JPWO2015012028A1 - メラノーマ診断支援装置、プログラムおよびメラノーマ診断支援方法 - Google Patents
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Abstract
メラノーマの診断精度を高めるために、被測定部に係る第1吸収スペクトルにおける各波長の吸光度から、メラニンと関係しない血中成分に係る各波長の吸光度が減じられることで、被測定部のメラニンに係る第2吸収スペクトルが算出され、第2吸収スペクトルの第1特徴値が、メラノーマを含まない正常部についての第3吸収スペクトルに係る第2特徴値よりも、メラノーマを含む異常部についての第4吸収スペクトルに係る第3特徴値に近いか否か、あるいは該第1特徴値が、ユーメラニンについての第5吸収スペクトルに係る第4特徴値よりも、フェオメラニンについての第6吸収スペクトルに係る第5特徴値に近いか否かに関する第1指標が求められる。
Description
本発明は、メラノーマ診断支援装置、プログラムおよびメラノーマ診断支援方法に関する。
医師によるメラノーマ(悪性黒色腫)の診断は、左右が非対称(Asymmetry)、境界(Border)が不規則、色(Color)がまだら、直径(Diameter)が6mm以上、および盛り上がっている(Elevation)等と言った観点から行われる。この診断は、熟練した医師の目視に依存している。このため、臨床の現場から、診断を支援する装置が求められている。
そこで、分光分析を用いて非侵襲性で、かつ客観的にメラノーマを鑑別することを可能とする、新規のメラノーマ鑑別指標の導出方法が提案されている(例えば、特許文献1等)。この方法では、対象物表面の拡散反射スペクトルが測定され、該拡散反射スペクトルが多次元ベクトルとみなされ、該多次元ベクトルと基準ベクトルとの成す角度および対象物表面の位置情報に基づき、対象物表面の分子情報を反映している指標が求められる。
しかしながら、上記特許文献1の技術では、対象物表面の拡散反射スペクトルに、例えば、メラニンとは無関係なヘモグロビンおよびビリルビン等の血中成分で生じる反射光の成分が含まれている。このため、メラノーマの鑑別による診断の精度が低下する。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、メラノーマの診断精度を高めることができるメラノーマ診断支援装置、プログラムおよびメラノーマ診断支援方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、一態様に係るメラノーマ診断支援装置は、被測定部に係る第1吸収スペクトルにおける各波長の吸光度から、メラニンと関係しない血中成分に係る各波長の吸光度を減ずることで、前記被測定部のメラニンに係る第2吸収スペクトルを算出する算出部と、前記第2吸収スペクトルの第1特徴値が、メラノーマを含まない正常部についての第3吸収スペクトルに係る第2特徴値よりも、メラノーマを含む異常部についての第4吸収スペクトルに係る第3特徴値に近いか否か、あるいは前記第1特徴値が、ユーメラニンについての第5吸収スペクトルに係る第4特徴値よりも、フェオメラニンについての第6吸収スペクトルに係る第5特徴値に近いか否かに関する第1指標を求める指標演算部とを備える。
また、他の一態様に係るメラノーマ診断支援装置は、被測定部に係る第1吸収スペクトルにおける各波長の吸光度から、メラニンと関係しない血中成分に係る各波長の吸光度を減ずることで、前記被測定部のメラニンに係る第2吸収スペクトルを算出する算出部と、前記第2吸収スペクトルの第1特徴値が、メラノーマを含まない正常部についての第3吸収スペクトルに係る第2特徴値よりも、メラノーマを含む異常部についての第4吸収スペクトルに係る第3特徴値に近いか否か、あるいは前記第1特徴値が、ユーメラニンについての第5吸収スペクトルに係る第4特徴値よりも、フェオメラニンについての第6吸収スペクトルに係る第5特徴値に近いか否かを判定する判定部とを備える。
また、一態様に係るプログラムは、メラノーマ診断支援装置に含まれているプロセッサーにおいて実行されることにより、前記メラノーマ診断支援装置を、上記一態様または上記他の一態様に係るメラノーマ診断支援装置として機能させるプログラムである。
また、一態様に係るメラノーマ診断支援方法は、(a)被測定部に係る第1吸収スペクトルにおける各波長の吸光度から、メラニンと関係しない血中成分に係る各波長の吸光度を減ずることで、前記被測定部のメラニンに係る第2吸収スペクトルを算出する算出ステップと、(b)前記第2吸収スペクトルの第1特徴値が、メラノーマを含まない正常部についての第3吸収スペクトルに係る第2特徴値よりも、メラノーマを含む異常部についての第4吸収スペクトルに係る第3特徴値に近いか否か、あるいは前記第1特徴値が、ユーメラニンについての第5吸収スペクトルに係る第4特徴値よりも、フェオメラニンについての第6吸収スペクトルに係る第5特徴値に近いか否かに関する第1指標を求める指標演算ステップとを有する。
また、他の一態様に係るメラノーマ診断支援方法は、(A)被測定部に係る第1吸収スペクトルにおける各波長の吸光度から、メラニンと関係しない血中成分に係る各波長の吸光度を減ずることで、前記被測定部のメラニンに係る第2吸収スペクトルを算出する算出ステップと、(B)前記第2吸収スペクトルの第1特徴値が、メラノーマを含まない正常部についての第3吸収スペクトルに係る第2特徴値よりも、メラノーマを含む異常部についての第4吸収スペクトルに係る第3特徴値に近いか否か、あるいは前記第1特徴値が、ユーメラニンについての第5吸収スペクトルに係る第4特徴値よりも、フェオメラニンについての第6吸収スペクトルに係る第5特徴値に近いか否かを判定する判定ステップとを有する。
一態様に係るメラノーマ診断支援装置によれば、メラニンに係る指標に基づいたメラノーマの診断が行われることで、メラノーマの診断精度が高められる。
他の一態様に係るメラノーマ診断支援装置によれば、判定結果に基づいてメラノーマの診断が行われることで、メラノーマの診断精度が高められる。
一態様に係るプログラムによれば、一態様または他の一態様に係るメラノーマ診断支援装置と同様な効果が得られる。
一態様に係るメラノーマ診断支援方法によれば、一態様に係るメラノーマ診断支援装置と同様な効果が得られる。
他の一態様に係るメラノーマ診断支援方法によれば、他の一態様に係るメラノーマ診断支援装置と同様な効果が得られる。
以下、本発明の一実施形態および各種変形例を図面に基づいて説明する。なお、図面においては同様な構成および機能を有する部分については同じ符号が付されており、下記説明では重複説明が省略される。なお、図1には、連結部20が延在する方向を±Z方向とする右手系のXYZ座標系が付されている。
<(1)一実施形態>
<(1−1)診断支援装置の構成>
図1は、メラノーマの診断を支援する装置(メラノーマ診断支援装置とも言う)としての一実施形態に係る診断支援装置1の外観を模式的に示す図である。図1で示されるように、診断支援装置1は、制御ユニット10、連結部20および測定ユニット30を備えている。
<(1−1)診断支援装置の構成>
図1は、メラノーマの診断を支援する装置(メラノーマ診断支援装置とも言う)としての一実施形態に係る診断支援装置1の外観を模式的に示す図である。図1で示されるように、診断支援装置1は、制御ユニット10、連結部20および測定ユニット30を備えている。
