JPWO2015004764A1 - タッチセンサ - Google Patents

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Abstract

透明基材12に導電性高分子からなるパターニングされたセンサ電極13を設けたタッチセンサ11について、透明基材12のセンサ電極13を設けた面とは異なる面内で、前記センサ電極13の外側近傍位置に骨見え防止層17を設けた。この骨見え防止層17はセンサ電極13と同一材質で形成することができ、センサ電極間の透き間を見え難くすることができるとともに、センサ電極間の短絡を起こし難くすることができる。

Description

本発明は、各種電子機器が備える入力装置に用いられるタッチセンサに関する。
タッチセンサの構成としては、樹脂フィルムやガラスからなる透明基材にITO(酸化インジウムスズ)層をセンサ電極としてパターニングして設けた構成や、同じく透明基材に導電性高分子をセンサ電極としてパターニングして設けた構成が知られている。前者は透明性が高いもののコストが高くなるという課題があった。一方、後者は電極パターンを印刷で形成することでITO層よりも安価に製造できるメリットがあるが、印刷で電極パターンを形成することから電極パターンの微細化に限界があった。さらに、導電性高分子の透明度がITOより低いことから電極パターンとその外側とで濃度差が生じて、電極パターンの境界が見えてしまう現象、いわゆる“骨見え”が起きることが課題であった。
導電性高分子を用いた場合の骨見え対策としては、例えば特開2010−105588号公報に記載の技術が知られている。この技術は、センサ電極である導電性塗膜と略同色かつ略同透過率の絶縁性塗膜を、導電性塗膜の周辺に配置することで、電極パターンを見え難くしたものである。
また、ダミー電極をパターン電極間の透き間に設ける技術については、例えば特開2012−32923号公報に記載の技術が知られている。この技術はダミー電極がセンサ電極と同一表面に設けられており、一度の印刷工程でダミー電極とセンサ電極を同時に形成できて効率的である。
導電性塗膜や絶縁性塗膜を透明基材表面に設けるには、一般に印刷によって行われる。このとき、導電性高分子を含む印刷インキは固形分が極めて少なく、導電性塗膜の厚みは1μm未満と極めて薄くなり易い。一方、絶縁性物質を含む印刷インキは固形分が多くなりがちで、絶縁性塗膜の厚みは2μm〜20μm程度の範囲となる。そのため、特開2010−105588号公報に記載の技術では、導電性塗膜と絶縁性塗膜の境界に段差が発生し、その段差が光を反射、屈折することで電極パターンが見えやすくなるという不都合があった。絶縁性塗膜を導電性塗膜と略同等の厚みにすれば良いが、印刷ではμm単位以下の厚みの制御が難しいことから、1μm未満の塗膜にしようとすると厚みむらが発生し易く、色むらや透過率のむらが起こって見栄えが悪くなるおそれがあった。
また、ダミー電極を作る特開2012−32923号公報に記載の技術では、ダミー電極がグラウンドに接続されるものであり、センサ電極との絶縁性が要求されることから、ダミー電極とセンサ電極とはある程度の間隔を空けて配置せざるを得ない。
そのため、骨見えを防止するという目的でこの技術が採用されたとしても、要求されるレベルが低い場合に適用できるにすぎない。
そこで本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、導電性高分子を用いたタッチセンサにおいて電極パターンを見えにくくする技術を提供することを目的としている。
上記目的を達成すべく、透明基材に導電性高分子からなるパターニングされたセンサ電極を設けたタッチセンサについて、前記透明基材のセンサ電極を設けた面とは異なる面内で、前記センサ電極の外側近傍位置に骨見え防止層を設けることを特徴とするタッチセンサを提供する。
透明基材に導電性高分子からなるパターニングされたセンサ電極を設けたタッチセンサについて、前記透明基材のセンサ電極を設けた面とは異なる面内に骨見え防止層を設けたため、骨見え防止層が導電性層であってもセンサ電極どうしが短絡することがない。
また、センサ電極を設けた面とは異なる面内でセンサ電極の外側近傍位置に骨見え防止層を設けたため、センサ電極とその外側位置との間の濃度差を小さくすることができ、センサ電極の境界を見え難くすることができる。
センサ電極と骨見え防止層との間隙を0.2mm以下にすることは好ましい。センサ電極と骨見え防止層の間隙を0.2mm以下にしたため、センサ電極の境界を見え難くすることができる。
