JPWO2014123131A1 - 1型糖尿病の早期診断マーカーであるgad抗体の高感度測定方法 - Google Patents
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Abstract
Description
1型糖尿病は、自己免疫疾患の1つであるとされており、1型糖尿病患者からは数種の膵島関連自己抗体(インスリン自己抗体、GAD (glutamic acid decarboxylase)抗体、IA (insulinnoma−associated antigen)−2抗体等)が検出されている。特に、これらの中で、最近注目されているのがGAD抗体である。GAD抗体は、グルタミン酸脱炭酸酵素(glutamic acid decarboxylase: GAD)に対する自己抗体である。Baekkeskovらにより1型糖尿病患者血清中に膵島の64kDaの蛋白質に反応する抗体が存在することを報告され、この64kDaの蛋白質がGADであることが明らかにされている(非特許文献3)。GADには65kDaのGAD65と67kDaのGAD67の2種類のアイソフォームが存在しているが、1型糖尿病患者のGAD抗体はGAD65に対する自己抗体である(非特許文献4)。GAD抗体の陽性率として、早期発症時では70〜80%と高い陽性率を示している。しかし、発症5年以降においては陽性率が50%以下となり、10年後では20%と低下していく(非特許文献5)。また、GAD抗体はインスリン自己抗体、IA−2抗体に比べて発症時期が9歳未満では70%と陽性率は低いが、10歳以上では90%と陽性率が高くなり、成人でも85%と陽性率は高い(非特許文献6)。
糖尿病患者から膵島関連自己抗体が検出された場合は、1型糖尿病と診断される。しかし、やせ形の2型糖尿病患者の中には、発症時には膵島関連自己抗体は検出されず、食事や経口血糖降下薬により治療が可能な状態を示しているが、徐々にインスリン分泌能が低下し、平均3年でインスリン依存性糖尿病(1型糖尿病)に移行する例が見られた。この時点の患者血清中には膵島関連自己抗体が単独または重複して陽性を示しており、小林らはこのような亜型の1型糖尿病を緩徐進行1型糖尿病(Slowly progressive IDDM;SPIDDM)と名付けた(非特許文献7)。
SPIDDMの診断基準としては、まだ確立されてはいないが、糖尿病発症後6〜12ヶ月の間、食事療法もしくは経口血糖降下剤で治療可能であること、およびGAD抗体が陽性(非特許文献8)もしくはGAD抗体、IA−2抗体、インスリン自己抗体の中から1つでも陽性であることとされている(非特許文献9)。SPIDDMの膵島関連自己抗体陽性率は、GAD抗体69%、IA−2抗体39%、インスリン自己抗体29%であり、GAD抗体はIA−2抗体、インスリン自己抗体に比べ有意に高いことが報告されている(非特許文献9)。
上述の如く、GAD抗体については、SPIDDMにおいて陽性率が最も高く、1型糖尿病を診断する上で大変重要な診断マーカーとされている。しかし、従来の酵素免疫測定法(ELISA法)では、検出感度が低いため、早期の発見または低濃度の自己抗体を検出することが困難であった。
そのため、GAD抗体に関する、新たな高感度酵素免疫測定法の開発が期待され、早期のSPIDDMの発見と、インスリン療法による早期治療が望まれていた。
そこで、本発明者らが開発した2点結合免疫複合体転移酵素免疫測定法(Immune Complex Transfer Enzyme Immunoassay; 以降ICT−EIA法とする)を用いてGAD抗体の測定を鋭意検討することを行なった。即ち、ICT−EIA法とは、ELISA法における大きな問題点である、酵素標識抗原または酵素標識第2抗体の非特異的な固相への吸着を解決するため、抗原不溶化固相に捕捉または非特異的に吸着した総抗体の中から特異抗体のみを固相から外し、別の新たな固相へ転移させる方法である(Hashida S, Hashinaka K and Ishikawa E: Ultrasensitive enzyme immunoassay, In Biotechnology Annual Review Volume 1, El−gewely,M.R. ed., Elsevier Science Publishers B.V., 403−451, 1995)。
本発明者らは、図1に示すようにICT−EIA法を改良して、抗GADIgG抗体を高感度に検出できるICT−EIA−1法を開発した。また、GADを直接酵素標識するICT−EIA−1法に加え、抗原エピトープの立体障害を防ぐために抗GAD IgG抗体のICT−EIA−2法を開発した。その結果、本発明のICT−EIA−1法やICT−EIA−2法を使用することにより、通常のELISAキットの約33倍の高感度でGAD抗体を測定できるようになった。
更に、本発明者らは、ICT−EIA−2法を使用して、1型糖尿病およびSPIDDMの診断マーカーであるIA−2抗体とインスリン自己抗体の測定を検討した。その結果、例えばインスリン自己抗体の場合、ICT−EIA−2法を用いれば、ELISAキットに比べて1,000倍もの高感度で検出できることが分かった。
本発明の測定方法を用いることにより、ELISAキットでは、検出できなかったSPIDDMの患者を検出することができた。即ち、図7に示されるように、2型糖尿病患者の17%がSPIDDMの患者である可能性が示された。
