JPWO2015045444A1 - 無線基地局装置およびリソース割り当て方法 - Google Patents

無線基地局装置およびリソース割り当て方法 Download PDF

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Abstract

トラフィック履歴記憶部(130)が、基地局セル無線部(200−1)〜(200−n)におけるトラフィックの実績をトラフィック履歴として記憶し、トラフィックデータベース(140)が、トラフィック履歴に基づいて学習されたトラフィックデータを格納し、トラフィック予測部(150)が、トラフィックデータとトラフィック履歴とに基づいて、所定の時間後のトラフィック変動を予測し、処理リソース制御部(160)が、所定の時間間隔ごとに、予測されたトラフィック変動に基づいて、信号処理カード(121−1)〜(121−m)における処理リソースの割り当て制御を行う。

Description

本発明は、複数の遠隔無線ユニットにおける無線通信処理を集約する無線基地局装置およびリソース割り当て方法に関する。
モバイル通信のデータトラフィックは、近年のスマートフォンやタブレット端末の急速な普及等により、急激に増加している。そのため、2007年の世界無線会議(WRC−07)にて、LTE(Long Term Evolution)−Advancedなど4G(Generation)用の周波数帯として3.5GHz帯などを確保することで国際的な合意がなされている。今後、トラフィックの急増に対応するため、これらの新規周波数帯が4G向けに割り当てられていくことが予想されている。また、システム全体のトラフィック容量を増大させるための施策として、一般的なマクロセル基地局のエリア内にスモールセル基地局を複数設置するヘテロジニアスネットワーク構成や、スモールセル基地局の高密度設置などが検討されている。
無線基地局ごとのトラフィックは、その無線基地局の設置場所にも依存して時間ごとに変動する。例えば、オフィスエリアでは勤務時間帯である昼間にトラフィックがピークになる一方で、住宅エリアでは仕事や学校から帰宅後の夕方から夜にかけてトラフィックがピークになる。いずれのエリアも、深夜においてトラフィックは減少する。現状のシステムでは、それぞれの基地局ごとに各々のエリアにおけるトラフィックのピークに合わせた無線通信処理リソースが実装され、トラフィックが減少しても全ての基地局の処理リソースが動作している。
近年、トラフィックの急増に対応する今後のスモールセル基地局の高密度設置時期に向けて、複数基地局分のベースバンド信号処理などの無線通信処理部を1つの基地局装置内に集約化するC−RANと呼ばれるアーキテクチャが提案されている。C−RANアーキテクチャのコンセプトは、集約化した無線通信処理部の処理リソースを、複数の基地局間で効率的にリソース共有することにより、基地局装置の低コスト化や低消費電力化を可能にする技術である。すなわち、無線通信処理を1つの基地局装置内に集約化し、理想的には、全てのエリア分のトラフィックを平均化した形でのピークに合わせた処理リソースの実装で対応可能となるため、装置小規模化や低コスト化が可能である。また、この技術は、リソース共有により、低トラフィック時には動作させる処理リソース数を劇的に減らすことが可能となり、低消費電力化も可能となる技術である。
ここで、このC−RANアーキテクチャを効率的に実現するためには、各基地局の通信トラフィックの変動に応じて集約化した演算器を共有し、稼働するベースバンドカード数や演算器数をできるだけ減らすような演算スケジューリング(リソース割当制御)技術が必要である。基地局装置に向けた演算スケジューリング技術(演算リソース割当技術)として、いくつかの技術が開示されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
特許文献1には、複数のベースバンド信号処理を行うカードを持つ基地局において、時間と共に変化するトラフィックのもとで、リソースを効率的に配置し、呼損を防止する技術が開示されている。これは、リソース監視手段、リソース制御手段およびトラフィック記録手段を設け、空きリソース数が閾値を下回った場合にリソース再配置処理を起動する。さらに、時間帯ごとに最も多く発生した呼を基に閾値を変化させる。すなわち、最も多く発生した呼の使用リソース数を基に閾値を変化させることで、不要な再配置処理を防止する。
また、特許文献2には、無線基地局装置において、稼働状態のベースバンドカードの数を制御する技術が開示されている。この無線基地局装置は、複数のベースバンドカードを有し、各々のリソース使用量の測定部と、リソース使用量に基づいて各々のベースバンドカードのリソース収容替えを行う制御部とを備える基地局装置である。また、この無線基地局装置は、既存サービスとHSDPA(High−Speed Downlink Packet Access)方式やHSUPA(High−Speed Uplink Packet Access)方式を適用したサービス(以下、HSサービスと称する)との両方を収容可能なカードと、HSサービスは収容不可であるカードとを考慮して収容替えを行う。
また、特許文献3には、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)方式を用いる無線通信システムにおいて、複数の無線リソースの接続状態を切り替える技術が開示されている。この技術は、セクタ毎に割り当てられる周波数帯域幅を、端末の数に対応して変化させ、基地局装置がセクタ毎の無線リソース割当手段と、それに対応したリソースの接続状態切り替え手段とを備えることを特徴とする。
特開2004−343309号公報 特開2011−101104号公報 国際公開第08/149403号
しかしながら、特許文献1に開示された技術は、単体の基地局装置内のリソース割当に関する技術のため、複数の基地局装置間においてリソースを再配置する切り替えオーバヘッドについては考慮されていない。そのため、複数基地局分のベースバンド信号処理部を集約化する場合には、基地局間における頻繁なリソース切り替えは切り替えオーバヘッドが大きいという課題がある。
また、特許文献2に開示された技術においても、複数の基地局装置間におけるリソースの収容替えを行う際の切り替えオーバヘッドについては考慮されていない。そのため、複数基地局分のベースバンド信号処理部を集約化する場合には、基地局間における頻繁なリソース切り替えは切り替えオーバヘッドが大きいという課題がある。
また、特許文献3に開示された技術においては、複数の無線リソース全体を合計した帯域幅は不変であるため、トラフィックに応じて処理リソースの数を削減することは困難である。例えば、5MHz帯域幅の処理に対応する無線通信処理リソースが6個存在する場合、この技術により(10MHz帯×3セクタ)の基地局構成と、(20MHz帯×1セクタ+5MHz帯×2セクタ)の基地局構成等とを切り替えることが可能である。しかし、トラフィックに応じて更に処理リソース数を削減することには対応できない。
このように、一般的な無線基地局装置において、複数基地局分のベースバンド信号処理部を集約化し、複数のベースバンドカードを用いてリソース制御する場合には、頻繁なリソース切り替えが発生すると、切り替えオーバヘッドが大きくなってしまうという問題点がある。その理由は、単体の基地局装置内のリソース切り替えに比べて、複数の基地局間のリソース切り替えのオーバヘッドは大きく無視できなくなるということと、また、その時点のトラフィック情報やリソース使用率のみを用いてリソース制御を行うため、頻繁なリソース切り替えが発生しやすいことである。また、同様に、任意の基地局の処理を、異なるベースバンドカードに動的に割当を切り替える場合、瞬時の切り替えでは間に合わないおそれもある。
本発明の目的は、前述した課題を解決する無線基地局装置およびリソース割り当て方法を提供することである。
本発明の無線基地局装置は、
複数の基地局セル無線部における無線信号処理を集約する無線基地局装置であって、
前記無線信号処理を行う複数の信号処理モジュールを集約するベースバンド処理プールと、
前記複数の基地局セル無線部におけるトラフィックの実績をトラフィック履歴として記憶するトラフィック履歴記憶部と、
前記トラフィックの実績であるトラフィック履歴に基づいて学習されたトラフィックデータを格納するトラフィックデータベースと、
前記トラフィックデータと前記トラフィック履歴とに基づいて、所定の時間後のトラフィック変動を予測するトラフィック予測部と、
所定の時間間隔ごとに、前記予測されたトラフィック変動に基づいて、前記信号処理モジュールにおける処理リソースの割り当て制御を行う処理リソース制御部とを有する。
