JPWO2014184866A1 - エコー消去装置 - Google Patents

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Abstract

疑似エコー信号を生成する全帯域エコー消去部100aと、受信信号をダウンサンプリングして遅延量D1で遅延した低帯域成分を抽出するダウンサンプリング処理部104aと、低帯域成分を遅延量D2で遅延させる遅延制御部105aと、遅延制御部105aの出力信号を遅延量D3で遅延させる遅延制御部105bと、遅延量D1+D2で遅延した疑似エコー信号を生成する低帯域エコー消去部100bと、低帯域の疑似エコー信号をアップサンプリングして遅延量2D1+D2で遅延した全帯域の疑似エコー信号を生成するアップサンプリング処理部108を備え、遅延制御部105a,105bが、全帯域エコー消去部100aの適応フィルタの応答時間であるタップ長LAが、LA≧2D1+D2=D2+D3となるように遅延量D2,D3を制御する。

Description

この発明は、音声通信に用いるエコー消去装置に関する。
例えば、ハンズフリー通話システムまたは電話会議システムのように、スピーカからの出力がマイクに入り込むシステム系においては、その通話品質の確保、特に双方向通話時に発生する音響結合により生じるエコーの消去が必要である。
このようなエコーを消去する従来の技術として、スピーカ−マイク間の伝達関数を同定する適応フィルタでエコー経路を同定し、このエコー経路を用いて生成した疑似エコー信号をマイクの入力信号から減じることで、スピーカからマイクへ伝達されるエコーを消去する音響エコーキャンセラがある。
通常の音響エコーキャンセラでは、単一の適応フィルタを用いてエコーを消去するが、エコー経路のインパルス応答が長い場合、適応フィルタが長いタップを持つ必要がある。
しかしながら、適応フィルタは、タップが長くなるほど適応速度が遅くなるという欠点がある。
上述した欠点を解消する従来の技術として、例えば、特許文献1には、適応フィルタを2段構成としたエコーキャンセラが開示されている。このエコーキャンセラでは、前段で直接成分のエコーをキャンセルし、後段で残響成分を除去することで、適応動作の速度を向上させている。なお、前段に設けた適応フィルタは、タップ長を短くしてエコーの直接成分を除去し、後段に設けた適応フィルタは、前段の適応フィルタで除去できない残響成分を除去するためにタップ長を長く設定している。このようにエコー成分の中で大きな比重を持つ直接成分が前段で消去されるので、動作初期から良好なエコー消去量が期待できる。
また、特許文献2には、音響信号帯域を複数の周波数帯域に分割し、個別の帯域ごとにエコー消去を行うサブバンドエコーキャンセラが開示されている。このサブバンドエコーキャンセラは、音響信号帯域を分割して各周波数帯域の音響信号をあらかじめ定めた間引き率で間引いてサブバンド信号を生成することで、サンプリング周波数を低減することが可能になり、演算量の削減が可能となる。これは、サンプリング周波数が1/2になると、同一の残響時間に対応する適応フィルタの演算量は1/4になるためである。
特開平6−13938号公報 特開2006−203358号公報
特許文献1に代表される従来の技術においては、適応フィルタを2段構成にするため、適応フィルタに係る演算量が増加して実装が困難になるという課題があった。
また、特許文献2に代表される従来の技術においては、帯域分割時、帯域合成時およびサンプリング周波数変換時のエイリアシングフィルタの影響により信号に遅延が発生する。このため、低遅延が要求されるシステムには適用できず、使用範囲が制限されるという課題があった。また、遅延量が多くなると、残留エコーを知覚しやすくなるという問題もあった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、演算量の増加を抑制し、かつ遅延の発生を抑えてエコーを消去することができるエコー消去装置を得ることを目的とする。
この発明に係るエコー消去装置は、受信信号と全帯域の適応フィルタ係数から、疑似エコー信号を生成する適応フィルタを含んで構成される第1のエコー消去部と、受信信号に遅延量Dで遅延するダウンサンプリング処理を実行することで、遅延量Dで遅延した低帯域成分を抽出する第1のダウンサンプリング処理部と、第1のダウンサンプリング処理部が抽出した低帯域成分に遅延量Dの遅延を挿入して遅延量D+Dで遅延した低帯域成分を出力する第1の遅延制御部と、第1の遅延制御部の出力信号に遅延量Dの遅延を挿入して遅延量D+D+Dで遅延した低帯域成分を出力する第2の遅延制御部と、第1の遅延制御部の出力信号と低帯域の適応フィルタ係数から、遅延量D+Dで遅延した低帯域の疑似エコー信号を生成する適応フィルタを含んで構成される第2のエコー消去部と、第2のエコー消去部が生成した疑似エコー信号に遅延量Dで遅延するアップサンプリング処理を実行することで、遅延量2D+Dで遅延した全帯域の疑似エコー信号を生成するアップサンプリング処理部とを備え、第1の遅延制御部および第2の遅延制御部は、第1のエコー消去部の適応フィルタの応答時間であるタップ長Lが、L≧2D+D=D+Dとなるよう遅延量D,Dを制御することを特徴とする。
この発明によれば、演算量の増加を抑制し、かつ遅延の発生を抑えてエコーを消去することができるという効果がある。
この発明の実施の形態1に係るエコー消去装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態1におけるダウンサンプリング処理で使用するエイリアシングフィルタの特性の一例を示す図である。 実施の形態1におけるサブバンド適応フィルタ更新部の適応範囲の一例を示す図である。 実施の形態1におけるサブバンド疑似エコー生成部で生成された疑似エコーの適応範囲の例を示す図である。 この発明の実施の形態2に係るエコー消去装置の構成を示すブロック図である。
