JPWO2015005246A1 - 化学発光体用酸化液およびそれを含んでなる化学発光システム - Google Patents

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Abstract

本発明は、化学発光体用酸化液の経時変化を抑制する方法および経時変化を抑制させた酸化液を提供することを目的とする。シュウ酸エステルおよび蛍光物質を含有する蛍光液と混合した際に化学発光現象を生じる、過酸化水素および溶媒を含有する化学発光体用酸化液であって、前記酸化液の引火点が60℃以上であり、前記酸化液に酸化防止剤が含有されることを特徴とする化学発光体用酸化液。これにより酸化液の経時変化を抑制することで、発光輝度の低下や、引火点の低下を抑制することができ、長期間の使用、保管に耐えられる化学発光体用酸化液とすることができる。

Description

本発明は、化学発光体用酸化液およびそれを含んでなる化学発光システムに関する。より詳しくは、化学発光体用酸化液に酸化防止剤を添加した化学発光体用酸化液と化学発光体用蛍光液とを含んでなる化学発光システムに関するものである。
これまでに、化学発光を利用した製品が数多く上市されており、シュウ酸エステルおよび蛍光物質(色素)を含有する溶液(蛍光液)と、酸化剤(主として過酸化水素)および触媒成分(たとえばサリチル酸塩)を含有する溶液(酸化液)とを混合することにより、任意の時機に化学発光を起こさせ、目的に供することが一般に行われている。
そして、蛍光液や酸化液には、内容物の濃度を調節し、両液中の反応種が均一に混合して反応するように、溶媒が使用されている。たとえば、特許文献1にて開示された蛍光液には、溶媒としては、フタル酸エステル類、安息香酸エステル類などの芳香族系溶媒が使用されている。
一方、近年、防火面からもより安全な溶媒が求められている。従来、蛍光液の溶媒の組成としては、アセチルクエン酸トリブチル、安息香酸ベンジル、ジプロピレングリコールジメチルエーテルを混合した溶液が多用されており、これらの溶媒は引火点が高く、混合状態でも94℃以上の引火点を有するものである。
しかし、従来、酸化液として使用されている溶媒はフタル酸系、非フタル酸系のいずれも引火点の低いエタノールなどのアルコ−ルを含んでいるため20℃〜40℃程度の低い引火点を示していた。このように化学発光組成物の酸化液の引火点が低いため、危険物としての取り扱いが厳しく、航空貨物としても制限を受ける等の課題があった。この酸化液の引火点を向上させる技術として、特許文献2〜5には、特定の溶媒を酸化液の溶媒に用いる技術が提案されている。
特開2002−138278号公報 特開2006−104266号公報 特許4702653号公報 国際公開2011/99375号公報 国際公開2012/101848号公報
前述した特許文献に開示されるような化学発光体用酸化液の溶媒設計に変更することで、高引火点とすることができる。しかし、本発明者等は、この高引火点溶媒酸化液をさらに評価を進める過程において、常温で数年間という長期間保管する場合に、高引火点溶媒酸化液が経時変化する可能性があることを見出した。また、この経時変化によって、発光輝度が低下したり、引火点が低下するものがあることがわかり、この経時変化は、化学発光体の使用期限や保管期限を限定せざるを得ない理由となることに着目した。
本発明は、これら化学発光体用酸化液の経時変化を抑制する方法および経時変化を抑制させた酸化液を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記の発明が上記目的に合致することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
<1> シュウ酸エステルおよび蛍光物質を含有する蛍光液と混合した際に化学発光現象を生じる、過酸化水素および溶媒を含有する化学発光体用酸化液であって、前記酸化液の引火点が60℃以上であり、前記酸化液に酸化防止剤が含有される化学発光体用酸化液。
<2> 前記酸化防止剤が、フェノール系酸化防止剤である前記<1>記載の化学発光体用酸化液。
<3> 前記フェノール系酸化防止剤が、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシノール、tert−ブチルヒドロキノン、ブチルヒドロキシアニソール、ヒドロキノンモノメチルエーテルおよびジ−t−ブチル−p−クレゾールから選択される少なくとも1種以上の酸化防止剤である前記<2>記載の化学発光体用酸化液。
