考慮すると、照明時の角度Aの好ましい範囲は、15°〜30°である。
〔輪郭線の凹凸の検出について〕
次に、検出部7による舌の輪郭線の凹凸の検出の詳細について説明する。検出部7は、輪郭線抽出部6によって撮影画像から抽出された舌の輪郭線と近似する近似曲線を算出し、輪郭線と近似曲線との相関度に基づいて、輪郭線の凹凸を検出する。なお、上記の近似曲線の算出は、一般的な方法(例えば最小二乗法)を用いて行うことができる。
図5は、輪郭線抽出部6によって抽出された舌の輪郭線の下半分を、最小二乗法を用いて多項式で近似した例を示している。なお、図中の実線は、抽出された舌の輪郭線を示し、破線は、多項式からなる近似曲線を示している。また、近似曲線の係数において、「E−n」の表記は、×10-nであることを示す(他の図面でも同じ)。同図より、近似曲線として2次以上の多項式を用いることにより、舌の輪郭線と近似曲線との相関度を示す決定係数R2(詳細は後述する)として0.94以上が得られ、多項式の次数を2次、3次、4次と増やすにつれて、決定係数R2が増大し、近似曲線が輪郭線に近づくことがわかる。
ここで、図5の各近似曲線は、最大次数が同じ多項式のうちで、輪郭線との相関度が最も高くなる多項式で表されている。例えば、同図中の2次の近似曲線は、2次式で表される複数の多項式のうちで、輪郭線との相関度(決定係数R2)が最も高くなるときの多項式で表されている。したがって、図5の例では、輪郭線に近似する近似曲線として、決定係数R2が0.9475よりも大きくなるような2次の近似曲線は存在しない。同様に、決定係数R2が0.9495よりも大きくなるような3次の近似曲線は存在せず、決定係数R2が0.9942よりも大きくなるような4次の近似曲線は存在しない。
本願発明者は、多くのサンプル画像の解析より、近似曲線として4次以上の多項式を用いることにより、舌の外形形状に個人差があっても、個々の舌の外形をほぼ近似できることを見い出した。図6は、様々な形の舌について、その輪郭線を4次式からなる近似曲線で近似した例を示している(実線は輪郭線を示し、破線は近似曲線を示す)。同図において、舌の輪郭線と、その近似曲線(4次式)との相関度を示す決定係数R2は、丸い舌、四角い舌、三角の舌のいずれについても0.99より大きい。したがって、4次式からなる近似曲線で舌の輪郭線を近似することにより、舌の外形形状に個人差があっても、ほとんどの形について、舌の外形を近似できると言える。
一方、図7は、歯痕がある舌の撮影画像を示している。舌の左側部のA部および右側部のB部に歯痕が見られる。このうち、A部の歯痕は重度である(凹凸が大きい)ため、舌の表面に陰影Pが現れている。一方、B部の歯痕は軽度である(表面の凹凸が小さい)ため、舌の表面に陰影が現れていない。したがって、陰影を利用して歯痕の有無を判断する従来(特許文献2)の方法では、B部のような軽度の歯痕を検出することができず、歯痕の検出精度が低下する。
図8は、図7の舌の撮影画像から抽出した舌の輪郭線を示している。図7のA部およびB部に相当する箇所(便宜的に図7と同じA部およびB部の表記を用いる)に、滑らかでない凹凸が見られるほか、C部にも凸部が見られる。この例では、対象者が健康であり、A部およびB部の歯痕が見られない場合にも、C部の凸部は見られるため、この凸部は歯痕によるものではなく、本来の舌の外形形状により発生したものと言える。舌の輪郭線上の点と舌の重心との距離同士の差分値に基づいて輪郭線自身の凹凸を計測する従来(特許文献1)の方法では、このようなC部でも差分値が変化するため、歯痕のない正常な舌であっても、歯痕が生じていると誤って判断されるおそれがあり、歯痕の検出精度が低下すると考えらえる。
そこで、本実施形態では、舌の輪郭線を近似曲線で近似し、輪郭線と近似曲線との相関度に基づいて、輪郭線の凹凸(滑らかさ)を検出し、それによって舌の歯痕を検出するようにしている。近似曲線は細かい凹凸の無い滑らかな曲線であるため、輪郭線がこの近似曲線に近いほど、滑らかで歯痕が少ないと言える。すなわち、輪郭線と近似曲線との相関度が高いほど、歯痕が少なく、相関度が低いほど歯痕が多いことになる。
