JPWO2014162357A1 - 無線通信方法、無線通信システム、無線局および無線端末 - Google Patents

無線通信方法、無線通信システム、無線局および無線端末 Download PDF

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Abstract

開示の技術は、無線リソースを効率良く割当てて、通信性能を向上できる無線通信方法、無線通信システム、無線局、及び無線端末を提供することを目的とする。無線通信方法は、無線局からの無線端末個別の参照信号の送信に準備される無線リソースを示す複数の構成情報を、無線端末で取得し、前記無線局から前記無線端末へ、前記複数の構成情報のそれぞれが示す前記無線リソースについての使用に関する使用モードを指定する信号を送信し、前記無線端末で前記信号を受信して、前記使用モードに応じて割当てられる前記無線リソースで前記無線局から送信される前記無線端末個別の参照信号を用いて、前記無線局との通信を行う。

Description

本発明は、無線通信方法、無線通信システム、無線局および無線端末に関する。
近年、携帯電話システム等の無線通信システムにおいて、無線通信の更なる高速化・大容量化等を図るため、次世代の無線通信技術について議論が行われている。例えば、標準化団体である3GPP(3rd Generation Partnership Project)では、LTE(Long Term Evolution)と呼ばれる通信規格や、LTEの無線通信技術をベースとしたLTE−A(LTE - Advanced)と呼ばれる通信規格が提案されている。
LTE−Aシステム等において、例えば、単一のアンテナを使用するシングルアンテナ通信、複数のアンテナを使用するMIMO(Multi Input Multi Output)通信、多地点協調(Coordinated MultiPoint、以下、CoMPともいう。)通信等、様々な通信態様で通信を実行可能である。例えば、CoMP通信では、セル間干渉の低減や受信信号強度の改善のため、地理的に離れた複数の通信ポイントが協調して通信を行う。各通信ポイントは、例えば、基地局、通信ユニット、アンテナ或いはこれらにより形成されるセルに相当する。これにより、多地点間での送信あるいは受信の調整が行われる。例えば、下りリンクのCoMP通信では、複数の通信ポイントのうち信号の送信に使用する通信ポイントを動的に選択する方法や、複数の通信ポイントから無線端末へ信号を結合送信する方法が検討されている。
3GPP TS36.211 V10.5.0(2012-06) 3GPP TR36.814 V9.0.0(2010-03)
しかしながら、通信性能の向上を実現するためには、制御の遅延やシグナリングの増大の考慮のもとで、セル間干渉の低減や受信信号強度の改善となるよう、セル間で様々な通信態様を適切に調整する必要がある。このとき、セル配置や通信状況によって、各通信ポイントの通信態様は無線端末毎に多様に変わり得ることが想定される。例えば、CoMP通信可能な通信ポイントは多数存在する可能性があり、CoMP通信で実際に信号の送信に使用する通信ポイントの数や組み合わせは多様となる。さらに例えば、CoMP通信以外にもシングルアンテナ送信やMIMO通信等の多様な通信態様が想定される。このような状況では、この多様に変わり得る通信態様に対応するよう、信号を受信するための参照信号が送信される必要がある。このとき、参照信号を送信する無線リソースが効率良く割当てられないと、通信性能の向上を妨げる恐れがある。
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、無線リソースを効率良く割当てて、通信性能を向上できる無線通信方法、無線通信システム、無線局および無線端末を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本件の開示する無線通信方法は、無線局からの無線端末個別の参照信号の送信に準備される無線リソースを示す複数の構成情報を、無線端末で取得し、前記無線局から前記無線端末へ、前記複数の構成情報のそれぞれが示す前記無線リソースについての使用に関する使用モードを指定する信号を送信し、前記無線端末で前記信号を受信して、前記使用モードに応じて割当てられる前記無線リソースで前記無線局から送信される前記無線端末個別の参照信号を用いて、前記無線局との通信を行う。
本件の開示する無線通信方法の一つの態様によれば、無線リソースを効率良く割当てて、通信性能を向上できるという効果を奏する。
図1は、第1実施形態に係る無線通信システムの構成を示す図である。 図2は、第1実施形態に係る無線局の構成を示す機能ブロック図である。 図3は、第1実施形態に係る無線端末の機能的構成を示すブロック図である。 図4は、第1実施形態に係る無線局のハードウェア構成を示す図である。 図5は、第1実施形態に係る無線端末のハードウェア構成を示す図である。 図6は、第1実施形態に係る無線通信システムの動作を説明するためのシーケンス図である。 図7は、第2実施形態に係る無線局の構成を示す機能ブロック図である。 図8A,Bは、無線端末個別の参照信号の送信に準備される無線リソースを示す構成情報を説明するための図である。 図9は、無線端末個別の参照信号の構成情報と使用モードとの設定の一例を示す表である。 図10は、第2実施形態に係る無線端末の機能的構成を示すブロック図である。 図11は、第2実施形態に係る無線通信システムの動作を説明するためのシーケンス図ある。 図12A,Bは、無線端末個別の参照信号の構成情報と使用モードとの設定の一例を示す表である。 図13は、第3実施形態に係る無線通信システムの構成を示す図である。 図14は、無線端末個別の参照信号の構成情報と使用モードとの設定の一例を示す表である。 図15は、第3実施形態に係る無線通信システムの動作を説明するためのシーケンス図ある。 図16は、第4実施形態に係る無線通信システムの構成を示す図である。 図17は、第5実施形態に係る無線通信システムの構成を示す図である。
以下に、本件の開示する無線通信方法、無線通信システム、無線局および無線端末の実施例を、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施例により本件の開示する無線通信方法、無線通信システム、無線局および無線端末が限定されるものではない。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る無線通信システム1の構成を示す。図1に示すように、無線通信システム1は、無線局10A〜Bと、無線端末20A〜Bとを有する。無線局10A〜Bはそれぞれ、アンテナを有し、通信ポイントに相当する。無線局10AはセルC10Aを形成し、無線局10BはセルC10Bを形成している。
無線局10A〜Bは、無線局10A〜B間で有線接続あるいは無線接続を介して通信を行う。また、無線局10A〜Bは、無線端末20A〜Bとの間で、シングルアンテナ通信およびMIMO通信が可能である。また、無線局10A〜Bは、無線端末20A〜Bに対してCoMP通信が可能である。例えば、無線端末20Aとの下りリンクのCoMP通信では、無線局10A〜Bのうち下りリンクのCoMP通信で使用するセットとして選択される1以上の通信ポイントから、無線端末20Aに、同じ時間・周波数の無線リソースを用いてデータを送信する結合送信が行われる。また、例えば、無線端末20Aとの上りリンクのCoMP通信では、無線局10A〜Bのうち上りリンクのCoMP通信で使用するセットとして選択される1以上の通信ポイントで、無線端末20Aからのデータをそれぞれ受信し、受信信号を通信ポイント間で合成する結合受信が行われる。
また、例えば、無線局10A〜Bはそれぞれ、有線接続あるいは無線接続を介してネットワーク装置3と接続され、ネットワーク装置3は有線接続あるいは無線接続を介してネットワーク2に接続される。そして、無線局10A〜Bは、ネットワーク装置3及びネットワーク2を介して、データや制御情報を送受信可能に設けられている。
図2は、無線局10Aの機能的構成を示すブロック図である。図2に示すように、無線局10Aは、受信部11と、送信部12と、制御部13とを備える。これら各構成部分は、一方向または双方向に、信号やデータの入出力が可能なように接続されている。なお、無線局10Bの機能的構成およびハードウェア構成は、無線局10Aの機能的構成及びハードウェア構成と同様である。なお、以下の説明では、無線局10Aが無線端末20Aと接続中の無線局(無線端末20Aの接続無線局、接続セルとも称する)、無線局10Bが無線端末20Bと接続中の無線局(無線端末20Bの接続無線局、接続セルとも称する)とする。
受信部11は、データ信号や制御信号を、アンテナ(物理アンテナ)を介して受信する。受信部11は、例えば上りのデータチャネルや制御チャネル上を伝送される上り信号を受信する。上りのデータチャネルとしては例えば、個別データチャネルが挙げられる。また、上りの制御チャネルとしては例えば、ランダムアクセスチャネルや、個別制御チャネルが挙げられる。受信する信号としては例えば、無線端末20A〜Bからの接続確立のための信号や、無線端末20A〜Bでの通信レベルを示す信号や、チャネル推定や復調のために用いられる参照信号(パイロット信号とも称される)が挙げられる。
送信部12は、データ信号や制御信号を、アンテナ(物理アンテナ)を介して送信する。なお、アンテナは送信と受信で共通でも、別体でもよい。送信部12は、例えば下りのデータチャネルや制御チャネル上を伝送される下り信号を送信する。下りのデータチャネルとしては例えば、共通データチャネルや、個別データチャネルが挙げられる。また、下りの制御チャネルとしては例えば、同期チャネルや、報知チャネルや、共通制御チャネルや、個別制御チャネルが挙げられる。送信する信号としては例えば、システム情報を報知する信号や、接続中の無線端末20Aに個別制御チャネル上で伝送される制御信号や、接続中の無線端末20Aに個別データチャネル上で伝送される制御信号や、接続中の無線端末20Aに個別データチャネル上で伝送されるデータ信号が挙げられる。また、送信する信号としては例えば、無線端末20Aへ呼の着信があった場合に無線端末20Aを呼び出すためのページング信号や、無線局10A〜Bでの通信レベルを示す信号や、無線端末20A〜Bからの接続確立のための信号への応答信号や、無線端末20A〜Bからの上り送信電力の制御のための制御信号が挙げられる。また、送信する信号は例えば、チャネル推定や復調のために用いられる無線端末個別の参照信号(個別パイロット信号とも称される)や、無線端末個別の参照信号の送信に準備される無線リソースを示す複数の構成情報や、複数の構成情報のそれぞれが示す無線リソースについての使用に関する使用モードを指定する信号を含む。
制御部13は、有線接続あるいは無線接続を介して、ネットワーク装置3や他の無線局10Bとデータや制御情報の送受信を行う。制御部13は、受信されるデータや制御情報を受信部11から入力する。また、制御部13は、送信するデータや制御情報を送信部12に出力する。また、制御部13は、通信インタフェースを介して有線ネットワーク経由でデータや制御情報の送受信を行う。また、制御部13は、無線端末20A〜Bとのアクセスの管理や、無線端末20A〜Bへの無線リソースの割当て等のスケジューリングを行う。例えば、無線局10Aは、複数のアンテナポートを有し、制御部13は、無線端末20A〜Bとの通信に使用するアンテナポートを割当てる。なお、アンテナポートは処理上のポートであり、物理アンテナと対応しなくてもよい。
制御部13は例えば、無線端末20Aとの接続確立の際に、無線端末個別の参照信号の送信に準備される無線リソースを示す複数の構成情報を無線端末20Aに通知する処理を実行する。なお、制御部13は例えば、複数の構成情報自体を無線端末20Aに通知してもよく、無線端末20Aに予め格納された情報のうちから複数の構成情報を指定する情報を無線端末20Aに通知してもよい。
複数の構成情報のそれぞれは例えば、無線端末個別の参照信号の送信に使用されるリソースエレメント(時間周波数リソースとも称する)の配置や、無線端末個別の参照信号の送信に使用されるアンテナポートの情報や、送信信号の空間多重数(ランク、あるいはレイヤ数とも称される)を含む。また、複数の構成情報で、準備される無線リソースは互いに異なる。例えば、準備される無線リソースは、互いに直交するように配置される。リソースエレメントは例えば、伝送における最小の時間−周波数単位(シンボル−サブキャリア)であり、リソースエレメント(シンボルとサブキャリア)のグループによりリソースブロックが形成される。リソースブロックは、時間周波数リソースの割当て単位として用いられる。
また、複数の構成情報は、無線局10Aと、自局周辺の他の無線局とで、共通に使用される。自局周辺の他の無線局は、CoMP通信可能な他の無線局10Bを含む。詳細には例えば、複数の構成情報は、無線局10A〜Bのそれぞれに予め格納されていてもよく、無線局10A〜Bがネットワーク装置3から取得してもよく、無線局10A〜Bの一方の無線局から他方の無線局へ有線通信あるいは無線通信を介して通知されてもよい。
また、制御部13は、データ送信の際に、複数の構成情報のそれぞれの使用モードを指定する信号を送信する処理を実行する。使用モードを指定する信号は、構成情報自体より比較的少ない情報量を有する。制御部13は、データ送信の際に、通信状況に応じて使用モードを決定する。使用モードとしては例えば、準備された無線リソースを無線端末個別の参照信号の送信に使用することを示すモードや、無線端末個別の参照信号の送信に準備された無線リソースを使用しないことを示すモードや、無線端末個別の参照信号の送信に準備された無線リソースをデータの送信に使用することを示すモードが挙げられる。具体的には使用モードは例えば、準備される無線リソースにて無線端末個別の参照信号を所定の送信電力で送信するモード、無線端末個別の参照信号の送信電力を0にする(無送信)モード、および無線端末個別の参照信号に準備される無線リソースをデータ信号に割り当てるモードを含む。なお、制御部13は、無線局10Aと接続中の無線端末が複数ある場合、使用モードを複数の無線端末に対して個別に指定する。そして制御部13は、使用モードに応じて割当てる無線リソースで送信する無線端末個別の参照信号を用いて、無線端末20A〜Bとの通信を行う。
制御部13は例えば、無線局10Aが他の無線局10BとCoMP通信により無線端末20A〜Bへデータを送信するか否か、無線局10Aが接続中の無線端末の数、無線局10Aと接続中の無線端末との間の通信レベル、他の無線局10Bが接続中の無線端末の数、他の無線局10Bと接続中の無線端末との間の通信レベル、無線局10Aからデータを送信する通信態様、他の無線局10Bからデータを送信する通信態様、の少なくともいずれかに応じて複数の構成情報のそれぞれの使用モードを決定する。通信態様としては例えば、シングルアンテナ通信、MIMO通信、およびCoMP通信が挙げられる。MIMO通信は例えば、MU(Multi User)−MIMO通信およびSU(Single User)−MIMO通信を含む。CoMP通信は例えば、後述のDPS(Dynamic Point Selection)−COMP通信およびJT(Joint transmission)−CoMP通信を含む。
制御部13は例えば、データ送信の際に、自局周辺の他の無線局の通信状況を取得する。他の無線局は、CoMP通信可能な無線局20Bを含む。また、制御部13は例えば、データ送信の際に、データを送信する通信態様を決定し、複数の構成情報のそれぞれの使用モードを決定する。
詳細には制御部13は例えば、無線局10A〜Bと無線端末20Aとの間の通信レベルを取得する。通信レベルは例えば、上り参照信号あるいは下り参照信号から測定される。通信レベルは例えば、無線端末20Aから報告されてもよく、無線局10Aと無線端末20Aとの間の通信レベルを無線局10Aで測定するともに、無線局10Bと無線局20Bとの間の通信レベルを無線局10Bで測定して無線局10Aに通知してもよい。