<4> 前記酸化防止剤の濃度が、酸化液全体に対して、0.05mmol/L以上、10mmol/L以下である前記<1>〜<3>のいずれかに記載の化学発光体用酸化液。
<5> 前記溶媒が、フタル酸エステル類、クエン酸エステル類、安息香酸エステル類、トリメリット酸エステル類、アジピン酸エステル類、セバシン酸エステル類、アゼライン酸エステル類、グリセリンエステル類、ラクトン類、グリコール類、アルキルグリコールエーテル類から選ばれた少なくとも2種以上の混合物であることを特徴とする前記<1>〜<4>のいずれかに記載の化学発光体用酸化液。
<6> 前記<1>〜<5>のいずれかの項に記載の化学発光体用酸化液とシュウ酸エステルおよび蛍光物質を含有する蛍光液とを含んでなることを特徴とする化学発光システム。
本発明による化学発光体用酸化液は、長時間経過したときの引火点の低下や、発光輝度の低下が少ない化学発光体用酸化液とすることができる。これによって、長期使用や長期保存ができ、高温となりやすい環境においても、より信頼性が高い化学発光体を提供することができる。
本発明にかかる酸化液の安定性をHPLCで評価した結果を示す図である。 本発明にかかる酸化液を用いた発光輝度の変化を評価した結果を示す図である。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、以下の内容に限定されない。
本発明は、シュウ酸エステルおよび蛍光物質を含有する蛍光液と混合した際に化学発光現象を生じる、過酸化水素および溶媒を含有する化学発光体用酸化液であって、前記酸化液の引火点が60℃以上であり、前記酸化液に酸化防止剤を含有する化学発光体用酸化液に係るものである。このような構成とすることで、前記化学発光体用酸化液の引火点や発光輝度の長期安定性を向上させることができる。
ここに、本発明の化学発光体用酸化液(以下単に「酸化液」ということがある。)は、シュウ酸エステルおよび蛍光物質を含有する化学発光体用蛍光液(以下単に「蛍光液」ということがある。)と混合した際に化学発光現象を生じさせる作用を有するものである。酸化液は、酸化剤である過酸化水素を必須成分とし、この過酸化水素の濃度を調整し、後述する蛍光液中の蛍光物質との相溶性(混合性)を向上させ、更には発光効率を向上させるために添加されるサリチル酸塩等の溶解度を向上させるための溶媒を含有する。
本発明の特徴の一つは、この酸化液として、引火点が60℃以上、好ましくは70℃以上、特に好ましくは100℃以上のものを使用することにある。ここで、引火点とは、JIS K2265−2に規定される迅速平衡密閉法により測定した値をいう。酸化液の引火点が60℃未満である場合には、航空法における貨物規制に抵触し、国際郵便における危険物の扱いとなるが、本発明の酸化液は、引火点が60℃以上であるため、前記航空法における貨物規制に抵触しないという利点がある。更に、本発明の酸化液における引火点が70℃以上になると、消防法上の危険物 第3石油類指定(70〜200℃)が適用されるため、安全性ランクが一段あがる。更に、本発明の酸化液における引火点が100℃以上になると、防火面の安全性が格段に高まる。
また、本発明の酸化液に含有される溶媒は、酸化防止剤を含有することを特徴とする。本発明の酸化液は前述のように過酸化水素水を含有するものであり、酸化させることを目的とする溶媒であることから、これに酸化防止剤を含有させることは忌避される方向にある。しかしながら、本発明者等は、この酸化液に酸化防止剤を含有させることで、酸化液の引火点や発光輝度が長期間安定することを見出し、本発明に達した。
本発明において酸化防止剤とは、遊離基、過酸化物と反応して安定な物質に変えることにより、酸化液の過酸化水素や溶媒等の分解を抑制するものをいう。長期間経過したとき、酸化液に含まれる過酸化水素が分解し酸化液としての機能を果たさなくなる場合がある。また、高引火点の酸化液の溶媒には、臭気や安定性、蛍光液との相溶性等を考慮し、エステル系の溶媒が使用されることが多い。しかしながら、エステル系の溶媒は分解すると低引火点の物質に変わるものが多い。この分解は、長期間保管すると必然的に周辺環境や空気中の酸素等と反応することにより生じるものであり、高引火点酸化液溶媒の長期間安定性に関連するものである。また、酸化液中の過酸化水素の分解を抑制することで、蛍光液と混合された時の発光輝度が安定する。