本発明者らは、本発明の改良ICT−EIA法である、ICT−EIA−1法とICT−EIA−2法を使用して、GAD抗体とインスリン自己抗体の高感度検出法を作製することができたが、患者によっては陽性シグナルの低い例もあり、1型糖尿病およびSPIDDMの発症予知または診断する上で、これらの自己抗体のみを独立して測定するだけでは不十分であった。何故なら、患者の病態や病態の進捗状況により、陽性率に優劣があるからである。そこで、1型糖尿病およびSPIDDMの診断確度を高めるために、インスリン自己抗体およびGAD抗体の主要な2種の検出法を合体させた同時検出法を検討した。鋭意検討の結果、図8に示されるように、2種の各自己抗体の蛍光強度が合わさることで、各自己抗体の有無により、陽性者と陰性者の間で蛍光強度の差が大きくなり、陽性患者の早期の検出が可能となった。その結果、1型糖尿病およびSPIDDMをより精度よく発症予知または診断することができるようになった。
本発明者らは、これらの知見に基き本発明を完成した。
即ち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1)GAD抗体の2点結合免疫複合体転移酵素免疫測定方法(ICT−EIA法)であって、以下の5つの反応工程(a法:ICT−EIA−1法)または6つの反応工程(b法:ICT−EIA−2法)で測定されることを特徴とする、GAD抗体測定方法、
a)5つの反応工程:
1)GAD抗体とDNP−ビオチン標識GAD抗原、酵素標識GAD抗原で免疫複合体を形成させる、
2)上記免疫複合体を抗DNP抗体不溶化固相と反応させて、固相に免疫複合体を捕捉させる、
3)上記固相に捕捉された免疫複合体をDNP−リジンを用いて固相から溶出させる、
4)上記固相から溶出させた免疫複合体をストレプトアビジン不溶化固相と反応させ、ストレプトアビジン不溶化固相に免疫複合体を転移させる、
5)免疫複合体に含まれる標識酵素を用いて、基質と反応させ、生成物の蛍光を測定することによって免疫複合体の濃度(GAD抗体の濃度)を測定する、または、
b)6つの反応工程:
1)GAD抗体とDNP標識GAD抗原、ビオチン標識GAD抗原で免疫複合体を形成させる、
2)上記免疫複合体を抗DNP抗体不溶化固相と反応させて、固相に免疫複合体を捕捉させる、
3)上記固相に捕捉された免疫複合体と酵素標識ストレプトアビジンを反応させて、免疫複合体に酵素標識ストレプトアビジンを結合させる、
4)上記固相で酵素標識ストレプトアビジン化された免疫複合体をDNP−リジンを用いて固相から溶出させる、
5)上記固相から溶出させた免疫複合体を抗イムノグロブリン抗体不溶化固相と反応させ、抗イムノグロブリン抗体不溶化固相に免疫複合体を転移させる、
6)免疫複合体に含まれる標識酵素を用いて、基質と反応させ、生成物の蛍光を測定することによって免疫複合体の濃度(GAD抗体の濃度)を測定する。
(2)上記6つの反応工程(b法)で測定されることを特徴とする、上記(1)記載のGAD抗体測定方法。
(3)上記酵素が、β−D−ガラクトシダーゼであることを特徴とする、上記(1)または(2)に記載のGAD抗体測定方法。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかのGAD抗体測定方法を用いて、血清中のGAD抗体の濃度を測定し、被験者の糖尿病の進行状況を評価する方法。
(5)被験者の糖尿病の進行状況を評価するために、上記(1)〜(3)のいずれかのGAD抗体測定方法を用いて、被験者血清中のGAD抗体の濃度を測定する方法。
(6)上記(1)〜(3)のいずれかのGAD抗体測定方法を用いて、血清中のGAD抗体の濃度を測定し、0.1U/ml以上の被験者を糖尿病初期であるとして、介入療法の開始時期を判断する方法。
(7)GAD抗体の濃度が0.1U/ml以上である糖尿病初期の被験者を評価するために、上記(1)〜(3)のいずれかのGAD抗体測定方法を用いて、被験者の血清中のGAD抗体の濃度を測定する方法。
(8)GAD抗体とインスリン自己抗体を血清中に共有する緩徐進行1型糖尿病(Slowly progressive IDDM;SPIDDM)の被験者を評価するために、上記(2)のICT−EIA−2法で被験者血清中のGAD抗体を測定すると共に、同様のICT−EIA−2法でインスリン自己抗体を別個に測定する方法。
(9)1型糖尿病およびSPIDDMの初期患者を評価するために、インスリン自己抗体が検出できるように試剤が添加されている、上記(1)〜(3)のいずれかのGAD抗体測定方法。
更に、インスリン自己抗体を別個に測定することにより、精度の高い1型糖尿病やSPIDDMの診断が可能になる。また、操作の簡便性のために、本発明のGAD抗体測定キットの中に、インスリン自己抗体の検出試剤を添加して置くことによって、同時に2種の抗体の合計を測定できるようになる。このことにより、患者の病態や病態の進捗状況により、それぞれの抗体の陽性率に差が生まれ、発症を見落とすことを回避できる。即ち、本発明の改良ICT−EIA法により、1型糖尿病およびSPIDDMの診断確度を更に高めることができるようになる。
図2は、GAD抗体に対する各ICT−EIA法および市販されているELISA kitの検出感度の比較を表わした図である。健常者の血清で希釈した1型糖尿病患者血清をICT−EIA−1法およびICT−EIA−2法、市販されているELISA kitを用いて測定し、GAD抗体の検出感度を比較した。○はICT−EIA−1法、●はICT−EIA−2法、◇はELISA kitによる測定を表している。
図3は、ICT−EIA−1法による被験者の血清中のGAD抗体レベルの測定結果を表わした図である。各対象者血清中のGAD抗体をICT−EIA−1法で測定した。点線はカットオフ値(蛍光強度;1.8)、n.dは未検出を表している。●は非糖尿病対象者、◆はインスリン未治療の2型糖尿病患者、◇はインスリン治療中の2型糖尿病患者、◆はインスリン治療不明の2型糖尿病患者、□はインスリン治療中の1型糖尿病患者、■はインスリン治療不明の1型糖尿病患者を表している。黒色のマーカーは、過剰のGAD添加により、阻害された血清を表している。