また、本発明のリソース割り当て方法は、
複数の基地局セル無線部における無線信号処理を集約する装置におけるリソース割り当て方法であって、
前記複数の基地局セル無線部におけるトラフィックの実績をトラフィック履歴として記憶する処理と、
前記トラフィックの実績であるトラフィック履歴に基づいて学習されたトラフィックデータを格納する処理と、
前記トラフィックデータと前記トラフィック履歴とに基づいて、所定の時間後のトラフィック変動を予測する処理と、
所定の時間間隔ごとに、前記予測されたトラフィック変動に基づいて、前記無線信号処理を行う複数の信号処理モジュールにおける処理リソースの割り当てを制御する処理とを行う。
以上説明したように、本発明においては、複数基地局分のベースバンド処理を集約する基地局装置において、頻繁なリソース切り替えによる切り替えオーバヘッドを低減することができる。
本発明の無線基地局装置の第1の実施の形態を示す図である。 図1に示したトラフィックデータベースに蓄積された日々のトラフィックデータ(平均値)と、図1に示したトラフィック履歴記憶部にてカウントされる当日のトラフィック履歴(実績)との一例を示す図である。 図1に示したトラフィック予測部におけるトラフィック予測の処理の一例を説明するためのフローチャートである。 図1に示したトラフィック予測部における分散値の算出処理の一例を説明するためのフローチャートである。 図1に示した処理リソース制御部が行う処理リソース制御の様子の一例を示す図である。 図1に示した処理リソース制御部が行う処理リソース制御の様子の一例を示す図である。 図1に示した処理リソース制御部が行う処理リソース制御の様子の一例を示す図である。 本発明の無線基地局装置の第2の実施の形態を示す図である。 図6に示した処理リソース制御部が行う処理リソース制御の様子の一例を示す図である。 図6に示した処理リソース制御部が行う処理リソース制御の様子の一例を示す図である。 図6に示した処理リソース制御部が行う処理リソース制御の様子の一例を示す図である。 図6に示した切り替えタイミング監視部における処理の一例を説明するためのフローチャートである。 図6に示した切り替えタイミング監視部における処理の他の例を説明するためのフローチャートである。 本発明の無線基地局装置の第3の実施の形態を示す図である。 図10に示した無線基地局装置における処理リソース制御の一例を説明するためのフローチャートである。 図10に示した処理リソース制御部が行う処理リソース制御の様子の一例を示す図である。 図10に示した処理リソース制御部が行う処理リソース制御の様子の一例を示す図である。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の無線基地局装置の第1の実施の形態を示す図である。
本形態における無線基地局装置100には図1に示すように、接続切り替え部110と、複数の信号処理モジュールである信号処理カード121−1〜121−m(mは2以上の整数)を集約するベースバンド処理プール120と、トラフィック履歴記憶部130と、トラフィックデータベース140と、トラフィック予測部150と、処理リソース制御部160と、閾値制御部170と、移動量監視部180とが設けられている。
信号処理カード121−1〜121−mは、複数の遠隔無線ユニット(RRU:Remote Radio Unit)である基地局セル無線部200−1〜200−n(nは2以上の整数)における無線信号処理を行う信号処理モジュールである。信号処理カード121−1〜121−mを集約するベースバンド処理プール120は、信号処理カード121−1〜121−mを用いて、基地局セル無線部200−1〜200−nとの間での処理リソースの共有を行いながら、例えば、LTE−Advancedなどの無線通信方式のLayer−1処理(ベースバンド信号処理)等を行う。また、信号処理カード121−1〜121−mは、無線側は接続切り替え部110を介して光ファイバや無線バックホール(フロントホール)などを用いて各基地局セル無線部200−1〜200−nと接続される。ここで、ベースバンド処理プール120で処理する無線通信方式は、LTE−Advanced以外の無線方式であっても良く、処理するレイヤもLayer−1以外のLayer−2等であっても良い。
トラフィック履歴記憶部130は、上位レイヤを処理する上位装置300から転送される無線リソース情報等に基づいて、基地局セル無線部200−1〜200−mにおける、その日のトラフィックの実績をトラフィック履歴として記憶する。トラフィック履歴記憶部130は、トラフィックデータベース140に格納しているトラフィックデータと同じ時間間隔にて、基地局セル無線部200−1〜200−mごとのトラフィック実績をカウントして記憶する。
トラフィックデータベース140は、基地局セル無線部200−1〜200−mのそれぞれにおける所定の時間ごと(例えば、10分間ごと、30分間ごと、1時間ごと等)のトラフィックデータを格納している。このトラフィックデータは、基地局セル無線部200−1〜200−mごとにその位置情報のみに依存した固定的なトラフィックデータであっても良いし、基地局セル無線部200−1〜200−mのそれぞれの位置情報と日にち情報とに依存した統計的なトラフィックデータであっても良い。トラフィックデータベース140が格納するトラフィックデータが統計的なトラフィックデータである場合、トラフィックデータベース140は、トラフィック履歴記憶部130で記録する日々のトラフィック実績に基づいて学習されたトラフィックデータを格納する。また、トラフィックデータベース140は、この学習によりトラフィックデータを更新する。また、この位置情報としては、オフィスエリア、住宅エリア、工場エリア、商業エリア、スタジアムエリア、コンサート会場エリア、屋内等が該当する。また、この日にち情報としては、曜日、平日、休日、休前日、祝日、週末、年末年始、ゴールデンウィーク、各種イベント(スポーツ,コンサート,演劇)の開催期間や開催日等が該当する。日にち情報も用いる場合、トラフィックデータベース140は、基地局セル無線部200−1〜200−mごとに複数のトラフィックデータを格納することになる。
トラフィック予測部150は、トラフィックデータベース140に格納されている基地局セル無線部200−1〜200−mごとのトラフィックデータと、トラフィック履歴記憶部130に格納されている日々のトラフィック履歴とに基づいて、その後の時間帯の(次の時間間隔における)基地局セル無線部200−1〜200−mごとのトラフィック変動を予測する。また、トラフィック予測部150は、予測した結果を処理リソース制御部160へ通知する。また、トラフィック予測部150は、トラフィックデータベース140が格納するトラフィックデータと、トラフィック履歴との差分を基地局セル無線部200−1〜200−mごとに累積する。これにより、トラフィック予測部150は、トラフィックの分散データを構築して分散値を算出する。また、トラフィック予測部150は、算出した分散値を閾値制御部170へ通知する。
処理リソース制御部160は、トラフィック予測部150から通知されるトラフィック予測結果(トラフィック変動)と、閾値制御部170から通知される基地局セル無線部200−1〜200−mごとのマージン値と、移動量監視部180から通知される基地局セル無線部200−1〜200−mごとの移動量または移動時間と、信号処理カード121−1〜121−mごとの最大処理能力の情報等とに基づいて、任意に設定された周期(一定の時間間隔)ごとに処理リソースの割り当て制御を行う。
閾値制御部170は、トラフィック予測部150から通知された分散値に基づいて、基地局セル無線部200−1〜200−mごとに必要となる処理リソース量のマージン値(閾値)を算出する。また、閾値制御部170は、算出したマージン値を処理リソース制御部160へ通知する。
移動量監視部180は、基地局セル無線部200−1〜200−mの無線信号処理を、その無線信号処理を行っている信号処理カードから他の信号処理カードへ移動させるための処理負荷の量である移動量または移動時間を記録する。この移動量は、その時点で処理している基地局セル無線部200−1〜200−m分の信号処理を他の信号処理カードに移動する場合の移動データ量やオーバヘッド等の処理負荷の量である。また、この移動量は、信号処理カード121−1〜121−mから報告される。また、この移動時間は、その時点で処理している基地局セル無線部200−1〜200−m分の信号処理を他の信号処理カードに移動する場合に、その移動にかかる処理時間である。また、移動量監視部180は、記録した移動量や移動時間を処理リソース制御部160へ報告する。