制御ユニット10は、筐体10bdならびに該筐体10bdに設けられているマイクロコンピューター部(以下、マイコン部と称する)11、操作部12、表示部13および読み取り部14を有している。
筐体10bdは、例えば、略立方体状の構成を有する。本実施形態では、筐体10bd内にマイコン部11が設けられている。また、筐体10bdの+Z方向の一主面に、操作部12および表示部13が設けられ、筐体10bdの−Y方向の側方の部分に、読み取り部14が設けられている。
マイコン部11は、操作部12から入力される信号に応じて、表示部13、読み取り部14および測定ユニット30等の動作を制御する。また、マイコン部11は、測定ユニット30からのデータを用いて、各種演算を行う。操作部12は、ユーザーによる操作を受け付け、該操作に応じた信号をマイコン部11に対して出力する。表示部13は、マイコン部11による制御によって、各種画面を表示する。読み取り部14は、例えば、記憶媒体Cd1が着脱可能な部分である。記憶媒体Cd1は、例えば、メモリーカード等であれば良い。マイコン部11は、読み取り部14によって、記憶媒体Cd1に記憶される各種情報の読み込み、および記憶媒体Cd1への各種情報の書き込みを行う。
連結部20は、制御ユニット10と測定ユニット30とを連結する。連結部20は、例えば、Z方向に延在する略円柱状の構成を有する。そして、連結部20は、例えば、診断支援装置1のユーザーによって把持される。
測定ユニット30は、筐体30bdならびに該筐体30bd内に設けられている光源部31および測定部32を有している。
筐体30bdは、例えば、略立方体状の構成を有する。筐体30bdの−Z方向の一主面には、開口部30opが設けられている。開口部30opは、例えば、筐体30bdに設けられた開口に透明な板材が嵌め込まれた構成を有する。透明な板材は、例えば、ガラス板等であれば良い。なお、診断支援装置1によって被検者の被測定部としての局所的な皮膚の部分における吸収スペクトルが測定される際には、開口部30opが塞がれるように筐体30bdが被測定部に当接される。
光源部31は、予め設定された所定色の光(照射光とも言う)を発する。ここで、照射光は、予め設定された分光スペクトル(第1分光スペクトルとも言う)を有する。所定色は、例えば、白色であれば良い。例えば、光源部31が、キセノンランプあるいはLED等で構成される場合には、光源部31から白色光が発せられる。そして、光源部31は、マイコン部11による制御によって照射光を発し、該照射光は、開口部30opを介して被測定部に照射される。なお、被測定部上で形成される照射光のスポット(照射スポットとも言う)の径は、予め設定された所定値以下であれば良い。所定値は、例えば、メラノーマの診断に係る一観点としての直径に対応する6mmであれば良い。
測定部32は、マイコン部11による制御によって、光源部31からの照射光が被測定部に照射されることで被測定部から発せられる反射光を受光し、該反射光の分光スペクトル(第2分光スペクトルとも言う)に係るデータSm2を取得する。
図2は、本実施形態に係る診断支援装置1の機能的な構成を示すブロック図である。図2で示されるように、マイコン部11に対して、操作部12、表示部13、読み取り部14、光源部31および測定部32が接続されている。
測定部32は、分光部321、センサー部322およびA/D変換部323を備えている。分光部321は、被測定部からの反射光を分光する。該分光部321は、例えば、回折格子等であれば良い。センサー部322は、分光部321で分光された反射光を受光することで、反射光の分光スペクトルに係るアナログ信号を得る。該センサー部322は、例えば、線状に画素が並ぶCCD等であれば良い。A/D変換部323は、センサー部322で得られたアナログ信号をデジタルデータに変換する。測定部32で得られる第2分光スペクトルに係るデータSm2は、マイコン部11に送出される。
マイコン部11は、主に、プロセッサー11c、メモリー11mおよび記憶部11sを備えている。記憶部11sは、例えば、プログラムP1、第1分光スペクトルデータSm1、第1吸光度分布データDa1、第2吸光度分布データDa2、第1比較用吸収スペクトルデータSc1および第2比較用吸収スペクトルデータSc2に係るデータを記憶する。マイコン部11における各種機能は、プロセッサー11cが、プログラムP1を実行することで実行される。つまり、プロセッサー11cにおいてプログラムP1が実行されることにより、メラノーマ診断支援装置としての診断支援装置1における各種機能が実現される。
ここで、第1分光スペクトルデータSm1は、光源部31から発せられる照射光の分光スペクトルを示すデータである。照射光の分光スペクトルは、例えば、光源部31の設計あるいは光源部31から発せられる光の実測によって予め得られたものであれば良い。第1吸光度分布データDa1は、第1物質に係る波長と吸光度との関係を示すデータである。つまり、第1吸光度分布データDa1は、第1物質に係る各波長における吸光度を示す。第2吸光度分布データDa2は、第2物質に係る波長と吸光度との関係を示すデータである。つまり、第2吸光度分布データDa2は、第2物質に係る各波長の吸光度を示す。
第1物質に係る波長と吸光度との関係は、予め測定された被検者の血中における第1物質の濃度を、血中の第1物質の濃度と吸光度との関係を示す検量線に適用することで得られる。また、第2物質に係る波長と吸光度との関係は、予め測定された被検者の血中における第2物質の濃度を、血中の第2物質の濃度と吸光度との関係を示す検量線に適用することで得られる。本実施形態では、第1物質は、ヘモグロビンであり、第2物質は、ビリルビンである。被検者の血中におけるヘモグロビンおよびビリルビンの各濃度は、例えば、血液採取を伴う生化学検査あるいは血液採取を伴わない光を用いた測定技術によって測定され得る。例えば、血中におけるビリルビンの濃度は、黄疸計等の血液採取を伴わない光を用いた測定技術によって測定され得る。
第1比較用吸収スペクトルデータSc1は、メラノーマを含まない正常な皮膚の部分(正常部とも言う)についての吸収スペクトル(第3吸収スペクトルとも言う)に係るデータである。なお、第1比較用吸収スペクトルデータSc1は、例えば、第3吸収スペクトルを構成する光の波長と吸光度との離散的あるいは連続的な関係を示すデータであれば良い。第2比較用吸収スペクトルデータSc2は、メラノーマを含む異常な皮膚の部分(異常部とも言う)についての吸収スペクトル(第4吸収スペクトルとも言う)に係るデータである。なお、第2比較用吸収スペクトルデータSc2は、例えば、第4吸収スペクトルを構成する光の波長と吸光度との離散的あるいは連続的な関係を示すデータであれば良い。
ここで、第3吸収スペクトルは、例えば、被検者自身の正常部を対象とした実測または多数の人の正常部を対象とした実測によって得られた吸収スペクトルからヘモグロビンおよびビリルビン等のノイズとなる物質に係る吸光度の成分が減じられたものであれば良い。また、第4吸収スペクトルは、例えば、被検者自身の異常部を対象とした実測あるいは多数の人の異常部を対象とした実測によって得られた吸収スペクトルからヘモグロビンおよびビリルビン等のノイズとなる物質に係る吸光度の成分が減じられたものであれば良い。なお、実測によって得られた吸収スペクトルからノイズとなる物質に係る吸光度の成分を減じて第3および第4スペクトルを算出する方法は、後述する算出部112において第1吸収スペクトルからメラニン吸収スペクトルを算出する方法と同じであれば良い。
