JPWO2014163063A1 - 板ガラスの成形方法、及び板ガラスの成形装置 - Google Patents

板ガラスの成形方法、及び板ガラスの成形装置 Download PDF

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Abstract

成形体1の頂部に形成された供給溝2から両側に溢れ出た溶融ガラスMGを、成形体1の楔状をなす傾斜面部3bに沿って、その幅方向における広がりを一対のガイド4で規制しつつ流下させ、成形体1の下端部5で融合一体化させて板ガラスを成形する板ガラスの成形方法において、ガイド4の傾斜面部3bからの突出寸法をHとし、一対のガイド4間を流下する溶融ガラスMGの厚みをTとしたとき、その比率H/Tの値を、0.8〜1.5に設定した。

Description

本発明は、オーバーフローダウンドロー法を利用した板ガラスの成形方法、及び板ガラスの成形装置に関する。
周知のように、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ(FPD)用のガラス基板に代表される板ガラス製品には、表面欠陥や、うねりに対して厳しい品質が要求される。そのため、この種の板ガラス製品の製造方法としては、平滑で欠陥の少ないガラス表面を得ることが可能なオーバーフローダウンドロー法を採用する場合が多い。
このオーバーフローダウンドロー法の一例が、下記の特許文献1に開示されている。同文献には、成形体の頂部に形成された供給溝から両側に溢れ出た溶融ガラスを、成形体の楔状をなす傾斜面部に沿って、その幅方向における広がりを一対のガイドで規制しつつ流下させ、成形体の下端部で融合一体化させて板ガラスを成形する態様が開示されている。
特開2012−214349号公報
ところで、このオーバーフローダウンドロー法により板ガラスの成形を実施した場合、成形体の傾斜面部を流下する溶融ガラスの流れが、不安定になりやすい。詳述すると、流下中の溶融ガラスには、重力、及び溶融ガラスの表面張力の影響によって、ガイドの近傍において、当該ガイドから離れ、幅方向の中央側へと寄っていく流れが生じる。
これにより、溶融ガラスの幅方向における両端には、中央部に対して、その厚みが局所的に薄い部分や、厚い部分が発生する。このような事態を生じると、当該溶融ガラスから成形される板ガラスの板厚が、幅方向において不均一となり、ガラス表面の平滑度が低下してしまう問題がある。これに起因して、成形後の板ガラス(ガラスリボン)から製品サイズの板ガラスを切出すような際に、割れの発生等、ガラスの破損を誘発する場合があった。
上記事情に鑑みなされた本発明は、オーバーフローダウンドロー法によって板ガラスを成形する場合に、成形体の傾斜面部を流下する溶融ガラスの厚みが、幅方向において不均一となることを抑制し、当該溶融ガラスから成形される板ガラスの表面における平滑度を向上させることを技術的課題とする。
上記課題を解決するために創案された本発明に係る方法は、成形体の頂部に形成された供給溝から両側に溢れ出た溶融ガラスを、前記成形体の楔状をなす傾斜面部に沿って、その幅方向における広がりを一対のガイドで規制しつつ流下させ、前記成形体の下端部で融合一体化させて板ガラスを成形する板ガラスの成形方法において、前記ガイドの前記傾斜面部からの突出寸法をHとし、一対のガイド間を流下する前記溶融ガラスの厚みをTとしたとき、その比率H/Tの値が、0.8〜1.5に設定されていることに特徴付けられる。
