JP2016150024A - 器官画像撮影装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】生体の粘膜組織を持つ器官を撮影して、その撮影画像から器官の静脈の膨らみ度合いを検出するにあたって、青色成分の画像データと、赤色成分の画像データとを用いることにより、その検出精度を向上させる器官画像撮影装置を提供する。【解決手段】器官画像撮影装置1は、撮像部3と、演算部14とを備える。撮像部3は、生体の、粘膜組織を持つ器官を撮影して画像を取得する。演算部14は、撮像部3にて取得された画像のデータに基づいて、器官の静脈の特徴(例えば静脈の膨らみ度合い)を求める。演算部14は、撮像部3にて取得された画像の青色成分の画像データと、赤色成分の画像データとの比に基づいて、器官の静脈の膨らみ度合いを検出する。【選択図】図2
Description
本発明は、生体の器官を撮影して画像を取得する器官画像撮影装置に関するものである。
東洋医学においては、舌の状態を観察することにより、健康状態や病状を診断する診断手法(舌診)が知られている。血液や体液の代謝および循環、免疫力、自律神経のバランス、栄養や体のエネルギーの状態に問題が生じると、舌の粘膜に変化が現れるため、その色や形を観察することにより診断に役立てている。
このような診断は、専門の医師が実施しているが、経験や勘に頼っているため、個人差があり、客観性に乏しい。また、過去の状態の記憶もあいまいで、客観的な状態の変化を捉えられない。
そこで、これらの課題を解決するため、デジタルカメラを用いて被写体を撮影し、撮影画像からその特徴を数値化して記録、診断するシステムが提案されている。例えば、特許文献1では、デジタルカメラで撮影した舌の映像から、舌尖、舌中などの関心領域を抽出し、データベースに保存された基本映像と比較することにより、健康状態を判別できるようにしている。また、特許文献2では、撮影された舌の画像データから、舌の形状、舌表面の色等に基づく状態パラメータを抽出し、舌診データ(予め記憶されている状態パラメータと舌診結果とを対応付けたもの)と比較して、舌診結果を抽出するようにしている。
ところで、上記した東洋医学の診断項目として、舌裏の静脈の膨らみ度合いがある。例えば、図16の上図で示すように、舌裏に静脈の膨らみが無い場合、つまり、舌裏の静脈の色が薄く、静脈の見え方が不明瞭な場合、健康状態は正常と診断している。逆に、図16の下図で示すように、舌裏に静脈の膨らみがある場合、つまり、舌裏の静脈が青く、静脈が明瞭に見える場合(怒張や蛇行も含む)、「お血」と診断している。
お血は、血の巡りが悪くなった状態を指す。血の巡りが悪く、末梢血管が循環不全になっていると、皮膚や関節、四肢末端に栄養が運ばれないため、新陳代謝が低下する。この場合、肩こり、関節痛、頭痛、めまい、のぼせなどの症状が現れる。また、糖尿病や肝機能障害でも、血の巡りが悪くなって、これらの症状が現れることがある。
上記した特許文献2では、舌裏の静脈の膨らみ度合いの判定方法についても開示している。具体的には、舌裏を撮影して静脈のエッジおよび静脈の位置を検出し、検出した位置の色が青紫色であるか否かを判定することによって、その検出位置に静脈があるか否かを判定する。そして、青紫色であると判定された範囲が正常な範囲を超えている場合には、静脈肥大と判定する。
ところが、特許文献2では、赤色成分、青色成分、緑色成分の画像データをどのように利用して、青紫色を検出しているのか不明であり、静脈の膨らみ度合いの検出精度が高いとは必ずしも言えない。また、粘膜組織を持つ器官である舌は、全体的に赤色成分が主成分であり、静脈は青色成分が主成分であることを考えると、全体(赤色成分)に対して静脈部分(青色成分)がどの程度占めているかを検討することが、静脈の膨らみ度合いを正確に検出する上で重要である。この点、特許文献2では、赤色成分の画像データと、青色成分の画像データとを用いて静脈の膨らみ度合いを検出することについては、一切検討されていない。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、生体の粘膜組織を持つ器官を撮影して、その撮影画像から器官の静脈の膨らみ度合いを検出するにあたって、青色成分の画像データと、赤色成分の画像データとを用いることにより、その検出精度を向上させることができる器官画像撮影装置を提供することにある。
本発明の一側面に係る器官画像撮影装置は、生体の、粘膜組織を持つ器官を撮影して画像を取得する撮像部と、前記撮像部にて取得された前記画像のデータに基づいて、前記器官の静脈の特徴を求める演算部とを備え、前記演算部は、前記撮像部にて取得された前記画像の青色成分の画像データBと、赤色成分の画像データRとの比B/Rに基づいて、前記器官の静脈の膨らみ度合いを検出する。
粘膜組織を持つ器官の撮影画像では、緑色(G)成分が少ない。また、上記器官は全体的に赤色(R)が主成分であり、検出対象である静脈は、青色(B)が主成分である。このため、演算部は、比B/R、つまり、全体(赤色成分の画像データ)に対する静脈部分(青色成分の画像データ)の比率に基づいて、器官の静脈の膨らみ度合いを検出することにより、その検出精度を向上させることができる。
前記器官は、舌であり、前記演算部は、舌裏の撮影画像の青色成分の画像データBと、赤色成分の画像データRとの比B/Rに基づいて、舌裏の静脈の膨らみ度合いを検出し、複数のレベルに分類してもよい。この場合、舌裏の静脈の膨らみ度合いの検出精度を向上させることができる。また、演算部は、検出した静脈の膨らみ度合いを複数のレベルに分類することにより、そのレベルに基づいて生体の健康度を精度よく診断することが可能となる。
前記演算部は、前記撮影画像の所定領域の各画素における比B/Rと閾値とを比較し、前記所定領域に含まれる全画素数に対する、閾値よりも比B/Rが大きい画素数の比率を算出し、算出した前記比率に基づいて、舌裏の静脈の膨らみ度合いを検出してもよい。このような手法により、舌裏の静脈の膨らみ度合いを確実に検出することができる。
前記演算部は、前記撮影画像の所定領域の各画素における比B/Rと閾値とを比較し、前記所定領域内で舌尖と舌根とを結ぶ方向に垂直な方向に連続して並ぶ、閾値よりも比B/Rが大きい画素の総和を算出し、算出した前記総和に基づいて、舌裏の静脈の膨らみ度合いを検出してもよい。このような手法により、舌裏の静脈の膨らみ度合いを確実に検出することができる。
前記演算部は、比B/Rに基づいて静脈の太さを検出し、検出した静脈の太さを生体の口腔の幅または舌の幅で正規化することにより、静脈の膨らみ度合いを検出してもよい。この場合、口腔の大きさや舌幅の違い(個人差)に関係なく、正規化した静脈の太さから静脈の膨らみ度合いを検出でき、それに基づく診断の精度を向上させることができる。
前記撮像部による前記器官の撮影時に、前記器官に向けて青色の補助光を出力する補助光出力部をさらに備えていてもよい。この場合、器官の撮影画像に陰影が映り込みにくくなるため、陰影の影響によって、撮影画像のデータに基づく器官の静脈の検出精度が低下するのを回避することができる。
前記演算部は、前記器官を撮影して得られる赤色成分および青色成分の画像の度数分布から光沢成分の画像データを検出し、光沢成分を除く画像データに基づいて、前記器官の静脈の膨らみ度合いを検出してもよい。光沢成分が除去された画像データに基づいて静脈の膨らみ度合いを検出するため、光沢(正反射)の影響を受けることなく、静脈の膨らみ度合いの検出精度を向上させることができる。