本発明に用いられる酸化防止剤としては、酸化液との相溶性等の観点から有機系の酸化防止剤が好ましく用いられる。有機系の酸化防止剤のなかでも、フェノール系酸化防止剤が特に好ましく用いられる。フェノール系酸化防止剤は、酸化液中に含まれる溶媒と相溶性が高く均一に溶解・分散するものであること、酸化液中で他の成分と反応しすぎないように酸やアルカリを生成しにくいものであること、酸化液の酸化機能が低下すると蛍光液と混合時の発光性が低下するおそれがあるため還元性が高すぎないものであることなどの利点を有するため、本発明の酸化防止剤に適している。
本発明においてフェノール系酸化防止剤は分子内にフェノール基を有する酸化防止剤を指しフェノール誘導体を有するモノフェノール系酸化防止剤、ビスフェノール系酸化防止剤、及び高分子型フェノール系酸化防止剤等を用いることができる。本発明に好ましく用いられるフェノール系酸化防止剤としては、例えば、ハイドロキノン(1,4−ベンゼンジオール)、カテコール(1,2−ベンゼンジオール)、レゾルシノール(1,3−ベンゼンジオール)、tert−ブチルヒドロキノン、ブチルヒドロキシアニソール、ヒドロキノンモノメチルエーテル(4−メトキシフェノール)、ジ−t−ブチル−p−クレゾール(DBPC)等があげられる。これらの酸化防止剤のいずれかを単独で用いても良いし、適宜、2種類以上の酸化防止剤を用いてもよい。フェノール系の酸化防止剤のなかでも、さらに好ましくは、ハイドロキノンやジ−t−ブチル−p−クレゾールが用いられる。この好ましい酸化防止剤として選択される酸化防止剤は、本発明の酸化液に混合させたとき、引火点や発光輝度の長期安定性に優れているのみならず、酸化液等の着色がほとんどなく、析出物等も発生しにくいといった点でさらに優れている。
前記酸化防止剤の濃度は、添加するフェノール系酸化防止剤の種類、酸化液中の各成分濃度、想定する保存期間等にもよるが、酸化液全体に対して、好ましくは0.05mmol/L以上、より好ましくは0.3mmol/L以上である。酸化防止剤の濃度が低すぎる場合、十分な期間引火点低下抑制能や、過酸化水素分解抑制機能を発揮しないおそれがある。また、その上限は、好ましくは10mmol/L以下、より好ましくは5mmol/L以下、さらに好ましくは3mmol/L以下である。酸化防止剤の添加量が多すぎる場合、酸化液の酸化機能を阻害し、蛍光液と混合された時の発光輝度が低下する場合がある。また、酸化防止剤の着色が原因で、発光体の発光色が異なるものとなる場合がある。酸化防止剤の濃度がこれらの好ましい範囲のとき、長期間、安定して酸化液の機能を維持することができる。
また、本発明の酸化液に含有される溶媒は、下記化合物から選ばれる溶媒やこれらの混合物を用いることができる。
即ち、本発明における酸化液に含まれる溶媒の具体的例としては、クエン酸エステル類、フタル酸エステル類、安息香酸エステル類、トリメリット酸エステル類、アジピン酸エステル類、セバシン酸エステル類、アゼライン酸エステル類、グリセリンエステル類、ラクトン類、グリコール類、アルキルグリコールエーテル類等の有機系の溶媒を含む溶媒が好ましく用いられる。これらの溶媒から、引火点が60℃以上のものを主たる溶媒として用いて、全体としての引火点が70℃以上となり、本発明の目的を達成することができる溶媒を選択し使用することができる。なお、溶媒の選択において、主たる溶媒とは、引火点が本発明の目的とする温度を達成することができるように配合量を調整する際に、引火点の高さと配合比率の多さとから設計時の中心となる溶媒を指す。また、溶媒は、主たる溶媒単独の溶媒であってもよい。
これらの主たる溶媒としてより具体的には、クエン酸エステル類の溶媒として、クエン酸トリエチル(引火点:151℃)、アセチルクエン酸トリブチル(引火点:204℃)が用いられる。また、フタル酸エステル類の溶媒として、フタル酸ジメチル(引火点:146℃)、フタル酸ジエチル(引火点:166℃)、フタル酸ジブチル(引火点:157℃)が用いられる。また、安息香酸エステル類の溶媒としては、安息香酸ベンジル(引火点:148℃)、安息香酸ブチル(引火点:122℃)が用いられる。また、トリメリット酸エステル類の溶媒としては、トリメリット酸トリメチル(引火点:182℃)、トリメリット酸トリプロピル(引火点無し)、トリメリット酸トリ−n−ブチル(引火点:215℃)、トリメリット酸トリス(2−エチルヘキシル)(引火点:262℃)が用いられる。
