JPWO2014192058A1 - リニアモータ及びステージ装置 - Google Patents
リニアモータ及びステージ装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JPWO2014192058A1 JPWO2014192058A1 JP2015519510A JP2015519510A JPWO2014192058A1 JP WO2014192058 A1 JPWO2014192058 A1 JP WO2014192058A1 JP 2015519510 A JP2015519510 A JP 2015519510A JP 2015519510 A JP2015519510 A JP 2015519510A JP WO2014192058 A1 JPWO2014192058 A1 JP WO2014192058A1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- armature
- armature coil
- permanent magnets
- magnet
- linear motor
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 239000012530 fluid Substances 0.000 claims description 14
- 230000007246 mechanism Effects 0.000 claims description 2
- 238000004804 winding Methods 0.000 description 36
- 230000000052 comparative effect Effects 0.000 description 19
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 9
- 230000003993 interaction Effects 0.000 description 9
- 238000005452 bending Methods 0.000 description 5
- 230000004907 flux Effects 0.000 description 4
- 230000009471 action Effects 0.000 description 3
- 230000004048 modification Effects 0.000 description 3
- 238000012986 modification Methods 0.000 description 3
- 238000003491 array Methods 0.000 description 2
- 239000012809 cooling fluid Substances 0.000 description 2
- 230000000149 penetrating effect Effects 0.000 description 2
- 230000001141 propulsive effect Effects 0.000 description 2
- 239000000284 extract Substances 0.000 description 1
- 238000000034 method Methods 0.000 description 1
- 238000000465 moulding Methods 0.000 description 1
Images
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H02—GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
- H02K—DYNAMO-ELECTRIC MACHINES
- H02K41/00—Propulsion systems in which a rigid body is moved along a path due to dynamo-electric interaction between the body and a magnetic field travelling along the path
- H02K41/02—Linear motors; Sectional motors
- H02K41/03—Synchronous motors; Motors moving step by step; Reluctance motors
- H02K41/031—Synchronous motors; Motors moving step by step; Reluctance motors of the permanent magnet type
-
- H—ELECTRICITY
- H02—GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
- H02K—DYNAMO-ELECTRIC MACHINES
- H02K2201/00—Specific aspects not provided for in the other groups of this subclass relating to the magnetic circuits
- H02K2201/18—Machines moving with multiple degrees of freedom
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Combustion & Propulsion (AREA)
- Electromagnetism (AREA)
- Power Engineering (AREA)
- Linear Motors (AREA)
- Motor Or Generator Cooling System (AREA)
Abstract
【課題】リニアモータ全体の小型軽量化を図る。【解決手段】リニアモータ1は、界磁10と、電機子20とを備え、界磁10は、互いに対向する対向面をそれぞれ備えた2つのヨーク板11a,11bと、2つのヨーク板11a,11bそれぞれの対向面に沿って、複数のX方向移動用磁石14をX方向に配列した第1磁石列64と、を有し、電機子20は、第1磁石列64と磁気的空隙を介し対向し、複数のX方向移動用単相コイル23をX方向に配列した第1電機子コイル列73を有し、かつ、第1電機子コイル列73及び第1磁石列64において、X方向移動用単相コイル23がX方向を軸心として巻回され、かつ、互いに対向する2つのX方向移動用磁石14の対が互いに同極となるとともにX方向に沿って当該磁石14が交互に極性が異なる配置を備える。
Description
開示の実施形態は、リニアモータ及びステージ装置に関する。
特許文献1には、界磁と電機子とを備え、ヨークベースが2つの平板状のヨーク板の間を連結することで界磁が略U字型となっている、コアレスリニアモータが開示されている。このリニアモータでは、各界磁ヨーク板の内側面に永久磁石列が設けられている。この永久磁石列では、同じ組で対向する2つの永久磁石どうしで磁極が異なり、また界磁の長手方向で隣接する2つの永久磁石どうしでも、互いに磁極が異なるようになっている。
しかしながら、特許文献1に記載のものでは、2つのヨーク板に設けられる対向する2つの永久磁石が異極であることから、互いに吸引力が発生する。この吸引力がもたらすヨーク板の撓みによってヨーク板と電機子が接触するのを防止するために、ヨークの剛性を高める必要がある。この結果、ヨーク板の厚み寸法が増大し、リニアモータ全体の小型軽量化が困難であった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、全体の小型軽量化を図れるリニアモータを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一の観点によれば、電機子と界磁のいずれか一方を可動子に、他方を固定子とする、リニアモータであって、前記界磁は、互いに対向する対向面をそれぞれ備えた2つのヨーク板と、複数の永久磁石を、前記2つのヨーク板それぞれの前記対向面に沿って所定方向に配列した磁石列と、を有し、前記電機子は、前記磁石列と磁気的空隙を介し対向し、複数の電機子コイルを前記所定方向に配列した電機子コイル列を有し、かつ、前記電機子コイル列及び前記磁石列において、前記電機子コイルが前記所定方向を軸心として巻回され、かつ、互いに対向する2つの前記永久磁石の対が互いに同極となるとともに前記所定方向に沿って当該永久磁石が交互に極性が異なる配置を備えるリニアモータが適用される。
本発明のリニアモータによれば、全体の小型軽量化を図ることができる。
以下、開示の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
<原理を表す実施形態>
図1及び図2を用いて、本実施形態による単相巻線を有するリニアモータの推力発生原理を説明する。なお、以下の説明において、X方向、Y方向、Z方向は、3次元直角座標のX軸方向、Y軸方向、Z軸方向に相当し、図1(a)等の各図中に適宜示す矢印方向に対応している。 例えば図1(a)においては、左手前(第1方向一方側に相当)〜右奥(第1方向他方側に相当)方向に対応する方向がX方向(第1方向に相当)であり、右手前(第2方向一方側に相当)〜左奥(第2方向他方側に相当)方向に対応する方向がY方向(第2方向に相当)であり、上下方向に対応する方向がZ方向(第3方向に相当)である。