上記の構成によれば、器官の撮影画像の青色成分の画像データBと、赤色成分の画像データRとの比B/Rに基づいて、器官の静脈の膨らみ度合いを検出することにより、その検出精度を向上させることができる。
本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本明細書において、数値範囲をA〜Bと表記した場合、その数値範囲に下限Aおよび上限Bの値は含まれるものとする。
〔器官画像撮影装置の概略構成〕
図1は、本実施形態の器官画像撮影装置1の外観を示す斜視図であり、図2は、器官画像撮影装置1の概略の構成を示すブロック図である。器官画像撮影装置1は、生体の、粘膜組織を持つ器官を撮影して、生体の健康度の診断に必要な情報(例えば静脈の膨らみ度合い)を抽出するものである。ここで、粘膜とは、表面が常に粘液性の分泌物で濡れている柔らかい膜を指し、粘膜組織を持つ器官とは、そのような粘膜を組織として持つ器官を指す。このような器官としては、例えば、舌、眼の瞼(裏側)、胃や大腸などの消化器系の臓器(内壁)、などが含まれる。以下では、例として、器官が舌であり、舌裏を撮影して静脈の膨らみ度合いを検出する場合について説明する。
図1は、本実施形態の器官画像撮影装置1の外観を示す斜視図であり、図2は、器官画像撮影装置1の概略の構成を示すブロック図である。器官画像撮影装置1は、生体の、粘膜組織を持つ器官を撮影して、生体の健康度の診断に必要な情報(例えば静脈の膨らみ度合い)を抽出するものである。ここで、粘膜とは、表面が常に粘液性の分泌物で濡れている柔らかい膜を指し、粘膜組織を持つ器官とは、そのような粘膜を組織として持つ器官を指す。このような器官としては、例えば、舌、眼の瞼(裏側)、胃や大腸などの消化器系の臓器(内壁)、などが含まれる。以下では、例として、器官が舌であり、舌裏を撮影して静脈の膨らみ度合いを検出する場合について説明する。
器官画像撮影装置1は、照明部2、撮像部3、表示部4、操作部5、通信部6、音声出力部7および補助光出力部8を備えている。照明部2、撮像部3および補助光出力部8は筐体21に設けられており、表示部4、操作部5、通信部6および音声出力部7は、筐体22に設けられている。筐体21と筐体22とは相対的に回転可能に連結されているが、必ずしも回転は必要ではなく、一方が他方に完全に固定されていてもよい。また、上記の照明部2等は、単一の筐体に設けられていてもよい。
(照明部)
照明部2は、生体の器官を照明するものであり、本実施形態では、第1の照明器2aおよび第2の照明器2bの2つの照明器で構成されている。第1の照明器2aおよび第2の照明器2bは、筐体21において、中央の撮像部3を左右両側から挟む位置に設けられている。これにより、第1の照明器2aおよび第2の照明器2bは、器官である舌を撮影光軸に対して左右から照明することになる。舌を上下方向から照明すると、上唇または下唇で照明光が遮断され、口腔の奥まで照明光が届かないおそれがあるが、舌を左右方向から照明することにより、照明光を唇で遮断させずに口腔の奥まで入射させやすくなり、明るく照明された口腔内を撮像部3によって撮影することが可能となる。
照明部2は、生体の器官を照明するものであり、本実施形態では、第1の照明器2aおよび第2の照明器2bの2つの照明器で構成されている。第1の照明器2aおよび第2の照明器2bは、筐体21において、中央の撮像部3を左右両側から挟む位置に設けられている。これにより、第1の照明器2aおよび第2の照明器2bは、器官である舌を撮影光軸に対して左右から照明することになる。舌を上下方向から照明すると、上唇または下唇で照明光が遮断され、口腔の奥まで照明光が届かないおそれがあるが、舌を左右方向から照明することにより、照明光を唇で遮断させずに口腔の奥まで入射させやすくなり、明るく照明された口腔内を撮像部3によって撮影することが可能となる。
図3は、舌を撮影するときの撮像部3の撮影光軸Xを示しており、図4は、照明部2と撮像部3との水平方向の位置関係を模式的に示している。撮像部3は、撮影対象である器官(舌)に正対して配置されている。第1の照明器2aおよび第2の照明器2bは、各照明光の照明光軸Yと撮像部3の撮影光軸Xとのなす角度が、上下方向にはほぼ0°となり、左右方向には片側15°〜30°となるように、筐体21に設けられている。なお、照明光軸Yとは、照明光(照明光束)の中心光線が進行する軸を指し、撮影光軸Xとは、撮像部3が有する撮像光学系31の光軸を指す。
上記のように、左右方向において、撮影光軸Xと照明光軸Yとのなす角度がある程度ついているため、第1の照明器2aおよび第2の照明器2bから出射される照明光が舌裏で正反射されて撮像部3に入射するのを低減できる。これにより、正反射光によるノイズの影響を低減できる。つまり、正反射光の撮像部3への入射によって、撮影画像のデータが変動するのを低減でき、そのデータに基づく舌裏の静脈の検出精度の低下を抑えることができる。
このような照明部2の光源としては、色再現性を向上させるために、例えばキセノンランプなどの昼光色を発光するものを用いている。光源の明るさは、撮像部3の感度や撮影対象までの距離に応じて、照明制御部9によって制御される。例えば、撮影対象の照度が1000〜10000lxとなるように光源の明るさが制御される。照明部2は、上記の光源の他に、点灯回路や調光回路を有しており、照明制御部9からの指令によって点灯/消灯および調光が制御される。
(撮像部)
撮像部3は、照明部2による照明下で、生体の器官を撮影して画像を取得するものである。この撮像部3は、撮像光学系31と、撮像素子32とを有している。撮像素子32は、器官の画像を取得するためのエリアセンサであり、例えばCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)で構成されている。撮像素子32は、撮影対象の色および形状を十分に検出できるように、感度や解像度などが設定されている。一例としては、感度:60db、解像度:1000万画素である。
撮像部3は、照明部2による照明下で、生体の器官を撮影して画像を取得するものである。この撮像部3は、撮像光学系31と、撮像素子32とを有している。撮像素子32は、器官の画像を取得するためのエリアセンサであり、例えばCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)で構成されている。撮像素子32は、撮影対象の色および形状を十分に検出できるように、感度や解像度などが設定されている。一例としては、感度:60db、解像度:1000万画素である。
撮像光学系31は、器官からの入射光を撮像素子32の受光面上に集光させるための光学系であり、少なくとも1個のレンズで構成されている。撮像光学系31の絞り(レンズの明るさ)、シャッター速度、焦点距離は、撮影対象の全ての範囲に焦点が合うように設定されている。一例としては、Fナンバー:16、シャッター速度:1/120秒、焦点距離:20mmである。
撮像部3による撮影は、撮像制御部10によって制御されている。また、撮像部3は、フォーカス機構(ピント調整機構)、絞り機構、駆動回路およびA/D変換回路などをさらに有しており、撮像制御部10からの指令により、フォーカスや絞りの制御、A/D変換などが制御される。なお、撮像部3におけるピント合わせの詳細については後述する。
撮像部3では、撮影画像のデータとして、赤(R)、緑(G)、青(B)のそれぞれについて、例えば8ビットで0〜255のデータが取得される。すなわち、撮像部3では、異なる色(RGB)のそれぞれについて、撮影対象を撮影した画像が取得され、これによって、各色の画像データが取得される。また、撮像部3の撮像レンズの倍率は、必要な画像の解像度が得られるように、撮像制御部10によって制御される。