なお、ここでいう濃度差とは、センサ電極を遠目に見たときに、センサ電極とそれ以外の部分との境界で導電性高分子が塗布されていない薄い部分が目立つ度合いであり、センサ電極間では導電性高分子が塗布されていない部分が広いほど濃度差があるように見え、センサ電極のパターンが見えてしまう現象である。また、センサ電極と骨見え防止層が重なったときには、重なって濃く見える部分が同様に目立つが、これによりセンサ電極のパターンが見えてしまう現象も含む。
さらにこの骨見え防止層は、センサ電極の内側近傍にまで伸張させることができる。骨見え防止層がセンサ電極の外側近傍から内側近傍にまで伸張しているため、内側近傍にまで伸張した部分では、センサ電極と骨見え防止層との間に間隙が生まれず、センサ電極と骨見え防止層との境界での濃度差を少なくすることができる。また、センサ電極の内側にまで骨見え防止層が伸張することでセンサ電極と骨見え防止層との重なりが生じるが、その重なりはセンサ電極の内側近傍の僅かな部分で重なるにすぎないため、重なりによる濃度の増大を少なくすることができる。そのため、センサ電極の境界を見え難くすることができる。
センサ電極と骨見え防止層との重なりを0.2mm以下にすることは好ましい。センサ電極と骨見え防止層の重なりを0.2mm以下にしたため、センサ電極の境界を見え難くすることができる。
骨見え防止層は導電性高分子から形成することができる。骨見え防止層が導電性高分子を含む層であるため、センサ電極に似た色彩の骨見え防止層を形成することができる。そして、導電性高分子を含む印刷インキは固形分が極めて少なく1μm未満の極めて薄い骨見え防止層を形成することができるため、骨見え防止層の境界の段差を小さくでき、その段差による光の反射、屈折を抑制することができる。そのため、センサ電極の境界をぼかすことができ、センサ電極を見え難くすることができる。
前記骨見え防止層をセンサ電極と同一材質で形成することができる。骨見え防止層をセンサ電極と同一材質で形成したため、センサ電極と骨見え防止層の色彩、濃度等を近似させて、センサ電極の境界を見え難くすることができる。
骨見え防止層は隣り合うセンサ電極の透き間に設けることができる。骨見え防止層を隣り合うセンサ電極の透き間に設けたため、センサ電極に対するセンサ電極間の透き間の極端な濃度低下を抑え、センサ電極間の透き間を見え難くすることができる。
センサ電極どうしの透き間の範囲内で、その透き間の幅、即ち、隣接するセンサ電極間の距離に対し、骨見え防止層の前記幅方向の長さが40%を越えるものとすることができる。透き間の範囲内で、透き間の幅に対する骨見え防止層の幅が40%を越えて存在すれば、センサ電極と骨見え防止層との間隙を小さくできるので、センサ電極の境界を見え難くすることができる。
前記骨見え防止層を透明基材を挟んでセンサ電極とは反対側面に設けたタッチセンサとすることができる。透明基材を挟んでセンサ電極とは反対側面に骨見え防止層を設けたため、骨見え防止層が導電性層であってもセンサ電極どうしが骨見え防止層を通じて短絡することがない。
前記センサ電極を覆うレジスト層を設け、このレジスト層のさらに表面に前記骨見え防止層を設けることができる。少なくともレジスト層を挟んでセンサ電極と骨見え防止層を有するため、骨見え防止層が導電性層であってもセンサ電極どうしが骨見え防止層を通じて短絡することがない。
本発明のタッチセンサによれば、センサ電極間の透き間を見え難くすることができる。またセンサ電極間の透き間が見え難いタッチセンサについて、センサ電極間の短絡を起こし難くすることができる。
第1実施形態のタッチセンサの平面図である。 図1のSA−SA線断面図とその領域R1の部分拡大断面図である。 第1変形例のタッチセンサの平面図とその領域R2の部分拡大平面図である。 図3のタッチセンサの図2の部分拡大断面図相当の拡大図である。 第2変形例のタッチセンサの図2の部分拡大断面図相当の拡大図である。 第3変形例のタッチセンサの図2の部分拡大断面図相当の拡大図である。 第2実施形態のタッチセンサの図2相当断面図である。 第3実施形態のタッチセンサの図2相当断面図である。 第4実施形態のタッチセンサの図3の部分拡大平面図相当の拡大図である。 第4実施形態の変形例のタッチセンサの図3の部分拡大平面図相当の拡大図である。 比較のためのタッチセンサの図2相当断面図とその部分拡大断面図である。
本発明について実施形態に基づきさらに詳細に説明する。以下の各実施形態で共通する構成については、同一の符号を付して重複説明を省略する。また、共通する材質、製造方法、作用効果等についても重複説明を省略する。
第1実施形態[図1,図2]