また、アジピン酸エステル類の溶媒としては、アジピン酸ジメチル(引火点:122℃)、アジピン酸ジエチル(引火点:127℃)、アジピン酸ジイソプロピル(引火点:136℃)、アジピン酸ジイソブチル(引火点:156℃)、アジピン酸ジイソノニル(引火点:232℃)が用いられる。また、セバシン酸エステル類の溶媒としては、セバシン酸ジエチル(引火点:220℃)、セバシン酸ジブチル(引火点:190℃)が用いられる。アゼライン酸エステル類の溶媒としては、アゼライン酸ビス(2−エチルヘキシル)(引火点:211℃)も用いることができる。
さらには、グリセリンエステル類の溶媒としては、トリアセチン(グリセリントリアセタート)(引火点:148℃)などが用いられる。また、ラクトン類の溶媒としては、γ−ブチロラクトン(引火点:98℃)などが用いられる。また、グリコール類の溶媒としては、ヘキシレングリコール(引火点:96℃)、プロピレングリコール(引火点:99℃)、トリエチレングリコール(引火点:177℃)。また、アルキルグリコールエーテル類の溶媒としては、3-メトキシ-3-メチルブタノール(引火点:67℃)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(引火点:58℃)、ジエチレングリコールジエチルエーテル(引火点:71℃)、ジエチレングリコールジブチルエーテル(引火点:118℃)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(引火点:60℃)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(引火点:93℃)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(引火点:96℃)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(引火点:113℃)、エチレングリコールイソプロピルエーテル(引火点:44℃)を用いることができる。また、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテルおよびトリプロピレングリコールプロピルエーテルを用いることができる。
これらは、酸化剤である過酸化水素や触媒であるサリチル酸塩等の易溶解性、また蛍光物質を含有する蛍光液との相溶性に優れている。また、これらの溶媒は、少なくとも2種以上を混合して使用されることが好ましく、混合した溶媒(酸化液)の引火点は、60℃以上となる。なお、防火性の観点からは、これらの溶媒単独での引火点が、60℃以上が好ましく、70℃以上がより好ましく、100℃以上が特に好ましい。
上記溶媒の中でも、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリブチル、安息香酸ベンジル、安息香酸ブチル、トリメリット酸トリメチル、トリメリット酸トリプロピル、トリメリット酸トリ−n−ブチル、トリメリット酸トリス(2−エチルヘキシル)、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジエチル、アゼライン酸ビス(2−エチルヘキシル)、ヘキシレングリコール、プロピレングリコール、γ―ブチロラクトン、トリエチレングリコール、トリアセチン(グリセリントリアセタート)、3-メトキシ-3-メチルブタノール、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソプロピルエーテルジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテルおよびトリプロピレングリコールプロピルエーテルから選ばれた少なくとも2種以上の混合物であることが好ましい。
