JPWO2015059760A1 - クロマトグラフ質量分析装置 - Google Patents

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Abstract

本発明のクロマトグラフ質量分析装置では、最適ガス圧探索制御部(42)は、コリジョンガス圧を変化させつつ目的化合物に対するMRM測定を実行し、その測定結果に基づいて最大の信号強度を与える最適コリジョンガス圧を調べて化合物毎に化合物対応情報記憶部(43)に格納しておく。多成分一斉分析の実行時に目的化合物が指定されると、制御シーケンス決定部(44)は前記記憶部(43)から指定された化合物に対する最適コリジョンガス圧と保持時間の情報を読み出し、各化合物が溶出するタイミングでコリジョンセル(31)内のガス圧が最適ガス圧になるような制御シーケンスを作成し、制御シーケンス記憶部(45)に格納する。本発明によると、作成された制御シーケンスに従ってガス圧を制御しつつ、試料に対する測定を実行することで、いずれの化合物も高い感度で検出することができる。本発明は、LC/MS/MSや、GC/MS/MSに適用可能である。

Description

本発明は、液体クロマトグラフやガスクロマトグラフ等のクロマトグラフと質量分析装置とを組み合わせたクロマトグラフ質量分析装置に関し、さらに詳しくは、質量分析装置として、衝突誘起解離(CID=Collision-Induced Dissociation)を利用したMS/MS分析の実行が可能な質量分析装置を用いたクロマトグラフ質量分析装置に関する。
質量分析の一手法であるMS/MS分析(タンデム分析とも呼ばれる)は、主として分子量が大きな物質の同定やその構造の解析を行うために、近年、広く利用されている。三連四重極型質量分析装置(タンデム四重極型質量分析装置などとも呼ばれる)はMS/MS分析が可能な質量分析装置の一つであり、構造が比較的簡単で廉価であることから、広く使用されている。
三連四重極型質量分析装置は一般に、イオンを衝突誘起解離により解離させるためのコリジョンセルを挟んで、その前後に四重極マスフィルタをそれぞれ備える。そして、前段の四重極マスフィルタでは目的化合物由来の各種イオンの中から特定の質量電荷比を有するプリカーサイオンを選択し、後段の四重極マスフィルタではプリカーサイオンから生成された各種プロダクトイオンを質量電荷比に応じて分離する。コリジョンセルは比較的密閉性の高い箱状構造体であり、その内部にはアルゴンや窒素などの不活性ガスであるコリジョンガスが導入される。前段四重極マスフィルタにより選択されたプリカーサイオンは、適宜のコリジョンエネルギを有してコリジョンセル内に導入され、コリジョンセル内でコリジョンガスと衝突し、衝突誘起解離を生じてプロダクトイオンが生成される。
コリジョンセル内でのイオンの解離効率は、コリジョンセル内へ導入されたイオンが持つコリジョンエネルギの大きさやコリジョンセル内のコリジョンガス圧(以下、単に「コリジョンガス圧」という場合には「コリジョンセル内のコリジョンガス圧」を意味するものとする)などに依存する。そのため、プロダクトイオンの検出感度もコリジョンエネルギの大きさやコリジョンガス圧に依存する。また、同じコリジョンガス圧であっても、イオンの解離効率は化合物の種類(厳密にいえばプリカーサイオンの種類)によって相違する。このため、化合物の定量を行うために、特定の質量電荷比を有するプリカーサイオンから生成された特定の質量電荷比を有するプロダクトイオンを選択的に検出する多重反応モニタリング(MRM=Multiple Reaction Monitoring)測定モードを実行する場合に、分析者はコリジョンガス圧を、目的化合物由来のプロダクトイオンの検出感度が最大になる最適コリジョンガス圧に設定するようにしている。
近年、液体クロマトグラフ(LC)やガスクロマトグラフ(GC)と質量分析装置とを組み合わせた液体クロマトグラフ質量分析装置(LC/MS)やガスクロマトグラフ質量分析装置(GC/MS)では、多数の化合物を含む試料に対する多成分一斉分析が行われることが多い(特許文献1参照)。LC/MSやGC/MSにおいてMRM測定により多成分一斉分析を行う場合、通常、コリジョンガス圧は多数の目的化合物に対する検出感度が平均的に高くなるような値に決められる。これは単に測定対象の化合物の数が多いときに化合物毎にコリジョンガス圧を最適コリジョンガス圧に設定するという作業が煩雑であるという理由からのみならず、液体クロマトグラフやガスクロマトグラフによっても全ての化合物を完全に分離することは難しく、複数の化合物が溶出時間が重なっている場合に最適コリジョンガス圧を求めることは煩雑で難しいからである。
こうしたことから、従来のLC/MSやGC/MSでMRM測定により多成分一斉分析を行う場合には、各化合物に対するコリジョンガス圧は必ずしも検出感度の点で最適には設定されておらず、これが多成分一斉分析における定量精度を損なう一因となっていた。
また、上述したように目的化合物に対してコリジョンガス圧を最適値に設定したMRM測定を行うためには、分析者が予めその化合物に対する最適コリジョンガス圧を事前に調べておく必要がある。そのためには、コリジョンガス圧を複数段階に変更した分析条件ファイルをそれぞれ作成し、それら分析条件ファイルに従ったMRM測定を複数回繰り返してその結果を比較するか、或いは、分析者がコリジョンガス圧を手動で変更しながら目的化合物に対するMRM測定を実施することでコリジョンガス圧の最適値を見つけ出す必要があった。いずれにしても、こうした作業はかなり面倒であり、特に多数の化合物に対する最適コリジョンガス圧を見い出すにはかなりの時間が掛かるという問題があった。
特開2012−104389号公報
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その主な目的は、MRM測定などにより多成分一斉分析を行う際にも各化合物由来のイオンをそれぞれ高い感度で検出することができ、それによって高い定量精度を実現するとともに検出漏れを回避することができるクロマトグラフ質量分析装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、化合物を高感度で検出するのに最適又はそれに近いコリジョンガス圧を探索する作業を簡便に且つ効率的に行うことができるクロマトグラフ質量分析装置を提供することにある。