ここで、2者の相関度を表す指標としては、いくつか提案されているが、本願発明者は、以下の3つの指標が、漢方医の診断結果と良好に一致する相関度を表すことを確認した。
相関度を表す第1の指標は、以下の式で表わされる決定係数R2である。
2=1−{(Σ(yi−fi)2)/(Σ(yi−Y)2)}
ただし、
i :xy平面上で、輪郭線または近似曲線の一端部のx座標をjとし、他端部のx座標をkとしたときの、jからkまでのいずれかの値
yi:xy平面上で、輪郭線上の点のx座標iにおけるy座標の値
fi:xy平面上で、近似曲線上の点のx座標iにおけるy座標の値
Y :輪郭線上の全ての点についてのyiの平均値
である。なお、i,j,kは、いずれも整数であり、j<kであり、j≦i≦kである。また、Σ(yi−fi)2は、iをjからkまで変化させたときの(yi−fi)2の総和を指し、Σ(yi−Y)2は、iをjからkまで変化させたときの(yi−Y)2の総和を指す。
図9は、図8の舌の輪郭線およびその近似曲線と、近似曲線を表す多項式と、決定係数R2とを示している。近似曲線は、最小二乗法によって求められ、以下の多項式で表されている。このときの決定係数R2は、0.9942である。
y=5×10-7・x4+6×10-6・x3+2×10-3・x2+6.29×10-2・x+21.213
歯痕が重度である(輪郭線の凹凸が大きい)A部においても、歯痕が軽度である(輪郭線の凹凸が小さい)B部においても、輪郭線と近似曲線との差が決定係数R2に反映される。したがって、決定係数R2に基づいて歯痕を検出する手法を用いると、仮に、歯痕が軽度の歯痕のみである場合でも、決定係数R2に基づいて、その軽度の歯痕を検出することが可能となり、歯痕の検出精度を向上させることができる。
相関度を表す第2の指標は、輪郭線と近似曲線とにおける座標値(y座標)の差に基づいて得られる値であって、|yi−fi|の最大値(以下では「座標値差の最大値」とも言う)である。ただし、
i :xy平面上で、輪郭線または近似曲線の一端部のx座標をjとし、他端部のx座標をkとしたときの、jからkまでのいずれかの値
yi:xy平面上で、輪郭線上の点のx座標iにおけるy座標の値
fi:xy平面上で、近似曲線上の点のx座標iにおけるy座標の値
である。なお、i,j,kは、いずれも整数であり、j<kであり、j≦i≦kである。
図10は、図8の舌の輪郭線とその近似曲線(xy多項式)とでのy座標の差(|yi−fi|)をプロットしたグラフである。歯痕が重度であるA部においても、歯痕が軽度であるB部においても、|yi−fi|の値が歯痕のない部位に比べて大きくなる。したがって、仮に、歯痕が軽度の歯痕のみである場合でも、|yi−fi|の最大値を検出することで、その値に基づいて軽度の歯痕を検出することが可能となり、歯痕の検出精度を向上させることができる。
相関度を表す第3の指標は、輪郭線と近似曲線とにおける座標値(y座標)の差に基づいて得られる値であって、以下の式で表される係数Aである。すなわち、
A=Σ|yi−fi|
ただし、
i :xy平面上で、輪郭線または近似曲線の一端部のx座標をjとし、他端部のx座標をkとしたときの、jからkまでのいずれかの値
yi:xy平面上で、輪郭線上の点のx座標iにおけるy座標の値
fi:xy平面上で、近似曲線上の点のx座標iにおけるy座標の値
である。なお、i,j,kは、いずれも整数であり、j<kであり、j≦i≦kである。また、Σ|yi−fi|は、iをjからkまで変化させたときの|yi−fi|の総和(以下では「座標値差の総和」とも言う)を指す。
座標値差の最大値の代わりに、座標値差の総和を用いることにより、細かな歯痕の影響を正確に反映した歯痕検出を行うことができ、歯痕の検出精度をさらに向上させることができる。
なお、相関度として、座標値差の総和の逆数、すなわち、1/(Σ|yi−fi|)の値を用いてもよい。