図4は、ICT−EIA−2法による被験者の血清中のGAD抗体レベルの測定結果を表わした図である。各対象者血清中のGAD抗体をICT−EIA−2法で測定した。点線はカットオフ値(蛍光強度;8.1)、n.dは未検出を表している。●は非糖尿病対象者、◆はインスリン未治療の2型糖尿病患者、◇はインスリン治療中の2型糖尿病患者、◆はインスリン治療不明の2型糖尿病患者、□はインスリン治療中の1型糖尿病患者、■はインスリン治療不明の1型糖尿病患者を表している。黒色のマーカーは、過剰のGAD添加により、阻害された血清を表している。
図5は、糖尿病患者におけるGAD抗体に対するELISA法およびICT−EIA−1法の相関性を表わした図である。
図6は、糖尿病患者におけるGAD抗体に対するELISA法およびICT−EIA−2法の相関性を表わした図である。
図7は、ICT−EIA−2法およびELISAキットによるインスリン自己抗体およびGAD抗体の陽性率をまとめた図である。ICT−EIA−2法を使用して評価した場合、2型糖尿病患者ではインスリン自己抗体およびGAD抗体を共に有していたのは、17%(5名)、1型糖尿病患者ではインスリン自己抗体およびGAD抗体をともに有していたのは、52%(11名)であった。また、ELISAキットを使用した場合、2型糖尿病患者ではインスリン自己抗体およびGAD抗体をともに有していたのは、7%(2名)、1型糖尿病患者ではインスリン自己抗体およびGAD抗体をともに有していたのは、13%(3名)であった。特に、2型糖尿病と診断された患者の5名からインスリン自己抗体およびGAD抗体を検出されたことから、これらの患者はSPIDDMであると思われた。
図8は、インスリン自己抗体およびGAD抗体に対するICT−EIA−2法の同時検出の操作手順を表わした図である。即ち、本発明の同時検出法では、インスリン自己抗体およびGAD抗体の各標識体を1つに合わせた検出系を用いることにより、1回の測定で各自己抗体の合計のシグナルを検出することができる。また、2種の各自己抗体の蛍光強度が合わさることで、各自己抗体の有無により、陽性者と陰性者の間で蛍光強度の差が大きく開くので、これらの自己抗体陽性患者の早期の検出が容易である。従って、陽性血清の場合には、更に個々の自己抗体の検査を行い、自己抗体の種類を同定し、解析を行い、同定できるので、より一層1型糖尿病およびSPIDDMを正確に発症予知または診断することができる。
図9は、ICT−EIA−2法およびICT−EIA−1法、ELISAキットによるインスリン自己抗体の検出感度の比較を表わした図である。健常者のインスリン除去血清で希釈した1型糖尿病患者の血清をICT−EIA法とELISAキットを用いて測定し、検出感度を比較した。●はICT−EIA−2法、○はICT−EIA−1法、◇はELISAキットによる測定を表している。なお、上図は、全てのシグナルを、下図は特異シグナルとして表した。
本発明の「GAD抗体」とは、グルタミン酸脱炭酸酵素(glutamic acid decarboxylase:GAD)に対する自己抗体である。GADはL−グルタミン酸からγ−アミノ酪酸(GABA)を合成する酵素であり、脳や膵島β細胞に多く発現している。膵島β細胞におけるGABAの役割はインスリンの合成や分泌の調整を担っていると考えられている。GAD抗体は1型糖尿病を発症する数年前に出現しており、GAD抗体の発症予知率は60%以上と高い(Kawasaki E, Gill RG, Eisenbarth GS: Type 1 diabetes mellitus. in: G.S. Eisenbarth (Ed.) Molecular Mechanisms of Endocrine and Organ Specific Autoimmunity., R.G. Landes Company, Austin, Texas, 149−182, 1999)。また1型糖尿病発症時の陽性率は70〜80%である(春日明、丸山太郎、小澤ゆか子他:日本人糖尿病患者におけるGAD65抗体の検討−新規測定法, radioligand binding assayを用いて−、糖尿病39巻7号:497−502、1996)。一方、SPIDDMでは陽性率がほぼ100%である。そのため、SPIDDMの検出において、GAD抗体の測定は重要となっている(川崎英二、江口勝美:抗GAD抗体、日本臨牀、66巻増刊号4、295−300、2008)。
本発明の「酵素」とは、蛍光による濃度測定を行うため、基質の分解物が蛍光を出すようなせる酵素であれは、特に限定されることはないが、例えば、β−D−ガラクトシダーゼ、ホース・ラデイッシュ・ペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼを挙げることができる。
本発明の「インスリン自己抗体」とは、インスリンに対する抗体であり、膵β細胞に特異的な抗体である。インスリン自己抗体は、1型糖尿病発症予知マーカーとして有用であり、インスリン自己抗体が陽性ならば、将来インスリン依存性糖尿病に移行する可能性があると考えられている。例えば、インスリン自己抗体の陽性率は発症年齢で異なり、小児発症の1型糖尿病では約70%を示している。
本発明の「糖尿病の進行状況を評価する方法」とは、血清中のGAD抗体の濃度やインスリン自己抗体の濃度を測定することにより、被験者の糖尿病性疾患の進行状況を的確に評価する方法である。この評価方法により、被験者の糖尿病性疾患の進行を抑制し改善するための治療剤の投与や生活指導等の介入療法が的確に行なえるようになる。例えば、GAD抗体の場合、血清中のGAD抗体の濃度が0.1U/ml以上であれば、糖尿病初期であると診断して、介入療法を開始し、糖尿病の進行を抑制・改善することを行う。