(表示部)
表示部4は、不図示の液晶パネル、バックライト、点灯回路および制御回路を有しており、撮像部3での撮影によって取得される画像と、枠線P(図1参照)とを表示する。表示部4に表示される上記の画像としては、舌裏の静脈検出時の撮影によって取得される画像のほか、ピント調整時の撮影によって取得される画像を含む。枠線Pは、撮像部3による撮影時の器官(ここでは舌)の撮影位置を規定するための画枠である。このような枠線Pを表示部4に表示させることにより、ユーザは表示された枠線Pを見ながら、適切な撮影位置(枠線P内の位置)に口腔および舌裏を位置させることが容易となり、撮像部3によって舌裏の撮影を適切に行うことが可能となる。
表示部4は、不図示の液晶パネル、バックライト、点灯回路および制御回路を有しており、撮像部3での撮影によって取得される画像と、枠線P(図1参照)とを表示する。表示部4に表示される上記の画像としては、舌裏の静脈検出時の撮影によって取得される画像のほか、ピント調整時の撮影によって取得される画像を含む。枠線Pは、撮像部3による撮影時の器官(ここでは舌)の撮影位置を規定するための画枠である。このような枠線Pを表示部4に表示させることにより、ユーザは表示された枠線Pを見ながら、適切な撮影位置(枠線P内の位置)に口腔および舌裏を位置させることが容易となり、撮像部3によって舌裏の撮影を適切に行うことが可能となる。
また、表示部4は、通信部6を介して外部から取得した情報(例えば外部の医療機関に情報を送信して診断された結果)など、その他の情報を表示することもできる。表示部4における各種の情報の表示は、表示制御部11によって制御されている。
なお、撮像部3での撮影によって取得された撮影対象の画像は、間引き処理や色補正処理などの画像処理が画像処理部(図示せず)によって施された後に、表示部4に表示されてもよい。以下での説明において、単に「撮影対象の(撮影)画像」と表現した場合は、特に断らない限り、撮像部3での撮影によって取得されて、表示に必要な上記の画像処理が施される前の画像を指すものとする。
(操作部)
操作部5は、撮像部3による撮影を指示するための入力部であり、OKボタン(撮影実行ボタン)5aおよびCANCELボタン5bで構成されている。本実施形態では、表示部4および操作部5を、共通のタッチパネル表示装置41(図1参照)で構成している。タッチパネル表示装置41における操作部5の表示は、操作制御部12によって制御される。なお、操作部5は、タッチパネル表示装置41以外の入力部で構成されてもよい(タッチパネル表示装置41の表示領域外の位置に操作部5を設けてもよい)。
操作部5は、撮像部3による撮影を指示するための入力部であり、OKボタン(撮影実行ボタン)5aおよびCANCELボタン5bで構成されている。本実施形態では、表示部4および操作部5を、共通のタッチパネル表示装置41(図1参照)で構成している。タッチパネル表示装置41における操作部5の表示は、操作制御部12によって制御される。なお、操作部5は、タッチパネル表示装置41以外の入力部で構成されてもよい(タッチパネル表示装置41の表示領域外の位置に操作部5を設けてもよい)。
(通信部)
通信部6は、後述する演算部14にて得られた情報を、外部の装置に送信したり、逆に外部の装置から送信される各種の情報(例えば外部機関での診断結果)を受信するためのインターフェースである。通信部6における情報の送受信は、通信制御部16によって制御されている。
通信部6は、後述する演算部14にて得られた情報を、外部の装置に送信したり、逆に外部の装置から送信される各種の情報(例えば外部機関での診断結果)を受信するためのインターフェースである。通信部6における情報の送受信は、通信制御部16によって制御されている。
(音声出力部)
音声出力部7は、各種の情報を音声で出力するものであり、例えばスピーカーで構成される。音声出力部7は、演算部14にて抽出された情報に基づく診断結果を音声出力することができる。上記の診断結果は、当該装置で得られるものであってもよいし、外部機関で診断されて当該装置に送信されるものであってもよい。音声出力部7における音声出力は、音声出力制御部17によって制御される。
音声出力部7は、各種の情報を音声で出力するものであり、例えばスピーカーで構成される。音声出力部7は、演算部14にて抽出された情報に基づく診断結果を音声出力することができる。上記の診断結果は、当該装置で得られるものであってもよいし、外部機関で診断されて当該装置に送信されるものであってもよい。音声出力部7における音声出力は、音声出力制御部17によって制御される。
(補助光出力部)
補助光出力部8は、撮像部3における後述のピント合わせや静脈検出の際の撮影時に、器官に青色の補助光を照射する。このような補助光出力部8は、青色成分(B成分)の多い光を出射する青色LEDや蛍光灯などの光源で構成することができる。補助光出力部8による補助光の照射は、補助光制御部18によって制御される。
補助光出力部8は、撮像部3における後述のピント合わせや静脈検出の際の撮影時に、器官に青色の補助光を照射する。このような補助光出力部8は、青色成分(B成分)の多い光を出射する青色LEDや蛍光灯などの光源で構成することができる。補助光出力部8による補助光の照射は、補助光制御部18によって制御される。
本実施形態の器官画像撮影装置1は、上記の他にも、輪郭抽出部13、演算部14および記憶部15を備えている。
(輪郭抽出部)
輪郭抽出部13は、撮像部3にて取得された画像から、器官等の輪郭線を抽出する処理を行う画像処理部である。本実施形態では、輪郭抽出部13は、撮影画像の輝度エッジ(画像の中で急激に明るさが変化している部分)に基づいて、口腔領域の輪郭線を抽出する。
輪郭抽出部13は、撮像部3にて取得された画像から、器官等の輪郭線を抽出する処理を行う画像処理部である。本実施形態では、輪郭抽出部13は、撮影画像の輝度エッジ(画像の中で急激に明るさが変化している部分)に基づいて、口腔領域の輪郭線を抽出する。
輝度エッジの抽出は、例えば図5に示すようなエッジ抽出フィルタを用いて行うことができる。エッジ抽出フィルタは、1次微分をするときに(隣接画素間で画像データの差分をとるときに)、注目画素の近傍の画素に重みを付けるフィルタである。このようなエッジ抽出フィルタを用い、例えば、撮影画像の各画素のRの画像データについて、注目画素と近傍画素とで画像データの差分を取り、その差分値が所定の閾値を超える画素を抽出することで、輝度エッジとなる画素を抽出できる。唇内側の口腔領域には、唇の影や歯に起因する輝度差が存在するため、上記のように輝度エッジとなる画素を抽出することにより、口腔領域の輪郭線Q(図9も参照)を抽出することができる。
なお、輪郭抽出部13は、輝度エッジの代わりに、画像の距離情報を用いて輪郭線を抽出してもよい。唇は撮像部3に最も近い位置にあるため、距離情報を用いることにより、口腔内との境界を検出することができる。
(演算部)
演算部14は、撮像部3での撮影によって取得された画像のデータに基づいて、健康度の診断に必要な情報(例えば器官の静脈の特徴)を求める。器官として舌を考える場合、演算部14は、撮像部3にて取得された舌裏の画像のデータに基づいて、舌裏の静脈の膨らみ度合いを検出し、数値化(分類)するが、その詳細について後述する。
演算部14は、撮像部3での撮影によって取得された画像のデータに基づいて、健康度の診断に必要な情報(例えば器官の静脈の特徴)を求める。器官として舌を考える場合、演算部14は、撮像部3にて取得された舌裏の画像のデータに基づいて、舌裏の静脈の膨らみ度合いを検出し、数値化(分類)するが、その詳細について後述する。