図1及び図2を用いて、本実施形態による単相巻線を有するリニアモータの推力発生原理を説明する。なお、以下の説明において、X方向、Y方向、Z方向は、3次元直角座標のX軸方向、Y軸方向、Z軸方向に相当し、図1(a)等の各図中に適宜示す矢印方向に対応している。 例えば図1(a)においては、左手前(第1方向一方側に相当)〜右奥(第1方向他方側に相当)方向に対応する方向がX方向(第1方向に相当)であり、右手前(第2方向一方側に相当)〜左奥(第2方向他方側に相当)方向に対応する方向がY方向(第2方向に相当)であり、上下方向に対応する方向がZ方向(第3方向に相当)である。
<概略構成>
図1(a)〜図1(c)に示すように、リニアモータ100は、複数(この例では4個)の永久磁石104を備えた界磁101と、複数(この例では2個)の電機子コイル106を備えた電機子105と、を有する。
図1(a)〜図1(c)に示すように、リニアモータ100は、複数(この例では4個)の永久磁石104を備えた界磁101と、複数(この例では2個)の電機子コイル106を備えた電機子105と、を有する。
界磁101は、Z方向(以下適宜、単に「上下方向」「上下」等と称する)に対向した2つのヨーク板103a,103bを有するヨークベース102を備えている。これら2つのヨーク板103a,103bの対向面(内側面)に、上下で1対をなす2つの永久磁石104,104がX方向に複数対(この例では2対)配列されている(磁石列に相当)。それら複数対それぞれの上下の永久磁石104,104の間に、各永久磁石104と磁気的空隙を介して対向するようにしつつ、複数(この例では2つ)の電機子コイル106がX方向に配列されている(電機子コイル列に相当)。
このとき、永久磁石104の磁極(N極及びS極)は、X方向に隣り合う永久磁石104,104同士では異極となり、かつ上下方向で1対をなす永久磁石104,104同士は、(電機子コイル106側の磁極が)同極となるように、配置されている。また、電機子コイル106は、X方向(所定方向に相当)を軸心として巻線が巻回されている。
<磁気回路>
上記構成により、図1(c)に示すように、一方のヨーク板(適宜、「上のヨーク板」と称す)103aのX方向一方側(図1(c)中の左側。以下、適宜「左側」と称す)に設けられた永久磁石104のN極から出た磁束は、X方向他方側(図1(c)中の右側。以下、適宜「右側」と称す)に向かった後、上のヨーク板103aに設けられた右側の永久磁石104のS極へ入り、さらに上記右側の永久磁石104を下から上に横切って、当該右側の永久磁石104のN極から上のヨーク板103aに入った後に左側に向かい、上のヨーク板103aの左側に設けられた永久磁石104のS極に戻る、一連の経路の磁気回路Qaを形成する。
上記構成により、図1(c)に示すように、一方のヨーク板(適宜、「上のヨーク板」と称す)103aのX方向一方側(図1(c)中の左側。以下、適宜「左側」と称す)に設けられた永久磁石104のN極から出た磁束は、X方向他方側(図1(c)中の右側。以下、適宜「右側」と称す)に向かった後、上のヨーク板103aに設けられた右側の永久磁石104のS極へ入り、さらに上記右側の永久磁石104を下から上に横切って、当該右側の永久磁石104のN極から上のヨーク板103aに入った後に左側に向かい、上のヨーク板103aの左側に設けられた永久磁石104のS極に戻る、一連の経路の磁気回路Qaを形成する。
同様に、他方のヨーク板(適宜、「下のヨーク板」と称す)103bの左側に設けられた永久磁石104のN極から出た磁束は、右側に向かった後、下のヨーク板103bの右側に設けられた永久磁石104のS極に入り、さらに当該右側の永久磁石104を上から下に横切って、当該右側の永久磁石104のN極から下のヨーク板103bに入った後に左側に向かい、下のヨーク板103bの左側の永久磁石104のS極に戻る、一連の経路の磁気回路Qbを形成する。
なお、上記一方の磁気回路Qaと他方の磁気回路QbとはX方向の線に対し線対称であり、互いに相対するように発生する。
<電機子コイルへの作用>
上記のように構成される磁気回路Qa,Qbに対し、左側の電機子コイル106の上側の巻線は、磁気回路Qaの下向きの磁界中をY方向に横切る形で配置され、左側の電機子コイル106の下側の巻線は、磁気回路Qbの上向きの磁界中をY方向に横切る形で配置されている。同様に、右側の電機子コイル106の上側の巻線は、磁気回路Qaの上向きの磁界中をY方向に横切る形で配置され、右側の電機子コイル106の下側の巻線は、磁気回路Qbの下向きの磁界中をY方向に横切る形で配置されている。
上記のように構成される磁気回路Qa,Qbに対し、左側の電機子コイル106の上側の巻線は、磁気回路Qaの下向きの磁界中をY方向に横切る形で配置され、左側の電機子コイル106の下側の巻線は、磁気回路Qbの上向きの磁界中をY方向に横切る形で配置されている。同様に、右側の電機子コイル106の上側の巻線は、磁気回路Qaの上向きの磁界中をY方向に横切る形で配置され、右側の電機子コイル106の下側の巻線は、磁気回路Qbの下向きの磁界中をY方向に横切る形で配置されている。
そして、本実施形態では、左右の電機子コイル106,106に対し、電流iが互いに反対の向きとなるように流される。
すなわち、右側の電機子コイル106では、上側の巻線において、例えばY方向一方側(図1(a)中右手前側、図1(b)中の右側、図1(c)中の手前側)からY方向他方側(図1(a)中左奥側、図1(b)中の左側、図1(c)中の奥側)への向きに電流iが流される。この結果、当該上側の巻線には、磁気回路Qaの上向きの磁界と電流との相互作用により、フレミングの左手の法則にしたがい、X方向一方側(図1(a)中左手前側、図1(b)中の手前側、図1(c)中の左側)からX方向他方側(図1(a)中右奥側、図1(b)中の奥側、図1(c)中の右側)へ向かう力が働く。一方、右側の電機子コイル106の下側の巻線には、上記の場合、逆にY方向他方側からY方向一方側への向きに電流iが流れることとなる。この結果、当該下側の巻線には、磁気回路Qbの下向きの磁界と電流との相互作用により、フレミングの左手の法則にしたがい、X方向他方側へ向かう力が働く。以上により、左側の電機子コイル106には、X方向他方側へ向かう力が誘起される(図1(a)中の白矢印参照)。
また、左側の電機子コイル106では、上側の巻線に、Y方向他方側からY方向一方側への向きに電流iが流される。この結果、当該上側の巻線には、磁気回路Qaの下向きの磁界と電流との相互作用により、フレミングの左手の法則にしたがい、X方向他方側へ向かう力が働く。一方、左側の電機子コイル106の下側の巻線には、上記の場合、逆にY方向一方側からY方向他方側への向きに電流iが流れることとなる。この結果、当該下側の巻線には、磁気回路Qbの上向きの磁界と電流との相互作用により、フレミングの左手の法則にしたがい、X方向他方側へ向かう力が働く。以上により、左側の電機子コイル106にも、X方向他方側へ向かう力が誘起される(図1(a)中の白矢印参照)。
以上の結果、左右両側の電機子コイル106,106を備えた電機子105に、X方向他方側への推力が発生する(図1(c)中の白矢印参照)。また、左右の電機子コイル106,106に流す電流iを上記とは逆向きにすると、上述の原理により、電機子105に、上記とは逆方向のX方向一方側への推力が発生する。これらにより、電機子105は、界磁101の上下のヨーク板103a,103bに対し、電流iの通電方向に応じてX方向に変位することができる。この結果、リニアモータ100は、電機子105の電機子ベース107に取り付けた、例えば図示しないステージ装置の被駆動部を、X方向一方側及び他方側に駆動することができる。
<本実施形態の比較例>
次に、上記原理を表す実施形態に対する比較例を、図2(a)〜(c)により説明する。上記原理を表す実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
次に、上記原理を表す実施形態に対する比較例を、図2(a)〜(c)により説明する。上記原理を表す実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
図2(a)〜図2(c)に示すように、この比較例のリニアモータ100′では、永久磁石104′が、界磁101のヨークベース102の上下のヨーク板103a,103bの対向面に、上下で対をなすようにX方向に沿って複数対(この例では2対)配列される。これら複数の永久磁石104′において、X方向に隣り合う永久磁石104′,104′同士では異極となり、かつ上下方向で対をなす永久磁石104′,104′同士で(電機子コイル106′側の磁極が)異極となるように、配置されている。また、これら上下の永久磁石104′,104′の間に(各永久磁石104′と磁気的空隙を介して)対向するようにしつつ、電機子105の1つの電機子コイル106′が配置される。なお、この電機子コイル106′では、Z方向を軸心として巻線が巻回されている。
<磁気回路>
上記構成により、図2(c)に示すような磁気回路Q′が形成される。すなわち、この磁気回路Q′においては、上のヨーク板103aに設けられた左側の永久磁石104′のN極から出た磁束が、上のヨーク103aに入って右側に向かった後、上のヨーク103aの右側に設けられた永久磁石104′のS極に入り、当該右側の永久磁石104′を上から下に横切った後、当該右側の永久磁石104′のN極から出て下のヨーク板103bの右側に設けられた永久磁石104′のS極に入る。その後、磁束は、当該右側の永久磁石104′を上から下に横切って、当該右側の永久磁石104′のN極から下のヨーク板103bに入った後に左側に向かい、下のヨーク板103bの左側に設けられた永久磁石104′のS極に入った後、当該左側の永久磁石104′を下から上に横切ってN極から出て、上のヨーク103aの左側に設けられた永久磁石104′のS極に戻る、一連の経路となる。