本実施形態のタッチセンサ11は、図1、図2で示すように、透明基材12の上側表面12aに、導電性塗膜でパターニングされた3つのセンサ電極13と、レジスト層14とを備えている。また、センサ電極13の一方端から電極端子19に向かう配線15が伸張している。
隣接するセンサ電極13,13どうしの間には透き間16を有しており、それぞれのセンサ電極13は絶縁状態で配置されている。この透き間16が狭いほど骨見えが生じ難いことがわかっているが、一方で透き間16を狭くすると隣接するセンサ電極13,13間が導通する確率が高くなり、製品量産の歩留りが悪くなる。したがって、透き間16は安定した絶縁性が得られる最低限の距離を設定している。
透明基材12の下側表面12bには、骨見え防止層17と被覆層18が設けられている。骨見え防止層17は、センサ電極13の外側近傍位置、換言すれば、ここでは平面視で透き間16に重なる位置でかつセンサ電極13とは重ならない位置にあり(図2の領域R2の拡大図参照)、センサ電極13の外側に間隙を空けずに設けられている。即ち、センサ電極13,13間の透き間16と同じ幅で骨見え防止層17が形成されている。
骨見え防止層17は、センサ電極13の存在を見えにくくするための層であり、骨見え防止層17はセンサ電極13と同程度の色彩的特徴を有していることが好ましい。そのため、骨見え防止層17はセンサ電極13に似た材質で形成することが好ましい。したがって、骨見え防止層17には導電性高分子を含んでいることが好ましく、センサ電極13と同じ導電性高分子を含むことがさらに好ましい。同じ導電性高分子を含む塗液から形成すれば、色味や透過率も略同一にすることができる。塗膜の厚みも同程度に形成し易いため、色味や透過率を略同一にするだけでなく、非常に薄膜に形成することが可能で塗膜の境界の段差を少なくし、段差での光の反射や屈折を少なくすることができる。
骨見え防止層17の層厚は、センサ電極13と同程度の厚みとし、同じ厚みとすることが好ましい。骨見え防止層17は、センサ電極13の境界を見えにくくするために設ける層であり、センサ電極13の厚みに合わせた方が、色味や透過率も略同一になるからである。
透明基材12は、タッチセンサ11の基材となるものであり、透明性のある樹脂フィルムを用いることができる。透明基材12の透明とは、タッチセンサ11として利用できる程度の透明性を有していれば良く、タッチセンサ11の裏面に設けた表示を、タッチセンサ11の表面から視認できる程度の透明性が最低限求められる。
樹脂フィルムは、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリウレタン(PU)樹脂、ポリアミド(PA)樹脂、ポリエーテルサルフォン(PES)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)樹脂、シクロオレフィンポリマー(COP)等などから形成することができる。
透明基材12には、導電性高分子との密着性を高めるプライマー層や、表面保護層、帯電防止等を目的とするオーバーコート層などを設けて表面処理を施しても良い。
センサ電極13は、導電性高分子を含む層からなる。導電性高分子を用いることとしたのは、液状の塗液を形成し印刷形成することができるからである。また、ITO等と比べて安価にセンサ電極13を得ることができるからである。
センサ電極13となる導電性高分子の材質には、透明な層を形成できる導電性高分子が用いられる。こうした透明性のある導電性高分子には、ポリパラフェニレンまたはポリアセチレン、PEDOT−PSS(ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン−ポリスチレンスルホン酸)等が例示できる。
センサ電極13の層厚は、0.04μm〜0.2μmが好ましく、0.06μm〜0.12μmがさらに好ましい。層厚が0.04μm未満であるとセンサ電極13の抵抗値が高くなってしまうおそれがあり、層厚が0.2μmを超えると透明性が低くなってしまうためである。なお、センサ電極13の層厚は、透明基材12にセンサ電極13を塗布した試料について、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定することができる。
配線15は、このタッチセンサ11の外部に設けた情報処理装置(図示せず)などの電気回路に接続する電極端子19と、透明電極13とを接続するものである。
配線15の材料としては、例えば、銅、アルミニウム、銀またはそれらの金属を含む合金等の高導電性金属を含む導電ペーストや導電インキから形成されることが好ましい。また、これらの金属や合金の中でも導電性が高く、銅よりも酸化し難いという理由から銀配線とすることが好ましい。