図11は、6人の舌をサンプルA〜Fとし、それぞれの舌を漢方医が診断したときの実際の所見と、上述の相関度(決定係数R2、座標値差の最大値、座標値差の総和)との関係を示している。また、図12は、図11の漢方医の所見と決定係数R2または座標値差の最大値との関係をグラフで示したものであり、図13は、図11の漢方医の所見と座標値差の総和との関係をグラフで示したものである。なお、漢方医の所見は3段階とし、レベル1:歯痕が軽度、レベル2:歯痕が軽度と重度との中間の状態、レベル3:歯痕が重度、とした。
図12より、相関度を示す決定係数R2または座標値差の最大値と、漢方医の所見との間には、相関関係があることがわかる。より詳しくは、決定係数R2と漢方医の所見との間には、負の相関があり、決定係数R2が高いほど、所見がレベル1に近づき(歯痕が軽度であり)、決定係数R2が低いほど、所見がレベル3に近づく(歯痕が重度である)ことがわかる。一方、座標値差の最大値と漢方医の所見との間には、正の相関があり、座標値差の最大値が高いほど、所見がレベル3に近づき(歯痕が重度であり)、座標値差の最大値が低いほど、所見がレベル1に近づく(歯痕が軽度である)ことがわかる。また、図13より、座標値差の総和と漢方医の所見との間にも正の相関があり、座標値差の総和が高いほど、所見がレベル3に近づき、座標値差の総和が低いほど、所見がレベル1に近づくことがわかる。
ちなみに、図12から、決定係数R2と所見との相関度を示す相関係数Rは−0.82であった(マイナスは負の相関であることを示す)。同様に、座標値差の最大値と所見との相関度を示す相関係数Rは0.60であり、座標値差の総和と所見との相関度を示す相関係数Rは0.75であった。このことから、相関度として、座標値差の最大値を用いれば、漢方医の所見に近い結果を得ることができ、座標値差の総和を用いれば、さらに漢方医の所見に近い結果を得ることができ、決定係数R2を用いれば、漢方医の所見に最も近い結果を得ることができると言える。なお、上記の相関係数Rは、決定係数、座標値差の最大値または座標値差の総和を標本値yiとし、回帰直線上の点を推定値fiとして、上述した決定係数R2の式で演算し、その平方根をとったものに等しい。
複数のサンプルについて、漢方医の所見と相関度との関係を図11のようなテーブルとしたり、図12または図13のようなグラフとして記憶部8に記憶しておけば、検出部7は、相関度に基づいて歯痕を検出するとともに、記憶部8の情報(相関度に対応する所見)をもとに歯痕の程度(例えば重度か軽度か)を判断することができる。
〔制御フロー〕
図14は、本実施形態の器官画像撮影装置1における動作の流れを示すフローチャートである。器官画像撮影装置1は、操作部5または不図示の入力部により、撮影指示を受け付けると、制御部10は照明部2を点灯させ(S1)、撮影条件の設定を行う(S2)。撮影条件の設定が終了すると、制御部10は撮像部3を制御して撮影対象である舌を撮影する(S3)。
撮影が終了すると、輪郭線抽出部6は、舌の撮影画像から舌の輪郭線を抽出する(S4)。そして、検出部7は、抽出された輪郭線から、これに近似する近似曲線を最小二乗法により算出し(S5)、輪郭線と近似曲線との相関度(決定係数R2または座標値差に基づく値)を演算する(S6)。なお、近似曲線の算出と相関度の演算とは、同時に行ってもよい。つまり、S5にて、相関度を演算しながら、その相関度が最も高くなるような近似曲線を算出するようにしてもよい。
そして、検出部7は、記憶部8に記憶されたテーブルを参照して、S6にて求めた相関度から歯痕(輪郭線の凹凸)の有無およびその程度(度合い)を検出する(S7)。これにより、検出部7は、その検出結果に基づいて使用者の健康度を診断することが可能となる。なお、検出した結果を数値化して外部に送信し、外部にて使用者の健康度を診断するようにしてもよい。歯痕の検出結果や使用者の健康度の診断結果は、表示部4に表示されるが、必要に応じて図示しない出力装置に出力(記録)されたり、通信部9を介して外部に転送される(S8)。
以上のように、検出部7は、輪郭線抽出部6によって抽出された舌の輪郭線と近似する近似曲線を算出し、輪郭線と近似曲線との相関度に基づいて、輪郭線の凹凸を検出する。近似曲線は、舌の輪郭線と近似していることで、舌の外形形状を反映している(図6参照)。このため、輪郭線と近似曲線との相関度に基づいて輪郭線の凹凸を検出することにより、舌の外形形状がどのような形状であっても、個々の形状ごとに近似曲線を基準として輪郭線の凹凸を検出でき、舌の外形形状によらずに輪郭線の凹凸を精度よく検出することができる。また、舌の輪郭線に小さい凹凸のみが存在する場合でも、そのような凹凸を加味して相関度が決定されるため、そのような相関度に基づいて上記の凹凸も精度よく検出することができる。