本発明者は、鋭意研究の結果、傾斜面部において、ガイドの傾斜面部からの突出寸法をHとし、一対のガイド間を流下する溶融ガラスの厚みをTとしたとき、その比率H/Tの値が変化するのに伴って、ガイドの近傍において、溶融ガラスの幅方向における両端が、当該ガイドから離れ、幅方向の中央側へと寄っていく度合が変化することを知見するに至った。さらには、H/Tの値を、0.8〜1.5に設定した場合、ガイドから離れ、幅方向の中央側へと寄る流れ(以下、離間流れという)の発生を可及的に抑制できることを見出した。以上のことから、このような方法によれば、溶融ガラスの幅方向における両端において、中央部に対して、その厚みが局所的に薄い部分や、厚い部分が生じることを防止できる。その結果、流下中の溶融ガラスの厚みが、幅方向において不均一となることが抑制され、当該溶融ガラスから成形される板ガラスの表面における平滑度を向上させることができる。なお、上述のような効果が得られるのは、以下の理由によるものと想定されている。すなわち、Hに対して、Tが小さすぎる場合、表面張力によって、ガイドが溶融ガラスの両端を引っ張る力が過大となる。そのため、離間流れを阻止する力も過大となり、両端の厚みが中央部に対して大きくなってしまう。一方、Hに対して、Tが大きすぎる場合、表面張力によって、ガイドが溶融ガラスの両端を引っ張る力が不十分となる。そのため、離間流れを阻止する力も不十分となり、両端の厚みが中央部に対して小さくなってしまう。しかしながら、H/Tの値を、0.8〜1.5に設定した場合には、離間流れを阻止する力が最適となっているものと想定される。
上記の方法において、前記比率H/Tの値が、1.1〜1.3に設定されていることが好ましい。
このようにすれば、離間流れの発生を、さらに効果的に抑制することが可能であった。また、ガイドの傾斜面部からの突出寸法Hの値が、一対のガイド間を流下する溶融ガラスの厚みTの値よりも大きくなるため、流下中の溶融ガラスが、重力の影響によってガイドを乗り越え、成形体の傾斜面部から逸脱してしまうような事態の発生を可及的に防止することができる。
上記の方法において、前記突出寸法Hを、前記溶融ガラスが前記傾斜面部を流下する方向に沿って漸次に大きくすることが好ましい。
傾斜面部に沿って流下する溶融ガラスは、流下に伴って次第にその温度が低下していくことから、当該溶融ガラスの粘度は、流下に伴って徐々に増していくことになる。これにより、溶融ガラスの厚みTもまた流下に伴って徐々に大きくなっていく。従って、突出寸法Hを、溶融ガラスが傾斜面部を流下する方向に沿って漸次に大きくすれば、離間流れを阻止する力を最適とする上で有利である。また、突出寸法Hの大きさを最適化することにもつながるため、例えば、白金、ロジウム等の白金族元素を含有する材料で構成されるガイドについて、不当に余分な材料を使用する必要がなくなり、材料コストを低減する上でも好適である。
また、上記課題を解決するために創案された本発明に係る装置は、頂部に形成された供給溝から両側に溢れ出た溶融ガラスを、楔状をなす傾斜面部に沿って、その幅方向における広がりを一対のガイドで規制しつつ流下させ、下端部で融合一体化させて板ガラスを成形する成形体を備えた板ガラスの成形装置において、前記ガイドの前記傾斜面部からの突出寸法をHとし、一対のガイド間を流下する前記溶融ガラスの厚みをTとしたとき、その比率H/Tの値が、0.8〜1.5をとるようにHの値が設定されていることに特徴付けられる。
このような構成によれば、一対のガイド間を流下する溶融ガラスの厚みTを設計上の厚みとして決定した後、ガイドの傾斜面部からの突出寸法をHとして、H/Tの値が0.8〜1.5をとるようにHの値を設定(設計)した場合には、上記の板ガラスの成形方法について、既に述べた事項と同様の作用効果を享受することが可能となる。
上記の構成において、前記比率H/Tの値が、1.1〜1.3をとるようにHの値が設定されていることが好ましい。
このようにすれば、上記の板ガラスの成形方法について、既に述べた事項と同様の作用効果を享受することが可能となる。