また制御部13は例えば、無線端末20Aに対してCoMP通信可能な他の無線局10B(以下、協調無線局、協調セルとも称する)にCoMP通信を要求する信号を送信し、他の無線局10Bから応答信号を受信して、CoMP通信の準備を行う。
そして制御部13は、通信レベルやその他の通信状況に応じて、CoMP通信可能な複数の無線局10A〜Bから、無線端末20Aへ信号を送信する1以上の無線局(以下、選択無線局とも称する)を選択する。複数の無線局から選択される1以上の無線局は、DPS動作(DPS−CoMP通信)により選択される1つの無線局、あるいはJT動作(JT−CoMP通信)により選択される2以上の無線局である。DPSは、複数の通信ポイントのうち送信に使用する通信ポイントを動的に選択する方法である。また、JTは、複数の通信ポイントから送信された信号を結合処理(合成処理)する方法である。
このとき制御部13は、CoMP通信可能な他の無線局のうちから候補となる無線局を所定のタイミングで選択し、候補となる無線局のうちから実際に使用する無線局をデータ送信の際に選択するといったように、複数段階で無線局を選択してもよい。
そして制御部13は、無線局10Aと無線局10Bとの間で制御情報をやり取りして、CoMP通信で使用されるパラメータを設定する。このとき、無線局10A〜Bと無線端末20Aとの間で無線端末個別の参照信号や制御情報をやり取りしてもよい。これにより、無線端末20Aに対してCoMP通信を行うことが決定される。
また、無線端末20Aに対してCoMP通信を行わない場合、制御部13は、通信レベルやその他の通信状況に応じて、シングルアンテナ通信を行うか、MU−MIMO通信を行うか、あるいはSU−MIMO通信を行うかを決定する。このように、制御部13で、データを送信する通信態様が決定される。
そして、制御部13は、複数の構成情報のそれぞれの使用モードを決定して、使用モードを示す信号を無線端末20Aに送信し、使用モードに応じて無線端末20Aとの通信を行う。なお、接続中の他の無線端末がある場合、当該他の無線端末に対してデータ送信の際に、制御部13は無線端末20Aに対する処理と同様に、通信態様や、複数の構成情報のそれぞれの使用モードを決定し、使用モードを示す信号を送信し、使用モードに応じて通信を行う。
一方、無線局10Aは、無線端末20Bの接続無線局である無線局10Bの協調無線局として動作する。この場合、制御部13は、無線局10BからCoMP通信を要求する信号を受信し、応答信号を送信して、CoMP通信の準備を行う。そして、無線局10Bにより、無線局10Aが選択無線局として選択された場合、制御部13は、無線局10Aと無線局10Bとの間で制御情報をやり取りして、CoMP通信で使用されるパラメータを設定する。このとき、無線局10A〜Bと無線端末20Bとの間で無線端末個別の参照信号や制御情報をやり取りしてもよい。これにより、無線端末20Bに対してCoMP通信を行うことが決定される。そして、制御部13は、複数の構成情報のそれぞれの使用モードを決定して、使用モードを示す信号を無線端末20Bに送信し、使用モードに応じて無線端末20Bとの通信を行う。
図3は、無線端末20Aの構成を示す機能ブロック図である。図3に示すように、無線端末20Aは、受信部21と、送信部22と、制御部23とを備える。これら各構成部分は、一方向または双方向に、信号やデータの入出力が可能なように接続されている。なお、無線端末20Bの機能的構成およびハードウェア構成は、無線端末20Aの機能的構成及びハードウェア構成と同様である。
受信部21は、無線局10A〜Bから送信されたデータ信号や制御信号を、アンテナを介して受信する。受信する信号としては例えば、システム情報を報知する信号や、接続無線局10Aから個別制御チャネル上で伝送される制御信号や、接続無線局10Aから個別データチャネル上で伝送される制御信号が挙げられる。また、受信する信号としては例えば、無線端末20Aを呼び出すためのページング信号や、無線端末20Aからの接続確立のための信号への応答信号や、無線局10A〜Bでの通信レベルを示す信号や、上り送信電力の制御のための制御信号が挙げられる。また、受信する信号は例えば、チャネル推定や復調のために用いられる無線端末個別の参照信号や、無線端末個別の参照信号の送信に準備される無線リソースを示す複数の構成情報や、複数の構成情報のそれぞれの使用モードを指定する信号を含む。
送信部22は、データ信号や制御信号を、アンテナ(物理アンテナ)を介して送信する。なお、アンテナは送信と受信で共通でも、別体でもよい。送信部22は、例えば上りのデータチャネルや制御チャネル上を伝送される上り信号を送信する。送信する信号としては例えば、接続確立のための信号や、無線端末20での通信レベルを示す信号や、チャネル推定や復調のために用いられる参照信号が挙げられる。
制御部23は、制御部23は、受信されるデータや制御情報を受信部21から入力する。また、送信するデータや制御情報を送信部22に出力する。また、制御部23は、送信信号の送信電力を制御する。
また、制御部23は、無線局10A〜Bから受信されるセル固有の参照信号や無線端末個別の参照信号を検知し、通信レベルを取得する。通信レベルは例えば、受信電力や受信品質を含む。通信レベルとして例えば、RSRP(Reference Signal Received Power)、RSRQ(Reference Signal Received Quality)(=受信電力値/総電力値)、SIR(Signal to Interference Ratio)、SINR(Signal to Interference and Noise Ratio)等が挙げられる。
また、制御部23は、無線端末個別の参照信号の送信に準備される無線リソースを示す複数の構成情報を設定する。制御部23は、下りデータ送信の際に、複数の構成情報のそれぞれの使用モードを示す信号を無線局10Aから受信して、複数の構成情報のそれぞれの使用モードに応じて無線局10Aとの通信を行う。なお、制御部23は、無線局10A〜Bが無線端末20Aに対してCoMP通信を行う場合には、複数の構成情報のそれぞれの使用モードを示す信号を無線局10A〜Bから受信して、複数の構成情報のそれぞれの使用モードに応じて無線局10A〜Bとの通信を行う。
図4は、無線局10Aのハードウェア構成を示す図である。図4に示すように、無線局10Aは、ハードウェアの構成要素として、例えばアンテナ31を備えるRF(Radio Frequency)回路32と、CPU(Central Processing Unit)33と、DSP(Digital Signal Processor)34と、メモリ35と、ネットワークIF(Interface)36とを有する。CPUは、スイッチ等のネットワークIF36を介して各種信号やデータの入出力が可能なように接続されている。メモリ35は、例えばSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)等のRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及びフラッシュメモリの少なくともいずれかを含み、プログラムや制御情報やデータを格納する。送信部12及び受信部11は、例えばRF回路32、あるいはアンテナ31およびRF回路32により実現される。制御部13は、例えばCPU33等の集積回路あるいはDSP34等の集積回路により実現される。
図5は、無線端末20Aのハードウェア構成を示す図である。図5に示すように、無線端末20Aは、ハードウェアの構成要素として、例えばアンテナ41を備えるRF回路42と、CPU43と、メモリ44とを有する。さらに、無線端末20Aは、CPU43に接続されるLCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置を有してもよい。メモリ44は、例えばSDRAM等のRAM、ROM、及びフラッシュメモリの少なくともいずれかを含み、プログラムや制御情報やデータを格納する。送信部22及び受信部21は、例えばRF回路42、あるいはアンテナ41およびRF回路42により実現される。制御部23は、例えばCPU43等の集積回路により実現される。
次に、第1実施形態における無線通信システム1の動作を説明する。図6は、無線通信システム1の下りリンクの送信動作を説明するためのシーケンス図である。
まず前提として、無線通信システム1では、上述のように、無線局10A〜Bが、通信態様として、シングルアンテナ通信、SU−MIMO通信、MU−MIMO通信、およびCoMP通信(JT−CoMP通信やDSP−CoMP通信)が可能に設けられている。無線局10Aが、無線端末20Aの接続無線局であり、無線局10B(協調無線局)との間の無線端末20Aに対するCoMP通信処理を集約して行っている。また、無線局10Bが、無線端末20Bの接続無線局であり、無線局10A(協調無線局)との間の無線端末20Bに対するCoMP通信処理を集約して行っている。
このとき、セル間(通信ポイント間)干渉の低減や受信信号強度の改善を実現するために、各通信ポイントの通信態様は比較的短い周期で、例えばデータ送信毎に、ダイナミックに選択される。そして、セル配置や通信状況によって、各通信ポイントの通信態様は無線端末毎に多様に変わり得ることが想定される。例えば、CoMP通信可能な通信ポイントは多数存在する可能性があり、CoMP通信で実際に信号の送信に使用する通信ポイントの数や組み合わせは多様となる。さらに例えば、シングルアンテナ送信やMIMO通信等、CoMP通信以外にも多様な通信態様が想定される。
このような状況では、この多様に変わり得る通信態様に対応するよう、信号を受信するための無線端末個別の参照信号(信号の復調に使用される参照信号)が送信される必要がある。このとき、無線端末個別の参照信号を送信する無線リソースが適切に割当てられないと、通信性能の向上を妨げる恐れがある。例えば、多様に変わり得る通信態様のパターンを網羅するように、無線端末個別の参照信号を送信する無線リソースを予め割当てようとすると、無線端末個別の参照信号の送信に割当てる無線リソースとして、多大な無線リソースを要することとなる。このために、データ送信のスループットが低下し、通信性能の向上を妨げる恐れがある。また例えば、通信態様によって無線端末個別の参照信号の送信に割当てる無線リソースが不足して、通信ポイント間で無線端末個別の参照信号を送信する無線リソースが重なってしまうと、通信ポイント間の干渉の低減や受信信号強度の改善を阻害する恐れがある。特に、比較的規模の小さいセルが、比較的高い密度で配置される場合、干渉の影響が増大するため、通信性能の向上が妨げられる可能性が高まる。
そこで、第1実施形態では、以下のように下りリンクの送信動作が行われる。
図6に示すように、無線局10Aは、無線端末20Aに、無線端末個別の参照信号の送信に準備される無線リソースを示す複数の構成情報(無線端末個別の参照信号の構成情報1,2)を通知する(S1)。無線局10Aによる無線端末個別の参照信号の構成情報1,2の通知は、例えば無線端末20Aとの接続確立の際に通知される。同様に、無線局10Bは、無線端末20Bに、無線端末個別の参照信号の送信に準備される無線リソースを示す複数の構成情報(無線端末個別の参照信号の構成情報1,2)を通知する(S2)。無線局10Bによる無線端末個別の参照信号の構成情報1,2の通知は、例えば無線端末20Bとの接続確立の際に通知される。構成情報1,2は、無線局10A〜Bで共通に使用される。構成情報1,2はそれぞれ、リソースエレメントの配置や、アンテナポートの情報や、レイヤ数を含む。また、構成情報1,2で準備される無線リソースは、互いに異なるように設定される。なお、無線局10A〜Bは、構成情報1,2を、所定の制御タイミングで無線端末20A〜Bに再通知してもよい。また、無線局10A〜Bは、構成情報1,2を更新して、所定の制御タイミングで無線端末20A〜Bに通知してもよい。
次に、無線局10Aは、無線端末20Aへデータを送信する通信態様を決定する(S3)。同様に、無線局10Bは、無線端末20Bへデータを送信する通信態様を決定する(S4)。このとき、無線局10Aと無線局10Bとは、互いに制御情報をやり取りし、通信状況を取得する。通信態様の決定は例えば、データの送信毎に行われる。通信態様の決定は、接続確立より比較的短い間隔で実行される。
S3の例では、無線局10Aは、無線端末20Aに対して、通信態様としてSU−MIMO通信を行うことを決定する。また、S4の例では、無線局10Bは、無線端末20Bに対して、通信態様としてSU−MIMO通信を行うことを決定する。
具体的には例えば、無線局10Aは、無線局10Aと無線端末20Aとの間の通信レベルと、無線局10Bと無線端末20Aとの間の通信レベルとに応じて、無線端末20Aに対してCoMP通信を行わないことを決定する。無線局10Aと無線端末20Aとの間の通信レベルは、無線局10Aから送信されるセル固有の参照信号を無線端末20Aで受信し、測定結果を無線端末20Aから無線局10Aへ送信することで取得できる。あるいは、無線端末20Aから送信される参照信号を無線局10Aで受信し、無線局10Aで測定してもよい。そして、無線局10Aは、無線端末20A以外の無線端末と通信を行わないことから、無線端末20Aに対する通信態様としてSU−MIMO通信を行うことを決定する。
同様に、無線局10Bは、無線局10Aと無線端末20Bとの間の通信レベルと、無線局10Bと無線端末20Bとの間の通信レベルとに応じて、無線端末20Bに対してCoMP通信を行わないことを決定する。無線局10Bと無線端末20Aとの間の通信レベルは、無線局10Bから送信されるセル固有の参照信号を無線端末20Aで受信し、測定結果を無線端末20Aから無線局10Aへ送信することで取得できる。あるいは、無線端末20Aから送信される参照信号を無線局10Bで受信し、測定結果を無線局10Bから無線局10Aに送信して、通知してもよい。そして、無線局10Bは、無線端末20B以外の無線端末と通信を行わないことから、無線端末20Bに対する通信態様としてSU−MIMO通信を行うことを決定する。
さらに、無線局10Aは、決定した通信態様や、その他の通信状況に基づいて、構成情報1,2の使用モードを決定する。また、無線局10Bは、決定した通信態様や、その他の通信状況に基づいて、構成情報1,2の使用モードを決定する。
使用モードとしては例えば、準備される無線リソースにて無線端末個別の参照信号を所定の送信電力で送信するモード(NZP,Non-zero power)、無線端末個別の参照信号の送信電力を0にするモード(ZP, Zero power)、および無線端末個別の参照信号に準備される無線リソースをデータ信号に割り当てるモード(OVR,Over ray)を設定可能とする。
具体的には、S3の例では、無線局10Aは、自局が配下の無線端末20AにSU−MIMO通信を行うこと、無線局10Bが配下の無線端末20BにSU−MIMO通信を行うことから、構成情報1の使用モードを「NZP」、構成情報2の使用モードを「ZP」とする。また、S4の例では、無線局10Bは、自局が配下の無線端末20BにSU−MIMO通信を行うこと、無線局10Aが配下の無線端末20AにSU−MIMO通信を行うこと、無線局10Aの無線端末20Aに対する構成情報1,2の使用モードから、無線端末20Bに対する構成情報1の使用モードを「ZP」、構成情報2の使用モードを「NZP」とする。
このように、無線局10Aが無線端末20Aに対して送信する無線端末個別の参照信号に使用する無線リソースと、無線局10Bが無線端末20Bに対して送信する無線端末個別の参照信号に使用する無線リソースとが異なるように、構成情報1,2の使用モードが決定される。これにより、無線端末個別の参照信号の送信の際に、通信ポイント間の干渉が低減されて、データを受信するためのチャネル推定精度が向上し、通信性能が向上される。