以下に、図1に示した形態における動作について説明する。
本形態における無線基地局装置100は、ベースバンド処理プール120に設けられた信号処理カード121−1〜121−mを用いて、基地局セル無線部200−1〜200−m分の、例えばLTE−AdvancedなどのLayer−1処理(ベースバンド信号処理)等の無線通信処理を集約して行う。信号処理カード121−1〜121−mによる処理リソースの共有により、どの基地局セル無線部200−1〜200−m分の処理をどの信号処理カード121−1〜121−mで実施するかは可変となる。そのため、各基地局セル無線部200−1〜200−mとの接続切り替え制御は、接続切り替え部110にて実施される。接続切り替え部110にて接続先が切り替えられた各送受信信号は、光ファイバや無線バックホール(フロントホール)などで各基地局セル無線部200−1〜200−mと接続される。
また、無線基地局装置100は、前述した処理リソース共有を実施するために、トラフィック予測部150が予測したトラフィック変動を用いて処理リソースを制御する処理リソース制御部160を備える。トラフィック予測部150は、所定の周期(一定の時間間隔)ごとに、トラフィックデータベース140に蓄積された日々のトラフィックデータ(平均値)と、トラフィック履歴記憶部130にてカウントされる当日のトラフィック履歴(実績)とから、次の時間帯のトラフィックを予測する。
図2は、図1に示したトラフィックデータベース140に蓄積された日々のトラフィックデータ(平均値)と、図1に示したトラフィック履歴記憶部130にてカウントされる当日のトラフィック履歴(実績)との一例を示す図である。
トラフィックデータベース140は、前述した位置情報(オフィスエリア、住宅エリア等)と日にち情報(平日、週末、イベントの開催期間や開催日等)とに基づいて、各基地局セル無線部200−1〜200−mの位置情報および日にち情報ごとにトラフィックデータを格納している。これは、何らかのトラフィックモデルを参照して構築した固定的なトラフィックデータでも良いし、トラフィックモデルのデータを初期データとして日々のトラフィック履歴(実績)を用いて学習・更新されるものであっても良い。図2に示すように、トラフィックデータベース140は、基地局セル無線部200−1〜200−mごとに一定の時間間隔ごとにその時間中のトラフィック量をデータベース化している。
トラフィック履歴記憶部130は、通信中に上位装置300から転送される無線リソース割り当て情報等に基づいて、その日のトラフィックの実績をトラフィック履歴として記録する。例えば、トラフィック履歴記憶部130は、TTI(Transmission Time Interval)ごとに決定される無線リソースへのユーザ割り当て情報や変調モード情報を基地局セル無線部200−1〜200−mごとにカウントする。これにより、トラフィック履歴記憶部130は、TTIごとのトラフィックを算出する。そして、トラフィック履歴記憶部130は、トラフィックデータベース140に格納されているトラフィックデータと同じ時間間隔分だけ累積して平均化するか、または、その時間間隔中における最大値だけを格納する。このように、トラフィック履歴記憶部130は、図2に示すような、本日の傾向としてのトラフィック実績を記録する。
図3は、図1に示したトラフィック予測部150におけるトラフィック予測の処理の一例を説明するためのフローチャートである。
トラフィック予測部150は、動的ではなく、例えば、10分間や30分間、または1時間といった所定の周期(一定の時間間隔)ごとに、次の一定時間間隔分のトラフィック予測を行う。これは、頻繁な処理リソース切り替えによる切り替えオーバヘッドの増加を防止するために行われるものである。トラフィック予測部150は、基地局セル無線部200−1〜200−mごとに、トラフィックデータベース140に格納されている基地局セル無線部200−1〜200−mごとのトラフィックデータと、トラフィック履歴記憶部130に格納されている日々のトラフィック実績とを用いてトラフィック予測を行う。
まず、ステップ1にて、トラフィック予測部150は、トラフィックデータベース140から、基地局セル無線部200−1〜200−mごとのトラフィックデータを読み出す。続いて、ステップ2にて、トラフィック予測部150は、読み出したトラフィックデータから次の一定時間間隔分のトラフィックの変動傾向(傾き)を算出する。また、ステップ3にて、トラフィック予測部150は、トラフィック履歴記憶部130から、基地局セル無線部200−1〜200−mごとのトラフィック履歴を読み出す。
続いて、ステップ4にて、トラフィック予測部150は、算出した傾きをトラフィック履歴に加算するか乗算するかして、その結果を一定時間間隔後のトラフィック予測値とする。例えば、時間tにおけるトラフィックデータをP(t)、当日のトラフィック実績をQ(t)、予測時点の時間をA、一定時間間隔後の次の時間を(A+τ)とすると、その傾きはP(A+τ)−P(A)であり、時間(A+τ)におけるトラフィック予測値は、Q(A)+P(A+τ)−P(A)のように算出できる。または、トラフィック予測部150は、傾きをP(A+τ)/P(A)として割合として導出し、時間(A+τ)におけるトラフィック予測値をQ(A)×P(A+τ)/P(A)として算出しても構わない。
このようにトラフィック予測部150は、トラフィックデータベース140に格納されているトラフィックデータから次の時間までの変動傾向(傾き)を算出する。また、トラフィック予測部150は、トラフィック履歴記憶部130に格納されている当日のトラフィック実績にその傾きを掛け合わせる。こうすることで、トラフィック予測部150は、次の時間間隔におけるトラフィック予測を行う。
ステップ5にて、トラフィック予測部150は、トラフィック予測の結果であるトラフィック予測値を、処理リソース制御部160へ通知する。また、トラフィック予測部150は、必要に応じて、トラフィック履歴記憶部130に格納されているその日のトラフィック実績を用いて、トラフィックデータベース140に格納されているトラフィックデータの更新を行う。すなわち、トラフィック予測部150は、その日のトラフィック実績を用いて、日々のトラフィックデータとの平均を算出し、算出した平均値を新しいトラフィックデータとする。
また,トラフィック予測部150は、トラフィックデータベース140に格納されているトラフィックデータと、トラフィック履歴記憶部130で記録しているその日のトラフィック実績との差分を累積する。これにより、トラフィック予測部150は、基地局セル無線部200−1〜200−mごとに時間間隔ごとの分散値を算出する。
図4は、図1に示したトラフィック予測部150における分散値の算出処理の一例を説明するためのフローチャートである。
まず、ステップ11にて、トラフィック予測部150は、トラフィックデータベース140から、基地局セル無線部200−1〜200−mごとのトラフィックデータを読み出す。ここで、トラフィック予測部150は、前述したトラフィック予測の処理におけるステップ1にて読み出したトラフィックデータを用いても良い。また、ステップ12にて、トラフィック予測部150は、トラフィック履歴記憶部130から、基地局セル無線部200−1〜200−mごとのトラフィック履歴を読み出す。ここで、トラフィック予測部150は、前述したトラフィック予測の処理におけるステップ3にて読み出したトラフィック履歴を用いても良い。
続いて、ステップ13にて、トラフィック予測部150は、読み出したトラフィックデータとトラフィック履歴との差分を算出する。また、ステップ14にて、トラフィック予測部150は、算出した差分を累積して、基地局セル無線部200−1〜200−mごとに時間間隔ごとの分散値を算出する。そして、ステップ15にて、トラフィック予測部150は、算出した分散値を閾値制御部170へ通知する。
例えば、トラフィックデータ(毎日の平均値)と日々のトラフィック実績との差分の累積(分散値)が大きければ、トラフィックデータから算出した予測に対する誤差が大きくなる可能性が比較的高いことを意味する。一方、それらの差分の累積(分散値)が小さければ、予測に対する誤差は比較的小さくなる可能性が高いことを意味する。
閾値制御部170は、トラフィック予測部150から通知された差分の累積(分散値)に基づいて、次の時間間隔における基地局セル無線部200−1〜200−mごとの閾値(マージン値)を算出する。差分の累積(分散値)が大きければ、誤差が大きくなる可能性が高いことを考慮して、閾値制御部170は、比較的大きなマージン値を算出する。一方、差分の累積(分散値)が小さければ、誤差が小さくなる可能性が高いことを考慮して、閾値制御部170は、比較的小さなマージン値を算出する。閾値制御部170は、算出したマージン値を処理リソース制御部160へ通知する。