本発明の「介入療法」とは、プロトコールに基づく生活習慣(食事・身体活動中心)の改善またはインスリン療法を言う。即ち、食事療法や運動療法を生活習慣の中に取り入れ、必要カロリーと消費カロリーのコントロールを行なうものであり、精神的なストレスを軽減するよう指導して、糖尿病の発症にかかわる要因を削除軽減することを行なう。更には、初期症状のSPIDDM患者に対しては、出来るだけ早期にインスリン療法を行なうことを介入療法として含むものである。上記の糖尿病性疾患の進行度評価方法を用いて、早期の介入療法を開始することにより、インスリン分泌能の低下を抑制、回避し、症状を改善することができる。
(実施例1)GAD抗体に対するICT−EIA法
(1)試薬類
a)一般試薬:
牛血清アルブミン(BSA)は、ナカライテスク(京都)より、ストレプトアビジンは和光純薬工業(大阪)より購入した。この他の一般試薬はナカライテスクおよび和光純薬工業より購入した。
b)抗体:
ウサギ抗2,4−ジニトロフェニル基(DNP)−ウシ血清アルブミン(BSA)血清は、シバヤギ社(群馬)より購入した。
b)抗原:
リコビナント・ヒト・GAD65は、RSR Limited (Cardiff, UK)より購入した。
c)緩衝液:
0.1M NaCl, 0.1% BSA, 1mM MgCl2および0.1% NaN3を含む0.01M リン酸ナトリウム緩衝液(pH 7.0)を緩衝液A、0.4M NaCl, 0.1% BSA, 1mM MgCl2および0.1% NaN3を含む0.01M リン酸ナトリウム緩衝液(pH 7.0)を緩衝液B、0.1M NaCl, 0.01% BSA, 1mM MgCl2および0.1% NaN3を含む0.01M リン酸ナトリウム緩衝液(pH 7.0)を緩衝液C、0.1M NaClを含む0.01M リン酸ナトリウム緩衝液(pH 7.0)を緩衝液D、5mM EDTAを含む0.1M リン酸ナトリウム緩衝液(pH 6.0)を緩衝液Eとした。
d)ELISAキット:
GAD抗体のELISAキットは、RSR Limited (Cardiff, UK)より購入した。
(2)標識化抗原等
a)DNP化標識GAD,β−D−ガラクトシダーゼ標識GAD:
1)チオール基導入GADの調製:
0.1M Tris−HCl, pH8.5 に溶解されているGAD溶液0.4mg / 0.48mlにDMFで溶解した13mM SATA 10μlを加え、30℃、30分間インキュベーションした。インキュベーション後、反応液に4M hydroxylamine 10μlを加え、30℃、5分間インキュベーションした。インキュベーション後、反応液は、緩衝液Eにより平衡化したSephadex G−50 (5ml) カラムによる遠心脱塩法を用い(文献)、過剰の試薬を取り除き、得られたチオール基導入GADは、以下の標識に供した。GAD1分子当たり4.0分子のチオール基が導入された。
2)マレイミド基導入DNPの調製:
DNP−Lys 1.8mgをDMF 0.18mlに溶解後、0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH 7.0)0.72mlを加え、DMFに溶解した 4mM EMCS 0.1mlを加え、30℃、30分間インキュベーションし、マレイミド基導入DNP−Lysを調整した。
3)マレイミド基導入β−D−ガラクトシダーゼの調製:
β−D−ガラクトシダーゼ 3mgを緩衝液E 0.52mlに溶解し、DMFに溶解した50mM N,N’−(o−phenylene) dimaleimide(OPDM)(Sigma−Aldrich)26.3μlを加え、30℃、30分間インキュベーションした。インキュベーション後、反応液は、緩衝液Eにより平衡化したSephadex G−50(5ml)カラムによる遠心脱塩法を用い(文献)、過剰の試薬を取り除き、得られたマレイミド基導入β−D−ガラクトシダーゼは、以下の標識に供した。β−D−ガラクトシダーゼ1分子当たり15.6分子のマレイミド基が導入された。
4)DNP化標識GADの調整:
マレイミド基を導入したDNPとチオール基を導入したGADをそれぞれ、160μMと17μMになるように混合し、4℃、17時間インキュベーションした。インキュベーション後、反応液に緩衝液Eに溶解した100mM ME 10μlを加え、30℃、5分間インキュベーション後、100mM NEM 20μlを加え、30℃、5分間インキュベーションし、未反応のチオール基およびマレイミド基をブロックした。反応液は0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH 7.0)により平衡化したSephadex G−50 (5ml) カラムによる遠心脱塩法を用い(文献)、過剰の試薬を取り除き、DNP化標識抗原コンジュゲート(捕捉用)を得た。
5)β−D−ガラクトシダーゼ標識GADの調整:
マレイミド基を導入したβ−D−ガラクトシダーゼとチオール基を導入したGADをそれぞれ、3.4μMと8.5μMになるように混合し、4℃、17時間インキュベーションした。インキュベーション後、反応液に緩衝液Eに溶解した100mM ME 10μlを加え、30℃、5分間インキュベーション後、100mM NEM 20μlを加え、30℃、5分間インキュベーションし、未反応のチオール基およびマレイミド基をブロックした。次いで、反応液を緩衝液Cにより平衡化したUltrogel AcA22(1.5×45cm)に添加し、β−D−ガラクトシダーゼ標識抗原コンジュゲート(検出用)を得た。
b)DNP化ビオチン化標識GAD:
1)チオール基導入GADの調製:
0.1M Tris−HCl, pH8.5 に溶解されているGAD溶液0.4mg / 0.48mlにDMFで溶解した13mM SATA 10μlを加え、30℃、30分間インキュベーションした。インキュベーション後、反応液に4M hydroxylamine 10μlを加え、30℃、5分間インキュベーションした。インキュベーション後、反応液は、緩衝液Eにより平衡化したSephadex G−50 (5ml) カラムによる遠心脱塩法を用い(文献)、過剰の試薬を取り除き、得られたチオール基導入GADは、以下の標識に供した。GAD1分子当たり4.2分子のチオール基が導入された。
2)マレイミド基導入DNPの調製:
DNP−Lys 1.0mgをDMF 0.1mlに溶解後、0.1M リン酸ナトリウム緩衝液(pH 7.0)0.8mlを加え、DMFに溶解した0.6mM EMCS 0.1mlを加え、30℃、30分間インキュベーションし、マレイミド基導入DNP−Lysを調整した。
3)マレイミド基導入ビオチンの調製:
ビオチン−Lys 1.0mgに0.1M リン酸ナトリウム緩衝液(pH 7.0)0.9mlを加え、DMFに溶解した0.2mM EMCS 0.1mlを加え、30℃、30分間インキュベーションし、マレイミド基導入ビオチン−Lysを調整した。
4)DNP化ビオチン化標識GADの調整:
マレイミド基を導入したDNPとマレイミド基を導入したビオチンを同量の割合で合せ、マレイミド基導入DNPとマレイミド基導入ビオチンの混合液を作成した。混合液およびチオール基を導入したGADをそれぞれ、78μMと19μMになるように混合し、4℃、17時間インキュベーションした。インキュベーション後、反応液に緩衝液Eに溶解した100mM ME 10μlを加え、30℃、5分間インキュベーション後、100mM NEM 20μlを加え、30℃、5分間インキュベーションし、未反応のチオール基およびマレイミド基をブロックした。反応液は透析用セルロースチューブ(三光純薬株式会社 東京)を用い、緩衝液(0.1M リン酸ナトリウム緩衝液 pH 7.0)に対して透析を行い、過剰の試薬を取り除き、DNP化ビオチン化標識抗原コンジュゲート(捕捉用)を得た。GAD1分子当たり1.3分子のDNPおよび2.9分子のビオチンが導入された。
(3)実験材料等
a)固相の調製:
アフィニティー精製した抗DNP−IgGおよび抗human IgG−IgGは、直径6.4mmのポリスチレンビーズ(イムノケミカル、岡山)と一夜室温で浸漬後、緩衝液Aで洗浄し、4℃で保存した。ビオチン化BSAは、直径6.4mmのポリスチレンビーズと一夜室温で浸漬後、0.1M リン酸ナトリウム緩衝液(pH 7.5)で洗浄し、さらにストレプトアビジン溶液に一夜室温で浸漬後、緩衝液Aで洗浄し、4℃で保存した。
b)血液サンプル:
血清サンプルは、12時間絶食後の早朝空腹時に採血し(NIPRO, 22G ホルダー付, 大阪)、室温30分静置後、遠心分離機(テーブルトップ 冷却遠心機 2800 KUBOTA, 株式会社久保田製作所, 東京)で3000rpm、10分遠心し、血清を得た。血清はマイナス20℃で保存した。
c)デキストラン−チャーコールの調整:
チャーコール(ナカライテスク)1.2gを蒸留水で数回洗浄後、蒸留水で10mlにした。これにデキストラン(Sigma)0.3gを加えて撹拌した。次に、メチルセルロース(Sigma−Aldric)30mgを緩衝液A 10mlの上に載せ、撹拌せずに4℃で16時間かけて溶解させた。調製したデキストラン−チャーコール液にメチルセルロース液を同じ割合で混合し、15分間撹拌してデキストラン−チャーコール(以降DCとする)液とし、4℃で保存した。
d)DC液による血清処理:
血清50μlに緩衝液A 150μlを加えて希釈後、さらに0.4M HClを13.6μl加えて酸性化した。1分後、上記のDC液を72.8μl加え、6分間振盪した後、0.4M NaOHを13.6μl加えて中和した。中和後1500×g, 15分間遠心し、上清を取り出して、この上清をさらにもう1回同様に遠心し、完全にDCを除いた後、4℃で保存した。
(4)方法
a)GAD抗体に対するICT−EIA−1法:
20倍希釈した血清(100μl)とDNP化標識GADおよびβ−D−ガラクトシダーゼ標識GAD、1.0μM 不活性β−D−ガラクトシダーゼを緩衝液Aに溶解した混合液(100μl)を混合し、4℃、16時間インキュベーションして、酵素標識抗原・GAD抗体・補足用標識抗原の3者からなる免疫複合体を形成された。次いで、この反応液にアフィニティー精製抗DNP−IgG不溶化固相ポリスチレンビーズ1個を加え、0.5時間反応させてビーズ上に免疫複合体を補足した。このビーズを緩衝液C(2ml)で2回洗浄後、緩衝液Aに溶解した2mM DNP−Lys(150μl)と0.5時間反応させビーズから免疫複合体を溶出させた。抗DNP−IgG不溶化固相ポリスチレンビーズを除去した後、溶出液にアフィニティー精製抗human IgG−IgG不溶化固相ポリスチレンビーズ1個を加え、さらに0.5時間反応させ、第2のビーズ上に免疫複合体を転移させた。ビーズとの反応はすべて25℃で210回/分の振盪下に行った。再びビーズを緩衝液C(2ml)で3回洗浄後、ビーズ上に転移させたβ−D−ガラクトシダーゼ活性を0.2mM 4−Methylumbelliferyl β−D−galactopyranoside(蛍光基質; 4MUG)(200μl)を用いて30℃でインキュベーションし、0.1M グリシンナトリウム緩衝液(pH 10.5)(2ml)を加え反応を停止後、蛍光分光光度計(F−2500、日立)を用いて測定した。なお、励起波長360nm、蛍光波長450nmを用い、蛍光強度は10−8M 4MUを100として換算した。
b)GAD抗体に対するICT−EIA−2法:
20倍希釈した希釈血清(100μl)にDNP標識GADとビオチン標識GAD、1.0μM 不活性β−D−ガラクトシダーゼを緩衝液Bに溶解した混合液(100μl)を加えて混合し、4℃、16時間インキュベーションして、DNP標識抗原・自己抗体・Biocytin標識抗原の3者からなる免疫複合体を形成した。次いで、この反応液にアフィニティー精製抗DNP−IgG不溶化ポリスチレンビーズ1個を加え、0.5時間反応させてビーズ上に免疫複合体を補足した。その後、溶液のみを吸い出し、そこにストレプトアビジン標識酵素を100μl添加し、さらに0.5時間反応させてビオチン標識GADとストレプトアビジン標識酵素を結合させた。このビーズを緩衝液C(2ml)で2回洗浄後、緩衝液Aに溶解した2mM DNP−Lys(150μl)と0.5時間反応させビーズから免疫複合体を溶出させた。抗DNP−IgG不溶化固相ポリスチレンビーズを除去した後、溶出液にアフィニティー精製抗human IgG−IgG不溶化固相ポリスチレンビーズ1個を加え、さらに0.5時間反応させ、第2のビーズ上に免疫複合体を転移させた。ビーズとの反応は、すべて25℃で210回/分の振盪下に行った。再びビーズを緩衝液C(2ml)で3回洗浄後、ビーズ上に転移させたβ−D−ガラクトシダーゼ活性を0.2mM 4−Methylumbelliferyl β−D−galactopyranoside(蛍光基質; 4MUG)(200μl)を用いて30℃でインキュベーションし、0.1M グリシンナトリウム緩衝液(pH 10.5)(2ml)を加え反応を停止後、蛍光分光光度計(F−2500、日立)を用いて測定した。なお、励起波長360nm、蛍光波長450nmを用い、蛍光強度は10−8M 4MUを100として換算した。
(実施例2)ICT−EIA−1法およびICT−EIA−2法、ELISA法の検出感度の比較
(1)対象者等
a)対象者:
非糖尿病対象者(73名)、高インスリン血症患者(9名)、抗甲状腺剤(メチマゾール)投与中のバセドウ病患者(30名)、橋本病(20名)、2型糖尿病患者(30名; インスリン未治療: 7名、インスリン治療中: 15名、インスリン治療不明: 8名)、1型糖尿病患者(24名; インスリン治療中: 21名、インスリン治療不明: 3名)から試料を採取した。
b)インフォームドコンセント:
本研究で行った試験については、徳島文理大学倫理委員会(承認番号 第4号)の承認を得て行った。対象者にはインフォームドコンセントを行い、同意を得た上で試験を実施した。
c)統計処理
カットオフ値の設定は、非糖尿病対象者の蛍光強度の平均値+2SDとした。また、2変量間の相関関係については、Speamanの順位相関係数を算出した。統計解析には、SPSS20.0.0を用い、統計学的有意水準を5%に設定した。
(2)血清使用量の検討
ICT−EIA−1法およびICT−EIA−2法の血清使用量を1型糖尿病患者血清を用いて検討を行った。1型糖尿病患者血清の希釈には、健常者の血清を用いた。
ICT−EIA−1法は健常者血清100μl中に1型糖尿病患者血清をそれぞれ10μl、20μl、30μl、50μl含まれているように調製した。その結果、ICT−EIA−1法は20μlまでは比例的に蛍光強度の増加がみられたが、20μl以降で蛍光強度の大きな増加が見られなかった。また、20μlまで蛍光強度の上昇は確認できたが、10μlの蛍光強度と比べて1.3倍しか差は見られなかった。このことから、ICT−EIA−1法による血清の最大使用量を10μlとした。ただし、本試験では各対象者の血清の残量が少ないことから、各対象者のGAD抗体の測定には使用血清量を5μlとすることにした。
ICT−EIA−2法は健常者血清100μl中に1型糖尿病患者血清をそれぞれ1μl、2μl、5μl、10μl、20μl、30μl、40μl、50μl含まれているように調製した。その結果、ICT−EIA−2法は5μlまでは蛍光強度の増加がみられたが、5μl以降で蛍光強度の減少傾向が見られた。このことから、ICT−EIA−2法による血清の最大使用量を5μlとした。
(3)本願発明方法とELISA法との検出感度比較
ICT−EIA−1法およびICT−EIA−2法、第1世代ELISA法、第2世代ELISA法、第3世代ELISA法、第3世代改良型ELISA法、ELISA kitの他にICT−EIA−3法(DNP−ビオチン標識GADおよびGAD抗体、酵素標識GADの3者から免疫複合体を形成させる)によるGAD抗体の検出感度についてGAD抗体陽性糖尿病血清を用いて比較した。なお、GAD抗体陽性糖尿病血清の希釈には、健常者の血清を用いた。
なお、第1世代ELISA法、第2世代ELISA法、第3世代ELISA法とは、以下のことを言う。第1世代のELISA法とは、固相に不溶化させた抗原により血清中の測定すべき特異抗体を捕捉し、次いでこの特異抗体に酵素標識した抗イムノグロブリン抗体(第2抗体)を反応させて標識し、最後に酵素活性を測定する方法である。しかし、血清中の多量に存在する非特異抗体が固相に非特異的に吸着し、この非特異抗体と酵素標識第2抗体が結合し、この酵素の酵素活性も一緒に測定してしまうことから、バックグラウンドが高くなり、微量の特異抗体を測定することが困難となる。そこで、この第1世代の欠点を補うべく第2世代のELISA法が開発されている。
第2世代のELISA法とは、固相に不溶化させた第2抗体により、まず血清中の測定すべき特異抗体も含めた総イムノグロブリンを捕捉する。次いでこの捕捉された総抗体中の特異抗体に酵素標識抗原を反応させ、最後に、酵素活性を測定する方法である。しかし、この方法でも、酵素標識抗原が固相に吸着することから、バックグラウンドが高いままであった。また、固相に不溶化させた第2抗体は、測定すべき特異抗体以外の非特異抗体をも捕捉してしまうことから、固相上の第2抗体量に限界があり、血清試料を少量しか使用することができない。そこで、さらに第3世代のELISA法が開発されている。