図3は、プロセッサー11cでプログラムP1が実行されることによって、マイコン部11で実現される機能的な構成を示す図である。図3で示されるように、マイコン部11は、機能的な構成として、計算部111、算出部112、設定部113、指標演算部114、判定部115および出力制御部116を有している。
計算部111は、光源部31から発せられる照射光の第1分光スペクトルと、測定部32で得られる反射光の第2分光スペクトルとに基づいて、被測定部の吸収スペクトル(第1吸収スペクトルとも言う)を算出する。ここでは、第1分光スペクトルは、記憶部11sに記憶される第1分光スペクトルデータSm1から得られる。
算出部112は、計算部111で算出された被測定部に係る第1吸収スペクトルから、被測定部のメラニンに係る吸収スペクトル(メラニン吸収スペクトルとも言う)を算出する。算出部112では、例えば、第1吸収スペクトルにおける各波長の吸光度から第1物質としてのヘモグロビンおよび第2物質としてのビリルビンに係る各波長の吸光度が減じられることで、第2吸収スペクトルとしてのメラニン吸収スペクトルが算出される。第1物質としてのヘモグロビンおよび第2物質としてのビリルビンに係る各波長の吸光度は、第1および第2比較用吸収スペクトルデータSc1,Sc2から得られる。
図4は、算出部112におけるメラニン吸収スペクトルの算出方法を説明するための図である。図4では、横軸が光の波長を示し、縦軸が吸光度を示している。
ここで、第1吸収スペクトルの波長λn(nは自然数)における吸光度をAsλn、第1物質としてのヘモグロビンの波長λnにおける吸光度をA1λn、第2物質としてのビリルビンの波長λnにおける吸光度をA2λnとする。このとき、波長λnにおけるメラニンの吸光度Amλnは、式(1)によって算出される。
Amλn=Asλn−A1λn−A2λn ・・・(1)。
このため、例えば、白色光に係る波長範囲における複数の波長λnについて、式(1)に従った演算が行われることで、各波長λnにおけるメラニンの吸光度Amλnが算出される。その結果、図4の一点鎖線で描かれた曲線Cv1で示されるようなメラニン吸収スペクトルが算出される。これにより、ヘモグロビンおよびビリルビンによる影響が減じられる。
なお、ここでは、第1物質としてのヘモグロビンおよび第2物質としてのビリルビンによる影響が減じられたが、メラニン以外のその他の物質による影響が減じられても良い。この場合、その他の物質の波長λnにおける吸光度をAxλnとすれば、波長λnにおけるメラニンの吸光度Amλnは、式(2)によって算出される。
Amλn=Asλn−A1λn−A2λn−Axλn ・・・(2)。
設定部113は、ユーザーによる操作部12の操作に応答して、メラニン吸収スペクトルの評価の対象となる波長範囲(評価対象波長範囲とも言う)を設定する。ここでは、例えば、表示部13に提示される複数の波長範囲に係る選択肢が択一的に選択される態様、および表示部13に任意の波長範囲が記述される態様によって、評価対象波長範囲が設定される。このとき、例えば、メラニン吸収スペクトルに係る個人差等が考慮されて、評価対象波長範囲が設定されれば良い。なお、本実施形態では、評価対象波長範囲がユーザーによって設定されたが、これに限られず、評価対象波長範囲がデフォルトの波長範囲に設定されても良い。
指標演算部114は、被測定部がメラノーマを含む異常部であるか否かの診断に資する指標を求める。
図5は、フェオメラニンおよびユーメラニンに係る光の波長とモル吸光係数との関係を示す図である。図5では、横軸が光の波長を示し、縦軸がモル吸光係数を示している。そして、正常な皮膚に多く含有されるユーメラニンに係る光の波長とモル吸光係数との関係が曲線Cv2で示され、メラノーマに多く含有されるフェオメラニンに係る光の波長とモル吸光係数との関係が曲線Cv3で示されている。図5で示されるように、ユーメラニンよりもフェオメラニンの方が、波長の増加に対するモル吸光係数の減少の度合いが大きい傾向を示す。すなわち、曲線Cv2よりも曲線Cv3の方が、光の波長の増加に対するモル吸光係数の増加の比率を示す傾きが大きい。このため、メラニン吸収スペクトルにおける光の波長の増加に対するモル吸光係数の増加の比率を示す傾きは、被測定部としての皮膚に含有されるフェオメラニンおよびユーメラニンの比率に依存する。
そこで、本実施形態では、被測定部に係るメラニン吸収スペクトルと、メラノーマを含まない正常部に係る第3吸収スペクトルおよびメラノーマを含む異常部に係る第4吸収スペクトルとが比較される。
具体的には、指標演算部114では、メラニン吸収スペクトルの特徴値(第1特徴値)が、第3吸収スペクトルに係る特徴値(第2特徴値)よりも、第4吸収スペクトルに係る特徴値(第3特徴値とも言う)に近いか否かに関する指標(第1指標)が求められる。本実施形態では、第1特徴値は、第2吸収スペクトルとしてのメラニン吸収スペクトルの設定部113によって予め設定された評価対象波長範囲における傾き(第1傾き)である。第2特徴値は、第3吸収スペクトルの評価対象波長範囲における傾き(第2傾き)である。第3特徴値は、第4吸収スペクトルの評価対象波長範囲における傾き(第3傾き)である。また、第1特徴値が、第2特徴値よりも第3特徴値に近いか否かに関する第1指標は、例えば、第2特徴値および第3特徴値の平均値が基準値とされて、第1特徴値が、該基準値よりも第3特徴値に近いか否かを示す指標であれば良い。例えば、第1指標として、第1特徴値から基準値が減じられた値が採用される。この場合、第2特徴値が第3特徴値よりも大きく、第1特徴値から基準値が減じられた値が、負の値であれば、第1特徴値が、第2特徴値よりも第3特徴値に近いことを示す。なお、第1指標が、数値ではなく、例えば、第1特徴値が第2特徴値よりも第3特徴値に近いか否かを示す情報であっても良い。
図6は、第1指標の求め方を説明するための図である。図6では、横軸が光の波長を示し、縦軸が吸光度を示している。そして、メラニン吸収スペクトルに係る光の波長と吸光度との関係が太線で描かれた曲線Cv4で示されている。また、第3吸収スペクトルに係る光の波長と吸光度との関係が一点鎖線で描かれた曲線Cv5で示されており、第4吸収スペクトルに係る光の波長と吸光度との関係が実線で描かれた曲線Cv6で示されている。さらに、評価対象波長範囲Lg1の一例が示されている。
図6で示される場合には、評価対象波長範囲Lg1における、曲線Cv4における光の波長の増加に対するモル吸光係数の増加の比率を示す傾きが、第1特徴値としての第1傾きとされる。また、評価対象波長範囲Lg1における、曲線Cv5における光の波長の増加に対するモル吸光係数の増加の比率を示す傾きが、第2特徴値としての第2傾きとされる。また、評価対象波長範囲Lg1における、曲線Cv6における光の波長の増加に対するモル吸光係数の増加の比率を示す傾きが、第3特徴値としての第3傾きとされる。なお、評価対象波長範囲Lg1における傾きは、例えば、各曲線Cv4〜Cv6についての、曲線上における評価対象波長範囲Lg1の波長の最小値および最大値に係る2点間を結ぶ直線の傾きであれば良い。
ここで、評価対象波長範囲Lg1は、ある程度の波長の範囲を有するものでなく、一波長であっても良い。この場合、第1特徴値は、第2吸収スペクトルとしてのメラニン吸収スペクトルに係る曲線Cv4の一波長における接線の傾き(第1傾き)であれば良い。また、第2特徴値は、第3吸収スペクトルに係る曲線Cv5の一波長における接線の傾き(第2傾き)であれば良い。さらに、第3特徴値は、第4吸収スペクトルに係る曲線Cv6の一波長における接線の傾き(第3傾き)であれば良い。