以下、この発明をより詳細に説明するため、この発明を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係るエコー消去装置の構成を示すブロック図である。図1に示すエコー消去装置は、スピーカ10への受信信号を基にエコー経路を推定して疑似エコー信号を生成し、マイク20を介して入力された送信信号から疑似エコー信号を減算してエコー消去を行うエコー消去装置であり、全帯域エコー消去部100a、低帯域エコー消去部100b、減算器103a,103b、ダウンサンプリング処理部104a,104b、遅延制御部105a,105bおよびアップサンプリング処理部108を備えて構成される。
全帯域エコー消去部100aは、受信信号と全帯域の適応フィルタ係数から疑似エコー信号を生成する第1のエコー消去部であり、疑似エコー生成部101および適応フィルタ更新部102を備えている。以降の説明では、適応フィルタとして、NLMS(Normalized Least Mean Squares filter)を用いることとする。ただし、この発明においては、LMS(Least Mean Squares)、RLS(Recursive Least Squares)、アフィン射影フィルタなど、他の適応フィルタを用いてもよい。
疑似エコー生成部101は、スピーカ10への受信信号と全帯域の適応フィルタ係数とから、エコーを消去するために、全帯域の疑似エコー信号を生成する疑似エコー生成部である。ここで、疑似エコー生成部101における適応フィルタの応答時間であるタップ長をLとする。
適応フィルタ更新部102は、減算器103aの出力信号および受信信号に基づいて、疑似エコー生成部101における適応フィルタの適応フィルタ係数を更新する第1の適応フィルタ更新部である。
減算器103aは、送信信号から、全帯域エコー消去部100aが生成した疑似エコー信号を減算する第1の減算器である。
また、減算器103bは、減算器103aの出力信号から、アップサンプリング処理部108が生成した疑似エコー信号を減算する第2の減算器である。
ダウンサンプリング処理部104aは、受信信号に対して遅延量Dで遅延するダウンサンプリング処理を実行することで、遅延量Dで遅延した低帯域成分を抽出する第1のダウンサンプリング処理部である。
ダウンサンプリング処理部104bは、減算器103bの出力信号に対して遅延量Dで遅延するダウンサンプリング処理を実行することで、遅延量Dで遅延した低帯域成分を抽出する第2のダウンサンプリング処理部である。
遅延制御部105aは、ダウンサンプリング処理部104aによって抽出された遅延量Dで遅延した低帯域成分に遅延量Dの遅延を挿入することで、遅延量D+Dで遅延した低帯域成分を出力する第1の遅延制御部である。
また、遅延制御部105bは、遅延制御部105aから出力された遅延量D+Dで遅延した信号に対して遅延量Dの遅延を挿入することで、遅延量D+D+Dで遅延した低帯域成分を出力する第2の遅延制御部である。
低帯域エコー消去部100bは、遅延制御部105a,105bの出力信号と低帯域の適応フィルタ係数から、遅延量D+Dで遅延した低帯域成分の疑似エコー信号を生成する適応フィルタを含んで構成される第2のエコー消去部である。
全帯域エコー消去部100aと同様に、以降の説明では、低帯域エコー消去部100bにおける適応フィルタとしてNLMSを用いる。ただし、LMS、RLS、アフィン射影フィルタなど、他の適応フィルタを用いてもよい。
また、低帯域エコー消去部100bは、サブバンド疑似エコー生成部106およびサブバンド適応フィルタ更新部107を備えている。
サブバンド疑似エコー生成部106は、遅延制御部105aの出力信号と低帯域の適応フィルタ係数から、遅延量D+Dで遅延した低帯域のサブバンドの疑似エコー信号を生成する適応フィルタを含んで構成される。
ここで、サブバンド疑似エコー生成部106における適応フィルタの応答時間であるタップ長をLとする。
サブバンド適応フィルタ更新部107は、遅延制御部105bの出力信号とダウンサンプリング処理部104bの出力信号に基づいて、サブバンド疑似エコー生成部106における適応フィルタの適応フィルタ係数を更新するサブバンド適応フィルタ更新部である。
アップサンプリング処理部108は、低帯域エコー消去部100bが生成した疑似エコー信号に対して遅延量Dで遅延するアップサンプリング処理を実行することで、遅延量2D+Dで遅延した全帯域の疑似エコー信号を生成する。
なお、実施の形態1に係る遅延制御部105a,105bは、全帯域エコー消去部100aにおける適応フィルタの応答時間であるタップ長LがL≧2D+D=D+Dとなるように遅延量D,Dを制御する。
このようにすることで、受信信号に遅延を発生させることなく、エコー消去処理を実施することができ、低遅延であることが必須なシステムに適用可能となる。
また、ダウンサンプリングによってサンプリング周波数を低減させることで、演算量を抑制することができる。
なお、エコー消去部100a,100b、減算器103a,103b、ダウンサンプリング処理部104a,104b、遅延制御部105a,105bおよびアップサンプリング処理部108は、スピーカ10およびマイク20が接続された情報処理装置のマイクロコンピュータが、この発明に特有な処理に関するプログラムを実行することで、ハードウェアとソフトウェアとが協働した具体的な手段として実現される。
次に動作について説明する。
全帯域エコー消去部100aにおいて、疑似エコー生成部101が、スピーカ10への受信信号と適応フィルタ更新部102により生成された適応フィルタ係数とから、エコー経路を推定して疑似エコー信号を生成する。この疑似エコー生成部101および適応フィルタ更新部102は、全帯域を対象としたエコーキャンセラとなる。