第3世代のELISA法とは、固相に不溶化させた抗原により、まず血清中の測定すべき特異抗体を捕捉し、次いでこの捕捉された特異抗体に酵素標識抗原を反応させ、最後に、酵素活性を測定する方法である。しかし、この方法においても第2世代より検出感度は向上されたが、まだバックグランドが高い状態であった。また、この方法では全てのサブクラスの抗体や抗体以外の抗原結合物質も検出してしまうため、自己抗体であるかの判断が困難である。
今回、第1世代ELISA法および第2世代ELISA法を用いた場合では、GAD抗体を検出することはできなかった。第3世代ELISA法および第3世代改良型ELISA法による検出感度は、10U/mlおよび100U/mlであり、第3世代改良型ELISA法の方が第3世代ELISA法より10倍高感度であった。
第3世代改良型ELISA法およびELISA kitの検出感度では、ともに10U/mlであったが、第3世代改良型ELISA法のNonspecificの蛍光強度が高いものであった。
一方、ICT−EIA−1法およびICT−EIA−2法による検出感度は、ともに0.3U/mlであり、ELISA kitに比べ、30倍高感度であった(図2参照)。また、ICT−EIA−1法およびICT−EIA−2法を比較したところ、検出感度は同じではあったが、蛍光強度のSpecific / Nonspecific比(S/N比)では、ICT−EIA−1法が高く、蛍光強度値においてもGAD抗体の高濃度領域ではICT−EIA−1法が高い値を示した。
(実施例3)ICT−EIA−1法およびICT−EIA−2法の特異性検討
(1)十分な阻害効果を得る為のGAD添加量の検討
ICT−EIA−1法およびICT−EIA−2法の特異性を検討するため、高濃度のGAD溶液の添加を行うが、GADは非常に高価で貴重なため、GAD溶液の添加量の検討を行った。
ICT−EIA−1法を用いてGADの添加量をそれぞれ0.1、0.3、1.0、3.0pmol/tubeになるように添加した。その結果、3.0pmol/tubeで80%以上の阻害が確認された。このことから、以降の特異性試験において、GAD溶液の添加量は3.0pmol/tubeになるように添加することとした。
(2)ICT−EIA−1法およびICT−EIA−2法の特異性検討
ICT−EIA−1法およびICT−EIA−2法の特異性を1型糖尿病患者血清と同じく自己免疫疾患であるバセドウ病ならびに橋本病患者血清を用いて検討した。その結果を以下の表1に示す。
(実施例4)ICT−EIA−1法およびICT−EIA−2法の再現性
50、100倍に希釈した1型糖尿病患者血清を用いてICT−EIA−1法の同時再現性を検討した。その結果を以下の表2に示す。
また、同じく50、100倍に希釈した1型糖尿病患者血清を用いてICT−EIA−2法の同時再現性を検討した。その結果も上記表2に示されるごとく、同時再現性は4.8〜5.2%(n=10)と良好であった。
(実施例5)ICT−EIA法によるGAD抗体の検出評価
(1)ICT−EIA−1法によるGAD抗体の検出
非糖尿病対象者(32名)、2型糖尿病患者(30名)、1型糖尿病患者(23名)の血清をICT−EIA−1法を用い測定した(図3を参照)。カットオフ値を蛍光強度1.8とした。
その結果、カットオフ値を越える蛍光強度を示したのは、非糖尿病対象者では1/33名であった。2型糖尿病患者では3/29名であった。一方、1型糖尿病患者では11/22名であった。
カットオフ値を越えた対象者に対して上記実施例2(1)と同様の手法により、陽性の確認を行った。なお、血清に過剰量のGADを添加し、蛍光強度が50%以上阻害されたものを陽性と判断した。ただし、阻害率が50%以上でなくとも、蛍光強度がカットオフ値の3倍以上で、阻害率が50%に近ければ、それも陽性と判断することにした。その結果、2型糖尿病患者の4名中3名は48〜100%、1型糖尿病患者の13名中13名は40〜100%阻害された。また、非糖尿病対象者の1名は阻害されなかった。その結果、カットオフ値を越えた対象者の中で非糖尿病対象者および2型糖尿病患者の1部を除くほとんどの対象者が陽性であることが示された。その結果を表3に示す。
その結果、カットオフ値を越える蛍光強度を示したのは、非糖尿病対象者では0/32名、2型糖尿病患者では9/30名であった。一方、1型糖尿病患者では17/23名であった。
(2)ICT−EIA−2法によるGAD抗体の検出
非糖尿病対象者(34名)、2型糖尿病患者(29名)、1型糖尿病患者(22名)の血清をICT−EIA−2法を用い測定した(図4参照)。カットオフ値を蛍光強度8.1とした。
その結果、カットオフ値を越える蛍光強度を示したのは、非糖尿病対象者では3/34名であった。2型糖尿病患者では1/29名であった。一方、1型糖尿病患者では10/22名であった。
カットオフ値を越えた対象者に対して実施例2(1)と同様の手法により、陽性の確認を行った。なお、判定はICT−EIA−1法と同様の基準で行った。その結果、2型糖尿病患者の1名は94%、1型糖尿病患者の10名は88〜100%阻害された。また、非糖尿病対象者の3名はほとんど阻害されなかった。その結果、カットオフ値を越えた対象者の中で非糖尿病対象者を除くほとんどの対象者が陽性であることが示された(表3参照)。
また、上記(1)と同じく特異シグナルを求めた。カットオフ値を蛍光強度0.4とした。
その結果、カットオフ値を越える蛍光強度を示したのは、非糖尿病対象者では0/34名であった。2型糖尿病患者では23/29名であった。一方、1型糖尿病患者では17/22名であった。
(実施例5)ELISA法およびICT−EIA−1法またはICT−EIA−2法の相関関係