更に、好ましくは、上記溶媒が、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリブチル、安息香酸ベンジル、トリメリット酸トリ−n−ブチル、トリメリット酸トリス(2−エチルヘキシル)、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジイソブチル、アゼライン酸ビス(2−エチルヘキシル)、ヘキシレングリコール、プロピレングリコール、γ−ブチロラクトン、トリアセチン(グリセリントリアセタート)、3-メトキシ-3-メチルブタノール、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルおよびトリプロピレングリコールモノメチルエーテルから選ばれた少なくとも2種以上の混合物である。
特に、酸化液が、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリブチル、安息香酸ベンジル、安息香酸ブチル、トリメリット酸トリメチル、トリメリット酸トリプロピル、トリメリット酸トリ−n−ブチル、トリメリット酸トリス(2−エチルヘキシル)、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジエチルおよびアゼライン酸ビス(2−エチルヘキシル)から選ばれた少なくとも1種以上の溶媒(溶媒A)と、
ヘキシレングリコール、プロピレングリコール、ブチロラクトン、トリエチレングリコール、トリアセチン(グリセリントリアセタート)、ジエチレングリコールジメチルエーテル、3-メトキシ-3-メチルブタノール、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルおよびジプロピレングリコールジメチルエーテルから選ばれた少なくとも1種以上の溶媒(溶媒B)との混合物であることが好ましい。
上記溶媒の混合割合は、最終製品の用途や要求される安全性等により適宜決定される。溶媒が溶媒Aと溶媒Bの混合溶媒の場合には、溶媒Aと溶媒Bの比(容量比)が、一般には、1:99〜99:1、好ましくは、10:90〜90:10、より好ましくは、20:80〜80:20である。
単独での使用は、従来使用されるエタノールやブタノール等の低級アルコールに比べ、酸化剤である過酸化水素や触媒であるサリチル酸塩等との相溶性、また蛍光物質を含有する蛍光液との相溶性において、従来の低級アルコールと同等あるいは同等以上の酸化液とすることが難しい場合がある。上記の溶媒の組み合わせにおいて、クエン酸トリエチル、安息香酸ベンジル等の溶媒Aは、酸化液の主溶媒であり、3-メトキシ-3-メチルブタノール、ヘキシレングリコール等の溶媒Bは、補助溶媒としての機能を有し、両者が相俟って発光性能の良い酸化液が構成される。
本発明の酸化液には、上記溶媒に加え、更にポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコールを含有することが望ましい。これらは分解特性に優れ、過酸化水素との相溶性に優れている。また、他の溶媒の混和性を促進する効果がある。中でも、ポリプロピレングリコールが混和性、化学的安定性、発光輝度の点から好適に使用される。ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールは酸化液との相溶性の観点から低分子量〜中分子量のものが好ましい。ポリエチレングリコール及び/又はポリプロピレングリコールの添加量は、溶媒全体を100容量%として、1〜50容量%、好ましくは2〜25容量%である。
酸化液中の過酸化水素の濃度は、使用する目的により適宜選択することができるが、通常、0.5から10重量%、好ましくは3から6重量%である。
なお、化学発光体用酸化液には、通常触媒成分として、例えば、サリチル酸リチウム、サリチル酸アンモニウム、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸テトラアルキルアンモニウム塩等のサリチル酸およびその誘導体を少量(通常、酸化液に対し0.1mmol/Lから10mmol/L)含有することが望ましい。
次に本発明の化学発光体用蛍光液について説明する。蛍光液は、シュウ酸エステル、蛍光物質および溶媒を含有し、過酸化水素を含有する酸化液と混合した際に化学発光現象を生じるものである。
本発明で使用するシュウ酸エステル類(オキサレート)としては、シュウ酸ハライド、シュウ酸エステル、シュウ酸オキサミド等のシュウ酸誘導体が使用でき、代表的なオキサレートとしては、例えば、ビス(2,4,5−トリクロロ−6−カルボブトキシフェニル)オキサレート、ビス(2,4,5−トリクロロ−6−カルボペントキシフェニル)オキサレート等が挙げられる。