適応フィルタ更新部102は、減算器103aの出力信号および受信信号に基づいて、適応処理を行うことにより、疑似エコー生成部101の適応フィルタの適応フィルタ係数を更新する。ここで、減算器103aは、マイク20によって入力された送信信号から、疑似エコー生成部101が生成した疑似エコー信号を減算する。つまり、減算器103aの出力信号は、エコーが消去された全帯域の信号となる。
また、ダウンサンプリング処理部104aは、疑似エコー生成部101と同様に、上記受信信号を入力し、この受信信号にダウンサンプリング処理を施すことにより、受信信号から低帯域成分を抽出する。図2は、実施の形態1におけるダウンサンプリング処理で使用するエイリアシングフィルタの特性の一例を示す図である。図2において、FSはダウンサンプリング後のサンプリング周波数を表しており、遮断周波数はFS/2(ダウンサンプリング後のナイキスト周波数)よりも小さい周波数に設定したFIRフィルタであるため、1/2ダウンサンプリング処理を実施しても、その出力信号にエイリアシングが発生しない。このとき、フィルタリングの影響で受信信号に遅延が発生する。この遅延量をDとする。
ダウンサンプリング処理部104bは、減算器103bの出力信号にダウンサンプリング処理を施すことで、減算器103bの出力信号から低帯域成分を抽出する。ここでは、ダウンサンプリング処理部104bにおいても、ダウンサンプリング処理部104aと同様に、図2に示したエイリアシングフィルタを用いて、1/2ダウンサンプリングを実施する。すなわち、このダウンサンプリング処理においても遅延量Dの遅延が発生して、遅延量Dで遅延した低帯域成分が抽出される。
遅延制御部105aは、後段のサブバンド疑似エコー生成部106によって生成される疑似エコー信号がカバーする応答範囲を制御するために設けられる。
遅延制御部105aは、ダウンサンプリング処理部104aが抽出した、遅延量Dで遅延した低帯域成分を入力すると、この信号に遅延量Dの遅延を挿入して出力する。
つまり、遅延制御部105aからの出力信号は、遅延量D+Dで遅延している。
また、遅延制御部105bは、後段のサブバンド適応フィルタ更新部107が適応処理を行う適応フィルタによってカバーする応答範囲を制御するために設けられる。
遅延制御部105bは、遅延制御部105aから出力された遅延量D+Dで遅延した信号を入力すると、この信号に遅延量Dの遅延を挿入して出力する。つまり、遅延制御部105bからの出力信号は、遅延量D+D+Dで遅延している。
低帯域エコー消去部100bにおいて、サブバンド疑似エコー生成部106は、遅延制御部105aから出力された遅延量D+Dで遅延した信号と、サブバンド適応フィルタ更新部107から得た適応フィルタ係数とから、低帯域の疑似エコー信号を生成する。これにより、サブバンド疑似エコー生成部106により生成される疑似エコー信号は、遅延量D+Dで遅延している。
また、サブバンド適応フィルタ更新部107では、遅延制御部105bから出力された遅延量D+D+Dで遅延した信号と、ダウンサンプリング処理部104bから出力された遅延量Dで遅延した送信信号に基づいて適応処理を行う。ここで、低帯域エコー消去部100bにおける適応フィルタのタップ長をLとする。このように、サブバンド疑似エコー生成部106およびサブバンド適応フィルタ更新部107は、低帯域を対象としたエコーキャンセラとなる。
図3は、実施の形態1におけるサブバンド適応フィルタ更新部の適応範囲の一例を示す図である。エコー経路のインパルス応答に対する適応範囲は、図3に示すように、サブバンド適応フィルタ更新部107に入力される、遅延制御部105bの出力信号とダウンサンプリング処理部104bの出力信号との遅延差であるD+Dだけ遅れた時間から、タップ長L(応答時間)の長さ分の範囲となる。
つまり、全帯域のエコーキャンセラである、疑似エコー生成部101の適応フィルタのタップ長LがD+Dと等しい場合には、適応フィルタ更新部102とサブバンド適応フィルタ更新部107を合わせた適応範囲が過不足なるカバー可能となり、その適応時間は、L+Lとなる。
一方、アップサンプリング処理部108は、サブバンド疑似エコー生成部106およびサブバンド適応フィルタ更新部107により生成された疑似エコー信号をアップサンプリングする。ここでは、ダウンサンプリング処理部104aと同様に、図2に示したエイリアシングフィルタを用いて2倍のアップサンプリングを実行する。
すなわち、ダウンサンプリング処理部104aと同様に、アップサンプリングによって遅延量Dが発生するため、アップサンプリング処理部108により生成された全帯域のサブバンドの疑似エコー信号には、遅延量2D+Dで遅延している。
図4は、実施の形態1におけるサブバンド疑似エコー生成部で生成された疑似エコーの適応範囲の例を示す図である。図3で示したように、低帯域エコー消去部100bの適応フィルタの適応範囲は、遅延量D+Dだけ遅れている。
そこで、遅延制御部105a,105bが、2D+DとD+Dが等しい、つまりD=2Dとなるように遅延量D,Dを制御する。これにより、図4に示すように、サブバンド疑似エコー生成部106が生成したサブバンドの疑似エコー信号は、適応範囲のエコーのみを推定したものとなる。このようにすることで、システム全体として遅延の発生しないエコーキャンセル処理が可能となる。
なお、適応範囲を過不足なくカバーするため、図4では、L=2D+Dとしたが、遅延制御部105aが、L≧2D+Dとなるよう遅延量Dを制御することにより、カバーすべき適応範囲が重複する遅延の発生を抑制することができる。
なお、L<2D+Dとした場合、遅延は発生しないが、全帯域の適応フィルタとサブバンド適応フィルタとの適応範囲が不連続になり、残留エコーが発生する可能性があるため、望ましくない。
ダウンサンプリング処理部104a,104bが、図2の特性を有するフィルタを使用する場合を示したが、ダウンサンプリングの際にエイリアシングの発生しない特性を有するフィルタであればよく、図2に示す特性のフィルタに限定されるものではない。