その後、処理リソース制御部160は、どの基地局セル無線部200−1〜200−mの処理をどの信号処理カード121−1〜121−mで実施するかを決定する処理リソース制御を行う。ここで、処理リソース制御部160は、動的ではなく、例えば10分間や30分間、または1時間といった、あらかじめ設定された一定時間間隔ごとに、次の一定時間間隔分の処理リソース制御を行う。これは、頻繁な処理リソース切り替えによる切り替えオーバヘッドの増加を防止するために行われるものである。このとき、トラフィック予測部150から一定時間間隔分の基地局セル無線部200−1〜200−mごとのトラフィック予測値と、閾値制御部170から基地局セル無線部200−1〜200−mごとに追加するマージン値が通知されてくる。そのため、処理リソース制御部160は、それらの値を用いて処理リソース制御を行う。
基本的には、信号処理カード121−1〜121−mが、トラフィックに応じて1つまたは複数の基地局セル無線部分の無線通信処理が可能な場合、任意の信号処理カードで処理している1つまたは複数の基地局セル無線部の(トラフィック予測値+マージン値)が減少し、他の基地局セル無線部分のトラフィックを収容可能になるならば、処理リソース制御部160は、その基地局セル無線部分の無線通信処理を当該信号処理カードへ移動させる。一方、当該信号処理カードで処理している複数の基地局セル無線部分の(トラフィック予測値+マージン値)が増加し、当該信号処理カードで収容可能なトラフィック量を超えるのであれば、処理リソース制御部160は、いずれかの基地局セル無線部分の無線通信処理を他の信号処理カードへ移動させる。
このとき、信号処理カード121−1〜121−m間で処理を移動させる基地局セル無線部の候補が複数ある場合に、処理リソース制御部160は、どの基地局セル無線部の無線通信処理を移動させるかを、移動量監視部180で取得している基地局セル無線部ごとの移動量に基づいて決定する。すなわち、移動量の大きさは信号処理カード121−1〜121−m間の切り替えオーバヘッドの大きさを意味する。そのため、処理リソース制御部160は、切り替えオーバヘッドを削減するために移動量のできるだけ小さな基地局セル無線部の無線通信処理を移動させるように制御する。基地局セル無線部ごとの移動量は時々刻々と変化する可能性がある。そのため、移動量監視部180は、各信号処理カード121−1〜121−mから一定時間間隔ごとに、その時点で処理している全ての基地局セル無線部分の移動量を通知してもらうことで移動量の監視を行い、処理リソース制御部160へ通知する。
図5A〜5Cは、図1に示した処理リソース制御部160が行う処理リソース制御の様子の一例を示す図である。ここでは、信号処理カードが#1〜#3の3枚であり、基地局セル無線部(図5A〜5Cにおいては、基地局セル)が#1〜#4の4つである場合を例に挙げて説明する。
例えば図5Aに示すように、信号処理カード#1に基地局セル#1と#2との無線通信処理が割り当てられており、信号処理カード#2に基地局セル#3と#4との無線通信処理が割り当てられている。ここで、図5Aに示した「予備」は、基地局セルごとのマージン値である。次の時間間隔において、トラフィック予測部150から通知されるトラフィック予測値が、基地局セル#1と#4とにおいてトラフィック増加が予測されるものである場合を考える。
トラフィックデータの平均と実トラフィック実績との差分(分散値)が小さな場合、図5Bに示すように、マージン値として確保する予備の処理量も小さくて済む。そのため、直前の処理リソース割り当て(図5Aに示したもの)と同じままでも、処理量が各信号処理カードの処理能力を超えない予測となる。
一方、差分(分散値)から算出されたマージン値として確保する予備の処理量が大きく、直前の処理リソース割り当てのままでは信号処理カード#2の処理量が信号処理カード#2の処理能力を超えてしまう予測である場合には、処理リソース制御部160は、信号処理カード#2に割り当てられている基地局セル#3と#4とのいずれか一方の無線通信処理を信号処理カード#3に移動させる。このとき、移動量監視部180から通知される、基地局セル#3の移動量が基地局セル#4の移動量よりも小さな場合、図5Cに示すように、処理リソース制御部160は、基地局セル#3の無線通信処理を信号処理カード#2から信号処理カード#3へ移動させる。
このように、処理リソース割り当て制御は、10分間や30分間、または1時間という任意の周期(一定の時間間隔)ごとに行い、その際、日々の平均であるトラフィックデータベースと当日のトラフィック実績とを用いてトラフィック予測を行う。こうすることで、頻繁な処理リソース切り替えが発生することを防止し、次の時間間隔における処理リソース割り当ての精度を向上させる。また、日々の平均であるトラフィックデータベースの確度を、データベースと実績との差分を累積することで分散値として示し、それを各基地局セル無線部の必要処理量のマージン値として追加する。こうすることで、トラフィック予測の精度に反映させることができる。さらに、基地局セル無線部ごとのトラフィックやマージン値の変動によって、信号処理カード間で基地局セル無線部の処理を移動させる必要がある場合には、処理リソース制御部160は、各信号処理カードから通知される基地局セル無線部ごとの移動量を用いて、どの基地局セル無線部の処理を移動させるかを判断する。こうすることにより、より小さな切り替えオーバヘッドで処理リソースの切り替えを行うことが可能となる。
(第2の実施の形態)
図6は、本発明の無線基地局装置の第2の実施の形態を示す図である。
本形態における無線基地局装置101には図6に示すように、接続切り替え部110と、複数の信号処理モジュールである信号処理カード121−1〜121−m(mは2以上の整数)を集約するベースバンド処理プール120と、トラフィック履歴記憶部130と、トラフィックデータベース140と、トラフィック予測部150と、処理リソース制御部161と、閾値制御部170と、移動量監視部180と、協調対象セル情報取得部190と、切り替えタイミング監視部191とが設けられている。それぞれ符号が図1に示したものと同じものは、図1に示したものと同じ動作を行う。
協調対象セル情報取得部190は、基地局間協調(CoMP:Coordinated Multi−Point Transmission and Reception)対象セルやキャリアアグリゲーション対象セルの情報を取得する。
切り替えタイミング監視部191は、処理リソース制御を行う一定時間間隔の中において、処理リソース制御が必要か否かを判断する。
以下に、図6に示した形態における動作について説明する。
第1の実施の形態と同様に、本形態における無線基地局装置101は、ベースバンド処理プール120に設けられた信号処理カード121−1〜121−mを用いて、基地局セル無線部200−1〜200−m分の、例えばLTE−AdvancedなどのLayer−1処理(ベースバンド信号処理)等の無線通信処理を集約して行う。信号処理カード121−1〜121−mによる処理リソースの共有により、どの基地局セル無線部200−1〜200−m分の処理をどの信号処理カード121−1〜121−mで実施するかは可変となる。そのため、各基地局セル無線部200−1〜200−mとの接続切り替え制御は、接続切り替え部110にて実施される。接続切り替え部110にて接続先が切り替えられた各送受信信号は、光ファイバや無線バックホール(フロントホール)などで各基地局セル無線部200−1〜200−mと接続される。
また、無線基地局装置101は、この処理リソース共有を実施するために、トラフィック予測部150が予測したトラフィック変動を用いて処理リソースを制御する処理リソース制御部161を備える。トラフィック予測部150は、ある所定の周期(一定の時間間隔)ごとに、トラフィックデータベース140に蓄積された日々のトラフィックデータ(平均値)と、トラフィック履歴記憶部130にてカウントされる当日のトラフィック履歴(実績)とから、基地局セル無線部200−1〜200−mごとにおける次の時間帯(次の時間間隔)のトラフィックを予測する。そして、処理リソース制御部161は、このトラフィック予測に、閾値制御部170が算出する閾値(マージン値)を加えて、基地局セル無線部200−1〜200−nごとの処理の見積もりを行い、その処理量が効率よく収容できるように信号処理カード121−1〜121−mへの処理割り当てを制御する。