このように、器官の外形形状に関係なく、また、輪郭線に小さい凹凸のみが存在する場合でも、輪郭線の凹凸を精度よく検出できるので、輪郭線の凹凸に基づく診断の精度を向上させることができる。
また、上記の近似曲線は、最大次数が同じ多項式のうちで、輪郭線との相関度が最も高い多項式で表されているので、最大次数が同じ多項式のうちで、輪郭線に最も近い近似曲線を基準として、輪郭線の凹凸をさらに精度よく検出することができる。
また、撮影対象の器官が舌である場合に、検出部は、輪郭線の凹凸を検出することによって、舌の歯痕を検出するので、舌の外形形状に関係なく、また、歯痕が軽度のもののみであっても、その歯痕を精度よく検出することができる。
また、近似曲線が4次以上の多項式で表されることにより、器官の外形がどのような形状であっても、器官の輪郭線を近似曲線で確実に近似できる。これにより、器官の輪郭線と近似曲線との相関度に基づく輪郭線の凹凸の検出精度を確実に向上させることができる。
また、相関度として、上述した決定係数R2や座標値の差に基づく値(|yi−fi|の最大値または総和)を用いることにより、輪郭線と近似曲線との相関関係を適切に示すことができる。これにより、相関度に基づいて輪郭線の凹凸の検出精度を向上させる本実施形態の効果を確実に得ることができる。
<実施の形態2>
次に、本発明の他の実施の形態について、図面に基づいて説明する。本実施形態では、実施の形態1と異なる部分のみ説明する。
図15は、舌の撮影画像の他の例を示している。同図に示すように、舌の先端部の形状としては、舌の先端が尖ったV字型や、舌の先端が左右方向に2つに割れたW字型などがある。個人差もあるが、一般に緊張して舌に力が入ると、舌の先端部はV字型の形状になりやすい。また、舌の内部にある内舌筋は、舌の中心を縦に伸びた舌中隔を境として左右に分かれている。それらの舌筋の発達が良いと、舌の先端部はW字型の形状になりやすい。
図16は、例として、舌の先端部がW字型の形状である場合の舌の輪郭線とその近似曲線とを示している。なお、上記の近似曲線は、抽出した舌の輪郭線の下半分(先端部を含む)を、4次の多項式で近似したものである。図16では、舌の輪郭線を実線で示し、その近似曲線を破線で示す。このときの近似曲線(近似式)は、以下の通りである。
y=4×10-6・x4−1.4×10-3・x3+2.063×10-1・x2−13.596・x+364.27
舌の輪郭線(実線)と近似曲線(破線)との乖離は、舌の左右にある、検出すべき歯痕部(図16のE部)だけでなく、W字型の先端部(図16のG部)にも存在する。このため、舌の先端部を含む輪郭線を近似曲線で近似すると、輪郭線と近似曲線との相関度が下がり、歯痕が多いという誤診断につながる恐れがある。ちなみに、図16において、舌の輪郭線と近似曲線との相関度を示す決定係数R2は、0.982であった。
そこで、本実施形態では、検出部7は、輪郭線抽出部6にて抽出した舌の輪郭線のうち、先端部を除く部分を近似曲線で近似し、両者の相関度に基づいて歯痕(輪郭線の凹凸)を検出するようにしている。ここで、舌の先端部とは、舌の舌尖と舌根とを結ぶ方向において、舌の舌尖側の端部を0、舌根側の端部を100としたときに、0〜20の範囲、好ましくは0〜10の範囲に位置する部分を指すものとする。
図17は、図16で示した舌の撮影画像から抽出される舌の輪郭線の一部(先端部を除く)と、その近似曲線とを示している。図17では、抽出した輪郭線の下半分において先端部分(x軸の50〜150)の範囲を除く部分を、2次の多項式で近似している。なお、図17では、舌の輪郭線の一部を実線で示し、その近似曲線を破線で示す。求めた近似曲線(近似式)は、以下の通りである。
y=3.23×10-2・x2−6.3814・x+276.8