上記課題を解決するために成された本発明は、試料中の化合物を分離するクロマトグラフと、該クロマトグラフで分離された試料中の化合物由来のイオンの中で特定の質量電荷比を有するイオンをコリジョンセル内でコリジョンガスと衝突させることで解離させ、それにより生成されたプロダクトイオンを検出する質量分析計と、を具備するクロマトグラフ質量分析装置において、
a)前記コリジョンセル内にコリジョンガスを供給するガス供給部と、
b)化合物毎に保持時間情報と最適コリジョンガス圧情報とを記憶しておく化合物情報記憶部と、
c)測定対象として設定された目的化合物に対する保持時間情報及び最適コリジョンガス圧情報を前記化合物情報記憶部から取得し、該情報に基づいて、目的化合物が前記クロマトグラフから前記質量分析計に導入されるタイミングに応じてコリジョンガス圧を調整するように前記ガス供給部を制御する分析制御部と、
を備えることを特徴としている。
ここで、分析制御部は、測定実行中に目的化合物の保持時間情報に基づいてコリジョンガス圧を切り替えるように制御を実行してもよいが、予め、つまり測定実行前に、目的化合物は分かっているので、測定実行前にコリジョンガス圧の制御シーケンス(プログラム)を作成しておくこともできる。
即ち、本発明の一態様として、上記分析制御部は、
c1)測定実行に先立って、測定対象として設定された目的化合物に対する保持時間情報及び最適コリジョンガス圧情報を前記化合物情報記憶部から取得し、該情報に基づいて、測定時における時間経過に対するコリジョンガス圧の変化を示す分析条件情報を決定する分析条件決定部と、
c2)測定実行に際して前記分析条件情報に従って前記ガス供給部を制御する制御実行部と、を含む構成とすることができる。
本発明に係るクロマトグラフ質量分析装置において、上記化合物情報記憶部は例えば、ユーザ(分析者)側で化合物毎にコリジョンガス圧と信号強度との関係を実測した結果に基づいて予め作成される。ここでいう最適コリジョンガス圧情報とは、少なくとも最大の検出感度を与えるコリジョンガス圧値又は該ガス圧を実現するための制御値(例えばガス供給部におけるバルブの開度など)を含めばよいが、後述するように複数の化合物の溶出時間の重なりに対応した最適コリジョンガス圧を求めるには、コリジョンガス圧と信号強度との関係を示す情報も必要となる場合がある。
例えば多成分一斉分析の対象となる多数の目的化合物が分析者により指定されると、分析制御部において分析条件決定部は化合物情報記憶部から、各目的化合物に対応した保持時間情報と最適コリジョンガス圧情報とを取得する。そして、各目的化合物が質量分析計に導入される期間中にコリジョンセル内のコリジョンガス圧が該目的化合物に対応した最適コリジョンガス圧になるように、例えば時間経過に対するコリジョンガス圧の変化を示す分析条件テーブルなどの制御シーケンスを作成する。そして、測定が開始されると分析制御部において制御実行部は、作成した制御シーケンスに従ってガス供給部を制御することにより、コリジョンセル内のコリジョンガス圧を調整する。
これにより、クロマトグラフで分離されて順次質量分析計に導入される目的化合物それぞれについて、コリジョンガス圧を最適又はそれに近い状態に設定することができる。その結果、いずれの目的化合物由来のイオンも高い解離効率で以て解離されるため、高い感度でプロダクトイオンを検出することが可能となる。
試料に含まれる複数の化合物がクロマトグラフによって時間的に十分に分離される場合には、複数の目的化合物の溶出時間は重ならないので、或る時間に対して一つの最適コリジョンガス圧を選ぶことができる。一方、例えば複数の目的化合物の保持時間がごく近接しているような場合には、その複数の目的化合物の溶出時間が重なってしまう。その場合、重なっている複数の化合物のうちの一つの化合物に対応する最適コリジョンガス圧を単に選ぶと、重なっている複数の化合物のうちの他の化合物についてコリジョンガス圧が適切でない、つまりはイオン解離効率があまり高くないおそれがある。
そこで、本発明に係るクロマトグラフ質量分析装置において、複数の目的化合物の溶出時間が重なる場合には、以下のいずれかの態様を採るようにすることができる。
本発明の第1の態様として、上記分析制御部は、複数の目的化合物の溶出時間が重なっている場合に、その複数の目的化合物にそれぞれ対応する最適コリジョンガス圧の相加平均又は相乗平均をその複数の目的化合物が重なっている溶出時間における最適コリジョンガス圧と定める構成とすることができる。
この構成では、複数の目的化合物に対応する最適コリジョンガス圧の値から単に平均値を計算すればよいので、溶出時間に対応した最適コリジョンガス圧の演算は簡単である。また、化合物毎に最適コリジョンガス圧の値さえ分かれば演算が可能であるので、コリジョンガス圧と信号強度との関係を示す情報は不要である。
また本発明の第2の態様として、上記化合物情報記憶部は、化合物毎にコリジョンガス圧と信号強度との関係を示す情報を含み、上記分析制御部は、複数の目的化合物の溶出時間が重なっている場合に、その複数の目的化合物にそれぞれ対応するコリジョンガス圧と信号強度との関係を示す曲線の交点に相当するガス圧を、その複数の目的化合物が重なっている溶出時間における最適コリジョンガス圧と定める構成とすることができる。
また本発明の第3の態様として、上記化合物情報記憶部は、化合物毎にコリジョンガス圧と信号強度との関係を示す情報を含み、上記分析制御部は、3以上の目的化合物の溶出時間が重なっている場合に、その複数の目的化合物の中で最適コリジョンガス圧が最も相違する二つの目的化合物にそれぞれ対応するコリジョンガス圧と信号強度との関係を示す曲線を利用して、その3以上の目的化合物が重なっている溶出時間における最適コリジョンガス圧を求める構成とすることができる。
さらにまた本発明の第4の態様として、上記化合物情報記憶部は、化合物毎にコリジョンガス圧と信号強度との関係を示す情報を含み、上記分析制御部は、複数の目的化合物の溶出時間が重なっている場合に、その複数の目的化合物にそれぞれ対応する最適コリジョンガス圧の相加平均と、それら複数の目的化合物にそれぞれ対応する最適コリジョンガス圧の相乗平均とをそれぞれ計算して、その複数の目的化合物が重なっている溶出時間における最適コリジョンガス圧候補とするとともに、それら複数の目的化合物それぞれにおけるコリジョンガス圧と信号強度との関係を示す曲線を利用して、その複数の目的化合物が重なっている溶出時間における別の最適コリジョンガス圧候補を求め、それら複数の最適コリジョンガス圧候補の中で、その複数の目的化合物に対する信号強度の低下度合いが最小である最適コリジョンガス圧候補をその複数の目的化合物が重なっている溶出時間における最適コリジョンガス圧として選択する構成とすることができる。