次に、無線局10Aは、構成情報1,2のそれぞれの使用モードを示す信号を、無線端末20Aに送信する(S5)。同様に、無線局10Bは、構成情報1,2のそれぞれの使用モードを示す信号を、無線端末20Bに送信する(S6)。これにより、無線局10A〜Bが無線端末20A〜Bへ送信する無線端末個別の参照信号に割当てる無線リソースを、比較的短い間隔で決定される通信態様を反映して柔軟に設定可能となる。また、これにより、比較的短い間隔で実行される通信態様の決定タイミングに合わせて、無線端末個別の参照信号に割当てる無線リソースを示す構成情報を逐次通知する場合に比べて、シグナリングの増大を抑制することができる。
そして、無線局10Aは、無線端末20Aにデータを送信する(S7)。S7の例では、無線局10Aは、S5で送信した使用モードに応じて、構成情報1で準備されるリソースエレメントとアンテナポートを用いて、データの受信のための無線端末個別の参照信号を送信し、データを送信する。無線端末10Aは、S5で送信された使用モードから、データを受信するための無線端末個別の参照信号を取得し、取得した無線端末個別の参照信号を用いて、S3で決定されたSU−MIMO通信により送信されたデータを受信する。
同様に、無線局10Bは、無線端末20Bにデータを送信する(S8)。S8の例では、無線局10Bは、S5で送信した使用モードに応じて、構成情報2で準備される無線リソースを用いて、データの受信のための無線端末個別の参照信号を送信し、S3で決定した通信態様に応じて、SU−MIMO通信によりデータを無線端末20Bに送信する。無線端末20Bは、S5で送信された使用モードに応じて、無線端末個別の参照信号が送信される無線リソースを特定し、無線端末個別の参照信号を受信する。
無線局10A〜Bは、S3〜S8と同様の処理をS9〜S14,S15〜S22で実行する。
以下、S9〜S14の処理を説明する。無線局10Aは、無線端末20Aへデータを送信する通信態様を決定する(S9)。同様に、無線局10Aは、無線端末20Bへデータを送信する通信態様を決定する(S10)。このとき、無線局10Aと無線局10Bは、互いに制御情報をやり取りし、通信状況を取得する。
S9の例では、無線局10Aは、無線端末20Aに対する通信態様としてCoMP通信を行うことを決定する。また、S10の例では、無線局10Bは、無線端末20Aに対する通信態様としてCoMP通信を行うことを決定する。なお、S10の例では、無線局10Bは、配下の無線端末20Bに対して送信するデータがなく、無線端末20Bとの通信を行わないため、無線端末20Bに対する通信態様は決定されない。
具体的には例えば、無線局10Aは、無線局10Aと無線端末20Aとの間の通信レベルと、無線局10Bと無線端末20Aとの間の通信レベルとに応じて、無線端末20Aに対してCoMP通信を行うか否か、無線端末20Aに対するCoMP通信で実際に信号を送信する選択局を決定する。
無線局10Aは、CoMP通信を行う選択無線局として無線局10Bを選択した場合、無線局10BにCoMP通信を要求する信号を送信する。無線局10Bは、無線端末20Aに対して無線局10Aと協調してCoMP通信を実行可能な場合、実行可能な旨を示す応答信号を送信する。無線局10Aは、応答信号を受信し、無線端末20AとのCoMP通信の準備を行い、無線端末20Aに対する通信態様としてCoMP通信を決定する。
また、無線局10Bは、上述のように、無線端末20Aに対して無線局10Aと協調してCoMP通信を実行可能な旨を示す応答信号を送信して、無線端末20Aに対するCoMP通信の準備を行い、無線端末20Aに対する通信態様としてCoMP通信を決定する。
さらに、無線局10Aは、決定した通信態様や、その他の通信状況に基づいて、構成情報1,2の使用モードを決定する。また、無線局10Bは、決定した通信態様や、その他の通信状況に基づいて、構成情報1,2の使用モードを決定する。
具体的には、S9の例では、無線局10Aは、無線端末20Aに対して無線局10Bと協調してCoMP通信を行うこと、無線局10Aが無線端末20A以外の無線端末と通信を行わないこと、無線局10Bが無線端末20A以外の無線端末と通信を行わないことから、構成情報1の使用モードを「NZP」、構成情報2の使用モードを「OVR」とする。また、S10の例では、無線局10Bは、無線端末20Aに対して無線局10Bと協調してCoMP通信を行うこと、無線端末20A以外の無線端末と通信を行わないこと、無線局10Aの無線端末20Aに対する構成情報1,2の使用モードから、無線端末20Bに対する構成情報1の使用モードを「NZP」、構成情報2の使用モードを「OVR」とする。
このように、無線局10Aと無線局10Bとが無線端末20Aに対してCoMP通信を行う場合に、無線局10A〜Bが無線端末20Aに対して送信する無線端末個別の参照信号に使用する無線リソースが同じになるように、構成情報1,2の使用モードが適切に決定される。また、無線局10Aと無線局10Bとが無線端末20Aに対してCoMP通信を行うことで、無線端末20Aに対する無線端末個別の参照信号の送信の通信性能が向上することが想定される。よって、無線端末個別の参照信号に使用しない無線リソースをデータの送信に使用するように、構成情報1,2の使用モードが適切に決定される。
次に、無線局10Aは、構成情報1,2のそれぞれの使用モードを示す信号を、無線端末20Aに送信する(S11)。同様に、無線局10Bは、構成情報1,2のそれぞれの使用モードを示す信号を、無線端末20Aに送信する(S12)。
そして、無線局10A〜Bは、無線端末20Aに対してデータを協調して送信する(S13,S14)。
以下、S15〜S22の処理を説明する。無線局10Aは、無線端末20Aへデータを送信する通信態様を決定する(S15)。同様に、無線局10Aは、無線端末20Bへデータを送信する通信態様を決定する(S16)。このとき、無線局10Aと無線局10Bは、互いに制御情報をやり取りし、通信状況を取得する。
S15の例では、無線局10Aは、無線端末20Aに対する通信態様としてCoMP通信を行うことを決定する。また、S16の例では、無線局10Bは、無線端末20Aに対する通信態様としてCoMP通信を行うことを決定し、無線端末20Bに対する通信態様としてMU−MIMO通信を行うことを決定する。
具体的には例えば、無線局10Aは、無線局10Aと無線端末20Aとの間の通信レベルと、無線局10Bと無線端末20Aとの間の通信レベルとに応じて、無線端末20Aに対してCoMP通信を行うか否か、無線端末20Aに対するCoMP通信で実際に信号を送信する選択局を決定する。
無線局10Aは、CoMP通信を行う選択無線局として無線局10Bを選択した場合、無線局10BにCoMP通信を要求する信号を送信する。無線局10Bは、無線端末20Aに対して無線局10Aと協調してCoMP通信を実行可能な場合、実行可能な旨を示す応答信号を送信する。無線局10Aは、応答信号を受信し、無線端末20AとのCoMP通信の準備を行い、無線端末20Aに対する通信態様としてCoMP通信を行うことを決定する。
無線局10Bは、上述のように、無線端末20Aに対して無線局10Aと協調してCoMP通信を実行可能な旨を示す応答信号を送信し、無線端末20Aに対するCoMP通信の準備を行い、無線端末20Aに対する通信態様としてCoMP通信を行うことを決定する。また、無線局10Bは、無線局10Aと無線端末20Bとの間の通信レベルと、無線局10Bと無線端末20Bとの間の通信レベルとに応じて、無線端末20Bに対してCoMP通信を行わないことを決定する。そして、無線局10Bは、無線端末20Aに対してCoMP通信を行うことから、無線端末20Bに対する通信態様としてMU−MIMO通信を行うことを決定する。
さらに、無線局10Aは、決定した通信態様や、その他の通信状況に基づいて、構成情報1,2の使用モードを決定する。また、無線局10Bは、決定した通信態様や、その他の通信状況に基づいて、構成情報1,2の使用モードを決定する。
具体的には、S15の例では、無線局10Aは、無線端末20Aに対して無線局10Bと協調してCoMP通信を行うこと、無線端末20A以外の無線端末と通信を行わないこと、無線局10Bが無線端末20A以外の無線端末と通信を行うことから、無線端末20Aに対する構成情報1の使用モードを「NZP」、構成情報2の使用モードを「OVR」とする。
また、S16の例では、無線局10Bは、無線端末20Aに対して無線局10Aと協調してCoMP通信を行うこと、無線端末20Bに対してMU−MIMO通信を行うこと、無線局10Aの無線端末20Aに対する構成情報1,2の使用モードから、無線端末20Aに対する構成情報1の使用モードを「NZP」、構成情報2の使用モードを「OVR」とし、無線端末20Bに対する構成情報1の使用モードを「OVR」、構成情報2の使用モードを「NZP」とする。
このように、無線局10Aと無線局10Bとが無線端末20Aに対してCoMP通信を行う場合に、無線局10A〜Bが無線端末20Aに対して送信する無線端末個別の参照信号に使用する無線リソースが同じになるように、構成情報1,2の使用モードが適切に決定される。また、無線局10A〜Bが無線端末20Aに対するCoMP通信で送信する無線端末個別の参照信号に使用する無線リソースと、無線局10Bが無線端末20Bに対して送信する無線端末個別の参照信号に使用する無線リソースとが異なるように、構成情報1,2の使用モードが決定される。また、無線局10Aと無線局10Bとが無線端末20Aに対してCoMP通信を行うことで、無線端末20Aに対する参照信号の送信の通信性能が向上することが想定される。よって、無線端末個別の参照信号に使用しない無線リソースをデータの送信に使用するように、構成情報1,2の使用モードが決定される。
次に、無線局10Aは、構成情報1,2のそれぞれの使用モードを示す信号を、無線端末20Aに送信する(S17)。同様に、無線局10Bは、構成情報1,2のそれぞれの使用モードを示す信号を、無線端末20Aに送信し(S18)、構成情報1,2のそれぞれの使用モードを示す信号を、無線端末20Bに送信する(S19)。
そして、無線局10A〜Bは、無線端末20Aに対してデータを協調して送信する(S20,S21)。これと共に、無線局10Bは、無線端末20Bに対してデータを送信する(S22)。
以上により、第1実施形態によれば、無線通信システム1において、無線局10A〜Bから無線端末20A〜Bへの無線端末個別の参照信号の送信に準備される無線リソースを効率良く割当てて、通信性能を向上できる。
第1実施形態において、無線通信システム1は、2つの無線局を有するものとしたが、無線局の数は任意である。また、CoMP通信可能な無線局とCoMP通信可能でない無線局とが混在してもよい。
第1実施形態において、無線通信システム1は、2つの無線端末を有するものとしたが、無線端末の数は任意である。また、CoMP通信可能な無線端末とCoMP通信可能でない無線端末とが混在してもよい。
第1実施形態において、無線通信システム1は、無線端末個別の参照信号の送信に準備される無線リソースを示す複数の構成情報として2つの構成情報1,2を用いるものとしたが、構成情報の数や内容はこれには限られない。
[第2実施形態]
第2実施形態に係る無線通信システムは、無線局10A〜Bの代わりに、後述の図7に示す50A〜B(Cell#1,Cell#2とも記載する)を有し、無線端末20A〜Bの代わりに、後述の図10に示す無線端末70A〜B(UE#1,UE#2とも記載する)を有する。第2実施形態に係る無線通信システムの全体的構成は、図1に示す無線通信システム1と同様である。例えば、無線局50A〜Bはそれぞれ、有線接続あるいは無線接続を介してネットワーク装置3と接続され、ネットワーク装置3は有線接続あるいは無線接続を介してネットワーク2に接続される。そして、無線局50A〜Bは、ネットワーク装置3及びネットワーク2を介して、データや制御情報を送受信可能に設けられている。
また、無線局50A〜Bはそれぞれ、アンテナを有し、通信ポイントに相当する。無線局50A〜BはそれぞれセルCell#1,Cell#2を形成している。無線局50A〜Bは、無線局50A〜B間で有線接続あるいは無線接続を介して通信を行う。また、無線局50A〜Bは、無線端末70A〜Bとの間で、シングルアンテナ通信およびMIMO通信が可能である。また、無線局50A〜Bは、無線端末70A〜Bに対してCoMP通信が可能である。
以下の説明では、無線局50Aが、無線端末70Aの接続無線局(接続セル)であるとし、無線局50Bが、無線端末70Bの接続無線局(接続セル)であるとする。
接続無線局50Aは、複数の無線局50A〜Bによる無線端末70Aとの間のCoMP通信処理を集約して行っている。接続無線局50Aは、無線局50A〜Bのうち、CoMP通信処理に使用する通信ポイント(選択無線局)を選択する。この場合、無線局50Bは、無線端末70Aに対してCoMP通信可能な他の無線局(以下、協調無線局、協調セルとも称する)に相当する。
接続無線局50Bは、複数の無線局50A〜Bによる無線端末70Bとの間のCoMP通信処理を集約して行っている。接続無線局50Bは、無線局50A〜Bのうち、CoMP通信処理に使用する通信ポイント(選択無線局)を選択する。この場合、無線局50Aは、無線端末70Bに対してCoMP通信可能な他の無線局(以下、協調無線局、協調セルとも称する)に相当する。
図7は、第2実施形態に係る無線通信システムの無線局50A〜Bの機能的構成を示すブロック図である。図7に示すように、無線局50Aは、受信アンテナ51Aと、受信RF部52Aと、FFT(Fast Fourier Transform)部53Aと、物理チャネル分離部54Aと、信号復調部55Aと、チャネル推定部56Aと、受信レベル測定部57Aと、通信制御部58Aと、上位レイヤデータ処理部59Aと、信号生成部60Aと、参照信号生成部61Aと、物理チャネル多重部62Aと、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)部63Aと、送信RF部64Aと、送信アンテナ65Aと、を有する。
また、無線局50Bは、受信アンテナ51Bと、受信RF部52Bと、FFT部53Bと、物理チャネル分離部54Bと、信号復調部55Bと、チャネル推定部56Bと、受信レベル測定部57Bと、通信制御部58Bと、上位レイヤデータ処理部59Bと、信号生成部60Bと、参照信号生成部61Bと、物理チャネル多重部62Bと、IFFT部63Bと、送信RF部64Bと、送信アンテナ65Bと、を有する。
受信アンテナ51Aは、無線信号を受信して、受信RF部52Aに出力する。受信アンテナ51Aは例えば、複数のアンテナ(物理アンテナ)を含む。また、受信アンテナ51Aは、送信アンテナ65Aと共用として、送信/受信切替え部等により送信と受信とを切り替えて構成するものとしてもよい。受信アンテナ51Aは、例えば上りのデータチャネルや制御チャネル上を伝送される上り信号(データ信号や制御信号)を受信する。信号を受信する物理チャネルとしては例えば、PRACH(Physical Random Access Channel)や、PUSCH(Physical Uplink Shared Channel)や、PUCCH(Physical Uplink Control Channel)が挙げられる。受信される信号としては例えば、無線端末70A〜Bからの接続確立のためのRACH(Random Access Channel)信号や、無線端末70A〜Bでの受信レベルを示す信号(例えば、RSRP Report)や、チャネル推定や復調のための参照信号が挙げられる。