また、上述の説明では、ダウンサンプリングのレートを1/2とした場合を示したが、ダウンサンプリングの際にエイリアシングの発生しない特性を有するフィルタであれば、任意のレートを選択してもよい。
さらに、ダウンサンプリング処理部104a,104bが同一のフィルタを使用する場合を示したが、異なる特性のフィルタを用いてダウンサンプリングを行ってもよい。
アップサンプリング処理部108が、図2の特性を有するフィルタを使用する場合を示したが、アップサンプリングの際にエイリアシングの発生しない特性を有するフィルタであればよく、図2に示す特性のフィルタに限定されるものではない。
また、上述の説明では、アップサンプリングのレートを2倍としたが、アップサンプリングの際にエイリアシングの発生しない特性を有するフィルタであれば、ダウンサンプリングのレートに合わせて任意のレートを選択してもよい。
さらに、アップサンプリング処理部108が、ダウンサンプリング処理部104a,104bと同一のフィルタを使用する場合を示したが、異なる特性のフィルタを用いてアップサンプリングを行ってもよい。
以上のように、この実施の形態1によれば、受信信号と全帯域の適応フィルタ係数とから、疑似エコー信号を生成する適応フィルタを含んで構成される全帯域エコー消去部100aと、受信信号に遅延量Dで遅延するダウンサンプリング処理を実行することで、遅延量Dで遅延した低帯域成分を抽出するダウンサンプリング処理部104aと、ダウンサンプリング処理部104aが抽出した低帯域成分に遅延量Dの遅延を挿入して遅延量D+Dで遅延した低帯域成分を出力する遅延制御部105aと、遅延制御部105aの出力信号に遅延量Dの遅延を挿入して遅延量D+D+Dで遅延した低帯域成分を出力する遅延制御部105bと、遅延制御部105aの出力信号と低帯域の適応フィルタ係数から、遅延量D+Dで遅延した低帯域の疑似エコー信号を生成する適応フィルタを含んで構成される低帯域エコー消去部100bと、低帯域エコー消去部100bが生成した疑似エコー信号に遅延量Dで遅延するアップサンプリング処理を実行することで、遅延量2D+Dで遅延した全帯域の疑似エコー信号を生成するアップサンプリング処理部108とを備え、遅延制御部105a,105bが、全帯域エコー消去部100aの適応フィルタの応答時間であるタップ長LがL≧2D+D=D+Dとなるように遅延量D,Dを制御する。
このように構成することで、スピーカ10への受信信号に遅延を発生させることなく、エコー消去を実施でき、低遅延が必須なシステムに適用することが可能となる。また、ダウンサンプリングによりサンプリング周波数を低減させることで、演算量の増加を抑制することができる。
また、この実施の形態1によれば、送信信号から、全帯域エコー消去部100aが生成した疑似エコー信号を減算する減算器103aと、減算器103aの出力信号から、アップサンプリング処理部108が生成した疑似エコー信号を減算する減算器103bと、減算器103bの出力信号に遅延量Dで遅延するダウンサンプリング処理を実行することで、遅延量Dで遅延した低帯域成分を抽出するダウンサンプリング処理部104bとを備え、全帯域エコー消去部100aが、受信信号と全帯域の適応フィルタ係数から疑似エコー信号を生成する適応フィルタを含んで構成される疑似エコー生成部101と、減算器103aの出力信号および受信信号に基づいて、疑似エコー生成部101の適応フィルタの適応フィルタ係数を更新する適応フィルタ更新部102とを備え、低帯域エコー消去部100bが、遅延制御部105aの出力信号と低帯域の適応フィルタ係数とから、遅延量D+Dで遅延した低帯域のサブバンドの疑似エコー信号を生成する適応フィルタを含んで構成されるサブバンド疑似エコー生成部106と、遅延制御部105bの出力信号とダウンサンプリング処理部104bの出力信号に基づいて、サブバンド疑似エコー生成部106における適応フィルタの適応フィルタ係数を更新するサブバンド適応フィルタ更新部107とを備える。このように構成することでも、演算量の増加を抑制し、かつ遅延の発生を抑えてエコーを消去することができる。
実施の形態2.
上記実施の形態1においては、後段のダウンサンプリング処理部104aが低帯域成分のみを抽出し、サブバンド疑似エコー生成部106およびサブバンド適応フィルタ更新部107が低帯域の疑似エコーを生成する場合を示したが、この実施の形態2では、複数の周波数帯域に分割、例えば低帯域と高帯域に2分割した信号で疑似エコー信号をそれぞれ生成する場合について説明する。
図5は、この発明の実施の形態2に係るエコー消去装置の構成を示すブロック図である。図5に示すエコー消去装置は、実施の形態1と同様に、スピーカ10への受信信号を基にエコー経路を推定して疑似エコー信号を生成し、マイク20を介して入力された送信信号から疑似エコー信号を減算してエコー消去を行うエコー消去装置であり、全帯域エコー消去部200a、分割帯域エコー消去部200b、減算器203a,203b、サブバンド分割処理部204a,204b、遅延制御部205a〜205dおよびサブバンド合成処理部208を備えて構成される。
全帯域エコー消去部200aは、実施の形態1と同様に、受信信号と全帯域の適応フィルタ係数から疑似エコー信号を生成する第1のエコー消去部であり、疑似エコー生成部201および適応フィルタ更新部202を備えている。
以降の説明では、適応フィルタとして、NLMSを用いることとする。ただし、この発明においては、LMS、RLS、アフィン射影フィルタなど、他の適応フィルタを用いてもよい。
疑似エコー生成部201は、スピーカ10への受信信号と全帯域の適応フィルタ係数とから、エコーを消去するために、全帯域の疑似エコー信号を生成する疑似エコー生成部である。ここで、疑似エコー生成部201における適応フィルタの応答時間であるタップ長をLとする。