蛍光物質としては、300〜1200nmにスペクトル発光を有し、且つ、溶媒に少なくとも部分的に可溶な蛍光化合物であれば特に制限はない。これらの蛍光化合物としては、アントラセン、置換アントラセン、ベンゾアントラセン、フェナントレン、置換フェナントレン、ナフタセン、置換ナフタセン、ペンタセン、置換ペンタセン、ペリレン、置換ペリレン、ビオラントロン、置換ビオラントロンなどの縮合環を有する共役多環芳香族化合物が例示される。上記化合物の置換基としては、発光反応を妨げない限りにおいて特に制限はなく、フェニル基、低級アルキル基、クロロ基、ブロモ基、シアノ基、アルコキシ基、フェニルナフチル基などが例示される。
具体的な蛍光物質としては、2−クロロ-9,10−ビス(4−メチルエチニル)アントラセン、9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン、1−メトキシ−9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン、ペリレン、1,5−ジクロロ−9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン、1,8−ジクロロ−9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン、モノクロロおよびジクロロ置換9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン、5,12−ビス(フェニルエチニル)テトラセン、9,10−ジフェニルアントラセン、16,17−ジヘキシルオキシビオラントロン、2−メチル−9,10−ビス−(フェニルエチニル)アントラセン、9,10−ビス−(4−メトキシフェニル)−2−クロロアントラセン、9,10−ビス−(4−エトキシフェニル)−2−クロロアントラセン、5,12−ビス−(フェニルエチニル)ナフタセン、5,6,11,12−テトラフェニルナフタセン(ルブレン)およびこれらの混合物が例示される。
これらの蛍光物質の製品としては、例えば、ルモゲン・レッド(LUMOGEN RED、赤色を発するペリレンジカルボキシイミド蛍光剤、BASF社、商品名)、ルモゲン・イエロー(LUMOGEN YELLOW、黄色を発するペリレンジカルボキシイミド蛍光剤、BASF社、商品名)、ルモゲン・オレンジ(LUMOGEN ORANGE、オレンジ色を発するペリレンジカルボキシイミド蛍光剤、BASF社、商品名)が好適に使用される。
本発明の蛍光液において、溶媒としては、一般にアセチルクエン酸トリブチル(ATBC)、安息香酸ベンジル(BeB)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(DMM)等が単独であるいは混合して使用される。本発明においては、蛍光液の引火点が酸化液に要求される引火点(60℃)以上であれば、特に限定されるものではない。
蛍光液における各成分の組成割合は、使用される目的に応じて任意に選択することが出来る。一般に、シュウ酸エステルと蛍光物質の量比(モル比)は、化学発光を生じるのに十分な量とされるが、好ましくは20:1〜40:1である。溶媒とシュウ酸エステルとの量比も使用する目的により適宜選択することができるが、通常、シュウ酸エステルの濃度が0.01〜0.5mol/L、好ましくは0.05〜0.3mol/Lとなる量の溶媒を使用する。
なお、酸化液、蛍光液には、必要に応じ界面活性剤等の添加剤を本発明の要旨を損なわない範囲で加えることができる。また、酸化液、蛍光液は不織布、織布、ガラスやプラスチック等の被発光基材に担持させて用いることもできる。
本発明の化学発光体用酸化液は、シュウ酸エステルおよび蛍光物質を含有する化学発光体用蛍光液と混合した際に化学発光現象を生じる。即ち、本発明の酸化液は、上記の蛍光液と組合せて化学発光システムを構成する。
被発光基材を使用した場合は、触媒成分や蛍光物質をこれらの被発光基材に担持させ、それ以外の溶液を接触させる化学発光システムとすることができる。
本発明の酸化液およびそれを使用した化学発光システムは、優れた化学発光性能を有し、安全性の高いシステムを提供することができる。また、その安全性を保持する期間が非常に長く、長期保管にも適している。この化学発光システムの具体的な態様としては、セレモニーやイベントのように開放系で用いられるものや、コンサート時や警告灯として用いられる密閉系の化学発光体などが挙げられる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を変更しない限り以下の実施例に限定されるものではない。