この第4の態様によれば、第1乃至第3の態様と比べて、複数の目的化合物が重なっている溶出時間に対応する最適コリジョンガス圧を求めるのに時間は掛かるものの、それら複数の目的化合物を全体的に最も高い感度で検出することが可能となる。
また、第1乃至第4の態様ではいずれも、複数の目的化合物が重なっている溶出時間に対応する最適コリジョンガス圧を自動的に決定することができ、分析者の手を煩わすことはないという利点がある。一方、通常、溶出時間が重なる複数の目的化合物の感度が全体的に高くなるように最適コリジョンガス圧が定まるため、その複数の目的化合物のうちの特定の一つを特に感度よく測定したいといった分析者の要求には応えられない。
そこで本発明に係るクロマトグラフ質量分析装置において、より好ましくは、複数の目的化合物の溶出時間が重なっている場合に、第1乃至第4の態様のいずれかにより自動的に決定されるコリジョンガス圧と分析者により入力されたガス圧とのいずれを、複数の目的化合物が重なっている溶出時間における最適コリジョンガス圧として定めるかを分析者が選択する選択指示部をさらに備える構成とするとよい。
また、上記選択指示部は、第1乃至第4の態様のいずれかにより自動的に決定されたコリジョンガス圧の下で、溶出時間が重なる複数の目的化合物のうちの少なくとも一つの目的化合物における信号強度が、該化合物の最大信号強度に対して所定の範囲に収まらない場合にのみ、自動的に決定されたコリジョンガス圧と分析者により入力されたガス圧とのいずれを、複数の目的化合物が重なっている溶出時間における最適コリジョンガス圧として定めるかを分析者が選択可能とした構成とするとよい。
これにより、自動的に決められた最適コリジョンガス圧が分析者の意図する測定に適していない場合に、分析者はその意図に応じて自由にコリジョンガス圧を設定することができる。したがって、例えば溶出時間が重なっている複数の目的化合物のうちの一つについて特に感度が高くなるようにコリジョンガス圧を設定することができる。
なお、本発明に係るクロマトグラフ質量分析装置において、上述したように分析者により入力されたガス圧を選択指示部によって選択可能とする場合には、溶出時間が重なる複数の目的化合物についてのコリジョンガス圧と信号強度との関係を示すグラフを表示部の画面上に表示する表示処理部を、さらに備える構成とするとよい。これにより、分析者は、表示部の画面上に描出されたグラフにより、各目的化合物についてのコリジョンガス圧と信号強度との関係を把握し、それに基づいて適切なコリジョンガス圧を設定することができる。
また、さらに適切なコリジョンガス圧を分析者が設定する際の操作性を高めるには、
上記表示部の画面上に表示された前記グラフ上で分析者が任意のコリジョンガス圧を指定するためのガス圧指示部をさらに備え、
上記表示処理部は、上記ガス圧指示部により指定されたコリジョンガス圧の下での溶出時間が重なる複数の目的化合物の信号強度を表示する構成とするとよい。
また本発明に係るクロマトグラフ質量分析装置は、
同一化合物を含む試料が上記質量分析計に導入されている状態で、上記ガス供給部によりコリジョンガス圧を連続的に又は段階的に変化させつつ、その変化毎に該化合物由来のプロダクトイオンの信号強度を取得する予備測定実行部と、
該予備測定実行部により得られたコリジョンガス圧の変化に対応する信号強度変化に基づいて最大の信号強度が最大となるコリジョンガス圧を求める最適ガス圧抽出部と、
をさらに備え、上記最適ガス圧抽出部により求められたコリジョンガス圧を上記化合物情報記憶部に記憶する最適コリジョンガス圧情報として利用する構成とするとよい。
ここで、予備測定実行部により或る化合物に対する予備測定を実行する際には、クロマトグラフのカラムを経た試料に代えて、フローインジェクション法又はインフュージョン法のいずれかにより目的化合物を含む試料を質量分析計に導入すればよい。
フローインジェクション法の場合、質量分析計に導入される試料中の化合物濃度は時間経過に伴い変化するので、試料注入を複数回繰り返し、試料注入のタイミングに合わせて段階的にコリジョンガス圧を変化させるようにするとよい。一方、インフュージョン法の場合、質量分析計に導入される試料中の化合物濃度は一定であるので、化合物が導入されている期間中に段階的に又は連続的にコリジョンガス圧を変化させるようにするとよい。
この構成により、自動的に、つまりは分析者がコリジョンガス圧をいちいち調整したり、或いはコリジョンガス圧を変えた複数の分析条件ファイルを作成したりすることなく、簡便に個々の化合物に対する最適コリジョンガス圧を求めることができる。それによって、分析者の負担が軽減されるとともに、多数の化合物について最適コリジョンガス圧を求める場合にも時間が短くて済み、効率的な分析が可能となる。
もちろん、上述したような予備測定実行部及び最適ガス圧抽出部による最適コリジョンガス圧の抽出は、上記化合物情報記憶部に記憶する最適コリジョンガス圧情報を求める場合以外にも利用可能である。
即ち、上記課題を解決するためになされた本発明に係る第2のクロマトグラフ質量分析装置は、試料中の化合物を分離するクロマトグラフと、該クロマトグラフで分離された試料中の化合物由来のイオンの中で特定の質量電荷比を有するイオンをコリジョンセル内でコリジョンガスと衝突させることで解離させ、それにより生成されたプロダクトイオンを検出する質量分析計と、を具備するクロマトグラフ質量分析装置において、
a)前記コリジョンセル内にコリジョンガスを供給するガス供給部と、
b)同一化合物を含む試料が前記質量分析計に導入されている状態で、前記ガス供給部によりコリジョンガス圧を連続的に又は段階的に変化させつつ、その変化毎に該化合物由来のプロダクトイオンの信号強度を取得する予備測定実行部と、
c)該予備測定実行部により得られたコリジョンガス圧の変化に対応する信号強度変化に基づいて最大の信号強度が最大となるコリジョンガス圧を求める最適ガス圧抽出部と、
d)前記化合物を含む試料を前記クロマトグラフに導入して測定を行うに際し、少なくとも該化合物が前記クロマトグラフから前記質量分析計に導入されるときに、前記最適ガス圧抽出部により得られた最適コリジョンガス圧を用いてコリジョンガス圧を調整するように前記ガス供給部を制御する分析制御部と、
を備えることを特徴としている。
本発明に係る第2のクロマトグラフ質量分析装置によれば、すでに述べたように、自動的に、つまりは分析者がコリジョンガス圧をいちいち調整したり、或いはコリジョンガス圧を変えた複数の分析条件ファイルを作成したりすることなく、簡便に個々の化合物に対する最適コリジョンガス圧を求めることができる。それにより、分析者の負担が軽減されるとともに、多数の化合物について最適コリジョンガス圧を求める場合にも時間が短くて済み、効率的な分析が可能となる。