上記構成により、図2(c)に示すような磁気回路Q′が形成される。すなわち、この磁気回路Q′においては、上のヨーク板103aに設けられた左側の永久磁石104′のN極から出た磁束が、上のヨーク103aに入って右側に向かった後、上のヨーク103aの右側に設けられた永久磁石104′のS極に入り、当該右側の永久磁石104′を上から下に横切った後、当該右側の永久磁石104′のN極から出て下のヨーク板103bの右側に設けられた永久磁石104′のS極に入る。その後、磁束は、当該右側の永久磁石104′を上から下に横切って、当該右側の永久磁石104′のN極から下のヨーク板103bに入った後に左側に向かい、下のヨーク板103bの左側に設けられた永久磁石104′のS極に入った後、当該左側の永久磁石104′を下から上に横切ってN極から出て、上のヨーク103aの左側に設けられた永久磁石104′のS極に戻る、一連の経路となる。
<電機子コイルへの作用>
上記のように構成される磁気回路Q′に対し、電機子コイル106′の左側の巻線は、磁気回路Q′の上向きの磁界中をY方向に横切る形で配置され、右側の巻線は磁気回路Q′の下向きの磁界中をY方向に横切る形で配置されている。
上記のように構成される磁気回路Q′に対し、電機子コイル106′の左側の巻線は、磁気回路Q′の上向きの磁界中をY方向に横切る形で配置され、右側の巻線は磁気回路Q′の下向きの磁界中をY方向に横切る形で配置されている。
そして、この比較例では、電機子コイル106′において電流iが例えば図示の向きで流される。この場合、電機子コイル106′の左側の巻線において、Y方向一方側(図2(a)中右手前側、図2(b)中の右側、図1(c)中の手前側)からY方向他方側(図2(a)中左奥側、図2(b)中の左側、図2(c)中の奥側)への向きに電流iが流れる。この結果、当該左側の巻線に、磁気回路Q′の上向きの磁界と電流との相互作用により、フレミングの左手の法則にしたがい、X方向一方側(図2(a)中左手前側、図2(b)中の手前側、図2(c)中の左側)からX方向他方側(図2(a)中右奥側、図2(b)中の奥側、図2(c)中の右側)へ向かう力が働く。一方、電機子コイル106′の左側の巻線においては、上記の場合、同様にY方向他方側からY方向一方側へ電流iが流れる結果、磁気回路Q′の下向きの磁界と電流との相互作用により、フレミングの左手の法則にしたがい、X方向一方側へ向かう力が働く。以上により、1つの電機子コイル106′に、X方向一方側へ向か力が誘起され、当該電機子コイル106′を備えた電機子105に、X方向一方側への推力が発生する。また、電機子コイル106′に流す電流iを上記とは逆向きにすると、電機子105において上記とは逆方向のX方向他方側へ向かう推力が発生する。これらにより、電機子105は、界磁101の上下のヨーク板103a,103bに対しX方向に変位することができる。この結果、この比較例のリニアモータ100′も、上記原理を表す実施形態と同様、電機子105の電機子ベース107に取り付けた、例えば図示しない被駆動部を、X方向一方側及び他方側に駆動することができる。
<比較例の問題点>
上記したように、図2に示した比較例のリニアモータ100′において、電機子105は、界磁101の上下のヨーク板103a,103bに対しX方向に変位することができる。しかしながら、このリニアモータ100′では、2つのヨーク板103a,103bにおいて互いに対向する各対の永久磁石104′,104′の対が互いに異極(N極とS極、あるいはS極とN極)となっている。このため、永久磁石104′の各対においては、互いに吸引力が生じる。したがって、この吸引力がもたらすヨーク板103a,103bの撓みによってヨーク板103a,103bと電機子105とが接触するのを防止するために、界磁101の剛性を高める必要がある。この結果、ヨーク板103a,103bの厚み寸法を比較的大きくせざるを得ず、リニアモータ100′全体の小型軽量化が困難となる。
上記したように、図2に示した比較例のリニアモータ100′において、電機子105は、界磁101の上下のヨーク板103a,103bに対しX方向に変位することができる。しかしながら、このリニアモータ100′では、2つのヨーク板103a,103bにおいて互いに対向する各対の永久磁石104′,104′の対が互いに異極(N極とS極、あるいはS極とN極)となっている。このため、永久磁石104′の各対においては、互いに吸引力が生じる。したがって、この吸引力がもたらすヨーク板103a,103bの撓みによってヨーク板103a,103bと電機子105とが接触するのを防止するために、界磁101の剛性を高める必要がある。この結果、ヨーク板103a,103bの厚み寸法を比較的大きくせざるを得ず、リニアモータ100′全体の小型軽量化が困難となる。
<本実施形態の効果>
これに対し、図1に示した本実施形態のリニアモータ100では、2つのヨーク板103a,103bにおいて互いに対向する各対の永久磁石104,104は、互いに同極(N極とN極、あるいはS極とS極)となっている。これにより、各対の磁石104,104においては、互いに反発力が生じている。この結果、上記のように吸引力が生じる上記変形例と異なり、ヨーク板103a,103bと電機子105との接触防止のために界磁101の剛性を高める必要はなく、例えばヨーク板103a,103bの厚み寸法を比較的小さくすることができる。この結果、リニアモータ100全体の小型軽量化を図ることができる。
これに対し、図1に示した本実施形態のリニアモータ100では、2つのヨーク板103a,103bにおいて互いに対向する各対の永久磁石104,104は、互いに同極(N極とN極、あるいはS極とS極)となっている。これにより、各対の磁石104,104においては、互いに反発力が生じている。この結果、上記のように吸引力が生じる上記変形例と異なり、ヨーク板103a,103bと電機子105との接触防止のために界磁101の剛性を高める必要はなく、例えばヨーク板103a,103bの厚み寸法を比較的小さくすることができる。この結果、リニアモータ100全体の小型軽量化を図ることができる。
<第1実施形態>
次に、上記の原理を適用して電機子をX方向とY方向の2軸方向に移動可能とする、第1実施形態の2軸リニアモータについて、図3〜図10により説明する。
次に、上記の原理を適用して電機子をX方向とY方向の2軸方向に移動可能とする、第1実施形態の2軸リニアモータについて、図3〜図10により説明する。
<概略構成>
図3乃至図7に示すように、本実施形態のリニアモータ1は、界磁10と、電機子20とを備え、界磁10の内側に電機子20が配置されている。
図3乃至図7に示すように、本実施形態のリニアモータ1は、界磁10と、電機子20とを備え、界磁10の内側に電機子20が配置されている。
界磁10は、上下方向(Z方向)に対向配置された2つの矩形板状のヨーク板11a,11bと、2つのヨーク板11a,11bのそれぞれの対向面(内側面)に、上下一対を一組として対向配置された複数のX方向移動用磁石14(第1永久磁石に相当)及び上下一対を一組として対向配置された複数のY方向移動用磁石15(第2永久磁石に相当)と、を有する。X方向移動用磁石14及びY方向移動用磁石15は、この例では、薄厚の扁平な細長い直方体状に形成され、共に高さ方向に略同一の厚さを有している。
2つのヨーク板11a,11bは、Y方向他方側(左奥側)の端部間をヨークベース12によって連結され、断面略U字状のヨーク13として構成されている。ヨーク13は、上記Y方向他方側を除く平面方向の三方、すなわちY方向一方側、X方向一方側及びX方向他方側が開放されている。
電機子20は、上記ヨーク板11a,11bと平行な面部を有する矩形板状の電機子モールド部21と、電機子モールド部21の一端部に設けられた電機子ベース22と、を有する。電機子モールド部21は、一方のヨーク板11aのX方向移動用磁石14及びY方向移動用磁石15と、他方のヨーク板11bのX方向移動用磁石14及びY方向移動用磁石15との間に配置される。
電機子モールド部21は、ヨークベース12とは反対側(Y方向一方側)の開口部から一端部が露出し、電機子モールド部21の上記露出した一端部に上記電機子ベース22が固定されている。電機子ベース22は、リニアモータ1によって駆動される図示しない被駆動部を結合する部材であり、電機子ベース22を介してリニアモータ1を例えばステージ装置に結合して、ステージ装置の直動機構の駆動源として用いられる。この電機子ベース22は、この例では、電機子モールド部21と直交する矩形状の厚板に形成されている。なお、電機子ベース22のヨーク13内への侵入防止を念のために図る目的で、電機子ベース22は、一方のヨーク板(適宜、「上のヨーク板」と称す)11aのX方向移動用磁石14及びY方向移動用磁石15と、他方のヨーク板(適宜、「下のヨーク板」と称す)11bのX方向移動用磁石14及びY方向移動用磁石15とに亘る高さで設けられている。
<界磁のX方向移動用磁石>