上記の構成において、前記突出寸法Hを、前記溶融ガラスが前記傾斜面部を流下する方向に沿って漸次に大きくすることが好ましい。
このようにすれば、上記の板ガラスの成形方法について、既に述べた事項と同様の作用効果を享受することが可能となる。
以上のように、本発明によれば、オーバーフローダウンドロー法により板ガラスを成形する場合に、成形体の傾斜面部を流下する溶融ガラスの厚みが、幅方向において不均一となることを抑制できるため、当該溶融ガラスから成形される板ガラスの表面における平滑度を向上させることが可能となる。
本発明の第一実施形態に係る板ガラスの成形装置を示す側面図である。 本発明の第一実施形態に係る板ガラスの成形装置を示す縦断正面図である。 本発明の第一実施形態に係る板ガラスの成形方法の作用効果を説明するための図である。 本発明の第一実施形態に係る板ガラスの成形方法の作用効果を説明するための図である。 本発明の第一実施形態に係る板ガラスの成形方法の作用効果を説明するための図である。 ガイドからの距離と、溶融ガラスの厚みとの関係を示す図である。 ガイドの傾斜面部からの突出寸法Hと一対のガイド間を流下する溶融ガラスの厚みTとの比率H/Tと、溶融ガラスの厚みの標準偏差σとの関係を示す図である。 本発明の第二実施形態に係る板ガラスの成形装置を示す縦断正面図である。 溶融ガラスの温度と粘度と厚みTとの関係を示す図である。 溶融ガラスの厚みTとガイドの傾斜面部からの突出寸法Hとの関係を示す図である。
以下、本発明の実施形態に係る板ガラスの成形装置について、添付の図面を参照して説明する。
<第一実施形態>
図1は、本発明の第一実施形態に係る板ガラスの成形装置を示す側面図であり、図2は、その縦断正面図である。これらの図に示すように、板ガラスの成形装置は、オーバーフローダウンドロー法を実施するための成形体1を主要な要素として構成される。
成形体1は、製造される板ガラスの幅方向(図1において左右方向)に長尺となっており、その頂部には、溶融ガラスMGを流し込むための供給溝2が形成されている。そして、この供給溝2から両側に溢れ出した溶融ガラスMGが、その幅方向における広がりを一対のガイド4で規制されつつ、成形体1の外側面部3に沿って流下し、当該成形体1の下端部5で融合一体化される。なお、融合一体化された溶融ガラスMGは、図外の牽引ローラー等により、その表面側、及び裏面側を挟持されながら下方へと送られる。
供給溝2は、溶融ガラスMGの流入元側(図1において左側)から流入先側(図1において右側)に向かって、その底部2aが、登り勾配となるように形成されている。さらに、供給溝2の側壁における上端に位置し、且つ溶融ガラスMGが溢れ出す部位となる溢流部2bは、流入元側から流入先側に向かって、下り勾配となるように形成されている。これにより、流入元側から流入先側に移行するにつれて、供給溝2に流入した溶融ガラスMGの深さが、漸次に浅くなる構成となっている。
外側面部3は、溢流部2bに連なって供給溝2の両側に形成されており、一対の外側面部3の各々は、水平面に垂直な垂直面部3aと、当該垂直面部3aの下方に連なった傾斜面部3bとからなる。一対の傾斜面部3bは、それぞれ垂直面部3aに対し、角度θだけ傾斜しており、下方に移行するにつれて互いに接近し、成形体1の下端部5で合流する。これにより、一対の傾斜面部3aが楔状をなす。なお、θの値としては、1〜10[°]であることが好ましい。