また、各曲線Cv4〜Cv6の評価対象波長範囲Lg1における傾きは、例えば、各曲線Cv4〜Cv6の評価対象波長範囲Lg1における傾きの平均値であっても良い。この場合、第1特徴値は、第2吸収スペクトルとしてのメラニン吸収スペクトルの評価対象波長範囲Lg1における傾きの平均値(第1平均値)である。また、第2特徴値は、第3吸収スペクトルの評価対象波長範囲Lg1における傾きの平均値(第2平均値)である。さらに、第3特徴値は、第4吸収スペクトルの評価対象波長範囲Lg1における傾きの平均値(第3平均値)である。なお、評価対象波長範囲Lg1における傾きの平均値は、例えば、各曲線Cv4〜Cv6についての、評価対象波長範囲Lg1における所定間隔の波長における接線の傾きの平均値であれば良い。
判定部115は、メラニン吸収スペクトルの第1特徴値が、第3吸収スペクトルに係る第2特徴値よりも、第4吸収スペクトルに係る第3特徴値に近いか否かを判定する。ここでは、指標演算部114で求められる第1指標が数値であれば、その数値に基づいて、メラニン吸収スペクトルの第1特徴値が、第3吸収スペクトルに係る第2特徴値よりも、第4吸収スペクトルに係る第3特徴値に近いか否かが判定される。例えば、第3特徴値が第2特徴値よりも小さい場合、第1特徴値から基準値が減じられた値が、負の値であれば、第1特徴値が、第2特徴値よりも第3特徴値に近いものと判定される態様が考えられる。
なお、指標演算部114で求められる第1指標が、数値ではなく、例えば、第1特徴値が第2特徴値よりも第3特徴値に近いか否かを示す情報であれば、判定部115における判定処理が行われなくても良い。また、指標演算部114において第1指標が求められることなく、判定部115において、メラニン吸収スペクトルの第1特徴値が、第3吸収スペクトルに係る第2特徴値よりも、第4吸収スペクトルに係る第3特徴値に近いか否かが判定されても良い。この場合には、例えば、第2特徴値および第3特徴値の平均値が基準値とされて、第1特徴値が、該基準値よりも第3特徴値に近ければ、第1特徴値が、第2特徴値よりも第3特徴値に近いと判定される態様が考えられる。さらに、判定部115によって、第1特徴値が、第2特徴値よりも第3特徴値に近いか否かが判定されるだけでなく、被測定部がメラノーマを含む異常部であるか否かについて判定されても良い。例えば、第1特徴値が、第2特徴値よりも第3特徴値に近ければ、被測定部がメラノーマを含む異常部であるものと判定される態様が考えられる。
出力制御部116は、指標演算部114で求められた第1指標および判定部115による判定結果のうちの少なくとも一方に係る情報を表示部13において可視的に出力させる。ここでは、例えば、表示部13に、第1指標としての数値、第1特徴値が第2特徴値よりも第3特徴値に近いか否かを示す情報、および判定部115による判定結果のうちの1以上の情報が表示される態様が考えられる。なお、第1指標および判定結果が表示部13に表示される代わりに、例えば、第1指標および判定結果に応じた各種ランプが点灯するような態様が採用されても良い。すなわち、第1指標および判定結果が、可視的に出力されれば良い。なお、本実施形態では、第1指標および判定結果が可視的に出力されたが、これに限られず、例えば、第1指標および判定結果が音声、対応する警告音あるいはデータ等と言ったその他の形態で出力されても良い。
<(1−2)診断支援装置の動作>
図7は、本実施形態に係る診断支援装置1における一動作フローを例示する流れ図である。本動作フローは、マイコン部11によって制御される。
図7は、本実施形態に係る診断支援装置1における一動作フローを例示する流れ図である。本動作フローは、マイコン部11によって制御される。
ステップSp1では、計算部111によって、被測定部に係る第1吸収スペクトルが取得される。ここでは、例えば、マイコン部11による制御によって、光源部31から被測定部に照射光が照射され、測定部32によって被測定部から発せられる反射光が受光されて、該反射光の第2分光スペクトルに係るデータSm2が取得される。そして、計算部111によって、照射光の第1分光スペクトルと第2分光スペクトルとに基づき、被測定部に係る第2吸収スペクトルとしてのメラニン吸収スペクトルが取得される。
ステップSp2(算出ステップとも言う)では、算出部112によって、ステップSp1で取得された第1吸収スペクトルから、被測定部のメラニンに係る第2吸収スペクトルとしてのメラニン吸収スペクトルが算出される。このとき、メラニン以外の物質における吸収スペクトルの影響が低減されたメラニン吸収スペクトルが得られる。
ステップSp3(指標演算ステップとも言う)では、指標演算部114によって、ステップSp2で算出されたメラニン吸収スペクトルに基づいて、診断用の第1指標が求められる。
ステップSp4(判定ステップとも言う)では、判定部115によって、ステップSp3で求められた第1指標に基づき、メラニン吸収スペクトルの第1特徴値が、第3吸収スペクトルに係る第2特徴値よりも、第4吸収スペクトルに係る第3特徴値に近いか否かが判定される。
ステップSp5では、出力制御部116によって、ステップSp3で求められた第1指標およびステップSp4における判定結果のうちの少なくとも一方が出力される。この際における情報の出力形態は、例えば、表示部13における可視的な出力であれば良い。
<(1−3)一実施形態のまとめ>
以上のように、一実施形態に係る診断支援装置1では、被測定部に係る第1吸収スペクトルから、被測定部のメラニンに係る第2吸収スペクトルとしてのメラニン吸収スペクトルが算出される。そして、メラニン吸収スペクトルの第1特徴値が、正常部についての第3吸収スペクトルに係る第2特徴値よりも、異常部についての第4吸収スペクトルに係る第3特徴値に近いか否かに関する第1指標が求められる。これにより、被測定部のメラニンに係る第1指標に基づいてメラノーマの診断が行われることで、メラノーマの診断精度が高められる。
以上のように、一実施形態に係る診断支援装置1では、被測定部に係る第1吸収スペクトルから、被測定部のメラニンに係る第2吸収スペクトルとしてのメラニン吸収スペクトルが算出される。そして、メラニン吸収スペクトルの第1特徴値が、正常部についての第3吸収スペクトルに係る第2特徴値よりも、異常部についての第4吸収スペクトルに係る第3特徴値に近いか否かに関する第1指標が求められる。これにより、被測定部のメラニンに係る第1指標に基づいてメラノーマの診断が行われることで、メラノーマの診断精度が高められる。
ここで、被測定部に係る第1吸収スペクトルの各波長の吸光度から、ヘモグロビンおよびビリルビンに係る各波長の吸光度が減じられて、メラニン吸収スペクトルが算出されれば、ヘモグロビンおよびビリルビンによる影響が減じられる。このため、メラノーマの診断精度が高められる。また、各吸収スペクトルに係る特徴値が、予め設定された波長範囲における傾きであれば、メラノーマの診断を支援するための第1指標が容易に求められる。また、ここで、ユーザーによって波長範囲が予め設定される構成であれば、例えば、第3および第4吸収スペクトルの間で、特徴値が比較的大きく異なる波長範囲を設定することができるため、メラノーマの診断精度が高められる。
また、第1分光スペクトルを有する照射光の照射に応じて被測定部から発せられる反射光の第2分光スペクトルが取得され、第1分光スペクトルと第2分光スペクトルとに基づいて第1吸収スペクトルが算出されれば、測定から第1指標の取得まで一貫して行われる。その結果、メラノーマの診断に供する第1指標が容易に得られるため、メラノーマの診断が容易となる。