1型糖尿病患者および2型糖尿病患者の結果からELISA法およびICT−EIA−1法またはICT−EIA−2法との間で相関関係を検討した。ICT−EIA法では特異シグナルを用い、特異シグナルが未検出であったものは、ICT−EIA法およびELISA法ともに除外して相関関係の検討を行った。その結果、ELISA法およびICT−EIA−1法との間で有意な相関関係(r=0.555、p<0.000)がみられた(図5参照)。また、ICT−EIA−1法およびELISA法ともに陽性であった患者のみで相関関係を検討した結果、さらに有意な相関関係(r=0.794、p<0.000)がみられた。
ELISA法およびICT−EIA−2法との間でも有意な相関関係(r=0.494、p<0.001)がみられた(図6参照)。また、ICT−EIA−2法およびELISA法ともに陽性であった患者のみで相関関係を検討した結果、さらに有意な相関関係(r=0.786、p<0.000)がみられた。
ELISA法では1型糖尿病患者(22名)と2型糖尿病患者(29名)の中から計31名の陽性者を検出したが、EICT−EIA−1法では、ELISA法で陰性とされていた中から8名の陽性者を検出し、ICT−EIA−2法では、16名の陽性者を検出することができた。その結果を以下の表4に示す。
非糖尿病対象者(34名)、2型糖尿病患者(29名)、1型糖尿病患者(22名)の血清をELISAキットで測定した。カットオフ値を吸光度0.10とした。その結果、カットオフ値を越える吸光度を示したのは、非糖尿病対象者では1/34名であった。2型糖尿病患者では14/29名であった。一方、1型糖尿病患者では17/22名であった(表3参照)。
(実施例6)ICT−EIA−2法によるインスリン自己抗体の検出感度
(1)検討サンプル:
インスリン自己抗体陽性者の血清を用いて比較した。
(2)検出方法:
公知文献(Cli Biochem.2012,45(13−14):1086−91)に記載の方法に準じて、上記のインスリン自己抗体を測定した。
上記文献方法は、ICT−EIA−1法の問題点であったインスリン標識体と抗体との立体障害を減じるために、インスリンを低分子DNPやビオチンで標識し、次にこれらの標識体と抗体を反応させて免疫複合体を形成させておくことに特徴がある。
健常者のインスリン除去血清で希釈したインスリン自己抗体陽性者(1型糖尿病患者)の血清を上記文献方法とELISAキットを用いて測定し、検出感度を比較した。
(3)検出感度:
図9に示されるように、ELISAキットに対してICT−EIA−2法は、インスリン自己応対を1,000倍高感度に検出することができた。また、ICT−EIA−1法と比較すると10倍高感度であった。
(実施例7)インスリン自己抗体およびGAD抗体に対するICT−EIA−2法の同時検出方法
本同時検出法では、図8に示されるように、インスリン自己抗体およびGAD抗体用の各標識体を1つに合わせた検出系を使用する。本検出方法で使用されるICT−EIA−2法は、その特徴の1つでもあるが、標識抗原を換えれば、同じ固相および同じ操作で種々の抗体が検出できる。そこで、インスリン自己抗体およびGAD抗体用の2種の各標識抗原等の使用試剤を一つにして使用することにより、1回の測定で各自己抗体の合計のシグナルを検出することができる。
また、2種の各自己抗体の蛍光強度が合わさることで、各自己抗体の有無により、陽性者と陰性者の間で蛍光強度の差が大きく開くので、これらの自己抗体陽性患者の早期の検出が容易になる。
以上のことから、より一層1型糖尿病およびSPIDDMを正確に発症予知または診断ができるようになる。
また、インスリン自己抗体およびGAD抗体に対する標識抗原等の使用試剤を一つにして使用することにより、より一層1型糖尿病およびSPIDDMを正確に発症予知または診断ができるようになっている。
Claims (3)
- GAD抗体の2点結合免疫複合体転移酵素免疫測定方法(ICT−EIA法)であって、以下の5つの反応工程(a法)または6つの反応工程(b法)で測定されることを特徴とする、GAD抗体測定方法、
a)5つの反応工程:
1)GAD抗体とDNP−ビオチン標識GAD抗原、酵素標識GAD抗原で免疫複合体を形成させる、
2)上記免疫複合体を抗DNP抗体不溶化固相と反応させて、固相に免疫複合体を捕捉させる、
3)上記固相に捕捉された免疫複合体をDNP−リジンを用いて固相から溶出させる、
4)上記固相から溶出させた免疫複合体をストレプトアビジン不溶化固相と反応させ、ストレプトアビジン不溶化固相に免疫複合体を転移させる、
5)免疫複合体に含まれる標識酵素を用いて、基質と反応させ、生成物の蛍光を測定することによって免疫複合体の濃度(GAD抗体の濃度)を測定する、または、
b)6つの反応工程:
1)GAD抗体とDNP標識GAD抗原、ビオチン標識GAD抗原で免疫複合体を形成させる、
2)上記免疫複合体を抗DNP抗体不溶化固相と反応させて、固相に免疫複合体を捕捉させる、
3)上記固相に捕捉された免疫複合体と酵素標識ストレプトアビジンを反応させて、免疫複合体に酵素標識ストレプトアビジンを結合させる、
4)上記固相で酵素標識ストレプトアビジン化された免疫複合体をDNP−リジンを用いて固相から溶出させる、
5)上記固相から溶出させた免疫複合体を抗イムノグロブリン抗体不溶化固相と反応させ、抗イムノグロブリン抗体不溶化固相に免疫複合体を転移させる、
6)免疫複合体に含まれる標識酵素を用いて、基質と反応させ、生成物の蛍光を測定することによって免疫複合体の濃度(GAD抗体の濃度)を測定する。 - 上記6つの反応工程(b法)で測定されることを特徴とする、請求項1記載のGAD抗体測定方法。
- 上記酵素が、β−D−ガラクトシダーゼであることを特徴とする、請求項1または2に記載のGAD抗体測定方法。
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