受信RF部52Aは、受信信号にA/D(Analog to Digital)変換等の処理を行う。FFT部53Aは、デジタル信号にFFT処理を行う。物理チャネル分離部54Aは、FFT処理された信号から、各チャネルの信号を分離する。物理チャネル分離部54Aは、上り信号に含まれる上り参照信号を抽出する。上り参照信号は例えば、上りの周波数毎のチャネル推定に用いられるSRS(Sounding Reference Signal)や、上りの信号の復調のためのDM−RS(DeModulation RS)を含む。信号復調部55Aは、予め通知される或いは格納される制御情報や、復調のための参照信号に基づいて、分離された各チャネルの信号の復調処理を行う。チャネル推定部56Bは、予め通知される或いは格納される制御情報や、受信した参照信号に基づいて、チャネルの伝搬状態を示すチャネル推定値を取得する。復調処理された信号はチャネル推定値に基づいて復号処理される。復号処理されて取得されたデータ信号や制御信号は、通信制御部58Aに出力される。また、データ信号の復号結果として、ACK(ACKnowledgement)/NACK(Negative ACKnowledgement)が通信制御部58Aに出力される。
受信レベル測定部57Aは、受信した参照信号から受信レベル(上り受信電力や上り受信品質)を測定する。受信レベルとしては例えば、SIR、SINR等が挙げられる。
通信制御部58Aは、有線接続あるいは無線接続を介して、ネットワーク装置や他の無線局とデータや制御情報の送受信を行う。また、通信制御部58Aは、無線端末70A〜Bとのアクセスの管理や、信号を送信する送信電力の制御を行う。送信電力の制御は例えば、通信ポイントとの間の伝搬ロス(パスロス)を補償するオープンループ制御や、適応変調制御や、TPC(Transmission Power Control)コマンドによるクローズドループ制御によって行われる。その他、通信制御部58Aの詳細については後述する。
上位レイヤデータ処理部59Aは、復号処理されたデータ信号のリオーダリング処理等を行い、上りユーザデータを取得する。また、上位レイヤデータ処理部59Aは、ネットワーク装置や他の無線局から取得される下りユーザデータや、送信する制御情報を処理して、送信パケットを生成する。
信号生成部60Aは、送信パケットを符号化・変調して物理チャネル多重部62Aに出力する。また、信号生成部60Aは、個別制御チャネル上を伝送する制御信号を生成して物理チャネル多重部62Aに出力する。参照信号生成部61Aは、下り参照信号を生成して物理チャネル多重部62Aに出力する。下り参照信号は、例えば下りのセル固有のCRS(Cell-specific Reference Signal)や、下りのCSI−RS(Channel State Information Reference Signal)や、下りのチャネル推定や信号の復調のために用いられる無線端末個別の参照信号(DM−RS)を含む。CRSは下りの通信品質の測定や、下りの信号の復調に用いられ、セル識別情報(セルID)に対応付けて設定される。CSI−RSは下りの通信品質の測定に用いられ、例えば通信ポイント毎に設定することが可能である。
物理チャネル多重部62Aは、通信制御部58Aのスケジューリングに応じて、符号化・変調された送信パケットや制御信号や参照信号を、物理チャネルの無線リソースに割り当てる。IFFT部63Aは、多重後の信号にIFFT処理を行う。送信RF部64Aは、IFFT処理後の信号に、D/A変換や、歪補償処理や、増幅処理等を行って、送信アンテナ65Aに出力する。
送信アンテナ65Aは、送信RF部64Aから入力される無線信号を送信する。なお、送信アンテナ65Aは例えば、複数のアンテナ(物理アンテナ)を含む。送信アンテナ65Aは、例えば下りのデータチャネルや制御チャネル上を伝送される下り信号(データ信号や制御信号)を送信する。信号を送信する物理チャネルとしては例えば、報知チャネルPBCH(Physical Broadcast Channel)や、PMCH(Physical Multicast Channel)や、共有チャネルPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)や、個別制御チャネルPDCCH(Physical Downlink Control Channel)や、E−PDCCH(Enhanced - Physical Downlink Control Channel)が挙げられる。送信される信号としては例えば、無線端末70A〜Bへ呼の着信があった場合に無線端末70A〜Bを呼び出すためのPCH(Paging Channel)信号や、RACH信号への応答信号(RAR,Random Access Response)が挙げられる。また、送信される信号としては例えば、無線局50Aでの受信レベルを示す信号や、上り送信電力の制御のための制御信号(例えば、下り送信電力情報や、TPCコマンド等)が挙げられる。また、送信する信号は例えば、チャネル推定や復調のために用いられる無線端末個別の参照信号や、無線端末個別の参照信号の送信に準備される無線リソースを示す複数の構成情報や、複数の構成情報のそれぞれが示す無線リソースについての使用に関する使用モードを指定する信号を含む。制御信号としては例えば、接続中の無線端末70Aに個別制御チャネル上で伝送されるL1/L2シグナリングや、接続中の無線端末70Aに共有チャネル上で伝送されるRRC(Radio Resource Control)シグナリングが挙げられる。また、制御信号としては例えば、MIB(Master Information Block)やSIB(System Information Block)に格納されて、報知チャネル又は報知チャネルで指定される共有チャネル上で伝送されるシステム情報が挙げられる。
以下、通信制御部58Aの処理について詳述する。
通信制御部58Aは、無線端末70A〜Bへの無線リソースの割当て等のスケジューリングを行う。例えば、無線局50Aは、複数のアンテナポートを有し、通信制御部58Aは、無線端末70A〜Bとの通信に使用するアンテナポートを割当てる。なお、アンテナポートは処理上のポートであり、物理アンテナと対応しなくてもよい。
通信制御部58Aは、無線端末70Aとの接続確立の際に、参照信号に準備される無線リソースをそれぞれ示す複数の構成情報を無線端末70Aに通知する処理を実行する。なお、通信制御部58Aは例えば、複数の構成情報自体を無線端末70Aに通知してもよく、無線端末70Aに予め格納された情報のうちから複数の構成情報を指定する情報を無線端末70Aに通知してもよい。
複数の構成情報のそれぞれは例えば、参照信号の送信に使用されるリソースエレメントの配置や、参照信号の送信に使用されるアンテナポートの情報や、送信信号のレイヤ数を含む。また、複数の構成情報で、準備される無線リソースは互いに異なる。準備される無線リソースは例えば、互いに直交するように配置される。
図8A〜Bに、複数の構成情報の例を示す。以下、無線端末70Aは例えば、2つの構成情報(以下、configuration, conf. とも表記する)1,2を用いるものとして説明する。図8Aは、構成情報1のリソースエレメントの配置とアンテナポートの例を示し、図8Bは、構成情報2のリソースエレメントの配置例を示す。図8A〜Bにおいて、左右方向は時間を示し、上下方向は周波数を示す。図8A〜Bにおいて、斜線が付されたリソースエレメントは、無線端末個別の参照信号(DM−RS)が割当てられるDM−RSリソースを示す。DM−RSリソースには、最大8アンテナポートのDM−RSが直交多重される。例えば構成情報1では、4アンテナポート{Port 9,10,12,14}のDM−RSがDM−RSリソースに直交多重される。例えば構成情報2では、4アンテナポート{Port 7,8,11,13}のDM−RSがDM−RSリソースに直交多重される。
また、構成情報1,2は、無線局50Aと、自局周辺の他の無線局とで、共通に使用される。自局周辺の他の無線局は、CoMP通信可能な他の無線局50Bを含む。例えば、複数の構成情報は、無線局50A〜Bのそれぞれに予め格納されていてもよく、無線局50A〜Bがネットワーク装置から取得してもよく、無線局50A〜Bの一方の無線局から他方の無線局へ有線通信あるいは無線通信を介して通知されてもよい。
また、通信制御部58Aは、データ送信の際に、構成情報1,2のそれぞれの使用モードを指定する信号を送信する処理を実行する。通信制御部58Aは、データ送信の際に、通信状況に応じて、構成情報1,2のそれぞれの使用モードを決定する。使用モードとしては例えば、準備される無線リソースにて無線端末個別の参照信号を所定の送信電力で送信するモード(NZP)、無線端末個別の参照信号の送信電力を0にするモード(ZP)、および無線端末個別の参照信号に準備される無線リソースをデータ信号に割り当てるモード(OVR)を設定可能とする。なお、通信制御部58Aは、無線局50Aと接続中の無線端末が複数ある場合、使用モードを複数の無線端末に対して個別に指定する。そして通信制御部58Aは、複数の構成情報のそれぞれの使用モードに応じて無線端末70A〜Bとの通信を行う。
通信制御部58Aは例えば、無線局50Aが他の無線局50BとCoMP通信により無線端末70A〜Bへデータを送信するか否か、無線局50Aが接続中の無線端末の数、無線局50Aと接続中の無線端末との間の通信レベル、他の無線局50Bが接続中の無線端末の数、他の無線局50Bと接続中の無線端末との間の通信レベル、無線局50Aからデータを送信する通信態様、他の無線局50Bからデータを送信する通信態様、の少なくともいずれかに応じて複数の構成情報のそれぞれの使用モードを決定する。通信態様は例えば、シングルアンテナ通信、MIMO通信、およびCoMP通信、の少なくともいずれかを含む。
通信制御部58Aは例えば、データ送信の際に、自局周辺の他の無線局の通信状況を取得する。他の無線局は、CoMP通信可能な無線局50Bを含む。また、通信制御部58Aは例えば、データ送信の際に、データを送信する通信態様を決定し、複数の構成情報のそれぞれの使用モードを決定する。
詳細には通信制御部58Aは例えば、無線局50A〜Bと無線端末70Aとの間の通信レベルを取得する。通信レベルは例えば、上り参照信号あるいは下り参照信号から測定される。通信レベルは例えば、無線端末70Aから報告されてもよく、無線局50Aと無線端末70Aとの間の通信レベルを無線局50Aで測定するともに、無線局50Bと無線端末70Bとの間の通信レベルを無線局50Bで測定して無線局50Aに通知してもよい。
また通信制御部58Aは例えば、無線端末70Aに対してCoMP通信可能な他の無線局50Bの通信制御部58BにCoMP通信を要求する信号を送信し、無線局50Bの通信制御部58Bから応答信号を受信して、CoMP通信の準備を行う。
そして通信制御部58Aは、通信レベルやその他の通信状況に応じて、CoMP通信可能な複数の無線局50A〜Bから、無線端末70Aへ信号を送信する選択無線局を選択する。選択無線局は、DPS動作により選択される1つの無線局、あるいはJT動作により選択される2以上の無線局である。
このとき通信制御部58Aは、CoMP通信可能な他の無線局のうちから候補となる無線局を所定のタイミングで選択し、候補となる無線局のうちから実際に使用する無線局をデータ送信の際に選択するといったように、複数段階で無線局を選択してもよい。
そして通信制御部58Aは、無線局50Aと無線局50Bとの間で制御情報をやり取りして、CoMP通信で使用されるパラメータを設定する。通信制御部58Aは、無線端末70Aとの通信に使用する通信ポイントに関する情報を、協調無線局・選択無線局の通信制御部とやり取りする処理を行う。このとき、無線局50A〜Bと無線端末70Aとの間で無線端末個別の参照信号や制御情報をやり取りしてもよい。これにより、無線端末70Aに対してCoMP通信を行うことが決定される。
また、無線端末70Aに対してCoMP通信を行わない場合、通信制御部58Aは、通信レベルやその他の通信状況に応じて、シングルアンテナ通信を行うか、MU−MIMO通信を行うか、あるいはSU−MIMO通信を行うかを決定する。このように、制御部13で、データを送信する通信態様が決定される。
そして、通信制御部58Aは、構成情報1,2のそれぞれの使用モードを決定して、使用モードを示す信号を無線端末70Aに送信し、使用モードに応じて無線端末70Aとの通信を行う。なお、接続中の他の無線端末がある場合、当該他の無線端末に対してデータ送信の際に、通信制御部58Aは無線端末70Aに対する処理と同様に、通信態様や、構成情報の使用モードを決定し、使用モードを示す信号を送信し、使用モードに応じて通信を行う。
一方、無線局50Aは、無線端末70Bの接続無線局である無線局50Bの協調無線局として動作する。この場合、通信制御部58Aは、無線局50Bの通信制御部58BからCoMP通信を要求する信号を受信し、無線局50Bの通信制御部58Bに応答信号を送信して、CoMP通信の準備を行う。
そして、無線局50Bにより、無線局50Aが選択無線局として選択された場合、通信制御部58Aは、通信制御部58Bとの間で制御情報をやり取りして、CoMP通信で使用されるパラメータ(例えば、CoMP通信ゲインに関するパラメータ)を設定する。このとき、無線局50A〜Bと無線端末70Bとの間で無線端末個別の参照信号や制御情報をやり取りしてもよい。これにより、無線端末70Bに対してCoMP通信を行うことが決定される。そして、通信制御部58Aは、構成情報1,2のそれぞれの使用モードを決定して、使用モードを示す信号を無線端末70Bに送信し、使用モードに応じて無線端末70Bとの通信を行う。
図9に、無線端末個別の参照信号の構成情報と使用モードとの無線端末に対する設定の一例を示す。図9の例では、Cell#1からUE#2への通信は行われないものとする。図9の表の上段は、Cell#1からUE#1への通信態様と、Cell#2からUE#2への通信態様が、SU−MIMO通信又はMU−MIMO通信の場合を示す。図9の表の中段は、Cell#1からUE#1への通信態様と、Cell#2からUE#2への通信態様がJT−CoMP通信の場合を示す。図9の表の下段は、Cell#1からUE#1への通信態様と、Cell#2からUE#2への通信態様がJT−CoMP通信で、Cell#2からUE#2への通信態様がMU−MIMO通信の場合を示す。
図10は、第2実施形態の無線端末70Aの機能的構成を示すブロック図である。図10に示すように、無線端末70Aは、受信アンテナ71と、受信RF部72と、FFT部73と、物理チャネル分離部74と、信号復調部75と、チャネル推定部76と、受信レベル測定部77と、通信制御部78と、上位レイヤデータ処理部79と、信号生成部80と、参照信号生成部81と、物理チャネル多重部82と、IFFT部83と、送信RF部84と、送信アンテナ85とを有する。なお、無線端末70Bの機能的構成およびハードウェア構成は、無線端末70Aの機能的構成及びハードウェア構成と同様である。
受信アンテナ71は、無線信号を受信して、受信RF部72に出力する。受信アンテナ71は例えば、複数のアンテナ(物理アンテナ)を含む。また、受信アンテナ71は、送信アンテナ85と共用として、送信/受信切替え部等により送信と受信とを切り替えて構成するものとしてもよい。受信アンテナ71は、例えば上りのデータチャネルや制御チャネル上を伝送される上り信号(データ信号や制御信号)を受信する。受信される信号としては例えば、無線端末70Aへ呼の着信があった場合に無線端末70Aを呼び出すためのPCH信号や、無線端末70AからのRACH信号への応答信号が挙げられる。また、受信される信号としては例えば、無線局50Aでの受信レベルを示す信号や、上り送信電力の制御のための制御信号(例えば、下り送信電力情報や、TPCコマンド等)が挙げられる。また、受信される信号は例えば、チャネル推定や復調のために用いられる無線端末個別の参照信号や、無線端末個別の参照信号の送信に準備される無線リソースを示す複数の構成情報や、複数の構成情報のそれぞれの使用モードを指定する信号を含む。制御信号としては例えば、接続無線局50Aから個別制御チャネル上で伝送されるL1/L2シグナリングや、接続無線局50Aから共有チャネル上で伝送されるRRCシグナリングが挙げられる。また、制御信号としては例えば、MIBやSIBに格納されて、報知チャネル又は報知チャネルで指定される共有チャネル上で伝送されるシステム情報が挙げられる。