電極端子19は、配線15の先端をカーボンインキで覆うことで形成することができる。
レジスト層14は、センサ電極13間の導通防止と、センサ電極13を紫外線や、引っ掻き等から保護するために設けられる絶縁性の被膜であり、透明性が要求される。また、銀ペーストや金属からなる配線15の硫化を防止する用途としても好適である。
レジスト層14となる樹脂には、硬質の樹脂が選択され、例えば、アクリル系やウレタン系、エポキシ系、ポリオレフィン系の樹脂、その他の樹脂を用いることができるが、ポリイソシアネート成分とポリオール成分を含んでなる原料組成物を硬化させたポリウレタン系樹脂層やポリウレタン・ポリウレア系樹脂層とすることは好ましい一態様である。硬度調整がし易く、強度が高いからである。
レジスト層14の厚さは、通常は、6μm〜20μmであり、好ましくは12μm〜16μmである。その理由は、厚すぎると柔軟性に乏しくなり、薄すぎるとセンサ電極13の保護が不十分となるおそれがあるからである。
被覆層18は、骨見え防止層17を保護したり、透明基材12の表面を保護したりする目的で設けられ、レジスト層14と同じ材質で形成することもでき、また、レジスト層14とは別の材質で形成することもできる。
必要に応じて上記各層以外の別の層を設けることができる。例えば、全体的に色彩を付与するための着色層や、光の屈折率を変化させたり偏光させるための層などが挙げられる。
タッチセンサ11の製造は、透明基材12の一方面に電極センサ13となる導電性高分子を含んだ塗液と、配線15となる銀ペースト等の塗液と、レジスト層14となる塗液とをこの順に印刷等の手法で塗布形成し、透明基材12の他方面に骨見え防止層17となる導電性高分子を含んだ塗液と、必要であれば配線15となる銀ペースト等の塗液と、被覆層18となる塗液とをこの順に印刷等の手法で塗布形成して行う。こうして、タッチセンサ11を得ることができる。
タッチセンサ11によれば、センサ電極13と骨見え防止層17とは、透明基材12を介して別々の面に形成している。そのため、骨見え防止層17に導電性高分子を含んでいてもセンサ電極13,13間がリークするおそれがなく、確実に絶縁できる。そして、平面視ではセンサ電極13,13どうしの間に骨見え防止層17を有するため、センサ電極13が見え難いタッチセンサである。
また、透明基材12の一方面にレジスト層14、他方面に被覆層18を設けているので、透明基材12の反りが起こり難い。
第1実施形態の第1変形例[図3,図4]
図1で示すタッチセンサ11の骨見え防止層17の位置を変更して設けることができる。第1変形例のタッチセンサ11aを図3、図4で示す。この例では、センサ電極13の外側近傍として、センサ電極13の外側に間隙Dをおいて骨見え防止層17を形成している。骨見え防止層17から見ればその両端に間隙Dを設けてセンサ電極13,13に隣接している。
センサ電極13と骨見え防止層17との間に間隙Dを設けても、この間隙Dが透き間16よりも小さいため、センサ電極13の境界を見えにくくすることができる。この間隙Dは、200μm以下であることが好ましい。
第1実施形態の第2変形例[図5]
骨見え防止層17の位置を変えた別の変更例として、第2変形例のタッチセンサ11bを図5で示す。この例では、骨見え防止層17がセンサ電極13の境界から内側、即ち、センサ電極13の外側近傍から内側近傍にまで伸張して形成されている。換言すれば、センサ電極13と重なる位置にも骨見え防止層17が存在している。したがって、センサ電極13と骨見え防止層17との間に間隙Dは無く、重なりWを有している。
センサ電極13と骨見え防止層17との重なりWを設け、重なりWの部分の濃度が濃くなっても、この重なりWが透き間16よりも小さいため、全体的にはこの濃度差がそれほど大きく感じられず、センサ電極13の境界を見えにくくすることができる。この重なりWは、200μm以下であることが好ましい。
なお、骨見え防止層17の構成について、前記第1変形例のように間隙Dを有するタッチセンサ11aと、重なりWを有するタッチセンサ11bとを比較すると、重なりWと間隙Dが同じ長さの場合には、重なりWを有するタッチセンサの方が、骨見え防止効果が高い。このことは、骨見え防止層17およびセンサ電極13と間隙Dとの濃度差は、透過率および色味の差を生じるのに対して、重なりWとその周囲の濃度差では、透過率が異なるものの、同じ色味であることから、目立たないものと考えられる。そのため、印刷のずれを考慮すると、骨見え防止層17の両側に重なりWを設けた方が、印刷ずれが生じた場合であってもセンサ電極13の境界を見えにくくすることができる。
第1実施形態の第3変形例[図6]