成形体1の長手方向における両端には、それぞれ平板部材が取り付けられており、その外周縁部は、外側面部3から外方に離反するように突き出している。この突き出した部位がガイド4をなすと共に、溶融ガラスMGが流下する経路(方向)に沿って延び、溶融ガラスMGの幅方向への広がりを規制している。ここで、このガイド4(平板部材)の材質としては、白金、ロジウム等の白金族元素を含有する材料を使用することができる。さらに、ガイド4の傾斜面部3bからの突出寸法Hは、一対のガイド4間を流下する溶融ガラスMGの厚みTに基づいて設定(設計)され、その比率H/Tの値が、0.8〜1.5をとるように、より好ましくは、1.1〜1.3をとるように設定(設計)される。加えて、一対の外側面部3から突き出たガイド4の各々は、成形体1の下端部5の近傍において、下方に移行するにつれて、傾斜面部3bからの突出寸法Hが低くなると共に、成形体1の下端部5で高さHが零となる。なお、一対のガイド4の各々は、傾斜面部3bからの突出寸法Hが互いに同一となっている。また、ガイド4の垂直面部3aからの突出寸法は、上術のHと同一とされている。
ここで、溶融ガラスの厚みT[m]の値は、溶融ガラスMGの平均粘度をμ[Pa・s]、流量をV[m3/s]、密度をρ[kg/m3]、重力加速度をg[m/s2]とし、これらのパラメーターと上述の角度θから、例えば、下記の〔数1〕式により、設計上の厚みとして予め決定される。そして、この決定された設計上の厚みに基づいて、ガイド4の傾斜面部3bからの突出寸法Hが設定(設計)される。なお、この〔数1〕式から算出されるTの値は、一対のガイド4間を流下する溶融ガラスMGの平均厚みであり、幅方向における両端を除いた部位において、溶融ガラスMGの厚みは、この平均厚みと略等しくなる。
Figure 2014163063
なお、比率H/Tの値の設定は、上述のように、傾斜面部3bを流下する溶融ガラスMGの厚みT(設計上の厚み)を予め決定して、このTの値からガイド4の傾斜面部3bからの突出寸法Hを設定(設計)する態様の他、予め定まったガイド4の傾斜面部3bからの突出寸法Hに対して、〔数1〕式の各パラメーターを制御することにより、厚みTを調整する態様とすることもできる。
以下、上述の板ガラスの成形装置を用いた本発明の第一実施形態に係る板ガラスを成形方法の作用効果について、添付の図面を参照して説明する。
傾斜面部3bにおいて、一対のガイド4間を流下する溶融ガラスMGには、重力、及び溶融ガラスMGの表面張力の影響によって、ガイド4の近傍において、当該ガイド4から離れ、幅方向の中央側へと寄っていく流れ(以下、離間流れという)が生じる。本発明者は、鋭意研究の結果、ガイド4の傾斜面部3bからの突出寸法Hと、一対のガイド4間を流下する溶融ガラスMGの厚みTとの比率H/Tの値が変化するのに伴い、この離間流れにおいて、ガイド4から離れ、幅方向の中央側へと寄っていく度合が変化することを知見するに至った。
さらに、H/Tの値が、0.8〜1.5をとるように、より好ましくは、1.1〜1.3をとるように設定をすれば、離間流れの発生を可及的に抑制できることを見出した。これにより、溶融ガラスMGの幅方向における両端において、中央部に対し、その厚みが局所的に薄い部分や、厚い部分が生じることを防止できる。その結果、流下中の溶融ガラスMGの厚みが、幅方向において不均一となることが抑制され、当該溶融ガラスMGから成形される板ガラスの表面における平滑度を向上させることができる。
ここで、上述のような作用効果が得られるのは、以下の理由によるものと想定されている。なお、この理由を説明するための図3a〜図3cは、傾斜面部3bと直交する断面を示すものである。
図3aに示すように、Hに対して、Tが小さすぎる場合(H/T>1.5の場合)には、表面張力により、ガイド4が溶融ガラスMGの両端を引っ張る力が過大となる。そのため、離間流れを阻止する力Fも過大となり、両端の厚みが中央部(溶融ガラスMGの厚みが平均厚みに略等しい部位)に対して大きくなってしまう。
一方、図3bに示すように、Hに対して、Tが大きすぎる場合(H/T<0.8の場合)には、表面張力により、ガイド4が溶融ガラスMGの両端を引っ張る力が不十分となる。そのため、離間流れを阻止する力Fも不十分となり、両端の厚みが中央部に対して小さくなってしまう。
