JP2005146033A - 化学発光用組成物および化学発光方法 - Google Patents

化学発光用組成物および化学発光方法 Download PDF

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Abstract

【課題】表示装置としての利用が容易であり、長期貯蔵安定性に優れ、化学発光効果が大きい新規な化学発光用組成物およびそれを使用した化学発光方法を提供する。
【解決手段】シュウ酸エステルと蛍光物質と過酸化水素と有機強酸とを含有する化学発光用組成物(1)、および、触媒成分を担持させた被発光基材に当該組成物(1)を接触させることを特徴とする化学発光方法、ならびに、シュウ酸エステルと過酸化水素と有機強酸とを含有する化学発光用組成物(2)、および、触媒成分および蛍光物質を担持させた被発光基材に当該組成物(2)を接触させることを特徴とする化学発光方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、化学発光用組成物および化学発光方法に関する。
従来より、一方の容器に収容されたシュウ酸エステル及び蛍光物質を含有するA液(蛍光液)と他方の容器に収容された過酸化水素および触媒成分を含有するB液(酸化液)とを混合することにより化学発光を起こさせるシステムは公知である。
従来の化学発光システムでは、上記の通り、A液(蛍光液)とB液(酸化液)とを混合することにより化学発光を起こさせているが、表示装置として利用する場合に種々の制限を受ける。
上記の問題を解決するために、触媒成分を担持させた被発光基材に、予め調製したシュウ酸エステルと蛍光物質と過酸化水素とを含有する溶液を接触させることにより化学発光を行なう方法が知られている(例えば特許文献1参照)。しかしながら、シュウ酸エステルと蛍光物質と過酸化水素とを含有する溶液を調製した際、シュウ酸エステルと過酸化水素とが若干反応するために弱く発光する。そのため、溶液の寿命が短く、長期貯蔵安定性に欠ける。また、予め弱く発光している溶液を使用するために、イベント等で使用した際にインパクトが弱いという問題があった。
特開2002−138278号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、表示装置としての利用が容易であり、長期貯蔵安定性に優れ、化学発光効果が大きい新規な化学発光用組成物およびそれを使用した化学発光方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題に鑑み、鋭意検討した結果、シュウ酸エステルと過酸化水素との混合物に有機強酸を添加することにより、シュウ酸エステルと過酸化水素との反応を抑制することが出来、長期間保存しても活性が維持できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の要旨は、シュウ酸エステルと蛍光物質と過酸化水素と有機強酸とを含有する化学発光用組成物に存する。
本発明の第2の要旨は、シュウ酸エステルと過酸化水素と有機強酸とを含有する化学発光用組成物に存する。
本発明の第3の要旨は、触媒成分を担持させた被発光基材に、シュウ酸エステルと蛍光物質と過酸化水素と有機強酸とを含有する組成物を接触させることを特徴とする化学発光方法に存する。
本発明の第4の要旨は、触媒成分および蛍光物質を担持させた被発光基材に、シュウ酸エステルと過酸化水素と有機強酸とを含有する組成物を接触させることを特徴とする化学発光方法に存する。
本発明の化学発光用組成物は、表示装置としての利用が容易であり、長期貯蔵性に優れ、化学発光効果が大きい。従って、本発明の化学発光用組成物を使用した化学発光方法は、種々の表示装置に応用することが出来、本発明の工業的価値は高い。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の第1の要旨に記載の組成物(以下、化学発光用組成物(1)と称する)は、シュウ酸エステルと蛍光物質と過酸化水素と有機強酸とから成り、第2の要旨に記載の組成物(以下、化学発光用組成物(2)と称する)はシュウ酸エステルと過酸化水素と有機強酸とから成る。
本発明の化学発光における発光原理それ自体は、従来公知の化学発光システムと同じと考えられ、従来のA液(蛍光液)及びB液(酸化液)を構成する各成分に基づく化学反応に基づく(過シュウ酸エステル化学発光)。