図6に示すように、界磁10の上のヨーク板11aに設けられる複数(この例では4つ)のX方向移動用磁石14は、その長手方向をY方向に略一致させた姿勢で、上のヨーク板11aの対向面のX方向の一方側(図6中左手前側)及び他方側(図6中右奥側)に分散して、それぞれ2つずつ配置されている。また、上のヨーク板11aの4つのX方向移動用磁石14のうち、X方向外側の2つのX方向移動用磁石14,14は、上のヨーク板11aのX方向両端面と面一となるように配置されている。残りのX方向内側の2つのX方向移動用磁石14,14は、ヨーク板11aのX方向中央側に大きな間隔(後述のY方向移動用磁石15の配置スペースを形成するため)をあけるようにしつつ、外側のX方向移動用磁石14と所定の小間隔をあけて配置されている。このとき、上のヨーク板11aの4つのX方向移動用磁石14は、隣り合う同士で(電機子20側に臨む側の)NSの磁極が互いに異なるように配列されている。この例では、X方向一方側(図6中左手前側)からX方向他方側(図6中の右奥側)に向けてN極、S極、N極、S極の順となるように配置されている。
図6に示すように、界磁10の上のヨーク板11aに設けられる複数(この例では4つ)のX方向移動用磁石14は、その長手方向をY方向に略一致させた姿勢で、上のヨーク板11aの対向面のX方向の一方側(図6中左手前側)及び他方側(図6中右奥側)に分散して、それぞれ2つずつ配置されている。また、上のヨーク板11aの4つのX方向移動用磁石14のうち、X方向外側の2つのX方向移動用磁石14,14は、上のヨーク板11aのX方向両端面と面一となるように配置されている。残りのX方向内側の2つのX方向移動用磁石14,14は、ヨーク板11aのX方向中央側に大きな間隔(後述のY方向移動用磁石15の配置スペースを形成するため)をあけるようにしつつ、外側のX方向移動用磁石14と所定の小間隔をあけて配置されている。このとき、上のヨーク板11aの4つのX方向移動用磁石14は、隣り合う同士で(電機子20側に臨む側の)NSの磁極が互いに異なるように配列されている。この例では、X方向一方側(図6中左手前側)からX方向他方側(図6中の右奥側)に向けてN極、S極、N極、S極の順となるように配置されている。
一方、図7に示すように、界磁10の下のヨーク板11bに設けられる複数(この例では4つ)のX方向移動用磁石14は、その長手方向をY方向に略一致させた姿勢で、下のヨーク板11bの対向面のX方向の一方側(図7中の左手前側)及び他方側(図7中の右奥側)に分散して、それぞれ2つずつ配置されている。このとき、下のヨーク板11bの4つX方向移動用磁石14は、図6に示すように、上述した上のヨーク板11aの4つのX方向移動用磁石14それぞれと上下方向に対をなす。また、下のヨーク板11bの4つのX方向移動用磁石14のうち、X方向外側の2つのX方向移動用磁石14,14は、下のヨーク板11bのX方向両端面と面一となるように配置されている。残りのX方向内側の2つのX方向移動用磁石14,14は、ヨーク板11bのX方向中央側に大きな間隔(後述のY方向移動用磁石15の配置スペースを形成するため)をあけるようにしつつ、外側のX方向移動用磁石14と所定の小間隔をあけて配置されている。そして、下のヨーク板11bの4つのX方向移動用磁石14は、上記X方向移動用磁石14と同様、隣り合う同士で(電機子20側に臨む側の)NSの磁極が互いに異なるように配列されている。この例では、X方向一方側(図7中の左手前側)からX方向他方側(図7中の右奥側)に向けてN極、S極、N極、S極の順となるように配置されている。すなわち、上のヨーク板11aに設けられるX方向移動用磁石14と、下のヨーク板11bに設けられるX方向移動用磁石14は、上下一対で(電機子20側に臨む側の)NSの磁極が互いに同極となるよう配列されている。
なお、上記のようにしてX方向に沿って配列される、上のヨーク板11aの4つのX方向移動用磁石14と、下のヨーク板11bの4つのX方向移動用磁石14とによって、第1磁石列64が形成されている。
<界磁のY方向移動用磁石>
図6に戻り、界磁の上のヨーク板11aに設けられる複数(この例では5つ)のY方向移動用磁石15は、その長手方向をX方向に略一致させた姿勢で、上のヨーク板11aの対向面のX方向中央部にY方向に沿って一列に配置されている。5つのY方向移動用磁石15は、互いにY方向に所定の小間隙をあけて配置されている。それらのうちのY方向一方側(図6中の右手前側)のY方向移動用磁石15は、上のヨーク板11aのY方向一方側の端面と面一になるように配置されている。また、それらのうちY方向他方側(図6中の左奥側)のY方向移動用磁石15は、ヨークベース12と所定の間隙をあけて配置されている。このとき、上のヨーク板11aの5つのY方向移動用磁石15は、隣り合う同士で(電機子20側に臨む側の)NSの磁極が互いに異なるように配列されている。この例では、Y方向一方側(図6中の右手前側)からY方向他方側(図6中の左奥側)に向けてN極、S極、N極、S極、N極の順となるように配置されている。
図6に戻り、界磁の上のヨーク板11aに設けられる複数(この例では5つ)のY方向移動用磁石15は、その長手方向をX方向に略一致させた姿勢で、上のヨーク板11aの対向面のX方向中央部にY方向に沿って一列に配置されている。5つのY方向移動用磁石15は、互いにY方向に所定の小間隙をあけて配置されている。それらのうちのY方向一方側(図6中の右手前側)のY方向移動用磁石15は、上のヨーク板11aのY方向一方側の端面と面一になるように配置されている。また、それらのうちY方向他方側(図6中の左奥側)のY方向移動用磁石15は、ヨークベース12と所定の間隙をあけて配置されている。このとき、上のヨーク板11aの5つのY方向移動用磁石15は、隣り合う同士で(電機子20側に臨む側の)NSの磁極が互いに異なるように配列されている。この例では、Y方向一方側(図6中の右手前側)からY方向他方側(図6中の左奥側)に向けてN極、S極、N極、S極、N極の順となるように配置されている。
一方、図7に示すように、界磁10の下のヨーク板11bに設けられる複数(この例では5つ)のY方向移動用磁石15は、その長手方向をX方向に略一致させた姿勢で、下のヨーク板11bの対向面のX方向中央部にY方向に沿って一列に配置されている。下のヨーク板11bの複数のY方向移動用磁石15は、互いにY方向に所定の小間隙をあけて配置されている。それらのうちのY方向一方側(図7中の右手前側)のY方向移動用磁石15は、下のヨーク板11bのY方向一方側の端面と面一になるように配置されている。また、それらのうちのY方向他方側(図7中の左奥側)のY方向移動用磁石15は、ヨークベース12と所定の間隙をあけて配置されている。このとき、下のヨーク板11bの5つのY方向移動用磁石15は、図6に示すように、上述した上のヨーク板11aの5つのY方向移動用磁石15それぞれと上下方向に対をなす。また、下のヨーク板11bの5つのY方向移動用磁石15は、図7に示すように、隣り合う同士で(電機子20側に臨む側の)NSの磁極が互いに異なり、かつ対をなす上のヨーク板11aのY方向移動用磁石15と異極となるよう配列されている。すなわち、この例では、Y方向一方側(図7中の右手前側)からY方向他方側(図7中の左奥側)に向かってS極、N極、S極、N極、S極の順となるように配置されている。
なお、上記のようにしてY方向に沿って配列される、上のヨーク板11aの5つのY方向移動用磁石15と、下のヨーク板11bの5つのY方向移動用磁石15とによって、第2磁石列65が形成されている。
<電機子の詳細構成>
図8及び図9に示すように、電機子20の電機子モールド部21は、電機子コイルとして、複数のX方向移動用単相コイル23(第1電機子コイルに相当)と、複数のY方向移動用三相コイル24(第2電機子コイルに相当)と、を有している。電機子モールド部21は、この例では、それら複数のX方向移動用単相コイル23及びY方向移動用三相コイル24の全体を樹脂モールドすることにより、矩形板状に形成されている。
図8及び図9に示すように、電機子20の電機子モールド部21は、電機子コイルとして、複数のX方向移動用単相コイル23(第1電機子コイルに相当)と、複数のY方向移動用三相コイル24(第2電機子コイルに相当)と、を有している。電機子モールド部21は、この例では、それら複数のX方向移動用単相コイル23及びY方向移動用三相コイル24の全体を樹脂モールドすることにより、矩形板状に形成されている。
X方向移動用単相コイル23は、この例では、X方向を軸心として巻回された、Y方向に細長い横倒しの長円状リングの形態となっている。複数(この例では4つ)のX方向移動用単相コイル23が、その長手方向をY方向に略一致させた姿勢で、この例では、電機子モールド部21のX方向一方側及びX方向他方側に分散してそれぞれ2つずつ配置されている。4つのX方向移動用単相コイル23のうち、X方向外側の2つのX方向移動用単相コイル23は、電機子モールド部21のX方向両端面に近接する位置となるように配置されている。残りのX方向内側の2つのX方向移動用単相コイル23は、電機子モールド部21のX方向中央部に大きな間隔(後述のY方向移動用三相コイル24の配置スペースを形成するため)をあけるようにしつつ、外側のX方向移動用単相コイル23と所定の小間隔をあけて配置されている。また4つのX方向移動用単相コイル23は、図8に示すように、いずれも、Y方向他方側を電機子モールド部21のY方向他方側の端面に近接するようにしつつ、かつY方向一方側を電機子ベース22と所定の間隙をあけるように配置されている。
なお、上記のようにしてX方向に沿って配列される4つのX方向移動用単相コイル23によって、第1電機子コイル列73が形成されている。第1電機子コイル列73は、前述した界磁10の上下の第1磁石列64,64と磁気的空隙を介し対向する。