適応フィルタ更新部202は、減算器203aの出力信号および受信信号に基づいて、疑似エコー生成部201における適応フィルタの適応フィルタ係数を更新する第1の適応フィルタ更新部である。
減算器203aは、送信信号から全帯域エコー消去部200aが生成した疑似エコー信号を減算する第1の減算器である。
また、減算器203bは、減算器203aの出力信号からサブバンド合成処理部208が生成した疑似エコー信号を減算する第2の減算器である。
サブバンド分割処理部204aは、受信信号を複数の周波数帯域のサブバンド信号に分割する第1のサブバンド分割処理部である。ここでは、サブバンド分割処理の方法として、QMF(Quadrature Mirror Filter)を用いる。
ただし、他の手法を用いてもよい。なお、QMFによるフィルタ処理によって、受信信号に遅延が発生する。この遅延量をDとする。
以降では、低帯域のサブバンド信号と高帯域のサブバンド信号に分割するものとする。
サブバンド分割処理部204bは、減算器203bの出力信号を複数の周波数帯域のサブバンド信号に分割する第2のサブバンド分割処理部である。ここでは、サブバンド分割処理部204bにおいてもQMFを使用する。ただし、他の手法を用いてもよい。
なお、QMFによるフィルタ処理によって、サブバンド分割処理部204bと同様に、減算器203bから入力した信号に遅延が発生する。この遅延量をDとする。
以降では、低帯域のサブバンド信号と高帯域のサブバンド信号に分割するものとする。
遅延制御部205aは、サブバンド分割処理部204aが分割した低帯域のサブバンド信号に遅延量Dの遅延を挿入して、遅延量D+Dで遅延した低帯域のサブバンド信号を出力する第1の遅延制御部である。
同様に、遅延制御部205cは、サブバンド分割処理部204aが分割した高帯域のサブバンド信号に遅延量Dの遅延を挿入して、遅延量D+Dで遅延した高帯域のサブバンド信号を出力する第1の遅延制御部である。
また、遅延制御部205bは、遅延制御部205aの出力信号に対して遅延量Dの遅延を挿入して、遅延量D+D+Dで遅延した低帯域のサブバンド信号を出力する第2の遅延制御部である。
遅延制御部205dは、遅延制御部205cの出力信号に対して遅延量Dの遅延を挿入して、遅延量D+D+Dで遅延した高帯域のサブバンド信号を出力する第2の遅延制御部である。
分割帯域エコー消去部200bは、遅延制御部205a,205cの出力信号と対応する周波数帯域の適応フィルタ係数から、遅延量D+Dで遅延した各周波数帯域の疑似エコー信号を生成する適応フィルタを含んで構成された第2のエコー消去部である。
全帯域エコー消去部200aの場合と同様に、以降の説明では、分割帯域エコー消去部200bにおける適応フィルタとしてNLMSを用いる。ただし、LMS、RLS、アフィン射影フィルタなど、他の適応フィルタを用いてもよい。
ここでは、分割帯域エコー消去部200bが、低帯域エコー消去部200b−1および高帯域エコー消去部200b−2を備える。
この低帯域エコー消去部200b−1が、遅延制御部205aから出力された低帯域のサブバンド信号とこれに対応する低帯域の適応フィルタ係数から、遅延量D+Dで遅延した低帯域の疑似エコー信号を生成する。
また、高帯域エコー消去部200b−2が、遅延制御部205cから出力された高帯域のサブバンド信号とこれに対応する高帯域の適応フィルタ係数から、遅延量D+Dで遅延した高帯域の疑似エコー信号を生成する。
低帯域エコー消去部200b−1は、サブバンド疑似エコー生成部206aおよびサブバンド適応フィルタ更新部207aを備えている。
サブバンド疑似エコー生成部206aは、遅延制御部205aの出力信号と低帯域の適応フィルタ係数から、遅延量D+Dで遅延した低帯域のサブバンドの疑似エコー信号を生成する適応フィルタを含んで構成される。
ここで、サブバンド疑似エコー生成部206aにおける適応フィルタの応答時間であるタップ長をLとする。
サブバンド適応フィルタ更新部207aは、遅延制御部205bの出力信号およびサブバンド分割処理部204bの出力信号に基づいて、サブバンド疑似エコー生成部206aの適応フィルタの適応フィルタ係数を更新するサブバンド適応フィルタ更新部である。
高帯域エコー消去部200b−2は、サブバンド疑似エコー生成部206bおよびサブバンド適応フィルタ更新部207bを備えている。
サブバンド疑似エコー生成部206bは、遅延制御部205cの出力信号と高帯域の適応フィルタ係数から、遅延量D+Dで遅延した高帯域の疑似エコー信号を生成する適応フィルタを含んで構成される。ここで、サブバンド疑似エコー生成部206bにおける適応フィルタの応答時間であるタップ長をLとする。
サブバンド適応フィルタ更新部207bは、遅延制御部205dの出力信号およびサブバンド分割処理部204bの出力信号に基づいて、サブバンド疑似エコー生成部206bの適応フィルタの適応フィルタ係数を更新するサブバンド適応フィルタ更新部である。
サブバンド合成処理部208は、分割帯域エコー消去部200bが生成した各周波数帯域の疑似エコー信号を遅延量Dで全帯域に合成することで、遅延量2D+Dで遅延した全帯域の疑似エコー信号を生成する。
なお、実施の形態2に係る遅延制御部205a〜205dは、全帯域エコー消去部100aの適応フィルタの応答時間であるタップ長LがL≧2D+D=D+Dとなるように遅延量D,Dを制御する。
このようにすることで、受信信号に遅延を発生させることなく、エコー消去処理を実施することができ、低遅延であることが必須なシステムに適用可能となる。
また、サブバンド分割によってサンプリング周波数を低減させることで、演算量を抑制することができる。
なお、全帯域エコー消去部200a、分割帯域エコー消去部200b、減算器203a,203b、サブバンド分割処理部204a,204b、遅延制御部205a〜205dおよびサブバンド合成処理部208は、スピーカ10およびマイク20が接続された情報処理装置のマイクロコンピュータが、この発明に特有な処理に関するプログラムを実行することで、ハードウェアとソフトウェアとが協働した具体的な手段として実現される。