受信RF部72は、受信信号にA/D変換等の処理を行う。FFT部73は、デジタル信号にFFT処理を行う。物理チャネル分離部74は、FFT処理された信号から、各チャネルの信号を分離する。物理チャネル分離部74は例えば、受信されたOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)信号からサブキャリア信号を取得する。信号復調部75は、予め通知されるあるいは格納される制御情報や、復調のための無線端末個別の参照信号に基づいて、分離された各チャネルの信号の復調処理を行う。チャネル推定部76は、予め通知される或いは格納される制御情報や、受信した無線端末個別の参照信号に基づいて、チャネルの伝搬状態を示すチャネル推定値を取得する。復調処理された信号はチャネル推定値に基づいて復号処理される。復号処理されて取得されたユーザデータや制御情報は、通信制御部78に出力される。また、データ信号の復号結果として、ACK/NACKが通信制御部78に出力される。
受信レベル測定部77は、受信したセル固有の参照信号から受信レベル(下り受信電力や下り受信品質)を測定する。受信レベルとしては例えば、SIR、SINR等が挙げられる。
通信制御部78は、無線局50A〜Bとのアクセスや、信号を送信する送信電力の制御を行う。送信電力の制御は例えば、通信ポイントとの間の伝搬ロス(パスロス)を補償するオープンループ制御や、適応変調制御や、TPC(Transmission Power Control)コマンドによるクローズドループ制御によって行われる。
また、通信制御部78は、無線端末個別の参照信号の送信に準備される無線リソースを示す複数の構成情報(構成情報1,2)を設定する。通信制御部78は、下りデータ送信の際に、構成情報1,2のそれぞれの使用モードを示す信号を無線局50Aから受信して、構成情報1,2のそれぞれの使用モードに応じて無線局50Aとの通信を行う。なお、通信制御部78は、無線局50A〜Bが無線端末70Aに対してCoMP通信を行う場合には、使用モードを示す信号を無線局50A〜Bから受信して、複数の構成情報のそれぞれの使用モードに応じて無線局50A〜Bとの通信を行う。
上位レイヤデータ処理部79は、復号処理されたデータ信号のリオーダリング処理等を行い、下りユーザデータを取得する。また、上位レイヤデータ処理部79は、上りユーザデータや、送信する制御情報を処理して、送信パケットを生成する。
信号生成部80は、送信パケットを符号化・変調して、上り送信電力情報に基づいて振幅調整し、物理チャネル多重部82に出力する。参照信号生成部81は、上り参照信号を生成して物理チャネル多重部82に出力する。
物理チャネル多重部82は、符号化・変調された送信パケットや参照信号を物理チャネルの無線リソースに割り当てる。IFFT部83は、多重後の信号にIFFT処理を行う。送信RF部84は、IFFT処理後の信号に、D/A変換や、歪補償処理や、増幅処理等を行って、送信アンテナ85に出力する。
送信アンテナ85は、送信RF部84から入力される無線信号を送信する。なお、送信アンテナ85は例えば、複数のアンテナ(物理アンテナ)を含む。送信アンテナ85は、例えば上りのデータチャネルや制御チャネル上を伝送される上り信号(データ信号や制御信号)を送信する。送信される信号は例えば、接続確立のためのRACH信号や、無線端末70での受信レベルを示す信号や、チャネル推定や復調のための参照信号を含む。
なお、第2実施形態に係る無線通信システムにおける無線局50A,Bのハードウェア構成は、図4の無線局10Aのハードウェア構成と同様である。無線局50A,Bの受信アンテナ51A,Bと、受信RF部52A,Bと、送信RF部64A,Bと、送信アンテナ65A,Bとは、例えばアンテナおよびRF回路により実現される。また、無線局50A,BのFFT部53A,Bと、物理チャネル分離部54A,Bと、信号復調部55A,Bと、チャネル推定部56A,Bと、受信レベル測定部57A,Bと、通信制御部58A,Bと、上位レイヤデータ処理部59A,Bと、信号生成部60A,Bと、参照信号生成部61A,Bと、物理チャネル多重部62A,Bと、IFFT部63A,Bとは、例えばDSP等の集積回路あるいはCPU等の集積回路により実現される。
また、第2実施形態に係る無線通信システムにおける無線端末70Aのハードウェア構成は、図5の無線端末20Aのハードウェア構成と同様である。無線端末70の受信アンテナ71と、受信RF部72と、送信RF部84と、送信アンテナ85とは、例えばアンテナおよびRF回路により実現される。無線端末70のFFT部73と、物理チャネル分離部74と、信号復調部75と、チャネル推定部76と、受信レベル測定部77と、通信制御部78と、上位レイヤデータ処理部79と、信号生成部80と、参照信号生成部81と、物理チャネル多重部82と、IFFT部83とは、例えばCPU等の集積回路により実現される。
次に、第2実施形態に係る無線通信システムの動作を、図11を参照して説明する。図11は、第2実施形態に係る無線通信システムの下りリンクの送信動作を説明するためのシーケンス図である。
図11に示すように、無線局50Aは、無線端末70Aに、無線端末個別の参照信号の送信に準備される無線リソースを示す複数の構成情報(DM−RS構成情報1,2)を通知する(S31)。無線局50AによるDM−RS構成情報1,2の通知は、例えば無線端末70Aとの接続確立の際に、RRCシグナリングにより通知される。同様に、無線局50Bは、無線端末70Bに、無線端末個別の参照信号の送信に準備される無線リソースを示す複数の構成情報(DM−RS構成情報1,2)を通知する(S32)。無線局50BによるDM−RS構成情報1,2の通知は、例えば無線端末70Bとの接続確立の際に、RRCシグナリングにより通知される。構成情報1,2は、無線局50A〜Bで共通に使用される。構成情報1,2はそれぞれ、リソースエレメントの配置や、アンテナポートの情報や、レイヤ数を含む。また、構成情報1,2で準備される無線リソースは、互いに異なるように設定される。
次に、無線局50Aは、無線端末70A〜Bへデータを送信する通信態様を決定する(S33)。同様に、無線局50Bは、無線端末70A〜Bへデータを送信する通信態様を決定する(S34)。このとき、無線局50Aと無線局50Bとは、互いに制御情報をやり取りし、通信状況を取得する。通信態様の決定は例えば、データの送信毎に行われる。通信態様の決定は、接続確立より比較的短い間隔で実行される。通信態様としては例えば、JT−CoMP通信、SU−MIMO通信、およびMU−MIMO通信を選択可能とする。
S33の例では、無線局50Aは、無線端末70Aに対して、通信態様としてSU−MIMO通信を行うことを決定する。また、S34の例では、無線局50Bは、無線端末70Bに対して、通信態様としてSU−MIMO通信を行うことを決定する。
具体的には例えば、無線局50Aは、無線局50Aと無線端末70Aとの間の通信レベルと、無線局50Bと無線端末70Aとの間の通信レベルとに応じて、無線端末70Aに対してCoMP通信を行わないことを決定する。そして、無線局50Aは、無線端末70A以外の無線端末と通信を行わないことから、無線端末70Aに対する通信態様としてSU−MIMO通信を行うことを決定する。
無線局50Aと無線端末70Aとの間の通信レベルは、無線局50Aから送信されるセル固有の参照信号を無線端末70Aで受信し、測定結果を無線端末70Aから無線局50Aへ送信することで取得できる。あるいは、無線端末70Aから送信される参照信号を無線局50Aで受信し、無線局50Aで測定してもよい。無線局50Bと無線端末70Aとの間の通信レベルは、無線局50Bから送信される参照信号を無線端末70Aで受信し、測定結果を無線端末70Aから無線局50Aへ送信することで取得できる。あるいは、無線端末70Aから送信されるセル固有の参照信号を無線局50Bで受信し、測定結果を無線局50Bから無線局50Aに送信して、通知してもよい。
同様に、無線局50Bは、無線局50Aと無線端末70Bとの間の通信レベルと、無線局50Bと無線端末70Bとの間の通信レベルとに応じて、無線端末70Bに対してCoMP通信を行わないことを決定する。そして、無線局50Bは、無線端末70B以外の無線端末と通信を行わないことから、無線端末70Bに対する通信態様としてSU−MIMO通信を行うことを決定する。
さらに、無線局50Aは、決定した通信態様や、その他の通信状況に基づいて、構成情報1,2の使用モード(DM−RSモード)を決定する。また、無線局50Bは、決定した通信態様や、その他の通信状況に基づいて、構成情報1,2の使用モードを決定する。
使用モードとしては例えば、準備される無線リソースにて無線端末個別の参照信号を所定の送信電力で送信するモード(NZP)、無線端末個別の参照信号の送信電力を0にするモード(ZP)、および無線端末個別の参照信号に準備される無線リソースをデータ信号に割り当てるモード(OVR)を設定可能とする。
具体的には、S33の例では、無線局50Aは、自局が配下の無線端末70AにSU−MIMO通信を行うこと、無線局50Bが配下の無線端末70BにSU−MIMO通信を行うことから、図9の表に示すように、構成情報1の使用モードを「NZP」、構成情報2の使用モードを「ZP」とする。また、S34の例では、無線局50Bは、自局が配下の無線端末70BにSU−MIMO通信を行うこと、無線局50Aが配下の無線端末70AにSU−MIMO通信を行うことから、図9の表に示すように、無線端末70Bに対する構成情報1の使用モードを「ZP」、構成情報2の使用モードを「NZP」とする。
このように、無線局50Aが無線端末70Aへ送信する無線端末個別の参照信号に使用する無線リソースと、無線局50Bが無線端末70Bへ送信する無線端末個別の参照信号に使用する無線リソースとが異なるように、構成情報1,2の使用モードが決定される。これにより、無線端末個別の参照信号の送信の際に、通信ポイント間の干渉が低減されて、データを受信するためのチャネル推定精度が向上し、通信性能が向上される。
次に、無線局50Aは、構成情報1,2のそれぞれの使用モードを示す信号を、無線端末70AにPDCCH上で送信する(S35)。なお、無線局50Aは、構成情報1,2のそれぞれの使用モードを示す信号とともに、例えば実際に使用するアンテナポート番号やレイヤ数をPDCCH上で送信する。また、使用モードを示す信号は、使用モードが変更された場合にのみ送信してもよい。また、使用モードを示す信号は、使用モードが変更された構成情報についての使用モードのみを含むようにしてもよい。また、使用モードを示す信号とともに、構成情報1,2の内容の変更を示す情報を通知してもよい。また、構成情報1,2はリソースエレメントの配置を含み、使用モードを示す信号とともに、使用されるアンテナポートの情報やレイヤ数を通知してもよい。
同様に、無線局50Bは、構成情報1,2のそれぞれの使用モードを示す信号を、無線端末70BにPDCCH上で送信する(S36)。これにより、無線局50A〜Bが無線端末70A〜Bへ送信する無線端末個別の参照信号に割当てる無線リソースを、比較的短い間隔で決定される通信態様を反映して柔軟に設定可能となる。また、これにより、比較的短い間隔で実行される通信態様の決定タイミングに合わせて、無線端末個別の参照信号の送信に準備される無線リソースを示す構成情報を逐次通知する場合に比べて、シグナリングの増大を抑制することができる。
そして、無線局50Aは、無線端末70AにPDSCH上でデータを送信する(S37)。S37の例では、無線局50Aは、S35で送信した使用モードに応じて、構成情報1で準備されるリソースエレメントとアンテナポートを用いて、データの受信のための無線端末個別の参照信号を送信し、データを送信する。無線端末70Aは、S35で送信された使用モードから、データを受信するための無線端末個別の参照信号を取得し、取得した無線端末個別の参照信号を用いて、S33で決定されたSU−MIMO通信により送信されたデータを受信する。
同様に、無線局50Bは、無線端末70BにPDSCH上でデータを送信する(S38)。S38の例では、無線局50Bは、S36で送信した使用モードに応じて、構成情報2で準備される無線リソースを用いて、データの受信のための無線端末個別の参照信号を送信し、S34で決定した通信態様に応じて、SU−MIMO通信によりデータを無線端末70Bに送信する。無線端末70Bは、S36で送信された使用モードに応じて、無線端末個別の参照信号が送信される無線リソースを特定し、無線端末個別の参照信号を受信する。
無線局50A〜Bは、S33〜S38と同様の処理をS39〜S44,S45〜S52で実行する。
以下、S39〜S44の処理を説明する。無線局50Aは、無線端末70A〜Bへデータを送信する通信態様を決定する(S39)。同様に、無線局50Bは、無線端末70A〜Bへデータを送信する通信態様を決定する(S40)。このとき、無線局50Aと無線局50Bは、互いに制御情報をやり取りし、通信状況を取得する。
S39の例では、無線局50Aは、無線端末70Aに対する通信態様としてCoMP通信を行うことを決定する。また、S40の例では、無線局50Bは、無線端末70Aに対する通信態様としてCoMP通信を行うことを決定する。なお、S40の例では、無線局50Bは、配下の無線端末70Bに対して送信するデータがなく、無線端末70Bとの通信を行わないため、無線端末70Bに対する通信態様は決定されない。
具体的には例えば、無線局50Aは、無線局50Aと無線端末70Aとの間の通信レベルと、無線局50Bと無線端末70Aとの間の通信レベルとに応じて、無線端末70Aに対してCoMP通信を行うか否か、無線端末70Aに対するCoMP通信で実際に信号を送信する選択局を決定する。
無線局50Aは、CoMP通信を行う選択無線局として無線局50Bを選択した場合、無線局50BにCoMP通信を要求する信号を送信する。無線局50Bは、無線端末70Aに対して無線局50Aと協調してCoMP通信を実行可能な場合、実行可能な旨を示す応答信号を送信し、無線端末70AとのCoMP通信の準備を行い、無線端末70Aに対する通信態様としてCoMP通信を決定する。無線局50Aは、応答信号を受信し、無線端末70AとのCoMP通信の準備を行い、無線端末70Aに対する通信態様としてCoMP通信を決定する。
さらに、無線局50Aは、決定した通信態様や、その他の通信状況に基づいて、構成情報1,2の使用モードを決定する。また、無線局50Bは、決定した通信態様や、その他の通信状況に基づいて、構成情報1,2の使用モードを決定する。
具体的には、S39の例では、無線局50Aは、無線端末70Aに対して無線局50Bと協調してJT−CoMP通信を行うこと、自局が無線端末70A以外の無線端末と通信を行わないこと、無線局50Bが無線端末70A以外の無線端末と通信を行わないことから、図9の表に示すように、構成情報1の使用モードを「NZP」、構成情報2の使用モードを「OVR」とする。また、S40の例では、無線局50Bは、無線端末70Aに対して無線局50Bと協調してCoMP通信を行うこと、無線局50Aが無線端末70A以外の無線端末と通信を行わないこと、自局が無線端末70A以外の無線端末と通信を行わないことから、図9の表に示すように、無線端末70Aに対する構成情報1の使用モードを「NZP」、構成情報2の使用モードを「OVR」とする。
このように、無線局50Aと無線局50Bとが無線端末70Aに対してCoMP通信を行う場合に、無線局50A〜Bが無線端末70Aに対して送信する無線端末個別の参照信号に使用する無線リソースが同じになるように、構成情報1,2の使用モードが適切に決定される。また、無線局50Aと無線局50Bとが無線端末70Aに対してCoMP通信を行うことで、無線端末70Aに対する無線端末個別の参照信号の送信の通信性能が向上することが想定される。よって、無線端末個別の参照信号に使用しない無線リソースをデータの送信に使用するように、構成情報1,2の使用モードが適切に決定される。