骨見え防止層17の位置のさらに別の変更例として、第3変形例のタッチセンサ11cを図6で示す。この例では、骨見え防止層17の一方端ではセンサ電極13との間に間隙Dを有し、他方端ではセンサ電極13と重なりWを有している。
骨見え防止層17の一方端に間隙D、他方端に重なりWがあっても、間隙Dと重なりWの間には骨見え防止層17が存在するため、間隙Dと重なりWの濃度差を骨見え防止層17で緩衝させることができ、この態様でもセンサ電極13の境界を見えにくくすることができる。
第2実施形態[図7]
本実施形態のタッチセンサ21は、透明基材12の同じ面側に、骨見え防止層17とセンサ電極13とを有している点でタッチセンサ11とは異なる。
即ちタッチセンサ21は、図7で示すように、透明基材12の上側表面12aにセンサ電極13を設けるとともに、第1のレジスト層14aも設けている。そして、その第1のレジスト層14aの上側表面に骨見え防止層17と第2のレジスト層14bを設けている。そして、第1のレジスト層14aと第2のレジスト層14bとでレジスト層14を形成している。
第1のレジスト層14aと第2のレジスト層14bは、タッチセンサ11で利用したレジスト層14と同じものを利用することができる。また、異なる目的のレジスト層を積層させることができる。例えば、第1のレジスト層14aについては、配線15の硫化防止等のため耐硫化性のあるレジスト層とし、第2のレジスト層14bについては紫外線を通し難い耐光性のレジスト層とすることができる。
タッチセンサ21の製造もタッチセンサ11と同様に印刷によって各層を積層することで形成することができる。タッチセンサ21では、センサ電極13の上側表面12aを第1のレジスト層14aで覆った後に、骨見え防止層17を印刷し積層させる。
タッチセンサ21ではセンサ電極13と骨見え防止層17とが第1のレジスト層14aを隔てて設けられているため、センサ電極13が骨見え防止層17を通じて導通することはない。
また、タッチセンサ21によれば、片面の印刷で良いため、製造が容易である。さらに、レジスト層を複数設けたため、ピンホールを生じさせることなく、レジスト層14全体の厚みを増すことができるので、センサ電極13の保護効果を高めることができる。また、異なる目的のレジスト層を積層することができる。
第3実施形態[図8]
本実施形態のタッチセンサ31は、透明基材12を挟んで互いに反対側の面にセンサ電極13と骨見え防止層17を設けた点では第1実施形態のタッチセンサ11と同様であるが、本実施形態のタッチセンサ31では、図8で示すように、透明基材12の裏面12b側に第1の被覆層18aを設け、その上に骨見え防止層17を設けている点でタッチセンサ11とは異なる。
また、第1の被覆層18aの表面にさらに第2の被覆層18bを設けている。そして、第1の被覆層18aと第2の被覆層18bとで被覆層18を形成している。
第1の被覆層18aと第2の被覆層18bは、タッチセンサ21で利用したレジスト層14a,14bと同様に、同じ層を積層しても良いし、別の目的を持たせた層を積層しても良い。そして、レジスト層14a,14bと同様の塗液を用いて被覆層18a,18bとすることもできる。
被覆層18を積層して形成することで、ピンホールを生じさせることなく、所定の厚さに被覆層18を設けることができる。また、透明基材12から見て、配線15を骨見え防止層17と同一面側に設けるような場合には、特に被覆層18を積層することで、安定的に配線15を保護できるため好ましい。
第4実施形態[図9,図10]
本実施形態のタッチセンサ41a,41bは骨見え防止層17の形状を変化させたものである。
タッチセンサ11の骨見え防止層17では、センサ電極13,13間の透き間16に沿うライン状17aに形成していたが、本実施形態の図9で示したタッチセンサ41aは、骨見え防止層17をドット状17bに形成している。また図9では、骨見え防止層17とセンサ電極13との間に間隙Dを設けた例として示している。
ドット状17bに骨見え防止層17を形成する場合のように、ベタで骨見え防止層17が形成されない場合には、図9で示すように、骨見え防止層17の幅L1と、その幅L1と同一長さL1との間で想定した単位面積あたりに、どの程度の面積をドットが占めるかで、ドット占有率を表すことができる。このドット占有率は、40%以上とすることが好ましい。40%未満とすると、空間が多くなりすぎるからである。そして、ドット占有率を40%以上とすれば、一つのドットの大きさや、形状は問わない。ドットの変形例として、図10で示すタッチセンサ41bは、縞状17cに骨見え防止層17を形成したものである。
実験例1