次に動作について説明する。
全帯域エコー消去部200aにおいて、疑似エコー生成部201が、スピーカ10への受信信号と適応フィルタ更新部202により生成された適応フィルタ係数とから、エコー経路を推定して疑似エコー信号を生成する。この疑似エコー生成部201および適応フィルタ更新部202は、全帯域を対象としたエコーキャンセラとなる。
適応フィルタ更新部202は、減算器203aの出力信号および受信信号に基づいて、適応処理を行うことにより、疑似エコー生成部201の適応フィルタの適応フィルタ係数を更新する。ここで、減算器203aは、マイク20によって入力された送信信号から、疑似エコー生成部201が生成した疑似エコー信号を減算する。つまり、減算器203aの出力信号は、エコーが消去された全帯域の信号となる。
サブバンド分割処理部204aは、疑似エコー生成部201と同様に上記受信信号を入力して、この受信信号を低帯域と高帯域のサブバンド信号に分割する。
サブバンド分割処理部204aが分割した低帯域のサブバンド信号は、遅延制御部205a,205bおよび低帯域エコー消去部200b−1によって処理される。
また、高帯域のサブバンド信号は、遅延制御部205c,205dおよび高帯域エコー消去部200b−2によって処理される。
遅延制御部205a,205bおよび低帯域エコー消去部200b−1と、遅延制御部205c,205dおよび高帯域エコー消去部200b−2においては、処理対象の信号が低帯域と高帯域のサブバンド信号であることだけの違いであるので、以降では、低帯域のサブバンド信号に対する処理を説明する。
遅延制御部205aは、後段のサブバンド疑似エコー生成部206aにより生成される疑似エコー信号がカバーする応答範囲を制御するために設けられる。
遅延制御部205aは、サブバンド分割処理部204aが分割した、遅延量Dで遅延した低帯域のサブバンド信号を入力すると、この信号に遅延量Dの遅延を挿入して出力する。つまり、遅延制御部205aの出力信号は、遅延量D+Dで遅延している。
また、遅延制御部205bは、後段のサブバンド適応フィルタ更新部207aが適応処理を行う適応フィルタによってカバーする応答範囲を制御するために設けられる。
遅延制御部205bは、遅延制御部205aから出力された遅延量D+Dで遅延したサブバンド信号を入力すると、このサブバンド信号に遅延量Dの遅延を挿入して出力する。つまり、遅延制御部205bの出力信号は遅延量D+D+Dで遅延している。
低帯域エコー消去部200b−1において、サブバンド疑似エコー生成部206aは、遅延制御部205aから出力された遅延量D+Dで遅延したサブバンド信号と、サブバンド適応フィルタ更新部207aが生成した適応フィルタ係数から、低帯域の疑似エコー信号を生成する。これにより、サブバンド疑似エコー生成部206aによって生成される疑似エコー信号は、遅延量D+Dで遅延している。
また、サブバンド適応フィルタ更新部207aでは、遅延制御部205bから出力された遅延量D+D+Dで遅延したサブバンド信号と、サブバンド分割処理部204bから出力された遅延量Dで遅延した送信信号に基づいて適応処理を行う。
ここで、低帯域エコー消去部200b−1の適応フィルタのタップ長をLとする。
エコー経路のインパルス応答に対する適応範囲は、図3に示すように、サブバンド適応フィルタ更新部207aに入力される、遅延制御部205bの出力信号とサブバンド分割処理部204bの出力信号との遅延差であるD+Dだけ遅れた時間から、タップ長L(応答時間)の長さ分の範囲となる。
つまり、全帯域のエコーキャンセラである、疑似エコー生成部201の適応フィルタのタップ長LがD+Dと等しい場合には、適応フィルタ更新部202とサブバンド適応フィルタ更新部207aを合わせた適応範囲が過不足なるカバー可能となり、その適応時間は、L+Lとなる。
上述した低帯域成分に対する処理と同様にして、高帯域成分に対する処理を行うことにより、適応範囲を同じにすることができる。
サブバンド合成処理部208では、サブバンド疑似エコー生成部206a,206bが生成した低帯域および高帯域の疑似エコーを全帯域に合成する。ここでは、QMFによるフィルタ処理によって信号に遅延量Dが発生する。
つまり、サブバンド合成処理部208が合成した疑似エコーは、遅延量2D+Dで遅延している。
低帯域エラー消去部200b−1の適応フィルタの適応範囲は、図3で示したように、遅延量D+Dだけ遅れている。
そこで、遅延制御部205a,205bが、遅延量2D+Dと遅延量D+Dとが等しい、つまりD=2Dとなるように遅延量D,Dを制御する。これにより、図4に示すように、サブバンド疑似エコー生成部206aが生成したサブバンドの疑似エコー信号は、適応範囲のエコーのみを推定したものとなる。
このようにすることで、システム全体として遅延の発生しないエコーキャンセル処理が可能となる。
なお、適応範囲を過不足なくカバーするため、図4では、L=2D+Dとしたが、遅延制御部205aが、L≧2D+Dとなるよう遅延量Dを制御することにより、カバーすべき適応範囲が重複する遅延の発生を抑制することができる。
なお、L<2D+Dとした場合には、遅延は発生しないが、全帯域の適応フィルタとサブバンド適応フィルタとの適応範囲が不連続になり、残留エコーが発生する可能性があるため、望ましくない。