さらに、メラニン吸収スペクトルの第1特徴値が、正常部の第3吸収スペクトルに係る第2特徴値よりも、異常部の第4吸収スペクトルに係る第3特徴値に近いか否かが判別されれば、例えば、判定結果に基づいたメラノーマの診断における診断精度が高められる。
<(2)変形例>
本発明は上述の一実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
本発明は上述の一実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
<(2−1)第1変形例>
上記一実施形態では、一箇所の被測定部に係る測定結果から第1指標および判定結果のうちの少なくとも一方が得られたが、これに限られない。例えば、被検者の局所的な皮膚の部分に含まれる複数箇所の被測定部について、第1指標および判定結果のうちの少なくとも一方が得られても良い。また、この場合、複数箇所の被測定部のそれぞれに係る第2吸収スペクトルとしてのメラニン吸収スペクトルのばらつきの程度を示す値および該ばらつきの程度を示す第2指標が求められても良い。これにより、メラノーマの特徴の一つである色の不均一性を示す第2指標に基づいた高精度な診断が可能となる。
上記一実施形態では、一箇所の被測定部に係る測定結果から第1指標および判定結果のうちの少なくとも一方が得られたが、これに限られない。例えば、被検者の局所的な皮膚の部分に含まれる複数箇所の被測定部について、第1指標および判定結果のうちの少なくとも一方が得られても良い。また、この場合、複数箇所の被測定部のそれぞれに係る第2吸収スペクトルとしてのメラニン吸収スペクトルのばらつきの程度を示す値および該ばらつきの程度を示す第2指標が求められても良い。これにより、メラノーマの特徴の一つである色の不均一性を示す第2指標に基づいた高精度な診断が可能となる。
図8は、第1変形例に係るプロセッサー11cにおいて上記一実施形態に係るプログラムP1の代わりにプログラムP1Aが実行されることによって、マイコン部11で実現される機能的な構成を示す図である。図8で示されるように、マイコン部11は、上記一実施形態の指標演算部114、判定部115および出力制御部116の代わりに、指標演算部114A、判定部115Aおよび出力制御部116Aを備え、ばらつき演算部117Aを更に備えたものである。
本実施形態では、測定部32によって、複数の被測定部について、光源部31からの照射光が被測定部に照射されることで被測定部から発せられる反射光が受光され、該反射光の第2分光スペクトルに係るデータSm2がそれぞれ取得される。なお、本変形例では、照射光の照射スポットの径は、例えば、メラノーマの診断に係る一観点としての直径に対応する6mmよりも小さな予め設定された所定値以下であれば良い。この所定値は、例えば、1mm程度であれば良い。また、計算部111によって、照射光の第1分光スペクトルと、反射光の第2分光スペクトルとに基づいて、複数の被測定部における各被測定部の第1吸収スペクトルがそれぞれ算出される。さらに、算出部112によって、各被測定部に係る第1吸収スペクトルから第2吸収スペクトルとしてのメラニン吸収スペクトルが算出される。つまり、複数の被測定部に係る複数の第1吸収スペクトルから複数のメラニン吸収スペクトルが算出される。
ばらつき演算部117Aは、算出部112で算出される複数の第2吸収スペクトルとしてのメラニン吸収スペクトルのばらつきの程度を示す値を算出する。ここで、複数の第2吸収スペクトルのばらつきの程度を示す値は、例えば、複数の第2吸収スペクトルとしてのメラニン吸収スペクトルに係る第1特徴値のばらつきの程度を示す値であれば良い。第1特徴値のばらつきの程度を示す値は、例えば、第1特徴値についての標準偏差および分散等と言った値のばらつきの程度を示す各種の値であれば良い。
指標演算部114Aは、上記一実施形態に係る指標演算部114と同様な演算によって、各メラニン吸収スペクトルに係る第1特徴値が、第3吸収スペクトルに係る第2特徴値よりも、第4吸収スペクトルに係る第3特徴値に近いか否かに関する第1指標を求める。さらに、指標演算部114Aは、ばらつき演算部117Aによって算出されるばらつきの程度を示す値が、予め設定された閾値を超えるか否かに関する指標(第2指標とも言う)を求める。
ここでは、閾値は、メラノーマを含む異常部およびメラノーマを含まない正常部を対象とした、多数のメラニン吸収スペクトルのばらつきの程度を示す値の統計的な数値であれば良い。具体的には、該閾値は、メラノーマを含む異常部に対応する多数のメラニン吸収スペクトルのばらつきの程度を示す値と、メラノーマを含まない正常部に対応する多数のメラニン吸収スペクトルのばらつきの程度を示す値との境界を示す統計的な数値であれば良い。
そして、例えば、第2指標として、ばらつきを示す値から閾値が減じられた値が採用される。この場合、ばらつきを示す値から閾値が減じられた値が、例えば、正の値であれば、複数のメラニン吸収スペクトルのばらつきの程度が大きいことを示す。なお、第2指標は、数値ではなく、例えば、複数のメラニン吸収スペクトルのばらつきの程度が大きいことを示す情報であっても良い。ここで、複数のメラニン吸収スペクトルのばらつきの程度が閾値を超える場合、複数箇所の被測定部を含む局所的な皮膚の部分が、メラノーマである可能性が高い。
判定部115Aは、複数の被測定部についてのメラニン吸収スペクトルに係る第1指標および第2指標に基づいて、被検者の局所的な皮膚の部分がメラノーマを含む異常部であるか否かを判定する。
例えば、複数の第1指標のうちでメラノーマに対応する第1指標が占める割合が、所定割合以上であり、且つ第2指標が、ばらつきの程度を示す値が閾値を超えていることを示していれば、被検者の局所的な皮膚の部分がメラノーマを含む異常部であるものと判定される。なお、所定割合は、予め設定された割合であれば良く、例えば、多数のメラニン吸収スペクトルに係る統計的な数値であれば良い。
具体的には、統計的な数値は、メラノーマを含む異常部に対応する多数のメラニン吸収スペクトルに係る値と、メラノーマを含まない正常部に対応する多数のメラニン吸収スペクトルに係る値との境界を示す統計的な数値であれば良い。また、ここでは、判定部115Aにおける判定において、第1指標および第2指標の重要度に応じて重み付け係数が乗ぜられて求められる総合的な指標に基づいて、被検者の局所的な皮膚の部分がメラノーマを含む異常部であるか否かが判定されても良い。具体的には、例えば、第1指標および第2指標が数値である場合に、複数の第1指標の和に第1の重み付け係数が乗ぜられた値と、第2指標に第2の重み付け係数が乗ぜられた値との和が、総合的な指標とされる態様が考えられる。
図9は、第1変形例に係る診断支援装置1の一動作フローを例示する流れ図である。本動作フローは、マイコン部11によって制御される。
ステップSs1〜Ss3では、上記一実施形態に係るステップSp1〜Sp3と同様な処理が行われる。
ステップSs4では、ステップSs3で算出されるメラニン吸収スペクトルに係る第1特徴値と第1指標とがメモリー11mおよび記憶部11sの少なくとも一方の部分に保存される。
ステップSs5では、マイコン部11によって、次の被測定部がないか否かが判定される。ここで、次の被測定部があれば、ステップSs1に戻り、次の被測定部がなければ、ステップSs6に進む。ここでは、例えば、ユーザーによる操作部12の操作に応答して、次の被測定部があるか否かが判定されれば良い。次の被測定部がある場合には、例えば、ユーザーによって診断支援装置1が少しずらされることで、局所的な皮膚の部分において被測定部が変更され、その後に、ユーザーによる操作部12の予め設定された操作に応答して、次の被測定部があるものと判定される。また、次の被測定部がない場合には、例えば、ユーザーによる操作部12の予め設定された操作に応答して、次の被測定部がないものと判定される。そして、ここでは、ステップSs1〜Ss3の処理が適度な回数繰り返されることで、複数の被測定箇所についてのメラニン吸収スペクトルに係る第1特徴値および第1指標が得られる。