なお、本発明に係る第2のクロマトグラフ質量分析装置においても、予備測定実行部により或る化合物に対する予備測定を実行する際には、クロマトグラフのカラムを経た試料に代えて、フローインジェクション法又はインフュージョン法のいずれかにより目的化合物を含む試料を質量分析計に導入すればよい。
本発明に係るクロマトグラフ質量分析装置によれば、試料に含まれる複数の化合物がそれぞれ質量分析装置に導入されるタイミングに合わせて、コリジョンセル内でのイオン解離効率が最大又はそれに近い状態になるようにコリジョンガス圧が調整される。その結果、複数の化合物のいずれについても十分に高い感度で検出されるようになり、高い定量精度を実現することができるとともに、微量しか含まれない化合物も漏れなく検出できる。
また、本発明に係る第2のクロマトグラフ質量分析装置によれば、様々な化合物をそれぞれ高い感度で分析するための最適なコリジョンガス圧を、分析者の手を煩わせることなく効率的に調べることが可能となる。
本発明の一実施例による液体クロマトグラフ三連四重極型質量分析装置の要部の概略構成図。 本実施例の液体クロマトグラフ三連四重極型質量分析装置におけるフローインジェクション法を用いた最適コリジョンガス圧探索処理の説明図。 本実施例の液体クロマトグラフ三連四重極型質量分析装置におけるインフュージョン法を用いた最適コリジョンガス圧探索処理の説明図。 多成分一斉分析の際の複数の化合物の保持時間の関係の一例を示す図。 二つの化合物の溶出時間が重なっている場合の最適コリジョンガス圧算出方法の一例の説明図。 三つ以上の化合物の溶出時間が重なっている場合の最適コリジョンガス圧算出方法の一例の説明図。 三つ以上の化合物の溶出時間が重なっている場合の最適コリジョンガス圧算出方法の一例の説明図。 本実施例の液体クロマトグラフ三連四重極型質量分析装置における規格化信号強度とコリジョンガス圧との関係を示すグラフの表示例を示す図。 本実施例の液体クロマトグラフ三連四重極型質量分析装置における多成分一斉分析の際のクロマトグラムとコリジョンガス圧変化との関係の一例を示す図。
以下、本発明の一実施例である液体クロマトグラフ三連四重極型質量分析装置(以下、慣用に従って「LC/MS/MS」と称す)について、添付図面を参照して説明する。
図1は本実施例のLC/MS/MSの要部の概略構成図である。
本実施例のLC/MS/MSにおいて、液体クロマトグラフ部10は、移動相が貯留された移動相容器11と、移動相を吸引して一定流量で送給する送液ポンプ12と、予め用意された所定量の試料を移動相中に注入するインジェクタ13と、試料に含まれる各種化合物を時間方向に分離するカラム14と、を含む。送液ポンプ12は移動相容器11から移動相を吸引して一定流量で以てカラム14に送給する。インジェクタ13から一定量の試料液が移動相中に導入されると、移動相の流れに乗って試料はカラム14に導入され、カラム14を通過する間に試料中の各種化合物は時間方向に分離されてカラム14出口から溶出し、質量分析装置20に導入される。
質量分析装置20は、略大気圧雰囲気であるイオン化室21と図示しない高性能の真空ポンプにより真空排気される高真空の分析室24との間に、段階的に真空度が高められた第1、第2中間真空室22、23を備えた多段差動排気系の構成である。イオン化室21には、試料溶液に電荷を付与しながら噴霧するエレクトロスプレイイオン化(ESI)用プローブ25が設置されている。イオン化室21と次段の第1中間真空室22との間は細径の加熱キャピラリ26を通して連通している。第1中間真空室22と第2中間真空室23との間は頂部に小孔を有するスキマー28で隔てられ、第1中間真空室22と第2中間真空室23にはそれぞれ、イオンを収束させつつ後段へ輸送するためのイオンガイド27、29が設置されている。
分析室24には、多重極イオンガイド32が内部に設置されたコリジョンセル31を挟み、イオンを質量電荷比に応じて分離する前段四重極マスフィルタ30と後段四重極マスフィルタ33とが配置され、さらに後段四重極マスフィルタ33の後段にはイオン検出器34が設置されている。ガス供給部35はコリジョンセル31の内部にアルゴン、窒素などのコリジョンガスを供給する。また電源部36は、ESI用プローブ25、イオンガイド27、29、32、四重極マスフィルタ30、33などにそれぞれ所定の電圧を印加する。
質量分析装置20において、カラム14出口からの溶出液がESI用プローブ25の先端部に到達すると、電荷が付与されつつイオン化室21内に噴霧される。噴霧により形成された帯電液滴は周囲の大気に衝突して分裂するとともにクーロン斥力によっても分裂して微細化される。その過程で液滴中の溶媒は気化し、液滴中の化合物由来のイオンが飛び出す。こうして生成されたイオンは加熱キャピラリ26を通して第1中間真空室22に送られ、イオンガイド27で収束されてスキマー28頂部の小孔を経て第2中間真空室23に送られる。そして、化合物由来のイオンはイオンガイド29で収束されて分析室24に送られ、前段四重極マスフィルタ30の長軸方向の空間に導入される。なお、イオン化法はESIに限らず、大気圧化学イオン化法(APCI)や大気圧光イオン化法(APPI)などの他の大気圧イオン化法を用いてもよいことは当然である。
質量分析装置20においてMS/MS分析を行う際には、前段四重極マスフィルタ30及び後段四重極マスフィルタ33の各ロッド電極に電源部36からそれぞれ所定の電圧(高周波電圧と直流電圧とが重畳された電圧)が印加され、コリジョンセル31内にはガス供給部35から連続的に又は間欠的にコリジョンガスが供給される。前段四重極マスフィルタ30に送り込まれた各種イオンの中で、前段四重極マスフィルタ30の各ロッド電極に印加されている電圧に応じた特定の質量電荷比m/zを有するイオンのみが該フィルタ30を通過し、プリカーサイオンとしてコリジョンセル31に導入される。
コリジョンセル31内でプリカーサイオンはコリジョンガスに衝突して解離し、各種のプロダクトイオンが生成される。生成された各種プロダクトイオンが後段四重極マスフィルタ33に導入されると、後段四重極マスフィルタ33の各ロッド電極に印加されている電圧に応じた特定の質量電荷比を有するプロダクトイオンのみが該フィルタ33を通過し、イオン検出器34に到達して検出される。イオン検出器34は入射したイオンの数に応じた検出信号をデータ処理部40へ出力する。