以上のように、この実施の形態2によれば、受信信号と全帯域の適応フィルタ係数とから、疑似エコー信号を生成する適応フィルタを含んで構成された全帯域エコー消去部200aと、受信信号を遅延量Dで低帯域と高帯域のサブバンド信号に分割するサブバンド分割処理部204aと、サブバンド分割処理部204aが分割した低帯域と高帯域のサブバンド信号に遅延量Dの遅延を挿入する遅延制御部205a,205cと、遅延制御部205a,205cの出力信号に遅延量Dの遅延を挿入する遅延制御部205b,205dと、遅延制御部205a,205cの出力信号と対応する低帯域と高帯域の適応フィルタ係数から、遅延量D+Dで遅延した低帯域と高帯域の疑似エコー信号を生成する適応フィルタを含んで構成された分割帯域エコー消去部200bと、分割帯域エコー消去部200bが生成した低帯域と高帯域の疑似エコー信号を遅延量Dで全帯域に合成し、遅延量2D+Dで遅延した全帯域の疑似エコー信号を生成するサブバンド合成処理部208とを備え、遅延制御部205a,205bおよび遅延制御部205c,205dが、全帯域エコー消去部200aの適応フィルタの応答時間であるタップ長Lが、L≧2D+D=D+Dとなるように遅延量D,Dを制御する。
このように構成することで、スピーカ10への受信信号に遅延を発生させることなく、エコー消去を実施でき、低遅延が必須なシステムに適用することが可能となる。
また、サブバンド分割処理によってサンプリング周波数を低減させることで、演算量の増加を抑制することができる。
また、この実施の形態2によれば、送信信号から、全帯域エコー消去部200aが生成した疑似エコー信号を減算する減算器203aと、減算器203aの出力信号から、サブバンド合成処理部208が生成した疑似エコー信号を減算する減算器203bと、減算器203bの出力信号を遅延量Dで低帯域と高帯域のサブバンド信号に分割するサブバンド分割処理部204bとを備え、全帯域エコー消去部200aが、受信信号と全帯域の適応フィルタ係数から、疑似エコー信号を生成する適応フィルタを含んで構成される疑似エコー生成部201と、減算器203aの出力信号および受信信号に基づいて、疑似エコー生成部201の適応フィルタの適応フィルタ係数を更新する適応フィルタ更新部202とを備え、分割帯域エコー消去部200bが、低帯域と高帯域に設けられ、遅延制御部205aから出力された低帯域と高帯域のサブバンド信号と対応する低帯域と高帯域の適応フィルタ係数から、遅延量D+Dで遅延した低帯域と高帯域の疑似エコー信号を生成する適応フィルタを含んで構成されるサブバンド疑似エコー生成部206a,206bと、低帯域と高帯域に設けられ、遅延制御部205b,205dの出力信号とサブバンド分割処理部204bが分割した低帯域と高帯域のサブバンド信号に基づいて、サブバンド疑似エコー生成部206a,206bの適応フィルタの適応フィルタ係数をそれぞれ更新するサブバンド適応フィルタ更新部207a,207bとを備える。
このように構成することでも、演算量の増加を抑制し、かつ遅延の発生を抑えてエコーを消去することができる。
なお、本発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
この発明に係るエコー消去装置は、演算量の増加を抑制し、かつ、遅延の発生を抑えてエコーを消去することができるので、例えば、車内に搭載したハンズフリー通話システムなどに好適である。
10 スピーカ、20 マイク、100a,200a 全帯域エコー消去部、100b,200b−1 低帯域エコー消去部、101,201 疑似エコー生成部、102,202 適応フィルタ更新部、103a,203a,103b,203b 減算器、104a,104b ダウンサンプリング処理部、105a,105b,205a〜205d 遅延制御部、106,206a,206b サブバンド疑似エコー生成部、107,207a,207b サブバンド適応フィルタ更新部、108 アップサンプリング処理部、208 サブバンド合成処理部。
この発明に係るエコー消去装置は、受信信号に基づいて第1の疑似エコー信号を生成する第1の適応フィルタと、受信信号をダウンサンプリング処理して低帯域成分を抽出する第1のダウンサンプリング処理部と、第1のダウンサンプリング処理部が抽出した低帯域成分に遅延を挿入して第1の適応フィルタの応答時間であるタップ長に等しいか、またはタップ長よりも短い遅延量で遅延した低帯域成分を出力する遅延制御部と、第1のダウンサンプリング処理部が抽出した低帯域成分に基づいて第2の疑似エコー信号を生成する第2の適応フィルタと、遅延制御部の出力信号に基づいて第2の適応フィルタの適応フィルタ係数を求める第2の適応フィルタ更新部と、第2の疑似エコー信号をアップサンプリング処理して第3の疑似エコー信号を生成するアップサンプリング処理部とを備えたことを特徴とする。
この発明に係るエコー消去装置は、受信信号と全帯域の適応フィルタ係数とから第1の疑似エコー信号を生成する適応フィルタを含んで構成される第1のエコー消去部と、受信信号に遅延量D で遅延するダウンサンプリング処理を実行することで、遅延量D で遅延した低帯域成分を抽出する第1のダウンサンプリング処理部と、第1のダウンサンプリング処理部が抽出した低帯域成分に遅延量D 遅延を挿入して遅延量D +D で遅延した低帯域成分を出力する第1の遅延制御部と、第1の遅延制御部の出力信号に遅延量D の遅延を挿入して遅延量D +D +D で遅延した低帯域成分を出力する第2の遅延制御部と、第1の遅延制御部の出力信号と低帯域の適応フィルタ係数とから、遅延量D +D で遅延した低帯域の第2の疑似エコー信号を生成する適応フィルタを含んで構成される第2のエコー消去部と、第2のエコー消去部が生成した第2の疑似エコー信号に遅延量D で遅延するアップサンプリング処理を実行することで、遅延量2D +D で遅延した全帯域の第3の疑似エコー信号を生成するアップサンプリング処理部と、送信信号から、第1のエコー消去部が生成した第1の疑似エコー信号を減算する第1の減算器と、第1の減算器の出力信号から、アップサンプリング処理部が生成した第3の疑似エコー信号を減算して送信信号として出力する第2の減算器と、第2の減算器の出力信号に遅延量D で遅延するダウンサンプリング処理を実行することで、遅延量D で遅延した低帯域成分を抽出する第2のダウンサンプリング処理部とを備え、第1の遅延制御部および第2の遅延制御部は、第1のエコー消去部の適応フィルタの応答時間であるタップ長L が、L ≧2D +D =D +D となるよう遅延量D ,D を制御することを特徴とする。