また、電機子モールド部21のX方向移動用単相コイル23が配置される領域には、当該X方向移動用単相コイル23がX方向を軸線として巻線が巻回されていることから、そのコイル23の空芯部を利用して、X方向に貫通する流体流路28(第1流体流路に相当)が設けられている。流体流路28に冷却流体を循環させることにより、X方向移動用単相コイル23の冷却を容易かつ確実に行うことができる。
Y方向移動用三相コイル24は、この例では、Z方向を軸線として巻回された、X方向に細長い正立した長円状リングの形態となっている。複数(この例では3つ)のY方向移動用三相コイル24が、その長手方向をX方向に略一致させた姿勢で、この例では、電機子部21のX方向中央部にY方向に沿って一列に配置されている。これら3つのY方向移動用三相コイル24は、互いにY方向に隣接して配置され、そのうちのY方向他方側(図8中の左奥側)のY方向移動用三相コイル24は、電機子モールド部21のY方向他方側の端面に近接するように配置されている。Y方向一方側(図8の右手前側)のY方向移動用三相コイル24は、電機子ベース22に対しX方向移動用単相コイル23と同様の所定の間隙をあけて配置されている。
なお、上記のようにしてY方向に沿って配列される3つのY方向移動用三相コイル24によって、第2電機子コイル列74が形成されている。第2電機子コイル列74は、前述した界磁10の上下の第2磁石列65,65と磁気的空隙を介し対向する。
<電機子コイルの通電によるX方向推力発生>
上記構成において、上記原理を表す実施形態において図1(a)等を用いて説明したように、4つのX方向移動用単相コイル23に、電流iを隣り合う同士で逆の向きとなるように流すことで、ヨーク板11a,11bに設けられたX方向移動用磁石14が形成する磁気回路(前述の磁気回路Qa,Qbと同等の磁気回路)と電流iとの相互作用により、ヨーク板11a,11bに対してX方向に変位する推力を電機子モールド部21に発生することができる。
上記構成において、上記原理を表す実施形態において図1(a)等を用いて説明したように、4つのX方向移動用単相コイル23に、電流iを隣り合う同士で逆の向きとなるように流すことで、ヨーク板11a,11bに設けられたX方向移動用磁石14が形成する磁気回路(前述の磁気回路Qa,Qbと同等の磁気回路)と電流iとの相互作用により、ヨーク板11a,11bに対してX方向に変位する推力を電機子モールド部21に発生することができる。
例えば、図9に示すように、図中の最も左手前側のX方向移動用単相コイル23における上側の巻線にY方向他方側(図9中の左奥側)からY方向一方側(図9中の右手前側)への向きに電流iが流され、下側の巻線にY方向一方側からY方向他方側への向きに電流iが流される。これにより、前述の磁気回路と電流の相互作用により、それら上側及び下側の巻線の双方に、(原理を表す実施形態で上述したようにして)X方向一方側(図9中の左手前側)からX方向他方側(図9中の右奥側)へ向かう力が働く。また、上記X方向移動用単相コイル23の右奥側に隣接するX方向移動用単相コイル23における上側の巻線には、Y方向一方側からY方向他方側への向きに電流iが流され、下側の巻線には、Y方向他方側からY方向一方側への向きに電流iが流される。これにより、それら上側及び下側の巻線の双方に、(原理を表す実施形態で上述したようにして)X方向一方側(図9中の左手前側)からX方向他方側(図9中の右奥側)へ向かう力が働く。以上により、上記2つのX方向移動用単相コイル23,23の両方に、X方向他方側へ向かう力が誘起される(図9中の白矢印参照)。
同様にして、図9中の最も右奥側のX方向移動用単相コイル23における上側の巻線にY方向一方側からY方向他方側への向きに電流iが流され、下側の巻線にY方向他方側からY方向一方側への向きに電流iが流される。また、当該X方向移動用単相コイル23の左手前側に隣接するX方向移動用単相コイル23における上側の巻線には、Y方向他方側からY方向一方側への向きに電流iが流され、下側の巻線には、Y方向一方側からY方向他方側への向きに電流iが流される。これらにより、上述と同様にして、上記2つのX方向移動用単相コイル23,23の両方に、X方向他方側へ向かう力が誘起される(図9中の白矢印参照)。
以上のようにして、上記通電態様により、4つのX方向移動用単相コイル23に、X方向他方側へ向かう力を誘起させ、電機子20にX方向他方側への推力を発生させることができる。また、4つのX方向移動用単相コイル23に流す電流iを上記とは逆向きにすると、上述の原理により、電機子20に、上記とは逆方向のX方向一方側への推力を発生させることができる。この結果、リニアモータ1において、電機子20の電機子ベース22に取り付けた上記被駆動部を、X方向一方側及び他方側に駆動することができる。
<電機子コイルの通電によるY方向推力発生>
Y方向に配列された3つのY方向移動用三相コイル24に三相交流電流を通電すると、磁気回路と電流との相互作用により、ヨーク板11a,11bに対しY方向に変位する推力を電機子モールド部21に発生することができる。
Y方向に配列された3つのY方向移動用三相コイル24に三相交流電流を通電すると、磁気回路と電流との相互作用により、ヨーク板11a,11bに対しY方向に変位する推力を電機子モールド部21に発生することができる。
<本実施形態の比較例>
次に、上記第1実施形態に対する比較例を、図10により説明する。上記第1実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
次に、上記第1実施形態に対する比較例を、図10により説明する。上記第1実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
図10に示すように、この比較例では、上記図9に示した第1実施形態の電機子モールド部21における4つのX方向移動用単相コイル23に代え、Z方向を軸心として巻線を巻回したX方向移動用単相コイル25が、3つのY方向移動用三相コイル24のX方向両側それぞれに1つずつ(合計2つ)配置されている。
またこの比較例では、詳細な図示を省略するが、界磁10の2つのヨーク板11a,11bの対向面には、上記図9に示した第1実施形態のX方向移動用磁石14による第1磁石列64(互いに対向するX方向移動用磁石14の対が互いに同極で、かつこれらX方向移動用磁石14がX方向に交互に極性が異なるように配列されている)に代えて、互いに対向するX方向移動用磁石14の対が互いに異極(N極とS極、あるいはS極とN極)で、かつこれらX方向移動用磁石14がX方向に交互に極性が異なるように配列された磁石列が用いられる。
図10に示す構成において、2つX方向移動用単相コイル25,25それぞれにおいて相互に電流iを同じ向きとなるように流すと、上記原理を表す実施形態の比較例において図2(a)等を用いて説明したように、ヨーク板11a,11bに設けられた上記X方向移動用磁石25が形成する磁気回路(図2(c)の磁気回路Q′と同等の磁気回路)と電流iとの相互作用により、ヨーク板11a,11bに対しX方向に変位する推力を電機子モールド部21に発生することができる。
<比較例の問題点>
上記したように、図10を用いて説明した比較例の構成において、ヨーク板11a,1bに対しX方向及びY方向に変位する推力をそれぞれ与えることができる。しかしながら、この構成では、2つのヨーク板11a,11bにおいて互いに対向するX方向移動用磁石14の対及びY方向移動用磁石15の対が、互いに異極(N極とS極、あるいはS極とN極)となる。この結果、X方向移動用磁石14の各対、及び、Y方向移動用磁石15の各対、においては、いずれも互いに吸引力が生じる。したがって、この吸引力がもたらすヨーク板11a,11bの撓みによってヨーク板11a,11bと電機子20とが接触するのを防止するために、ヨーク13の剛性を高める必要がある。この結果、ヨーク板11a,11bの厚み寸法を比較的大きくせざるを得ず、リニアモータ全体の小型軽量化が困難となる。
上記したように、図10を用いて説明した比較例の構成において、ヨーク板11a,1bに対しX方向及びY方向に変位する推力をそれぞれ与えることができる。しかしながら、この構成では、2つのヨーク板11a,11bにおいて互いに対向するX方向移動用磁石14の対及びY方向移動用磁石15の対が、互いに異極(N極とS極、あるいはS極とN極)となる。この結果、X方向移動用磁石14の各対、及び、Y方向移動用磁石15の各対、においては、いずれも互いに吸引力が生じる。したがって、この吸引力がもたらすヨーク板11a,11bの撓みによってヨーク板11a,11bと電機子20とが接触するのを防止するために、ヨーク13の剛性を高める必要がある。この結果、ヨーク板11a,11bの厚み寸法を比較的大きくせざるを得ず、リニアモータ全体の小型軽量化が困難となる。
<第1実施形態の効果>
これに対し、図3〜図9に示した本実施形態のリニアモータ1では、前述したように、第1磁石列64において、互いに対向するX方向移動用磁石14の対(X方向移動用単相コイル23側の磁極)が互いに同極(N極とN極、あるいはS極とS極)となっており(特に図6等参照)、各対においては、互いに反発力が生じる。これにより、Y方向移動用磁石15の対が(上記比較例と同様に)互いに異極であっても、それらY方向移動用磁石15の対により2つのヨーク板11a,11bに生じる吸引力を緩和することができる。この結果、ヨーク13の剛性を高める必要がなくなりヨーク板11a,11bの厚み寸法を減少できるので、リニアモータ1全体の小型軽量化を図ることができる。