(記憶部)
記憶部15は、撮像部3にて取得した画像のデータ、輪郭抽出部13および演算部14で取得した情報、外部の装置から送信された情報などを記憶したり、上述した各種の制御部を動作させるためのプログラムを記憶するメモリである。このようなメモリは、RAM、ROM、不揮発性メモリなどを含んで構成することが可能である。
記憶部15は、撮像部3にて取得した画像のデータ、輪郭抽出部13および演算部14で取得した情報、外部の装置から送信された情報などを記憶したり、上述した各種の制御部を動作させるためのプログラムを記憶するメモリである。このようなメモリは、RAM、ROM、不揮発性メモリなどを含んで構成することが可能である。
(制御部等)
器官画像撮影装置1は、照明制御部9、撮像制御部10、表示制御部11、操作制御部12、通信制御部16、音声出力制御部17、補助光制御部18およびこれらの各部を制御する全体制御部20をさらに備えている。照明制御部9、撮像制御部10、表示制御部11、操作制御部12、通信制御部16、音声出力制御部17および補助光制御部18は、上述したように、照明部2、撮像部3、表示部4、操作部5、通信部6、音声出力部7および補助光出力部8をそれぞれ制御する。全体制御部20は、例えばCPU(Central Processing Unit)で構成されており、記憶部15に記憶されている動作プログラムを実行する。なお、照明制御部9、撮像制御部10、表示制御部11、操作制御部12、通信制御部16、音声出力制御部17および補助光制御部18と、全体制御部20とは、一体的に(例えば1つのCPUで)構成されてもよい。
器官画像撮影装置1は、照明制御部9、撮像制御部10、表示制御部11、操作制御部12、通信制御部16、音声出力制御部17、補助光制御部18およびこれらの各部を制御する全体制御部20をさらに備えている。照明制御部9、撮像制御部10、表示制御部11、操作制御部12、通信制御部16、音声出力制御部17および補助光制御部18は、上述したように、照明部2、撮像部3、表示部4、操作部5、通信部6、音声出力部7および補助光出力部8をそれぞれ制御する。全体制御部20は、例えばCPU(Central Processing Unit)で構成されており、記憶部15に記憶されている動作プログラムを実行する。なお、照明制御部9、撮像制御部10、表示制御部11、操作制御部12、通信制御部16、音声出力制御部17および補助光制御部18と、全体制御部20とは、一体的に(例えば1つのCPUで)構成されてもよい。
〔ピント合わせについて〕
次に、撮像部3におけるピント合わせの詳細について説明する。図6は、撮像部3の詳細な構成を示すブロック図である。撮像部3は、上述した撮像光学系31および撮像素子32に加えて、画像処理部33および駆動部34をさらに備えている。
次に、撮像部3におけるピント合わせの詳細について説明する。図6は、撮像部3の詳細な構成を示すブロック図である。撮像部3は、上述した撮像光学系31および撮像素子32に加えて、画像処理部33および駆動部34をさらに備えている。
画像処理部33は、撮像光学系31を介して撮像素子32にて撮像された器官の画像(R成分、G成分、B成分の各画像を含む)から、B成分の画像を抽出する。駆動部34は、画像処理部33にて抽出されたB成分の画像のデータに基づいて、撮像光学系31を光軸方向(図3および図4のX軸方向)に移動させることにより、ピント合わせを行う。
ここで、図7は、健常者の舌裏の撮影画像と、その撮影画像の口腔内の領域Aに含まれるR成分、G成分、B成分の各画像データの度数分布をそれぞれ示している。同図に示すように、標準偏差は、G成分が最も小さく、次いで、R成分、B成分の順に大きくなる。また、画像データの最大値と最小値との差(度数分布の幅)を、画像のコントラストとした場合、G成分、R成分、B成分の順に、画像のコントラストも高くなることがわかる。
静脈を流れる血液には、還元ヘモグロビンが多く存在するが、後述のように、還元ヘモグロビンは、R成分(波長600〜700nmあたり)の吸収係数が大きい(図10参照)。このため、舌裏において、還元ヘモグロビンの多い静脈部分は、酸化ヘモグロビンの多い、静脈以外の舌本体部分よりも青っぽく見える。したがって、B成分の画像では、B成分の多い静脈部分と、B成分の少ない舌本体部分とで、画像データの差異(コントラスト)が大きくなる。しかも、粘膜組織を持つ舌裏の表面付近には、細かい静脈が通っているため、舌裏の撮影によって得られるB成分の画像では、B成分のコントラストの変化も高周波で現れる。よって、B成分の画像データを用いてピント合わせを行うと、ピントを精度よく合わせることができ、最も鮮鋭な撮影画像が得られる。
具体的には、撮像部3は、撮影制御部10の制御のもとで以下の動作を行う。すなわち、駆動部34は、ピント合わせのために、撮像光学系31を光軸方向に、移動可能範囲の端(最も器官側)から端(最も撮像素子32側)まで移動させ、撮像素子32が撮像光学系31のX軸方向の各位置ごとに舌裏を撮影する。続いて、画像処理部33は、撮像光学系31のX軸方向の各位置ごとに、撮影画像からB成分の画像を抽出して度数分布を作成し、その度数分布における画像データの最大値と最小値との差をコントラストとして求め(数値化し)、そのコントラストの値が最大となるような撮像光学系31のX方向の位置を求める。上記位置が求まると、駆動部34により、上記位置に撮像光学系31を再度移動させることにより、ピント合わせが完了する。
以上のように、撮像部3が、舌裏を撮影して取得したB成分の画像のデータを用いてピント合わせを行うことにより、舌裏に精度よくピントを合わせることができる。これにより、上述した演算部14は、ピントを合わせた状態で撮影された舌裏の撮影画像のデータに基づいて、舌裏の静脈の特徴(膨らみ度合い)を精度よく求めることができる。
特に、撮像部3は、B成分の画像のデータに基づいてB成分のコントラストを求め、求めたコントラストに基づいてピントを合わせることにより、精度のよいピント合わせを確実に行うことができる。
このように撮像部3がピント合わせを行う構成は、撮像部3が、撮像光学系31および撮像素子32に加えて、上述した画像処理部33および駆動部34をさらに備えていることによって確実に実現できる。つまり、画像処理部33が、B成分の画像のデータからコントラストが最大となる撮像光学系31の位置を求め、駆動部34が、上記位置に撮像光学系31を移動させることにより、舌裏にピントを確実に合わせることができる。
ところで、以上では、B成分の画像データの最大値と最小値との差をコントラストとして考えたが、コントラストとしては、図7のB成分の度数分布の標準偏差を考えてもよい。度数分布の幅(画像データの最大値と最小値との差)と、標準偏差とはほぼ対応関係にあり、度数分布の幅が広がると、標準偏差も大きくなる。このため、B成分の度数分布の標準偏差が最大となるような位置に撮像光学系31を移動させるようにしても、ピント合わせを精度よく行うことができる。