すなわち、オキサレートと過酸化水素との反応により発光中間体(過酸化物)が生じ、当該発光中間体により蛍光物質が強く発光する。具体的には、オキサレートと過酸化水素による化学発光反応(過シュウ酸エステル化学発光)により、過酸化物から1,2−ジオキセタンジオン又は置換1,2−ジオキセタンジオンが生じ、これと蛍光物との間で電荷移動錯体が形成され、これから、励起状態の蛍光物と二酸化炭素とに分解する。そして、斯かる反応は、触媒の作用により促進される。従って、本発明においては、従来のA液(蛍光液)及びB液(酸化液)を構成する各成分を使用することが出来る。
シュウ酸エステル(オキサレート)としては、例えば、ビス(2,4,5−トリクロロ−6−カルボブトキシフェニルオキザレート)、ビス(2,4,5−トリクロロ−6−カルボペントキシフェニルオキザレート)等が例示される。
蛍光物質としては、300〜1200nmにスペクトル発光を有し、且つ、希釈剤に少なくとも部分的に可溶なものであれば特に制限はない。これらの蛍光物質としては、例えば、アントラセン、置換アントラセン、ベンゾアントラセン、フェナントレン、置換アントラセン、ベンゾアントラセン、フェナントレン、置換フェナントレン、ナフタセン、置換ナフタセン、ペンタセン、置換ペンタセン、ペリレン、置換ペリレン、ビオラントロン、置換ビオラントロン等の、少なくとも3つの縮合環を有する共役多環芳香族化合物が挙げられる。上記化合物の置換基としては、フェニル基、低級アルキル基(C〜C16)、クロロ基、ブロモ基、シアノ基、アルコキシ基(C〜C16)が例示される。
好適な蛍光物質としては、9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン、1−メトキシ−9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン、ペリレン、1,5−ジクロロ−9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン、1,8−ジクロロ−9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン、ルブレン、モノクロロ及びジクロロ置換9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン、5,12−ビス(フェニルエチニル)テトラセン、9,10−ジフェニルアントラセン、16,17−ジヘキシルオキシビオラントロン、2−メチル−9,10−ビス−(フェニルエチニル)アントラセン、9,10−ビス−(4−メトキシフェニル)−2−クロロアントラセン、9,10−ビス−(4−エトキシフェニル)−2−クロロアントラセン、16,17−ジデシクロキシビオラントロン、「ルモゲン・レッド」(「LUMOGEN RED」、赤色を発するペリレンジカルボキシイミド蛍光剤)、(「LUMOGEN YELLOW」、黄色を発するペリレンジカルボキシイミド蛍光剤)、(「LUMOGEN ORANGE」、オレンジ色を発するペリレンジカルボキシイミド蛍光剤)、5,12−ビス−(フェニルエチニル)ナフタセン、5,6,11,12−テトラフェニルナフタセン及びこれらの混合物が挙げられる。
過酸化水素としては、通常市販されているものが使用できる。
本発明の化学発光用組成物(1)及び(2)に於て、上記の各成分の使用割合は、従来公知の化学発光体に準じて任意に選択することが出来る。一般に、オキサレートと蛍光物質の量比(モル比)は、化学発光を生じるのに十分な量とされるが、好ましくは20〜40:1である。
本発明で使用する有機強酸は、化学発光用組成物のpHを調節し、シュウ酸エステルと過酸化水素との反応を抑制する働きを有し、この働きを有するものであれば特に制限は無い。有機強酸のpkaは、有機強酸の使用量にもよるが、通常2以下、好ましくは−2〜2である。有機強酸としては、スルホン酸基、リン酸基、カルボン酸基を有する芳香族強酸または脂肪族強酸が好ましい。芳香族スルホン酸としては、ベンゼンスルホン酸、o−トルエンスルホン酸、m−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、o−キシレン−3−スルホン酸、o−キシレン−4−スルホン酸、o−キシレン−5−スルホン酸、p−キシレンスルホン酸、o−ベンゼンスルホン酸、m−ベンゼンスルホン酸、p−ベンゼンスルホン酸、1,3,5−ベンゼントリスルホン酸、o−クロロベンゼンスルホン酸 、m−クロロベンゼンスルホン酸、p−クロロベンゼンスルホン酸、o−ブロモベンゼンスルホン酸、m−ブロモベンゼンスルホン酸 、p−ブロモベンゼンスルホン酸、o−フェノールスルホン酸 、m−フェノールスルホン酸、p−フェノールスルホン酸、フェノール−2,4−ジスルホン酸、カテコール−3,5−ジスルホン酸、ニトロベンゼンスルホン酸、4−クロロ−3−メチル−5−ニトロゼンゼンスルホン酸、4−ヒドロキシー3−ニトロベンゼンスルホン酸などが例示される。