これに対し、図3〜図9に示した本実施形態のリニアモータ1では、前述したように、第1磁石列64において、互いに対向するX方向移動用磁石14の対(X方向移動用単相コイル23側の磁極)が互いに同極(N極とN極、あるいはS極とS極)となっており(特に図6等参照)、各対においては、互いに反発力が生じる。これにより、Y方向移動用磁石15の対が(上記比較例と同様に)互いに異極であっても、それらY方向移動用磁石15の対により2つのヨーク板11a,11bに生じる吸引力を緩和することができる。この結果、ヨーク13の剛性を高める必要がなくなりヨーク板11a,11bの厚み寸法を減少できるので、リニアモータ1全体の小型軽量化を図ることができる。
また、本実施形態では特に、ヨーク13は、2つのヨーク板11a,11bがヨークベース12によって連結されるU字型に構成されている。このようなU字型のヨーク13の場合、対向するX方向移動用磁石14の対やY方向移動用磁石15の対が互いに異極であると、上述した吸引力による撓みが特に生じやすい。したがって、上述のようにしてX方向移動用磁石14の対を互いに同極とすることによる撓み防止効果が、特に有効である。
また、本実施形態では特に、一列に配列されたY方向移動用磁石15のX方向一方側と他方側との両側に分散してX方向移動用磁石14が配置されている。これにより、異極であるY方向移動用磁石15の対によりヨーク板11a,11bの第2磁石列65近傍で生じる吸引力を、当該第2磁石列65の両側において同極であるX方向移動用磁石14の対の反発力によって緩和し、ヨーク13における撓み防止効果を偏りなく比較的均一に得ることができる。この結果、ヨーク板11a,11bと電機子20が接触するのを確実に防止することができる。
また、本実施形態では特に、電機子モールド部21において、X方向移動用単相コイル23がX方向を軸線として巻線が巻回されていることを利用して、そのコイル23の空芯部を活用する形でX方向に貫通する流体流路28が設けられている。これにより、X方向移動用単相コイル23の冷却を容易かつ確実に行うことができる。さらに、コイル23の空芯部に磁性体を挿入することで、一連の磁気回路が構成され、モータの特性向上を図ることができる。
<第2実施形態>
上記第1実施形態においては、上記原理を表す実施形態(図1参照)で説明した原理による推進力発生構造をX方向に適用した場合を例にとって説明した。この第2実施形態は、当該推進力発生構造をY方向に適用した場合の例である。上記第1実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
上記第1実施形態においては、上記原理を表す実施形態(図1参照)で説明した原理による推進力発生構造をX方向に適用した場合を例にとって説明した。この第2実施形態は、当該推進力発生構造をY方向に適用した場合の例である。上記第1実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
すなわち、この実施形態では、図11に示すように、電機子20の電機子モールド部21には、単相巻線の第1電機子コイル列75と、三相巻線の第2電機子コイル列76とが、備えられている。
第1電機子コイル列75は、前述の比較例として図10に示したものと同様であり、複数(この例では2つ)のX方向移動用単相コイル25,25がX方向に沿って互いに分散して離間するように配列されている。各X方向移動用単相コイル25では、Z方向を軸心として巻線が巻回されている。またこのとき、詳細な図示を省略するが、界磁10の第1磁石列において、互いに対向する2つのX方向移動用磁石14の対が(電機子20側に臨む側の)NSの磁極が互いに異極となるとともにX方向に沿って当該X方向移動用磁石14が交互に極性が異なるように、配置される。
第2電機子コイル列76では、X方向移動用単相コイル25,25の間に、複数(この例では6つ)のY方向移動用三相コイル26がY方向に沿って一列に配列されている。各Y方向移動用三相コイル26では、Y方向を軸心として巻線が巻回されている。またこのとき、詳細な図示を省略するが、界磁10の第2磁石列において、互いに対向する2つのY方向移動用磁石15の対が(電機子20側に臨む側の)NSの磁極が互いに同極となるとともにY方向に沿って当該Y方向移動用磁石15が交互に極性が異なるように、配置される。
また、電機子モールド部21のY方向移動用三相コイル26が配置される領域には、当該Y方向移動用コイル26がY方向を軸線として巻線が巻回される空芯部を利用して、Y方向に貫通する流体流路29(第2流体流路に相当)が設けられている。流体流路29に冷却流体を循環させることにより、Y方向移動用コイル26の冷却を容易かつ確実に行うことができる。
上記構成において、Y方向に配列された6つのY方向移動用三相コイル26に三相交流電流を通電すると、磁気回路と電流との相互作用により、ヨーク板11a,11bに対しY方向に変位する推力を電機子モールド部21に発生することができる。この結果、本実施形態のリニアモータにおいて、電機子20の電機子ベース22に取り付けた上記駆動部を、Y方向一方側及び他方側に駆動することができる。
また、X方向に配列された2つのX方向移動用単相コイル25においては、上記原理を表す実施形態の比較例において図2(a)等を用いて説明したように、2つのX方向移動用単相コイル25それぞれにおいて相互に電流iを同じ向きとなるように流すことで、ヨーク板11a,11bに設けられたX方向移動用磁石14が形成する磁気回路(前述の磁気回路Q′と同等の磁気回路)と電流iとの相互作用により、ヨーク板11a,11bに対しX方向に変位する推力を電機子モールド部21に発生することができる。この結果、本実施形態のリニアモータにおいて、電機子20の電機子ベース22に取り付けた上記被駆動部を、X方向一方側及び他方側に駆動することができる。
<第2実施形態の効果>
本実施形態のリニアモータでは、前述したように、界磁10の第2磁石列において、互いに対向するY方向移動用磁石15の対(Y方向移動用コイル26側の磁極)が互いに同極(N極とN極、あるいはS極とS極)となり、各対においては、互いに反発力が生じる。これにより、X方向移動用磁石14の対が互いに異極でありそれらX方向移動用磁石14の対により2つのヨーク板11a,11bに生じる吸引力を、緩和することができる。この結果、ヨーク13の剛性を高める必要がなくなりヨーク板11a,11bの厚み寸法を減少できるので、リニアモータ全体の小型軽量化を図ることができる。
本実施形態のリニアモータでは、前述したように、界磁10の第2磁石列において、互いに対向するY方向移動用磁石15の対(Y方向移動用コイル26側の磁極)が互いに同極(N極とN極、あるいはS極とS極)となり、各対においては、互いに反発力が生じる。これにより、X方向移動用磁石14の対が互いに異極でありそれらX方向移動用磁石14の対により2つのヨーク板11a,11bに生じる吸引力を、緩和することができる。この結果、ヨーク13の剛性を高める必要がなくなりヨーク板11a,11bの厚み寸法を減少できるので、リニアモータ全体の小型軽量化を図ることができる。
また、本実施形態では特に、ヨーク13は、2つのヨーク板11a,11bがヨークベース12によって連結されるU字型に構成されている。このようなU字型のヨーク13の場合、対向するX方向移動用磁石14の対やY方向移動用磁石15の対が互いに異極であると、上述した吸引力による撓みが特に生じやすい。したがって、上述のようにしてY方向移動用磁石15の対を互いに同極とすることによる撓み防止効果が、特に有効である。
また、本実施形態では特に、電機子モールド部21において、Y方向移動用三相コイル26がY方向を軸線として巻線が巻回されていることを利用して、そのコイル26の空芯部を活用する形でY方向に貫通する流体流路29が設けられている。これにより、Y方向移動用三相コイル26の冷却を容易かつ確実に行うことができる。さらに、コイル26の空芯部に磁性体を挿入することで、一連の磁気回路が構成され、モータの特性向上を図ることができる。
なお、上記図11に示した第2実施形態の構成においては、一列に配列されたY方向移動用磁石15のX方向一方側と他方側との両側に分散してX方向移動用磁石14が配置されている。これに代えて、(図示を省略するが)一列に配列されたY方向移動用磁石15のY方向一方側と他方側との両側に分散してX方向移動用磁石14を配置するようにしてもよい。この場合、異極であるX方向移動用磁石14の対によりヨーク板11a,11bの第1磁石列近傍で生じる吸引力を、当該第1磁石列の両側において同極であるY方向移動用磁石15の対の反発力によって緩和し、ヨーク13における撓み防止効果を偏りなく比較的均一に得ることができる。この結果、ヨーク板11a,11bと電機子20が接触するのを確実に防止することができる。
<第3実施形態>
上記第2実施形態においては、上記原理を表す実施形態(図1参照)で説明した原理による推進力発生構造をY方向に適用した場合を例にとって説明した。この第3実施形態は、当該推進力発生構造をX方向及びY方向に適用した場合の例である。上記第1及び第2実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
上記第2実施形態においては、上記原理を表す実施形態(図1参照)で説明した原理による推進力発生構造をY方向に適用した場合を例にとって説明した。この第3実施形態は、当該推進力発生構造をX方向及びY方向に適用した場合の例である。上記第1及び第2実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