データ処理部40は時間が経過するに伴い順次入力される検出信号に基づいて、例えばマススペクトルやクロマトグラム(トータルイオンクロマトグラム、マスクロマトグラムなど)を作成したり、クロマトグラムに基づく定量分析を行ったりする。また、入力部47や表示部48が付設された制御部41は、液体クロマトグラフ部10の送液ポンプ12やインジェクタ13、質量分析装置20の電源部36やガス供給部35などの各部の動作をそれぞれ制御する機能を有する。また、制御部41は特徴的な機能ブロックとして、最適ガス圧探索制御部42、化合物対応情報記憶部43、制御シーケンス決定部44、制御シーケンス記憶部45などを含む。
なお、制御部41及びデータ処理部40の機能の少なくとも一部は、パーソナルコンピュータをハードウエア資源とし、該コンピュータに予めインストールされた専用の制御・処理ソフトウエアをコンピュータ上で実行することにより実現することができる。
本実施例のLC/MS/MSは、目的とする化合物を含む試料を実際に測定した結果に基づいて、プロダクトイオンの検出感度が最大となるようなコリジョンガス圧、つまり最適コリジョンガス圧を自動的に探索する機能を有している。まず、この機能を利用して最適コリジョンガス圧を自動的に探索する動作の一例を説明する。
最適コリジョンガス圧探索処理の際には、質量分析装置20への液体試料の導入は、液体クロマトグラフ部10のカラム14を通さずに、フローインジェクション法又はインフュージョン法のいずれかによって行う。
図2(a)はフローインジェクション法による試料導入系の構成、図2(b)はこのときの最適コリジョンガス圧自動探索処理の説明図である。
フローインジェクション法による試料導入系は、図2(a)に示すように、液体クロマトグラフ部10におけるカラム14を省略したものであり、送液ポンプ12により一定流量で流す移動相(溶媒)中にインジェクタ13から所定量の試料溶液を注入する。試料溶液には既知の化合物(通常1種類のみ)が含まれる。試料溶液に含まれるこの化合物は移動相に乗って進む間に、前後に若干拡散し、或る程度の時間幅を以て質量分析装置20に導入される。
図2(b)に示すように、最適ガス圧探索制御部42はインジェクタ13からの試料注入のタイミング(図2(b)中の下向き矢印の時点)に合わせて、コリジョンガス圧をPaからPeまで5段階で順に上げるようにガス供給部35を制御する。また、最適ガス圧探索制御部42は、試料に含まれる化合物に対応したプリカーサイオンの質量電荷比及びプロダクトイオンの質量電荷比をターゲットとしたMRM測定が実行されるように電源部36を制御する。インジェクタ13から1回試料が注入される毎に、該試料に含まれる化合物由来の特定質量電荷比を有するイオンが前段四重極マスフィルタ30で選択され、該イオンがコリジョンセル31内において所定のコリジョンガス圧の下で解離される。それにより生成された各種プロダクトイオンのうちの特定の質量電荷比を有するイオンが後段四重極マスフィルタ33で選択され、イオン検出器34に達して検出される。データ処理部40はこの検出信号に基づいて指定されたプロダクトイオンの質量電荷比におけるマスクロマトグラムを作成する。
コリジョンガス圧を変更するとイオン解離効率が変わるため、図2(b)に示すようにマスクロマトグラムの同じイオン由来のピークの信号強度が変化する。そこで、最適ガス圧探索制御部42はマスクロマトグラム上の各ピークのピークトップの信号強度(又は各ピークの面積値)を比較し、最大の信号強度を与えるコリジョンガス圧をその化合物に対する最適コリジョンガス圧として抽出する。図2(b)の例では、コリジョンガス圧がPcであるときにピークトップの信号強度は最大となるので、Pcが最適コリジョンガス圧であると決定する。
なお、図2(b)ではコリジョンガス圧を5段階に変化させているが、より細かいステップ幅でコリジョンガス圧を変化させつつ最大の信号強度を与えるコリジョンガス圧を探索するようにしてもよい。或いは、まず粗いステップ幅で以てコリジョンガス圧を変化させ、その中で最大の信号強度が得られるコリジョンガス圧を探索したあとに、引き続き、そのガス圧近傍において細かいステップ幅でガス圧を変化させつつ最大の信号強度を与えるコリジョンガス圧を探索するという粗密2段階の探索を行うことで、より適切なガス圧値を求めるようにするとよい。
図3(a)はインフュージョン法による試料導入系の構成、図3(b)はこのときの最適コリジョンガス圧自動探索処理の説明図である。
インフュージョン法による試料導入系は、図3(a)に示すように、シリンジポンプ15を含み、シリンジポンプ15により一定流量で以て、化合物が含まれる液体試料を質量分析装置20に導入する。図3(b)に示すように、最適ガス圧探索制御部42は、液体試料が質量分析装置20に導入されている期間中に、コリジョンガス圧をPaからPeまで連続的に上げるようにガス供給部35を制御する。なお、一般に、コリジョンセル31内のコリジョンガス圧は急には変化しないから、それを勘案した速度でコリジョンガス圧を変化させるようにする。
この場合、略一定量の目的化合物由来のプリカーサイオンが連続的にコリジョンセル31に導入され、コリジョンガス圧に依存するイオン解離効率で以て解離を生じて生成されたプロダクトイオンがイオン検出器34に到達する。したがって、目的化合物由来のプロダクトイオンの信号強度の時間的変化を観測すると、図3(b)に示すように、或る時点で信号強度が最大値を示す大きなピーク波形となる。そこで、最適ガス圧探索制御部42はこのピーク波形において最大の信号強度を与えるコリジョンガス圧を見つけ、このガス圧をその化合物に対する最適コリジョンガス圧として定める。図3(b)の例では、P1が最適コリジョンガス圧であると決定される。
上記のような事前の測定に基づく最適コリジョンガス圧自動探索処理を目的化合物の全てについて実施し、化合物毎にそれぞれ最適コリジョンガス圧を求めておく。また、所定のコリジョンガス圧範囲に亘るガス圧と信号強度値との関係についても、例えばテーブル形式や近似式などの形式で求めておく。そして、化合物に対応付けて、最適コリジョンガス圧、ガス圧と信号強度値との関係を示す情報(例えばテーブルや近似式)、及び保持時間を、化合物対応情報記憶部43に格納しておく。図1中には、化合物対応情報記憶部43に格納される情報の一例を示している。ここで、各化合物の保持時間は、実測した結果でもよいし、或いは、一般に使用可能である化合物情報データベースなどから取得した情報に基づくものでもよい。
また、保持時間に代えて保持指標や相対保持比などを用いることもできる。またコリジョンガス圧の値に代えて、コリジョンセル31内のコリジョンガス圧を制御するための制御値、例えばガス供給部35におけるバルブの開度などを用いることもできる。また、ガス圧と信号強度値との関係を示す情報は必須ではなく、後述する特定の処理を行う場合に必要になるものである。