平面視で3つのセンサ電極を備え、かつ次に説明する断面構成となるタッチセンサ(試料1A〜試料4I)を作製して骨見え防止の程度を検討した。
(試料1)
第1実施形態で示したタッチセンサと同様の断面構成となるように、透明基材を挟んだ一方面にセンサ電極を、他方面に骨見え防止層をそれぞれ設け、さらにレジスト層、被覆層、配線を印刷形成して試料1(試料1A〜試料1E)となる積層フィルムを形成した。
より具体的には、透明電極には厚さ100μmの透明なPETフィルムを用い、センサ電極には透明導電性インキ(Clevios SV3 ヘレウス社製)を用い、レジスト層には透明なポリウレタン系樹脂インキを用い、骨見え防止層にはセンサ電極と同じ塗液を用い、被覆層にはレジスト層と同じ塗液を用い、配線には銀インキを用いた。そして、スクリーン印刷で各層を設けた。また、配線の先端はカーボンインキを印刷して覆うことで電極端子を形成した。
こうして、センサ電極および骨見え防止層の厚さが0.10μm、レジスト層および被覆層の厚さが16μmであり、センサ電極部分における波長550nmの光の透過率が85%であり、センサ電極どうしの透き間が0.5mmまたは0.8mmとした積層フィルムを得た。
この試料1は、骨見え防止層の位置や幅、センサ電極間の透き間の幅を変えた試料1A〜試料1Lからなる。試料1のうち、試料1A〜1Iは、センサ電極どうしの透き間を0.5mmとしている。そして試料1Aは、センサ電極の間の透き間(16)に間隙(D)を0mmとした骨見え防止層を形成したものであり、試料1B〜1Dは、骨見え防止層の両端でセンサ電極との重なり(W)がそれぞれ0.3mm、0.2mm、0.1mmとなるように骨見え防止層を形成したものである。また、試料1E〜1Gは、骨見え防止層の両端とセンサ電極との間隙(D)がそれぞれ0.2mm、0.15mm、0.1mmとなるように骨見え防止層を形成したものであり、試料1Hは、透明基材の裏面全面に骨見え防止層を形成したものであり、試料1Iは、骨見え防止層を形成しなかったものである。
また、試料1J〜1Lは、センサ電極どうしの透き間を0.8mmとし、骨見え防止層の両端とセンサ電極との間隙(D)がそれぞれ0.3mm、0.2mm、0.1mmとなるように骨見え防止層を形成したものである。
(試料2)
第2実施形態で示したタッチセンサと同様の断面構成となるように、透明基材の一方面にセンサ電極と第1のレジスト層を設け、さらにその上に骨見え防止層と第2のレジスト層を設けて試料2(試料2A〜試料2L)となる積層フィルムを形成した。
試料2のうち、試料2A〜試料2Lとなる各試料は、それぞれ試料1A〜試料1Lと対応するように骨見え防止層の幅、位置を変化させて形成したものである。平面形状や用いた材料は試料1と同じである。
(試料3)
第3実施形態で示したタッチセンサと同様の断面構成となるように、透明基材の一方面にセンサ電極と第1のレジスト層を設け、透明基材の他方面に第1の被覆層を設けた上に骨見え防止層と第2の被覆層を設けて試料3(試料3A〜試料3L)となる積層フィルムを形成した。
試料3のうち、試料3A〜試料3Lとなる各試料は、それぞれ試料1A〜試料1Lと対応するように骨見え防止層の幅、位置を変化させて形成したものである。
平面形状や用いた材料は試料1と同じである。
(試料4)
試料4(試料4A〜試料4L)のタッチセンサ101は比較のために従来の断面構成、即ち、透明基材の一方の同一面にセンサ電極と骨見え防止層を設け、その上にレジスト層を設けた断面構成となるように、各層を印刷形成したものである。このうち試料4Gに相当する断面構成を図11で示す。
試料4のうち、試料4A〜試料4Lとなる各試料は、それぞれ試料1A〜試料1Lと対応するように骨見え防止層の幅、位置を変化させて形成したものであるが、同一面にセンサ電極と骨見え防止層を形成することから、以下のように試料4A〜試料4Lを作製した。
試料4Aは、センサ電極の間の透き間に間隙なく骨見え防止層を形成したことでセンサ電極と骨見え防止層とが同一層になったものであり、試料4B〜4Dは、骨見え防止層の両端でセンサ電極との重なりがそれぞれ0.3mm、0.2mm、0.1mmとなるように、センサ電極を設けた後、骨見え防止層を形成したものであり、試料4E〜4Gは、骨見え防止層の両端とセンサ電極との間隙がそれぞれ0.2mm、0.15mm、0.1mmとなるように、センサ電極を設けた後、骨見え防止層を形成したものである。また、試料4Gは、センサ電極を設けた後、そのセンサ電極を備える透明基材の全面に骨見え防止層を形成したものであり、試料4Iは、骨見え防止層を形成しなかったものである。
平面形状や用いた材料は試料1と同じである。