次に、無線局50Aは、構成情報1,2のそれぞれの使用モードを示す信号を、無線端末70AにPDCCH上で送信する(S41)。同様に、無線局50Bは、構成情報1,2のそれぞれの使用モードを示す信号を、無線端末70AにPDCCH上で送信する(S42)。
そして、無線局50A〜Bは、無線端末70Aに対してデータを協調してPDSCH上で送信する(S43,S44)。
以下、S45〜S52の処理を説明する。無線局50Aは、無線端末70Aへデータを送信する通信態様を決定する(S45)。同様に、無線局50Aは、無線端末70Bへデータを送信する通信態様を決定する(S46)。このとき、無線局50Aと無線局50Bは、互いに制御情報をやり取りし、通信状況を取得する。
S45の例では、無線局50Aは、無線端末70Aに対する通信態様としてCoMP通信を行うことを決定する。また、S46の例では、無線局50Bは、無線端末70Aに対する通信態様としてCoMP通信を行うことを決定し、無線端末70Bに対する通信態様としてMU−MIMO通信を行うことを決定する。
具体的には例えば、無線局50Aは、無線局50Aと無線端末70Aとの間の通信レベルと、無線局50Bと無線端末70Aとの間の通信レベルとに応じて、無線端末70Aに対してCoMP通信を行うか否か、無線端末70Aに対するCoMP通信で実際に信号を送信する選択局を決定する。
無線局50Aは、CoMP通信を行う選択無線局として無線局50Bを選択した場合、無線局50BにCoMP通信を要求する信号を送信する。無線局50Bは、無線端末70Aに対して無線局50Aと協調してCoMP通信を実行可能な場合、実行可能な旨を示す応答信号を送信する。無線局50Aは、応答信号を受信し、無線端末70AとのCoMP通信の準備を行い、無線端末70Aに対する通信態様としてCoMP通信を行うことを決定する。
無線局50Bは、上述のように、無線端末70Aに対して無線局50Aと協調してCoMP通信を実行可能な旨を示す応答信号を送信し、無線端末70Aに対するCoMP通信の準備を行い、無線端末70Aに対する通信態様としてCoMP通信を行うことを決定する。また、無線局50Bは、無線局50Aと無線端末70Bとの間の通信レベルと、無線局50Bと無線端末70Bとの間の通信レベルとに応じて、無線端末70Bに対してCoMP通信を行わないことを決定する。そして、無線局50Bは、無線端末70AとCoMP通信を行うことから、無線端末70Bに対する通信態様としてMU−MIMO通信を行うことを決定する。
さらに、無線局50Aは、決定した通信態様や、その他の通信状況に基づいて、構成情報1,2の使用モードを決定する。また、無線局50Bは、決定した通信態様や、その他の通信状況に基づいて、構成情報1,2の使用モードを決定する。
具体的には、S45の例では、無線局50Aは、無線端末70Aに対して無線局50Bと協調してCoMP通信を行うこと、自局が無線端末70A以外の無線端末と通信を行わないことから、図9の表に示すように、無線端末70Aに対する構成情報1の使用モードを「NZP」、構成情報2の使用モードを「OVR」とする。
また、S46の例では、無線局50Bは、無線端末70Aに対して無線局50Aと協調してCoMP通信を行うこと、無線端末70Bに対してMU−MIMO通信を行うことから、図9の表に示すように、無線端末70Aに対する構成情報1の使用モードを「NZP」、構成情報2の使用モードを「OVR」とし、無線端末70Bに対する構成情報1の使用モードを「OVR」、構成情報2の使用モードを「NZP」とする。
このように、無線局50Aと無線局50Bとが無線端末70Aに対してCoMP通信を行う場合に、無線局50A〜Bが無線端末70Aに対して送信する無線端末個別の参照信号に使用する無線リソースが同じになるように、構成情報1,2の使用モードが適切に決定される。また、無線局50A〜Bが無線端末70Aに対するCoMP通信で送信する無線端末個別の参照信号に使用する無線リソースと、無線局50Bが無線端末70Bに対して送信する無線端末個別の参照信号に使用する無線リソースとが異なるように、構成情報1,2の使用モードが適切に決定される。また、無線局50Aと無線局50Bとが無線端末70Aに対してCoMP通信を行うことで、無線端末70Aに対する無線端末個別の参照信号の送信の通信性能が向上することが想定される。よって、無線端末個別の参照信号に使用しない無線リソースをデータの送信に使用するように、構成情報1,2の使用モードが適切に決定される。
次に、無線局50Aは、構成情報1,2のそれぞれの使用モードを示す信号を、無線端末70AにPDCCH上で送信する(S47)。同様に、無線局50Bは、構成情報1,2のそれぞれの使用モードを示す信号を、無線端末70AにPDCCH上で送信し(S48)、構成情報1,2のそれぞれの使用モードを示す信号を、無線端末70BにPDCCH上で送信する(S49)。
そして、無線局50A〜Bは、無線端末70Aに対してデータを協調してPDSCH上で送信する(S50,S51)。また、無線局50Bは、無線端末70Bに対してデータをPDSCH上で送信する(S52)。
以上により、第2実施形態によれば、無線通信システムにおいて、無線局50A〜Bから無線端末70A〜Bへの無線端末個別の参照信号の送信に準備される無線リソースを効率良く割当てて、通信性能を向上できる。
なお、無線端末個別の参照信号の構成情報と使用モードとの無線端末に対する設定の例としては、図9の表の代わりに、図12A,Bの表を用いてもよい。図12A,Bの例では、図9の例と同様に、Cell#1からUE#2への通信は行なわれないものとしている。
図12A,Bの表の上段は、Cell#1からUE#1への通信態様と、Cell#2からUE#2への通信態様が、SU-MIMO通信又はMU-MIMO通信で、Cell#2からUE#1への通信が行われない場合を示す。図12A,Bの表の下段は、Cell#1からUE#1への通信態様と、Cell#2からUE#1への通信態様が、JT−CoMP通信で、Cell#2からUE#2への通信が行われない場合を示す。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る無線通信システムについて、図13〜図15を参照して説明する。図13は、第3実施形態に係る無線通信システム1Aの構成を示す。図13に示すように、無線通信システム1Aは、無線局50A〜B(Cell#1,Cell#2とも記載する)と、無線端末UE#1〜UE#4とを有する。第3実施形態に係る無線通信システムの全体的構成は、第1〜2実施形態に係る無線通信システムと同様である。例えば、無線局50A〜Bはそれぞれ、有線接続あるいは無線接続を介してネットワーク装置3と接続され、ネットワーク装置3は有線接続あるいは無線接続を介してネットワーク2に接続される。そして、無線局50A〜Bは、ネットワーク装置3及びネットワーク2を介して、データや制御情報を送受信可能に設けられている。
また、無線局50A〜Bはそれぞれ、アンテナを有し、通信ポイントに相当する。無線局50A〜BはそれぞれセルCell#1,Cell#2を形成している。無線局50A〜Bは、無線局50A〜B間で有線接続あるいは無線接続を介して通信を行う。また、無線局50A〜Bは、UE#1〜UE#4との間で、シングルアンテナ通信およびMIMO通信が可能である。また、無線局50A〜Bは、UE#1〜UE#4に対してCoMP通信が可能である。
以下の説明では、無線局50Aが、UE#1,UE#2の接続無線局(接続セル)であるとし、無線局50Bが、UE#3,UE#4の接続無線局(接続セル)であるとする。
接続無線局50Aは、複数の無線局50A〜BによるUE#1,UE#2との間のCoMP通信処理を集約して行っている。接続無線局50Aは、無線局50A〜Bのうち、CoMP通信処理に使用する通信ポイント(選択無線局)を選択する。この場合、無線局50Bは、UE#1,UE#2に対してCoMP通信可能な他の無線局(以下、協調無線局、協調セルとも称する)に相当する。
接続無線局50Bは、複数の無線局50A〜BによるUE#3,UE#4との間のCoMP通信処理を集約して行っている。接続無線局50Bは、無線局50A〜Bのうち、CoMP通信処理に使用する通信ポイント(選択無線局)を選択する。この場合、無線局50Aは、UE#3,UE#4に対してCoMP通信可能な他の無線局(以下、協調無線局、協調セルとも称する)に相当する。
第3実施形態に係る無線局50A〜Bの機能的構成およびハードウェア構成は、第2実施形態の図7の無線局50A〜Bと同様である。また、第3実施形態に係る無線端末UE#1〜UE#4の機能的構成およびハードウェア構成は、第2実施形態の図10の無線端末70Aと同様である。
次に、第3実施形態に係る無線通信システム1Aの動作を、図14〜図15を参照して説明する。図14は、第3実施形態における、無線端末個別の参照信号の構成情報と使用モードとの無線端末に対する設定の一例を示す表である。図14の表の上段は、信号を送信する通信態様として、Cell#1がUE#1,UE#2へMU−MIMO通信を行い、Cell#2がUE#3,UE#4へMU-MIMO通信を行っている場合を示す。図14の表の中段は、Cell#1とCell#2とが協調してUE#2に対してJT−CoMP通信を行い、Cell#2からUE#4に対してMU−MIMO通信を行っている場合を示す。図14の表の下段は、Cell#1とCell#2とが協調してUE#3に対してJT−CoMP通信を行い、Cell#1からUE#1に対してMU−MIMO通信を行っている場合を示す。
図15は、第3実施形態に係る無線通信システム1Aの下りリンクの送信動作を説明するためのシーケンス図である。
図15に示すように、無線局50Aは、UE#1,UE#2に、無線端末個別の参照信号の送信に準備される無線リソースを示す複数の構成情報(DM−RS構成情報1,2)を通知する(S61,62)。無線局50AによるDM−RS構成情報1,2の通知は、例えばUE#1,UE#2との接続確立の際にそれぞれ、RRCシグナリングにより通知される。同様に、無線局50Bは、UE#3,UE#4に、無線端末個別の参照信号の送信に準備される無線リソースを示す複数の構成情報(DM−RS構成情報1,2)を通知する(S63,64)。無線局50BによるDM−RS構成情報1,2の通知は、例えば無線端末70B,Dとの接続確立の際に、RRCシグナリングにより通知される。構成情報1,2は、無線局50A〜Bで共通に使用される。構成情報1,2はそれぞれ、リソースエレメントの配置や、アンテナポートの情報や、レイヤ数を含む。また、構成情報1,2で準備される無線リソースは、互いに異なるように設定される。
次に、無線局50Aは、UE#1〜UE#4へデータを送信する通信態様を決定する(S65)。同様に、無線局50Bは、UE#1〜UE#4へデータを送信する通信態様を決定する(S66)。このとき、無線局50Aと無線局50Bとは、互いに制御情報をやり取りし、通信状況を取得する。通信態様の決定は例えば、データの送信毎に行われる。通信態様の決定は、接続確立より比較的短い間隔で実行される。通信態様としては例えば、JT−CoMP通信、SU−MIMO通信、およびMU−MIMO通信を選択可能とする。
S65の例では、無線局50Aは、UE#2に対して、通信態様としてSU−MIMO通信を行うことを決定する。また、S66の例では、無線局50Bは、UE#4に対して、通信態様としてSU−MIMO通信を行うことを決定する。
具体的には例えば、無線局50Aは、UE#2への下りデータがある場合に、無線局50AとUE#2との間の通信レベルと、無線局50BとUE#2との間の通信レベルとに応じて、UE#2に対してCoMP通信を行わないことを決定する。S65の場合、無線局50Aで配下のUE#2への下りデータはなく、無線局50AはUE#2との通信は行わない。また、無線局50Aは、無線局50Bの配下のUE#3,UE#4に対するCoMP通信も行わない。このように、無線局50Aは、UE#2以外の無線端末と通信を行わないことから、UE#2に対する通信態様としてSU−MIMO通信を行うことを決定する。
無線局50AとUE#2との間の通信レベルは、無線局50Aから送信されるセル固有の参照信号をUE#2で受信し、測定結果をUE#2から無線局50Aへ送信することで取得できる。あるいは、無線端末70Aから送信される参照信号を無線局50Aで受信し、無線局50Aで測定してもよい。無線局50BとUE#2との間の通信レベルは、無線局50Bから送信されるセル固有の参照信号をUE#2で受信し、測定結果をUE#2から無線局50Aへ送信することで取得できる。あるいは、UE#2から送信される参照信号を無線局50Bで受信し、測定結果を無線局50Bから無線局50Aに送信して、通知してもよい。
同様に、無線局50Bは、UE#4への下りデータがある場合に、無線局50AとUE#4との間の通信レベルと、無線局50BとUE#4との間の通信レベルとに応じて、UE#4に対してCoMP通信を行わないことを決定する。S66の場合、無線局50Bで配下のUE#3への下りデータはなく、無線局50BはUE#3との通信は行わない。また、無線局50Bは、無線局50Aの配下のUE#1,UE#2に対するCoMP通信も行わない。このように、無線局50Bは、UE#4以外の無線端末と通信を行わないことから、UE#4に対する通信態様としてSU−MIMO通信を行うことを決定する。
さらに、無線局50Aは、決定した通信態様や、その他の通信状況に基づいて、UE#2に対する構成情報1,2の使用モード(DM−RSモード)を決定する。また、無線局50Bは、決定した通信態様や、その他の通信状況に基づいて、UE#4に対する構成情報1,2の使用モードを決定する。
使用モードとしては例えば、準備される無線リソースにて無線端末個別の参照信号を所定の送信電力で送信するモード(NZP)、無線端末個別の参照信号の送信電力を0にするモード(ZP)、および無線端末個別の参照信号に準備される無線リソースをデータ信号に割り当てるモード(OVR)を設定可能とする。
具体的には、S65の例では、無線局50Aは、配下のUE#2にSU−MIMO通信を行うことから、図14の表に示すように、構成情報1の使用モードを「NZP」、構成情報2の使用モードを「ZP」とする。また、S66の例では、無線局50Bは、配下のUE#4にSU−MIMO通信を行うことから、図14の表に示すように、UE#4に対する構成情報1の使用モードを「ZP」、構成情報2の使用モードを「NZP」とする。
このように、無線局50AがUE#2に対して送信する無線端末個別の参照信号に使用する無線リソースと、無線局50BがUE#4に対して送信する無線端末個別の参照信号に使用する無線リソースとが異なるように、構成情報1,2の使用モードが決定される。これにより、DM−RSの送信の際に、通信ポイント間の干渉が低減されて、データを受信するためのチャネル推定精度が向上し、通信性能が向上される。
次に、無線局50Aは、構成情報1,2のそれぞれの使用モード(DM−RSモード)を示す信号を、UE#2にPDCCH上で送信する(S67)。同様に、無線局50Bは、構成情報1,2のそれぞれの使用モードを示す信号(DM−RSモード)を、UE#4にPDCCH上で送信する(S68)。これにより、通信態様の決定タイミングに合わせて、無線局50A〜Bが無線端末70A〜Bに対して送信する無線端末個別の参照信号に使用する無線リソースを、柔軟に設定可能となる。また、これにより、比較的短い間隔で実行される通信態様の決定タイミングに合わせて、無線端末個別の参照信号に準備される無線リソースを示す構成情報を逐次通知する場合に比べて、シグナリングの増大を抑制することができる。