第2の実施の形態における特有の動作としては、処理リソース制御部161は、協調対象セル情報取得部190が取得した情報も考慮して、処理リソースの割り当て制御を行う。協調対象セル情報取得部190は、各基地局セル無線部200−1〜200−nの配置構成や上位レイヤ処理等によって決定される基地局間協調対象セルか否かの情報を上位レイヤ(上位装置300)から取得する。ここで、基地局間協調セルの対象か否かは、例えば、基地局セル無線部200−1と基地局セル無線部200−2との組合せが、CoMP処理の対象セルか否か、または、キャリアアグリゲーション処理の対象セルか否か等を示す情報である。基地局セル無線部200−1と基地局セル無線部200−2との組合せが、CoMP処理の対象セルである場合、実際に任意の端末に対してCoMP処理の1つであるJoint−Transmissionが行われるタイミング(TTI)において、双方の基地局セル無線部200−1,200−2から当該端末に対して同一の送信データが送信される。この場合、対象となる基地局セル無線部200−1の処理と、基地局セル無線部200−2の処理とが別個の信号処理カードに割り当てられていると、同一の送信データに対する符号化処理など共通となる送信データ処理をそれぞれの信号処理カードにて行わなければならない。対象となる基地局セル無線部200−1の処理と、基地局セル無線部200−2の処理とを同一の信号処理カードに割り当てることによって、基地局セル無線部間で共通となる送信データ処理を共通化することが可能となる。すなわち、このような処理を別個の信号処理カードに割り当てる場合に比べて、処理量を減らすことが可能となる。そのため、信号処理カード内の演算器の稼働時間を削減でき、低消費電力化が可能となる。
また、キャリアアグリゲーション処理の対象セルか否かについても同様に、対象となる基地局セル無線部の処理を同一の信号処理カードに割り当てることによって、当該基地局セル無線部間で共通となる処理を共通化することができ、処理量の削減や低消費電力化につながる。
したがって、図6に示した処理リソース制御部161は、トラフィック予測によって信号処理カード121−1〜121−m間で移動させる基地局セル無線部の無線通信処理の候補が複数ある場合、どの基地局セル無線部の無線通信処理を移動させるかを、協調対象セル情報取得部190が取得した情報を用いて決定する。すなわち、トラフィック予測により制御対象となる処理リソース割り当て候補が複数ある場合には、処理リソース制御部161は、各々の基地局間協調対象セルができるだけ多く同一の信号処理カードに割り当てられるように、処理リソース割り当て制御を行う。さらに、処理リソース制御部161は、第1の実施の形態で説明したように移動量監視部180から通知される移動量の情報も組み合わせて処理リソース割り当て制御を行っても構わない。
図7A〜7Cは、図6に示した処理リソース制御部161が行う処理リソース制御の様子の一例を示す図である。ここでは、信号処理カードが#1〜#3の3枚であり、基地局セル無線部(図7A〜7Cにおいては、基地局セル)が#1〜#5の5つである場合を例に挙げて説明する。
例えば図7Aに示すように、信号処理カード#1に基地局セル#1と#2との無線通信処理が割り当てられており、信号処理カード#2に基地局セル#3と#4と#5との無線通信処理が割り当てられている。ここで、図7Aに示した「予備」は、基地局セルごとのマージン値である。次の時間間隔において、トラフィック予測部150から通知されるトラフィック予測値が、それぞれの基地局セルにおいてトラフィック増加が予測されるものである場合を考える。
それぞれの基地局セルにおいてトラフィックが増加すると、信号処理カード#2におけるトラフィック処理量が信号処理カード#2の処理能力を超えてしまう。そこで、基地局セル#4の処理と基地局セル#5の処理とのいずれか一方を信号処理カード#3へ移動させる必要がある。基地局セル#3と#4と#5との間で基地局間協調対象セルが存在しない場合、図7Bに示すように、処理リソース制御部161は、移動量の小さな基地局セル#5の処理を信号処理カード#3へ移動させる。
一方、基地局セル#3と#5とが基地局間協調対象セルである場合は、共通の処理が行われる可能性があるため、図7Cに示すように、処理リソース制御部161は、基地局セル#3の処理と#5の処理とを同一の信号処理カード#2に割り当て、基地局セル#4の処理を信号処理カード#3へ移動させる。
このように,基地局間協調対象セルの情報に基づいて信号処理カードの割り当て処理を行い、基地局間協調対象セルの処理を同一の信号処理カードに割り当てる。こうすることで、本来、基地局セルごとに必要な処理を共通化して演算器の稼働時間や消費電力を削減することが可能となる。
また、第2の実施の形態における無線基地局装置101は、切り替えタイミング監視部191も備える。第1の実施の形態においては、処理リソース制御部160は、所定の周期(一定の時間間隔)ごとにトラフィック予測部150から通知されるトラフィック予測に基づいて処理リソース制御を行うことで処理リソース切り替えに伴う処理オーバヘッドを削減する。しかしながら、当該時間間隔内においてトラフィック予測部150から通知される予測値よりも実際のトラフィックが超えそうになった場合には、そのタイミングでリソース切り替え制御が必要である。
図8は、図6に示した切り替えタイミング監視部191における処理の一例を説明するためのフローチャートである。
切り替えタイミング監視部191は、信号処理カード121−1〜121−mから報告される基地局セル無線部200−1〜200−nの処理を移動する場合の移動量または移動時間を移動量監視部180から取得し、基地局セル無線部200−1〜200−nの処理の移動に必要な時間を把握している。ステップ21にて、切り替えタイミング監視部191は、TTIごとにトラフィック履歴記憶部130に記録されるトラフィック履歴とトラフィックデータベース140内に格納されたトラフィックデータとに基づいて、TTIごとに各基地局セル無線部200−1〜200−nの処理の移動が間に合う時点におけるトラフィック予測を行う。
ステップ22にて、トラフィック予測の結果、その時点で処理が破綻する信号処理カードが存在するかどうか、すなわち、予測されたトラフィックが処理能力を超える信号処理カードが存在するかどうかを、切り替えタイミング監視部191が判定する。
処理が破綻する信号処理カードが存在すると判定された場合、ステップ23にて、切り替えタイミング監視部191は、処理破綻が起きないように、処理リソース割り当てを切り替える処理リソース制御を行うように、処理リソース制御部161へ通知する。通知を受けた処理リソース制御部161は、一定時間間隔とは異なるタイミングで、基地局セル無線部200−1〜200−nの処理の移動を行う。
図9は、図6に示した切り替えタイミング監視部191における処理の他の例を説明するためのフローチャートである。
まず、ステップ31にて、切り替えタイミング監視部191は、トラフィック履歴記憶部130から、基地局セル無線部200−1〜200−nごとの現時点のトラフィック履歴を読み出す。続いて、ステップ32にて、切り替えタイミング監視部191は、読み出した基地局セル無線部200−1〜200−nごとのトラフィック履歴に基づいて、次のTTIにおいて基地局セル無線部200−1〜200−nごとにトラフィック(無線リソース割り当て)が少しでも増えると処理能力を超えてしまう信号処理カードが存在するかどうかを判定する。処理能力を超えてしまう信号処理カードが存在すると判定された場合、ステップ33にて、切り替えタイミング監視部191は、上位装置300等の上位レイヤに対して、当該基地局セル無線部200−1〜200−nの無線リソース割り当てが増えないように制限する通知を行う。
このように、第2の実施の形態における無線基地局装置101は、切り替えタイミング監視部191を備えることにより、一定の時間間隔でのトラフィック予測では制御しきれないようなトラフィック量の急激な増加が生じた場合であっても、その一定時間間隔の途中において、各基地局セル無線部200−1〜200−nの処理の移動量(移動時間)を考慮した処理リソース制御を行うことが可能である。すなわち、基本的には一定時間間隔にて処理リソース切り替え制御を行うことで、切り替えに伴う処理オーバヘッドを削減でき、その上で、トラフィック予測を超えるトラフィック量の急激な増加があった場合にも対応が可能になる。さらに、それでも処理リソース制御が間に合わないような場合には、上位装置300へ当該基地局セル無線部における無線リソースの割り当て増加を制限するように通知することで、処理リソース割り当てに伴う処理の破綻を防止することができる。
(第3の実施の形態)
図10は、本発明の無線基地局装置の第3の実施の形態を示す図である。第3の実施の形態では、信号処理カードと基地局セル無線部とを一定の単位でクラスタ化して処理リソース制御を行う。