こうして形成した各試料に対する骨見え防止の効果を次の表1に示した。骨見え防止効果は、センサ電極の境界が良く見える場合から、見えないといっても良い程度である場合までの徐々に変化する見え方の程度の差を“1”〜“9”の9段階に分けて評価した。センサ電極の境界が見えないといっても良い程度である場合を“9”とし、センサ電極の境界がほとんど見えない場合を“8”または“7”とし、センサ電極の境界が見えなくはないが見えにくくなっている場合を“6”〜“4”とし、センサ電極の境界が見えるものの場合を“3”または“2”とし、センサ電極の境界が良く見える場合を“1”とした。
例えば、試料1Aの評価は表1において試料1の欄と試料Aの欄の交点に記しており、“9”であることがわかる。
“1”〜“9”の評価のうち、実際に好ましく用い得るのは評価“4”以上の場合である。また、試料4Iおよび4Jを除く試料4A〜試料4H、試料4K、試料4Lに付した“※”印は、隣接するセンサ電極がリークしてタッチセンサとして使えないことを示す。
なお、表1には、各試料において骨見え防止層を設けた位置、幅によって、センサ電極との間で生じる「間隙または重なりの幅(mm)」を“欄1”に、「透き間の幅に対する骨見え防止層の幅の割合(%)」を“欄2”に併せて記載している。
Figure 2015004764
センサ電極と骨見え防止層との間に間隙も重なりも設けない試料1A、試料2A、試料3A、試料4Aの各試料Aは、評価が“9”となり最高であった。一方、骨見え防止層を設けなかった試料1I、2I、3I、4Iは、センサ電極の部分とそれ以外の部分とで濃度差がはっきりと出てしまいセンサ電極の境界が良く見えたため、評価は“1”となった。また、透明基材の全面に骨見え防止層を設けた試料1H、試料2H、試料3H、試料4Hの各試料Hについても、センサ電極の部分とそれ以外の部分とで濃度差がはっきりと出ていたが、前記試料Iよりは濃度差が小さく見え、センサ電極の境界が見えたため、評価は“2”となった。
また、センサ電極の内側近傍にまで骨見え防止層を設けて重なりを生じさせた各試料B〜各試料Dおよび、センサ電極の外側近傍に骨見え防止層を設けた各試料E〜各試料Gについても、骨見え防止効果があった。
各試料B〜各試料Dについてみると、重なりを0.3mmとした各試料Bは、濃度が濃くなった重なり部分が見えやすく、センサ電極の境界が見えてしまったが、重なりを0.2mmとした各試料Cは重なり部分が目立ち難く、センサ電極の境界が見え難くなった。重なりを0.1mmとした各試料Dは、重なり部分が目立たず、センサ電極の境界がほとんど見えなかった。一方、間隙を設けた各試料E〜各試料Gについては、間隙を0.15mmとした各試料Fは、センサ電極の境界が見え難くなり、間隙を0.1mmとした各試料Gは、濃度の薄い間隙部分はあまり目立たずセンサ電極の境界はほとんど見えなかった。また、各試料Eについても、各試料Fと同様にセンサ電極の境界が見え難くはなっていたが、各試料Fよりもやや劣る評価となった。
また、センサ電極どうしの透き間を0.8mmとした各試料J〜各試料Lの評価は、各試料E〜各試料Gと似た傾向であった。ここで、各試料Eについてみると、センサ電極の間の0.5mmの透き間に、0.2mmの間隙、0.1mmの骨見え防止層、0.2mmの間隙となっている。一方、間隙が同じ0.2mmである各試料Kは、センサ電極の間の0.8mmの透き間に、0.2mmの間隙、0.4mmの骨見え防止層、0.2mmの間隙となっている。これらを比較したときに各試料Eでは、骨見え防止層が0.1mmと狭幅であったため、その両端の間隙が一緒になって見えてしまい、実際の幅よりも間隙が広く見えてしまうために、試料Kよりもやや劣る評価になったものと思われる。この現象について、透き間に対する骨見え防止層の幅を比較すると、各試料Eでは20%の幅であったが、各試料Kでは50%であった。また各試料Fでは幅40%であったことから、骨見え防止層の幅がセンサ電極どうしの透き間に対して40%以上あれば、よりセンサ電極の境界を見え難くする効果が高いことがわかった。
以上のことから、間隙が0.2mm以下であれば間隙は見え難いが、同時に骨見え防止層の幅がセンサ電極どうしの透き間に対して40%以上あることが好ましいことがわかった。
なお、重なりと間隙が同じ長さの試料を比較すると、重なりを有する試料の方が、評価が高いのは、骨見え防止層およびセンサ電極と間隙との濃度差は、透過率および色味の差を生じるのに対して、重なり部分とその周囲の濃度差では、透過率が異なるものの、同じ色味であることから、目立たないものと考えられる。
そのため、印刷のずれを考慮すると、骨見え防止層の両側でセンサ電極と0.1mmずつ重なるように骨見え防止層の位置及び幅を設定した方が、印刷ずれが生じた場合であっても間隙が生じ難いため好ましいこともわかった。