脂肪族スルホン酸としては、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、メタンジスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、スルホ酢酸などが例示される。
リン酸基またはカルボン酸基を有する有機強酸としては、2−グリセリン燐酸、p−グルコース−1−リン酸、ニトロ酢酸、ピコリン酸等の有機リン酸やカルボン酸などが例示される。
上記の有機強酸は2種以上組合せて使用してもよい。上記の有機強酸の中でも、好ましくはp−トルエンスルホン酸、ニトロ酢酸であり、低コスト及び容易に入手できる観点から、p−トルエンスルホン酸がより好ましい。
本発明に於て、有機強酸を使用してシュウ酸エステルと過酸化水素との反応を抑制するが、弱酸であるカルボン酸などを使用した場合、上記反応抑制は達成出来ず、また、より強い鉱酸(塩酸、硫酸など)を使用した場合、シュウ酸エステルや過酸化水素の分解が起る。さらに、鉱酸を希釈して使用することも考えられるが、希釈した酸の添加によりシュウ酸エステル及び過酸化水素の濃度が薄まり、反応性が低下する。
有機強酸の添加量は、使用する有機強酸のpkaにより異なるが、シュウ酸エステルと蛍光物質と過酸化水素とから成る組成物が弱酸性(以下で説明するpH範囲内)に成る様な量を添加すればよく、 通常、過酸化水素1モルに対し0.1mモル倍量以上、好ましくは10mモル倍量以上である。添加量が少なすぎると、シュウ酸エステルと過酸化水素との反応が抑制できないこともあり、添加量が多すぎると酸性が強く成りすぎ、触媒と接触させても化学発光しない場合がある。
化学発光用組成物(1)及び(2)のpHは、通常3.0〜4.5、好ましくは3.6〜4.2である。pHが3.0より低い場合、触媒と接触させても化学発光しなくなる可能性があり、pHが4.5より高い場合、シュウ酸エステルと過酸化水素との反応を抑制することができない可能性がある。
本発明の化学発光用組成物(1)及び(2)は、必要に応じて溶媒を使用してもよい。溶媒としては、エステル、アルコール等が例示され、エステルとしてはフタル酸ジメチル、フタル酸ジブチル等のフタル酸エステルが好ましく、アルコールとしては3級アルコールが好ましく、t−ブタノールがより好ましい。
化学発光用組成物(1)は触媒と接触させた際に化学発光し、化学発光用組成物(2)は触媒と蛍光物質とから成る混合物に接触させた際に化学発光する。触媒(賦活剤)としては、例えば、サリチル酸リチウム、5−t−ブチルサリチル酸リチウム、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸テトラアルキルアンモニウム塩、2−クロロ安息香酸リチウム、酢酸ルビジウム等のサリチル酸およびその誘導体、安息香酸およびその誘導体または酢酸の金属塩またはアンモニウム塩などが挙げられる。
本発明の化学発光用組成物(1)及び(2)の調製方法は、特に制限されず、化学発光用組成物(1)の場合は、シュウ酸エステル、蛍光物質、過酸化水素および有機強酸を、化学発光用組成物(2)の場合は、シュウ酸エステル、過酸化水素および有機強酸を、それぞれ任意の方法で混合し、調製することが出来るが、シュウ酸エステルと過酸化水素とが反応を開始しないように以下の方法で調製することが、長期貯蔵安定性の観点から好ましい。
すなわち、化学発光用組成物(1)の場合は、シュウ酸エステル、蛍光物質および必要に応じて溶媒から成る溶液(溶液Aと称する)を調製し、これとは別に、過酸化水素、有機強酸および必要に応じて溶媒から成る溶液を調製し(溶液Bと称する)、溶液Aと溶液Bとを混合して本発明の化学発光用組成物(1)を調製する。化学発光用組成物(2)の場合は、シュウ酸エステルおよび必要に応じて溶媒から成る溶液(溶液A’と称する)を調製し、これとは別に、過酸化水素、有機強酸および必要に応じて溶媒から成る溶液を調製し(溶液Bと称する)、溶液A’と溶液Bとを混合して本発明の化学発光用組成物(2)を調製する。上記の調製方法は、有機強酸により過酸化水素のpHを弱酸性に調節した後にシュウ酸エステルと混合するために、過酸化水素とシュウ酸エステルとの反応を最小限に抑制することが出来る。