次に、上述したように、各種化合物に対して保持時間、最適コリジョンガス圧、及びガス圧と信号強度値との関係を示す情報が記憶されている状態で、MRM測定による多成分一斉分析を実行する場合の動作の一例を説明する。
MRM測定を用いた多成分一斉分析を実行する際に、分析者は入力部47から測定対象である化合物の種類と、各化合物に対するプリカーサイオンの質量電荷比及びプロダクトイオンの質量電荷比などの測定条件を指定する。制御シーケンス決定部44は、指定された全ての化合物に対応する保持時間、最適コリジョンガス圧、及びガス圧と信号強度値との関係を示す情報、を化合物対応情報記憶部43から取得する。理想的には、各化合物は保持時間において最も高い濃度でカラム14から溶出し質量分析装置20に導入される。しかしながら、実際には、様々な要因によって化合物が溶出するタイミングは保持時間から前方又は後方にずれる。そこで、制御シーケンス決定部44は、保持時間に対して所定の時間幅をマージンとして見込んだ溶出時間を化合物毎に求める。
なお、MRM測定を行う場合には、分析者は、測定条件の一つとして、化合物毎に保持時間を考慮して測定開始時間及び測定終了時間を設定する。そこで、測定条件として設定された測定開始時間から測定終了時間までの間を溶出時間としてもよい。いずれにしても、化合物毎に定められた溶出時間はその化合物に対応する保持時間を含む。
図4は多成分一斉分析の際の複数の化合物の保持時間の関係の一例を示すクロマトグラムであり、(a)は各化合物の保持時間が十分に離れている場合、(b)は一部の化合物の保持時間が近い場合の例である。
図4(a)に示すように、各化合物の保持時間が十分に離れている場合には、複数の化合物に対応する溶出時間は時間的に重ならない。したがって、同時に複数の化合物に由来するイオンの検出を行う必要はなく、各溶出時間に対して最適コリジョンガス圧を容易に決定することができる。即ち、この場合、制御シーケンス決定部44は、或る一つの化合物のみが現れる溶出時間には、その化合物に対応付けられている最適コリジョンガス圧をそのまま最適コリジョンガス圧として採用する。
一方、図4(b)に示すように、複数の化合物の保持時間がきわめて近くそれぞれの溶出時間が重なってしまう場合、つまり複数の化合物を同時に(厳密に言えば同時ではなく短い時間間隔で以て時分割で)検出する必要がある場合には、一方の化合物に対する最適コリジョンガス圧を選択すると他の化合物の検出感度が大きく下がる可能性がある。そこで、制御シーケンス決定部44は、溶出時間が重なる複数の化合物に対応する溶出時間全体に対して、以下のようないずれかの方法で最適コリジョンガス圧を決定する。
[第1の方法]
いま一例として、化合物Aと化合物Bの溶出時間が重なっているものとする。この場合、制御シーケンス決定部44は化合物対応情報記憶部43から、これら化合物A、Bそれぞれの最適コリジョンガス圧情報を読み出す。そして、両者の最適コリジョンガス圧の相加平均又は相乗平均を計算し、その結果を当該溶出時間に対応する最適コリジョンガス圧と定める。溶出時間が重なる化合物が3以上である場合でも同様に、それら複数の化合物それぞれぞれの最適コリジョンガス圧の相加平均又は相乗平均を用いればよい。なお、この場合には、コリジョンガス圧と信号強度との関係を利用しないので、この情報が化合物対応情報記憶部43に格納されていなくてもよい。
[第2の方法]
一例として、化合物Aと化合物Bの溶出時間が重なっているものとする。この場合、制御シーケンス決定部44は化合物対応情報記憶部43から、これら化合物A、Bそれぞれについて、コリジョンガス圧と信号強度との関係を示す情報を読み出す。そして、図5に示すように、化合物Aについてのコリジョンガス圧と信号強度との関係を示す曲線と、化合物Bについてのコリジョンガス圧と信号強度との関係を示す曲線との交点を求め、該交点に対応するコリジョンガス圧Ptを導出する。このコリジョンガス圧Ptを化合物A、Bが共に溶出する溶出時間に対する最適コリジョンガス圧として採用する。
なお、図5に示しているように、複数の化合物に対するコリジョンガス圧と信号強度との関係を示す曲線を用いる場合には、信号強度の絶対値の相違の影響をなくすために、最大信号強度が100%になるように信号強度を規格化する。
上述したように二つの曲線の交点から最適コリジョンガス圧を求めると、いずれの化合物に対しても完全に最適ではないものの、それに近いバランスがとれたコリジョンガス圧を選定することができる。
次に、二つではなく三つ以上の化合物の溶出時間が重なっている場合を考える。いま、化合物X、化合物Y、化合物Zという三つの化合物の溶出時間が重なっているものとする。この場合、制御シーケンス決定部44は化合物対応情報記憶部43から、これら化合物X、Y、Zそれぞれについて最適コリジョンガス圧情報を読み出す。そして、最適コリジョンガス圧が最も離れている二つの化合物を選択し、その二つの化合物について、コリジョンガス圧と信号強度との関係を示す情報を化合物対応情報記憶部43から読み出す。図6に示した例では、化合物Xと化合物Yが選択された二つの化合物である。
そして、図6に示すように、この二つの化合物についてのコリジョンガス圧と信号強度との関係を示す曲線の交点を求め、該交点に対応するコリジョンガス圧Ptを導出し、これを化合物X、Y、Zが共に溶出する溶出時間を含む溶出時間全体に対する最適コリジョンガス圧として採用する。
[第3の方法]
三以上の化合物の溶出時間が重なっていて上記第2の方法を用いる場合、交点の算出に使用していない化合物の感度が大幅に低下してしまうことがある。そこで、第1の方法と第2の方法とでそれぞれ最適コリジョンガス圧を算出してそれらを候補とし、複数の候補の中で交点の算出に使用していない化合物の感度の低下が最も少ない、つまりは最もよい感度を与える候補を選択するようにしてもよい。
いま一例として、溶出時間が重なっている三つの化合物X、Y、Zのコリジョンガス圧と信号強度との関係が図7に示すようになっているものとする。第2の方法で求められたコリジョンガス圧はPtであり、第1の方法で求められたコリジョンガス圧はPt’である。化合物Zにおけるコリジョンガス圧と信号強度との関係を示す曲線上でコリジョンガス圧Pt、Pt’に対する信号強度を比較すると、コリジョンガス圧Pt’のほうが信号強度が大きい。そこで、これを化合物X、Y、Zが共に溶出する溶出時間を含む溶出時間全体に対する最適コリジョンガス圧として採用すればよい。