そして、無線局50Aは、UE#2にPDSCH上でデータを送信する(S69)。S69の例では、無線局50Aは、S67で送信した使用モードに応じて、構成情報1で準備されるリソースエレメントとアンテナポートを用いてDM−RSを送信して、S65で決定したSU−MIMO通信によりデータを送信する。UE#2は、S67で送信された使用モードに応じて、受信信号からDM−RSを抽出し、抽出したDM−RSを用いて、S65で決定されたSU−MIMO通信により送信されたデータを受信する。
同様に、無線局50Bは、UE#4にPDSCH上でデータを送信する(S70)。S70の例では、無線局50Bは、S68で送信した使用モードに応じて、構成情報2で準備される無線リソースを用いてDM−RSを送信して、S66で決定したSU−MIMO通信によりデータを送信する。UE#4は、S68で送信された使用モードに応じて、受信信号からDM−RSを抽出し、抽出したDM−RSを用いて、S66で決定されたSU−MIMO通信により送信されたデータを受信する。
無線局50A〜Bは、S65〜S70と同様の処理をS71〜S80,S81〜S88で実行する。
以下、S71〜S80の処理を説明する。無線局50Aは、UE#1〜UE#4へデータを送信する通信態様を決定する(S71)。同様に、無線局50Bは、UE#1〜UE#4へデータを送信する通信態様を決定する(S72)。このとき、無線局50Aと無線局50Bは、互いに制御情報をやり取りし、通信状況を取得する。
S71の例では、無線局50Aは、UE#1,UE#2に対する通信態様としてMU−MIMO通信を行うことを決定する。また、S71の例では、無線局50Bは、UE#3,UE#4に対する通信態様としてMU−MIMO通信を行うことを決定する。
具体的には例えば、無線局50Aは、UE#1への下りデータがある場合に、無線局50AとUE#1との間の通信レベルと、無線局50BとUE#1との間の通信レベルとに応じて、UE#1に対してCoMP通信を行わないことを決定する。また、無線局50Aは、UE#2への下りデータがある場合に、無線局50AとUE#2との間の通信レベルと、無線局50BとUE#2との間の通信レベルとに応じて、UE#2に対してCoMP通信を行わないことを決定する。S71の場合、無線局50Aは、後述のように無線局50Bの配下のUE#3,UE#4に対するCoMP通信を行わない。よって、無線局50Aは、UE#1,UE#2に対する通信態様としてMU−MIMO通信を行うことを決定する。
同様に、無線局50Bは、UE#3への下りデータがある場合に、無線局50AとUE#3との間の通信レベルと、無線局50BとUE#3との間の通信レベルとに応じて、UE#3に対してCoMP通信を行わないことを決定する。また、無線局50Bは、UE#4への下りデータがある場合に、無線局50AとUE#4との間の通信レベルと、無線局50BとUE#4との間の通信レベルとに応じて、UE#4に対してCoMP通信を行わないことを決定する。S72の場合、無線局50Bは、前述のように無線局50Aの配下のUE#1,UE#2に対するCoMP通信を行わない。よって、無線局50Bは、UE#3,UE#4に対する通信態様としてMU−MIMO通信を行うことを決定する。
さらに、無線局50Aは、決定した通信態様や、その他の通信状況に基づいて、UE#1,UE#2に対する構成情報1,2の使用モード(DM−RSモード)を決定する。また、無線局50Bは、決定した通信態様や、その他の通信状況に基づいて、UE#3,UE#4に対する構成情報1,2の使用モード(DM−RSモード)を決定する。
具体的には、S71の例では、無線局50Aは、配下のUE#1,UE#2にMU−MIMO通信を行うことから、図14の表に示すように、構成情報1の使用モードを「NZP」、構成情報2の使用モードを「ZP」とする。また、S72の例では、無線局50Bは、配下のUE#3,UE#4にMU−MIMO通信を行うことから、図14の表に示すように、UE#3,UE#4に対する構成情報1の使用モードを「ZP」、構成情報2の使用モードを「NZP」とする。
このように、無線局50AがUE#1,UE#2に対して送信する無線端末個別の参照信号に使用する無線リソースと、無線局50BがUE#3,UE#4に対して送信する無線端末個別の参照信号に使用する無線リソースとが異なるように、構成情報1,2の使用モードが決定される。これにより、DM−RSの送信の際に、通信ポイント間の干渉が低減されて、データを受信するためのチャネル推定精度が向上し、通信性能が向上される。
次に、無線局50Aは、構成情報1,2のそれぞれの使用モード(DM−RSモード)を示す信号を、UE#1,UE#2にPDCCH上で送信する(S73,74)。同様に、無線局50Bは、構成情報1,2のそれぞれの使用モード(DM−RSモード)を示す信号を、UE#3,UE#4にPDCCH上で送信する(S75,76)。
そして、無線局50Aは、UE#1,UE#2にPDSCH上でデータを送信する(S77,78)。S77,78の例では、無線局50Aは、S73,74で送信した使用モードに応じて、構成情報1で準備されるリソースエレメントとアンテナポートを用いてDM−RSを送信して、S71で決定したMU−MIMO通信によりデータを送信する。UE#1,UE#2は、S73,74で送信された使用モードに応じて、受信信号からDM−RSを抽出し、抽出したDM−RSを用いて、S71で決定されたMU−MIMO通信により送信されたデータを受信する。
同様に、無線局50Bは、UE#3,UE#4にPDSCH上でデータを送信する(S79,80)。S79,80の例では、無線局50Bは、S75,76で送信した使用モードに応じて、構成情報2で準備される無線リソースを用いてDM−RSを送信して、S72で決定したMU−MIMO通信によりデータを送信する。UE#3,UE#4は、S75,76で送信された使用モードに応じて、受信信号からDM−RSを抽出し、抽出したDM−RSを用いて、S72で決定されたMU−MIMO通信により送信されたデータを受信する。
以下、S81〜S88の処理を説明する。無線局50Aは、UE#1〜UE#4へデータを送信する通信態様を決定する(S81)。同様に、無線局50Bは、UE#1〜UE#4へデータを送信する通信態様を決定する(S82)。このとき、無線局50Aと無線局50Bは、互いに制御情報をやり取りし、通信状況を取得する。
S81の例では、無線局50Aは、UE#2に対する通信態様としてCoMP通信を行うことを決定する。また、S82の例では、無線局50Bは、UE#2に対する通信態様としてCoMP通信を行うことを決定し、UE#4に対する通信態様としてMU−MIMO通信を行うことを決定する。
具体的には例えば、無線局50Aは、UE#2への下りデータがある場合に、無線局50AとUE#2との間の通信レベルと、無線局50BとUE#2との間の通信レベルとに応じて、UE#2に対してCoMP通信を行うか否か、UE#2に対するCoMP通信で実際に信号を送信する選択局を決定する。
無線局50Aは、UE#2に対するCoMP通信を行う選択無線局として無線局50A〜50Bを選択した場合、無線局50BにCoMP通信を要求する信号を送信する。無線局50Bは、UE#2に対して無線局50Aと協調してCoMP通信を実行可能な場合、実行可能な旨を示す応答信号を送信し、UE#2とのCoMP通信の準備を行う。無線局50Aは、応答信号を受信し、UE#2とのCoMP通信の準備を行い、UE#2に対する通信態様としてCoMP通信を決定する。S81の場合、無線局50Aで配下のUE#1への下りデータはなく、無線局50AはUE#1との通信は行わない。また、無線局50Aは、後述のように、無線局50Bの配下のUE#3,UE#4に対するCoMP通信も行わない。
同様に、無線局50Bは、UE#4への下りデータがある場合に、無線局50AとUE#4との間の通信レベルと、無線局50BとUE#4との間の通信レベルとに応じて、UE#4に対してCoMP通信を行わないことを決定する。S82の場合、無線局50Bで配下のUE#3への下りデータはなく、無線局50BはUE#3との通信は行わない。また、無線局50Bは、無線局50Aの配下のUE#1に対するCoMP通信は行わない。また、無線局50Bは、上述のように、UE#2に対して無線局50Aと協調してCoMP通信を実行可能な旨を示す応答信号を送信し、UE#2とのCoMP通信の準備を行い、UE#2に対する通信態様としてCoMP通信を決定する。そして、無線局50Bは、UE#4に対する通信態様としてMU−MIMO通信を行うことを決定する。
さらに、無線局50Aは、決定した通信態様や、その他の通信状況に基づいて、UE#2に対する構成情報1,2の使用モードを決定する。また、無線局50Bは、決定した通信態様や、その他の通信状況に基づいて、UE#2,UE#4に対する構成情報1,2の使用モードを決定する。
具体的には、S81の例では、無線局50Aは、UE#2に対して無線局50Bと協調してJT−CoMP通信を行うこと、自局がUE#2以外の無線端末と通信を行わないこと、無線局50BがUE#4とMU−MIMO通信を行うことから、図14の表に示すように、構成情報1の使用モードを「ZP」、構成情報2の使用モードを「NZP」とする。また、S82の例では、無線局50Bは、UE#2に対して無線局50Aと協調してJT−CoMP通信を行うこと、無線局50AがUE#2以外の無線端末と通信を行わないこと、自局がUE#4とMU−MIMO通信を行うことから、図14の表に示すように、UE#2,UE#4に対する構成情報1の使用モードを「NZP」、構成情報2の使用モードを「ZP」とする。
このように、無線局50Aと無線局50BとがUE#2に対してCoMP通信を行う場合に、無線局50A〜BがUE#2に対して送信する無線端末個別の参照信号に使用する無線リソースが同じになるように、構成情報1,2の使用モードが適切に決定される。また、無線局50Aと無線局50BとがUE#2に対してCoMP通信を行うことで、UE#2に対する無線端末個別の参照信号の送信の通信性能が向上される。よって、UE#2に対する無線端末個別の参照信号の送信に使用する無線リソースと、UE#4に対する無線端末個別の参照信号の送信に使用する無線リソースが同じでも、通信性能が維持できると想定される。S82の例では、使用しない構成情報1については、周辺に存在する他の無線局での無線端末個別の参照信号の送信に割当て、通信ポイント間で無線リソースが異なるように設定可能である。また、S82の例では、使用しない構成情報1については、データの送信に使用してスループットを向上することも可能である。なお、S82の例では、無線局50Bは、UE#2に対する構成情報1の使用モードを「NZP」、構成情報2の使用モードを「ZP」とし、UE#4に対する構成情報1の使用モードを「ZP」、構成情報2の使用モードを「NZP」とし、UE#2に対する通信と、UE#4に対する通信とで、無線リソースが異なるように設定してもよい。
次に、無線局50Aは、UE#2に対する構成情報1,2のそれぞれの使用モードを示す信号を、UE#2にPDCCH上で送信する(S83)。同様に、無線局50Bは、UE#2に対する構成情報1,2のそれぞれの使用モードを示す信号を、UE#2にPDCCH上で送信し(S84)、UE#4に対する構成情報1,2のそれぞれの使用モードを示す信号を、UE#4にPDCCH上で送信する(S85)。
そして、無線局50A〜Bは、UE#2に対してデータを協調してPDSCH上で送信する(S86,87)。また、無線局50Bは、UE#4に対してデータをPDSCH上で送信する(S88)。
以上により、第3実施形態によれば、無線通信システムにおいて、無線局からの無線端末個別の参照信号の送信に準備される無線リソースを効率良く割当てて、通信性能を向上できる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態に係る無線通信システム100について、図16を参照して説明する。無線通信システム100は、無線局101,102A〜Jと、無線端末103A〜Bとを有する。第4実施形態において、無線局101はPCell(Primary cell)を形成し、無線局102A〜JはSCell(Secondary cell)を形成する。SCellは、PCellよりも機能が制限される場合があるセルである。制限される機能としては例えば、レイヤ1のアップリンク制御情報(ACK/NACKやCQI等)をPCellの上り通信のみで送信することが挙げられる。無線局101は、比較的規模の大きいセル(Macro Cell)に相当し、無線局102A〜Jは、比較的規模の小さいセル(Small Cell)に相当する。無線通信システム100は、セル範囲の異なる無線局が混在するヘテロジニアス(Heterogeneous)ネットワークとも称される。
例えば、複数のコンポーネントキャリアを動的に連結するキャリアアグリゲーション動作において、PCellはPCC(Primary component carrier)のサービングセル(接続セル)であり、SCellはSCC(Secondary component carrier)のサービングセル(接続セル)である。例えば、PCCはハンドオーバによって切替えられるのに対し、SCCは必要に応じて追加や削除が行われる。
第4実施形態に係る無線局101、102A〜Jの機能的構成およびハードウェア構成は、第2実施形態の図7の無線局50A〜Bと同様である。ただし、上述のように、無線局102A〜Jの機能は無線局101の機能よりも制限される。第4実施形態に係る無線端末103A〜Bの機能的構成およびハードウェア構成は、第2実施形態の図10の無線端末70Aと同様である。
次に、第4実施形態に係る無線通信システム100の下りリンクの送信動作を説明する。無線局101は、無線端末103A〜Bに、無線端末個別の参照信号の送信に準備される無線リソースを示す複数の構成情報(DM−RS構成情報1,2)を、例えば無線端末103A〜Bとの接続確立の際にそれぞれ、RRCシグナリングにより通知する。
次に、無線局101は、無線局102A〜Jのうち無線端末103Aの周辺の無線局と制御情報をやり取りし、無線端末103Aへデータを送信する通信態様を決定する。同様に、無線局101は、無線局102A〜Jのうち無線端末103Bの周辺の無線局と制御情報をやり取りし、無線端末103Bへデータを送信する通信態様を決定する。通信態様の決定は例えば、データの送信毎に行われる。通信態様の決定は、接続確立より比較的短い間隔で実行される。
さらに、無線局101,102A〜Jのうち無線端末103Aに対して実際にデータを送信する無線局は、決定した通信態様や、その他の通信状況に基づいて、無線端末103Aに対する構成情報1,2の使用モード(DM−RSモード)を決定する。また、無線局101,102A〜Jのうち無線端末103Bに対して実際にデータを送信する無線局は、決定した通信態様や、その他の通信状況に基づいて、無線端末103Bに対する構成情報1,2の使用モード(DM−RSモード)を決定する。このとき、例えばJT−CoMP通信でない場合、無線局が無線端末103Aに対して送信するDM−RSに使用する無線リソースと、無線局が無線端末103Bに対して送信するDM−RSに使用する無線リソースとが異なるように、構成情報1,2の使用モードが決定される。これにより、DM−RSの送信の際に、通信ポイント間の干渉が低減されて、データを受信するためのチャネル推定精度が向上し、通信性能が向上される。また例えば、JT−CoMP通信の場合、CoMP通信を行う複数の無線局が無線端末に送信するDM−RSに使用する無線リソースが同じになるように、構成情報1,2の使用モードが適切に決定される。
次に、無線局101,102A〜Jのうち無線端末103Aに対して実際にデータを送信する無線局は、構成情報1,2のそれぞれの使用モード(DM−RSモード)を示す信号を、無線端末103AにPDCCH上で送信する。同様に、無線局101,102A〜Jのうち無線端末103Bに対して実際にデータを送信する無線局は、構成情報1,2のそれぞれの使用モード(DM−RSモード)を示す信号を、無線端末103BにPDCCH上で送信する。これにより、通信態様の決定タイミングに合わせて、無線局が無線端末103A〜Bに対して送信するDM−RSに使用する無線リソースを、柔軟に設定可能となる。また、これにより、比較的短い間隔で実行される通信態様の決定タイミングに合わせて、DM−RSに準備される無線リソースを示す構成情報を逐次通知する場合に比べて、シグナリングの増大を抑制することができる。