本発明の化学発光用組成物(1)は蛍光物質を含有するが、上記の様にして調製された化学発光用組成物(1)に於て化学発光現象は認められない。これは、有機強酸を添加することにより、化学発光用組成物(1)のpHが、シュウ酸エステルと過酸化水素との反応が抑制される領域に調節されるからである。同様に、本発明の化学発光用組成物(2)についても、有機強酸を添加することにより、化学発光用組成物(2)のpHが、シュウ酸エステルと過酸化水素との反応が抑制される領域に調節される。そのため、本発明の化学発光用組成物(1)及び(2)は、長期間安定して保存することが出来る。また、化学発光現象が認められないことから、触媒と接触させた際の化学発光の効果が非常に大きい。
一方、従来の有機強酸を添加しない、シュウ酸エステル、蛍光物質および過酸化水素から成る化学発光用組成物におけるpHは、シュウ酸エステルと過酸化水素との反応が抑制される領域よりも高いため、シュウ酸エステルと過酸化水素との反応が僅かに起り、弱い化学発光が生じるため、長期間の保存は出来ない。また、イベント等で使用した際、予め弱く発光しているため、触媒と接触させた際の化学発光の効果が弱い。
本発明の化学発光方法に於ては、化学発光用組成物(1)の場合、被発光基材に触媒を担持させ、化学発光用組成物(2)の場合、被発光基材に触媒および蛍光物質を担持させる。そして、斯かる被発光基材にそれぞれ対応する本発明の化学発光用組成物(1)又は(2)を含有する溶液を接触させることにより、化学発光を行わせる。
被発光基材としては、触媒成分または蛍光物質を担持し得る限りその種類は特に制限されず、ガラス繊維シート、紙(濾紙)、ガラスシート、プラスチックシート、金属シート等が挙げられる。そして、触媒または触媒および蛍光物質から成る組成物は、練り込み法や溶液のスプレー法により上記の被発光基材の表面に担持される。
本発明の化学発光方法は、上記の様にして被発光基材を利用するため、表示装置としての利用が容易である。例えば、上記のシートの表面に触媒または触媒および蛍光物質から成る組成物の担持によって表示(例えば矢印)を施して表示部とし、本発明の化学発光用組成物の供給が可能で且つ窓を備えた容器の当該窓の内側に上記の表示部を張合せ、発光の必要なときに化学発光用組成物を供給する。その結果、上記の表示(例えば矢印)部に担持された触媒成分または触媒および蛍光物質から成る組成物と化学発光用組成物とが接触して上記の表示(例えば矢印)が発光する。
本発明の化学発光方法は表示装置に好適に利用することが出来る。この場合、上記の様に被発光基材が表示部を構成する。そして、触媒または触媒および蛍光物質から成る組成物の担持により、文字、図形、記号などの表示部が形成される。本発明の化学発光方法は、特に停電時の緊急表示として有用である。この場合、化学発光用組成物の供給は、電池による他、落差を利用する方法などによって行われる。
例えば、避難誘導のための表示ラインとして好適に使用できる。すなわち、非常口までの避難経路をパイプ等で線状に連続的に表示するような避難誘導灯において、パイプ内に触媒または触媒および蛍光物質から成る組成物を担持させておき、使用時に、本発明の化学発光用組成物(1)又は(2)をパイプ内に流通させることにより、線状で連続的な化学発光による避難誘導灯として使用することが出来る。従来のA液(蛍光液)とB液(酸化液)とを混合することにより化学発光を起こす方法では、混合調製に時間がかかり、パイプの末端に到達する前に化学発光能力が失われてしまう可能性があった。また、特開2002−138278号公報に記載されている方法では、溶液の寿命が短く、長期貯蔵安定性に欠けるという問題があった。本発明の化学発光用組成物を使用した化学発光方法を使用することにより、優れた化学発光表示装置を提供することができる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1:
シュウ酸エステルとしてビス(2,4,5−トリクロロ−6−カルボブトキシフェニルオキザレート)10重量%と、青色蛍光物質として9,10−ビス−(4−メトキシフェニル)−2−クロロアントラセン0.12重量%と、溶媒としてフタル酸ジメチル89.88重量%とから成る溶液を調製した(溶液aと称する)。一方、過酸化水素3重量%と、有機強酸としてp−トルエンスルホン酸0.01重量%と、溶媒としてフタル酸ジブチル89.99重量%及び第3ブタノール7重量%とから成る溶液を調製した(溶液bと称する)。次いで、溶液aと溶液bとを混合したところ、透明な溶液が得られ(溶液abと称す)、発光現象は全く認められなかった。溶液abのpHは4.0であった。