ステップSs6では、ばらつき演算部117Aによって、複数の第2吸収スペクトルとしてのメラニン吸収スペクトルのばらつきの程度を示す値が算出される。
ステップSs7では、指標演算部114Aによって、ステップSs6で算出されたばらつきの程度を示す値が、予め設定された閾値を超えるか否かに関する第2指標が求められる。
ステップSs8(判定ステップとも言う)では、判定部115Aによって、ステップSs4において保存された複数の被測定部についてのメラニン吸収スペクトルに係る第1指標および第2指標に基づいて、被検者の局所的な皮膚の部分がメラノーマを含む異常部であるか否かが判定される。
ステップSs9では、出力制御部116によって、ステップSs3およびステップSs7で求められた第1および第2指標、ならびにステップSs8における判定結果のうちの少なくとも1つの情報が出力される。この際における情報の出力形態は、例えば、表示部13における可視的な出力であれば良い。
以上のように、第1変形例に係る診断支援装置1によれば、複数の被測定部に係る複数のメラニン吸収スペクトルのばらつきを示す指標も考慮したメラノーマの診断が行われる。これにより、メラノーマの診断精度がさらに高められる。
<(2−2)第2変形例>
上記第1変形例では、ユーザーによって診断支援装置1が少しずらされることで、局所的な皮膚の部分において被測定部が変更されたが、これに限られない。例えば、測定部32等が、同時期において、複数の被測定部からの反射光についての第2分光スペクトルに係るデータSm2をそれぞれ取得する測定部32Bに変更されても良い。
上記第1変形例では、ユーザーによって診断支援装置1が少しずらされることで、局所的な皮膚の部分において被測定部が変更されたが、これに限られない。例えば、測定部32等が、同時期において、複数の被測定部からの反射光についての第2分光スペクトルに係るデータSm2をそれぞれ取得する測定部32Bに変更されても良い。
本変形例では、例えば、測定部32Bは、上記一実施形態に係る測定部32がベースとされて、分光部321およびセンサー部322が、分光部321Bおよびセンサー部322Bに変更されたものである態様が考えられる。なお、この変更に伴って、上記一実施形態に係る測定ユニット30および診断支援装置1が、測定ユニット30Bおよび診断支援装置1Bに変更される。また、プロセッサー11cで実行されるプログラムP1Aが、プログラムP1Bに変更される。
ここで、分光部321Bは、反射光のうちの2以上の光束を分光する。センサー部322Bは、分光部321Bで分光された2以上の光束の反射光を受光することで、2以上の光束の反射光についての分光スペクトルに係るアナログ信号をそれぞれ得る。該センサー部322Bは、例えば、それぞれ複数の画素が第1方向に線状に配列された複数本の画素列が、第1方向と直交する第2方向に並べられていれば良い。具体的には、センサー部322Bは、複数の画素が2次元配列されたCCD等であれば良い。複数の画素が2次元配列される態様としては、例えば、複数の画素がマトリックス状に配列される態様等が挙げられる。なお、複数本は、M本(Mは、2以上の整数)であれば良い。
なお、本変形例に係るマイコン部11で実現される機能的な構成については、上記第1変形例に係るマイコン部11で実現される機能的な構成と同様なものであれば良い。
図10は、第2変形例に係る診断支援装置1Bの一動作フローを例示する流れ図である。本動作フローは、マイコン部11によって制御される。
ステップSt1では、上記第1変形例に係るステップSs1と同様な処理が行われる。
ステップSt2では、マイコン部11によって被測定部の順番を示す数値Nが1に設定される。
ステップSt3〜St5では、上記一変形例に係るステップSp2〜Sp4と同様な処理が行われる。
ステップSt6では、マイコン部11によって、被測定部の順番を示す数値Nが、Mであるか否かが判定される。ここで、N=Mでなければ、ステップSt7に進み、N=Mであれば、ステップSt8に進む。
ステップSt7では、マイコン部11によって、被測定部の順番を示す数値Nに1が加えられて、ステップSt3に進む。
ステップSt8〜St11では、上記第1変形例に係るステップSs6〜Ss9と同様な処理が行われる。
以上のように、第2変形例に係る診断支援装置1Bによれば、メラニン吸収スペクトルのばらつきを示す指標も考慮したメラノーマの診断が行われる。これにより、メラノーマの診断精度がさらに高められる。
<(2−3)その他の変形例>
例えば、上記一実施形態ならびに各種変形例では、メラノーマを含まない正常部についての第3吸収スペクトル、およびメラノーマを含む異常部についての第4吸収スペクトルに基づいて、第1指標が求められたが、これに限られない。例えば、正常部に係る第3吸収スペクトルおよび異常部に係る第4吸収スペクトルの代わりに、ユーメラニンに係る吸収スペクトル(第5吸収スペクトルとも言う)およびフェオメラニンに係る吸収スペクトル(第6吸収スペクトルとも言う)が用いられても良い。
例えば、上記一実施形態ならびに各種変形例では、メラノーマを含まない正常部についての第3吸収スペクトル、およびメラノーマを含む異常部についての第4吸収スペクトルに基づいて、第1指標が求められたが、これに限られない。例えば、正常部に係る第3吸収スペクトルおよび異常部に係る第4吸収スペクトルの代わりに、ユーメラニンに係る吸収スペクトル(第5吸収スペクトルとも言う)およびフェオメラニンに係る吸収スペクトル(第6吸収スペクトルとも言う)が用いられても良い。
この場合には、メラニン吸収スペクトルの第1特徴値が、第5吸収スペクトルに係る特徴値(第4特徴値)よりも、第6吸収スペクトルに係る特徴値(第5特徴値とも言う)に近いか否かに関する第1指標が求められれば良い。また、第4特徴値は、第5吸収スペクトルとしてのメラニン吸収スペクトルの設定部113によって予め設定された評価対象波長範囲における傾き(第4傾き)であれば良い。第5特徴値は、第6吸収スペクトルの評価対象波長範囲における傾き(第5傾き)であれば良い。また、第1特徴値が、第4特徴値よりも第5特徴値に近いか否かに関する第1指標は、例えば、第4特徴値および第5特徴値の平均値が基準値とされて、第1特徴値が、該基準値よりも第5特徴値に近いか否かを示す指標であれば良い。例えば、第1指標として、第1特徴値から基準値が減じられた値が採用される。この場合、例えば、第5特徴値が第4特徴値よりも小さく、第1特徴値から基準値が減じられた値が、負の値であれば、第1特徴値が、第4特徴値よりも第5特徴値に近いことを示す。なお、第1指標が、数値ではなく、例えば、第1特徴値が第4特徴値よりも第5特徴値に近いか否かを示す情報であっても良い。さらに、判定部115によって、メラニン吸収スペクトルの第1特徴値が、第5吸収スペクトルに係る第4特徴値よりも、第6吸収スペクトルに係る第5特徴値に近いか否かが判定される。
ここで、上記一実施形態および各種変形例と同様に、ユーザーによって評価対象波長範囲が予め設定される構成であれば、例えば、第5および第6吸収スペクトルの間で、特徴値が比較的大きく異なる評価対象波長範囲が設定され、メラノーマの診断精度が高まる。