Claims (4)

  1. 受信信号と全帯域の適応フィルタ係数から、疑似エコー信号を生成する適応フィルタを含んで構成される第1のエコー消去部と、
    前記受信信号に遅延量Dで遅延するダウンサンプリング処理を実行することで、遅延量Dで遅延した低帯域成分を抽出する第1のダウンサンプリング処理部と、
    前記第1のダウンサンプリング処理部が抽出した低帯域成分に遅延量Dの遅延を挿入して遅延量D+Dで遅延した低帯域成分を出力する第1の遅延制御部と、
    前記第1の遅延制御部の出力信号に遅延量Dの遅延を挿入して遅延量D+D+Dで遅延した低帯域成分を出力する第2の遅延制御部と、
    前記第1の遅延制御部の出力信号と低帯域の適応フィルタ係数から、遅延量D+Dで遅延した低帯域の疑似エコー信号を生成する適応フィルタを含んで構成される第2のエコー消去部と、
    前記第2のエコー消去部が生成した疑似エコー信号に遅延量Dで遅延するアップサンプリング処理を実行することで、遅延量2D+Dで遅延した全帯域の疑似エコー信号を生成するアップサンプリング処理部とを備え、
    前記第1の遅延制御部および前記第2の遅延制御部は、前記第1のエコー消去部の適応フィルタの応答時間であるタップ長Lが、L≧2D+D=D+Dとなるよう遅延量D,Dを制御することを特徴とするエコー消去装置。
  2. 送信信号から、前記第1のエコー消去部が生成した前記疑似エコー信号を減算する第1の減算器と、
    前記第1の減算器の出力信号から、前記アップサンプリング処理部が生成した疑似エコー信号を減算する第2の減算器と、
    前記第2の減算器の出力信号に遅延量Dで遅延するダウンサンプリング処理を実行することで、遅延量Dで遅延した低帯域成分を抽出する第2のダウンサンプリング処理部とを備え、
    前記第1のエコー消去部は、
    前記受信信号と前記全帯域の適応フィルタ係数から、前記疑似エコー信号を生成する適応フィルタを含んで構成される疑似エコー生成部と、
    前記第1の減算器の出力信号および前記受信信号に基づいて、前記疑似エコー生成部の適応フィルタの適応フィルタ係数を更新する第1の適応フィルタ更新部とを備え、
    前記第2のエコー消去部は、
    前記第1の遅延制御部の出力信号と前記低帯域の適応フィルタ係数から、遅延量D+Dで遅延した低帯域の疑似エコー信号を生成する適応フィルタを含んで構成されるサブバンド疑似エコー生成部と、
    前記第2の遅延制御部の出力信号と前記第2のダウンサンプリング処理部の出力信号に基づいて、前記サブバンド疑似エコー生成部の適応フィルタの適応フィルタ係数を更新するサブバンド適応フィルタ更新部とを備えることを特徴とする請求項1記載のエコー消去装置。
  3. 受信信号と全帯域の適応フィルタ係数から、疑似エコー信号を生成する適応フィルタを含んで構成される第1のエコー消去部と、
    前記受信信号を、遅延量Dでそれぞれ遅延した複数の周波数帯域のサブバンド信号に分割する第1のサブバンド分割処理部と、
    前記第1のサブバンド分割処理部が分割したサブバンド信号に遅延量Dの遅延を挿入することで、遅延量D+Dでそれぞれ遅延した各周波数帯域のサブバンド信号を出力する第1の遅延制御部と、
    前記第1の遅延制御部の出力信号に遅延量Dの遅延を挿入して遅延量D+D+Dで遅延した各周波数帯域のサブバンド信号を出力する第2の遅延制御部と、
    前記第1の遅延制御部の出力信号と対応する周波数帯域の適応フィルタ係数から、遅延量D+Dで遅延した各周波数帯域の疑似エコー信号を生成する適応フィルタを含んで構成された第2のエコー消去部と、
    前記第2のエコー消去部が生成した各周波数帯域の疑似エコー信号を遅延量Dで合成することで、遅延量2D+Dで遅延した全帯域の疑似エコー信号を生成するサブバンド合成処理部とを備え、
    前記第1の遅延制御部および前記第2の遅延制御部は、前記第1のエコー消去部の適応フィルタの応答時間であるタップ長Lが、L≧2D+D=D+Dとなるよう遅延量D,Dを制御することを特徴とするエコー消去装置。
  4. 送信信号から、前記第1のエコー消去部が生成した前記疑似エコー信号を減算する第1の減算器と、
    前記第1の減算器の出力信号から、前記サブバンド合成処理部が生成した前記疑似エコー信号を減算する第2の減算器と、
    前記第2の減算器の出力信号を、遅延量Dで遅延した複数の周波数帯域のサブバンド信号に分割する第2のサブバンド分割処理部とを備え、
    前記第1のエコー消去部は、
    前記受信信号と前記全帯域の適応フィルタ係数から、前記疑似エコー信号を生成する適応フィルタを含んで構成される疑似エコー生成部と、
    前記第1の減算器の出力信号および前記受信信号に基づいて、前記疑似エコー生成部の適応フィルタの適応フィルタ係数を更新する第1の適応フィルタ更新部とを備え、
    前記第2のエコー消去部は、
    前記周波数帯域ごとに設けられ、前記第1の遅延制御部の出力信号と対応する周波数帯域の適応フィルタ係数から、遅延量D+Dで遅延した各周波数帯域の疑似エコー信号を生成する適応フィルタを含んで構成される複数のサブバンド疑似エコー生成部と、
    前記周波数帯域ごとに設けられ、前記第2の遅延制御部の出力信号と前記第2のサブバンド分割処理部が生成した各周波数帯域のサブバンド信号に基づいて、前記複数のサブバンド疑似エコー生成部の適応フィルタの適応フィルタ係数をそれぞれ更新する複数のサブバンド適応フィルタ更新部とを備えることを特徴とする請求項3記載のエコー消去装置。
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