次いで、触媒としてサリチル酸ナトリウムを含有する1重量%水溶液を調製し、白色の布に塗布して乾燥させ、乾燥前と変わらない白色の布を調製した。次に、筆に溶液abをつけて上記の白色の布に文字を書くと青色に発光した文字が浮かび上がった。また、10日間室温で保存した後の溶液abを使用して同様の操作を行なったところ、同様に青色に発光した文字が浮かび上がった。したがって、溶液abの長期貯蔵安定性は優れていることがわかった。
実施例2:
シュウ酸エステルとしてビス(2,4,5−トリクロロ−6−カルボブトキシフェニルオキザレート)10重量%と、溶媒としてフタル酸ジメチル90重量%とから成る溶液を調製した(溶液cと称する)。一方、過酸化水素3重量%と、有機強酸としてp−トルエンスルホン酸0.01重量%と、溶媒としてフタル酸ジブチル89.99重量%及び第3ブタノール7重量%とから成る溶液を調製した(溶液dと称する)。次いで、溶液cと溶液dとを混合したところ、透明な溶液が得られた(溶液cdと称す)。溶液cdのpHは4.0であった。
次いで、触媒としてサリチル酸ナトリウム1重量%と、青色蛍光物質として9,10−ビス−(4−メトキシフェニル)−2−クロロアントラセン0.12重量%とを含有するメタノール溶液を調製し、白色の布に塗布して乾燥させ、乾燥前と変わらない白色の布を調製した。次に、筆に溶液cdをつけて上記の白色の布に文字を書くと青色に発光した文字が浮かび上がった。また、10日間室温で保存した後の溶液cdを使用して同様の操作を行なったところ、同様に青色に発光した文字が浮かび上がった。したがって、溶液cdの長期貯蔵安定性は優れていることがわかった。
比較例1:
実施例1の溶液Bに於て、p−トルエンスルホン酸を添加せず、フタル酸ジメチルを90重量%使用した以外は実施例1と同様の操作で溶液a及びb’を調製した。次いで、溶液aと溶液bとを混合したところ、透明な溶液が得られたが(溶液ab’と称す)、薄く青色の発光現象が認められた。溶液ab’のpHは5.0であった。溶液ab’を3日間室温で保存したところ、青色発光しなくなった。実施例1と同様に、サリチル酸ナトリウム水溶液を塗布乾燥させた白色の布に、筆に発光しなくなった溶液ab’をつけて文字を書いたが、青色発光した文字は浮かび上がらず、すでに溶液ab’は失活していた。
比較例2:
実施例2の溶液dに於て、p−トルエンスルホン酸を添加せず、フタル酸ジメチルを90重量%使用した以外は実施例1と同様の操作で溶液c及びd’を調製した。次いで、溶液cと溶液dとを混合したところ、透明な溶液が得られた(溶液cd’と称す)。溶液cd’のpHは4.0であった。溶液cd’を10日間室温で保存した後に、実施例2と同様に、サリチル酸ナトリウム水溶液および青色蛍光物質を塗布乾燥させた白色の布に、筆に溶液cd’をつけて文字を書いたが、青色発光した文字は浮かび上がらず、すでに溶液cd’は失活していた。

Claims (12)

  1. シュウ酸エステルと蛍光物質と過酸化水素と有機強酸とを含有する化学発光用組成物。
  2. シュウ酸エステルと過酸化水素と有機強酸とを含有する化学発光用組成物。
  3. 組成物のpHが3.0〜4.5である請求項1又は2に記載の化学発光用組成物。
  4. 有機強酸のpkaが2以下である請求項1〜3の何れかに記載の化学発光用組成物。
  5. 有機強酸がパラトルエンスルホン酸である請求項1〜4の何れかに記載の化学発光用組成物。
  6. 触媒成分を担持させた被発光基材に、シュウ酸エステルと蛍光物質と過酸化水素と有機強酸とを含有する組成物を接触させることを特徴とする化学発光方法。
  7. 触媒成分および蛍光物質を担持させた被発光基材に、シュウ酸エステルと過酸化水素と有機強酸とを含有する組成物を接触させることを特徴とする化学発光方法。
  8. 組成物のpHが3.0〜4.5である請求項6又は7に記載の化学発光用組成物。
  9. 有機強酸のpkaが2以下である請求項6〜8の何れかに記載の化学発光方法。
  10. 有機強酸がパラトルエンスルホン酸である請求項6〜9の何れかに記載の化学発光方法。
  11. 触媒成分が、サリチル酸およびその誘導体、安息香酸およびその誘導体または酢酸の金属塩またはアンモニウム塩である請求項6〜10の何れかに記載の化学発光方法。
  12. 被発光基材が表示部である請求項6〜11の何れかに記載の化学発光方法。
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