[酸化液の溶媒]
使用した溶媒および下記の表1における各溶媒の略号は以下の通りである。
クエン酸トリエチル(TEC)
フタル酸ジメチル(DMP)
ジエチレングリコールモノエチルエーテル(別称エチルジグリコール:EDG)
ジメチレングリコールモノエチルエーテル(別称メチルジグリコール:MDG)
なお、さらに、溶媒に用いた成分として、酸化液には過酸化水素(H22)、サリチル酸ナトリウム(SS)を含む。
[酸化液の酸化防止剤]
ジ−t−ブチル−p−クレゾール(DBPC)
ハイドロキノン(HQ)
「測定方法」
[発光輝度の測定方法(単位:cd/m2)]
発光輝度の計測は、輝度計(コニカミノルタ社製:LS−100)を使用し、次の方法により測定した。
暗室内で、輝度計の計測視野を満たす距離に透明容器を設置し、これに蛍光液1mLと酸化液1mLを混合し、小型撹拌型ホモジナイザを使用して強撹拌する。このときの最も強度の高い値を反応開始直後の発光輝度とした。その後、透明容器と試料を静置し5分後に再度発光輝度を計測した。
[引火点の測定方法(単位:℃)]
引火点は、引火点試験器(33000−0形)(田中科学機器製作所製)を使用し、JIS K2265−2(迅速平衡密閉法)に準じセタ密閉式により測定した。
[HPLC測定方法]
過酸化水素の量を、以下の測定条件のHPLCを用いて測定した。
・測定条件
検出器:Waters 2487
ポンプ:日立 6000
オートサンプラー:日立 AS−2000
カラムオーブン:JASCO CO−965
カラム:ODS 4.6×250mm+ODS 4.6×150mm
フロー:流量0.8mL/min
移動相:MeOH:水:リン酸=1500:500:0.8
検出法:UV(310nm)
注入量:5μL
「実施例1〜4、比較例1」
[酸化液(1)の調製]
TEC60重量部とEDG40重量部を混合し溶媒(1)を作成した。この溶媒(1)に、H22の濃度が5wt%、SSの濃度が0.5mmol/Lとなるようにそれぞれ混合し、酸化液(1)とした。この酸化液(1)の調製直後の引火点は、110℃であった。
酸化液(1)に、酸化防止剤を添加し、60℃のオーブンで8週間、加速試験を行った際の引火点の変化を評価した結果を、表1中の実施例1〜4に示す。なお、酸化防止剤を添加しないときの加速試験の結果を表1中の比較例1に示す。DBPCまたはHQといった酸化防止剤を混合した本願の酸化液は、加速試験後の引火点の低下が少なく、長期間安定したものであった。
また、酸化液(1)、比較例1、実施例1、実施例3の液を、HPLCを用いて、その液中のH22と、触媒であるSSの量を測定した。その結果を、図1に示す。図1において、経過時間4min付近にみられる第一のピークは、H22の量の指標となるものであり、経過時間7min付近にみられる第二のピークは、SSの量の指標となる。
混合直後のイニシャルにあたる酸化液(1)では、H22、SSともに大きなピークがみられるが、本発明の酸化剤を添加しない比較例1にかかる液では、特にH22の減少が顕著であり、ピークがほとんど見られなくなった。また、実施例1および実施例3にかかる液ではH22の減少がみられるものの、十分に残存しているものであり、十分に酸化液として機能するものであった。
「実施例5、6、比較例2」
[酸化液(2)の調製]
DMP70重量部とMDG30重量部を混合し溶媒(2)を作成した。この溶媒(2)に、H22濃度が5wt%、SS濃度が0.5mmol/Lとなるようにそれぞれ混合し、酸化液(2)とした。この酸化液(2)の調製直後の引火点は、114℃であった。
酸化液(2)に、酸化防止剤を添加し、60℃のオーブンで8週間、加速試験を行った際の引火点の変化を評価した結果を、表2中の実施例5、6に示す。なお、酸化防止剤を添加しないときの加速試験の結果を表2中の比較例2に示す。DBPCまたはHQといった酸化防止剤を混合した本願の酸化液は、加速試験後の引火点の低下が少なく、長期間安定したものであった。
「実施例7、8、比較例3」
[酸化液(3)の調製]