また、コントラストは、B成分の画像の各画素のデータにエッジ抽出フィルタを掛け算して得られる値(画素値、エッジ抽出量)の和であってもよい。例えば、図5で示したようなエッジ抽出フィルタを図7の領域A内の各画素のデータに掛け合わせたときに、静脈部分でエッジが強調されて、B−B’線上に並ぶ画素について、図8に示すような画素値の分布が得られたとする。舌裏にピントが合っていない場合、エッジ抽出フィルタによるエッジの強調度合いが小さく、フィルタを掛け算した後の値が小さい。逆に、舌裏にピントが合っている場合、エッジ抽出フィルタによるエッジの強調度合いが大きいため、フィルタを掛け算した後の値が大きくなる。したがって、フィルタ掛け算後の画素値の和(図8の例では、a+b+c+b+aの値)が最大となるような位置に撮像光学系31を移動させることによっても、ピント合わせを精度よく行うことができる。
上記した撮像部3でのピント合わせのとき、口腔内は周囲の光が届きにくいため、補助光出力部8により、舌裏に青色の補助光を照射することが望ましい。上記補助光の照射により、撮像部3が取得する画像におけるB成分のコントラストが、補助光なしの場合に比べて増大する。つまり、B成分の画像における静脈部分では、B成分の画像データの値がより大きくなり、度数分布の幅(画像データの最大値と最小値との差)がより広がる。このため、B成分の画像データを用いたピント合わせをより精度よく行うことが可能となる。
〔静脈検出について〕
次に、上述したピント合わせの後に行われる舌裏の静脈の検出手順について説明する。
次に、上述したピント合わせの後に行われる舌裏の静脈の検出手順について説明する。
舌裏にピントが合った状態で、撮像部3により舌裏を撮影すると、輪郭抽出部13は、図5に示したエッジ抽出フィルタを用いて、撮影画像から口腔領域の輪郭線Qを検出する。そして、演算部14は、輪郭線Qをもとに、口腔領域内で静脈の検出に適した検出領域を設定する。
図9は、撮影画像における輪郭線Qの位置と、その輪郭線Qをもとに設定される静脈の検出領域D1・D2とを模式的に示している。舌裏の静脈は、舌裏の中心と周辺部とを除いた左右に存在する。また、静脈は、舌根から舌先にかけて、縦に伸びて存在する。このため、演算部14は、上記で求めた口腔領域の輪郭線Qをもとに、図9で示した寸法関係となる検出領域D1・D2を設定する。すなわち、輪郭線Qの上下方向の長さをHとし、左右方向の長さをWとしたとき、演算部14は、上下方向にH/3の長さで、左右方向にW/6の長さを持つ矩形の検出領域D1・D2を設定する。各検出領域D1・D2は、輪郭線Qの上下方向および左右方向の中心Oから、左方向および右方向にそれぞれにW/8離れた位置で、かつ、上下方向に3等分したうちの中央に位置している。
図10は、血液の色を決定する酸化ヘモグロビン(HbO2)と還元ヘモグロビン(Hb)の吸収特性を示す。波長600〜700nmの赤色領域、および波長400〜500nmの青色領域においては、還元ヘモグロビンと酸化ヘモグロビンとで吸収係数に差が生じている。このことは、R成分の画像でも、B成分の画像でも、血管(静脈)の有無によって画像データに差が生じることを意味する。したがって、演算部14は、舌裏のR成分またはB成分の画像のデータに基づいて、舌裏の静脈を検出することができる。
以下、静脈の具体的な検出方法について説明する。なお、ここでは、R成分の画像データに基づいて舌裏の静脈を検出する例について説明するが、B成分の画像データを用いても同様に静脈を検出することができる。また、ここでは、検出領域D1で得られたデータに基づいて、静脈の膨らみ度合いを検出する例について説明するが、検出領域D2のデータを使う場合でも、同様の処理を適用できる。
図11は、健常者と非健常者(お血症例)において、舌裏のR成分の撮影画像の検出領域D1の各画素の画像データ(画素値)を、閾値を基準に0(黒)と1(白)とで二値化した画像をそれぞれ示している。なお、上記の閾値としては、0〜255の間でほぼ中間の135を採用している。このような二値化処理では、静脈部分は黒く、それ以外の部分は白く処理される。同図に示すように、健常者では、黒い領域は少なく、非健常者では、黒い領域が多い。
図12は、非健常者の検出領域D1の二値化画像の拡大図と、非健常者の検出領域D1の画像データの二値化処理前の度数分布とを併せて示している。演算部14は、検出領域D1内で、二値化処理した後の黒の画素数(閾値よりも画素値が小さい画素数)を算出し、検出領域D1全体の画素数に対する黒の画素数の比率を、静脈比率として算出する。この静脈比率が大きいほど、舌裏の静脈が膨らみ、浮き出ているものと考えられる。逆に、静脈比率が小さいと、静脈が細く、膨らみが少ないと考えられる。したがって、演算部14が、この静脈比率を算出することにより、静脈の膨らみ度合いを検出することができ、この静脈の膨らみ度合いを数値化(複数のレベルに分類)することにより、生体の健康度を診断することができる。
例えば、演算部14は、算出した静脈比率の値に応じて、静脈の膨らみ度合いを1〜5のレベルに分類する。
レベル“1”:静脈比率0%以上5%未満(静脈の膨らみがほとんどない)
レベル“2”:静脈比率5%以上10%未満(静脈の膨らみが少しある)
レベル“3”:静脈比率10%以上20%未満(静脈の膨らみがある程度ある)
レベル“4”:静脈比率20%以上30%未満(静脈の膨らみが大きい)
レベル“5”:静脈比率30%以上(静脈の膨らみが非常に大きい)
レベル“1”:静脈比率0%以上5%未満(静脈の膨らみがほとんどない)
レベル“2”:静脈比率5%以上10%未満(静脈の膨らみが少しある)
レベル“3”:静脈比率10%以上20%未満(静脈の膨らみがある程度ある)
レベル“4”:静脈比率20%以上30%未満(静脈の膨らみが大きい)
レベル“5”:静脈比率30%以上(静脈の膨らみが非常に大きい)
このように、演算部14が、静脈の膨らみ度合いを複数のレベルに分類することにより、分類したレベル(数値)を、舌裏の静脈怒張の指標として診断に活用し、健康度を診断することが可能となる。なお、上記数値に基づく健康度の診断は、当該器官画像撮影装置1が行ってもよいし、上記数値を外部の端末に送信して、外部にて行ってもよい。外部で診断された場合は、その診断結果が当該器官画像撮影装置1に送信されるようにしてもよい。いずれにしても、診断結果を当該器官画像撮影装置1の表示部4に表示することにより、ユーザは自分の健康度を把握することができる。
図13は、非健常者のR成分の撮影画像の検出領域D1の二値化画像の拡大図と、その検出領域D1の上下方向の中心を通るC−C’線上に並ぶ画素の画素値の分布とを併せて示している。なお、上記のC−C’線が延びる方向は、舌尖と舌根とを結ぶ方向に垂直な方向(左右方向)に対応する。演算部14は、左右方向に黒の画素を走査することにより、静脈の膨らみ度合い(太さ)を検出することもできる。つまり、演算部14は、C−C’線上で、連続して黒(画素値0)と判定した画素の数(図13の分布における矢印の幅の総和(図13ではe1+e2)を計算し、これを静脈の太さの指標とする。黒の連続画素数が多いほど、静脈が太いと考えられる。したがって、演算部14が、黒の連続画素数を算出することによっても、その値に基づいて静脈の膨らみ度合いを検出することができる。そして、上記と同様に、黒の連続画素数の値に応じて、静脈の膨らみ度合いを分類することにより、生体の健康度を診断することができる。
以上では、演算部14が、舌裏のR成分またはB成分の画像のデータに基づいて、舌裏の静脈を検出する例について説明したが、R成分の画像データに対するB成分の画像データの比率、すなわち、B/Rの値に基づいて、舌裏の静脈を検出することが望ましい。例えば、演算部14は、検出領域D1の各画素において、比B/Rを算出し、得られた値(B/R)と所定の閾値とを比較し(閾値で2値化し)、閾値よりも値が大きい画素(静脈と推定)の数を算出し、検出領域D1全体の画素数に対する、閾値よりもB/Rの値が大きい画素数の比率を、静脈比率として算出してもよい。この場合でも、静脈比率が大きいほど、舌裏の静脈が膨らみ、浮き出ているものと考えられる。また、演算部14は、舌尖と舌根とを結ぶ方向に垂直な方向に連続して並ぶ、閾値よりもB/Rの値が大きい画素の数を算出し、その値に基づいて静脈の膨らみ度合いを検出してもよい。