しかしながら、図3cに示すように、H/Tの値が、0.8〜1.5をとる場合、より好ましくは、1.1〜1.3をとる場合には、離間流れを阻止する力Fが最適となっているものと想定される。なお、H/Tの値が、1.1〜1.3をとる場合には、ガイドの傾斜面部3bからの突出寸法Hの値が、一対のガイド間を流下する溶融ガラスMGの厚みTの値よりも大きくなるため、流下中の溶融ガラスMGが、重力の影響によってガイド4を乗り越え、成形体1の傾斜面部3bから逸脱してしまうような事態の発生を可及的に防止することができる。
<第二実施形態>
以下、本発明の第二実施形態に係る板ガラスの成形装置について説明する。なお、第二実施形態に係る板ガラスの成形装置の説明において、上記の第一実施形態に係る板ガラスの成形装置で既に説明した構成要素と同一の機能、又は、形状を有する構成要素については、第二実施形態を説明するための説明文、及び図面に同一の符号を付すことで重複する説明を省略し、第一実施形態との相違点についてのみ説明する。
図6は、本発明の第二実施形態に係る板ガラスの成形装置を示す縦断正面図である。この第二実施形態に係る板ガラスの成形装置が、上記の第一実施形態に係る板ガラスの成形装置と相違している点は、傾斜面部3bを流下する溶融ガラスMGの粘度の変化を考慮入れて、ガイド4の傾斜面部3bからの突出寸法Hが設定(設計)されている点である。すなわち、傾斜面部3bに沿って流下する溶融ガラスMGは、流下に伴って次第にその温度が低下していくことから、溶融ガラスMGの粘度が、流下に伴って徐々に増していくことを考慮に入れている。
上記の第一実施形態に係る板ガラスの成形装置では、溶融ガラスMGの厚みT(平均厚み)を、〔数1〕式のみに基づいて、設計上の厚みとして決定していた。これに対し、第二実施形態に係る板ガラスの成形装置においては、〔数1〕式に加えて、溶融ガラスMGの粘度をμ[Pa・s]、絶対温度をt[K]とし、溶融ガラスMGの組成により決定される3つの定数をA,B,t0として、下記の〔数2〕式(Vogel-Fulcher-tammanの式)にも基づいて、溶融ガラスMGの厚みTを、設計上の厚みとして決定している。つまり、この溶融ガラスの厚みTは、溶融ガラスMGが流下する方向に沿って傾斜面部3bの各位置で異なる値(徐々に大きくなる)をとる。そして、比率H/Tの値が、0.8〜1.5をとるように、より好ましくは、1.1〜1.3をとるように突出寸法Hを設定(設計)している。これにより、突出寸法Hは、溶融ガラスMGが傾斜面部3bを流下する方向に沿って漸次に大きくなっている。
Figure 2014163063
なお、この第二実施形態に係る板ガラスの成形装置においても、比率H/Tの値の設定は、上述のように、傾斜面部3bを流下する溶融ガラスMGの厚みT(設計上の厚み)を予め決定して、この厚みTの値からガイド4の傾斜面部3bからの突出寸法Hを設定(設計)する態様の他、予め定まったガイド4の傾斜面部3bからの突出寸法Hに対して、〔数1〕式、〔数2〕式の各パラメーターを制御することにより、厚みTを調整する態様とすることもできる。
ここで、突出寸法Hを設定(設計)する手順の具体例を一つ挙げる。例えば、溶融ガラスMGが、質量%でSiO2:50〜80%、Al23:5〜25%、B23:0〜15%、Na2O:1〜20%、K2O:0〜10%を有するとする。このとき、上記の定数A,B,t0は、例えば、A=−3.5、B=7500、t0=260と決定される。そして、溶融ガラスの流量Vが0.4[m3/h]、密度ρが2500[kg/m3]、角度θが20[°]である場合に、図7に示すように、供給溝2の溢流部2bにおける溶融ガラスMGの温度が1200[℃]、下端部5における溶融ガラスMGの温度が1100[℃]で、溢流部2bから下端部5まで流下した溶融ガラスMGの粘度μが、3000[Pa・s]から28000[Pa・s]まで増加し、溶融ガラスMGの厚みTが、約20mmから約40mmまで大きくなった場合を想定する。