舌の輪郭線の一部(実線)と近似曲線(破線)との乖離は、舌の左右にある、検出すべき歯痕部(図16のE部)に限定され、舌の先端部(図16のG部)の形状の影響を受けない。したがって、両者の相関度は、舌の左右にある歯痕の大きさそのものを表すことになる。ちなみに、図17において、舌の輪郭線の一部と近似曲線との相関度を示す決定係数R2を求めると、R2=0.987であり、図16で示した近似曲線を用いる場合に比べて相関度は上昇した。すなわち、図16と図17とにおける相関度の差異は、舌先端の形状に起因する誤差によるものであり、図17で示した近似曲線を用いて求めた相関度の値が、より正確に歯痕の状態を表していることになる。
なお、本実施形態では、相関度を示す指標として、実施の形態1で示した決定係数R2を用いているが、同じく実施の形態1で示した座標値の差に基づく値(|yi−fi|の最大値、係数A)を用いてもよい。この場合において、「xy平面上で、輪郭線または近似曲線の一端部のx座標」とは、「xy平面上で、輪郭線または近似曲線のx座標の最小値」を意味し、「xy平面上で、輪郭線または近似曲線の他端部のx座標」とは、「xy平面上で、輪郭線または近似曲線のx座標の最大値」を意味するものとして、実施の形態1で示した式により、決定係数R2および座標値の差に基づく値を算出することができる。
以上のように、本実施形態では、検出部7は、舌の先端部を除く輪郭線の一部と近似する近似曲線を算出し、輪郭線の一部と近似曲線との相関度に基づいて、輪郭線の凹凸を検出する。舌の先端部の形状は、上述したようにV字型やW字型など、本来診断したい水分代謝不良以外の原因で変化する可能性がある。本実施形態のように、舌の輪郭線のうちで先端部を除く部分と近似曲線との相関度に基づいて輪郭線の凹凸を検出することにより、舌の先端部の形状の影響を受けることなく(緊張度や個人差の影響を排除しながら)、本来診断したい水分代謝不良によって生じる輪郭線の凹凸(歯痕)を検出することができる。したがって、舌の先端部の形状の影響で相関度が下がり、輪郭線の凹凸が多いという誤診断につながる恐れを低減することができ、輪郭線の凹凸に基づく診断をより精度よく行うことができる。
また、上記の近似曲線は、2次の多項式で表される。この場合、実施の形態1のように舌の輪郭線を4次の多項式で近似する場合に比べて、近似曲線の次数を削減できるため、検出部7にて近似曲線を求める際の計算負荷を低減することができ、低コスト化および高速化を実現することができる。
〔その他〕
以上では、撮影対象が人間の舌である場合について説明したが、生体(生きているもの)であれば人間でなくてもよく、人間以外の動物であってもよい。例えば、ペットや家畜などの動物の舌であっても、本実施形態の手法を適用して舌の輪郭線の凹凸を検出したり、その凹凸に基づいて診断を行うことができる。この場合、意思の伝達ができない動物の体調不良を速やかに、かつ的確に判断することができる。
また、撮影対象となる生体の器官は、舌には限定されない。例えば唇、歯茎などの口腔内の部位、胃や腸の内壁であってもよい。これらの器官の輪郭線(胃や腸の内壁の場合は内壁の襞(ひだ)の輪郭線)の凹凸の検出することで、器官に生じた糜爛(びらん)を検出したり、その検出結果に基づく診断を行うことができる。また、それぞれの診療科での検査と同時に輪郭線の凹凸を検出することも可能である。
本実施形態では、輪郭線と近似曲線との相関度として、決定係数R2および座標理の差に基づく値を用いたが、決定係数R2の平方根である相関係数Rを用い、相関係数Rに基づいて輪郭線の凹凸を検出することも可能である。
以上で説明した器官画像撮影装置は、以下のように表現することができ、これによって以下の作用効果を奏する。
以上で説明した器官画像撮影装置は、生体の器官を撮影して画像を取得する撮像部を備えた器官画像撮影装置であって、前記撮像部にて取得された前記画像から、前記器官の輪郭線を抽出する輪郭線抽出部と、前記輪郭線抽出部によって抽出された前記器官の輪郭線、または前記輪郭線の一部と近似する近似曲線を算出し、前記輪郭線と前記近似曲線との相関度に基づいて、前記輪郭線の凹凸を検出する検出部とを備えている構成である。なお、近似曲線は、器官の輪郭線において器官の先端部を含む部分と近似するものであってもよいし、輪郭線の一部(例えば器官の先端部を除く部分)と近似するものであってもよい。