舌は粘膜組織であり、G成分が少ないこと、舌は全体的にR(赤色)が主成分であること、検出対象である静脈は、B(青色)が主成分であること、に注目すると、B/Rの値に基づいて舌裏の静脈を検出することにより、R成分のみの画像データ、またはB成分のみの画像データに基づいて静脈を検出する場合に比べて、静脈の検出精度を向上させることができる。また、図10の通り、波長600〜700nmの赤色領域においては、還元ヘモグロビン(Hb)の吸収係数が酸化ヘモグロビン(HbO2)の吸収係数よりも大きいが、波長400〜500nmの青色領域においては、酸化ヘモグロビン(HbO2)および還元ヘモグロビン(Hb)の吸収係数の大小が反転する。したがって、このことからも、B/Rの値に基づいて舌裏の静脈を検出することにより、R成分のみの画像データ、またはB成分のみの画像データに基づいて静脈を検出する場合に比べて、静脈の検出精度を向上させることができると言える。
〔静脈検出時の望ましい構成〕
(1)舌の表は、口腔外に出しやすいが、舌裏は口腔外に出すことが難しい。口腔内では陰影ができやすいため、舌裏の撮影画像に基づいて静脈を検出する際に、検出誤差が生じやすい。そこで、静脈検出時には、上述した補助光出力部8により、特定波長(青色)の補助光を照射して、舌裏を撮影することが望ましい。このようにすることで、舌裏の撮影画像に陰影が映り込みにくくなり、撮影画像のデータに基づいて静脈を精度よく検出することが可能となる。
(1)舌の表は、口腔外に出しやすいが、舌裏は口腔外に出すことが難しい。口腔内では陰影ができやすいため、舌裏の撮影画像に基づいて静脈を検出する際に、検出誤差が生じやすい。そこで、静脈検出時には、上述した補助光出力部8により、特定波長(青色)の補助光を照射して、舌裏を撮影することが望ましい。このようにすることで、舌裏の撮影画像に陰影が映り込みにくくなり、撮影画像のデータに基づいて静脈を精度よく検出することが可能となる。
(2)舌裏は、口腔内で下顎部と接しているため、濡れていることが多く、また、舌裏は粘膜であり、濡れると光沢が出る。そこで、演算部14は、舌裏を撮影して得られるR成分およびB成分の画像の度数分布から光沢成分の画像データを検出し、光沢成分を除く画像データに基づいて上記と同様の方法で静脈を検出することが望ましい。この場合、舌裏の光沢の影響を低減して、静脈の膨らみ度合いを精度よく検出することができる。
具体的には、演算部14は、撮影画像の検出領域D1・D2の各画素からB成分およびR成分の画像データを抽出して、その度数分布をそれぞれ作成する。図14は、光沢成分を含む度数分布の一例として、Bの画像データの度数分布を示している(Rの度数分布も同様の傾向である)。なお、図14の横軸は、Bの画素値(画像データ)を示し、縦軸は度数(画素数)を示している。ただし、ここでの説明を簡略化するため、画素値は、1から100までの値とし、画素値が大きいほど明るいことを示す。
次に、演算部14は、上記の度数分布より、最大度数Npに対応する画素値Dpを求め(図14の例ではDp=70)、この画素値Dpを1.2倍した値を閾値Mとし(図14の例ではM=84)、閾値Mから画像データの最大値(最大画素値Dm=100)までの区間における度数の総和を上位画素数として積算する。なお、画素値Dpを求めるにあたって、度数の変化を連続的に示す関数を求めてこれをスムージングし、ノイズを除去してから、最大度数Npに対応する画素値Dpを求めるようにしてもよい。また、スムージング後の関数を所定の区間で積分して上位画素数を求めるようにしてもよい。
ここで、Bの画像データの度数分布は、撮影時に舌裏での正反射がない場合、正規分布に近い分布(第1の群G1)のみとなるが、正反射がある場合、第1の群G1に、高画素値側で度数が大きい分布(第2の群G2)が加算されたものとなる。そして、第1の群G1と第2の群G2との境界(度数が減少から増加に転じるような極小となる部分)が、度数が最大となる画像データの値(画素値Dp)と画像データの最大値(画素値Dm)との間で現れる。上記境界は、画素値Dpの1.1〜1.3倍の範囲内で現れることが実験的にわかっている。このため、演算部14は、画素値Dpの1.1〜1.3倍の範囲内の値(図14の例では、1.2Dp=84)を、第1の群G1と第2の群G2との境界となる閾値Mとして求めている。
演算部14は、画像データが閾値M以上となる画素の総和を上位画素数として求めると、検出領域D1の全画素数から上位画素数を差し引いた値を、下位画素数(光沢成分を含まない画素数)とする。そして、演算部14は、R成分およびB成分の画像データが閾値Mよりも小さい画素(光沢成分を含まない画素)についてのみ、B/Rの比を算出し、得られた値(B/R)と所定の閾値とを比較して、閾値よりも値が大きい画素(静脈と推定)の数を算出し、下位画素数に対する、閾値よりもB/Rの値が大きい画素数の比率を、静脈比率として算出する。静脈比率が大きいほど、舌裏の静脈が膨らみ度合いが大きくなる。
このように、第1の群G1の画像データ、つまり、光沢成分(第2の群G2)を除く画像データに基づいて、静脈の膨らみ度合いを検出することにより、舌裏の光沢によるノイズを低減して、静脈を精度よく検出することができる。
(3)舌裏の静脈の太さや面積には個人差がある、また、撮影距離や倍率によっても静脈の大きさが変化する。そこで、静脈の太さを、口腔や舌の幅で正規化してもよい。例えば、静脈の太さをV、口腔の幅をS、舌の幅をTとすると、V/S、もしくはV/Tを指標とし、この値に基づいて、静脈の膨らみ度合いを検出してもよい。これにより、口腔の大きさや舌幅の違い(個人差)に関係なく、静脈の太さを検出して、それに基づく診断の精度を向上させることができる。なお、静脈の太さVとしては、例えば、検出領域D1において一方向に連続して並ぶ、閾値よりも比B/Rが大きい画素の数を考えることができる。また、口腔の幅Sおよび舌の幅Tについては、撮影画像において口腔の幅に相当する画素の数、および舌の幅に相当する画素の数を考えることができる。
〔制御フロー〕
図15は、本実施形態の器官画像撮影装置1における処理の流れを示すフローチャートである。以上で説明した処理をフローチャートに沿って説明すると、以下のようになる。
図15は、本実施形態の器官画像撮影装置1における処理の流れを示すフローチャートである。以上で説明した処理をフローチャートに沿って説明すると、以下のようになる。
まず、ユーザは、表示部4に表示された枠線P(図1参照)を見ながら、口を大きく上下に開けて、舌裏を枠線P内に位置させる。このとき、舌先は、上顎から前歯の裏側付近に伸ばす。この状態で、ユーザは、操作部5によって撮影開始の指示を入力する(S1)。すると、補助光出力部8により、青色の補助光が点灯され(S2)、撮像部3にてピント調整が行われる。
すなわち、駆動部34により、撮像光学系31を光軸方向の可動範囲の端から端まで移動させながら、撮像素子32にて舌裏を撮影して画像を取得する(S3)。そして、画像処理部33は、撮像光学系31の各位置ごとに、撮像素子32にて撮影された画像からB成分の画像を抽出して度数分布を作成し、画像データの最大値と最小値との差(コントラスト)を求め、そのコントラストが最大となる撮像光学系31の位置を検出する(S4)。コントラストが最大となる位置が検出されると、駆動部34は、検出した上記位置に撮像光学系31を移動させる(S5)。これにより、ピント調整が終了する。