H/Tの値が1.2をとるようにするとすれば、〔数1〕式、〔数2〕式からガイド4の傾斜面部3bからの突出寸法Hは、図8に示すような大きさとなる。なお、図8における縦軸の「傾斜面部位置」とは、図6に示す位置X(突出寸法Hが最大となる位置)を原点として、原点から縦軸にとった数値分だけ傾斜面部3bに沿って上方に離間した位置を表している。
以下、上述の板ガラスの成形装置を用いた本発明の第二実施形態に係る板ガラスを成形方法の作用効果について説明する。
この第二実施形態に係る板ガラスの成形方法によっても、上記の第一実施形態に係る板ガラスの成形方法と同様の作用効果を得ることが可能である。また、溶融ガラスMGの厚みTが流下に伴って徐々に大きくなるのに伴い、突出寸法Hが漸次に大きくなっている。そのため、離間流れを阻止する力Fを最適とする上で有利である。また、突出寸法Hの大きさを最適化することにもつながるため、例えば、白金、ロジウム等の白金族元素を含有する材料で構成されるガイド4について、不当に余分な材料を使用する必要がなくなり、材料コストを低減する上でも好適である。
ここで、本発明に係る板ガラスの成形装置は、上記の実施形態で説明した構成に限定されるものではない。例えば、上記の実施形態においては、ガイド(平板部材)と、成形体とが、別部材となる構成とされているが、これらを一体に形成した構成としてもよい。また、上記の実施形態においては、ガイドの傾斜面部からの突出寸法と、垂直面部からの突出寸法とが、同一となっているが、異なっていてもよい。なお、ガイドの垂直面部からの突出寸法の大小は、本願発明の作用効果には、略影響を与えない。
また、上記の第二実施形態では、〔数1〕式、〔数2〕式に基づいて、突出寸法が、溶融ガラスが傾斜面部を流下する方向に沿って漸次に大きくなっているが、この限りではない。比率H/Tの値が0.8〜1.5をとるように、より好ましくは、1.1〜1.3をとるように突出寸法Hが設定(設計)されてさえいれば、突出寸法Hがこれらの式に基づいて設定されていなくともよい。
本発明の実施例として、成形体の傾斜面部において、一対のガイド間を流下する溶融ガラスの厚みTと、ガイドの傾斜面部からの突出寸法Hとの比率H/Tの値の変化に伴い、溶融ガラスの幅方向における厚みの分布が、どのように変化するのかを検証するため、傾斜面部からの突出寸法が互いに異なる5つのガイドを用いて、模擬実験により検証を行った。以下に検証の実施条件を示す。なお、本実施例において、板ガラスの成形装置は、上述した本発明の実施形態に係る板ガラスの成形装置と同一の構成となっている。また、本実施例における各数値は、模擬実験における各数値を、実物大の成形体を用いた場合に換算した数値である。
まず、上記の〔数1〕式を用い、一対のガイド間を流下する溶融ガラスの厚みT(平均厚み)を決定した。このTの値は、本実施例において、22[mm]とした。次に、ガイドの傾斜面部からの突出寸法H以外については、同一の構成を有する5つの板ガラスの成形装置を用いて、傾斜面部における一対のガイド間を溶融ガラスに流下させた。ここで、5つの板ガラスの成形装置の各々において、ガイドの傾斜面部からの突出寸法Hは、下記の通りである。
比較例1: H=17[mm] H/T=0.77
実施例1: H=22[mm] H/T=1.00
実施例2: H=25[mm] H/T=1.14
実施例3: H=29[mm] H/T=1.32
比較例2: H=34[mm] H/T=1.55