すなわち、この実施形態では、図12に示すように、電機子20の電機子モールド部21には、上記第1実施形態と同様の第1電機子コイル列73と、上記第2実施形態と同様の第2電機子コイル列76とが、備えられている。
第2電機子コイル列76では、第2実施形態において前述したのと同様、複数(この例では6つ)のY方向移動用三相コイル26がY方向に沿って一列に配列され、各Y方向移動用コイル26では、Y方向を軸心として巻線が巻回されている。また、詳細な図示を省略するが、界磁10の第2磁石列において、互いに対向する2つのY方向移動用磁石15の対が(電機子20側に臨む側の)NSの磁極が互いに同極となるとともにY方向に沿って当該Y方向移動用磁石15が交互に極性が異なるように、配置されている。
第1電機子コイル列73では、第1実施形態において前述したのと同様、複数(この例では4つ)のX方向移動用単相コイル26が、第2電機子コイル列76のX方向一方側と他方側とに分散して2つずつ配列されている。各X方向移動用単相コイル23では、X方向を軸心として巻線が巻回されている。また、詳細な図示を省略するが、界磁10の第1磁石列において、互いに対向する2つのX方向移動用磁石14の対が(電機子20側に臨む側の)NSの磁極が互いに同極となるとともにX方向に沿って当該X方向移動用磁石14が交互に極性が異なるように、配置されている。
上記構成において、前述と同様、Y方向に配列された6つのY方向移動用三相コイル26に三相交流電流を通電すると、磁気回路と電流との相互作用により、ヨーク板11a,11bに対しY方向に変位する推力を電機子モールド部21に発生することができる。また、同様に、4つのX方向移動用単相コイル23に、電流iを隣り合う同士で逆の向きとなるように流すことで、ヨーク板11a,11bに設けられたX方向移動用磁石14が形成する磁気回路(前述の磁気回路Qa,Qbと同等の磁気回路)と電流iとの相互作用により、ヨーク板11a,11bに対してX方向に変位する推力を電機子モールド部21に発生することができる。これらの結果、本実施形態のリニアモータにおいて、電機子20の電機子ベース22に取り付けた上記被駆動部を、Y方向一方側及び他方側、X方向一方側及び他方側に、それぞれ駆動することができる。
<第3実施形態の効果>
本実施形態のリニアモータでは、上記第1実施形態及び第2実施形態による効果を併せて得ることができる。すなわち、前述したように、界磁10の第1磁石列において、互いに対向するX方向移動用磁石14の対(X方向移動用単相コイル23側の磁極)が互いに同極(N極とN極、あるいはS極とS極)となり、各対においては、互いに反発力が生じる。また、界磁10の第2磁石列においても、互いに対向するY方向移動用磁石15の対(Y方向移動用コイル26側の磁極)が互いに同極(N極とN極、あるいはS極とS極)となり、各対においては、互いに反発力が生じる。このように、X方向移動用磁石14の対でもY方向移動用磁石15の対でも(吸引力が作用することなく)反発力が作用する結果、ヨーク板11a,11bの厚み寸法をさらに確実に減少できるので、リニアモータ全体の小型軽量化をさらに確実に図ることができる。
本実施形態のリニアモータでは、上記第1実施形態及び第2実施形態による効果を併せて得ることができる。すなわち、前述したように、界磁10の第1磁石列において、互いに対向するX方向移動用磁石14の対(X方向移動用単相コイル23側の磁極)が互いに同極(N極とN極、あるいはS極とS極)となり、各対においては、互いに反発力が生じる。また、界磁10の第2磁石列においても、互いに対向するY方向移動用磁石15の対(Y方向移動用コイル26側の磁極)が互いに同極(N極とN極、あるいはS極とS極)となり、各対においては、互いに反発力が生じる。このように、X方向移動用磁石14の対でもY方向移動用磁石15の対でも(吸引力が作用することなく)反発力が作用する結果、ヨーク板11a,11bの厚み寸法をさらに確実に減少できるので、リニアモータ全体の小型軽量化をさらに確実に図ることができる。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態及び変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
その他、一々例示はしないが、上記実施形態及び変形例は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
1 リニアモータ
10 界磁
11a,b ヨーク板
12 ヨークベース
13 ヨーク
14 X方向移動用磁石(第1永久磁石)
15 Y方向移動用磁石(第2永久磁石)
20 電機子
21 電機子モールド部
23 X方向移動用単相コイル(第1電機子コイル)
24 Y方向移動用三相コイル(第2電機子コイル)
25 X方向移動用単相コイル(第1電機子コイル)
26 Y方向移動用三相コイル(第2電機子コイル)
28 流体流路(第1流体流路)
29 流体流路(第2流体流路)
64 第1磁石列
65 第2磁石列
73 第1電機子コイル列
74 第2電機子コイル列
75 第1電機子コイル列
76 第2電機子コイル列
i 電流
Qa,Qb 磁気回路
10 界磁
11a,b ヨーク板
12 ヨークベース
13 ヨーク
14 X方向移動用磁石(第1永久磁石)
15 Y方向移動用磁石(第2永久磁石)
20 電機子
21 電機子モールド部
23 X方向移動用単相コイル(第1電機子コイル)
24 Y方向移動用三相コイル(第2電機子コイル)
25 X方向移動用単相コイル(第1電機子コイル)
26 Y方向移動用三相コイル(第2電機子コイル)
28 流体流路(第1流体流路)
29 流体流路(第2流体流路)
64 第1磁石列
65 第2磁石列
73 第1電機子コイル列
74 第2電機子コイル列
75 第1電機子コイル列
76 第2電機子コイル列
i 電流
Qa,Qb 磁気回路
Claims (11)
- 電機子と界磁のいずれか一方を可動子に、他方を固定子とする、リニアモータであって、
前記界磁は、
互いに対向する対向面をそれぞれ備えた2つのヨーク板と、
複数の永久磁石を、前記2つのヨーク板それぞれの前記対向面に沿って所定方向に配列した磁石列と、
を有し、
前記電機子は、
前記磁石列と磁気的空隙を介し対向し、複数の電機子コイルを前記所定方向に配列した電機子コイル列
を有し、
かつ、
前記電機子コイル列及び第1磁石列において、前記電機子コイルが前記所定方向を軸心として巻回され、かつ、互いに対向する2つの前記永久磁石の対が互いに同極となるとともに前記所定方向に沿って当該永久磁石が交互に極性が異なる配置を備える
ことを特徴とするリニアモータ。 - 前記界磁の前記磁石列は、
複数の第1永久磁石を、前記2つのヨーク板それぞれの前記対向面に沿って第1方向に配列した第1磁石列と、
複数の第2永久磁石を、前記2つのヨーク板それぞれの前記対向面に沿って前記第1方向と直交する第2方向に配列した第2磁石列と、
を含み、
前記電機子の前記電機子コイル列は、
前記第1磁石列と磁気的空隙を介し対向し、複数の第1電機子コイルを前記第1方向に配列した第1電機子コイル列と、
前記第2磁石列と磁気的空隙を介し対向し、複数の第2電機子コイルを、前記第2方向に配列した第2電機子コイル列と、
を含み、
かつ、
(i)前記第1電機子コイル列及び前記第1磁石列において、前記第1電機子コイルが前記第1方向を軸心として巻回され、かつ、互いに対向する2つの前記第1永久磁石の対が互いに同極となるとともに前記第1方向に沿って当該第1永久磁石が交互に極性が異なる配置;
(ii)前記第2電機子コイル列及び前記第2磁石列において、前記第2電機子コイルが前記第2方向を軸心として巻回され、かつ、互いに対向する2つの前記第2永久磁石の対が互いに同極となるとともに前記第2方向に沿って当該第2永久磁石が交互に極性が異なる配置;
の(i)(ii)の配置のうち、少なくとも一方を備える
ことを特徴とする請求項1記載のリニアモータ。 - 前記界磁は、
前記2つのヨーク板と、
当該2つのヨーク板の前記第1方向側の端部若しくは前記第2方向側の端部を連結するヨークベースと、
を備える、横断面形状がU字型のヨークを有している
ことを特徴とする請求項2記載のリニアモータ。 - 前記第1電機子コイル列及び前記第1磁石列において、前記第1電機子コイルが前記第1方向を軸心として巻回され、かつ、互いに対向する2つの前記第1永久磁石の対が互いに同極となるとともに前記第1方向に沿って当該第1永久磁石が交互に極性が異なるように、配置されており、
前記第2電機子コイル列及び前記第2磁石列においては、前記第2電機子コイルが前記第1方向及び前記第2方向に対し直交する第3方向を軸心として巻回され、かつ、互いに対向する2つの前記第2永久磁石の対が互いに異極となるとともに前記第2方向に沿って当該第2永久磁石が交互に極性が異なるように、配置されている
ことを特徴とする請求項3記載のリニアモータ。 - 前記第2電機子コイル列及び前記第2磁石列において、前記第2電機子コイルが前記第2方向を軸心として巻回され、かつ、互いに対向する2つの前記第2永久磁石の対が互いに同極となるとともに前記第2方向に沿って当該第2永久磁石が交互に極性が異なるように、配置されており、
前記第1電機子コイル列及び前記第1磁石列においては、前記第1電機子コイルが前記第1方向及び前記第2方向に対し直交する第3方向を軸心として巻回され、かつ、互いに対向する2つの前記第1永久磁石の対が互いに異極となるとともに前記第1方向に沿って当該第1永久磁石が交互に極性が異なるように、配置されている