本形態における無線基地局装置102には図10に示すように、接続切り替え部111−1,111−2と、複数の信号処理モジュールである信号処理カード121−1〜121−m(mは2以上の整数)を集約するベースバンド処理プール125と、トラフィック履歴記憶部130と、トラフィックデータベース140と、トラフィック予測部150と、処理リソース制御部162と、閾値制御部170と、移動量監視部180とが設けられている。
第1の実施の形態と同様に、ベースバンド処理プール125は、信号処理カード121−1〜121−mを用いて、基地局セル無線部200−1〜200−nとの間での処理リソースの共有を行いながら、例えば、LTE−Advancedなどの無線通信方式のLayer−1処理(ベースバンド信号処理)等を行う。また、信号処理カード121−1〜121−mは、無線側は接続切り替え部111−1,111−2を介して光ファイバや無線バックホール(フロントホール)などを用いて各基地局セル無線部200−1〜200−nと接続される。ここで、ベースバンド処理プール125で処理する無線通信方式は、LTE−Advanced以外の無線方式であっても良く、処理するレイヤもLayer−1以外のLayer−2等であっても良い。
第3の実施の形態における特有の構成として、ベースバンド処理プール125内の信号処理カード121−1〜121−mが一定の単位でクラスタ化されている。図10に示した形態では、信号処理カード121−1〜121−5がクラスタ126−1にクラスタ化され、信号処理カード121−6〜121−mがクラスタ126−2にクラスタ化されている。同様に、基地局セル無線部200−1〜200−nもクラスタ化されており、クラスタ126−1,126−2に対応する2つの接続切り替え部111−1,111−2を介して接続されている。
以下に、図10に示した形態における動作について説明する。
本形態における無線基地局装置102は、第1の実施の形態における無線基地局装置100と同様に、ベースバンド処理プール125に設けられた信号処理カード121−1〜121−mを用いて、基地局セル無線部200−1〜200−m分の、例えばLTE−AdvancedなどのLayer−1処理(ベースバンド信号処理)等の無線通信処理を集約して行う。信号処理カード121−1〜121−mによる処理リソースの共有により、どの基地局セル無線部200−1〜200−m分の処理をどの信号処理カード121−1〜121−mで実施するかは可変となる。そのため、各基地局セル無線部200−1〜200−mとの接続切り替え制御は、接続切り替え部111−1,111−2にて実施される。接続切り替え部111−1,111−2にて接続先が切り替えられた各送受信信号は、光ファイバや無線バックホール(フロントホール)などで各基地局セル無線部200−1〜200−mと接続される。
第3の実施の形態においては、前述したように、ベースバンド処理プール125内の信号処理カード121−1〜121−mは、所定の単位(クラスタ126−1,126−2)でクラスタ化されており、同様に、基地局セル無線部200−1〜200−nもクラスタ化されている。このクラスタ化により、クラスタ126−1,126−2は、一定の基地局セル無線部との接続に限定される。そのため、接続切り替え部111−1,111−2は、基本的には、そのクラスタ126−1,126−2単位で基地局セル無線部との接続を切り替える。
また、無線基地局装置102は、第1の実施の形態における無線基地局装置100と同様に、前述した処理リソース共有を実施するために、トラフィック予測部150が予測したトラフィック変動を用いて処理リソースを制御する処理リソース制御部162を備える。トラフィック予測部150は、第1の実施の形態と同様に、ある一定の時間間隔ごとに、トラフィックデータベース140に蓄積された日々のトラフィックデータ(平均値)と、トラフィック履歴記憶部130にてカウントされて記録される当日のトラフィック履歴(実績)とから、基地局セル無線部200−1〜200−nごとにおける次の時間帯(次の時間間隔)のトラフィックを予測する。そして、処理リソース制御部162は、このトラフィック予測に、閾値制御部170が算出する閾値(マージン値)を加えて、基地局セル無線部200−1〜200−nごとの処理の見積もりを行い、その処理量が効率よく収容できるように信号処理カード121−1〜121−mへの処理割り当てを制御する。
また、ベースバンド処理プール125内の信号処理カード121−1〜121−mは所定の単位でクラスタ化されている。そのため、処理リソース制御部162における処理リソース制御は、基本的には、そのクラスタ126−1,126−2ごとに行うことが可能となる。例えば、図10に示すように、クラスタ126−1には信号処理カード121−1〜121−5がクラスタ化されており、基本的には信号処理カード121−1〜121−5が基地局セル無線部200−1〜200−5の処理を担当する。また、クラスタ126−2には信号処理カード121−6〜121−mがクラスタ化されており、基本的には信号処理カード121−6〜121−mが基地局セル無線部200−6〜200−nの処理を担当する。この場合、処理リソース制御部162は、基本的にはクラスタ126−1,126−2ごとに処理リソース制御を実施する。すなわち、クラスタ126−1に含まれる信号処理カード121−1〜121−5の処理リソース制御と、クラスタ126−2に含まれる信号処理カード121−6〜121−mの処理リソース制御は、クラスタ126−1,126−2ごとに互いに独立に行われる。基本的には、処理リソース制御の処理量は対象とする基地局セル無線部の個数に対して指数的に増加する。そのため、クラスタ化して基地局セル無線部数を分割して行うことによって、処理リソース制御の処理量(演算量)を削減することができ、高速化することができる。また、処理リソース制御をクラスタごとに並列に処理することも可能となり、その場合は、さらに高速化できる。
図11は、図10に示した無線基地局装置102における処理リソース制御の一例を説明するためのフローチャートである。
図12A,12Bは、図10に示した処理リソース制御部162が行う処理リソース制御の様子の一例を示す図である。ここでは、信号処理カードが#1〜#6の6枚であり、信号処理カード#1〜#3がクラスタ126−1に含まれ、基本的に、基地局セル無線部#1〜#5の処理を担当し、また、信号処理カード#4〜#6がクラスタ126−2に含まれ、基本的に、基地局セル無線部#6〜#10の処理を担当する場合を例に挙げて説明する。
図12Aに示すように、処理リソース制御部162は、まずは、ステップ41にて、クラスタ126−1,126−2ごとに処理リソース制御を行う。このようにクラスタ化することにより、全体で信号処理カードが6枚であり、基地局セル無線部数が10個である構成における複雑な処理リソース制御処理を行う代わりに、信号処理カードが3枚であり、基地局セル無線部数が5つである構成における処理リソース制御を並列に(独立に2回)行うこととなり、全体の処理リソース制御の演算量を削減できる。
また、処理リソース制御部162は、クラスタ126−1,126−2ごとに処理リソース制御を行う際、トラフィックが減少していき、基地局セル無線部を集約化していく場合、クラスタ境界となる信号処理カード(図12Aに示した信号処理カード#3や#4)へ処理の割り当てを避けるように処理リソース制御を行う。
そして、集約化の余剰となりクラスタ境界の信号処理カードに割り当てが予定される基地局セル無線部分の処理については、ステップ42にて、処理リソース制御部162が、次に、クラスタ126−1,126−2間でさらに処理リソース共有が可能であるかどうかを判定する処理を追加で行う。それにより、図12Bに示すように、ステップ43にて、基本的にはクラスタ126−1内の信号処理カード#1〜#3で担当する基地局セル無線部#5の処理を、クラスタ間での追加リソース制御処理により、クラスタ126−2内の信号処理カード#4に集約化し、クラスタ126−1内の信号処理カード3を稼働させずに電源OFFにすることが可能となる。
第3の実施の形態の場合、接続切り替え部111−1,111−2の回路も、各々の基地局セル無線部に対して接続可能性のある信号処理カード数をクラスタ化することによって、例えば、基地局セル無線部ごとにそれぞれ、全部で6枚の完全クロスバー構成から4枚などの限定クロスバーの構成に変更できるため、接続切り替え部111−1,111−2の回路規模や動作遅延を削減することが可能となる。また、クラスタ化することによって、今後、基地局セル無線部を拡張する場合にも、任意のクラスタ内にて担当する基地局セル無線部の関係が変更なければ、対応する接続切り替え部111−1,111−2の変更は不要であり、拡張部分に近い一部のクラスタのみの信号処理カードや接続切り替え部111−1,111−2のみの変更や拡張で対応可能となる。