なお、各板ガラスの成形装置に備えられた成形体において、一対のガイド間を流下する溶融ガラスの粘度、流量、密度、表面張力は同一であって、粘度:4000[Pa・s]、流量:0.24[m3/h]、密度:2500[kg/m3]となっている。さらに、傾斜面部の垂直面部に対する傾斜角度は、40[°]であり、傾斜面部の全長は、500[mm]である。加えて、一対のガイドの離間距離は、3000[mm]である。
そして、成形体の下端部から傾斜面部に沿って50[mm]上方の位置において、流下中の溶融ガラスと対向して幅方向に延びるように配置したライン式レーザーから、溶融ガラスに向かってレーザーを照射すると共に、その反射光に基づいて溶融ガラスの幅方向における厚みの分布を割り出した。また、ガイドから80[mm]の幅、160[mm]の幅において、溶融ガラスの厚みの標準偏差σを算出した。
溶融ガラスの幅方向における厚みの分布を図4に、ガイドから80[mm]の幅、160[mm]の幅における溶融ガラスの厚みの標準偏差σを図5に示す。図4から、比較例に対して、実施例では、溶融ガラスの厚みが凹凸の少ない分布となっていることが分かる。さらに、図5から、比較例に対して、実施例では、溶融ガラスの厚みの標準偏差σが小さくなっている。すなわち、幅方向において、溶融ガラスの厚みのバラつきが小さくなっている。
以上のことから、ガイドの傾斜面部からの突出寸法Hと、溶融ガラスの厚みTとの比率H/Tの値が、0.8〜1.5をとるように、より好ましくは、1.1〜1.3をとるように設定すれば、傾斜面部を流下する溶融ガラスの幅方向における厚みが不均一となることが抑制され、ひいては、溶融ガラスから成形される板ガラスの表面における平滑度を向上させることができるものと推認される。
1 成形体
2 供給溝
3 外側面部
3a 垂直面部
3b 傾斜面部
4 ガイド
5 下端部
MG 溶融ガラス
T 一対のガイド間を流下する溶融ガラスの厚み
H ガイドの傾斜面部からの突出寸法

Claims (6)

  1. 成形体の頂部に形成された供給溝から両側に溢れ出た溶融ガラスを、前記成形体の楔状をなす傾斜面部に沿って、その幅方向における広がりを一対のガイドで規制しつつ流下させ、前記成形体の下端部で融合一体化させて板ガラスを成形する板ガラスの成形方法において、
    前記ガイドの前記傾斜面部からの突出寸法をHとし、一対のガイド間を流下する前記溶融ガラスの厚みをTとしたとき、その比率H/Tの値が、0.8〜1.5に設定されていることを特徴とする板ガラスの成形方法。
  2. 前記比率H/Tの値が、1.1〜1.3に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の板ガラスの成形方法。
  3. 前記突出寸法Hを、前記溶融ガラスが前記傾斜面部を流下する方向に沿って漸次に大きくすることを特徴とする請求項1又は2に記載の板ガラスの成形方法。
  4. 頂部に形成された供給溝から両側に溢れ出た溶融ガラスを、楔状をなす傾斜面部に沿って、その幅方向における広がりを一対のガイドで規制しつつ流下させ、下端部で融合一体化させて板ガラスを成形する成形体を備えた板ガラスの成形装置において、
    前記ガイドの前記傾斜面部からの突出寸法をHとし、一対のガイド間を流下する前記溶融ガラスの厚みをTとしたとき、その比率H/Tの値が、0.8〜1.5をとるようにHの値が設定されていることを特徴とする板ガラスの成形装置。
  5. 前記比率H/Tの値が、1.1〜1.3をとるようにHの値が設定されていることを特徴とする請求項4に記載の板ガラスの成形装置。
  6. 前記突出寸法Hを、前記溶融ガラスが前記傾斜面部を流下する方向に沿って漸次に大きくすることを特徴とする請求項4又は5に記載の板ガラスの成形装置。
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