[第4の方法]
上述した第1〜第3の方法はいずれも、溶出時間が重なっている複数の化合物全てについて規格化信号強度を平均的に高くすることを意図している手法であるといえる。これに対し、実際には感度の低い化合物の感度を優先してコリジョンガス圧を決定したい場合や、特定の化合物の感度を優先してコリジョンガス圧を決定したい場合もある。また、上述したように自動的に最適コリジョンガス圧を求める手法では、特定の化合物の感度が極端に低くなるコリジョンガス圧が選定されてしまう可能性もゼロではない。そこで、制御シーケンス決定部44が最適コリジョンガス圧を全て自動的に決めてしまうのではなく、分析者による選択や指示の余地の残すようにしてもよい。
具体的には、制御シーケンス決定部44は複数の化合物が重なっている溶出時間に対する最適コリジョンガス圧を上記第1〜第3の方法のいずれかによって算出したあとに、その結果を表示部48の画面上に表示するとともに、分析者によるそのガス圧値の変更の要否を確認する表示を行う。この表示を見た分析者は、そのガス値で問題なければ該値を承認し、ガス値を変更したければ変更後の値を入力部47から入力する。この入力を受けた制御シーケンス決定部44は分析者による手動変更後の値を、該当する溶出時間に対する最適コリジョンガス圧として決定する。
上記のように分析者がコリジョンガス圧の的確性を判断するには、コリジョンガス圧と信号強度との関係が容易に把握できることが望ましい。そこで、分析者によるガス圧値の確認や修正を求める場合には、図8に示すようなコリジョンガス圧確認画面100を表示部48に表示するとよい。コリジョンガス圧確認画面100には、重なっている複数の化合物のコリジョンガス圧と信号強度との関係を示すグラフ101と、該グラフ101上に表示されている縦棒状のマーカ101aで指示されるガス圧値表示欄102と、マーカ101aで指示されているガス圧における各化合物の規格化信号強度を示すテーブル103と、が配置されている。マーカ101aは入力部(例えばマウス等のポインティングデバイス)47による操作によって左右に移動可能であり、その操作によって、任意のコリジョンガス圧に対する各化合物の規格化信号強度を確認することができる。こうした表示と操作によって分析者は分析目的等に応じた適切なコリジョンガス圧を探索し、それを最適コリジョンガス圧に設定することができる。
なお、こうした分析者によるコリジョンガス圧値の確認や変更等の作業を常に分析者に要求すると、却って操作性を損なうことも考えられる。そこで、例えば、第1〜第3の方法のいずれかで最適コリジョンガス圧を自動的に算出し、少なくとも一つの化合物の該ガス圧における信号強度の低下の度合いが所定許容値以上になったときのみに、分析者による上記作業を要求するようにしてもよい。
以上のようにして、制御シーケンス決定部44は実際に試料の測定を実行する前に、測定対象である全ての化合物の溶出時間に対し最適コリジョンガス圧を決定し、少なくともその溶出時間においてコリジョンセル31内のコリジョンガス圧が決定された最適コリジョンガス圧になるようにガス圧の制御シーケンスを作成する。ここでいうガス圧の制御シーケンスとは、時間経過に伴ってコリジョンガス圧を変化させるプログラムである。作成された制御シーケンスは制御シーケンス記憶部45に格納される。
分析者の指示等によって実際の測定が開始されると、制御部41は制御シーケンス記憶部45に格納されている制御シーケンスに従ってガス供給部35などを制御しつつ、測定を実行する。これにより、コリジョンセル31内のコリジョンガス圧は例えば図9に示すように、時間が経過するに伴い変化する。この変化は、液体クロマトグラフ部10で時間的に分離されて質量分析装置20に導入される化合物に対応しており、その化合物由来のイオンの解離効率が最大又はそれに近い状態になるようにコリジョンガス圧は設定される。その結果、いずれの化合物についてもプロダクトイオンが高い感度で検出され、例えばデータ処理部40においてプロダクトイオンのマスクロマトグラムを作成したときにピークの面積値の精度が向上する。
上記実施例は本発明をLC/MS/MSに適用した例であるが、本発明はGC/MS/MSに適用可能であることは明らかである。
また、それ以外に、本発明の趣旨の範囲で適宜に変形、追加、修正を行っても本願特許請求の範囲に包含されることは明らかである。
10…液体クロマトグラフ部
11…移動相容器
12…送液ポンプ
13…インジェクタ
14…カラム
15…シリンジポンプ
20…質量分析装置
21…イオン化室
22、23…中間真空室
24…分析室
25…ESI用プローブ
26…加熱キャピラリ
27、29…イオンガイド
28…スキマー
30…前段四重極マスフィルタ
31…コリジョンセル
32…多重極イオンガイド
33…後段四重極マスフィルタ
34…イオン検出器
35…ガス供給部
36…電源部
40…データ処理部
41…制御部
42…最適ガス圧探索制御部
43…化合物対応情報記憶部
44…制御シーケンス決定部
45…制御シーケンス記憶部
47…入力部
48…表示部

Claims (12)

  1. 試料中の化合物を分離するクロマトグラフと、該クロマトグラフで分離された試料中の化合物由来のイオンの中で特定の質量電荷比を有するイオンをコリジョンセル内でコリジョンガスと衝突させることで解離させ、それにより生成されたプロダクトイオンを検出する質量分析計と、を具備するクロマトグラフ質量分析装置において、
    a)前記コリジョンセル内にコリジョンガスを供給するガス供給部と、
    b)化合物毎に保持時間情報と最適コリジョンガス圧情報とを記憶しておく化合物情報記憶部と、
    c)測定対象として設定された目的化合物に対する保持時間情報及び最適コリジョンガス圧情報を前記化合物情報記憶部から取得し、該情報に基づいて、目的化合物が前記クロマトグラフから前記質量分析計に導入されるタイミングに応じてコリジョンガス圧を調整するように前記ガス供給部を制御する分析制御部と、
    を備えることを特徴とするクロマトグラフ質量分析装置。
  2. 請求項1に記載のクロマトグラフ質量分析装置であって、前記分析制御部は、
    c1)測定実行に先立って、測定対象として設定された目的化合物に対する保持時間情報及び最適コリジョンガス圧情報を前記化合物情報記憶部から取得し、該情報に基づいて、測定時における時間経過に対するコリジョンガス圧の変化を示す分析条件情報を決定する分析条件決定部と、
    c2)測定実行に際して前記分析条件情報に従って前記ガス供給部を制御する制御実行部と、を含むことを特徴とするクロマトグラフ質量分析装置。