実験例2
実験例2では、実験例1と同様の方法で、表2に示したドット状および縞状の骨見え防止層を持つ試料11〜試料17を作製した。
より具体的には、センサ電極間の透き間の幅を0.5mmに設定した。また、骨見え防止層の位置及び幅は、間隙が0mmとなるようにして、骨見え防止層の形状はドット状、縞状とした。ドット状の骨見え防止層は、そのドット占有率を20%、40%、60%とし、縞状の骨見え防止層は、縞の太さ/間隔をそれぞれ0.1mm/0.4mm(占有率20%)、0.2/0.3mm(占有率40%)、0.3mm/0.2mm(占有率60%)、0.4mm/0.1mm(占有率80%)と変化させた。
各試料については、実験例1と同じ基準で9段階の評価を行い、その結果を表2に示した。
Figure 2015004764
占有率が20%の試料1および試料4では、骨見え防止層が薄いため、濃度差が大きくセンサ電極の境界が見えた。一方、占有率が40%以上であれば、濃度差を小さくする効果があった。また、同じ占有率のドットと縞の骨見え防止層を比較するとドットの方がセンサ電極の境界が見え難かった。
また、ドットや縞で形成した骨見え防止層がセンサ電極と重なった重なりは、実験例1の塗りつぶした骨見え防止層の重なりと比べて、濃度差が小さかった。そのため、重なりを設ける場合には、ドットや縞で形成した方が重なりを見えにくくすることができるため、好ましいことがわかった。
上記実施形態や実験例で説明した形状、層構成、原料等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更すること、例えば上記以外の公知の原料の使用等ができ、こうした変更も本発明の技術的思想の範囲に含まれるものである。
例えば、骨見え防止層の形状を変えた第4実施形態は第1実施形態〜第3実施形態に適用可能であり、骨見え防止層の幅や位置を変えた第1実施形態の各変形例は、第2実施形態〜第4実施形態にも適用可能である。
さらに、例えば、センサ電極13や配線15は、透明基材12表面の一部に設けられていれば良く、全面に設けられていても良い。さらに、透明基材12の表裏両面に設けられていても良い。但しこの場合は、透明基材12を挟んでセンサ電極13と骨見え防止層17を設ける第1実施形態は採用することができない。透明電極13や金属配線14等の形状も図1で示す形状に限られるものではない。
11,11a,11b,11c,21,31,41a,41b タッチセンサ
12 透明基材
12a 上側表面(表面)
12b 下側表面(裏面)
13 センサ電極(導電性塗膜)
14 レジスト層
14a 第1のレジスト層
14b 第2のレジスト層
15 配線
16 透き間
17 骨見え防止層
17a ライン状
17b ドット状
17c 縞状
18 被覆層
18a 第1の被覆層
18b 第2の被覆層
19 電極端子
R1,R2 領域
D 間隙
W 重なり
L1 長さ
41 従来のタッチセンサ

Claims (10)

  1. 透明基材に導電性高分子からなるパターニングされたセンサ電極を設けたタッチセンサにおいて、
    前記透明基材のセンサ電極を設けた面とは異なる面内で、前記センサ電極の外側近傍位置に骨見え防止層を設けることを特徴とするタッチセンサ。
  2. 前記骨見え防止層が、センサ電極の内側近傍にまで伸張している請求項1記載のタッチセンサ。
  3. 前記骨見え防止層が、導電性高分子からなる請求項1または請求項2記載のタッチセンサ。
  4. 前記骨見え防止層を前記センサ電極と同一材質で形成する請求項1〜請求項3何れか1項記載のタッチセンサ。
  5. 前記骨見え防止層が、隣り合うセンサ電極の透き間に位置する請求項1〜請求項4何れか1項記載のタッチセンサ。
  6. 前記透き間内で、その透き間の幅に対し、骨見え防止層の前記幅方向の長さが40%を越える請求項5記載のタッチセンサ。
  7. 前記センサ電極と前記骨見え防止層との間隙が0.2mm以下である請求項1〜請求項6何れか1項記載のタッチセンサ。
  8. 前記センサ電極と前記骨見え防止層との重なりが0.2mm以下である請求項2記載のタッチセンサ。
  9. 前記骨見え防止層が、透明基材を挟んでセンサ電極とは反対側面に設けた請求項1〜請求項8何れか1項記載のタッチセンサ。
  10. 先記センサ電極を覆うレジスト層を設け、このレジスト層のさらに表面に前記骨見え防止層を設けた請求項1〜請求項9何れか1項記載のタッチセンサ。
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