輪郭線抽出部によって抽出される器官の輪郭線は、器官の外形にほぼ沿う形状であるため、検出部が、この輪郭線または輪郭線の一部と近似する近似曲線を算出することにより、近似曲線に器官の外形形状を反映させることができる。そして、器官の輪郭線と近似曲線との相関度に基づいて輪郭線の凹凸を検出することにより、近似曲線を基準として、すなわち、器官の外形形状を基準として、輪郭線の凹凸の度合いを検出できる。これにより、器官の外形形状がどのような形状であっても、個々の外形形状に応じて輪郭線の凹凸の度合いを検出でき、器官の外形形状に関係なく、輪郭線の凹凸を精度よく検出することができる。
また、陰影が生じないような小さい凹凸のみが輪郭線に存在する場合でも、そのような凹凸を加味して輪郭線と近似曲線との相関度が決定される。したがって、検出部が上記相関度に基づいて輪郭線の凹凸を検出することで、輪郭線に小さい凹凸のみが存在する場合でも、その凹凸を相関度に基づいて精度よく検出することができる。
前記近似曲線は、最大次数が同じ多項式のうちで、前記輪郭線との相関度が最も高くなる多項式で表されていてもよい。この場合、最大次数が同じ多項式のうちで、輪郭線に最も近い多項式(近似曲線)を基準として、輪郭線の凹凸をさらに精度よく検出することができる。
前記器官は、舌であり、前記検出部は、前記輪郭線の凹凸を検出することにより、舌の歯痕を検出してもよい。この場合、舌の外形形状によらず、また、歯痕が軽度であっても、その歯痕を精度よく検出することができる。
前記検出部は、予め記憶している漢方医の所見と前記相関度との関係を参照して、前記舌の歯痕を検出することが望ましい。この場合、検出部は、相関度に対応する漢方医の所見をもとに、検出した歯痕の程度(例えば重度か軽度か)を判断することができる。
前記検出部は、舌の先端部を除く、前記輪郭線の一部と近似する近似曲線を算出し、前記輪郭線の一部と前記近似曲線との相関度に基づいて、前記輪郭線の凹凸を検出してもよい。この場合、緊張度や個人差によって変化しやすい舌の先端部の形状の影響を受けることなく、輪郭線の凹凸をより精度よく検出することができ、輪郭線の凹凸に基づく診断の精度をより向上させることができる。
前記近似曲線は、4次以上の多項式で表されてもよい。この場合、器官の外形がどのような形状であっても、器官の輪郭線を近似曲線で確実に近似でき、輪郭線の凹凸を精度よく、かつ、確実に検出することができる。
前記近似曲線は、2次の多項式で表されてもよい。近似曲線の最高次数が2次となることで、近似曲線を求める際の計算負荷を(例えば4次式を求める場合に比べて)低減でき、低コスト化および高速化を実現することができる。
前記相関度は、以下の式で表される決定係数R2であってもよい。すなわち、
2=1−{(Σ(yi−fi)2)/(Σ(yi−Y)2)}
ただし、
i :xy平面上で、輪郭線または近似曲線の一端部のx座標をjとし、他端部のx座標をkとしたときの、jからkまでのいずれかの値
yi:xy平面上で、輪郭線上の点のx座標iにおけるy座標の値
fi:xy平面上で、近似曲線上の点のx座標iにおけるy座標の値
Y :輪郭線上の全ての点についてのyiの平均値
である。
上記の決定係数R2を相関度として用いることにより、輪郭線と近似曲線との相関関係を適切に示すことができるので、相関度に基づいて輪郭線の凹凸の検出精度を向上させる効果を確実に得ることができる。
前記相関度は、前記輪郭線と前記近似曲線との座標値の差に基づく値であってもよい。このとき、前記座標値の差に基づく値は、|yi−fi|の最大値であってもよい。ただし、
i :xy平面上で、輪郭線または近似曲線の一端部のx座標をjとし、他端部のx座標をkとしたときの、jからkまでのいずれかの値
yi:xy平面上で、輪郭線上の点のx座標iにおけるy座標の値
fi:xy平面上で、近似曲線上の点のx座標iにおけるy座標の値
である。
また、前記座標値の差に基づく値は、以下の式で表される係数Aであってもよい。すなわち、