そして、無線局101,102A〜Jのうち無線端末103Aに対して実際にデータを送信する無線局は、送信した使用モードに応じてDM−RSを送信して、決定した通信態様によりデータを送信する。無線端末103Aは、送信された使用モードに応じて、受信信号からDM−RSを抽出し、抽出したDM−RSを用いて、決定された通信態様により送信されたデータを受信する。同様に、無線局101,102A〜Jのうち無線端末103Bに対して実際にデータを送信する無線局は、送信した使用モードに応じてDM−RSを送信して、決定した通信態様によりデータを送信する。無線端末103Bは、送信された使用モードに応じて、受信信号からDM−RSを抽出し、抽出したDM−RSを用いて、決定された通信態様により送信されたデータを受信する。以下、例えばデータの送信毎に、通信態様の決定、構成情報の使用モードの決定、決定した使用モードの通知、およびデータの送信が繰り返される。
以上により、第4実施形態によれば、無線通信システムにおいて、無線局からの無線端末個別の参照信号の送信に準備される無線リソースを効率良く割当てて、通信性能を向上できる。
[第5実施形態]
次に、第5実施形態に係る無線通信システム110について、図17を参照して説明する。無線通信システム110は、無線局111A〜Jと、無線端末112A〜Bとを有する。第5実施形態において、無線局111A〜JはPCell(Primary cell)を形成する。
第5実施形態に係る無線局111A〜Jの機能的構成およびハードウェア構成は、第2実施形態の図7の無線局50A〜Bと同様である。第5実施形態に係る無線端末112A〜Bの機能的構成およびハードウェア構成は、第2実施形態の図10の無線端末70Aと同様である。
次に、第5実施形態に係る無線通信システム110の下りリンクの送信動作を説明する。無線局111A〜Jのうち接続無線局は、無線端末112A〜Bに、無線端末個別の参照信号の送信に準備される無線リソースを示す複数の構成情報(DM−RS構成情報1,2)を、例えば無線端末112A〜Bとの接続確立の際にそれぞれ、RRCシグナリングにより通知する。
次に、無線局111A〜Jのうち接続無線局は、無線局111A〜Jのうち無線端末112Aの周辺の無線局と制御情報をやり取りし、無線端末123Aへデータを送信する通信態様を決定する。同様に、無線局111A〜Jのうち接続無線局は、無線局112A〜Jのうち無線端末112Bの周辺の無線局と制御情報をやり取りし、無線端末112Bへデータを送信する通信態様を決定する。通信態様の決定は例えば、データの送信毎に行われる。通信態様の決定は、接続確立より比較的短い間隔で実行される。
さらに、無線局111A〜Jのうち無線端末112Aに対して実際にデータを送信する無線局は、決定した通信態様や、その他の通信状況に基づいて、無線端末112Aに対する構成情報1,2の使用モード(DM−RSモード)を決定する。また、無線局111A〜Jのうち無線端末112Bに対して実際にデータを送信する無線局は、決定した通信態様や、その他の通信状況に基づいて、無線端末112Bに対する構成情報1,2の使用モード(DM−RSモード)を決定する。このとき、例えばJT−CoMP通信でない場合、無線局が無線端末112Aに対して送信するDM−RSに使用する無線リソースと、無線局が無線端末112Bに対して送信するDM−RSに使用する無線リソースとが異なるように、構成情報1,2の使用モードが決定される。これにより、DM−RSの送信の際に、通信ポイント間の干渉が低減されて、データを受信するためのチャネル推定精度が向上し、通信性能が向上される。また例えば、JT−CoMP通信の場合、CoMP通信を行う複数の無線局が無線端末に送信するDM−RSに使用する無線リソースが同じになるように、構成情報1,2の使用モードが適切に決定される。
次に、無線局111A〜Jのうち無線端末112Aに対して実際にデータを送信する無線局は、構成情報1,2のそれぞれの使用モード(DM−RSモード)を示す信号を、無線端末112AにPDCCH上で送信する。同様に、無線局111A〜Jのうち無線端末112Bに対して実際にデータを送信する無線局は、構成情報1,2のそれぞれの使用モード(DM−RSモード)を示す信号を、無線端末112BにPDCCH上で送信する。これにより、通信態様の決定タイミングに合わせて、無線局111A〜Jのうち実際にデータを送信する無線局が無線端末112A〜Bに対して送信するDM−RSに使用する無線リソースを、柔軟に設定可能となる。また、これにより、比較的短い間隔で実行される通信態様の決定タイミングに合わせて、DM−RSに準備される無線リソースを示す構成情報を逐次通知する場合に比べて、シグナリングの増大を抑制することができる。
そして、無線局111A〜Jのうち無線端末112Aに対して実際にデータを送信する無線局は、送信した使用モードに応じてDM−RSを送信して、決定した通信態様によりデータを送信する。無線端末112Aは、送信された使用モードに応じて、受信信号からDM−RSを抽出し、抽出したDM−RSを用いて、決定された通信態様により送信されたデータを受信する。同様に、無線局111A〜Jのうち無線端末112Bに対して実際にデータを送信する無線局は、送信した使用モードに応じてDM−RSを送信して、決定した通信態様によりデータを送信する。無線端末112Bは、送信された使用モードに応じて、受信信号からDM−RSを抽出し、抽出したDM−RSを用いて、決定された通信態様により送信されたデータを受信する。以下、例えばデータの送信毎に、通信態様の決定、構成情報の使用モードの決定、決定した使用モードの通知、およびデータの送信が繰り返される。
以上により、第5実施形態によれば、無線通信システムにおいて、無線局からの無線端末個別の参照信号の送信に準備される無線リソースを効率良く割当てて、通信性能を向上できる。
第1〜第5実施形態の無線通信システムは、例えば、LTE−Aシステムとして実現できる。なお、LTE−A以外の通信方式を用いた無線通信システムに適用することも可能である。
また、第1〜第5実施形態において、無線端末は、移動局やユーザ装置(User Equipment, UE)とも称される。また、第1〜第5実施形態において、無線端末として、携帯電話機、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)などの携帯端末に適用可能である。また、第1〜第5実施形態は、その他、移動中継局など、無線局との間で通信を行う様々な通信機器に対して適用可能である。
また、第1〜第5実施形態において、無線局は、基地局、無線基地局、アクセスポイントとも称される。また、第1〜第5実施形態において、無線局として、マクロ基地局、ピコ基地局、フェムト基地局など、様々な規模の基地局に適用可能である。また、第1〜第5実施形態は、その他、中継局など、無線端末との間で通信を行う様々な通信機器に対して適用可能である。
第1〜第5実施形態において、例えば無線通信システムは、無線局を基地局として実現できる。この場合、例えば無線局を独立eNodeB(evolved Node B)として実現できる。あるいは、第1〜第5実施形態において、例えば無線通信システムは、一部の無線局を基地局の制御ユニット、他部の無線局を基地局の遠隔ユニットとして実現してもよい。この場合、制御ユニットを例えば集中eNodeBとし、遠隔ユニットを例えば集中eNodeBが有するRRH(Remote Radio Head)として実現できる。例えば制御ユニットは遠隔ユニットと光ケーブル等の有線接続を介して接続されている。制御ユニットはセルを形成し、遠隔ユニットはそれぞれセルと重なるカバーエリアを形成している。この場合、制御ユニットおよび遠隔ユニットは、共通のセル識別情報を用いてもよい。
また、無線局、無線端末の各構成要素の分散・統合の具体的態様は、第1〜第5実施形態の態様に限定されず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することもできる。例えば、メモリを、無線局、無線端末の外部装置としてネットワークやケーブル経由で接続するようにしてもよい。
1,1A,100,110 無線通信システム
2 ネットワーク
3 ネットワーク装置
10A〜B,50A〜B,101,102A〜J,111A〜J 無線局
20A〜B,70A〜B,UE#1〜#4,103A〜B,112A〜B 無線端末
C10A〜B,Cell#1〜#2,PCell,SCell セル
11,21 受信部
12,22 送信部
13,23 制御部
31,41 アンテナ
32,42 RF回路
33,43 CPU
34 DSP
35,44 メモリ
36 ネットワークIF
51A,B 受信アンテナ
52A,B 受信RF部
53A,B FFT部
54A,B 物理チャネル分離部
55A,B 信号復調部
56A,B チャネル推定部
57A,B 受信レベル測定部
58A,B 通信制御部
59A,B 上位レイヤデータ処理部
60A,B 信号生成部
61A,B 参照信号生成部
62A,B 物理チャネル多重部
63A,B IFFT部
64A,B 送信RF部
65A,B 送信アンテナ
71 受信アンテナ
72 受信RF部
73 FFT部
74 物理チャネル分離部
75 信号復調部
76 チャネル推定部
77 受信レベル測定部
78 通信制御部
79 上位レイヤデータ処理部
80 信号生成部
81 参照信号生成部
82 物理チャネル多重部
83 IFFT部
84 送信RF部
85 送信アンテナ

Claims (15)

  1. 無線通信方法であって、
    無線局からの無線端末個別の参照信号の送信に準備される無線リソースを示す複数の構成情報を、無線端末で取得し、
    前記無線局から前記無線端末へ、前記複数の構成情報のそれぞれが示す前記無線リソースについての使用に関する使用モードを指定する信号を送信し、
    前記無線端末で前記信号を受信して、前記使用モードに応じて割当てられる前記無線リソースで前記無線局から送信される前記無線端末個別の参照信号を用いて、前記無線局との通信を行う、
    ことを特徴とする無線通信方法。
  2. 前記複数の構成情報で、準備される前記無線リソースは互いに異なる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信方法。
  3. 前記複数の構成情報で、準備される前記無線リソースは互いに直交するように配置される、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の無線通信方法。
  4. 前記無線局から前記無線端末へ、接続確立の際に前記複数の構成情報を通知する、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の無線通信方法。
  5. 前記無線局から前記無線端末へ、データ送信の際に前記使用モードを指定する信号を送信する、
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の無線通信方法。
  6. 前記無線局で、通信状況に応じて前記複数の構成情報のそれぞれの使用モードを決定する、
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の無線通信方法。
  7. 前記無線局で、データ送信の際に、CoMP(Coordinated MultiPoint)通信可能な他の無線局の通信状況を取得し、データを送信する通信態様を決定し、前記複数の構成情報のそれぞれの使用モードを決定する、
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の無線通信方法。
  8. 前記無線局で、前記無線局が他の無線局とCoMP(Coordinated MultiPoint)通信により前記無線端末へデータを送信するか否か、前記無線局が接続中の無線端末の数、前記無線局と接続中の無線端末との間の通信レベル、前記他の無線局が接続中の無線端末の数、前記他の無線局と接続中の無線端末との間の通信レベル、前記無線局からデータを送信する通信態様、前記他の無線局からデータを送信する通信態様、の少なくともいずれかに応じて前記複数の構成情報のそれぞれの使用モードを決定する、
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の無線通信方法。
  9. 前記通信態様は、MIMO(Multi Input Multi Output)通信およびCoMP通信の少なくともいずれかを含む
    ことを特徴とする請求項7又は8に記載の無線通信方法。
  10. 前記無線端末は複数あり、
    前記複数の構成情報は前記複数の無線端末で共通に設定され、
    前記使用モードは前記複数の無線端末で個別に指定される、
    ことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の無線通信方法。
  11. 前記無線局と、前記無線局とCoMP(Coordinated MultiPoint)通信可能な他の無線局とで、前記複数の構成情報が共通に使用される、
    ことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の無線通信方法。
  12. 前記使用モードは、前記無線端末個別の参照信号に準備される無線リソースにて前記無線端末個別の参照信号を所定の送信電力で送信するモード、前記無線端末個別の参照信号の送信電力を0にするモード、および前記無線端末個別の参照信号に準備される無線リソースをデータ信号に割り当てるモードを含む、
    ことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の無線通信方法。
  13. 無線局と無線端末とを有する無線通信システムであって、
    前記無線端末は、前記無線局からの無線端末個別の参照信号の送信に準備される無線リソースを示す複数の構成情報を取得し、
    前記無線局は、前記複数の構成情報のそれぞれが示す前記無線リソースについての使用に関する使用モードを指定する信号を前記無線端末へ送信し、
    前記無線端末は、前記使用モードに応じて割当てられる前記無線リソースで前記無線局から送信される前記無線端末個別の参照信号を用いて、前記無線局との通信を行う、
    ことを特徴とする無線通信システム。
  14. 無線局であって、
    無線端末で取得される、前記無線局からの無線端末個別の参照信号の送信に準備される無線リソースを示す複数の構成情報の、それぞれが示す前記無線リソースについての使用に関する使用モードを指定する信号を、前記無線端末へ送信する送信部と、
    前記使用モードに応じて割当てる前記無線リソースで送信する前記無線端末個別の参照信号を用いて、前記無線端末との通信を行う制御部と、を有する
    ことを特徴とする無線局。
  15. 無線端末であって、
    前記無線局からの無線端末個別の参照信号の送信に準備される無線リソースを示す複数の構成情報を取得する制御部と、
    前記複数の構成情報のそれぞれが示す前記無線リソースについての使用に関する使用モードを指定する信号を、前記無線局から受信する受信部と、を有し、
    前記制御部は、前記使用モードに応じて割当てられる前記無線リソースで前記無線局から送信される前記無線端末個別の参照信号を用いて、前記無線局との通信を行う、
    ことを特徴とする無線端末。
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