  3. 請求項1又は2に記載のクロマトグラフ質量分析装置であって、
    前記分析制御部は、複数の目的化合物の溶出時間が重なっている場合に、その複数の目的化合物にそれぞれ対応する最適コリジョンガス圧の相加平均又は相乗平均をその複数の目的化合物が重なっている溶出時間における最適コリジョンガス圧と定めることを特徴とするクロマトグラフ質量分析装置。
  4. 請求項1又は2に記載のクロマトグラフ質量分析装置であって、
    前記化合物情報記憶部は、化合物毎にコリジョンガス圧と信号強度との関係を示す情報を含み、
    前記分析制御部は、複数の目的化合物の溶出時間が重なっている場合に、その複数の目的化合物にそれぞれ対応するコリジョンガス圧と信号強度との関係を示す曲線の交点に相当するガス圧を、その複数の目的化合物が重なっている溶出時間における最適コリジョンガス圧と定めることを特徴とするクロマトグラフ質量分析装置。
  5. 請求項1又は2に記載のクロマトグラフ質量分析装置であって、
    前記化合物情報記憶部は、化合物毎にコリジョンガス圧と信号強度との関係を示す情報を含み、
    前記分析制御部は、3以上の目的化合物の溶出時間が重なっている場合に、その複数の目的化合物の中で最適コリジョンガス圧が最も相違する二つの目的化合物にそれぞれ対応するコリジョンガス圧と信号強度との関係を示す曲線を利用して、その3以上の目的化合物が重なっている溶出時間における最適コリジョンガス圧を求めることを特徴とするクロマトグラフ質量分析装置。
  6. 請求項1又は2に記載のクロマトグラフ質量分析装置であって、
    前記化合物情報記憶部は、化合物毎にコリジョンガス圧と信号強度との関係を示す情報を含み、
    前記分析制御部は、複数の目的化合物の溶出時間が重なっている場合に、その複数の目的化合物にそれぞれ対応する最適コリジョンガス圧の相加平均と、それら複数の目的化合物にそれぞれ対応する最適コリジョンガス圧の相乗平均とをそれぞれ計算して、その複数の目的化合物が重なっている溶出時間における最適コリジョンガス圧候補とするとともに、それら複数の目的化合物それぞれにおけるコリジョンガス圧と信号強度との関係を示す曲線を利用して、その複数の目的化合物が重なっている溶出時間における別の最適コリジョンガス圧候補を求め、それら複数の最適コリジョンガス圧候補の中で、その複数の目的化合物に対する信号強度の低下度合いが最小である最適コリジョンガス圧候補をその複数の目的化合物が重なっている溶出時間における最適コリジョンガス圧として選択することを特徴とするクロマトグラフ質量分析装置。
  7. 請求項3〜6のいずれかに記載のクロマトグラフ質量分析装置であって、
    複数の目的化合物の溶出時間が重なっている場合に、自動的に決定されるコリジョンガス圧と分析者により入力されたガス圧とのいずれを、複数の目的化合物が重なっている溶出時間における最適コリジョンガス圧として定めるかを分析者が選択する選択指示部をさらに備えることを特徴とするクロマトグラフ質量分析装置。
  8. 請求項7に記載のクロマトグラフ質量分析装置であって、
    前記選択指示部は、自動的に決定されたコリジョンガス圧の下で、溶出時間が重なる複数の化合物のうちの少なくとも一つの化合物における信号強度が、該化合物の最大信号強度に対して所定の範囲に収まらない場合にのみ、自動的に決定されたコリジョンガス圧と分析者により入力されたガス圧とのいずれを、複数の目的化合物が重なっている溶出時間における最適コリジョンガス圧として定めるかを分析者が選択可能としたことを特徴とするクロマトグラフ質量分析装置。
  9. 請求項8に記載のクロマトグラフ質量分析装置であって、
    溶出時間が重なる複数の目的化合物についてのコリジョンガス圧と信号強度との関係を示すグラフを表示部の画面上に表示する表示処理部を、さらに備えることを特徴とするクロマトグラフ質量分析装置。
  10. 請求項9に記載のクロマトグラフ質量分析装置であって、
    前記表示部の画面上に表示された前記グラフ上で分析者が任意のコリジョンガス圧を指定するためのガス圧指示部をさらに備え、
    前記表示処理部は、前記ガス圧指示部により指定されたコリジョンガス圧の下での溶出時間が重なる複数の目的化合物の信号強度を表示することを特徴とするクロマトグラフ質量分析装置。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載のクロマトグラフ質量分析装置であって、
    同一化合物を含む試料が前記質量分析計に導入されている状態で、前記ガス供給部によりコリジョンガス圧を連続的に又は段階的に変化させつつ、その変化毎に前記化合物由来のプロダクトイオンの信号強度を取得する予備測定実行部と、
    該予備測定実行部により得られたコリジョンガス圧の変化に対応する信号強度変化に基づいて最大の信号強度が最大となるコリジョンガス圧を求める最適ガス圧抽出部と、
    をさらに備え、前記最適ガス圧抽出部により求められたコリジョンガス圧を前記化合物情報記憶部に記憶する最適コリジョンガス圧情報として利用することを特徴とするクロマトグラフ質量分析装置。
  12. 試料中の化合物を分離するクロマトグラフと、該クロマトグラフで分離された試料中の化合物由来のイオンの中で特定の質量電荷比を有するイオンをコリジョンセル内でコリジョンガスと衝突させることで解離させ、それにより生成されたプロダクトイオンを検出する質量分析計と、を具備するクロマトグラフ質量分析装置において、
    a)前記コリジョンセル内にコリジョンガスを供給するガス供給部と、
    b)同一化合物を含む試料が前記質量分析計に導入されている状態で、前記ガス供給部によりコリジョンガス圧を連続的に又は段階的に変化させつつ、その変化毎に該化合物由来のプロダクトイオンの信号強度を取得する予備測定実行部と、
    c)該予備測定実行部により得られたコリジョンガス圧の変化に対応する信号強度変化に基づいて最大の信号強度が最大となるコリジョンガス圧を求める最適ガス圧抽出部と、
    d)前記化合物を含む試料を前記クロマトグラフに導入して測定を行うに際し、少なくとも該化合物が前記クロマトグラフから前記質量分析計に導入されるときに、前記最適ガス圧抽出部により得られた最適コリジョンガス圧を用いてコリジョンガス圧を調整するように前記ガス供給部を制御する分析制御部と、
    を備えることを特徴とするクロマトグラフ質量分析装置。
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