次に、撮像部3は、ピントの合った状態で舌裏を撮影し、RGBの撮影画像を取得する(S6)。続いて、輪郭抽出部13は、例えばR成分の撮影画像の各画素のデータ(画素値)にエッジ抽出フィルタを掛け合わせて、口腔領域の輪郭線を抽出する(S7)。そして、演算部14は、上記の輪郭線Qをもとに、図9で示した寸法関係となる検出領域D1・D2を設定する(S8)。そして、演算部14は、各検出領域D1・D2の画像データに基づいて、舌裏の静脈の膨らみ度合いを検出し、複数のレベルに分類する(S9)。
例えば、演算部14は、各検出領域D1・D2の画像データを二値化し、二値化された画像から、領域全体の画素数に対する黒画素(画素値0)の比率(静脈比率)を算出するか、一方向に連続して並ぶ黒画素の数(総和)を算出し、算出した静脈比率または黒画素数の値に応じて、静脈の膨らみ度合いを複数のレベルに分類する。あるいは、演算部14は、各検出領域D1・D2のB成分の画像データとR成分の画像データとの比B/Rを算出し、得られた値(B/R)と所定の閾値とを比較して、閾値よりも値が大きい画素の数を算出し、検出領域D1全体の画素数に対する、閾値よりもB/Rの値が大きい画素数の比率を、静脈比率として算出し、算出した静脈比率に応じて、静脈の膨らみ度合いを複数のレベルに分類する。あるいは、演算部14は、一方向に連続して並ぶ、閾値よりもB/Rの値が大きい画素の総和を算出し、算出した総和に基づいて静脈の膨らみ度合いを複数のレベルに分類する。その結果、演算部14は、分類したレベルに基づいて健康度(例えば静脈怒張かどうか)を診断することができる。
レベルや診断結果などの情報は、表示部4に表示されたり、必要に応じて記憶部15に記憶されたり、通信部6を介して外部に転送される(S10)。
以上のように、本実施形態では、演算部14は、撮像部3にて取得された画像の青色成分の画像データBと、赤色成分の画像データRとの比B/Rに基づいて、器官の静脈の膨らみ度合いを検出する。このように、粘膜組織を持つ器官全体(赤色成分の画像データ)に対する静脈部分(青色成分の画像データ)の比率に基づいて、器官の静脈の膨らみ度合いを検出することにより、その検出精度を向上させることができる。
特に、器官が舌である場合、演算部14は、舌裏の撮影画像の青色成分の画像データBと、赤色成分の画像データRとの比B/Rに基づいて、舌裏の静脈の膨らみ度合いを検出するため、その検出精度を向上させることができる。また、演算部14は、検出した静脈の膨らみ度合いを複数のレベルに分類することにより、そのレベルに基づいて生体の健康度を精度よく診断することが可能となる。
また、演算部14は、撮影画像の所定領域(検出領域D1・D2)の各画素における比B/Rと閾値とを比較し、所定領域に含まれる全画素数に対する、閾値よりも比B/Rが大きい画素数の比率を算出し、算出した比率に基づいて、舌裏の静脈の膨らみ度合いを検出するため、その検出を確実に行うことができる。
また、演算部14は、撮影画像の所定領域(検出領域D1・D2)の各画素における比B/Rと閾値とを比較し、所定領域内で舌尖と舌根とを結ぶ方向に垂直な方向に連続して並ぶ、閾値よりも比B/Rが大きい画素の総和を算出し、算出した総和に基づいて、舌裏の静脈の膨らみ度合いを検出するため、その検出を確実に行うことができる。
また、演算部14は、比B/Rに基づいて静脈の太さを検出し、検出した静脈の太さを生体の口腔の幅または舌の幅で正規化するため、個人差に関係なく、正規化した静脈の太さから静脈の膨らみ度合いを検出して、診断の精度を向上させることができる。
また、撮像部3による器官の撮影時に、補助光出力部8によって器官に向けて青色の補助光を出力することにより、器官の撮影画像に陰影が映り込みにくくなり、陰影に起因して器官の静脈の検出精度が低下するのを回避することができる。
また、演算部14は、器官を撮影して得られる赤色成分および青色成分の画像の度数分布から光沢成分の画像データを検出し、光沢成分を除く画像データに基づいて、器官の静脈の膨らみ度合いを検出するため、粘膜組織を持つ器官を撮影する場合でも、光沢の影響(器官表面での正反射の影響)を受けることなく、静脈の膨らみ度合いの検出精度を向上させることができる。
〔プログラムについて〕
以上で説明した器官画像撮影装置1は、例えば、所定のプログラム(アプリケーションソフトウェア)をインストールしたスマートフォンのような多機能携帯端末(コンピュータ)で構成することができる。上記プログラムをコンピュータ(例えばCPUとしての全体制御部20)が読み取って実行することにより、器官画像撮影装置1における上述した各処理を実現することができる。このようなプログラムは、例えばネットワークを介してダウンロードすることによって取得され、記憶部15に記憶される。
以上で説明した器官画像撮影装置1は、例えば、所定のプログラム(アプリケーションソフトウェア)をインストールしたスマートフォンのような多機能携帯端末(コンピュータ)で構成することができる。上記プログラムをコンピュータ(例えばCPUとしての全体制御部20)が読み取って実行することにより、器官画像撮影装置1における上述した各処理を実現することができる。このようなプログラムは、例えばネットワークを介してダウンロードすることによって取得され、記憶部15に記憶される。
以上のことから、本実施形態の器官画像撮影方法およびプログラムは、以下のように表現することもできる。
(1)撮像部にて、生体の、粘膜組織を持つ器官を撮影して画像を取得するステップA(S6)と、
演算部にて、前記撮像部にて取得された前記画像のデータに基づいて、前記器官の静脈の特徴を求めるステップB(S8〜S9)とを含み、
前記ステップBでは、前記演算部は、前記撮像部にて取得された前記画像の青色成分の画像データBと、赤色成分の画像データRとの比B/Rに基づいて、前記器官の静脈の膨らみ度合いを検出する、器官画像撮影方法。
演算部にて、前記撮像部にて取得された前記画像のデータに基づいて、前記器官の静脈の特徴を求めるステップB(S8〜S9)とを含み、
前記ステップBでは、前記演算部は、前記撮像部にて取得された前記画像の青色成分の画像データBと、赤色成分の画像データRとの比B/Rに基づいて、前記器官の静脈の膨らみ度合いを検出する、器官画像撮影方法。
(2)前記器官は、舌であり、
前記ステップBでは、前記演算部は、舌裏の撮影画像の青色成分の画像データBと、赤色成分の画像データRとの比B/Rに基づいて、舌裏の静脈の膨らみ度合いを検出し、複数のレベルに分類する、前記(1)に記載の器官画像撮影方法。
前記ステップBでは、前記演算部は、舌裏の撮影画像の青色成分の画像データBと、赤色成分の画像データRとの比B/Rに基づいて、舌裏の静脈の膨らみ度合いを検出し、複数のレベルに分類する、前記(1)に記載の器官画像撮影方法。
(3)前記ステップBでは、前記演算部は、前記撮影画像の所定領域の各画素における比B/Rと閾値とを比較し、前記所定領域に含まれる全画素数に対する、閾値よりも比B/Rが大きい画素数の比率を算出し、算出した前記比率に基づいて、舌裏の静脈の膨らみ度合いを検出する、前記(2)に記載の器官画像撮影方法。
(4)前記ステップBでは、前記演算部は、前記撮影画像の所定領域の各画素における比B/Rと閾値とを比較し、前記所定領域内で舌尖と舌根とを結ぶ方向に垂直な方向に連続して並ぶ、閾値よりも比B/Rが大きい画素の総和を算出し、算出した前記総和に基づいて、舌裏の静脈の膨らみ度合いを検出する、前記(2)に記載の器官画像撮影方法。