DMP70重量部とEDG30重量部を混合し溶媒(3)を作成した。この溶媒(3)に、H22濃度が3wt%、SS濃度が0.5mmol/Lとなるように混合し、酸化液(3)とした。この酸化液(3)の調製直後の引火点は、112℃であった。
酸化液(3)に、酸化防止剤を添加し、60℃のオーブンで4週間、加速試験を行った際の引火点の変化を評価した結果を、表3中の実施例7、8に示す。なお、酸化防止剤を添加しないときの加速試験の結果を表3中の比較例3に示す。DBPCまたはHQといった酸化防止剤を混合した本願の酸化液は、加速試験後の引火点の低下が少なく、長期間安定したものであった。
[酸化液の検討(発光輝度の比較試験)に使用する蛍光液の作製(発光色緑)]
アセチルクエン酸トリブチル(ATBC)70容量%に安息香酸ベンジル(BeB)20容量%と、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(DMM)10容量%を加え、100℃に加温しながらチッソ曝気を施し、更にこれを継続しながらビス(2,4,5−トリクロロ−6−カルボペントキシフェニル)オキサレート(CPPO)2mmol/L相当量を添加し全量を溶解した。更に、蛍光物質として9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン(BPEA)を10mmol/L添加し全量を溶解した。これを放冷した後、カラムに充填したモレキュラーシーブに通液した。このようにして得られた溶液を蛍光液(緑色発光)とした。
[発光輝度の測定]
上記蛍光液(緑色発光)と酸化液(3)を攪拌混合し、前記発光輝度の測定方法に従い、発光輝度の経時変化を測定した。また、比較例3、実施例7、実施例8にかかる加速試験を行った後の酸化液と上記蛍光液(緑色発光)とを攪拌混合し、前記発光輝度の測定方法に従い、発光輝度の経時変化を測定した。これらの発光輝度を測定した結果を表4および図2に示す。
本発明の酸化防止剤を添加した酸化液である実施例7、実施例8にかかる溶媒は、加速試験後も酸化液として十分に機能し、発光輝度の低下も少なかった。一方、酸化防止剤を混合せず加速試験を行った比較例3にかかる溶媒は、発光輝度の低下がみられ、酸化液としての機能が低下していた。なお、同様の発光輝度の測定試験を比較例1の液を用いて行うと、ほとんど発光がみられなかった。一方、実施例1〜4にかかる液を用いると、発光がみられた。
本発明の化学発光体用酸化液は、従来の酸化液に比べ高い引火点を有しており、かつ、当前記酸化液の引火点は、非常に長期間安定するものである。また、化学発光性能を維持したままで安全性に優れた化学発光システムを提供するものである。

Claims (6)

  1. シュウ酸エステルおよび蛍光物質を含有する蛍光液と混合した際に化学発光現象を生じる、過酸化水素および溶媒を含有する化学発光体用酸化液であって、
    前記酸化液の引火点が60℃以上であり、
    前記酸化液に酸化防止剤が含有されることを特徴とする化学発光体用酸化液。
  2. 前記酸化防止剤が、フェノール系酸化防止剤である請求項1記載の化学発光体用酸化液。
  3. 前記フェノール系酸化防止剤が、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシノール、tert−ブチルヒドロキノン、ブチルヒドロキシアニソール、ヒドロキノンモノメチルエーテルおよびジ−t−ブチル−p−クレゾールから選択される少なくとも1種以上の酸化防止剤である請求項2記載の化学発光体用酸化液。
  4. 前記酸化防止剤の濃度が、酸化液全体に対して、0.05mmol/L以上、10mmol/L以下である請求項1〜3のいずれかに記載の化学発光体用酸化液。
  5. 前記溶媒が、フタル酸エステル類、クエン酸エステル類、安息香酸エステル類、トリメリット酸エステル類、アジピン酸エステル類、セバシン酸エステル類、アゼライン酸エステル類、グリセリンエステル類、ラクトン類、グリコール類、アルキルグリコールエーテル類から選ばれた少なくとも2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の化学発光体用酸化液。
  6. 請求項1〜5のいずれかの項に記載の化学発光体用酸化液とシュウ酸エステルおよび蛍光物質を含有する蛍光液とを含んでなることを特徴とする化学発光システム。
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