ことを特徴とする請求項3記載のリニアモータ。 - 前記第1電機子コイル列及び前記第1磁石列において、前記第1電機子コイルが前記第1方向を軸心として巻回され、かつ、互いに対向する2つの前記第1永久磁石の対が互いに同極となるとともに前記第1方向に沿って当該第1永久磁石が交互に極性が異なるように、配置されており、
前記第2電機子コイル列及び前記第2磁石列において、前記第2電機子コイルが前記第2方向を軸心として巻回され、かつ、互いに対向する2つの前記第2永久磁石の対が互いに同極となるとともに前記第2方向に沿って当該第2永久磁石が交互に極性が異なるように、配置されている
ことを特徴とする請求項3記載のリニアモータ。 - 前記第1磁石列では、
前記第2永久磁が前記第2方向に沿って一列に配列された前記第2磁石列の前記第1方向に沿った一方側及び他方側に、前記複数の第1永久磁石が分散して配置されており、
前記第1電機子コイル列では、
前記第2電機子コイルが前記第2方向に沿って一列に配列された前記第2電機子コイル列の前記第1方向に沿った一方側及び他方側に、前記複数の第1電機子コイルが分散して配置されている
ことを特徴とする請求項4又は請求項6記載のリニアモータ。 - 前記第2磁石列では、
前記第1永久磁石が前記第1方向に沿って一列に配列された前記第1磁石列の前記第2方向に沿った一方側及び他方側に、前記複数の第2永久磁石が分散して配置されており、
前記第2電機子コイル列では、
前記第1電機子コイルが前記第1方向に沿って一列に配列された前記第1電機子コイル列の前記第2方向に沿った一方側及び他方側に、前記複数の第2電機子コイルが分散して配置されている
ことを特徴とする請求項5又は請求項6記載のリニアモータ。 - 前記電機子は、
前記第1電機子コイルを前記第1方向に貫通して設けられた第1流体流路を備える
ことを特徴とする請求項4又は請求項6記載のリニアモータ。 - 前記電機子は、
前記第2電機子コイルを前記第2方向に貫通して設けられた第2流体流路を備える
ことを特徴とする請求項5又は請求項6記載のリニアモータ。 - 請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載のリニアモータを直動機構の駆動源として用いたことを特徴とするステージ装置。
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
PCT/JP2013/064623 WO2014192058A1 (ja) | 2013-05-27 | 2013-05-27 | リニアモータ及びステージ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2014192058A1 true JPWO2014192058A1 (ja) | 2017-02-23 |
Family
ID=51988137
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015519510A Pending JPWO2014192058A1 (ja) | 2013-05-27 | 2013-05-27 | リニアモータ及びステージ装置 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPWO2014192058A1 (ja) |
CN (1) | CN105308839A (ja) |
WO (1) | WO2014192058A1 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107872140A (zh) * | 2016-09-26 | 2018-04-03 | 上海微电子装备(集团)股份有限公司 | 一种音圈电机及平台装置 |
CN107482872B (zh) * | 2017-06-26 | 2024-04-12 | 浙江大学 | 二维电磁激励器 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005237078A (ja) * | 2004-02-18 | 2005-09-02 | Toshiba Mach Co Ltd | リニア同期モータ |
JP2010074976A (ja) * | 2008-09-19 | 2010-04-02 | Yaskawa Electric Corp | Xy軸コアレスリニアモータ及びそれを用いたステージ装置 |
JP2013027054A (ja) * | 2011-07-14 | 2013-02-04 | Yaskawa Electric Corp | コアレスリニアモータ |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9000626B2 (en) * | 2008-12-10 | 2015-04-07 | Hitachi, Ltd. | Thrust generation mechanism, drive device, XY stage and XYZ stage |
JP5484861B2 (ja) * | 2009-01-07 | 2014-05-07 | 山洋電気株式会社 | リニアモータ |
JP2011193553A (ja) * | 2010-03-11 | 2011-09-29 | Yaskawa Electric Corp | 2自由度コアレスリニアモータ |
JP5796576B2 (ja) * | 2010-06-09 | 2015-10-21 | 株式会社日立製作所 | 発電機およびそれを用いた発電装置 |
-
2013
- 2013-05-27 CN CN201380076945.5A patent/CN105308839A/zh active Pending
- 2013-05-27 WO PCT/JP2013/064623 patent/WO2014192058A1/ja active Application Filing
- 2013-05-27 JP JP2015519510A patent/JPWO2014192058A1/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005237078A (ja) * | 2004-02-18 | 2005-09-02 | Toshiba Mach Co Ltd | リニア同期モータ |
JP2010074976A (ja) * | 2008-09-19 | 2010-04-02 | Yaskawa Electric Corp | Xy軸コアレスリニアモータ及びそれを用いたステージ装置 |
JP2013027054A (ja) * | 2011-07-14 | 2013-02-04 | Yaskawa Electric Corp | コアレスリニアモータ |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
CN105308839A (zh) | 2016-02-03 |
WO2014192058A1 (ja) | 2014-12-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6417018B2 (ja) | リニアモータ | |
JP5648873B2 (ja) | リニアモータ | |
JP5387570B2 (ja) | 多自由度アクチュエータおよびステージ装置 | |
US10381911B2 (en) | Linear motor, magnet unit, and stage device | |
KR101810202B1 (ko) | 자석 배열 및 자기 서스팬션 평면 모터 | |
JP5015316B2 (ja) | リラクタンスモータ | |
CN105075081B (zh) | 直线电机 | |
JP2006174583A (ja) | リニアモータ | |
WO2014141887A1 (ja) | リニアモータ | |
WO2014192058A1 (ja) | リニアモータ及びステージ装置 | |
KR101486624B1 (ko) | 리니어 모터 및 스테이지 장치 | |
WO2013047610A1 (ja) | アクチュエータ | |
JP6732686B2 (ja) | リニアモータ、ステージ装置 | |
JP6854158B2 (ja) | リニアモータ | |
JP2010130892A (ja) | リニアモータシステムの製造方法及びリニアモータシステム | |
JP6056571B2 (ja) | リニアモータ | |
JPWO2017025998A1 (ja) | リニアモータ及びリニアモータを備える機器 | |
JP2007209175A (ja) | 三相リニアモータ | |
JP2009194991A (ja) | リニアモータとアクチュエータ | |
JP2010246334A (ja) | 多自由度アクチュエータ | |
JP2016067196A (ja) | 周期磁界発生装置およびこれを備えたアクチュエータ | |
JP6389690B2 (ja) | リニアモータ及びそれを用いた遮断器 | |
JP6058114B2 (ja) | リニアモータ | |
JP6056570B2 (ja) | リニアモータ | |
JP2016019315A (ja) | リニアモータ、及びそれを用いた駆動システム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20161215 |