(5)前記ステップBでは、前記演算部は、比B/Rに基づいて静脈の太さを検出し、検出した静脈の太さを生体の口腔の幅または舌の幅で正規化することにより、静脈の膨らみ度合いを検出する、前記(4)に記載の器官画像撮影方法。
(6)前記ステップBでは、前記撮像部による前記器官の撮影時に、補助光出力部によって前記器官に向けて青色の補助光を出力する、前記(1)から(5)のいずれかに記載の器官画像撮影方法。
(7)前記ステップBでは、前記演算部は、前記器官を撮影して得られる赤色成分および青色成分の画像の度数分布から光沢成分の画像データを検出し、光沢成分を除く画像データに基づいて、前記器官の静脈の膨らみ度合いを検出する、前記(1)から(6)のいずれかに記載の器官画像撮影方法。
(8)前記(1)〜(7)のいずれかの器官画像撮影方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
〔その他〕
本実施形態では、粘膜組織を持つ器官の例として舌を挙げ、舌裏を撮影して静脈の膨らみ度合いを検出する例について説明したが、その他、瞼の裏、生体の胃や腸などの内壁を撮影して、静脈の膨らみ度合いを検出する場合についても、本実施形態で説明したピント合わせの手法や静脈の膨らみ度合いの検出方法を適用することが可能である。特に、西洋医学においては、瞼の裏の色を観察することにより、循環器系や消化器系の疾患を診断する方法が知られている。瞼の裏の静脈を検出して健康度を判断する手法は、そのような西洋医学の診断手法にも即したものとなる。
本実施形態では、粘膜組織を持つ器官の例として舌を挙げ、舌裏を撮影して静脈の膨らみ度合いを検出する例について説明したが、その他、瞼の裏、生体の胃や腸などの内壁を撮影して、静脈の膨らみ度合いを検出する場合についても、本実施形態で説明したピント合わせの手法や静脈の膨らみ度合いの検出方法を適用することが可能である。特に、西洋医学においては、瞼の裏の色を観察することにより、循環器系や消化器系の疾患を診断する方法が知られている。瞼の裏の静脈を検出して健康度を判断する手法は、そのような西洋医学の診断手法にも即したものとなる。
また、以上では、生体が人間である場合について説明したが、人間以外の動物であってもよい。例えば、ペットや家畜などの動物の舌(舌裏)を撮影する場合でも、本実施形態のピント合わせや静脈の膨らみ度合いの検出方法を適用して、健康度を判断するようにすることも可能である。この場合、ユーザは、意思の伝達ができない動物の体調不良を速やかに、かつ的確に判断することができる。
本発明は、生体の、粘膜組織を持つ器官を撮影して画像を取得する器官画像撮影装置に利用可能である。
1 器官画像撮影装置
3 撮像部
8 補助光出力部
14 演算部
D1 検出領域(所定領域)
D2 検出領域(所定領域)
3 撮像部
8 補助光出力部
14 演算部
D1 検出領域(所定領域)
D2 検出領域(所定領域)
Claims (7)
- 生体の、粘膜組織を持つ器官を撮影して画像を取得する撮像部と、
前記撮像部にて取得された前記画像のデータに基づいて、前記器官の静脈の特徴を求める演算部とを備え、
前記演算部は、前記撮像部にて取得された前記画像の青色成分の画像データBと、赤色成分の画像データRとの比B/Rに基づいて、前記器官の静脈の膨らみ度合いを検出することを特徴とする器官画像撮影装置。 - 前記器官は、舌であり、
前記演算部は、舌裏の撮影画像の青色成分の画像データBと、赤色成分の画像データRとの比B/Rに基づいて、舌裏の静脈の膨らみ度合いを検出し、複数のレベルに分類することを特徴とする請求項1に記載の器官画像撮影装置。 - 前記演算部は、前記撮影画像の所定領域の各画素における比B/Rと閾値とを比較し、前記所定領域に含まれる全画素数に対する、閾値よりも比B/Rが大きい画素数の比率を算出し、算出した前記比率に基づいて、舌裏の静脈の膨らみ度合いを検出することを特徴とする請求項2に記載の器官画像撮影装置。
- 前記演算部は、前記撮影画像の所定領域の各画素における比B/Rと閾値とを比較し、前記所定領域内で舌尖と舌根とを結ぶ方向に垂直な方向に連続して並ぶ、閾値よりも比B/Rが大きい画素の総和を算出し、算出した前記総和に基づいて、舌裏の静脈の膨らみ度合いを検出することを特徴とする請求項2に記載の器官画像撮影装置。
- 前記演算部は、比B/Rに基づいて静脈の太さを検出し、検出した静脈の太さを生体の口腔の幅または舌の幅で正規化することにより、静脈の膨らみ度合いを検出することを特徴とする請求項4に記載の器官画像撮影装置。
- 前記撮像部による前記器官の撮影時に、前記器官に向けて青色の補助光を出力する補助光出力部をさらに備えていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の器官画像撮影装置。
- 前記演算部は、前記器官を撮影して得られる赤色成分および青色成分の画像の度数分布から光沢成分の画像データを検出し、光沢成分を除く画像データに基づいて、前記器官の静脈の膨らみ度合いを検出することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の器官画像撮影装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015027344A JP2016150024A (ja) | 2015-02-16 | 2015-02-16 | 器官画像撮影装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2015027344A JP2016150024A (ja) | 2015-02-16 | 2015-02-16 | 器官画像撮影装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2016150024A true JP2016150024A (ja) | 2016-08-22 |
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ID=56695706
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Country | Link |
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JP (1) | JP2016150024A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018175722A (ja) * | 2017-04-20 | 2018-11-15 | 株式会社モリタ東京製作所 | 口腔内写真撮影システム |
CN109658382A (zh) * | 2018-11-16 | 2019-04-19 | 福建中医药大学 | 基于图像聚类和灰度投影的舌体定位方法 |
JP2020127638A (ja) * | 2019-02-08 | 2020-08-27 | タカノ株式会社 | 撮像装置 |
-
2015
- 2015-02-16 JP JP2015027344A patent/JP2016150024A/ja active Pending
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JP7336094B2 (ja) | 2019-02-08 | 2023-08-31 | タカノ株式会社 | 撮像装置 |
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