また、上記一実施形態および各種変形例では、第1〜5特徴値が、第1〜5傾きであったが、これに限られない。例えば、第1〜5特徴値が、第1〜5吸光度等と言った各吸収スペクトルの特徴を示すその他の値に置換されても良い。
具体的には、例えば、第1特徴値が、第2吸収スペクトルの予め設定された評価対象波長範囲における吸光度(第1吸光度)であっても良い。また、例えば、第2特徴値が、第3吸収スペクトルの予め設定された評価対象波長範囲における吸光度(第2吸光度)であっても良い。第3特徴値が、第4吸収スペクトルの予め設定された評価対象波長範囲における吸光度(第3吸光度)であっても良い。第4特徴値が、第5吸収スペクトルの予め設定された評価対象波長範囲における吸光度(第4吸光度)であっても良い。第5特徴値が、第6吸収スペクトルの予め設定された評価対象波長範囲における吸光度(第5吸光度)であっても良い。第1〜5吸光度は、例えば、評価対象波長範囲における吸光度の総和および平均値等であれば良い。
また、具体的には、例えば、第1特徴値が、第2吸収スペクトルの予め設定された特定波長における吸光度(第1吸光度)であっても良い。また、例えば、第2特徴値が、第3吸収スペクトルの予め設定された特定波長における吸光度(第2吸光度)であっても良い。第3特徴値が、第4吸収スペクトルの予め設定された特定波長における吸光度(第3吸光度)であっても良い。第4特徴値が、第5吸収スペクトルの予め設定された特定波長における吸光度(第4吸光度)であっても良い。第5特徴値が、第6吸収スペクトルの予め設定された特定波長における吸光度(第5吸光度)であっても良い。
この場合、例えば、第1特徴値が、第4特徴値よりも第5特徴値に近いか否かに関する第1指標は、例えば、第4特徴値および第5特徴値の平均値が基準値とされて、第1特徴値が、該基準値よりも第5特徴値に近いか否かを示す指標であれば良い。例えば、第1指標として、第1特徴値から基準値が減じられた値が採用される。また、この場合、第5特徴値が第4特徴値よりも小さく、第1特徴値から基準値が減じられた値が、負の値であれば、第1特徴値が、第4特徴値よりも第5特徴値に近いことを示す。なお、第1指標が、数値ではなく、例えば、第1特徴値が第4特徴値よりも第5特徴値に近いか否かを示す情報であっても良い。また、設定部113によって、ユーザーによる操作部12の操作に応答して、メラニン吸収スペクトルの評価の対象となる特定波長(評価対象波長とも言う)が設定される。このとき、例えば、メラニン吸収スペクトルに係る個人差等が考慮されて、評価対象波長が設定されれば良い。
なお、評価対象波長に係る第1〜5特徴値は、評価対象波長としての一波長における吸光度である代わりに、該評価対象波長を含むある程度の波長範囲の吸光度から求められても良い。例えば、評価対象波長としての一波長を代表値として含む波長範囲における吸光度の平均値が、評価対象波長に係る第1〜5特徴値とされる態様が考えられる。なお、代表値としては、例えば、中央値、下限値および上限値等が挙げられる。
また、上記一実施形態および各種変形例では、診断支援装置1,1Bが、各種演算を行うマイコン部11ならびに被測定部からの反射光に係る第2分光スペクトルを測定する測定部32,32Bを備えていたが、これに限られない。例えば、診断支援装置1,1Bから測定部32,32Bが削除され、マイコン部11が、被測定部からの反射光に係る第2分光スペクトルおよび被測定部に係る第1吸収スペクトルのうちの少なくとも一方に係るデータを取得して、各種演算を行っても良い。
また、上記一実施形態および各種変形例では、判定部115,115Aによる判定が行われたが、これに限られない。例えば、判定部115,115Aによる判定が行われることなく、出力制御部116,116Aによって、第1指標および第2指標のうちの少なくとも一方が出力されても良い。
また、上記一実施形態および各種変形例では、第1および第2吸光度分布データDa1,Da2が記憶部11sに予め格納されていたが、これに限られない。例えば、診断支援装置1,1Bに、ヘモグロビンおよびビリルビンについての波長に対する吸光の分布を測定する装置が設けられても良い。
また、上記一実施形態および各種変形例では、操作部12に対するユーザーの操作に応じて信号が入力されたが、これに限られない。例えば、表示部13がタッチパネル方式の表示部であれば、該表示部に対するユーザーの操作に応答して、信号がマイコン部11に出力される構成が採用されても良い。また、例えば、ユーザーの音声等の各種動作に応答して、信号がマイコン部11に出力される構成が採用されても良い。このような構成としては、例えば、音声認識を行い、信号を出力する構成が考えられる。
なお、上記一実施形態および各種変形例をそれぞれ構成する全部または一部を、適宜、矛盾しない範囲で組み合わせ可能であることは、言うまでもない。
1,1B 診断支援装置
10 制御ユニット
11 マイコン部
12 操作部
13 表示部
30,30B 測定ユニット
31 光源部
32,32B 測定部
111 計算部
112 算出部
113 設定部
114,114A 指標演算部
115,115A 判定部
116,116A 出力制御部
117A ばらつき演算部
11c プロセッサー
11m メモリー
11s 記憶部
321,321B 分光部
322,322B センサー部
Da1 第1吸光度分布データ
Da2 第2吸光度分布データ
Lg1 評価対象波長範囲
P1,P1A,P1B プログラム
Sc1 第1比較用吸収スペクトルデータ
Sc2 第2比較用吸収スペクトルデータ
10 制御ユニット
11 マイコン部
12 操作部
13 表示部
30,30B 測定ユニット
31 光源部
32,32B 測定部
111 計算部
112 算出部
113 設定部
114,114A 指標演算部
115,115A 判定部
116,116A 出力制御部
117A ばらつき演算部
11c プロセッサー
11m メモリー
11s 記憶部
321,321B 分光部
322,322B センサー部
Da1 第1吸光度分布データ
Da2 第2吸光度分布データ
Lg1 評価対象波長範囲
P1,P1A,P1B プログラム
Sc1 第1比較用吸収スペクトルデータ
Sc2 第2比較用吸収スペクトルデータ
上記課題を解決するために、一態様に係るメラノーマ診断支援装置は、被測定部に係る第1吸収スペクトルについての予め設定された指標の数値と、メラニンと関係しない成分に係る前記指標の数値とから、前記被測定部のメラニンに係る第2吸収スペクトルを算出する算出部と、前記第2吸収スペクトルの第1特徴値が、メラノーマを含まない正常部についての第3吸収スペクトルに係る第2特徴値よりも、メラノーマを含む異常部についての第4吸収スペクトルに係る第3特徴値に近いか否か、あるいは前記第1特徴値が、ユーメラニンについての第5吸収スペクトルに係る第4特徴値よりも、フェオメラニンについての第6吸収スペクトルに係る第5特徴値に近いか否かに関する第1指標を求める指標演算部とを備える。
また、他の一態様に係るメラノーマ診断支援装置は、被測定部に係る第1吸収スペクトルについての予め設定された指標の数値と、メラニンと関係しない成分に係る前記指標の数値とから、前記被測定部のメラニンに係る第2吸収スペクトルを算出する算出部と、前記第2吸収スペクトルの第1特徴値が、メラノーマを含まない正常部についての第3吸収スペクトルに係る第2特徴値よりも、メラノーマを含む異常部についての第4吸収スペクトルに係る第3特徴値に近いか否か、あるいは前記第1特徴値が、ユーメラニンについての第5吸収スペクトルに係る第4特徴値よりも、フェオメラニンについての第6吸収スペクトルに係る第5特徴値に近いか否かを判定する判定部とを備える。