以上説明した第1〜3の実施の形態で例に挙げたような本発明においては、以下に示す効果を奏する。
第1の効果は、複数の基地局分の無線通信処理を集約する無線基地局装置において、頻繁なリソース切り替えによる切り替えオーバヘッドを低減し、瞬時のリソース切り替えの発生を防止しながら、稼働するベースバンドカード数(信号処理カード)や演算器数をできるだけ減らして低消費電力化することが可能になることである。
その理由は、本発明における無線基地局装置は、基本的には所定の時間間隔(10分間や30分間、1時間など)ごとのトラフィック予測に基づくセミスタティックなリソース割り当て制御を行い、過去のトラフィックデータと当日のトラフィック履歴とから変動傾向を予測して次の処理リソース割り当てを行うことで、頻繁なリソース切り替えを防止でき、切り替えによる処理オーバヘッドを削減することが可能となるためである。そして、切り替えオーバヘッドを削減しながらも、トラフィックの変動に応じて処理リソースの共有を実現し、稼働するベースバンドカード数や演算器数を減らすことが可能となるためである。これは,無線基地局装置の低消費電力化につながる。なお、トラフィック予測により、瞬間的なリソース切り替え要求が発生するリスクも低減できるため、切り替え処理が間に合わずに信号処理カードにおける処理が破綻するリスクも低減できるという利点もある。
また、日々の平均であるトラフィックデータベースの確度を、データベースと実績との差分を累積することで分散値として示し、それを各基地局セル無線部の必要処理量の閾値(マージン値)として追加することで、トラフィック予測の精度に反映させることができる。さらに、基地局セル無線部ごとのトラフィックや閾値(マージン値)の変動によって、信号処理カード間で基地局セル無線部の処理を移動させる必要がある場合には、各信号処理カードから通知される基地局セル無線部ごとの移動量を用いてどの基地局セル無線部の処理を移動させるかを判定することによって、より小さな切り替えオーバヘッドで処理リソースの切り替えを行うことが可能となるという利点もある。
第2の効果は、複数の基地局分の無線通信処理を集約する無線基地局装置において、基地局間協調対象セルか否かを考慮した処理リソース制御を行うことによって、低消費電力化が可能となることである。
その理由は、基地局間協調(CoMP)対象セルの情報を基に信号処理カードの処理リソース割り当て処理を行い、基地局間協調対象の基地局セル無線部の処理を同一の信号処理カードに割り当てることによって、本来、基地局セル無線部ごとに必要な処理であるものの基地局セル無線部間で共通となる送信データ処理を、共通化することが可能となるためである。すなわち、処理リソースを別個の信号処理カードに割り当てる場合と比べて、処理量を減らすことが可能となるため、信号処理カード内の演算器の稼働時間を削減でき、低消費電力化が可能となる。また、キャリアアグリゲーション処理の対象セルか否か、についても同様に、対象セルを同一の信号処理カードに割り当てることによって、当該基地局セル無線部間で共通となる処理を共通化することができ,処理量の削減や低消費電力化につながるという利点もある。
第3の効果は、複数の基地局分の無線通信処理を集約する無線基地局装置において、処理リソース割り当て制御に伴う処理の破綻を防止できることである。
その理由は、例えば、第2の実施の形態にて説明したように、切り替えタイミングの監視機能を備えることにより、所定の時間間隔でのトラフィック予測では制御しきれないようなトラフィックの急激な増加が生じた場合であっても、その所定の時間間隔の途中において、各基地局セル無線部の処理の移動量(移動時間)を考慮した処理リソース制御を行うことが可能なためである。すなわち、基本的には、所定の時間間隔にて処理リソース切り替え制御を行うことで、切り替えに伴う処理オーバヘッドを削減でき、その上で、トラフィック予測を超えるトラフィックの急激な増加が生じた場合にも対応が可能になるという利点がある。さらに、それでも処理リソース制御が間に合わないような場合には、上位レイヤに当該基地局セル無線部における無線リソースの割り当て増加を制限する通知機能も備えることにより、処理リソース割り当てに伴う処理の破綻を防止することができる。
第4の効果は、複数の基地局分の無線通信処理を集約する無線基地局装置において、処理リソース割り当て制御に伴う処理時間や回路規模を削減できることである。
その理由は、例えば、第3の実施の形態にて説明したように、ベースバンド処理プール内の各信号処理カードを所定の単位でクラスタ化し、基本的にはそのクラスタごとに基地局セル無線部数を分割して処理リソース制御を行うことによって、処理リソース制御の処理量(演算量)を削減することができ、高速化できるためである。また、処理リソース制御をクラスタごとに並列に処理することも可能となり、その場合は、さらに高速化できる。また、接続切り替え部の回路構成も、クラスタ化によって基地局セル無線部ごとに接続必要な信号処理カード数を減らすことができるため、回路規模や動作遅延を削減できるという利点もある。
さらに、クラスタごとの処理リソース割り当て後に、クラスタ間における処理リソース共有処理を行うことによって、クラスタ間における信号処理カードの共有化を実現でき、さらなる消費電力の削減も可能になる。また、クラスタ化することによって、今後、基地局セル無線部を拡張する場合にも、任意のクラスタ内にて担当する基地局セル無線部の関係が変更なければ、対応する信号処理カードや接続切り替え部の構成は変更不要であり、拡張部分に近い一部のクラスタのみの信号処理カードや接続切り替え部のみの変更や拡張で対応可能となる。すなわち、クラスタ化することによって、拡張性も向上するという利点もある。
前述した無線基地局装置100〜102それぞれに設けられた各構成要素が行う処理は、目的に応じてそれぞれ作製された論理回路で行うようにしても良い。また、処理内容を手順として記述したコンピュータプログラム(以下、プログラムと称する)を無線基地局装置100〜102それぞれにて読取可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを無線基地局装置100〜102それぞれに読み込ませ、実行するものであっても良い。無線基地局装置100〜102それぞれにて読取可能な記録媒体とは、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク、DVD、CDなどの移設可能な記録媒体の他、無線基地局装置100〜102それぞれに内蔵されたROM、RAM等のメモリやHDD等を指す。この記録媒体に記録されたプログラムは、無線基地局装置100〜102それぞれに設けられたCPU(不図示)にて読み込まれ、CPUの制御によって、上述したものと同様の処理が行われる。ここで、CPUは、プログラムが記録された記録媒体から読み込まれたプログラムを実行するコンピュータとして動作するものである。
上記の実施の形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
(付記1)複数の基地局セル無線部における無線信号処理を集約する無線基地局装置であって、
前記無線信号処理を行う複数の信号処理モジュールを集約するベースバンド処理プールと、
前記複数の基地局セル無線部におけるトラフィックの実績をトラフィック履歴として記憶するトラフィック履歴記憶部と、
前記トラフィックの実績であるトラフィック履歴に基づいて学習されたトラフィックデータを格納するトラフィックデータベースと、
前記トラフィックデータと前記トラフィック履歴とに基づいて、所定の時間後のトラフィック変動を予測するトラフィック予測部と、
所定の時間間隔ごとに、前記予測されたトラフィック変動に基づいて、前記信号処理モジュールにおける処理リソースの割り当て制御を行う処理リソース制御部とを有する無線基地局装置。
(付記2)前記トラフィックデータベースは、所定の時間ごとのトラフィックデータを格納することを特徴とする、付記1に記載の無線基地局装置。
(付記3)前記トラフィックデータベースは、前記複数の基地局セル無線部の位置情報と日にち情報とに応じたトラフィックデータを格納することを特徴とする、付記1または付記2に記載の無線基地局装置。
(付記4)前記基地局セル無線部ごとに必要となる処理リソース量のマージン値を算出する閾値制御部を有し、
前記トラフィック予測部は、前記トラフィックデータと前記トラフィック履歴との差分を累積することで分散値を算出し、
前記閾値制御部は、前記分散値に基づいて前記マージン値を算出し、