A=Σ|yi−fi|
ただし、
i :xy平面上で、輪郭線または近似曲線の一端部のx座標をjとし、他端部のx座標をkとしたときの、jからkまでのいずれかの値
yi:xy平面上で、輪郭線上の点のx座標iにおけるy座標の値
fi:xy平面上で、近似曲線上の点のx座標iにおけるy座標の値
である。
|yi−fi|の最大値や係数Aを相関度として用いることにより、輪郭線と近似曲線との相関関係を適切に示すことができるので、相関度に基づいて輪郭線の凹凸の検出精度を向上させる効果を確実に得ることができる。
本発明は、生体の器官を撮影して得られる画像から、器官の輪郭線の凹凸を検出する装置に利用可能である。
1 器官画像撮影装置
3 撮像部
6 輪郭線抽出部
7 検出部

Claims (11)

  1. 生体の器官を撮影して画像を取得する撮像部を備えた器官画像撮影装置であって、
    前記撮像部にて取得された前記画像から、前記器官の輪郭線を抽出する輪郭線抽出部と、
    前記輪郭線抽出部によって抽出された前記器官の輪郭線、または前記輪郭線の一部と近似する近似曲線を算出し、前記輪郭線と前記近似曲線との相関度に基づいて、前記輪郭線の凹凸を検出する検出部とを備えている器官画像撮影装置。
  2. 前記近似曲線は、最大次数が同じ多項式のうちで、前記輪郭線との相関度が最も高くなる多項式で表される請求項1に記載の器官画像撮影装置。
  3. 前記器官は、舌であり、
    前記検出部は、前記輪郭線の凹凸を検出することにより、舌の歯痕を検出する請求項1または2に記載の器官画像撮影装置。
  4. 前記検出部は、予め記憶している漢方医の所見と前記相関度との関係を参照して、前記舌の歯痕を検出する請求項3に記載の器官画像撮影装置。
  5. 前記検出部は、舌の先端部を除く、前記輪郭線の一部と近似する近似曲線を算出し、前記輪郭線の一部と前記近似曲線との相関度に基づいて、前記輪郭線の凹凸を検出することを特徴とする請求項3または4に記載の器官画像撮影装置。
  6. 前記近似曲線は、4次以上の多項式で表される請求項1から4のいずれかに記載の器官画像撮影装置。
  7. 前記近似曲線は、2次の多項式で表される請求項5に記載の器官画像撮影装置。
  8. 前記相関度は、以下の式で表される決定係数R2である請求項1から7のいずれかに記載の器官画像撮影装置;
    2=1−{(Σ(yi−fi)2)/(Σ(yi−Y)2)}
    ただし、
    i :xy平面上で、輪郭線または近似曲線の一端部のx座標をjとし、他端部のx座標をkとしたときの、jからkまでのいずれかの値
    yi:xy平面上で、輪郭線上の点のx座標iにおけるy座標の値
    fi:xy平面上で、近似曲線上の点のx座標iにおけるy座標の値
    Y :輪郭線上の全ての点についてのyiの平均値
    である。
  9. 前記相関度は、前記輪郭線と前記近似曲線との座標値の差に基づく値である請求項1から7のいずれかに記載の器官画像撮影装置。
  10. 前記座標値の差に基づく値は、|yi−fi|の最大値である請求項9に記載の器官画像撮影装置;
    ただし、
    i :xy平面上で、輪郭線または近似曲線の一端部のx座標をjとし、他端部のx座標をkとしたときの、jからkまでのいずれかの値
    yi:xy平面上で、輪郭線上の点のx座標iにおけるy座標の値
    fi:xy平面上で、近似曲線上の点のx座標iにおけるy座標の値
    である。
  11. 前記座標値の差に基づく値は、以下の式で表される係数Aである請求項9に記載の器官画像撮影装置;
    A=Σ|yi−fi|
    ただし、
    i :xy平面上で、輪郭線または近似曲線の一端部のx座標をjとし、他端部のx座標をkとしたときの、jからkまでのいずれかの値
    yi:xy平面上で、輪郭線上の点のx座標iにおけるy座標の値
    fi:xy平面上で、近似曲線上の点のx座標iにおけるy座標の値
    である。
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