また、一態様に係るメラノーマ診断支援方法は、(a)被測定部に係る第1吸収スペクトルについての予め設定された指標の数値と、メラニンと関係しない成分に係る前記指標の数値とから、前記被測定部のメラニンに係る第2吸収スペクトルを算出する算出ステップと、(b)前記第2吸収スペクトルの第1特徴値が、メラノーマを含まない正常部についての第3吸収スペクトルに係る第2特徴値よりも、メラノーマを含む異常部についての第4吸収スペクトルに係る第3特徴値に近いか否か、あるいは前記第1特徴値が、ユーメラニンについての第5吸収スペクトルに係る第4特徴値よりも、フェオメラニンについての第6吸収スペクトルに係る第5特徴値に近いか否かに関する第1指標を求める指標演算ステップとを有する。
また、他の一態様に係るメラノーマ診断支援方法は、(A)被測定部に係る第1吸収スペクトルについての予め設定された指標の数値と、メラニンと関係しない成分に係る前記指標の数値とから、前記被測定部のメラニンに係る第2吸収スペクトルを算出する算出ステップと、(B)前記第2吸収スペクトルの第1特徴値が、メラノーマを含まない正常部についての第3吸収スペクトルに係る第2特徴値よりも、メラノーマを含む異常部についての第4吸収スペクトルに係る第3特徴値に近いか否か、あるいは前記第1特徴値が、ユーメラニンについての第5吸収スペクトルに係る第4特徴値よりも、フェオメラニンについての第6吸収スペクトルに係る第5特徴値に近いか否かを判定する判定ステップとを有する。
Claims (13)
- 被測定部に係る第1吸収スペクトルにおける各波長の吸光度から、メラニンと関係しない血中成分に係る各波長の吸光度を減ずることで、前記被測定部のメラニンに係る第2吸収スペクトルを算出する算出部と、
前記第2吸収スペクトルの第1特徴値が、メラノーマを含まない正常部についての第3吸収スペクトルに係る第2特徴値よりも、メラノーマを含む異常部についての第4吸収スペクトルに係る第3特徴値に近いか否か、あるいは前記第1特徴値が、ユーメラニンについての第5吸収スペクトルに係る第4特徴値よりも、フェオメラニンについての第6吸収スペクトルに係る第5特徴値に近いか否かに関する第1指標を求める指標演算部と、
を備えるメラノーマ診断支援装置。 - 請求項1に記載のメラノーマ診断支援装置であって、
前記血中成分が、
ヘモグロビンおよびビリルビンを含むメラノーマ診断支援装置。 - 請求項1または請求項2に記載のメラノーマ診断支援装置であって、
前記第1特徴値が、
前記第2吸収スペクトルの予め設定された波長範囲における第1傾きを含み、
前記第2特徴値が、
前記第3吸収スペクトルの前記波長範囲における第2傾きを含み、
前記第3特徴値が、
前記第4吸収スペクトルの前記波長範囲における第3傾きを含み、
前記第4特徴値が、
前記第5吸収スペクトルの前記波長範囲における第4傾きを含み、
前記第5特徴値が、
前記第6吸収スペクトルの前記波長範囲における第5傾きを含むメラノーマ診断支援装置。 - 請求項3に記載のメラノーマ診断支援装置であって、
ユーザーの動作に応答して、前記波長範囲を設定する設定部、
を更に備えるメラノーマ診断支援装置。 - 請求項1または請求項2に記載のメラノーマ診断支援装置であって、
前記第1特徴値が、
前記第2吸収スペクトルの予め設定された特定波長に係る第1吸光度を含み、
前記第2特徴値が、
前記第3吸収スペクトルの前記特定波長に係る第2吸光度を含み、
前記第3特徴値が、
前記第4吸収スペクトルの前記特定波長に係る第3吸光度を含み、
前記第4特徴値が、
前記第5吸収スペクトルの前記特定波長に係る第4吸光度を含み、
前記第5特徴値が、
前記第6吸収スペクトルの前記特定波長に係る第5吸光度を含むメラノーマ診断支援装置。 - 請求項5に記載のメラノーマ診断支援装置であって、
ユーザーの動作に応答して、前記特定波長を設定する設定部、
を更に備えるメラノーマ診断支援装置。 - 請求項1から請求項6の何れか1つの請求項に記載のメラノーマ診断支援装置であって、
前記算出部が、
複数の前記被測定部に係る前記第1吸収スペクトルから前記第2吸収スペクトルをそれぞれ算出し、
前記算出部で算出される複数の前記第2吸収スペクトルのばらつきの程度を示す値を算出するばらつき演算部、
を更に備えるメラノーマ診断支援装置。 - 請求項7に記載のメラノーマ診断支援装置であって、
前記演算部が、
前記ばらつきの程度を示す値が、予め設定された閾値を超えているか否かに関する第2指標を求めるメラノーマ診断支援装置。 - 請求項1から請求項8の何れか1つの請求項に記載のメラノーマ診断支援装置であって、
予め設定された第1分光スペクトルを有する照射光を発する光源部と
前記照射光の照射に応じて前記被測定部から発せられる反射光を受光することで該反射光の第2分光スペクトルを取得する測定部と、
前記第1分光スペクトルと前記第2分光スペクトルとに基づいて、前記第1吸収スペクトルを算出する計算部と、
を更に備えるメラノーマ診断支援装置。 - 被測定部に係る第1吸収スペクトルにおける各波長の吸光度から、メラニンと関係しない血中成分に係る各波長の吸光度を減ずることで、前記被測定部のメラニンに係る第2吸収スペクトルを算出する算出部と、
前記第2吸収スペクトルの第1特徴値が、メラノーマを含まない正常部についての第3吸収スペクトルに係る第2特徴値よりも、メラノーマを含む異常部についての第4吸収スペクトルに係る第3特徴値に近いか否か、あるいは前記第1特徴値が、ユーメラニンについての第5吸収スペクトルに係る第4特徴値よりも、フェオメラニンについての第6吸収スペクトルに係る第5特徴値に近いか否かを判定する判定部と、
を備えるメラノーマ診断支援装置。 - メラノーマ診断支援装置に含まれているプロセッサーにおいて実行されることにより、前記メラノーマ診断支援装置を、請求項1から請求項10の何れか1つの請求項に記載のメラノーマ診断支援装置として機能させるプログラム。
- (a)被測定部に係る第1吸収スペクトルにおける各波長の吸光度から、メラニンと関係しない血中成分に係る各波長の吸光度を減ずることで、前記被測定部のメラニンに係る第2吸収スペクトルを算出する算出ステップと、
(b)前記第2吸収スペクトルの第1特徴値が、メラノーマを含まない正常部についての第3吸収スペクトルに係る第2特徴値よりも、メラノーマを含む異常部についての第4吸収スペクトルに係る第3特徴値に近いか否か、あるいは前記第1特徴値が、ユーメラニンについての第5吸収スペクトルに係る第4特徴値よりも、フェオメラニンについての第6吸収スペクトルに係る第5特徴値に近いか否かに関する第1指標を求める指標演算ステップと、
を有するメラノーマ診断支援方法。 - (A)被測定部に係る第1吸収スペクトルにおける各波長の吸光度から、メラニンと関係しない血中成分に係る各波長の吸光度を減ずることで、前記被測定部のメラニンに係る第2吸収スペクトルを算出する算出ステップと、
(B)前記第2吸収スペクトルの第1特徴値が、メラノーマを含まない正常部についての第3吸収スペクトルに係る第2特徴値よりも、メラノーマを含む異常部についての第4吸収スペクトルに係る第3特徴値に近いか否か、あるいは前記第1特徴値が、ユーメラニンについての第5吸収スペクトルに係る第4特徴値よりも、フェオメラニンについての第6吸収スペクトルに係る第5特徴値に近いか否かを判定する判定ステップと、
を有するメラノーマ診断支援方法。
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