前記処理リソース制御部は、前記処理リソースの割り当て制御に前記マージン値も用いることを特徴とする、付記から3のいずれか1項に記載の無線基地局装置。
(付記5)前記複数の基地局セル無線部が基地局間協調処理の対象セルか否かを示す基地局間協調対象セル情報を上位装置から取得する協調対象セル情報取得部を有し、
前記処理リソース制御部は、前記処理リソースの割り当て制御に前記基地局間協調対象セル情報も用いることを特徴とする、付記1から4のいずれか1項に記載の無線基地局装置。
(付記6)前記複数の基地局セル無線部の無線信号処理を、該無線信号処理を行っている信号処理モジュールから他の信号処理モジュールへ移動させるための処理負荷の量である移動量または移動時間を記録する移動量監視部を有し、
前記処理リソース制御部は、前記処理リソースの割り当て制御に前記移動量または前記移動時間も用いることを特徴とする、付記1から5のいずれか1項に記載の無線基地局装置。
(付記7)前記移動量監視部が記録した移動量または移動時間を用いて、前記処理リソースの割り当て制御を行うタイミングごとに前記処理リソースの移動の時間が間に合うタイミングにおけるトラフィック予測を行い、該トラフィック予測に基づいて、前記処理リソースの切り替えタイミングを制御する切り替えタイミング監視部を有し、
前記処理リソース制御部は、前記切り替えタイミング監視部が制御したタイミングで前記処理リソースの割り当て制御を行うことを特徴とする、付記6に記載の無線基地局装置。
(付記8)前記ベースバンド処理プールは、一定の単位で前記信号処理モジュールをクラスタ化し、
前記処理リソース制御部は、前記クラスタ化されたクラスタごとに、前記処理リソースの割り当て制御を行うことを特徴とする、付記1から7のいずれか1項に記載の無線基地局装置。
(付記9)前記処理リソース制御部は、前記クラスタごとの処理リソースの割り当て制御を行った後、前記クラスタ間の処理リソースの共有が可能かどうかを判定し、該判定の結果に基づいて、前記クラスタ間の処理リソースの割り当て制御を行うことを特徴とする、付記8に記載の無線基地局装置。
(付記10)複数の基地局セル無線部における無線信号処理を集約する装置におけるリソース割り当て方法であって、
前記複数の基地局セル無線部におけるトラフィックの実績をトラフィック履歴として記憶する処理と、
前記トラフィックの実績であるトラフィック履歴に基づいて学習されたトラフィックデータを格納する処理と、
前記トラフィックデータと前記トラフィック履歴とに基づいて、所定の時間後のトラフィック変動を予測する処理と、
所定の時間間隔ごとに、前記予測されたトラフィック変動に基づいて、前記無線信号処理を行う複数の信号処理モジュールにおける処理リソースの割り当てを制御する処理とを行うリソース割り当て方法。
(付記11)前記クラスタの構成を前提として、基地局セルごとに対応する前記信号処理モジュールだけを接続する接続切り替え部を有することを特徴とする、付記8または付記9に記載の無線基地局装置。
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施の形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
この出願は、2013年9月26日に出願された日本出願特願2013−199439を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。

Claims (10)

  1. 複数の基地局セル無線部における無線信号処理を集約する無線基地局装置であって、
    前記無線信号処理を行う複数の信号処理モジュールを集約するベースバンド処理プールと、
    前記複数の基地局セル無線部におけるトラフィックの実績をトラフィック履歴として記憶するトラフィック履歴記憶部と、
    前記トラフィックの実績であるトラフィック履歴に基づいて学習されたトラフィックデータを格納するトラフィックデータベースと、
    前記トラフィックデータと前記トラフィック履歴とに基づいて、所定の時間後のトラフィック変動を予測するトラフィック予測部と、
    所定の時間間隔ごとに、前記予測されたトラフィック変動に基づいて、前記信号処理モジュールにおける処理リソースの割り当て制御を行う処理リソース制御部とを有する無線基地局装置。
  2. 請求項1に記載の無線基地局装置において、
    前記トラフィックデータベースは、所定の時間ごとのトラフィックデータを格納することを特徴とする無線基地局装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の無線基地局装置において、
    前記トラフィックデータベースは、前記複数の基地局セル無線部の位置情報と日にち情報とに応じたトラフィックデータを格納することを特徴とする無線基地局装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の無線基地局装置において、
    前記基地局セル無線部ごとに必要となる処理リソース量のマージン値を算出する閾値制御部を有し、
    前記トラフィック予測部は、前記トラフィックデータと前記トラフィック履歴との差分を累積することで分散値を算出し、
    前記閾値制御部は、前記分散値に基づいて前記マージン値を算出し、
    前記処理リソース制御部は、前記処理リソースの割り当て制御に前記マージン値も用いることを特徴とする無線基地局装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の無線基地局装置において、
    前記複数の基地局セル無線部が基地局間協調処理の対象セルか否かを示す基地局間協調対象セル情報を上位装置から取得する協調対象セル情報取得部を有し、
    前記処理リソース制御部は、前記処理リソースの割り当て制御に前記基地局間協調対象セル情報も用いることを特徴とする無線基地局装置。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の無線基地局装置において、
    前記複数の基地局セル無線部の無線信号処理を、該無線信号処理を行っている信号処理モジュールから他の信号処理モジュールへ移動させるための処理負荷の量である移動量または移動時間を記録する移動量監視部を有し、
    前記処理リソース制御部は、前記処理リソースの割り当て制御に前記移動量または前記移動時間も用いることを特徴とする無線基地局装置。
  7. 請求項6に記載の無線基地局装置において、
    前記移動量監視部が記録した移動量または移動時間を用いて、前記処理リソースの割り当て制御を行うタイミングごとに前記処理リソースの移動の時間が間に合うタイミングにおけるトラフィック予測を行い、該トラフィック予測に基づいて、前記処理リソースの切り替えタイミングを制御する切り替えタイミング監視部を有し、
    前記処理リソース制御部は、前記切り替えタイミング監視部が制御したタイミングで前記処理リソースの割り当て制御を行うことを特徴とする無線基地局装置。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の無線基地局装置において、
    前記ベースバンド処理プールは、一定の単位で前記信号処理モジュールをクラスタ化し、
    前記処理リソース制御部は、前記クラスタ化されたクラスタごとに、前記処理リソースの割り当て制御を行うことを特徴とする無線基地局装置。
  9. 請求項8に記載の無線基地局装置において、
    前記処理リソース制御部は、前記クラスタごとの処理リソースの割り当て制御を行った後、前記クラスタ間の処理リソースの共有が可能かどうかを判定し、該判定の結果に基づいて、前記クラスタ間の処理リソースの割り当て制御を行うことを特徴とする無線基地局装置。
  10. 複数の基地局セル無線部における無線信号処理を集約する装置におけるリソース割り当て方法であって、
    前記複数の基地局セル無線部におけるトラフィックの実績をトラフィック履歴として記憶する処理と、
    前記トラフィックの実績であるトラフィック履歴に基づいて学習されたトラフィックデータを格納する処理と、
    前記トラフィックデータと前記トラフィック履歴とに基づいて、所定の時間後のトラフィック変動を予測する処理と、
    所定の時間間隔ごとに、前記予測されたトラフィック変動に基づいて、前記無線信号処理を行う複数の信号処理モジュールにおける処理リソースの割り当てを制御する処理とを行うリソース割り当て方法。
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